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特許7581247植物栽培用光源、植物栽培用光源モジュール、植物栽培装置および植物栽培方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】植物栽培用光源、植物栽培用光源モジュール、植物栽培装置および植物栽培方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
A01G7/00 601C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021569218
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(86)【国際出願番号】 KR2020006607
(87)【国際公開番号】W WO2020235935
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】62/850,122
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/506,731
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507194969
【氏名又は名称】ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL SEMICONDUCTOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】97-11, Sandan-ro 163 beon-gil, Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】マククリア,マーク
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-062438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0340890(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0090317(KR,A)
【文献】特開2017-212428(JP,A)
【文献】特開2017-123872(JP,A)
【文献】特表2018-509921(JP,A)
【文献】特開2016-202108(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0024223(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0088662(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第106960899(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00
H05B 44/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1乃至第3光をそれぞれ出射する第1乃至第3光源のうち少なくとも2個以上の光源を含み、
前記第1光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて第1ピークを有し、
前記第2光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて前記第1ピークより長い波長に表れる第2ピークを有し、
前記第3光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて前記第1ピークより短い波長に表れる第3ピークを有し、
前記第1光は、色温度が約5000Kで、約500ナノメートル乃至約700ナノメートルにおいて前記第1ピークより低い強度を有し、前記第1ピークの半値幅より大きい半値幅を有する第1サブピークを有する植物栽培用光源。
【請求項2】
前記光源から出射された光のスペクトルとMcCree曲線で示されるスペクトルとの重畳面積は、McCree曲線で示されるスペクトルに対して約50%以上である、請求項1に記載の植物栽培用光源。
【請求項3】
前記第2光は、約500ナノメートル乃至約600ナノメートルにおいて第1サブピークより高い強度の第2サブピークを有する、請求項2に記載の植物栽培用光源。
【請求項4】
前記第3光は、約500ナノメートル乃至約600ナノメートルにおいて第1サブピークより高い強度の第3サブピークを有する、請求項2に記載の植物栽培用光源。
【請求項5】
約600ナノメートル乃至約700ナノメートルに表れる第4ピークを有する第4光を出射する第4光源をさらに含む、請求項2に記載の植物栽培用光源。
【請求項6】
前記第1光源及び前記第2光源を含む、請求項2に記載の植物栽培用光源。
【請求項7】
前記第1光源及び前記第3光源を含む、請求項2に記載の植物栽培用光源。
【請求項8】
前記第光源乃至第3光源を含む、請求項2に記載の植物栽培用光源。
【請求項9】
前記第1光乃至第3光を混合した光のスペクトルとMcCree曲線で示されるスペクトルとの重畳面積は、McCree曲線で示されるスペクトルに対して約70%以上である、請求項8に記載の植物栽培用光源。
【請求項10】
前記第1乃至第3光源のうち少なくとも一つは多数個で設けられる、請求項2に記載の植物栽培用光源。
【請求項11】
可視光線波長帯域の光を出射する光源;
前記光源を制御する制御部;及び
前記光源及び前記制御部のうち少なくとも一つに電源を提供する電源供給部;を含み、
前記光源は、
第1乃至第3光をそれぞれ出射する第1乃至第3光源のうち少なくとも2個以上の光源を含み、
前記第1光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて第1ピークを有し、
前記第2光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて前記第1ピークより長い波長に表れる第2ピークを有し、
前記第3光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて前記第1ピークより短い波長に表れる第3ピークを有し、
前記第1光は、色温度が約5000Kで、約500ナノメートル乃至約700ナノメートルにおいて前記第1ピークより低い強度を有し、前記第1ピークの半値幅より大きい半値幅を有する第1サブピークを有し、
前記制御部は、前記光の強度、前記光の出射時間、前記光の波長帯域、及び前記光の出射回数のうち少なくとも一つを制御する植物栽培用光源モジュール。
【請求項12】
前記光源から出射された光のスペクトルとMcCree曲線で示されるスペクトルとの重畳面積は、McCree曲線で示されるスペクトルに対して約70%以上である、請求項11に記載の植物栽培用光源モジュール。
【請求項13】
第1乃至第3光をそれぞれ出射する第1乃至第3光源のうち少なくとも2個以上の光源を含む光源モジュール;及び
植物が提供され、前記光源モジュールがその内部に装着されたハウジング;を含み、
前記第1光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて第1ピークを有し、
前記第2光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて前記第1ピークより長い波長に表れる第2ピークを有し、
前記第3光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて前記第1ピークより短い波長に表れる第3ピークを有し、
前記第1光は、色温度が約5000Kで、約500ナノメートル乃至約700ナノメートルにおいて前記第1ピークより低い強度を有し、前記第1ピークの半値幅より大きい半値幅を有する第1サブピークを有する植物栽培装置。
【請求項14】
植物の植物を発芽させる段階;及び
前記発芽された植物に可視光線波長帯域の光を提供する段階;を含み、
前記可視光線波長帯域の光は、光スペクトルが異なる第1乃至第光のうち少なくとも二つの光を含み、
前記第1光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて第1ピークを有し、
前記第2光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて前記第1ピークより長い波長に表れる第2ピークを有し、
前記第3光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて前記第1ピークより短い波長に表れる第3ピークを有し、
前記第1光は、色温度が約5000Kで、約500ナノメートル乃至約700ナノメートルにおいて前記第1ピークより低い強度を有し、前記第1ピークの半値幅より大きい半値幅を有する第1サブピークを有する植物栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栽培用光源に関し、より詳細には、植物の光合成に最適化された光を出射する光源に関する。
【背景技術】
【0002】
植物栽培用照明器具として、太陽光に取って代わる多様な光源が開発されて使用されている。既存の植物栽培用照明器具としては、主に白熱灯、蛍光灯などが使用されていた。しかし、既存の植物栽培用照明器具においては、植物の光合成に必要な波長帯域の光を植物に適宜提供できないという問題があった。
【0003】
近年、LEDを植物栽培用照明器具として使用する場合もあるが、特定の波長に限定されたスペクトルを有していたり、十分な量の光を植物に提供するために過度なエネルギー及び費用が消費されるなどの問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、植物の光合成に最適なスペクトルの光を提供する植物栽培用光源を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によると、植物栽培用光源は、第1乃至第3光をそれぞれ出射する第1乃至第3光源のうち少なくとも2個以上の光源を含み、前記第1光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて第1ピークを有し、前記第2光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて前記第1ピークより長い波長に表れる第2ピークを有し、前記第3光は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて前記第1ピークより短い波長に表れる第3ピークを有し、前記第1光は、色温度が約5000Kで、約500ナノメートル乃至約700ナノメートルにおいて前記第1ピークより低い強度を有し、前記第1ピークの半値幅より大きい半値幅を有する第1サブピークを有する。
【0006】
本発明の一実施形態において、前記光源から出射された光のスペクトルとMcCree曲線で示されるスペクトルとの重畳面積は、McCree曲線で示されるスペクトルに対して約50%以上であってもよい。
【0007】
本発明の一実施形態において、前記第2光は、約500ナノメートル乃至約600ナノメートルにおいて第1サブピークより高い強度の第2サブピークを有してもよい。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記第3光は、約500ナノメートル乃至約600ナノメートルにおいて第1サブピークより高い強度の第3サブピークを有してもよい。
【0009】
本発明の一実施形態に係る光源は、約600ナノメートル乃至約700ナノメートルに表れる第4ピークを有する第4光を出射する第4光源をさらに含んでもよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記第1乃至第4光源のうち少なくとも一つは多数個設けられてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態によると、前記光源は植物栽培用光源モジュールに採用されてもよく、植物栽培用光源モジュールは、可視光線波長帯域の光を出射する上述した実施形態に係る光源と、前記光源を制御する制御部と、前記光源及び前記制御部のうち少なくとも一つに電源を提供する電源供給部とを含む。
【0012】
本発明の一実施形態によると、前記光源は植物栽培装置に採用されてもよく、植物栽培装置は、上述した実施形態に係る光源モジュールと、前記光源モジュールがその内部に装着されたハウジングとを含む。
【0013】
本発明の一実施形態によると、上述した各実施形態に係る光源は、植物に光を提供することによって植物を栽培するのに使用されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態によると、植物の光合成に最適なスペクトルの光が提供される。本発明の一実施形態によると、第1乃至第4光のうち二つ以上の光の混合を通じて混合光のスペクトルがMcCree曲線と重畳する面積を最大限増加させることによって光効率が著しく増加する。これによって、少ない数の光源でも効率的な植物栽培が可能であり、エネルギー及びこれに相応する費用消費が減少する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源を示した平面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源モジュールを示したブロック図である。
図3a図3aは、本発明の一実施形態に係る光源において、第1光源及び第2光源から出射された光のスペクトルを示した図である。
図3b図3bは、第1光源と第2光源の混合光のスペクトルとMcCree曲線のスペクトルを共に示した図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源モジュールを示したブロック図である。
図5a図5aは、図4の植物栽培用光源からの光のスペクトルを示した図である。
図5b図5bは、第1光源と第3光源の混合光のスペクトルとMcCree曲線のスペクトルを共に示した図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源モジュールを示したブロック図である。
図7図7は、図6の植物栽培用光源からの光のスペクトルを示した図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源モジュールを示したブロック図である。
図9a図9aは、図8の植物栽培用光源からの光のスペクトルを示した図である。
図9b図9bは、第1光源乃至第3光源の混合光のスペクトルとMcCree曲線のスペクトルを共に示した図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源モジュールを示したブロック図である。
図11a図11aは、図10の植物栽培用光源からの光のスペクトルを示した図である。
図11b図11bは、第2光源と第3光源の混合光のスペクトルとMcCree曲線のスペクトルを共に示した図である。
図12図12は、本発明の一実施形態に係る栽培装置を概念的に示した栽培装置である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有し得るが、特定の実施形態を図面に例示し、これを本文で詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物及び代替物を含むものと理解しなければならない。
【0017】
各図面を説明しながら、類似する参照符号を類似する構成要素に対して使用した。添付の図面において、各構造物の寸法は、本発明の明確性のために実際より拡大して示したものである。「第1」、「第2」などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用され得るが、各構成要素は、各用語によって限定してはならない。各用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない限り、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に、第2構成要素も第1構成要素と命名することができる。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。
【0018】
本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在を指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0019】
本発明は、植物の栽培時に使用される光源に関する。
【0020】
植物は、可視光線波長帯域の光を用いて光合成を行い、光合成を通じてエネルギーを得る。植物の光合成は、全ての波長帯域において同一の程度で行われるわけではない。太陽光のうち植物が光合成に用いる波長帯域の光は、PAR(Photosynthetic Active Radiation)と言い、太陽光スペクトルの一部を占めており、約400ナノメートル乃至約700ナノメートルの帯域に該当する。
【0021】
本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源は、植物の光合成に最適な光を提供するためのものである。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源を示した平面図で、図2は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源モジュールを示したブロック図である。
【0023】
図1及び図2を参照すると、植物栽培用光源モジュール100は、植物が必要とする光を出射する光源30と、光源30を制御する制御部40と、光源30及び/又は制御部40に電源を提供する電源供給部50とを含む。光源30は、可視光線波長帯域の光を出射し、互いに異なる波長のスペクトルピークを有する第1光源31及び第2光源33を含む。
【0024】
第1光源31及び第2光源33は基板上に配置されてもよい。基板は、第1光源31及び第2光源33が直接実装され得る配線や回路などが形成されたプリント回路基板であってもよいが、これに限定されない。基板は、第1光源31及び第2光源33が配置され得るものであれば十分であり、その形状や構造は特に限定されず、省略されてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態において、制御部40は、第1光源31及び/又は第2光源33に連結され、第1光源31及び第2光源33の動作有無を制御する。制御部40は、第1光源31及び/又は第2光源33に有線又は無線で連結されてもよい。制御部40には、制御部40に電源を供給する電源供給部50が連結される。電源供給部50は、光源に制御部40を介して連結されたり、又は光源に直接連結され、光源に電源を供給することができる。
【0026】
制御部40は、第1光源31と第2光源33が所定区間に所定の強度で光を出射するように第1光源31及び/又は第2光源33のオン/オフを制御することができる。植物が光合成を最大限効率的に行えるように、第1光源31と第2光源33がそれぞれ個別的に動作し得る。制御部40は、第1光L1及び第2光L2の出射強度や出射時間などをそれぞれ独立的に制御することができる。また、第1光源31及び/又は第2光源33が複数個の発光ダイオードを含む場合、個別の発光ダイオードを独立的に制御することができる。
【0027】
本発明の一実施形態において、第1光源31及び第2光源33が複数個の発光ダイオードを含むとき、各発光ダイオードの構成比率は多様に変わり得る。例えば、第1光源31に比べて第2光源33の個数がより少なく提供されてもよく、第1光源31に比べて第2光源33の個数がより多く提供されてもよい。このような第1光源31及び第2光源33における発光ダイオードの数は、植物の種類に応じて決定され得るが、例えば、青色光受容体であるクリプトクロム(cryptochrome)と赤色光受容体であるフィトクロム(phytochrome)の比率によって構成比率を異ならせることができる。これによって、第1光源31及び第2光源33に提供された各発光ダイオードは、植物の種類に合わせてカスタマイズされた光照射を提供することが可能である。これによって、少ない電力でも植物をより迅速に且つ大きく生長させることができる。
【0028】
また、制御部40は、第1光源31及び第2光源33の動作を予めセッティングされたプロセスに従って、又はユーザーの入力によって制御することができる。第1光源31及び第2光源33の動作は、植物の種類、植物の生長時期などによって多様に変更され得る。
【0029】
本発明の一実施形態によると、植物栽培用光源を用いる場合、太陽光が十分でないか、太陽光を提供できない条件下でも、植物の種類に合う成長環境を独立的に提供することができる。また、光合成能力が向上した植物を大量に且つ容易に栽培することができる。
【0030】
図3aは、本発明の一実施形態に係る光源において、第1光源31及び第2光源33から出射された光のスペクトルを示した図で、図3bは、第1光源31と第2光源33の混合光のスペクトルとMcCree曲線のスペクトルを共に示した図である。
【0031】
図3a及び図3bを参照すると、第1光源31は、第1波長帯域の第1光L1を出射し、第2光源33は、第2波長帯域の第2光L2を出射する。
【0032】
第1光源31及び第2光源33は、いずれも光合成に使用される波長帯域の光を出射する。光合成に使用される波長帯域は、約400ナノメートル乃至約700ナノメートルである。本発明の一実施形態に係る光源は、植物照明効率(plant lighting efficiency)が3.1μmols/J以上になる光を植物に提供する。
【0033】
第1光L1は、色温度が約5000Kに該当する光であって、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて第1ピークP1を有し、約500ナノメートル乃至約700ナノメートルにおいて第1サブピークP1’を有する。第1ピークP1は、約400ナノメートル乃至約470ナノメートルに表れてもよく、例えば、約430ナノメートル乃至約460ナノメートルに表れてもよい。第1サブピークP1’は、約540ナノメートル乃至約600ナノメートルに表れてもよい。
【0034】
第1ピークP1は、第1光L1のスペクトル内で最も高い強度を有し、第1サブピークP1’は、第1ピークP1より低い強度を有する。第1ピークP1の半値幅は、第1サブピークP1’の半値幅より狭い。
【0035】
第2光L2は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて第2ピークP2を有し、約500ナノメートル乃至約700ナノメートルにおいて第2サブピークP2’を有する。第2ピークP2は、約450ナノメートル乃至約500ナノメートルに表れてもよく、例えば、約480ナノメートルに表れてもよい。第2サブピークP2’は、約540ナノメートル乃至約610ナノメートルに表れてもよい。
【0036】
第2ピークP2は、第2光L2のスペクトル内で最も高い強度を有し、第2サブピークP2’は、第2ピークP2より低い強度を有する。第2ピークP2の半値幅は、第2サブピークP2’の半値幅より狭い。
【0037】
第2ピークP2は、第1ピークP1より長い波長に表れ、第2サブピークP2’は、第2サブピークP2’と類似する波長帯域に表れる。第1ピークP1と第2ピークP2の強度は類似する程度であってもよい。第1ピークP1と第2ピークP2は青色光に対応する領域である。本実施形態において、第1ピークP1と第2ピークP2は互いに同一の波長に表れないので、第1光L1と第2光L2の組み合わせた時、過度に高い強度の青色光が植物に提供されることが防止される。
【0038】
第2サブピークP2’は、第1サブピークP1’より高い強度で出射されてもよく、このとき、第2サブピークP2’の高さは、第1サブピークP1’の高さより高くてもよい。第2サブピークP2’の場合、緑色から黄色及び赤色の一部にわたっている。光合成に相対的に有効な波長帯域は青色及び赤色に該当するが、青色と赤色との間の他のカラーを有する可視光線波長帯域も光合成に影響を及ぼし得る。例えば、カロテノイドなどの植物内の多様な色素は、葉緑素が吸収しない波長帯域の光を吸収することによって光を分散させ、葉緑素が破壊されることを防止することができる。また、葉緑素の吸収スペクトルと葉の作用スペクトルとが完全には一致しないので、葉緑素がほとんど吸収しない緑色光でも光合成がある程度起こる。本発明の一実施形態では、緑色から赤色に対応するスペクトルが第2光L2の第2サブピークP2’によって補強されることによって、多様な光に対する植物の光合成効率を向上させることができる。
【0039】
第1光L1のスペクトルは、第1ピークP1と第1サブピークP1’との間でバレーを有し、第2光L2のスペクトルは、第2ピークP2と第2サブピークP2’との間でバレーを有する。第1光L1のスペクトルと第2光L2のスペクトルにおいて、二つのバレーの位置は一致せず、これによって、二つの光の組み合わせた時、バレーに該当する領域でも十分な程度の光が植物に提供され得る。
【0040】
本発明の光源は、第1光L1と第2光L2の組み合わせによって、McCree曲線(McCree curve)として知られているスペクトルとその面積が50%以上重畳するスペクトルを有する光を出射する。McCree曲線スペクトルは、植物において最適な成長に必要な波長範囲に該当する光を示したものである。
【0041】
McCree曲線(MC)を見ると、植物の光合成に必要な光の波長帯域は約400ナノメートル乃至約700ナノメートルの帯域に均一に分布する。これによって、LEDなどの人工照明を使用する場合にも、約400ナノメートル乃至約700ナノメートルの帯域で均一な強度を有する波長の光を提供する必要がある。
【0042】
既存の植物用照明においては、LEDの場合、全体的な波長帯域の光を出射するよりは、半値幅の狭い単一波長帯域の光を高い強度で提供するのが一般的であった。例えば、既存の植物用照明においては、主に光合成に使用されると判断された約660ナノメートルの赤色光と約450ナノメートルの青色光をそれぞれ出射する赤色光源及び青色光源を使用する場合が多かった。又は、既存の植物用照明においては、主に約5000Kと3000Kの色温度を有する白色光源を混合して使用し、赤色波長帯域の光源をさらに使用した。ところが、既存の発明の植物用照明の場合、McCree曲線に対応する全体的な波長帯域で光子を植物に提供しにくいという問題があり、その結果、光合成効率が高くなかった。
【0043】
本発明の一実施形態に係る照明は、互いに異なるスペクトルを有する照明を用いてMcCree曲線に最大限一致する光を提供し、特に、50%以上又は70%以上の面積重畳率を有するスペクトルの光を出射する光源を提供する。
【0044】
本発明の一実施形態において、光源は、多様な形態で具現可能であり、例えば、それぞれ発光ダイオードで具現されてもよい。
【0045】
本発明の一実施形態において、McCree曲線に一致する光を提供するための光源のスペクトルは、上述した実施形態と異なる形に設定されてもよい。
【0046】
図4は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源モジュール100を示したブロック図である。
【0047】
図5aは、図4の植物栽培用光源からの光のスペクトルを示した図で、図5bは、第1光源と第3光源の混合光のスペクトルとMcCree曲線のスペクトルを共に示した図である。
【0048】
図4図5a及び図5bを参照すると、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源モジュール100は、第1光源31及び第3光源35を含む光源30、制御部40、及び電源供給部50を含む。
【0049】
本実施形態においても、第1光源31及び第3光源35は、いずれも光合成に使用される波長帯域の光を出射する。第1光源31は第1光L1を出射し、第3光源35は第3光L3を出射する。
【0050】
第1光L1は、色温度が約5000Kに該当する光であって、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて第1ピークP1を有し、約500ナノメートル乃至約700ナノメートルにおいて第1サブピークP1’を有する。第1ピークP1は、約400ナノメートル乃至約470ナノメートルに表れてもよく、例えば、約430ナノメートル乃至約460ナノメートルに表れてもよい。第1サブピークP1’は、約540ナノメートル乃至約600ナノメートルに表れてもよい。
【0051】
第1ピークP1は、第1光L1のスペクトル内で最も高い強度を有し、第1サブピークP1’は、第1ピークP1より低い強度を有する。第1ピークP1の半値幅は、第1サブピークP1’の半値幅より狭い。
【0052】
第3光L3は、約400ナノメートル乃至約500ナノメートルにおいて第3ピークP3を有し、約500ナノメートル乃至約700ナノメートルにおいて第3サブピークP3’を有する。第3ピークP3は、約400ナノメートル乃至約460ナノメートルに表れてもよく、例えば、約410ナノメートルに表れてもよい。第3サブピークP3’は、約500ナノメートル乃至約550ナノメートルに表れてもよい。
【0053】
第3ピークP3は、第3光L3のスペクトル内で最も高い強度を有し、第3サブピークP3’は、第3ピークP3より低い強度を有する。第3ピークP3の半値幅は、第3サブピークP3’の半値幅より狭い。
【0054】
第3ピークP3は、第1ピークP1より短い波長に表れ、第3サブピークP3’は、第1サブピークP3’と類似する波長帯域に表れる。第1ピークP1と第3ピークP3の強度は類似する程度であってもよい。
【0055】
本実施形態において、第1ピークP1と第3ピークP3は互いに同一の波長に表れないので、第1光L1と第3光L3の組み合わせた時、過度に高い強度の青色光が植物に提供されることが防止される。
【0056】
第3サブピークP3’は、第1サブピークP1’より高い強度で出射されてもよく、このとき、第3サブピークP3’の高さは、第1サブピークP1’の高さより高くてもよい。
【0057】
第3サブピークP3’の場合、緑色から黄色にわたっており、緑色により近い波長帯域である。緑色から黄色に対応するスペクトルが第3光L3の第3サブピークP3’によって補強されることによって、多様な光に対する植物の光合成効率を向上させることができる。
【0058】
第1光L1のスペクトルは、第1ピークP1と第1サブピークP1’との間でバレーを有し、第3光L3のスペクトルは、第3ピークP3と第3サブピークP3’との間でバレーを有する。第1光L1のスペクトルと第3光L3のスペクトルにおいても、二つのバレーの位置は一致せず、これによって、二つの光の組み合わせた時、バレーに該当する領域でも十分な程度の光が植物に提供され得る。
【0059】
本発明の一実施形態に係る照明は、互いに異なるスペクトルを有する照明を用いてMcCree曲線に最大限一致する光を提供し、特に、McCree曲線と50%以上又は70%以上の面積重畳率を有するスペクトルの光を提供する。
【0060】
本発明の一実施形態において、McCree曲線に一致する光を提供するための光源のスペクトルは、上述した実施形態と異なる形に設定されてもよく、他の波長の光源がさらに組み合わせられてもよい。
【0061】
図6は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源モジュール100を示したブロック図である。
【0062】
図7は、図6の植物栽培用光源からの光のスペクトルを示した図である。
【0063】
図6及び図7を参照すると、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源は、第1光源31、第2光源33、第4光源37、制御部40、及び電源供給部50を含む。
【0064】
第1光源31及び第2光源33としては、図2及び図3に示した第1光源31及び第2光源33と実質的に同一のものが使用されてもよい。
【0065】
本実施形態によると、第4光源37は、約600ナノメートル乃至約700ナノメートルに表れる第4ピークP4を有する第4光L4を出射する。第4光L4のピークは、赤色に対応する波長帯域に位置する。第4光源37からの第4光L4によって赤色に対応する光が全体のスペクトルに補強されることによって、多様な光に対する植物の光合成効率を向上させることができる。第4光源37は、約640ナノメートル乃至約680ナノメートルにおいてピークを有してもよく、例えば、660ナノメートルにおいて第4ピークP4を有してもよい。
【0066】
図8は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源モジュール100を示したブロック図である。
【0067】
図9aは、図8の植物栽培用光源からの光のスペクトルを示した図で、図9bは、第1光源乃至第3光源の混合光のスペクトルとMcCree曲線のスペクトルを共に示した図である。
【0068】
図8図9a及び図9bを参照すると、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源は、第1光源31、第3光源35、第4光源37、制御部40、及び電源供給部50を含む。
【0069】
第1光源31及び第3光源35としては、図2及び図4に示した第1及び第3光源31、35と実質的に同一のものが使用されてもよい。
【0070】
本実施形態によると、第4光源37は、約600ナノメートル乃至約700ナノメートルに表れる第4ピークP4を有する第4光L4を出射する。第4光L4のピークは、赤色に対応する波長帯域に位置する。第4光源37からの第4光L4によって赤色に対応する光が全体のスペクトルに補強されることによって、多様な光に対する植物の光合成効率を向上させることができる。第4光源37は、約640ナノメートル乃至約680ナノメートルでピークを有してもよく、例えば、660ナノメートルで第4ピークP4を有してもよい。
【0071】
本発明の一実施形態に係る照明は、互いに異なるスペクトルを有する照明を用いてMcCree曲線に最大限一致する光を提供し、特に、McCree曲線と50%以上、70%以上又は80%以上の面積重畳率を有するスペクトルの光を提供する。
【0072】
図10は、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源モジュール100を示したブロック図である。
【0073】
図11aは、図10の植物栽培用光源からの光のスペクトルを示した図で、図11bは、第2光源と第3光源の混合光のスペクトルとMcCree曲線のスペクトルを共に示した図である。
【0074】
図10図11a及び図11bを参照すると、本発明の一実施形態に係る植物栽培用光源は、第2光源33、第3光源35、第4光源37、制御部40、及び電源供給部50を含む。
【0075】
第2光源33及び第3光源35としては、図2及び図4に示した第2及び第3光源33、35と実質的に同一のものが使用されてもよい。
【0076】
本発明の一実施形態に係る照明は、互いに異なるスペクトルを有する照明を用いてMcCree曲線に最大限一致する光を提供し、特に、McCree曲線と50%以上又は70%以上の面積重畳率を有するスペクトルの光を提供する。
【0077】
上述したように、本発明の一実施形態に係る光源は、多様な形態で組み合わせることができ、その組み合わせの形態は上述したものに限定されない。例えば、本発明の一実施形態に係る光源は、第1乃至第3光源のうち少なくとも2個を含んでもよく、又は第1乃至第4光源のうち少なくとも3個を含んでもよい。例えば、光源は、第1乃至第4光源を全て含んでもよい。又は、光源は、第1光源、第3光源及び第4光源を含んでもよい。第1乃至第4光源のうち2個以上の光源を組み合わせる場合、光源から出射された光のスペクトルとMcCree曲線に表れたスペクトルとの重畳面積は、McCree曲線に表れたスペクトルに対して約70%以上であってもよい。このように、第1乃至第4光のうち二つ以上の光の混合を通じて混合光のスペクトルがMcCree曲線と重畳する面積を最大限増加させることによって、光効率が3.1μmol/J以上に増加し得る。これによって、少ない数の光源でも効率的な植物栽培が可能であり、エネルギー及びこれに相応する費用消費が減少する。
【0078】
本実施形態において、第1乃至第4光源のうち少なくとも一つは多数個の発光素子からなってもよい。
【0079】
本発明の一実施形態に係る光源は、植物栽培用として使用され得るので、光源が設置された植物栽培装置、温室などに適用されてもよい。
【0080】
図12は、本発明の一実施形態に係る栽培装置を概念的に示した栽培装置である。図11に示した栽培装置は、一例として小型栽培装置を示したものであって、これに限定されるのではない。
【0081】
図12を参考にすると、本発明の一実施形態に係る栽培装置100’は、植物を育てることができる内部空間を有するハウジング60と、ハウジング60内に提供され、光を出射する光源30とを含む。
【0082】
ハウジング60の内部には、植物が提供されて育つことができる空のスペースを提供する。ハウジング60は、外部の光を遮断できるボックス状に提供されてもよい。本発明の一実施形態において、ハウジング60は、上部方向に開口された下部ケース61と、下部方向に開口された上部ケース63とを含んでもよい。下部ケース61と上部ケース63は、外部光を遮断するボックス状になるように締結され得る。
【0083】
下部ケース61は、底部と、底部から上向きに延長された側壁部とを含む。上部ケース63は、カバー部と、カバー部から下向きに延長された側壁部とを含む。下部ケース61と上部ケース63の各側壁部は、互いに噛み合って締結される構造を有してもよい。下部ケース61と上部ケース63は、ユーザーの意図によって締結又は分離することができ、これによって、ユーザーがハウジング60を開放又は閉鎖することができる。
【0084】
ハウジング60は多様な形状に提供され得る。例えば、ハウジング60は、略直方体状を有してもよく、又は円筒状を有してもよい。しかし、ハウジング60の形状は、これに限定されるものではなく、これと異なる形状に提供されてもよい。
【0085】
ハウジング60は、内部に提供された植物が生長できる環境を提供する。ハウジング60は、内部に複数個の植物が提供されて生長する場合にも、これを収容できる大きさで提供され得る。併せて、ハウジング60の大きさは、植物栽培装置100’の用途によって変わり得る。例えば、植物栽培装置100’が家庭で使用する小規模植物栽培に用いられる場合は、ハウジング60が相対的に小さくてもよい。その一方で、植物栽培装置100’が商業的に植物を栽培して販売するのに使用される場合は、ハウジング60が相対的に大きくてもよい。
【0086】
本発明の一実施形態において、ハウジング60は、ハウジング60の外部の光がハウジング60の内部に入り込まないように光を遮断することができる。よって、ハウジング60の内部には、外部と隔離された暗室環境が提供され得る。これによって、外部の光が不必要にハウジング60の内部に提供された植物に照射されることを防止することができる。特に、ハウジング60は、外部の可視光線が植物に照射されることを防止することができる。但し、場合によって、ハウジング60は、その一部がオープンされ、外部の光をそのまま受けられるように設計されてもよい。
【0087】
本実施形態において、ハウジング60内の空間は、一つで提供されてもよいが、これは説明の便宜のためのものであって、複数個の区域に分離されてもよい。すなわち、ハウジング60内には、ハウジング60内の空間を多数個に分ける各隔壁が提供されてもよい。
【0088】
光源は、ハウジング60内の空間の植物に光を提供する。光源は、上部ケース63や下部ケース61の内面上に提供される。本発明の一実施形態において、光源は、上部ケース63のカバー部上に提供されてもよい。本実施形態では、一例として、上部ケース63のカバー部の内面上に光源が提供されたことを示したが、これに限定されない。例えば、本発明の他の実施形態において、光源は、上部ケース63の側壁部上に提供されてもよい。又は、本発明の更に他の実施形態において、光源は、下部ケース61の側壁部に提供されてもよく、例えば、側壁部の上端に提供されてもよい。又は、本発明の更に他の実施形態において、光源は、上部ケース63のカバー部、上部ケース63の側壁部、及び下部ケース61の側壁部のうち少なくとも1ヶ所に提供されてもよい。
【0089】
ハウジング60内の空間には、植物が栽培されやすくなるように、例えば、水耕栽培が容易になるように栽培台70が提供されてもよい。栽培台70は、ハウジング60の底部から上部方向に離隔して配置された板状のプレート71からなってもよい。プレート71には、一定の大きさの貫通孔73が提供されてもよい。栽培台70は、プレート71の上面に植物が置かれて育つようにするためのものであって、水の供給時、供給された水が排水できるように複数個の貫通孔73を有してもよい。貫通孔73は、植物が下部に傾くことを防止する大きさで提供されてもよい。例えば、貫通孔73の直径は、植物より小さくてもよい。栽培台70と下部ケース61の底部との間の空間は、排水された水が貯蔵される水槽として機能することができる。これによって、栽培台70の貫通孔73を介して下部に排水された水は、下部ケース61の底部と栽培台70との間の空間に貯蔵され得る。
【0090】
しかし、本発明の一実施形態によると、イネ科植物は、水耕栽培以外の方法でも栽培可能であり、この場合、ハウジング60内の空間には、イネ科植物に必要な水分及び/又は養分が供給できるように水、培地、土などが提供されてもよく、このとき、ハウジング60はコンテナとして機能することができる。培地や土などは、植物が育つことができる養分、例えば、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、鉄(Fe)などを含んでもよい。植物は、その種類によって培地中に埋め込まれた形態で提供されてもよく、培地の表面上に置かれた形態で提供されてもよい。
【0091】
栽培台70の大きさ及び形態は、ハウジング60の形態及び第1光源と第2光源の提供形態によって変わり得る。栽培台70の大きさ及び形態は、栽培台70上に提供された植物が第1光源及び第2光源から照射される光の照射範囲内に入るように構成されてもよい。
【0092】
ハウジング60内には、植物に水分を供給する水分供給装置が提供されてもよい。水分供給装置は、ハウジング60の上端、例えば、上部ケース63のカバー部の内面上に提供され、ハウジング60の栽培台70上に水を噴射する形態で構成されてもよい。但し、水分供給装置の形態は、上述したものに制限されず、ハウジング60の形状及び栽培台70の配置形態によって変わり得る。また、別途の水分供給装置を用いることなく、ユーザーがハウジング60内に水分を直接供給することもできる。
【0093】
水分供給装置は一つ又は複数個提供されてもよい。水分供給装置の個数は、ハウジングの大きさによって変わり得る。例えば、相対的に小さい家庭用植物栽培装置の場合は、ハウジングが小さいので一つの水分供給装置が提供されてもよい。その一方で、相対的に大きい商業用植物栽培装置の場合は、ハウジングが大きいので多数個の水分供給装置が提供されてもよい。しかし、水分供給装置は、これに限定されるものではなく、多様な個数で多様な位置に提供され得る。
【0094】
水分供給装置は、ハウジング60に提供された水槽又はハウジング60の外部の水栓に連結されてもよい。さらに、水分供給装置は、水中に浮遊する汚染物質が植物に提供されないようにろ過装置をさらに含んでもよい。ろ過装置は、活性炭、不織布などのフィルターを含んでもよく、これによって、ろ過装置を経た水は浄水され得る。ろ過装置は、場合によって光照射フィルターをさらに含んでもよく、光照射フィルターは、紫外線などを水に照射し、水中に存在する細菌、バクテリア、カビ胞子などを除去することができる。水分供給装置が上述した各ろ過装置を含むことによって、水を再利用したり、雨水などを直ぐ栽培に使用する場合にもハウジング60の内部及び植物が汚染するおそれがない。
【0095】
水分供給装置で提供される水は、別途の養分を含まず水自体(例えば、精製水)としてのみ提供されてもよいが、これに限定されず、植物の生長に必要な養分を含んでもよい。例えば、水には、ポタシウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、鉄(Fe)などの物質や、ナイトレート(Nitrate)、ホスフェート(Phosphate)、スルフェート(Sulfate)、クロライド(Cl)などが含有されてもよい。例えば、ザックス(Sachs)液、クノープ(Knop)液、ホーグランド(Hoagland)液、ヒューイット(Hewitt)液などが水分供給装置から供給されてもよい。
【0096】
本発明の一実施形態によると、光源を用いて植物を栽培することができる。
【0097】
本発明の一実施形態に係る植物の栽培方法は、植物の植物を発芽させる段階と、発芽された植物に可視光線波長帯域の光を提供する段階とを含んでもよい。植物に提供される光は、上述した各実施形態に係る各光源から出射されたものであって、可視光線波長帯域の光は、光スペクトルが異なる第1乃至第4光のうち少なくとも二つの光、又は三つの光を含んでもよい。
【0098】
以上では、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野で熟練した当業者又は該当の技術分野で通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能であることを理解できるだろう。
【0099】
したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定められるべきであろう。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11a
図11b
図12