(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】ハンドヘルドコントローラ内の触知ビーム形成および触知効果のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
G06F3/01 560
(21)【出願番号】P 2021566216
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(86)【国際出願番号】 US2020031950
(87)【国際公開番号】W WO2020231760
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-05-01
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【氏名又は名称】矢口 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(72)【発明者】
【氏名】ウッズ, マイケル ヤヌシュ
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0039331(US,A1)
【文献】国際公開第2009/035100(WO,A1)
【文献】特開2015-095261(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108885489(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0065151(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0144404(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルドコントローラであって、
内部空間を含む筐体と、
前記筐体内に配置され
ている第1の振動源であって、
前記第1の振動源と前記筐体との間の前記内部空間は機械的構造で満たされている、第1の振動源と、
前記筐体内に配置され
ている第2の振動源であって、
前記第2の振動源と前記筐体との間の前記内部空間は機械的構造で満たされている、第2の振動源と、
前記筐体内に配置され、前記第1の振動源および前記第2の振動源に結合され
ているコントローラであって、
前記コントローラは、
前記第1の振動源を介して、第1の位相によって特徴付けられている第1の振動発振を生成し、
前記第2の振動源を介して、前記第1の位相と異なる第2の位相を特徴付けられている第2の振動発振を生成し、
前記第1の位相または前記第2の位相のうちの少なくとも1つを変動させるように構成されている、コントローラと、
を備え、
前記機械的構造は、全ての方向における
前記第1の振動発振および前記第2の振動発振の伝搬を支持するように構成されている、ハンドヘルドコントローラ。
【請求項2】
前記筐体内に配置され
ている第3の振動源をさらに備え、
前記コントローラは、前記第3の振動源を介して、前記第1の位相または前記第2の位相のうちの少なくとも1つと異なる第3の位相によって特徴付けられている
第3の振動発振を生成するように構成されている、請求項1に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項3】
前記第1の振動源、前記第2の振動源、および前記第3の振動源は、平面内に配置されている、請求項2に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項4】
第4の振動源をさらに備え、前記第1の振動源、前記第2の振動源、前記第3の振動源、および前記第4の振動源は、四面体の4つの角を形成する、請求項3に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項5】
前記
機械的構造は、振動伝導性材料を
含む、請求項1に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項6】
前記コントローラはさらに、組み合わせられた振動を前記筐体上の所定の場所に生成するように構成されている、請求項1に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項7】
内部空間を含む筐体を有するハンドヘルドコントローラ内に配置された触知要素のアレイを動作させる方法であって、前記方法は、
第1の振動源を使用して第1の振動を生成することであって、前記第1の振動は、第1の位相によって特徴付けられている、ことと、
第2の振動源を使用して第2の振動を生成することであって、前記第2の振動は、前記第1の位相と異なる第2の位相によって特徴付けられている、ことと、
前記筐体内に配置され、前記第1の振動源および前記第2の振動源に結合されているコントローラを動作させることであって、前記コントローラは、前記第1の位相または前記第2の位相のうちの少なくとも1つを変動させるように構成されている、ことと、
前記第1の振動を、前記第1の振動源と前記筐体との間の前記内部空間を満たす第1の機械的構造を通して伝搬させることと、
前記第2の振動を、前記第2の振動源と前記筐体との間の前記内部空間を満たす第2の機械的構造を通して伝搬させることと、
組み合わせられた振動を前記筐体上の初期場所に生産することと
を含む、方法。
【請求項8】
前記第1の位相または前記第2の位相のうちの少なくとも1つを修正することと、
前記組み合わせられた振動を前記初期場所と異なる後続場所に平行移動させることと
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記触知要素のアレイは、ハンドヘルドコントローラの筐体内に配置されている、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ハンドヘルドコントローラであって、
筐体であって、
フレームと
1つ以上の外部表面と、
複数の振動外部表面と
を備える、筐体と、
前記筐体内に配置された振動源
であって、前記1つ以上の外部表面および前記振動源は、前記フレームに機械的に結合されている、振動源と、
前記複数の振動外部表面のそれぞれの間に配置された振動減衰材料と、
複数の構造部材であって、前記複数の構造部材のそれぞれは、前記複数の振動外部表面のうちの1つを前記振動源に機械的に結合する、複数の構造部材と
を備える、ハンドヘルドコントローラ。
【請求項11】
前記振動減衰材料は、弾性バンドを備える、請求項
10に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項12】
前記複数の振動外部表面のそれぞれは、周縁を備え、前記振動減衰材料は、前記周縁において、前記複数の振動外部表面のそれぞれを囲繞する、請求項
10に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項13】
前記複数の構造部材のそれぞれは、前記複数の振動外部表面のうちの1つに接合されている、請求項
10に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項14】
前記複数の構造部材のそれぞれは、前記振動源のうちの少なくとも1つおよび前記複数の振動外部表面のうちの1つに取外可能に接続されている、請求項
10に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項15】
ハンドヘルドコントローラであって、
筐体であって、
フレームと、
前記フレームに機械的に結合されている1つ以上の外部表面と、
複数の振動外部表面と
を備える、筐体と、
前記複数の振動外部表面のそれぞれ間に配置された振動ダンパと、
複数の振動源であって、前記複数の振動源のそれぞれは、前記複数の振動外部表面のうちの1つに機械的に結合されている、複数の振動源と、
前記複数の振動源のそれぞれに結合されたコントローラと
を備える、ハンドヘルドコントローラ。
【請求項16】
前記複数の振動源のそれぞれは、前記複数の振動外部表面のうちの1つに搭載されている、請求項
15に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項17】
前記複数の振動源のそれぞれは、前記フレームに機械的に結合され、前記ハンドヘルドコントローラはさらに、複数の構造部材を備え、前記複数の構造部材のそれぞれは、前記複数の振動外部表面のうちの1つに搭載されている、前記複数の振動源のそれぞれを機械的に結合する、請求項
15に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項18】
前記振動ダンパは、弾性バンドを備える、請求項
15に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項19】
前記複数の振動外部表面のそれぞれは、周縁を備え、前記振動ダンパは、前記周縁において、前記複数の振動外部表面のそれぞれを囲繞する、請求項
15に記載のハンドヘルドコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示が、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年5月10日に出願され、「Method and System for Haptic Beamforming and Haptic Effects in a Handheld Controller」と題された、米国仮特許出願第62/846,509号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の背景)
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」(VR)または「拡張現実」(AR)体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、もしくはそのように知覚され得る様式で、ユーザに提示される。VRシナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、ARシナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0003】
現実的AR体験を提供するために、ARシステムは、ユーザと双方向性であるように設計され得る。例えば、複数のユーザが、仮想ボールおよび/または他の仮想オブジェクトを用いて、球技を行い得る。1人のユーザが、仮想ボールを「キャッチ」し、ボールを別のユーザに戻るように投げ得る。別の実施形態では、第1のユーザが、ハンドヘルドコントローラまたはトーテム(例えば、ARシステムに通信可能に結合される、物理的「バット」)を提供され、仮想ボールを打ち得る。他の実施形態では、仮想ユーザインターフェースが、ARユーザに提示され、ユーザが、多くのオプションのうちの1つを選択することを可能にし得る。ユーザは、トーテム、触知デバイス、ウェアラブルコンポーネントを使用し、または単に、仮想画面をタッチし、システムと相互作用し得る。
【0004】
これらのディスプレイ技術において行われた進歩にもかかわらず、当技術分野において、拡張現実システム、特に、ARおよびVRシステムのためのハンドヘルドコントローラに関連する改良された方法およびシステムの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要約)
本開示は、仮想現実および/または拡張現実結像ならびに可視化システムに関する。本開示は、概して、ハンドヘルドデバイス内の触知効果に関連する方法およびシステムに関する。いくつかの特定の実施形態では、それぞれ、制御可能位相を伴う、複数の振動源を含む、位相アレイエミッタが、利用され、コヒーレントな建設的および破壊的干渉パターンを生成し、隔離された振動を生産し、これは、ハンドヘルドコントローラの所定の部分において時変し得る。本開示は、拡張現実システムを含む、コンピュータビジョンおよび画像ディスプレイシステムにおける種々の用途において、触知効果に適用可能である。
【0006】
実施例として、振動が、いくつかの振動経路に沿って、振動源から、ハンドヘルドコントローラの内部を通して、ハンドヘルドコントローラの筐体に搬送されることができる。いくつかの実施形態では、振動源と筐体との間の内部空間は、ハンドヘルドコントローラを通して、振動伝導性経路を提供する、機械的構造、例えば、エポキシで充填される。位相アレイエミッタ内の振動源の振動および位相を制御することによって、振動の操向可能ビームを生成し、ユーザによって感じられ得る、空間的に定義された振動を筐体上に作成し、ハンドヘルドコントローラ内の内部に配置される振動源の変調の結果として、振動をハンドヘルドコントローラの異なる領域内に選択的に生成することが可能である。
【0007】
したがって、本開示の実施形態を利用して、ハンドヘルドコントローラ全体を振動させるのではなく、振動源からハンドヘルドコントローラの筐体または外側シェルに向かって振動エネルギーを外向きに指向し、それによって、位置特定された振動、例えば、ハンドヘルドコントローラの筐体の異なる部分または複数の部分に対して選択および指向される振動を生成することが可能である。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドコントローラの内部構造は、振動が全ての方向に実質的に等しく進行するようなものである。これらの実施形態では、位相アレイエミッタは、筐体上の任意の位置において感じられ得る、操向可能ビームを生成することが可能である。他の実施形態では、筐体は、振動ダンパによって分離される、複数の振動外部表面にセグメント化される(例えば、振動減衰材料を含み、複数の構造部材が、振動を振動源から表面に機械的に結合するために利用される)。振動源は、構造部材に、それによって、複数の振動外部表面のそれぞれまたは位相アレイエミッタに機械的に結合される、個々の振動源を含むことができ、これは、操向可能ビームを構造部材に、それによって、複数の振動外部表面のそれぞれに結合するために、ある方向に操向される、操向可能ビームを生成する。
【0008】
いくつかの実施形態では、筐体は、複数の振動外部表面のそれぞれ間に配置される、振動ダンパを伴って、複数の振動外部表面にセグメント化される。したがって、筐体に到達する、振動は、1つの領域から別の領域へと筐体に沿って伝搬する、その能力において限定される。セグメント化は、異なる堅度または硬度、非均質材料、介在空隙を伴う空間分離、または同等物を伴う、異なる材料の使用によって定義されることができる。したがって、実施形態は、位置特定された様式において個々に振動することが有効にされる、筐体が振動隔離領域を含む、実装を含む。内部構造(例えば、構造部材)とセグメント化された筐体(例えば、振動隔離領域)の組み合わせは、位相アレイ源を含む、1つ以上の振動源と併せて利用され、従来の技法を使用して利用不可能である、触知ユーザ体験を有効にすることができる。
【0009】
本開示の実施形態によると、ハンドヘルドコントローラが、提供される。ハンドヘルドコントローラは、筐体と、筐体内に配置され、第1の位相によって特徴付けられる、第1の振動源と、筐体内に配置され、第1の位相と異なる第2の位相によって特徴付けられる、第2の振動源とを含む。ハンドヘルドコントローラはまた、筐体内に配置され、第1の振動源および第2の振動源に結合され、第1の位相または第2の位相のうちの少なくとも1つを変動させるように構成される、コントローラを含む。
【0010】
本開示の別の実施形態によると、筐体を有するハンドヘルドコントローラ内に配置される、触知要素のアレイを動作させる方法が、提供される。本方法は、第1の振動源を使用して、第1の振動を生成することを含む。第1の振動は、第1の位相によって特徴付けられる。本方法はまた、第2の振動源を使用して、第2の振動を生成することを含む。第2の振動は、第1の位相と異なる、第2の位相によって特徴付けられる。本方法はさらに、組み合わせられた振動を筐体上の初期場所に生産することを含む。
【0011】
本開示の具体的実施形態によると、ハンドヘルドコントローラが、提供される。ハンドヘルドコントローラは、1つ以上の外部表面と、複数の振動外部表面とを備える、筐体を含む。ハンドヘルドコントローラはまた、筐体内に配置される、振動源と、複数の振動外部表面のそれぞれの間に配置される、振動減衰材料と、複数の構造部材とを含む。複数の構造部材のそれぞれは、複数の振動外部表面のうちの1つを振動源に機械的に結合する。
【0012】
本開示の別の具体的実施形態によると、ハンドヘルドコントローラが、提供される。ハンドヘルドコントローラは、フレームと、複数の振動外部表面とを備える、筐体を含む。ハンドヘルドコントローラはまた、複数の振動外部表面のそれぞれ間に配置される、振動ダンパと、複数の振動源であって、複数の振動源のそれぞれは、複数の振動外部表面のうちの1つに機械的に結合される、複数の振動源と、複数の振動源のそれぞれに結合される、コントローラとを含む。
【0013】
従来の技法に優る多数の利点が、本開示の方法によって達成される。例えば、本開示の実施形態は、ハンドヘルドコントローラ内の触知効果の向上された制御を有効にする、方法およびシステムを提供する。例えば、振動源の1つ以上の位相アレイが、位置付けられ、制御され、振動をハンドヘルドコントローラの筐体の所定の部分上に生成するために使用され得る、振動エネルギーの操向可能ビームを放出することができる。位置特定された振動パターンをハンドヘルドコントローラの筐体上に作成する本能力は、ユーザの手の1つのみの領域上でのタッチまたは圧力の感覚、もしくはある時間周期にわたって(および可能性として、ユーザの入力に応答して)、ユーザの手上の場所を変化させる、進行する感覚等、以前のアプローチを用いては不可能である、触知効果を作成するために使用され得る。これはまた、異なるユーザ体験目的のために、異なる触知効果をセグメント化するために使用されることができる。すなわち、コントローラの底部における振動は、システムインジケーションおよびアラートのために使用され得る一方、ユーザの指内のより敏感な触覚受容体の近くのコントローラの上部における振動は、アプリケーション制御に与えられ得、進行する振動は、パターンによってセグメント化され得、1つのパターンは、ユーザに、新しい電子メールをアラートする一方、別のパターンは、ユーザに、低バッテリをアラートし、振動の物理的範囲さえ、情報をユーザに示すために使用され得、非常に緊密に位置特定され、弱い振動パターンは、ユーザに、あまり緊急ではないもの(50%バッテリインジケーションであり得る)をアラートする一方、デバイス全体にわたる大振動パターンは、ユーザに、非常に緊急なもの(5%バッテリインジケーション)をアラートし得る。本開示のこれらおよび他の実施形態は、その利点および特徴の多くとともに、下記の文章および添付の図と併せて、さらに詳細に説明される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
ハンドヘルドコントローラであって、
筐体と、
前記筐体内に配置され、第1の位相によって特徴付けられている、第1の振動源と、
前記筐体内に配置され、前記第1の位相と異なる第2の位相によって特徴付けられている、第2の振動源と、
前記筐体内に配置され、前記第1の振動源および前記第2の振動源に結合され、前記第1の位相または前記第2の位相のうちの少なくとも1つを変動させるように構成されている、コントローラと
を備える、ハンドヘルドコントローラ。
(項目2)
前記筐体内に配置され、前記第1の位相または前記第2の位相のうちの少なくとも1つと異なる第3の位相によって特徴付けられている、第3の振動源をさらに備える、項目1に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目3)
前記第1の振動源、前記第2の振動源、および前記第3の振動源は、平面内に配置されている、項目2に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目4)
第4の振動源をさらに備え、前記第1の振動源、前記第2の振動源、前記第3の振動源、および前記第4の振動源は、四面体の4つの角を形成する、項目3に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目5)
前記第1の振動源と前記筐体との間、および前記第2の振動源と前記筐体との間に配置されている、振動伝導性材料をさらに備える、項目1に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目6)
前記コントローラはさらに、組み合わせられた振動を前記筐体上の所定の場所に生成するように構成されている、項目1に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目7)
筐体を有するハンドヘルドコントローラ内に配置された触知要素のアレイを動作させる方法であって、前記方法は、
第1の振動源を使用して第1の振動を生成することであって、前記第1の振動は、第1の位相によって特徴付けられている、ことと、
第2の振動源を使用して第2の振動を生成することであって、前記第2の振動は、前記第1の位相と異なる第2の位相によって特徴付けられている、ことと、
組み合わせられた振動を前記筐体上の初期場所に生産することと
を含む、方法。
(項目8)
前記第1の位相または前記第2の位相のうちの少なくとも1つを修正することと、
前記組み合わせられた振動を前記初期場所と異なる後続場所に平行移動させることと
をさらに含む、項目7に記載の方法。
(項目9)
第3の振動源を使用して第3の振動を生成することをさらに含み、前記第3の振動は、前記第1の位相または前記第2の位相のうちの少なくとも1つと異なる、第3の位相によって特徴付けられ、前記組み合わせられた振動に寄与する、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記第1の振動源、前記第2の振動源、および前記第3の振動源は、平面内に配置されている、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記触知要素のアレイは、ハンドヘルドコントローラの筐体内に配置されている、項目7に記載の方法。
(項目12)
ハンドヘルドコントローラであって、
筐体であって、
1つ以上の外部表面と、
複数の振動外部表面と
を備える、筐体と、
前記筐体内に配置された振動源と、
前記複数の振動外部表面のそれぞれの間に配置された振動減衰材料と、
複数の構造部材であって、前記複数の構造部材のそれぞれは、前記複数の振動外部表面のうちの1つを前記振動源に機械的に結合する、複数の構造部材と
を備える、ハンドヘルドコントローラ。
(項目13)
前記振動減衰材料は、弾性バンドを備える、項目12に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目14)
前記複数の振動外部表面のそれぞれは、周縁を備え、前記振動減衰材料は、前記周縁において、前記複数の振動外部表面のそれぞれを囲繞する、項目12に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目15)
前記複数の構造部材のそれぞれは、前記複数の振動外部表面のうちの1つに接合されている、項目12に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目16)
前記複数の構造部材のそれぞれは、前記振動源のうちの少なくとも1つおよび前記複数の振動外部表面のうちの1つに取外可能に接続されている、項目12に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目17)
前記筐体はさらに、フレームを備え、前記1つ以上の外部表面および前記振動源は、前記フレームに機械的に結合されている、項目12に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目18)
ハンドヘルドコントローラであって、
筐体であって、
フレームと、
複数の振動外部表面と
を備える、筐体と、
前記複数の振動外部表面のそれぞれ間に配置された振動ダンパと、
複数の振動源であって、前記複数の振動源のそれぞれは、前記複数の振動外部表面のうちの1つに機械的に結合されている、複数の振動源と、
前記複数の振動源のそれぞれに結合されたコントローラと
を備える、ハンドヘルドコントローラ。
(項目19)
前記筐体はさらに、前記フレームに機械的に結合された1つ以上の外部表面を備える、項目18に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目20)
前記複数の振動源のそれぞれは、前記複数の振動外部表面のうちの1つに搭載されている、項目18に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目21)
前記複数の振動源のそれぞれは、前記フレームに機械的に結合され、前記ハンドヘルドコントローラはさらに、複数の構造部材を備え、前記複数の構造部材のそれぞれは、前記複数の振動外部表面のうちの1つに搭載されている、前記複数の振動源のそれぞれを機械的に結合する、項目18に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目22)
前記振動ダンパは、弾性バンドを備える、項目18に記載のハンドヘルドコントローラ。
(項目23)
前記複数の振動外部表面のそれぞれは、周縁を備え、前記振動ダンパは、前記周縁において、前記複数の振動外部表面のそれぞれを囲繞する、項目18に記載のハンドヘルドコントローラ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態による、ハンドヘルドコントローラの斜視図を図式的に図示する。
【0015】
【
図1B】
図1Bは、いくつかの実施形態による、ハンドヘルドコントローラの側面図を図式的に図示する。
【0016】
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、複数の触知領域を伴う、ハンドヘルドコントローラの平面図を図式的に図示する。
【0017】
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、位相アレイエミッタを含む、ハンドヘルドコントローラの断面図を図式的に図示する。
【0018】
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、操向可能ビームを所定の角度で生成する、3つの振動源のセットを図式的に図示する。
【0019】
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、ハンドヘルドコントローラ内に配置される、
図3Aに図示される3つの振動源のセットを図式的に図示する。
【0020】
【
図3C】
図3Cは、いくつかの実施形態による、ハンドヘルドコントローラの表面上に形成される、定在波を図式的に図示する。
【0021】
【
図3D】
図3Dは、いくつかの実施形態による、四面体配列における4つの触知要素のセットを図式的に図示する。
【0022】
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態による、振動隔離表面に対する剛性支持体を伴う、触知要素を図式的に図示する。
【0023】
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による、振動隔離触知要素とともにピクセル化された構造を図式的に図示する。
【0024】
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による、触知要素のアレイを動作させる方法を図示する、簡略化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(具体的実施形態の詳細な説明)
本開示は、仮想現実および/または拡張現実結像ならびに可視化システムに関する。本開示は、概して、ハンドヘルドデバイス内の触知効果に関連する方法およびシステムに関する。いくつかの特定の実施形態では、位相アレイエミッタが、利用され、隔離された振動を生産し、これは、ハンドヘルドコントローラの所定の部分において時変し得る。本開示は、拡張現実システムを含む、コンピュータビジョンおよび画像ディスプレイシステムにおける種々の用途において、触知効果に適用可能である。
【0026】
本明細書に説明されるように、本開示の実施形態は、振動源のセット間の位相遅延の制御が、ハンドヘルドコントローラの表面上の恣意的位置に操向され得る、振動エネルギーのビームを生成し得るように、相互に幾何学的関係に配列される、触知要素とも称される、振動源のセットを利用する。
【0027】
拡張現実(AR)システムでは、ARシステムは、ユーザと双方向性であるように設計されることができる。実施例として、ユーザは、ユーザがARシステムと相互作用するために利用し得る、トーテムとも称される、ハンドヘルドコントローラを提供されてもよい。ハンドヘルドコントローラは、いくつかの機構のうちの1つを利用して、フィードバック、情報、方向、または同等物をユーザに提供することができる。例えば、独立して、シーケンシャルに、または同時様式においてのいずれかにおける、ハンドヘルドコントローラの特定の部分の振動が、ユーザ体験を向上させるために利用されることができる。
【0028】
図1Aは、いくつかの実施形態による、ハンドヘルドコントローラの斜視図を図式的に図示する。
図1Aに図示されるように、ハンドヘルドコントローラ100は、筐体105を含むことができ、その中に電子機器、通信ユニット、および1つ以上の振動源(図示せず)が、配置されることができる。ハンドヘルドコントローラ100の筐体105の表面は、タッチパッド110、指トリガ112、バンパ114、ボタン116、および同等物を含む、個々の要素を提供するようにセグメント化されることができる。本明細書でより完全に説明されるように、個々の要素、例えば、タッチパッド110は、振動減衰材料111を使用して、他の個々の要素および筐体105から機械的に隔離されることができる。タッチパッド110のみに関連して図示されるが、他の個々の要素も、好適な振動減衰材料を使用して機械的に隔離されることができることを理解されたい。1つのユースケースでは、ユーザは、ハンドヘルドコントローラ100を右手で保持し、親指をボタン116に隣接して、人差し指をトリガ112に隣接して位置付ける。
【0029】
いくつかの実施形態では、ハンドヘルドコントローラ100は、ユーザの手の中に保持されることができるが、ハンドヘルドコントローラ100はまた、ユーザの手または腕に搭載されることができる(例えば、リングまたはブレスレットとして、もしくはユーザによって装着されるグローブの一部として)。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドコントローラ100は、例えば、ゲーム用シナリオ内で使用されるため(例えば、多自由度コントローラ)、または豊かなユーザ体験をAR環境内で提供するため、もしくはユーザが、ARシステムと相互作用することを可能にするためのトーテムであってもよい。本明細書に説明されるように、ハンドヘルドコントローラ100は、触知効果を統合し、触知デバイスである。
【0030】
1つ以上の振動源とハンドヘルドコントローラ100の統合は、電力を1つ以上の振動源、例えば、続く説明においてより完全に議論されるような位相アレイエミッタに提供し得る、バッテリまたは他の電力供給源の含有を伴い得る。加えて、コントローラ、通信デバイス、慣性運動ユニット(IMU)、および同等物を含む、他の要素も、ハンドヘルドコントローラ100内に含まれることができる。
【0031】
図1Bは、いくつかの実施形態による、ハンドヘルドコントローラの側面図を図式的に図示する。
図1Aに関連して提供される説明は、必要に応じて、
図1Bに適用可能である。ハンドヘルドコントローラ100の筐体105の表面は、タッチパッド110、指トリガ112、バンパ114、およびボタン116を含む、個々の要素を含む。ハンドヘルドコントローラは、筐体105の内側に位置付けられるため、破線によって図示される、内部フレーム130を含む。フレーム130は、筐体105ならびにハンドヘルドコントローラの個々の要素のための機械的支持を提供する。振動源132は、筐体105の内側に配置され、フレーム130に機械的に結合され、コントローラ134によって制御され、これは、メモリまたは同等物に結合される、マイクロプロセッサであることができる。実施例として、タッチパッド110を作動させるために、振動源132は、コントローラ134によって作動され、
図2Bに関連して説明されるように、振動エネルギーのビームを伝送し、
図4に関連して説明されるような構造部材または同等物を介して、振動エネルギーを伝送することができる。
【0032】
図2Aは、いくつかの実施形態による、複数の触知領域を伴う、ハンドヘルドコントローラの平面図を図式的に図示する。
図2Aに図示されるように、ハンドヘルドコントローラ100は、複数の明確に異なる外部表面を含み、そのうちのいくつかは、振動外部表面であって、そのうちのいくつかは、固定される。したがって、触知効果が、筐体の他の領域から独立して、筐体のいくつかの領域(振動領域と称され得る)上で生成されることができる。図示される実施形態では、
図1Aおよび1Bではバンパ114として図示される、バンパ210、左周辺セクション222、右周辺セクション224、タッチパッド212、および振動プレート240は、隣接する領域から隔離された振動外部表面である。
図1Aおよび1Bではボタン116として図示される、ボタン214もまた、図示される。したがって、本明細書に説明されるように、いくつかの実施形態では、振動を振動源からユーザに伝送するように設計される、筐体の振動領域は、振動領域を相互から隔離する、筐体の他の領域によって囲繞される。本構造は、ユーザ体験を改良する、触知効果の選択的制御を有効にする。
【0033】
振動外部表面の数および位置は、本具体的実施例に限定されず、図示される振動外部表面(例えば、バンパ210、左周辺セクション222、右周辺セクション224、タッチパッド212、および振動プレート240)は、単に、一例として示される。故に、より多いまたはより少ない数の振動外部表面ならびに異なる形状およびサイズの振動外部表面も、本開示の範囲内に含まれる。振動外部表面は、振動外部表面のうちの1つの振動が振動外部表面の別のものの振動または筐体の他の固定される部分の振動をもたらさないように、筐体の他の部分から振動隔離されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0034】
いくつかの実施形態では、振動外部表面は、例えば、
図3Aおよび3Bを参照して本明細書に説明されるように、振動エネルギーの操向可能ビームを使用して作動される。他の実施形態では、振動外部表面は、例えば、
図4を参照して本明細書に説明されるように、構造部材を使用して作動される。
【0035】
図2Bは、いくつかの実施形態による、位相アレイエミッタを含む、ハンドヘルドコントローラの断面図を図式的に図示する。指向される振動ビームを生成するために、位相アレイエミッタ210は、ハンドヘルドコントローラ100の筐体105の要素として組み込まれ、その内側に位置付けられる。
図2Bに図示されるように、位相アレイエミッタ210は、指向性ベクトル214によって表される方向に沿って指向される、振動エネルギー212の操向可能ビームを放出する。図示される実施形態では、振動エネルギー212のビームは、バンパ114上に衝突するように指向されるが、これは、本開示によって要求されない。本明細書に説明されるように、振動エネルギー212のビームは、筐体の他の部分または領域、例えば、タッチパッド110、指トリガ112、ボタン116、筐体105上の具体的領域、または同等物上に衝突するように操向されることができる。
【0036】
位相アレイエミッタ210はまた、IMU220を含む、またはそれに結合されてもよく、これは、フィードバックおよび/または情報をハンドヘルドコントローラ100のユーザに通信することを補助するように構成されてもよいことを理解されたい。実施例として、ユーザがハンドヘルドコントローラを左に移動させるにつれて、振動ビームが、ハンドヘルドコントローラ100の筐体の左側の
図1Aに図示される領域120に指向され得る。代替として、ユーザがハンドヘルドコントローラを右に移動させるにつれて、振動ビームは、ハンドヘルドコントローラ100の筐体105の左側の領域120に対向する、ハンドヘルドコントローラ100の筐体105の右側の合致する領域に指向され得る。さらに、左周辺セクション222および右周辺セクション224は、領域120および合致する領域と併せて動作されることができる。したがって、ユーザがハンドヘルドコントローラを左に移動させるにつれて、振動ビームが、右周辺領域224、次いで、左周辺領域222を作動させる、次いで、領域120上に落ち着くように掃引され、ユーザによるハンドヘルドコントローラの運動と併せて、ハンドヘルドコントローラの左側に掃引し得る。同様に、ユーザがハンドヘルドコントローラを右に移動させるにつれて、振動ビームが、左周辺領域222、次いで、右周辺領域224を作動させ、次いで、筐体105の右側の合致する領域上に落ち着くように掃引され、ユーザによるハンドヘルドコントローラの運動と併せて、ハンドヘルドコントローラの右側に掃引し得る。
【0037】
図3Aは、いくつかの実施形態による、操向可能ビームを所定の角度で生成する、3つの振動源のセットを図式的に図示する。
図3Aに図示されるように、3相アレイ振動源310、312、および314が、位相アレイエミッタ305の要素として含まれ、これは、ハンドヘルドコントローラ100内に配置される(例えば、
図2Bにおける位相アレイエミッタ210)。いくつかの実施形態では、位相アレイ振動源310、312、および314のそれぞれは、各触知デバイスが振動場を生成するように、所定の周波数(例えば、10Hz~10kHzの範囲内)で動作される、触知デバイスであることができる。位相アレイ振動は、圧電アクチュエータ、リニア共鳴アクチュエータ、偏心回転質量アクチュエータ、または同等物を含む、もしくは利用することができる。
【0038】
図3Aに図示される例示的位相アレイエミッタ305では、触知要素とも称され得る、位相アレイ振動源310、312、および314は全て、単一平面、例えば、y-z平面内に配置される。概して、位相アレイ振動源310、312、および314の相対的配向および配列は、振動源によって放出される振動場の建設的干渉によって生産されたメインローブが、ユーザが結果として生じる触知効果を体験するであろう、ハンドヘルドコントローラの最も一般的部分に向かって向いている方向に沿って指向されるように選択される。単に、一例として、メインローブ方向が、ビーム角度θで配向される放出ビーム320によって
図3Aに図示されており、これは、それぞれ、x-軸、y-軸、およびz-軸と整合される、成分θ
x、θ
y、およびθ
zを含む。
【0039】
振動場が、位相アレイ振動源310、312、314のそれぞれによって放出されるにつれて、振動場の波性質は、干渉を位相アレイ振動源310、312、および314によって放出される個々の振動場間にもたらす。本干渉は、建設的干渉の領域と、破壊的干渉の領域とを生産する。
図3Aに図示される位相アレイ振動源310、312、および314に関して、各要素の位相が、整合される(すなわち、要素間の遅延がない)場合、メインローブは、図の平面に直交するx-方向に沿って生産されるであろう。固定された位相遅延関係が、位相アレイ振動源(すなわち、ゼロであり得る位相遅延φを有する、位相アレイ振動源310、位相遅延φ
1を有する、位相アレイ振動源312、および位相遅延φ
2を有する、位相アレイ振動源314)間に実装される場合、位相アレイ振動源310、312、および314間の干渉は、メインローブ325ならびにサイドローブ(明確性の目的のために
図3Aには図示されない)の生成をもたらすであろう。いくつかの実施形態では、位相アレイ振動源310、312、および314は、概して、位相遅延を使用せずに生産されたメインローブと、ユーザが結果として生じる触知効果を体験するであろう、ハンドヘルドコントローラの最も一般的部分に向かって向いている方向とを整合させるために、
図3Aに図示されるy-z平面が
図3Aに図示されるビーム角度θに直交するであろうように位置付けられるであろう。3相アレイ振動源が、
図3Aに図示されるが、本開示の実施形態は、2相アレイ振動源および3相を上回るアレイ振動源が本開示の実施形態によって利用され得ることを含め、本特定の数および他の数に限定されない。
【0040】
したがって、位相アレイ振動源310、312、および314は、静的(すなわち、ハンドヘルドコントローラ内のその位置が固定される)であるが、各位相アレイ振動源と関連付けられる、位相遅延の制御は、メインローブ325の操向を有効にすることができる。
図3Aに図示されるように、メインローブ325は、ベクトル320上に心合され、これは、それぞれ、x-軸、y-軸、およびz-軸に沿って、成分θ
x、θ
y、およびθ
zを有する、ビーム角度θで配向される。ベクトル320は、メインローブの中心と整合されるため、中心ベクトルと称され得る。位相遅延φ、φ
1、および/またはφ
2を修正することによって、メインローブ325は、ベクトル320が恣意的ビーム角度θで配向され得るように、操向されることができる。位相アレイ振動源312および314に対応する、位相遅延φ
1および/またはφ
2のみが、いくつかの実施形態では修正されるが、位相アレイ振動源310と関連付けられる、位相遅延φもまた、修正または制御され、メインローブ325と関連付けられるビーム角度θの制御をもたらすことができることを理解されたい。したがって、位相遅延φが、利用されるとき、全3つの位相遅延が、位相アレイ振動源310、312、および314間の所望の位相遅延を達成するために制御されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0041】
図3Aに図示されるように、コントローラ307は、振動源310、312、および314に電気的に結合され、振動源310、312、および314を使用して生産された振動の振幅および位相の制御を有効にする。コントローラは、バスを介して、例えば、少なくとも1つの中央処理ユニット(「CPU」)、少なくとも1つの入力デバイス(例えば、
図1Aに図示される個々の要素)、および少なくとも1つの出力デバイス(例えば、ディスプレイデバイスまたはスピーカ)を含む、要素に電気的に結合され得る、ハードウェア要素を含むことができる。コントローラ307はまた、例えば、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)または読取専用メモリ(「ROM」)、ならびにリムーバブルメディアデバイス、メモリカード、フラッシュカード等を含む、ディスクドライブ、光学記憶デバイス、およびソリッドステート記憶デバイス等の1つ以上の記憶デバイスを含んでもよい。
【0042】
コントローラ307は、ハンドヘルドコントローラの外部のデバイスと通信するために、通信デバイス(例えば、モデム、ネットワークカード(無線または有線))、赤外線通信デバイス等)を含む、またはそれと通信することができる。電力をコントローラ307および振動源301、312、および314に提供するために、電源309が、例えば、筐体105の内側に提供される。電源309は、再充電可能バッテリまたは同等物として実装されることができる。
【0043】
図3Bは、いくつかの実施形態による、ハンドヘルドコントローラ内に配置される、
図3Aに図示される3つの振動源のセットを図式的に図示する。
図3Bでは、ハンドヘルドコントローラ300は、明確性の目的のために、立方体の形態における幾何学的形状として図示される。しかしながら、本開示の実施形態は、本立方体形状に限定されず、
図1A、1B、2A、および2Bに図示されるハンドヘルドコントローラ100の形態における実装も、本開示の範囲内に含まれることを理解されたい。
【0044】
図3Bを参照すると、位相アレイ振動源310、312、および314は、ハンドヘルドコントローラ300の内側の所定の位置に位置付けられる。これらの所定の位置は、図示されるデカルト座標系に関連して測定されることができる。ハンドヘルドコントローラ300は、全ての方向における振動発振の伝搬を支持するであろう材料、すなわち、エポキシ等の振動伝導性材料で充填され、位相アレイ振動源310、312、および314の作動が、定義された位相遅延関係を位相アレイ振動源310、312、および314(すなわち、ゼロであり得る、位相遅延φを有する、位相アレイ振動源310、位相遅延φ
1を有する、位相アレイ振動源312、および位相遅延φ
2を有する、位相アレイ振動源314)のそれぞれ間に伴うと仮定すると、位相アレイ振動源310、312、および314の間の干渉は、
図3Aに関連して議論されるように、心合されたベクトル320上にメインローブ325の生成をもたらすであろう。したがって、位相アレイ振動源310、312、および314は、ハンドヘルドコントローラ300を充填する材料の結果としてハンドヘルドコントローラ300の内側に提供される振動経路と併せて、操向可能メインローブ325の生成および制御の両方を有効にする。いくつかの実施形態では、低減または最小限の損失または減衰を伴って振動(例えば、フォノン)を伝送する、振動伝導性材料が、利用され、振動を1つ以上の振動源から外部振動材料に伝導させる。振動伝導性材料は、固体、剛性、または別様に振動を伝導させるために好適であることができる。
【0045】
3相アレイ振動源が、
図3Bに図示されるように、ハンドヘルドコントローラ300内に配置されるが、本開示の実施形態は、2相アレイ振動源および3相を上回るアレイ振動源が、本開示の実施形態によって利用され得ることを含め、本特定の数および他の数に限定されない。実施例として、位相アレイ振動源のより大きいアレイ、例えば、位相アレイ振動源の3次元アレイ、例えば、3×3×3アレイ、5×5×5アレイ、または10×10×10アレイが、利用され、振動エネルギーのより集束されたビームを形成し得る。いくつかの実施形態では、
図3Bに図示されるもの等の複数の構造が、単一ハンドヘルドコントローラ内に組み合わせられ、それによって、複数の位相アレイエミッタ(それぞれ、複数の位相アレイ振動源を含む)を単一ハンドヘルドコントローラの内側に実装することができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0046】
図3Cは、いくつかの実施形態による、ハンドヘルドコントローラの表面上に形成される、定在波を図式的に図示する。
図3Aに図示されるように、メインローブ325は、ハンドヘルドコントローラ300の上部表面350に向かって指向され、上部表面350上に形成される、定在波を生産する。したがって、
図2Aに図示されるハンドヘルドコントローラ100の個々の要素を考慮して、
図3Cに図示される定在波は、バンパ210、タッチパッド212、左周辺セクション222、右周辺セクション224、振動プレート240、またはボタン214上に形成されることができる。したがって、上部表面350に関連して提供される議論は、機械的に隔離された個々の要素、領域120によって図示されるような筐体の部分、または同等物を含む、ハンドヘルドコントローラの表面に適用されることを理解されたい。
【0047】
図3Cを参照すると、ベクトル320からの距離(表面350の平面で測定される)が増加するにつれて振動が減少する様子を実証するためのトポグラフィプロファイルとして図示される、ピーク振動352が、上部表面350上に生産される。メインローブ325によって生産された上部表面350上の振動に加え、サイドローブが、存在し得、付随振動354a、354b、および354cを生産するように図示される。ピーク振動352と同様の様式において、付随振動354a、354b、および354cは、トポグラフィプロファイルとして図示され、各サイドローブの中心と関連付けられるベクトルからの距離が増加するにつれて振動が減少する様子を実証する。サイドローブと関連付けられる、振動354a、354b、および354cが、
図3Cに図示されるが、これは、本開示によって要求されず、他の実装は、サイドローブの存在を低減または排除するようにビーム生成を設計するであろう。当業者に明白となるであろうように、振動源(例えば、位相アレイ振動源310、312、および314)間の物理的距離、振動源間の材料、ならびに動作周波数および位相遅延は、振動エネルギーの操向可能ビームの位置、配向、および方向に影響を及ぼすであろう。
【0048】
上部表面350は、明確性の目的のために、正方形形状を有するように図示されるが、ハンドヘルドコントローラ300の種々の表面は、特定のクラスの定在波を支持するであろう、特定の形状を利用するように設計されることができることを理解されたい。さらに、Chladniパターンが、振動源の発振周波数を変動させることによって形成され、着目表面上に形成され、ビーム操向機能性を補完し得る、異なる振動パターンを実装することができる。
【0049】
本開示の実施形態は、位相遅延の制御を利用して、振動エネルギーのビームの操向性を実装するため、従来の触知要素を使用して利用不可能である利点が、達成される。実施例として、ハンドヘルドコントローラの筐体の具体的部分または領域が、振動エネルギーのビームが操向されるにつれて、作動されることができる。ビーム操向は、ピーク振動の持続的運動またはピーク振動の断続的運動をもたらし得る。
図1Aを参照すると、振動エネルギーのビームは、所定の時間周期にわたって、ハンドヘルドコントローラ100の左側の領域120に操向され、次いで、中断され、第2の所定の時間周期にわたって、タッチパッド110上に再確立されることができる。さらに、ビームは、ユーザの反応時間と比較して急速に操向されることができるため、振動エネルギーのビームは、第1の時間周期(第1の10ms)の間、ハンドヘルドコントローラ100の左側の領域120に操向され、次いで、第2の時間周期(第2の10ms)の間、タッチパッド110に操向されることができる。本パターンは、次の時間周期の間、次いで、繰り返され(20~30msの間の領域120および30~40msの間のタッチパッド110)、2つの場所における振動生成を並行してシミュレートすることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0050】
図3Dは、いくつかの実施形態による、四面体配列における4つの振動源のセットを図式的に図示する。
図3Dに図示されるように、4相アレイ振動源360、362、364、および366が、四面体の4つの頂点上にあるように位置付けられる。位相アレイ振動源360、362、および364は、y-z平面にある一方、位相アレイ振動源366は、x-軸に沿って測定されたy-z平面の上方の所定の高さに位置付けられる。
図3Dに図示される四面体配列を利用することによって、付加的制御が、メインローブ325のビーム形状ならびにy-z平面におけるビーム操向のための増加された制御に対して提供される。
【0051】
上記に議論されるように、ビーム形成技術に関して、位相アレイのために操向されるビームのビームパターン(例えば、メインローブ幅)および指向性の制御は、アレイ内の振動源の数および位置の関数である。概して、下記に説明されるように、最大メインローブ強度は、振動源の平面と垂直に形成される。実施例として、2つの振動源が、利用される場合、2つの振動源の対称性は、2つの振動源を継合し、2つの振動源の垂直二等分線間の中間に位置付けられる、線と垂直な平面におけるビーム生成を有効にするであろう。
【0052】
付加的振動源、例えば、3つの振動源が、利用されるにつれて、2次元におけるビーム操向が、有効にされる。メインローブの最大強度は、その中に3つの振動源がある、平面と垂直な位置にあるであろう。
図3Aを参照すると、最大強度は、3つの振動源上に心合され、図の平面の上方または下方にあるであろう。ビームが、小x次元を有する位置に向かって操向されるにつれて、制御は、低減される。
【0053】
図3Dに図示される四面体配列では、四面体の4つの面は、
図3Aに図示される3つの振動源と比較して、向上された制御を提供する。
図3Dを参照すると、振動源360、362、および364は、y-z平面にあって、y-z平面と垂直な成分を有する方向、すなわち、図の平面の上方および下方に、有効ビーム操向を提供する。四面体の3つの他の面は、それに沿ってビーム形成が最大強度を伴って操向されるビームを生産し得る、3つの法線を提供し、それによって、高レベルの3次元制御を提供する。実施例として、メインローブ325の放出されるビーム320は、振動源360、364、および366によって定義された四面体の面に対する法線として図示され、それによって、放出されるビーム320の方向ならびに放出されるビーム320の方向と反対方向に、高レベルの制御を提供する。同様に、放出されるビームは、振動源360、362、および366によって定義された四面体の面に対する法線として図示され、それによって、x-軸と略整合される方向に、高レベルの制御を提供することができ、放出されるビームは、振動源362、364、および366によって定義された四面体の面に対する法線として図示されることができる。四面体の面の外部法線と反対の方向に放出されるビームもまた、生成されることができる。
【0054】
図3Aおよび3Dは、3つおよび4つの振動源を図示するが、本開示の実施形態は、付加的振動源が利用され得ることを含め、これらの特定の数の振動源およびアレイに限定されない。位相アレイ内の振動源の数が増加するにつれて、異なる方向から視認されるようなアレイの対称性は、増加する。したがって、四面体の4回対称性は、付加的振動源を使用して、より高いレベルの対称性に増加され、3次元において利用可能な制御を増加させることができる。したがって、複数の頂点における振動源を伴う、プラトンの立体ならびに非プラトンの立体が、本開示の実施形態に従って利用され、垂直方向における投影のために好適な付加的面を提供することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、ハンドヘルドコントローラ、例えば、印刷回路基板、バッテリ、電気コネクタ、または同等物の内側に存在する、内部構造は、振動エネルギーのビームの伝搬を妨害する、または振動エネルギーのビームの操向を妨害し得る、内部構造をもたらし得、これは、したがって、定在波、例えば、ピーク振動352をハンドヘルドコントローラの筐体上の所望の領域に生産する課題を提示し得る。
【0056】
図4は、いくつかの実施形態による、振動隔離表面に対する剛性支持体を伴う、触知要素を図式的に図示する。
図4を参照すると、ハンドヘルドコントローラ400の外部表面は、明確性の目的のために、立方体の6つの面として図示される。しかしながら、本開示の実施形態は、本立方体形状に限定されず、
図1A、1B、2A、および2Bに図示されるハンドヘルドコントローラ100の形態における実装も、本開示の範囲内に含まれることを理解されたい。
【0057】
上面410、左面412、背面414、および右面416、正面418、および底面420によって表される、ハンドヘルドコントローラ400の外部表面のそれぞれは、振動減衰材料425、例えば、発泡体、ゴム、シリコーン、PDMS、コルク、布地、または同等物によって分離される。いくつかの実施形態では、振動外部表面のそれぞれは、周縁を有し、複数の振動外部表面のそれぞれ間に配置される、振動減衰材料は、周縁に取り付けられ、そこにおいて、複数の振動外部表面のそれぞれを囲繞する、弾性バンドであることができる。他の実施形態では、振動減衰材料425は、振動外部表面の内部表面上に位置付けられることができる。したがって、振動外部表面は、相互から独立して、振動することが可能であって、それによって、複数の独立振動外部表面を提供する。
【0058】
いくつかの実施形態では、外部表面は全て、振動表面である一方、他の実施形態では、外部表面の一部は、ハンドヘルドコントローラの他の要素に固定され、例えば、ハンドヘルドコントローラのフレームに機械的に結合され、外部表面の一部は、振動外部表面である。
図2Aを参照すると、バンパ210、左周辺セクション222、右周辺セクション224、および振動プレート240は、振動外部表面である。
図4に図示される、簡略化されたハンドヘルドコントローラ400では、上面410、左面412、および背面414は、振動外部表面であって、これは、例えば、
図2Aに図示される振動外部表面と相関されることができる。
【0059】
振動発振器とも称され得る、振動源430が、ハンドヘルドコントローラ400内に配置され、随意のフレームに機械的に結合される。いくつかの実施形態では、振動源430は、ハンドヘルドコントローラ内の1つ以上のコンポーネントに係留される。実施例として、搭載パッドが、振動源430を係留するために利用され得る。別の実施例として、振動源430は、内部発泡体構造、ハンドヘルドコントローラのフレームセクション、または同等物に結合され得る。他の実施形態では、振動源は、外部振動表面、すなわち、上面410、左面412、および背面414のみに搭載される。
図4に図示されるように、振動源の質量中心の運動と見なされ得る、振動源430の振動は、下記により完全に説明されるように、外部振動表面の構造部材を通して伝導されることができる。
【0060】
振動源の性質に応じて、振動は、優先的方向に生成されてもよい。実施例として、線形共鳴アクチュエータに関して、振動は、優先的に、線形方向に沿って生成され、これは、振動を所望の外部振動表面に指向するために、構造部材のうちの1つと整合されてもよい。偏心回転質量アクチュエータに関して、振動は、概して、その中で質量が回転する、平面に生産される。したがって、振動源430が、偏心回転質量アクチュエータである場合、振動は、構造部材432および436を通して効率的に伝導されることができる。複数の振動源の使用が、組み合わせられ、特定の振動源の特定の性質を効果的に利用することができることを理解されたい。例えば、振動源430は、構造部材434および偏心回転質量アクチュエータを振動させ、構造部材432および436を振動させるように整合される、線形共鳴アクチュエータを含み得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0061】
振動源430は、圧電アクチュエータ、線形共鳴アクチュエータ、偏心回転質量アクチュエータ、または同等物を含む、または利用することができる。スパーとも称され得る、複数の構造部材432、434、および436は、それぞれ、振動源430および上面410、左面412、および背面414に取り付けられ、それによって、振動源と複数の振動外部表面のそれぞれとの間の機械的結合を提供する。振動源430の作動は、したがって、右面416、正面418、および底面420から独立して、上面410、左面412、および背面414の振動をもたらすであろう。単一振動源430および3つの構造部材432、434、および436が、
図4に図示されるが、他の実施形態も、付加的振動源を使用して実装されることができ、これは、1つ以上の外部振動表面に機械的に結合されてもよい。
【0062】
図4に図示される原理に基づく実施形態を使用すると、ユーザに、例えば、
図2Aに図示されるように、バンパ210、左周辺セクション222、右周辺セクション224、または振動プレート240のうちの1つ以上の上の位置特定された感覚を含む、触知体験を提供することが可能である。本開示の実施形態は、多数の小さいかつ潜在的に安価な触知要素の使用を有効にし、位置特定された振動感覚を筐体の所定の領域に生産する。
【0063】
図5は、いくつかの実施形態による、振動隔離触知要素とともにピクセル化された構造を図式的に図示する。ハンドヘルドコントローラ500の外部表面は、明確性の目的のために、より大きい立方体を形成する7つの立方体の12の面として、
図5に図示されるが、本例証は、単に、動作原理を実証するためのものであることを理解されたい。したがって、本開示の実施形態は、本立方体形状に限定されず、
図1A、1B、2A、および2Bに図示されるハンドヘルドコントローラ100の形態における実装も、本開示の範囲内に含まれることを理解されたい。
【0064】
図5を参照すると、振動源510、512、および514が、それぞれ、振動外部表面520、522、および524に機械的に結合される。振動源510、512、および514は、圧電アクチュエータ、線形共鳴アクチュエータ、偏心回転質量アクチュエータ、または同等物を含む、または利用することができる。いくつかの実施形態では、振動源510、512、および514は、例えば、エポキシを使用して、それぞれ、振動外部表面520、522、および524に物理的に取り付けられる、または接合される一方、他の実施形態では、他の搭載技法が、利用され、所望の機械的結合を提供する。振動外部表面520、522、および524のそれぞれは、複数の振動外部表面のそれぞれの間に配置される、振動減衰材料によって分離される。
図4に関連して議論されるように、振動減衰材料425は、例えば、発泡体、ゴム、シリコーン、PDMS、コルク、布地、または同等物であることができる。いくつかの実施形態では、振動外部表面のそれぞれは、周縁を有し、複数の振動外部表面のそれぞれ間に配置される、振動減衰材料は、周縁に取り付けられ、それにおいて、複数の振動外部表面のそれぞれを囲繞する、弾性バンドであることができる。他の実施形態では、振動減衰材料425は、振動外部表面の内部表面上に位置付けられることができる。したがって、振動外部表面は、相互から独立して、振動することが可能であって、それによって、複数の独立振動外部表面を提供する。
【0065】
付加的振動源530、531、532、533、534、535、536、537、および538が、それぞれ、明確性の目的のために、それぞれ、振動外部表面540、541、542、543、544、545、546、547、および548に機械的に結合される、
図5に図示されるが、本明細書における議論は、振動外部表面520、522、および524に機械的に結合される、振動源510、512、および514に関連して提示され、説明は、必要に応じて、他の振動源および振動外部表面に適用されることができる。
【0066】
図4に関連して議論されるように、いくつかの実施形態では、外部表面は全て、振動表面である一方、他の実施形態では、外部表面の一部は、ハンドヘルドコントローラの他の要素に固定される、例えば、ハンドヘルドコントローラの随意のフレームに機械的に結合され、外部表面の一部は、振動外部表面である。
図2Aを参照すると、バンパ210、左周辺セクション222、右周辺セクション224、および振動プレート240は、振動外部表面である。
図4に図示される簡略化されたハンドヘルドコントローラ500では、振動外部表面520、522、524、540、541、542、543、544、545、546、547、および548は、振動外部表面であって、これは、例えば、
図2Aに図示される振動外部表面と相関されることができる。
【0067】
振動源510、512、および514を参照すると、これらの振動源のそれぞれは、単一のかつ潜在的に小さい振動外部表面にのみ機械的に結合されるため、これらの振動源のそれぞれは、より大きく、より重い振動外部表面を駆動するために使用される、より大きい振動源より小さく、より軽量であって、かつ潜在的に安価であることができる。ハンドヘルドコントローラ500の表面を、そのうちの12個が、図示され、左、後、および底側上に配置される、そのうちの12個が、示されない、24個の「ピクセル」に細分割することによって、ピクセルのそれぞれを振動させるために使用されるエネルギーを減少させることが可能である。実施例として、所与の量のエネルギーが、筐体の表面全体を振動させるために使用される場合、所与の量のエネルギーの1/24が、典型的には、ピクセルのうちの1つを振動させるために使用されるであろう。
【0068】
いくつかの実施形態では、コントローラ(図示せず)は、複数の振動源のそれぞれに結合され、振動外部表面502、522、524、540、541、542、543、544、545、546、547、および548の独立振動の制御をもたらす。
【0069】
図4および5を参照すると、種々の機械的結合設計の組み合わせが、使用されることができる。例えば、複数の振動源のうちの1つは、ハンドヘルドコントローラのフレームに機械的に結合されることができ、構造部材が、
図4に図示されるように、振動源内で生成された振動を複数の振動外部表面のうちの1つに機械的に結合するために使用されることができる。本実施例を継続すると、複数の振動源の別のものは、
図5に図示されるように、複数の振動外部表面のうちの1つに接合されることができる。さらに、構造部材は、振動源および振動外部表面に取外可能に接続され、第1の動作モードでは、振動源を振動外部表面に係合し、第2の動作モードでは、振動源を振動外部表面から係合解除することができる。したがって、本明細書に説明される種々の実装の組み合わせが、本開示の範囲内に含まれ、ピクセル化された様式において、筐体の1つ以上の領域の振動制御を有効にする。
図2Aを参照すると、
図4および5に図示される振動外部表面は、バンパ210、タッチパッド212、左周辺セクション222、右周辺セクション224、振動プレート240、またはボタン214を含む、個々の要素として実装されることができることに留意されたい。したがって、
図4および5に図示される振動外部表面に関連して提供される議論は、機械的に隔離された個々の要素、領域120によって図示されるような筐体の部分、または同等物を含む、ハンドヘルドコントローラの表面に適用されることを理解されたい。
【0070】
図6は、いくつかの実施形態による、触知要素のアレイを動作させる方法を図示する、簡略化されたフローチャートである。いくつかの実施形態では、触知要素のアレイは、ハンドヘルドコントローラの筐体内に配置される。本方法は、第1の振動源を使用して、第1の振動を生成すること(610)を含む。第1の振動源および結果としての第1の振動は、第1の位相によって特徴付けられる。本方法はまた、第2の振動源を使用して、第2の振動を生成すること(612)を含む。第2の振動源および結果としての第2の振動は、第1の位相と異なる、第2の位相によって特徴付けられる。本方法はまた、組み合わせられた振動を筐体上の初期場所に生産すること(614)を含む。本明細書に説明されるように、ぞれぞれ、制御可能位相を伴う、第1の振動源および第2の振動源は、位相アレイエミッタとして動作し、コヒーレントな建設的干渉および破壊的干渉を生成し、それによって、隔離された振動を生産し、これは、ハンドヘルドコントローラの所定の部分で時変し得る。本方法はまた、第1の位相または第2の位相のうちの少なくとも1つを修正すること(616)と、組み合わせられた振動を初期場所と異なる後続場所に平行移動させること(618)とを含んでもよい。
【0071】
第1の振動源および第2の振動源の使用に加え、付加的振動源(例えば、第3の振動源)も、利用されることができ、本方法はまた、第3の振動源を使用して、第3の振動を生成することを含むことができる。第3の振動源および結果としての第3の振動は、第1の位相または第2の位相のうちの少なくとも1つと異なる、第3の位相によって特徴付けられ、組み合わせられた振動に寄与する。ある実施形態では、第1の振動源、第2の振動源、および第3の振動源振動源は、平面内に配置される。
【0072】
図2Aを参照すると、組み合わせられた振動は、最初に、タッチパッド212等の筐体上の初期場所に位置付けられることができる。振動源のうちの1つ以上の位相が、修正されるにつれて、組み合わせられた振動は、筐体の幾何学形状に対して平行移動され、例えば、左周辺領域222、右周辺領域224、または同等物に移動することができる。故に、時変し得る、隔離された振動は、情報をユーザに通信する、フィードバックをユーザに提供する、ユーザ体験を向上させる、または同等物のために、偏移されることができる。
【0073】
図6に図示される具体的ステップは、本発明の実施形態による、触知要素のアレイを動作させる特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスはまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図6に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて、種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップは、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0074】
また、本明細書に説明される実施例および実施形態は、例証的目的のためだけのものであって、それに照らした種々の修正または変更が、当業者に提案され、本願および添付の請求項の範囲の精神ならびに権限内に含まれるべきであることを理解されたい。