(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20241105BHJP
B41J 29/02 20060101ALI20241105BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G21/16 119
B41J29/02
B41J29/13
(21)【出願番号】P 2021046993
(22)【出願日】2021-03-22
【審査請求日】2024-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 耕造
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 隆
(72)【発明者】
【氏名】関口 肇
(72)【発明者】
【氏名】田岡 桂太朗
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-214415(JP,A)
【文献】特開2006-209049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
B41J 29/02
B41J 29/13
F16B 5/00- 5/12
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを収納するシートカセットと、
前記シートカセットに収納されたシートを給送する給送手段と、前記給送手段によって給送されるシートを搬送する搬送ローラと、を有する給送ユニットと、
前記給送ユニットによって給送されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置であって、
前記画像形成装置の枠組みを構成する枠体であって、前記画像形成装置の正面側
に設けられる第1枠体と、前記画像形成装置の背面側
であって、前記第1枠体と対向する位置に設けられる第2枠体と、
前記画像形成装置の底面側に設けられ、前記第1枠体と前記第2枠体
とに連結される第3枠体と、
前記画像形成装置の側面側に設けられ、前記第1枠体と前記第2枠体と前記第3枠体とに連結される第4枠体と、
を備える枠体と、
前記第2枠体に
鉛直方向を回動中心として回動可能に支持され
、水平方向に回動することにより
前記給送ユニットによって給送されるシート搬送路を覆う閉位置と、
前記シート搬送路を露出させる開位置との間を移動するドア部材と、
前記ドア部材の回動角度を規制する規制部材であって、一端部が前記第2枠体の保持部に保持され、他端部が前記ドア部材に保持された規制部材と、
を備え、
前記保持部は、前記画像形成装置の
前記側面側から前記水平方向に見たときに、前記第4枠体と重なる位置に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2枠体は金属製であり、
前記保持部は、前記第2枠体に絞り加工が施されることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シートカセットを
前記枠体の内側から外側に向けて移動可能に支持するレール部
材を備え、
前記第1枠体と前記第2枠体は、前記レール部材を支持することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送ローラは、
前記給送ユニットに支持された第1ローラと、前記ドア部材に支持され、前記第1ローラと共にシートを挟持
し、搬送する第2ローラ
と、から構成されており、
前記ドア部材が前記閉位置に位置する時、前記第1ローラと前記第2ローラは当接し、前記ドア部材が前記開位置に位置する時、前記第1ローラと前記第2ローラは離間することを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記規制部材は、可撓性を有するプラスチック製の部材であることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記規制部材は、金属製のワイヤーであることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記規制部材は、前記保持部に対してビスによって固定されていることを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いてシートに画像を形成する電子写真複写機、電子写真プリンタや、インクジェットプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置においては、枠体に対して回動可能に支持され、回動することにより開位置と閉位置との間を移動するドア部材を備える構成が広く知られている。ドア部材は、例えばジャム処理やメンテナンスに際し、画像形成装置の内部にアクセスするために閉位置から開位置に移動される。また特許文献1では、ドア部材の開位置での回動角度を規制する規制部材を設ける構成が記載されている。規制部材は、一端部が画像形成装置の本体側に保持されており、他端部がドア部材に保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成のように、規制部材によりドア部材の回動角度を規制する場合、画像形成装置の本体側で規制部材を保持する保持部には、ドア部材を開く際に操作者がドア部材を操作する力が規制部材を介して伝達されて大きな負荷がかかる。例えば操作者がドア部材を引くことでドア部材を閉位置から開位置に回動させる構成の場合、規制部材が回動を規制する時に、操作者がドア部材を引く力が規制部材を介して保持部に伝達される。従って、保持部の剛性が低い場合、この負荷によって保持部が変形し、ドア部材の操作性が悪化するおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、ドア部材の回動角度を規制する規制部材を備える画像形成装置において、規制部材を保持する保持部の変形を抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、シートを収納するシートカセットと、前記シートカセットに収納されたシートを給送する給送手段と、前記給送手段によって給送されるシートを搬送する搬送ローラと、を有する給送ユニットと、前記給送ユニットによって給送されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置であって、前記画像形成装置の枠組みを構成する枠体であって、前記画像形成装置の正面側に設けられる第1枠体と、前記画像形成装置の背面側であって、前記第1枠体と対向する位置に設けられる第2枠体と、前記画像形成装置の底面に設けられ、前記第1枠体と前記第2枠体とに連結される第3枠体と、前記画像形成装置の側面側に設けられ、前記第1枠体と前記第2枠体と前記第3枠体とに連結される第4枠体と、を備える枠体と、前記第2枠体に鉛直方向を回動中心として回動可能に支持され、水平方向に回動することにより前記給送ユニットによって給送されるシート搬送路を覆う閉位置と、前記シート搬送路を露出させる開位置との間を移動するドア部材と、
前記ドア部材の回動角度を規制する規制部材であって、一端部が前記第2枠体の保持部に保持され、他端部が前記ドア部材に保持された規制部材と、を備え、前記保持部は、前記画像形成装置の前記側面側から前記水平方向に見たときに、前記第4枠体と重なる位置に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ドア部材の回動角度を規制する規制部材を備える画像形成装置において、規制部材を保持する保持部の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】ドア部材が閉位置に位置する時のドア部材の周囲の斜視図である。
【
図4】ドア部材が開位置に位置する時のドア部材の周囲の斜視図である。
【
図5】ストッパの斜視図と、ストッパの周囲の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<画像形成装置>
以下、まず本発明に係る画像形成装置の全体構成を画像形成時の動作とともに図面を参照しながら説明する。なお、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
画像形成装置Aは、イエローY、マゼンダM、シアンC、ブラックKの4色のトナーを中間転写ベルトに転写した後、シートに画像を転写して画像を形成する中間タンデム方式の画像形成装置である。なお、以下の説明において、上記各色のトナーを使用する部材には添え字としてY、M、C、Kを付するものの、各部材の構成や動作は使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同じであるため、区別を要する場合以外は添え字を適宜省略する。
【0011】
図1は、画像形成装置Aの断面概略図である。
図1に示す様に、画像形成装置Aは、トナー像を形成してシートに転写する画像形成部1と、画像形成部1に向けてシートSを給送するシート給送部2を備える。
【0012】
画像形成部1は、感光ドラム11(11Y、11M、11C、11K)、帯電装置12(12Y、12M、12C、12K)、レーザスキャナユニット13(13Y、13M、13C、13K)を備える。また画像形成部1は、現像装置14(14Y、14M、14C、14K)、一次転写ローラ35(35Y、35M、35C、35K)、中間転写ベルト36、二次転写ローラ41、二次転写対向ローラ37を備える。
【0013】
シート給送部2は、異なるサイズのシートSをそれぞれ収納するシートカセット61a~61cと、シートカセット61a~61cに収納されたシートSを給送する給送ローラ71a~71cを備える。またシート給送部2は、給送ローラ71a~71cによって給送されたシートSを搬送する搬送ローラ72a~72c、73a~73c、74と、搬送ローラ74によって搬送されたシートSを画像形成部1に搬送するレジストローラ20を備える。
【0014】
搬送ローラ73aは、ローラ73a1(第1ローラ)とコロ73a2(第2ローラ)から構成されており、この両者によってシートSを挟持、搬送する。同様に、搬送ローラ73bは、ローラ73b1(第1ローラ)とコロ73b2(第2ローラ)から構成されており、この両者によってシートSを挟持、搬送する。同様に、搬送ローラ73cは、ローラ73c1(第1ローラ)とコロ73c2(第2ローラ)から構成されており、この両者によってシートSを挟持、搬送する。
【0015】
また画像形成装置Aの右側面には、
図2に示す枠体90に対して回動可能に支持され、水平方向である画像形成装置Aの左右方向に回動するドア部材81が設けられている。ドア部材81は、画像形成装置Aの内部を覆う閉位置と、画像形成装置Aの内部を露出させる開位置との間を回動する。ドア部材81が開位置に位置する時、搬送ローラ73a~73cが露出する。ユーザは、搬送ローラ73a~73cでシートSが詰まった場合、ドア部材81を閉位置から開位置に移動させて、詰まったシートSを取り除くジャム処理を行うことができる。またメンテナンス作業者は、ドア部材81を開位置に位置させて、画像形成装置Aの内部の部材の交換等のメンテナンスを行うことができる。なお、ドア部材81の回動方向は、完全な水平方向である必要はなく、公差や製造誤差の影響等によって水平方向に対して鉛直方向に±5度の範囲内でずれた略水平方向に回動する構成であればよい。
【0016】
次に、画像形成装置Aの画像形成動作について説明する。まず不図示の制御部に画像形成ジョブ信号が入力されると、シートカセット61a~61cのうち、ユーザによって指定されたサイズのシートSが収納されたシートカセットから、給送ローラ71a~71cのいずれかによってシートSが給送される。その後、シートSは、搬送ローラ72a~72c、73a~73cのいずれかと、搬送ローラ74によってレジストローラ20に搬送される。レジストローラ20は、所定のタイミングでシートSを二次転写ローラ41と二次転写対向ローラ37から形成される二次転写部に搬送する。
【0017】
一方、画像形成部1においては、まず帯電装置12Yにより感光ドラム11Y表面が帯電させられる。その後、リーダ43から送信された画像信号、又は、不図示の外部機器等から送信された画像信号に応じてレーザスキャナユニット13Yが感光ドラム11Yの表面にレーザ光を照射し、感光ドラム11Yの表面に静電潜像を形成する。
【0018】
次に、現像装置14Yは、感光ドラム11Yの表面に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させ、感光ドラム11Yの表面にイエローのトナー像を形成する。感光ドラム11Yの表面に形成されたトナー像は、一次転写ローラ35Yにバイアスが印加されることで、中間転写ベルト36に一次転写される。
【0019】
同様のプロセスにより、感光ドラム11M、11C、11Kの表面にも、レーザスキャナユニット13から画像信号に応じてレーザ光が照射され、マゼンダ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。その後、一次転写ローラ35M、35C、35Kに一次転写バイアスが印加されて、これらのトナー像が中間転写ベルト36上のイエローのトナー像に対して重畳的に転写される。これにより中間転写ベルト36の表面にフルカラーのトナー像が形成される。
【0020】
次に、中間転写ベルト36が周回移動することで、フルカラーのトナー像が二次転写部に送られる。そして二次転写部において二次転写ローラ41にバイアスが印加されることで、中間転写ベルト36上のフルカラーのトナー像がシートSに転写される。トナー像が転写されたシートSは、搬送ベルト42によって定着装置5に搬送され、定着装置5によってトナー像を加熱する定着処理が施され、これによりシートS上のトナー像がシートSに定着される。
【0021】
トナー像が定着されたシートSは、ユーザがシートSの片面への画像形成を指示する場合、排出ローラ19によって排出トレイ50に排出される。一方、ユーザが両面への画像形成を指示する場合、トナー像が定着されたシートSは、反転パス52に送られて、反転パス52においてスイッチバック方式で表裏が反転させられる。その後、シートSは、両面搬送パス21を通過してレジストローラ20に再び送られ、シートSの裏面に対して上記同様に画像形成が行われる。
【0022】
<枠体>
次に、画像形成装置Aの枠体90の構成について説明する。
【0023】
図2は、画像形成装置Aの枠体90の斜視図である。
図2に示す様に、画像形成装置Aの枠体90は、底板91(第3枠体)、右支柱92(第1枠体)、左支柱93、後側板94(第2枠体)、右ステー95(第4枠体)などの複数の板金が連結されることにより形成されている。
【0024】
右支柱92と左支柱93は、画像形成装置Aの正面側の枠体である。後側板94は、画像形成装置Aの背面側の枠体である。後側板94は、画像形成部1を構成する感光ドラム11や現像装置14等の部材を直接的、又は、他の部材を介して間接的に支持する。
【0025】
また右支柱92と後側板94には、シートカセット61bをスライド移動可能に支持するレール部材96aと、シートカセット61cをスライド移動可能に支持するレール部材96cが固定される。左支柱93と後側板94には、レール部材96aと共にシートカセット61bをスライド移動可能に支持するレール部材96bと、レール部材96cと共にシートカセット61cをスライド移動可能に支持するレール部材96dが固定される。
【0026】
底板91は、右支柱92、左支柱93、後側板94の鉛直方向の下方に配置された枠体である。底板91には、右支柱92、左支柱93、後側板94、右ステー95が、溶接によって連結されている。また底板91の下面には、画像形成装置Aの移動に用いられる複数のキャスター99が取り付けられる。
【0027】
右ステー95は、右支柱92と後側板94とを連結する枠体である。右ステー95は、底板91と右支柱92と後側板94に対して溶接によって連結されている。なお、本実施形態では、枠体を構成する各板金を溶接により連結する構成について説明したものの、本発明はこれに限られず、例えばビス等で固定して連結する構成としてもよい。
【0028】
ここで本実施形態において、画像形成装置Aの正面側とは、ユーザが画像形成に関する設定などを行うための操作部(不図示)を操作するために通常立つ側である。画像形成装置Aの背面側とは、枠体90を介して正面側の反対側である。画像形成装置Aの左側面側とは正面側から見て左側であり、右側面側とは正面側から見て右側である。また画像形成装置Aの正面側は、シートカセット61a~61cが引き出される側とも言える。また画像形成装置Aの背面側は、シートカセット61a~61cが挿入される側とも言える。
【0029】
<ドア部材>
次に、ドア部材81の構成について説明する。
【0030】
図3は、ドア部材81が閉位置に位置する時のドア部材81の周囲の斜視図である。
図3に示す様に、ドア部材81の外側には、ドア部材81を操作する操作者がドア部材81を移動させる際に把持する把手部82が設けられている。
【0031】
図4は、ドア部材81が開位置に位置する時のドア部材81の周囲の斜視図である。
図4に示す様に、ドア部材81は、搬送ローラ73a~73cの一部を構成するコロ73a2、73b2、73c2を支持する。またドア部材81は、搬送ローラ73a~73cによって搬送されるシートSをガイドする搬送ガイド83を支持する。
【0032】
また右支柱92と後側板94に支持された給送ユニット78は、搬送ローラ73a~73cの一部を構成するローラ73a1、73b1、73c1を支持する。即ち、ローラ73a1、73b1、73c1は、右支柱92と後側板94に間接的に支持されている。
【0033】
ドア部材81が閉位置に位置する時、シートSを搬送するために、搬送ローラ73a~73cのローラ73a1、73b1、73c1とコロ73a2、73b2、73c2はそれぞれ当接してシートSを挟持、搬送するニップ部を形成する。一方、ドア部材81が開位置に位置する時、搬送ローラ73a~73cのローラ73a1、73b1、73c1は枠体90に支持され、コロ73a2、73b2、73c2はドア部材81に支持されているため、両者が離間した状態で露出する。このようにドア部材81が開位置に位置する時に両者を離間させる構成とすることで、ユーザは、搬送ローラ73a~73cに詰まったシートSのジャム処理を簡単に行うことができる。
【0034】
またドア部材81は、後側板94に対して、二つのヒンジ75によって回動可能に支持されている。ヒンジ75は、後側板94に固定されるヒンジ板75aと、ドア部材81に固定されるヒンジ板75bと、ヒンジ板75a、75bにそれぞれ形成された不図示の貫通孔に挿通されるシャフト75cから構成されている。
【0035】
またドア部材81は、ストッパ70(規制部材)により、後側板94に対する回動角度が規制される。ドア部材81が閉位置から開位置に向かって回動し、この回動がストッパ70によって規制された位置が、ドア部材81が最大角度で開いた位置となる。ストッパ70の詳しい構成については後述する。
【0036】
またドア部材81は、ドア部材81が閉位置に位置する場合に右支柱92に形成された二つの係合突起61にそれぞれ係合する二つのフック部84を有する。ドア部材81が閉位置に位置する時、フック部84に形成された不図示の係合穴に対して係合突起61が係合することで、ドア部材81が開位置に向かって回動することが規制される。フック部84は、把手部82が把持されることに連動して移動し、これによりフック部84と係合突起61との係合が解除される。フック部84と係合突起61との係合が解除されると、ドア部材81の開位置への回動が可能となる。
【0037】
<ストッパ>
次に、ストッパ70の構成について説明する。
【0038】
図5(a)は、ストッパ70の斜視図である。
図5(b)は、画像形成装置Aにおけるストッパ70の周囲の斜視図である。
図6(a)は、ドア部材81におけるストッパ70の取り付け部分の斜視図である。
図6(b)は、後側板94におけるストッパ70の取り付け部分の斜視図である。
【0039】
図5(a)に示す様に、ストッパ70は、可撓性を有するプラスチック製のベルト状の部材である。ストッパ70の長手方向の一端部には、取付穴70aが設けられている。ストッパ70の長手方向の他端部には、取付穴70bが設けられている。またストッパ70は、取付穴70bと連通したスリット70cを有する。
【0040】
図5(b)に示す様に、ストッパ70の一端部は、後側板94に絞り加工が施されることによって形成された取付座面94a(保持部)に保持されている。ストッパ70の他端部は、ドア部材81に設けられた段軸65に保持されている。
【0041】
図6(a)に示す様に、ドア部材81の段軸65は、取付穴70bの直径よりも直径が大きい円筒部65aと、取付穴70bの直径と同等の直径の円筒部65bを有する。ストッパ70を段軸65に取り付ける場合、取り付けを行う作業者は、まずスリット70cを開き、スリット70cと連通する取付穴70bの直径が円筒部65aの直径よりも大きくなるようにストッパ70を弾性変形させる。その後、作業者は、ストッパ70の取付穴70bに対して段軸65の円筒部65bを嵌め込むことにより、ストッパ70を段軸65に取り付ける。なお、ストッパ70が取り付けられた後、ストッパ70の取付穴70bの直径は、弾性変形の復元力により円筒部65aの直径よりも小さくなるため、ストッパ70が段軸65から外れることが抑制される。
【0042】
図6(b)に示す様に、後側板94の取付座面94aには、バーリング94a1が形成されている。ストッパ70を取付座面94aに取り付ける場合、ストッパ70の取付穴70aに対して取付座面94aのバーリング94a1を挿通させた後、バーリング94a1に対してビス69を締結する。これによりストッパ70が取付座面94aに取り付けられる。
【0043】
ここで取付座面94aは、画像形成装置Aの左右方向(水平方向)から見たときに右ステー95と重なる位置に配置されている。換言すれば、取付座面94aの鉛直方向の位置は、鉛直方向において右ステー95が存在する範囲である、
図6(b)に示す範囲Jの内側に少なくとも一部が位置する。後側板94と右ステー95は連結されているため、上述した後側板94における取付座面94aが配置された位置は、後側板94における右ステー95との連結部分の近傍の位置である。また、後側板94と右ステー95は底板91に連結されているため、上述した後側板94における取付座面94aが配置された位置は、後側板94における底板91との連結部分の近傍の位置でもある。
【0044】
このように取付座面94aを後側板94における右ステー95や底板91との連結部分の近傍に配置することにより、ストッパ70によりドア部材81の回動を規制する時、ストッパ70を介して取付座面94aに伝達される負荷を、後側板94だけでなく右ステー95や底板91で受けることができる。従って、取付座面94aを後側板94における右ステー95や底板91との連結部分から遠い位置に配置し、後側板94のみで上記負荷の大部分を受ける構成と比較して、取付座面94aにかかる応力を減らすことができる。このため、ストッパ70を保持する取付座面94aの変形を抑制することができる。
【0045】
なお、本実施形態では、ストッパ70としてプラスチック製のベルトを用いる構成について説明したものの、本発明はこれに限られるものではない。即ち、例えばストッパ70として金属製のワイヤーを用いる構成等、ストッパ70の材質や形状を変更しても上記同様の効果を得ることができる。
【0046】
また本実施形態では、ストッパ70を保持する取付座面94aを後側板94に絞り加工を施すことによって形成する構成について説明したものの、本発明はこれに限られるものではない。即ち、例えば後側板94の絞り加工が施されていない部分にストッパ70を保持させる構成や、後側板94に対して別の部材をビス等で固定し、この別の部材にストッパ70を保持させる構成としても上記同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0047】
61a~61c…シートカセット
70…ストッパ(規制部材)
73a~73c…搬送ローラ
81…ドア部材
91…底板(第3枠体)
92…右支柱(第1枠体)
94…後側板(第2枠体)
94a…取付座面(保持部)
95…右ステー(第4枠体)
96a~96d…レール部材
A…画像形成装置