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特許7581222一体型インターロック機構を備えた共成形ゴルフパター
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】一体型インターロック機構を備えた共成形ゴルフパター
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20241105BHJP
   A63B 53/06 20150101ALI20241105BHJP
【FI】
A63B53/04 K
A63B53/06 D
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021552952
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 US2020021414
(87)【国際公開番号】W WO2020181198
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレイソン シー. スパックマン
(72)【発明者】
【氏名】トム ジェイ. ナトール
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ ディ. ウィルモット
【審査官】野田 洋平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0148584(US,A1)
【文献】特開2007-054167(JP,A)
【文献】特開2013-165893(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0179459(US,A1)
【文献】特開2007-175202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00-53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パター型のゴルフクラブヘッドであって、
シャーシと、
パター型のボディと、を備え、
前記シャーシは、少なくとも7g/cmの密度を有する第1の材料を含み、
前記パター型のボディは、4g/cm以下の密度を有する第2の材料を含み、
前記シャーシはさらに、
ヒール部と、トウ部と、後部と、前部と、上面と、下面と、少なくとも1つのインターロック機構と、を備え、
前記ヒール部は、前記トウ部に対向し、前記後部に隣接しており、
前記上面は、前記下面に対向し、
前記前部は、前記トウ部と前記ヒール部に隣接し、前記後部に対向しており、
前記後部に対向して、中央支柱が前記ヒールから前記トウにまたがっており、
前記ヒール部と前記トウ部と前記後部と前記中央支柱は、フロー開口を形成し
少なくとも1つの前記インターロック機構は、インターロック機構開口を備え、
前記パター型のボディの前記第2の材料は、前記インターロック機構開口を完全に充填し、前記パター型のボディと前記シャーシを一体的に接合し、
前記パター型のボディは、前記パター型のボディが前記フロー開口を貫通して完全に充填するように、前記シャーシを取り囲んで、前記パター型のボディと前記シャーシを結合し、前記パター型のゴルフクラブヘッドを形成
前記パター型のボディは、前記シャーシの少なくとも30%を包み込んでいる、
パター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記第1の材料は、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、303ステンレス鋼、304ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、マンガンのうちいずれか1つを含む、請求項1に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記第2の材料は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料と充填材とを含む複合材料である、請求項1又は2に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマーマトリクス材料は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリアミン6-6(PA66)、およびポリアミド6(PA6)からなる群から選択される、請求項3に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記充填材は、炭素とガラスのいずれかを含む繊維である、請求項3又は4に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
記複合材料は、体積%で、30~40%の充填材を含む、請求項5に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記パター型のゴルフクラブヘッドは、トウ端と、ヒール端と、打撃フェースと、後部分と、ソールと、クラウンと、を備え、
前記ヒール端は、前記トウ端に対向しており、
前記打撃フェースは、前記トウ端と前記ヒール端に隣接しており、
前記後部分は、前記打撃フェースと対向し、前記トウ端と前記ヒール端に隣接しており、
前記ソールは、前記ヒール端から前記トウ端、および前記打撃フェースから前記後部分にまたがっており、
前記ソールは、前記パター型のクラブヘッドがアドレス位置にある時に、接地面に位置し、
前記クラウンは、前記ソールに対向し、前記ヒール端から前記トウ端、および前記打撃フェースから前記後部分にまたがっている、請求項1~6のいずれか一項に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記シャーシと前記パター型のボディは組み合わさって、位置合わせ機構を形成し、
前記位置合わせ機構は、前記クラウン上に配置される、請求項7に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記位置合わせ機構は、線、一連の線、円、破線、三角形、チャネル、溝、一連の溝からなる群から選択される、請求項8に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記パター型のボディは、前記シャーシの少なくとも80%を包み込んでいる、請求項1~9のいずれか一項に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記シャーシは、1つまたは複数のウェイトを備えており、
1つまたは複数の前記ウェイトは、ウェイト密度を有し、
前記ウェイト密度は、前記第1の材料の密度よりも大きい、請求項1~10のいずれか一項に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記パター型のゴルフクラブヘッドは、前記打撃フェース上またはその内側に配置される打撃フェースインサートを備え、
前記打撃フェースインサートは、第3の材料を含む、請求項7に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
少なくとも1つの前記インターロック機構は、アンカーの形態である、請求項1~12のいずれか一項に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
アンカー形態である少なくとも1つの前記インターロック機構は、アンカー開口を備え、
前記アンカー開口は、少なくとも1つの前記インターロック機構と少なくとも1つの前記インターロック機構が突出する前記シャーシの部分との間に形成されている、請求項13に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
少なくとも1つの前記インターロック機構は、2つ以上のアンカー開口を備え、
少なくとも1つの前記インターロック機構の2つ以上の前記アンカー開口は、円形、楕円形、三角形、卵形、半円形、長方形、台形、八角形、または多角形のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせである、請求項14に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
少なくとも1つの前記インターロック機構は、アンカー、ポスト、ヒッチ、一連の窪み、貫通孔、一連の貫通孔、スロット、溝、チャネル、ウェッジ、梁、または一連の貫通孔を有する梁のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせの形態である、請求項1に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記パター型のゴルフクラブヘッドは、
25cc~125ccの範囲のクラブヘッド体積と、
320~385グラムの範囲のクラブヘッド質量と、を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記シャーシは、前記クラブヘッド体積の60%未満を構成し、
前記シャーシは、前記クラブヘッド質量の少なくとも60%を構成する、請求項17に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
y軸重心周りの前記パター型のゴルフクラブヘッドの慣性モーメントは、3500gcm~8000gcmである、請求項1~18のいずれか一項に記載のパター型のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2019年3月6日に出願された米国仮特許出願第62/814,770号に対する利益を主張し、この内容は全て、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
本開示は、概してゴルフ用具に関し、より詳細には、一体型のインターロック機構を有する共成形ゴルフパターに関する。
【背景技術】
【0003】
通常、パター型ゴルフクラブヘッドは、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、又はタングステン等の金属材料から形成される。これらの金属材料は、パターの慣性モーメント(MOI)が大きくなるようにパターの外縁部が高密度金属を含むパターヘッドを作るために、組み合わせられることが多い。しかし、2つの金属材料を組み合わせると、MOIが最大化されずに、極めて重いパター又は体積の大きいパターとなってしまう可能性があり、不利なパター又はかさばるパターとなってしまう。当技術分野では、全体のデザインに関係なく、軽量複合材料を高密度金属材料と組み合わせて、MOIが高く適度な重量および体積を有するパターを作製するニーズがある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1は、パター型ゴルフクラブの後面斜視図を示す。
【0005】
図2は、図1のパター型ゴルフクラブのパター型ボディとシャーシとの組み合わせの後面斜視図である。
【0006】
図3は、図1のパター型ゴルフクラブの上面図を示す。
【0007】
図4は、図1のパター型ゴルフクラブのシャーシの上面図である。
【0008】
図5は、図1のパター型ゴルフクラブのシャーシの代替実施形態の前面斜視図である。
【0009】
図6は、1つまたは複数のウェイトを有するパター型ゴルフクラブの後面斜視図を示す。
【0010】
図7は、図5のパター型ゴルフクラブのパター型ボディとシャーシとの組み合わせの後面斜視図である。
【0011】
図8は、図5のパター型ゴルフクラブのシャーシと1つまたは複数のウェイトの後面斜視図を示す。
【0012】
図9は、図5のパター型ゴルフクラブの前面斜視図を示す。
【0013】
図10は、別のパター型ゴルフクラブの後面斜視図を示す。
【0014】
図11は、図10のパター型ゴルフクラブのパター型ボディとシャーシとの組み合わせの後面斜視図を示す。
【0015】
図12は、図10のパター型ゴルフクラブのシャーシの上面図を示す。
【0016】
図13は、シャーシのインターロック機構の上面図を示す。
【0017】
図14は、代替のシャーシのインターロック機構の上面図を示す。
【0018】
図15は、代替のシャーシのインターロック機構の上面図を示す。
【0019】
図16は、代替のシャーシのインターロック機構の上面図を示す。
【0020】
図17は、代替のシャーシのインターロック機構の上面図を示す。
【0021】
図18は、代替のシャーシのインターロック機構の上面図を示す。
【0022】
図19は、代替のシャーシのインターロック機構の上面図を示す。
【0023】
図20は、代替のシャーシのインターロック機構の上面図である。
【0024】
図21は、代替のシャーシのインターロック機構の上面図を示す。
【0025】
図22は、別のパター型ゴルフクラブの上面図を示す。
【0026】
図23は、図22のパター型ゴルフクラブのパター型ボディとシャーシとの組み合わせの上面図を示す。
【0027】
図24は、図22のパター型ゴルフクラブのシャーシの上面図を示す。
【0028】
図25は、図22のパター型ゴルフクラブの前面分解図を示す。
【0029】
図26は、別のパター型ゴルフクラブの後面斜視図を示す。
【0030】
図27は、図26のパター型ゴルフクラブのパター型ボディとシャーシとの組み合わせの後面斜視図を示す。
【0031】
図28は、図26のパター型ゴルフクラブのシャーシの前面斜視図を示す。
【0032】
図29は、別のパター型ゴルフクラブの後面斜視図を示す。
【0033】
図30は、図29のパター型ゴルフクラブのパター型ボディとシャーシとの組み合わせの後面図を示す。
【0034】
図31は、図29のパター型ゴルフクラブのシャーシの上面図を示す。
【0035】
図32は、図29のパター型ゴルフクラブのパター型ボディとシャーシとの組み合わせの前面斜視図を示す。
【0036】
図33は、別のパター型ゴルフクラブの後面斜視図を示す。
【0037】
図34は、図33のパター型ゴルフクラブのパター型ボディとシャーシとの組み合わせの後面斜視図を示す。
【0038】
図35は、図33のパター型ゴルフクラブのシャーシの後面斜視図を示す。
【0039】
図36は、図33のパター型ゴルフクラブのシャーシの前面斜視図である。
【0040】
図37は、別のパター型ゴルフクラブの後面斜視図を示す。
【0041】
図38は、図37のパター型ゴルフクラブのパター型ボディとシャーシとの組み合わせの後面斜視図を示す。
【0042】
図39は、図37のパター型ゴルフクラブのシャーシの底面図を示す。
【0043】
図40は、図37のパター型ゴルフクラブのシャーシの後面斜視図を示す。
【0044】
図41は、図37のパター型ゴルフクラブの底面アセンブリ図である。
【0045】
本開示の他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0046】
I. パターゴルフクラブヘッド
本明細書では、高密度金属(例えば、鋼またはタングステン、ただしこれらに限定されない)等の第1の材料から作られた高密度のシャーシと、低密度の熱可塑性複合材(すなわち、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)、ただしこれらに限定されない)等の第2の材料から作られた低密度のパター型ボディ部とを備える、パター型ゴルフクラブヘッドが説明される。シャーシは、フロー開口と、1つまたは複数のインターロック機構とを備える。パター型ボディ部は、少なくとも1つのインターロック機構の全体を包み込む。さらに、パター型ボディは、ボディがフロー開口を貫通して完全に充填するようにシャーシを封入して、ボディとシャーシとを結合させ、このようにしてクラブヘッドが形成されている。低密度のパター型ボディ部とそれによって囲まれた高密度のシャーシというこの組み合わせによって、同じ体積、同じ質量の全体的に金属材料構造を有するパター(すなわち、鋼パター等の単一材料をフライス加工したパター、又は単一材料をインベストメントキャストしたパター)と比較して、y軸周りのMOIが少なくとも5%大きくなる。さらに、低密度の熱可塑性複合体のボディと高密度のシャーシとの組み合わせによって、パターの音の改善ならびに製造コストの削減をもたらすことができる。
【0047】
本明細書および特許請求の範囲において「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの用語が使われる場合、類似の要素を区別する目的で使用されるのであって、必ずしも特定の連続的または時系列的順番を説明する目的で使用されるものではない。このように使用される用語は、適当な状況下において入れ替え可能であり、本明細書に記載されるゴルフクラブおよび製造方法の実施形態は、例えば、図示または本明細書に記載された順番以外の順番で実施可能であることが理解されるべきである。さらに、「備える」、「含む」、および「有する」という用語、並びにこれらのいかなる変化形は、非排他的包含を意図するものであり、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素に限定されず、明示的に列挙されていない他の要素、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に本来備わっている他の要素を含むことができる。
【0048】
本開示の実施形態の詳細を説明する前に、本開示の適用は、以下の説明に記載されるか、または以下の図面に例示される構成の詳細および要素の配置に限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態でも可能であり、様々な方法で実施または実行することが可能である。
【0049】
多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、パター型のゴルフクラブヘッド(パター型ゴルフクラブヘッド100、1100、2100、3100、4100等)を含んでよい。図1図41は、一体的に形成されたシャーシとパター型ボディを有するパター型ゴルフクラブヘッドの複数の実施形態を示している。パター型ゴルフクラブヘッドは、マレット型のパターヘッド、ミッドマレット型のパターヘッド、ブレード型のパターヘッド、高MOI型のパターヘッド、又は他の任意のタイプのパター型ゴルフクラブヘッドであってよい。
【0050】
パター型ゴルフクラブヘッド100は、シャーシ102と、パター型ボディ104(ボディ104と称することもある)と、を備える。パター型ボディ104は、シャーシ102を部分的または全体的に包囲(または封入)し、パター型ゴルフクラブヘッド100の特徴を形成する。ゴルフクラブヘッド100は、トウ端106と、トウ端106に対向するヒール端108とを備えてよい。ゴルフクラブヘッド100は、打撃フェース110と、打撃フェース110と対向する後部112とを備えてよい。さらに、パター型ゴルフクラブヘッド100は、位置合わせ機構114を備えてよい。パター型ゴルフクラブヘッド100は、ソール117を備える。ソール117は、ヒール端108からトウ端106まで、および打撃フェース110から後部112まで広がっている。ソール117は、パター100がアドレス位置(すなわち、ゴルフボールを打つ位置)にある時に、接地面に位置する。パター型ゴルフクラブヘッド100は、クラウン115を備え、クラウン115は、ソール117に対向する。クラウン115は、ヒール端108からトウ端106まで、および打撃フェース110から後部112まで広がっている。パター100がアドレス位置にある時、クラウン115は、ゴルファーに見えている。
【0051】
ゴルフクラブヘッド100の打撃フェース110は、ロフト平面(図示せず)を備える。ロフト位置は、打撃フェース110に接している。ロフト平面は、接地面と交差し、ロフト角を形成する。多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、10度未満のロフト角を有してよい。多くの実施形態では、クラブヘッドのロフト角は、0~5度、0~6度、0~7度、または0~8度であってもよい。例えば、クラブヘッドのロフト角は、10度未満、9度未満、8度未満、7度未満、6度未満、または5度未満であってよい。さらなる例として、クラブヘッドのロフト角は、0度、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、または10度であってよい。
【0052】
ゴルフクラブヘッド100は、ゴルフクラブ内に位置するゴルフクラブヘッドの重心を有する。重心は、ゴルフクラブヘッド100の重量の平均位置である。図1を参照すると、ゴルフクラブヘッド100は、y軸をさらに備え、y軸は、重心内に位置し、接地面に対して垂直であり、ゴルフクラブヘッド100のクラウン115から離れる方向に延びる。クラブヘッド100でのパッティングストローク中に、ヒール端108とトウ端106はy軸を中心に回動する。y軸周りのMOIを向上させると、ゴルフクラブヘッドがy軸周りに回転することが抑制されるため、より真っ直ぐなパットとなる。
【0053】
さらに、パター型ゴルフクラブヘッド100は、ゴルフクラブヘッド100のヒール端108に取り付けられたホーゼル119を備えてよい。いくつかの実施形態では、ホーゼル119は、パター型ゴルフクラブヘッド100の中心(図示せず)に取り付けられてもよい。ホーゼル119は、パター型ゴルフクラブヘッド100のパター型ボディ104と一体的に形成されてもよい。ホーゼル119は、パター型ゴルフクラブヘッド100のシャーシ102と一体的に形成されてもよい。
【0054】
ゴルフクラブヘッド100は、2つ以上の材料を含んでもよい。シャーシ102は、第1の材料を含んでよい。パター型ボディ104は、第2の材料を含んでよい。第1の材料は、第2の材料とは異なる。第1の材料は、第1の密度を有する。第2の材料は、第2の密度を有する。第1の密度は、第2の密度と同じではない。第1の密度は、第2の密度よりも大きくてもよい。
【0055】
多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100は、320~385グラムの範囲の質量を有してよい。他の実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100の質量は、320グラム~325グラム、325グラム~330グラム、330グラム~335グラム、335グラム~340グラム、340グラム~345グラム、345グラム~350グラム、350グラム~355グラム、355グラム~360グラム、360グラム~365グラム、365グラム~370グラム、370グラム~375グラム、375グラム~380グラム、または380グラム~385グラムであってもよい。いくつかの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドの質量は、320グラム、321グラム、322グラム、323グラム、324グラム、325グラム、326グラム、327グラム、328グラム、329グラム、330グラム、331グラム、332グラム、333グラム、334グラム、335グラム、336グラム、337グラム、338グラム、339グラム、340グラム、341グラム、342グラム、343グラム、344グラム、345グラム、346グラム、347グラム、348グラム、349グラム、350グラム、351グラム、352グラム、353グラム、354グラム、355グラム、356グラム、357グラム、358グラム、359グラム、360グラム、361グラム、362グラム、363グラム、364グラム、365グラム、366グラム、367グラム、368グラム、369グラム、370グラム、371グラム、372グラム、373グラム、374グラム、375グラム、376グラム、377グラム、378グラム、379グラム、380グラム、381グラム、382グラム、383グラム、384グラム、または385グラムであってもよい。
【0056】
多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100は、25cc~125ccの範囲のクラブヘッド体積を有してよい。いくつかの実施形態では、クラブヘッド体積は、25cc~30cc、30cc~35cc、35cc~40cc、40cc~45cc、45cc~50cc、50cc~55cc、55cc~60cc、60cc~65cc、65cc~70cc、70cc~75cc、75cc~80cc、80cc~85cc、85cc~90cc、90cc~95cc、95cc~100cc、100cc~105cc、105cc~110cc、110cc~115cc、115cc~120cc、または120cc~125ccの範囲であってもよい。一実施形態では、クラブヘッド体積は、40cc~110ccの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、クラブヘッド体積は、25ccより大きく、50ccより大きく、75ccより大きく、または100ccより大きくてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100は、打撃フェース110を備えてよい。打撃フェース110は、第1の材料または第2の材料で作られてよい。他の実施形態では、打撃フェース110は、第3の材料で作られてもよい。このような実施形態では、打撃フェース110の第3の材料は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料と充填材のうちのいずれかの1つまたはこれらの組合せであってもよい。例示的な熱可塑性ポリマーマトリクス材料は、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)(例えば、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド6-6(PA66)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11))、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリフタルアミド(PPA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンエーテル/オキシド(PPE)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリスチレン(PS)、ポリスルフォン(PSU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、液晶ポリマー(LCP)、熱可塑性エラストマー(TPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)とポリカーボネート(PC)の合金やアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)とポリアミド(PA)の合金等の上記の熱可塑性材料の合金を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、打撃フェース110は、パター型ボディ104に一体的に形成されてもよい。ほとんどの実施形態では、打撃フェース110は、共成形、射出成形、鋳造、付加的製造、または他の形成プロセスによって、クラブヘッド100に一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、熱可塑性複合材料は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料として熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含んでもよい。TPUは、ハードセグメントとソフトセグメントとを有する線状セグメントブロックコポリマーからなる化学構造を含む。いくつかの実施形態では、ハードセグメントは、芳香族構造または脂肪族構造を含み、ソフトセグメントは、ポリエーテル鎖またはポリエステル鎖を含む。他の実施形態では、TPUを含む熱可塑性ポリマーマトリクス材料は、異なる化学構造を有するハードセグメントおよびソフトセグメントを有してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、図25および図41を参照すると、パター型ゴルフクラブヘッド100は、打撃フェース110上または打撃フェース110内に位置する打撃フェースインサート116を含んでもよい。これらの実施形態では、打撃フェースインサート116は、クラブヘッド100に連結される前に、単独で形成される。クラブヘッド100に当接する打撃フェースインサート116の面は、打撃フェース110に当接するクラブヘッド100の対応部分(すなわち、パター型ゴルフクラブヘッドの打撃フェースのキャビティ)の幾何学的形状に相補的な幾何学的形状を有してよい。いくつかの実施形態では、打撃フェースインサート116は、第1の材料、第2の材料、または第3の材料で作られてもよい。多くの実施形態では、パターヘッド100は、第1の材料のシャーシ102と、第2の材料のパター型ボディ104と、第3の材料を含む打撃フェースインサート116とを含んでもよい。
【0060】
打撃フェースインサート116は、クラブヘッド100の一部に一体的に形成されることによって、または締結手段によって、クラブヘッド100に固定されてよい。いくつかの実施形態では、打撃フェースインサート116は、パター型ボディ104に固定される。このような実施形態では、図25および図41を参照すると、パター型ボディ104は、インサートキャビティ118を備えてよく、キャビティ118は、打撃フェースインサート116を受け入れるように機能する。他の実施形態(図示せず)では、打撃フェースインサート116は、シャーシ104に固定される。このような実施形態では、シャーシ102が、インサートキャビティ118を備えてよい。シャーシのインサートキャビティ118は、打撃フェースインサート116を受け入れるように機能する。打撃フェースインサート116は、のり、超高結合(VHB(商標))テープ、エポキシ樹脂、または他の接着剤等の粘着性物質によって固定されてよい。代替的または追加的に、打撃フェースインサート116は、溶接、はんだ付け、ねじ、リベット、ピン、機械的インターロック構造、または他の締結方法によって固定されてもよい。
【0061】
打撃フェースインサート116は、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、熱可塑性コポリエステルエラストマー(TPC)、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ウレタン(TPU)、鋼、ニッケル、TPU/アルミニウム、TPE/アルミニウム、プラスチック/金属スクリーンインサート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、PEBAX(登録商標)、または他の任意の望ましい材料のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の層状の組合せを含んでよい。PEBAX(登録商標)は、可撓性ポリエーテルおよび硬質ポリアミドからなる熱可塑性エラストマーであるポリエーテルブロックアミドである。硬質ポリアミドは、ナイロンを含んでよい。PEBAX(登録商標)は、異なるショアD硬度値、ポリエーテルの割合、および/またはポリアミドの割合に対応する異なる化合物を含んでもよい。多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)は、PEBAX(登録商標)4033(アルケマ社、フランスのパリ)、またはPEBAX(登録商標)6333(アルケマ社、フランスのパリ)を含んでよい。PEBAX(登録商標)4033(アルケマ社、フランスのパリ)は、テトラメチレンオキシド(53重量%)とナイロン12とを含む。PEBAX(登録商標)6333(アルケマ社、フランスのパリ)は、ナイロン11を含む。
【0062】
PEBAX(登録商標)は、体積パーセントでポリエーテルを含んでよい。いくつかの実施形態では、PEBAX(登録商標)は、体積パーセントで、0%~10%、10%~20%、15%~30%、20%~30%、30%~40%、30%~50%、30%~60%、40%~50%、40%~60%、50%~60%、または60%~70%のポリエーテルを含んでよい。例えば、PEBAX(登録商標)は、体積パーセントで、0%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70のポリエーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、PEBAX(登録商標)は、体積パーセントで、0%~10%、10%~20%、15%~30%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、40%~60%、50%~60%、または60%~70%のポリアミドを含んでよい。例えば、PEBAX(登録商標)は、体積パーセントで、0%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%のポリアミドを含んでもよい。ポリエーテルの割合が増加するにつれて、PEBAX(登録商標)の硬度は下がる。ポリアミドの割合が増加するにつれて、PEBAX(登録商標)の硬度は上がる。例えば、PEBAX(登録商標)4033(アルケマ社、フランスのパリ)は、体積パーセントで40%~60%のポリエーテルと、体積パーセントで15%~30%のポリアミドとを含んでよい。例えば、PEBAX(登録商標)6333(アルケマ社、フランスのパリ)は、体積パーセントで15%~30%のポリエーテルと、体積パーセントで40%~60%のポリアミドとを含んでよい。
【0063】
多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)は、ショア25D~ショア75Dの範囲の硬度を有してよい。いくつかの実施形態では、PEBAXの硬度は、ショア25D~ショア35D、ショア35D~ショア45D、ショア36D~ショア44D、ショア38D~ショア42D、ショア45D~ショア55D、ショア55D~ショア65D、ショア56D~ショア64D、ショア60D~ショア65D、またはショア65D~ショア75Dの範囲であってもよい。例えば、PEBAXの硬度は、ショアD25、ショアD30、ショアD35、ショアD40、ショアD45、ショアD50、ショアD55、ショアD60、ショアD65、またはショアD70であってもよい。
【0064】
多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)4033(アルケマ社、フランスのパリ)は、PEBAX(登録商標)6333(アルケマ社、フランスのパリ)よりも硬度が低くてよい。多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)4033(アルケマ社、フランスのパリ)は、ショア35D~ショア55Dの硬度範囲を有してよい。いくつかの実施形態では、PEBAX(登録商標)4033(アルケマ社、フランスのパリ)は、ショア38D~ショア42D、またはショア39D~ショア41Dの硬度範囲を有してもよい。例えば、PEBAX(登録商標)4033(アルケマ社、フランスのパリ)は、ショアD硬度40を有してもよい。多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)6333(アルケマ社、フランスのパリ)は、ショア50D~ショア75Dの硬度範囲を有してよい。いくつかの実施形態では、PEBAX(登録商標)6333(アルケマ社、フランスのパリ)は、ショア55D~ショア70D、またはショア60D~ショア65Dの硬度範囲を有してもよい。例えば、PEBAX(登録商標)6333(アルケマ社、フランスのパリ)は、ショアD硬度60を有してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態(図25および図41)では、打撃フェースインサート116は、二部品システムを含んでよい。二部品システムは、打球フェースプレート169と、フェースインサートベース171とを備えてよい。フェースインサート116の打球フェースプレート169は、第4の材料を含んでよい。フェースインサート116のフェースインサートベース171は、第5の材料を含んでよい。
【0066】
多くの実施形態では、打球フェースプレート169の第4の材料とフェースインサートベース171の第5の材料とは異なっていてよい。いくつかの実施形態では、打球フェースプレート169の第4の材料とフェースインサートベース171の第5の材料は同様であってもよい。多くの実施形態では、打球フェースプレート169の第4の材料は、ポリマータイプの材料を含んでよい。いくつかの実施形態では、打球フェースプレート169の第4の材料は、金属材料を含んでもよい。多くの実施形態では、打撃フェースインサートベース171の第5の材料は、ポリマータイプの材料を含んでよい。ほとんどの実施形態では、パターヘッド100は、第1の材料のシャーシ102と、第2の材料のパター型ボディ104と、第4の材料および第5の材料を含む打撃フェースインサート116とを備えてよい。
【0067】
第4の材料は、鋼、鋼合金、タングステン、タングステン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、バナジウム、バナジウム合金、クロム、クロム合金、コバルト、コバルト合金、ニッケル、ニッケル合金、他の金属、他の金属合金、複合ポリマー材料、またはこれらの任意の組合せなどの金属を含んでよい。
【0068】
第4の材料または第5の材料は、ポリマータイプの材料を含んでよい。ポリマータイプの材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、または他の任意のポリマータイプの材料を含んでよい。多くの実施形態では、フェースインサート116は、PEBAX(登録商標)を含んでよい。より具体的には、PEBAX(登録商標)は、可撓性ポリエーテルと硬質ポリアミドからなる熱可塑性エラストマーであるポリエーテルブロックアミドである。硬質ポリアミドは、ナイロンを含んでよい。PEBAX(登録商標)は、異なるショアD硬度値、ポリエーテルの割合、および/またはポリアミドの割合に対応する異なる化合物を含んでもよい。多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)は、PEBAX(登録商標)4033(アルケマ社、フランスのパリ)、またはPEBAX(登録商標)6333(アルケマ社、フランスのパリ)を含んでよい。PEBAX(登録商標)4033(アルケマ社、フランスのパリ)は、テトラメチレンオキシド(53重量%)とナイロン12とを含む。PEBAX(登録商標)6333(アルケマ社、フランスのパリ)は、ナイロン11を含む。第4の材料および第5の材料は、上述と同様のポリエーテルの割合、ポリアミドの割合、またはショアD硬度値を有してよい。
【0069】
フェースインサート116の打球フェースプレート169は、厚さを有してよい。多くの実施形態では、打球フェースプレート169の厚さは、0.015~0.115インチの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、打球フェースプレート169の厚さは、0.015~0.045インチ、0.020~0.050インチ、0.025~0.055インチ、0.050~0.100インチ、0.055~0.105インチ、0.060~0.110インチ、または0.065~0.115インチの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、打球フェースプレート169の厚さは、少なくとも0.015インチ、少なくとも0.020インチ、少なくとも0.025インチ、少なくとも0.030インチ、少なくとも0.035インチ、少なくとも0.040インチ、少なくとも0.045インチ、少なくとも0.050インチ、少なくとも0.055インチ、少なくとも0.060インチ、少なくとも0.065インチ、少なくとも0.070インチ、少なくとも0.075インチ、少なくとも0.080インチ、少なくとも0.085インチ、少なくとも0.090インチ、少なくとも0.095インチ、少なくとも0.10インチ、少なくとも0.105インチ、少なくとも0.110インチ、または少なくとも0.115インチであってよい。いくつかの実施形態では、打球フェースプレート169の厚さは、0.015インチ以上、0.020インチ以上、0.025インチ以上、0.030インチ以上、0.035インチ以上、0.040インチ以上、0.045インチ以上、0.050インチ以上、0.055インチ以上、0.060インチ以上、0.065インチ以上、0.070インチ以上、0.075インチ以上、0.080インチ以上、0.085インチ以上、0.090インチ以上、0.095インチ以上、0.10インチ以上、0.105インチ以上、0.110インチ以上、または0.115インチ以上であってもよい。いくつかの実施形態では、打球フェースプレート169の厚さは、0.015インチ以下、0.020インチ以下、0.025インチ以下、0.030インチ以下、0.035インチ以下、0.040インチ以下、0.045インチ以下、0.050インチ以下、0.055インチ以下、0.060インチ以下、0.065インチ以下、0.070インチ以下、0.075インチ以下、0.080インチ以下、0.085インチ以下、0.090インチ以下、0.095インチ以下、0.10インチ以下、0.105インチ以下、0.110インチ以下、または0.115インチ以下であってよい。例えば、打球フェースプレート169の厚さは、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、0.035インチ、0.040インチ、0.045インチ、0.050インチ、0.055インチ、0.060インチ、0.065インチ、0.070インチ、0.075インチ、0.080インチ、0.085インチ、0.090インチ、0.095インチ、0.10インチ、0.105インチ、0.110インチ、または0.115インチであってよい。
【0070】
他の実施形態では、打球フェースプレート169の厚さは、0.115~0.40インチの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、打球フェースプレート169の厚さは、0.115~0.20インチ、0.15~0.30インチ、0.20~0.30インチ、0.25~0.35インチ、または0.30~0.40インチの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、打球フェースプレート169の厚さは、少なくとも0.15インチ、少なくとも0.20インチ、少なくとも0.25インチ、少なくとも0.30インチ、少なくとも0.35インチ、または少なくとも0.40インチであってもよい。いくつかの実施形態では、打球フェースプレート169の厚さは、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.30以上、0.35以上、または0.40以上であってもよい。いくつかの実施形態では、打球フェースプレート169の厚さは、0.15インチ以下、0.20インチ以下、0.25インチ以下、0.30インチ以下、0.35インチ以下、または0.40インチ以下であってもよい。例えば、打球フェースプレート169の厚さは、0.15インチ、0.20インチ、0.25インチ、0.30インチ、0.35インチ、または0.40インチであってよい。
【0071】
フェースインサート116のフェースインサートベース171は、厚さを有してよい。多くの実施形態では、フェースインサートベース171の厚さは、0.05~0.20インチの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサートベース171の厚さは、0.05~0.10インチ、または0.10~0.20インチの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、フェースインサートベース171の厚さは、少なくとも0.05インチ、少なくとも0.10インチ、少なくとも0.15インチ、または少なくとも0.20インチであってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサートベース171の厚さは、0.05インチ以上、0.10インチ以上、0.15インチ以上、または0.20インチ以上であってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサートベース171の厚さは、0.05インチ以下、0.10インチ以下、0.15インチ以下、または0.20インチ以下であってよい。例えば、フェースインサートベース171の厚さは、0.05インチ、0.10インチ、0.15インチ、または0.20インチであってよい。
【0072】
他の実施形態では、フェースインサートベース171の厚さは、0.20~0.80インチの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、フェースインサートベース171の厚さは、0.20~0.50インチ、0.30~0.60インチ、0.40~0.70インチ、または0.50~0.80インチの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサートベース171の厚さは、0.20~0.40インチ、0.30~0.50インチ、0.40~0.60インチ、0.50~0.70インチ、または0.60~0.80インチの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサートベース171の厚さは、少なくとも0.20インチ、少なくとも0.25インチ、少なくとも0.30インチ、少なくとも0.35インチ、少なくとも0.40インチ、少なくとも0.45インチ、少なくとも0.50インチ、少なくとも0.55インチ、少なくとも0.60インチ、少なくとも0.65インチ、少なくとも0.70インチ、少なくとも0.75インチ、または少なくとも0.80インチであってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサート116のフェースインサートベース171の厚さは、0.20インチ以上、0.25インチ以上、0.30インチ以上、0.35インチ以上、0.40インチ以上、0.45インチ以上、0.50インチ以上、0.55インチ以上、0.60インチ以上、0.65インチ以上、0.70インチ以上、0.75インチ以上、または0.80インチ以上であってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサートベース171の厚さは、0.20インチ以下、0.25インチ以下、0.30インチ以下、0.35インチ以下、0.40インチ以下、0.45インチ以下、0.50インチ以下、0.55インチ以下、0.60インチ以下、0.65インチ以下、0.70インチ以下、0.75インチ以下、または0.80インチ以下であってよい。例えば、フェースインサートベース171の厚さは、0.20インチ、0.25インチ、0.30インチ、0.35インチ、0.40インチ、0.45インチ、0.50インチ、0.55インチ、0.60インチ、0.65インチ、0.70インチ、0.75インチ、または0.80インチであってよい。
【0073】
多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100のシャーシ102は、第1の材料を含む。第1の材料は、第1の密度を有する。シャーシ102は、7.0g/cc~20.0g/ccの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、第1の密度は、7.0~7.5g/cc、7.5~8.0g/cc、8.0~8.5g/cc、8.5~9.0g/cc、9.0~9.5g/cc、9.5~10.0g/cc、10.0~10.5g/cc、10.5~11.0g/cc、11.0~11.5g/cc、11.5~12.0g/cc、12.0~12.5g/cc、12.5~13.0g/cc、13.0~13.5g/cc、13.5~14.0g/cc、14.0~14.5g/cc、14.5~15.0g/cc、15.0~15.5g/cc、15.5~16.0g/cc、16.0~16.5g/cc、16.5~17.0g/cc、17.0~17.5g/cc、17.5~18.0g/cc、18.0~18.5g/cc、18.5~19.0g/cc、または19.0~19.5g/cc、または19.5~20.0g/ccであってよい。一実施形態では、シャーシ102の第1の材料の第1の密度は、8.0~9.0g/ccの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の密度は、7.0g/cc、7.5g/cc、8.0g/cc、8.5g/cc、9.0g/cc、9.5g/cc、10.0g/cc、10.5g/cc、11.0g/cc、11.5g/cc、12.0g/cc、12.5g/cc、13.0g/cc、13.5g/cc、14.0g/cc、14.5g/cc、15.0g/cc、15.5g/cc、16.0g/cc、16.5g/cc、17.0g/cc、17.5g/cc、18.0g/cc、18.5g/cc、19.0g/cc、19.5g/cc、または20.0g/ccであってもよい。
【0074】
第1の材料を有するパター型ゴルフクラブ100のシャーシ102は、8620合金鋼(7.83g/cc)、S25C鋼(7.85g/cc)、炭素鋼(7.85g/cc)、マルエージング鋼(8.00g/cc)、17-4ステンレス鋼(7.81g/cc)、303ステンレス鋼(8.03g/cc)、304ステンレス鋼(8.00g/cc)、ステンレス鋼合金(7.75g/cc~8.05g/cc)、タングステン(19.25g/cc)、マンガン(7.43g/cc)、またはゴルフクラブヘッドを作るのに適した任意の金属のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せから作られてもよい(密度が示されている)。多くの実施形態では、シャーシ102は、304ステンレス鋼、8620合金鋼、17-4ステンレス鋼、1380ステンレス鋼、タングステン、またはステンレス鋼とタングステンの組み合わせで作られる。しかし、シャーシ102およびパター型ボディ104は、同一の1つの材料または同一の材料の組み合わせからは作られない。
【0075】
第2の材料を有するゴルフクラブ100のパター型ボディ104は、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)(例えば、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド6-6(PA66)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11))、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリフタルアミド(PPA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンエーテル/オキシド(PPE)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリスチレン(PS)、ポリスルフォン(PSU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、液晶ポリマー(LCP)、熱可塑性エラストマー(TPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)とポリカーボネート(PC)の合金やアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)とポリアミド(PA)の合金等の上記の熱可塑性材料の合金のいずれか1つまたはそれらの組み合わせから作られてよい。
【0076】
多くの実施形態では、第2の材料を有するパター型ゴルフクラブヘッド100のパター型ボディ104は、1.0g/cc~6.0g/ccの範囲の第2の密度を有する。第2の材料の密度は、シャーシ102の第1の材料の第1の密度に対する第2の密度である。第2の密度は、2.0g/cc~5.0g/ccの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の密度は、1.0~1.25g/cc、1.25~1.5g/cc、1.5~1.75g/cc、1.75~2.0g/cc、2.0~2.25g/cc、2.25~2.5g/cc、2.5~2.75g/cc、2.75~3.0g/cc、3.25~3.5g/cc、3.5~3.75g/cc、3.75~4.0g/cc、4.0~4.25g/cc、4.25~4.5g/cc、4.5~4.75g/cc、4.75~5.0g/cc、5.0~5.25g/cc、5.0~5.25g/cc、5.25~5.5g/cc、5.5~5.75g/cc、または5.75~6.0g/ccであってもよい。一実施形態では、パター型ボディの第2の密度は、2.0~3.0g/ccの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の密度は、6.0g/cc未満、5.0g/cc未満、4.0g/cc未満、3.0g/cc未満、または2.0g/cc未満であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の密度は、1.25g/cc、1.50g/cc、1.75g/cc、2.0g/cc、2.25g/cc、2.50g/cc、2.75g/cc、3.0g/cc、3.25g/cc、3.50g/cc、3.75g/cc、4.0g/cc、4.25g/cc、4.50g/cc、4.75g/cc、5.0g/cc、5.25g/cc、5.50g/cc、5.75g/cc、または6.0g/ccであってもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、シャーシの第1の密度は、第2の密度の少なくとも2倍、第2の密度の少なくとも3倍、第2の密度の少なくとも4倍、または第2の密度の少なくとも5倍であってよい。いくつかの実施形態では、第1の密度は、7.0g/ccより大きい、9.0g/ccより大きい、10.0g/ccより大きい、11.0g/ccより大きい、または12.0g/ccより大きくてよい。
【0078】
多くの実施形態では、第2の材料を有するパター型ゴルフクラブヘッド100のパター型ボディ104は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料と充填材とを含む熱可塑性複合材料から形成されてよい。例示的な熱可塑性ポリマーマトリックス材料は、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)(例えば、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド6-6(PA66)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11))、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリフタルアミド(PPA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンエーテル/オキシド(PPE)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリスチレン(PS)、ポリスルフォン(PSU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、液晶ポリマー(LCP)、熱可塑性エラストマー(TPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)とポリカーボネート(PC)の合金やアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)とポリアミド(PA)の合金等の上記の熱可塑性材料の合金を含む。
【0079】
例えば、いくつかの実施形態では、熱可塑性複合材料は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料として熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含んでよい。TPUは、ハードセグメントとソフトセグメントとを有する線状セグメントブロックコポリマーからなる化学構造を含む。いくつかの実施形態では、ハードセグメントは、芳香族構造または脂肪族構造を有し、ソフトセグメントは、ポリエーテルまたはポリエステル鎖を有する。他の実施形態では、TPUを含む熱可塑性ポリマーマトリクス材料は、異なる化学構造を有するハードセグメントおよびソフトセグメントを有してもよい。さらなる例として、いくつかの実施形態では、熱可塑性複合材料は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料として、ポリアミン6-6(PA66)またはポリアミド6(PA6)を含んでよい。PA66は、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸(それぞれ6個の炭素原子を含有する)を含む2つのモノマーから作られるポリアミドの一種である。
【0080】
熱可塑性複合材料の充填材は、繊維、ビーズ、または熱可塑性ポリマーと混合される種々の材料(以下に記載)を含む他の構造を含んでよい。充填材は、熱可塑性複合材料に、構造的な補強、重み、軽量化、または様々な他の特性を提供してよい。多くの実施形態では、充填材は、炭素またはガラスを含んでよい。しかしながら、他の実施形態では、充填材は、他の適切な材料を含んでもよい。例えば、1つまたは複数の薄層の充填材は、アラミド繊維(例えば、Nomex、Vectran、Kevlar、Twaron)、竹繊維、天然繊維(例えば、綿、麻、亜麻)、金属繊維(例えば、チタン、アルミニウム)、ガラスビーズ、タングステンビーズ、またはセラミック繊維(例えば、二酸化チタン、花こう岩、炭化ケイ素)を含んでよい。
【0081】
充填材または繊維は、短くてもよいし(長さまたは直径が約0.5mm未満)、長くてもよいし(長さまたは直径が約0.5mm~約40mmの範囲、またはより好ましくは約5mm~約12mmの範囲)、連続的であってもよい(長さが約40mmを超える)。多くの実施形態では、前側ボディ12と後側ボディ14は、短い繊維および/または長い繊維を含む。他の実施形態では、前側ボディ12と後側ボディ14は、短い繊維と長い繊維の代わりに、またはそれに加えて、連続的な繊維を含んでもよい。
【0082】
多くの実施形態では、熱可塑性複合材料は、体積%で30~40%の充填材を含んでよい。他の実施形態では、熱可塑性複合材料は、体積%で、55%まで、60%まで、65%まで、または70%までの充填材を含んでもよい。
【0083】
多くの実施形態では、熱可塑性複合材料は、約1.0~2.0の比重を有する。これは、ゴルフで使用される金属材料の比重よりも著しく小さい(例えば、チタンの比重は、約4.5であり、アルミニウムの比重は、約2.7である)。さらに、多くの実施形態では、熱可塑性複合材料は、1,000,000PSI/(lb/in3)を超える強度対重量比または比強度と、0.009を超える強度対弾性率比または比柔軟性とを有する。熱可塑性複合材料の比重、比強度、および比柔軟性により、耐久性を維持しながら、クラブヘッド100を大幅に軽量化することができる。

a)シャーシ
【0084】
図1図4を参照すると、パター型ゴルフクラブヘッド100は、パター型ボディ104と共に、高密度のシャーシ102をさらに備える。シャーシ102は、パター型ボディ104に成形されるように構成および配置され、パター型ゴルフクラブヘッド100を形成する。シャーシ102は、少なくとも1つのインターロック機構120と、フロー開口122とを備える。少なくとも1つのインターロック機構120は、パター型ボディ104の軽量材料(第2の密度の材料)が少なくとも1つのインターロック機構120の全体を包み込むことを可能にする。さらに、フロー開口122は、パター型ボディ104の軽量材料がフロー開口122を貫通して完全に充填することを可能にし、このようにしてボディ104とシャーシ102とが結合され、パター型ゴルフクラブヘッド100が形成される。さらに、シャーシ102は、低密度のパター型ボディ104を周りに形成可能な高密度の外縁構造を提供し、ゴルフクラブヘッドを所望の総重量に保ちながら、極めてMOIの大きいパターを有するパター100を作ることができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、シャーシ102は、パター100の総体積の50%未満を構成する。他の実施形態では、シャーシ102は、パター100の総体積の70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、または35%未満を構成してもよい。いくつかの実施形態では、シャーシ102は、パター100の総体積の20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、または65%~70%の範囲であってもよい。
【0086】
シャーシ102は、パター100の体積の半分未満を構成する一方、パター100の総質量の少なくとも60%を構成する。いくつかの実施形態では、シャーシ102は、パター100の総質量の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、または少なくとも75%を構成してよい。他の実施形態では、シャーシは、パター100の総質量の45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、75%~80%、または80%~85%の範囲であってもよい。
【0087】
高密度で低体積のシャーシ102を用いてパターヘッド100の外縁部へ質量を有益にシフトさせることによって、同じ体積、質量、および単一材料構造(または多金属構造)を有するパター(すなわち、単一のステンレス鋼ブロックのフライス加工されたパター、または2つの金属のインベストメント鋳造されたパター)と比較して、パター100のMOIを大きくすることができる。
【0088】
ほとんどの実施形態では、シャーシ102は、ヒール部124を備える。シャーシ102は、ヒール部124に対向するトウ部126を備える。シャーシ102は、後部128を備える。後部128は、ヒール部124とトウ部126に隣接している。いくつかの実施形態では、シャーシ102は、中央支柱132を備えてよい。中央支柱132は、後部128に対向し、ヒール部124からトウ部126へまたがっている。シャーシ102は、前部130を備える。前部130は、トウ部126と、ヒール部124と、中央支柱132とによって形成されている。前部130は、後部128に対向し、ヒール部124とトウ部126に隣接している。
【0089】
さらに、シャーシ102は、上面134を備えてよい。上面134は、後部128、前部130、トウ部126、およびヒール部124に隣接している。シャーシ102は、下面136を備える。下面は、上面134に対向し、後部128、前部130、トウ部126、およびヒール部124に隣接している。多くの実施形態では、シャーシ102は、「U字形」、馬蹄形、放物線形、リング形、ダンベル形、台形、多角形、砂時計形、半円形、非対称、対称、スペード形、「H字形」、「I字形」、または他の任意の望ましいシャーシ102形状であってよい。
【0090】
ほとんどの実施形態では、シャーシ102の形状が、シャーシ102の外縁部(トウ、ヒール、後部、前部)とパター型ゴルフクラブヘッド100の外縁部への質量の望ましいシフトを促進する。結果として得られる共成形されたパターのMOIを大幅に大きくするために、シャーシ102の特定の形状が、特定のタイプのパターヘッドに使用されてよい。例えば、ダンベル形、「I字形」、または非対称のシャーシ102がブレード型パターに使用されてよく、この場合、MOIを大きくするには、ヒール端108とトウ端106に向かって質量をシフトさせるだけでよい。別の例では、「U字形」、馬蹄形、または放物線形のシャーシ102がミッドマレット型パターまたはマレット型パターに使用されてよく、この場合、MOIを大きくするには、ヒール端108、トウ端106、打撃フェース110、および後部112に向かって質量をシフトさせる必要がある。さらに別の例では、半円形、非対称、対称、スペード形、または「H字形」のシャーシ102がミッドマレット型パターまたはマレット型パターに使用されてよく、この場合、MOIを大きくするには、ヒール端108、トウ端106、打撃フェース110、および後部112に向かって質量をシフトさせる必要がある。高密度のシャーシ102と低密度で軽いパター型ボディ104とを組み合わせると、シャーシ102の形状および重量配分によって、パターヘッド100のMOIを大幅に大きくすることができる。シャーシ102の特定の形状が特定のパタータイプに使用されるが、シャーシ102の任意の形状が任意のタイプのパター(すなわち、ブレード、ミマレット、マレット)に使用されてもよい。
【0091】
図2および図3を参照すると、ヒール部124、トウ部126、後部128、および中央支柱132が、フロー開口122を形成している。フロー開口122は、上面134から下面136に向かう方向で、シャーシ102を完全に貫通している。パター型ボディ104がシャーシ102に成形される際、フロー開口122は、パター型ボディ104を最終的に形成する軽量で低密度な材料がシャーシ102を封入することを可能にし、ボディ104はフロー開口122を貫通して完全に充填する。フロー開口122は、パターボディ104がボディ104とシャーシ102とを一体的に結合することを可能にし、このようにしてクラブヘッド100が形成される。さらに、フロー開口122は、パター型ボディ104の軽量で低密度の材料がゴルフクラブヘッド100の打撃フェース110に垂直な方向で流れることを可能にする。パター型ボディ104が繊維充填材を有する熱可塑性複合材料から形成される場合、フロー開口122は、繊維が打撃フェース110に垂直な方向で定着することを可能にし、これによってクラブヘッド100の強度と耐久性が高められる。さらに、フロー開口122は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料ができる限り隙間なくシャーシ102を密接に取り囲むことを可能にし、これによって中実で耐久性のあるクラブヘッド100が形成される。
【0092】
いくつかの実施形態では、フロー開口122は、円形、楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、任意の多角形、または他の任意の所望される幾何学的形状のうちのいずれか1つであってよい。いくつかの実施形態では、フロー開口122は、前部130から後部128へ向かう方向、または後部128から前部130へ向かう方向において、形が非対称であってよい。いくつかの実施形態では、フロー開口122は、トウ部126からヒール部124にかけて、対称形状であってよい。他の実施形態では、フロー開口122は、後部128から前部130にかけて対称形状であり、トウ部126からヒール部124にかけて対称形状であってもよい。より多くの実施形態では、フロー開口122は、トウ部126からヒール部124にかけて対称形状であるが、後部128から前部130にかけては非対称形状であってもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、シャーシ102は、中央支柱132を有さなくてもよく、従ってフロー開口122を有さなくてもよい。例えば、図10図12図22図24、および図26図28を参照すると、シャーシ102は、トウ部126とヒール部124のみによって形成された前部130のみを備えてよく、中央支柱132を全く有さない。シャーシ102が中央支柱132を有さない多くの実施形態では、シャーシ102は、「U字形」、馬蹄形、放物線形、ダンベル形、「I字形」、または他の任意の所望される形状であってよい。
【0094】
さらに図10図12を参照すると、いくつかの実施形態では、シャーシ102は中央支柱132を有さず、従ってフロー開口104を有さない。これらの実施形態では、ヒール部124、トウ部126、および後部128が、フロー領域138を形成している。フロー領域138は、フロー開口128と同じように機能するが、中央支柱132を有さない。パター型ボディ104がシャーシ102に成形される際、フロー領域138は、パター型ボディ104の軽量で低密度の材料がシャーシ102を封入することを可能にし、パター型ボディ104はフロー領域138を貫通して完全に充填する。フロー領域138は、パターボディ104がボディ104とシャーシ102とを一体的に結合することを可能にし、このようにしてクラブヘッド100が形成される。さらに、フロー領域138は、パター型ボディ104の軽量で低密度の材料がゴルフクラブヘッド100の打撃フェース110に垂直な方向に流れることを可能にする。これによって、パター型ボディ104が繊維充填材を有する熱可塑性複合材料から形成される場合、繊維が打撃フェース110に垂直な方向で定着することができ、クラブヘッド100の強度と耐久性が高められる。さらに、フロー領域138は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料ができる限り隙間なくシャーシ102を密接に取り囲むことを可能にし、これによって中実で耐久性のあるクラブヘッド100が形成される。
【0095】
図2および図4を参照すると、シャーシ102は、シャーシ102の特徴であるヒール部124、トウ部126、後部128、中央支柱132、前部130、上面134、および下面136のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせから突出または延びる少なくとも1つのインターロック機構120を備える。少なくとも1つのインターロック機構120は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料(または、他の高強度で軽量な材料)に少なくとも1つのインターロック機構120の全体を包み込ませることによって、シャーシ102とパター型ボディ104とをさらに結合し、一体的に接合するように機能する。
【0096】
シャーシ102は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または7つよりも多いインターロック機構120を備えてよい。いくつかの実施形態では、シャーシ102は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、またはそれより多いインターロック機構120を備えてもよい。いくつかの実施形態では、シャーシ102は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、またはそれより多いインターロック機構120を備えてもよい。
【0097】
多くの実施形態において、少なくとも1つのインターロック機構120は、アンカーの形態であってよい(図2図4図5図7図11~18、図23図24図27図28、および図38~40を参照)。少なくとも1つのインターロック機構120がアンカーの形態であるこれらの実施形態では、インターロック機構120とインターロック機構120が突出するシャーシ102の部分(ヒール部124、トウ部126、後部128、中央支柱132、前部130、上面134、下面136)との間に、アンカー開口140が形成されている。フロー開口122と同様に、アンカー開口140とインターロック機構120は、パター型ボディ104の軽量で低密度な材料がアンカー開口140を完全に充填し、インターロック機構120を包み込むことを可能にし、このようにしてシャーシ102とパター型ボディ104が一体的に接合される。
【0098】
多くの実施形態では、少なくとも1つのインターロック機構120のアンカー開口140は、円形、半円形、卵形楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、任意の多角形、または他の任意の所望される幾何学的形状のうちのいずれか1つであってよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンカー形状のインターロック機構120は、2つ以上のアンカー開口140を含んでもよい。これらの実施形態では、少なくとも1つのインターロック機構120の2つ以上のアンカー開口140は、円形、楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、任意の多角形、または他の任意の所望される幾何学的形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せであってよい。
【0099】
他の実施形態では、少なくとも1つのインターロック機構120は、ポストまたはヒッチの形態(図21図31図32図38、および図40を参照)、一連の窪みの形態(図21を参照)、貫通孔の形態(図20を参照)、一連の貫通孔の形態(図34~36を参照)、スロットまたは溝の形態(図19を参照)、チャネルの形態、ウェッジの形態、一連の貫通孔を有する梁の形態(図26~28を参照)、またはパター型ボディ104をシャーシ102に成形するのに望ましい他の任意のインターロック機構120の幾何学形状であってよい。これら他の実施形態のいくつか(例えば、ポストまたはヒッチの実施形態)では、少なくとも1つのインターロック機構120は、アンカー開口140を有さない。パター型ボディ104は、アンカー開口140を完全に貫通してインターロック機構120を包み込むのではなく、インターロック機構120であるポストまたはヒッチの実施形態を取り囲んで封入してよく、このようにしてパター型ボディ104とシャーシ102とが接合される。
【0100】
図6図9を参照すると、いくつかの実施形態では、シャーシ102は、1つまたは複数のウェイト142を備えてよい。1つまたは複数のウェイト142は、ウェイト密度を有してよく、このウェイト密度は、パターの質量特性(すなわち、CG、MOI、バランス)を変更するために、シャーシの密度(第1の密度)よりも大きい。1つまたは複数のウェイト142は、パターヘッド100のMOIを維持および/または大きくしつつ、パターの重心をカスタマイズするように機能する。1つまたは複数のウェイト142は、溶接、はんだ付け、ろう付け、スエージ加工、接着、エポキシ樹脂、機械的締結、エポキシ樹脂、ポリウレタン、樹脂、ホットメルト、または他の任意の接着剤での接着のうちのいずれかの取り付け方法を用いてシャーシ102に取り付けられてよい。
【0101】
ほとんどの実施形態では、1つまたは複数のウェイト142は、シャーシ102とは異なる材料から作られている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のウェイト142は、シャーシ102と同じ材料から作られているが、シャーシ102とは異なる密度を有する。ほとんどの実施形態では、1つまたは複数のウェイト142は、シャーシ102の密度よりも大きい密度を有する。1つまたは複数のウェイト142は、8620合金鋼(7.83g/cc)、S25C鋼(7.85g/cc)、炭素鋼(7.85g/cc)、マルエージング鋼(8.00g/cc)、17-4ステンレス鋼(7.81g/cc)、303ステンレス鋼(8.03g/cc)、304ステンレス鋼(8.00g/cc)、ステンレス鋼合金(7.75g/cc~8.05g/cc)、タングステン(19.25g/cc)、マンガン(7.43g/cc)、または高密度のウェイトを作るのに適した任意の金属のうちのいずれかの1つまたはこれらの任意の組み合わせを含んでよい。
【0102】
1つまたは複数のウェイト142の材料は、密度を有する。1つまたは複数のウェイト142の密度は、12.0g/cc~20.0g/ccの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のウェイト142の密度は、12.0~12.5g/cc、12.5~13.0g/cc、13.0~13.5g/cc、13.5~14.0g/cc、14.0~14.5g/cc、14.5~15.0g/cc、15.0~15.5g/cc、15.5~16.0g/cc、16.0~16.5g/cc、16.5~17.0g/cc、17.0~17.5g/cc、17.5~18.0g/cc、18.0~18.5g/cc、18.5~19.0g/cc、または19.0~19.5g/cc、または19.5~20.0g/ccの範囲であってもよい。一実施形態では、1つまたは複数のウェイト142の密度は、19.0~20.0g/ccの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のウェイト142の密度は、12.0g/cc、12.5g/cc、13.0g/cc、13.5g/cc、14.0g/cc、14.5g/cc、15.0g/cc、15.5g/cc、16.0g/cc、16.5g/cc、17.0g/cc、17.5g/cc、18.0g/cc、18.5g/cc、19.0g/cc、19.5g/cc、または20.0g/ccであってもよい。
【0103】
1つまたは複数のウェイト142は、1グラム~20グラムの範囲の質量を有してよい。多くの実施形態では、1つまたは複数のウェイト142は、1グラム、2グラム、3グラム、4グラム、5グラム、6グラム、7グラム、8グラム、9グラム、10グラム、11グラム、12グラム、13グラム、14グラム、15グラム、16グラム、17グラム、18グラム、19グラム、または20グラムの質量を有してもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のウェイト142は、1~5グラム、5~10グラム、10~15グラム、または15~20グラムの範囲であってもよい。ほとんどの実施形態では、1つまたは複数のウェイト142は同じ質量を有してよいが、他の実施形態では、1つまたは複数のウェイト142は、異なる質量を有してもよい。
【0104】
さらに図6図9を参照すると、いくつかの実施形態において、シャーシ102は、1つまたは複数のウェイト142を備えてよい。多くの実施形態では、シャーシ102は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または6つより多いウェイト142を備えてよい。いくつかの実施形態では、シャーシ102は、2つ以上、3つ以上、または4つ以上のウェイト142を備えてもよい。
【0105】
多くの実施形態では、1つまたは複数のウェイト142は、円形、楕円形、三角形、長方形、円筒形、四角柱形、台形、八角形、他の任意の多角形、または少なくとも1つの曲面を有する形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せを有してよい。
【0106】
さらに、ほとんどの実施形態では、パター型ボディ104の軽量材料は、1つまたは複数のウェイト142の少なくとも一部を包み込む。いくつかの実施形態では、パター型ボディの軽量材料は、1つまたは複数のウェイト142の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%を取り囲んでよい。
【0107】
高密度のシャーシ102と低密度のパター型ボディ104を組み合わせることによって、ゴルフクラブヘッドを所望の総重量に保ちつつ、極めて大きいMOIを有するパター100を作り出すことができる。シャーシ102によって形成されるフロー開口122は、単一の材料からフライス加工されたパターと比較して、パターのMOIを大幅に大きくする高密度であるが低体積である部分を形成する。単一材料のパターは、所望の体積(75cc~100cc)および質量(340グラム~385グラム)を維持しながら、高密度材料を外縁部に割り当てることができない。

b)パター型ボディ
【0108】
図1図2、および図4を参照すると、パター型ゴルフクラブヘッド100は、低密度のパター型ボディ104を備える。パター型ボディ104は、シャーシ102に成形されるように構成および配置され、パター型ゴルフクラブヘッド100を形成する。パター型ボディ104の軽量材料は、シャーシ102の少なくとも1つのインターロック機構120の全体を包み込む。さらに、パター型ボディ104の軽量材料は、シャーシ102のフロー開口122を貫通して完全に充填し、ボディ104とシャーシ102とを結合させ、パター型ゴルフクラブヘッド100を形成する。さらに、低密度のパター型ボディ104は、高密度のシャーシ102の周りに形成されてよく、このようにしてゴルフクラブヘッドを所望の総重量に保ちながら、極めてMOIが大きいパターを有するパター100が作られる。
【0109】
図2図7図11図23図27図30図32図34、および図38を参照すると、各図の破線は、パター型ゴルフクラブヘッド100を形成するために、パター型ボディ104がシャーシ102と共に(およびシャーシ102の周囲に)形成する型を示す。これらの図は、シャーシ102と、パター型ボディ104のインターロック機構120およびフロー開口122(またはフロー領域138)との相互関係を示している。
【0110】
いくつかの実施形態では、ボディ104は、パター100の総体積の50%を超える体積を有する。いくつかの実施形態では、ボディ104は、パター100の総体積の55%超える体積、60%を超える体積、または65%を超える体積を有する。
【0111】
ボディ104は、パター100の体積の半分を超える体積を有する一方、パター100の総質量の40%未満の質量を有する。いくつかの実施形態では、シャーシ102は、パター100の総質量の40%未満の質量、35%未満の質量、20%未満の質量、または15%未満の質量を有する。
【0112】
低密度で体積の大きいパター型ボディ104と組み合わせて高密度で体積の小さいシャーシ102を使用して、パターヘッド100の外縁部へ質量を有益にシフトさせることによって、同じ体積、質量、および単一材料構造(または多金属構造)を有するパター(すなわち、単一のステンレス鋼ブロックをフライス加工したパター、または2つの金属をインベストメント鋳造したパター)と比較して、パター100のMOIを大きくすることができる。
【0113】
前述のように、パター型ボディ104は、低密度の第2の材料を含む。ほとんどの実施形態では、パター型ボディ104は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料と充填材とを含む熱可塑性複合材料を含む。他の実施形態では、パター型ボディ104は、他の任意の低密度の第2の材料を含んでよいが、簡潔性を考慮し、他の低密度の材料は本明細書で繰り返さない。しかしながら、ほとんどの実施形態では、パター型ボディ104は、4.0g/cc未満の密度を有する第2の材料を含む。シャーシ102とパター型ボディ104は、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用せずに、永久的に接合される。パター型ボディ104の熱可塑性ポリマーマトリクスミラーと充填材は、シャーシ102のフロー開口122および少なくとも1つのインターロック機構120と共に、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用せずに、一体型のパター100を作り出す。
【0114】
パター型ボディ104は、シャーシ102の内側およびその周囲に一体的に形成されている。前述したように、パター型ボディ104の軽量材料は、シャーシ102のフロー開口122を貫通して完全に充填し、ボディ104とシャーシ102とを結合させ、パター型ゴルフクラブヘッド100を形成する。さらに、いくつかの実施形態では、パター型ボディ104は、シャーシ102の100%を包み込んでいる(または封入している)。ほとんどの実施形態では、パター型ボディ104は、シャーシ102の少なくとも30%を包み込んでいる。他の実施形態では、パター型ボディ104は、シャーシ102の少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、および少なくとも95%を包み込んでいてもよい。いくつかの実施形態では、パター型ボディ104は、シャーシ102の30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、または95%~100%を包み込んでいてもよい(封入していてもよい)。
【0115】
パター型ボディ104は、シャーシ102と組み合わされると、ゴルフクラブヘッド100のトウ端106、ヒール端108、後部112、および打撃フェース110を形成する。パター型ボディ104は、クラウン115の一部とソール117の一部とを形成する。図1および図2を参照すると、ほとんどの実施形態では、パター型ボディ104とシャーシ102とが接合されると、シャーシ102とパター型ボディ104とが組み合わさってパター100のクラウン115を形成する。ほとんどの実施形態では、同様に、パター型ボディ104とシャーシ102とが接合されると、シャーシ102とパター型ボディ104とが組み合わさってパター100のソール117を形成する。
【0116】
パター型ボディ104はクラウン115の100%を形成してもよく、この場合、アドレス位置からシャーシ102は見えない。いくつかの実施形態では、パター型ボディ104は、クラウン115の30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、または95%~100%を形成してもよい。ほとんどの実施形態では、パター型ボディ104はクラウン115の少なくとも50%を形成し、この場合、アドレス位置において、シャーシ102はボディ104ほど見えない。
【0117】
クラウン115と同様に、パター型ボディ104はソール117の100%を形成してもよく、この場合、アドレス位置において、シャーシ102は接地面と接触しない。いくつかの実施形態では、パター型ボディ104は、ソール117の30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、または95%~100%を形成してもよい。ほとんどの実施形態では、パター型ボディ104は、ソール117の少なくとも50%を形成する。
【0118】
さらに、パター型ボディ104は、位置合わせ機構114の少なくとも一部を形成する。いくつかの実施形態では、パター型ボディ104は位置合わせ機構114の全体を形成する。図1を参照すると、位置合わせ機構114は、線、一連の線、円、破線、三角形、チャネル、溝、一連の溝、チャネル、または位置合わせ機構114に所望される他の任意の形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せであってよい。ほとんどの実施形態では、位置合わせ機構114は、クラウン115上に配置されている。さらに、ほとんどの実施形態では、ゴルファーが位置合わせ機構114を利用してパター100を正確に位置合わせし、アドレス位置でゴルフボールを打つことができるように、位置合わせ機構114は、ヒール端108とトウ端106から等距離に位置し、打撃フェース110に対して垂直である。
【0119】
いくつかの実施形態では、シャーシ102とパター型ボディ104とを組み合わせて、位置合わせ機構114を形成してもよい。ほとんどの実施形態では、位置合わせ機構114は、クラウン115上に配置されている。シャーシ102とパター型ボディ104は、異なる材料である第1の材料と第2の材料を含むので、ほとんどの実施形態では、シャーシ102とパター型ボディ104は、異なる材料色を有する。この美的な材料のコントラストは、従来の位置合わせ機構(すなわち、線、円、または矢印)と共に、パターの位置合わせをより良くすることができる。
【0120】
図1を参照すると、シャーシ102とパター型ボディ104とが組み合わさって、クラウン115が形成されている。シャーシ102の露出部とパター型ボディ104の位置合わせ線とが組み合わさって、位置合わせ機構114の全体を形成している。位置合わせ線は、ゴルファーがパター100を中心にセットすることを可能にし、クラウン115のシャーシ102の露出部は、ゴルフボールを中心にセットするための二次的な空間を提供する。さらに、本実施形態のシャーシ102は、研磨されたステンレス鋼(銀色)からできており、一方で、ボディ104は、暗色の熱可塑性複合材料からできている。シャーシ102は、反射する外見を有し、ボディ104に対して明確な色のコントラストを有するので、ゴルファーは、ゴルフボールに対してパター100を容易に位置合わせし、中心にセットすることができる。
【0121】
高密度のシャーシ102と低密度のパター型ボディ104とを組み合わせることによって、ゴルフクラブヘッドを所望の総重量に保ちながら、極めてMOIの大きいパター100を作ることができる。シャーシ102によって形成されるフロー開口122は、単一の材料からフライス加工されたパターと比較して、パターのMOIを大幅に大きくする高密度であるが体積の小さい部分を形成する。対照的に、パター型ボディ104は、極めて軽量であるが体積が大きい材料でシャーシを充填して取り囲み、パター100に所望の形状と体積を提供しつつ、所望の質量特性を維持する。単一材料のパターは、所望の体積(75cc~100cc)および質量(340グラム~385グラム)を維持しながら、高密度の材料を外縁部に割り当てることができない。

c)製造方法
【0122】
以下に、上述のゴルフクラブヘッド100と同様の、一体型インターロック機構を有する共成形ゴルフパターを製造する方法を説明する。図_を参照すると、本方法は、シャーシ10を提供するステップ(ステップ1)と、型を提供するステップ(ステップ2)と、パター型ボディ104を射出成形するステップ(ステップ3)と、パターヘッド100を冷却するステップ(ステップ4)と、ゴルフクラブヘッド100を仕上げ、パターヘッドにシャフトを付けてゴルフクラブを形成するステップ(ステップ5)とを含む。
【0123】
シャーシ102は、高密度の第1の材料からシャーシを鋳造することによって提供されてよい。いくつかの実施形態では、シャーシ102は、インベストメント鋳造されてよく、1つまたは複数のウェイト142は、シャーシ102に鍛造(または鋳造)、溶接、またはスエージ加工される。他の実施形態では、シャーシ102は、1つまたは複数のウェイト142と共ダイカストされる。いくつかの実施形態では、シャーシ102は、鍛造され、少なくとも1つのインターロック機構120は、シャーシ102に溶接される。
【0124】
型(図示せず)は、上側金型、下側金型、および少なくとも1つのピンの3つの部品で提供されてよい。型の部品は、一緒になって、ゴルフクラブヘッド100の所望の形状に対応するキャビティを画定してよく、少なくとも1つのピンは、型内でシャーシ102を保持する。いくつかの実施形態では、材料の収縮率やスプリングバックを考慮して、型のキャビティのサイズは、ゴルフクラブヘッド要素の所望の形状とはわずかに異なる。型は、湯口、ゲート、射出ピン、冷却ライン、および他の任意の必要な部品を追加で備えてよい。
【0125】
複雑な形状と高い衝撃強度を有するパターを製造するために、射出成形が使用される場合がある。パター型ボディ104を射出成形することは、射出される材料の収縮率、スプリングバック、および冷却後の厚さを考慮して設計された型を提供することを含む。型には、ゲートと、射出された材料をフロー開口122および少なくとも1つのインターロック機構120を通して型内へ均等に案内するフローリーダと、が設けられており、このようにしてパターヘッド100が一体的に形成される。型内および型全体に材料が均等に広がることによって、溶接線(溶接線は、繊維の不均一な接合を示すものであり、望ましくない線がパター100の様々な部分に形成されてしまう)が減少する。溶接線は、ゴルフクラブヘッド100の強度、ならびにクラブヘッド100の視覚的な美観または位置合わせ機能を損なう可能性がある。最終的には、溶接線のサイズを小さくすることによって、完成品の強度は上がる。
【0126】
射出成形の後、パターヘッド100は冷却される。冷却工程によって、パターヘッドボディ104の熱可塑性複合材料が、シャーシ102の内側およびその周りで硬化する。シャーシ102をパター型ボディ104内で構造的に固定し、強固で耐久性のあるMOIが大きいパター100を形成する上で、冷却工程は不可欠である。
【0127】
冷却ステップの後、型のゲートおよび/または不要なバリを除去するために、クラブヘッド100全体を研磨してよい。クラブヘッド100には、コーティング、メッキ、または塗装が施されてもよい。クラブヘッド100は、仕上げられた後、シャフトおよびグリップに取り付けられ、こうして完全に組みあがったゴルフクラブが形成される。

ステップ1:シャーシの提供
【0128】
第1のステップにおいてシャーシ102を提供することは、シャーシ102を鋳造することから開始してよく、シャーシ102は、フロー開口122と、少なくとも1つのインターロック機構120とを備えてよい。シャーシ102は、インベストメント鋳造、ダイカスト、共ダイカスト、またはロストワックスキャストされてもよく、またはシャーシを鋳造するための他の任意の適切な方法が用いられてもよい。他の実施形態では、シャーシ102は、高密度の第1の材料のブロックまたはビレットから鍛造またはフライス加工されてもよい。いくつかの実施形態では、シャーシ102は、インベストメント鋳造されてもよく、1つまたは複数のウェイト142は、鍛造(または鋳造)され、シャーシ102に溶接またはスエージ加工される。他の実施形態では、シャーシ102は、1つまたは複数のウェイト142と共ダイカストされる。いくつかの実施形態では、シャーシ102は、鍛造され、少なくとも1つのインターロック機構120は、シャーシ102に溶接される。金属3Dプリント等の、シャーシ102を形成する他の任意の方法が使用されてもよい。
【0129】
シャーシ102は、トウ部126、ヒール部124、後部128、前部130、上面134、下面136、中央支柱132(中央支柱138が無い場合もある)、フロー開口122(フロー領域138の場合もある)、および少なくとも1つのインターロック機構120を含む先に述べた特徴のそれぞれと共に形成される。フロー開口122と少なくとも1つのインターロック機構120は、封入方法のステップ3において、パター型ボディ104の低密度な第2の材料がフロー開口122を通って流れ、インターロック機構120を封入することを可能にする。フロー開口122と少なくとも1つのインターロック機構120は、パター型ボディ104の低密度な第2の材料がフロー開口を貫通して完全に充填することを可能にし、このようにしてボディ104とシャーシ102とが永久的に結合され、ゴルフクラブヘッドが形成される。

ステップ2:型の提供
【0130】
ほとんどの実施形態では、型は、上側金型と、下側金型と、少なくとも1つのピンと、を備える。上側金型は、湯口と、ゲートと、キャビティとを備えてよい。下側金型は、リザーバを備えてよい。上側金型と下側金型が合わさると、シャーシ102の内側およびその周囲にパター型ボディ104を形成するために、ピンが、上側金型と下側金型との間に挿入され、シャーシ102を所望の位置に保持する。次に、複合材料が型に入れられる。
【0131】
上側金型は、湯口と、キャビティと、ゲートとを備える。湯口は、液体の複合材料をスクリュー先端からゲートへと移動させる。次いで、ゲートが、上側金型のキャビティと下側金型のリザーバへ材料を均一に移動させる。いくつかの実施態様では、ゲートは、パターヘッド100の最肉厚部に対応する型の部分に接続される。多くの実施形態では、パター型ボディ104の最肉厚部は、打撃フェース110である。しかし、いくつかの実施形態では、ゲートは、パターヘッド100の肉薄部に対応する型の部分に接続される。通常、射出成形部品は、ゲートがパター100に接続されている箇所の隣接部において、脆弱である。従って、本明細書に記載されるゴルフクラブヘッドのような部品にとっては、パター100の最肉厚部ではない部分に隣接してゲートを配置することが有利である。ゲートが部品の肉薄部に接続されている実施形態では、型全体にわたって材料が流れるよう促すために、フローリーダが必要となる場合がある。
【0132】
型のほとんどの実施形態では、ゲートは、クラブヘッド100の打撃フェース110になる所に配置される。ゲートは、シャーシ102の前部130に沿って、パターヘッド100の打撃フェースに接続する。以下でさらに説明するように、ゲートを打撃フェース110に垂直に配置すると、材料は概ね前方へ(または、打撃フェース110から離れるように)流れ、これによって最初は繊維が概ね前後方向に揃う。複合材料の強度は繊維の整列度による影響を受けるので、繊維が揃っていると、完成部品の強度を高めることができる。さらに、ゲートをトウ端106とヒール端108になる箇所の間の中央に配置することによって、フロー開口122(またはフロー領域138)へ複合材料を素早く流し込むことができ、複合材料を部品全体に均等に流すことができる。対照的に、例えば、ゲートがクラブヘッド100のトウ端10またはヒール端108に接続されている場合、材料の流れによって、トウ端10またはヒール端108に望ましくない溶接線ができてしまう可能性がある。
【0133】
下側金型と上側金型は、少なくとも1つのピンを備える。少なくとも1つのピンは、上側金型と下側金型の一方または両方から延び、シャーシ102の上面134および/または下面136に接触する。少なくとも1つのピンが、型内の正確な位置にシャーシ102を保持するので、複合材料が型内へ入れられても、シャーシ102は動かない。ほとんどの実施形態では、型は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つのピンを備える。一実施形態では、型は、2つ、3つ、または4つのピンを備える。少なくとも1つのピンがなければ、シャーシ102が動いてしまい、部品が不適切に形成されてしまう。

ステップ3:パター型ボディの射出成形
【0134】
第3のステップにおいてパター型ボディ104を射出成形することは、複合材料を乾燥させることと、複合材料を加熱することと、加熱された材料を型内へ圧入することと、パターヘッド100を型から取り出すことと、を含んでよい。シャーシ102が型内に配置され、パター型ボディ102がシャーシ102の周囲に形成され、パターヘッド102が型から取り出される。
【0135】
パター型ボディ104を形成するための複合材料が選択される。上述したように、パター型ボディ104は、ポリマー樹脂と強化繊維から形成された複合材料を含んでもよい。ポリマー樹脂は、熱可塑性物質を含んでよい。より具体的には、熱可塑性樹脂は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、または熱可塑性エラストマー(TPE)を含んでよい。例えば、樹脂は、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、PA6またはPA66等のポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート、エンジニアリングポリウレタン、および/または他の同様の材料を含んでよい。強化繊維は、炭素繊維(または短い炭素繊維)、ガラス繊維(または短いガラス繊維)、グラフェン繊維(または短いグラファイト繊維)、または他の任意の適切な充填材料を含んでよい。他の実施形態では、複合材料は、強度および/または耐久性を増す任意の補強充填材を含んでもよい。
【0136】
前述の複合材料の各々は、複合材料を加熱する前に、適切に乾燥されなければならない。複合材料は、材料内または材料上に存在する水分の全てを除去するために、射出成形の前に乾燥されなければならない(複合材料は大きなバケット内のペレット形状であることが多く、水や水分がペレットの間にたまる可能性がある)。複合材料を適切に乾燥させるために、複合材料を湿度ゼロの加熱真空中に置き、様々な時間にわたって乾燥させる。水分が射出成形機内で加熱圧縮されると、蒸気に変わり、高速、高温、高圧で射出成形機から噴き出す可能性があるので、乾燥工程は必要である。射出成形機への損傷または機械の操作者の負傷を防止するために、複合材料の水分は、加熱工程の前に除去されなければならない。
【0137】
以下の表Aは、ゴルフクラブヘッドの包み込み部品の様々な実施形態で使用可能な5つの例示的なポリマーを示す。乾燥温度は、150゜F~350゜Fの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、乾燥温度は、150゜F、175゜F、200゜F、225゜F、250゜F、275゜F、300゜F、325゜F、または350゜Fであってもよい。さらに、乾燥時間は、0時間~少なくとも24時間の範囲であってよい。いくつかの実施形態では、乾燥時間は必要ない。他の実施形態では、必要とされる乾燥時間は、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、または少なくとも14時間であってもよい。いくつかの実施形態では、必要とされる乾燥時間は、0~2時間、2~4時間、4~6時間、6~8時間、8~10時間、10~12時間、12~14時間、14~16時間、16~18時間、18~20時間、20~22時間、または22~24時間の範囲であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、乾燥時間は、最小乾燥時間をかなり超えてもよい(すなわち、最小乾燥時間が4時間であるナイロン66を28時間乾燥する)。
【表A】
【0138】
乾燥工程が完了すると、選択された複合材料は射出成形機において加熱されてよい。一実施形態では、射出成形機は、ホッパーと、圧縮スクリューと、スクリュー先端と、型と、を備える。複合材料(ペレット形状)はホッパー内に配置され、ホッパーはペレットをゆっくりと圧縮スクリューへ供給する。圧縮スクリューは徐々に回転し、ペレットをホッパーからスクリュー先端に向かって移動させる。ペレットがホッパーからスクリュー先端に移動するにつれて、ペレットは様々な温度で加熱され、ペレットが液化する。液化した複合材料は、スクリュー先端内を通り、スクリュー先端から型内へ吐出され、包み込み部品が形成される。
【0139】
しかしながら、選択された複合材料を適切に加熱するためには、射出成形機において考慮されなければならない様々な要因がある。選択された複合材料は、ホッパーから、圧縮スクリューとスクリュー先端を経て、型内に移動するにつれて、様々な温度で加熱されなければならない。さらに、圧縮スクリューは、供給ゾーン、遷移ゾーン、測定ゾーンという3つの異なるゾーンを有し、これらのゾーンで、複合材料が異なる温度で加熱されてよい。合計で、射出成形機の5つの異なる領域があり、これらの領域では、各材料の流れおよび材料特性を最適化するために、複合材料が様々な温度で加熱されてよい。
【0140】
以下の表Bを参照すると、ゴルフクラブヘッドの包み込み部品の様々な実施形態で使用可能な5つの例示的なポリマーと、射出成形機の5つの領域でのそれらポリマーの加熱範囲が示されている。
【表B】
【0141】
射出成形機の供給ゾーンにおける温度は、350゜F~800゜Fの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、射出成形機の供給ゾーンにおける温度は、350゜F~400゜F、400゜F~450゜F、450゜F~500゜F、500゜F~550゜F、550゜F~600゜F、600゜F~650゜F、650゜F~700゜F、700゜F~750゜F、および750゜F~800゜Fの範囲であってもよい。他の実施形態では、射出成形機の供給ゾーンにおける温度は、少なくとも400゜F、少なくとも500゜F、少なくとも600゜F、少なくとも700゜F、または少なくとも800゜Fであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、射出成形機の供給ゾーンにおける温度は、上記表Bで提供されている範囲であってもよい。
【0142】
射出成形機の遷移ゾーンにおける温度は、350゜F~800゜Fの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、射出成形機の供給ゾーンにおける温度は、350゜F~400゜F、400゜F~450゜F、450゜F~500゜F、500゜F~550゜F、550゜F~600゜F、600゜F~650゜F、650゜F~700゜F、700゜F~750゜F、および750゜F~800゜Fの範囲であってもよい。他の実施形態では、射出成形機の遷移ゾーンにおける温度は、少なくとも400゜F、少なくとも500゜F、少なくとも600゜F、少なくとも700゜F、または少なくとも800゜Fであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、射出成形機の遷移ゾーンにおける温度は、上記表Bで提供されている範囲であってもよい。
【0143】
射出成形機の測定ゾーンにおける温度は、350゜F~800゜Fの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、射出成形機の測定ゾーンにおける温度は、350゜F~400゜F、400゜F~450゜F、450゜F~500゜F、500゜F~550゜F、550゜F~600゜F、600゜F~650゜F、650゜F~700゜F、700゜F~750゜F、および750゜F~800゜Fの範囲であってもよい。他の実施形態では、射出成形機の測定ゾーンにおける温度は、少なくとも400゜F、少なくとも500゜F、少なくとも600゜F、少なくとも700゜F、または少なくとも800゜Fであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、射出成形機の測定ゾーンにおける温度は、上記表Bで提供されている範囲であってもよい。
【0144】
射出成形機のスクリュー先端における温度は、350゜F~800゜Fの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、射出成形機の供給ゾーンにおける温度は、350゜F~400゜F、400゜F~450゜F、450゜F~500゜F、500゜F~550゜F、550゜F~600゜F、600゜F~650゜F、650゜F~700゜F、700゜F~750゜F、および750゜F~800゜Fの範囲であってもよい。他の実施形態では、射出成形機のスクリュー先端における温度は、少なくとも400゜F、少なくとも500゜F、少なくとも600゜F、少なくとも700゜F、または少なくとも800゜Fであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、射出成形機のスクリュー先端における温度は、上記表Bに提供されている範囲であってもよい。
【0145】
型の温度は、0゜F~400゜Fの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、射出成形機の供給ゾーンにおける温度は、0゜F~50゜F、50゜F~100゜F、100゜F~150゜F、150゜F~200゜F、200゜F~250゜F、250゜F~300゜F、300゜F~350゜F、または350゜F~400゜Fの範囲であってもよい。他の実施形態では、型の温度は、少なくとも0゜F、少なくとも100゜F、少なくとも200゜F、または少なくとも300゜Fであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、型の温度は、上記の表Bに提供されている範囲であってもよい。
【0146】
複合材料が加熱されると、スクリュー先端は、液体の複合材料を所望の型内へ吐出する。液体の複合材料が型内に射出されると、液体の複合材料は、フロー開口122を通って、少なくともインターロック機構120の周り(および内側)とシャーシ102の周りを流れる。こうして、所望のパターヘッド100の形状(すなわち、ブレード、ミッドマレット、マレット)が形成される。
【0147】
上述の型は1つのパターヘッド100を形成するように設計されているが、型は、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのパターヘッド100を同時に形成するように設計されてもよい。単一の型と同様に、湯口は、射出成形機の圧縮スクリューから材料を2つのゲート(形成されるパターヘッド毎に1つずつ)へ供給する。
【0148】
さらに、射出成形工程中、型内の材料の流れ方向は、繊維の並びに影響を及ぼす。湯口の壁、ゲートの壁、および型の壁は、流動する複合材料と相互に作用し、繊維の少なくとも50%が流れ方向に揃う。従って、流れ方向は、パターヘッド100の繊維配列/構造に影響を及ぼす。ゲートを型の第1の端部(パターヘッド100の打撃フェース110に対応する)に配置することによって、材料は最初、型の第2の端部(ゲートの反対側であり、パターヘッド100の後部112に対応する)に向かって前方へと流れる。この流れによって、完成品のクラブヘッド100のクラウン115とソール117における繊維を打撃フェース110に対してほぼ垂直に整列させることができる。所与の方向における複合材料の強度は、繊維配列の影響を受ける。繊維を打撃フェース110に対してほぼ垂直に整列させることにより、クラブヘッドの前後方向の耐久性が向上する。ゴルフボールとのインパクトの際、打撃フェース110はゴルフボールに直接当たって接触するので、打撃フェース110の前後方向の耐久性は破損を防止するために必要である。従って、ゴルフボールとのインパクト時に予想される圧縮応力の方向に繊維を整列させることにより、複合パターヘッド100の破損の可能性を低下させられる。
【0149】
強固で耐久性のあるパターヘッド100を得るためには、複合材料の温度および方向と同じく、複合材料が型内へ吐出される際の圧力と速度も重要である。射出成形機の圧力は、射出成形機の後側から圧縮スクリューへ油圧を用いて加えられる。射出成形機の速度は、複合材料がスクリュー先端から出る時の速度である。圧力と速度によって、複合材料が型内を均一に流れ、型全体を充填することが確実になる。
【0150】
ほとんどの実施形態では、射出成形機を通る複合材料の射出圧力は、0~2000psiの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、射出成形機を通る複合材料の射出圧力は、0~100psi、100~200psi、200~300psi、300~400psi、400~500psi、500~600psi、600~700psi、700~800psi、800~900psi、900~1000psi、1000~1100psi、1100~1200psi、1200~1300psi、1300~1400psi、1400~1500psi、1500~1600psi、1600~1700psi、1700~1800psi、1800~1900psi、または1900~2000psiの範囲であってもよい。他の実施形態では、射出成形機を通る複合材料の射出圧力は、少なくとも100psi、少なくとも200psi、少なくとも300psi、少なくとも400psi、少なくとも500psi、少なくとも600psi、少なくとも700psi、少なくとも800psi、少なくとも900psi、少なくとも1000psi、少なくとも1100psi、少なくとも1200psi、少なくとも1300psi、少なくとも1400psi、少なくとも1500psi、少なくとも1600psi、または少なくとも1700psiであってもよい。
【0151】
最後に、複合材料が型内へ射出されると、パター型ボディ104がシャーシ102の周りに形成され、完成品のゴルフクラブヘッド100が形成され、ゴルフクラブヘッド100が射出成形機から取り出される。上側金型が下側金型から離れ、ピンが取り除かれて、ゴルフクラブヘッド100が下側金型に配置されている状態となる。続いて、下側金型の少なくとも1つの取出しピンが下側金型から延び、パターヘッド100を型から押し出す。こうして、射出成形工程が完了する。
【0152】
射出成形ステップの全ては、サイクルタイムとして知られる時間内で完結してよい。型が2つ以上の包み込み部品を同時に形成するための2つ以上のキャビティを備える実施形態では、部品製造速度は、サイクルタイムを1サイクル内で製造される部品数で割ることによって求められる。サイクルタイムは、20秒~120秒の範囲であってよい。いくつかの実施形態では、サイクルタイムは、20秒~60秒、30秒~60秒、40秒~60秒、60秒~90秒、70秒~90秒、または100秒~120秒の範囲である。

ステップ4:パターヘッドの冷却
【0153】
ゴルフクラブヘッド100の射出成形に続いて、複合材料を硬化させて、複合材料をフロー開口122内、少なくとも1つのインターロック機構120内およびその周り、ならびにシャーシ102の周りに定着させるために、パターヘッド100は所望の時間冷却される。いくつかの実施形態では、パターヘッド100は、型から取り出される前に、型内で冷却されてもよい。ほとんどの実施形態では、パターヘッド100は、水等の冷たい液体の冷却槽で冷却される。
【0154】
冷却時間は、20秒~120秒の範囲であってよい。いくつかの実施形態では、サイクルタイムは、20秒~60秒、30秒~60秒、40秒~60秒、60秒~90秒、70秒~90秒、または100秒~120秒の範囲である。

ステップ5:パターヘッドの仕上げ
【0155】
パターヘッド100の冷却が終わると、ゴルフクラブヘッドは仕上げを施される。このステップは、クラブヘッドの研磨、クリーニング、コーティング、および/または塗装を含んでよい。ほとんどの実施形態では、パターヘッド100の打撃フェース110にはゲートと湯口が付いている。ゲートと湯口は機械加工または切断され、フェースは平滑化されて、平らな打撃フェース110が形成される。いくつかの実施形態では、打撃フェースインサート115が打撃フェース110内に固定され、型から形成されたキャビティを覆う。
【0156】
打撃フェースインサート116は、多くの様々な工程によって形成されてよい。様々な形成工程は、射出成形、鋳造、ブロー成形、圧縮成形、共成形、レーザー成形、フィルムインサート成形、ガスアシスト成形、回転成形、熱成形、レーザー切断、3D印刷、鍛造、プレス加工、電鋳、機械加工、成形、またはこれらの任意の組み合わせを含む。さらに、打撃フェースインサート116は、上述の硬度、体積、厚さ、および成形工程の任意の組み合わせを有してよい。
【0157】
最後に、パターヘッド100は、グリップを備えるゴルフシャフト(図示せず)に取り付けられ、こうして使用可能で機能的なゴルフクラブが形成される。様々なサイズのゴルファーに対応するために、ゴルフシャフトは、長さが様々であってよく、様々なグリップサイズを有してよい。さらに、ゴルフシャフトは、ホーゼルを備えてよく、ホーゼルは、シャフトとパターヘッド100との間の接続部を形成する。

d)利点
【0158】
パター型ゴルフクラブヘッドは、高密度のシャーシと低密度のパター型ボディを有するパター型ゴルフクラブヘッドにおいて、および/または機械的に固定されたウェイトおよびウェイトポートを使用することなく、MOI、CG、感覚、および重量の利点を提供する。低密度のパター型ボディによって取り囲まれた高密度のシャーシからパター型ゴルフクラブヘッドを生成することによって、パター型ゴルフクラブヘッドのヒール端およびトウ端にウェイトポートやアタッチメントがなくても、クラブヘッドの重量はパター型ゴルフクラブヘッドの外縁部に向かってシフトする。パター型ゴルフクラブヘッドの外縁部へのこの重量シフトによって、y軸(Iyy)周りでクラブヘッドのMOIが上昇するため、インパクト時にクラブヘッドがy軸周りに回転してしまうことが防止され、インパクト中に打撃フェースがゴルフボールにスクエアであることが保証される。y軸周りのMOIが大きいと、より真っ直ぐなボールコースを得やすく、中心を外れた打撃(ヒール端またはトウ端でのインパクト)の結果を改善しやすい。
【0159】
低密度のパター型ボディによって取り囲まれた高密度のシャーシからパター型ゴルフクラブヘッドを生成することによって、ゴルフクラブヘッドを所望の総重量に保ちながら、MOIを向上するようにパター型ゴルフクラブヘッドを最適化することができる。いくつかの実施態様において、y軸重心周りのゴルフクラブヘッドの慣性モーメントは、3500gcm2~8000gcm2である。他の実施形態では、y軸重心周りのゴルフクラブヘッドの慣性モーメントは、3500gcm~4000gcm、4000gcm~4500gcm、4500gcm~5000gcm、5000gcm~5500gcm、5500gcm~6000gcm、6000gcm~6500gcm、6500gcm~7000gcm、7000gcm~7500gcm、または7500gcm~8000gcmであってもよい。
【0160】
高密度のシャーシと低密度のパター型ボディを有するパター型ゴルフクラブヘッドは、同じ体積、質量、単一材料構造を有するパター(すなわち、鋼パター等の単一材料でフライス加工されたパター、または単一材料でインベストメント鋳造されたパター)と比較して、y軸重心周りのMOIを少なくとも1%増加させる。いくつかの実施形態では、高密度のシャーシと低密度のパター型ボディを有するパター型ゴルフクラブヘッドは、同じ体積、質量、および単一材料構造を有するパターと比較して、y軸重心周りのMOIを、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも95%、少なくとも100%、または少なくとも105%増加させる。

e)共成形パターの実施形態
マレットパターヘッドの実施形態
【0161】
一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100は、マレットパターヘッド1100であってよい。図10図12を参照すると、パターヘッド1100は、シャーシ1102と、パター型ボディ1104と、を備える。シャーシ1102は、第1の密度を有する第1の材料からできており、パター型ボディ1104は、第2の密度を有する第2の材料からできている。第1の密度は、第2の密度よりも大きい。シャーシ1102とパター型ボディ1104とが組み合わさって、望ましい体積と質量を維持しながら、MOIの大きいパターヘッド2100(4,500gcm~5,500gcm)を形成する。
【0162】
上述のように、シャーシ1102は高密度材料(すなわち、第1の材料)からなる。本実施形態では、シャーシ1102は、7.0g/ccを超える密度を有する第1の材料を含む。シャーシ1102は、ヒール部1124を備える。シャーシ1102は、ヒール部1124に対向するトウ部1126を備える。シャーシ1102は、後部1128を備える。後部1128は、ヒール部1124とトウ部1126に隣接している。シャーシ1102は、後部1128を備える。後部1128は、ヒール部1124とトウ部1126に隣接している。シャーシ1102は、トウ部1126とヒール部1124のみによって形成される前部1130を備える(いくつかの実施形態で言及されるように、中央支柱132を全く有さない)。
【0163】
さらに、シャーシ1102は、上面1134を備える。上面1134は、後部1128、前部1130、トウ部1126、およびヒール部1124に隣接している。シャーシ1102は、下面1136を備える。下面は、上面1134に対向しており、後部1128、前部1130、トウ部1126、およびヒール部1124に隣接している。
【0164】
シャーシ1102は、「U字型」、馬蹄形、放物線状、ダンベル形、または他の任意の所望される湾曲形状であってよい。ほとんどの実施形態では、シャーシ1102の形状が、シャーシ1102の外縁部(トウ、ヒール、後部、前部)とパター型ゴルフクラブヘッド1100の外縁部に向かう望ましい質量シフトを促進する。
【0165】
さらに図10図12を参照すると、ヒール部1124、トウ部1126、および後部1128が、フロー領域1138を形成している。フロー領域1138は、フロー開口128と同じように機能するが、中央支柱132を欠いている。パター型ボディ1104がシャーシ1102に成形される際、フロー領域1138は、パター型ボディ1104の軽量で低密度な材料がシャーシ1102を封入することを可能にし、ボディ1104はフロー領域1138を貫通して完全に充填する。フロー領域1138は、パターボディ1104がボディ1104とシャーシ1102とを一体的に結合することを可能にし、こうしてクラブヘッド1100が形成される。さらに、フロー領域1138は、パター型ボディ1104の軽量で低密度な材料がゴルフクラブヘッド1100の打撃フェース1110に対して垂直な方向に流れることを可能にする。これによって、パター型ボディ1104が繊維充填材を有する熱可塑性複合材料から形成される場合に、繊維が打撃フェース1110に対して垂直な方向で定着することができ、クラブヘッド1100の強度と耐久性が高まる。さらに、フロー領域1138は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料ができる限り隙間を作らずにシャーシ1102を密接に取り囲むことを可能にし、これによって、中実で耐久性のあるクラブヘッド1100が形成される。
【0166】
シャーシ1102は、シャーシ1102の特徴であるヒール部1124、トウ部1126、後部1128、前部1130、上面1134、および下面1136のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせから突出または延びる、少なくとも1つのインターロック機構1120を備える。少なくとも1つのインターロック機構1120は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料(または、他の高強度で軽量な材料)に少なくとも1つのインターロック機構1120の全体を包み込ませることによって、シャーシ1102とパター型ボディ1104とをさらに結合し、一体的に接合するように機能する。
【0167】
シャーシ1102は、3つのインターロック機構1120を備えてよい。いくつかの実施形態では、シャーシ1102は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、またはそれより多いインターロック機構1102を備えてもよい。本実施形態では、5つのインターロック機構1120は、アンカーの形態であってよい。本実施形態では、3つのインターロック機構1120はアンカーの形態であり、3つのインターロック機構1120の各々と3つのインターロック機構1120の各々が突出するシャーシ1102の部分(ヒール部1124、トウ部1126、後部1128、前部1130、上面1134、および下面1136)との間に、アンカー開口1140が形成されている。本実施形態では、シャーシ1102は、3つのインターロック機構1120の各々に1つずつ対応する3つのアンカー開口1140を備える。フロー開口1122と同様に、アンカー開口1140とインターロック機構1120は、パター型ボディ1104の軽量で低密度な材料がアンカー開口1140を完全に充填してインターロック機構1120を封入することを可能にし、こうしてシャーシ1102とパター型ボディ1104とが一体的に接合される。
【0168】
多くの実施形態では、3つのインターロック機構1120のアンカー開口1140は、円形、半円形、楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、任意の多角形、または他の任意の所望される幾何学的形状のうちのいずれか1つであってよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンカー形状のインターロック機構1120は、2つ以上のアンカー開口1140を有してもよい。これらの実施形態では、少なくとも1つのインターロック機構1120の2つ以上のアンカー開口1140は、円形、楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、任意の多角形、または他の任意の所望される幾何学的形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せであってもよい。本実施形態では、図_を参照すると、アンカー開口1140は半円形である。
【0169】
前述のように、パター型ボディ1104は、低密度の第2の材料を含む。ほとんどの実施形態では、パター型ボディ1104は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料と充填材とを含む熱可塑性複合材料を含む。他の実施形態では、パター型ボディ1104は、他の任意の低密度な第2の材料を含んでもよいが、簡潔性を考慮し、他の低密度な材料は本明細書では繰り返さない。本実施形態では、パター型ボディ1104は、4.0g/cc未満の密度を有する第2の材料を含む。シャーシ1102とパター型ボディ1104は、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を用いることなく、永久的に接合されている。パター型ボディ2104の熱可塑性ポリマーマトリクスミラーと充填材は、フロー領域1138およびシャーシ1102の少なくとも1つのインターロック機構1120と共に、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を用いることなく、一体型のパター1100を作り出す。
【0170】
いくつかの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド1100は、第1の材料と第2の材料で作られた打撃フェース1110を備えてよい。本実施形態では、第1の材料と第2の材料は、打撃フェース1110を等しく形成している。本実施形態では、重い材料をパター1100の外縁部に向かって配置することによってMOIを最大化するために、高密度の第1の材料は、ヒール端108とトウ端106の近くに配置されている。
【0171】
パター型ボディ1104は、シャーシ1102の内側で一体的に形成されている。前述のように、パター型ボディ1104の軽量材料は、シャーシ1102のフロー領域1138を貫通して完全に充填し、ボディ1104とシャーシ1102とを結合させ、パター型ゴルフクラブヘッド1100を形成する。さらに、いくつかの実施形態では、パター型ボディ1104は、シャーシ1102の100%を包み込んでいる(または封入している)。本実施形態では、パター型ボディ1104は、シャーシ1102の少なくとも10%を包み込んでいる。
【0172】
パター型ボディ1104は、シャーシ1102と組み合わされると、ゴルフクラブヘッド1100のトウ端1106、ヒール端1108、後部1112、および打撃フェース1110を形成する。パター型ボディ1104は、クラウン1115の一部とソール1117の一部とを形成する。図__を参照すると、パター型ボディ1104とシャーシ1102とが接合されると、シャーシ1102とパター型ボディ1104とが組み合わさってパター1100のクラウン1115が形成される。同様に、パター型ボディ1104とシャーシ1102とが接合されると、シャーシ1102とパター型ボディ1104とが組み合わさってパター1100のソール1117が形成される。
【0173】
パター型ボディ1104は、クラウン1115の100%を形成してもよく、この場合、アドレス位置からシャーシ1102は見えない。しかしながら、本実施形態では、パター型ボディ1104は、クラウン1115の少なくとも50%を形成している。クラウン1115と同様に、パター型ボディ1104は、ソール1117の100%を形成してもよく、この場合、アドレス位置においてシャーシ1102は接地面と接触しない。しかし、本実施形態では、パター型ボディ1104は、ソール1117の少なくとも50%を形成しており、パター型ボディ1104の一部とシャーシ1102の一部が、アドレス位置において地面と接触する。
【0174】
さらに、パター型ボディ1104は、ゴルフクラブヘッド1100の位置合わせ機構1114の少なくとも一部を形成する。いくつかの実施形態では、パター型ボディ1104は、位置合わせ機構1114の全体を形成する。位置合わせ機構1114は、線、一連の線、円、破線、三角形、チャネル、溝、一連の溝、チャネル、または位置合わせ機構1114に所望される他の任意の形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せであってよい。ほとんどの実施形態では、位置合わせ機構1114は、クラウン1115上に配置されている。さらに、ほとんどの実施形態では、ゴルファーが位置合わせ機構1114を使ってパター1100を正確に位置合わせし、アドレス位置でゴルフボールを打てるように、位置合わせ機構1114は、ヒール端1108とトウ端1106から等距離に配置され、打撃フェース1110に対して垂直である。本実施形態では、位置合わせ機構1114は、クラウン1115上に配置された線1150を含む。
【0175】
さらに、本実施形態では、シャーシ1102は、パター1100の総体積の60%未満を構成する。シャーシ1102はまた、パター1100の総質量の少なくとも60%を構成する。低密度のパター型ボディ1104に取り囲まれた高密度のシャーシ1102からパター型ゴルフクラブヘッド1100を作ることによって、パター型ゴルフクラブヘッド1100のヒール端1108およびトウ端1106にウェイトポートやアタッチメントがなくても、クラブヘッド1100の重量はパター型ゴルフクラブヘッド1100の外縁部に向かってシフトする。パター型ゴルフクラブヘッド1100の外縁部へのこの重量シフトにより、クラブヘッド1100のy軸(Iyy)周りのMOIが上昇するので、インパクト時にクラブヘッド1100がy軸周りに回転することが防止され、インパクト中に打撃フェース1110がゴルフボールにスクエアであることが保証される。y軸周りのMOIが大きいと、より真っ直ぐなボールコースを得られやすく、中心を外れた打撃(ヒール端またはトウ端でのインパクト)の結果を改善しやすい。
【0176】
例示的なクラブヘッド1100は、例示的なクラブヘッド1100と同じ形状および体積を有するゴルフクラブヘッドであるコントロールクラブヘッド(以下、「コントロール」)と比較された。しかしながら、コントロールクラブヘッドは、全体的にステンレス鋼とタングステンからできていたが、例示的なクラブヘッド1100は、第1の高密度材料(ステンレス鋼)と第2の低密度材料(TPC)からできていた。
【0177】
例示的なクラブヘッド1100は、354.6グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、5,418.05g/cmである。一方で、コントロールクラブは、約9グラム軽い365.2グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、4,270.31g/cmである。例示的なクラブヘッド1100は、慣性モーメントが26.88%高い。したがって、例示的なクラブヘッド1100は、コントロールクラブよりも寛容性が高い(y軸周りのMOIが高いほど、クラブヘッド1100が中心を外れたインパクトで回転する可能性が低いので、より一貫して真っ直ぐな打撃となる)。

円形状のマレットパターヘッドの実施形態
【0178】
一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100は、円形状のマレットパターヘッド2100であってもよい。図22~25を参照すると、円形状のパターヘッド2100は、シャーシ2102と、パター型ボディ2104と、を備える。シャーシ2102は、第1の密度を有する第1の材料からできており、パター型ボディ2104は、第2の密度を有する第2の材料からできている。第1の密度は、第2の密度よりも大きい。シャーシ2102とパター型ボディ2104は組み合わさって、所望の体積と質量を維持しながら、軽量(315グラム~345グラム)で、MOIの大きいパターヘッド2100(3,500g/cm~4,000g/cm)を生成する。
【0179】
上述のように、シャーシ2102は、高密度の材料(すなわち、第1の材料)からなる。本実施形態では、シャーシ2102は、7.0g/ccを超える密度を有する第1の材料を含む。シャーシ2102は、ヒール部2124を備える。シャーシ2102は、ヒール部2124に対向するトウ部2126を備える。シャーシ2102は、後部2128を備える。後部2128は、ヒール部2124とトウ部2126に隣接している。シャーシ2102は、トウ部2126とヒール部2124のみによって形成される前部2130を備える(いくつかの実施形態で言及されるように、中央支柱132を全く有さない)。
【0180】
さらに、シャーシ2102は、上面2134を備える。上面2134は、後部2128、前部2130、トウ部2126、およびヒール部2124に隣接している。シャーシ2102は、下面2136を備える。下面は、上面2134に対向しており、後部2128、前部2130、トウ部2126、およびヒール部2124に隣接している。
【0181】
シャーシ2102は、「U字型」、馬蹄形、放物線状、ダンベル形、または他の任意の所望される湾曲形状であってよい。ほとんどの実施形態では、シャーシ2102の形状が、シャーシ2102の外縁部(トウ、ヒール、後部、前部)とパター型ゴルフクラブヘッド2100の外縁部に向かう望ましい質量シフトを促進する。
【0182】
さらに図22図25を参照すると、ヒール部2124、トウ部2126、および後部2128は、フロー領域2138を形成している。フロー領域2138は、フロー開口128と同じように機能するが、中央支柱132を欠いている。パター型ボディ2104がシャーシ2102に成形される際、フロー領域2138は、パター型ボディ2104の軽量で低密度な材料がシャーシ2102を封入することを可能にし、ボディ2104はフロー領域2138を貫通して完全に充填する。フロー領域2138は、パターボディ2104がボディ2104とシャーシ2102とを一体的に結合することを可能にし、こうしてクラブヘッド2100が形成される。さらに、フロー領域2138は、パター型ボディ2104の軽量で低密度な材料がゴルフクラブヘッド2100の打撃フェース2110に垂直な方向に流れることを可能にする。これによって、パター型ボディ2104が繊維充填材を有する熱可塑性複合材料から形成される場合、繊維が打撃フェース2110に垂直な方向で定着することができ、クラブヘッド2100の強度と耐久性が高められる。さらに、フロー領域2138は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料が可能な限り隙間なくシャーシ2102を密接に取り囲むことを可能にし、これによって、中実で耐久性のあるクラブヘッド2100が形成される。
【0183】
シャーシ2102は、シャーシ2102の特徴であるヒール部2124、トウ部2126、後部2128、前部2130、上面2134、および下面2136のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせから突出するまたは延びる、少なくとも1つのインターロック機構2120を備える。少なくとも1つのインターロック機構2120は、繊維充填材を含む熱可塑性複合材料(または他の高強度で軽量な材料)に少なくとも1つのインターロック機構2120の全体を包み込ませることによって、シャーシ2102とパター型ボディ2104とをさらに結合し、一体的に接合するように機能する。
【0184】
シャーシ2102は、3つのインターロック機構2120を備えてよい。いくつかの実施形態では、シャーシ2102は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、またはそれ以上のインターロック機構2120を備えてもよい。本実施形態では、3つのインターロック機構2120は、アンカーの形態であってよい。3つのインターロック機構2120がアンカーの形態である本実施形態では、2つのインターロック機構2120の各々と2つのインターロック機構2120の各々が突出するシャーシ2102の部分(ヒール部2124、トウ部2126、後部2128、前部2130、上面2134、および下面2136)との間に、アンカー開口2140が形成されている。さらに、3つ目のインターロック機構2120は、インターロック機構2120内に形成された3つのアンカー開口2140と、後部2128とを備える。本実施形態では、シャーシ2102は、5つのインターロック機構2120の各々に1つずつ対応する5つのアンカー開口2140を備える。フロー開口2122と同様に、アンカー開口2140およびインターロック機構2120は、パター型ボディ2104の軽量で低密度な材料がアンカー開口2140を完全に充填してインターロック機構2120を封入することを可能にし、こうしてシャーシ2102とパター型ボディ2104とが一体的に接合される。
【0185】
多くの実施形態では、3つのインターロック機構2120のアンカー開口2140は、円形、楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、任意の多角形形状、または他の任意の所望される幾何学的形状のうちのいずれか1つであってよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンカー形状のインターロック機構2120は、2つ以上のアンカー開口2140を含んでもよい。これらの実施形態では、少なくとも1つのインターロック機構2120の2つ以上のアンカー開口2140は、円形、楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、任意の多角形、または他の任意の所望される幾何学的形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せであってよい。本実施形態では、図24を参照すると、アンカー開口2140の形状は、卵形と長方形の組み合わせである。
【0186】
前述のように、パター型ボディ2104は、低密度の第2の材料を含む。ほとんどの実施形態では、パター型ボディ2104は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料と充填材とを含む熱可塑性複合材料を含む。他の実施形態では、パター型ボディ2104は、他の任意の低密度の第2の材料を含んでもよいが、簡潔性を考慮し、他の低密度の材料は本明細書では繰り返さない。本実施形態では、パター型ボディ2104は、4.0g/cc未満の密度を有する第2の材料を含む。シャーシ2102とパター型ボディ2104は、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用せずに、永久的に接合されている。パター型ボディ2104の熱可塑性ポリマーマトリクスミラーと充填材は、シャーシ2102のフロー領域2138と少なくとも1つのインターロック機構2120と一緒に、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用せずに、一体型のパター2100を作り出す。
【0187】
さらに、パター型ゴルフクラブヘッド2100は、打撃フェース2110上またはその内側に配置される打撃フェースインサート2116を備えてよい。これらの実施形態では、打撃フェースインサート2116は、クラブヘッド2100に結合される前に、独立して形成される。クラブヘッド2100に接する打撃フェースインサート2116の面は、打撃フェース2110に接するクラブヘッド2100の対応部分(すなわち、パター型ゴルフクラブヘッドの打撃フェースのキャビティ)の幾何学的形状に相補的な幾何学的形状を有してもよい。本実施形態では、パターヘッド2100は、第1の材料のシャーシ2102と、第2の材料のパター型ボディ2104と、第3の材料を含む打撃フェースインサート2116とを備えてよい。
【0188】
打撃フェースインサート2116は、締結手段によってクラブヘッド2100に固定されてよい。本実施形態では、打撃フェースインサート2116は、パター型ボディ2104に固定される。本実施形態では、図25を参照すると、パター型ボディ2104は、インサートキャビティ2118を備えてよく、キャビティ2118は、打撃フェースインサート2116を受け入れるように機能する。打撃フェースインサート2116は、のり、超高結合(VHB(登録商標))テープ、エポキシ樹脂、または他の接着剤などの接着性物質によって固定されてよい。代替的または追加的に、打撃フェースインサート2116は、溶接、はんだ付け、ねじ、リベット、ピン、機械的インターロック構造、または他の締結方法によって固定されてもよい。
【0189】
パター型ボディ2104は、シャーシ2102の内側およびその周囲に一体的に形成される。前述したように、パター型ボディ2104の軽量材料は、シャーシ2102のフロー開口2122を貫通して完全に充填し、ボディ2104とシャーシ2102とを結合させ、パター型ゴルフクラブヘッド2100を形成する。さらに、いくつかの実施形態では、パター型ボディ2104は、シャーシ2102の100%を包み込んでいる(または封入している)。本実施形態では、パター型ボディ2104は、シャーシ2102の少なくとも30%を包み込んでいる。
【0190】
パター型ボディ2104は、シャーシ2102と組み合わされると、ゴルフクラブヘッド2100のトウ端2106、ヒール端2108、後部2112、および打撃フェース2110を形成する。パター型ボディ2104は、クラウン2115の一部とソール2117の一部を形成する。図22および図23を参照すると、パター型ボディ2104とシャーシ2102とが接合されると、シャーシ2102とパター型ボディ2104とが組み合わさってパター2100のクラウン2115が形成される。同様に、パター型ボディ2104とシャーシ2102とが接合されると、シャーシ2102とパター型ボディ2104とが組み合わさってパター2100のソール2117が形成される。
【0191】
パター型ボディ2104は、クラウン2115の100%を形成してよく、この場合、アドレス位置からシャーシ2102は見えない。しかしながら、本実施形態では、パター型ボディ2104は、クラウン2115の少なくとも50%を形成している。クラウン2115と同様に、パター型ボディ2104は、ソール2117の100%を形成してよく、この場合、アドレス位置においてシャーシ2102は接地面に接触しない。しかし、本実施形態では、パター型ボディ2104は、ソール2117の少なくとも50%を形成しており、パター型ボディ2104の一部およびシャーシ2102の一部は、アドレス位置において地面に接触する。
【0192】
さらに、パター型ボディ2104は、ゴルフクラブヘッド2100の位置合わせ機構2114の少なくとも一部を形成する。いくつかの実施形態では、パター型ボディ2104は、位置合わせ機構2114の全体を形成する。位置合わせ機構2114は、線、一連の線、円、破線、三角形、チャネル、溝、一連の溝、チャネル、または位置合わせ機構2114に所望される他の任意の形状のうちいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせであってよい。ほとんどの実施形態では、位置合わせ機構2114は、クラウン2115上に配置されている。さらに、ほとんどの実施形態では、ゴルファーが位置合わせ機構2114を利用してパター2100を正確に位置合わせし、アドレス位置でゴルフボールを打つことができるように、位置合わせ機構2114は、ヒール端2108とトウ端2106から等距離に配置され、打撃フェース2110に対して垂直である。
【0193】
本実施形態では、位置合わせ機構2114は、2つの線2150と、クラウン上に配置されたゴルフボールサイズの開口2152とを備える。トウ端2106、ヒール端2108、打撃フェース2110、後部2112が、ボールサイズの開口2152を形成している。ボールサイズの開口2152は、ゴルファーが打撃フェース2110をボールに合わせやすくし(ボールの各端に2つの位置合わせライン2150を合わせる)、従来の位置合わせ機構(すなわち、1つのライン、1つの円、または1つの矢印)と共に、パターの位置合わせの向上をもたらす。
【0194】
さらに、本実施形態では、シャーシ2102は、パター2100の総体積の50%未満を構成する一方で、パター2100の総質量の少なくとも60%を構成する。低密度のパター型ボディ2104に取り囲まれた高密度のシャーシ2102からパター型ゴルフクラブヘッド2100を生成することによって、パター型ゴルフクラブヘッド2100のヒール端2108およびトウ端2106にウェイトポートやアタッチメントがなくても、クラブヘッド2100の重量がパター型ゴルフクラブヘッド2100の外縁部に向かってシフトする。パター型ゴルフクラブヘッド2100の外縁部へのこの重量のシフトによって、y軸(Iyy)周りでクラブヘッド2100のMOIが上昇するので、インパクト時にクラブヘッド2100がy軸周りに回転することが防止され、インパクト中に打撃フェース2110がゴルフボールに対してスクエアであることが保証される。y軸周りのMOIが大きいと、より真っ直ぐなボールコースが得られやすく、中心を外れた打撃(ヒール端またはトウ端でのインパクト)の結果を改善しやすい。
【0195】
例示的なクラブヘッド2100は、例示的なクラブヘッド2100と同じ形状および体積のゴルフクラブヘッドであるコントロールクラブヘッド(以下、「コントロール」)と比較された。しかしながら、コントロールクラブヘッドは、全体的にステンレス鋼から作られていた一方で、例示的なクラブヘッド2100は、第1の高密度な材料(タングステン)と第2の低密度な材料(TPC)から作られていた。
【0196】
例示的なクラブヘッド2100は、355.4グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、4,863.86g/cmである。一方で、コントロールクラブは、363.5グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、4,741.28g/cmである。例示的なクラブヘッド2100は、約9グラム軽量であり、慣性モーメントが2.59%大きい。したがって、コントロールクラブと比較して、例示的なクラブヘッド2100は、軽く、寛容性を有する(y軸周りのMOIが大きいほど、クラブヘッド2100が中心を外れたインパクトで回転する可能性が低いということであり、従って、より一貫して真っ直ぐな打撃となる)。

半円形のマレットパターヘッドの実施形態
【0197】
一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100は、半円形のマレットパターヘッド3100であってもよい。図26図28を参照すると、半円形のパターヘッド3100は、シャーシ3102と、パター型ボディ3104と、を備える。シャーシ3102は、第1の密度を有する第1の材料からできており、パター型ボディ3104は、第2の密度を有する第2の材料からできている。第1の密度は、第2の密度よりも大きい。シャーシ3102とパター型ボディ3104とが組み合わさって、望ましい体積と質量を維持しながら、MOIの大きいパターヘッド3100(4,500g/cm~6,500g/cm)を形成する。
【0198】
上述のように、シャーシ3102は、高密度材料(すなわち、第1の材料)からなる。本実施形態では、シャーシ3102は、7.0g/ccを超える密度を有する第1の材料を含む。シャーシ3102は、ヒール部3124を備える。シャーシ3102は、ヒール部3124に対向するトウ部3126を備える。シャーシ3102は、後部3128を備える。後部3128は、ヒール部3124とトウ部3126に隣接している。シャーシ3102は、トウ部3126とヒール部3124のみによって形成される前部3130を備える(いくつかの実施形態で言及されるように、中央支柱132を全く有さない)。
【0199】
さらに、シャーシ3102は、上面3134を備える。上面3134は、後部3128、前部3130、トウ部3126、およびヒール部3124に隣接している。シャーシ3102は、下面3136を備える。下面は、上面3134と対向し、後部3128、前部3130、トウ部3126、およびヒール部3124に隣接している。
【0200】
シャーシ3102は、「U字型」、馬蹄形、放物線状、ダンベル形、または他の任意の所望される湾曲形状であってよい。ほとんどの実施形態では、シャーシ3102の形状が、シャーシ3102の外縁部(トウ、ヒール、後部、前部)とパター型ゴルフクラブヘッド3100の外縁部に向かう好ましい質量シフトを促進する。
【0201】
ヒール部3124、トウ部3126、および後部3128は、フロー領域3138を形成している。フロー領域3138は、フロー開口122と同じように機能するが、中央支柱3132が欠けているだけである。パター型ボディ3104がシャーシ3102に成形される際、フロー領域3138は、パター型ボディ3104の軽量で低密度な材料がシャーシ3102を封入することを可能にし、ボディ3104はフロー領域3138を貫通して完全に充填する。フロー領域3138は、パターボディ3104がボディ3104とシャーシ3102とを一体的に結合することを可能にし、こうしてクラブヘッド3100が形成される。さらに、フロー領域3138は、パター型ボディ3104の軽量で低密度な材料がゴルフクラブヘッド3100の打撃フェース3110に垂直な方向に流れることを可能にする。これによって、パター型ボディ3104が繊維充填材を有する熱可塑性複合材料から形成される場合、繊維が打撃フェース3110に垂直な方向で定着でき、クラブヘッド3100の強度と耐久性が高められる。さらに、フロー領域3138は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料ができる限り隙間なくシャーシ3102を密接に取り囲むことを可能にし、これによって、中実で耐久性のあるクラブヘッド3100が形成される。
【0202】
シャーシ3102は、シャーシ3102の特徴であるヒール部3124、トウ部3126、後部3128、前部3130、上面3134、および下面3136のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせから突出するまたは延びる、少なくとも1つのインターロック機構3120を備える。少なくとも1つのインターロック機構3120は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料(または他の高強度で軽量な材料)に少なくとも1つのインターロック機構3120の全体を包み込ませることによって、シャーシ3102とパター型ボディ3104とをさらに結合し、一体的に接合するように機能する。
【0203】
シャーシ3102は、3つのインターロック機構3120を備えてよい。いくつかの実施形態では、シャーシ3102は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、またはそれ以上のインターロック機構3120を備えてもよい。本実施形態では、3つのインターロック機構3120は、アンカーの形態であってよい。本実施形態では、3つのインターロック機構3120のうちの2つはアンカーの形態であり、3つ目のインターロック機構3120はインターロック梁の形態である。2つのインターロック機構3120の各々と2つのアンカー形状インターロック機構3120の各々が突出するシャーシ3102の部分(ヒール部3124、トウ部3126、後部3128、前部3130、上面3134、および下面3136)との間に、アンカー開口3140が形成されている。本実施形態では、シャーシ3102は、アンカー形状インターロック機構3120の各々に1つずつ対応する2つのアンカー開口3140を備える。フロー開口3122と同様に、アンカー開口3140とアンカー形状インターロック機構3120は、パター型ボディ3104の軽量で低密度な材料がアンカー開口3140を完全に充填してインターロック機構3120を封入することを可能にし、こうしてシャーシ3102とパター型ボディ3104が一体的に接合される。
【0204】
多くの実施形態では、2つのインターロック機構3120のアンカー開口3140は、円形、楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、任意の多角形、または他の任意の所望される幾何学的形状のいずれかの形状であってよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンカー形状インターロック機構3120は、2つ以上のアンカー開口3140を含んでもよい。これらの実施形態では、少なくとも1つのインターロック機構3120の2つ以上のアンカー開口3140は、円形、楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、任意の多角形、または他の任意の所望される幾何学的形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せであってよい。本実施形態では、図28を参照すると、アンカー開口3140は、略長方形の形状である。
【0205】
さらに、3つ目のインターロック機構3120は、インターロック梁の形態である。ほとんどの実施形態(および本実施形態)では、梁状のインターロック機構3120は、シャーシ3102の後部3128からシャーシ3102の前部3130へ延在してよい。いくつかの実施形態では、梁状のインターロック機構3120は、部分的または全体的に、後部3128からトウ部3126へ、トウ部3126からヒール部3124へ、前部3130からトウ部3126へ、前部3130からヒール部3126へ、または他の任意の所望される方向に延在してもよい。
【0206】
さらに、梁状のインターロック機構3120は、一連の貫通孔3141を備え、貫通孔3141は、トウ部3126からヒール部3124へ向かう方向で梁状のインターロック機構3120を貫通している。他の実施形態では、貫通孔3141は、後部3128からトウ部3126へ向かう方向、トウ部3126からヒール部3124へ向かう方向、前部3130からトウ部3126へ向かう方向、前部3130からヒール部3126へ向かう方向、または他の任意の所望される方向のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせの方向で、梁状のインターロック機構を貫通してもよい。
【0207】
一連の貫通孔3141は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、または少なくとも7つの貫通孔3141を備えてよい。図28を参照すると、本実施形態は、少なくとも7つの貫通孔3141を備える。アンカー開口3140と同様に、貫通孔3141は、パター型ボディ3104の軽量で低密度な材料が貫通孔3141を完全に充填して梁状のインターロック機構3120を封入することを可能にし、こうしてシャーシ3102とパター型ボディ3104とが一体的に接合される。
【0208】
前述のように、パター型ボディ3104は、低密度の第2の材料を含む。ほとんどの実施形態では、パター型ボディ3104は、熱可撓性ポリマーマトリクス材料と充填材とを含む熱可塑性複合材料を含む。他の実施形態では、パター型ボディ3104は、他の任意の低密度な第2の材料を含んでもよいが、簡潔性を考慮し、他の低密度の材料は本明細書では繰り返さない。本実施形態では、パター型ボディ3104は、4.0g/cc未満の密度を有する第2の材料を含む。シャーシ3102とパター型ボディ3104は、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用せずに、永久的に接合されている。パター型ボディ3104の熱可塑性ポリマーマトリクスミラーと充填材は、シャーシ3102のフロー領域3138および少なくとも1つのインターロック機構3120と一緒に、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用せずに、一体型のパター3100を作り出す。
【0209】
パター型ボディ3104は、シャーシ3102の内側およびその周囲に一体的に形成される。前述したように、パター型ボディ3104の軽量材料は、シャーシ3102のフロー開口3122を貫通して完全に充填し、ボディ3104とシャーシ3102とを結合させ、パター型ゴルフクラブヘッド3100を形成する。さらに、いくつかの実施形態では、パター型ボディ3104は、シャーシ3102の100%を包み込んでいる(または封入している)。本実施形態では、パター型ボディ3104は、シャーシ3102の少なくとも30%を包み込んでいる。
【0210】
パター型ボディ3104は、シャーシ3102と組み合わされると、ゴルフクラブヘッド3100のトウ端3106、ヒール端3108、後部3112、および打撃フェース3110を形成する。パター型ボディ3104は、クラウン3115の一部とソール3117の一部を形成する。図26および図27を参照すると、パター型ボディ3104とシャーシ3102とが接合されると、シャーシ3102とパター型ボディ3104とが組み合わさって、パター3100のクラウン3115が形成される。同様に、パター型ボディ3104とシャーシ3102とが接合されると、シャーシ3102とパター型ボディ3104とが組み合わさって、パター3100のソール3117が形成される。
【0211】
パター型ボディ3104は、クラウン3115の100%を形成してよく、この場合、アドレス位置からシャーシ3102は見えない。しかしながら、本実施形態では、パター型ボディ3104は、クラウン3115の少なくとも80%を形成している。クラウン3115と同様に、パター型ボディ3104は、ソール3117の100%を形成してよく、この場合、アドレス位置においてシャーシ3102は接地面と接触しない。しかし、本実施形態では、パター型ボディ3104は、ソール3117の少なくとも30%を形成しており、アドレス位置において、パター型ボディ3104の一部とシャーシ3102の一部が地面と接触する。
【0212】
さらに、パター型ボディ3104は、ゴルフクラブヘッド3100の位置合わせ機構3114の少なくとも一部を形成する。いくつかの実施形態では、パター型ボディ3104は、位置合わせ機構3114の全体を形成する。位置合わせ機構3114は、線、一連の線、円、破線、三角形、チャネル、溝、一連の溝、チャネル、または位置合わせ機構3114に所望される他の任意の形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせであってよい。ほとんどの実施形態では、位置合わせ機構3114は、クラウン3115上に配置される。さらに、ほとんどの実施形態では、ゴルファーが位置合わせ機構3114を利用してパター3100を正確に位置合わせし、アドレス位置でゴルフボールを打つことができるように、位置合わせ機構3114は、ヒール端2108とトウ端3106から等距離に配置され、打撃フェース3110に対して垂直である。
【0213】
本実施形態では、位置合わせ機構3114は、クラウン上に配置された1本の線3150を備える。1本の線3150は、梁状のインターロック機構3120によって形成されている。トウ端3106、ヒール端3108、打撃フェース3110、後部3112は、パターがアドレス位置にある時にユーザによって可視可能な1つの面が残るように、梁状のインターロック機構3150を部分的に包み込んでいる。本実施形態のシャーシ3102は、研磨されたステンレス鋼(銀色)で作られており、ボディ3104は、暗色の熱可塑性複合材料(黒色)で作られている。シャーシ3102は、反射する外見を有し、ボディ3104に対して明確な色のコントラストを有しているので、ゴルファーは、ゴルフボールとパター3100を容易に位置合わせし、中心にセットすることができる。はっきりと特徴付けられた線3152のおかげで、ゴルファーは打撃フェース3110をボールに合わせやすく、パター3100の位置合わせの向上につながる。
【0214】
さらに、本実施形態では、シャーシ3102は、パター3100の総体積の60%未満を構成する一方で、パター3100の総質量の少なくとも60%を構成する。低密度のパター型ボディ3104に取り囲まれた高密度のシャーシ3102からパター型ゴルフクラブヘッド3100を生成することによって、パター型ゴルフクラブヘッド3100のヒール端3108およびトウ端3106にウェイトポートやアタッチメントがなくても、クラブヘッド3100の重量はパター型ゴルフクラブヘッド3100の外縁部に向かってシフトする。パター型ゴルフクラブヘッド3100の外縁部へのこの重量シフトによって、クラブヘッド3100のMOIがy軸(Iyy)周りで上昇するので、インパクト時にクラブヘッド3100がy軸周りに回転することが防止され、インパクト中に打撃フェース3110がゴルフボールに対してスクエアであることが保証される。y軸周りのMOIが大きいと、より真っ直ぐなボールコースが得やすく、中心を外れた打撃(ヒール端またはトウ端でのインパクト)の結果を改善しやすい。
【0215】
例示的なクラブヘッド3100は、例示的なクラブヘッド3100と同じ形状および体積のゴルフクラブヘッドであるコントロールクラブヘッド(以下、「コントロール」)と比較された。しかしながら、コントロールクラブヘッドが、全体的にステンレス鋼とアルミニウムから作られていたのに対し、例示的なクラブヘッド3100は、第1の高密度な材料(ステンレス鋼)と第2の低密度な材料(TPC)から作られていた。
【0216】
例示的なクラブヘッド3100は、331.9グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、3,923.22g/cmである。一方で、コントロールクラブは、360.3グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、3,806.44g/cmである。例示的なクラブヘッド3100は、約30グラム軽量であり、慣性モーメントは3.07%大きい。従って、コントロールクラブと比較して、例示的なクラブヘッド3100は、実質的に軽く、より寛容性が高い(y軸周りのMOIが高いほど、クラブヘッド3100が中心を外れたインパクトで回転する可能性が低くいため、より一貫して真っ直ぐな打撃となる)。

ハイアーチのブレード型パターヘッドの実施形態
【0217】
一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100は、ハイアーチの(ヒールよりもトウ付近の質量が多い)ブレード型パターヘッド4100であってもよい。図29図32を参照すると、ブレード型パターヘッド4100は、シャーシ4102と、パター型ボディ4104と、を備える。シャーシ4102は、第1の密度を有する第1の材料からできており、パター型ボディ4104は、第2の密度を有する第2の材料からできている。第1の密度は、第2の密度よりも大きい。シャーシ4102とパター型ボディ4104は組み合わさって、所望の体積および質量を維持しながら、MOIの大きいパターヘッド4100(5,000g/cm~6,500g/cm)を生成する。
【0218】
上述のように、シャーシ4102は、高密度材料(すなわち、第1の材料)からなる。本実施形態では、シャーシ4102は、7.0g/ccを超える密度を有する第1の材料を含む。シャーシ4102は、ヒール部4124を備える。シャーシ4102は、ヒール部4124に対向するトウ部4126を備える。シャーシ4102は、後部4128を備える。後部4128は、ヒール部4124とトウ部4126に隣接している。シャーシ4102は、中央支柱4132を備える。中央支柱4132は、後部4128に対向し、ヒール部4124からトウ部4126にまたがっている。シャーシ4102は、前部4130を備える。前部4130は、トウ部4126、ヒール部4124、および中央支柱4132によって形成される。前部4130は、後部4128に対向し、ヒール部4124とトウ部4126に隣接している。
【0219】
さらに、シャーシ4102は、上面4134を備える。上面4134は、後部4128、前部4130、トウ部4126、およびヒール部4124に隣接している。シャーシ4102は、下面4136を備える。下面は、上面4134と対向し、後部4128、前部4130、トウ部4126、およびヒール部4124に隣接している。
【0220】
シャーシ4102は、ダンベル形、「I字形」、非対称形、または他の任意の望ましい形状であってよい。ほとんどの実施形態では、ダンベル形のシャーシ4102がブレード型パターに使用されてよく、そのようなパターでは、MOIを大きくするために、ヒール端4108とトウ端4106に向かって質量を移動させるだけでよい。
【0221】
ヒール部4124、トウ部4126、後部4128、および中央支柱4132は、フロー開口4122を形成する。パター型ボディ4104がシャーシ4102に成形される際、フロー開口4122は、パター型ボディ4104の軽量で低密度な材料がシャーシ4102の少なくとも一部を封入することを可能にし、ボディ4104はフロー開口4122を貫通して完全に充填する。フロー開口4122は、パターボディ4104がボディ4104とシャーシ4102とを一体的に結合することを可能にし、こうしてクラブヘッド4100が形成される。さらに、フロー開口4122は、パター型ボディ4104の軽量で低密度な材料がゴルフクラブヘッド4100の打撃フェース4110に垂直な方向に流れることを可能にする。これによって、パター型ボディ4104が繊維充填材を有する熱可塑性複合材料から形成される場合、繊維が打撃フェース4110に垂直な方向で定着することができ、クラブヘッド4100の強度と耐久性が高められる。さらに、フロー開口4122は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料ができるだけ隙間なくシャーシ4102を密接に取り囲むことを可能にし、これによって、中実で耐久性のあるクラブヘッド4100が形成される。
【0222】
シャーシ4102は、シャーシ4102の特徴であるヒール部4124、トウ部4126、後部4128、前部4130、上面4134、および下面4136のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせから突出するまたは延びる、少なくとも1つのインターロック機構4120を備える。少なくとも1つのインターロック機構4120は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料(または他の高強度で軽量な材料)に少なくとも1つのインターロック機構4120の全体を包み込ませることによって、シャーシ4102とパター型ボディ4104とをさらに結合し、一体的に接合するように機能する。
【0223】
図31および図32を参照すると、シャーシ4102は、3つのインターロック機構4120を備えてよい。いくつかの実施形態では、シャーシ4102は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、またはそれ以上のインターロック機構4120を備えてもよい。本実施形態では、3つのインターロック機構4120は、インターロックヒッチの形態である。本実施形態では、ヒッチ状インターロック機構4120は、トウ部4126およびヒール部4128から突出している。本実施形態では、1つ目のヒッチ状インターロック機構4120は、トウ部4126から離れるように、シャーシ4102の下面4136から離れる方向に延びている。2つ目のヒッチ状インターロック機構4120は、トウ部4126から離れるように、ヒール部4128に向かう方向に延びている。3つ目のヒッチ状インターロック機構4120は、ヒール部4128から離れるように、トウ部4126に向かう方向に延びている。フロー開口4122と同様に、ヒッチ状インターロック機構4120は、パター型ボディ4104の軽量で低密度な材料がインターロック機構4120を封入することを可能にし、こうしてシャーシ4102とパター型ボディ4104とが一体的に接合される。
【0224】
前述のように、パター型ボディ4104は、低密度の第2の材料を含む。ほとんどの実施形態では、パター型ボディ4104は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料と充填材とを含む熱可塑性複合材料を含む。他の実施形態では、パター型ボディ4104は、他の任意の低密度な第2の材料を含んでもよいが、簡潔性を考慮し、他の低密度の材料は本明細書では繰り返さない。本実施形態では、パター型ボディ4104は、4.0g/cc未満の密度を有する第2の材料を含む。シャーシ4102とパター型ボディ4104は、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用せずに、永久的に接合されている。パター型ボディ4104の熱可塑性ポリマーマトリクスミラーと充填材は、シャーシ4102のフロー開口4122および少なくとも1つのインターロック機構4120と一緒に、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用することなく、一体型のパター4100を作り出す。
【0225】
パター型ボディ4104は、シャーシ4102の内側およびその周囲に一体的に形成される。前述のように、パター型ボディ4104の軽量材料は、シャーシ4102のフロー開口4122を貫通して完全に充填し、ボディ4104とシャーシ4102とを結合させ、パター型ゴルフクラブヘッド4100を形成する。さらに、いくつかの実施形態では、パター型ボディ4104は、シャーシ4102の100%を包み込んでいる(または封入している)。本実施形態では、パター型ボディ4104は、シャーシ4102の少なくとも30%を包み込んでいる。
【0226】
パター型ボディ4104は、シャーシ4102と組み合わされると、ゴルフクラブヘッド4100のトウ端4106、ヒール端4108、後部4112、および打撃フェース4110を形成する。パター型ボディ4104は、クラウン4115の一部とソール4117の一部を形成する。図28および図29を参照すると、パター型ボディ4104とシャーシ4102とが接合されると、シャーシ4102とパター型ボディ4104とが組み合わさって、パター4100のクラウン4115が形成される。同様に、パター型ボディ4104とシャーシ4102とが接合されると、シャーシ4102とパター型ボディ4104とが組み合わさって、パター4100のソール4117が形成される。
【0227】
パター型ボディ4104は、クラウン4115の100%を形成してよく、この場合、アドレス位置からシャーシ4102は見えない。しかしながら、本実施形態では、パター型ボディ4104は、クラウン4115の少なくとも40%を形成している。クラウン4115と同様に、パター型ボディ4104は、ソール4117の100%を形成してよく、この場合、アドレス位置においてシャーシ4102は接地面と接触しない。しかし、本実施形態では、パター型ボディ4104は、ソール4117の少なくとも30%を形成しており、アドレス位置においてパター型ボディ4104の一部とシャーシ4102の一部が地面と接触する。
【0228】
さらに、パター型ボディ4104は、ゴルフクラブヘッド4100の位置合わせ機構4114の少なくとも一部を形成する。いくつかの実施形態では、パター型ボディ4104は、位置合わせ機構4114の全体を形成する。位置合わせ機構4114は、線、一連の線、円、破線、三角形、チャネル、溝、一連の溝、チャネル、または位置合わせ機構4114に望ましい他の任意の形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せであってよい。ほとんどの実施形態では、位置合わせ機構4114は、クラウン4115上に配置されている。さらに、ほとんどの実施形態では、ゴルファーが位置合わせ機構4114を利用してパター4100を正確に位置合わせし、アドレス位置でゴルフボールを打つことができるように、位置合わせ機構4114は、ヒール端4108とトウ端4106から等距離に配置され、打撃フェース4110に対して垂直である。
【0229】
本実施形態では、パターヘッド4100は、溝状の位置合わせ機構4114を備える。位置合わせ機構4114は、シャーシ4102のトウ部4126とヒール部4124によって形成される。トウ部4126は、クラウン4115からソール4117ならびにヒール部4128に向かって、斜め下方へ傾斜している。同様に、ヒール部4124は、クラウン4115からソール4117ならびにトウ部4126に向かって、斜め下方へ傾斜している。これらの傾斜部4126、4124によって、溝状の位置合わせ機構4114が形成されている。
【0230】
本実施形態のシャーシ4102は、研磨されたステンレス鋼(銀色)で作られている一方、ボディ4104は、暗色の熱可塑性複合材料(黒色)で作られている。シャーシ4102は、反射する外見を有し、ボディ4104とは明確な色のコントラストを有しているので、明色のヒール部4124と明色のトウ部4126との間にゴルフボールを配置することによって、ゴルファーは簡単にパター4100をゴルフボールと位置合わせし、中央にセットすることができる。はっきり特徴付けられた位置合わせ機構4114のおかげで、ゴルファーは打撃フェース4110をボールに合わせやすくなり、パター4100の位置合わせの向上につながる。
【0231】
さらに、本実施形態では、シャーシ4102は、パター4100の総体積の70%未満を構成する一方で、パター4100の総質量の少なくとも70%を構成する。低密度のパター型ボディ4104によって取り囲まれた高密度のシャーシ4102からパター型ゴルフクラブヘッド4100を生成することによって、パター型ゴルフクラブヘッド4100のヒール端4108およびトウ端4106にウェイトポートやアタッチメントがなくても、クラブヘッドの重量はパター型ゴルフクラブヘッド4100の外縁部に向かってシフトする。パター型ゴルフクラブヘッド4100の外縁部へのこの重量シフトによって、クラブヘッド4100のMOIがy軸(Iyy)周りで大きくなるので、インパクト時にクラブヘッド4100がy軸周りに回転することが防止され、インパクト中に打撃フェース4110がゴルフボールに対してスクエアであることが保証される。y軸周りのMOIが大きくなると、より真っ直ぐなボールコースを得やすく、中心を外れた打撃(ヒール端またはトウ端でのインパクト)の結果を改善しやすい。
【0232】
例示的なクラブヘッド4100は、例示的なクラブヘッド4100と同じ形状および体積のゴルフクラブヘッドであるコントロールクラブヘッド(以下、「コントロール」)と比較された。しかしながら、コントロールクラブヘッドは、全体的にステンレス鋼から作られていたのに対し、例示的なクラブヘッド4100は、第1の高密度な材料(タングステンまたはステンレス鋼)と第2の低密度な材料(TPC)から作られていた。
【0233】
例示的なクラブヘッド4100は、346.90グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、5,741.92g/cmである。一方、コントロールクラブは、347.10グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、4,729.67g/cmである。例示的なクラブヘッド4100は、コントロールクラブと重量がほぼ同じであり、慣性モーメントは21.40%大きい。したがって、コントロールクラブと比較して、例示的なクラブヘッド4100は、寛容性が高い(y軸周りのMOIが高いほど、クラブヘッド4100が中心を外れたインパクトで回転する可能性が低いので、より一貫して真っ直ぐな打撃となる)。

非アーチのブレード型パターヘッドの実施形態
【0234】
一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100は、わずかにアーチするまたは非アーチの(ヒール端とトウ端との間で質量が均等に分配されている)ブレード型パターヘッド5100であってもよい。図33図36を参照すると、ブレード型パターヘッド5100は、シャーシ5102と、パター型ボディ5104と、を備える。シャーシ5102は、第1の密度を有する第1の材料からできており、パター型ボディ5104は、第2の密度を有する第2の材料からできている。第1の密度は、第2の密度よりも大きい。シャーシ5102とパター型ボディ5104とが組み合わさって、望ましい体積と質量を維持しながら、MOIの大きいパターヘッド5100(5,000g/cm~6,500g/cm)を形成する。
【0235】
上述のように、シャーシ5102は、高密度材料(すなわち、第1の材料)からなる。シャーシ5102は、ヒール部5124を備える。シャーシ5102は、ヒール部5124に対向するトウ部5126を備える。シャーシ5102は、後部5128を備える。後部5128は、ヒール部5124とトウ部5126に隣接している。シャーシ5102は、中央支柱5132を備える。中央支柱5132は、後部5128に対向し、ヒール部5124からトウ部5126にまたがっている。シャーシ5102は、前部5130を備える。前部5130は、トウ部5126、ヒール部5124、および中央支柱5132によって形成される。前部5130は、後部5128に対向し、ヒール部5124とトウ部5126に隣接している。
【0236】
さらに、シャーシ5102は、上面5134を備える。上面5134は、後部5128、前部5130、トウ部5126、およびヒール部5124に隣接している。シャーシ5102は、下面5136を備える。下面は、上面5134と対向し、後部5128、前部5130、トウ部5126、およびヒール部5124に隣接している。
【0237】
シャーシ5102は、ダンベル形、「I字形」、非対称形、または他の任意の望ましい形状であってよい。ほとんどの実施形態では、ダンベル形のシャーシ5102がブレード型パターに使用されてよく、このようなパターでは、MOIを大きくするには、ヒール端5108およびトウ端5106に向かって質量を移動させるだけでよい。
【0238】
ヒール部5124、トウ部5126、後部5128、および中央支柱5132は、フロー開口5122を形成する。パター型ボディ5104がシャーシ5102に成形される際、フロー開口5122は、パター型ボディ5104の軽量で低密度な材料がシャーシ5102の少なくとも一部を封入することを可能にし、ボディ5104はフロー開口5122を貫通して完全に充填する。フロー開口5122は、パターボディ5104がボディ5104とシャーシ5102とを一体的に結合することを可能にし、こうしてクラブヘッド5100が形成される。さらに、フロー開口5122は、パター型ボディ5104の軽量で低密度な材料がゴルフクラブヘッド5100の打撃フェース5110に垂直な方向に流れることを可能にする。これによって、パター型ボディ5104が繊維充填材を有する熱可塑性複合材料から形成される場合、繊維が打撃フェース5110に垂直な方向で定着でき、クラブヘッド5100の強度と耐久性が高められる。さらに、フロー開口5122は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料にできる限り隙間なくシャーシ5102を密接に取り囲ませることによって、中実で耐久性のあるクラブヘッド5100が形成される。
【0239】
シャーシ5102は、シャーシ5102の特徴であるヒール部5124、トウ部5126、後部5128、前部5130、上面5134、および下面5136のいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせから突出するまたは延びる、少なくとも1つのインターロック機構5120を備える。少なくとも1つのインターロック機構5120は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料(または他の高強度で軽量な材料)に少なくとも1つのインターロック機構5120の全体を包み込ませることによって、シャーシ5102とパター型ボディ5104をさらに結合し、一体的に接合するように機能する。
【0240】
図34図36を参照すると、シャーシ5102は、2つのインターロック機構5120を備えてよい。いくつかの実施形態では、シャーシ5102は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、またはそれ以上のインターロック機構5102を備えてもよい。本実施形態では、2つのインターロック機構5120は、一連の貫通孔を連結する形態である。本実施形態では、2つのインターロック機構5120は、トウ部5126およびヒール部5128を通る一連の貫通孔の形態である。本実施形態では、貫通孔インターロック機構5120の1つは、ヒール部5128から前部5130へ向かう方向にトウ部5126を貫通し、約90度の角度の貫通孔として形成されている。本実施形態では、貫通孔インターロック機構5120の1つは、トウ部5126から前部5130へ向かう方向にヒール部5128を貫通し、約90度の角度の貫通孔として形成されている。他の実施形態では、貫通孔5141は、後部5128からトウ部5126へ向かう方向、トウ部5126からヒール部5124へ向かう方向、前部5130からトウ部5126へ向かう方向、前部5130からかヒール部5126へ向かう方向、または他の任意の所望される方向のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせで、インターロック機構を貫通してもよい。フロー開口5122と同様に、インターロック機構5120は、パター型ボディ5104の軽量で低密度な材料がインターロック機構5120を封入することを可能にし、こうしてシャーシ5102とパター型ボディ5104とが一体的に接合される。
【0241】
前述のように、パター型ボディ5104は、低密度の第2の材料を含む。ほとんどの実施形態では、パター型ボディ5104は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料と充填材とを含む熱可塑性複合材料を含む。他の実施形態では、パター型ボディ5104は、他の任意の低密度な第2の材料を含んでもよいが、簡潔性を考慮し、他の低密度の材料は本明細書では繰り返さない。本実施形態では、パター型ボディ5104は、4.0g/cc未満の密度を有する第2の材料を含む。シャーシ5102とパター型ボディ5104は、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用せずに、永久的に接合されている。パター型ボディ5104の熱可塑性ポリマーマトリクスミラーと充填材は、シャーシ5102のフロー開口5122および少なくとも1つのインターロック機構5120と一緒に、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用することなく、一体型のパター5100を作り出す。
【0242】
パター型ボディ5104は、シャーシ5102の内側およびその周囲に一体的に形成される。前述のように、パター型ボディ5104の軽量材料は、シャーシ5102のフロー開口5122を貫通して完全に充填し、ボディ5104とシャーシ5102とを結合させ、パター型ゴルフクラブヘッド5100を形成する。さらに、いくつかの実施形態では、パター型ボディ5104は、シャーシ5102の100%を包み込んでいる(または封入している)。本実施形態では、パター型ボディ5104は、シャーシ5102の少なくとも30%を包み込んでいる。
【0243】
パター型ボディ5104は、シャーシ5102と組み合わされると、ゴルフクラブヘッド5100のトウ端5106、ヒール端5108、後部5112、および打撃フェース5110を形成する。パター型ボディ5104は、クラウン5115の一部とソール5117の一部を形成する。図33および図34を参照すると、パター型ボディ5104とシャーシ5102とが接合されると、シャーシ5102とパター型ボディ5104とが組み合わさって、パター5100のクラウン5115が形成される。同様に、パター型ボディ5104とシャーシ5102とが接合されると、シャーシ5102とパター型ボディ5104とが組み合わさって、パター5100のソール5117が形成される。
【0244】
パター型ボディ5104は、クラウン5115の100%を形成してよく、この場合、アドレス位置からシャーシ5102は見えない。しかしながら、本実施形態では、パター型ボディ5104は、クラウン5115の少なくとも40%を形成している。クラウン5115と同様に、パター型ボディ5104は、ソール5117の100%を形成してよく、この場合、アドレス位置においてシャーシ5102は接地面と接触しない。しかし、本実施形態では、パター型ボディ5104は、ソール5117の少なくとも30%を形成しており、アドレス位置においてパター型ボディ5104の一部とシャーシ5102の一部が地面に接触する。
【0245】
さらに、パター型ボディ5104は、ゴルフクラブヘッド5100の位置合わせ機構5114の少なくとも一部を形成する。いくつかの実施形態では、パター型ボディ5104は、位置合わせ機構5114の全体を形成する。位置合わせ機構5114は、線、一連の線、円、破線、三角形、チャネル、溝、一連の溝、チャネル、または位置合わせ機構5114に所望される他の任意の形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせであってよい。ほとんどの実施形態では、位置合わせ機構5114は、クラウン5115上に配置される。さらに、ほとんどの実施形態では、ゴルファーが位置合わせ機構5114を利用してパター5100を正確に位置合わせし、アドレス位置でゴルフボールを打つことができるように、位置合わせ機構5114は、ヒール端4108とトウ端5106から等距離に配置され、打撃フェース5110に対して垂直である。
【0246】
本実施形態では、パターヘッド5100は、線の位置合わせ機構5114を備える。位置合わせ機構5114は、シャーシ5102のトウ部5126とヒール部5128との間にある。単一線の位置合わせ機構5114は、ボディ5104がフロー開口5122を充填することによって形成される。フロー開口5122は、シャーシ5102とボディ5104が一体的かつ永久的に接合することを可能にしながら、クラウン5115上に中心線を提供する。本実施形態のシャーシ5102は、研磨されたステンレス鋼(銀色)で作られており、ボディ5104は、暗色の熱可塑性複合材料(黒色)で作られている。シャーシ5102は、反射する外観を有し、ボディ5104に対して明確な色のコントラストを有しているので、ゴルファーは、簡単にパター5100をゴルフボールに位置合わせし、中央にセットすることができる。はっきりと特徴付けられた線5152のおかげで、ゴルファーは打撃フェース5110をボールに合わせやすく、パター5100の位置合わせの向上につながる。
【0247】
本実施形態のシャーシ5102は、研磨されたステンレス鋼(銀色)で作られており、ボディ5104は、暗色の熱可塑性複合材料(黒色)で作られている。シャーシ5102は、反射する外観を有し、ボディ5104に対して明確な色のコントラストを有しているので、ゴルファーは、明色のヒール部5128と明色のトウ部5126の間にゴルフボールを置くことによって、簡単にパター5100をゴルフボールに位置合わせし、中央にセットすることができる。はっきりと特徴付けられた線5114のおかげで、ゴルファーは打撃フェース5110をボールに合わせやすく、パター5100の位置合わせの向上につながる。
【0248】
さらに、本実施形態では、シャーシ5102は、パター5100の総体積の70%未満を構成する一方で、パター5100の総質量の少なくとも70%を構成する。低密度のパター型ボディ5104に取り囲まれた高密度のシャーシ5102からパター型ゴルフクラブヘッド5100を生成することによって、パター型ゴルフクラブヘッド4100のヒール端5108およびトウ端5106にウェイトポートやアタッチメントがなくても、クラブヘッド5100の重量はパター型ゴルフクラブヘッド5100の外縁部に向かってシフトする。パター型ゴルフクラブヘッド5100の外縁部へのこの重量シフトによって、クラブヘッド5100のy軸(Iyy)周りのMOIが上昇するので、インパクト時にクラブヘッド5100がy軸周りに回転することが防止され、インパクト中に打撃フェース5110がゴルフボールに対してスクエアであることが保証される。y軸周りのMOIが大きくなると、より真っ直ぐなボールコースを得やすく、中心を外れた打撃(ヒール端またはトウ端でのインパクト)の結果を改善しやすい。
【0249】
例示的なクラブヘッド5100は、例示的なクラブヘッド5100と同じ形状および体積のゴルフクラブヘッドであるコントロールクラブヘッド(以下、「コントロール」)と比較された。しかしながら、コントロールクラブヘッドは、全体的にステンレス鋼から作られていたが、例示的なクラブヘッド5100は、第1の高密度な材料(ステンレス鋼またはタングステン)と第2の低密度な材料(TPC)から作られていた。
【0250】
例示的なクラブヘッド5100は、348.4グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、5,329.02g/cmである。一方、コントロールクラブは、348.4グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、4,692.25g/cmである。例示的なクラブヘッド5100は、コントロールクラブと重量は同じであるが、vモーメントは13.57%大きい。したがって、コントロールクラブと比較して、例示的なクラブヘッド5100は寛容性が高い(y軸周りのMOIが高いほど、クラブヘッド5100が中心を外れたインパクトで回転する可能性が低いので、より一貫して真っ直ぐな打撃となる)。

大型マレットパターヘッドの実施形態
【0251】
一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100は、大型のマレットパターヘッド6100であってもよい。図37図41を参照すると、パターヘッド6100は、シャーシ6102と、パター型ボディ6104と、を備える。シャーシ6102は、第1の密度を有する第1の材料からできており、パター型ボディ6104は、第2の密度を有する第2の材料からできている。シャーシ6102は、1つまたは複数のウェイト6142を備え、1つまたは複数のウェイト6142は、シャーシに取り付けられ、第3の密度を有する第3の材料でできている。第1の密度は、第2の密度よりも大きい。第3の密度は、第1の密度よりも大きい。シャーシ6102とパター型ボディ6104は組み合わさって、所望の体積および質量を維持しながら、重量が大きく(365グラム~380グラム)、極めてMOIが大きいパターヘッド2100(5,500g/cm~7,000g/cm)を作り出す。
【0252】
上述のように、シャーシ6102は高密度材料(すなわち、第1の材料)からなる。シャーシ6102は、ヒール部6124を備える。シャーシ6102は、ヒール部6124に対向するトウ部6126を備える。シャーシ6102は、後部6128を備える。後部6128は、ヒール部6124とトウ部6126に隣接している。シャーシ6102は、中央支柱6132を備える。中央支柱6132は、後部6128に対向し、ヒール部6124からトウ部分6126にまたがっている。シャーシ6102は、前部6130を備える。前部6130は、トウ部6126、ヒール部6124、および中央支柱6132によって形成される。前部6130は、後部6128に対向し、ヒール部6124とトウ部6126に隣接している。
【0253】
さらに、シャーシ6102は、上面6134を備える。上面6134は、後部6128、前部6130、トウ部6126、およびヒール部6124に隣接している。シャーシ6102は、下面6136を備える。下面は、上面6134と対向し、後部6128、前部6130、トウ部6126、およびヒール部6124に隣接している。
【0254】
多くの実施形態では、シャーシ6102は、多角形、砂時計形状、対称、または他の任意の望ましいシャーシ6102の形状であってよい。ほとんどの実施形態では、シャーシ6102の形状が、シャーシ6102の外縁部(トウ、ヒール、後部、前部)とパター型ゴルフクラブヘッド6100の外縁部に向かう望ましい質量シフトを促進する。本実施形態では、シャーシ6102は、砂時計形状である。
【0255】
シャーシ6102は、1つまたは複数のウェイト6142をさらに備える。1つまたは複数のウェイト6142は、パターの質量特性(すなわち、CG、MOI、バランス)をさらに変えるために、シャーシ6102(従ってボディ6104)の密度よりも大きい第3の密度を有する。本実施形態では、1つまたは複数のウェイト6142は、少なくとも12g/ccの第3の密度を有する。1つまたは複数のウェイト6142は、パターヘッド6100のMOIを維持および/または大きくしつつ、パターの重心をカスタマイズするように機能する。1つまたは複数のウェイト6142は、パター型ボディ6104の成形前に、溶接、はんだ付け、ろう付け、スエージ加工、接着、エポキシ樹脂、機械的締結、エポキシ樹脂、ポリウレタン、樹脂、ホットメルトを用いた接着、または他の任意の取り付け方法のうちのいずれかによって、シャーシ6102に取り付けられてよい。
【0256】
いくつかの実施形態では、シャーシ6102は、1つまたは複数のウェイト6142を備えてよい。多くの実施形態では、シャーシ6102は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれより多いウェイト6142を備えてよい。いくつかの実施形態では、シャーシ6102は、2つ以上、3つ以上、または4つ以上のウェイト6142を備えてもよい。本実施形態では、シャーシ6102は、ちょうど4つのウェイト6142を備える。
【0257】
多くの実施形態では、1つまたは複数のウェイト6142は、円形、楕円形、三角形、長方形、円筒形、四角柱、台形、八角形、他の任意の多角形、または少なくとも1つの曲面を有する形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せであってよい。本実施形態では、4つのウェイト6142は、円筒形である。
【0258】
さらに、4つのウェイト6142の各々は、シャーシ6102の4つの外縁部(トウ部6126、ヒール部6124、後部6128、および前部6130)の接合部に位置している。本実施形態では、1つのウェイト6142がトウ部6126と前部6130との接合部に位置し、1つのウェイト6142がトウ部6126と後部6128との接合部に位置し、1つのウェイト6142がヒール部6124と前部6130との接合部に位置し、1つのウェイト6142がヒール部6124と後部6128との接合部に位置している。
【0259】
さらに、ほとんどの実施形態では、パター型ボディ6104の軽量材料は、1つまたは複数のウェイト6142の少なくとも一部を包み込む。いくつかの実施形態では、パター型ボディの軽量材料は、1つまたは複数のウェイト6142の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%を取り囲んでよい。本実施形態では、パター型ボディ6104の軽量材料は、4つのウェイト6142の少なくとも80%を取り囲んでいる。
【0260】
ヒール部6124、トウ部6126、後部6128、および中央支柱6132は、フロー開口6122を形成する。パター型ボディ6104がシャーシ6102に成形される際、フロー開口6122は、パター型ボディ6104の軽量で低密度な材料がシャーシ6102の少なくとも一部を封入することを可能にし、ボディ6104はフロー開口6122を貫通して完全に充填する。フロー開口6122は、パターボディ6104がボディ6104とシャーシ6102とを一体的に結合することを可能にし、こうしてクラブヘッド6100が形成される。さらに、フロー開口6122は、パター型ボディ6104の軽量で低密度な材料がゴルフクラブヘッド6100の打撃フェース6110に垂直な方向に流れることを可能にする。これによって、パター型ボディ6104が繊維充填材を有する熱可塑性複合材料から形成される場合、繊維が打撃フェース6110に垂直な方向で定着することができ、クラブヘッド6100の強度と耐久性が高められる。さらに、フロー開口6122は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料ができる限り隙間なくシャーシ6102を密接に取り囲むことを可能にし、これによって、中実で耐久性のあるクラブヘッド6100が形成される。
【0261】
シャーシ6102は、シャーシ6102の特徴であるヒール部6124、トウ部6126、後部6128、前部6130、上面6134、および下面6136のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせから突出するまたは延びる、少なくとも1つのインターロック機構6120を備える。少なくとも1つのインターロック機構6120は、繊維充填材を有する熱可塑性複合材料(または他の高強度で軽量な材料)に少なくとも1つのインターロック機構6120の全体を包み込ませることによって、シャーシ6102とパター型ボディ6104をさらに結合し、一体的に接合するように機能する。
【0262】
図38図40を参照すると、シャーシ6102は、3つのインターロック機構6120を備えてよい。いくつかの実施形態では、シャーシ6102は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、またはそれ以上のインターロック機構6120を備えてもよい。本実施形態では、3つのうちの2つのインターロック機構6120はヒッチの形態であり、1つのインターロック機構6120はヒッチの形態である。本実施形態では、2つのヒッチ状のインターロック機構6120は、下面6136から離れる方向に、上面6134から離れるように延びている。さらに、本実施形態では、ヒッチ状のインターロック機構6120のうちの一方がトウ部6126上に位置しており、ヒッチ状のインターロック機構6120の他方はヒール部6124上に位置している。フロー開口6122と同様に、インターロック機構6120は、パター型ボディ6104の軽量で低密度な材料がインターロック機構6120を封入することを可能にし、こうしてシャーシ6102とパター型ボディ6104とが一体的に接合される。
【0263】
さらに、アンカー状のインターロック機構6120は、前部6130に向かって後部6128から離れるように延び、フロー開口6122の一部の中に位置している。3つのインターロック機構6120のうちの1つがアンカーの形態である本実施形態では、アンカー開口6140が、後部6128とアンカー状のインターロック機構6120との間に形成されている。本実施形態では、シャーシ6102は、アンカー状のインターロック機構6120に対応する1つのアンカー開口6140を備える。フロー開口6122と同様に、アンカー開口6140とインターロック機構6120は、パター型ボディ6104の軽量で低密度な材料がアンカー開口6140を完全に充填してインターロック機構6120を封入することを可能にし、こうしてシャーシ6102とパター型ボディ6104とが一体的に接合される。
【0264】
多くの実施形態では、アンカー状のインターロック機構6120のアンカー開口6140は、半円形、円形、楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、任意の多角形、または他の任意の所望される幾何学的形状のいずれかであってよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンカー状インターロック機構6120が、2つ以上のアンカー開口6140を含んでもよい。これらの実施形態では、少なくとも1つのインターロック機構6120の2つ以上のアンカー開口6140は、円形、楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、任意の多角形、または他の任意の所望される幾何学的形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せであってよい。本実施形態では、図39および図40を参照すると、アンカー開口6140は半円形状である。
【0265】
さらに、パター型ゴルフクラブヘッド6100は、打撃フェース6110上またはその内側に配置された打撃フェースインサート6116を備えてよい。これらの実施形態では、打撃フェースインサート6116は、クラブヘッド6100に結合される前に、独立して形成される。クラブヘッド6100と当接する打撃フェースインサート6116の面は、打撃フェース6110と当接するクラブヘッド6100の対応部分(すなわち、パター型ゴルフクラブヘッドの打撃フェース内のキャビティ)の幾何学的形状と相補的な幾何学的形状を有してよい。本実施形態では、パターヘッド6100は、第1の材料のシャーシ6102と、第2の材料のパター型ボディ6104と、第3の材料を含む打撃フェースインサート6116とを備えてよい。
【0266】
打撃フェースインサート6116は、締結手段によってクラブヘッド6100に固定されてよい。本実施形態では、打撃フェースインサート6116は、パター型ボディ6104に固定されている。本実施形態では、図41を参照すると、パター型ボディ6104はインサートキャビティ6118を備えてよく、キャビティ6118は、打撃フェースインサート6116を受け入れるように機能する。打撃フェースインサート6116は、のり、超高結合(VHB(登録商標))テープ、エポキシ樹脂、または他の接着剤などの接着性物質によって固定されてよい。代替的または追加的に、打撃フェースインサート6116は、溶接、はんだ付け、ねじ、リベット、ピン、機械的インターロック構造、または他の締結方法によって固定されてもよい。
【0267】
前述のように、パター型ボディ6104は、低密度の第2の材料を含む。ほとんどの実施形態では、パター型ボディ6104は、熱可塑性ポリマーマトリクス材料と充填材とを含む熱可塑性複合材料を含む。他の実施形態では、パター型ボディ6104は、他の任意の低密度な第2の材料を含んでよいが、簡潔性を考慮し、他の低密度な材料は本明細書では繰り返さない。本実施形態では、パター型ボディ6104は、4.0g/cc未満の密度を有する第2の材料を含む。シャーシ6102とパター型ボディ6104は、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用せずに、永久的に接合されている。パター型ボディ6104の熱可塑性ポリマーマトリクスミラーと充填材は、シャーシ6102のフロー領域6138および少なくとも1つのインターロック機構6120と一緒に、溶接、エポキシ樹脂、および接着剤を使用せずに、一体型のパター6100を作り出す。
【0268】
パター型ボディ6104は、シャーシ6102の内側およびその周囲に一体的に形成される。前述のように、パター型ボディ6104の軽量材料は、シャーシ6102のフロー開口6122を貫通して完全に充填し、ボディ6104とシャーシ6102とを結合させ、パター型ゴルフクラブヘッド6100を形成する。さらに、いくつかの実施形態では、パター型ボディ6104は、シャーシ6102の100%を包み込んでいる(または封入している)。本実施形態では、パター型ボディ6104は、シャーシ6102の少なくとも80%を包み込んでいる。
【0269】
パター型ボディ6104は、シャーシ6102と組み合わされると、ゴルフクラブヘッド6100のトウ端6106、ヒール端6108、後部6112、および打撃フェース6110を形成する。パター型ボディ6104は、クラウン6115の一部とソール6117の一部を形成する。図_を参照すると、パター型ボディ6104とシャーシ6102とが接合されると、シャーシ6102とパター型ボディ6104とが組み合わさって、パター6100のクラウン6115が形成される。同様に、パター型ボディ6104とシャーシ6102とが接合されると、シャーシ6102とパター型ボディ6104とが組み合わさって、パター6100のソール6117が形成される。
【0270】
パター型ボディ6104は、クラウン6115の100%を形成してよく、この場合、アドレス位置からシャーシ6102は見えない。本実施形態では、パター型ボディ6104は、クラウン6115の100%を形成している。クラウン6115と同様に、パター型ボディ6104は、ソール6117の100%を形成してよく、この場合、アドレス位置においてシャーシ6102は接地面と接触しない。しかし、本実施形態では、パター型ボディ6104は、ソール6117の少なくとも80%を形成しており、アドレス位置においてパター型ボディ6104の一部とシャーシ6102の一部が地面に接触する。
【0271】
さらに、パター型ボディ6104は、ゴルフクラブヘッド6100の位置合わせ機構6114の少なくとも一部を形成する。いくつかの実施形態では、パター型ボディ6104は、位置合わせ機構6114の全体を形成する。位置合わせ機構6114は、線、一連の線、円、破線、三角形、チャネル、溝、一連の溝、チャネル、または位置合わせ機構6114に所望される他の任意の形状のうちのいずれか1つまたはこれらの任意の組合せであってよい。ほとんどの実施形態では、位置合わせ機構6114は、クラウン6115上に配置される。さらに、ほとんどの実施形態では、ゴルファーが位置合わせ機構6114を利用してパター6100を正確に位置合わせし、アドレス位置でゴルフボールを打つことができるように、位置合わせ機構6114は、ヒール端6108とトウ端6106から等距離に配置され、打撃フェース6110に対して垂直である。
【0272】
本実施形態では、位置合わせ機構6114は、クラウン6115上に配置された3本の線6150を備える。3本の線6150は等間隔で配置され、1本の線6150はトウ6106により近く、1本の線はトウ6106から等距離であり、1本の線はヒール6108により近い。3本の線6150のおかげで、ゴルファーは打撃フェース6110をボールに合わせやすくなり(ボールの各端に2本の位置合わせ線6150を合わせ、1本を中央に合わせる)、従来の位置合わせ機構(すなわち、1本の線、1つの円、または1本の矢印のみ)と組み合わせて、パターの位置合わせの向上につながる。
【0273】
さらに、本実施形態では、シャーシ6102は、パター6100の総体積の45%未満を構成する一方で、パター6100の総質量の少なくとも60%を構成する。低密度のパター型ボディ6104に取り囲まれた高密度のシャーシ6102からパター型ゴルフクラブヘッド6100を生成することによって、パター型ゴルフクラブヘッド6100のヒール端6108およびトウ端6106にウェイトポートやアタッチメントがなくても、クラブヘッド6100の重量はパター型ゴルフクラブヘッド6100の外縁部に向かってシフトする。パター型ゴルフクラブヘッド6100の外縁部へのこの重量シフトによって、クラブヘッド6100のy軸(Iyy)周りでMOIが大きくなるので、インパクト時にクラブヘッド6100がy軸周りに回転することが防止され、インパクト中に打撃フェース6110がゴルフボールに対してスクエアであることが保証される。y軸周りのMOIが大きいと、より真っ直ぐなボールコースが得られやすく、中心を外れた打撃(ヒール端またはトウ端でのインパクト)の結果を改善しやすい。
【0274】
例示的なクラブヘッド6100は、例示的なクラブヘッド6100と同じ形状および体積のゴルフクラブヘッドであるコントロールクラブヘッド(以下、「コントロール」)と比較された。しかしながら、コントロールクラブヘッドは、全体的に金属材料(ステンレス鋼とアルミニウム)から作られていた一方で、例示的なクラブヘッド6100は、第1の高密度な材料(タングステンのウェイトとステンレス鋼のシャーシ)と、第2の低密度な材料(TPC)から作られていた。
【0275】
例示的なクラブヘッド6100は、380.00グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、6,496.76g/cmである。一方、コントロールクラブは、381.00グラムの質量を有し、y軸周りの慣性モーメントは、6,399.98g/cmである。例示的なクラブヘッド6100は、1グラム軽く、慣性モーメントは1.51%大きい。したがって、コントロールクラブと比較して、例示的なクラブヘッド6100は寛容性が高い(y軸周りのMOIが高いほど、クラブヘッド6100が中心を外れたインパクトで回転する可能性が低いので、より一貫して真っ直ぐな打撃となる)。
【0276】
ゴルフのルールは時々変更になる場合がある(例えば、ゴルフ標準組織および/または運営機関によって、新たに規則が適用されたり、古いルールが排除または変更されることがある)ので、本明細書に記載される装置、方法、および製造品に関連するゴルフ用具は、任意の特定の時点において、ゴルフのルールに準拠している場合もあれば、準拠していない場合もある。したがって、本明細書に記載される装置、方法、および製造品に関連するゴルフ用具は、ルールに適合したゴルフ用品またはルール不適合のゴルフ用具として、広告され、売り出され、および/または販売されてもよい。この点に関して、本明細書に記載される装置、方法、および製造品は、限定されない。
【0277】
動作の特定の順序が上述されているが、これらの動作は別の時系列で実行されてもよい。例えば、上述した2つ以上のアクションは、連続的に、並行して、または同時に実行されてもよい。あるいは、2つ以上の動作を逆の順序で実行してもよい。さらに、上述の1つまたは複数の動作は、まったく実行されなくてもよい。この点に関して、本明細書に記載される装置、方法、および製造品は限定されない。
【0278】
様々な様態に関連して発明が説明されてきたが、発明はさらなる変更が可能であることが理解されよう。この出願は、一般に、発明の原理に従う発明のあらゆる変形、使用、または適用に及ぶことを意図し、そのような本開示からの逸脱を発明が属する分野における周知の通例の慣行として含む。
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