(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】縫合穴を有する埋め込み型パルス発生器、その埋め込み方法、および能動型の埋め込み型医療機器内への外部コンポーネントの封入方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/362 20060101AFI20241105BHJP
A61N 1/372 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
A61N1/362
A61N1/372
(21)【出願番号】P 2021516467
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(86)【国際出願番号】 US2019052403
(87)【国際公開番号】W WO2020068652
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-20
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517155196
【氏名又は名称】ガルバニ バイオエレクトロニクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルー,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】コン,ペン
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン,デイビッド ケイ.
【審査官】近藤 裕之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0281957(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0059467(US,A1)
【文献】特開2012-045103(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0247712(US,A1)
【文献】特表2008-538988(JP,A)
【文献】国際公開第2006/126201(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/362
A61N 1/372
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み型パルス発生器であって、
電源と、
非埋め込み装置との無線通信を容易にするように構成されている無線通信コンポーネントと、
前記電源に接続されているパルス発生回路と、
1以上のリード接続であって、前記1以上のリード接続の各リード接続が、
リードと係合する形状を有し、
前記パルス発生回路に電気的に接続されて、前記リードに前記パルス発生回路により生じさせられた電気出力刺激の少なくとも一部を供給させることを可能にする、
前記1以上のリード接続と、
1以上の外表面であって、
外表面の端部から突起するタブを貫通し、少なくとも0.1mmで5mm未満の直径をそれぞれ有する1以上の縫合糸係合穴と、1以上の手術ツール係合穴であって、
四角形状であり、前記タブを貫通し、1以上の
前記縫合糸係合穴の直径よりも大きい直径をそれぞれ含み、手術ツールによって係合されるように構成されている
前記手術ツール係合穴と、を含む、1以上の外表面と、
を備える埋め込み型パルス発生器。
【請求項2】
前記1以上の外表面の第1外表面は、前記埋め込み型パルス発生器の長さ方向における端面から突起する第1タブを含み、前記第1タブを通って、1以上の第1縫合糸係合穴のそれぞれが前記第1タブの厚さ方向である深さ寸法に沿って延び、
前記1以上の外表面の第2外表面は、前記埋め込み型パルス発生器の前記長さ方向における前記第1タブと反対側に位置する端面から突起する第2タブを含み、前記第2タブを通って、1以上の第2縫合糸係合穴が前記深さ寸法に沿って延び、前記1以上の第2縫合糸係合穴のそれぞれは、前記1以上の第1
縫合糸係合穴の少なくとも1つから前記埋め込み型パルス発生器の前記第1タブ及び前記第2タブ間の方向に沿った長さの少なくとも90%である離間距離で離され、前記埋め込み型パルス発生器の前記長さは、前記埋め込み型パルス発生器の前記深さ寸法における深さおよび前記埋め込み型パルス発生器の前記長さ及び前記深さのいずれにも直交する方向の幅のそれぞれに垂直であり、それぞれよりも長い、請求項1に記載の埋め込み型パルス発生器。
【請求項3】
前記1以上の外表面は、前記1以上の外表面が、
少なくとも1つの第1縫合糸係合穴であって、前記少なくとも1つの第1縫合糸係合穴の各第1縫合糸係合穴が、
前記第1縫合糸係合穴の中心が、前記埋め込み型パルス発生器の長さ方向における端面である第1縁部から5mm未満となるように配置され、
少なくとも0.1mmで5mm未満である直径を有する、前記少なくとも1つの第1縫合糸係合穴と、
少なくとも1つの第2縫合糸係合穴であって、前記少なくとも1つの第2縫合糸係合穴の各第2縫合糸係合穴が、
前記第2縫合糸係合穴の中心が、前記埋め込み型パルス発生器の前記長さ方向において前記第1縁部とは反対側の端面である第2縁部から5mm未満となるように配置され、前記第2縁部は、前記第1縁部に平行であり、
少なくとも0.1mmで5mm未満である直径を有する、前記少なくとも1つの第2縫合糸係合穴と、
を含むように構成されている、請求項
2に記載の埋め込み型パルス発生器。
【請求項4】
1以上のハウジングをさらに備え、
前記1以上のハウジングは、
前記電源、
および/または、
前記パルス発生回路、
を少なくとも部分的に封入し、
前記1以上の外表面及び前記無線通信コンポーネントは、前記1以上のハウジングの少なくとも1つに取り付けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の埋め込み型パルス発生器。
【請求項5】
前記1以上の外表面は、平面的な表面及び/またはC字状の表面を有し、
前記1以上の縫合糸係合穴は、前記表面を通って延びる、請求項1から4のいずれか一項に記載の埋め込み型パルス発生器。
【請求項6】
前記1以上の外表面は、金属材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の前記埋め込み型パルス発生器。
【請求項7】
前記1以上の外表面は、
4つの縫合糸係合穴を含むように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の埋め込み型パルス発生器。
【請求項8】
前記1以上の外表面は、少なくとも0.5mmで2.5mm未満の直径をそれぞれ有する
4つの縫合糸係合穴を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の埋め込み型パルス発生器。
【請求項9】
前記無線通信コンポーネントは、1以上のパターン付き平面導体素子を備えるアンテナを備え、
前記1以上のパターン付き平面導体素子の少なくとも1つは、前記埋め込み型パルス発生器の外面に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の埋め込み型パルス発生器。
【請求項10】
前記電源は、再充電可能バッテリを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の埋め込み型パルス発生器。
【請求項11】
前記パルス発生回路は、
前記非埋め込み装置との無線通信に基づいて、電気パルス刺激のための時間特性および振幅特性を特定し、
前記時間特性および振幅特性を有する電気出力刺激を生じさせるように構成されており、
前記1以上のリード接続は、リードと係合する形状を有する、請求項1に記載の埋め込み型パルス発生器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月24日に出願された米国特許出願第16/140,471号および2019年7月11日に出願された米国仮特許出願第62/872,767号の利益および優先権を主張する。これらの出願のそれぞれの内容は、あらゆる目的に関して引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
実施形態は、埋め込み型刺激装置に関する。具体的には、いくつかの実施形態は、1以上の縫合穴および/または2次元形状係数を有するアンテナを備える埋め込み型パルス発生装置に関する。
【背景技術】
【0003】
生物学的プロセスの多くは、内因性の電気的活動を介して行われる。時折、病気または疾患はこれらの生物学的プロセスに影響を与え、その結果、不規則または変化した電気的活動となることがある。損なわれた電気的活動は、心臓欠陥、感覚障害、運動機能の悪化、さらには死にさえもつながり得る。起こり得る症状の確率または程度を下げるように、様々な医療機器が設計されて電気的活動を修正および/または部分的に制御している。たとえば、心臓の電気信号を制御するためにペースメーカが使用されている。個々の神経を正確に刺激でき、隣接組織に実質的な損傷を与えることなく、しっかりと装着できる他の医療機器が開発されることが望ましいであろう。
【0004】
さらに、埋め込み型医療機器は、典型的に電子機器、バッテリ、アンテナ、および他の能動型および受動型コンポーネントを含む。これらのコンポーネントは筐体内に密閉されるか、そうでない場合は、封入されて湿気の侵入を防ぐ。たとえば、通信アンテナが筐体に取り付けられてもよいし、オーバーモールド(たとえば、コンポーネントを封入するために生体適合性エポキシを使用)によりヘッダが適所に形成されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
埋め込み型医療機器、埋め込み型システム、および埋め込み型医療機器を作成する方法に関連して様々な例が説明されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によっては、電源と、非埋め込み装置との無線通信を容易にするように構成された無線通信コンポーネントと、前記電源に接続されたパルス発生回路とを含む埋め込み型パルス発生器が提供される。前記パルス発生回路は、前記非埋め込み装置との無線通信に基づいて、電気パルス刺激のための時間特性および振幅特性を特定し、前記時間特性および振幅特性を有する電気出力刺激を生じさせるように構成できる。前記埋め込み型パルス生成は、さらに、1以上のリード接続を含むことができ、各リード接続はリードを係合する形状を有し、前記パルス発生回路に電気的に接続されて、前記リードに前記パルス発生回路により生じさせられた前記電気出力刺激の少なくとも一部の供給を可能とする。前記埋め込み型パルス発生器は、さらに、1以上の縫合糸係合コンポーネントを含むことができ、各縫合糸係合コンポーネントは少なくとも0.1mmで5mm未満の直径をそれぞれ有する1以上の穴を含む。
【0007】
いくつかの場合では、埋め込み型パルス発生器の埋め込み方法が提供される。標的の解剖学的位置(たとえば、腹筋)の近傍に閉塞具があるようにトロカールを人に挿入できる。前記トロカールは、前記閉塞具および前記トロカール内の開口部から前記閉塞具へと延びるカニューレを含むことができる。埋め込み型パルス発生器は前記トロカール内の前記開口部に挿入されて、前記トロカールの前記カニューレを通した前記埋め込み型パルス発生器の前進を容易にすることができる。前記埋め込み型パルス発生器は、電気パルス刺激のための時間特性および振幅特性を特定し、前記時間特性および振幅特性を有する電気出力刺激を生じさせるように構成されているパルス発生回路を含むことができる。前記埋め込み型パルス発生器は、さらに、1以上のリード接続を含むことができ、各リード接続はリードを係合する形状を有し、前記パルス発生回路に電気的に接続されて、前記リードに前記パルス発生回路により生じさせられた前記電気出力刺激の少なくとも一部を供給させることを可能にする。前記埋め込み型パルス発生器は、さらに、それぞれが1以上の穴を含む1以上の縫合糸係合コンポーネントを含むことができる。前記方法は、さらに、縫合糸把持装置を位置付けることを含むことができ、前記縫合糸把持装置の一式の把持顎が、前記トロカールの前記カニューレを通って延び、前記一式の把持顎の先端は前記標的の解剖学的位置の近傍となり、1以上のハンドル制御部は前記開口部の外側に留まるようにする。前記縫合糸把持装置は、前記1以上のハンドル制御部の1以上の位置が前記一式の把持顎の前記先端の開閉を制御するように構成できる。前記方法は、さらに、前記一式の把持顎の前記先端が前記1以上の穴のうちの穴と、前記標的の解剖学的位置の解剖部位とに、縫合糸を通すことと、さらに前記縫合糸を結ぶことによって、前記埋め込み型パルス発生器を前記標的の解剖学的位置に少なくとも部分的に貼り付けることとを容易にするように、一定期間にわたって前記1以上のハンドル制御部の前記1以上の位置を制御すること、をさらに含む。
【0008】
実施形態によっては、埋め込み型パルス発生器の製造方法が提供される。前記方法は、1以上のリード接続のそれぞれをパルス発生回路と電気的に接続することであって、前記パルス発生回路が、電気パルス刺激のための時間特性および振幅特性を特定し、前記時間特性および振幅特性を有する電気出力刺激を生じさせるように構成されている、電気的に接続することを含むことができる。前記方法は、前記パルス発生回路が1以上の外表面内にあるように、前記1以上の外表面を形成または固定することであって、前記1以上の外表面は、少なくとも0.1mmで5mm未満の直径をそれぞれ有する1以上の穴を含む、または含むようにさらに処理される、1以上の外表面を形成または固定することを含むことができる。
【0009】
実施形態によっては、1つの一般的態様は、蓋と前記蓋に接続される側壁とを含む筐体を含む埋め込み型装置を含む。前記埋め込み型装置はまた、前記筐体の内部容積内に設けられる電子機器アセンブリを含む。前記埋め込み型装置はまた、前記電子機器アセンブリに電気的に接続され、前記筐体を通って延びている一式の導電性リードを含む。前記埋め込み型装置はまた、前記側壁の外表面に設けられ、本体とタブとを含む通信アンテナを含み、前記タブは一式の導電端子を含み、前記本体は、生体適合性材料でコーティングされ、前記一式の導電端子は、前記一式の導電性リードに電気的に接続される。
【0010】
実施形態によっては、他の一般的態様は、方法を含み、前記方法は、電子機器アセンブリを含む筐体を提供することを含む。前記方法はまた、前記筐体の少なくとも蓋を囲うようにヘッダを連結することを含み、前記ヘッダの境界縁部にアクセスウィンドウが形成され、一式の導電性リードは、前記電子機器アセンブリから前記アクセスウィンドウを通して延びる。前記方法はまた、通信アンテナを前記筐体の側壁の外表面に接続することを含む。前記通信アンテナは、本体と、前記アクセスウィンドウにサイズおよび形状において対応し、前記電気的終端タブに設けられる一式の導電端子を前記一式の導電性リードと整列させる電気的終端タブとを含む。
【0011】
実施形態によっては、他の一般的態様は、システムを含み、前記システムは、埋め込み型医療機器とアンテナとを含む。前記埋め込み型医療機器はまた、電子機器アセンブリを収容するための筐体を含み、前記筐体は、蓋と前記蓋に接続される側面とを含む。前記埋め込み型医療機器は、前記電子機器アセンブリから前記筐体の外まで前記蓋を介して延びるために一式の導電性リードを含む。前記アンテナは取り付け場所の前記側面の外表面に接続する。前記アンテナは、生体適合性材料に封入される本体部と、前記本体部に接続されるタブ部と、前記タブ部に設けられ、前記アンテナが前記取り付け場所の前記外表面に接続されると、前記一式の導電性リードと整列する一式の導電端子とを備える。
【0012】
実施形態によっては、他の一般的態様は、装置を含み、前記装置は、蓋と側壁とを含む筐体を含む。前記装置はまた、前記筐体の内部容積内に設けられ、前記筐体の前記蓋を通って延びる複数の導電性リードを含む電子機器アセンブリを含む。前記装置はまた、前記蓋の外表面に接続され、前記複数の導電性リードの第1部に電気的に接続される1以上の電気コンポーネントを含む。前記装置はまた、前記1以上の電気コンポーネントを封入し、それを通して前記複数の導電性リードの第2部が延びるアクセスウィンドウを含むヘッダを含む。前記アクセスウィンドウは、通信アンテナのタブを受け入れるようにサイズ決めされる。
【0013】
実施形態によっては、他の一般的態様は、装置を含み、前記装置は、電子機器アセンブリを収容するための筐体を含む。前記筐体は、蓋と前記蓋に接続される側壁とを含む。前記装置はまた、前記筐体の前記蓋を通って延びている一式の導電ピンを含む。前記装置はまた、前記側壁の外表面に接続される通信アンテナを含み、前記通信アンテナは一式の導電端子を含む。前記一式の導電ピンは前記一式の導電端子によって受け入れられ、前記一式の導電端子に電気的に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下、下記の図面を参照することで本発明の例示の実施形態が詳細に説明される。
【0015】
【
図1】
図1A~1Cは、本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の複数の図を示す。
【0016】
【
図2A】本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の製造プロセスにおける様々な段階を示す。
【
図2B】本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の製造プロセスにおける様々な段階を示す。
【
図2C】本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の製造プロセスにおける様々な段階を示す。
【
図2D】本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の製造プロセスにおける様々な段階を示す。
【
図2E】本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の製造プロセスにおける様々な段階を示す。
【0017】
【
図3A】本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の埋め込みプロセスにおける様々な段階を示す。
【
図3B】本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の埋め込みプロセスにおける様々な段階を示す。
【
図3C】本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の埋め込みプロセスにおける様々な段階を示す。
【0018】
【
図4】少なくとも1つの例による埋め込み型医療機器の斜視図を示す。
【0019】
【
図5】少なくとも1つの例による
図4の埋め込み型医療機器の分解組立図を示す。
【0020】
【
図6】少なくとも1つの例による通信アンテナの斜視図を示す。
【0021】
【
図7A】少なくとも1つの例による埋め込み型医療機器の形成における第1状態の斜視図を示す。
【
図7B】少なくとも1つの例による
図7Aの埋め込み型医療機器の形成における第2状態の斜視図を示す。
【
図7C】少なくとも1つの例による
図7Aの埋め込み型医療機器の形成における第3状態の斜視図を示す。
【
図7D】少なくとも1つの例による
図7Aの埋め込み型医療機器の形成における第4状態の斜視図を示す。
【0022】
【
図8】少なくとも1つの例による
図7Dで示された埋め込み型装置の一部の詳細図を示す。
【0023】
【
図9】少なくとも1つの例による
図4の埋め込み型医療機器の端面図を示す。
【0024】
【
図10】少なくとも1つの例による埋め込み型医療機器を作成するプロセスを示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
埋め込み型パルス発生器(「IPG」)または神経調節のためのその他の同様の装置等の埋め込み型医療機器と関連して、本明細書中に例が説明されている。以下の説明は例示としてのみであり、いかなる方法であっても限定する意図はないことが当業者であれば理解するであろう。たとえば、埋め込み型医療機器に対して説明されている特性は、人の身体に埋め込まれるその他のいかなる医療機器にも適用可能である。次に、添付の図面に示される実装例を詳細に参照する。同一の参照指示が図面中および以下の説明にわたって使用され、同一または同様の項目が参照される。
【0026】
明確にするため、本明細書中に説明される例の通常の特徴の全てが示され、説明されているわけではない。このような実際の実装の開発において、たとえば、適用およびビジネスに関連する制約の順守等の、開発者の具体的な目的を実現するために数多くの実装特有の決定が行われなくてはならないこと、およびこれらの具体的な目的が一実装から他の実装および一開発者から他の開発者では異なるということが、当然、理解されるであろう。
【0027】
埋め込み型装置は、身体の非常に特定の部分に直接的に影響を与える可能性がある。しかしながら、埋め込みプロセスおよび埋め込み型装置の内部位置の維持の両方に相当なリスクを伴う。たとえば、埋め込みプロセス中、周辺組織が損傷を受けるかもしれない。他の例として、装置が埋め込まれた後、周辺領域が炎症を起こすかもしれない。また、他の例として、装置が埋め込まれた後、標的場所から移動して、さらなる組織損傷および/または炎症反応を引き起こすかもしれない。このように、組織損傷、炎症反応、および装置の移動のリスクを減らす装置および埋め込みプロセスを構成することが望ましいであろう。
【0028】
実施形態によっては、埋め込み型装置のコンポーネントおよび空間的特性により、これらのリスクの低減を容易にすることができる。たとえば、装置に縫合糸係合コンポーネントを組み込むことで(たとえば、1以上のタブ、フック、穴、チャネル等)、より小さな経路を通して装置を埋め込むことを容易にすることができる(および/または解剖構造との接触をより少なくしながら)および/または標的場所に装置を安定的に固定することを容易にすることができる。縫合糸係合コンポーネントは、平面形状、平坦面、円形表面(たとえば、縁部にて)、および/または包まれた表面(wrapped surface)(たとえば、埋め込み型装置の1以上の内部パーツを包んでもよいC字状表面)を含むことができ、または有することができる。縫合糸係合コンポーネントは、剛であることができ、(たとえば)金属材料、金属、チタニウム、および/またはポリマーを含むことができる。場合によっては、縫合糸係合コンポーネントは、埋め込み型装置のハウジング内に含まれるものと同じ材料を含む。場合によっては、縫合糸係合コンポーネントの組成物は埋め込み型装置のハウジングと同じである。場合によっては、縫合糸係合コンポーネントは、埋め込み型装置のハウジングの拡張部または一部である。
【0029】
縫合糸係合コンポーネントは、縫合糸係合コンポーネントの少なくとも一部が、埋め込み型装置の外面の一部となるように配置されてもよい。たとえば、縫合糸係合コンポーネントは、装置のタブ、突起部、縁部、フック、J字型またはL字型縁部等を含んでもよい。縫合糸係合コンポーネントは、装置の平均、中間、最大、または中央厚さとは異なる厚さ(たとえば、より小さい、またはより大きい)を有してもよい。場合によっては、縫合糸係合コンポーネントは、装置の寸法にわたって変化する厚さを有してもよい(たとえば、装置の周りに隆起部または縁部を作成する、または縫合糸係合コンポーネントにわたって厚さを次第に小さくするため)。厚さの差(たとえば、縫合糸係合コンポーネント内における、および/または装置のその他のパーツに対する)は、手術ツールで、構造を把持することや構造を引っ掛けること等を容易にすることができるため、装置の埋め込みを容易にすることができる。ある特定の例では、突出する薄い表面を含む構成は、装置のより広い部分を掴む(たとえば、このことは、把持具をより広く開くことを含み得、これはより多くの損傷を招き得る)というよりもむしろ、(手術ツールを使用して)薄い表面を掴み、標的場所へと装置を引き、または押すことで装置の埋め込みを容易にすることができる。
【0030】
装置は、単一の縫合糸係合コンポーネントまたは一式の縫合糸係合コンポーネント(たとえば、2つまたは4つの縫合糸係合コンポーネント)を含んでもよい。装置が複数の縫合糸係合コンポーネントを含む場合、縫合糸係合コンポーネントは、同一の、同様の、または相補的な構成に配置されてもよい。たとえば、各縫合糸係合コンポーネントが1以上の層を含む場合、1つの縫合糸係合コンポーネントの1以上の層が各他の縫合糸係合コンポーネントの1以上の層に平行(および/または同平面上)となるように縫合糸係合コンポーネントが構成されてもよい。
【0031】
縫合糸係合コンポーネントは、1以上の穴を含むことができる。穴は、縫合糸を受け入れるように十分な大きさにサイズ決めできる。たとえば、各穴は少なくとも0.1、0.5、1、または2mmの直径を有することができる。直径は(たとえば、小型設計を容易にするために)(たとえば)10mm、5mm、3mm、または2mm未満であってもよい。埋め込み場所を標的場所の近傍に位置付けするにあたり、穴は装置を標的場所に固定するために使用できる。たとえば、1以上の穴(またはそのサブセット)のそれぞれに対して、縫合糸が穴に通され、解剖構造(たとえば、組織)にも通されてもよい。
【0032】
1以上の穴の各穴は、厚さ寸法に沿って装置を通って延びてもよい。このように、たとえば、縫合糸係合コンポーネントが単一層の場合、穴は層を通って延びてもよく、縫合糸係合コンポーネントが複数の層を含む場合、穴は複数の層のそれぞれを通って延びてもよい。このように、場合によっては、穴はチャネル(たとえば、1以上の層を通る)を含む。縫合糸係合コンポーネントは、埋め込み型装置が装置の反対側に穴を含むように配置され、または画定されてもよい。たとえば、1以上の穴は、(たとえば、1以上の穴のそれぞれの中心が第1縁部から20、10、5、または3mm以内となるように)装置の第1縁部の近傍に配置されることができ、1以上の他の穴は、(1以上の他の穴のそれぞれの中心が第2反対縁部から20、10、5、または3mm以内となるように)装置の第2反対縁部の近傍に配置されることができる。場合によっては、埋め込み型装置は、少なくとも4つの穴を含む。場合によっては、少なくとも2つの穴は、装置の長さの少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%ほど、長さ方向の寸法に沿って離間している。場合によっては、少なくとも2つの穴は、装置の幅の少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%ほど、幅方向の寸法に沿って離間している。
【0033】
埋め込み型装置は、埋め込み型パルス発生器を含むことができる。埋め込み型パルス発生器は、装置に接続されるパルス出力を制御するパルス発生回路を含むことができる。たとえば、パルス発生回路は、埋め込み型装置に接続される1以上のリードによって出力されるパルス刺激の時間特性および/または振幅特性を特定するように構成されていることができる。場合によっては、パルス発生回路はパルスのトリガおよび/または時系列刺激電気出力(たとえば、1以上のリードに供給される)を生成する。埋め込み型装置は、1以上のリード接続(たとえば、1以上のポート)を含むことができ、それらはそれぞれ、リードに物理的に係合または取り付けられて、リードをパルス発生回路に電気的に接続するように構成されている(たとえば、形作られて配置される)ことができる。埋め込み型装置は、さらに、電源(たとえば、再充電可能または非再充電可能バッテリ)を含むことができる。埋め込み型装置は、無線通信コンポーネントを含んで、(たとえば、BLUETOOTH(登録商標)チャネルを介して)埋め込み型装置と他の装置との間の通信を容易にすることも可能である。他の装置は、非埋め込み型および/または遠隔装置を含むことができる。無線通信コンポーネントは、アンテナを含むことができる。
【0034】
埋め込みのリスクを低減できる埋め込み型装置の特性の他の例として、無線通信コンポーネントの効率的な構成は、埋め込みプロセス、および/または埋め込み型装置の最終的な位置が様々な解剖学的特徴に及ぼす影響の程度を低減するように、埋め込み物のサイズを抑えることができる。たとえば、無線通信コンポーネントは、埋め込み型装置の外表面に配置される平面的なコンポーネントを含むアンテナを含むことができる。アンテナは(たとえば)缶ハウジングに設置されてもよい。平面的なコンポーネントは(たとえば)アンテナを目標周波数または目標周波数範囲で信号を送信および/または受信可能にする形状の導電体を含むことができる。形状は、(たとえば)導電体のない一式のスロットおよび/または開口部を含むようにパターン化できる(たとえば)正方形、長方形、円形、または卵形を含むことができる。アンテナは、2次元形状係数を含むことができる。スロットおよび/または開口部は、形状の境界にある境界の縁部または部分を有してもよい。平面的なコンポーネントは埋め込み型装置内の回路(たとえば、パルス発生回路)に(たとえば、ワイヤを介して)接続できる。接続は、(たとえば)パルス発生回路によって生成されるパルスのパルス特性を指定または抑制するコマンドが他の装置によって送信できるようにすることが可能である。
【0035】
場合によっては、無線通信コンポーネントは、絶縁層によって分離される(たとえば、そしてワイヤを介して接続される)多数の平面的なコンポーネントを含む。平面的なコンポーネントの1つ(たとえば、非外部コンポーネント)は、接地として機能できる。このように、無線通信コンポーネントは、スタック(stack)を含むことができ、これは埋め込み型装置のハウジングに配置されてもよい。埋め込み型装置は(場合によっては)、(たとえば)パルス発生回路と電源(たとえば、再充電可能バッテリ)とを収容する缶ハウジングと、(たとえば)1以上のリード接続とコイル(たとえば、バッテリ充電用)とを収容するヘッダハウジング(たとえば、ヘッダコーティング)とを含むことができる。コイルは、(たとえば)複数巻きの金ワイヤ等の導電性ワイヤを含むことができる。たとえば、コイルは、少なくとも3巻き、少なくとも5巻き、または少なくとも8巻き、および/または20巻き未満、15巻き未満、または10巻き未満であってもよい。巻回の直径は、(たとえば)少なくとも10mm、少なくとも20mm、または少なくとも50mmおよび/または200mm未満、100mm未満、または75mm未満であってもよい。あらゆる目的に関してその全体が引用により本明細書に組み込まれる2018年9月12日に出願された米国出願番号62/730,104号に、可能性のあるIPGコイルの追加的な構成の詳細が開示されている。無線通信コンポーネントは、缶ハウジングに少なくとも部分的に、または完全に、および/またはヘッダハウジングに少なくとも部分的に、または完全に配置されることができる。
【0036】
例示では、埋め込み型医療機器は、金属筐体内に収容されるかエポキシヘッダに包み込まれているかのいずれかである、能動型コンポーネント(たとえば、電子機器およびバッテリ)を含む。エポキシヘッダは、アクセスウィンドウを含み、それによって能動型コンポーネントからの導電性リードがアクセス可能である。通信アンテナは、セラミック基板に作成されるが、分離プロセスの一部としてエポキシに完全に、または部分的に封入されて、金属筐体の外表面にヘッダから離れて接続される。アンテナの上部に配置されるタブは、組み立て中に導電性リードに接続される導電端子を含む。タブのサイズおよび形状は、アクセスウィンドウと対応する形状を有するように作成されるが、アクセスウィンドウ内にタブが嵌ることができるようにわずかに小さな寸法を有する。一度、接続されると、導電性リードは、レーザ溶接プロセスまたは他の適切なプロセスを使用して導電端子に電気的に接続される。シリコーンまたは他の生体適合性材料がアクセスウィンドウを埋めるために用いられる。ビード状の当該材料もヘッダに隣接するアンテナの境界縁部とヘッダとの間に用いられて、アンテナとヘッダとの間に滑らかな移行部を作る。
【0037】
従来のヘッダコンポーネントのオーバーモールドは、型成形中に全てのコンポーネントを適所に保持するために必要な複雑な固定具、エポキシが全てのコンポーネントを囲うために必要な追加時間、および硬化に必要な追加時間を理由として困難であると判明するかもしれない。しかしながら、上述の装置は、通信アンテナを囲うヘッダと比較して、ヘッダの上部の複雑な形状周辺にエポキシを流すために必要な時間量を減らし、エポキシヘッダの硬化時間量を減らす。さらに、筐体の上部のより単純な形状を理由として、予成形されたヘッダが実用的であるかもしれず、これは製造コストおよび生産時間を減少させ得る。通信アンテナおよびヘッダが異なるプロセスを使用して作成されるため、設計者は、ヘッダと比較して通信アンテナには異なる特性を持つカスタマイズされたエポキシを選択できる(たとえば、一方はヘッダ用および異なる一方はアンテナ封入用)。通信アンテナをヘッダから分離させることはまた、エポキシの厚さの一様性を向上できる。このことは、通信アンテナのより予測可能な動作を可能にし、このことは非均一な表面による影響を受け得る。アンテナは硬化サイクル中に損害を受け得る能動型コンポーネントを一切含まないため、通信アンテナをヘッダから分離させることは通信アンテナの完全な硬化サイクルを可能にする。最終的に、上述のように通信アンテナを筐体の外表面に接続することは、アンテナおよび(アンテナのない)埋め込み型医療機器を平行して製造することを可能にし、その結果、並列化の利益を得る。
【0038】
図1A~1Bは、本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の複数の図を示す。
図1Aは、埋め込み型パルス発生器の表側100aを示す。埋め込み型パルス発生器は缶105とヘッダ110とを含む。埋め込み型装置は、長さ寸法111に沿った長さ、幅寸法112に沿った幅、および深さ寸法に沿った深さ(長さ寸法111および幅寸法112のそれぞれに対し垂直)を有することを特徴とできる。装置の長さは、(たとえば)3インチ未満、2インチ未満、または1インチ未満であってもよい。装置の幅は、(たとえば)2インチ未満、1インチ未満、または0.5インチ未満であってもよい。缶105およびヘッダ110は、装置の幅の異なる部分に対応できる。
【0039】
缶105は、様々なコンポーネントを収容するハウジングを含むが、缶ハウジングおよび缶ハウジング内に収容されるコンポーネントも集合的に指すことができる。缶ハウジングは、チタニウム等の金属を含むことができる。缶ハウジングは、(たとえば)回路(たとえば、パルス発生回路)および再充電可能バッテリを収容できる。缶ハウジング(および、たとえば、埋め込み型装置自体)は密閉可能である。
【0040】
ヘッダ110は、様々なコンポーネントを収容するヘッダハウジング(たとえば、コーティング)を含むことができるが、ヘッダハウジングおよびヘッダハウジング内に収容されるコンポーネントも集合的に指すことができる。ヘッダハウジングはエポキシまたはポリマーを含むことができる。ヘッダハウジングは、(たとえば)再充電可能バッテリおよび1以上のリード接続(たとえば、コネクタスタック120)に接続される充電コイル115を収容できる。埋め込み型装置の外表面の一部(たとえば、缶ハウジング、ヘッダハウジング)である埋め込み型パルス発生器の各コンポーネント(またはコンポーネントの各部分)は、生体適合性とすることが可能である。
【0041】
埋め込み型装置は、さらに、アンテナ125等の無線通信コンポーネントを含むことができる。アンテナ125は、(たとえば)BLEアンテナを含むことができる。アンテナは、固体導電体を含むことができ、その中で一式のスロット130が突出する。一式のスロットの数量、場所、幅、および長さは、どの周波数にアンテナ125が合わせられるかに影響を与えることができる。アンテナ構成は、さらに、あらゆる目的に関してその全体が引用により本明細書に組み込まれる2018年5月3日に出願された米国出願番号第15/969,976号に記載されている。場合によっては、アンテナは、楕円偏波を有するように構成され、放射場が楕円偏波を有している。
【0042】
導電体は、延びて、1以上のビア135(またはフィードスルー)に接続できる。ビア135は、受信信号がパルス特性に影響を与えることができるようにパルス発生回路等の回路にアンテナ125を接続できる。ビア135はさらに、アンテナ125を接地できる。場合によっては、缶ハウジングは接地として機能できる。無線通信コンポーネントは、それから、(たとえば)缶ハウジングと接触(たとえば、缶ハウジング上に接触および/または缶ハウジングに接合)している第1導電層と、埋め込み型装置の外表面の一部である第2導電層と、第1と第2導電層との間の絶縁および低損失層140(たとえば、セラミック層または誘電性層)と、第2導電層を缶ハウジング内の回路に接続する第1ビアと、第2導電層を第1導電層に接続する第2ビアとを含んでもよい。
【0043】
埋め込み型装置は、1以上の縫合糸係合コンポーネント145を含むこともでき、これは埋め込み型装置の1以上の縁部分を含むことができる。縫合糸係合コンポーネント145は、(たとえば)缶ハウジングの一部、または(たとえば、溶接を介して)缶ハウジングに取付け可能である。たとえば、縫合糸係合コンポーネント145は、缶ハウジングに溶接され、または缶ハウジングと一体とすることが可能である。ある場合では、縫合糸係合コンポーネント145は、缶ハウジングの湾曲部から延び出る金属(たとえば、チタニウム)タブを含むことができる。各縫合糸係合コンポーネント145は、1以上の縫合糸係合穴150および1以上の他の穴155等の1以上の穴を含むことができる。各縫合糸係合穴150は、縫合糸がそれを通って縫われることを可能にするように十分に大きくサイズ決めされてもよいが(たとえば、縫合糸の直径の少なくとも2、5、または10倍の直径を有する)、埋め込み型装置が埋め込まれて、解剖部位に縫合された後、縫合糸の動きを規制するようにサイズが規制される(たとえば、縫合糸の直径の30、20、または10倍未満の直径を有する)。1以上の他の穴155は、それぞれ、(たとえば)縫合糸係合穴150よりも直径が大きくてもよい。埋め込みプロセス中、手術ツールは他の穴に係合(たとえば、引っ掛ける、把持する等)して、埋め込み型装置を標的場所または標的位置へと引いたり押したりすることを容易にする。
【0044】
図1Bは、埋め込み型パルス発生器の内部コンポーネント100bを示す。内部コンポーネント100bは、缶ハウジング内に配置されてもよい。内部コンポーネント100bは、再充電可能バッテリ160および回路165を含むことができる。回路165は、(たとえば)100,000を超える、200,000を超える、または500.000を超えるトランジスタ、500,000を超える、750,000を超える、1,000,000を超える接続、および/または1μA未満、2μA未満、または1μA未満のスリープ電流を含むことができる。回路165は、モジュール式設計を含むことができる。
【0045】
回路165は、バッテリ充電および通信回路を含むことができ、これはバッテリに供給される電流および電圧をモニタリングおよび制御できる。バッテリ充電および通信回路は、さらに、バッテリの充電をモニタリングできる。バッテリ充電および通信は、さらに、緊急無線コマンドを受信および発生させ(たとえば、初めにアンテナで受信され、バッテリ充電および通信回路まで送信される)、(たとえば)刺激のリセット、停止、または再開が可能である。
【0046】
回路165は、1以上の刺激電極のインピーダンスを測定し、刺激の状況をモニタリングするモニタリング回路を含むことができる。たとえば、インピーダンスはサブ閾値パルスを使用して測定できる(たとえば、10μsで100μA未満)。他の例として、高解像度刺激波形が検知されて、特徴付けられ、刺激の状況をトラッキングできる。装置内電圧または電流測定もまたアクセスおよび特徴付け可能である。モニタリング回路は、(たとえば)モニタリングされたデータを使用して1以上のルールをローカルで評価してもよい、および/またはモニタリングされたデータが他の装置に伝送されるようにしてもよい。たとえば、ルールは刺激波形に任意の特性(たとえば、閾値を超える振幅または周波数)があること、および/またはインピーダンスに任意の特性(たとえば、固定され、または刺激パラメータに依存してもよい閾値を超える)があることを検知する際に満たされる条件を含んでもよい。条件が満たされる場合、モニタリング回路は刺激パラメータを変化させてもよい、および/またはアラート信号を伝送させてもよい。
【0047】
回路165は、刺激(たとえば、パルス生成)回路を含むことができる。刺激回路は、刺激の振幅、時間的なパターンおよび/または電流ステアリングを特定できる。刺激回路は、(たとえば)低周波刺激および高周波ブロック(たとえば、1Hzから50kHz)を生じさせて定義できる。
【0048】
内部コンポーネント100bは、さらに、(たとえば)1以上のセンサ(たとえば、加速度計)、メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)、通信制御部(たとえば、BLE整合回路)、ワイヤレス電力伝送(WPT)整合回路、1以上の誘導部(たとえば、様々な回路を含む集積回路のための高電圧を生成するため)、1以上のマイクロプロセッサ(たとえば、BLUETOOTH(登録商標)機能搭載)、および/または可溶性抵抗器を含んでもよい。たとえば、イベントログおよび/またはバックアップファームウェア画像を記憶するためにメモリが使用されてもよい。
【0049】
図2A~2Eは、本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の製造プロセスにおける様々な段階を示す。
図2Aでは、内部コンポーネント205は缶ハウジング210内に配置される。
図2Bは、缶ハウジング210内に配置される内部コンポーネント205を示す。内部コンポーネント205は、(たとえば)本明細書中に開示される様々なコンポーネントを含むことができる(たとえば、
図1Bに関連して記載されたコンポーネント)。たとえば、内部コンポーネント205は、再充電可能バッテリ215および様々な回路(たとえば、パルス発生回路)を含むプリント回路基板配列220を含むことができる。一式の結線225は、プリント回路基板配列220の様々な回路に接続でき、内部コンポーネント205を缶ハウジング210内に位置付けた後、それらが缶ハウジング210の外に少なくとも部分的に配置されるように、内部コンポーネント205の上面から延び出ることができる。
【0050】
内部コンポーネント205を缶ハウジング210内に配置すれば、内部コンポーネント205と缶ハウジング210の相対的な動きを抑制または防止するように固定プロセスを行うことができる。たとえば、
図2Bの分解境界
図230に示されるように、缶ハウジング210の上部境界は、内部コンポーネントの上部境界に溶接することができる。
【0051】
ヘッダコンポーネントは、
図2Cに示されるように、収容された内部コンポーネントの上面に配置することが可能である。ヘッダコンポーネントは、コイル235(たとえば、外部電力供給装置から電力を受け入れ、バッテリへの接続を介して電力を利用)および1以上のリード接続240を含むことができる。1以上のリード接続240は、ボンドコネクタスタックを含むことができる。
【0052】
さらに、アンテナ245は、缶ハウジング210の外に取り付ける(たとえば、接合される)ことができる。アンテナのコンタクト250は、1以上のビアに(たとえば、アンテナ245を回路およびアースに接続するために)溶接できる。
【0053】
一式の結線225の各結線は、ヘッダコンポーネントに接続できる。たとえば、少なくとも一式の結線225は、刺激パラメータ(すなわち、刺激電圧時系列またはトリガ)が、缶ハウジング210に収容される回路からリード接続240へと伝えることができるように、リード接続240と接続できる。一つの(追加的または代替的な)例として、一式の結線の結線は、コイル235からの電力が再充電可能バッテリ215に利用できるようにコイル235に接続できる。一式の結線225を1以上のヘッダコンポーネントに接続することは、(たとえば)ヘッダコンポーネントに対応するコンタクトに各結線の端部を溶接することを含むことができる。
【0054】
ヘッダハウジングは、ヘッダハウジング材料(たとえば、非導電性材料)を塗布する(たとえば、注ぐ)ことによって形成できる。たとえば、エポキシ材を(たとえば、収容された内部コンポーネントの上面に位置するヘッダコンポーネントを含む)モールド型に注ぐことができる。エポキシは続いて、硬化されて固化することができる。
図2Dは、ヘッダハウジング252を示し、これはヘッダコンポーネントを収容する。場合によっては、エポキシ材はアンテナを覆う。場合によっては、エポキシの第2回目の流し込みを行って、分離プロセスでアンテナが覆われる。
【0055】
図2Eに示されるように、シリコーンリードサポート255がヘッダハウジング252に接合できる。シリコーンリードサポート255は、埋め込みプロセス中に1以上のリード接続240に接続できるように、リードを支持および/または係合する形状を有することができる。
【0056】
さらに、一式の縫合糸係合コンポーネント260が装置のハウジングに取り付けられる。この場合には、各縫合糸係合コンポーネント260の縁部が缶ハウジング210にレーザ溶接される。各縫合糸係合コンポーネント260は縫合糸を受け入れる一式の穴265を含む。代替的な製造技術も考えられることが理解されるであろう。たとえば、缶ハウジングが1以上の穴265を含むように構成することができる。他の例として、縫合糸係合コンポーネント260は、縫合糸係合コンポーネント260を缶ハウジング210に固定することの代わりに、またはそれに加えてヘッダハウジングに接合できる。
【0057】
図3A~3Cは、本発明の実施形態による埋め込み型パルス発生器の埋め込みのプロセスにおける様々な段階を示す。場合によっては、埋め込み型装置301をトロカール305内に挿入することにより、標的となる箇所(たとえば、標的生物学的構造302の周辺またはその位置)に埋め込み型装置301を動かすことができる。トロカール305は、取り外し可能な閉鎖アセンブリ(閉鎖ハウジング、閉塞具先端部、および閉鎖体を含む)(不図示)と、カニューレアセンブリ(カニューレハウジング310およびカニューレスリーブ315を含む)とを含むことができる。カニューレアセンブリは、2以上の開口部を含んで、カニューレスリーブ315を通した様々な装置または装置のパーツの動きを容易にすることができる。具体的には、カニューレアセンブリは、スリーブ本体320の遠位開口部321、スリーブ本体320の近位開口部322、カニューレハウジング310の遠位端開口部323、およびカニューレハウジング310の近位開口部324を含むことができる。スリーブ本体320の遠位開口部321は、閉鎖体から取り付け(および、たとえば、取り外し)するように構成することが可能である。閉鎖アセンブリは、組織を突き刺して、トロカールの縁部を標的場所に向かって前進させるために使用できる。
【0058】
あらゆる目的に関してその全体が引用により本明細書に組み込まれる2018年5月10日に出願された米国仮特許出願第62/669,485号に詳述されるように、トロカールを標的場所の近傍に位置付けるために一連の動作が行われる。たとえば、人の皮膚に切開部を作ることができる。閉鎖アセンブリは、切開部から挿入できる。閉鎖アセンブリが標的場所に前進するにつれて、閉塞具先端部は組織を切断してトロカールの移動を可能にする。取り付けられたカニューレアセンブリは切断された部分を追尾する。場合によっては、閉鎖アセンブリが標的場所の近傍の場所に達すると、閉鎖アセンブリをカニューレアセンブリから取り除き、カニューレアセンブリを組織に埋め込まれたままにして、標的部位への腹腔鏡ポートとして機能させることも可能である。
【0059】
1以上の手術器具(たとえば、1以上の腹腔鏡ツール)は、続いて、手術器具の1以上の端部がカニューレハウジング310の遠位端323を通るように、スリーブ本体320の近位開口部322に挿入されて、スリーブ本体320を通って延びることができる。生物学的構造の手動切断のために器具が使用されて、標的生物学的構造まで経路を作ってもよい。たとえば、1以上のカニューレアセンブリを通して把持器具が挿入されて、自然な組織平面に沿って生物学的構造を動かし、または切断し、標的生物学的構造にアクセスする経路を提供することができる。他の実施形態では、ユーザ、たとえば、外科医による術野または標的生物学的構造の操作のために1以上のカニューレアセンブリを通して把持器具、解剖用器具、はさみ、開創器等が設置される。一度、経路が作られると、1以上の手術器具は、カニューレアセンブリから取り除かれてもよい。
【0060】
図3Aに示されるように、埋め込み型装置301は、カニューレアセンブリを通して標的生物学的構造の標的部位部位に送達可能である。様々な実施形態において、標的生物学的構造に経路が作られた(および任意でガイドワイヤが挿入された)後、埋め込み型装置301は標的部位へとカニューレアセンブリを通して送達される。場合によっては、埋め込み型装置301は、ガイドワイヤ上に導入され、カニューレアセンブリを通してガイドされ、標的部位に送達される(
図3B)。追加的にまたは代替的に、リードアセンブリが、標的部位へとガイドワイヤ上に導入およびカニューレアセンブリを通してガイドされ、標的生物学的構造302の部位に送達される。埋め込み型装置301およびリードアセンブリは、カニューレアセンブリを通して同時に送達されてもよいし、状況および治療に使用されている神経調節システムのタイプによって互いに分離してもよい。たとえば(たとえば、リードアセンブリが埋め込み型装置301から着脱可能な場合)、埋め込み型装置301は、標的部位に供給されて埋め込まれてもよく、続いてリードアセンブリが送達され、標的生物学的構造302に取り付けられ、埋め込み型装置301に物理的および電気的に接続されてもよい。
【0061】
図3Cに示されるように、手術器具330は、その後、少なくとも部分的にカニューレアセンブリを通して設置される。手術器具330は、1以上の制御部(たとえば、ハンドル335)、延設部340(たとえば、スリーブ本体320の幅未満の幅を有する)、および1以上の遠位制御可能機能部345を含むことができる。1以上の遠位制御可能機能部345がスリーブ本体320内を完全に横断し、スリーブ本体320の遠位開口部321から出る一方、1以上の制御部がカニューレハウジング310の近位開口部324の外に残るように、手術器具330はカニューレアセンブリ内に挿入できる。
【0062】
手術器具330は、埋め込み型装置301および標的部位内の組織の手動操作のために構成されて、標的部位内に埋め込み型装置301を埋め込むことができる。たとえば、1以上のカニューレアセンブリを通して把持器具が挿入されて、埋め込み型装置301および1以上の縫合糸を動かして、埋め込み型装置を標的生物学的構造302に取り付けることができる。手術器具330は、(たとえば)把持器具を含むことができる。遠位制御可能機能部345は、ハンドル335の開閉に応じて、互いに対し開閉するように構成できる。
【0063】
いくつかの場合では、手術器具330の1以上の制御部が操作されて、1以上の遠位制御可能機能部345に埋め込み型装置301のパーツ(たとえば、縫合糸係合コンポーネント)を把持させて、埋め込み型装置301を所望の場所および/または所望の位置(たとえば、標的生物学的構造302の場所および/または位置に対応する)に移動させ、および/または指向することができる。手術器具330の1以上の制御部をさらに使用して、1以上の遠位制御可能機能部345に埋め込み型装置301の1つの、より多くの、または全ての穴のそれぞれ(たとえば、1つの、より多くの、または全ての縫合糸係合コンポーネントのそれぞれ)および標的生物学的構造302の一部に縫合糸を通させて、縫合糸を結ばせることができる。たとえば、1以上の遠位制御可能機能部345は縫合糸に取り付けられたニードルを把持して、ニードルを埋め込み型装置301の穴および標的生物学的構造302の一部に通して縫うことができる。手術器具330は、(たとえば)埋め込み型装置301の個々の穴および標的生物学的構造302の明確な位置を通して複数の縫合糸のそれぞれを順次縫うように制御できる。場合によっては、埋め込み型装置301は、埋め込み型装置301の少なくとも、もしくは正確に2つの穴、または埋め込み型装置301の少なくとも、もしくは正確に4つの穴を介して標的生物学的構造に固定できる。
【0064】
いくつかの場合では、1以上の縫合糸および/または1以上のニードルは、トロカール305のカニューレアセンブリを通して標的部位へと挿入される。いくつかの場合では、1以上の縫合糸および/または1以上のニードルは、他のトロカールの他のカニューレアセンブリを通して標的部位へと挿入される(たとえば、カニューレアセンブリの遠位開口部が標的部位内およびトロカール305のカニューレアセンブリの遠位開口部の近傍にあるように他のカニューレアセンブリが配置される)。いくつかの場合では、複数の手術器具が使用されて、埋め込み型装置301は標的生物学的構造302に縫合される(たとえば、それらのそれぞれは、異なるトロカールを通して配置されてもよい)。縫合糸を結べば、縫合糸はニードルから分離されてもよく(たとえば、縫合糸を切断することにより)、ニードルはその後、標的部位から取り除かれてもよい(たとえば、手術器具を使用してニードルを把持し、トロカール305から1以上の遠位制御可能機能部345を取り外すことにより)。
【0065】
トロカールを通した埋め込み、および/または挿入の前に、埋め込み型装置301がリードアセンブリに取り付けられていない場合には、同一または異なる手術器具を使用して、リードアセンブリの1以上の第1端を埋め込み型装置301に接続できる(たとえば、埋め込み型装置301の標的生物学的構造への縫合の後または前)。場合によっては、同一または手術器具(たとえば、および/または1以上の同一または異なるトロカール)が使用されて、1以上の第2端を1以上の他の標的生物学的構造(または標的生物学的構造302の1以上の他のパーツ)に取り付けることができる。
【0066】
埋め込み型装置301およびリードアセンブリのそれぞれをしっかりと固定すれば、プロセスで使用される各カニューレアセンブリおよび各手術器具(およびオプションでガイドワイヤ)は手術部位から取り外すことができる。具体的には、各手術器具(たとえば、手術器具330)および任意のガイドワイヤは、それぞれカニューレアセンブリを介して取り外し可能であり、続いて、各トロカールまたはカニューレアセンブリは腹腔鏡ポートから取り外し可能である。実施形態によっては、腹腔鏡ポートは、縫合糸、ステープル、または同様の閉鎖装置を使用して、閉鎖される。埋め込み型装置301は標的部位内に埋め込まれたまま、リードアセンブリは標的生物学的構造に取り付けられたままとなる。
【0067】
実施形態を十分に理解するために、上記で具体的な詳細が説明されている。しかしながら、実施形態は、これらの具体的な詳細なしで実施できると理解されるであろう。たとえば、不要な詳細で実施形態を曖昧にしないために、構成図に回路を示すことができる。他の場合では、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技術は、実施形態を曖昧にすることを回避するために不要な詳細なしに示すことができる。
【0068】
ここで図面を参照し、
図4および
図5はそれぞれ、少なくとも1つの例による、組み立てられた例示の埋め込み型医療機器400の斜視図と、例示の埋め込み型医療機器400の分解組立図とを示す。示される埋め込み型医療機器400は、神経調節療法を提供するための埋め込み型パルス発生器(「IPG」)医療機器である。このような治療を提供するには、埋め込み型医療機器400は患者の組織内に挿入され、神経インターフェース(不図示)に接続される。神経インターフェースは、患者の身体内の標的場所に設置される。埋め込み型医療機器400は、続いて、神経インターフェースを使用して電気信号を標的場所に供給し、神経インターフェースにより集められたレスポンスを記録する。埋め込み型医療機器400が患者の皮膚内に挿入、またはそうでない場合は、埋め込まれるため、埋め込み型医療機器400は、挿入中および挿入後に患者への刺激または負傷の可能性を減少させるために、小さな形状係数(たとえば、本例においては長さ約40mm、高さ約20mm、および幅約7mm)で、滑らかな縁部を有する。例によっては、埋め込み型医療機器400の寸法は、記載されたものよりも大きい、または記載されたものよりも小さい。
【0069】
図4に示されるように、一般的に、埋め込み型医療機器400は、キャニスタと呼ばれることもある筐体402と、ヘッダ404と、通信アンテナ406とを含む。筐体402は、1以上の電源408(たとえば、バッテリ)および電子機器アセンブリ410等の埋め込み型医療機器400の能動型コンポーネントを収容するように構成されている。筐体402は密閉されているので、能動型コンポーネントが湿気に曝されないようにする。ヘッダ404は、筐体402に取り付けられている充電アンテナ412およびコネクタスタック414等の他の能動型および/または受動型コンポーネントを封入するように構成されている。たとえば、
図7Aに示されるように、充電アンテナ412およびコネクタスタック414は、筐体402の蓋に取り付けられて示されている。
【0070】
ヘッダ404と筐体402との間の接続点もまた密閉されているので、埋め込み型医療機器400のヘッダスペースへの湿気の侵入が防止される。たとえば、
図7Bに示されるように、ヘッダ404は、オーバーモールドされたエポキシから形成されることができ、ヘッダ404が筐体402の上面および少なくとも筐体402の側壁の一部を囲むように筐体402の上面の下へ延びる。
図7Bでは、ヘッダ404の境界縁部419は、筐体402の境界縁部421の下に延びる。
図8により詳細に示されるように、溶接ウィンドウと呼ばれることもあるアクセスウィンドウ416は、通信アンテナ406のタブ418に対応するサイズおよび形状を有しているが、ヘッダ404でも画定される。アクセスウィンドウ416はヘッダ404の切り取り領域を画定してヘッダ404内のコンポーネントへのアクセスを提供する。
【0071】
通信アンテナ406は、分離プロセスの一環として作成されるが、
図7Cに示されるようにアクセスウィンドウ416内にタブ418が嵌合するように筐体402に接続される。これにより、通信アンテナ406で、埋め込み型医療機器400のコンポーネント間の電気的接続を可能としている。
図7Dに示されるように、一度これらの接続ができると、アクセスウィンドウ416および、例によっては、通信アンテナ406とヘッダ404との間のエアギャップ454にバックフィル(backfill)420が適用される。
【0072】
ここで筐体402を参照すると、筐体402は、蓋422と、少なくとも1つの側面を有する容器424とを有する。筐体402は、チタニウムまたは他の生体適合性金属材料等の金属材料から成る。例によっては、筐体402のいくらかまたは一部は、金属でもよいし、生体適合性エポキシ等の金属でなくてもよい異なる剛体材料から成る。本明細書中で使用されるように、生体適合性材料という用語は、悪化を引き起こさず組織と調和して存在するように生体系(特に人間の生体系)および材料の機能に対し有毒または有害な影響を持たない性質を指す。
【0073】
容器424および蓋422は共に筐体402の内部容積を画定する。電源408(たとえば、バッテリ)および電子機器アセンブリ410は、内部容積内、たとえば、容器424の内部の表面に取り付けられている。容器424は、単一の材料または複数の材料から作成してもよい。容器424の形状によっては、容器424は1を超える側面、たとえば、通信アンテナ406が取り付けられる表側、表側の反対側の後側、2つの側面、および蓋422の反対側の底部を含んでもよい。
【0074】
電子機器アセンブリ410は、信号処理のために構成されている1以上の電子部品を含む。たとえば、電子機器アセンブリ410は、PCBアセンブリの表面または埋め込まれて存在し得る、デジタル信号処理、アナログ信号処理、混合信号処理、および/または類似処理のための任意の適切な組合せコンポーネントを含むシステムオンチップ(「SOC」)またはシステムインパッケージ(「SIP」)を含んでもよい。このようなコンポーネントは、たとえば、マイクロコントローラ、メモリ、タイミングソース、1以上のデジタルインターフェース、1以上のアナログインターフェース、電圧レギュレータ、および/またはその他の適切なコンポーネントを含んでもよい。電子機器アセンブリ410は、神経インターフェースから電気信号を受信し、このような信号を処理し、神経インターフェースに追加の信号を提供するように構成されてもよい。
【0075】
例によっては、電子機器アセンブリ410は、処理装置に連結されたランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)等の処理装置およびコンピュータ読取可能な記録媒体を含む。処理装置は、1以上のコンピュータプログラムの実行等のメモリ内に記憶されているコンピュータ実行可能なプログラム命令を実行してもよい。このような処理装置は、マイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(「DSP」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、ステートマシン、または神経インターフェースから受信された電気信号を処理するための他の処理手段を備えてもよい。このような処理手段は、さらに、PLC、プログラム可能な割り込みコントローラ(「PIC」)、プログラム可能な論理素子(「PLD」)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(「PROM」)、電子的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(「EPROM」または「EEPROM」)または他の類似のデバイス等のプログラム可能な電子デバイスを備えてもよい。
【0076】
処理装置は、媒体、たとえば、コンピュータ読み込み可能な記憶媒体等の媒体を有し、またはこれらと通信してもよく、媒体に処理装置によって実行されると、処理装置によって実施または補助されるステップを処理装置に実施させる指示を記憶してもよい。コンピュータ読込可能媒体の非限定的な例として、メモリチップ、ROM、RAM、ASIC、またはそれから処理装置が情報を読取りまたは書込みできるその他の記憶手段が挙げられてもよい。
【0077】
容器424は、滑らかな縁部を含んで、埋め込み中および埋め込み後の刺激を最小限に抑える。たとえば、図示の通り、容器424は丸みのある底部、すなわち蓋422の反対側を有する細長い矩形形状を有する。容器424の縦方向縁部も丸みを帯びている。例によっては、容器424は、図示されたものと異なる形状を有する(たとえば、円形、卵形、正方形等)。
【0078】
容器424は、1以上のタブ438を含む。タブ438は、製造中、埋め込み中、または他の際に容器424を操作するために使用されてもよい。例によっては、タブ438は着脱自在であってもよい。たとえば、タブ438は、埋め込み前に取外しできるように脆弱な接合部を含んでもよい。例によっては、容器424はタブ438を含まない。
【0079】
一度内部コンポーネントが容器424に取り付けられると、蓋422は容器424の側面に密封される。たとえば、容器424の開口部の境界縁部は蓋422の境界縁部に溶接することができる。本例では、蓋422は容器424の材料と同様の金属材料から成っている。蓋422は、小穴を有してもよく、これはヘリウムまたは他の不活性ガスで容器424の内部容積をバックフィルして内部容積内に不活性雰囲気を提供するために使用されてもよい。その後、小穴は溶接して閉じられてもよい。容器424および蓋422は接続されると密封筐体を形成する。
【0080】
蓋422は、フィードスルー426も含む。フィードスルー426は、蓋422を通って、内部容積へと延びる開口部である。フィードスルー426は一式のフィードスルーピン428を貫通させるために使用される。フィードスルーピン428は、1以上の電源408、電子機器アセンブリ410、または容器424内の他のコンポーネントに接続される導電端子である。例によっては、フィードスルーピン428はデータおよび/または電力の形態で電気信号を運ぶ。フィードスルーピン428の第1部428aは、神経インターフェース内で刺激および感知目的のためにコネクタスタック414を電気的に接続するためのものである。フィードスルーピン428の第2部428bは、通信アンテナ406を電気的に接続するためのものである。また、フィードスルーピンの第3部428cは、充電アンテナ412を電気的に接続するためのものである。1つのフィードスルー426が示されているが、例によっては、1を超えるフィードスルー426が使用され、それらのいずれも蓋422および/または容器424の側壁を通って延びてもよい。たとえば、フィードスルーピン428の第1部428aおよび第3部428cは蓋422を通って延びてもよく、フィードスルーピン428の第2部428bは容器424の表側壁を通って延びてもよい。
【0081】
以下、コネクタスタック414および充電アンテナ412について説明する。コネクタスタック414は神経インターフェースを受け入れるように構成されている。たとえば、コネクタスタック414は、ポート429を含んで、神経インターフェースのプラグを受け入れてもよい。コネクタスタック414は、蓋422に固定的に取り付けられ、フィードスルーピン428の第1部428aに電気的に接続される。神経インターフェースは、プラグ内で互いに接合される複数の導電性リードを含んでもよい。プラグは、ポート429に一度挿入されると、フィードスルーピンの第1部428aを介して電子機器アセンブリ410に個々の導電性リードを接続する。本例では、コネクタスタック414の長軸は筐体402の長軸と整列するが、例によっては他のアライメントが採用されてもよい。
【0082】
充電アンテナ412は、変換されて、電源408(たとえば、バッテリ)を充電するために使用される電磁界を受信する(たとえば、外部チャージャーから)ように構成されている。充電アンテナ412は、マンドレルの周囲を巻くコイルの形態を取っているが、充電アンテナ412は異なる形状係数であってもよい。例によっては、充電アンテナ412は、通信アンテナ406とは異なる周波数で信号を受信する。充電アンテナ412は、蓋422に固定的に取り付けられ、フィードスルーピン428の第3部428cに電気的に接続される。本例では、充電アンテナ412の長軸は筐体402の長軸と整列するが、例によっては他のアライメントが採用されてもよい。
【0083】
以下、ヘッダ404について説明する。
図7Bにさらに詳細に示される通り、ヘッダ404はエポキシ等の生体適合性材料から成る。ヘッダ404は、適所に形成されるか、予め形成されて蓋422に取り付けられるかのいずれかである。ヘッダ404は、コネクタスタック414および充電アンテナ412を封入するように構成されている。先に述べたように、ヘッダ404はアクセスウィンドウ416を含む。アクセスウィンドウ416は、タブ418のサイズおよび形状に対応するようにサイズ決めされるおよび形作られる。このように、アクセスウィンドウ416は遮蔽部として機能して、タブ418へのアクセスを可能にする。
図7Bに示される通り、アクセスウィンドウ416はフィードスルーピン428の第2部428b、たとえば、約90度曲がってヘッダ404の外部側方面に向かって延びるもの等へのアクセスも可能にする。
【0084】
ヘッダ404は1以上の開口部430も含む。開口部430aは、止めねじ432およびセプタム434を受け入れるように構成されている。開口部430bは、張力緩和装置436を受け入れるように構成されている。例によっては、神経インターフェースのプラグが開口部430bおよび張力緩和装置436を介してコネクタスタック414内に挿入される。
【0085】
図6により詳細に示されるように、通信アンテナ406は、BLUETOOTH(登録商標)規格で動作するが、基板442および反対側、すなわち、容器424に面する側面に配置される地板(不図示)に取り付けられた放射表面440を含む。例によっては、通信アンテナ406は、異なる規格で動作し、または異なった構成を有する。通信アンテナ406は、たとえば、測定されたパラメータ、構成データ、ステートデータ、制御信号、その他埋め込み型医療機器400に関する情報等、埋め込み型医療機器400の動作に関する情報を送受信するように機能する。通信アンテナ406は、プログラミングユニット、チャージャー、携帯電話、または体外に配置された他の装置等の第2装置とのペアリング/通信を可能にしてもよい。例によっては、通信アンテナ406は、体内に配置された他の装置とのペアリング/通信を可能にする。
【0086】
基板442は、セラミックであるが、タブ418と本体444とを含む。そのため、タブ418および本体444は同じ材料から成り、同じ基板442の一部として作られている。放射表面440は、任意の適切な方法で基板442に取り付けられている。たとえば、放射表面440は、基板に蒸着、印刷、またそうでない場合は、取り付け(たとえば、予め形成されて接着)することができる。放射表面440の形状は、所望の無線周波数特性に応じて変更可能である。例によっては、放射表面440は平面的な上面を有して、矩形の金属プレートの形状である。他の例では、放射表面440は他の形状であってもよい。2つのフェルールが、アンテナレベルで互いから電気的に分離されているこれらの回路のそれぞれに接続するように使用される(PCBA側にいくつかのカップリングが存在する)。
【0087】
通信アンテナ406は、タブ418に配置される一式の導電端子446も含む。第1の導電端子446は、一式の導電性トレース448を介して放射表面440に電気的に接続される。第2の導電端子446は、第2の一式の導電性トレース(不図示)を介して地板に電気的に接続される。放射表面440の後、導電端子446および導電性トレース448が作成され、本体444は、エポキシまたは他の適切な材料等の生体適合性および無線周波数(RF)適合性材料に完全に、または部分的に封入される。すなわち、カプセル封入450である。本明細書中に使用されるように、RF適合性材料という用語は無線周波数信号が通過可能である材料の性質を指す。例によっては、RF適合性材料は、RF透過性材料または熱を発生させずに無線周波数場が貫通できるものである。
【0088】
例によっては、本体444の全体(たとえば、全ての面)がカプセル封入450内に封入されてもよいし、容器424の反対側の裏面以外の全ての面が封入されてもよいし(たとえば、露出裏面封入)、容器424の反対側の裏面の一部以外の全ての面が封入されてもよいし(たとえば、部分的露出裏面封入)、または面または面の一部の任意の他の適切な組合せが封入されてもよい。本体444は、カプセル封入450内で水平方向および垂直方向において中央に置かれる。通信アンテナ406の表側におけるカプセル封入450の深さは、約0.8mmであってもよく、後側における深さは、約0.3mmであってもよい。例によっては、深さは0.8mmより大きい、または0.3mmより小さい。これらの深さは、通信アンテナ406の特定のパラメータを調整するために選択されてもよい。たとえば、放射表面440の動作は、カプセル封入450の深さおよび/またはカプセル封入450に使用されたエポキシの特性次第であってもよい。例によっては、カプセル封入450、ヘッダ404、および埋め込み型医療機器400の他のパーツに使用されたエポキシは、EPO-TEKブランドのMED-301エポキシである。他の例では、医療グレードのもの等の異なる特性を有する他のエポキシが使用される。
【0089】
図7Cに示されるように、通信アンテナ406は、任意の適切な接着剤を使用して容器424の外表面(たとえば、取り付け場所)に接続される。たとえば、追加のエポキシ、糊、または他の接着剤が通信アンテナ406の裏側および/または容器424の外表面に塗布されてもよく、2つのパーツが互いに接合されてもよい。通信アンテナ406は、タブ418をアクセスウィンドウ416と整列させ、ヘッダ404の境界縁部419と通信アンテナ406の境界縁部423との間に狭いエアギャップ454を形成するように、容器424の外表面に配置される。エアギャップ454は、
図4Dに示されるもの等の、後の処理工程中に埋められるバックフィル420のための容積を提供してもよい。
図9に示されるように、エアギャップ454は、バックフィル420が適用される際に埋められる。
【0090】
図8に示されるように、筐体402の容器424に通信アンテナ406を接続した後、一式の導電端子446が一式のフィードスルーピン428の第2部428bに電気的に接続される。例によっては、一式の導電端子446は、フィードスルーピン428を受け入れるようにサイズ決めされ、構成されたメッキされたビアである。例によっては、導電端子446は、フィードスルーピン428を受け入れるフェルールを含む。フィードスルーピン428と導電端子446との間の電気的接続はレーザ溶接を使用して実現される。例によっては、加締め、半田付け、またはその他の適切な機械的および/またはエネルギー的な方法を使用して電気的接続が行われる。
【0091】
以下、バックフィル420について説明する。バックフィル420は、
図5には固体コンポーネントとして示されているが、液体生体適合性材料であって、埋め込み型医療機器400に適用されると、おおよそ
図5に示される形状となる。バックフィル420の目的は、アクセスウィンドウ416の容積を密閉することであり、そうすることで、タブ418に作られた電気的接続を外の湿気から絶縁することである。バックフィル420の他の目的は、ヘッダ404の境界縁部419と通信アンテナ406の境界縁部423との間に滑らかな移行部を提供することである。このような方法で、バックフィル420は、2つのパーツ間にフィレット状の移行部を作ってもよい。このことは、応力をより広いエリアに分散し、2つのパーツ間に滑らかな移行部を形成する。例によっては、バックフィル420は、たとえば、垂直境界縁部および水平境界縁部等の通信アンテナ406の境界縁部の追加部分周囲へと延びる。バックフィル420は、シリコーン、エポキシ、シリコーンエポキシ混合物、他の流動性液体接着剤、および/または1つを超える材料の任意の適切な組合せから成ることができる。
【0092】
図10は、少なくとも1つの例による埋め込み型医療機器400等の埋め込み型医療機器を作成するためのプロセス1000を示すフローチャートを示す。プロセス1000は、電子機器アセンブリ410を収容するための容器424を画定する筐体402を提供することで、ブロック1002にて開始する。プロセス1000は、容器424内に電源408および/または電子機器アセンブリ410の少なくとも1つを取り付けすることを含んでもよい。
【0093】
ブロック1004では、プロセス1000は筐体402の少なくとも上部を囲うためにヘッダ404を連結することを含む。例によっては、このことは事前に製造されたヘッダ404を適所に取り付け、またはヘッダ404を適所に作成することを含んでもよい。ヘッダ404は、ヘッダ404の境界縁部419に配置されるアクセスウィンドウ416を含む。少なくとも一式の導電性リードのいくつかの部分はアクセスウィンドウ416を通して延びる。たとえば、
図4Aに示されるように、フィードスルーピンの第1部428aは、フィードスルー426を通った後、約90度の屈曲を有して、通信アンテナ406のタブ418の導電端子446と接続できる位置にフィードスルーピンの第1部428aの遠位端を位置付ける。
【0094】
ブロック1006にて、プロセス1000は、通信アンテナ406を筐体402の側壁の外表面に接続することを含む。本例では、通信アンテナ406は、本体444と、アクセスウィンドウ416内で指標となって、電気的終端タブ418に設けられた一式の導電端子446を一式の導電性リードと整列させる電気的終端タブ(たとえば、タブ418)とを含む。例によっては、電気的終端タブは、通信アンテナ406が筐体402に接続されると、筐体402の境界縁部421を越えて(たとえば、蓋422を越えて)延びる。
【0095】
例によっては、通信アンテナ406の本体444は、カプセル封入450等の生体適合性材料内に封入される。例によっては、ヘッダ404は、異なる特性を有する異なるエポキシ等の異なる生体適合性材料から成る。異なるエポキシが選択されて、通信アンテナ406用にいくらかの、および充電アンテナ412用にいくらかの無線周波数(RF)特性が提供されてもよい。
【0096】
例によっては、ブロック1006は、通信アンテナ406または側壁(たとえば、容器424の壁)の少なくとも1つに接着剤を塗布すること、および通信アンテナ406と側壁とを通信アンテナ406と側壁との間に設けた接着剤で接続することを含む。
【0097】
例によっては、プロセス1000はさらに、一式の導電端子446を一式の導電性リードに電気的に接続することを含む。例によっては、このことは、レーザ溶接の使用を含む。
【0098】
例によっては、プロセス1000はさらに、ブロック1006で、通信アンテナ406を接続した後、アクセスウィンドウ416にバックフィル420を設置して少なくとも一式の導電端子446を覆うことを含む。本例では、ブロック708は、ヘッダ404の境界縁部419と通信アンテナ406の境界縁部423との間にエアギャップ454が形成されるように通信アンテナ406を設置することを含む。本例では、バックフィル420もエアギャップ454に設置されて、ヘッダ404と通信アンテナ406との間の移行部を形成する。
【0099】
例によっては、プロセス1000はさらに、ブロック1006を実施する前に、通信アンテナ406を作成することを含む。このことは、セラミック基板442に本体444および電気的終端タブ418を作成すること、セラミック基板442の本体444に放射表面440として金属プレートを作成すること、電気的終端タブ418に一対の導電端子446を作成すること、放射表面440の金属プレートおよび少なくとも1つの一対の導電端子446を電気的に接続する一対の導電性トレース448をセラミック基板442に作成すること、および電気的終端タブ418を封入せずに生体適合性材料(たとえば、カプセル封入450)内に本体444を封入することを含んでもよい。
【0100】
例によっては、プロセス1000はさらに、電子機器アセンブリ410から筐体402を通って延びる一式の導電性リード(たとえば、フィードスルーピン428)を作成することを含む。例によっては、一式の導電性リードは筐体402の蓋422に設けられるフィードスルー426を通して延びる。
【0101】
以下、さらなる例が説明されて、本開示の理解を容易にする。
【0102】
例1
本例では、埋め込み型装置が提供され、前記埋め込み型装置は、
蓋と前記蓋に接続される側壁とを含む筐体と、
前記筐体の内部容積内に設けられる電子機器アセンブリと、
前記電子機器アセンブリに電気的に接続され、前記筐体を通って延びる一式の導電性リードと、
前記側壁の外表面に設置され、本体と一式の導電端子を含むタブとを含む通信アンテナとを備え、
前記本体は、生体適合性材料でコーティングされ、前記一式の導電端子は、前記一式の導電性リードに電気的に接続される。
【0103】
例2
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、前記装置は、
前記筐体の前記蓋に接続されるヘッダをさらに備え、
前記通信アンテナの前記本体は、前記ヘッダ内に設けられていない。
【0104】
例3
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、前記装置は、
前記蓋に接続される充電アンテナと、
前記蓋に接続されるコネクタスタックと、
をさらに備え、
第2の一式の導電性リードは、前記筐体を通って延び、前記電子機器アセンブリを前記コネクタスタックまたは前記充電アンテナの少なくとも1つに電気的に接続する。
【0105】
例4
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、前記装置は、
前記充電アンテナおよび前記コネクタスタックを囲うエポキシヘッダをさらに備える。
【0106】
例5
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、
前記一式の導電性リードの各導電性リードは、第1方向に前記筐体の前記蓋を通って延び、第2方向に前記各導電性リードの遠位先端を向ける屈曲を含む。
【0107】
例6
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、
前記筐体は前記内部容積を密閉する。
【0108】
例7
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、
前記生体適合性材料は、RF適合である。
【0109】
例8
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、
前記通信アンテナは、セラミック基板に作成される金属プレートをさらに備え、前記一式の導電端子は、一式の導電性トレースを介して前記金属プレートに電気的に接続される。
【0110】
例9
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、
前記金属プレートが前記本体に設けられた状態で、前記本体および前記タブは前記セラミック基板から成る。
【0111】
例10
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、
前記通信アンテナは、セラミック基板の第1側面に作成される第1金属プレートと、前記セラミック基板の第2側面に作成される第2金属プレートとをさらに含み、前記一式の導電端子は、一式の導電性トレースを介して前記第1または第2金属プレートの少なくとも1つに電気的に接続される。
【0112】
例11
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、
前記金属プレートが前記本体に設けられた状態で、前記本体および前記タブは前記セラミック基板から成る。
【0113】
例12
本例では、方法が提供され、前記方法は、
電子機器アセンブリを含む筐体を設けることと、
少なくとも前記筐体の蓋を囲うためにヘッダを連結することであって、アクセスウィンドウが前記ヘッダの境界縁部に形成され、前記電子機器アセンブリから前記アクセスウィンドウを通って一式の導電性リードが延びる、ヘッダを連結することと、
前記筐体の側壁の外表面に通信アンテナを接続することであって、前記通信アンテナは、本体と、電気的終端タブとを含み、前記電気的終端タブが、前記アクセスウィンドウとサイズおよび形状において対応し、前記電気的終端タブに設けられる一式の導電端子を前記一式の導電性リードと整列させる、通信アンテナを接続することと、を備える。
【0114】
例13
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、前記方法は、
前記一式の導電端子を前記一式の導電性リードに電気的に接続することをさらに備える。
【0115】
例14
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、
前記通信アンテナの前記本体は、生体適合性材料でコーティングされているセラミック基板から成る。
【0116】
例15
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、
前記ヘッダは、第2生体適合性材料から成る。
【0117】
例16
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、
前記電気的終端タブは、前記筐体の前記蓋の境界縁部を越えて延びる。
【0118】
例17
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、
前記一式の導電端子を前記一式の導電性リードに電気的に接続することは、半田付け、加締め、またはレーザ溶接のうちの少なくとも1つを含む。
【0119】
例18
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、
前記通信アンテナを前記側壁の前記外表面に接続することは、
前記通信アンテナまたは前記側壁の少なくとも1つに接着剤を塗布することと、
前記通信アンテナと前記側壁とを前記通信アンテナと前記側壁との間に設けられた接着剤で互いに接続することとを含む。
【0120】
例19
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、前記方法は、
前記ヘッダを作成することをさらに含む。
【0121】
例20
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、
前記ヘッダを作成することは、
前記ヘッダを分離パーツとして作成することと、
前記ヘッダを作成した後に前記筐体の前記蓋の適所に前記ヘッダを取り付けることとを含む。
【0122】
例21
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、前記方法は、
前記通信アンテナを接続した後、少なくとも前記一式の導電端子を覆うために前記アクセスウィンドウにバックフィル材料を設置することをさらに含む。
【0123】
例22
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、
前記通信アンテナを前記側壁の前記外表面に接続することは、前記通信アンテナを前記ヘッダと前記通信アンテナとの間にエアギャップを画定する前記外表面の特定の取り付け場所に接続することを含み、前記バックフィル材料を設置することは、前記バックフィル材料を前記エアギャップに設置することをさらに含む。
【0124】
例23
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、前記方法は、
前記通信アンテナを接続する前に、少なくとも
前記本体および前記電気的終端タブをセラミック基板に作成することと、
前記セラミック基板の前記本体に金属プレートを作成することと、
前記電気的終端タブに前記一式の導電端子を作成することと、
前記金属プレートおよび前記一式の導電端子を電気的に接続する一対の電気性トレースを前記セラミック基板に作成することと、
前記電気的終端タブを封入せずに生体適合性材料内に前記本体を封入することとによって、
前記通信アンテナを作成することをさらに含む。
【0125】
例24
本例では、先述または後述の例の何れかの方法が提供され、前記方法は、
前記通信アンテナを接続する前に、少なくとも
前記本体および前記電気的終端タブをセラミック基板に作成することと、
前記セラミック基板の前記本体の第1側面に第1金属プレートを作成することと、
前記セラミック基板の前記本体の第2側面に第2金属プレートを作成することと、
前記電気的終端タブに前記一式の導電端子を作成することと、
前記第1および第2金属プレートおよび前記一式の導電端子を電気的に接続する一式の電気性トレースを前記セラミック基板に作成することと、
前記電気的終端タブを封入せずに生体適合性材料内に前記本体を封入することとによって、
前記通信アンテナを作成することをさらに含む。
【0126】
例25
本例では、システムが提供され、前記システムは、
埋め込み型医療機器を備え、前記埋め込み型医療機器は、
電子機器アセンブリを収容し、蓋と前記蓋に接続される側面とを含む筐体と、
前記電子機器アセンブリから前記蓋を介して前記筐体の外へ延びる一式の導電性リードと、
取り付け場所の前記側面の外表面に接続されるアンテナとを含み、前記アンテナは、
生体適合性材料内に封入される本体部と、
前記本体部に接続されるタブ部と、
前記タブ部に設けられ、前記アンテナが前記取り付け場所の前記外表面に接続されると、前記一式の導電性リードと整列する一式の導電端子とを含む。
【0127】
例26
本例では、先述または後述の例の何れかのシステムが提供され、
前記アンテナは、前記本体に設けられる金属プレートと、前記金属プレートと前記一式の導電性リードとの間に延びる一式の導電性トレースとをさらに含む。
【0128】
例27
本例では、先述または後述の例の何れかのシステムが提供され、
前記タブ部の遠位端は、前記アンテナが前記取り付け場所の前記外表面に接続されると、前記筐体の前記蓋を越えて延びる。
【0129】
例28
本例では、先述または後述の例の何れかのシステムが提供され、
前記アンテナは、細長い形状である。
【0130】
例29
本例では、先述または後述の例の何れかのシステムが提供され、
前記埋め込み型医療機器は、少なくとも前記筐体の前記蓋を封入するヘッダをさらに含み、
前記ヘッダに前記タブ部に形状が対応するアクセスウィンドウが形成される。
【0131】
例30
本例では、先述または後述の例の何れかのシステムが提供され、
前記生体適合性材料はエポキシであり、前記ヘッダは前記エポキシから成る。
【0132】
例31
本例では、先述または後述の例の何れかのシステムが提供され、前記システムは、
前記アクセスウィンドウを埋め、前記アクセスウィンドウに隣接する前記本体部の少なくとも一部に沿って延びるバックフィルをさらに含む。
【0133】
例32
本例では、先述または後述の例の何れかのシステムが提供され、
前記アンテナはBLUETOOTH(登録商標)規格で動作する。
【0134】
例33
本例では、装置が提供され、前記装置は、
蓋および側壁を含む筐体と、
前記筐体の内部容積内に設けられ、前記筐体の前記蓋を通って延びる複数の導電性リードを含む電子機器アセンブリと、
前記蓋の外表面に接続され、前記複数の導電性リードの第1部に電気的に接続される1以上の電気コンポーネントと、
前記1以上の電気コンポーネントを封入し、それを通して前記複数の導電性リードの第2部が延びるアクセスウィンドウを含むヘッダと、
を備え、
前記アクセスウィンドウは通信アンテナのタブを受け入れるようにサイズ決めされる。
【0135】
例34
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、前記装置は、
前記タブと本体とを含む前記通信アンテナをさらに備える。
【0136】
例35
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、
前記通信アンテナの前記本体は、前記タブが前記アクセスウィンドウと整列するように、前記側壁の外表面に接続される。
【0137】
例36
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、
前記タブは、導電性リードの前記第2部に電気的に接続される一式の導電端子を含む。
【0138】
例37
本例では、装置が提供され、前記装置は、
電子機器アセンブリを収容し、蓋と前記蓋に接続される側壁とを含む筐体と、
前記筐体の前記蓋を通って延びる一式の導電ピンと、
前記側壁の外表面に接続され、一式の導電端子を有する通信アンテナと、
を備え、
前記一式の導電ピンは、前記一式の導電端子によって受け入れられ、前記一式の導電端子に電気的に接続される。
【0139】
例38
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、前記装置は、
前記蓋に接続される1以上の電気コンポーネントと、
前記蓋に接続され、前記蓋と前記1以上の電気コンポーネントとを封入するヘッダとをさらに備える。
【0140】
例39
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、さらに、
前記ヘッダは前記側壁に物理的に接触する。
【0141】
例40
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、前記装置は、
前記ヘッダおよび前記通信アンテナの少なくとも一部に物理的に接触するシリコーンバックフィルをさらに備える。
【0142】
例41
本例では、装置が提供され、前記装置は
前記蓋に接続される1以上の電気コンポーネントと、
前記蓋に接続され、前記蓋と前記1以上の電気コンポーネントとを封入するヘッダと、
前記ヘッダの外である取り付け場所の前記側壁の外表面に接続される通信アンテナと、
を備える。
【0143】
例42
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、前記装置は、
前記筐体の前記蓋を通って延びる一式の導電ピンをさらに備え、
前記一式の導電ピンは、前記通信アンテナの端子部に設けられる一式の導電端子によって受け入れられて、前記一式の導電端子に電気的に接続される。
【0144】
例43
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、さらに、
前記ヘッダは前記側壁に物理的に接触する。
【0145】
例44
本例では、先述または後述の例の何れかの装置が提供され、前記装置は、
前記ヘッダおよび前記通信アンテナの少なくとも一部に物理的に接触するシリコーンバックフィルをさらに備える。
【0146】
明細書および図面は、従って、限定的な意味あいというよりは、例示的な意味あいと見なされるであろう。しかしながら、請求項に説明される本開示のより広い主旨と範囲から逸脱することなく、様々な変形例および変更を行ってもよいことは明白となるであろう。
【0147】
他のバリエーションは本開示の主旨の範囲内である。このように、開示された技術は、様々な変形例および代替構造の影響を受けやすいが、その特定の例示された例が図面に示され、上記で詳述されている。しかしながら、本開示を開示された特定の形態または特定の複数の形態に制限する意図はなく、反対に、添付の請求項に定義されるように、本開示の主旨および範囲に収まる全ての変形例、代替構造、および同等のものをカバーする意図があるということは理解されるべきである。
【0148】
開示例の説明に関連する(特に以下の請求項に関連する)「a」、「an」、「the」という用語および類似の指示の使用は、本明細書中に特記のないまたは文脈により明確に矛盾がない限り単数および複数の双方をカバーすると解釈される。「備える」、「有する」、「含む」、および「含有する」という用語は、特記のない限り、制約がない用語(たとえば、「含むが、それに限らない」という意味)として解釈される。「接続される」という用語は、たとえ何かが介在していても、部分的にまたは完全に中に含有される、取り付けられる、または互いに接合されるとして解釈される。本明細書中の数値の範囲の記述は、本明細書中に特記されない限り、範囲内に収まる各別々の数値を個別に言及することの簡略的な方法として機能するように意図されているにすぎず、本明細書中に個別に列挙されているかのように各別々の数値は本明細書に組み込まれている。本明細書中に説明されている全ての方法は、本明細書中に特記のない、または文脈により明確に矛盾がない限り、任意の適切な順序で実施できる。任意のおよび全ての例、または本明細書中で使われる言語例(たとえば、「等」)の使用は、本開示の例をより明らかにする意図でしかなく、特に主張されない場合は、本開示の範囲を限定することはない。本明細書中の言語は、本開示の実行に必要として任意の非請求の要素を示すと解釈されるべきではない。
【0149】
「X、Y、またはZの少なくとも1つ」といった表現等の選言的言語は、特記のない限り、一般的に使用される文脈において、品目、用語、等がX、Y、またはZ、あるいはその任意の組合せ(たとえば、X、Y、および/またはZ)のいずれかであってもよいことを示すと理解される。このように、このような選言的言語は、一般的に、特定の例においてそれぞれに少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、または少なくとも1つのZが存在する必要があることを暗示している意図はなく、暗示するべきでない。
【0150】
「または」という単語の本明細書中での使用には、包括的および排他的なOR条件をカバーすることが意図される。言い換えると、AまたはBまたはCは、特定の使用に適した以下の代替的な組合せのいずれか、または全て、A単独、B単独、C単独、AおよびBのみ、AおよびCのみ、BおよびCのみ、ならびにAおよびBおよびCの3つ全て、を含む。
【0151】
本明細書中には、本開示を実施するにあたって本発明者らに周知の最良の態様を含む本開示の好適な例が説明されている。これらの好適な例の変形は、上述の説明を読めば当業者には明らかとなり得る。本発明者らは、当業者がこのような変形を必要に応じて採用することに期待し、本発明者らは、本開示が本明細書中に具体的に説明されている以外の方法で実施されることを意図している。従って、本開示は、ここに添付される請求項で列挙される主題の全ての変形例および同等のものを、適用法により許可されるとして、含んでいる。さらに、その全ての可能性のある変形における上述の要素の任意の組合せは、本明細書中に特記のない、または文脈により明確に矛盾がない限り、本開示により網羅される。
【0152】
なお、実施形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、または構成図として描かれるプロセスとして記載できる。フローチャートが、順次的なプロセスとして、動作を説明できるが、多くの動作は並行に、または同時に行われることができる。これに加えて、動作の順序は再構成されることができる。その動作が完了するとプロセスは終了されるが、図面に含まれていない追加のステップを有することも可能である。
【0153】
本明細書中で引用された、発行物、特許出願、および特許を含むすべての参照は、ここに、各参照が、参照することにより組み込まれると個別および具体的に示され、本明細書中にその全体が説明されているのと同じ程度に、参照により組み込まれる。
【0154】
本開示の原則は、具体的な装置および方法に関連して、上記に説明されているが、当該説明は例の目的のみとして作成され、本開示の範囲を限定するものとして作成されていないことが明確に理解されるであろう。