(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】圧力に基づく構造的心臓評価システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0215 20060101AFI20241105BHJP
A61F 2/24 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
A61B5/0215 B
A61F2/24
(21)【出願番号】P 2021568593
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(86)【国際出願番号】 US2020032748
(87)【国際公開番号】W WO2020236494
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-12
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519409431
【氏名又は名称】オプセンス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】OPSENS, INC.
【住所又は居所原語表記】750, Boul. du Parc-Technologique Quebec City, Quebec G1P 4S3 Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・ラランセット
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・グッドハート
(72)【発明者】
【氏名】マキシム・ピカール・ドゥラン
(72)【発明者】
【氏名】クロード・ベルヴィル
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0228013(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0071486(US,A1)
【文献】特開2014-018272(JP,A)
【文献】米国特許第06394958(US,B1)
【文献】米国特許第05406952(US,A)
【文献】特表2018-536454(JP,A)
【文献】特表2015-501184(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0257697(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00- 5/03
A61F 2/00
2/02- 4/00
A61M 25/00-29/04
35/00-36/08
37/00
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実行可能命令を少なくとも保存するように構成される非一時的コンピュータ保存媒体と、
前記非一時的コンピュータ保存媒体と通信している1つまたは複数のハードウェア処理装置であって、少なくとも、
第1の圧力センサおよび第2の圧力センサの両方が心臓において位置付けられる間に、前記第1の圧力センサに対して前記第2の圧力センサを較正するように、
前記心臓の第1の部分に位置付けられる前記第1の圧力センサから第1の複数の圧力値を決定するように、
前記心臓の前記第1の部分に隣接する心臓血管領域に位置付けられる前記第2の圧力センサから第2の複数の圧力値を決定するように、
前記第1の複数の圧力値において第1の特徴を検出するように、
前記第2の複数の圧力値において第2の特徴を検出するように、
前記第1の特徴および前記第2の特徴に少なくとも部分的に基づいて心臓弁状態を決定するように、ならびに、
前記心臓弁状態をユーザーインターフェースに表示するように、
前記コンピュータ実行可能命令を実行するように構成される1つまたは複数のハードウェア処理装置と
を備え
、
前記第1の特徴は、前記第1の複数の圧力値での第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方を含み、
前記第1の収縮期または前記第1の拡張期の前記少なくとも一方を検出するようにすることは、
前記第1の複数の圧力値において第1のダイクロティックノッチ特徴を検出することと、
前記第1のダイクロティックノッチ特徴に応じて前記第1の収縮期または前記第1の拡張期の前記少なくとも一方を特定することと
をさらに含み、
前記第1のダイクロティックノッチ特徴を検出するようにすることは、
前記第1の複数の圧力値から、第1の先行点および第1の後続点に少なくとも部分的に基づいて、第1の点についての第1の角度を計算することと、
前記第1の複数の圧力値から、第2の先行点および第2の後続点に少なくとも部分的に基づいて、第2の点についての第2の角度を計算することと、
前記第2の角度は前記第1の角度より小さいことを決定することと、
前記第2の点を前記第1のダイクロティックノッチ特徴として特定することと
をさらに含む、システム。
【請求項2】
前記第1の圧力センサに対して前記第2の圧力センサを較正するようにすることは、
第1の複数の較正圧力値を受信することであって、前記第1の複数の較正圧力値が第1のベクトルに対応しており、前記第1の複数の較正圧力値が、第1の心臓血管領域を測定する前記第1の圧力センサから受信される第1の較正信号に対応する第1の較正圧力値を備える、第1の複数の較正圧力値を受信することと、
第2の複数の較正圧力値を受信することであって、前記第2の複数の較正圧力値が第2のベクトルに対応しており、前記第2の複数の較正圧力値が、前記第1の心臓血管領域を測定する前記第2の圧力センサから受信される第2の較正信号に対応する第2の較正圧力値を備える、第2の複数の較正圧力値を受信することと、
前記第1の較正圧力値および前記第2の較正圧力値に少なくとも部分的に基づいて較正パラメータを計算することと、
をさらに含み、
前記較正パラメータを計算することは、
前記第1のベクトルと前記第2のベクトルとの間に線形適合を決定することをさらに含み、
前記第2の複数の圧力値を決定するようにすることは、
前記較正パラメータを初期の複数の圧力値に適用することをさらに含む、計算することと
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のベクトルは[P
1]に対応し、前記第2のベクトルは[P
2]に対応し、前記較正パラメータはKとbとを含み、前記線形適合を決定することは、関係決定
を[P
1]=K・[P
2]+bとして含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
圧力案内ワイヤと、
第2の圧力感知装置と、
少なくとも、
前記圧力案内ワイヤ及び前記第2の圧力感知装置の両方が同一の心臓血管領域において位置付けられる間に、前記圧力案内ワイヤ又は前記第2の圧力感知装置の他方に対して前記圧力案内ワイヤ又は前記第2の圧力感知装置の一方を較正するように、
第1の心臓血管領域に位置付けられた前記圧力案内ワイヤから第1の複数の圧力値を決定するように、
前記第1の心臓血管領域に隣接する第2の心臓血管領域に位置付けられた前記第2の圧力感知装置から第2の複数の圧力値を決定するように、
前記第1の複数の圧力値において第1の特徴を検出するように、
前記第2の複数の圧力値において第2の特徴を検出するように、
前記第1の特徴および前記第2の特徴に少なくとも部分的に基づいて心臓弁状態を決定するように、ならびに、
前記心臓弁状態をユーザーインターフェースに表示するように
構成される1つまたは複数のハードウェア処理装置と
を備え
、
前記第1の特徴は、前記第1の複数の圧力値での第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方を含み、
前記第1の収縮期または前記第1の拡張期の前記少なくとも一方を検出するようにすることは、
前記第1の複数の圧力値において第1のダイクロティックノッチ特徴を検出することと、
前記第1のダイクロティックノッチ特徴に応じて前記第1の収縮期または前記第1の拡張期の前記少なくとも一方を特定することと
をさらに含み、
前記第1のダイクロティックノッチ特徴を検出するようにすることは、
前記第1の複数の圧力値から、第1の先行点および第1の後続点に少なくとも部分的に基づいて、第1の点についての第1の角度を計算することと、
前記第1の複数の圧力値から、第2の先行点および第2の後続点に少なくとも部分的に基づいて、第2の点についての第2の角度を計算することと、
前記第2の角度は前記第1の角度より小さいことを決定することと、
前記第2の点を前記第1のダイクロティックノッチ特徴として特定することと
をさらに含む、システム。
【請求項5】
前記圧力案内ワイヤまたは前記第2の圧力感知装置の一方を較正するようにすることは、
前記第1の心臓血管領域を測定する前記圧力案内ワイヤから受信される第1の較正信号に対応する第1の較正圧力値を受信することと、
前記第1の心臓血管領域を測定する前記第2の圧力感知装置から受信される第2の較正信号に対応する第2の較正圧力値を受信することと、
前記第1の較正圧力値および前記第2の較正圧力値に少なくとも部分的に基づいて較正パラメータを計算することであって、前記第2の複数の圧力値を決定するようにすることは、
前記較正パラメータを初期の複数の圧力値に適用することをさらに含む、計算することと
をさらに含む、請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の較正圧力値を受信するようにすることは、
第1の複数の較正圧力値を受信することであって、前記第1の複数の較正圧力値は前記第1の較正圧力値を含み、前記第1の複数の較正圧力値は第1のベクトルに対応する、受信することを含み、
前記第2の較正圧力値を受信するようにすることは、
第2の複数の較正圧力値を受信することであって、前記第2の複数の較正圧力値は前記第2の較正圧力値を含み、前記第2の複数の較正圧力値は第2のベクトルに対応する、受信することを含み、
前記較正パラメータを計算するようにすることは、
前記第1のベクトルと前記第2のベクトルとの間に線形適合を決定することをさらに含む、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のベクトルは[P
1]に対応し、前記第2のベクトルは[P
2]に対応し、前記較正パラメータはKとbとを含み、前記線形適合を決定することは、関係決定
を[P
1]=K・[P
2]+bとして含む、請求項
6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権出願への参照による組み込み]
本出願は、2019年5月17日に出願された「Pressure Sensing Guidewires, Systems and Methods for Structural Heart Procedures」という名称の米国仮特許出願第62/849,768号、2019年5月17日に出願された「Heart Valve Assessment Systems and User Interfaces」という名称の米国仮特許出願第62/849,806号、および、2019年5月17日に出願された「Pressure Based Structural Heart Assessment Systems and Methods」という名称の米国仮特許出願第62/849,798号の便益を主張し、それらの各々は、それらの全体において、本明細書により参照によって組み込まれている。
【0002】
本出願は、構造的心臓処置の前、最中、および/または直後において、心臓弁を通る血流についての情報を提供するために血圧を感知するように構成される構造的心臓案内ワイヤと関連付けられる装置、ユーザーインターフェース、アルゴリズム、およびシステムに向けられている。
【背景技術】
【0003】
身体における多くの血管部位へとカテーテルを送達するための案内ワイヤが知られている。血管部位へのアクセスは、柔軟性、押込み性、およびトルク性などの機械的特性の組み合わせによって容易にされる。循環器専門医が患者を治療するかどうかを決定するのを助けるために、冠動脈の処置が、静的な閉塞を通じた血流の測定を可能にするための圧力センサを含むことは知られている。
【0004】
冠状血管における静的な障害の周りでの圧力感知が知られているが、このような概念は、心臓弁の治療のために、および、心臓のポンプ機能を向上させるためになど、構造的心臓処置に適用されこなかった。ポンプ機能は、様々な種類の機械的ポンプで対処されてきた。心臓弁は、歴史的には、心臓切開手術によって治療されてきた。しかしながら、現在、心臓弁は、経皮心臓弁が装着され、このような弁が送達されるカテーテルを用いて、循環器専門医によって置き換えられていることが増えてきている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の概要を述べる目的のために、特定の態様、利点、および新規の特徴が本明細書において検討されている。必ずしもすべてのこのような態様、利点、および特徴が本発明の任意の具体的な実施形態において具現化されるとは限らず、当業者が、本明細書における本開示から、このような態様、利点、または特徴の無数の組み合わせを認識するものであることは、理解されるものである。
【0006】
実施形態によれば、第1の圧力センサおよび第2の圧力センサの両方が心臓にある間に、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するステップと、心臓の第1の部分に位置付けられる第1の圧力センサから第1の複数の圧力値を決定するステップと、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域に位置付けられる第2の圧力センサから第2の複数の圧力値を決定するステップと、較正に少なくとも部分的に基づいて、第2の複数の圧力値を調整するステップと、第1の複数の圧力値において第1の特徴を検出するステップと、調整された複数の圧力値において第2の特徴を検出するステップと、第1の特徴および第2の特徴に少なくとも部分的に基づいて心臓弁状態を決定するステップと、心臓弁状態をユーザーインターフェースに表示するステップとを含む、置換心臓弁の展開の間に心臓弁状態を決定するための方法が開示されている。
【0007】
ある態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するステップは、第1の心臓血管領域を測定する第1の圧力センサから受信される第1の較正信号に対応する第1の較正圧力値を受信するステップと、第1の心臓血管領域を測定する第2の圧力センサから受信される第2の較正信号に対応する第2の較正圧力値を受信するステップと、第1の較正圧力値および第2の較正圧力値に少なくとも部分的に基づいて較正パラメータを計算するステップであって、第2の複数の圧力値を調整するステップは、較正パラメータを第2の複数の圧力値に適用するステップをさらに含む、ステップとをさらに含み得る。
【0008】
別の態様によれば、第1の較正圧力値を受信するステップは、第1の複数の較正圧力値を受信するステップをさらに含むことができ、第1の複数の較正圧力値は第1の較正圧力値を含むことができ、第1の複数の較正圧力値は第1のベクトルに対応でき、第2の較正圧力値を受信するステップは、第2の複数の較正圧力値を受信するステップをさらに含むことができ、第2の複数の較正圧力値は第2の較正圧力値を含むことができ、第2の複数の較正圧力値は第2のベクトルに対応でき、較正パラメータを計算するステップは、第1のベクトルと第2のベクトルとの間に線形適合を決定するステップをさらに含み得る。
【0009】
なおも別の態様によれば、第1のベクトルは[P1]に対応でき、第2のベクトルは[P2]に対応でき、較正パラメータはKとbとを含むことができ、線形適合を決定するステップは、関係決定を実質的に[P1]=K・[P2]+bとして含む。
【0010】
なおも別の態様によれば、第1の特徴は、第1の複数の圧力値での第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方を含み得る。
【0011】
なおも別の態様によれば、第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方を検出するステップは、第1の複数の圧力値において第1のダイクロティックノッチ特徴を検出するステップと、第1のダイクロティックノッチ特徴に応じて第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方を特定するステップとをさらに含み得る。
【0012】
なおも別の態様によれば、第1のダイクロティックノッチ特徴を検出するステップは、第1の複数の圧力値から複数の第2の微分値を計算するステップと、複数の第2の微分値に少なくとも部分的に基づいてゼロ交差の点を特定するステップであって、ゼロ交差の点は第1のダイクロティックノッチ特徴に対応する、ステップとをさらに含み得る。
【0013】
なおも別の態様によれば、第1のダイクロティックノッチ特徴を検出するステップは、第1の複数の圧力値から、第1の先行点および第1の後続点に少なくとも部分的に基づいて、第1の点についての第1の角度を計算するステップと、第1の複数の圧力値から、第2の先行点および第2の後続点に少なくとも部分的に基づいて、第2の点についての第2の角度を計算するステップと、第2の角度は第1の角度より小さいことを決定するステップと、第2の点を第1のダイクロティックノッチ特徴として特定するステップとをさらに含み得る。
【0014】
なおも別の態様によれば、第2の特徴は、調整された複数の圧力値での第2の収縮期または第2の拡張期の少なくとも一方を含み得る。
【0015】
なおも別の態様によれば、心臓弁状態は逆流の指標を含むことができ、心臓弁状態を決定するステップは、逆流の指標を、第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方に応じた第1の複数の圧力値の第1のサブセットと、第2の収縮期または第2の拡張期の少なくとも一方に応じた調整された複数の圧力値の第2のサブセットとに少なくとも部分的に基づいて計算するステップをさらに含み得る。
【0016】
なおも別の態様によれば、心臓弁状態は勾配値を含むことができ、心臓弁状態を決定するステップは、勾配値を、第1の収縮期の間の第1の複数の圧力値の第1のサブセットと、第2の収縮期の間の調整された複数の圧力値の第2のサブセットとの間の差に少なくとも部分的に基づいて計算するステップをさらに含み得る。
【0017】
なおも別の態様によれば、第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方を検出するステップは、第1の複数の圧力値から、上昇する圧力値の第1のサブセットを特定するステップと、第1の複数の圧力値から、局所的に最小の圧力値を特定するステップと、第1のサブセットから正接を決定するステップと、局所的に最小の圧力値と交差する水平線を特定するステップと、正接と水平線との間に第1の交差を特定するステップと、第1の交差に少なくとも部分的に基づいて、第1の拡張期の終了として、または、第1の収縮期の開始として、第1の複数の圧力値から第1の点を特定するステップとをさらに含み得る。
【0018】
なおも別の態様によれば、第1の点を特定するステップは、第1の交差を所定の時間期間によって調整するステップをさらに含み得る。
【0019】
なおも別の態様によれば、所定の時間期間はおおよそ60ミリ秒を含み得る。
【0020】
なおも別の態様によれば、所定の時間期間は、おおよそ40ミリ秒からおおよそ100ミリ秒の間を含み得る。
【0021】
なおも別の態様によれば、第1の点を特定するステップは、心拍周期の百分率で第1の交差を調整するステップをさらに含み得る。
【0022】
なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ8パーセントから12パーセントの間を含み得る。
【0023】
なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ5パーセントから8パーセントの間を含み得る。
【0024】
なおも別の態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するステップは、(i)第1の圧力センサが心臓の第1の部分に位置付けられ、(ii)第2の圧力センサが、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域に位置付けられる間に行われ得る。
【0025】
なおも別の態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するステップは、心臓の第1の部分に位置付けられる第1の圧力センサから第3の複数の圧力値を決定するステップと、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域における第2の圧力センサから第4の複数の圧力値を決定するステップと、第3の複数の圧力値において、収縮期の実質的な開始における値を検出するステップと、第4の複数の圧力値からの値が、第3の複数の圧力値における収縮期の実質的な開始における値に対応するように、第4の複数の圧力値への時間調整を計算するステップであって、第2の複数の圧力値を調整するステップは、時間調整を第2の複数の圧力値に適用するステップをさらに含む、ステップとをさらに含み得る。
【0026】
なおも別の態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するステップは、第3の複数の圧力値においてダイクロティックノッチ特徴を検出するステップと、ダイクロティックノッチ特徴に対応するタイムスタンプを特定するステップと、第3の複数の圧力値から、タイムスタンプにおける第1の値を決定するステップと、第4の複数の圧力値から、タイムスタンプにおける第2の値を決定するステップと、第1の値および第2の値に少なくとも部分的に基づいてゲイン調整を計算するステップであって、第2の複数の圧力値を調整するステップは、ゲイン調整を第2の複数の圧力値に適用するステップをさらに含む、ステップとをさらに含み得る。
【0027】
なおも別の態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するステップは、心臓の第1の部分に位置付けられる第1の圧力センサから第3の複数の圧力値を決定するステップと、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域における第2の圧力センサから第4の複数の圧力値を決定するステップと、第3の複数の圧力値において、収縮期の実質的な開始における値を検出するステップと、第4の複数の圧力値からの値が、第3の複数の圧力値における収縮期の実質的な開始における値に対応するように、第4の複数の圧力値への時間調整を計算するステップと、第3の複数の圧力値においてダイクロティックノッチ特徴を検出するステップと、ダイクロティックノッチ特徴に対応するタイムスタンプを特定するステップと、第3の複数の圧力値から、タイムスタンプにおける第1の値を決定するステップと、第4の複数の圧力値および時間調整から、タイムスタンプにおける第2の値を決定するステップと、第1の値および第2の値に少なくとも部分的に基づいてゲイン調整を計算するステップであって、第2の複数の圧力値を調整するステップは、時間調整およびゲイン調整を第2の複数の圧力値に適用するステップをさらに含む、ステップとをさらに含み得る。
【0028】
なおも別の態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するステップは、第3の複数の圧力値において、拡張期の終了の前または後の心拍周期の百分率の範囲内で収縮期の実質的な開始を特定するステップをさらに含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから1パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから2パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから5パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから10パーセントの間を含み得る。
【0029】
なおも別の態様によれば、ダイクロティックノッチ特徴に対応するタイムスタンプを特定するステップは、第3の複数の圧力値において、ダイクロティックノッチの前または後の心拍周期の百分率の範囲内でタイムスタンプを特定するステップをさらに含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから1パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから2パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから5パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから10パーセントの間を含み得る。
【0030】
なおも別の態様によれば、第1の値はV1に対応でき、第2の値はV2に対応でき、ゲイン調整はgに対応でき、ゲイン調整を計算するステップは、関係決定を実質的に
【0031】
【0032】
としてさらに含み得る。
【0033】
実施形態によれば、コンピュータ実行可能命令を少なくとも保存するように構成される非一時的コンピュータ保存媒体と、非一時的コンピュータ保存媒体と通信している1つまたは複数のハードウェア処理装置であって、少なくとも、心臓の第1の部分に位置付けられる第1の圧力センサから第1の複数の圧力値を決定するように、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域に位置付けられる第2の圧力センサから第2の複数の圧力値を決定するように、第1の複数の圧力値において第1の特徴を検出するように、第2の複数の圧力値において第2の特徴を検出するように、第1の特徴および第2の特徴に少なくとも部分的に基づいて心臓弁状態を決定するように、ならびに、心臓弁状態をユーザーインターフェースに表示するように、コンピュータ実行可能命令を実行するように構成される1つまたは複数のハードウェア処理装置とを備えるシステムが開示されている。
【0034】
ある態様によれば、1つまたは複数のハードウェア処理装置は、第1の圧力センサおよび第2の圧力センサの両方が心臓において位置付けられる間に、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するようにさらに構成され得る。
【0035】
別の態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するようにすることは、第1の心臓血管領域を測定する第1の圧力センサから受信される第1の較正信号に対応する第1の較正圧力値を受信することと、第1の心臓血管領域を測定する第2の圧力センサから受信される第2の較正信号に対応する第2の較正圧力値を受信することと、第1の較正圧力値および第2の較正圧力値に少なくとも部分的に基づいて較正パラメータを計算することであって、第2の複数の圧力値を決定するようにすることは、較正パラメータを初期の複数の圧力値に適用することをさらに含む、計算することとをさらに含み得る。
【0036】
なおも別の態様によれば、第1の較正圧力値を受信するようにすることは、第1の複数の較正圧力値を受信することをさらに含むことができ、第1の複数の較正圧力値は第1の較正圧力値を含み、第1の複数の較正圧力値は第1のベクトルに対応し、第2の較正圧力値を受信するようにすることは、第2の複数の較正圧力値を受信することをさらに含み、第2の複数の較正圧力値は第2の較正圧力値を含み、第2の複数の較正圧力値は第2のベクトルに対応し、較正パラメータを計算しようとすることは、第1のベクトルと第2のベクトルとの間に線形適合を決定することをさらに含む。
【0037】
なおも別の態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するようにすることは、(i)第1の圧力センサが心臓の第1の部分に位置付けられ、(ii)第2の圧力センサが、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域に位置付けられる間に行われ得る。
【0038】
なおも別の態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するようにすることは、心臓の第1の部分に位置付けられる第1の圧力センサから第3の複数の圧力値を決定することと、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域における第2の圧力センサから第4の複数の圧力値を決定することと、第3の複数の圧力値において、収縮期の実質的な開始における値を検出することと、第4の複数の圧力値からの値が、第3の複数の圧力値における収縮期の実質的な開始における値に対応するように、第4の複数の圧力値への時間調整を計算することであって、第2の複数の圧力値を決定するようにすることは、時間調整を初期の複数の圧力値に適用することをさらに含む、計算することとをさらに含み得る。
【0039】
なおも別の態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するようにすることは、第3の複数の圧力値においてダイクロティックノッチ特徴を検出することと、ダイクロティックノッチ特徴に対応するタイムスタンプを特定することと、第3の複数の圧力値から、タイムスタンプにおける第1の値を決定することと、第4の複数の圧力値から、タイムスタンプにおける第2の値を決定することと、第1の値および第2の値に少なくとも部分的に基づいてゲイン調整を計算することであって、第2の複数の圧力値を決定するようにすることは、ゲイン調整を初期の複数の圧力値に適用することをさらに含む、計算することとをさらに含み得る。
【0040】
なおも別の態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するようにすることは、心臓の第1の部分に位置付けられる第1の圧力センサから第3の複数の圧力値を決定することと、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域における第2の圧力センサから第4の複数の圧力値を決定することと、第3の複数の圧力値において、収縮期の実質的な開始における値を検出することと、第4の複数の圧力値からの値が、第3の複数の圧力値における収縮期の実質的な開始における値に対応するように、第4の複数の圧力値への時間調整を計算することと、第3の複数の圧力値においてダイクロティックノッチ特徴を検出することと、ダイクロティックノッチ特徴に対応するタイムスタンプを特定することと、第3の複数の圧力値から、タイムスタンプにおける第1の値を決定することと、第4の複数の圧力値および時間調整から、タイムスタンプにおける第2の値を決定することと、第1の値および第2の値に少なくとも部分的に基づいてゲイン調整を計算することであって、第2の複数の圧力値を決定するようにすることは、時間調整およびゲイン調整を初期の複数の圧力値に適用することをさらに含む、計算することとをさらに含み得る。
【0041】
なおも別の態様によれば、第1の圧力センサに対して第2の圧力センサを較正するようにすることは、第3の複数の圧力値において、拡張期の終了の前または後の心拍周期の百分率の範囲内で収縮期の実質的な開始を特定することをさらに含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから1パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから2パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから5パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから10パーセントの間を含み得る。
【0042】
なおも別の態様によれば、ダイクロティックノッチ特徴に対応するタイムスタンプを特定するようにすることは、第3の複数の圧力値において、ダイクロティックノッチの前または後の心拍周期の百分率の範囲内でタイムスタンプを特定することをさらに含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから1パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから2パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから5パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから10パーセントの間を含み得る。
【0043】
なおも別の態様によれば、第1の値はV1に対応でき、第2の値はV2に対応でき、ゲイン調整はgを含むことができ、ゲイン調整を計算するようにすることは、関係決定を実質的に
【0044】
【0045】
としてさらに含み得る。
【0046】
なおも別の態様によれば、第1の特徴は、第1の複数の圧力値での第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方を含み得る。
【0047】
なおも別の態様によれば、第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方を検出するようにすることは、第1の複数の圧力値において第1のダイクロティックノッチ特徴を検出することと、第1のダイクロティックノッチ特徴に応じて第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方を特定することとをさらに含み得る。
【0048】
なおも別の態様によれば、第1のダイクロティックノッチ特徴を検出するようにすることは、第1の複数の圧力値から複数の第2の微分値を計算することと、複数の第2の微分値に少なくとも部分的に基づいてゼロ交差の点を特定することであって、ゼロ交差の点は第1のダイクロティックノッチ特徴に対応する、特定することとをさらに含み得る。
【0049】
なおも別の態様によれば、第1のダイクロティックノッチ特徴を検出するようにすることは、第1の複数の圧力値から、第1の先行点および第1の後続点に少なくとも部分的に基づいて、第1の点についての第1の角度を計算することと、第1の複数の圧力値から、第2の先行点および第2の後続点に少なくとも部分的に基づいて、第2の点についての第2の角度を計算することと、第2の角度は第1の角度より小さいことを決定することと、第2の点を第1のダイクロティックノッチ特徴として特定することとをさらに含み得る。
【0050】
なおも別の態様によれば、第2の特徴は、調整された複数の圧力値での第2の収縮期または第2の拡張期の少なくとも一方を含み得る。
【0051】
なおも別の態様によれば、心臓弁状態は逆流の指標を含むことができ、心臓弁状態を決定するようにすることは、逆流の指標を、第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方に応じた第1の複数の圧力値の第1のサブセットと、第2の収縮期または第2の拡張期の少なくとも一方に応じた調整された複数の圧力値の第2のサブセットとに少なくとも部分的に基づいて計算することをさらに含み得る。
【0052】
なおも別の態様によれば、心臓弁状態は勾配値を含むことができ、心臓弁状態を決定するようにすることは、勾配値を、第1の収縮期の間の第1の複数の圧力値の第1のサブセットと、第2の収縮期の間の調整された複数の圧力値の第2のサブセットとの間の差に少なくとも部分的に基づいて計算することをさらに含み得る。
【0053】
なおも別の態様によれば、第1の収縮期または第1の拡張期の少なくとも一方を検出するようにすることは、第1の複数の圧力値から、上昇する圧力値の第1のサブセットを特定することと、第1の複数の圧力値から、局所的に最小の圧力値を特定することと、第1のサブセットから正接を決定することと、局所的に最小の圧力値と交差する水平線を特定することと、正接と水平線との間に第1の交差を特定することと、第1の交差に少なくとも部分的に基づいて、第1の拡張期の終了として、または、第1の収縮期の開始として、第1の複数の圧力値から第1の点を特定することとをさらに含み得る。
【0054】
なおも別の態様によれば、第1の点を特定するようにすることは、第1の交差を所定の時間期間によって調整することをさらに含み得る。なおも別の態様によれば、所定の時間期間はおおよそ60ミリ秒を含み得る。なおも別の態様によれば、所定の時間期間は、おおよそ40ミリ秒からおおよそ100ミリ秒の間を含み得る。
【0055】
なおも別の態様によれば、第1の点を特定するようにすることは、心拍周期の百分率で第1の交差を調整することをさらに含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ8パーセントから12パーセントの間を含み得る。なおも別の態様によれば、百分率は、心拍周期のおおよそ5パーセントから8パーセントの間を含み得る。
【0056】
なおも他の実施形態によれば、第1の心臓血管領域に位置付けられるように構成される圧力案内ワイヤと、第1の心臓血管領域に隣接する第2の心臓血管領域に位置付けられるように構成される第2の圧力感知装置と、少なくとも、圧力案内ワイヤから第1の複数の圧力値を決定するように、第2の圧力感知装置から第2の複数の圧力値を決定するように、第1の複数の圧力値において第1の特徴を検出するように、第2の複数の圧力値において第2の特徴を検出するように、第1の特徴および第2の特徴に少なくとも部分的に基づいて心臓弁状態を決定するように、ならびに、心臓弁状態をユーザーインターフェースに表示するように構成される1つまたは複数のハードウェア処理装置とを備えるシステムが開示されている。
【0057】
ある態様によれば、1つまたは複数のハードウェア処理装置は、圧力案内ワイヤまたは第2の圧力感知装置の両方が同じ心臓血管領域に位置付けられている間に、圧力案内ワイヤまたは第2の圧力感知装置の一方を、圧力案内ワイヤまたは第2の圧力感知装置の他方に対して較正するようにさらに構成される。
【0058】
別の態様によれば、圧力案内ワイヤまたは第2の圧力感知装置の一方を較正するようにすることは、第1の心臓血管領域を測定する圧力案内ワイヤから受信される第1の較正信号に対応する第1の較正圧力値を受信することと、第1の心臓血管領域を測定する第2の圧力感知装置から受信される第2の較正信号に対応する第2の較正圧力値を受信することと、第1の較正圧力値および第2の較正圧力値に少なくとも部分的に基づいて較正パラメータを計算することであって、第2の複数の圧力値を決定するようにすることは、較正パラメータを第2の複数の圧力値に適用することをさらに含む、計算することとをさらに含み得る。
【0059】
なおも別の態様によれば、第1の較正圧力値を受信するようにすることは、第1の複数の較正圧力値を受信することをさらに含むことができ、第1の複数の較正圧力値は第1の較正圧力値を含み、第1の複数の較正圧力値は第1のベクトルに対応し、第2の較正圧力値を受信するようにすることは、第2の複数の較正圧力値を受信することをさらに含み、第2の複数の較正圧力値は第2の較正圧力値を含み、第2の複数の較正圧力値は第2のベクトルに対応し、較正パラメータを計算しようとすることは、第1のベクトルと第2のベクトルとの間に線形適合を決定することをさらに含み得る。
【0060】
なおも他の実施形態によれば、心臓の第1の部分に位置付けられる第1の圧力センサによる測定に応答して第1の複数の圧力値から第1の特徴を検出するステップと、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域に位置付けられる第2のセンサによる測定に応答して第2の複数の圧力値から第2の特徴を検出するステップと、第1の特徴および第2の特徴に少なくとも部分的に基づいて心臓弁状態を決定するステップと、心臓弁状態をユーザーインターフェースに表示するステップとを含む、置換心臓弁の展開の間に心臓弁状態を決定するための方法が開示されている。
【0061】
なおも他の実施形態によれば、第1の心臓血管領域を測定する第1の圧力センサから受信される第1の較正信号に対応する第1の較正圧力値を受信するステップと、同じ第1の心臓血管領域を測定する第2の圧力センサから受信される第2の較正信号に対応する第2の較正圧力値を受信するステップと、第1の較正圧力値および第2の較正圧力値に少なくとも部分的に基づいて較正パラメータを計算するステップと、心臓の第1の部分に位置付けられる第1の圧力センサから第1の複数の圧力値を決定するステップと、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域に位置付けられる第2の圧力センサから第2の複数の圧力値を決定するステップと、計算された較正パラメータに少なくとも部分的に基づいて、第2の複数の圧力値を調整するステップと、調整された第2の複数の圧力値を使用して心臓弁状態を決定するステップとを含む、置換心臓弁の展開の間の心臓弁状態を決定するために使用される圧力波形を較正するための方法が開示されている。
【0062】
ある態様によれば、心臓弁状態を決定するステップは、第1の複数の圧力値を使用するステップをさらに含み得る。
【0063】
別の態様によれば、心臓弁状態は弁狭窄の重度の指標を含み得る。
【0064】
別の態様によれば、心臓弁状態は、修正された大動脈の逆流の指標を含み得る。
【0065】
実施形態によれば、第1の複数の圧力値を受信するステップであって、第1の複数の圧力値からの各々の圧力値は、心臓の第1の部分を測定する第1の圧力センサから受信される第1の信号に対応する、ステップと、第2の複数の圧力値を受信するステップであって、第2の複数の圧力値からの各々の圧力値は、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域を測定する第2の圧力センサから受信される第2の信号に対応する、ステップと、第1の勾配型についての第1のユーザーインターフェースを提示するステップであって、第1のユーザーインターフェースは、第1の複数の圧力値に少なくとも部分的に基づく第1のグラフ、第2の複数の圧力値に少なくとも部分的に基づく第2のグラフ、および、第1のグラフと第2のグラフとの間の領域を視覚的に提示する第1の勾配描写であって、その領域は、心臓の第1の部分と心臓の第2の部分との間の圧力の差と、弁の第1の勾配とを指示する、第1の勾配描写を含む、ステップと、第1のユーザーインターフェースを介して、第2の勾配型の使用者選択を受信するステップと、第1のユーザーインターフェースの代わりに、第2の勾配型についての第2のユーザーインターフェースを提示するステップであって、第2のユーザーインターフェースは、第1のグラフおよび第2のグラフ、ならびに、第1のグラフにおける第1のピークと第2のグラフにおける第2のピークとの間の勾配測定を視覚的に提示する第2の勾配描写を含む、ステップとを含む、置換心臓弁の展開の間に患者監視装置の対話型グラフィカルユーザーインターフェースを提示するための方法が開示されている。
【0066】
ある態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、弁の逆流の量を指示する数値をさらに含み得る。
【0067】
別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、第1のグラフにおける第1の点と第2のグラフにおける第2の点との間に逆流の測定を視覚的に提示する逆流描写であって、逆流の測定は弁の量的逆流を指示する、逆流描写をさらに含み得る。
【0068】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、統計的測定に応じて弁の第1の勾配についての数値をさらに含み得る。
【0069】
なおも別の態様によれば、方法は、第2のユーザーインターフェースを介して、第3の勾配型の第2の使用者選択を受信するステップと、第2のユーザーインターフェースの代わりに、第3の勾配型についての第3のユーザーインターフェースを提示するステップであって、第3のユーザーインターフェースは、第1のグラフおよび第2のグラフ、ならびに、第1のグラフにおける第1の点と第2のグラフにおける第2の点との間の第2の勾配測定を視覚的に提示する第3の勾配描写を含む、ステップとをさらに含み得る。
【0070】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、第1の勾配についての第1の数値と、第2の勾配についての第2の数値とをさらに含み得る。
【0071】
なおも別の態様によれば、第1の数値および第2の数値は、第1のグラフと第2のグラフとを含む表示装置に提示される。
【0072】
なおも別の態様によれば、方法は、心電図記録グラフを含む第3のユーザーインターフェースを提示するステップをさらに含み得る。
【0073】
なおも別の態様によれば、方法は、第1の複数の圧力値または第2の複数の圧力値の少なくとも一方から高頻度ペーシングを検出するステップと、高頻度ペーシングの警告をユーザーインターフェースに提示するステップとをさらに含み得る。
【0074】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、第1の勾配についての第1の数値をさらに含むことができ、方法は、使用者心拍選択を受信するステップと、使用者心拍選択に少なくとも部分的に基づいて第1の数値を計算するステップとをさらに含み得る。
【0075】
なおも別の態様によれば、使用者心拍選択は心拍の数をさらに含むことができ、第1の数値を計算するステップは、心拍の数についての統計的測定に応じて第1の数値を決定するステップをさらに含み得る。
【0076】
なおも別の態様によれば、使用者心拍選択は具体的な心拍の選択を含み得る。
【0077】
なおも別の態様によれば、第1の数値を計算するステップは、具体的な心拍について第1の数値を決定するステップをさらに含み得る。
【0078】
なおも別の態様によれば、第1の数値を計算するステップは、具体的な心拍を除く1つまたは複数の他の心拍について第1の数値を決定するステップをさらに含み得る。
【0079】
他の実施形態によれば、コンピュータ実行可能命令を少なくとも保存するように構成される非一時的コンピュータ保存媒体と、非一時的コンピュータ保存媒体と通信している1つまたは複数のハードウェア処理装置であって、少なくとも、心臓の第1の部分に位置付けられる第1の圧力センサから第1の複数の圧力値を決定するように、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域に位置付けられる第2の圧力センサから第2の複数の圧力値を決定するように、第1の勾配型についての第1のユーザーインターフェースを提示するようにであって、第1のユーザーインターフェースは、第1の複数の圧力値に少なくとも部分的に基づく第1のグラフ、第2の複数の圧力値に少なくとも部分的に基づく第2のグラフ、および、第1のグラフにおける第1のピークと第2のグラフにおける第2のピークとの間の第1の勾配測定を視覚的に提示する第1の勾配描写を含む、提示するように、コンピュータ実行可能命令を実行するように構成される1つまたは複数のハードウェア処理装置とを備えるシステムが開示されている。
【0080】
ある態様によれば、1つまたは複数のハードウェア処理装置は、第1のユーザーインターフェースを介して、第2の勾配型の使用者選択を受信するように、第1のユーザーインターフェースの代わりに、第2の勾配型についての第2のユーザーインターフェースを提示するようにであって、第2のユーザーインターフェースは、第1のグラフおよび第2のグラフ、ならびに、第1のグラフと第2のグラフとの間の領域を視覚的に提示する第2の勾配描写であって、その領域は、心臓の第1の部分と心臓の第2の部分との間の圧力の差と、弁の第2の勾配とを指示する、第2の勾配描写を含む、提示するようにさらに構成され得る。
【0081】
別の態様によれば、1つまたは複数のハードウェア処理装置は、第1のユーザーインターフェースを介して、第2の勾配型の使用者選択を受信するように、第1のユーザーインターフェースの代わりに、第2の勾配型についての第2のユーザーインターフェースを提示するようにであって、第2のユーザーインターフェースは、第1のグラフおよび第2のグラフ、ならびに、第1のグラフにおける第1の点と第2のグラフにおける第2の点との間の第2の勾配測定を視覚的に提示する第2の勾配描写を含む、提示するようにさらに構成され得る。
【0082】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、弁の逆流の量を指示する数値をさらに含み得る。
【0083】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、第1のグラフにおける第1の点と第2のグラフにおける第2の点との間に逆流の測定を視覚的に提示する逆流描写であって、逆流の測定は弁の量的逆流を指示する、逆流描写をさらに含み得る。
【0084】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、統計的測定に応じて弁の第1の勾配についての数値をさらに含み得る。
【0085】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、第1の勾配についての第1の数値と、第2の勾配についての第2の数値とをさらに含み得る。
【0086】
なおも別の態様によれば、第1の数値および第2の数値は、第1のグラフと第2のグラフとを含む表示装置に提示され得る。
【0087】
なおも別の態様によれば、1つまたは複数のハードウェア処理装置は、心電図記録グラフを含む第3のユーザーインターフェースを提示するようにさらに構成され得る。
【0088】
なおも別の態様によれば、1つまたは複数のハードウェア処理装置は、第1の複数の圧力値または第2の複数の圧力値の少なくとも一方から高頻度ペーシングを検出し、高頻度ペーシングの警告をユーザーインターフェースに提示するようにさらに構成され得る。
【0089】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、第1の勾配についての第1の数値をさらに含むことができ、1つまたは複数のハードウェア処理装置は、使用者心拍選択を受信するように、および、使用者心拍選択に少なくとも部分的に基づいて第1の数値を計算するようにさらに構成され得る。
【0090】
なおも他の実施形態によれば、第1の心臓血管領域に位置付けられるように構成される圧力案内ワイヤと、第1の心臓血管領域に隣接する第2の心臓血管領域に位置付けられるように構成される第2の圧力感知装置と、少なくとも、圧力案内ワイヤから第1の複数の圧力値を決定するように、第2の圧力感知装置から第2の複数の圧力値を決定するように、第1の勾配型についての第1のユーザーインターフェースを提示するようにであって、第1のユーザーインターフェースは、第1の複数の圧力値に少なくとも部分的に基づく第1のグラフ、第2の複数の圧力値に少なくとも部分的に基づく第2のグラフ、および、弁の第1の勾配についての第1の数値を含む、提示するように構成される1つまたは複数のハードウェア処理装置とを備えるシステムが開示されている。
【0091】
ある態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、第1のグラフにおける第1の点と第2のグラフにおける第2の点との間の第1の勾配測定を視覚的に提示する第1の勾配描写をさらに含み得る。
【0092】
別の態様によれば、1つまたは複数のハードウェア処理装置は、第1のユーザーインターフェースを介して、第2の勾配型の使用者選択を受信するように、第1のユーザーインターフェースの代わりに、第2の勾配型についての第2のユーザーインターフェースを提示するようにであって、第2のユーザーインターフェースは、第1のグラフおよび第2のグラフ、ならびに、第1のグラフと第2のグラフとの間の領域を視覚的に提示する第2の勾配描写であって、その領域は、心臓の第1の部分と心臓の第2の部分との間の圧力の差と、弁の第2の勾配とを指示する、第2の勾配描写を含む、提示するようにさらに構成され得る。
【0093】
なおも別の態様によれば、1つまたは複数のハードウェア処理装置は、第1のユーザーインターフェースを介して、第2の勾配型の使用者選択を受信するように、第1のユーザーインターフェースの代わりに、第2の勾配型についての第2のユーザーインターフェースを提示するようにであって、第2のユーザーインターフェースは、第1のグラフおよび第2のグラフ、ならびに、第1のグラフにおける第1のピークと第2のグラフにおける第2のピークとの間の第2の勾配測定を視覚的に提示する第2の勾配描写を含む、提示するようにさらに構成され得る。
【0094】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、弁の逆流の量を指示する第2の数値をさらに含み得る。
【0095】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、第1のグラフにおける第1の点と第2のグラフにおける第2の点との間に逆流の測定を視覚的に提示する逆流描写であって、逆流の測定は弁の量的逆流を指示する、逆流描写をさらに含み得る。
【0096】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、統計的測定に応じて弁の第1の勾配についての第2の数値をさらに含み得る。
【0097】
なおも別の態様によれば、第1のユーザーインターフェースは、第2の勾配についての第2の数値をさらに含み得る。
【0098】
なおも別の態様によれば、第1の数値および第2の数値は、第1のグラフと第2のグラフとを含む表示装置に提示される。
【0099】
なおも別の態様によれば、1つまたは複数のハードウェア処理装置は、心電図記録グラフを含む第2のユーザーインターフェースを提示するようにさらに構成され得る。
【0100】
圧力を測定する冠動脈案内ワイヤが長年にわたって説明および市販されてきたが、構造的心臓案内ワイヤは開発されていない。したがって、構造的心臓案内ワイヤが、循環器専門医が構造的心臓処置を向上させることができるようにするために必要とされている。
【0101】
構造的心臓処置の間、下流圧力曲線と上流圧力曲線とが、心臓弁の状態と、心臓弁を通る血流の状況とを決定するために使用でき、一部の場合では、患者をいつどのように治療するかを決定するために使用できる。治療される弁および手法に応じて、一部の実践では、下流圧力曲線は、案内カテーテルの圧力センサ、圧力案内ワイヤ、または、圧力を感知することができる他の装置によって提供され得る。上流圧力曲線は、圧力案内ワイヤ、または、下流圧力測定の上流の圧力を感知することができる他の装置によって提供され得る。他の実践では、上流圧力曲線は、案内カテーテル圧力センサ、圧力案内ワイヤ、または、圧力を感知することができる他の装置によって提供され得る。下流圧力曲線は、圧力案内ワイヤ、または、上流圧力測定の下流の圧力を感知することができる他の装置によって提供され得る。
【0102】
例えば、心臓弁を評価するための一部の方法は、アクセス位置において患者の血流通路にアクセスするステップを含む。アクセス位置は、大腿動脈、橈骨動脈、大腿静脈、橈骨静脈、左心室尖、または他の場所であり得る。圧力案内ワイヤは、アクセス位置を通じて、例えば、評価、治療、または置換される心臓弁といった、患者の治療部位に隣接する場所へと前進させられ得る。圧力案内ワイヤとは別の圧力感知装置が、例えば、弁の側と反対の心臓弁の側へといった、治療部位の反対側へと前進させることでき、そこで、圧力案内ワイヤの遠位先端に向けて位置させられる圧力感知装置が位置させられる。圧力感知装置は、大動脈のピグテールカテーテル、案内カテーテル、圧力案内ワイヤ、または、圧力を感知することができる他の装置を備え得る、または、それらに配置され得る。バルーンまたは置換心臓弁などの治療装置が、圧力案内ワイヤにわたって前進させられ得る。一部の実践では、圧力感知装置は、例えば大動脈または心房におけるといった、心臓弁の第1の側における圧力を感知でき、圧力案内ワイヤは、例えば左心室または右心室におけるといった、心臓弁の第2の側における圧力を感知できる。一部の実践では、圧力感知装置は心腔における圧力を感知することができ、圧力案内ワイヤは、例えば第2の心腔または大動脈におけるといった、心臓弁の反対の血流通路における圧力を感知することができる。特定の例は、左心室における圧力を感知するために圧力感知装置を左心室に位置付けすることと、大動脈における圧力を感知して、経心尖で心臓にアクセスする手法から大動脈弁を評価するために、圧力案内ワイヤを大動脈に位置付けることとを含む。別の特定の例は、左心室における圧力を感知するために圧力感知装置を左心室に位置付けすることと、左心房における圧力を感知して、経心尖で心臓にアクセスする手法から僧帽弁を評価するために、圧力案内ワイヤを左心房に位置付けることとを含む。圧力測定は、心臓弁および/または弁逆流の前後での圧力勾配など、弁の様子の状態を測定するために使用できる。
【0103】
本明細書に記載されている方法は、圧力感知装置と圧力案内ワイヤとの間で圧力測定を同等化するステップを含み得る。圧力同等化は、大動脈または左心室など、任意の場所で行うことができる。圧力測定を同等化するステップは、圧力感知装置から生成される圧力曲線と、圧力案内ワイヤから生成される圧力曲線との間の位相遅れを自動または手動で調整するステップを含み得る。
【0104】
本明細書に記載されている一部の方法は、心臓および/または心臓血管の状態の対処および/または治療に向けられている。一部の場合では、方法は、構造的心臓状態を治療することを含む。例えば、方法は、アクセス位置において患者の血流通路にアクセスするステップ、アクセスカテーテルを、アクセス位置を通じて心臓における場所へと前進させるステップ、圧力案内ワイヤを、アクセスカテーテルを通じて前進させるステップ、および/または、圧力案内ワイヤを使用して圧力を感知するステップを含み得る。方法は、圧力案内ワイヤを通じて高頻度ペーシングを誘導するステップも含み得る。例えば、電流が圧力案内ワイヤの近位区分から圧力案内ワイヤの芯ワイヤを通じて圧力案内ワイヤの遠位区分へと送られてもよい。アクセスカテーテルまたは他の送達カテーテルが、高頻度ペーシングの圧力案内ワイヤにおける電流から患者を絶縁することができる。一部の構成では、圧力案内ワイヤは、圧力案内ワイヤの少なくとも一部分に沿って絶縁体を備えてもよく、例えば、PTFE層などのポリマ層が、電流の適用が望まれない場合、高頻度ペーシングの圧力案内ワイヤから患者を絶縁することができる。圧力感知を高頻度ペーシングの能力と組み合わせることで、これらの方法は、これらの能力を連続的に適用するために、別のペーシング装置の必要性および/またはこのような装置の交換の必要性を排除する。
【0105】
様々な圧力案内ワイヤの構成が、本明細書に記載されている圧力感知方法に適している。これらの圧力案内ワイヤは、圧力案内ワイヤにわたって前進させられる他のカテーテルを案内することができる。カテーテルの遠位区分は、非外傷性の先端を提供するために湾曲を含んでもよい。圧力案内ワイヤは、例えば、圧力案内ワイヤの遠位端を貫く流体の流れまたは構造の通路を防止するために、圧力案内ワイヤの遠位端を包囲するための遠位先端を備え得る。
【0106】
本明細書に記載されている圧力案内ワイヤのうちの一部は、それ自体を貫いて延びる管腔を有する外側管を備え得る。外側管の少なくとも一部分は、コイル部分および/またはコネクタ管を備える。圧力案内ワイヤは、外側管の管腔の少なくとも一部分を通じて延びる芯ワイヤも備え得る。一部の構成では、芯ワイヤは外側管の管腔の実質的全長または全長で延び得る。芯ワイヤは、先細り部分などの縮小された直径の部分を備えてもよい。圧力案内ワイヤは、圧力センサと、圧力センサから圧力案内ワイヤの近位端に向けて延びる1つまたは複数の圧力ワイヤリードとを有する圧力センサ組立体も備え得る。例えば、圧力センサは、光学センサ、電気センサ、MEMSセンサ、または膜に基づくセンサとでき、圧力ワイヤリードは光ファイバまたは電線とできる。圧力センサは、径方向において、芯ワイヤの縮小された直径の部分と外側管のコイル部分との間に位置付けられ得る。圧力センサはセンサ筐体の中に配置され得る、または、外側管自体がセンサ筐体を提供し得る。圧力センサは、コイル部分における空間を通じて、および/または、センサ筐体における1つもしくは複数の開口を通じて、圧力案内ワイヤの外側の血流に露出させられ得る、または、圧力案内ワイヤの外側の血流と圧力連通し得る。
【0107】
少なくとも1つの圧力ワイヤリードの少なくとも一部分が外側管と同心でなくてもよい。例えば、圧力ワイヤリードの第1の区域が外側管と同心とでき、圧力ワイヤリードの第2の区域が外側管の長手方向軸に対して非同軸とできる。第2の区域は芯ワイヤの径方向外側に位置付けられ得る。例えば、芯ワイヤが縮小された直径を有する圧力案内ワイヤの遠位領域には、圧力センサが外側管の長手方向軸に対して非同軸に位置付けられるようにするために、芯ワイヤと外側管との間に空間があり得る。圧力センサが圧力案内ワイヤの遠位領域に位置させられるとき、圧力案内ワイヤは、心臓の腔においてより中心に位置させられる位置において圧力を測定することができる一方で、芯ワイヤは遠位領域において構造的な完全性を維持する。しかしながら、圧力ワイヤリードの少なくとも一部分が、圧力案内ワイヤの近位端における光学コネクタまたは他のコネクタへの連結を用意にするために外側管と同心となることは、有益であり得る。
【0108】
外側管は、少なくとも1つの圧力ワイヤリードを、外側管と同心である第1の区域から、外側管と同心でない第2の区域へと移行させることができるように構成される開口を備え得る。開口は、切り取られた部分的な厚さであり得る、または、外側管の厚さ全体を貫いて延び得る。開口が外側管の厚さ全体を貫いて延びる場合、流体が開口を通じて圧力案内ワイヤへ流れるのを防止するために、例えば接着剤を使用して、開口は封止されてもよい。
【0109】
一部の実践では、高頻度ペーシングを誘導するために、電流が芯ワイヤを通じて案内ワイヤの外側における伝導性の表面に送られ得る。芯ワイヤが圧力案内ワイヤの作業長さの実質的全体または全体で延びるとき、電流発生機は、電流を、芯ワイヤへと、または、芯ワイヤの近位部分と直接的もしくは間接的に接触している露出させられた導体へと、直接的に送ることができる。追加または代替で、電流は、伝導性管および/またはコイルに送られてから、例えば別の伝導性コネクタを通じて、芯ワイヤへと直接的または間接的に伝えられてもよい。一部の構成では、圧力案内ワイヤの外側管は、患者を芯ワイヤから絶縁するために、圧力案内ワイヤの少なくとも一部分に沿って、例えばPTFEなどのポリマ層といった絶縁体を備えてもよい。
【0110】
本明細書に記載されている圧力案内ワイヤの一部は、コネクタ管、芯ワイヤ、コイル部分、および/または圧力センサ組立体を備える。コネクタ管は、電流発生機がコネクタ管に連結され得るように、電圧力案内ワイヤの近位端から延び得る。芯ワイヤは、例えばコネクタ管の遠位端を通じて、コネクタ管の遠位端の遠位に延び得る、または、コネクタ管の遠位端の遠位に延び得る。芯ワイヤは、先細り部分などの縮小された直径の部分を備えてもよい。一部の実践では、電流が高頻度ペーシングのためにコネクタ管から芯ワイヤへと直接的または間接的に送られ得る。例えば、電流は、光学的感知を用いるとき、光学的連結のためのコネクタとは別のコネクタを介して、コネクタ管から芯ワイヤへと送られてもよい。
【0111】
コイル部分は、コネクタ管の遠位端の遠位に位置付けられてもよく、芯ワイヤの少なくとも一部分を包囲してもよい。コイル部分は、コイル部分の他の区域または残りの部分より剛性のある例えば管または溶接といったセンサ筐体区域を備えてもよい。圧力センサ組立体の圧力センサは、コイル部分のセンサ筐体区域の中に配置され得る。この構成において、コイル部分のセンサ筐体区域は、血液、または、血液と圧力連通している他の流体を、圧力センサに到達させるために、1つまたは複数の開口を備え得る。
【0112】
圧力センサ組立体は、圧力センサと、圧力センサから圧力案内ワイヤの近位端に向けて延びる1つまたは複数の圧力ワイヤリードとを備え得る。例えば、圧力センサは、光学センサ、電気センサ、MEMSセンサ、または膜に基づくセンサとできる。圧力センサは、流体がコイル部分における空間を通じて圧力センサへと流れることができるように、径方向において、芯ワイヤの縮小された直径の部分とコイル部分との間に位置付けられ得る。一部の構成では、圧力センサ組立体は、圧力センサにわたって配置される別の圧力筐体を備えてもよい。
【0113】
圧力ワイヤリードは光ファイバまたは電線とできる。少なくとも1つの圧力ワイヤリードの第1の区域がコネクタ管と同心とでき、圧力ワイヤリードの第2の区域がコネクタ管の長手方向軸に対して非同軸とできる。圧力ワイヤリードの第2の区域は芯ワイヤの径方向外側に位置付けられ得る。コネクタ管の管壁は、圧力ワイヤリードを、コネクタ管と同心である第1の区域から、コネクタ管の長手方向軸に対して非同軸である第2の区域へと移行させることができるように、開口を備え得る。開口は、切り取られた部分的な厚さであり得る、または、コネクタ管の厚さ全体を貫いて延び得る。開口が外側管の厚さ全体を貫いて延びる場合、流体が開口を通じて圧力案内ワイヤへの流れるのを防止するために、開口は封止されてもよい。他の構成では、圧力案内ワイヤは、圧力ワイヤリードを、コネクタ管と同心である第1の区域から、コネクタ管の長手方向軸に対して非同軸である第2の区域へと移行させることができるように、開口を伴う別のコネクタを備え得る。
【0114】
本明細書で検討されている圧力案内ワイヤの一部は、外側管、外側管の径方向内側に位置付けられるコネクタ管、圧力センサ組立体、および/または、外側管の遠位端における遠位先端を備える。外側管は一様または実質的に一様な直径を有し得る。芯ワイヤがコネクタ管の遠位に位置付けられてもよい。芯ワイヤは、先細り部分などの縮小された直径の部分を有してもよい。圧力センサ組立体は、例えば径方向において外側管のコイル部分と芯ワイヤとの間で、コネクタ管の遠位に位置付けられる圧力センサを備え得る。圧力センサ組立体は、圧力センサからコネクタ管の管腔を通じて延びる1つまたは複数の圧力ワイヤリードも備え得る。
【0115】
圧力案内ワイヤは、例えば、外側管において、または、圧力センサにわたってであるが外側管の中において、センサ筐体を備えてもよい。センサ筐体は、血液または他の流体を圧力センサへと流すことができるように、少なくとも1つの開口を備え得る。この構成では、圧力案内ワイヤは、センサ筐体から圧力案内ワイヤの近位端に向けて近位へ延びる第2のコイル部分を備え得る。外側管のコイル部分は、圧力案内ワイヤの作業長さの大部分に沿って、または、圧力案内ワイヤの実質的に作業長さ全体に沿って延び得る。コネクタ管の近位端が、高頻度ペーシングを容易にするために、第2のコイル部分の近位端から露出させられ得る。例えば、コネクタ管の長さの10パーセント未満または5パーセント未満が、第2のコイル部分の近位端から露出させられ得る。
【0116】
様々な実施形態において、プログラム命令が一緒に具現化されているコンピュータ読取可能保存媒体と、上記および/または下記の実施形態のうちの1つまたは複数の態様(添付の請求項の1つまたは複数の態様を含む)を含む動作をそれ自体で実施するためにプログラム命令を実行するように構成される1つまたは複数の処理装置とを備えるシステムおよび/またはコンピュータシステムが開示されている。
【0117】
様々な実施形態において、プログラム命令を実行する1つまたは複数の処理装置によって、上記および/または下記の実施形態のうちの1つまたは複数(添付の請求項の1つまたは複数の態様を含む)が実践および/または実施される、コンピュータで実施される方法が開示されている。
【0118】
様々な実施形態において、コンピュータ読取可能保存媒体を備えるコンピュータプログラム製品が開示されており、コンピュータ読取可能保存媒体は、それと一緒に具現化されるプログラム命令を有し、プログラム命令は、上記および/または下記の実施形態のうちの1つまたは複数の態様(添付の請求項の1つまたは複数の態様を含む)を含む動作を1つまたは複数の処理装置に実施させるために、1つまたは複数の処理装置によって実行可能である。
【0119】
これらおよび他の特徴、態様、および利点は、例示の目的のために意図されており、実施形態の範囲を限定するとして解釈されるべきではない図面を参照して、以下において記載されている。さらに、異なる開示された実施形態の様々な特徴は、追加の実施形態を形成するために組み合わされてもよく、これは本開示の一部である。図面では、同様の符号は、同様の実施形態を通じて一貫して、対応する特徴を意味している。以下は、図面の各々の簡単な説明である。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【
図1A】心臓において展開された圧力案内ワイヤの概略図である。
【
図1B】心臓において展開された圧力案内ワイヤの概略図である。
【
図1C】心臓において展開された圧力案内ワイヤの概略図である。
【
図1D】心臓において展開された圧力案内ワイヤの概略図である。
【
図1E】心臓において展開された圧力案内ワイヤの概略図である。
【
図1F】心臓において展開された圧力案内ワイヤの概略図である。
【
図2A】構造的心臓装置の送達を容易にするために適合されたコンソールおよび案内ワイヤを備えるシステムの概略図である。
【
図2B】
図2のシステムへと組み込まれ得る圧力感知案内ワイヤのコイル状遠位先端の平面図である。
【
図2C】大動脈ピグテールカテーテルと、TAVR送達システムのための案内カテーテルとを含むシステムの横方向の断面図である。
【
図2D】TMVR送達システムのための案内カテーテルを含むシステムの横方向の断面図である。
【
図3】
図2Bに示された圧力感知案内ワイヤの変形のうちの1つの概略図である。
【
図4】
図2Bに示された圧力感知案内ワイヤの変形のうちの別の1つの断面図である。
【
図5】
図2Bに示された圧力感知案内ワイヤの変形のうちの別の1つの概略図である。
【
図6】
図2Bに示された圧力感知案内ワイヤの変形のうちの別の1つの断面図である。
【
図7】
図2Bに示された圧力感知案内ワイヤの変形のうちの別の1つの概略図である。
【
図8】
図2Bに示された圧力感知案内ワイヤの変形のうちの別の1つの概略図である。
【
図9】
図2Bに示された圧力感知案内ワイヤの変形のうちの別の1つの断面図である。
【
図10A】心臓弁評価システムのためのユーザーインターフェースの図である。
【
図10B】心臓弁評価システムのためのユーザーインターフェースの図である。
【
図10C】心臓弁評価システムのためのユーザーインターフェースの図である。
【
図10D】心臓弁評価システムのためのユーザーインターフェースの図である。
【
図10E】心臓弁評価システムのためのユーザーインターフェースの図である。
【
図11A】心臓弁評価システムのための追加のユーザーインターフェースの図である。
【
図11B】心臓弁評価システムのための追加のユーザーインターフェースの図である。
【
図11C】心臓弁評価システムのための追加のユーザーインターフェースの図である。
【
図12】心臓弁評価システムのための構成ユーザーインターフェースの図である。
【
図13】ユーザーインターフェース生成過程の流れ図である。
【
図28】本明細書で検討されている様々な方法およびシステムが実践され得る心臓弁評価システムの他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0121】
本出願は、弁形成処置、経カテーテル大動脈弁埋込(TAVI)処置と呼ばれることもある経カテーテル大動脈弁置換(TAVR)処置、および、経カテーテル僧帽弁置換(TAMR)処置を含む外科心臓処置の間に圧力曲線を提供するためのシステムおよび方法に向けられている。システムおよび方法は、構造的心臓処置の重大な局面を完結するときに循環器専門医を支援するために使用できる。本明細書における実施形態は、大動脈弁、僧帽弁、または他の心臓弁などの構造的心臓装置の展開の前、最中、および/または直後において、心臓弁の状態を、ユーザーインターフェース出力によって、例えば図式的に伝えるために使用できる。本明細書における実施形態は、大動脈弁、僧帽弁、または他の心臓弁などの構造的心臓装置の展開の前、最中、および/または直後において、心臓弁を通る血流の性質を伝えるために使用できる。新規の表示装置は、処置を簡潔にし、処置を円滑に行い、処置の成功を増加させるために、患者の状態の直感的および/または即時の感知を提供する。ユーザーインターフェース出力のさらなる検討は、本出願のIII節において見出すことができる。
【0122】
本明細書に記載されているシステムおよび方法から得られる圧力測定は、弁逆流の指標、または、生来の心臓弁、先に置かれた置換心臓弁、もしくは現在埋め込まれている置換心臓弁の前後の圧力勾配など、心臓弁または血流の指標を計算するために使用され得る。弁逆流の指標および圧力勾配は、循環器専門医に心臓弁を適切に評価させることができる。心臓収縮の間、大動脈弁の前後のより大きい圧力勾配(または、大動脈におけるより低い圧力)は、より大きな弁の石灰化を示すことができる。心臓拡張の終了におけるより小さい逆流の指標は、より大きな逆流を示すことができる。このような計算のさらなる検討は、本出願のIII節およびIV節において見出すことができる。
【0123】
I. 例の方法論
図1A~
図1Fは、構造的心臓処置の間に心臓にアクセスする様々な方法を示している。圧力案内ワイヤ30または圧力感知装置(例えばピグテールカテーテル10もしくはアクセスカテーテル20)の一方が、(流れに関して)上流圧力曲線を計算するために使用でき、圧力案内ワイヤ30または圧力感知装置の他方が、(流れに関して)下流圧力曲線を計算するために使用できる。特定の方法が、具体的な心臓弁およびアクセスする手法に関して以下に記載されているが、同様のシステムは、三尖弁または肺動脈弁などの他の弁を評価するために使用されてもよい。
【0124】
図1Aは、既存または置換の大動脈の心臓弁の性能を測定するためのシステムおよび方法を示している。既存の心臓弁は、後の処置においてアクセスされる生来の疾患のある弁、または、先に埋め込まれた置換心臓弁であり得る。図示されているように、ピグテールカテーテル10が、下流圧力曲線を提供するために、例えば大動脈Aにおける大動脈弁の下流といった、治療部位の下流に位置付けられ得る。ピグテールカテーテル10は、治療部位の視覚化を容易にするように造影剤を送達するために使用されてもよい。アクセスカテーテル20は、ピグテールカテーテル10と同じかまたは異なるアクセス部位から心臓へと送達され得る。アクセスカテーテル20、または、アクセスカテーテル20と交換された別の送達カテーテルが、弁膨張バルーン、置換弁、および/または他の装置を治療部位へと前進させるために使用され得る。圧力案内ワイヤ30が、上流圧力曲線を提供するために、アクセスカテーテル20を通じて、例えば左心室LVなどにおける治療部位の上流の位置まで延び得る。圧力案内ワイヤ30は、例えば、非外傷性湾曲部の中、非外傷性湾曲部への移行部、または非外傷性湾曲部の近位(
図2B参照)においてといった、圧力案内ワイヤ30の遠位区分に沿ういずれかの場所に、圧力センサ40を備え得る。心臓に入る前に、大腿または橈骨からの手法など、動脈の手法を用いてアクセスが提供される。
図1Bは、ピグテールカテーテル10および/またはアクセスカテーテル20の一方または両方が、外部圧力感知の使用で圧力読取りを提供するために使用され得ることを除いて、
図1Aと同様の構成を示している。カテーテル20は、圧力案内ワイヤ30によって読み取られる圧力と同様に、下流の圧力の測定を可能にすることができる。この構成は、外部の圧力センサを圧力案内ワイヤと同等化するために使用できる。代替で、アクセスカテーテルと交換される任意の他の送達カテーテルが、下流圧力曲線を提供するために使用されてもよい。一部の場合では、下流の圧力の出力が、ピグテールカテーテル10およびアクセスカテーテル20のいずれかかまたは両方の圧力信号と結合させることができるコンソールによって受信され得る。
【0125】
下流の圧力感知装置と上流の圧力感知装置との間で圧力読取りを同等化することが重要であり得る。同等化は、圧力の正確性(ゲインおよびオフセット)の意味において行われてもよいが、2つの圧力曲線の間の位相遅れの意味において行われてもよい。例えば、圧力読取りは、同じ大まかな解剖学的領域において、下流の圧力感知装置および上流の圧力感知装置から取られてもよく、圧力測定は、2つの圧力曲線の間の位相遅れについて手動または自動で調整されてもよい。
図1Bに示されているように、同等化のための圧力測定は左心室LVから取られてもよい。この手法では、下流の圧力の出力はアクセスカテーテル20によって提供され、上流の圧力の出力は圧力案内ワイヤ30によって提供される。アクセスカテーテル20の感知特徴部(カテーテル20における流体の柱の遠位端)は、圧力案内ワイヤ30の感知特徴部に隣接するように前進させられる。アクセスカテーテル20の感知特徴部と圧力案内ワイヤ30の感知特徴部とは、左心室LVに配置されるように確保され得る。アクセスカテーテル20の感知特徴部と圧力案内ワイヤ30の感知特徴部とは、左心室LVにおいて同様の位置になるように確保され得る。
【0126】
図1Cは、圧力センサ40が圧力案内ワイヤ30の非外傷性湾曲部の近位に位置させられている。例えば、ピグテールカテーテル10の感知特徴部(カテーテル10における流体の柱の遠位端)は、圧力案内ワイヤ30の感知特徴部に隣接するように前進させられる。ピグテールカテーテル10の感知特徴部と圧力案内ワイヤ30の感知特徴部とは大動脈Aに配置されるように確保され得る。この構成において、圧力同等化は大動脈Aにおいて実施され得る。圧力同等化の後、圧力案内ワイヤ30は、上流圧力曲線を提供するために左心室LVへと前進させられ得るが、ピグテールカテーテル10は下流圧力曲線を提供するために大動脈Aに留まる。
【0127】
図1Dにおいて、ピグテールカテーテル10は、下流圧力曲線を提供するために大動脈Aに位置付けられ得る。圧力案内ワイヤ30は、上流圧力曲線を提供するために、この実施形態ではピグテールカテーテル10を通じて延びる。この構成において、圧力同等化は大動脈Aにおいて実施され得る。例えば、圧力案内ワイヤ30の感知特徴部は、ピグテールカテーテル10における流体柱の端、またはその端のすぐ遠位へと前進させることができる。圧力案内ワイヤ30の感知特徴部からの信号と流体柱とが、それらを同等化するために比較され得る(後でIV節においてさらに検討されている)。圧力同等化の後、圧力案内ワイヤ30は、通常行われるように、大動脈のピグテールから回収され、アクセスカテーテルを介して左心室に挿入され得るが、ピグテールカテーテル10は下流圧力曲線を提供するために大動脈Aに留まる。
【0128】
本明細書に記載されているシステムは、既存または置換の僧帽弁の性能を測定するために使用されてもよい。例えば、
図1Eに示されているように、アクセスカテーテル20は、例えば大腿の手法から、例えば下大静脈または上大静脈VCを通じてといった静脈血管系を通じて、右心房RAへと前進させられ得る。次に、アクセスカテーテル20は、心房中隔を通じて、左心房LAにおける位置まで前進させられ得る。一部の変形では、アクセスカテーテル20は、患者の卵円孔を通じたアクセスを提供するように構成され得る、または、このようなアクセスを提供した案内ワイヤまたは装置を追跡するように構成され得る。アクセスカテーテル20、または、アクセスカテーテル20と交換された別の送達カテーテルが、弁膨張バルーン、置換弁、および/または他の装置を治療部位へと前進させるために使用され得る。圧力案内ワイヤ30はアクセスカテーテル20を通じて左心室LVへと延びてもよい。アクセスカテーテル20は、上流圧力曲線を生成するために使用され得る圧力信号を提供でき、一方で圧力案内ワイヤ30は、下流圧力曲線を生成するために使用され得る圧力信号を提供する。代替で、アクセスカテーテルと交換される任意の他の送達カテーテルが、上流圧力曲線を提供するために使用されてもよい。
【0129】
同様のシステムが、大動脈または僧帽弁の処置のための心尖部の手法で使用されてもよい。例えば、
図1Fに示されているように、アクセスカテーテル20は、心臓の尖Pを通じて左心室LVにアクセスすることができる。別の装置(図示されていない)が、尖Pを貫く経路を開けるために使用できる。アクセスカテーテル20は装置などを通じて前進させられ得る。アクセスカテーテル20、または、アクセスカテーテル20と交換された別の送達カテーテルが、弁膨張バルーン、置換弁、および/または他の装置を治療部位へと前進させるために使用され得る。圧力案内ワイヤ30は、大動脈弁の処置において、アクセスカテーテル20を通じて大動脈Aへと延び得る。アクセスカテーテル20は、上流圧力曲線を計算するために使用され得る圧力信号を提供でき、一方で圧力案内ワイヤ30は、下流圧力曲線を計算するために使用され得る信号を提供することができる。代替で、アクセスカテーテルと交換される任意の他の送達カテーテルが、上流圧力曲線を提供するために使用されてもよい。
【0130】
図1Fは、心臓の尖Pを介した大動脈弁の評価または処置を示しているが、圧力案内ワイヤ30は、その感知特徴部が左心房にあるように僧帽弁Mを通じて前進させることができる。この方法では、圧力案内ワイヤは、左心房圧力曲線(流れの観点から、近位または上流圧力曲線)を計算するために使用できる圧力信号を提供することができる。アクセスカテーテル20は、左心室圧力曲線(流れの観点から、遠位または下流圧力曲線)を計算するために使用できる圧力信号を生成することができる。
【0131】
弁形成または弁埋め込み処置と呼ばれることもある弁膨張処置の間、心臓弁を通じた生来の循環が、弁形成バルーン、弁置換送達システム、または他の治療装置によって妨げられる可能性がある。しかしながら、心臓がポンプ作用しているとき、左心室LVからの圧力または心筋の圧縮は、治療装置を大動脈Aへと戻すように駆動し、治療装置を適切に位置付けることを難しくする可能性がある。高頻度ペーシング、または左心室LVを細動除去することは、大動脈Aと左心室LVとの間の圧力勾配を低減させ、心筋の力を低減させることもでき、臨床医に処置を完結させることができる。従来の高頻度ペーシングは、一時的なペースメーカーを心臓に導入することを伴い得るが、これは、例えば静脈のアクセス位置といった別のアクセス位置を通常は必要とする。一時的なペースメーカーは、心臓を火傷させ、他の合併症を引き起こす可能性もある。代わりに、圧力案内ワイヤ30が高頻度ペーシングを実施するために使用されてもよい。先に説明されているように、圧力案内ワイヤ30は、アクセスカテーテル20または他の送達カテーテルと同じアクセス位置を通じて導入でき、これはアクセス位置の全体の数を減らせる。電流が、後でさらに詳細に説明されるように、近位区分の圧力案内ワイヤに送られ、コネクタ管および/または芯ワイヤを介して圧力案内ワイヤの遠位区分へと送信され得る。アクセスカテーテル20または他の送達カテーテルは、火傷を防止するために、少なくとも高頻度ペーシングの圧力案内ワイヤ30の中間区分を患者から絶縁することができる。代替または追加で、圧力案内ワイヤ30は、圧力案内ワイヤ30を隔離するために、絶縁部分を備えてもよい。
図2Bに示されているように、圧力案内ワイヤの遠位区分は、電流を心室壁における複数の場所で接触させる湾曲部を備え得る。
【0132】
II. 圧力ワイヤシステムの概要およびその使用
図2Aは、患者の血管系において使用され得る診断システム200を示している。診断システム200は、弁損傷の度合いが、バルーン膨張(例えば弁形成)、弁置換、または他のカテーテル介入が実施されるべきであることを指示するだけの重大さかどうかを決定するように構成されている。
【0133】
診断システム200は、圧力案内ワイヤ208に結合されるように構成される監視組立体204を備え得る。診断システム200は、監視組立体204の圧力案内ワイヤ208への連結、および、監視組立体204からの圧力案内ワイヤ208の連結解除を容易にする連結部(点線Aによって指示されている)を備え得る。監視組立体204への連結および監視組立体204からの連結解除は、心臓弁損傷の効果を評価するために、臨床医に圧力案内ワイヤ208を始めに使用させるときに有用である。圧力案内ワイヤ208は、バルーンカテーテルまたは弁送達システムなどの治療装置を送達するために使用されてもよい。
【0134】
ファイバ光学インターフェースケーブル202が、ハンドル207を用いて圧力案内ワイヤ208を監視組立体204と結合するために使用され得る。一部の実施形態では、システム200は、血管系にアクセスするために使用される管状のカテーテル本体から入力を受信する。例えば、アクセスカテーテル20はアクセスカテーテルであり得る。アクセスカテーテル20の圧力感知の遠位先端、またはアクセスカテーテル20における圧力感知の遠位先端は、例えば大動脈におけるといった治療部位の第1の側における圧力に対応する圧力信号が得られるように、治療部位に隣接して位置付けられ得る。この圧力測定は、本明細書ではPaと称されることもある。他の構成では、システム200は、Paを得るために、圧力案内ワイヤとは別に送達されるピグテールカテーテルなどの圧力感知装置を備え得る。
【0135】
圧力案内ワイヤ208は任意の適切な形態を取ることができる。例えば、圧力案内ワイヤ208は、患者の外側に位置付けられる近位端と、アクセスカテーテル20を通じて血管系へと前進させられ得る遠位端とを有する近位区分を含み得る。圧力案内ワイヤ208は、押込み性およびトルク性のための構造的な完全性を維持しつつ、曲がりくねった血管系を通り抜けるために、柔軟性を有するように構成され得る。例えば、少なくとも圧力案内ワイヤ208の近位区域は、構造的な完全性のために、コネクタ管および/または芯によって支持され得る一方で、圧力案内ワイヤ208の遠位区域は、より大きな柔軟性を提供し、穿刺を防止するために、
図2Bに示されているコイル状の端などの非外傷性湾曲部250を備えるように形成され得る。他の構成では、湾曲した遠位区域が、非外傷性湾曲部250を提供するために圧力案内ワイヤ208に結合されてもよい。
【0136】
任意の感知様式が使用できる。例えば、光学センサが、血液に露出させられるときに圧力を感知するように構成され得る。光学センサは、圧力案内ワイヤ208の外部と流体連通している圧力案内ワイヤ208の内部空間の中に配置され得る。センサは、光学的または電気的な圧力センサであり得る。センサは、センサと圧力案内ワイヤ208の近位端との間に配置された圧力ワイヤリードによって、監視組立体204と通信して選択的に配置され得る。圧力ワイヤリードは光ファイバまたは電線とできる。
【0137】
図2Bに示されているように、圧力センサは、圧力案内ワイヤ208の遠位区域に沿ういずれかの場所に位置させられ得る。例えば、圧力センサは、場所206Dにおいて案内ワイヤの最も遠位の先端の近くに、場所206Cにおいて案内ワイヤの湾曲部250に沿って、場所206Bにおいて案内ワイヤの湾曲部250への移行部において、または、場所206Aにおいて案内ワイヤの湾曲部250の近位に、位置付けられ得る。例えば、場所206Cは、圧力案内ワイヤの直線領域(場所206Aの周り)から湾曲部250の周りに約270度にあってもよく、場所206Dは、圧力案内ワイヤの直線領域から湾曲部の周りに約540度にあってもよい。しかしながら、圧力センサは、圧力案内ワイヤの直線領域から、例えば、約0度および約90度を含むそれらの間、約90度および約180度を含むそれらの間、約180度および約270度を含むそれらの間、約270度および約360度を含むそれらの間、約360度および約450度を含むそれらの間、または、約450度および約540度を含むそれらの間といった、圧力案内ワイヤの湾曲した遠位領域における任意の位置に位置させられ得る。
【0138】
遠位区域が丸められるとき、圧力センサは、圧力案内ワイヤ208の直線区域から湾曲部250に沿って約270度に位置付けられ得る。案内ワイヤの遠位区域の中の圧力センサの場所は、圧力測定の正確性に影響を与える可能性がある。例えば、圧力センサがより遠位の場所206C、206Dにあるとき、圧力センサは、例えば左心室LVといった心臓の室の中でより中心に位置させられ、室壁からずらされ得る。また、より遠位の場所206C、206Dでは、圧力センサは、弁形成または心臓置換処置の間、アクセスカテーテルまたは他の送達カテーテルによってより邪魔されにくくなる。より近位の位置206A、206Bでは、圧力測定は心臓弁により近づいて行われ、圧力案内ワイヤ208の遠位先端を左心室LVの中に維持する間に大動脈Aにおいて同等化を実施することが可能である。一部の処置では、大動脈Aにおいて同等化を実施することは、ピグテールカテーテルのより少ない操作しか必要としない、または、他の圧力感知装置が必要とされる。例えば、大動脈弁の処置の間、ピグテールカテーテルは大動脈にすでに位置させられている。圧力センサは湾曲部250の近位にあり得るが、圧力センサは、心臓弁の遠位で圧力測定を行うのに十分な遠位にある。圧力案内ワイヤ208の遠位先端を左心室LVの中に残すことで、左心室LVへのアクセスを維持する。
【0139】
図2Cは、患者の下行大動脈の中のTAVRシステムの断面を示しており、明確性のための生体構造は排除されている。TAVRシステムは監視表示装置204と連結して使用され得る。例えば、圧力案内ワイヤ208はアクセスカテーテル210を通じて延びる。同じアクセスカテーテル210が、送達システム212を圧力案内ワイヤ208にわたって前進させるために使用され得る。送達システム212は、弁置換または他の治療装置を前進させるために使用され得る。他の構成も可能である。例えば、アクセスカテーテル210のためのカテーテルが、送達システム212と交換され、その後に圧力案内ワイヤ208にわたって前進させられてもよい。図示されているように、大動脈における血液の圧力についての圧力信号を提供するために使用される圧力感知装置は、同じアクセス位置から可能であるが、アクセスカテーテル210とは別に送達される大動脈ピグテールカテーテル214である。
【0140】
他の構成において、アクセスカテーテル210または送達システム212は、大動脈における血液の圧力についての圧力信号を得るために使用されてもよく、したがって、大動脈の圧力についての圧力感知装置であってもよい。
図2Dに示されているように、僧帽弁の置換について、アクセスカテーテル211は圧力感知装置であり得る。圧力案内ワイヤ208はアクセスカテーテル211を通じて延び、送達システム213が圧力案内ワイヤ208にわたって前進させられ得る。送達システム213は、僧帽弁または他の置換もしくは治療の装置を送達するために使用され得る。
【0141】
a. ワイヤに基づく圧力案内ワイヤ
図3および
図4は、先に記載された方法のいずれかで使用され得る異なる圧力案内ワイヤ308、408を示している。圧力案内ワイヤ308の特徴を特定するために使用される符号が、圧力案内ワイヤ408の同様の特徴を特定するために、百(100)の数だけ増加させられている。この符号付けの決まりは、図の残りのものにも概して当て嵌まる。圧力案内ワイヤ308、408のいずれの構成要素も置き換え可能である。
【0142】
概して、圧力案内ワイヤ308、408は、管腔を定める外側管310、410、外側管310、410の内腔を通じて少なくとも部分的に延びる芯ワイヤ316、416、外側管310、410の管腔の中に配置される圧力センサ組立体318、418、および/または遠位先端432を備える。圧力案内ワイヤ308は、先端432と同じかもしくは同様であり得る遠位先端、または、本明細書において開示されている他の先端のうちのいずれかを備え得る。圧力案内ワイヤ308、408の外径は、圧力案内ワイヤ308、408の実質的に全体または作業長さ全体に沿って、一様または実質的に一様であり得る。例えば、圧力案内ワイヤ308の外径は、遠位先端432または非外傷性湾曲部250を除いて、作業長さ全体に沿って一様または実質的に一様であり得る。圧力案内ワイヤ308、408は、例えば0.018インチから0.035インチの間といった、最大で0.035インチの外径を含み得る。一部の構成において、圧力案内ワイヤ308、408の遠位部分は、
図2Bに示されているコイル状部分などの非外傷性湾曲部250を形成し得る。他の構成では、圧力案内ワイヤ308、408の遠位部分は、圧力センサ組立体の少なくとも圧力センサから圧力案内ワイヤの遠位先端まで真っ直ぐなままであり得る。
【0143】
図3は、圧力感知案内ワイヤ308の一変形の概略図である。図示されているように、外側管310の少なくとも遠位部分はコイル状とされ得る。例えば、コイル部分312は、平坦なリボン状のコイル、または丸いコイルであり得る。コイル部分312は、圧力案内ワイヤ308の作業長さの大部分に沿って、圧力案内ワイヤ308の実質的に作業長さ全体に沿って、または、圧力案内ワイヤ308の作業長さ全体に沿って、延び得る。コイル状とされる外側管310の実質的な長さがコイル状とされる場合、コイル部分312は、使用中のあらゆる外傷(例えば穿孔および/または切開)を回避するだけの柔軟性および柔らかさを提供する。コイル部分312は、遠位先端の失陥の場合に安全性を促進させもする。高頻度ペーシングのとき、コイル部分312は心臓との電気接触を確保することもできる。
【0144】
図3に示されているように、芯ワイヤ316の少なくとも近位部分328が、外側管310と同心とでき、外側管310の管腔の少なくとも一部分を通じて延び得る。例えば、芯ワイヤ316は、圧力案内ワイヤ308の作業長さの大部分に沿って、圧力案内ワイヤ308の実質的に作業長さ全体に沿って、または、圧力案内ワイヤ308の作業長さ全体に沿って、延び得る。芯ワイヤ316は、押込み性のために、および、もつれるのを防止するために、圧力案内ワイヤ308に十分な剛性を提供する。芯ワイヤ316は、弁の実装の間に送達カテーテルを支持するだけの剛性も提供する。
【0145】
芯ワイヤ316の少なくとも一部分は、圧力センサ322のために外側管310の管腔に空間を提供するために、縮小された直径の部分326を備え得る。例えば、
図3に示されているように、縮小された直径の部分326は、圧力案内ワイヤ308の遠位端に向けて先細りとされ得る。近位部分328と芯ワイヤ316の縮小された直径の部分326との間の移行部は、圧力案内ワイヤ308の非外傷性湾曲部250への柔軟な移行を促進するために、圧力案内ワイヤ308の遠位区域における非外傷性湾曲部250の少なくとも一部分または全体の近位に位置付けられ得る(
図2Bに示されている)。芯ワイヤ316は、非外傷性湾曲部250の少なくとも一部分を通じて延び続ける。この柔軟な移行部は、力の吸収部として作用し、圧力案内ワイヤ308の非外傷性湾曲部250の近位区域にもつれが形成されないことを確保する。もつれは、案内ワイヤ308にわたって別のカテーテルを前進させること、または、外傷なしで患者から案内ワイヤ308を除去することなど、処置を複雑にさせる可能性がある。
【0146】
芯ワイヤ316の近位部分328は、例えば0.015インチから0.03インチの間といった、最大で0.03インチの外径を含み得る。芯ワイヤ316の縮小された直径の部分326は、芯ワイヤ316の近位部分328の外径の3分の1未満または4分の1未満である外径を含み得る。例えば、芯ワイヤ316の縮小された直径の部分326は、0.01インチ未満または0.0075インチ未満の外径を含み得る。
【0147】
芯ワイヤ316は、先に記載されているように、高頻度ペーシング技術との関連で案内ワイヤ308に適用される電流のための伝導性経路を提供するために、ステンレス鋼などの伝導性材料を含み得る。芯ワイヤ316の近位端は、監視表示装置204への連結および/または電流発生機への連結のために、外側管310の近位端から露出させられ得る。芯ワイヤ316の長さの10パーセント未満または5パーセント未満が、高頻度ペーシングのための電流供給源への連結のために、外側管310の近位端から露出させられ得る。
【0148】
圧力センサ組立体318は、圧力センサ322と、圧力センサ322から延びる1つまたは複数の圧力ワイヤリード320とを備え得る。圧力ワイヤリード320は芯ワイヤ316に沿って延び得る。例えば、圧力センサ322は、光学センサ、電気センサ、膜に基づくセンサ、MEMSセンサ、または、圧力レベルまたは圧力変動に応じて信号を生成することができる他の装置であり得る。1つまたは複数の圧力ワイヤリード320は光ファイバまたは電線とできる。
図3に示されているように、圧力センサ組立体318は、圧力センサ322にわたって配置され、外側管310と芯ワイヤ316との間に位置付けられるセンサ筐体324も備え得る。センサ筐体324は、膜が支持される環状もしくは短い管状の部材または円筒を備え得る。センサ筐体324は、コイル部分312における組み立ての間に取り扱いを向上させることができる。
【0149】
圧力センサ組立体318は、圧力センサ322が径方向において芯ワイヤ316の縮小された直径の部分326と外側管310のコイル状部分312との間にある状態で、径方向において芯ワイヤ316と外側管310との間に配置され得る。圧力センサ組立体318の少なくとも一部分が、圧力案内ワイヤ308の長手方向軸Lに対して非同軸とされてもよい。一部の構成では、圧力センサ組立体318全体が、圧力案内ワイヤ308の長手方向軸に対して非同軸とされてもよい。
【0150】
圧力センサ322は、コイル部分312における間隔または隙間314を通じて血液または他の流体に露出させられ得る。他の変形では、外側管310は、圧力センサ322を血液または他の流体に露出させるために、1つまたは複数の開口を伴うセンサ筐体区域を備えてもよい。センサ筐体区域は、コイル部分312の残りの部分より剛性があってもよい。例えば、センサ筐体区域は、コイル部分312を2つの区域へと分割する金属管であり得る。センサ筐体区域は、コイル部分312の第1のコイル区域の遠位部分と、コイル部分312の第2のコイル区域の近位部分とに搭載され得る。他の例として、コイル部分312は、強固にされた区域を作り出すために、一体に溶接された2つのコイルを備えてもよい。
【0151】
圧力案内ワイヤ308の少なくとも一部分は、例えばPTFEなどのポリマ層といった滑らかな絶縁体によって覆われ得る。絶縁体は、1つまたは複数の圧力ワイヤリード320を所定位置で固定することができる。高頻度ペーシングが芯ワイヤ316を通じて誘導されるとき、絶縁体は、絶縁体の長さに沿って芯ワイヤ316を患者から電気的に隔離することもできる。絶縁体は、圧力案内ワイヤ308を電気的に隔離するために別のカテーテルを要求することに取って代わることができる。
【0152】
図4は、圧力案内ワイヤ408の別の変形を示している。圧力案内ワイヤ408は、圧力案内ワイヤ308に関して記載されている特徴のいずれかを含み得る。この変形では、外側管410の遠位部分がコイル部分412によって形成され得る。外側管410の近位部分がコネクタ管430によって形成され得る。コネクタ管430は、高頻度ペーシングを容易にするために伝導性材料を含み得る。例えば、コネクタ管430は、ステンレス鋼管などの金属構造で形成され得る。コネクタ管430は、高頻度ペーシングを可能にするために、コーティングまたは他の絶縁体で覆われていない。一部の構成では、電流は、追加または代替で、1つまたは複数の圧力ワイヤリード420を通じて流れてもよい。コネクタ管430は、コイル部分412および/または遠位先端432に直接的または間接的に連結され得る。例えば、コイル部分412は、絶縁された部分によってコネクタ管430に間接的に連結されてもよい。絶縁された部分は、患者から絶縁される長さを提供することができ、したがって、一部の実施形態では絶縁部分434であり得る。絶縁部分434は患者を芯ワイヤ416から絶縁することができる。一部の構成では、絶縁部分434はPTFEなどのポリマ層を備え得る。
【0153】
芯ワイヤ416の少なくとも縮小されていない直径の部分が、外側管410と同心であり得る。芯ワイヤ416は、少なくともコイル部分412を通じて延びることができるが、外側管410の絶縁部分434および/またはコネクタ管430の少なくとも一部分を通じて延びてもよい。例えば、芯ワイヤ416の近位端は、例えば接着剤436を用いて、コネクタ管430の遠位端に封止され、コネクタ管430の遠位端から遠位に延びてもよい。
【0154】
芯ワイヤ416は、芯ワイヤ316の特徴のうちのいずれかを含んでもよい。例えば、芯ワイヤ416の遠位部分が、縮小された直径の部分426を含んでもよい。コイル部分412の近位端は、芯ワイヤ416の縮小されていない直径の部分428と縮小された直径の部分426との間の移行の遠位にあり得る。
【0155】
圧力センサ組立体418は、圧力センサ422が径方向において芯ワイヤ416の縮小された直径の部分426とコイル部分412との間に位置付けられた状態で、径方向において芯ワイヤ416と外側管410との間に配置され得る。圧力センサ組立体418の少なくとも一部分が、圧力案内ワイヤ408の長手方向軸Lに対して非同軸とされてもよい。例えば、少なくとも1つの圧力ワイヤリード420の第1の区域438aが外側管410と同心とでき、圧力ワイヤリード420の第2の区域438bが外側管410の長手方向軸に対して非同軸とできる。外側管410は、圧力ワイヤリード420を、外側管410と同心である第1の区域438aから、外側管410の長手方向軸に対して非同軸である第2の区域438bへと移行させることができるように、開口440を備え得る。開口440は、切り取られた部分的な厚さであり得る、または、外側管410の厚さ全体を貫いて延び得る。開口440が外側管410の厚さ全体を貫いて延びる場合、血液または他の流体が開口440を通じて圧力案内ワイヤへの流れるのを防止するために、例えば接着剤436で、開口440は封止されてもよい。
図4に示されているように、開口440はコネクタ管430に配置される。しかしながら、他の構成では、開口440は絶縁部分434に配置され得る。
【0156】
開口440の代替で、芯ワイヤ416は、圧力ワイヤリード420を、外側管410と同心である第1の区域438aから、外側管410の長手方向軸に対して非同軸である第2の区域438bへと移行させることができるように、圧力案内ワイヤ408の長手方向軸に対して大きさが定められてもよい、または、その長手方向軸に対してオフセットされてもよい。芯ワイヤ416は、リードが第1の区域438aから第2の区域438bへと移行することができるように、圧力ワイヤリード420の広がりを受け入れるように構成された溝をある側方に有してもよい。
【0157】
圧力案内ワイヤ408は、非外傷性の先端を形成するために丸められた遠位先端432を備え得る。例えば、遠位先端432は半球形を有し得る。先端432は、圧力案内ワイヤ408の遠位端を通じての望ましくない異物の侵入を防止するために、縮小または平坦になっていてもよい。
【0158】
一部の構成では、遠位先端432は、コイル部分412および/または芯ワイヤ416に付着、溶接、および/または他のやり方で結合された別の構成要素である。遠位先端は、コイル部分412の内面、および/または、コイル部分412の最も遠位の縁に結合され得る。芯ワイヤ416は、遠位先端432への接着結合を真っ直ぐにするために、外側管410の中で180度まで曲げられてもよい。他の構成では、遠位先端432は、縮小された直径の部分426の遠位である芯ワイヤ416の拡大させられた遠位端であり得る。芯ワイヤ416の遠位端は、コイル部分412の内面および/または最も遠位の縁に付着、溶接、および/または他のやり方で結合され得る。一方法では、遠位先端432は、芯ワイヤ416の拡大された区分を半球形の部材へと変形することで形成される。拡大された区分は、半球形の部材を形成するために溶かされてもよい。半球形の部材はコイル部分412の遠位部分に結合され得る。これらの構成のいずれにおいても、遠位先端432の非外傷性部分は、芯ワイヤ416、接着剤、および/または溶接から形成されてもよい。
【0159】
b. 管に基づく圧力案内ワイヤ
図5~
図9は、先に記載された方法のいずれかで使用され得る圧力案内ワイヤのさらなる変形を示している。以下に記載されている圧力案内ワイヤは、先に記載されている圧力案内ワイヤ308、408の特徴のいずれかを含み得る。概して、
図5~
図9に示された圧力案内ワイヤは、管腔を定める外側管と、外側管の径方向内側に位置付けられたコネクタ管と、外側管の管腔の中に配置された圧力センサ組立体、および/または遠位先端を備える。圧力案内ワイヤの外径は、圧力案内ワイヤの実質的に全体または作業長さ全体に沿って、一様または実質的に一様であり得る。例えば、圧力案内ワイヤの外径は、遠位先端または摩滅させられた湾曲部を除いて、作業長さ全体に沿って一様または実質的に一様であり得る。圧力案内ワイヤは、例えば0.018インチから0.035インチの間といった、最大で0.035インチの外径を含み得る。一部の構成において、圧力案内ワイヤの遠位部分は、
図2Bに示されているような非外傷性湾曲部250に形成され得る。他の構成では、圧力案内ワイヤの遠位部分は真っ直ぐなままであり得る。
【0160】
コネクタ管は、コネクタ管の外径の3分の1未満または4分の1未満である内径を含み得る。例えば、コネクタ管は、例えば0.018インチから0.035インチの間といった、最大で0.035インチの外径と、例えば0.007インチ未満といった、0.01インチ未満の内径とを備え得る。コネクタ管は、一様な外径(
図5参照)または非一様な直径(
図6参照)を有し得る。非一様な構成では、コネクタ管の縮小された直径の部分が、約0.027インチ以下の外径を有し得る。コネクタ管は、圧力案内ワイヤの作業長さの大部分または実質的に全体に沿って延び得る。例えば、コネクタ管は、圧力案内ワイヤの作業長さの少なくとも80パーセント、または少なくとも90パーセントで延び得る。
【0161】
コネクタ管は伝導性金属から構築され得る。例えば、コネクタ管はステンレス鋼管であり得る。コネクタ管の近位端は、監視表示装置への連結および/または電流発生機への連結のために、外側管の近位端から露出させられ得る。したがって、コネクタ管の少なくとも近位端は被覆されない可能性がある。
【0162】
圧力案内ワイヤは、コネクタ管の遠位に芯ワイヤを備えてもよい。静脈または心尖部横断の大動脈弁の用途では、芯ワイヤを伴う一部分は、コネクタ管を伴う一部分の下流において血流に配置され得る。動脈または心尖部横断の僧帽弁の用途では、芯ワイヤを伴う一部分は、コネクタ管を伴う一部分の上流において血流に配置され得る。芯ワイヤは、例えば0.018インチから0.03インチの間といった、最大で0.03インチの外径を含み得る。芯ワイヤの縮小された直径の部分は、芯ワイヤの残りの部分の外径の3分の1未満または4分の1未満である外径を含み得る。例えば、芯ワイヤの縮小された直径の部分は、0.01インチ未満または0.0075インチ未満の外径を含み得る。芯ワイヤは、例えば、圧力案内ワイヤの作業長さの20パーセント未満、10パーセント未満、または5パーセント未満に沿って、圧力案内ワイヤの遠位部分のみに沿って延び得る。
【0163】
図5は、圧力感知案内ワイヤ508の別の変形の概略図である。図示されているように、外側管510の少なくとも遠位部分はコイル状とされ得る。例えば、コイル状部分は、平坦なリボン状のコイル、または丸いコイルであり得る。
図5に示されているように、コイル状部分は、センサ筐体542によって互いから分離された2つのコイル状区域512a、512bを備え得る。一緒になって、コイル部分512a、512bは、圧力案内ワイヤ508の作業長さの大部分に沿って、または、圧力案内ワイヤ508の実質的に作業長さ全体に沿って延び得る。例えば、一緒になって、コイル状区域512a、512bは、圧力案内ワイヤ508の作業長さの少なくとも80パーセント、または少なくとも90パーセントで延び得る。外側管510の実質的な長さがコイル状とされている状態で、コイル部分512a、512bは、曲がりくねった血管系を通り抜けるのに十分な柔軟性を提供する。遠位のコイル部分512aは、例えば遠位先端の失陥といった、コイル状部分に沿う失陥の場合に安全を促進させもする。高頻度ペーシングについて使用されるとき、遠位のコイル部分512aは、例えば左心室の内壁といった、患者の心臓の内壁との電気的接触を確保もし得る。
【0164】
図5に示されているように、芯ワイヤ516の少なくとも近位部分528が、外側管510と同心とでき、外側管510の管腔の少なくとも一部分を通じて延び得る。芯ワイヤ516の近位部分528の直径は、コネクタ管530の最も外側の直径と同じであり得る。芯ワイヤ516の少なくとも一部分は、圧力案内ワイヤ508の遠位端に向けて先細りとされた先細り部分など縮小された直径の部分526を含み得る。近位部分528と芯ワイヤ516の縮小された直径の部分526との間の移行部は、圧力案内ワイヤ508の非外傷性湾曲部250への柔軟な移行を促進するために、圧力案内ワイヤ508の遠位区域における非外傷性湾曲部250の近位に位置付けられ得る。この柔軟な移行部は、力の吸収部として作用し、圧力案内ワイヤ508の非外傷性湾曲部250の近位区域にもつれが形成されないことを確保する。もつれは、案内ワイヤ508にわたって別のカテーテルを前進させること、または、外傷なしで患者から案内ワイヤ508を除去することなど、処置を複雑にさせる可能性がある。芯ワイヤ516は、先に記載されているように、高頻度ペーシングを提供するために、ステンレス鋼などの伝導性材料を含み得る。
【0165】
圧力センサ組立体518は、圧力センサ522と、圧力センサ522から延びる1つまたは複数の圧力ワイヤリード520とを備え得る。例えば、圧力センサ522は、光学センサ、電気センサ、膜に基づくセンサ、または他のものであり得る。圧力ワイヤリード520は光ファイバまたは電線であり得る。圧力ワイヤリード520はコネクタ管530の管腔を通じて延び得る。コネクタ管530は、圧力案内ワイヤ508の中心長手方向軸Lに沿って圧力ワイヤリード520を位置付ける。圧力ワイヤリード520は、コネクタ管530に固定されてもよく、一部の場合では、例えば接着剤を用いて、コネクタ管530に封止されてもよい。一部の場合では、接着剤は、流体がコネクタ管530を通じて近位に流れるのを防止するためにシールを提供する。接着剤は、光ファイバ520をコネクタ管530に同心で固定するために、コネクタ管530の近位端において使用されてもよい。
【0166】
図5に示されているように、圧力センサ522は、外側管510の圧力センサ筐体542の中に配置され得る。センサ筐体542は、圧力センサ522を保護するが、コイル部分512a、512bの間に連結も提供する。圧力センサ522は、センサ筐体542における少なくとも1つの開口544を通じて血液または他の流体に露出させられ得る。図示されているように、センサ筐体542は、2つのコイル部分512a、512bを結合する金属管であり得るが、他の変形では、センサ筐体542は、コイル部分512a、512bを結合する溶接部分を形成するために、いくつかのコイルを一緒に溶接することで形成され得る。
【0167】
センサ筐体542と圧力センサ522とは、例えば場所206Aにおいてといった、
図2Bに示された非外傷性湾曲部250の近位に位置付けられ得る。しかしながら、先に説明されているように、圧力センサは、圧力案内ワイヤ508の遠位区域において、湾曲部250に沿ういずれかの場所に位置付けられてもよい。
【0168】
圧力案内ワイヤ508の少なくとも一部分は、例えばPTFEなどのポリマ層といった滑らかな絶縁体によって覆われ得る。高頻度ペーシングがコネクタ管530および/または芯ワイヤ516を通じて誘導されるとき、絶縁体は圧力案内ワイヤ508の一部分を電気的に隔離してもよい。絶縁体は、圧力案内ワイヤ508を電気的に隔離するために別のカテーテル本体を要求することに取って代わることができる。
【0169】
図6は、圧力感知案内ワイヤ608の別の変形の断面図である。圧力感知案内ワイヤ608は、異なると後で記載されていることを除いて、圧力感知案内ワイヤ508と同様である。
図6との関連での開示は、
図5の開示を補足するためと見られてもよい。圧力感知案内ワイヤ608は遠位先端632を備える。遠位先端632は、異なると後で記載されていることを除いて、遠位先端432と同様である。遠位先端632は、血管、弁、および心壁室との非外傷性の相互作用を提供する。先端632は、圧力案内ワイヤ608の遠位端を通じた、例えば成分または流体といった異物の侵入を低減または防止することができる。遠位先端632は半球形を有し得る。
【0170】
一部の構成では、遠位先端632は、コイル部分612aおよび/または芯ワイヤ616に付着、溶接、および/または他のやり方で結合された別の構成要素である。遠位先端632は、コイル部分612aの内面、および/または、コイル部分612aの最も遠位の縁に結合され得る。芯ワイヤ616は、遠位先端632への接着結合を真っ直ぐにするために、外側管610の中で180度まで曲げられてもよい。他の構成では、遠位先端632は、縮小された直径の部分626の遠位である芯ワイヤ616の拡大させられた遠位端であり得る。芯ワイヤ616の遠位端は、コイル部分612aの内面および/または最も遠位の縁に付着、溶接、および/または他のやり方で結合され得る。これらの構成のいずれかにおいて、遠位先端632の非外傷性部分は、所望の形を作り出すために、芯ワイヤ616の拡大された区分を溶解または再形成することなどで、芯ワイヤ616から形成され得る。
【0171】
図7は、圧力感知案内ワイヤ708の別の変形の概略図である。圧力感知案内ワイヤ708は、センサ筐体742および圧力センサ722が、例えば
図2Bに示された場所206Bまたは206Cにおいてといった、圧力案内ワイヤ708の遠位の湾曲部250へとより遠位に位置付けられ得ることを除いて、圧力感知案内ワイヤ508と同様である。しかしながら、先に検討されているように、遠位の湾曲部250への移行部において柔軟性を促進するために、内側の芯ワイヤの直径を縮小することは有益であり得る。したがって、センサ筐体742および圧力センサ722は、コネクタ管730および/または芯ワイヤ716が縮小された直径へと移行する領域において位置付けられ得る。例えば、
図7に示されているように、コネクタ管730は、コネクタ管730の遠位端において縮小された直径の区域746を有してもよい。コネクタ管730は、先細り部分754において、縮小された直径の区域746に向けて先細りとされてもよい。芯ワイヤ716の近位端の直径は、例えばコネクタ管730の遠位端または遠位領域において、コネクタ管730の最も外側の直径より小さくされ得る。この構成では、センサ筐体742の外径は、センサ筐体542と比較して縮小され得る。
【0172】
図8は、圧力感知案内ワイヤ808の別の変形の概略図である。圧力感知案内ワイヤ808は、センサ筐体842および圧力センサ822が、例えば
図2Bに示された場所206Dにおいてといった、圧力案内ワイヤ808の遠位の湾曲部250へとより遠位に位置付けられ得ることを除いて、圧力感知案内ワイヤ708と同様である。しかしながら、先に検討されているように、遠位の湾曲部250への移行部において柔軟性を促進するために、内側の芯ワイヤの直径を縮小することは有益であり得る。したがって、遠位の湾曲部250における符号206Dの領域において、芯ワイヤ816の縮小された直径の部分826は、径方向における遠位のコイル部分812aと芯ワイヤ816の縮小された直径の部分826との間でのセンサ822の位置付けを可能とするのに十分に縮小された直径を有し得る。
図8に示されているように、センサ822は、センサ822の周りに位置付けられた別のセンサ筐体842を有し得る。
【0173】
外側管810に沿うセンサ筐体の代わりに、圧力案内ワイヤ808は、コイル部分812a、812bの間で延びるコネクタ848を備える。コネクタ848は、少なくとも1つの圧力ワイヤリード820を、外側管810と同心であってコネクタ管830の中にある第1の区域838aから、外側管810の長手方向軸Lに対して非同軸である第2の区域838bへと移行させることができるように、開口852を備え得る。開口852は、切り取られた部分的な厚さであり得る、または、外側管810の厚さ全体を貫いて延び得る。開口852が外側管810の厚さ全体を貫いて延びる場合、流体が開口840を通じて圧力案内ワイヤへの流れるのを防止するために、例えば接着剤で、開口840は封止されてもよい。
【0174】
図9は、圧力感知案内ワイヤ908の別の変形の断面図である。圧力感知案内ワイヤ908は、
図9が遠位先端932を含むことを除いて、圧力感知案内ワイヤ808と同様である。遠位先端932は、
図6に示されている遠位先端632の特徴のいずれかを含み得る。
【0175】
外側管910は、コネクタ948によって結合された絶縁部分934およびコイル部分912を備える。絶縁部分934はコネクタ管930の少なくとも一部分を包囲する。絶縁部分934は、高頻度ペーシングの間にコネクタ管930を患者から電気的に隔離するために、PTFEなどのポリマ層を備え得る。コネクタ管930の近位端956は、監視表示装置への連結および/または電流発生機への連結のために、絶縁部分934の近位端から露出させられ得る。したがって、コネクタ管930の少なくとも近位端は被覆されない可能性がある。
【0176】
図示されているように、コネクタ948は絶縁部分934とコイル部分912とを連結する金属管であり得るが、他の変形では、コネクタ948は、絶縁部分934とコイル部分912とを結合する溶接部分であり得る。
【0177】
1つまたは複数の圧力ワイヤリード920は、流体が近位へ流れるのを防止し、信号伝達のための光ファイバの同心性を確保するために、例えば接着剤を用いて、コネクタ管930の内側管腔に封止され得る。
【0178】
圧力センサ922は、コイル部分912における間隔または隙間を通じて血液または他の流体に露出させられ得る。外側管910はセンサ筐体区域924も備え得る。センサ筐体区域は、コイル部分912の残りの部分より剛性があってもよい。例えば、センサ筐体区域924は、コイル部分912を2つの区域へと分割する金属管であり得る。センサ筐体区域924は、コイル部分912の第1のコイル区域の遠位部分と、コイル部分912の第2のコイル区域の近位部分とに搭載され得る。センサ筐体区域924は、圧力センサ922を血液または他の流体に露出させるために1つまたは複数の開口を備え得る。他の例として、コイル部分912は、センサ筐体区域924として作用する強固にされた区域を作り出すために、一体に溶接された2つのコイルを備えてもよい。
【0179】
III. 心臓弁評価ユーザーインターフェースシステム
既存のユーザーインターフェースは、構造的心臓装置の展開の前、最中、および/または直後において、心臓弁の状態を指示することができない可能性がある、または、指示することが不完全であり得る。構造的心臓処置の間、既存のユーザーインターフェースは、弁逆流の指標または圧力勾配など、心臓弁状態の1つまたは複数の圧力曲線または指示を提供することができない可能性がある。さらに、構造的心臓処置のための既存のユーザーインターフェースは、使用者に1つまたは複数のユーザーインターフェースをカスタマイズさせるための選択肢の欠如など、使用者とのやり取りの能力を制限してきた可能性がある。既存の患者監視装置および/または表示装置は、心臓弁状態、診断、生理的パラメータ、または他のデータなどの指示を提示するための視覚的空間を制限してきた可能性がある。
【0180】
したがって、本明細書で開示されている心臓弁評価システムのユーザーインターフェースは、既存のユーザーインターフェースに対して向上することができる。構造的心臓処置の間、心臓弁状態の1つまたは複数の指示がユーザーインターフェースを介して臨床医に提供され得る。ユーザーインターフェースは、情報を効率的な手法で提供するように構築させることができる。特定のグラフィカルな描写または指示が使用者によって提示または選択させられ、これは心臓弁の臨床医を状態または問題に素早くアクセスさせることができる。本明細書に記載されているシステムおよび技術によって、臨床医は、データにより素早くアクセスすることができる、分析をより素早く実施することができる、および/または、既存のグラフィカルユーザーインターフェースシステムより素早く1つもしくは複数のユーザーインターフェースとやり取りすることができる(使用者によるクリックもしくは選択の数を低減することなどで)。本明細書に記載されているユーザーインターフェースは、小さい監視装置または表示装置における制限された視覚的空間のより効率的な使用を提供することで、既存のユーザーインターフェースに対して向上することができる。例えば、視覚的な指示、グラフィカルな描写、および/またはそれらの組み合わせは、制限された空間を伴う監視装置または表示装置のために構成されている効率的な手法で、心臓弁状態に関連して情報を使用者に提供することができる。したがって、本明細書に記載されているシステムおよび技術は、従来のユーザーインターフェースに対して向上することができる。
【0181】
本明細書において使用されているように、その通常の意味に加えて、「心臓血管領域」は、左心室、右心室、大動脈、左心房、右心房、大静脈、および/または、心臓の一部分に隣接する血流通路(血流室、血管、肺動脈など)を伴う領域、またはそれらの周りの領域と幅広く言うことができる。
【0182】
本明細書に記載されている心臓弁評価システムは、圧力勾配または弁逆流の指標などの心臓弁状態の指示を有利に提供することができる。本明細書で使用されているように、その通常の意味に加えて、「圧力勾配」または「勾配」は、弁の後の圧力の上昇による、弁の狭くなること(または狭窄)の重度または測定と言うことができる。ピークからピークへの勾配、面積の勾配、または瞬間的な勾配などの例の勾配が、本明細書において提供されている。ピークからピークへの勾配は、第1の心臓血管領域(左心室LVなど)の最大または局所的に最大の収縮期圧と第2の心臓血管領域(大動脈Aoなど)の最大または局所的に最大の収縮期圧との間での圧力の差を指示することができる。面積の勾配は、圧力曲線などの2つのグラフの間の面積を指示することができる。瞬間的な勾配は、心拍周期における第1の心臓血管領域と第2の心臓血管領域との間の最大または局所的に最大の圧力を指示することができる。本明細書で使用されているように、その通常の意味に加えて、「弁逆流の指標」、「逆流の指標」、または「逆流」は、弁の漏れの測定と言うことができる。逆流の計算は、収縮期圧によって割られたかまたは正規化された拡張期の周期の終了における圧力の差を含み得る。大動脈の逆流の計算は、以下の数式、すなわち、大動脈の逆流の指標=(大動脈の拡張期血圧-左心室の拡張期圧)/大動脈の収縮期血圧に対応することができる。他の心臓弁状態には、心臓の高頻度ペーシングがあり得る。本明細書に記載されているシステム、技術、および/またはグラフィカルユーザーインターフェースは、どの治療/動作の決定に基づくかについての追加のデータを臨床医に提供することができる。例えば、心臓弁状態および/または関連するユーザーインターフェースは、弁の疾患に対処するために、処置の間に置換弁を変更するために、および/または、弁の処置に続いて推薦を行うために、臨床医に追加の情報を提供することができる。
【0183】
逆流は、血液が弁を通じて反対へ漏れるときに起こり得る。逆流は、弁の病気によって引き起こされる可能性がある、または、補綴の置換の場合、生来の弁に対する置換弁の不完全密着によって引き起こされる可能性がある。
【0184】
a. 例のユーザーインターフェース
図10A~
図10E、
図11A~
図11C、および
図12は、例の心臓弁評価ユーザーインターフェースを描写している。心臓弁評価システムは、
図2Aにおいて先に記載されている診断システム200と同じもしくは同様であり得る、または、診断システム200と同様の構成要素を備え得る。利便性のために、ユーザーインターフェースは、診断システム200または監視装置204によって提示されるとして記載されているが、他のコンピュータシステムがユーザーインターフェースを提示してもよい。ユーザーインターフェースは、例えば、圧力案内ワイヤ208、圧力感知アクセスカテーテル20、または圧力感知ピグテールカテーテル10から受信されるデータを用いて、先に記載されている監視装置204によって提示され得る。したがって、図示されているユーザーインターフェースの各々は、グラフィカルユーザーインターフェースとしての電子ハードウェアによる提示のために出力され得る。
【0185】
図示されているユーザーインターフェースの各々は、使用者によって選択され得る1つまたは複数のユーザーインターフェース要素または制御を備える。ユーザーインターフェースは、使用者の入力の受信を可能にすることができる。図示されているユーザーインターフェース要素は、単なる図示の例であり、他の実施形態では異なる可能性がある。例えば、ユーザーインターフェースの態様は、図示されて後で記載されているものから再配置される可能性がある、および/または、具体的な態様は含まれても含まれなくてもよい。さらに、図示されているユーザーインターフェースは、同様の機能または同じ機能が提供され得るように、組み合わされてもよい、または、他のユーザーインターフェースへと分割されてもよい。ユーザーインターフェース1000、1020、1040、1060、および/または1080など、
図10A~
図10Eのユーザーインターフェースは、同様のユーザーインターフェースの要素および/または能力を有し得る。さらに、ユーザーインターフェースの要素の各々は、数あるユーザーインターフェース入力の選択肢の中でも、マウス、タッチスクリーン入力(例えば指もしくはペン)、またはキーボード入力などの1つまたは複数の入力の選択肢を用いて、使用者によって選択され得る。
【0186】
図10A~
図10Eは、先に記載されている監視装置204によって提示され得る例のユーザーインターフェースを描写している。
図10Aでは、ユーザーインターフェース1000は、心臓処置の前、最中、および/または直後に提示され得る。ユーザーインターフェース1000は、1つまたは複数のグラフ1002、1004、1006、1008と、1つまたは複数の生理的パラメータ1010、1012とを含み得る。例のグラフ1002、1004、1006、1008は、圧力波を含み得る、または、圧力波であり得る。グラフ1002、1004、1006、1008は、心臓血管領域からの測定に対応する圧力値を提示することができる。圧力値は、時間に伴う一連の圧力の数値を含み得る。心臓血管領域は、心臓の一部分(左心室LV、右心室RV、もしくは僧帽弁)、および/または、心臓の一部分に隣接する血流通路(大動脈Ao、大静脈、もしくは肺動脈など)を含み得る。1つもしくは複数のグラフ1002、1004、1006、1008、および/または、1つもしくは複数の生理的パラメータ1010、1012は、圧力測定が患者から得られるときにリアルタイムまたはほぼリアルタイムで更新され得る。
【0187】
図示されているように、ユーザーインターフェース1000は、大動脈Aoなどの第1の心臓血管領域についての第1のグラフ1002と、左心室LVなどの第2の心臓血管領域についての第2のグラフ1006とを備え得る。追加のグラフ1004、1008は、大動脈Aoまたは左心室LVについての平均または算術平均の圧力値など、心臓血管領域からの圧力値の統計的測定に対応することができる。統計的測定は、使用者が選択でき、統計的測定を計算するための心拍の数心拍の数または時間の期間など、統計的測定期間を指示する構成パラメータに基づかれ得る。一部の実施形態では、1つもしくは複数のグラフ1002、1004、1006、1008は、グラフについての対応する心臓血管領域を指し示すための指示を有し得る(例えば、大動脈Aoのグラフ1002、1004は赤色で塗り分けられ、左心室LVのグラフ1006、1008は青色で塗り分けられ得る)。
【0188】
図示されているように、ユーザーインターフェース1000は、大動脈Aoなどの第1の心臓血管領域についての第1の生理的パラメータ1010と、左心室LVなどの第2の心臓血管領域についての第2の生理的パラメータ1012とを備え得る。生理的パラメータ1010、1012は、収縮期血圧、拡張期血圧、および/または、平均もしくは算術平均の収縮期血圧もしくは拡張期血圧などの血圧についての統計的測定、または、具体的な心臓血管領域についてのそれらの一部の組み合わせを含み得る。統計的測定の生理的パラメータは追加のグラフ1004、1008に対応することができる。
【0189】
ユーザーインターフェース1000は、記録選択肢1014などの1つまたは複数のユーザーインターフェース選択肢を含み得る。臨床医は、血圧値、他の測定、および/または、処置に関連する他の値を記録するために、記録選択肢1014を選択することができる。そのため、臨床医は、記録されたデータを再生することができる。一部の実施形態では、限定されることはないが、勾配または逆流の指標など、心臓弁状態が再生モードの間に使用者に提示され得る。
【0190】
図10Bを見ると、別のユーザーインターフェース1020が描写されている。追加のユーザーインターフェース1020は、
図10Aのユーザーインターフェース1000と同様であり得る。しかしながら、追加のユーザーインターフェース1020は、使用者が患者データの記録を停止させることができる停止記録選択肢1022を備え得る。一部の実施形態では、停止させられると、使用者は、限定されることはないが、勾配または逆流の指標など、心臓弁状態を見るために再生モードを入力することができる。
【0191】
図10Cを見ると、なおも別のユーザーインターフェース1040が描写されている。追加のユーザーインターフェース1040は、
図10Aのユーザーインターフェース1000と同様であり得る。追加のユーザーインターフェース1040は、
図10Aの第1のグラフおよび第2のグラフと同様の第1のグラフ1002および第2のグラフ1006を備え得る。しかしながら、追加のユーザーインターフェース1040は、第1のグラフ1002における第1のピークと第2のグラフ1006における第2のピークとの間の勾配測定を視覚的に提示する1つまたは複数の勾配描写1042a、1042b、1042cを提示することができる。1つまたは複数の勾配描写1042a、1042b、1042cは、ピークからピークへの勾配型などの勾配型に対応することができる。
【0192】
ユーザーインターフェース1040は、ピークからピークへの勾配型などの勾配型に対応する第1の数値1046を含み得る。第1の数値1046は、第1の心臓血管領域(左心室LVなど)の最大または局所的に最大の収縮期圧と第2の心臓血管領域(大動脈Aoなど)の最大または局所的に最大の収縮期圧との間での圧力の差に対応することができる。一部の実施形態では、第1の数値1046は、複数の心拍周期について、最大または局所的に最大の収縮期圧の間の圧力の差の算術平均または平均など、統計的測定を含み得る。図示されているように、第1の数値1046(ここでは28)は、3つのグラフのピークからピークへの測定1042a、1042b、1042cに対応する複数の心拍についてのピークからピークへの測定の統計的測定であり得る。
【0193】
ユーザーインターフェース1040は、1つまたは複数の逆流描写1044a、1044b、1044cを提示することができる。図示されているように、1つまたは複数の逆流描写1044a、1044b、1044cは、第1のグラフ1002における第1の点と第2のグラフ1006における第2の点との間の逆流の測定を視覚的に提示することができる。1つまたは複数の逆流描写1044a、1044b、1044cは、収縮期圧(ここでは、大動脈の収縮期血圧)によって割られたかまたは正規化された拡張期の周期の終了における圧力の差の計算(ここでは、大動脈A拡張末期血圧から左心室LV拡張末期圧力を引く)に対応することができる。
【0194】
ユーザーインターフェース1040は、逆流の指標に相当する第2の数値1048を備え得る。第2の数値1048は、収縮期圧によって割られたかまたは正規化された拡張期の周期の終了における圧力の差を含み得る。一部の実施形態では、第2の数値1048は、複数の心拍周期について、算術平均または平均の逆流など、統計的測定を含み得る。図示されているように、第2の数値1048(ここでは22)は、3つの逆流描写1044a、1044b、1044cに対応する複数の心拍についての逆流の計算の統計的測定であり得る。
【0195】
ユーザーインターフェース1040は心電図記録グラフ1050を備え得る。心電図記録グラフ1050は使用者によって不可能または可能にされ得る。また、心電図記録グラフ1050はユーザーインターフェース1040から除去または省略され得る。図示されていないが、一部の実施形態では、心電図記録グラフ1050が除去または省略される場合、圧力グラフ表示部1051はユーザーインターフェース1040において大きさが拡大できる。
【0196】
ユーザーインターフェース1040は再生制御部1052と勾配型選択部1056とを備えることができる。図示されているように、再生制御部1052は、時間(ここでは、0:01:18)と現在の再生位置1054とを提示することができる。一部の実施形態では、使用者は、1つまたは複数のグラフと、心臓弁状態の対応する指示との再生を先送りまたは巻き戻しするために、再生制御部1052とやり取りすることができる。使用者は、勾配型選択部1056を選択することによって、ユーザーインターフェース1040の勾配型を変更することができ、これによって、現在のユーザーインターフェース1040の代わりに、更新されたユーザーインターフェースを提示させることができる。
【0197】
図10Dを見ると、なおも別のユーザーインターフェース1060が描写されている。追加のユーザーインターフェース1060は、
図10Cのユーザーインターフェース1040と同様であり得る。追加のユーザーインターフェース1060は、他の同様のユーザーインターフェース要素に加えて、
図10Cの第1のグラフおよび第2のグラフと同様の第1のグラフ1002および第2のグラフ1006を備え得る。しかしながら、追加のユーザーインターフェース1060は、第1のグラフ1002における第1の点と第2のグラフ1006における第2の点との間の勾配測定を視覚的に提示する1つまたは複数の勾配描写1062a、1062b、1062cを提示することができる。追加のユーザーインターフェース1060の1つまたは複数の勾配描写1062a、1062b、1062cは、
図10Cの勾配型選択部1056の使用者選択など、使用者選択に応じて提示させることができる。
【0198】
1つまたは複数の勾配描写1062a、1062b、1062cは、瞬間的な勾配型などの勾配型に対応することができる。瞬間的な勾配描写1062a、1062b、1062cは、心拍周期における第1の心臓血管領域と第2の心臓血管領域との間の最大または局所的に最大の圧力差を指示することができる。ユーザーインターフェース1060は、瞬間的な勾配型などの勾配型に対応する数値1064(ここでは64)を含み得る。数値1064は、心拍周期における第1の心臓血管領域(左心室LVなど)と第2の心臓血管領域(大動脈Aoなど)との間の最大または局所的に最大の圧力差を指示することができる。一部の実施形態では、数値1064は、複数の心拍周期について、算術平均または平均の最大または局所的に最大の圧力差など、統計的測定を含み得る。図示されているように、数値1064は、3つのグラフの瞬間的な測定1062a、1062b、1062cに対応する複数の心拍についての瞬間的な勾配の統計的測定であり得る。
【0199】
図10Eを見ると、なおも別のユーザーインターフェース1080が描写されている。追加のユーザーインターフェース1080は、
図10Cのユーザーインターフェース1040と同様であり得る。追加のユーザーインターフェース1080は、他の同様のユーザーインターフェース要素に加えて、
図10Cの第1のグラフおよび第2のグラフと同様の第1のグラフ1002および第2のグラフ1006を備え得る。しかしながら、追加のユーザーインターフェース1080は、第1のグラフ1002と第2のグラフ1006との間の面積を視覚的に提示する1つまたは複数の勾配描写1082a、1082b、1082cを提示することができる。追加のユーザーインターフェース1080の1つまたは複数の勾配描写1082a、1082b、1082cは、
図10Cの勾配型選択部1056の1つまたは複数の使用者選択など、使用者選択に応じて提示させることができる。
【0200】
1つまたは複数の勾配描写1082a、1082b、1082cは、面積の勾配型などの勾配型に対応することができる。面積の勾配の描写1082a、1082b、1082cは、第1の心臓血管領域と第2の心臓血管領域との間の圧力の差を指示することができる。ユーザーインターフェース1080は、面積の勾配型などの勾配型に対応する数値1084(ここでは56)を含み得る。数値1084は、第1の心臓血管領域(左心室LVなど)および第2の心臓血管領域(大動脈Aoなど)に対応する2つのグラフの間の面積を指示することができる。一部の実施形態では、数値1084は、複数の心拍周期について、2つのグラフまたは圧力曲線の間の算術平均または平均の面積など、統計的測定を含み得る。図示されているように、数値1084は、3つのグラフの瞬間的な測定1082a、1082b、1082cに対応する複数の心拍についての面積の勾配の統計的測定であり得る。
【0201】
図11A~
図11Cは、先に記載されている監視装置204によって提示され得る追加の例のユーザーインターフェースを描写している。
図11A、
図11B、
図11Cのユーザーインターフェース1100、1120、1140は、
図10C、
図10D、
図10Eのユーザーインターフェース1040、1060、1080とそれぞれ同様であり得る。具体的には、
図11A、
図11B、
図11Cのユーザーインターフェース1100、1120、1140は、
図10C、
図10D、
図10Eのユーザーインターフェース1040、1060、1080の勾配の描写の代替の勾配の描写をそれぞれ提示し得る。さらに、
図11A、
図11B、
図11Cのユーザーインターフェース1100、1120、1140は、僧帽弁についての心臓弁状態を提示するユーザーインターフェースを描写することができる。
【0202】
図11Aでは、ユーザーインターフェース1100は勾配の描写1102を含み得る。勾配の描写1102は、
図10Cのピークからピークへの勾配型と同様であり得るピークからピークへの勾配型についてであり得る。しかしながら、2つのピークの間の測定の視覚化の代わりに、勾配の描写1102は、グラフ形式でのピークからピークへの勾配に対応する1つまたは複数の圧力値を描写することができる。
図11Aの勾配の描写1102の利点は、過去および現在の測定を含み得る時間に伴う相対的なピークからピークへの圧力変化を臨床医に素早く再検討させることができることである。
【0203】
図11Aの逆流描写1104は、
図10Cの逆流描写1044a、1044b、1044cと同様であり得る。しかしながら、勾配の描写1102と同様に、逆流描写1104は、2つの点の間の測定の視覚化の代わりに、グラフ形式での弁逆流に対応する1つまたは複数の圧力値を描写することができる。
【0204】
図11Bを見ると、ユーザーインターフェース1120は別の勾配の描写1122を含み得る。勾配の描写1122は、
図10Dの瞬間的な勾配型と同様であり得る瞬間的な勾配型についてであり得る。しかしながら、2つの点の間の測定の視覚化の代わりに、勾配の描写1122は、グラフ形式でのピークからピークへの勾配に対応する1つまたは複数の圧力値を描写することができる。
図11Aの勾配の描写1102と同様に、
図11Bの勾配の描写1122の利点は、過去および現在の測定を含み得る時間に伴う相対的な瞬間的な圧力変化を臨床医に素早く再検討させることができることである。
【0205】
図11Cを見ると、ユーザーインターフェース1140は別の勾配の描写1142を含み得る。勾配の描写1142は、
図10Eの面積の勾配型と同様であり得る面積の勾配型についてであり得る。しかしながら、排他的な視覚化として2つのグラフの間の面積を描写することの代替または追加で、勾配の描写1142は、グラフ形式での面積の勾配に対応する1つまたは複数の圧力値を描写することができる。
図11Aの勾配の描写1102と同様に、
図11Cの勾配の描写1142の利点は、過去および現在の測定を含み得る時間に伴う相対的な圧力変化を臨床医に素早く再検討させることができることである。
【0206】
図12は、心臓弁評価システムのための構成ユーザーインターフェース1200を描写している。臨床医は、1つまたは複数のユーザーインターフェースを構成するために構成ユーザーインターフェース1200を使用することができる。構成ユーザーインターフェース1200は、臨床医に、処置の種類、デフォルトの逆流の種類、時間の尺度、圧力の尺度、および/または他のカスタマイズ可能なユーザーインターフェース選択肢を選択させることができる。構成ユーザーインターフェース1200は、統計的測定の計算のための心拍の数を使用者に選択させることができる統計的測定期間選択部1202を備え得る。
【0207】
b. ユーザーインターフェース生成過程
図13を見ると、例のユーザーインターフェース生成過程1300が示されている。過程1300は、
図2Aのシステム200、または、後で記載されている
図14のシステム1400などの心臓弁評価システムとの関連で記載されているが、任意の順番で過程を実施するように構成される任意のシステムは、本開示の範囲内にある。過程1300は、監視装置204を含め、本明細書で検討されているような
図2Aのシステム、または、後に記載されている
図14のシステム1400の様々な構成要素によって実施され得る。実施形態に応じて、過程1300は、より少ないブロックもしくは追加のブロックを含んでもよい、および/または、ブロックは、図示されているものと異なる順番で実施されてもよい。過程1300の他の実施形態は、図示されているものより少ないブロックを含み得る、または、ブロックは、図示されているものと異なる順番で実施され得る。
【0208】
ブロック1302において始まって、圧力値が受信され得る。具体的には、監視装置204は圧力値を受信することができる。監視装置204は圧力値の第1のセットと圧力値の第2のセットとを受信することができる。第1のセットの圧力値からの各々の圧力値は、心臓の第1の部分など、第1の心臓血管領域を測定する第1の圧力センサから受信される第1の信号に対応することができる。圧力値の第2のセットからの各々の圧力値は、心臓の第1の部分に隣接する血流通路など、第2の心臓血管領域を測定する第2の圧力センサから受信される第2の信号に対応することができる。したがって、監視装置204は、第1および第2のセンサから圧力値の第1および第2のセットをそれぞれ決定することができる。I節および/またはII節において先に記載されているように、圧力センサは、圧力案内ワイヤ、アクセスカテーテル、ピグテールカテーテル、または、圧力を感知するように適合された心臓弁膨張バルーンや心臓弁送達装置、もしくは他の圧力感知装置などの治療装置の中に含ませることができる。圧力値を受信することに関する追加の詳細は、過程1500のブロック1502および/または1504に関してなど、
図15の過程1500に関して後でさらに詳細に記載され得る。
【0209】
ブロック1304において、構成パラメータが受信され得る。具体的には、監視装置204は構成パラメータを受信することができる。例の構成パラメータには、心拍の数、または、ユーザーインターフェースにおいて提示するデフォルトの勾配型があり得る。構成パラメータに関する追加の詳細は、
図12に関連してさらに詳細に先に記載されている。
【0210】
ブロック1306において、使用者選択が受信され得る。例の使用者選択には、勾配型の変更があり得る。使用者は、
図10Dの瞬間的な勾配型または
図10Eの面積の勾配型など、勾配型同士の間で変更するために、
図10Cの勾配型選択部1056を選択することができる。追加の使用者選択には、
図12において先に記載されている構成ユーザーインターフェース1200の構成パラメータへの変更があり得る。例えば、使用者選択には使用者心拍選択があり得る。使用者心拍選択は、統計的測定について使用され得る心拍の数(例えば、2回、3回、または4回の心拍など)を指定することができる。使用者心拍選択は、1つまたは複数の具体的な心拍の選択も含み得る。例えば、使用者は、具体的な心拍に対応するグラフの一部分を選択するために、本明細書に記載されているユーザーインターフェースとやり取りすることができる、および/または、具体的な心拍のための識別子を選択することができる。
【0211】
ブロック1308において、心臓弁状態が決定され得る。本明細書に記載されているように、例の心臓弁状態には、逆流の指標または勾配圧力があり得る。監視装置204は、先のブロック1302、1304、1306のデータに基づいて心臓弁状態を決定することができる。例えば、監視装置204は、具体的な勾配型、計算のための心拍の数、および/または、使用もしくは排除する特定の心拍を指定することができる構成パラメータまたは使用者選択に応じて、受信された圧力値から特定の心臓弁状態を計算することができる。本明細書に記載されているように、心拍の数が、逆流の指標または勾配など、具体的な心臓弁状態について統計的測定を計算するために使用できる。監視装置204は、心拍の数が閾の時間の期間を超えたことを検出することなどによって、圧力値の第1のセットまたは圧力値の第2のセットの一方から高頻度ペーシングを検出することができる。心臓弁状態を決定することに関する追加の詳細は、
図15の過程1500に関してなど、IV節において後で記載されている。
図15の過程1500のブロックのうちの一部は、ブロック1504、1506、1508、1510など、心臓弁状態を決定することをさらに記載し得る。
【0212】
ブロック1310において、ユーザーインターフェースが提示され得る。監視装置204はユーザーインターフェースを提示することができる。例のユーザーインターフェースは、
図10A~
図10Eおよび
図11A~
図11Cに関連して先に記載されている。第1の提示されたユーザーインターフェースは、圧力値の第1のセットに少なくとも部分的に基づく第1のグラフと、圧力値の第2のセットに少なくとも部分的に基づく第2のグラフとを含み得る。第1の提示されたユーザーインターフェースは、
図10C、
図10D、
図10E、
図11A、
図11B、
図11Cのそれぞれのユーザーインターフェース1040、1060、1080、1100、1120、1140のいずれかに対応することができる。第1の提示されたユーザーインターフェースは、ピークからピークへの勾配、瞬間的な勾配、および/または面積の勾配など、弁の勾配を指示する勾配の描写を含んでもよい。例えば、第1の勾配描写は、第1のグラフと第2のグラフとの間の領域(
図10Eの勾配の描写1082a、1082b、1082cなど)を視覚的に描写することができる。提示されている領域は、第1の心臓血管領域と第2の心臓血管領域との間の圧力の差を指示することができる。第1のユーザーインターフェースは、弁の逆流の量を指示する数値(
図10Cの第2の数値1048など)を含み得る。第1のユーザーインターフェースは、第1のグラフにおける第1の点と第2のグラフにおける第2の点との間に逆流の測定を視覚的に提示する逆流描写(
図10Cの逆流描写1044a、1044b、1044cなど)を含み得る。したがって、逆流の測定は弁の量的逆流を指示することができる。第1のユーザーインターフェースは、統計的測定による弁の第1の勾配についての数値(平均または算術平均の勾配値であり得る
図10Eの第1の数値1084)も含み得る。第1のユーザーインターフェースは、
図10Cに関連して先においてさらに詳細に記載されている心電図記録グラフも含み得る。一部の実施形態では、第1のユーザーインターフェースは、高頻度ペーシングが検出される場合、高頻度ペーシングの警告を提示することができる。
【0213】
一部の実施形態では、第1のユーザーインターフェースは、異なる勾配型についての複数の数値を同じグラフ表示において含んでもよい。例えば、2つ以上の数値が、ピークからピークへの勾配の数値、瞬間的な勾配の数値、および/または、面積の勾配の数値から選択でき、同じグラフ表示において同時に提示されてもよい。
【0214】
図示されているように、提示のブロック1310が実行した後、先のブロックは、追加の圧力値データ、使用者選択を受信するために再訪問され得る、および/または、1つまたは複数のユーザーインターフェースを更新させる構成パラメータに更新する。例えば、監視装置204は、第1のユーザーインターフェースを介して、第2の勾配型(ピークからピークへの勾配型など)の使用者選択を受信することができる。したがって、監視装置204は、第1のユーザーインターフェースの代わりに、第2の勾配型(ピークからピークへの勾配型など)についての第2のユーザーインターフェースを提示することができる。第2のユーザーインターフェースは、第1のグラフと、第2のグラフと、第1のグラフにおける第1のピークと第2のグラフにおける第2のピークとの間に勾配測定を視覚的に提示する第2の勾配描写(
図10Cの勾配描写1042a、1042b、1042cなど)とを含み得る。
【0215】
使用者は、ユーザーインターフェースに任意の数の変更を行うことができる。例えば、別のユーザーインターフェースの選択が第3の勾配型(瞬間的な勾配型など)のために受信されてもよい。したがって、監視装置204は、第2のユーザーインターフェースの代わりに、第3の勾配型(瞬間的な勾配型など)についての第3のユーザーインターフェースを提示することができる。第3のユーザーインターフェースは、第1のグラフと、第2のグラフと、第1のグラフにおける第1の点と第2のグラフにおける第2の点との間に第2の勾配測定を視覚的に提示する第3の勾配描写(
図10Dの勾配描写1062a、1062b、1062cなど)とを含み得る。勾配型の変更の具体的な順番が本明細書に記載されているが、勾配型の変更のあらゆる順番が心臓弁評価システムによって受け付けられ得る。
【0216】
IV. 心臓弁評価システムおよび方法
本明細書に記載されているシステムおよび方法は心臓弁を評価することができる。圧力弁が弁を評価するために使用できる。弁は、弁の前後での圧力勾配を伴う様々な信号処理方法を用いて診断できる。収縮期の間の弁の前後での圧力勾配は、弁を通って流れる血液によって引き起こされる圧力損失を指示することができ、これは血流における限度を指示することができる。例えば弁が閉じられた後、心臓拡張の終了における圧力勾配は、閉じられている間に弁を通じて漏れる血液の量を指示することができる。本明細書に記載されているように、大動脈などの心臓血管領域からの収縮期圧でこの勾配を正規化することまたは割ることは、逆流と呼ばれ得る。本明細書に記載されている様々な技術は、限定されることはないが、圧力センサの較正、波形の調整、特徴の検出、および/または弁状態の生成など、弁の評価または診断方法の精度を向上させるために使用できる。
【0217】
a. 心臓弁評価システムおよび方法の概要
図14を見ると、心臓弁システム1400のブロック図が描写されている。
図14では、心臓弁評価環境1402は、圧力信号などの入力部1404と、心臓弁評価システム1400と、弁状態、弁診断指標、および/または波形などの出力部1406とを備える。例の波形は、一連のそれぞれの圧力およびタイムスタンプの対の値など、時間連続データを含み得る。心臓弁評価システム1400は、監視装置204と同様であり得る、監視装置204において具現化され得る、および/または、心臓弁評価システム1400の構成要素が監視装置204において具現化され得る。圧力信号1406は、圧力案内ワイヤ208、圧力感知アクセスカテーテル20、または圧力感知ピグテールカテーテル10などの本明細書に記載されている1つまたは複数の圧力センサから受信できる。
【0218】
心臓弁評価システム1400は、較正サービス1408、波形調整サービス1410、特徴検出サービス1412、および/または弁状態決定サービス1414を備え得る。較正サービス1408は、ある圧力センサを他の圧力センサに対して較正することができる。波形調整サービス1410は、2つ以上の圧力波形が概して同期させられ得るように、1つまたは複数の圧力波形を調整することができる。特徴検出サービス1412は、収縮期、拡張期、ダイクロティックノッチ、心臓拡張の終了、および/または心臓収縮の開始の検出など、1つまたは複数の特徴を圧力波形から検出することができる。弁状態決定サービス1414は1つまたは複数の弁状態を決定することができる。弁状態決定サービス1414は指標計算部1416および/または勾配計算部1418を備え得る。指標計算部1416は、弁逆流の指標などの指標を生成することができる。勾配計算部1418は、圧力勾配および/または圧力勾配の統計的測定を生成することができる。弁状態、弁診断指標、および/または波形などの生成させられた出力データ1406が、本明細書に記載されているようにユーザーインターフェースに提供され得る、または、他の装置もしくはシステムに提供され得る。
【0219】
図15を見ると、例の弁評価過程1500が示されている。過程1500は、
図2Aのシステム200、または、
図14のシステム1400などの心臓弁評価システムとの関連で記載されているが、任意の順番で過程を実施するように構成される任意のシステムは、本開示の範囲内にある。過程1500は、監視装置204を含め、本明細書で検討されているような
図2Aのシステム、または、
図14のシステム1400の様々な構成要素によって実施され得る。実施形態に応じて、過程1500は、より少ないブロックもしくは追加のブロックを含んでもよい、および/または、ブロックは、図示されているものと異なる順番で実施されてもよい。過程1500の他の実施形態は、図示されているものより少ないブロックを含み得る、または、ブロックは、図示されているものと異なる順番で実施され得る。
【0220】
ブロック1502において始まって、圧力の値または信号が受信または決定され得る。具体的には、心臓弁評価システム1400は、圧力案内ワイヤ208、圧力感知アクセスカテーテル20、または圧力感知ピグテールカテーテル10などの圧力センサから圧力信号を受信することができる。心臓弁評価システム1400は、受信された圧力信号から、圧力値の第1のセットおよび圧力値の第2のセットを決定することができる。第1のセットの圧力値からの各々の圧力値は、第1の心臓血管領域を測定する第1の圧力センサから受信される第1の信号に対応することができる。圧力値の第2のセットからの各々の圧力値は、第1の心臓血管領域と同じかまたは異なり得る第2の心臓血管領域を測定する第2の圧力センサから受信される第2の信号に対応することができる。心臓弁評価システム1400は、第1および第2のセンサから圧力値の第1および第2のセットをそれぞれ決定することができる。I節および/またはII節において先に記載されているように、圧力センサは、圧力案内ワイヤまたは他の圧力感知装置の中に含ませることができる。一部の実施形態では、較正が実施される場所など、第1の圧力センサおよび第2の圧力センサは、同じかまたは異なる心臓血管領域に位置させることができる。このような場合、過程はブロック1504へと進むことができる。
【0221】
ブロック1504において、較正が実施され得る。較正サービス1408が較正を実施できる。第2のセンサが、より正確な圧力測定を決定するために、第1のセンサに対して較正され得る。同様に、第1のセンサが、より正確な圧力測定を決定するために、第2のセンサに対して較正され得る。一部の実施形態では、第1のセンサおよび第2のセンサの各々が両方で一緒に較正され得る。第2のセンサから決定された圧力値は較正に基づいて調整され得る。第1のセンサおよび第2のセンサの較正は1つまたは複数の較正パラメータの生成をもたらすことができる。1つまたは複数の較正パラメータは、較正させられた圧力センサから決定された1つまたは複数の圧力値を調整するために使用できる。較正に関する追加の詳細は、
図16の過程1600および/または
図27の過程2700に関して後でさらに詳細に記載されている。本明細書で使用されているように、「較正」および「同等化」という用語は相互に置き換え可能に使用できる。
【0222】
過程はブロック1502に戻ることができる。較正が終了させられると、1つまたは複数の圧力センサは異なる心臓血管領域へと移動させることができ、追加の圧力信号がブロック1502において受信させられ得る。圧力信号は、異なる心臓血管領域に位置させられる2つ以上の圧力センサから受信され得る。異なる心臓血管領域の例には、限定されることはないが、心臓弁の両側、左心室および大動脈、左心室および左心房、右心室および肺動脈、右心房および右心室、大静脈および右心房など、隣接する血液通路同士があり得る。心臓弁評価システム1400は、決定された較正パラメータを適用することなどによって、圧力信号から圧力値の第1および第2のセットを決定することができる。
【0223】
ブロック1506において、波形の調整が実施され得る。一部の弁状態(診断など)が、心拍周期中の特定の一部分が使用され得る心拍内波形分析に基づかれ得るため、1つまたは複数の圧力波形を調整して2つ以上の圧力波形を概して同期または位置合わせさせることは重要であり得る。波形の調整は、波形の対応する特徴が位置合わせされるように、波形のうちの1つまたは複数の時間のずれに対応することができる。一部の実施形態では、波形調整サービス1410は1つまたは複数の波形を自動的に調整することができる。他の実施形態では、波形調整の一部の態様は、作業者が1つまたは複数の波形を手動で調整するなど、使用者の入力を受けることを含み得る。
【0224】
波形調整サービス1410は、特定の患者との設置、保守、または使用の間、圧力波形の一方または両方に後れを加えることで、一方または両方の圧力波形の間で位相を調整することができる。この技術は、設置または保守の間のセットアップ過程がTAVIなどの処置の間にセットアップ過程を表していることを取り得る。例えば、大動脈の圧力信号の時間遅れは、TAVIの処置において誘導される大動脈の圧力線の遅れを表すことができる。波形調整サービス1410は、各々の特定の患者について位相を調整することができる。
【0225】
波形調整サービス1410は、両方の圧力信号の間で位相遅れを照合および調整するように作業者に助言することができる自動位相遅れ認識システムを備え得る、または、そのような自動位相遅れ認識システムと通信することができる。波形調整サービス1410は、両方の圧力信号が同じ起源を有するとき(例えば、同様の圧力を経験するように同じ場所に位置付けられるとき)、または、圧力信号が異なる場所からのものであるときなど、同等化が要求される間、または、同等化が行われる間、このような時間遅れを照合することができる。
【0226】
波形調整サービス1410は、1つまたは複数の圧力波形の特徴同士の間の時間遅れに基づいて位相遅れを検出することができる。圧力波形の特徴は、収縮期圧の相対位置、ダイクロティックノッチの相対位置、または心臓拡張の終了の相対位置のうちの1つまたは複数を含み得る。波形調整サービス1410は、信頼できる特徴であり得る収縮の上昇の境界の最大傾斜の相対位置の特徴を使用することができる。
【0227】
追加または代替で、波形調整サービス1410は、圧力同等化が要求されるときに時間遅れを体系的に調整することができる。位相遅れを検出するための技術と同様に、時間調整は、特定の圧力波形の特徴の相対位置を比較することで測定できる。例えば、波形調整サービス1410は、圧力波形の特徴の認識に基づいて、同等化の間に圧力サンプリングのタイミングを遅らせることができる。波形調整サービス1410は、両方の信号の間の相互相関を使用することができ、つまり、時間がずれている間に一方の信号の他方の信号に対する相関を計算することによって使用することができる。時間のずれは、圧力信号または他のものに加えられ得る時間のずれに対応することができる両方の信号の間の相関値を結果的に高めることができる、または、その相関値を結果的に最大にすることさえできる。
【0228】
ブロック1508において、特徴の検出が実施され得る。特徴検出サービス1412は特徴の検出を実施することができる。圧力波形から検出できる例の特徴には、収縮期、拡張期、ダイクロティックノッチ、心臓拡張の終了、および/または心臓収縮の開始があり得る。特徴の検出に関する追加の詳細は、
図19の過程1900に関連して以下でさらに詳細に記載されている。
【0229】
ブロック1510において、心臓弁状態が決定され得る。弁状態決定サービス1414は弁状態を決定することができる。具体的には、指標計算部1416は、弁逆流の指標などの指標を生成することができ、勾配計算部1418は、圧力勾配および/または圧力勾配の統計的測定を生成することができる。指標計算部1416および/または勾配計算部1418は、弁状態を生成するために、先のブロックの較正もしくは調整された波形または検出された特徴を使用することができる。指標計算部1416は、収縮期または拡張期に応じた圧力値の第1のセットの第1のサブセットと、収縮期または拡張期に応じた調節された圧力値の第2のサブセットとに少なくとも部分的に基づいて逆流の指標を計算することができる。例えば、指標計算部1416は、以下の数式、すなわち、大動脈の逆流の指標=(大動脈の拡張期血圧-左心室の拡張期圧)/大動脈の収縮期血圧で、逆流の指標を計算することができる。勾配計算部1418は、収縮期の間の圧力値の第1のサブセットと、収縮期の間の調整された圧力値(III節において先においてさらに詳細に記載されている面積の勾配の値、ピークからピークへの勾配の値、および/または瞬間的な勾配の値など)の第2のサブセットとの間の差に少なくとも部分的に基づいて、勾配値を計算することができる。弁状態の決定に関する追加の詳細は、III節において先においてさらに詳細に記載されている。
【0230】
ブロック1512において、心臓弁状態はユーザーインターフェースに提示され得る。心臓弁評価システム1400および/または監視装置204は心臓弁状態を提示することができる。弁状態の提示に関する追加の詳細は、
図13のブロック1310と
図10A~
図10Eおよび
図11A~
図11Cのユーザーインターフェースとに関して、先においてさらに詳細に記載されている。
【0231】
b. 圧力センサ較正
本明細書に記載されているように、第1のセンサが、より正確な圧力測定を決定するために、第2のセンサに対して較正でき、これは同等化とも称することができる。例えば、圧力案内ワイヤは、他の圧力機器と共に弁の場所またはその近くにあり得る。他の圧力機器は、弁を送達するために使用され、圧力変換器に連結される管腔を備えるカテーテル、ピグテール、または他の機器であり得る。圧力機器は、他の圧力案内ワイヤ、または、先端の圧力センサを備えるカテーテルであり得る。圧力案内ワイヤおよび圧力機器は、同じ圧力を測定するために位置付けられる。圧力センサは、大動脈などの同じ心臓血管領域において、心室において、心房において、または何らかの他の場所において位置付けられ得る。同じ場所における圧力センサが同じ圧力を表示すべきであることが理解できるが、第1の圧力と第2の圧力との間(大動脈の圧力Paと遠位の圧力Pdとの間など)に差がある可能性がある。したがって、同じ位置になると、一方の圧力線が他方の圧力センサに対して較正され得る。
【0232】
圧力センサの較正のための本明細書に記載されているシステムおよび方法は、圧力機器の精度を向上させることができる。例えば、前述されているように、2つの圧力機器が同じ心臓血管領域に位置させられている場合であっても、各々の圧力機器の近位の場所または遠位の場所に基づいて、圧力に差がある可能性があり得る。さらに、圧力における差は、複数の圧力機器の間での異なる装置の種類など、他の要因から生じる可能性がある。そのため、較正のための本明細書に記載されているシステムおよび方法は、より正確な圧力読取りを提供することができることで、圧力機器の技術を向上させることができる。
【0233】
図16を見ると、例の較正過程1600が示されている。過程1600は、
図2Aのシステム200、または、
図14のシステム1400などの心臓弁評価システムとの関連で記載されているが、任意の順番で過程を実施するように構成される任意のシステムは、本開示の範囲内にある。過程1600は、監視装置204を含め、本明細書で検討されているような
図2Aのシステム、または、
図14のシステム1400の様々な構成要素によって実施され得る。実施形態に応じて、過程1600は、より少ないブロックもしくは追加のブロックを含んでもよい、および/または、ブロックは、図示されているものと異なる順番で実施されてもよい。過程1600の他の実施形態は、図示されているものより少ないブロックを含み得る、または、ブロックは、図示されているものと異なる順番で実施され得る。
【0234】
ブロック1602において始まって、1つまたは複数の較正圧力値が1つまたは複数の圧力センサから決定され得る。較正サービス1600が、1つまたは複数の圧力センサから1つまたは複数の較正圧力値を決定することができる。較正サービス1600は、心臓血管領域を測定する第1の圧力センサから受信される第1の較正信号に対応する第1の較正圧力値と、同じ心臓血管領域を測定する第2の圧力センサから受信される第2の較正信号に対応する第2の較正圧力値とを受信することができる。較正サービス1600は、第1の圧力センサから決定される較正圧力値の第1のセットと、第2の圧力センサから決定される較正圧力値の第2のセットとを受信することができる。
【0235】
ブロック1604において、較正パラメータが計算され得る。較正サービス1600は1つまたは複数の較正パラメータを計算することができる。較正サービス1600は、オフセットまたはゲイン(G)などの較正パラメータを計算するために、1つまたは複数の技術を用いることができる。較正サービス1600はオフセットまたはゲイン(G)を決定することができる。較正サービス1600は、オフセットを計算するために、以下のオフセットの数式、すなわち、P1=P2+offsetを使用することができ、ここで、P1はPdとでき、P2はPaとできる。オフセットは、圧力が2つの圧力センサの間で等しいこと(例えば、平均圧力)を決定するために、較正サービス1600によって使用され得る。追加または代替で、較正サービス1600は、2つのセンサの間の圧力(平均圧力など)が等しくなるように、一方の圧力センサのゲイン(G)を調整することができる。較正サービス1600は、ゲイン(G)を計算するために、以下のゲインの数式、すなわち、P1=G*P2を使用することができ、ここで、P1はPdとでき、P2はPaとできる。
【0236】
較正サービス1600は、較正パラメータを決定するために線形適合を使用することができる。圧力値の第1のセットおよび第2のセットは、それぞれ第1のベクトルまたは第2のベクトルであり得るかまたはそれらを含み得る。較正サービス1600は、第1のベクトルと第2のベクトルとの間に線形適合を決定することができる。第1のベクトルは、[P1]([Pd]など)に対応することができ、第2のベクトルは[P2]([Pa]など)に対応することができる。較正サービス1600は、オフセットを計算するために、以下のオフセットの数式、すなわち、[P1]=K*[P2]+bを使用することができる。較正サービス1600は、較正パラメータKおよびbを決定するために、他方の圧力センサに対する一方の圧力センサの複数回の圧力測定の間に線形適合を適用することができる。線形適合の較正は、例えば心室といった心腔に位置付けられるときに両方の圧力測定を等しくするとき、望ましくすることができる。大動脈の圧力とは対照的に、心室の圧力(および心房の圧力)は、圧力の広範な範囲にわたって、ほとんど静脈の圧力から大動脈の収縮期圧まで(さらには、大動脈弁の前後の圧力損失を考慮したより高い圧力まで)変化し、そのため、有意なオフセット(b)を伴う線形適合を得る危険性が最小限にされる。[P1]は、複数のP1の圧力値(Pdなど)を含むベクトルに対応することができ、[P2]は、複数のP2の圧力値(Paなど)を含むベクトルに対応することができる。較正サービス1600が線形適合を計算するために使用することができる圧力測定は、圧力測定のサブセットとでき、収縮期圧の測定のみ、拡張期圧の測定、または心拍周期の他の部分を含むことができる。
【0237】
ブロック1606において、較正パラメータが適用され得る。較正サービス1600は1つまたは複数の較正パラメータを圧力値に適用することができる。較正サービス1600は、1つまたは複数の調整された圧力値を決定するために、オフセット、ゲイン(G)、または線形適合パラメータ(Kおよびb)を1つまたは複数の圧力値に適用することができる。
【0238】
c. 特徴の検出
心臓弁評価システム1400は、逆流の指標などの弁状態を決定するために、心拍周期の位相の決定に依存してもよい。したがって、心臓弁評価システム1400は、限定されることはないが、収縮期、拡張期、ダイクロティックノッチ、心臓拡張の終了、および/または心臓収縮の開始など、1つまたは複数の特徴を検出することができる。ダイクロティックノッチは、拡張期から収縮期への期変化を指示することができる特徴である。心臓拡張の終了または心臓収縮の開始は、検出できる別の特徴である。心臓拡張の終了は心電図(ECG)を用いて特定することができる。一部の実施形態では、ECG信号が利用可能でない可能性があるため、または、ECG信号がしばしば十分に完全ではない可能性があるため、圧力を用いて心臓拡張の終了を特定することが望ましい可能性がある。心臓拡張から心臓収縮への移行は、完全に丸められている可能性があるため、および/または、移行が、不適切な局所化をもたらし得る様々な圧力の特徴も含み得るため、しばしば明確に区別できない。心臓弁評価システム1400は、収縮期圧の上昇する領域などの特徴に依存することができる。心臓弁評価システム1400は、他の特徴より信頼できる可能性のある収縮期圧の上昇する部分の最大または局所的に最大の傾斜の位置を特定することができる。具体的には、心臓弁評価システム1400は、条件付けされた圧力信号の最大勾配の位置を特定することができる。
【0239】
図17を見ると、波形分析環境1700が描写されている。波形分析環境1700は、圧力データ点の第1のセット1702と、圧力データ点の第2のセット1704とを含む。心臓弁評価システム1400は、ダイクロティックノッチ特徴を検出するために環境1700におけるデータ点を分析することができる。心臓弁評価システム1400は、近くのデータ点と形成された最小の角度を伴うデータ点を計算および特定することで、ダイクロティックノッチ特徴を検出することができる。角度計算の例は
図17に示されている。データ点の第1のセット1702に関して、心臓弁評価システム1400は、中心点P(i)および先行点P(i-1)から延びる第1の線と、同じ中心点P(i)および後続点P(i+1)から延びる第2の線とによって形成される角度を計算することによって、角度α(i)を得ることができる。データ点の第1のセット1702および第2のセット1704に関して、点P(i+1)の周りの角度α(i+1)は、P(i)の周りの角度α(i)より小さくなり得る。そのため、心臓弁評価システム1400は、点P(i+1)においてダイクロティックノッチ特徴を特定することができる。この例では、角度が隣接の点を用いて計算されるが、この技術は、隣接しない点を用いることを含むことができる。一部の実施形態では、この技術は、角度の一部において形成する線の計算のために、n個のより多くのデータ点(2個または3個などのより多くのデータ点など)の使用を含み得る。実施形態に応じて、データ点についての信号は、あらかじめ条件付けされてもされなくてもよい。
【0240】
図18を見ると、別の波形分析環境1800が描写されている。心臓弁評価システム1400は、心臓拡張の終了および/または心臓収縮の開始を検出するために環境1800におけるデータ点を分析することができる。環境1800は波形1806を含み得る。心臓収縮1801の上昇する部分の最大または局所的に最大の傾斜の位置から延びる傾斜1802が
図18に示されている。心臓弁評価システム1400は、最小または局所的に最小の圧力値1803と交差する水平線1804を追跡することができる。傾斜1802と水平線1804との間の交差1805は、心臓拡張の終了から心臓収縮の開始までの移行の中間位置についての信頼できる位置を提供することができる。一部の実施形態では、心臓拡張の終了または心臓収縮の開始を特定するために大動脈の圧力を使用するとき、心臓拡張の終了のより正確な位置付けが、あらかじめ決定され得る時間期間1807だけ位置を移動させることで得られる。心臓拡張の終了1807は、交差1805から40~100msだけ移動させることで得られる。一部の実施形態では、60msの位置の移動が、心臓拡張の終了の良好な推定を提供することができる。心臓弁評価システム1400は、8%~12%または5%~8%の間などの心拍周期の百分率で交差を移動させることなど、他の技術を使用することができる。
【0241】
本明細書に記載されている技術は、大動脈の圧力を使用するとき、心臓拡張の終了を特定するのに適合され得る。この技術は、処理される圧力が心室の圧力である場合に適合され得る。心室の圧力は、交差1805の位置を移動させる必要がないため、心臓拡張の終了のより正確な決定をもたらすことができる。第1の交差1805の位置が決定されると、心臓拡張の終了のより正確な決定は、最大傾斜の位置から延びる傾斜を、最大傾斜の位置と第1の交差1805との間に位置させられる位置から延びる新たな傾斜へと変更することを含み得る。具体的には、心臓拡張の終了の決定は、最大傾斜の位置から延びる傾斜を、第1の交差1805により近い位置から延びる新たな傾斜へと変更することを含み得る。第1の交差1805により近い位置から延びる新たな傾斜は、その後、水平線と交差するように延ばされ得る。新たな交差が、心臓拡張の終了として見つけ出されて使用され得る。
【0242】
図19を見ると、特徴検出過程1900が示されている。過程1900は、
図2Aのシステム200、または、
図14のシステム1400などの心臓弁評価システムとの関連で記載されているが、任意の順番で過程を実施するように構成される任意のシステムは、本開示の範囲内にある。過程1900は、監視装置204を含め、本明細書で検討されているような
図2Aのシステム、または、
図14のシステム1400の様々な構成要素によって実施され得る。実施形態に応じて、過程1900は、より少ないブロックもしくは追加のブロックを含んでもよい、および/または、ブロックは、図示されているものと異なる順番で実施されてもよい。過程1900の他の実施形態は、図示されているものより少ないブロックを含み得る、または、ブロックは、図示されているものと異なる順番で実施され得る。
【0243】
ブロック1902において始まって、信号が条件付けられ得る。心臓弁評価システム1400は信号を条件付けることができる。心臓弁評価システム1400は、信号を窓で畳み込むことなどで、圧力信号にフィルタを掛けることができる。窓は正方形または他の形態とでき、期間は2回以上のサンプルであり得る。信号を条件付けることは、気泡または他の因子によって引き起こされる振動性の特徴があり得るため、最大傾斜の位置を見つけ出すなどの特定の状況において好ましいとされ得る。
【0244】
ブロック1904において、ダイクロティックノッチ特徴が検出され得る。特徴検出サービス1412はダイクロティックノッチ特徴を検出することができる。様々な技術がダイクロティックノッチ特徴を決定するために使用できる。特徴検出サービス1412は、圧力信号のうちの1つの第2の導関数を計算することができ、ゼロ交差の位置を特定することができる。より明確には、特徴検出サービス1412は、圧力値の第1のセットから第2の微分値を計算することができ、第2の微分値に少なくとも部分的に基づいてゼロ交差の点を特定することができ、ゼロ交差の点は第1のダイクロティックノッチ特徴に対応する。これらの技術は、明確なノッチのないとき、つまり、圧力波形自体のグラフィカル描写において視認可能なノッチのないとき、ダイクロティックノッチ特徴の局所化を可能にすることができる。明確なノッチが存在するとき、つまり、ノッチが、圧力波形のグラフィカル描写において視認可能である戻る短い圧力信号の特徴を含むとき、特徴検出サービス1412は、すぐ近くの第1の導関数ゼロ交差を探すことができる。これらの技術は、条件付けされていない圧力信号において実施され得るが、条件付けられた圧力信号において実施されてもよい。
【0245】
特徴検出サービス1412は、近くのデータ点と形成された最小の角度を伴うデータ点を計算および特定することで、ダイクロティックノッチ特徴を検出することができる。特徴検出サービス1412は、圧力値のセットから、第1の先行点および第1の後続点に少なくとも部分的に基づいて、第1の点についての第1の角度を計算することができる。特徴検出サービス1412は、圧力値の第1のセットから、第2の先行点および第2の後続点に少なくとも部分的に基づいて、第2の点についての第2の角度を計算することができる。特徴検出サービス1412は、第2の角度が第1の角度より小さいことを決定でき、第2の点を第1のダイクロティックノッチ特徴として特定することができる。ダイクロティックノッチ特徴を検出することに関する追加の詳細は、
図17に関連して先に記載されている。
【0246】
ブロック1906において、心臓拡張の終了の特徴または心臓収縮の開始の特徴が検出され得る。特徴検出サービス1412は、心臓拡張の終了の特徴または心臓収縮の開始の特徴を検出することができる。特徴検出サービス1412は、上昇する圧力値の第1のサブセットを圧力値の第1のセットから特定することができる。特徴検出サービス1412は、第1の複数の圧力値から、局所的に最小の圧力値を特定することができる。特徴検出サービス1412は正接を第1のサブセットから決定することができる。次に、特徴検出サービス1412は、局所的に最小の圧力値と交差する水平線を特定することができ、正接と水平線との間に第1の交差を特定することができる。特徴検出サービス1412は、第1の交差に少なくとも部分的に基づいて、第1の拡張期の終了として、または、第1の収縮期の開始として、圧力値の第1のセットから第1の点を特定することができる。第1の点を特定することは、第1の交差を所定の時間期間によって調整することをさらに含み得る。所定の時間期間は、おおよそ60ミリ秒であり得る、または、おおよそ60ミリ秒を含み得る。所定の時間期間は、おおよそ40ミリ秒からおおよそ100ミリ秒の間を含み得る。第1の点を特定することは、心拍周期の百分率で第1の交差を調整することをさらに含み得る。百分率は、心拍周期のおおよそ8パーセントから12パーセントの間を含み得る、または、心拍周期のおおよそ8パーセントから12パーセントの間であり得る。百分率は、心拍周期の5パーセントから8パーセントの間を含み得る、または、心拍周期の5パーセントから8パーセントの間であり得る。心臓拡張の終了の特徴または心臓収縮の開始を検出することに関する追加の詳細は、
図18に関連して先に記載されている。
【0247】
ブロック1908において、収縮期または拡張期が決定できる。特徴検出サービス1412は拡張期の特徴または収縮期の特徴を検出することができる。特徴検出サービス1412は、拡張期から収縮期への期変化を特定するためにダイクロティックノッチ特徴を使用することができる。心臓拡張の終了または心臓収縮の開始は、検出できる別の特徴である。
【0248】
d. 追加の弁状態
心臓弁評価システム1400は追加の弁状態を決定することができる。追加の例の弁状態には、限定されることはないが、経静脈での機能障害診断、弁狭窄の重度の指標、大動脈逆流の指標、および/または修正された大動脈逆流の指標があり得る。
【0249】
i. 弁狭窄の重度の指標
大動脈弁が特定の実施形態を説明するために使用されているが、本明細書に記載されている技術は、僧帽弁、肺動脈弁、または三尖弁などの他の弁にも適用することができる。
図20を見ると、左心室圧力波形(LVEP: Left Ventricular Pressure Waveform)2010と大動脈圧力波形(AOP: Aortic Pressure Waveform)2011とが描写されている。
図20の例では、大動脈狭窄が存在する可能性がある。大動脈狭窄は、血液が弁を通り抜けるのを邪魔する可能性があり、これは圧力の損失または低下を引き起こす可能性がある。圧力損失は心臓収縮の間に起こり得る。実際、圧力損失は、血液が左心室から大動脈へと駆出される期間(駆出期間)の間に起こり得る。駆出期間2012は、左心室圧力が大動脈圧力と交差する点によって画定される期間として定められる。
【0250】
通常の健康な被験者では、左心室圧力と大動脈圧力とは駆出期間の間に等しくなるはずである。しかしながら、大動脈狭窄のある場合、左心室圧力は大動脈圧力より高くなり得る。圧力損失は、大動脈狭窄の重度と共に増加する可能性がある。大動脈狭窄(AS)の重度を評価するための技術は、駆出期間全体の間にLVPとAOPとの間の圧力勾配を計算することを含み得る。具体的には、大動脈狭窄(AS)の重度は、領域2013によって示されているように、駆出期間の間の平均LVPと平均AOPとの間の勾配(<LVSP>-<ASP>)に基づかれて決定され得る。以下に記載されているように、<LVSP>は、駆出期間の間の平均左心室収縮期圧とでき、<ASP>は、駆出期間の間の平均大動脈収縮期圧とできる。改良された技術は、駆出期間の縁部分を排除することと、瞬間的な圧力勾配がより一定となる領域において圧力勾配を計算することとを含み得る。これは、駆出期間の中央の50%の平均圧力の勾配を計算することで行うことができ、したがって、両方の縁における期間の25%を排除する。30%、40%、60%、70%、または80%など、中央の部分の他の百分率も可能である。
【0251】
しかしながら、この技術は圧力振幅に対して敏感であり得る。他の技術は、以下の数式によって指示されているように、平均LVEPによって平均圧力の勾配を割ることによって大動脈狭窄指標(AS)を正規化することから成る。
【0252】
【0253】
<LVSP>は、駆出期間の間の平均左心室収縮期圧とでき、<ASP>は、駆出期間の間の平均大動脈収縮期圧とできる。
【0254】
安静時、血液供給の全体の量が適切であること、つまり、駆出期間の間の大動脈圧力が適切な全体の潅流を可能にすることが仮定され得る。大動脈狭窄のない場合、駆出期間の間の左心室圧力が、大動脈狭窄の存在する場合の大動脈圧力と等しいことを仮定することは、合理的であり得る。大動脈狭窄が存在する場合または存在しない場合のいずれかにおける全体血管抵抗は、変化しない可能性がある。
【0255】
【0256】
の値は、大動脈狭窄の存在によって引き起こされる利用可能な潅流の損失に相当する。大動脈狭窄のない通常の健康な被験者では、
【0257】
【0258】
は0に等しくなる。血流予備比(FFR)の同等が、次の
【0259】
【0260】
ような
【0261】
【0262】
の指標を変更するためであり、この場合、
【0263】
【0264】
は、通常の弁に対する狭窄弁の利用可能な潅流の百分率を表すことができる。
【0265】
【0266】
および
【0267】
【0268】
は、駆出期間全体にわたって平均圧力を取ることで計算できる、または、圧力が駆出期間の一部分を取ることで計算できる。他の指標は、駆出期間の中でLVSPとASPとの間の最大の瞬間的な勾配を取ることから成る。
【0269】
ii. 大動脈の逆流の指標
逆流は、血液が弁を通じて反対へ漏れるときに起こり得る。逆流は、弁の病気によって引き起こされる可能性がある、または、補綴の置換の場合、生来の弁に対する置換弁の不完全密着によって引き起こされる可能性がある。弁の置換に続く患者の処置後の転帰は、弁逆流によって悪影響が与えられ得る。そのため、TAVI後の弁逆流と、弁調整のための可及的なTAVI前の逆流とを診断することは、重要であり得る。
【0270】
図21は、通常の健康な被験者の圧力波形を示している。
図22は、大動脈弁逆流を伴う同様の圧力波形を示している。弁を通じて流れ、左心室の中で逆に流れる血液は、左心室拡張期圧を増加させることができる。これは、閉じた大動脈弁を通じて失われる血液の体積の結果として、大動脈拡張期圧を低下させることもできる。収縮期圧は、利用可能な血液の潅流の損失を補うために増加することができる。
【0271】
大動脈の逆流の指標(AR)は、以下の数式で示される、大動脈収縮期圧(ASP)で正規化された、拡張期の終了の心室圧力(LVEDP)と拡張期の終了の大動脈圧力(AEDP)との間の勾配2220を計算することから成り得る。
【0272】
【0273】
より良好な安定性および再現性を提供することができる別の指標は、大動脈収縮期圧(ASP)によって割られた、平均左心室拡張期圧(LVDP)と平均大動脈拡張期圧(ADP)との勾配2221を計算することから成る。別の指標は、例えば、左心室圧力が特定の値2222未満である期間、より明確には、LVDPが比較的平坦である領域にある期間にわたって勾配を計算することといった、拡張の一部分にわたって同じ勾配を計算することから成る。例えば心臓拡張の左部分の75%を取るなど、心臓拡張のあらかじめ決定された部分が逆流の指標を計算するために使用されてもよい。
【0274】
iii. 修正された大動脈の逆流の指標
弁交換を伴う患者にとって一般的であり得る動脈硬化は、大動脈の逆流と同様な方法で圧力波形に影響を与える。これらの場合、上記の大動脈の逆流の指標は、陽性の逆流の誤った決定をもたらす可能性があり、これがさらに不必要な弁の調整をもたらす可能性がある。より明確には、動脈硬化は収縮期圧を増加させる効果を有する。
図23では、この圧力増大2330が、通常の血管系より容易に生じる硬化した血管系からの反射した圧力波によって引き起こされる可能性がある。通常の血管系では、反射した波は後に心臓拡張中に起こり、そのため、拡張期圧の早い段階において増加があり得る。
【0275】
心臓拡張の間の圧力は、血管系のコンプライアンスによって耐えられ得る。主には大動脈である動脈の伸展性は、自発的な状態に向けて戻るように後退することで、血管系内に圧力を与えることを維持する。硬化した動脈は、同じ度合いのコンプライアンスを有しておらず、そのため動脈は、心臓拡張の間、拡大した圧力に耐える能力を有していない。拡張期圧がより急激に低下するため、拡張期の終了の大動脈圧力(AEDP)も急激に低下し、そのため大動脈の逆流がより小さくなる。
【0276】
拡張期圧は、血管系コンプライアンス(C)と全体血管抵抗(R)を含む2要素モデルによって表すことができる。拡張期圧は、以下の拡張の数式によって表されるように弛緩する。
【0277】
【0278】
コンプライアンスが知られている場合、数式は全体血管抵抗(R)を計算することを許容する。大動脈の拡張期の終了の圧力は、先に計算された全体血管抵抗と共に一般的な通常のコンプライアンスを使用して再計算され得る。
【0279】
コンプライアンスは、以下の数式によって指示されているように、所与の圧力変化によって引き起こされる動脈の容積におけるゲインと言うことができる。
【0280】
【0281】
ΔVは、動脈の直径における相対変化を測定することで得られる。ΔVは、心臓収縮と心臓拡張との間での血管造影法による左心室の輪郭測定の差から得られる左心室の心拍出量を測定することで、より容易に測定できる。ΔPは、大動脈の収縮から拡張への勾配である。
【0282】
動脈硬化は、増大圧力(AP)2330と良好に相関させられ得る、または反対に、コンプライアンスは増大圧力の逆数と良好に相関させられ得る。増大圧力は臨床の段取りにおいて実施するのがより容易であり得るため、増大圧力を用いて大動脈の逆流を修正することが好ましいとされる。増大圧力は、心臓収縮2331の上昇部分における視認可能な変化を伴い、増大圧力の推定を可能にする。別の方法はニトログリセリンを患者に注入することであり、これは、ニトログリセリンが動脈系を弛緩させ、増大圧力を低下させるためである。ニトログリセリンによって引き起こされる大動脈収縮期圧の変化は増大圧力を与えることができる。コンプライアンスは、以下のコンプライアンス数式の形態の関係で、または、増大圧力を用いる仮定された一般的な通常のコンプライアンスCnを調整するf(AP)の任意の関係で、推定できる。
C=f(AP)=Cn-k・AP
【0283】
Rは、上記の数式のCを、拡張の大動脈圧力測定を用いる拡張の数式へと適用することで計算できる。修正された大動脈拡張期圧(CADP)は、計算されたRおよびCnをコンプライアンス数式へと用いることで計算される。修正された大動脈の逆流が、以下の数式で示されているように、修正された大動脈拡張期圧(CADP)によって大動脈拡張期圧(ADP)を置き換えることで計算される。
【0284】
【0285】
他の方法は、測定された大動脈収縮期圧を、修正された大動脈収縮期圧で置き換えること、つまり、ASPから増大圧力の寄与分を除去することから成る。修正された大動脈の逆流は、拡張の終了の圧力値だけを用いるのではなく、先に記載されたような平均の拡張の計算を用いることができる。
【0286】
異常な静脈の圧力によって引き起こされる左心室の拡張期の上昇した圧力は、誤って計算された大動脈の逆流の指標ももたらす可能性がある。別の向上した方法は、以下の数式において示されているように、静脈の圧力または心房の圧力の寄与分を左心室の拡張期圧成分から引くことから成る。
【0287】
【0288】
e. 追加の圧力センサ較正
本明細書に記載されているように、第1のセンサが、より正確な圧力測定を決定するために、第2のセンサに対して較正でき、これは同等化とも称することができる。例えば、圧力案内ワイヤは、他の圧力機器と共に弁の場所またはその近くにあり得る。他の圧力機器は、弁を送達するために使用され、圧力変換器に連結される管腔を備えるカテーテル、ピグテール、または他の機器であり得る。圧力機器は、他の圧力案内ワイヤ、または、先端の圧力センサを備えるカテーテルであり得る。追加の圧力機器は圧電センサおよび/または光学センサを含み得る。同等化され得る例の圧力機器は、限定されることはないが、圧力案内ワイヤ、カテーテル、ピグテール、先端圧力センサ、圧電センサ、および/または光学センサから選択され得る。したがって、同等化され得る圧力機器の例の組み合わせには、2つのピグテール、2つの圧電センサ、2つの光学センサ、および/または圧力機器の任意の他の組み合わせがあり得る。しかしながら、圧力機器が較正の目的のために同じ心臓血管領域に位置させられている、本明細書に記載されている較正技術のうちの一部と異なり、本明細書に記載されている他の較正技術は、左心室に位置付けされた第1の機器および大動脈に位置付けられた第2の機器など、圧力機器が異なる心臓血管領域に位置付けられている間に実施され得る。本明細書に記載されているように、機器が心臓における異なる心臓血管領域に位置させられている間の圧力機器の較正は、1つまたは複数の特徴を圧力波形から検出することで達成され得る。具体的には、圧力波形における検出された1つまたは複数の特徴は、同等化の目的のために時間調整および/またはゲイン調整を圧力波形に実施するために使用され得る。
【0289】
圧力機器が異なる場所にある間の圧力センサ較正について本明細書に記載されているシステムおよび方法は、圧力読取りの効率を向上させることができる。例えば、前述したように、較正は、圧力機器が同じ心臓血管領域に位置付けられるときに行うことができる。しかしながら、両方の圧力機器が同じ心臓血管領域に位置付けられることを確保することは、心臓処置に追加のステップを加える可能性がある。波形の特徴からの時間調整および/またはゲイン調整で較正することに関して本明細書に記載されている技術は、圧力機器が心臓の処置によって必要とされるように異なる場所にある間に有利に行うことができる。そのため、圧力機器が異なる場所にある間の較正のための本明細書に記載されているシステムおよび方法は、心臓処置に追加のステップを加えることなく、より正確な圧力読取りを提供することができることで、圧力機器の技術を向上させることができる。
【0290】
大動脈の圧力波形は心室の圧力波形と異なり得る。例えば、先に記載されている
図20に関して、大動脈の圧力は、大動脈の圧力波形2011によって示されているように、収縮期の開始において増加し始めることができる。具体的には、大動脈圧力は、大動脈弁が開く時間期間2012の開始において大動脈弁が開くときに増加し始めることができる。大動脈圧力波形2011は、収縮期圧である時間期間2012における局所的な最大に少なくとも達するまで増加し、次に、時間期間2012の終了におけるダイクロティックノッチに達するまで急激に低下する。ダイクロティックノッチは、大動脈弁が閉じる瞬間を表している。大動脈弁が開閉するこれらの2つの瞬間は、心室圧力と大動脈圧力とが等しくなり得る唯一の点を表すことができるため、同等化に有用であり得る。大動脈弁が開くおよび閉じるこれらの2つの瞬間は、それぞれ時間期間2012の開始および終了に概して対応することができる。左心室圧力波形2010は、時間期間2012の開始および終了において大動脈圧力波形2011と交差することができる。
【0291】
図24において、位相遅れを含み得る圧力波形が描写されている。具体的には、左心室圧力波形2402と大動脈圧力波形2404とが描写されている。
図20における左心室圧力波形2010と大動脈圧力波形2011との交差とは対照的に、左心室圧力波形2402は、
図24における大動脈圧力波形2404と、大動脈圧力波形2404の特徴に関して異なる瞬間において交差することができる。具体的には、
図24では、左心室圧力波形2402は、弁の開くとき2406、または、ダイクロティックノッチ2408のとき、大動脈圧力波形2404と交差しない。本明細書に記載されている較正技術が
図24の圧力波形に適用されてもよい。具体的には、時間調整が
図24の圧力波形に適用されてもよい。
【0292】
図25において、ゲイン誤差を含み得る圧力波形が描写されている。具体的には、左心室圧力波形2502と大動脈圧力波形2504とが描写されている。
図25の圧力波形において、振幅変化を引き起こす可能性のあるゲインの誤差が存在し得る。例えば、左心室圧力波形2502は、おおよそ1.3のゲイン誤差を含む可能性があり、これは、左心室圧力波形2502が大動脈圧力波形2504と交差する点の拡張を引き起こす可能性がある。具体的には、左心室圧力波形2502の圧力値2508は、大動脈圧力波形2504のダイクロティックノッチ特徴における大動脈圧力波形2504の圧力値2506より高くなり得る。他と例では、ゲインが1未満である場合、交差する点同士が一体に近づくことになる(図示されていない)。本明細書に記載されている較正技術が
図25の圧力波形2502、2504に適用されてもよい。具体的には、ゲイン調整が
図25の圧力波形に適用されてもよい。
【0293】
図26において、位相遅れおよびゲイン誤差を含み得る圧力波形が描写されている。具体的には、左心室圧力波形2602と大動脈圧力波形2604とが描写されている。本明細書に記載されている較正技術が
図26の圧力波形2602、2604に適用されてもよい。具体的には、時間調整および/またはゲイン調整が
図26の圧力波形に適用されてもよい。
【0294】
図27では、他の例の較正過程2700が示されている。過程2700は、
図2Aのシステム200、または、
図14のシステム1400などの心臓弁評価システムとの関連で記載されているが、任意の順番で過程を実施するように構成される任意のシステムは、本開示の範囲内にある。過程2700は、監視装置204を含め、本明細書で検討されているような
図2Aのシステム、または、
図14のシステム1400の様々な構成要素によって実施され得る。実施形態に応じて、過程2700は、より少ないブロックもしくは追加のブロックを含んでもよい、および/または、ブロックは、図示されているものと異なる順番で実施されてもよい。過程2700の他の実施形態は、図示されているものより少ないブロックを含み得る、または、ブロックは、図示されているものと異なる順番で実施され得る。
【0295】
一部の実施形態では、圧力値の1つのセットが、左心室に位置付けられた圧力センサ(圧力液体充填ラインなど)からとでき、圧力値の他のセットが大動脈に位置付けられた異なる圧力センサ(圧力案内ワイヤなど)からとできる。さらに、一部の実施形態では、心臓弁評価システム1400は、較正過程2700の出力に基づいて左心室についての圧力値を調整することができる。一部の場合、圧力液体充填ラインは、流体充填ラインにおける圧力伝播時間のため、圧力案内ワイヤと比較して、相対的により大きな遅れを有する。したがって、大動脈の圧力の代わりに左心室の圧力を調整することは有利であり得る。本明細書に記載されているように、複数の選択肢が可能である。例えば、追加または代替で、心臓弁評価システム1400は、較正過程2700の出力に基づいて大動脈についての圧力値を調整することができる。
【0296】
ブロック2702において始まって、圧力機器がゼロに設定され得る。具体的には、心臓弁評価システム1400は1つまたは複数の圧力機器をゼロに設定することができる。本明細書で使用されているように、「ゼロに設定する」ことは、システム1400における大気圧などの外部の圧力が無効にされ得る過程と言うことができる。システム1400は、患者からの実際の圧力以外の他の圧力信号を排除するために、1つまたは複数の圧力機器をゼロに設定することができる。ゼロに設定することで、治療/動作の決定の基礎となるより正確なデータをもたらすことができる。
【0297】
ブロック2704において、圧力の値または信号が受信または決定され得る。具体的には、心臓弁評価システム1400は、圧力案内ワイヤ208、圧力感知アクセスカテーテル20、圧力感知ピグテールカテーテル10、先端圧力センサ、圧電センサ、および/または光学センサなどの圧力センサから圧力信号を受信することができる。心臓弁評価システム1400は、受信された圧力信号から、圧力値の第1のセットおよび圧力値の第2のセットを決定することができる。第1のセットの圧力値からの各々の圧力値は、第1の心臓血管領域を測定する第1の圧力センサから受信される第1の信号に対応することができる。圧力値の第2のセットからの各々の圧力値は、第1の心臓血管領域と異なる第2の心臓血管領域を測定する第2の圧力センサから受信される第2の信号に対応することができる。例えば、第1の圧力センサは心臓の第1の部分に位置付けることができ、第2の圧力センサは、心臓の第1の部分に隣接する心臓血管領域に位置付けることができる。心臓弁評価システム1400は、第1および第2のセンサから圧力値の第1および第2のセットをそれぞれ決定することができる。圧力の値または信号を受信するためのこのブロック2704は、圧力の値または信号を受信するための
図15のブロック1502と同様であり得る。
【0298】
ブロック2706において、特徴の検出が実施され得る。特徴検出サービス1412は特徴の検出を実施することができる。圧力波形から検出できる例の特徴には、収縮期、拡張期、ダイクロティックノッチ、心臓拡張の終了、および/または心臓収縮の開始があり得る。特徴検出サービス1412は、
図24~
図26の例の圧力波形において特徴を特定することができる。具体的には、特徴検出サービス1412は、圧力値のセットにおいて収縮期の実質的な開始を決定することができる。他の例として、特徴検出サービス1412は、圧力値のセットにおいてダイクロティックノッチ特徴を決定することができる。特徴の検出に関する追加の詳細は、
図19の過程1900に関連して先にさらに詳細に記載されている。特徴の検出を実施するためのこのブロック2706は、特徴の検出を実施するための
図15のブロック1508と同様であり得る。
【0299】
一部の実施形態では、特徴検出サービス1412は、1つまたは複数の閾を適用することで特徴の検出を実施することができる。一部の圧力波形において、弁を開ける交差の点は、心臓収縮の開始において完全ではなく、若干後または前である可能性がある。例えば、ひどく石灰化された弁尖を開けるために必要とされる圧力は、大動脈における圧力伝達を遅らせ、より平坦な大動脈圧力の曲線をもたらす可能性があり、これは交差の点を変化させる可能性がある。例えば、特徴検出サービス1412は、圧力値のセットにおいて、拡張期の終了の前または後の心拍周期の百分率の範囲内で収縮期の実質的な開始を特定することができる。別の例として、特徴検出サービス1412は、ダイクロティックノッチ特徴に対応するタイムスタンプを特定することができ、タイムスタンプは、圧力値のセットにおけるダイクロティックノッチの前または後の心拍周期の百分率の範囲内であり得る。例の閾の百分率は、心拍周期のおおよそ0パーセントから1パーセントの間、おおよそ0パーセントから2パーセントの間、おおよそ0パーセントから5パーセントの間、および、おおよそ0パーセントから10パーセントの間であり得る。
【0300】
ブロック2708において、時間調整が計算され得る。具体的には、較正サービス1408は時間調整を計算することができる。較正サービス1408は、圧力値のセットを、圧力値の基礎セットにおける収縮期の実質的な開始において、圧力値の基礎セットと交差させる時間調整を計算することができる。例えば、
図24の圧力波形の状況において、較正サービス1408は、左心室圧力波形2402を、収縮期の実質的な開始のとき/弁の開くとき2406において、大動脈圧力波形2404と交差させる時間調整を計算することができる。例の時間調整は、ミリ秒または秒などの時間の単位での時間の値であり得る。ブロック2710において、時間調整が適用され得る。具体的には、較正サービス1408は、圧力値のセットからの値が圧力値の基礎セットにおける収縮期の実質的な開始における値に対応するように、時間調整を圧力値のセットに適用することができる。
【0301】
ブロック2712において、ゲイン調整が計算され得る。具体的には、較正サービス1408はゲイン調整を計算することができる。較正サービス1408は、ダイクロティックノッチの位置において圧力差を測定し、必要とされるゲイン修正を計算することができる。具体的には、較正サービス1408は、圧力値の基礎セットにおいて、検出されたダイクロティックノッチ特徴を使用することができる。較正サービス1408は、ダイクロティックノッチ特徴に対応するタイムスタンプを特定することができ、圧力値の基礎セットから、タイムスタンプにおける第1の値を決定することができる。較正サービス1408は、圧力値の別のセットから、タイムスタンプにおける第2の値をさらに決定することができる。第1の値はV1に対応し、第2の値はV2に対応し、ゲイン調整はgを含むことができ、ゲイン調整を計算するための例の数式は、実質的に以下のような関係決定を含み得る。
【0302】
【0303】
例えば、
図25の圧力波形の状況において、較正サービス1408は、左心室圧力波形2502の圧力値2508によって割られた大動脈圧力波形2504の圧力値2506からゲイン調整を計算することができる(つまり、Gain
correction=Ao
Dicrotic/Lv
Dicrotic)。
【0304】
ブロック2714において、ゲイン調整が適用され得る。具体的には、較正サービス1408は、ゲイン修正を達成するために、ゲイン調整を圧力値のセットに適用することができる。一部の実施形態では、較正サービス1408は、圧力値の振幅を変えるように圧力値のセットを形成するために、ゲイン調整を各々の値に掛けることができる。
【0305】
ブロック2716において、較正過程2700についての終了条件が満たされたかどうかが決定され得る。具体的には、較正サービス1408は、終了条件が満たされたかどうかを決定することができる。例の終了条件は、圧力値のセットについての交差の点が、検出された1つまたは複数の特徴において圧力値の基礎セットの閾の中にあるかどうかの決定を含み得る。例えば、較正サービス1408は、左心室の圧力波形からの交差が、大動脈圧力値における収縮期の実質的な開始からの閾の中にあることを決定することができる。別の例として、較正サービス1408は、左心室の圧力波形からの交差が、大動脈圧力値におけるダイクロティックノッチ特徴からの閾の中にあることを決定することができる。条件が満たされない場合、時間調整および/またはゲイン調整などの較正パラメータを再計算および適用するために、過程は先のブロック2708、2710、2712、2714へと戻ることができる。したがって、較正サービス1408は、終了条件が満たされるまでループで動作することができる。例えば、較正サービス1408は、一部の実施形態では、圧力波形の交差が、圧力波形における特徴によって指示されているように弁の開くことと合致するまで、ループで動作することができる。終了条件が満たされる場合、過程はブロック2718へと続く。
【0306】
ブロック2718において、決定された較正パラメータが保管および/または使用され得る。具体的には、較正サービス1408は、時間調整および/またはゲイン調整を保管および/または使用することができる。例えば、較正サービス1408は、時間調整および/またはゲイン調整を、較正が完了された後に圧力機器から受信されるセットの圧力値および/または信号に適用する。
【0307】
実施機構
図28は、心臓弁評価システム1400の例の構成要素を示すブロック図である。
図28の心臓弁評価システム1400は単一の装置として描写されているが、心臓弁評価システム1400は、サーバクラスタ、サーバファーム、データセンター、メインフレーム、クラウドコンピュータ環境などで実施されてもよい。心臓弁評価システム1400は、保存、演算、ネットワーク形成などのサービスを提供する分散コンピューティング資源として動作する任意の数の装置を含んでもよい。
【0308】
心臓弁評価システム1400は、ハードウェア処理装置2802と、データ保存装置2804と、メモリ装置2806と、バス2808と、表示装置2812と、1つまたは複数の入力/出力装置2814とを備え得る。処理装置2802は、例えば、デジタル信号処理装置とマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号処理装置と併用された1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のこのような構成といった、演算装置の組み合わせとして実施されてもよい。処理装置2802は、数ある中でも、データを処理するように、または、1つまたは複数の機能を実施するために命令を実行するように構成され得る。データ保存装置2804は、磁気ディスク、光学ディスク、またはフラッシュデバイスなどを備えることができ、情報および命令を保存するためにバス2808に提供および結合され得る。メモリ2806は、限定されることなくランダムアクセスメモリ(RAM)および読出し専用メモリ(ROM)を含め、データを保存する1つまたは複数のメモリ装置を備え得る。心臓弁評価システム1400は、情報を患者などの使用者に表示するためのLCD表示装置またはタッチスクリーンなどの表示装置2812に、バス2808を介して結合され得る。心臓弁評価システム1400は、バス2808を介して1つまたは複数の入力/出力装置2814に結合され得る。入力装置2814は、限定されることはないが、キーボード、マウス、デジタルペン、マイクロフォン、タッチスクリーン、ジェスチャ認識システム、音声認識システム、撮像装置(目、手、頭、または身体を追跡したデータおよび/または配置を取り込み得る)、ゲームパッド、加速度計、またはジャイロスコープを含み得る。
【0309】
心臓弁評価システム1400は、本明細書に記載されている過程および機能を実施するための1つまたは複数のソフトウェアエンジン(またはサービス)を備え得る。ソフトウェアエンジンは、圧力信号などの入力状態の検出、および、心臓弁状態などの出力状態の生成のために、本明細書において詳述されているように(および、流れ図において示されているように)、過程を実施するためのプログラム命令を含み得る。エンジンは、1つまたは複数のハードウェア処理装置2802によって実行され得る。プログラム命令は、データ保存装置2804に保存され得る、および/または、メモリ2806に読み込まれ得る。プログラム命令は、C、C++、JAVA(登録商標)、または任意の他の適切なプログラム言語で実施され得る。一部の実施形態では、エンジンを含む心臓弁評価システム1400の部分の一部または全部が、ASICおよびFPGAなどの特定用途向け回路のハードウェア処理装置で実施され得る。心臓弁評価システム1400の機能性の一部の態様は、ネットワークを通じてサーバ(図示されていない)において遠隔で実行され得る。さらに、心臓弁評価システム1400の機能性の一部の態様は、1つまたは複数のセンサまたは外部装置で実行され得る。
【0310】
心臓弁評価システム1400は、圧力案内ワイヤ208、圧力感知アクセスカテーテル20、または圧力感知ピグテールカテーテル10などの本明細書に記載されている1つまたは複数のセンサ装置2816と通信することができる。
【0311】
用語
本明細書において使用されているように、「近位」および「遠位」といった相対的な用語は、システムの使用者の視点から定められるものとする。したがって、近位は、システムの使用者に向かう方向を言っており、遠位は、システムの使用者から離れる方向を言っている。
【0312】
本明細書において使用されているように、「上流」および「下流」といった相対的な用語は、血流の視点から定められるものとする。したがって、下流は、左心室に対して大動脈に向かう方向を言っている。
【0313】
「~できる」、「~し得る」、「~する可能性がある」、または「~でもよい」などの条件の言葉は、他に明確に述べられていない場合、または、使用されているような文脈内で理解されない場合、特定の特徴、要素、および/またはステップを、特定の実施形態は含むが他の実施形態は含まないことを伝えるように、概して意図されている。したがって、このような条件の言葉は、その特徴、要素、および/またはステップが1つまたは複数の実施形態についてどんな形でも必要とされることを意味するようには概して意図されていない。
【0314】
「~を備える」、「~を含む」、「~を有する」などの用語は、同意語であり、オープンエンドの形で包括的に使用され、追加の要素、特徴、作用、動作などを排除することはない。また、「または」という用語は、例えば、要素の列記を繋ぐために使用されるとき、列記における要素のうちの1つ、一部、または全部を意味するように、その包括的な意味において使用される(その排他的な意味において使用されない)。
【0315】
本明細書において使用されているような「おおよそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、所望の機能をなおも実施する、または、所望の結果をなおも達成する述べられた量に近い量を表している。例えば、「おおよそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、文脈が指示し得るように、述べられた量の5%未満内にある量に言及することができる。
【0316】
本明細書で開示されている範囲は、任意およびすべての重なり合い、部分的な範囲、およびそれらの組み合わせも網羅している。「~まで」、「少なくとも」、「~より大きい」、「~より小さい」、「~と~との間」などの言葉は、提唱された数を含んでいる。「約」または「おおよそ」などの用語によって先行される数は、提唱された数を含んでいる。例えば、「約4」は「4」を含んでいる。
【0317】
本明細書で開示されているあらゆる方法は、提唱されている順番で実施される必要はない。本明細書で開示されている方法は、実施者によって取られる特定の行動を含むが、明示的または含蓄的のいずれかで、それらの行動の任意の第三者の命令を含むこともできる。例えば、「係止要素を遠位に移動させる」などの行動は、「係止要素の遠位への移動を命令する」ことを含んでいる。
【0318】
特定の実施形態および例が本明細書に記載されているが、本開示において図示および記載された上腕骨の組立体の多くの態様が、なおもさらなる実施形態または許容可能な例を形成するために、異なるように組み合わせおよび/または改良され得ることは、当業者によって理解されるものである。すべてのこのような改良および変形は、本明細書において本開示の範囲内に含まれるように意図されている。幅広い様々な設計および手法が可能である。本明細書に開示されている特徴、構造、またはステップのいずれも必須または不可欠ではない。
【0319】
一部の実施形態は添付の図面との関連で記載されている。しかしながら、図が一定の縮尺で描かれていないことは理解されるべきである。距離、角度などは単に例示的であり、図示されている装置の実際の寸法および配置との正確な関係を必ずしも持っていない。構成要素は、追加、除去、および/または再配置され得る。さらに、様々な実施形態と関係している任意の具体的な特徴、態様、方法、性質、特性、品質、属性、要素などの本明細書での開示は、本明細書で述べられているすべての他の実施形態で使用できる。また、本明細書に記載されている任意の方法が、提唱されたステップを実施するのに適する任意の装置を使用して実施できることは、認識されるものである。
【0320】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、および新規の特徴が本明細書に記載されている。必ずしも必要でないすべてのこのような利点が任意の特定の実施形態に応じて達成され得ることは、理解されるものである。したがって、例えば、本開示が、本明細書において教示または提案され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示されているような1つの利点または利点の群を達成する手法で具現化または実行され得ることを、当業者は認識するものである。
【0321】
さらに、例示の実施形態が本明細書に記載されているが、等価の要素、変形、省略、組み合わせ(例えば、様々な実施形態にわたる態様の組み合わせ)、適合、および/または変更を有する任意およびすべての実施形態の範囲は、本開示に基づかれる技術において当業者によって理解されるものである。請求項における限定は、請求項において用いられた言葉に基づいて幅広く解釈され、本明細書で説明された例、または、本出願の審査の間に説明された例に限定されず、それらの例は非排他的として解釈されるものである。さらに、開示されている過程および方法の行動は、行動を再順序付けすること、追加の行動を挿入すること、および/または行動を削除することを含め、任意の手法で変更されてもよい。そのため、本明細書および例は、例示のみとして考察され、真の範囲および精神が請求項およびそれらの等価の完全な範囲によって指示されることが、意図されている。
【符号の説明】
【0322】
10 ピグテールカテーテル
20 アクセスカテーテル
30 圧力案内ワイヤ
40 圧力センサ
200 診断システム
202 ファイバ光学インターフェースケーブル
204 監視組立体、監視表示装置
207 ハンドル
206A、206B、206C、206D 圧力案内ワイヤ208における場所
208 圧力案内ワイヤ
210 アクセスカテーテル
211 アクセスカテーテル
212 送達システム
213 送達システム
214 大動脈ピグテールカテーテル
250 非外傷性湾曲部
308 圧力案内ワイヤ
310 外側管
312 コイル部分
314 間隔、隙間
316 芯ワイヤ
318 圧力センサ組立体
320 圧力ワイヤリード
322 圧力センサ
324 センサ筐体
326 縮小された直径の部分
328 近位部分
408 圧力案内ワイヤ
410 外側管
412 コイル部分
416 芯ワイヤ
418 圧力センサ組立体
420 圧力ワイヤリード
422 圧力センサ
426 縮小された直径の部分
428 縮小されていない直径の部分
430 コネクタ管
432 遠位先端
434 絶縁部分
436 接着剤
438a 第1の区域
438b 第2の区域
440 開口
508 圧力感知案内ワイヤ
510 外側管
512a、512b コイル状区域、コイル部分
516 芯ワイヤ
518 圧力センサ組立体
520 圧力ワイヤリード
522 圧力センサ
526 縮小された直径の部分
528 近位部分
530 コネクタ管
542 圧力センサ筐体
544 開口
608 圧力感知案内ワイヤ
612a コイル部分
616 芯ワイヤ
626 縮小された直径の部分
632 遠位先端
708 圧力感知案内ワイヤ
716 芯ワイヤ
722 圧力センサ
730 コネクタ管
742 センサ筐体
746 縮小された直径の区域
754 先細り部分
808 圧力感知案内ワイヤ
810 外側管
812a、812b コイル部分
816 芯ワイヤ
820 圧力ワイヤリード
822 圧力センサ
826 縮小された直径の部分
830 コネクタ管
838a 第1の区域
838b 第2の区域
842 センサ筐体
848 コネクタ
852 開口
908 圧力感知案内ワイヤ
910 外側管
912 コイル部分
920 圧力ワイヤリード
922 圧力センサ
924 センサ筐体区域
930 コネクタ管
932 遠位先端
934 絶縁部分
948 コネクタ
956 近位端
1000、1020、1040、1060、1080 ユーザーインターフェース
1002、1004、1006、1008 グラフ
1010、1012 生理的パラメータ
1014 記録選択肢
1042a、1042b、1042c 勾配描写
1044a、1044b、1044c 逆流描写
1046 第1の数値
1048 第2の数値
1050 心電図記録グラフ
1051 圧力グラフ表示部
1052 再生制御部
1054 現在の再生位置
1056 勾配型選択部
1062a、1062b、1062c 勾配描写
1064 数値
1082a、1082b、1082c 勾配描写
1084 数値
1100、1120、1140 ユーザーインターフェース
1102、1122、1142 勾配の描写
1104 逆流描写
1200 構成ユーザーインターフェース
1202 統計的測定期間選択部
1400 心臓弁評価システム
1402 心臓弁評価環境
1404 入力部
1406 出力部
1408 較正サービス
1410 波形調整サービス
1412 特徴検出サービス
1414 弁状態決定サービス
1416 指標計算部
1418 勾配計算部
1700 波形分析環境
1702 圧力データ点の第1のセット
1704 圧力データ点の第2のセット
1800 波形分析環境
1801 心臓収縮
1802 傾斜
1806 波形
1803 最小または局所的に最小の圧力値
1804 水平線
1805 交差
1807 時間期間、心臓拡張の終了
2010 左心室圧力波形
2011 大動脈圧力波形
2012 駆出期間、時間期間
2013 領域
2220 拡張期の終了の心室圧力と拡張期の終了の大動脈力との間の勾配
2221 平均左心室拡張期圧と平均大動脈拡張期圧との勾配
2222 特定の値
2330 圧力増大
2331 心臓収縮
2402 左心室圧力波形
2404 大動脈圧力波形
2406 弁の開くとき
2408 ダイクロティックノッチ
2502 左心室圧力波形
2504 大動脈圧力波形
2506 大動脈圧力波形の圧力値
2508 左心室圧力波形の圧力値
2602 左心室圧力波形
2604 大動脈圧力波形
2802 ハードウェア処理装置
2804 データ保存装置
2806 メモリ装置
2808 バス
2812 表示装置
2814 入力/出力装置
A 大動脈
L 圧力案内ワイヤの長手方向軸
LA 左心房
LV 左心室
M 僧帽弁
P 尖
RA 右心房
RV 右心室
VC 下大静脈、上大静脈