(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】端子台及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/7197 20110101AFI20241105BHJP
H01R 43/24 20060101ALI20241105BHJP
H01R 13/74 20060101ALI20241105BHJP
H01R 9/00 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
H01R13/7197
H01R43/24
H01R13/74 K
H01R9/00 Z
(21)【出願番号】P 2022043182
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2024-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000219705
【氏名又は名称】東海興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】川合 哲智
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-089928(JP,A)
【文献】実開昭58-139682(JP,U)
【文献】特開平06-076886(JP,A)
【文献】特開2016-208642(JP,A)
【文献】特開平08-162222(JP,A)
【文献】特開平05-198914(JP,A)
【文献】特開平03-071577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/00
H01R 9/15-28
H01R 13/56-13/72
H01R 13/74
H01R 43/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電装品ケースに取り付けられる端子台において、
前記電装品ケースに形成された貫通穴に挿入され、該電装品ケース内に収納された電装品に電気的に接続される板状のバスバーと、
前記バスバーが挿入される挿入用穴が形成され、前記端子台が前記電装品ケースに取り付けられたときに前記電装品ケースの前記貫通穴を塞ぐ導電性の取付板体と、
前記バスバーと前記取付板体との間に電気的に接続された少なくとも1個のチップ型コンデンサ部品とを備え、
前記チップ型コンデンサ部品の一面と他面がそれぞれ前記取付板体と前記バスバーに接合され、
前記バスバーが前記取付板体の前記挿入用穴に挿入された状態で該バスバーと該取付板体と前記チップ型コンデンサ部品のそれぞれの少なくとも一部を覆うモールド樹脂部が設けられ
、
前記チップ型コンデンサ部品は、2個以上のチップコンデンサを直列接続で接合して構成され、一方のチップコンデンサの一面が前記取付板体に接合され、他方のチップコンデンサの他面が前記バスバーに接合されていることを特徴とする端子台。
【請求項2】
前記チップ型コンデンサ部品は複数個設けられ、
その複数個の前記チップ型コンデンサ部品が前記バスバーと前記取付板体との間に並列接続されていることを特徴とする請求項
1に記載の端子台。
【請求項3】
前記取付板体には、前記端子台を前記電装品ケースに取り付けるための取付穴が形成されていることを特徴とする請求項1
又は2に記載の端子台。
【請求項4】
前記モールド樹脂部は高熱伝導性樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1乃至
3のいずれかに記載の端子台。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれかに記載の端子台を製造する端子台の製造方法において、
前記バスバーが前記取付板体の前記挿入用穴に挿入され且つ該バスバーと該取付板体との間に前記チップ型コンデンサ部品が電気的に接続され且つ該チップ型コンデンサ部品の一面と他面がそれぞれ該取付板体と該バスバーに接合された組立体を準備する準備工程と、
前記組立体を成形型にセットして前記モールド樹脂部を成形する成形工程と
を含むことを特徴とする端子台の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至
4のいずれかに記載の端子台を製造する端子台の製造方法において、
前記チップ型コンデンサ部品の一面を前記取付板体に接合して該チップ型コンデンサ部品の一方の電極を該取付板体に電気的に接続する工程と、
前記バスバーを前記
取付板体の前記挿入用穴に挿入して前記チップ型コンデンサ部品の他面を該バスバーに接合して該チップ型コンデンサ部品の他方の電極を該バスバーに電気的に接続して組立体を組み立てる工程と、
前記組立体を成形型にセットして前記モールド樹脂部を成形する成形工程と
を含むことを特徴とする端子台の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至
4のいずれかに記載の端子台を製造する端子台の製造方法において、
前記チップ型コンデンサ部品の他面を前記バスバーに接合して該チップ型コンデンサ部品の他方の電極を該バスバーに電気的に接続する工程と、
前記バスバーを前記取付板体の前記挿入用穴に挿入して前記チップ型コンデンサ部品の一面を該取付板体に接合して該チップ型コンデンサ部品の一方の電極を該取付板体に電気的に接続して組立体を組み立てる工程と、
前記組立体を成形型にセットして前記モールド樹脂部を成形する成形工程と
を含むことを特徴とする端子台の製造方法。
【請求項8】
請求項
1に記載の端子台を製造する端子台の製造方法において、
前記一方のチップコンデンサの一面を前記取付板体に接合して該一方のチップコンデンサの一方の電極を該取付板体に電気的に接続する工程と、
前記他方のチップコンデンサの他面を前記バスバーに接合して該他方のチップコンデンサの他方の電極を該バスバーに電気的に接続する工程と、
前記バスバーを前記取付板体の前記挿入用穴に挿入して前記一方のチップコンデンサの他方の電極と前記他方のチップコンデンサの一方の電極とを対向させて両電極を接合して組立体を組み立てる工程と、
前記組立体を成形型にセットして前記モールド樹脂部を成形する成形工程と
を含むことを特徴とする端子台の製造方法。
【請求項9】
請求項
1に記載の端子台を製造する端子台の製造方法において、
前記2個以上のチップコンデンサを直列接続で接合して前記チップ型コンデンサ部品を組み立てる工程と、
前記チップ型コンデンサ部品の一面を前記取付板体に接合して該チップ型コンデンサ部品の一方の電極を該取付板体に電気的に接続する工程と、
前記バスバーを前記取付板体の前記挿入用穴に挿入して前記チップ型コンデンサ部品の他面を該バスバーに接合して該チップ型コンデンサ部品の他方の電極を該バスバーに電気的に接続して組立体を組み立てる工程と、
前記組立体を成形型にセットして前記モールド樹脂部を成形する成形工程と
を含むことを特徴とする端子台の製造方法。
【請求項10】
請求項
1に記載の端子台を製造する端子台の製造方法において、
前記2個以上のチップコンデンサを直列接続で接合して前記チップ型コンデンサ部品を組み立てる工程と、
前記チップ型コンデンサ部品の他面を前記バスバーに接合して該チップ型コンデンサ部品の他方の電極を該バスバーに電気的に接続する工程と、
前記バスバーを前記取付板体の前記挿入用穴に挿入して前記チップ型コンデンサ部品の一面を該取付板体に接合して該チップ型コンデンサ部品の一方の電極を該取付板体に電気的に接続して組立体を組み立てる工程と、
前記組立体を成形型にセットして前記モールド樹脂部を成形する成形工程と
を含むことを特徴とする端子台の製造方法。
【請求項11】
請求項
5乃至
10のいずれかに記載の端子台の製造方法において、
前記チップ型コンデンサ部品を前記バスバーと前記取付板体に接合する接合材として融点が200℃以上の半田を使用することを特徴とする端子台の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電装品ケースに取り付けられる端子台及びその製造方法に関する発明である
【背景技術】
【0002】
この種の端子台としては、例えば特許文献1(特開2016-72504号公報)に記載されたものがある。このものは、電装品ケース内に収納されたスイッチング電源等の電装品に電気的に接続される導電バー(バスバー)と、リードフレーム(導電性の取付板体)を分割して形成した第1固定部と第2固定部との間に跨がって実装された複数個のチップコンデンサと、前記リードフレームの第1固定部と第2固定部と前記複数個のチップコンデンサとの相対位置を固定する1次モールド部と、前記導電バーを保護すると共に該導電バーに前記1次モールド部を組み付けた状態に固定する2次モールド部とを備えた構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成では、1次モールド部と2次モールド部とを別々の成形工程で成形する必要があり、2種類の成形型が必要になると共に、成形工程が2工程となる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、1種類の成形型で1工程で成形することができて、生産コスト低減、生産性向上に貢献できる端子台及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、電装品ケースに取り付けられる端子台において、
前記電装品ケースに形成された貫通穴に挿入され、該電装品ケース内に収納された電装品に電気的に接続される板状のバスバーと、
前記バスバーが挿入される挿入用穴が形成され、前記端子台が前記電装品ケースに取り付けられたときに前記電装品ケースの前記貫通穴を塞ぐ導電性の取付板体と、
前記バスバーと前記取付板体との間に電気的に接続された少なくとも1個のチップ型コンデンサ部品とを備え、
前記チップ型コンデンサ部品の一面と他面がそれぞれ前記取付板体と前記バスバーに接合され、
前記バスバーが前記取付板体の前記挿入用穴に挿入された状態で該バスバーと該取付板体と前記チップ型コンデンサ部品のそれぞれの少なくとも一部を覆うモールド樹脂部が設けられ、
前記チップ型コンデンサ部品は、2個以上のチップコンデンサを直列接続で接合して構成され、一方のチップコンデンサの一面が前記取付板体に接合され、他方のチップコンデンサの他面が前記バスバーに接合されていることを特徴とするものである。
【0007】
この構成では、チップ型コンデンサ部品の一面と他面がそれぞれ取付板体とバスバーに接合されることで、チップ型コンデンサ部品と取付板体とバスバーとの相対位置が固定されるため、チップ型コンデンサ部品と取付板体との相対位置を固定する従来の1次モールド部に相当するモールド樹脂部が不要となり、端子台のモールド樹脂部はバスバーと取付板体とチップ型コンデンサ部品のそれぞれの少なくとも一部を覆うモールド樹脂部のみで端子台を構成できる。これにより、端子台のモールド樹脂部を1種類の成形型で1工程で成形することが可能となり、生産コスト低減、生産性向上に貢献できる。
【0008】
この場合、本発明に関連する参考例のように、チップ型コンデンサ部品は、1個のチップコンデンサのみで構成することが考えられるが、請求項1のように、チップ型コンデンサ部品は、2個以上のチップコンデンサを直列接続で接合して構成され、一方のチップコンデンサの一面が取付板体に接合され、他方のチップコンデンサの他面がバスバーに接合された構成にすると良い。2個以上のチップコンデンサを直列接続で接合して1個のチップ型コンデンサ部品を構成すれば、1個のチップコンデンサが劣化や故障した場合でも、直列接続された他のチップコンデンサで回路の機能を維持することができ、冗長性を確保できる。
【0009】
また、請求項2のように、複数個のチップ型コンデンサ部品をバスバーと取付板体との間に並列接続した構成としても良い。1個のチップ型コンデンサ部品では容量が不足する場合でも、複数個のチップ型コンデンサ部品を並列接続すれば、要求される容量を確保できる。
【0010】
更に、請求項3のように、取付板体には、端子台を電装品ケースに取り付けるための取付穴を形成するようにしても良い。このようにすれば、モールド樹脂部に取付穴を形成する作業や、端子台を電装品ケースに取り付けるための別部品の準備を省くことができる。
【0011】
また、請求項4のように、モールド樹脂部は高熱伝導性樹脂により形成すると良い。このようにすれば、バスバーの発熱をモールド樹脂部を通して外気に効率良く放熱することができる。
【0012】
本発明の端子台を製造する場合には、請求項5のように、バスバーが取付板体の挿入用穴に挿入され且つ該バスバーと該取付板体との間にチップ型コンデンサ部品が電気的に接続され且つ該チップ型コンデンサ部品の一面と他面がそれぞれ該バスバーと該取付板体に接合された組立体を準備する準備工程と、前記組立体を成形型にセットして前記モールド樹脂部を成形する成形工程とを含む製造方法で製造すれば良い。ここで、組立体を準備する準備工程は、成形工程を行うメーカーが異なるメーカーで組み立てられた組立体を入手するだけあっても良い。
【0013】
成形工程を行うメーカーが組立体を組み立てる場合には、請求項6のように、チップ型コンデンサ部品の一面を取付板体に接合して該チップ型コンデンサ部品の一方の電極を該取付板体に電気的に接続する工程と、前記バスバーを前記取付板体の前記挿入用穴に挿入して前記チップ型コンデンサ部品の他面を該バスバーに接合して該チップ型コンデンサ部品の他方の電極を該バスバーに電気的に接続して組立体を組み立てる工程と、前記組立体を成形型にセットしてモールド樹脂部を成形する成形工程とを含む製造方法で製造しても良い。
【0014】
或は、チップ型コンデンサ部品の一面と他面の接合順序を逆にして、請求項7のように、チップ型コンデンサ部品の他面をバスバーに接合して該チップ型コンデンサ部品の他方の電極を該バスバーに電気的に接続する工程と、バスバーを前記取付板体の挿入用穴に挿入して前記チップ型コンデンサ部品の一面を該取付板体に接合して該チップ型コンデンサ部品の一方の電極を該取付板体に電気的に接続して組立体を組み立てる工程と、前記組立体を成形型にセットしてモールド樹脂部を成形する成形工程とを含む製造方法で製造しても良い。
【0015】
また、2個以上のチップコンデンサを直列接続で接合してチップ型コンデンサ部品を組み立てる場合には、組立体を組み立てる最後の工程でチップ型コンデンサ部品が組み立てられるようにしても良い。
【0016】
具体的には、請求項8のように、一方のチップコンデンサの一面を取付板体に接合して該一方のチップコンデンサの一方の電極を該取付板体に電気的に接続する工程と、他方のチップコンデンサの他面をバスバーに接合して該他方のチップコンデンサの他方の電極を該バスバーに電気的に接続する工程と、前記バスバーを前記取付板体の挿入用穴に挿入して前記一方のチップコンデンサの他方の電極と前記他方のチップコンデンサの一方の電極とを対向させて両電極を接合して組立体を組み立てる工程(この工程でチップ型コンデンサ部品が組み立てられる)と、前記組立体を成形型にセットして前記モールド樹脂部を成形する成形工程とを含む製造方法で製造しても良い。
【0017】
一方、組立体を組み立てる最初の工程でチップ型コンデンサ部品を組み立てる場合は、請求項9のように、2個以上のチップコンデンサを直列接続で接合してチップ型コンデンサ部品を組み立てる工程と、前記チップ型コンデンサ部品の一面を取付板体に接合して該チップ型コンデンサ部品の一方の電極を該取付板体に電気的に接続する工程と、バスバーを前記取付板体の挿入用穴に挿入して前記チップ型コンデンサ部品の他面を該バスバーに接合して該チップ型コンデンサ部品の他方の電極を該バスバーに電気的に接続して組立体を組み立てる工程と、前記組立体を成形型にセットして前記モールド樹脂部を成形する成形工程とを含む製造方法で製造しても良い。
【0018】
或は、チップ型コンデンサ部品の一面と他面の接合順序を逆にして、請求項10のように、2個以上のチップコンデンサを直列接続で接合してチップ型コンデンサ部品を組み立てる工程と、前記チップ型コンデンサ部品の他面をバスバーに接合して該チップ型コンデンサ部品の他方の電極を該バスバーに電気的に接続する工程と、バスバーを前記取付板体の挿入用穴に挿入して前記チップ型コンデンサ部品の一面を該取付板体に接合して該チップ型コンデンサ部品の一方の電極を該取付板体に電気的に接続して組立体を組み立てる工程と、前記組立体を成形型にセットして前記モールド樹脂部を成形する成形工程とを含む製造方法で製造しても良い。
【0019】
また、請求項11のように、チップ型コンデンサ部品をバスバーと取付板体に接合する接合材として融点が200℃以上の半田を使用するようにすると良い。このようにすれば、モールド樹脂部を成形する際の熱でチップ型コンデンサ部品を接合する接合材が軟化・溶融してチップ型コンデンサ部品の位置がずれたり剥がれたりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は実施例1における電装品ケースから端子台を取り外した状態で示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は実施例1の取付板体に第1チップコンデンサを接合した状態を示す斜視図である。
【
図6】
図6は実施例1のバスバーに第2チップコンデンサを接合した状態を示す斜視図である。
【
図8】
図8は実施例2の製造方法を説明するチップ型コンデンサ部品の斜視図である。
【
図10】
図10は実施例2の取付板体にチップ型コンデンサ部品を接合した状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11は実施例2のチップ型コンデンサ部品を接合した取付板体の連結部を分断した状態を示す斜視図である。
【
図12】
図12(a)、(b)は実施例2のチップ型コンデンサ部品の搭載状態を説明する平面図であり、(a)は連結部分断前の状態を示し、(b)は連結部分断後の状態を示す。
【
図13】
図13は実施例2の組立体の組立方法を説明する斜視図である。
【
図14】
図14は実施例3の組立体の組立方法を説明する組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
【実施例1】
【0022】
まず、
図1乃至
図7を参照して本発明の実施例1の端子台10の構成を説明する。
端子台10を取り付ける電装品ケース11内には、例えばDC-DCコンバータ等の電源装置、配電装置、制御装置、電池等の大容量の電流を流す電装品(図示せず)が収納されている。この電装品ケース11の前面壁には、該電装品ケース11内の電装品に電気的に接続される板状のバスバー12が挿入される貫通穴13が形成され、この貫通穴13を挟む左右両側の所定位置に端子台10を取り付けるためのボルト用挿入穴14が形成されている。
【0023】
端子台10は、バスバー12、導電性の取付板体16、チップ型コンデンサ部品17及びモールド樹脂部18等から構成されている。バスバー12は、銅板等の高導電性の金属板で形成されている。バスバー12のうちの電装品ケース11の貫通穴13に挿入する部分には、該電装品ケース11内の電装品の接続部分にボルト締めで電気的に接続するためのボルト用挿入穴19が形成され、バスバー12の前側の所定位置には、電装品ケース11内の電装品と電気的に接続する電気機器(図示せず)の接続部分にボルト締めで電気的に接続するためのボルト用挿入穴20が形成されている。
【0024】
取付板体16は、銅板、SUS等の高導電性の金属板をプレス加工して所定形状に形成され、
図3、
図4及び
図7に示すように、取付板体16のほぼ中央部分には、バスバー12を挿入する挿入用穴23が形成され、取付板体16の左右両側部には、端子台10を電装品ケース11に取り付けるための取付穴21が形成されている。端子台10を電装品ケース11に取り付ける場合は、取付板体16の2箇所の取付穴21を電装品ケース11の2箇所のボルト用挿入穴14に位置合わせして2本のボルト22を各取付穴21と各ボルト用挿入穴14に挿入してナット等で締め付ける。或は、電装品ケース11のボルト用挿入穴14の内周縁にねじ溝を形成して該ボルト用挿入穴14にボルト22を締め込むようにしても良い。
【0025】
図7に示すように、チップ型コンデンサ部品17は、2個のチップコンデンサ31,32を直列接続で接合して構成されている。各チップコンデンサ31,32は、同一サイズの積層セラミックチップコンデンサ等、長方体(6面体)形状のチップコンデンサが使用され、各チップコンデンサ31,32の長手方向の両端部分に電極31a,31b,32a,32bが設けられている(
図3乃至
図6参照)。各電極31a,31b,32a,32bは、各チップコンデンサ31,32の長手方向の両端面全面及び4側面の両端部分を覆うように形成されている。本実施例1では、コンデンサ容量を増加させるために、複数個(例えば4個)のチップ型コンデンサ部品17がバスバー12と取付板体16との間に並列接続された構成となっている。これにより、電装品ケース11内の電装品からバスバー12に伝わった電気ノイズがバスバー12→チップ型コンデンサ部品17→取付板体16→ボルト22→電装品ケース11のグランドの経路で逃がされる。
【0026】
図2に示すように、モールド樹脂部18は、バスバー12が取付板体16の挿入用穴23に挿入された状態で該バスバー12と該取付板体16とチップ型コンデンサ部品17のそれぞれの少なくとも一部を覆うように射出成形されている。バスバー12のボルト用挿入穴19,20と取付板体16の取付穴21は、モールド樹脂部18で覆われず、露出している。モールド樹脂部18を成形する樹脂は、高熱伝導性樹脂(例えば高熱伝導性のPPS樹脂、PA樹脂、PBT樹脂、PC樹脂)が用いられ、大電流が流れるバスバー12の発熱をモールド樹脂部18を通して外気に効率良く放熱できるようになっている。
【0027】
次に、上記構成の端子台10の製造方法を説明する。
本実施例1の製造方法の概要は、チップ型コンデンサ部品17を構成する2個のチップコンデンサ31,32のうちの一方のチップコンデンサ31(以下「第1チップコンデンサ31」という)と他方のチップコンデンサ32(以下「第2チップコンデンサ32」という)とをそれぞれ別々に取付板体16とバスバー12に接合した後、バスバー12を取付板体16の挿入用穴23に挿入して組立体25(
図7参照)を組み立てる工程で2個のチップコンデンサ31,32を接合してチップ型コンデンサ部品17を組み立てる。以下、本実施例1の製造方法を詳しく説明する。
【0028】
まず、工程(1)で、
図3に示すように、取付板体16のうちの挿入用穴23の直線状の外縁に沿って設けられたコンデンサ接合領域33に、第1チップコンデンサ31を接合する接合材であるクリーム半田をディスペンサ等で塗布する。塗布するクリーム半田は、通常の半田(融点180℃)よりも高い融点200℃以上のクリーム半田、例えば鉛フリー半田(融点220~230℃)を使用する。尚、取付板体16のコンデンサ接合領域33は複数個(例えば4個)の第1チップコンデンサ31の接合位置を位置決めしたり半田の塗布範囲を識別したりできる形状(例えば凹状)に形成しても良い。
【0029】
次の工程(2)で、部品実装機等を使用して第1チップコンデンサ31の一面のうちの一方の電極31aを含む部分を取付板体16のコンデンサ接合領域33に搭載する。本実施例1では、
図4に示すように、複数個の第1チップコンデンサ31を並列に並べて搭載する。この際、隣り合う第1チップコンデンサ31が接触しないように、隣り合う第1チップコンデンサ31間に隙間を確保するための治具(図示せず)を使用して、複数個の第1チップコンデンサ31を等ピッチで隙間をあけて搭載するようにしても良い。なお、第1チップコンデンサ31間に隙間を確保することで、隣り合う第1チップコンデンサ31同士を絶縁でき、且つ後の工程(3)及び(8)のリフローの熱風を通しやすくして効率良く半田に熱を伝えることができる。
【0030】
次の工程(3)で、第1チップコンデンサ31の搭載部分のクリーム半田を熱風やレーザー等により加熱してリフローさせて第1チップコンデンサ31の一面のうちの一方の電極31aを含む部分を取付板体16のコンデンサ接合領域33に接合すると共に、該一方の電極31aを該取付板体16に電気的に接続する。
【0031】
次の工程(4)で、
図5に示すように、バスバー12のうちのコンデンサ接合領域34に、第2チップコンデンサ32を接合する接合材であるクリーム半田をディスペンサ等で塗布する。塗布するクリーム半田は、第1チップコンデンサ31を接合するクリーム半田と同じものを使用する。尚、バスバー12のコンデンサ接合領域34も複数個(例えば4個)の第2チップコンデンサ32の接合位置を位置決めしたり半田の塗布範囲を識別したりできる形状(例えば凹状)に形成しても良い。
【0032】
次の工程(5)で、部品実装機等を使用して第2チップコンデンサ32の他面のうちの他方の電極32bを含む部分をバスバー12のコンデンサ接合領域34に搭載する。この場合、第2チップコンデンサ32の他面は、その全面が他方の電極32bであり、他方の電極32bを下向きにして第2チップコンデンサ32をコンデンサ接合領域34に立てた状態に搭載する。本実施例1では、
図6に示すように、複数個(例えば4個)の第2チップコンデンサ32を並列に立てた状態に搭載する。この際、隣り合う第2チップコンデンサ32が接触しないように、隣り合う第2チップコンデンサ32間に隙間を確保するための治具(図示せず)を使用して、複数個の第2チップコンデンサ32を等ピッチで隙間をあけて搭載するようにしても良い。この際、第2チップコンデンサ32の配列ピッチも第1チップコンデンサ31の配列ピッチと同じにする。
【0033】
次の工程(6)で、複数個の第2チップコンデンサ32の搭載部分のクリーム半田を熱風やレーザー等により加熱してリフローさせて複数個の第2チップコンデンサ32の他面である他方の電極32bをバスバー12のコンデンサ接合領域34に接合して、該他方の電極32bを該バスバー12に電気的に接続する。
【0034】
尚、工程(1)~(3)と工程(4)~(6)の順序を逆にして、工程(4)~(6)を行った後、工程(1)~(3)を行うようにしても良い。或は、2つのクリーム半田塗布工程(1)と(4)をまとめて行ってから、2つの搭載工程(2)と(5)をまとめて行った後、2つのリフロー工程(3)と(6)をまとめて行うようにしても良い。
【0035】
以上のようにして工程(1)~(6)を行った後、クリーム半田塗布工程(7)に移行し、取付板体16に接合された第1チップコンデンサ31の他方(未接続)の電極31bに先の工程(1)、(4)で使用したクリーム半田と同じものをディスペンサ等で塗布する。同様に、バスバー12に接合された第2チップコンデンサ32の一方(未接続)の電極32aにも同じクリーム半田をディスペンサ等で塗布する。尚、第1チップコンデンサ31の電極31bと第2チップコンデンサ32の電極32aのどちらか一方のクリーム半田の塗布を行わずに次の組立工程(8)に移行しても良い。
【0036】
次の組立工程(8)では、
図7に示すように、バスバー12を取付板体16の挿入用穴23に挿入して複数個の第1チップコンデンサ31の他方の電極31bと複数個の第2チップコンデンサ32の一方の電極32aとを対向させて両電極31b,32aのクリーム半田塗布部分を突き合わせた状態にする。この状態で、両電極31b,32aのクリーム半田塗布部分を熱風やレーザー等により加熱してリフローさせて両電極31b,32aを接合して組立体25を組み立てる。この組立工程(8)で、複数個の第1チップコンデンサ31と複数個の第2チップコンデンサ32が直列接続で接合されて複数個のチップ型コンデンサ部品17が組み立てられると共に、バスバー12と取付板体16との間に複数個のチップ型コンデンサ部品17が並列接続される。
【0037】
この後、成形工程(9)に移行し、組立体25を成形型(図示せず)にセットして高熱伝導性樹脂(例えば高熱伝導性のPPS樹脂、PA樹脂、PBT樹脂、PC樹脂)の成形材料を型内に射出してモールド樹脂部18を射出成形する。これにより、バスバー12と取付板体16と複数個のチップ型コンデンサ部品17のそれぞれの少なくとも一部がモールド樹脂部18が覆われた状態になるが、バスバー12のボルト用挿入穴19,20と取付板体16の取付穴21は、モールド樹脂部18で覆われず、露出した状態になる。この成形工程(9)を経て、端子台10が完成する。尚、モールド樹脂部18の射出成形前にバスバー12のボルト用挿入穴20にボルト(図示せず)を組み付けてからモールド樹脂部18を射出成形するようにしても良い。
【0038】
以上説明した本実施例1の端子台10は、チップ型コンデンサ部品17の一面と他面がそれぞれ取付板体16とバスバー12に接合されることで、チップ型コンデンサ部品17と取付板体16とバスバー12との相対位置が固定されるため、チップ型コンデンサ部品17と取付板体16との相対位置を固定する従来の1次モールド部に相当するモールド樹脂部が不要となり、端子台10のモールド樹脂部18はバスバー12と取付板体16とチップ型コンデンサ部品17のそれぞれの少なくとも一部を覆うモールド樹脂部18のみで端子台10を構成できる。これにより、端子台10のモールド樹脂部18を1種類の成形型で1工程で成形することが可能となり、生産コスト低減、生産性向上に貢献できる。
【0039】
しかも、チップ型コンデンサ部品17を2個のチップコンデンサ31,32を直列接続で接合して構成し、一方のチップコンデンサである第1チップコンデンサ31の一面を取付板体16に接合し、他方のチップコンデンサである第2チップコンデンサ32の他面をバスバー12に接合した構成としたので、第1チップコンデンサ31と第2チップコンデンサ32のどちらかが劣化や故障した場合でも、直列接続された他のチップコンデンサで電気ノイズ低減回路の機能を維持することができ、冗長性を確保できる。
【0040】
尚、3個以上のチップコンデンサを直列接続で接合してチップ型コンデンサ部品17を構成しても良い。
また、本実施例1では、複数個のチップ型コンデンサ部品17をバスバー12と取付板体16との間に並列接続した構成としたので、1個のチップ型コンデンサ部品17では容量が不足する場合でも、要求される容量を確保できる。
【0041】
更に、取付板体16には、端子台10を電装品ケース11に取り付けるための取付穴21が形成されているため、モールド樹脂部18に取付穴を形成する作業や、端子台10を電装品ケース11に取り付けるための別部品の準備を省くことができる。
【0042】
しかも、本実施例1では、チップ型コンデンサ部品17をバスバー12と取付板体16に接合する接合材として融点が200℃以上のクリーム半田を使用するようにしたので、モールド樹脂部18を射出成形する際の熱でチップ型コンデンサ部品17を接合する接合材が軟化・溶融してチップ型コンデンサ部品17の位置がずれたり剥がれたりして接触不良になることを防止することができる。
【実施例2】
【0043】
次に、
図8乃至
図13を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同じ部分については同一符号を付して説明を簡略化又は省略し、主として異なる部分について説明する。
【0044】
前記実施例1の製造方法では、組立体25を組み立てる最後の工程で2個のチップコンデンサ31,32を直列接続で接合してチップ型コンデンサ部品17を組み立てるようにしたが、本実施例2の製造方法では、組立体25を組み立てる最初の工程で2個のチップコンデンサ31,32を直列接続で接合してチップ型コンデンサ部品17を組み立てるようにしている。以下、本実施例2の製造方法を詳しく説明する。
【0045】
まず、工程(1)で、
図8に示すように、一方のチップコンデンサである第1チップコンデンサ31と他方のチップコンデンサである第2チップコンデンサ32とを直列接続で接合してチップ型コンデンサ部品17を組み立てる。この際、両チップコンデンサ31,32の電極31b,32aを接合する接合材として前記実施例1と同様の高融点のクリーム半田を使用する。尚、3個以上のチップコンデンサを直列接続で接合してチップ型コンデンサ部品を組み立てるようにしても良い。本実施例2では、工程(1)で、バスバー12と取付板体16との間に並列接続するための複数個(例えば4個)のチップ型コンデンサ部品17を組み立てる。
【0046】
次の工程(2)で、
図9に示すように、取付板体16のコンデンサ接合領域33に前記実施例1と同様の高融点のクリーム半田をディスペンサ等で塗布する。本実施例2では、取付板体16の挿入用穴23に、コンデンサ接合領域33と平行に延びる連結部27が取付板体16と一体に形成され、この連結部27の上面にもクリーム半田を塗布してコンデンサ接合領域35として使用する。この連結部27も、複数個のチップ型コンデンサ部品17を固定する役割を果たす。
【0047】
次の工程(3)で、
図10及び
図12(a)に示すように、部品実装機等を使用して、チップ型コンデンサ部品17の一面を取付板体16のコンデンサ接合領域33,35に搭載する。この際、チップ型コンデンサ部品17の第1チップコンデンサ31の一面のうちの一方の電極31aを含む部分を取付板体16のコンデンサ接合領域33に搭載し、第1チップコンデンサ31の一面のうちの他方の電極31bを含む部分と第2チップコンデンサ32の一面のうちの一方の電極32aを含む部分を連結部27のコンデンサ接合領域35に搭載する。本実施例2では、複数個(例えば4個)のチップ型コンデンサ部品17を並列に並べて搭載する。この際、隣り合うチップ型コンデンサ部品17が接触しないように、隣り合うチップ型コンデンサ部品17間に隙間を確保するための治具(図示せず)を使用して、複数個のチップ型コンデンサ部品17を搭載するようにしても良い。
【0048】
次の工程(4)で、チップ型コンデンサ部品17の搭載部分のクリーム半田を熱風やレーザー等により加熱してリフローさせてチップ型コンデンサ部品17の一面のうちの電極31a,31b,32aを含む部分を取付板体16と連結部27に接合する。これにより、電極31aが該取付板体16に電気的に接続されると共に、電極31b,32aが連結部27に固定される。
【0049】
次の工程(5)で、
図11及び
図12(b)に示すように、取付板体16の連結部27の両端部及び隣り合うチップ型コンデンサ部品17同士の間(チップ型コンデンサ部品17が接合されていない部分)を部分的に切除して絶縁隙間36を形成して連結部27を取付板体16から絶縁し、チップ型コンデンサ部品17の第1チップコンデンサ31の両電極31a,31b間及び隣り合うチップ型コンデンサ部品17同士を絶縁する。尚、取付板体16に連結部27を絶縁材料で形成した構成とすれば、連結部27の両端部及び隣り合うチップ型コンデンサ部品17同士の間を切除して絶縁する工程を省くことができる。
【0050】
次の工程(6)で、
図13に示すように、バスバー12のコンデンサ接合領域34に、チップ型コンデンサ部品17を接合する接合材として、前記実施例1と同様の高融点のクリーム半田をディスペンサ等で塗布する。
【0051】
次の組立工程(7)で、バスバー12を取付板体16の挿入用穴23に挿入して、複数個のチップ型コンデンサ部品17の他面である第2チップコンデンサ32の他方(未接続)の電極32bをバスバー12のコンデンサ接合領域34に突き合わせた状態にする。この状態で、バスバー12のコンデンサ接合領域34のクリーム半田塗布部分を熱風やレーザー等により加熱してリフローさせて複数個のチップ型コンデンサ部品17の他方の電極32bをバスバー12のコンデンサ接合領域34に接合して組立体25を組み立てる。これにより、バスバー12と取付板体16との間に複数個のチップ型コンデンサ部品17が並列接続された状態となる。
【0052】
この後、成形工程(8)に移行し、組立体25を成形型(図示せず)にセットして高熱伝導性樹脂(例えば高熱伝導性のPPS樹脂、PA樹脂、PBT樹脂、PC樹脂)の成形材料を型内に射出してモールド樹脂部18を射出成形する。尚、モールド樹脂部18の射出成形前にバスバー12のボルト用挿入穴20にボルト(図示せず)を組み付けてからモールド樹脂部18を射出成形するようにしても良い。
以上説明した本実施例2においても、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0053】
尚、本実施例2では、チップ型コンデンサ部品17の一面を取付板体16に接合した後、バスバー12を取付板体16の挿入用穴23に挿入して該チップ型コンデンサ部品17の他面をバスバー12に接合して組立体25を組み立てるようにしたが、チップ型コンデンサ部品17の一面と他面の接合順序を逆にして、チップ型コンデンサ部品17の他面をバスバー12に接合した後、バスバー12を取付板体16の挿入用穴23に挿入して該チップ型コンデンサ部品17の一面を取付板体16に接合して組立体25を組み立てるようにしても良い。
【0054】
また、本発明に関連する参考例のように、チップ型コンデンサ部品17を1個のチップコンデンサのみで構成する場合は、複数個のチップコンデンサを直列接続で接合してチップ型コンデンサ部品17を組み立てる工程(1)を省いて、工程(2)~(9)を行えば良い。この場合も、チップ型コンデンサ部品17(チップコンデンサ)の一面と他面の接合順序を逆にしても良い。
【実施例3】
【0055】
次に、
図14を用いて本発明の実施例3を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同じ部分については同一符号を付して説明を簡略化又は省略し、主として異なる部分について説明する。
【0056】
本実施例3では、取付板体16のうちの挿入用穴23に隣接する部分の一部を直角に切り起こして切り起こし片部37を形成し、この切り起こし片部37の下面(挿入用穴23側の面)をコンデンサ接合領域38とし、このコンデンサ接合領域38にチップ型コンデンサ部品17の一面である一方の電極31aを接合して該電極31aを取付板体16に電気的に接続する。尚、切り起こし片部37のコンデンサ接合領域38もチップ型コンデンサ部品17の電極31aの接合位置を位置決めしたり半田の塗布範囲を識別したりできる形状(例えば凹状)に形成しても良い。その他の構成は、前記実施例1と同じであり、製造方法も前記実施例1,2で説明した製造方法のいずれかを用いれば良い。
以上説明した本実施例3においても、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0057】
前記1,2で説明した製造方法は、モールド樹脂部18を射出成形するメーカーが組立体25を組み立てる場合の製造方法である。これに対し、本発明の実施例4では、モールド樹脂部18を射出成形するメーカーが、別のメーカーが前記実施例1~3のいずれかの方法で組み立てた組立体25を入手して(準備工程)、この組立体25を成形型にセットしてモールド樹脂部18を射出成形する(成形工程)。
【0058】
[その他の実施例]
前記実施例1~3では、チップ型コンデンサ部品17を取付板体16とバスバー12に接合したり2個のチップコンデンサ31,32の電極31b,32a同士を接合したりする接合材としてクリーム半田を用いたが、他の半田、例えばヤニ入り半田を用いても良く、半田ごてで半田付けしても良い。或いは、クリーム半田と他の半田を併用して、例えば、チップ型コンデンサ部品17を取付板体16とバスバー12にクリーム半田で接合し、2個のチップコンデンサ31、32の電極31b,32a同士を他の半田で接合するようにしても良い。
【0059】
或いは、半田に代えて、導電性接着剤を接合材として用い、チップ型コンデンサ部品17を導電性接着剤で取付板体16とバスバー12に接合したり、複数個のチップコンデンサ31,32を導電性接着剤で直列接続してチップ型コンデンサ部品17を構成するようにしても良い。或いは、半田付けと接着剤を併用して、例えば、電極を半田付けし、電極以外の面を接着剤で接着するようにしても良い。
【0060】
前記実施例1~3では、モールド樹脂部18を成形する樹脂として高熱伝導樹脂を用いたが、所望の製品性能が得られるのであれば、高熱伝導性樹脂以外の樹脂を用いても良い。
【0061】
その他、本発明は、上記実施例に限定されず、例えば、取付板体16やバスバー12の形状を変更したり、モールド樹脂部18の形状を変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
【符号の説明】
【0062】
10…端子台、11…電装品ケース、12…バスバー、13…貫通穴、16…取付板体、17…チップ型コンデンサ部品、18…モールド樹脂部、21…取付穴、23…挿入用穴、25…組立体、27…連結部、31…第1チップコンデンサ(一方のチップコンデンサ)、31a,31b…電極、32…第2チップコンデンサ(他方のチップコンデンサ)、32a,32b…電極、33,34,35…コンデンサ接合領域、37…切り起こし片部、38…コンデンサ接合領域