(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】光学系および撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 13/04 20060101AFI20241105BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20241105BHJP
G02B 23/26 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
G02B13/04
G02B13/18
G02B23/26 C
(21)【出願番号】P 2021003688
(22)【出願日】2021-01-13
【審査請求日】2023-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】小林 幹生
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/203594(WO,A1)
【文献】特開平7-318799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 23/24 - 23/26
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された第1ユニットと第2ユニットからなる光学系であって、
前記第1ユニットは、第1基板と、該第1基板の像側に配置された負のパワーの第1レンズとを有し、
前記第2ユニットは、第2基板と、該第2基板の像側に配置された正のパワーの第2レンズとを有し、
前記第2レンズの光軸上でのパワーの絶対値は、前記第1レンズの光軸上でのパワーの絶対値よりも大きく、
前記第1レンズの像側の面は非球面であり、
前記第1レンズの前記非球面において、有効領域の最外周部でのパワーは、光軸上でのパワーよりも小さ
く、
前記第1レンズの有効領域の最外周部に対する光軸上でのパワー比をrp1とするとき、
1.90<|rp1|<20.00
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記第1レンズの光軸上でのパワーをP1、第2レンズの光軸上でのパワーをP2とするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
1.10<|P2/P1|<8.00
【請求項3】
前記第2レンズの像側の面は非球面であり、
前記第2レンズの前記非球面において、有効領域の最外周部でのパワーは、光軸上でのパワーよりも小さいことを特徴とする請求項1
または2に記載の光学系。
【請求項4】
前記第2レンズの有効領域の最外周部に対する光軸上でのパワー比をrp2とするとき、
1.25<|rp2|<10.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項5】
前記第1ユニットよりも像側に開口絞りが配置されていることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項6】
前記開口絞りは、前記第2基板の上に配置されていることを特徴とする請求項
5に記載の光学系。
【請求項7】
前記第1レンズの有効領域の最外周部の曲率半径をR1e、前記第1レンズの像側の面から前記開口絞りまでの光軸上の距離をd1とするとき、
1.00<R1e/d1<30.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項
5または
6に記載の光学系。
【請求項8】
前記第1ユニットの物体側の面から前記開口絞りまでの光軸上の距離をd0、前記第1レンズの光軸上の曲率半径をR1とするとき、
0.53<d0/R1<5.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項
5乃至
7のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項9】
0.70<d0/R1<5.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項8に記載の光学系。
【請求項10】
前記第1レンズのd線における屈折率をN1とするとき、
1.40<N1<1.65
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項11】
前記第2レンズのd線における屈折率をN2とするとき、
1.40<N2<1.65
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項12】
前記第1レンズのd線を基準としたアッベ数をν1とするとき、
40<ν1<80
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項13】
前記第2レンズのd線を基準としたアッベ数をν2とするとき、
40<ν2<80
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項14】
前記第1基板と前記第1レンズの屈折率は互いに異なることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項15】
前記第2基板と前記第2レンズの屈折率は互いに異なることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項16】
前記第1基板は平面基板、前記第1レンズは平凹レンズであり、前記第1レンズは、前記第1基板に密着して配置されており、
前記第2基板は平面基板、前記第2レンズは平凸レンズであり、前記第2レンズは、前記第2基板に密着して配置されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか一項に記載の光学系と、該光学系によって形成された像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、低コストで小型の光学系を製造する方法として、ウエハレベルオプティクスと呼ばれる技術が知られている。特許文献1には、ウエハレベルオプティクスにより製造された3面のレンズ面からなる光学系が開示されている。特許文献2には、2面のレンズ面からなる光学系が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9798115号明細書
【文献】国際公開第2018/220937号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された光学系は、3面のレンズ面から構成されているため、製造工程が多く製造コストが高い。特許文献2に開示された光学系は、全長が長いため小型化が困難である。また特許文献2の光学系の製造工程では、ウエハプロセスを用いていない工程があるため、光学系を低コストで製造することができない。また、内視鏡用や携帯電話用の小型の光学系としては、高い光学性能を有する広角な光学系が望まれている。
【0005】
そこで本発明は、小型かつ低コストで高い光学性能を有する広角な光学系および撮像装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての光学系は、物体側から像側へ順に配置された第1ユニットと第2ユニットとを有する光学系であって、前記第1ユニットは、第1基板と、該第1基板の像側に配置された負のパワーの第1レンズからなり、前記第2ユニットは、第2基板と、該第2基板の像側に配置された正のパワーの第2レンズとを有し、前記第2レンズの光軸上でのパワーの絶対値は、前記第1レンズの光軸上でのパワーの絶対値よりも大きく、前記第1レンズの像側の面は非球面であり、前記第1レンズの前記非球面において、有効領域の最外周部でのパワーは、光軸上でのパワーよりも小さく、前記第1レンズの有効領域の最外周部に対する光軸上でのパワー比をrp1とするとき、
1.90<|rp1|<20.00
なる条件式を満足する。
【0007】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小型かつ低コストで高い光学性能を有する広角な光学系および撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図15】実施例8における電子機器の要部概略図である。
【
図16】実施例9における撮像装置の要部概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
各実施例の光学系は、ウエハレベルオプティクスと呼ばれる技術を用いて得られる小型な光学系である。このような光学系はウエハレベルレンズと呼ばれ、ウエハレベルレンズを撮像光学系として用いた撮像装置は、ウエハレベルカメラと呼ばれる。各実施例の光学系は、小型かつ低コストであるという特徴から、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル端末などの電子機器の組み込み用カメラの光学系や、内視鏡の対物光学系として適して用いられる。
【0012】
図1、
図3、
図5、
図7、
図9、
図11、および
図13はそれぞれ、実施例1~7の光学系1a~1gの断面図である。各断面図において、左方が物体側(前方)、右方が像側(後方)である。SPは開口絞り、IPは像面である。像面IPには、撮像装置におけるCCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子の撮像面や、銀塩フィルムカメラのフィルム面に相当する感光面が配置される。
【0013】
図2、
図4、
図6、
図8、
図10、
図12および
図14はそれぞれ、実施例1~7の光学系1a~1gの収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、球面収差図にはd線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)、C線(波長656.3nm)、およびF線(波長486.1nm)に対する球面収差量をそれぞれ示す。非点収差図において、ΔSはサジタル像面における非点収差量(実線)、ΔMはメリディオナル像面における非点収差量(破線)を示す。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示す。倍率色収差図において、g線における色収差量を示す。Yは像高(最大像高)である。
【0014】
各実施例の光学系は、物体側から像側へ順に配置された第1ユニットL1と第2ユニットL2とを有する。第1ユニットL1は、第1基板L11と、第1基板L11の像側に配置された負のパワーの第1レンズL12とを有する。第2ユニットL2は、第2基板L21と、第2基板L21の像側に配置された正のパワーの第2レンズL22とを有する。第1ユニットL1よりも像側に開口絞りSPが配置されている。第2レンズL22の光軸OA上のパワーの絶対値は、第1レンズL12の光軸上でのパワーの絶対値よりも大きい。第1レンズL12の像側の面は非球面S1である。第1レンズL12の非球面S1において、周辺部(有効径の最外周部)のパワーは、中心部(光軸上)のパワーよりも小さい。なお、ここでの有効径(有効領域)とは、光学面において結像に寄与する有効光線が通過する径(領域)ことを示す。
【0015】
また各実施例の光学系は、第2ユニットL2の像側に配置されたカバーガラス50を有する。カバーガラス50は、イメージセンサ(撮像素子)や第2レンズL22を保護するために配置されている。
【0016】
第1基板L11は平面基板、第1レンズL12は平凹レンズである。第1レンズL12は、第1基板L11上に密着して配置されている。第2基板L21は平面基板、第2レンズL22は平凸レンズである。第2レンズL22は、第2基板L21上に密着して配置されている。
【0017】
各実施例では、小型で低コストな光学系を実現するため、第1ユニットL1および第2ユニットL2をウエハレベルプロセスで製造する。すなわち第1ユニットL1および第2ユニットL2はそれぞれ、ガラス材料からなるウエハ(平面基板)上に硬化性樹脂材料からなるレンズ層を形成することで製造される。第2ユニットL2においては、第2基板L21の物体側に、同様のウエハプロセスで開口絞りSPを形成する。ウエハレベルプロセスで製造した第1ユニットL1と第2ユニットL2、およびカバーガラス50やイメージセンサを所望の間隔をあけてそれぞれ配置し、有効径の外部などで接着した後に切断することで、多数のウエハレベルレンズを製造することができる。
【0018】
レンズ層を形成する材料は硬化性樹脂材料であれば、熱可塑性樹脂でも紫外線硬化型樹脂でも構わない。一例として、アクリル樹脂やシリコーン樹脂、シクロオレフィンポリマーなどがある。なお各実施例において、第1基板L11および第2基板L21はそれぞれガラスからなり、第1レンズL12および第2レンズL22はそれぞれ樹脂からなるが、これに限定されるものではない。第1基板L11と第1レンズL12との屈折率が互いに異なっていれば、例えば第1基板L11と第1レンズL12の両方を樹脂で形成してもよい。この点は、第2ユニットL2に関しても同様である。
【0019】
開口絞りSPは、例えばクロムなどの遮光膜を、マスクを用いて蒸着することや、蒸着後にエッチングにより開口部を形成することで、第2基板L21上に形成することができる。
【0020】
各実施例において、カバーガラス50は一体のガラス基板であるが、これに限定されるものではない。例えば、カバーガラスを2枚に分割して、一方を第2レンズL22側とウエハプロセスで周辺部を接着しウエハレンズ部とし、他方をイメージセンサのカバーガラスとしてセンサ部を製造した後、ウエハレンズ部とセンサ部とを互いの平面上で接着してもよい。
【0021】
各実施例において、第1レンズL12の中心部のパワーをP1、第2レンズの中心部のパワーをP2とするとき、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
【0022】
1.10<|P2/P1|<8.00 ・・・(1)
ここで、各レンズのパワーPは、各レンズの物体側の面と像側の面の屈折率差をΔN、各レンズの光軸上での曲率半径をRとするとき、P=ΔN/Rで与えられる。
【0023】
条件式(1)の下限を下回ると、第1レンズL12のパワーが大きくなり、第1レンズL1と開口絞りSPとの間隔が長くなり、最物体側の面の有効径が大きくなってしまう。一方、条件式(1)の上限を上回ると、第2レンズL22のパワーが大きくなり、像面湾曲などの諸収差が増大するとともに、レンズの曲率が大きくなり製造の難易度が高くなる。
【0024】
より好ましくは、条件式(1)の数値範囲は、以下の条件式(1a)のように設定される。
【0025】
1.15<|P2/P1|<7.00 ・・・(1a)
更に好ましくは、条件式(1)の数値範囲は、以下の条件式(1b)のように設定される。
【0026】
1.20<|P2/P1|<6.00 ・・・(1b)
また各実施例において、第1レンズの、周辺部に対する中心部のパワー比をRp1とするとき、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
【0027】
1.50<|Rp1|<20.00 ・・・(2)
ここで、第1レンズL12の周辺部に対する中心部のパワー比rp1は、以下の式(3)で計算される。
【0028】
rp1=R1e/R1 ・・・(3)
式(3)において、R1は第1レンズL12の像側の非球面S1の中心部の曲率半径、R1eは第1レンズL12の像側の非球面S1の周辺部の曲率半径である。
【0029】
各実施例における非球面の形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量とし、hを光軸に直交する方向の光軸からの高さとし、rを近軸曲率半径とし、kを円錐定数とし、Ai:(i=4,6,8…)を各次数の非球面係数とするとき、以下の式(a)で表される。
【0030】
【0031】
光軸方向の高さhにおける、非球面形状の傾きは、式(a)の微分から計算することができる。式(a)式の微分は、以下の式(b)で表される。
【0032】
【0033】
光軸方向の高さhにおける局所的な曲率半径Reは、式(b)の円錐係数kと各次数の非球面係数Aiを0として、以下の式(c)から求めることができる。
【0034】
【0035】
条件式(2)の下限を下回ると、第1レンズL12の非球面効果が小さくなり、軸外光における諸収差(像面湾曲や歪曲)の低減が困難となる。一方、条件式(2)の上限を上回ると、第1レンズL12の中心部のパワーが強くなり、最物体側の面の有効径が大きくなり、光学系が大きくなってしまう。
【0036】
好ましくは、条件式(2)の数値範囲は、以下の条件式(2a)のように設定される。
1.70<|rp1|<15.00 ・・・(2a)
より好ましくは、条件式(2)の数値範囲は、以下の条件式(2b)のように設定される。
1.90<|rp1|<12.00 ・・・(2b)
各実施例において、第2レンズL22の像側の面を非球面S2とし、第2レンズL22の非球面S2の中心部のパワーよりも周辺部のパワーを小さくすることで、更に良好に収差を補正することができる。
【0037】
具体的には、第2レンズL22の周辺部に対する中心部のパワー比をrp2とするとき、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0038】
1.25<|rp2|<10.00 ・・・(4)
ここで、第2レンズL22の周辺部に対する中心部のパワー比rp2は、以下の式(5)で計算される。
【0039】
rp2=R2e/R2 ・・・(5)
式(5)において、R2は第2レンズL22の像側の非球面の中心部の曲率半径、R2eは第2レンズL22の像側の非球面の周辺部の曲率半径であり、前述の式(a)、(b)、(c)と同様に算出される。
【0040】
より好ましくは、条件式(4)の数値範囲は、以下の条件式(4a)のように設定される。
【0041】
1.30<|rp2|<5.00 ・・・(4a)
更に好ましくは、条件式(4)の数値範囲は、以下の条件式(4b)のように設定される。
【0042】
1.30<|rp2|<3.00 ・・・(4b)
各実施例の光学系においては、開口絞りSPの前後にレンズ面を配置しつつ、各レンズ面のパワーを適切に設定することで、小型化と諸収差の低減を実現している。このため、第2ユニットL2は開口絞りSPを有することが好ましい。より好ましくは、開口絞りSPは、第2基板L21に近接して配置されている(例えば、第2基板L21の上に配置されている)。第2ユニットL2の第2基板L21に近接して開口絞りSPを配置することで、ウエハプロセスで開口絞りSPを形成することができるため、製造容易な構成となる。なお、開口絞りSPの位置は、空気面に面した第2基板L21の物体側の面でも、第2レンズL22に面した第2基板L21の像側の面のいずれに形成されていても、製造容易な構成となる。
【0043】
各実施例において、好ましくは、第1レンズL12の周辺部の曲率半径をR1e、第1レンズL12の像側の面から開口絞りSPまでの光軸上の距離をd1とするとき、以下の条件式(5)を満足する。
【0044】
1.00<R1e/d1<30.00 ・・・(5)
条件式(5)の下限を下回ると、第1レンズL12の周辺部のパワーが大きくなる(中心部のパワーに近くなる)ため、非球面効果が弱くなり、像面湾曲などの諸収差の低減が困難となる。一方、条件式(5)の上限を上回ると、開口絞りSPと第1レンズL12との間隔が小さくなり、軸上光束の球面収差と軸外光束の収差のバランスが良好でなくなり、諸収差の低減が困難となる。
【0045】
より好ましくは、条件式(5)の数値範囲は、以下の条件式(5a)のように設定される。
【0046】
1.10<R1e/d1<25.00 ・・・(5a)
更に好ましくは、条件式(5)の数値範囲は、以下の条件式(5b)のように設定される。
【0047】
1.30<R1e/d1<22.00 ・・・(5b)
また各実施例において、第1ユニットL1の物体側の面から開口絞りSPまでの光軸上の距離をd0、第1レンズL12の像側の面の中心部の曲率半径をR1とするとき、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
【0048】
0.53<d0/R1<5.00 ・・・(6)
条件式(6)の下限を下回ると、第1レンズL12のパワーが強くなるか、開口絞りSPまでの間隔が小さくなり、諸収差の軽減が困難となる。一方、条件式(6)の上限を上回ると、最物体側の面の有効径が大きくなり、光学系が大型化してしまう。
【0049】
より好ましくは、条件式(6)の数値範囲は、以下の条件式(6a)のように設定される。
【0050】
0.65<d0/R1<3.00 ・・・(6a)
更に好ましくは、条件式(6)の数値範囲は、以下の条件式(6b)のように設定される。
【0051】
0.70<d0/R1<2.50 ・・・(6b)
各実施例において、第1レンズL12および第2レンズL22はそれぞれ硬化性樹脂からなるため、製造容易な構成とすることができる。また、ウエハレベルオプティクスは、ウエハレベルレンズとイメージセンサとを接合した後にはんだ付けなどにより配線を設置するため、ある程度の高温に耐えられる樹脂が好ましい。また、各実施例の光学系を撮像光学系として用いる場合、複屈折が少ない材料を用いることが好ましい。以上より、ウエハレベルレンズに用いる樹脂材料としては、屈折率が1.5前後の材料を選択することが好ましい。
【0052】
各実施例において、第1レンズL12のd線における屈折率をN1とするとき、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
【0053】
1.40<N1<1.65 ・・・(7)
より好ましくは、条件式(7)の数値範囲は、以下の条件式(7a)のように設定される。
【0054】
1.45<N1<1.63 ・・・(7a)
また各実施例において、第2レンズL22のd線における屈折率をN2とするとき、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
【0055】
1.40<N2<1.65 ・・・(8)
より好ましくは、条件式(8)の数値範囲は、以下の条件式(8a)のように設定される。
【0056】
1.45<N2<1.63 ・・・(8a)
条件式(7)、(8)のそれぞれの下限を下回ると、各レンズの曲率が大きくなるため、製造難易度が高くなると共に、像面湾曲の補正が困難となる。一方、条件式(7)、(8)のそれぞれの上限を上回ると、材料の分散が大きくなるため色収差の増大が許容できなくなることや、複屈折が大きくなるなどするため、好ましくない。
【0057】
各実施例の光学系は、開口絞りSPの前後で負のパワーの第1レンズL12と正のパワーの第2レンズL22とで収差を打ち消す構成を有する。このため、第1レンズL12と第2レンズL22を共に低分散な材料をすることで、軸上色収差および倍率色収差を良好に補正することができる。
【0058】
各実施例において、第1レンズL12のd線を基準としたアッベ数をν1とするとき、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
【0059】
40<ν1<80 ・・・(9)
より好ましくは、条件式(9)の数値範囲は、以下の条件式(9a)のように設定される。
【0060】
45<ν1<70 ・・・(9a)
また各実施例において、第2レンズL22のd線を基準としたアッベ数をν2とするとき、以下の条件式(10)を満足することが好ましい。
【0061】
40<ν2<80 ・・・(10)
より好ましくは、条件式(10)の数値範囲は、以下の条件式(10a)のように設定される。
【0062】
45<ν2<70 ・・・(10a)
条件式(9)、(10)のそれぞれの下限を下回ると、色収差の補正が困難となる。一方、条件式(9)、(10)のそれぞれの上限を上回ると、屈折率が低くなり像面湾曲が増大することや、材料が高価になるため、好ましくない。
【0063】
また各実施例において、第1レンズL12と第2レンズL22のアッベ数ν1、ν2が近い方が色収差補正のバランスが良く好ましい。具体的には、以下の条件式(11)を満足することが好ましい。
【0064】
0≦|ν1-ν2|<15 ・・・(11)
なおd線を基準としたアッベ数νは、フラウンホーファ線のd線(波長587.6nm)、F線(波長486.1nm)、C線(波長656.3nm)における屈折率をnd、nF、nCとするとき、以下の式で表される。
【0065】
ν=(nd-1)/(nF-nC)
以下、各実施例の光学系について詳細に述べる。
【実施例1】
【0066】
まず、
図1を参照して、実施例1(数値実施例1)における光学系1aについて説明する。本実施例の光学系1aは、物体側から像側へ順に配置された第1ユニットL1と第2ユニットL2とを有する。第1ユニットL1は、第1基板(平面基板)L11と、第1基板L11の像側に配置された負のパワーの第1レンズ(平凹レンズ)L12とを有する。第2ユニットL2は、第2基板(平面基板)L21と、第2基板L21の像側に配置された正のパワーの第2レンズ(平凸レンズ)L22と、第2基板L21の物体側に配置された開口絞りSPとを有する。また光学系1aは、第2ユニットL2の像側に配置されたカバーガラス50を有する。カバーガラス50は、イメージセンサ(撮像素子)や第2レンズL22を保護するために配置されている。
【0067】
本実施例の光学系1aは、半画角59°、Fナンバーは2.8、像高0.28mmの光学系であり、小型でありながら明るく広角な光学系である。本実施例のように、半画角が50°以上の広角な光学系を小型化する場合、最も物体側の面における有効径を小さくしながら、全長を短く、諸収差を制御する必要がある。最物体側の面の有効径が大きくなると、1個の光学系のサイズが大きくなってしまうため、1枚のウエハから作成できる光学系の数が少なくなり、高コストな製造方法となってしまう。
【0068】
また、ウエハレベルオプティクスを内視鏡やスマートフォンなどの小型撮像装置に用いる場合、最も物体側の面をガラス材料などの、硬く、耐環境性に強い材料とすることが好ましい。また、ウエハプロセスにおいてガラス材料の表面を曲面とすることは難しいため、最も物体側の面は平面からなるガラス面とすることが好ましい。
【0069】
本実施例において、第2レンズL22の光軸OA上のパワーの絶対値は、第1レンズL12の光軸上でのパワーの絶対値よりも大きい。また、第1レンズL12の像側の面は非球面S1である。また第1レンズL12の非球面S1において、周辺部(有効径の最外周部)のパワーは、中心部(光軸上)のパワーよりも小さい。このような構成により、2枚のレンズ面の簡素な構成でありながら、広角で明るく、小型な光学系を実現することができる。すなわち本実施例の光学系1aによれば、入射角度が大きい軸外光の諸収差を良好に補正しながら、絞りと最物体側の面との間隔を小さくすることができる。その結果、最物体側の面の有効径を小さくすることが可能であり、小型な光学系を実現することができる。
【0070】
図2の収差図に示されるように、本実施例の光学系1aにおいて、小型な光学系でありながら画面周辺まで色収差や諸収差が良好に補正されている。
【実施例2】
【0071】
次に、
図3を参照して、実施例2(数値実施例2)における光学系1bについて説明する。本実施例の光学系1bの基本構成は、実施例1の光学系1aと同様である。一方、本実施例の光学系1bでは、第1ユニットL1の第1基板L11の厚さ(光軸方向の厚さ)、第2ユニットL2の第2基板L21の厚さ、およびカバーガラス50の厚さがそれぞれ実施例1の光学系1aよりも厚い。このため本実施例の光学系1bは、ウエハプロセスにおいて、搬送中の割れや変形などが起きにくく、製造容易な構成となっている。本実施例の光学系1bは、半画角59°、Fナンバーは2.9、像高0.28mmの光学系であり、小型でありながら明るく広角な光学系となっている。
図4に示されるように、本実施例の光学系1bにおいて、小型で明るく広角な光学系であるにもかかわらず、軸上から軸外光束まで諸収差が良好に補正されている。
【実施例3】
【0072】
次に、
図5を参照して、実施例3(数値実施例3)における光学系1cについて説明する。本実施例の光学系1cの基本構成は、実施例1の光学系1aと同様である。一方、本実施例の光学系1cでは、第1レンズL12の最小肉厚(光軸方向の厚さ)がそれぞれ実施例1の光学系1aよりも厚い。このため、ウエハプロセスにおいて樹脂成形の安定性に優れ、製造容易な構成となっている。本実施例の光学系1cは、半画角59°、Fナンバーは2.9、像高0.28mmの光学系であり、小型でありながら明るく広角な光学系となっている。
図6に示されるように、本実施例の光学系1cにおいて、小型で明るく広角な光学系であるにもかかわらず、軸上から軸外光束まで諸収差が良好に補正されている。
【実施例4】
【0073】
次に、
図7を参照して、実施例4(数値実施例4)における光学系1dについて説明する。本実施例の光学系1dでは、第2ユニットL2の開口絞りSPが第2ユニットL2の第2基板L21の像側に配置されている。本実施例の光学系1cは、半画角59°、Fナンバーは2.8、像高0.28mmの光学系であり、小型でありながら明るく広角な光学系となっている。
図8に示されるように、本実施例の光学系1dにおいて、小型で明るく広角な光学系であるにもかかわらず、軸上から軸外光束まで諸収差が良好に補正されている。
【実施例5】
【0074】
次に、
図9を参照して、実施例5(数値実施例5)における光学系1eについて説明する。本実施例の光学系1eの基本構成は、実施例1の光学系1aと同様である。本実施例の光学系1eは、半画角50°、Fナンバーは2.9、像高0.28mmの光学系であり、小型でありながら明るく広角な光学系となっている。
図10に示されるように、本実施例の光学系1eにおいて、小型で明るく広角な光学系であるにもかかわらず、軸上から軸外光束まで諸収差が良好に補正されている。
【実施例6】
【0075】
次に、
図11を参照して、実施例6(数値実施例6)における光学系1fについて説明する。本実施例の光学系1fの基本構成は、実施例1の光学系1aと同様である。本実施例の光学系1fは、半画角70°、Fナンバーは2.9、像高0.28mmの光学系であり、小型でありながら明るく広角な光学系となっている。
図12に示されるように、本実施例の光学系1fにおいて、小型で明るく広角な光学系であるにもかかわらず軸上から軸外光束まで諸収差が良好に補正されている。
【実施例7】
【0076】
次に、
図13を参照して、実施例7(数値実施例7)における光学系1gについて説明する。本実施例の光学系1gの基本構成は、実施例1の光学系1aと同様である。本実施例の光学系1gは、半画角70°、Fナンバーは2.8、像高0.28mmの光学系であり、小型でありながら明るく広角な光学系となっている。
図14に示されるように、本実施例の光学系1gにおいて、小型で明るく広角な光学系であるにもかかわらず軸上から軸外光束まで諸収差が良好に補正されている。
【0077】
以下、実施例1~7にそれぞれ対応する数値実施例1~7を示す。各数値実施例において、mは光入射側から数えた面または光学素子の番号を示す。例えば、Rmは第m番目の光学面(第m面)の曲率半径(mm)である。Dmは第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(mm)である。Ndは光学素子の材料のd線に対する屈折率である。νdは光学素子の材料のd線を基準としたアッベ数である。「E±XX」は「×10±XX」を意味する。fは焦点距離、Fnoは有効Fナンバーである。ωは半画角(度)である。BFはバックフォーカスであり、光学系の最終面から像面までの距離である。
【0078】
(数値実施例1)
f=0.209 Fno= 2.84 2ω=118°
面番号 R D Nd νd 有効径
1 ∞ 0.100 1.5168 64.2 0.60
2 ∞ 0.030 1.5100 57.5 0.46
3(非球面) 0.3592 0.149 0.39
4(絞り) ∞ 0.000 0.09
5 ∞ 0.100 1.5168 64.2 0.18
6 ∞ 0.160 1.5100 57.5 0.18
7(非球面)-0.1199 0.030 0.28
8 ∞ 0.400 1.5168 64.2 0.36
9 ∞ 0.57
BF = 0.02
非球面係数
第3面 第7面
K -8.17811E+00 -9.10764E+00
A4 -2.48232E+01 -3.58329E+02
A6 4.32682E+02 3.50904E+04
A8 7.37237E+03 -2.23556E+06
A10 -4.16420E+05 7.54984E+07
A12 4.63866E+06 -1.02744E+09
(数値実施例2)
f=0.222 Fno= 2.89 2ω=118°
面番号 R D Nd νd 有効径
1 ∞ 0.200 1.5168 64.2 0.70
2 ∞ 0.011 1.5100 57.5 0.43
3(非球面) 0.2255 0.193 0.35
4(絞り) ∞ 0.000 0.10
5 ∞ 0.200 1.5168 64.2 0.10
6 ∞ 0.103 1.5300 56.0 0.29
7(非球面)-0.1478 0.015 0.31
8 ∞ 0.600 1.5168 64.2 0.36
9 ∞ 0.58
BF = 0.02
非球面係数
第3面 第7面
K -3.66634E+01 -1.10654E+01
A4 1.09167E+02 -2.29816E+02
A6 -8.23526E+03 1.79179E+04
A8 3.42649E+05 -9.56015E+05
A10 -7.57580E+06 2.76785E+07
A12 6.83791E+07 -3.27104E+08
(数値実施例3)
f=0.183 Fno= 2.9 2ω=118°
面番号 R D Nd νd 有効径
1 ∞ 0.100 1.5168 64.2 0.64
2 ∞ 0.050 1.5200 47.0 0.50
3(非球面) 0.2439 0.144 0.40
4(絞り) ∞ 0.000 0.08
5 ∞ 0.100 1.5168 64.2 0.08
6 ∞ 0.175 1.5200 47.0 0.20
7(非球面)-0.1158 0.030 0.30
8 ∞ 0.400 1.5168 64.2 0.38
9 ∞ 0.55
BF = 0.02
非球面係数
第3面 第7面
K -1.88497E+01 -6.73952E+00
A4 -4.96067E+00 -2.86470E+02
A6 -4.54092E+02 2.34926E+04
A8 2.32049E+04 -1.28204E+06
A10 -4.38925E+05 3.83506E+07
A12 3.06454E+06 -4.68543E+08
(数値実施例4)
f=0.211 Fno= 2.84 2ω=118°
面番号 R D Nd νd 有効径
1 ∞ 0.150 1.5168 64.2 0.68
2 ∞ 0.025 1.5100 57.5 0.47
3(非球面) 0.5339 0.050 0.42
4 ∞ 0.200 1.5168 64.2 0.32
5(絞り) ∞ 0.226 1.5100 57.5 0.09
6(非球面)-0.1180 0.015 0.26
7 ∞ 0.400 1.5168 64.2 0.33
8 ∞ 0.57
BF = 0.02
非球面係数
第3面 第6面
K 2.45135E-01 -1.28390E+01
A4 -1.95476E+01 -4.40719E+02
A6 -1.87107E+02 5.05215E+04
A8 2.19302E+04 -3.75675E+06
A10 -5.09987E+05 1.48835E+08
A12 4.02848E+06 -2.39036E+09
(数値実施例5)
f=0.268 Fno= 2.9 2ω=100°
面番号 R D Nd νd 有効径
1 ∞ 0.200 1.5168 64.2 0.67
2 ∞ 0.011 1.5310 55.7 0.43
3(非球面) 0.3687 0.200 0.39
4(絞り) ∞ 0.000 0.11
5 ∞ 0.200 1.5168 64.2 0.11
6 ∞ 0.095 1.5310 55.7 0.30
7(非球面)-0.1609 0.015 0.0 0.32
8 ∞ 0.600 1.5168 64.2 0.36
9 ∞ 0.58
BF = 0.02
非球面係数
第3面 第7面
K -1.33499E+02 -1.49030E+01
A4 6.35073E+01 -2.23781E+02
A6 -4.34973E+03 1.80786E+04
A8 1.54981E+05 -9.75225E+05
A10 -2.86138E+06 2.82757E+07
A12 2.13758E+07 -3.32787E+08
(数値実施例6)
f=0.184 Fno= 2.89 2ω=140°
面番号 R D Nd νd 有効径
1 ∞ 0.100 1.5168 64.2 0.70
2 ∞ 0.011 1.5100 57.5 0.54
3(非球面) 0.1839 0.264 0.40
4(絞り) ∞ 0.005 0.11
5 ∞ 0.200 1.5168 64.2 0.11
6 ∞ 0.099 1.5300 56.0 0.29
7(非球面)-0.1481 0.015 0.31
8 ∞ 0.600 1.5168 64.2 0.35
9 ∞ 0.55
BF = 0.02
非球面係数
第3面 第7面
K -1.39743E+01 -8.78131E+00
A4 6.66364E+01 -1.85785E+02
A6 -2.34970E+03 1.20004E+04
A8 4.16853E+04 -5.58397E+05
A10 -3.11553E+05 1.45240E+07
A12 1.89095E+05 -1.57007E+08
(数値実施例7)
f=0.186 Fno= 2.89 2ω=140°
面番号 R D Nd νd 有効径
1 ∞ 0.100 1.5168 64.2 0.69
2 ∞ 0.020 1.5100 57.5 0.54
3(非球面) 0.3070 0.166 0.44
4(絞り) ∞ 0.010 0.08
5 ∞ 0.100 1.5168 64.2 0.08
6 ∞ 0.091 1.5100 57.5 0.21
7(非球面)-0.1090 0.015 0.24
8 ∞ 0.399 1.5168 64.2 0.32
9 ∞ 0.57
BF = 0.02
非球面係数
第3面 第7面
K -1.62113E+01 -1.22192E+01
A4 3.44701E+01 -5.53837E+02
A6 -2.60774E+03 7.11976E+04
A8 8.06761E+04 -5.89167E+06
A10 -1.19531E+06 2.63097E+08
A12 6.91564E+06 -4.81501E+09
前述の条件式(1)~(11)に関する数値と各数値実施例との関係を表1に示す。
【0079】
【0080】
なお、実施例1~7では、撮像光学系について説明したが、各実施例の光学系は、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル端末などの電子機器の組み込み用カメラや、内視鏡の対物光学系などに適して用いられる。
【実施例8】
【0081】
次に、
図15を参照して、本発明の実施例8における電子機器について説明する。
図15は、本実施例の電子機器(スマートフォン70)の要部概略図である。スマートフォン70は、フロントカメラモジュールとして撮像装置71を有する。撮像装置71は、実施例1~7のいずれかの光学系に相当する光学系72と、光学系72によって形成された像を受光する撮像素子73とを有する。このように、前述の各実施例の光学系をスマートフォンなどの撮像装置に適用することにより、小型でありながら高い光学性能を有する撮像装置を実現することができる。
【実施例9】
【0082】
次に、
図16を参照して、本発明の実施例9における撮像装置について説明する。
図16は、本実施例の撮像装置100の要部概略図である。撮像装置100は、小型の内視鏡に用いられ、カメラヘッド120および電気ケーブル150を有する。カメラヘッド120は、実施例1~7のいずれかの光学系を搭載したレンズ用筐体121と、イメージセンサ(撮像素子)122と、セラミック基板123とを有する。セラミック基板123を介してイメージセンサ122に電気ケーブル150の配線が接続されている。このように、前述の各実施例の光学系を内視鏡の撮像装置に適用することにより、小型でありながら高い光学性能を有する撮像装置を実現することができる。
【0083】
各実施例によれば、小型かつ低コストで高い光学性能を有する広角な光学系および撮像装置を提供することができる。
【0084】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1a~1f 光学系
L1 第1ユニット
L11 第1基板
L12 第1レンズ
L2 第2ユニット
L21 第2基板
L22 第2レンズ
S1 非球面