IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 極東開発工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図1
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図2
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図3
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図4
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図5
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図6
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図7
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図8
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図9
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図10
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図11
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図12
  • 特許-荷役車両及び積載装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】荷役車両及び積載装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/48 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
B60P1/48 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021045980
(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公開番号】P2022144810
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊博
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-005967(JP,A)
【文献】特開2010-274849(JP,A)
【文献】特開2006-096066(JP,A)
【文献】特開2009-046022(JP,A)
【文献】米国特許第09545868(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両部と積載装置とを有し、前記車両部に前記積載装置が搭載された荷役車両であって、
前記積載装置は、コンテナを搭載するものであり、荷役アームと、少なくとも前記荷役アームを制御する制御装置とを有し、
前記荷役アームを駆動して前記コンテナを前記車両部上に引き入れる積み込み動作と、
前記車両部上に載置された前記コンテナを前記荷役アームによって地上におろす降ろし動作を実施することが可能な荷役車両において、
前記荷役アームが走行時に適した走行時姿勢であることを検知する一又は複数の走行姿勢検知手段と、バンパー装置とを有し、
当該バンパー装置は、バンパー本体を有し、動力によって前記バンパー本体を走行時に適した走行時位置と、退避した格納位置に位置変更することが可能であり、
特定の条件下においては、前記荷役アームが走行時姿勢であることを特定の前記走行姿勢検知手段が検知していることを条件として、前記バンパー装置の駆動が可能となり、さらに、
前記降ろし動作を実施する降ろしスイッチがあり、当該降ろしスイッチをオン状態とすることによって、前記バンパー装置が駆動して前記バンパー本体を格納位置に移動させるバンパー格納工程を開始し、続いて前記降ろし動作を開始または継続するものであり、
特定の前記走行時姿勢検知手段が、走行時姿勢であることを検知していない場合は、前記バンパー格納工程を省略して前記降ろし動作を開始または継続することを特徴とする荷役車両。
【請求項2】
車両部と積載装置とを有し、前記車両部に前記積載装置が搭載された荷役車両であって、
前記積載装置は、コンテナを搭載するものであり、荷役アームと、少なくとも前記荷役アームを制御する制御装置とを有し、
前記荷役アームを駆動して前記コンテナを前記車両部上に引き入れる積み込み動作と、
前記車両部上に載置された前記コンテナを前記荷役アームによって地上におろす降ろし動作を実施することが可能な荷役車両において、
前記荷役アームが走行時に適した走行時姿勢であることを検知する一又は複数の走行姿勢検知手段と、バンパー装置とを有し、
当該バンパー装置は、バンパー本体を有し、動力によって前記バンパー本体を走行時に適した走行時位置と、退避した格納位置に位置変更することが可能であり、
特定の条件下においては、前記荷役アームが走行時姿勢であることを特定の前記走行姿勢検知手段が検知していることを条件として、前記バンパー装置の駆動が可能となり、さらに、
ダンプアームを有し、前記ダンプアームを傾斜させて前記コンテナをダンプさせることが可能であり、
ダンプアームを傾斜させるダンプスイッチがあり、当該ダンプスイッチをオン状態とすることによって、前記バンパー装置が駆動して前記バンパー本体を格納位置に移動させるバンパー格納工程を実施し、続いて一連のダンプ動作を開始または継続するものであり、
特定の前記走行時姿勢検知手段が、走行時姿勢であることを検知していない場合は、前記バンパー格納工程を省略して前記ダンプ動作を開始または継続することを特徴とする荷役車両。
【請求項3】
前記荷役アームは、リフトアームと、フックアームとを有し、
前記リフトアームは、着床状態から動力によって揺動するものであり、
前記フックアームは、前記コンテナと係合する係合部を備え、前記リフトアームに取り付けられていて、動力によって初期位置と後退位置の間を直線的に移動するものであり、
前記走行姿勢検知手段として、前記フックアームが初期位置にあることを検知する初期位置検知手段と、前記リフトアームが着床状態であることを検知する着床検知手段とを有し、
前記初期位置検知手段と、前記着床検知手段の双方が走行時姿勢であることを検知していることを条件として、前記バンパー装置の駆動が可能となることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷役車両。
【請求項4】
前記荷役アームは、リフトアームと、フックアームとを有し、
前記リフトアームは、着床状態から動力によって揺動するものであり、
前記フックアームは、前記コンテナと係合する係合部を備え、当該リフトアームに取り付けられていて、前記リフトアームに対して揺動するものであり、
前記走行姿勢検知手段として、前記フックアームのリフトアームに対する角度が初期角度であることを検知する初期角度検知手段と、前記リフトアームが着床状態であることを検知する着床検知手段とを有し
前記初期位置検知手段と、前記初期角度検知手段の双方が走行時姿勢であることを検知していることを条件として、前記バンパー装置の駆動が可能となることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷役車両。
【請求項5】
前記荷役アームは、リフトアームと、フックアームとを有し、
前記リフトアームは、着床状態から動力によって揺動するものであり、
前記フックアームは、前記コンテナと係合する係合部を備え、前記リフトアームに取り付けられていて、動力によって初期位置と後退位置の間を直線的に移動するものであり、
前記走行姿勢検知手段として、前記フックアームが初期位置にあることを検知する初期位置検知手段を有し、
前記降ろし動作を実施する降ろしスイッチがあり、当該降ろしスイッチをオン状態にすることによって、前記フックアームが後退位置へ移動し、続いてリフトアームを揺動させる一連の駆動動作を実行するものであり、
前記降ろしスイッチをオン状態としたとき、前記フックアームが初期位置にあることを前記初期位置検知手段が検知している場合には、前記バンパー本体を格納位置に移動させるバンパー格納工程を実施し、続いて前記一連の駆動動作を開始又は継続し、
前記降ろしスイッチをオン状態としたとき、前記フックアームが前記初期位置にあることを初期位置検知手段が検知していない場合には、前記バンパー本体を移動させることなく、前記一連の駆動動作を開始又は継続することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の荷役車両。
【請求項6】
車両に搭載され、コンテナを搭載する積載装置であって、
前記コンテナを載置するコンテナ載置部と、荷役アームと、少なくとも前記荷役アームを制御する制御装置とを有し、
前記荷役アームを駆動して前記コンテナを前記車両部上に引き入れる積み込み動作と、
前記車両部上に載置された前記コンテナを前記荷役アームによって地上におろす降ろし動作を実施することが可能な積載装置において、
前記荷役アームが走行時に適した走行時姿勢であることを検知する一又は複数の走行姿勢検知手段と、バンパー装置とを有し、
当該バンパー装置は、バンパー本体を有し、動力によって前記バンパー本体を走行時に適した走行時位置と、退避した格納位置に位置変更することが可能であり、
特定の条件下においては、前記荷役アームが走行時姿勢であることを特定の前記走行姿勢検知手段が検知していることを条件として、前記バンパー装置の駆動が可能となり、さらに、
前記降ろし動作を実施する降ろしスイッチがあり、当該降ろしスイッチをオン状態とすることによって、前記バンパー装置が駆動して前記バンパー本体を格納位置に移動させるバンパー格納工程を開始し、続いて前記降ろし動作を開始または継続するものであり、
特定の前記走行時姿勢検知手段が、走行時姿勢であることを検知していない場合は、前記バンパー格納工程を省略して前記降ろし動作を開始または継続することを特徴とする積載装置。
【請求項7】
車両に搭載され、コンテナを搭載する積載装置であって、
前記コンテナを載置するコンテナ載置部と、荷役アームと、少なくとも前記荷役アームを制御する制御装置とを有し、
前記荷役アームを駆動して前記コンテナを前記車両部上に引き入れる積み込み動作と、
前記車両部上に載置された前記コンテナを前記荷役アームによって地上におろす降ろし動作を実施することが可能な積載装置において、
前記荷役アームが走行時に適した走行時姿勢であることを検知する一又は複数の走行姿勢検知手段と、バンパー装置とを有し、
当該バンパー装置は、バンパー本体を有し、動力によって前記バンパー本体を走行時に適した走行時位置と、退避した格納位置に位置変更することが可能であり、
特定の条件下においては、前記荷役アームが走行時姿勢であることを特定の前記走行姿勢検知手段が検知していることを条件として、前記バンパー装置の駆動が可能となり、さらに、
ダンプアームを有し、前記ダンプアームを傾斜させて前記コンテナをダンプさせることが可能であり、
ダンプアームを傾斜させるダンプスイッチがあり、当該ダンプスイッチをオン状態とすることによって、前記バンパー装置が駆動して前記バンパー本体を格納位置に移動させるバンパー格納工程を実施し、続いて一連のダンプ動作を開始または継続するものであり、
特定の前記走行時姿勢検知手段が、走行時姿勢であることを検知していない場合は、前記バンパー格納工程を省略して前記ダンプ動作を開始または継続することを特徴とする積載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナを車両上と地上との間で積降ろす荷役アームを備えた荷役車両に関するものである。また本発明は、コンテナを運搬する荷役車両を構成する積載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンテナ運搬車の様な荷役車両には、後部バンパーの装着が義務づけられている。歩行者や他の車両が衝突した際の安全を確保するため、後部バンパーは、車両本体からある程度後方に突出していなければならない。
ところでコンテナ運搬車は、コンテナを車両上に引き上げたり、車両から地上にコンテナを降ろしたりする作業を行うものであるから、これらの作業の際に、バンパーがコンテナと干渉する場合がある。
特許文献1には、車両の傾斜を防ぐジャッキを有し、ジャッキと連動してバンパーの姿勢が変化する構造のコンテナ運搬車が開示されている。
特許文献1に開示されたコンテナ運搬車では、ジャッキを伸ばすとバンパーの姿勢が変わり、積み降ろしの際におけるコンテナとバンパーの干渉を防いでいる。
特許文献1のコンテナ運搬車を使用して、コンテナの降ろし作業を行う場合、作業者は次の手順に則って作業を行う。
即ち、最初にジャッキを動作させ、バンパーを退避させる。
これに続いて荷役アームを動作させ、コンテナを降ろす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5546167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業者が上記した手順に従って作業を行えば、降ろしの際に、コンテナがバンパーに接触することはない。
しかしながら、荷役アームとジャッキ(バンパー)は、それぞれ独立して操作されるため、作業者が手順を間違え、ジャッキ、即ちバンパーを格納せずに降ろし作業を行う場合がある。
このような場合、バンパーが後方に突出している状態で、コンテナが移動し、コンテナがバンパーに衝突してしまう懸念がある。
そこでバンパーの格納し忘れを防ぐため、荷役アームの動作と、バンパーの動作を連携させ、降ろしスイッチを操作することによって、バンパーを格納し、次いで荷役アームを動作させる制御とすることが考えられる。
【0005】
しかしながら、この制御手段を採用すると、例えば降ろし動作の途中で、降ろしスイッチを再度オン状態としたとき、バンパーを動作させるべく、電磁弁が切り替わったり、センサーの信号を確認するといった動作が行われてしまう。
そのため、降ろしスイッチを操作してから、荷役作業に係る動作が開始又は再開されるまでに、タイムラグが発生してしまう場合がある。
本発明は、上記した点に注目し、降ろし作業等におけるタイムラグを短くし、荷役作業の効率を向上させることができる荷役車両及び積載装置を提供すことを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するための態様は、車両部と積載装置とを有し、前記車両部に前記積載装置が搭載された荷役車両であって、前記積載装置は、コンテナを搭載するものであり、荷役アームと、少なくとも前記荷役アームを制御する制御装置とを有し、前記荷役アームを駆動して前記コンテナを前記車両部上に引き入れる積み込み動作と、前記車両部上に載置された前記コンテナを前記荷役アームによって地上におろす降ろし動作を実施することが可能な荷役車両において、前記荷役アームが走行時に適した走行時姿勢であることを検知する一又は複数の走行姿勢検知手段と、バンパー装置とを有し、当該バンパー装置は、バンパー本体を有し、動力によって前記バンパー本体を走行時に適した走行時位置と、退避した格納位置に位置変更することが可能であり、特定の条件下においては、前記荷役アームが走行時姿勢であることを特定の前記走行姿勢検知手段が検知していることを条件として、前記バンパー装置の駆動が可能となることを特徴とする荷役車両である。
【0007】
「特定の前記走行姿勢検知手段」は、一つであってもよく、複数であってもよい。
本態様の荷役車両は、特定の条件下においては、前記荷役アームが走行時姿勢であることを前記走行姿勢検知手段が検知していることを条件として、前記バンパー装置の駆動が可能となる。ここで「特定の条件下」とは、例えばスイッチが複数あり、特定のスイッチを操作して降ろし作業や積み込み作業等を行う場合である。
本態様の荷役車両では、降ろし動作の中途の際や、ダンプ動作の中途の際には、バンパー装置が駆動しない。そのため、スイッチを操作してから荷役作業に係る動作が開始されるまでのタイムラグが短い。
【0008】
上記した態様において、前記降ろし動作を実施する降ろしスイッチがあり、当該降ろしスイッチをオン状態とすることによって、前記バンパー装置が駆動して前記バンパー本体を格納位置に移動させるバンパー格納工程を開始し、続いて前記降ろし動作を開始または継続するものであり、特定の前記走行時姿勢検知手段が、走行時姿勢であることを検知していない場合は、前記バンパー格納工程を省略して前記降ろし動作を開始または継続することが望ましい。
【0009】
本態様によると、降ろしスイッチをオン状態としたときに、荷役アームが走行時姿勢であることを検知していない場合は、バンパー格納工程を省略して降ろし動作を開始または継続する。そのため、スイッチを操作してから荷役作業に係る動作が開始されるまでのタイムラグが短い。
【0010】
上記した各態様において、ダンプアームを有し、前記ダンプアームを傾斜させて前記コンテナをダンプさせることが可能であり、ダンプアームを傾斜させるダンプスイッチがあり、当該ダンプスイッチをオン状態とすることによって、前記バンパー装置が駆動して前記バンパー本体を格納位置に移動させるバンパー格納工程を実施し、続いて一連のダンプ動作を開始または継続するものであり、特定の前記走行時姿勢検知手段が、走行時姿勢であることを検知していない場合は、前記バンパー格納工程を省略して前記ダンプ動作を開始または継続することが望ましい。
【0011】
本態様によると、ダンプスイッチをオン状態としたときに、荷役アームが走行時姿勢であることを検知していない場合は、バンパー格納工程を省略してダンプ動作を開始または継続する。そのため、スイッチを操作してから荷役作業に係る動作が開始されるまでのタイムラグが短い。
【0012】
上記した各態様において, 前記荷役アームは、リフトアームと、フックアームとを有し、前記リフトアームは、着床状態から動力によって揺動するものであり、前記フックアームは、前記コンテナと係合する係合部を備え、前記リフトアームに取り付けられていて、動力によって初期位置と後退位置の間を直線的に移動するものであり、前記走行姿勢検知手段として、前記フックアームが初期位置にあることを検知する初期位置検知手段と、前記リフトアームが着床状態であることを検知する着床検知手段とを有し、前記初期位置検知手段と、前記着床検知手段の双方が走行時姿勢であることを検知していることを条件として、前記バンパー装置の駆動が可能となることが望ましい。
【0013】
本態様はスライド式と称される形式の荷役装置を対象とするものである。本態様によると、荷役アームが走行時姿勢であることを条件としてバンパー装置の駆動が可能となる。
荷役アームが走行時姿勢である場合は、バンパー装置を駆動してもコンテナ等と接触することは少ない。
また荷役アームが走行時姿勢である場合は、降ろし動作やダンプ動作が実質的に開始される前であるか、或いは積み込み動作やダンプ動作が実質的に完了している状態であり、バンパー装置を駆動させるべき時期である。
本態様の荷役装置によると、バンパー装置を駆動させるべき時期にバンパー装置の駆動が可能となる。
また本態様の荷役車両では、走行姿勢検知手段として、初期位置検知手段と、前着床検知手段とを採用している。そして初期位置検知手段と、着床検知手段の双方が走行時姿勢であることを検知していることを条件として、バンパー装置の駆動が可能となるので、安全性が高い。
【0014】
上記した各態様において、前記荷役アームは、リフトアームと、フックアームとを有し、前記リフトアームは、着床状態から動力によって揺動するものであり、前記コンテナと係合する係合部を備え、当該リフトアームに取り付けられていて、前記リフトアームに対して揺動するものであり、前記走行姿勢検知手段として、前記フックアームのリフトアームに対する角度が初期角度であることを検知する初期角度検知手段と、前記リフトアームが着床状態であることを検知する着床検知手段とを有し、前記初期位置検知手段と、前記初期角度検知手段の双方が走行時姿勢であることを検知していることを条件として、前記バンパー装置の駆動が可能となることが望ましい。
【0015】
本態様は、スイング式と称される荷役車両を対象とするものである。本態様によると、荷役アームが走行時姿勢であることを条件としてバンパー装置の駆動が可能となる。
荷役アームが走行時姿勢である場合は、バンパー装置を駆動してもコンテナ等と接触することは少ない。
また荷役アームが走行時姿勢である場合は、降ろし動作やダンプ動作が実質的に開始される前であるか、或いは積み込み動作やダンプ動作が実質的に完了している状態であり、バンパー装置を駆動させるべき時期である。
本態様の荷役装置によると、バンパー装置を駆動させるべき時期にバンパー装置の駆動が可能となる。
また本態様の荷役車両では、走行姿勢検知手段として、初期角度検知手段と、着床検知手段とを採用している。そして初期角度検知手段と、着床検知手段の双方が走行時姿勢であることを検知していることを条件として、バンパー装置の駆動が可能となるので、安全性が高い。
【0016】
上記した各態様において、前記荷役アームは、リフトアームと、フックアームとを有し、前記リフトアームは、着床状態から動力によって揺動するものであり、前記フックアームは、前記コンテナと係合する係合部を備え、前記フックアームは、前記リフトアームに取り付けられていて、動力によって初期位置と後退位置の間を直線的に移動するものであり、前記走行姿勢検知手段として、前記フックアームが初期位置にあることを検知する初期位置検知手段を有し、前記降ろし動作を実施する降ろしスイッチがあり、当該降ろしスイッチをオン状態にすることによって、前記フックアームが後退位置へ移動し、続いてリフトアームを揺動させる一連の駆動動作を実行するものであり、前記降ろしスイッチをオン状態としたとき、前記フックアームが初期位置にあることを前記初期位置検知手段が検知している場合には、前記バンパー本体を格納位置に移動させるバンパー格納工程を実施し、続いて前記一連の駆動動作を開始又は継続し、前記降ろしスイッチをオン状態としたとき、前記フックアームが前記初期位置にあることを初期位置検知手段が検知していない場合には、前記バンパー本体を移動させることなく、前記一連の駆動動作を開始又は継続することが望ましい。
【0017】
本態様はスライド式と称される形式の荷役装置を対象とするものである。本態様の荷役装置によると、降ろしスイッチが操作されてから、降ろし動作が開始又は継続するまでのタイムラグが短い。
また降ろし作業の際にバンパー本体が、コンテナ等と接触する危険性が低い。
【0018】
積載装置に関する態様は、車両に搭載され、コンテナを搭載する積載装置であって、前記コンテナを載置するコンテナ載置部と、荷役アームと、少なくとも前記荷役アームを制御する制御装置とを有し、前記荷役アームを駆動して前記コンテナを前記車両部上に引き入れる積み込み動作と、前記車両部上に載置された前記コンテナを前記荷役アームによって地上におろす降ろし動作を実施することが可能な積載装置において、前記荷役アームが走行時に適した走行時姿勢であることを検知する一又は複数の走行姿勢検知手段と、バンパー装置とを有し、当該バンパー装置は、バンパー本体を有し、動力によって前記バンパー本体を走行時に適した走行時位置と、退避した格納位置に位置変更することが可能であり、特定の条件下においては、前記荷役アームが走行時姿勢であることを特定の前記走行姿勢検知手段が検知していることを条件として、前記バンパー装置の駆動が可能となることを特徴とする。
【0019】
本態様の積載装置によると、降ろし動作の中途の際や、ダンプ動作の中途の際には、バンパー装置が駆動しない。そのため、スイッチを操作してから荷役作業に係る動作が開始されるまでのタイムラグが短い。
【発明の効果】
【0020】
本発明の荷役車両及び積載装置によると、スイッチを操作してから荷役作業に係る動作が開始されるまでのタイムラグが少ない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態の荷役車両の側面図であり、コンテナを車両部から降ろした状態を示す。
図2図1に示す荷役車両であり、コンテナをダンプさせた際の状態を示す。
図3図1に示す荷役車両であり、(a)(b)(c)は、降ろし動作における各部の動作を示す側面図である。
図4図1に示す荷役車両であり、(d)(e)(f)は、降ろし動作における図3に続く各部の動作を示す側面図である。
図5図1に示す荷役車両であり、(a)(b)(c)は、積み込み動作における各部の動作を示す側面図である。
図6図1に示す荷役車両であり、(d)(e)(f)は、積み込み動作における図5に続く各部の動作を示す側面図である。
図7】リモートコントロール装置の正面図である。
図8】本発明の他の実施形態の荷役車両の側面図及びその一部拡大図である。
図9】自動降ろし動作の全体的なフローチャートである。
図10】自動降ろし動作における降ろし動作のフローチャートである。
図11】自動積み込み動作のフローチャートである。
図12】ダンプ動作のフローチャートである。
図13】ダンプ戻し動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
以下の説明において、前後の関係は、荷役車両1の前後を基準とする。即ち前側とは、運転席100側を意味し、後側はその反対側を意味する。
本実施形態の荷役車両1は、脱着ボデー車と称されるコンテナ運搬車であり、コンテナ2を車両上と地上との間で積み降ろす、積み降ろし用荷役アーム3を備えている。また荷役アームの一つとして、コンテナ2をダンプさせるダンプアーム(ダンプ用荷役アーム)16を有している。本実施形態の荷役車両は、スライド型と称される形式のコンテナ運搬車である。
【0023】
荷役車両1は、図1図2の様に、車両部5と積載装置17を有している。積載装置17には、制御装置6と、油圧装置7及びバンパー装置50が含まれている。また積載装置17にはリモートコントロール装置(以下 リモコンと称する)8が含まれる。
車両部5は、公知のトラックの車体であり、エンジンを有し、車輪を回転させて道路上を走行するものである。
【0024】
積載装置17は、コンテナ2を車両部5と地上との間で積み降ろしする装置であり、車両部5に搭載されている。
積載装置17は、コンテナ2を載置するコンテナ載置部11と、ダンプアーム(ダンプ用荷役アーム)16及び積み降ろし用荷役アーム3を有している。
コンテナ載置部11は、コンテナ2を載置する部位であり、鋼材で枠組みされたフレーム30を有している。ダンプアーム16は、その後端が、図示しないピンを介してフレーム30に取り付けられている。ダンプアーム16は、図2の様に、フレーム30に対して揺動する。
【0025】
積み降ろし用荷役アーム3はフックアーム20と、リフトアーム21によって構成されている。
フックアーム20は、全体形状が、略「L」状であり、先端にフック(係合部)23が設けられている。リフトアーム21は、全体形状が直線状である。またリフトアーム21の断面形状は、枠状である。
フックアーム20はその基端部が、リフトアーム21の先端側に挿入されている。そのためフックアーム20は、リフトアーム21に対して直線移動可能であり、積み降ろし用荷役アーム3自身の全長が伸縮する。
フックアーム20には、図示しないスライドシリンダが取り付けられており、当該スライドシリンダを伸縮することにより、フックアーム20がリフトアーム21に対して直線方向に移動する。
リフトアーム21は、ダンプアーム(ダンプ用荷役アーム)16の中間部分に、揺動可能に取り付けられている。
【0026】
リフトアーム21には、リフトシリンダ25が取り付けられている。リフトシリンダ25は、油圧シリンダである。
リフトアーム21と、ダンプアーム16には、図示しない係合部があり、当該係合部を係合させることによって、リフトアーム21と、ダンプアーム16を一体的に起立方向に揺動させることができる。また係合部の係合を解除することにより、リフトアーム21を個別に起立方向に揺動させることができる。
即ち、リフトアーム21と、ダンプアーム16の係合を解除した状態で、リフトシリンダ25を伸ばすと、図1の様に、リフトアーム21だけが起立方向に揺動し、コンテナ2を降ろすことができる。リフトアーム21と、ダンプアーム16を係合した状態で、リフトシリンダ25を伸ばすと、図2の様に、ダンプアーム16が起立方向に揺動して傾斜し、コンテナ2がダンプする。
【0027】
コンテナ載置部11は、コンテナ2を載置するフレームである。
本実施形態では、荷役アーム(積み降ろし用荷役アーム3とダンプアーム16)が走行時に適した走行時姿勢であることを検知する走行姿勢検知手段として、着床検知手段12と、初期位置検知手段15を有している。
着床検知手段12は、公知の近接センサーや光電センサー等であり、リフトアーム21がコンテナ載置部11に着床していることを検知するものである。即ち着床検知手段12は、コンテナ載置部11に取り付けられており、リフトアーム21が、車両部5に沿って水平姿勢となり、車両部5側に着床状態であることを検知するものである。
本実施形態では、着床検知手段12によって、ダンプアーム16が着床していることも検知することができる。
【0028】
初期位置検知手段15は、ダンプアーム16に設けられている。初期位置検知手段15は、公知の近接センサーや光電センサー等であり、積み降ろし用荷役アーム3のフックアーム20が、走行姿勢である初期位置に移動しているか否かを検知するものである。即ち、初期位置検知手段15は、フックアーム20が前端側にあることを検知するセンサーである。初期位置検知手段15は、図示しないスライドシリンダを伸長させて積み降ろし用荷役アーム3の全長が伸び、フックアーム20が最前端に至っていることを検知するセンサーである。
なお着床検知手段12及び初期位置検知手段15は、リミットスイッチ等の機械的なスイッチでもよい。
【0029】
バンパー装置50は、バンパー本体10と、バンパー本体10を前後に移動させるバンパー移動機構52を有している。
バンパー本体10は、車両部5の幅方向にのびるバー状や板状の部材である。バンパー本体10は、公知のそれと同様、衝突に対する衝撃を緩和したり、他の車両が車両部5の下に潜り込んだりすることを防ぐものである。
【0030】
バンパー移動機構52は、油圧シリンダ53によって、バンパー本体10を前後方向に平行移動させるものである。
バンパー移動機構52には、図示しないガイドがあり、油圧シリンダ53を伸縮することによって、バンパー本体10が前後方向に平行移動する。
バンパー移動機構52の構造は限定するものではなく、リンク機構を採用したものや、モータによってバンパー本体10を移動させるものであってもよい。
また単にバンパー本体10を水平方向に移動するだけでなく、高さ方向にも変位させることができるものであってもよい。
【0031】
バンパー装置50は、バンパー移動機構52によって、バンパー本体10を走行時に適した走行時位置と、車両部5側に退避した格納位置に位置変更することが可能である。
本実施形態では油圧シリンダ53を動力とし、油圧シリンダ53を伸ばして、バンパー本体10を後方に張り出した位置が走行時位置であり、油圧シリンダ53を縮めてバンパー本体10を前方に配置した位置が格納位置である。
【0032】
本実施形態の荷役車両1では、バンパー装置50に格納検知手段55と、張出検知手段56が設けられている。格納検知手段55は、バンパー本体10が格納位置にあるか否かを先知するセンサーである。張出検知手段56は、バンパー本体10が、走行時位置にあるか否かを検知するセンサーである。
格納検知手段55及び張出検知手段56は、公知の近接センサーや光電センサー等である。格納検知手段55及び張出検知手段56は、リミットスイッチ等の機械的なスイッチでもよい。
【0033】
油圧装置7は、公知の油圧ポンプや電磁弁等がセットされたものである。
油圧ポンプは、車両部5のエンジンから動力伝動を受けて回転する。即ち油圧装置7は、車両部5のPTO軸に接続されており、作業者が図示しないPTOスイッチを操作することによって油圧ポンプが回転し、油圧を発生させる。
油圧装置7には、油圧シリンダ25に油圧を供給する電磁弁と、油圧シリンダ53に油圧を供給する電磁弁が設けられている(いずれも図示せず)。
【0034】
制御装置6は、所定の手順に則って、各電磁弁に信号を送る回路を備えている。制御装置6の信号によって、各シリンダが所定の順番に動作する。
制御装置6は、リモコン8と通信する通信手段を有している。
【0035】
リモコン8には、積み降ろし用荷役アーム3を動作させるアーム作動スイッチとして、自動降ろしスイッチ(降ろしスイッチ)60と、自動積み込みスイッチ61が装備されている。さらにダンプアーム(ダンプ用荷役アーム)16を動作させるダンプスイッチ70と、ダンプ戻しスイッチ71が設けられている。
またリモコン8には、バンパー移動機構52を動作させるバンパー作動スイッチとして、バンパー張出スイッチ67及びバンパー格納スイッチ68が装備されている。
これらのスイッチ60、61、67、68、70、71は、いずれもボタンスイッチであり、作業者が押している間だけオン状態となり、手を離すとオフ状態となる。
【0036】
本実施形態では、後記するように、積み降ろし用荷役アーム3と、バンパー装置50を連携させて自動的にコンテナ2を降ろす自動降ろし動作を行うことができる。また、積み降ろし用荷役アーム3と、バンパー装置50を連携させて自動的にコンテナ2を積み込む自動積み込み動作を行うことができる。さらに、ダンプアーム(ダンプ用荷役アーム)16と、バンパー装置50を連携させて自動的にコンテナ2をダンプさせるダンプ動作を行うこともできる。
【0037】
自動降ろし動作は、自動降ろしスイッチ60を押すことによって開始され、自動降ろしスイッチ60を押し続けることによって実行される。
従って、自動降ろしスイッチ60は、降ろし動作を実施する降ろしスイッチであり、降ろし動作を開始する機能と、降ろし動作を継続する機能を有している。
自動積み込み動作は、自動積み込みスイッチ61を押すことによって開始され、自動積み込みスイッチ61を押し続けることによって実行される。
従って、自動積み込みスイッチ61は、積み込み動作を実施する積み込みスイッチであり、積み込み動作を開始する機能と、積み込み動作を継続する機能を有している。
【0038】
ダンプ動作は、ダンプスイッチ70を押すことによって開始され、ダンプスイッチ70を押し続けることによって実行される。
従って、ダンプスイッチ70は、ダンプ動作を実施するスイッチであり、ダンプ動作を開始する機能と、ダンプ動作を継続する機能を有している。
【0039】
また本実施形態では、バンパー張出スイッチ67又はバンパー格納スイッチ68を操作して、バンパー本体10だけを移動させることもできる。
バンパー張出スイッチ67及びバンパー格納スイッチ68は、バンパー移動機構52の油圧シリンダ53に作動油を供給する電磁弁を切り替えるスイッチである。
【0040】
バンパー張出スイッチ67を押し続けると、バンパー本体10が後方に移動し、走行時位置に向かう。バンパー本体10が格納位置を離れると、格納検知手段55が非検知状態となる。バンパー本体10が後方に移動し、走行時位置に至ると、張出検知手段56が検知状態となる。
バンパー格納スイッチ68を押し続けると、バンパー本体10が前方に移動し、格納位置に向かう。バンパー本体10が走行時位置から離れると、張出検知手段56が非検知状態となる。バンパー本体10が前方に移動し、格納位置に至ると格納検知手段55が検知状態となる。
【0041】
次に、コンテナ2を降ろす際の積載装置17の積み降ろし用荷役アーム3等の動作について説明する
荷役車両1にコンテナ2を積載し、走行する際においては、各荷役アームが、図3(a)の様な走行時姿勢となっている。即ち、ダンプアーム16が水平姿勢となっており、コンテナ載置部11に着床している。リフトアーム21についても水平姿勢であり、ダンプアーム16及びコンテナ載置部11に着床している。またフックアーム20が前端側にある。
リフトアーム21がコンテナ載置部11に着床しているので、着床検知手段12がオン状態となっている。またフックアーム20が前端側にあるので、初期位置検知手段15もオン状態となっている。
【0042】
そして積載装置17の積み降ろし用荷役アーム3等を駆動してコンテナ2を地上に降ろす。
降ろし動作は、次の工程を順次実行することにより行われる。
(1)フックアーム後退工程。
(2)リフトアーム揺動工程。
【0043】
(1)フックアーム後退工程
フックアーム後退工程は、図示しないスライドシリンダによって、フックアーム20を後方に移動させる工程である。フックアーム20を後方に移動させることにより、コンテナ2が後方へスライド移動する。
フックアーム20が後退し始めると、図3(c)の様に初期位置検知手段15がオフ状態に変わる。図3(c)は、フックアーム20が後端までスライド移動した状態を示す。
【0044】
(2)リフトアーム揺動工程
リフトアーム揺動工程は、フックアーム後退工程に続く工程であり、フックアーム20が後端まで移動した状態で、リフトアーム21を起立方向に揺動させる。
その結果、コンテナ2は、ゆっくりと地上に降ろされる。
即ち、図4(d)の様に、リフトアーム21を後方(図面時計回り)に揺動し、図4(e)の様にコンテナ2を傾斜させる。
リフトアーム21が傾斜することにより、リフトアーム21がコンテナ載置部11から離れるので、着床検知手段12がオフ状態に変わる。
そして、図4(e)の様にリフトアーム21をさらに後方(図面時計回り)に揺動し、コンテナ2の後端を地面に着地させる。リフトアーム21をさらに後方(図面時計回り)に揺動し、図4(f)の様にコンテナ2の前端を着地させ、コンテナ2を地上に降ろす。
【0045】
次に、コンテナ2を積み込む際の積み降ろし用荷役アーム3等の動作について説明する。
地上に設置されたコンテナ2を、車両部5に搭載する際には、図1図5(a)の様に、積載装置17のフック(係合部)23をコンテナ2の係合ピン27に係合する。
積み込み動作は、次の工程を順次実行することにより行われる。
(1)リフトアーム揺動工程。
(2)フックアーム前進工程。
【0046】
リフトアーム揺動工程は、リフトアーム21を前方(図面反時計回り)に向かって揺動する工程である。
その結果、図5(b)の様に、コンテナ2の前方側が吊り上げられ、図5(c)の様に、車両部5に引き入れられる。そして、図6(d)の様にリフトアーム21をさらに揺動させて、リフトアーム21の姿勢を略水平に戻す。
その結果、コンテナ2の姿勢が略水平姿勢となる。またリフトアーム21が水平姿勢となってコンテナ載置部11に近接し、着床検知手段12がオン状態に変わる。
【0047】
フックアーム前進工程は、図示しないスライドシリンダによって、フックアーム20を前方に移動させる工程である。フックアーム20を前方に移動させることにより、コンテナ2が前方へスライド移動する。
図6(e)は、フックアーム20が前端までスライド移動した状態を示す。
フックアーム20が前端に到達すると、図6(e)の様に初期位置検知手段15がオン状態に変わる。
【0048】
次に、本実施形態の荷役車両1の自動降ろし動作について説明する。
自動降ろし動作においては、積み降ろし用荷役アーム3とバンパー装置50が連携して動作する。即ち自動降ろし動作においては、積み降ろし用荷役アーム3とバンパー装置50が制御装置6による一連のシーケンス制御によって動作する。
本実施形態で採用するリモコン8は、自動降ろしスイッチ60を有している。そして、自動降ろしスイッチ60を押し続けている間、一連のバンパー動作と降ろし動作が継続する。自動降ろしスイッチ60の押圧を停止すると、一連のバンパー動作と降ろし動作が中断する。再度自動降ろしスイッチ60を押すと、中断していたバンパー動作又は降ろし動作が再開し、これらの動作を継続する。
【0049】
コンテナ2を地上に降ろす際には、自動降ろしスイッチ60を押し続ける。
以下、図9のフローチャートに基づいて自動降ろし動作の制御を説明する。
最初に、荷役アーム(積み降ろし用荷役アーム3とダンプアーム16)が走行時姿勢の状態であり、初めて自動降ろしスイッチ60がオン状態となった場合について説明する。
走行時の状態は、図3(a)の様であり、ダンプアーム(ダンプ用荷役アーム)16とリフトアーム21が共に着床していてコンテナ2が車両部5に搭載されている。また、図3(a)の様にフックアーム20が前端の位置に復帰している。リフトアーム21がコンテナ載置部11に着床しているので、着床検知手段12がオン状態となっている。またフックアーム20が前端側にあるので、初期位置検知手段15もオン状態となっている。
また図3(a)の様に バンパー本体10は、油圧シリンダ53が伸びた状態であり、バンパー本体10は、後方に張り出して走行時位置にある。そのため、張出検知手段56が検知状態となる。また格納検知手段55は非検知状態となっている。
【0050】
前提条件として、作業者が図示しないPTOスイッチを操作し、油圧ポンプが回転し、油圧が発生し、各電磁弁の開閉によって、各油圧シリンダに作動油を供給可能な状態となっている。
ステップ1で、自動降ろしスイッチ60が操作されるのを待つ。作業者が自動降ろしスイッチ60を押すことにより、自動降ろしスイッチ60がオン状態となり、ステップ2以降に移行する。
【0051】
ステップ2、3で、積み降ろし用荷役アーム3が走行時に適した走行時姿勢であるか否かを判断する。
具体的には、リフトアーム21がコンテナ載置部11に着床しているか否かを、着床検知手段12のオンオフ状態から判断する。またフックアーム20が前端側にあるか否かを、初期位置検知手段15のオンオフ状態から判断する。
【0052】
設定によると、走行時の状態で、初めて自動降ろしスイッチ60がオン状態となった場合を想定しているから、着床検知手段12と初期位置検知手段15は、共にオン状態であり、ステップ4に移行する。なお、着床検知手段12がオン状態であることによって、ダンプアーム16が着床していることも確認される。
【0053】
ステップ4では、バンパー移動機構52の油圧シリンダ53に作動油を供給する電磁弁が切り替えられる。
その結果、バンパー移動機構52の油圧シリンダ53が収縮し、バンパー本体10が、車両部5の前方側に移動する。
【0054】
バンパー本体10が前方側に移動すると、前端に至り、図3(b)の様に バンパー本体10が格納位置に到達し、格納検知手段55が、バンパー本体10が格納位置にあることを検知することとなる。
【0055】
格納検知手段55が、バンパー本体10が格納位置にあることを検知することにより、ステップ5がイエスとなり、ステップ6に進む。ステップ6では、一連の降ろし動作が実行される。即ち、図3(b)から図4(f)の様に、フックアーム20を後方に移動させてから、リフトアーム21を傾斜姿勢に変化させる。その結果、コンテナ2は、ゆっくりと地上に降ろされる。
【0056】
上記一連の降ろし動作の工程は、図10のフローチャートの通りである。
即ちステップ1で、フックアーム20の後退が行われ、ステップ2で、フックアーム20が後方に到達するのを待つ。
ステップ2がYESになると、ステップ3に移行し、リフトアーム21を後方に揺動する。即ち、リフトアーム21を起立方向に揺動する。
ステップ4で一連の降ろし動作が終了するのを待つ。
【0057】
次に、作業の途中で、作業者が自動降ろしスイッチ60を離し、再度自動降ろしスイッチ60を押した場合について説明する。
作業者が自動降ろしスイッチ60を離した時点で、積み降ろし用荷役アーム3は、何らかの動きを開始している。
例えば、フックアーム20の後方への移動が始まっている。あるいは、リフトアーム21の揺動が始まっている。
そのため、積み降ろし用荷役アーム3は、走行時に適した走行時姿勢ではない。
具体的には、リフトアーム21がコンテナ載置部11に着床しているか否かを、着床検知手段12のオンオフ状態から判断する。また、フックアーム20が前端側にあるか否かを、初期位置検知手段15のオンオフ状態から判断する。設定に従うと、少なくとも初期位置検知手段15はオフ状態である。
そのため、ステップ2、ステップ3の少なくとも一方がNOとなり、ステップ4、ステップ5を飛ばしてステップ6に移行する。そして降ろし動作が開始される。降ろし動作がすでに進んでいる場合には、中途の工程から降ろし動作が継続される。
即ち、走行時姿勢検知手段たる着床検知手段12と初期位置検知手段15のいずれかが、走行時姿勢であることを検知していない場合は、バンパー格納工程を省略して降ろし動作が開始または継続される。
【0058】
本実施形態によると、自動降ろしスイッチ60を再度オン状態にしたとき、バンパー本体10を再度動かすことがないので、作業効率がよい。また、バンパーや電磁弁を駆動することがないので、バンパーや電磁弁等の破損を抑制することができる。
【0059】
地上のコンテナ2を車両部5に載せる場合には、図1図5(a)の様に、積載装置17のフック23をコンテナ2の係合ピン27に係合し、自動積み込みスイッチ61を押し続ける。
以下、図11のフローチャートに基づいて自動積み込み動作の制御を説明する。
ステップ1で、自動積み込みスイッチ61が操作されるのを待つ。作業者が自動積み込みスイッチ61を押すことにより、自動積み込みスイッチ61がオン状態となり、ステップ2に移行する。
【0060】
ステップ2では、一連の積み込み動作が実行される。即ち、図5(b)から図6(d)の様に、リフトアーム21を揺動してコンテナ2の前方側を吊り上げて車両部5に引き入れ、リフトアーム21をさらに揺動させて、リフトアーム21の姿勢を略水平に戻す。
その結果、コンテナ2の姿勢が略水平姿勢となる。またリフトアーム21が水平姿勢となってコンテナ載置部11に近接し、着床検知手段12がオン状態に変わり、ステップ3がYESとなる。
【0061】
これに引き続いてフックアーム20が前進し、フックアーム20が初期位置に復帰し、初期位置検知手段15がオン状態に変わる。
ステップ4がYESとなった段階で、荷役アーム3は、走行時に適した走行時姿勢となっている。
【0062】
続いてステップ5に移行し、バンパー移動機構52の油圧シリンダ53に作動油を供給する電磁弁が切り替えられる。
その結果、バンパー移動機構52の油圧シリンダ53が伸び、バンパー本体10が、車両部5の後方側に移動し、バンパー本体10が走行時位置に至る。
そのため、バンパー本体10が格納位置にある状態で、荷役車両1が走り出してしまうことを防ぐことができる。
バンパー本体10が走行時位置に至ったことを張出検知手段56が検知すると、ステップ6がYESとなり、一連の自動積み込み動作が終了する。
【0063】
自動積み込み動作の際には、積み降ろし用荷役アーム3が走行時姿勢となっていることを確認した後で、バンパー本体10を走行時姿勢に復帰させるので、バンパー本体10がコンテナ2等と接触することはない。
【0064】
本実施形態の荷役車両1は、図2の様に、コンテナ2をダンプさせることもできる。
コンテナ2をダンプさせる際の全体的な動きは、前記した降ろし動作と同様である。
以下、図12のフローチャートに基づいてダンプ動作の制御を説明する。
最初に、荷役アーム(積み降ろし用荷役アーム3とダンプアーム16)が走行時姿勢の状態であり、初めてダンプスイッチ70がオン状態となった場合について説明する。
ステップ1で、ダンプスイッチ70が操作されるのを待つ。作業者がダンプスイッチ70を押すことにより、ダンプスイッチ70がオン状態となり、ステップ2以降に移行する。
【0065】
ステップ2、3で、積み降ろし用荷役アーム3及びダンプアーム(ダンプ用荷役アーム)16が走行時に適した走行時姿勢であるか否かを判断する。
【0066】
設定によると、走行時の状態で、初めてダンプスイッチ70がオン状態となった場合を想定しているから、着床検知手段12と初期位置検知手段15は、共にオン状態であり、ステップ4に移行する。
一方、初期位置検知手段15がオフの場合、リフトアームとダンプアームとを一体に固縛するアームロック(図示せず)が固縛解除となるため、ダンプ動作禁止となり、何も動作せず終了となる。
【0067】
ステップ4では、バンパー移動機構52の油圧シリンダ53に作動油を供給する電磁弁が切り替えられ、バンパー本体10が、車両部5の前方側に移動する。
【0068】
バンパー本体10が前方側に移動すると、格納検知手段55が、バンパー本体10が格納位置にあることを検知することとなる。
【0069】
格納検知手段55が、バンパー本体10が格納位置にあることを検知することにより、ステップ5がイエスとなり、ステップ6に進む。ステップ6では、ダンプ動作が実行される。即ち、リフトアーム21と、ダンプアーム16を一体的に係合し、リフトアーム21と、ダンプアーム16を一体的に起立させて、ダンプ姿勢とする。ステップ7で一連のダンプ動作が終了するのを待つ。
【0070】
次に、作業の途中で、作業者がダンプスイッチ70を離し、再度ダンプスイッチ70を押した場合について説明する。
作業者がダンプスイッチ70を離した時点で、ダンプアーム(ダンプ用荷役アーム)16が何らかの動きを開始している。
そのため、荷役アーム(積み降ろし用荷役アーム3とダンプアーム16)は、走行時に適した走行時姿勢ではない。
具体的には、フックアーム20が前端側にあるか否かを、初期位置検知手段15のオンオフ状態から判断する(ステップ2)。前記した様に、初期位置検知手段15がオフの場合、リフトアームとダンプアームとを一体に固縛するアームロック(図示せず)が固縛解除となるため、ダンプ動作禁止となり、何も動作せず一連の動作を終了させる。
【0071】
初期位置検知手段15がオン状態であるならば、ステップ3に移行し、リフトアーム21がコンテナ載置部11に着床しているか否かを、着床検知手段12のオンオフ状態から判断する。設定に従うと、着床検知手段12がオフ状態である。
そのため、ステップ3がNOとなり、ステップ4、ステップ5を飛ばしてステップ6に移行する。そしてダンプ動作が開始される。ダンプ動作がすでに進んでいる場合には、中途の工程からダンプ動作が継続される。
【0072】
ダンプ姿勢から走行姿勢に戻す際の全体的な動きは、前記した積み込み動作と同様である。
ダンプ姿勢から走行姿勢に戻す際には、ダンプ戻しスイッチ71を押し続ける。
以下、図13のフローチャートに基づいてダンプ戻し動作の制御を説明する。
ステップ1で、ダンプ戻しスイッチ71が操作されるのを待つ。
【0073】
ステップ2では、一連のダンプ戻し動作が実行される。即ち、ダンプアーム16の傾斜を徐々に緩めてゆく。
その結果、ダンプアーム16の姿勢が略水平姿勢となる。その結果荷役アーム3は、走行時に適した走行時姿勢に復帰する。
このとき、リフトアーム21も水平姿勢となって、コンテナ載置部11に近接し、着床検知手段12がオン状態に変わり、ステップ3がYESとなる。フックアーム20は、ダンプ動作の際には移動しないので、初期位置にあり、初期位置検知手段15がそれを検知する。
【0074】
続いてステップ5に移行し、バンパー移動機構52の油圧シリンダ53に作動油を供給する電磁弁が切り替えられる。
その結果、バンパー移動機構52の油圧シリンダ53が伸び、バンパー本体10が、車両部5の後方側に移動し、バンパー本体10が走行時位置に至る。
そのため、バンパー本体10が格納位置にある状態で、荷役車両1が走り出してしまうことを防ぐことができる。
バンパー本体10が走行時位置に至ったことを張出検知手段56が検知すると、ステップ6がYESとなり、一連のダンプ戻し動作が終了する。
【0075】
ダンプ戻し動作の際には、荷役アーム3が走行時姿勢となっていることを確認した後で、バンパー本体10を走行時姿勢に復帰させるので、バンパー本体10がコンテナ2等と接触することはない。またコンテナ2から排出されたものが、バンパー本体10と強く接触することを防ぐこともできる。
【0076】
以上説明した実施形態は、スライド型と称される荷役車両1であるが、図8に示すような、スイング型と称される荷役車両200にも本発明を適用することができる。
スイング型の荷役車両200の積み降ろし用荷役アーム3は、フックアーム20と、リフトアーム21によって構成されている。
積み降ろし用荷役アーム3は、リフトアーム21の先端側に、フックアーム20が角度をつけた姿勢で揺動可能に取り付けられたものであり、全体形状が、略「L」状を呈している。フックアーム20とリフトアーム21の間には油圧シリンダ22が取り付けられており、フックアーム20は油圧シリンダ22を伸縮することによってリフトアーム21に対する角度が変化する。
【0077】
フックアーム20の先端には、フック(係合部)23が設けられている。
リフトアーム21の基端側は、車両部5に揺動可能に取りけられており、積み降ろし用荷役アーム3は、全体として揺動可能である。またリフトアーム21には、油圧シリンダ25が取り付けられており、当該油圧シリンダ25によって、積み降ろし用荷役アーム3が全体的に揺動する。
【0078】
荷役車両200には、走行姿勢検知手段として、フックアーム20のリフトアーム21に対する角度が初期角度であることを検知する初期角度検知手段32と、リフトアーム21が着床状態であることを検知する着床検知手段33とを有している。
初期角度検知手段32は、図示しないワイヤーやロッドによってフックアーム20の角度を検知している。
着床検知手段33は、先の実施形態と同様の装置である。
【0079】
スイング型の荷役車両200の動作は公知である。
地上に設置されたコンテナ2を、車両部5に搭載する際には、フック(係合部)23をコンテナ2の係合ピン27に係合する。このときフックアーム20は、リフトアーム21に対してやや鋭角姿勢となっている。
そしてその状態で、リフトアーム21を前方(図面反時計回り)に向かって揺動する。 そして、リフトアーム21をさらに揺動させて、リフトアーム21の姿勢を略水平に戻す。
その結果、コンテナ2の姿勢が略水平姿勢となり、係合ピン27を前方に向けた状態で、荷役車両1に搭載される。その後、フックアーム20を揺動して、リフトアーム21に対して垂直姿勢に近づけ、コンテナ2を前方にスライドさせる。
【0080】
リフトアーム21の姿勢が略水平となることによって、着床検知手段33がオン状態となる。
フックアーム20を揺動して、リフトアーム21に対して垂直姿勢に近づけ、コンテナ2を前方にスライドさせたとき、フックアーム20のリフトアーム21に対する角度が初期角度となり、初期角度検知手段32がオン状態となる。
【0081】
コンテナ2を降ろす際には、図3図4の様に、フックアーム20を後方(図面時計回り)に揺動させてから、リフトアーム21を起立させ、傾斜姿勢に変化させる。その結果、コンテナ2は、ゆっくりと地上に降ろされる。
フックアーム20を後方(図面時計回り)に揺動させることにより、フックアーム20のリフトアーム21に対する角度が初期角度から外れ、初期角度検知手段32がオフ状態となる。リフトアーム21が起立方向に揺動して傾斜姿勢に変化することによって、着床検知手段33がオフ状態となる。
【0082】
自動降ろし動作及び自動積み込み動作は、スライド型荷役車両1の走行姿勢検知手段たる着床検知手段12及び初期位置検知手段15を、ウイング型荷役車両200の走行姿勢検知手段たる着床検知手段33と初期角度検知手段32に読みかえたものとなる。
即ち、図9に示すフローチャートのステップ3をカッコ内の「フックアーム初期角度検知」に置き換えたものである。
積み込み動作についても同様であり、図11に示すフローチャートのステップ4をカッコ内の「フックアーム初期角度検知」に置き換えたものである。
ダンプ動作及びダンプ戻し動作についても、フローチャートのカッコ内の「フックアーム初期角度検知」に置き換えたものである。
【0083】
また荷役車両200でもコンテナ2をダンプさせることができる。コンテナ2をダンプさせる際の工程は、前記したスライド型荷役車両1と同じであるから説明を省略する。
【0084】
以上説明した実施形態では、着床検知手段12によって、リフトアーム21が、車両部5側に着床状態であるか否かと、ダンプアーム16が着床しているか否かの双方を検知することとしたが、車両部5側にリフトアーム21が着床状態であるか否かを検知するセンサーと、ダンプアーム16が着床しているか否かを検知するセンサーを個別に設けてもよい。
【0085】
以上説明した荷役車両1、200は、いずれもコンテナ2をダンプさせる機能を備えているが、コンテナ2をダンプさせる機能は必須ではない。
【0086】
以上説明した実施形態では、リモコンのスイッチとして、ボタンスイッチを採用した。上記した実施形態で採用したボタンスイッチはモーメンタリースイッチの一種であり、作業者が押している間だけオン状態となり、手を離すとオフ状態となる。
しかしながら本発明は、このスイッチを採用するものに限定されず、一旦オンスイッチを操作すると、オフ操作を行うまでオン状態が維持される場合(オルタネイトスイッチ)や、電気的にオン状態を自己保持させるスイッチを採用することもできる。
【0087】
以上説明した実施形態では、荷役アームを動作させるアーム作動スイッチとして、自動降ろしスイッチ60と、自動積み込みスイッチ61と、ダンプスイッチ70と、ダンプ戻しスイッチ71が装備されているが、各部を個別に動作させるスイッチがあってもよい。
【0088】
以上説明した二種類の実施形態の内、スライド型の荷役車両1は、走行姿勢検知手段として、着床検知手段12と、初期位置検知手段15を有している。しかしながら、走行姿勢検知手段の個数や種類は任意である。また複数の走行姿勢検知手段を備えつつ、そのうちの一部の走行姿勢検知手段、例えば特定の走行姿勢検知手段の検知状況により、バンパー装置50の駆動が可能となるものであってもよい。例えば、着床検知手段12と初期位置検知手段15を双方とも備えつつ、着床検知手段12と、初期位置検知手段15のいずれか一方の検知状態によって、荷役アームが走行姿勢であるか否かを判断してもよい。
同様に、上記したスイング型の荷役車両200は、走行姿勢検知手段として、着床検知手段33と、初期角度検知手段32を有している。しかしながら、走行姿勢検知手段の個数や種類は任意である。スイング型の荷役車両200においても、複数の走行姿勢検知手段を備えつつ、そのうちの一部の走行姿勢検知手段、例えば特定の走行姿勢検知手段の検知状況により、バンパー装置50の駆動が可能となるものであってもよい。例えば、着床検知手段33と初期角度検知手段32を双方とも備えつつ、いずれか一方の検知状態によって、荷役アームが走行姿勢であるか否かを判断してもよい。
【0089】
例えば、着床検知手段12、33のみの検知によって荷役アームが走行姿勢であるか否かを判断してもよい。この場合には、例えば着床検知手段12、33と初期位置検知手段15又は初期角度検知手段32を備えつつ、積み込み動作の際、フックアーム21を、初期位置又は初期角度に戻した後に着床させるシーケンス動作を採用してもよい。
また初期位置検知手段15又は初期角度検知手段32の検知のみで判断してもよい。この場合には、例えば着床検知手段12、33と初期位置検知手段15又は初期角度検知手段32を備えつつ、積み込み動作の際、着床後にフックアームを初期位置又は初期角度に戻すシーケンス動作を採用してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1、200 荷役車両
2 コンテナ
3 積み降ろし用荷役アーム
5 車両部
6 制御装置
10 バンパー本体
11 コンテナ載置部
12、33 着床検知手段(走行姿勢検知手段)
15 初期位置検知手段(走行姿勢検知手段)
16 ダンプアーム(ダンプ用荷役アーム)
17 積載装置
20 フックアーム
21 リフトアーム
32 初期角度検知手段(走行姿勢検知手段)
50 バンパー装置
52 バンパー移動機構
55 格納検知手段
56 張出検知手段
60 自動降ろしスイッチ(降ろしスイッチ)
61 自動積み込みスイッチ
70 ダンプスイッチ
71 ダンプ戻しスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13