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特許7581280製紙用乾燥強化剤としての使用のための低分子量乾燥粉末ポリマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】製紙用乾燥強化剤としての使用のための低分子量乾燥粉末ポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08L 33/24 20060101AFI20241105BHJP
   C08F 220/54 20060101ALI20241105BHJP
   C08L 71/02 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
C08L33/24
C08F220/54
C08L71/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022076586
(22)【出願日】2022-05-06
(62)【分割の表示】P 2018564776の分割
【原出願日】2017-06-12
(65)【公開番号】P2022093712
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】62/348,400
(32)【優先日】2016-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515050220
【氏名又は名称】エコラブ ユーエスエイ インク
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン エキン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ロー ロバート エム
(72)【発明者】
【氏名】クラム ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】チェン ウェイゴ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ミンリー
【審査官】藤原 研司
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-088030(JP,A)
【文献】特開昭62-129304(JP,A)
【文献】特表2013-501112(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0331510(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F
C08L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末であって、
式APで示されるポリマーを含む、1種類以上の会合性ポリマーを含み、
【化1】
Eは、1つ以上の式IIのモノマーに由来する非イオン性会合性モノマー単位であり、
【化2】
が、HまたはC-C10アルキルであり、Xが、OまたはNHであり、m、nおよびoが、独立して、0~100の整数であり、(n+o)≦3であるとき、mが、少なくとも7であり、それぞれのYおよびYが、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、Rが、H、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基であり、
Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、前記さらなるモノマー単位が、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(「DMAEA」)、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(「DMAEM」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド(「DMAPMA」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド(「DMAPA」)、3-メタクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「MAPTAC」)、3-アクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「APTAC」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、N-ビニルアセトアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、ジアリルアミン、ビニルホルムアミド、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)、2-(メタクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEM.MCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド(「DMAEA.BCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド(「DMAEM.BCQ」)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(「AMPS」)、2-アクリルアミド-2-メチルブタンスルホン酸(「AMBS」)、[2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-ホスホン酸、メタクリル酸、アクリル酸;これらの塩;およびこれらの組合せから選択されるモノマーに由来し、
Gは、式Iのモノマーに由来する1つ以上のモノマー単位であり、
【化3】
は、HまたはC-Cアルキルであり、各Rは、独立して、HまたはC-Cアルキル基であり、
Hは、1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位であり、前記1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位は、前記さらなるモノマー単位(「F」)のカルボニル上で、式Iのモノマーに由来する前記モノマー単位(「G」)のアクリルアミド窒素が環化すると生成し、
E”は、0.005~1モルパーセント値であり、F”は、4~10モルパーセント値であり、G”は、84~90モルパーセント値であり、H”は、0.001~10モルパーセント値であり、
前記1種類以上の会合性ポリマーは、重量平均分子量が10kDa~2,000kDaであり、且つ、交互ポリマー、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー、直鎖ポリマー、分岐ポリマー、環状ポリマー、またはこれらの組合せとして存在してもよい、粉末。
【請求項2】
前記粉末が、さらに、界面活性剤を含み、前記界面活性剤が、式XII
【化4】
の非イオン性界面活性剤であり、式中、gは、12~50の範囲の整数であり、iは、0であり、R12は、Hであり、hは、10~100の範囲の整数である、請求項1に記載の粉末。
【請求項3】
前記粉末は、少なくとも300ミクロンのメジアン粒径では、ケージ撹拌機によって400rpmで、室温で1時間以内に、水に1重量%溶液までは完全に可溶性である、請求項1に記載の粉末。
【請求項4】
前記粉末が、固有粘度が0.05dL/g~7dL/gである、請求項1に記載の粉末。
【請求項5】
前記粉末は、ハギンス定数が0.3~10である、請求項1に記載の粉末。
【請求項6】
前記粉末が、さらに、界面活性剤を含み、前記界面活性剤が、HO(CO)101(CO)56(CO)101H、ポリエトキシ(25)ラウリルアルコール、ポリエトキシ(25)セチルアルコール、ポリエトキシ(25)ステアリルアルコール、ポリエトキシ(25)ベヘニルアルコール、またはこれらの組合せである、請求項1に記載の粉末。
【請求項7】
前記粉末が、合計で0.001重量%~20重量%の界面活性剤を含む、請求項1に記載の粉末。
【請求項8】
前記粉末が、含水量は、0重量%~30重量%である、請求項1に記載の粉末。
【請求項9】
式APで示される会合性ポリマーであって、
【化5】
Eが、1つ以上の式IIのモノマーに由来する非イオン性会合性モノマー単位であり、
【化6】
が、HまたはC-C10アルキルであり、Xが、OまたはNHであり、m、nおよびoが、独立して、0~100の整数であり、(n+o)≦3であるとき、mが、少なくとも7であり、それぞれのYおよびYが、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、Rが、H、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基であり、
Fが、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(「DMAEA」)、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(「DMAEM」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド(「DMAPMA」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド(「DMAPA」)、3-メタクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「MAPTAC」)、3-アクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「APTAC」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、N-ビニルアセトアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、ジアリルアミン、ビニルホルムアミド、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)、2-(メタクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEM.MCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド(「DMAEA.BCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド(「DMAEM.BCQ」)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(「AMPS」)、2-アクリルアミド-2-メチルブタンスルホン酸(「AMBS」)、[2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-ホスホン酸、メタクリル酸、アクリル酸;これらの塩;およびこれらの組合せから選択されるモノマーに由来し、
Gが、式Iのモノマーに由来する1つ以上のモノマー単位であり、
【化7】
が、HまたはC-Cアルキルであり、各Rが、独立して、HまたはC-Cアルキル基であり、
Hが、1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位であり、前記1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位が、前記さらなるモノマー単位(「F」)のカルボニル上で、式Iのモノマーに由来する前記モノマー単位(「G」)のアクリルアミド窒素が環化すると生成し、
前記会合性ポリマーが、重量平均分子量が10kDa~2,000kDaであり、且つ、交互ポリマー、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー、直鎖ポリマー、分岐ポリマー、環状ポリマー、またはこれらの組合せとして存在してもよく、
E”が、0.005~1モルパーセント値であり、F”が、4~10モルパーセント値であり、G”が、84~90モルパーセント値であり、H”が、0.001~10モルパーセント値である、会合性ポリマー。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
高分子量ポリマー(例えば、少なくとも200万ダルトン)は、繊維スラリーの脱水およびシート中の微粒子の保持を改善するために、保持および排水助剤として製紙に一般的に使用されている。比較的低い分子量(例えば、典型的には200万ダルトン未満)のポリマーもまた、典型的には、シートの強度を改善するのを助けるために使用される。一般に、紙シート強度を向上させるためには、高用量(例えば、約2~4lbs活性成分/パルプ乾燥パルプ)の強度補助剤が必要とされる。高分子量ポリマーの高用量(すなわち、2~4lbs活性成分/乾燥パルプのトン)の添加は、高い凝集と、均一性を欠く紙シート製品を生じる。したがって、高分子量ポリマーは、典型的には、強度補助剤として利用されない。
【0002】
高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの両方を、ポリマー水溶液として抄紙機に供給することができる。しかし、溶液系のポリマーは、輸送に関連するコストが高く、長期間の貯蔵不安定性に起因する劣化があり、ならびに抄紙機に適用するために関連コストおよび設備が必要である。粉末系の強度補助剤は、抄紙機への輸送および添加に関連するこのようなコストを改善する可能性を有する。いくつかの高分子量ポリマーは、とりわけ、ポリマー湿潤ゲルの形成、湿潤ゲルの切断、切断湿潤ゲルの顆粒化、顆粒の乾燥、および乾燥顆粒の粉砕を含む方法によって乾燥粉末を生成することができる。しかし、それらの相対的な不溶性のために、抄紙機に添加することができる溶液系のポリマーを得るには、大きな前処理ユニットを必要とする。したがって、製紙方法に使用するための低分子量の強度補助剤粉末が、抄紙機に粉末として、または固体スラリーとして添加することができる必要がある。しかしながら、低分子量(例えば、200万ダルトン以下)のポリマーは、高分子量ポリマーと同じ様式で処理することができない。一般に、低分子量ポリマーのポリマー湿潤ゲルは、切断し処理するには柔らかすぎる。したがって、従来の強度補助剤は、典型的には、低分子量溶液ポリマーである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】欧州特許出願公開第2933271号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
低分子量ポリマーから加工可能なポリマー湿潤ゲルを得るために使用される1つの技術は、ポリマー骨格中に永久的な化学架橋を含むことである。残念なことに、永久的に架橋された低分子量ポリマーは、架橋により高分子量ポリマーに変化する。さらに、この技術によって製造される乾燥粉末は、典型的には水に不溶性であり、それによって、この粉末は、製紙方法において無用なものになってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
低分子量の1以上の会合によって網目構造化されるポリマーを含む粉末を製造する方法が提供される。この方法は、1種類以上の会合性ポリマーと1種類以上の任意要素の界面活性剤を網目構造化して湿潤ゲルを作成することと、湿潤ゲルから粉末を作製することを含み、会合性ポリマーは、重量平均分子量が約10kDa~約2,000kDaである。
【0006】
さらに、粉末が提供される。この粉末は、1つ以上の会合性モノマー単位と、カチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位、非イオン性モノマー単位、双性イオン性モノマー単位、またはこれらの組合せのうち少なくとも1つから選択される1つ以上のさらなるモノマー単位と、場合により1種類以上の界面活性剤を含む、1種類以上の会合性ポリマーを含み、前記会合性ポリマーは、重量平均分子量が約10kDa~約2,000kDaである。
【0007】
さらに、会合性ポリマーが提供される。会合性ポリマーは、1つ以上の会合性モノマー単位と、1つ以上のさらなるモノマー単位と、式Iのモノマーに由来する1つ以上のモノマー単位と、場合により、1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位を含んでおり、1つ以上のピペリジン-2,6-ジオンは、さらなるモノマー単位のカルボニル上で、式Iのモノマーに由来するモノマー単位のアクリルアミド窒素が環化すると生成し、会合性ポリマーは、重量平均分子量が約10kDa~約2,000kDaである。
【0008】
本開示の方法は、機械加工して粉末にすることができる低分子量ポリマーを含むポリマー湿潤ゲルを形成するための手法を提供する。一般に、得られる粉末は水分散性であり、その溶解度は、希釈レベルおよび/または界面活性剤の存在に依存する。典型的には、粉末は水に分散可能であり、したがって製紙工程に組み込むことができる。特に、本明細書に記載の方法および組成物は、ポリマー湿潤ゲルの強度を改善し、水で希釈すると消散する網目構造化技術を利用する。さらに、本明細書で提供される方法によって提供される低分子量会合性ポリマーを含む粉末は、製紙方法において利用される場合、従来の溶液強度補助剤を用いて得られる紙と同様の強度特性を有する紙を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例5に記載の会合性ポリマーの例示的な13C NMRスペクトルである。
図2図2は、実施例10の結果をグラフで示したものである。
図3図3は、実施例10の結果をグラフで示したものである。
図4図4は、実施例11の結果をグラフで示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
粉末を製造する方法が提供される。この方法は、1種類以上の会合性ポリマーと1種類以上の任意要素の界面活性剤を網目構造化して湿潤ゲルを作成することと、湿潤ゲルから粉末を作成することを含み、会合性ポリマーは、重量平均分子量が約10kDa~約2,000kDaである。
【0011】
いくつかの実施形態では、この方法は、1種類以上の会合性ポリマーと1種類以上の任意要素の界面活性剤を網目構造化して湿潤ゲルを作成することと、湿潤ゲルを切断して顆粒を作成することと、この顆粒を変換して粉末を作成することとを含み、会合性ポリマーは、重量平均分子量が約10kDa~約2,000kDaである。
【0012】
この粉末は、1種類以上の会合によって網目構造化されるポリマーを含む。例えば、粉末は、複数の(例えば、少なくとも2つのポリマー分子の)会合によって網目構造化されるポリマーを含んでいてもよく、会合によって網目構造化されるポリマーは、同じ分子構造を有する(すなわち、1種類の会合によって網目構造化されるポリマー)か、または粉末は、複数の会合によって網目構造化されるポリマーを含んでいてもよく、会合によって網目構造化されるポリマーは、様々な分子構造を有する(すなわち、1種類より多い会合によって網目構造化されるポリマー)。1種類以上の会合によって網目構造化されるポリマーは、任意の適切なポリマーであってもよい。例えば、1つ以上の会合によって網目構造化されるポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、またはこれらより大きくてもよく、またはこれらの組合せであってもよい。特定の実施形態では、1つ以上の会合によって網目構造化されるポリマーは、ターポリマーである。
【0013】
会合によって網目構造化されるポリマーは、カチオン性、アニオン性、両性、非イオン性または双性イオン性であってもよい。いくつかの実施形態では、会合によって網目構造化されるポリマーは、カチオン性である。本明細書で使用される場合、「カチオン性」ポリマーは、カチオン性モノマー単位またはカチオン性モノマー単位と非イオン性モノマー単位との組合せを含むポリマーを指す。いくつかの実施形態では、会合によって網目構造化されるポリマーは、アニオン性である。本明細書で使用される場合、「アニオン性」ポリマーは、アニオン性モノマー単位またはアニオン性モノマー単位と非イオン性モノマー単位との組合せを含むポリマーを指す。いくつかの実施形態では、会合によって網目構造化されるポリマーは、両性である。本明細書で使用される場合、「両性」ポリマーは、カチオン性モノマー単位とアニオン性モノマー単位、またはカチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位および非イオン性モノマー単位を含むポリマーを指す。いくつかの実施形態では、会合によって網目構造化されるポリマーは、非イオン性である。本明細書で使用される場合、「非イオン性」ポリマーは、非イオン性モノマー単位を含むポリマーを指す。いくつかの実施形態では、会合によって網目構造化されるポリマーは、双性イオン性である。本明細書で使用される場合、「双性イオン性」ポリマーは、双性イオン性モノマー単位、または双性イオン性モノマー単位とカチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位および/または非イオン性モノマー単位の組合せを含むポリマーを指す。
【0014】
会合によって網目構造化されるポリマーは、任意の適切な構造型として存在することができる。例えば、会合によって網目構造化されるポリマーは、交互ポリマー、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー、線状ポリマー、分枝ポリマー、環状ポリマー、またはこれらの組合せとして存在することができる。会合によって網目構造化されるポリマーは、単一のモノマー単位、または任意の適切な数の異なるモノマー単位を含むことができる。例えば会合によって網目構造化されるポリマーは、2種類の異なるモノマー単位、3種類の異なるモノマー単位、4種類の異なるモノマー単位、5種類の異なるモノマー単位、または6種類の異なるモノマー単位を含むことができる。会合によって網目構造化されるポリマーのモノマー単位は、任意の適切な濃度および任意の適切な割合で存在していてもよい。
【0015】
特定の実施形態では、粉末は、1種類以上の会合によって網目構造化されるポリマーを含み、会合性ポリマー(すなわち、網目構造化していない)は、重量平均分子量が約10kDa~約2,000kDaである。会合によって網目構造化されるポリマーは、重量平均分子量が、約2,000kDa以下、例えば、約1,800kDa以下、約1,600kDa以下、約1,400kDa以下、約1,200kDa以下、約1,000kDa以下、約900kDa以下、約800kDa以下、約700kDa以下、約600kDa以下、または約500kDa以下であってもよい。これに代えて、またはこれに加えて、会合によって網目構造化されるポリマーは、重量平均分子量が、約10kDa以上、例えば、約50kDa以上、約100kDa以上、約200kDa以上、約300kDa以上または約400kDa以上であってもよい。したがって、会合によって網目構造化されるポリマーは、上述の端点の任意の2つによって限定された重量平均分子量を有することができる。例えば、会合によって網目構造化されるポリマーは、重量平均分子量が、約10kDa~約500kDa、約50kDa~約500kDa、約100kDa~約500kDa、約200kDa~約500kDa、約300kDa~約500kDa、約400kDa~約500kDa、約400kDa~約600kDa、約400kDa~約700kDa、約400kDa~約800kDa、約400kDa~約900kDa、約400kDa~約1,000kDa、約400kDa~約1,200kDa、約400kDa~約1,400kDa、約400kDa~約1,600kDa、約400kDa~約1,800kDa、約400kDa~約2,000kDa、約200kDa~約2,000kDa、約500kDa~約2,000kDa、または約800kDa~約2,000kDaであってもよい。
【0016】
重量平均分子量は、任意の適切な技術によって決定することができる。代替技術が想定されるが、いくつかの実施形態では、重量平均分子量は、TSKgel PWカラム(TSKgel Guard+GMPW+GMPW+G1000PW)、Tosoh Bioscience LLC、シンシナティ、オハイオ)およびWaters 2414(Waters Corporation、ミルフォード、マサチューセッツ)屈折率検出器またはDAWN HELEOS IIマルチ角光散乱(MALS)検出器(Wyatt Technology、サンタバーバラ、カリフォルニア)のセットを備えたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて決定される。さらに、重量平均分子量は、150~875,000ダルトンの範囲のポリエチレンオキシド/ポリエチレングリコール標準による較正か、または既知の屈折率増分(「dn/dc」)を有する光散乱データを用いて直接的に決定される。
【0017】
特定の実施形態では、重量平均分子量は、加水分解性側鎖を除去するために会合性ポリマーの加水分解によって決定され、次いでサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)でさらに分析される。会合性ポリマーは、任意の適切な技術によって加水分解することができる。例えば、会合性ポリマーは、0.1wt%のNaOH溶液(pH12)を用い、400rpmで1時間ケージ撹拌機で処理することによって加水分解することができる。本明細書で使用される場合、「加水分解性側鎖」は、会合性モノマー単位上の任意の側鎖、または加水分解によって開裂され得るさらなるモノマー単位を指す。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、会合性モノマー単位を含む会合性ポリマーは、カラムからの回収率が低いため、サイズ排除クロマトグラフィーの前に加水分解する必要がある場合がある。一般に、会合性ポリマーの加水分解はポリマー骨格を開裂させず、会合性ポリマーの重合度を保存する。
【0018】
特定の実施形態では、会合性モノマー単位は、加水分解性側鎖を含まない。会合性モノマー単位が加水分解性側鎖を含まない実施形態では、会合性ポリマーの代用物を分析することによって、重量平均分子量を決定することができる。例えば、重量平均分子量は、会合性モノマー単位の非存在下で、正確に同一の配合物を用いてポリマーを合成することによって決定することができる。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、同じ配合物で合成されたポリマーは、類似の重合度を維持し、会合性モノマー単位が存在する会合性ポリマーと同様の重量平均分子量をもたらす。
【0019】
会合性ポリマーの実例となる実施形態は、一般に、1つ以上の会合性モノマー単位と、1つ以上のさらなるモノマー単位とを含む。本明細書で使用される場合、「さらなるモノマー単位」とは、会合性モノマー単位以外の任意のモノマー単位を指す。特定の実施形態では、1つ以上のさらなるモノマー単位は、水溶性モノマー(例えば、アクリルアミド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)など)に由来する。本明細書で使用される場合、モノマー単位を指すときに「由来する」とは、モノマー単位が、製造原料のモノマーと実質的に同じ構造を有しており、重合の過程で末端オレフィンが変換されたことを意味する。いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、1つ以上の会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、1つ以上のさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、会合性ポリマーは、会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるモノマー単位とを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、由来となるモノマー構造を有するモノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー、付加物、またはこれらの組合せを使用して、1つ以上の会合性モノマー単位と、1つ以上のさらなるモノマー単位を会合性ポリマーに組み込むことができる。例えば、1つ以上の会合性モノマー単位、または1つ以上のさらなるモノマー単位は、会合性ポリマーに組み込まれる前に、ダイマー、トリマー、オリゴマーまたは付加物として存在していてもよい。
【0021】
会合性ポリマーは、カチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位、非イオン性モノマー単位、双性イオン性モノマー単位、およびこれら2つ以上の組合せから選択される任意の1つ以上の適切なさらなるモノマー単位を含んでいてもよい。例えば、会合性ポリマーは、カチオン性モノマー単位およびアニオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位および非イオン性モノマー単位、カチオン性モノマー単位および非イオン性モノマー単位、またはカチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位および非イオン性モノマー単位を含んでいてもよい。特定の実施形態では、会合性ポリマーは、双性イオン性モノマー単位を含むか、および/またはさらに含む。会合性ポリマーは、任意の適切な重合方法によって合成することができる。例えば、会合性ポリマーは、遊離ラジカル重合、付加重合、遊離ラジカル付加重合、カチオン付加重合、アニオン付加重合、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、沈殿重合、またはこれらの組合せによって製造することができる。特定の実施形態では、重合は、遊離ラジカル重合を介して起こる。
【0022】
したがって、適切なさらなるモノマー単位は、遊離ラジカル重合に関与することができる任意の1つ以上の適切なモノマーに由来していてもよい。例えば、会合性ポリマーは、式Iのモノマー、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(「DMAEA」)、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(「DMAEM」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド(「DMAPMA」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド(「DMAPA」)、3-メタクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「MAPTAC」)、3-アクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「APTAC」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、N-ビニルアセトアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、ジアリルアミン、ビニルホルムアミド、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)、2-(メタクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEM.MCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド(「DMAEA.BCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド(「DMAEM.BCQ」)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(「AMPS」)、2-アクリルアミド-2-メチルブタンスルホン酸(「AMBS」)、[2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-ホスホン酸、メタクリル酸、アクリル酸;これらの塩;およびこれらの組合せから選択されるモノマーに由来する1つ以上のさらなるモノマー単位を含んでいてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式Iのモノマーに由来するモノマー単位を含み、
【化1】

式中、Rは、HまたはC-Cアルキル(例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、各Rは、独立して、Hまたは有機基である。本明細書で使用される場合、「有機基」という用語は、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基を指す。特定の実施形態では、式Iのモノマーに由来するモノマー単位は、さらなるモノマー単位と考えられる。
【0024】
置換基Rの特定の実施形態では、有機基は、C-Cアルキル基(すなわち、長さが1、2、3、4、5または6炭素単位)である。いくつかの実施形態では、C-Cアルキル基は、飽和、不飽和、分枝鎖、直鎖、環状、またはこれらの組合せである。C-Cアルキル基の例示的なリストは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、neo-ペンチルまたはヘキシルである。特定の実施形態では、C-Cアルキル基は、1つ以上のアルキル置換基、アリール置換基、ヘテロ原子、またはこれらの組合せ(例えば、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなど)で置換される。いくつかの実施形態では、C-Cアルキル基は、C-Cヘテロアルキル基(すなわち、長さが1、2、3、4、5または6炭素単位)であってもよい。本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル基」とは、分子のコア(すなわち、炭素骨格)に少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S、Nおよび/またはP)を含む飽和または不飽和、置換または非置換の直鎖、分枝または環状の脂肪族基を指す。
【0025】
置換基Rの特定の実施形態では、有機基は、アリール基である。アリール基は、任意の置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基であってもよく、ヘテロアリール基は、環の少なくとも1つに少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、SまたはN)を含む、芳香族の5員環または6員環の単環基である。ヘテロアリール基は、1個または2個の酸素原子または硫黄原子および/または1~4個の窒素原子を含んでいてもよく、但し、環内のヘテロ原子の総数は4個以下であり、環は、少なくとも1個の炭素原子を有する。場合により、窒素原子、酸素原子および硫黄原子は酸化されていてもよく(すなわち、電子を失う過程を受けた)、窒素原子は場合により四級化されていてもよい。いくつかの実施形態では、アリール化合物は、フェニル、ピローリル、フラニル、チオフェニル、ピリジル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、トリアジニル、ピリミジニルまたはピリダジニルである。
【0026】
置換基Rの特定の実施形態では、有機基は、C-Cフルオロアルキル基またはC-Cフルオロアリール基である。本明細書で使用される場合、用語「フルオロアルキル」および「フルオロアリール」は、それぞれ、1つ以上のフッ素原子を有する任意のアルキル基またはアリール基を指す。
【0027】
特定の実施形態では、式Iのモノマーは、アクリルアミドまたはメタクリルアミドである。
【0028】
会合性ポリマーは、本明細書で提供される1つ以上の会合性モノマー単位の適切な部分を含む限り、任意の適切な濃度の1つ以上のさらなるモノマー単位を含むことができる。会合性ポリマーは、合計で約90モル%以上の1つ以上のさらなるモノマー単位を含んでいてもよく、例えば、約91モル%以上、約92モル%以上、約93モル%以上、約94モル%以上、約95モル%以上、約96モル%以上、約97モル%以上、約98モル%以上、または約99モル%以上の1つ以上のさらなるモノマー単位を含んでいてもよい。これに代えて、またはこれに加えて、会合性ポリマーは、合計で約99.995モル%以下の1つ以上のさらなるモノマー単位を含んでいてもよく、例えば、約99.99モル%以下、約99.9モル%以下、約99.75モル%以下、約99.5モル%以下、約99.4モル%以下、約99.3モル%以下、約99.2モル%以下、または約99.1モル%以下の1つ以上のさらなるモノマー単位を含んでいてもよい。したがって、会合性ポリマーは、上述の端点の任意の2つによって境界が定められた合計濃度で、1つ以上のさらなるモノマー単位を含んでいてもよい。会合性ポリマーは、合計で約90モル%~約99.995モル%の1つ以上のさらなるモノマー単位を含んでいてもよく、例えば、約91モル%~約99.995モル%、約92モル%~約99.995モル%、約93モル%~約99.995モル%、約94モル%~約99.995モル%、約95モル%~約99.995モル%、約97モル%~約99.995モル%、約98モル%~約99.995モル%、約99モル%~約99.995モル%、約99モル%~約99.99モル%、約99モル%~約99.9モル%、約99モル%~約99.75モル%、約99モル%~約99.5モル%、約99モル%~約99.4モル%、約99モル%~約99.3モル%、約99モル%~約99.2モル%、約99モル%~約99.1モル%、約99.5モル%~約99.99モル%、約99.5モル%~約99.995モル%、約99.75モル%~約99.99モル%または約99.75モル%~約99.995モル%の1つ以上のさらなるモノマー単位を含んでいてもよい。
【0029】
会合性ポリマーは、任意の適切な種類の1つ以上の会合性モノマー単位を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「会合性モノマー単位」は、それ自体、他の会合性モノマー単位、界面活性剤、またはこれらの組合せと配位することが可能な任意のモノマー単位を指す。配位は、任意の適切な相互作用によって行うことができる。例えば、配位は、イオン結合、水素結合、疎水性相互作用、双極子相互作用、ファンデルワールス力、または2つ以上のこのような種類の配位の組合せによって起こり得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位は、ポリマーに会合性部分を結合させることによって、重合後に作られる。本明細書で使用される場合、「会合性部分」は、それ自体、他の会合性モノマー単位、界面活性剤、またはこれらの組合せと配位することが可能な任意の側鎖の化学構造を指す。配位は、任意の適切な相互作用によって行うことができる。例えば、配位は、イオン結合、水素結合、疎水性相互作用、双極子相互作用、ファンデルワールス力、または2つ以上のこのような種類の配位の組合せによって起こり得る。いくつかの実施形態では、会合性部分は、ポリマーの末端に直接結合し、リンカーを介してポリマーの末端に結合し、ポリマー骨格に直接結合し、リンカーを介してポリマー骨格に結合するか、またはこれらの組合せである。
【0031】
特定の実施形態では、1つ以上の会合によって網目構造化されるポリマーの1つ以上の会合性モノマー単位は、構造的に類似している。本明細書で使用される場合、「構造的に類似」とは、会合性モノマー単位が、類似の化学官能基を有することを意味する。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位はそれぞれ、少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含む。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位はそれぞれ、少なくとも1つのアミン置換基を含む。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位はそれぞれ、ポリエーテル鎖を含む。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位は、それぞれ、ポリエーテル鎖を含み、ポリエーテル鎖の長さは、6炭素単位以下(すなわち、6、5、4、3、2、1または0)によって分割されている。例えば、会合性モノマー単位が、16炭素単位のポリエーテル鎖長を有する場合、構造的に類似の会合性モノマー単位は、10~22炭素単位(すなわち、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22)のポリエーテル鎖長を有する。特定の実施形態では、ポリエーテル鎖は、それぞれ同じ数の炭素単位を含む。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位は、それぞれ、アルキル鎖を含む。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位は、それぞれ、アルキル鎖を含み、アルキル鎖の長さは、6炭素単位以下(すなわち、6、5、4、3、2、1または0)によって分割されている。例えば、会合性モノマー単位が、16炭素単位のアルキル鎖長を有する場合、構造的に類似の会合性モノマー単位は、10~22炭素単位(すなわち、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22)のアルキル鎖長を有する。特定の実施形態では、アルキル鎖は、それぞれ、同じ数の炭素単位を含む。特定の実施形態では、会合性モノマー単位は、同じである。
【0032】
特定の実施形態では、1つ以上の会合性モノマー単位は、1つ以上の会合性モノマーとの重合を介し、ポリマーに組み込まれる。したがって、1つ以上の会合性モノマー単位は、非イオン性会合性モノマー、カチオン性会合性モノマー、アニオン性会合性モノマー、双性イオン性会合性モノマー、およびこれらの組合せから選択される任意の1つ以上の適切な会合性モノマーに由来していてもよい。1つ以上の会合性モノマーは、重合に関与することができる。特定の実施形態では、1つ以上の会合性モノマーは、遊離ラジカル重合に関与することができる会合性部分とは別の不飽和サブユニット(例えば、アクリレート、アクリルアミドなど)を含む。一般に、1つ以上の会合性モノマーは、アクリレート、アクリルアミド、またはこれらの組合せから選択される。
【0033】
一実施形態では、会合性モノマー単位は、非イオン性会合性モノマー単位である。一般に、非イオン性会合性モノマー単位は、式IIのアクリレートおよび/またはアクリルアミドモノマー
【化2】

に由来し、式中、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば(CHCH)であり、kは、0~9の整数であり(すなわち、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9)、Xは、OまたはNHであり、m、nおよびoは、独立して、0~100の整数であり、(n+o)≦3であるとき、mは、少なくとも7であり、それぞれのYおよびYは、独立して、HまたはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、Rは、Hまたは疎水性基である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。特定の実施形態では、各YおよびYは、独立して、エチレンオキシド(「EO」)、プロピレンオキシド(「PO」)、またはこれらの組合せのブロックコポリマーまたはランダムコポリマーを生成するように選択される。いくつかの実施形態では、m、nおよびoは、指定されたサブユニット(すなわち、平均炭素鎖長または平均EO/PO鎖長)の平均(最も近い整数に丸められた)鎖長を指す。本明細書で使用される場合、「疎水性基」という用語は、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基を指す。
【0034】
置換基Rの特定の実施形態では、疎水性基は、C-C32アルキル基(すなわち、長さが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32炭素単位)である。いくつかの実施形態では、C-C32アルキル基は、飽和、不飽和、分枝鎖、直鎖、環状、またはこれらの組合せである。C-C32アルキル基の例示的なリストは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ラウリル、ステアリル、セチル、ベヘニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニルまたは4-ペンテニルである。特定の実施形態では、C-C32アルキル炭素基は、さらに、1つ以上のアルキル置換基、アリール置換基、ヘテロ原子、またはこれらの組合せで置換される。いくつかの実施形態では、C-C32アルキル基は、C-C32ヘテロアルキル基(すなわち、長さが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32炭素単位)であってもよい。本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル基」とは、分子のコア(すなわち、炭素骨格)に少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S、Nおよび/またはP)を含む飽和または不飽和、置換または非置換の直鎖、分枝または環状の脂肪族基を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、指定された原子または基上の1つ以上の水素が、指定された原子の通常の原子価を超えない限りにおいて、別の基で置換されることを意味する。例えば、置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、炭素原子上の2つの水素が置換される。置換が会合性ポリマーの合成または使用に著しい悪影響を与えない限り、置換基の組合せが許容される。
【0036】
置換基Rの特定の実施形態では、疎水性基は、アリール基である。アリール基は、任意の置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基であってもよく、ヘテロアリール基は、環の少なくとも1つに少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、SまたはN)を含む、芳香族の5員環または6員環の単環基、9員環または10員環の二環基、または11員環~14員環の三環基である。ヘテロ原子を含むヘテロアリール基のそれぞれの環は、1個または2個の酸素原子または硫黄原子および/または1~4個の窒素原子を含んでいてもよく、但し、それぞれの環内のヘテロ原子の総数は4以下であり、それぞれの環は、少なくとも1個の炭素原子を有する。二環式および三環式基を完成する縮合環は、炭素原子のみを含有してもよく、飽和、部分飽和、または不飽和であってもよい。窒素原子、酸素原子および硫黄原子は場合により酸化されていてもよく、窒素原子は場合により四級化されていてもよい。二環式または三環式であるヘテロアリール基は、少なくとも1つの完全芳香族環を含まなければならないが、他の縮合環は芳香族または非芳香族であってもよい。いくつかの実施形態では、アリール基は、フェニル、ナフチル、ピローリル、イソインドリル、インドリジニル、インドリル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、チオフェニル、ピリジル、アクリジニル、ナフチリジニル、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、プリニル、ピラゾリル、ピラジニル、プテリジニル、キノキサリニル、フタラジニル、キナゾリニル、トリアジニル、フェナジニル、シンノリニル、ピリミジニルまたはピリダジニルである。
【0037】
置換基Rの特定の実施形態では、疎水性基は、C-C32フルオロアルキル基またはC-C32フルオロアリール基である。本明細書で使用される場合、用語「フルオロアルキル」および「フルオロアリール」は、それぞれ、1つ以上のフッ素原子を有する任意のアルキル基またはアリール基を指す。
【0038】
特定の実施形態では、非イオン性会合性モノマー単位は、式IIIのアクリレート頭部基を含むアクリレートモノマーに由来し、
【化3】

式中、Rは、-CH(CHCHであり、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば、(CHCH)であり、ここで、kは、0~9の整数であり(すなわち、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9)、pは、3~100の整数であり(例えば、4~50、6~50、8~50、10~50、12~50、16~50または18~50である。いくつかの実施形態では、式IIIのアクリレートモノマーは、2つ以上のこのようなアクリレートの混合物であり、pの平均値(最も近い整数に丸める)が、3~100の整数(例えば、4~50、6~50、8~50、10~50、12~50、16~50または18~50)である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。特定の実施形態では、Rは、3~100炭素単位の長さの分岐アルキル基である。一般的に、非イオン性モノマー単位は、ラウリルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、またはこれらの組合せから選択される。特定の実施形態では、非イオン性会合性モノマー単位は、ラウリルアクリレートであり、すなわち、R=Hおよびp=10である。
【0039】
特定の実施形態では、非イオン性会合性モノマー単位は、式IVのアクリレート頭部基を含むアクリレートモノマーに由来し、
【化4】

式中、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば(CHCH)であり、kは、0~9の整数であり(すなわち、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9)、qは、2~100の整数(例えば、4~50、6~50、8~50、10~50、12~50、16~50、18~50、16~100、18~100または50~100)であり、rは、0~30の整数(例えば、2~30、4~30、6~30、8~30、10~30、12~30、16~30、18~30、20~30、22~30または24~30)であり、各Yは、独立してHまたはCHである。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。特定の実施形態では、各Yは、独立して、エチレンオキシド(「EO」)、プロピレンオキシド(「PO」)、またはこれらの組合せのブロックコポリマーまたはランダムコポリマーを生成するように選択される。いくつかの実施形態では、式IVのアクリレートモノマーは、2つ以上のこのようなアクリレートの混合物であり、qの平均値(最も近い整数に丸める)が、2~100の整数(例えば、4~50、6~50、8~50、10~50、12~50、16~50、18~50、16~100、18~100または50~100)であり、rの平均値(最も近い整数に丸める)が、0~30の整数(例えば、2~30、4~30、6~30、8~30、10~30、12~30、16~30、18~30、20~30、22~30または24~30)である。いくつかの実施形態では、式IVのアクリレートモノマーは、ラウリルポリエトキシ(25)メタクリレート、セチルポリエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルポリエトキシ(25)メタクリレート、ベヘニルポリエトキシ(25)メタクリレート、またはこれらの組合せである。特定の実施形態では、非イオン性会合性モノマー単位は、Evonik Industries(エッセン、ドイツ)から市販されているVISIOMER(登録商標)エーテルメタクリレートである。いくつかの実施形態では、非イオン性会合性モノマー単位は、Evonik Industries(エッセン、ドイツ)から市販されている、メタクリル酸エステル(25EO)C16-C18脂肪アルコール(「C18PEG1105MA」)の商品名で市販されているセチルおよび/またはステアリルポリエトキシ(25)メタクリル酸エステルである。
【0040】
特定の実施形態では、非イオン性会合性モノマー単位は、式Vのアクリレート頭部基を含むアクリレートモノマーに由来し、
【化5】

式中、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば(CHCH)であり、kは、0~9の整数であり(すなわち、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9)、それぞれのYおよびYは、独立して、HまたはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、nおよびoは、独立して、0~約100の範囲の整数であり(例えば、約0~約90、約0~約80、約0~約70、約0~約60、約0~約50、約10~約100または約10~約50)、R’は、C-C30アルキル基であり(すなわち、長さが8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30炭素単位)、nおよびoの両方が0であることはない。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。特定の実施形態では、各YおよびYは、独立して、エチレンオキシド(「EO」)、プロピレンオキシド(「PO」)、またはこれらの組合せのブロックコポリマーまたはランダムコポリマーを生成するように選択される。いくつかの実施形態では、式Vのアクリレートモノマーは、2つ以上のこのようなアクリレートの混合物であり、nおよびoの平均値(最も近い整数に丸める)が、独立して、0~100の整数である(例えば、0~50、6~50、8~50、10~50、12~50、16~50、18~50、16~100、18~100または50~100)。特定の実施形態では、式Vのアクリレートモノマーは、BASF Corporation(フローラム・パーク、ニュージャージー)から市販されているPlurafac(登録商標)界面活性剤に由来する側鎖を含む。
【0041】
別の実施形態では、会合性モノマー単位は、カチオン性会合性モノマー単位である。一般に、カチオン性会合性モノマー単位は、式VIのアクリレート塩モノマーおよび/またはアクリルアミド塩モノマー
【化6】

に由来し、式中、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC-C10アルキル(例えば、(CHCH)であり、tは、0~9の整数であり(すなわち、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9)、Xは、OまたはNHであり、sは、0~20の整数(例えば、2~20、4~20、6~20、8~20、5~10、10~20、5~15、12~20、0~10、0~8、0~6または0~4)であり、Zは、任意のアニオンであり、Rは、疎水性基である。いくつかの実施形態では、式VIのアクリレートおよび/またはアクリルアミド塩は、2つ以上のこのようなアクリレートおよび/またはアクリルアミドの混合物であり、sの平均値(最も近い整数に丸める)は、0~20の整数(例えば、2~20、4~20、6~20、8~20、5~10、10~20、5~15、12~20、0~10、0~8、0~6または0~4)である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。本明細書で使用される場合、「疎水性基」という用語は、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基を指す。
【0042】
置換基Rの特定の実施形態では、疎水性基は、C-C32アルキル基(すなわち、長さが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32炭素単位)である。いくつかの実施形態では、C-C32アルキル基は、飽和、不飽和、分枝鎖、直鎖、環状、またはこれらの組合せである。C-C32アルキル基の例示的なリストは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ラウリル、ステアリル、セチル、ベヘニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニルまたは4-ペンテニルである。特定の実施形態では、C-C32アルキル基は、さらに、1つ以上のアルキル置換基、アリール置換基、ヘテロ原子、またはこれらの組合せで置換される。いくつかの実施形態では、C-C32アルキル基は、C-C32ヘテロアルキル基(すなわち、長さが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32炭素単位)であってもよい。本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル基」とは、分子のコア(すなわち、炭素骨格)に少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S、Nおよび/またはP)を含む飽和または不飽和、置換または非置換の直鎖、分枝または環状の脂肪族鎖を指す。
【0043】
置換基Rの特定の実施形態では、疎水性基は、アリール基である。アリール基は、任意の置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基であってもよく、ヘテロアリール基は、環の少なくとも1つに少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、SまたはN)を含む、芳香族の5員環または6員環の単環基、9員環または10員環の二環基、11員環~14員環の三環基である。ヘテロ原子を含むヘテロアリール基のそれぞれの環は、1個または2個の酸素原子または硫黄原子および/または1~4個の窒素原子を含んでいてもよく、但し、それぞれの環内のヘテロ原子の総数は4以下であり、それぞれの環は、少なくとも1個の炭素原子を有する。二環式および三環式基を完成する縮合環は、炭素原子のみを含有してもよく、飽和、部分飽和、または不飽和であってもよい。窒素原子、酸素原子および硫黄原子は場合により酸化されていてもよく、窒素原子は場合により四級化されていてもよい。二環式または三環式であるヘテロアリール基は、少なくとも1つの完全芳香族環を含まなければならないが、他の縮合環は芳香族または非芳香族であってもよい。いくつかの実施形態では、アリール化合物は、フェニル、ナフチル、ピローリル、イソインドリル、インドリジニル、インドリル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、チオフェニル、ピリジル、アクリジニル、ナフチリジニル、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、プリニル、ピラゾリル、ピラジニル、プテリジニル、キノキサリニル、フタラジニル、キナゾリニル、トリアジニル、フェナジニル、シンノリニル、ピリミジニルまたはピリダジニルである。
【0044】
置換基Rの特定の実施形態では、疎水性基は、C-C32フルオロアルキル基またはC-C32フルオロアリール基である。本明細書で使用される場合、用語「フルオロアルキル」および「フルオロアリール」は、それぞれ、1つ以上のフッ素原子を有する任意のアルキル基またはアリール基を指す。
【0045】
式VIのアンモニウム塩は、任意の適切なアニオン対イオン(すなわち、「Z」)を有することができる。いくつかの実施形態では、アニオン対イオン(「Z」)は、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、硫黄、炭素、窒素、リンおよびこれらの組合せから選択される元素を含む。アニオンの例示的なリストは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、硫化物、亜硫酸、硫酸、スルホン酸、重硫酸、重亜硫酸、チオ硫酸、炭酸、重炭酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、リン酸水素酸、リン酸二水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、ヘキサフルオロホスフェート、カルボキシレート、アセテート、メシラート、トシラートまたはトリフラートを含む。特定の実施形態では、Zは、フッ化物、塩化物、臭化物、メシラート、トシラート、またはこれらの組合せから選択される。
【0046】
特定の実施形態では、カチオン性会合性モノマー単位は、式VIIのアクリルアミド塩モノマー
【化7】

に由来し、式中、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば(CHCH)であり、tは、0~9の整数であり(すなわち、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9)、uは、0~30の整数(例えば、2~30、4~30、6~30、8~30、5~25、10~30、12~30、15~25、16~30、18~30、20~30、22~30または24~30)である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。いくつかの実施形態では、式VIIのアクリルアミド塩は、2つ以上のこのようなアクリレートおよび/またはアクリルアミドの混合物であり、uの平均値(最も近い整数に丸める)は、0~30の整数(例えば、2~30、4~30、6~30、8~30、5~25、10~30、12~30、15~25、16~30、18~30、20~30、22~30または24~30)である。特定の実施形態では、式VIIのアクリルアミド塩は、「MAPTAC-C12誘導体」(すなわち、RがCHであり、uが10である)である。
【0047】
別の実施形態では、会合性モノマー単位は、アニオン性会合性モノマー単位である。一般に、アニオン性会合性モノマー単位は、式VIIIのアクリレートおよび/またはアクリルアミドモノマー
【化8】

に由来し、式中、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば(CHCH)であり、vは、0~9の整数であり(すなわち、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9)、Xは、OまたはNHであり、Mは、任意のカチオンであり、各R10は、独立して、Hまたは疎水性基である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。本明細書で使用される場合、「疎水性基」という用語は、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基を指す。
【0048】
置換基R10の特定の実施形態では、疎水性基は、C-C32アルキル基(すなわち、長さが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32炭素単位)である。いくつかの実施形態では、C-C32アルキル基は、飽和、不飽和、分枝鎖、直鎖、環状、またはこれらの組合せである。C-C32アルキル基の例示的なリストは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ラウリル、ステアリル、セチル、ベヘニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニルまたは4-ペンテニルである。特定の実施形態では、C-C32アルキル基は、さらに、1つ以上のアルキル置換基、アリール置換基、ヘテロ原子、またはこれらの組合せで置換される。いくつかの実施形態では、C-C32アルキル基は、C-C32ヘテロアルキル基(すなわち、長さが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32炭素単位)であってもよい。本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル基」とは、分子のコア(すなわち、炭素骨格)に少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S、Nおよび/またはP)を含む飽和または不飽和、置換または非置換の直鎖、分枝または環状の脂肪族基を指す。
【0049】
置換基R10の特定の実施形態では、疎水性基は、アリール基である。アリール基は、任意の置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基であってもよく、ヘテロアリール基は、環の少なくとも1つに少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、SまたはN)を含む、芳香族の5員環または6員環の単環基、9員環または10員環の二環基、11員環~14員環の三環基である。ヘテロ原子を含むヘテロアリール基のそれぞれの環は、1個または2個の酸素原子または硫黄原子および/または1~4個の窒素原子を含んでいてもよく、但し、それぞれの環内のヘテロ原子の総数は4以下であり、それぞれの環は、少なくとも1個の炭素原子を有する。二環式および三環式基を完成する縮合環は、炭素原子のみを含有してもよく、飽和、部分飽和、または不飽和であってもよい。窒素原子、酸素原子および硫黄原子は場合により酸化されていてもよく、窒素原子は場合により四級化されていてもよい。二環式または三環式であるヘテロアリール基は、少なくとも1つの完全芳香族環を含まなければならないが、他の縮合環は芳香族または非芳香族であってもよい。いくつかの実施形態では、アリール化合物は、フェニル、ナフチル、ピローリル、イソインドリル、インドリジニル、インドリル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、チオフェニル、ピリジル、アクリジニル、ナフチリジニル、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、プリニル、ピラゾリル、ピラジニル、プテリジニル、キノキサリニル、フタラジニル、キナゾリニル、トリアジニル、フェナジニル、シンノリニル、ピリミジニルまたはピリダジニルである。
【0050】
置換基R10の特定の実施形態では、疎水性基は、C-C32フルオロアルキル基またはC-C32フルオロアリール基である。本明細書で使用される場合、用語「フルオロアルキル」および「フルオロアリール」は、それぞれ、1つ以上のフッ素原子を有する任意のアルキル基またはアリール基を指す。
【0051】
スルホネート塩は、任意の適切なカチオン対イオン(すなわち、「M」)を有することができる。例えば、カチオン対イオン(「M」)は、プロトン、アンモニウム、四級アミン、アルカリ金属のカチオン、アルカリ土類金属のカチオン、遷移金属のカチオン、希土類金属のカチオン、典型元素のカチオン、またはこれらの組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、カチオン対イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、亜鉛、またはこれらの組合せのプロトンまたはカチオンである。特定の実施形態では、Mは、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、またはこれらの組合せから選択される。
【0052】
1つ以上の会合性モノマー単位は、任意の適切な量で会合性ポリマー中に存在することができる。会合性ポリマーは、合計で約10モル%以下の1つ以上の会合性モノマー単位を含んでいてもよく、例えば、約9モル%以下、約8モル%以下、約7モル%以下、約6モル%以下、約5モル%以下、約4モル%以下、約3モル%以下、約2モル%以下、または約1モル%以下の1つ以上の会合性モノマー単位を含んでいてもよい。これに代えて、またはこれに加えて、会合性ポリマーは、約0.005モル%以上の1つ以上の会合性モノマー単位を含んでいてもよく、例えば、約0.01モル%以上、約0.1モル%以上、約0.25モル%以上、約0.3モル%以上、約0.4モル%以上、または約0.5モル%以上の1つ以上の会合性モノマー単位を含んでいてもよい。したがって、会合性ポリマーは、上述の端点の任意の2つによって境界が定められた合計濃度で、1つ以上の会合性モノマー単位を含んでいてもよい。会合性ポリマーは、約0.005モル%~約10モル%の1つ以上の会合性モノマー単位を含んでいてもよく、例えば、約0.005モル%~約9モル%、約0.005モル%~約8モル%、約0.005モル%~約7モル%、約0.005モル%~約6モル%、約0.005モル%~約5モル%、約0.005モル%~約4モル%、約0.005モル%~約3モル%、約0.005モル%~約2モル%、約0.005モル%~約1モル%、約0.01モル%~約1モル%、約0.1モル%~約1モル%、約0.25モル%~約1モル%、約0.3モル%~約1モル%、約0.4モル%~約1モル%、約0.5モル%~約1.0モル%、約0.01モル%~約0.5モル%または約0.01モル%~約0.25モル%の1つ以上の会合性モノマー単位を含んでいてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるカチオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、会合性ポリマーは、VISIOMER(登録商標)モノマーC18PEG1105MAに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるアニオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、会合性ポリマーは、VISIOMER(登録商標)モノマーC18PEG1105MAに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるカチオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、会合性ポリマーは、式VIIのMAPTAC-C12誘導体に由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるアニオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、会合性ポリマーは、式VIIのMAPTAC-C12誘導体に由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるカチオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるアニオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。
【0059】
さらに提供されるのは、式APの会合性ポリマー:
【化9】

式中、Eは、1つ以上の会合性モノマー単位であり、Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、Gは、式Iのモノマーから誘導される1つ以上のモノマー単位であり、Hは、場合により存在していてもよく、1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位であり、
前記1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位は、前記さらなるモノマー単位(「F」)のカルボニル上で、式Iのモノマーから誘導されるモノマー単位(「G」)のアクリルアミド窒素が環化すると生成し、
前記会合性ポリマーは、重量平均分子量が約10kDa~約2,000kDaである、会合性ポリマーである。
【0060】
いくつかの実施形態では、会合性ポリマーは、式AP
【化10】

を有し、式中、Eは、1つ以上の会合性モノマー単位であり、E’は、約0.005~約10モルパーセント値であり、Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、F’は、約0.005~約90モルパーセント値であり、Gは、式Iのモノマーから誘導される1つ以上のモノマー単位であり、G’は、約10~約99.99モルパーセント値である。モノマー単位Eは、本明細書に記載の会合性モノマー単位によって定義される。モノマー単位FおよびGは、それぞれの本明細書に記載のさらなるモノマー単位および式Iのモノマー由来のモノマー単位によって定義される。
【0061】
本明細書に記載されるように、式APの会合性ポリマーは、交互ポリマー、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー、直鎖ポリマー、分岐ポリマー、環状ポリマー、またはこれらの組合せとして存在してもよい。したがって、E、FおよびGは、個々の繰り返し単位(例えば、EEFFFGG、EFGGEFEE、EFGEEE、EEEEFGなど)を含め、任意の適切な順序で存在していてもよい(例えば、EGF、EFG、GEF、GFE、FEGまたはFGE)。
【0062】
1以上の会合性モノマー単位(「E’」)の量、および1以上のさらなるモノマー単位(「F’」+「G’」)の合計は、1つ以上の会合性モノマー単位と、1つ以上のさらなるモノマー単位の合計について既に記載した通りである。
【0063】
いくつかの実施形態では、式APの会合性ポリマーは、電荷分解を受けて、式APの会合性ポリマー
【化11】

を提供し、Eは、1つ以上の会合性モノマー単位であり、E”は、約0.005~約10モルパーセント値であり、Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、F”は、約0.005~約90モルパーセント値であり、Gは、式Iのモノマーに由来する1つ以上のモノマー単位であり、G”は、約10~約99.99モルパーセント値であり、Hは、1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位であり、1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位は、さらなるモノマー単位(「F」)のカルボニル上で、式Iのモノマーに由来するモノマー単位(「G」)のアクリルアミド窒素が環化すると生成し、H”は、約0(すなわち痕跡量)~約10モルパーセント値である。本明細書で使用される場合、「電荷分解」は、帯電したさらなるモノマー単位(すなわち、カチオン性および/またはアニオン性モノマー単位)上で環化する、式Iのモノマーに由来するモノマー単位の工程を指し、さらなるモノマー単位の帯電した置換基が交換され、そのため、ポリマーは、カチオン性モノマー単位の数が少なくなり、および/またはアニオン性モノマー単位の数が少なくなる。いかなる特定の理論にも束縛されることを望まないが、電荷分解は自発的に生じ得るか、またはポリマー溶液中の1つ以上の成分によって促進され得ると考えられる。
【0064】
特定の実施形態では、会合性ポリマーは、式AP
【化12】

を有し、Eは、1つ以上の会合性モノマー単位であり、E”は、約0.005~約10モルパーセント値であり、Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、F”は、約0.005~約90モルパーセント値であり、Gは、式Iのモノマーに由来する1つ以上のモノマー単位であり、G”は、約10~約99.99モルパーセント値であり、Hは、式
【化13】

の1つ以上の単位であり、式中、Rは、HまたはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、Rは、Hまたは有機基であり、H”は、約0(すなわち痕跡量)~約10モルパーセント値である。特定の実施形態では、RおよびRは水素である。
【0065】
本明細書に記載されるように、式APの会合性ポリマーは、交互ポリマー、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー、直鎖ポリマー、分岐ポリマー、環状ポリマー、またはこれらの組合せとして存在してもよい。したがって、E、F、GおよびHは、任意の適切な順序で存在してもよく(例えば、EGFH、EGHF、EHFG、EHGF、EFGH、EFHG、FEGH、FEHG、FHEG、FHGE、FGEH、FGHE、GHFE、GHEF、GEFH、GEHF、GFHE、GFEH、HEFG、HEGF、HGEF、HGFE、HFEGまたはHFGE)、繰り返す個々の単位を含む(例えば、EEFFFGGHHH、EFGGEFEEH、EFGEEEHH、HHHEEEEFGなど)。
【0066】
特定の実施形態では、会合性ポリマーは、式AP
【化14】

を有し、各Rは、独立して、HまたはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、各Rは、独立して、Hまたは有機基であり、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば、(CHCH)であり、kは、0~9の整数であり(すなわち、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9)、Xは、OまたはNHであり、m、nおよびoは、独立して、0~100の整数であり、(n+o)≦3であるとき、mは、少なくとも7であり、それぞれのYおよびYは、独立して、HまたはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、Rは、Hまたは疎水性基であり、E”は、約0.005~約10モルパーセント値であり、Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、F”は、約0.005~約90モルパーセント値であり、G”は、約10~約99.99モルパーセント値であり、H”は、約0(すなわち痕跡量)~約10モルパーセント値である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。
【0067】
式APの会合性ポリマーの特定の実施形態では、Fは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)に由来する。式APの会合性ポリマーの特定の実施形態では、Fは、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)モノマーに由来する。
【0068】
特定の実施形態では、会合性ポリマーは、式AP
【化15】

を有し、各Rは、独立して、HまたはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、各Rは、独立して、Hまたは有機基であり、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば、(CHCH)であり、kは、0~9の整数であり、qは、2~100の整数であり、rは、0~30の整数であり、各Yは、独立してHまたはCHであり、E”は、約0.005~約10モルパーセント値であり、F”は、約0.005~約90モルパーセント値であり、G”は、約10~約99.99モルパーセント値であり、H”は、約0(すなわち痕跡量)~約10モルパーセント値である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。
【0069】
特定の実施形態では、会合性ポリマーは、式AP
【化16】

を有し、式中、rは、0~30の整数(例えば、2~30、4~30、6~30、8~30、10~30、12~30、16~30、18~30、20~30、22~30または24~30)であり、各Yは、独立してHまたはCHであり、E”は、約0.005~約10モルパーセント値であり、F”は、約0.005~約90モルパーセント値であり、G”は、約10~約99.99モルパーセント値であり、H”は、約0(すなわち痕跡量)~約10モルパーセント値である。特定の実施形態では、rは、14~16の整数である。
【0070】
特定の実施形態では、会合性ポリマーは、式AP
【化17】

を有し、各Rは、独立して、HまたはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、各Rは、独立して、Hまたは有機基であり、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC-C10アルキル(例えば、(CHCH)であり、tは、0~9の整数であり、Xは、OまたはNHであり、sは、0~20の整数であり、Zは、任意のアニオンであり、Rは、疎水性基であり、E”は、約0.005~約10モルパーセント値であり、Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、F”は、約0.005~約90モルパーセント値であり、G”は、約10~約99.99モルパーセント値であり、H”は、約0(すなわち痕跡量)~約10モルパーセント値である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。
【0071】
特定の実施形態では、会合性ポリマーは、式AP
【化18】

を有し、各Rは、独立して、HまたはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、各Rは、独立して、Hまたは有機基であり、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば、(CHCH)であり、tは、0~9の整数であり、uは、0~30の整数であり、E”は、約0.005~約10モルパーセント値であり、F”は、約0.005~約90モルパーセント値であり、G”は、約10~約99.99モルパーセント値であり、H”は、約0(すなわち痕跡量)~約10モルパーセント値である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。
【0072】
特定の実施形態では、会合性ポリマーは、式AP
【化19】

を有し、式中、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば(CHCH)であり、tは、0~9の整数であり、uは、0~30の整数であり、E”は、約0.005~約10モルパーセント値であり、F”は、約0.005~約90モルパーセント値であり、G”は、約10~約99.99モルパーセント値であり、H”は、約0(すなわち痕跡量)~約10モルパーセント値である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。
【0073】
式AP7-9(すなわち、AP、AP、またはAP)の会合性ポリマーの特定の実施形態では、Fは、アクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの塩から選択される1つ以上のモノマーに由来する。
【0074】
特定の実施形態では、会合性ポリマーは、式AP10
【化20】

を有し、各Rは、独立して、HまたはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、各Rは、独立して、Hまたは有機基であり、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば、(CHCH)であり、vは、0~9の整数であり、Xは、OまたはNHであり、Mは、任意のカチオンであり、各R10は、独立して、Hまたは疎水性基であり、E”は、約0.005~約10モルパーセント値であり、Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、F”は、約0.005~約90モルパーセント値であり、G”は、約10~約99.99モルパーセント値であり、H”は、約0(すなわち痕跡量)~約10モルパーセント値である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。
【0075】
特定の実施形態では、会合性ポリマーは、式AP11
【化21】

を有し、式中、Rは、HまたはC-C10アルキル(例えば(CHCH)であり、vは、0~9の整数であり、Xは、OまたはNHであり、Mは、任意のカチオンであり、各R10は、独立して、Hまたは疎水性基であり、E”は、約0.005~約10モルパーセント値であり、Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、F”は、約0.005~約90モルパーセント値であり、G”は、約10~約99.99モルパーセント値であり、H”は、約0(すなわち痕跡量)~約10モルパーセント値である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。
【0076】
本明細書に記載されるように、式AP-AP11(すなわち、AP、AP、AP、AP、AP、AP、AP10またはAP11)の会合性ポリマーは、交互ポリマー、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー、直鎖ポリマー、分岐ポリマー、環状ポリマー、またはこれらの組合せとして存在してもよい。したがって、モノマー単位は、個々の繰り返し単位を含む、任意の適切な順序で存在することができる。
【0077】
モノマー単位Hの存在は、任意の適切な方法によって検出することができる。いくつかの実施形態では、モノマーHは、13C NMR、H NMR、IR分光法、またはこれらの組合せによって検出される。
【0078】
モノマー単位Hの存在量は、任意の適切な方法によって決定することができる。いくつかの実施形態では、モノマー単位Hの存在量は、13C NMRスペクトル、H NMRスペクトル、IRスペクトル、またはこれらの組合せのピーク積分の相対比較によって決定することができる。
【0079】
式AP3-11(すなわち、AP、AP、AP、AP、AP、AP、AP、AP10またはAP11)の会合性ポリマーのいくつかの実施形態では、E”は、約0.005モル%~約10モル%(例えば、約0.005モル%~約9モル%、約0.005モル%~約8モル%、約0.005モル%~約7モル%、約0.005モル%~約6モル%、約0.005モル%~約5モル%、約0.005モル%~約4モル%、約0.005モル%~約3モル%または0.005モル%~約2モル%)であり、F”は、約0.005モル%~約90モル%(例えば、約0.005モル%~約80モル%、約0.005モル%~約70モル%、約0.005モル%~約60モル%、約0.005モル%~約50モル%、約0.005モル%~約40モル%、約0.005モル%~約35モル%、約0.005モル%~約30モル%、約0.005モル%~約25モル%、約0.005モル%~約20モル%、約0.005モル%~約16モル%、約0.005モル%~約12モル%、約0.005モル%~約10モル%、約2モル%~約20モル%、約4モル%~約20モル%、約6モル%~約20モル%、約4モル%~約16モル%、約4モル%~約12モル%または約4モル%~約10モル%)であり、G”は、約10モル%~約99.99モル%(例えば、約10モル%~約99.99モル%、約20モル%~約99.99モル%、約30モル%~約99.99モル%、約40モル%~約99.99モル%、約50モル%~約99.99モル%、約60モル%~約99.99モル%、約70モル%~約99.99モル%、約80モル%~約99.99モル%、約80モル%~約99.95モル%、約80モル%~約99.9モル%、約80モル%~約99.5モル%、約80モル%~約99モル%、約80モル%~約97モル%、約80モル%~約95モル%、約80モル%~約92モル%、約80モル%~約90モル%、約84モル%~約99モル%、約84モル%~約94モル%、約84モル%~約95モル%、約84モル%~約92モル%または約84モル%~約90モル%)であり、H”は、約0モル%(すなわち痕跡量)~約10モル%(例えば、約0.001モル%~約10モル%、約0.001モル%~約9モル%、約0.001モル%~約8モル%、約0.001モル%~約7モル%、約0.001モル%~約6モル%、約0.001モル%~約5モル%、約0.001モル%~約4モル%、約0.001モル%~約3モル%または0.001モル%~約2モル%)である。
【0080】
式(AP3-11)(すなわち、AP、AP、AP、AP、AP、AP、AP、AP10またはAP11)の会合性ポリマーの特定の実施形態では、E”は、約0.005モル%~約1モル%(例えば、約0.01モル%~約1モル%、約0.1モル%~約1モル%、約0.25モル%~約1モル%、約0.3モル%~約1モル%、約0.4モル%~約1モル%、約0.5モル%~約1.0モル%、約0.01モル%~約0.5モル%または約0.01モル%~約0.25モル%)であり、F”は、約4モル%~約10モル%(例えば、約4モル%~約9モル%、約4モル%~約8モル%、約4モル%~約7モル%、約4モル%~約6モル%、約4モル%~約5モル%、約5モル%~約10モル%、約6モル%~約10モル%、約7モル%~約10モル%、約8モル%~約10モル%、約9モル%~約10モル%または約6モル%~約8モル%)であり、G”は、約84モル%~約90モル%(例えば、約85モル%~約90モル%、約86モル%~約90モル%、約87モル%~約90モル%、約88モル%~約90モル%、約89モル%~約90モル%、約84モル%~約89モル%、約84モル%~約88モル%、約84モル%~約87モル%、約84モル%~約86モル%、約84モル%~約85モル%または約86モル%~約88モル%)であり、H”は、約0モル%(すなわち痕跡量)~約6モル%(例えば、約0.001モル%~約5モル%、約0.001モル%~約4モル%、約0.001モル%~約3モル%または約0.001モル%~約2モル%、約0.001モル%~約1モル%、約0.01モル%~約1モル%、約0.1モル%~約1モル%、約0.25モル%~約1モル%、約0.3モル%~約1モル%、約0.4モル%~約1モル%、約0.5モル%~約1.0モル%、約0.01モル%~約0.5モル%または約0.01モル%~約0.25モル%)である。
【0081】
本明細書で提供される方法は、1つ以上の会合性ポリマーを網目構造化することを含む。本明細書で使用される場合、「網目構造化」とは、異なる物理的性質を促進するために隣接するポリマー鎖への1つのポリマー鎖の化学的配位を指す。網目構造化する技術は、任意の適切な化学配位を含んでいてもよい。一般に、1つ以上の会合性ポリマーの網目構造化は、隣接するポリマー鎖を共有結合させることを含まない。例えば、化学配位は、イオン結合、水素結合、疎水性相互作用、双極子相互作用、ファンデルワールス力、またはこれらの組合せによって起こり得る。
【0082】
一実施形態では、網目構造化の少なくとも一部は、異なるポリマー鎖の会合性モノマー単位の間で起こる(すなわち、分子間相互作用)。特定の理論に縛られることを望むものではないが、会合性モノマー単位は、弱い化学的相互作用(すなわち、イオン結合、水素結合、疎水性相互作用、双極子相互作用、ファンデルワールス力、またはこれらの組合せ)によって瞬時に相互作用し、隣接する会合性ポリマーを一時的に網目構造化すると考えられる。本明細書で使用される場合、「隣接する会合性ポリマーを一時的に網目構造化する」とは、希釈のレベル、界面活性剤の存在、またはこれらの組合せによって制御され得る相互作用を指す。したがって、会合性ポリマーの網目構造化は可逆的であり、それにより、粉末、ゲル、または低粘度の液体媒体を調製し、および/またはその後、溶媒中に分散させることができる。
【0083】
別の実施形態では、網目構造化の少なくとも一部は、会合性モノマー単位と1種類以上の界面活性剤との間で生じる。特定の理論に縛られることを望むものではないが、会合性モノマー単位は、1種類以上の界面活性剤と、弱い化学的相互作用(すなわち、イオン結合、水素結合、疎水性相互作用、双極子相互作用、ファンデルワールス力、またはこれらの組合せ)によって瞬時に相互作用し、隣接する会合性ポリマーおよび界面活性剤を一時的に網目構造化することができると考えられる。本明細書で使用される場合、「隣接する会合性ポリマーおよび界面活性剤を一時的に網目構造化する」とは、希釈レベル、界面活性剤の量、またはこれらの組合せによって制御され得る相互作用を指す。したがって、会合性ポリマーおよび界面活性剤の網目構造化は可逆的であり、それにより、粉末、ゲル、または低粘度の液体媒体を調製し、および/またはその後、溶媒中に分散させることができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、網目構造化の少なくとも一部は、ミセル共重合によって起こる。本明細書で使用される場合、「ミセル共重合」は、会合性モノマーおよび/または界面活性剤を含むミセルと、会合性モノマー単位を含む会合性ポリマーとの同時形成を指す。特定の理論に縛られることを望むものではないが、隣接するポリマーの会合性モノマー単位は、会合性モノマーおよび/または界面活性剤から作られるミセルに組み込まれ、それによって、隣接する会合性ポリマーを一時的に網目構造化することができると考えられる。
【0085】
本明細書で使用される場合、「一時的に網目構造化する」とは、希釈のレベル、界面活性剤の存在、またはこれらの組合せによって制御され得る会合性相互作用(例えば、会合性ポリマーの溶液、湿潤ゲルおよび粉末内で)を指す。当技術分野で知られているより永続的な架橋(例えば、共有結合による架橋)とは対照的に、一時的な網目構造化は、瞬間的な場合がある。本明細書で使用される場合、「一時的」とは、会合性ポリマーの溶液の初期形成から溶液中の粉末の分散までの任意の時間を指すことができる。例えば、一時的な網目構造化は、機械加工および粉末への変換を可能にするのに十分な湿潤ゲルの構造を与える。さらに、一時的な網目構造化は、安定であるが妥当なレベルの水溶性を維持する粉末を生成するのに役立つ。水中で希釈すると、会合性相互作用(すなわち、一時的な網目構造化)が減少し、粉末は、水または他の溶媒中に分散される。
【0086】
特定の実施形態では、本方法は、1つ以上の会合性ポリマーと1種類以上の界面活性剤を網目構造化することを含み、ここで、1つ以上の会合性モノマー単位と1種類以上の界面活性剤は構造的に類似している。本明細書で使用される場合、「構造的に類似」とは、会合性モノマー単位および界面活性剤が、同じか、または類似の化学官能基を有することを意味する。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位および界面活性剤は、それぞれ、少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含む。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位および界面活性剤は、それぞれ、少なくとも1つのアミン置換基を含む。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位および界面活性剤は、それぞれ、ポリエーテルエーテル鎖を含む。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位および界面活性剤は、それぞれ、ポリエーテル鎖を含み、ポリエーテル鎖の長さは、6炭素単位以下(すなわち、6、5、4、3、2、1または0)によって分割されている。例えば、会合性モノマー単位が、16炭素単位のポリエーテル鎖長を有する場合、構造的に類似の界面活性剤は、10~22炭素単位(すなわち、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22)のポリエーテル鎖長を有する。特定の実施形態では、ポリエーテル鎖は、同じ数の炭素単位を含む。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位および界面活性剤は、それぞれ、アルキル鎖を含む。いくつかの実施形態では、会合性モノマー単位および界面活性剤は、それぞれ、アルキル鎖を含み、アルキル鎖の長さは、6炭素単位以下(すなわち、6、5、4、3、2、1または0)によって分割されている。例えば、会合性モノマー単位が、16炭素単位のアルキル鎖長を有する場合、構造的に類似の界面活性剤は、10~22炭素単位(すなわち、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22)のアルキル鎖長を有する。特定の実施形態では、アルキル鎖は、それぞれ、同じ数の炭素を含む。特定の実施形態では、会合性モノマー単位および界面活性剤は、それぞれ、同じ構造サブユニットを含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、粉末を製造するための方法は、1種類以上の界面活性剤をさらに含む。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびこれらの組合せから選択されるいずれかの適切な界面活性剤であってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤はダイマーとして存在していてもよい。例えば、界面活性剤は、1つの極性頭部基および2つの非極性尾部、または2つの極性頭部基および1つの非極性尾部、または2つの極性頭部基および2つの非極性尾部を有していてもよい。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、界面活性剤は、湿潤ゲルに対して構造を与えるのに役立ち、水または他の溶媒中での希釈時に得られる粉末の溶解度を増加させると考えられる。
【0088】
一実施形態では、界面活性剤は、カチオン性界面活性剤である。特定の実施形態では、カチオン性界面活性剤は、式IX
【化22】

のアンモニウム塩であり、式中、各R11は、独立して、HまたはC-C10アルキル(例えば、(CHCH)であり、eは、0~9の整数であり(すなわち、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9)、Aは、任意のアニオンであり、dは、6~34の整数(例えば、6~30、6~24、6~20、6~16、6~12、5~25、10~20、15~25、10~24または10~30)である。いくつかの実施形態では、「C-C10アルキル」は、分枝C-C10アルキル基を指す。いくつかの実施形態では、式IXのアンモニウム塩は、2つ以上のこのようなアンモニウム塩の混合物であり、dの平均値(最も近い整数に丸める)は、6~34の整数(例えば、6~30、6~24、6~20、6~16、6~12、5~25、10~20、15~25、10~24または10~30)である。特定の実施形態では、カチオン性界面活性剤は、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネートまたはヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0089】
アンモニウム塩は、任意の適切なアニオン対イオン(すなわち、「A」)を有することができる。いくつかの実施形態では、アニオン対イオン(「A」)は、ハロゲン(すなわち、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、硫黄、炭素、窒素、リンおよびこれらの組合せから選択される元素を含む。アニオンの例示的なリストは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、硫化物、亜硫酸、硫酸、重硫酸、重亜硫酸、チオ硫酸、炭酸、重炭酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、リン酸水素酸、リン酸二水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、ヘキサフルオロホスフェート、カルボキシレート、アセテート、メシラート、トシラートまたはトリフラートを含む。特定の実施形態では、Aは、フッ化物、塩化物、臭化物、メシラート、トシラート、またはこれらの組合せから選択される。
【0090】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤である。特定の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、式X
【化23】

の硫酸塩であり、式中、Bは、任意のカチオンであり、fは、7~35の整数であり(例えば、7~29、7~23、7~19、7~15、7~11、11~19、11~23または11~29)である。いくつかの実施形態では、式Xの硫酸塩は、2つ以上のこのような硫酸塩の混合物であり、fの平均値(最も近い整数に丸める)は、7~35の整数(例えば、7~29、7~23、7~19、7~15、7~11、11~19、11~23または11~29)である。特定の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムである(すなわち、fは、11である)。
【0091】
硫酸塩は、任意の適切なカチオン対イオン(すなわち、「B」)を有することができる。例えば、カチオン対イオン(「B」)は、プロトン、アンモニウム、四級アミン、アルカリ金属のカチオン、アルカリ土類金属のカチオン、遷移金属のカチオン、希土類金属のカチオン、典型元素のカチオン、またはこれらの組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、カチオン対イオンは、水素、またはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、亜鉛、またはこれらの組合せのカチオンである。特定の実施形態では、Bは、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、またはこれらの組合せから選択される。
【0092】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤は、任意の適切な非イオン性界面活性剤であってもよい。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの繰り返し単位を含む。特定の実施形態では、界面活性剤は、エチレンオキシド(「EO」)、プロピレンオキシド(「PO」)、またはこれらの組合せのブロックコポリマーまたはランダムコポリマーを含む。
【0093】
特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、式XIを有し、
HO(CO)(CO)(CO)
XI
式中、a、bおよびcは、独立して、約2~約200(例えば、約2~約175、約2~約150、約2~約125、約2~約100、約50~約200、約50~約150、または約50~約100)の整数であり、a、bおよびcは、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、式Xの非イオン性界面活性剤は、2つ以上のこのような界面活性剤の混合物であり、a、bおよびcは、指定されたサブユニットの平均(最も近い整数に丸められた)鎖長を指し(すなわち、EOおよびPOの平均鎖長)、a、bおよびcは、独立して、約2~約200(例えば、約2~約175、約2~約150、約2~約125、約2~約100、約50~約200、約50~約150、または約50~約100)の整数である。特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、BASF Corporation(フローラム・パーク、ニュージャージー)によって市販されているPLURONIC(登録商標)F-127界面活性剤、すなわちHO(CO)101(CO)56(CO)101Hである。
【0094】
いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、式XII
【化24】

を有し、式中、gは、約6~約50(例えば、約6~約42、約6~約36、約6~約30、約6~約24、約6~約18、約6~約12、約8~約30、約12~約50、約12~約36または約12~約24)の範囲の整数であり、それぞれのR12およびR13は、独立して、HまたはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、hおよびiは、独立して、0~約100の範囲の整数である(例えば、約0~約90、約0~約80、約0~約70、約0~約60、約0~約50、約10~約100または約10~約50)。いくつかの実施形態では、式XIIの界面活性剤は、2つ以上のこのような界面活性剤の混合物であり、g、hおよびiは、指定されたサブユニットの平均(最も近い整数に丸められた)鎖長を指し(すなわち、平均炭素鎖長または平均EO(または置換EO)鎖長)、式中、gは、約6~約50(例えば、約6~約42、約6~約36、約6~約30、約6~約24、約6~約18、約6~約12、約8~約30、約12~約50、約12~約36または約12~約24)の整数であり、hおよびiは、独立して、0~約100の範囲の整数である(例えば、約0~約90、約0~約80、約0~約70、約0~約60、約0~約50、約10~約100または約10~約50)。
【0095】
特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、式XII
【化25】

を有し、式中、gは、約6~約50(例えば、約6~約42、約6~約36、約6~約30、約6~約24、約6~約18、約6~約12、約12~約50、約12~約36または約12~約24)の範囲の整数であり、R12およびR13はHであり、hおよびiは、独立して、0~約100の範囲の整数である(例えば、約0~約90、約0~約80、約0~約70、約0~約60、約0~約50、約10~約100または約10~約50)。特定の実施形態では、界面活性剤は、BRIJ(登録商標)S20、すなわち、式C1837(OCh’OHのポリエチレングリコールオクタデシルエーテルであり、ここで、h’は、約2~約200の範囲の整数であり、Croda International PLC(イーストヨークシャー、英国)によって上市されている。
【0096】
特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、式XII
【化26】

を有し、式中、gは、約6~約50(例えば、約6~約42、約6~約36、約6~約30、約6~約24、約6~約18、約6~約12、約12~約50、約12~約36または約12~約24)の範囲の整数であり、iは、0であり、R12は、Hであり、hは、約2~約30の整数(例えば、2~30、4~30、6~30、8~30、10~30、12~30、16~30、18~30、20~30、22~30または24~30)であり、 特定の実施形態では、界面活性剤は、BASF Corporation(フローラム・パーク、ニュージャージー)から市販されているLutensol(登録商標)脂肪アルコールエトキシレートである。より好ましくは、界面活性剤は、BASF Corporation(フローラム・パーク、ニュージャージー)から市販されている、(25EO)C16-C18脂肪アルコール(「LutensolAT(登録商標)25」)の製品名で上市されている、ポリエトキシ(25)セチルおよび/またはステアリルアルコールである。
【0097】
特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、式XII
【化27】

を有し、gは、約8~約30(例えば、10~30、12~30、16~30、18~30、20~30、22~30または24~30)の範囲の整数であり、それぞれのR12およびR13は、独立して、HまたはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル)であり、hおよびiは、独立して、0~約50(例えば、約0~約40、約0~約30、約0~約20、約10~約50、約10~約40、約10~約30または約10~約20)の範囲の整数である。特定の実施形態では、界面活性剤は、BASF Corporation(フローラム・パーク、ニュージャージー)から市販されているPlurafac(登録商標)界面活性剤である。
【0098】
特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、式XIIIを有する。
【化28】
【0099】
w、x、yおよびzは、独立して、約0~約50(例えば、約0~約40、約0~約30、約0~約20、約0~約16、約0~約12または約0~約8)の範囲の整数であり、w、x、yおよびzは、同じであるか、または異なっている。いくつかの実施形態では、式XIIIの非イオン性界面活性剤は、2つ以上のこのような界面活性剤の混合物であり、w、x、yおよびzは、指定されたサブユニットの平均(最も近い整数に丸められた)鎖長を指し(すなわち、EOの平均炭素鎖長)、w、x、yおよびzは、独立して、約0~約50(例えば、約0~約40、約0~約30、約0~約20、約0~約16、約0~約12または約0~約8)の範囲の整数である。特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、Croda International PLC(イーストヨークシャー、英国)によって市販されているTWEEN(登録商標)20界面活性剤(すなわちw+x+y+z=20)である。
【0100】
1種以上の界面活性剤が粉末中に存在する場合、1種以上の界面活性剤は、任意の適切な濃度で粉末中に存在することができる。粉末は、合計で約20重量%以下の界面活性剤を含んでいてもよく、例えば、約15重量%以下、約10重量%以下、約9重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下、約6重量%以下、または約5重量%以下の界面活性剤を含んでいてもよい。これに代えて、またはこれに加えて、粉末は、合計で約0.001重量%以上の界面活性剤を含んでいてもよく、例えば、約0.01重量%、約0.1重量%、約0.25重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約3重量%以上、または約4重量%以上の界面活性剤を含んでいてもよい。したがって、粉末は、上述の端点の任意の2つによって境界が定められた合計濃度で、1種類以上の界面活性剤を含んでいてもよい。粉末は、合計で約0.001重量%~約5重量%、約0.01重量%~約5重量%、約0.1重量%~約5重量%の界面活性剤を含んでいてもよく、例えば、約0.25重量%~約5重量%、約0.5重量%~約5重量%、約1重量%~約5重量%、約2重量%~約5重量%、約3重量%~約5重量%、約4重量%~約5重量%、約4重量%~約10重量%、約4重量%~約9重量%、約4重量%~約8重量%、約4重量%~約7重量%、約4重量%~約6重量%、約0.001重量%~約10重量%、約0.01重量%~約10重量%、約0.1重量%~約10重量%、約0.001重量%~約15重量%、約0.01重量%~約15重量%、約0.1重量%~約15重量%、約0.001重量%~約20重量%、約0.01重量%~約20重量%、約0.1重量%~約20重量%または約0.001重量%~約1重量%の界面活性剤を含んでいてもよい。
【0101】
一実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、粉末の形成前に(例えば、ポリマー溶液に、重合の前または後に、または湿潤ゲルに)添加される。界面活性剤が粉末形成前に添加される場合、界面活性剤は、湿潤ゲル中に組み込まれ、それにより粉末となる。一般に、界面活性剤は、湿潤ゲルから粉末への加工性を改善する。典型的には、界面活性剤は、得られる粉末の水性媒体または他の溶媒中の溶解性または分散性をさらに改善する。
【0102】
いくつかの実施形態では、湿潤ゲルから処理された後に、1種類以上の界面活性剤が粉末に添加される。いくつかの実施形態では、1種類以上の界面活性剤は、湿潤ゲルを処理するために必要ではない。特に、会合性モノマー単位の化学的相互作用は、界面活性剤の非存在下で会合性ポリマーを網目構造化するのに十分に強力な場合がある。界面活性剤は粉末の形成のために必ずしも必要ではないが、得られた粉末(1種以上の界面活性剤が存在しない)は、一般に、水性媒体に溶けにくい。例えば、1種類以上の界面活性剤は、会合性ポリマーの再湿潤を促進し、水中で溶液を形成する方法を促進する傾向がある。このように、得られた粉末の水性媒体または他の溶媒への溶解性および分散性を改善するために、粉末形成後に界面活性剤を添加することができる。
【0103】
会合性ポリマーを形成するための重合は、当技術分野で公知の任意の適切な重合に従って行うことができる。例えば、会合性ポリマーは、乳化重合、分散重合、溶液重合、ゲル重合、またはこれらの組合せによって製造することができる。会合性ポリマーを形成するための重合は、任意の適切な機構によって行うことができる。例えば、重合は、カチオン重合、アニオン重合、遊離ラジカル重合、配位重合、またはこれらの組合せによって行うことができる。典型的には、重合は、遊離ラジカル重合を介して起こる。
【0104】
いくつかの実施形態では、会合性ポリマーを形成するための重合は、1つ以上の重合成分を含む。特定の実施形態では、1つ以上の重合成分が、ポリマー溶液、ポリマー湿潤ゲルおよび/または粉末中に残るように、1つ以上の重合成分を反応混合物から除去しない。他の実施形態では、1つ以上の重合成分が、ポリマー溶液、ポリマー湿潤ゲルおよび/または粉末中に存在しないように、1つ以上の重合成分を反応混合物から除去する。いくつかの実施形態では、1つ以上の変換された重合成分が、ポリマー溶液、ポリマー湿潤ゲルおよび/または粉末中に存在するように、1つ以上の重合成分を変換する。重合成分の例示的なリストは、開始剤、連鎖移動剤、キレート化剤、酸化還元剤、バッファー、およびこれらの組合せである。
【0105】
いくつかの実施形態では、重合は、1種以上の開始剤を含む。開始剤は、任意の好適な開始剤であってよい。いくつかの実施形態では、開始剤は、遊離ラジカル開始剤である。特定の実施形態では、開始剤は、アゾビス化合物の群から選択される。例示的な開始剤のリストは、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]水和物(無水物)および2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]である。
【0106】
いくつかの実施形態では、重合は、1つ以上の連鎖移動剤を含む。連鎖移動剤は、任意の適切な連鎖移動剤であってもよい。連鎖移動剤の例示的なリストは、四塩化炭素、四臭化炭素、ブロモトリクロロメタン、ペンタフェニルエタン、ギ酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、チオフェノール、4,4’-チオビスベンゼンチオール、4-メチルベンゼンチオール、脂肪族チオール、例えば、イソオクチル3-メルカプトプロピオネート、tert-ノニルメルカプタン、N-アセチル-L-システイン、N-2-メルカプトエチル)アセトアミド、グルタチオン、N-(2-メルカプトプロピオニル)グリシン、2-メルカプトエタノールである。
【0107】
いくつかの実施形態では、重合は、1つ以上のキレート化剤を含む。キレート化剤は、任意の適切なキレート化剤であってもよい。特定の実施形態では、キレート化剤は、多座有機化合物である。キレート化剤の例示的なリストは、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(「DTPA」)、エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)、ニトリロ三酢酸(「NTA」)、ジエチレントリアミン五酢酸、N,N-ビス(カルボキシメチル)-L-グルタミン酸、N-(ヒドロキシエチル)-エチレンジアミン三酢酸三ナトリウム、アジピン酸およびその塩である。
【0108】
いくつかの実施形態では、重合は、1種類以上の酸化還元剤を含む。酸化還元剤は、任意の適切な酸化還元剤であってもよい。いくつかの実施形態では、酸化還元剤は、重合を停止させるのを助ける。特定の実施形態では、酸化還元試薬は、有機過酸化物、無機過酸化物、またはこれらの組合せである。酸化還元剤の例示的なリストは、亜硫酸水素ナトリウム;チオ硫酸塩、硫酸第一鉄アンモニウム;アスコルビン酸、アミン、次亜リン酸塩、臭素酸ナトリウム、塩素酸塩、過マンガン酸塩、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、t-ブチル過酸化水素、過酸化水素、オゾンおよびそれらの塩である。いくつかの実施形態では、酸化還元剤を酸化還元対として添加し、一方の薬剤が還元に関与し、一方の薬剤が酸化に関与するようにする。特定の実施形態では、酸化還元剤は、開始剤である。
【0109】
いくつかの実施形態では、重合は、緩衝系を含む。緩衝系は、任意の適切な有機および/または無機の緩衝系であってもよい。特定の実施形態では、緩衝系は、pHを約6未満(例えば、約0~約6、約1~約6、約2~約6、約3~約6、約4~約6、約5~約6、約0~約1、約0~約2、約0~約3、約0~約4、または約0~約5)に制御することができる有機酸および/または無機酸および/または塩基を含む。バッファーの例示的なリストは、アジピン酸、ピメリン酸、グルタル酸、クエン酸、酢酸、無機酸(例えば、リン酸)、アミンおよびそれらの塩である。
【0110】
1種類以上の会合性ポリマーおよび任意要素の1種類以上の界面活性剤の溶液を、任意の適切な技術によって湿潤ゲルに変換することができる。いくつかの実施形態では、1種類以上の会合性ポリマーおよび任意要素の1種類以上の界面活性剤の溶液は、自然に湿潤ゲルになる。例えば、溶液系モノマーは、1種類以上の界面活性剤の存在下で重合させることができ、重合によって、溶液系モノマーから溶液系ポリマーへと移行し、自発的に凝固してポリマー湿潤ゲルを形成する。いくつかの実施形態では、1種類以上の会合性ポリマーおよび任意要素の1種類以上の界面活性剤の溶液は、湿潤ゲルを形成する前に乾燥させる必要がある場合がある。例えば、1種類以上の会合性ポリマーおよび場合により1種類以上の界面活性剤の溶液は、乾燥(例えば、オーブンおよび/または周囲温度の蒸発状態に置く)、冷却、圧力変更、またはこれらの組合せによって、湿潤ゲルに変換することができる。本明細書で使用される場合、「湿潤ゲル」とは、1種類以上の会合性ポリマーおよび場合により1種類以上の界面活性剤の溶液が、流体様の状態から固体様の状態に移行するときに生成する任意の物質を指す。特定の実施形態では、湿潤ゲルは、タフィー状の稠度を維持し、粘着性ではない。
【0111】
湿潤ゲルは、得られた会合によって網目構造化されるポリマーと、場合により、1種類以上の界面活性剤および溶媒を含む。一般に、湿潤ゲルは、約20重量%~約80重量%の会合によって網目構造化されるポリマーを含有する。一実施形態では、ポリマー湿潤ゲルは、約25重量%~約50重量%のポリマーを含む。特定の実施形態では、ポリマー湿潤ゲルは、約30重量%~約40重量%のポリマーを含む。
【0112】
湿潤ゲルは、任意の適切な方法によって粉末に加工することができる。いくつかの実施形態では、湿潤ゲルを切断して顆粒を形成し、この顆粒を乾燥させ、乾燥した顆粒を粉末に変換することによって、湿潤ゲルを粉末へと加工する。いくつかの実施形態では、湿潤ゲルを乾燥させ、乾燥した湿潤ゲルを切断して顆粒を形成し、この顆粒を粉末へと変換することによって、湿潤ゲルを粉末へと加工する。いくつかの実施形態では、湿潤ゲルを乾燥させ、乾燥した湿潤ゲルを切断して顆粒を形成し、この顆粒を乾燥させ、乾燥した顆粒を粉末に変換することによって、湿潤ゲルを粉末へと加工する。湿潤ゲルは、任意の適切な方法によって切断することができる。特定の実施形態では、湿潤ゲルを機械加工し(例えば、Retsch Mill Cutterを使用して)、湿潤ゲル顆粒を形成する。特定の実施形態では、湿潤ゲルは、潤滑剤を用いて切断される。潤滑剤は、任意の適切な潤滑剤(例えば、石油系潤滑剤)であってもよい。湿潤ゲル顆粒は、任意の適切な方法によって粉末に変換することができる。いくつかの実施形態では、「顆粒を変換して粉末を形成する」とは、例えば、顆粒をさらに乾燥させ、顆粒を粉砕し、または顆粒を乾燥し、粉砕して、粉末を生成することを指すが、変換は、他の処理工程を含んでいてもよい。例えば、顆粒を粉末に変換することは、ふるい分けをさらに含むことができる。
【0113】
粉末は、任意の適切な含水量を有することができる。一般に、含水量は、約0重量%~約30重量%(例えば、約0.01重量%~約30重量%、約0.1重量%~約30重量%、または約1重量%~約30重量%)である。粉末の特定の実施形態では、含水量は、約0重量%~約25重量%(例えば、約0.01重量%~約25重量%、約0.1重量%~約25重量%、または約1重量%~約25重量%)である。粉末の特定の実施形態では、含水量は、約0重量%~約20重量%(例えば、約0.01重量%~約20重量%、約0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約10重量%、または約1重量%~約20重量%)である。特定の実施形態では、含水量は、約10重量%である。
【0114】
粉末は、任意の好適な平均粒径(すなわち、平均粒径)を有していてもよい。平均粒径は、当技術分野で公知の任意の適切な方法によって決定することができる。一般に、平均粒径は、Horibaレーザー散乱粒子サイズ分布アナライザーLA-950によって測定される。粉末は、平均粒径が約1ミクロン以上、例えば、約10ミクロン以上、約20ミクロン以上、約50ミクロン以上、約100ミクロン以上、約200ミクロン以上、または約500ミクロン以上であってもよい。これに代えて、または加えて、粉末は、平均粒径が、約10,000ミクロン以下、例えば約8,000ミクロン以下、約6,000ミクロン以下、約4,000ミクロン以下、または約2,000ミクロン以下であってもよい。したがって、粉末は、上述の端点の任意の2つによって境界が定められた平均粒径を有することができる。粉末は、平均粒径が、約1ミクロン~約10,000ミクロン、例えば、約1ミクロン~約8,000ミクロン、約1ミクロン~約6,000ミクロン、約1ミクロン~約4,000ミクロン、約1ミクロン~約2,000ミクロン、約10ミクロン~約2,000ミクロン、約20ミクロン~約2,000ミクロン、約50ミクロン~約2,000ミクロン、約100ミクロン~約2,000ミクロン、約200ミクロン~約2,000ミクロンまたは約500ミクロン~約2,000ミクロンであってもよい。
【0115】
粉末は、任意の適切な粒子形状を有することができる。いくつかの実施形態では、粉末粒子は、非球状である。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、非球形粒子は、粉末がゲル、スプレー、またはドラムに基づく方法(例えば、切断および乾燥による)によって製造されたときに一般に形成されると考えられる。いくつかの実施形態では、粉末粒子は、球形である。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、球形粒子は、粉末がビーズに基づく方法によって製造されたときに一般に形成されると考えられる。
【0116】
いくつかの実施形態では、粉末は、少なくとも300ミクロンのメジアン粒径では、ケージ撹拌機によって400rpmで、室温で1時間以内に、水に20重量%溶液までは可溶性である。いくつかの実施形態では、粉末は、少なくとも300ミクロンのメジアン粒径では、ケージ撹拌機によって400rpmで、室温で1時間以内に、水に10重量%溶液までは可溶性である。特定の実施形態では、粉末は、少なくとも300ミクロンのメジアン粒径では、ケージ撹拌機によって400rpmで、室温で1時間以内に、水に5重量%溶液までは可溶性である。特定の実施形態では、粉末は、少なくとも300ミクロンのメジアン粒径では、ケージ撹拌機によって400rpmで、室温で1時間以内に、水に1重量%溶液までは可溶性である。いくつかの実施形態では、粉末が1種類以上の界面活性剤を含まない場合、粉末は、少なくとも300ミクロンのメジアン粒径では、水に完全には溶解しないか、または水に難溶性である(すなわち、室温で1時間以内に、1重量%溶液として水に完全には溶解しなかった)。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、会合性ポリマーと任意要素の界面活性剤の濃度が、それらの臨界濃度未満に低下すると、化学的相互作用(例えば網目構造化)が減少し、それによって、活性ポリマー強度補助剤(すなわち、会合性ポリマー)を放出し、溶解度がさらに改善すると考えられる。本明細書で使用される場合、「臨界濃度」は、会合性ポリマーおよび界面活性剤が溶液系から移行し、組織化された網目構造を維持する濃度を指す。
【0117】
得られた粉末は、任意の好適な固有粘度を有することができる。例えば、該粉末は、固有粘度が、約0.05dL/g~約7dL/g(例えば、約0.05dL/g~約6dL/g、約0.05dL/g~約5dL/g、約0.05dL/g~約4dL/g、約0.05dL/g~約3dL/g、約0.05dL/g~約2dL/g、約0.05dL/g~約1dL/g、約0.05dL/g~約0.5dL/g、約0.1dL/g~約7dL/g、約0.1dL/g~約6dL/gまたは約0.5dL/g~約5dL/g)であってもよい。いくつかの実施形態では、粉末は、固有粘度が約0.1dL/g~約6である。特定の実施形態では、粉末は、固有粘度が約0.5dL/g~約5dL/gである。
【0118】
固有粘度(「IV」)は、無限希釈の限界まで外挿された、すなわち粉末の濃度がゼロに等しい、一連の減少した比粘度(RSV)測定によって定義される。RSVは、所定の粉末濃度および温度で測定され、以下のように計算される:
【数1】
ここで、ηは、粉末溶液の粘度であり、ηは、同温度での溶媒の粘度であり、tは、粉末溶液の溶出時間であり、tは、溶媒の溶出時間であり、cは、溶液中の粉末の濃度(g/dL)である。したがって、固有粘度は、dL/gによって定義される。変数tおよびtは、30±0.02℃で、Cannon Ubbelohde半希釈粘度計(サイズ75)を用い、1.0N硝酸ナトリウム溶液の粉末溶液および溶媒を用いて測定する。
【0119】
得られた粉末は、任意の好適なハギンス定数を有することができる。例えば、得られる粉末は、ハギンス定数が、約0.1~約20(例えば、約0.1~約15、約0.1~約10、約0.3~約10、約0.1~約5、約0.5~約20、約0.5~約10、約1~約20、約1~約10、または約1~約5)であってもよい。いくつかの実施形態では、粉末は、ハギンス定数が、粉末の濃度を変えることによって決定される場合、約0.3~約10であってもよく、この濃度は、1.0N硝酸ナトリウム溶液で約1.2~2.2の
【数2】
の値を生じるように選択されている。いくつかの実施形態では、粉末は、ハギンス定数が、粉末の濃度を変えることによって決定される場合、約0.3~約5であってもよく、この濃度は、1.0N硝酸ナトリウム溶液で約1.2~2.2の
【数3】
の値を生じるように選択されている。特定の実施形態では、粉末は、ハギンス定数が、粉末の濃度を変えることによって決定される場合、約0.6~約3であり、この濃度は、1.0N硝酸ナトリウム溶液で約1.2~2.2の
【数4】
の値を生じるように選択されている。ハギンス定数は、以下のように計算される。
【0120】
粉末も本明細書で提供される。この粉末は、1つ以上の会合性モノマー単位と、カチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位、非イオン性モノマー単位、双性イオン性モノマー単位、またはこれらの組合せのうち少なくとも1つから選択される1つ以上の会合によって網目構造化されるポリマーと、場合により1種類以上の界面活性剤を含む、1種類以上の会合性ポリマーを含み、前記会合性ポリマーは、重量平均分子量が約10kDa~約2,000kDaである。いくつかの実施形態では、粉末は、ポリマー網目構造に可逆的に会合する1種類以上の低分子量会合性ポリマーを含み、この会合は、水性媒体の希釈度または存在する界面活性剤の量によって制御可能である。
【0121】
いくつかの実施形態では、粉末は、非イオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるカチオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、非イオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、非イオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、非イオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、VISIOMER(登録商標)モノマーC18PEG1105MAに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、式XIIの非イオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、VISIOMER(登録商標)モノマーC18PEG1105MAに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、PLURONIC(登録商標)F-127界面活性剤および/またはLutensolAT(登録商標)25と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、VISIOMER(登録商標)モノマーC18PEG1105MAに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、粉末は、非イオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるアニオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、非イオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、非イオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式IIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、非イオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、VISIOMER(登録商標)モノマーC18PEG1105MAに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、式XIIの非イオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、VISIOMER(登録商標)モノマーC18PEG1105MAに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、PLURONIC(登録商標)F-127界面活性剤および/またはLutensolAT(登録商標)25と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、VISIOMER(登録商標)モノマーC18PEG1105MAに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるアニオン性モノマー単位とを含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、粉末は、カチオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるカチオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、カチオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、カチオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、カチオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIのMAPTAC-C12誘導体に由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、式IXのカチオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIのMAPTAC-C12誘導体に由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、セチルトリメチルアンモニウムクロリドおよび/またはヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネートと、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIのMAPTAC-C12誘導体に由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、粉末は、カチオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるアニオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、カチオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、カチオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、カチオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIのMAPTAC-C12誘導体に由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、式IXのカチオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIのMAPTAC-C12誘導体に由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、セチルトリメチルアンモニウムクロリドおよび/またはヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネートと、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIのMAPTAC-C12誘導体に由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、粉末は、アニオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるカチオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、アニオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、アニオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、式Xのアニオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、ドデシル硫酸ナトリウムと、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、DMAEA.MCQに由来するさらなるモノマー単位とを含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、粉末は、アニオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、さらなるアニオン性モノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、アニオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、式Iのモノマーに由来するモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。いくつかの実施形態では、粉末は、アニオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、式Xのアニオン性界面活性剤と、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。特定の実施形態では、粉末は、ドデシル硫酸ナトリウムと、会合性ポリマーとを含み、会合性ポリマーは、式VIIIのモノマーに由来する会合性モノマー単位と、アクリルアミドに由来するさらなるモノマー単位と、アクリル酸ナトリウムに由来するさらなるモノマー単位とを含む。
【0127】
粉末の個々の成分、例えば、1種類以上の会合性ポリマーおよび任意要素の1種類以上の界面活性剤、本明細書に記載のパラメータによって定義される通りである。
【0128】
1種類以上の会合性ポリマーの個々の構造(例えば、1つ以上の会合性モノマー単位と、カチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー、非イオン性モノマー単位、双性イオン性モノマー単位、またはこれらの組合せのうち少なくとも1つから選択される1つ以上のモノマー単位)は、本明細書に記載のパラメータによって定義される通りである。
【0129】
1種類以上の界面活性剤の個々の構造は、本明細書に記載のパラメータによって定義される通りである。
【0130】
粉末の個々の成分の量、例えば、1種類以上の会合性ポリマーおよび任意要素の1種類以上の界面活性剤の量は、本明細書に記載のパラメータによって定義される通りである。
【0131】
会合性ポリマーの個々のモノマー単位の量(例えば、1つ以上の会合性モノマー単位と、カチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー、非イオン性モノマー単位、双性イオン性モノマー単位、またはこれらの組合せのうち少なくとも1つから選択される1つ以上のモノマー単位)の量は、本明細書に記載のパラメータによって定義される通りである。
【0132】
特定の実施形態では、粉末の物理的特性は、本明細書に記載のパラメータによって定義される通りである。
【0133】
本発明は、以下の実施形態によりさらに説明される。
【0134】
(1)粉末であって、1つ以上の会合性モノマー単位と、カチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位、非イオン性モノマー単位、双性イオン性モノマー単位、またはこれらの組合せのうち少なくとも1つから選択される1つ以上のさらなるモノマー単位と、場合により1種類以上の界面活性剤を含む、1種類以上の会合性ポリマーを含み、前記会合性ポリマーは、重量平均分子量が約10kDa~約2,000kDaである、粉末。
【0135】
(2)前記1つ以上の会合性モノマー単位が、アクリレートモノマー、アクリルアミドモノマー、またはこれらの組合せに由来する、実施形態(1)に記載の粉末。
【0136】
(3)前記1種類以上の会合性ポリマーが、非イオン性会合性モノマー単位を含む、実施形態(1)または(2)に記載の粉末。
【0137】
(4)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IIのモノマー
【化29】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、m、nおよびoは、独立して、0~100の整数であり、(n+o)≦3であるとき、mは、少なくとも7であり、それぞれのYおよびYは、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、Rは、Hまたは疎水性基である、実施形態(3)に記載の粉末。
【0138】
(5)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IIIのモノマー
【化30】

から誘導され、式中、Rは、-CH(CHCHであり、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、pは、3~100の整数である、実施形態(4)に記載の粉末。
【0139】
(6)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、またはこれらの組合せに由来する、実施形態(5)に記載の粉末。
【0140】
(7)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルアクリレートに由来する、実施形態(6)に記載の粉末。
【0141】
(8)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IVのモノマー
【化31】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、qは、2~100の整数であり、rは、0~30の整数であり、各Yは、独立してHまたはCHである、実施形態(4)に記載の粉末。
【0142】
(9)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルポリエトキシ(25)メタクリレート、セチルポリエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルポリエトキシ(25)メタクリレート、ベヘニルポリエトキシ(25)メタクリレート、またはこれらの組合せに由来する、実施形態(8)に記載の粉末。
【0143】
(10)前記非イオン性モノマー単位が、セチルポリエトキシ(25)メタクリレートとステアリルポリエトキシ(25)メタクリレートの混合物に由来する、実施形態(9)に記載の粉末。
【0144】
(11)前記1種類以上の会合性ポリマーが、カチオン性会合性モノマー単位を含む、実施形態(1)または(2)に記載の粉末。
【0145】
(12)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIのモノマー
【化32】

から誘導され、式中、RおよびRが、それぞれ独立して、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、sは、0~20の整数であり、Zは、任意のアニオンであり、Rは、疎水性基である、実施形態(11)に記載の粉末。
【0146】
(13)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIIのモノマー
【化33】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、uは、0~30の整数である、実施形態(12)に記載の粉末。
【0147】
(14)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIIのモノマー
【化34】

から誘導され、式中、RはCHであり、uは10である、実施形態(13)に記載の粉末。
【0148】
(15)前記1種類以上の会合性ポリマーが、アニオン性会合性モノマー単位を含む、実施形態(1)または(2)に記載の粉末。
【0149】
(16)前記アニオン性会合性モノマー単位が、式VIIIのモノマー
【化35】

から誘導され、式中、Rが、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、Mは任意のカチオンであり、各R10は、独立して、Hまたは有機基である、実施形態(15)に記載の粉末。
【0150】
(17)前記さらなるモノマー単位が、式Iのモノマー
【化36】

から選択されるモノマーから誘導され、式中、Rは、HまたはC-Cアルキルであり、各Rは、独立して、Hまたは有機基;2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(「DMAEA」)、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(「DMAEM」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド(「DMAPMA」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド(「DMAPA」)、3-メタクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「MAPTAC」)、3-アクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「APTAC」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、N-ビニルアセトアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、ジアリルアミン、ビニルホルムアミド、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)、2-(メタクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEM.MCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド(「DMAEA.BCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド(「DMAEM.BCQ」)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(「AMPS」)、2-アクリルアミド-2-メチルブタンスルホン酸(「AMBS」)、[2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-ホスホン酸、メタクリル酸、アクリル酸;これらの塩;およびこれらの組合せである、実施形態(1)~(16)のいずれか一つに記載の粉末。
【0151】
(18)前記さらなるモノマー単位が、式Iのモノマー
【化37】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-Cアルキルであり、各Rは、独立して、Hまたは有機基である、実施形態(17)に記載の粉末。
【0152】
(19)前記有機基がC-Cアルキル基である、実施形態(18)に記載の粉末。
【0153】
(20)前記さらなるモノマー単位が、アクリルアミドに由来する、実施形態(18)に記載の粉末。
【0154】
(21)前記さらなるモノマー単位が、メタクリルアミドに由来する、実施形態(19)に記載の粉末。
【0155】
(22)前記さらなるモノマー単位が、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(「DMAEA」)、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(「DMAEM」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド(「DMAPMA」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド(「DMAPA」)、3-メタクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「MAPTAC」)、3-アクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「APTAC」)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、ジアリルアミン、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)、2-(メタクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEM.MCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド(「DMAEA.BCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド(「DMAEM.BCQ」)、これらの塩、およびこれらの組合せから選択されるモノマーに由来するカチオン性モノマーである、実施形態(17)に記載の粉末。
【0156】
(23)前記さらなるモノマー単位が、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)に由来する、実施形態(22)に記載の粉末。
【0157】
(24)前記さらなるモノマー単位が、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)に由来する、実施形態(22)に記載の粉末。
【0158】
(25)前記さらなるモノマー単位が、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(「AMPS」)、2-アクリルアミド-2-メチルブタンスルホン酸(「AMBS」)、[2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-ホスホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、これらの塩、およびこれらの組合せから選択されるモノマーに由来するアニオン性モノマー単位である、実施形態(17)に記載の粉末。
【0159】
(26)前記さらなるモノマー単位が、アクリル酸に由来する、実施形態(25)に記載の粉末。
【0160】
(27)前記さらなるモノマー単位が、アクリル酸ナトリウムに由来する、実施形態(25)に記載の粉末。
【0161】
(28)前記粉末が、1種類以上の界面活性剤を含む、実施形態(1)~(27)のいずれか一つに記載の粉末。
【0162】
(29)前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、実施形態(28)に記載の粉末。
【0163】
(30)前記アニオン性界面活性剤が、式X
【化38】

の硫酸塩であり、式中、Bは、任意のカチオンであり、fは、7~35の整数である、実施形態(29)に記載の粉末。
【0164】
(31)前記アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウムである、実施形態(30)に記載の粉末。
【0165】
(32)前記界面活性剤が、カチオン性界面活性剤である、実施形態(28)に記載の粉末。
【0166】
(33)前記カチオン性界面活性剤が、式IX
【化39】

のアンモニウム塩であり、式中、各R11が、独立して、HまたはC-C10アルキルであり、Aは、任意のアニオンであり、dは、6~34の整数である、実施形態(32)に記載の粉末。
【0167】
(34)前記カチオン性界面活性剤が、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、またはこれらの組合せである、実施形態(33)に記載の粉末。
【0168】
(35)前記界面活性剤が、非イオン性である、実施形態(28)に記載の粉末。
【0169】
(36)前記非イオン性界面活性剤が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはこれらの組合せを含むブロックポリマーまたはランダムポリマーである、実施形態(35)に記載の粉末。
【0170】
(37)前記ポリマーが、式XI:
HO(CO)(CO)(CO)
XI
を有するものであり、式中、a、bおよびcは、約2~約200の範囲の整数であり、a、bおよびcは、同じであるか、または異なっている、実施形態(36)に記載の粉末。
【0171】
(38)前記非イオン性界面活性剤が、HO(CO)101(CO)56(CO)101Hである、実施形態(37)に記載の粉末。
【0172】
(39)前記非イオン性界面活性剤が、式XII:
【化40】

を有するものであり、式中、gは、約6~約50の範囲の整数であり、各R12およびR13は、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、hおよびiは、独立して、0~約100の範囲の整数である、実施形態(35)に記載の粉末。
【0173】
(40)前記非イオン性界面活性剤が、式C1837(OCh’OH(式中、h’は、約2~約200の範囲の整数である)のポリエチレングリコールオクタデシルエーテルである、実施形態(39)に記載の粉末。
【0174】
(41)前記非イオン性界面活性剤が、式XIII
【化41】

を有するものであり、式中、w、x、yおよびzは、約0~約50の整数であり、w、x、yおよびzは、同じであるか、または異なっている、実施形態(35)に記載の粉末。
【0175】
(42)前記非イオン性界面活性剤が、TWEEN(登録商標)20界面活性剤であり、すなわち、w+x+y+z=20である、実施形態(41)に記載の粉末。
【0176】
(43)前記非イオン性界面活性剤が、式XII:
【化42】

を有するものであり、式中、gは、約6~約50の範囲の整数であり、iは0であり、R12はHであり、hは、約2~約30の範囲の整数である、実施形態(39)に記載の粉末。
【0177】
(44)前記非イオン性界面活性剤が、ポリエトキシ(25)ラウリルアルコール、ポリエトキシ(25)セチルアルコール、ポリエトキシ(25)ステアリルアルコール、ポリエトキシ(25)ベヘニルアルコール、またはこれらの組合せである、実施形態(43)に記載の粉末。
【0178】
(45)前記非イオン性界面活性剤が、ポリエトキシ(25)セチルアルコールとポリエトキシ(25)ステアリルアルコールとの混合物である、実施形態(44)に記載の粉末。
【0179】
(46)前記1種類以上の会合性ポリマーが、合計で、約0.005モル%~約10モル%の前記1つ以上の会合性モノマー単位を含む、実施形態(1)~(45)のいずれか一つに記載の粉末。
【0180】
(47)前記1種類以上の会合性ポリマーが、合計で、約0.005モル%~約0.50モル%の前記1つ以上の会合性モノマー単位を含む、実施形態(46)に記載の粉末。
【0181】
(48)前記1種類以上の会合性ポリマーが、合計で、約0.005モル%~約0.25モル%の前記1つ以上の会合性モノマー単位を含む、実施形態(47)に記載の粉末。
【0182】
(49)前記1種類以上の会合性ポリマーが、合計で、約90モル%~約99.995モル%の前記1つ以上のさらなるモノマー単位を含む、実施形態(1)~(48)のいずれか一つに記載の粉末。
【0183】
(50)前記1種類以上の会合性ポリマーが、合計で、約99.5モル%~約99.995モル%の前記1つ以上のさらなるモノマー単位を含む、実施形態(49)に記載の粉末。
【0184】
(51)前記1種類以上の会合性ポリマーが、合計で、約99.75モル%~約99.995モル%の前記1つ以上のさらなるモノマー単位を含む、実施形態(50)に記載の粉末。
【0185】
(52)前記粉末は、少なくとも300ミクロンのメジアン粒径では、ケージ撹拌機によって400rpmで、室温で1時間以内に、水に1重量%溶液までは完全に可溶性である、実施形態(1)~(51)のいずれか一つに記載の粉末。
【0186】
(53)前記粉末は、少なくとも300ミクロンのメジアン粒径では、水に難溶性である(すなわち、室温で1時間以内に、1重量%溶液として水に完全には溶解解しなかった)、実施形態(1)~(27)のいずれか一つに記載の粉末。
【0187】
(54)前記1種類以上の会合性ポリマーは、重量平均分子量が約200kDa~約2,000kDaである、実施形態(1)~(53)のいずれか一つに記載の粉末。
【0188】
(55)前記1種類以上の会合性ポリマーは、重量平均分子量が約500kDa~約2,000kDaである、実施形態(54)に記載の粉末。
【0189】
(56)前記1種類以上の会合性ポリマーは、重量平均分子量が約800kDa~約2,000kDaである、実施形態(55)に記載の粉末。
【0190】
(57)前記粉末は、固有粘度が約0.05dL/g~約7dL/gである、実施形態(1)~(56)のいずれか一つに記載の粉末。
【0191】
(58)前記粉末は、固有粘度が約0.5dL/g~約5dL/gである、実施形態(57)に記載の粉末。
【0192】
(59)前記粉末は、ハギンス定数が約0.3~約10である、実施形態(1)~(58)のいずれか一つに記載の粉末。
【0193】
(60)前記粉末は、ハギンス定数が約0.3~約5である、実施形態(59)に記載の粉末。
【0194】
(61)前記粉末が、合計で約0.001重量%~約20重量%の1種類以上の界面活性剤を含む、実施形態(28)~(60)のいずれか一つに記載の粉末。
【0195】
(62)前記粉末が、ポリエトキシ(25)セチルおよび/またはステアリルアルコールと、アクリルアミド、DMAEA.MCQおよびセチルおよび/またはステアリルポリエトキシ(25)メタクリレートを含む会合性ポリマーとを含む、実施形態(28)に記載の粉末。
【0196】
(63)前記粉末が、ポリエトキシ(25)セチルおよび/またはステアリルアルコールと、アクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、およびセチルおよび/またはステアリルポリエトキシ(25)メタクリレートに由来するモノマー単位を含む会合性ポリマーとを含む、実施形態(28)に記載の粉末。
【0197】
(64)前記粉末が、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネートおよび/またはセチルトリメチルアンモニウムクロリドと、アクリルアミド、DMAEA.MCQおよび式VII
【化43】

に由来するモノマー単位を含む会合性ポリマーとを含み、式中、RはCHであり、uは10である、実施形態(28)に記載の粉末。
【0198】
(65)前記粉末が、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネートおよび/またはセチルトリメチルアンモニウムクロリドと、アクリルアミド、アクリル酸ナトリウムおよび式VII
【化44】

に由来するモノマー単位を含む会合性ポリマーとを含み、式中、RはCHであり、uは10である、実施形態(28)に記載の粉末。
【0199】
(66)式APの会合性ポリマー:
【化45】

式中、Eは、1つ以上の会合性モノマー単位であり、Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、Gは、式Iのモノマーに由来する1つ以上のモノマー単位であり、Hは、場合により存在していてもよく、1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位であり、
前記1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位は、前記さらなるモノマー単位(「F」)のカルボニル上で、式Iのモノマーに由来するモノマー単位(「G」)のアクリルアミド窒素が環化すると生成し、
前記会合性ポリマーは、重量平均分子量が約10kDa~約2,000kDaである、会合性ポリマー。
【0200】
(67)Hが存在せず、前記会合性ポリマーが、式AP
【化46】

を有し、式中、Eは、1つ以上の会合性モノマー単位であり、E’は、約0.005~約10モルパーセント値であり、Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、F’は、約0.005~約90モルパーセント値であり、Gは、式Iのモノマーに由来する1つ以上のモノマー単位であり、G’は、約10~約99.99モルパーセント値である、実施形態(66)に記載の会合性ポリマー。
【0201】
(68)E’が、約0.005モル%~約1モル%であり、F’が、約4モル%~約16モル%であり、G’が、約84モル%~約96モル%である、実施形態(67)に記載の会合性ポリマー。
【0202】
(69)Eが、非イオン性会合性モノマー単位である、実施形態(67)または(68)に記載の会合性ポリマー。
【0203】
(70)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IIのモノマー
【化47】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、m、nおよびoは、独立して、0~100の整数であり、(n+o)≦3であるとき、mは、少なくとも7であり、それぞれのYおよびYは、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、Rは、Hまたは疎水性基である、実施形態(69)に記載の会合性ポリマー。
【0204】
(71)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IIIのモノマー
【化48】

から誘導され、式中、Rは、-CH(CHCHであり、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、pは、3~100の整数である、実施形態(70)に記載の会合性ポリマー。
【0205】
(72)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、またはこれらの組合せに由来する、実施形態(71)に記載の会合性ポリマー。
【0206】
(73)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルアクリレートに由来する、実施形態(72)に記載の会合性ポリマー。
【0207】
(74)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IVのモノマー
【化49】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、qは、2~100の整数であり、rは、0~30の整数であり、各Yは、独立してHまたはCHである、実施形態(70)に記載の会合性ポリマー。
【0208】
(75)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルポリエトキシ(25)メタクリレート、セチルポリエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルポリエトキシ(25)メタクリレート、ベヘニルポリエトキシ(25)メタクリレート、またはこれらの組合せに由来する、実施形態(74)に記載の会合性ポリマー。
【0209】
(76)前記非イオン性モノマー単位が、セチルポリエトキシ(25)メタクリレートとステアリルポリエトキシ(25)メタクリレートの混合物に由来する、実施形態(75)に記載の会合性ポリマー。
【0210】
(77)Eが、カチオン性会合性モノマー単位である、実施形態(67)または(68)に記載の会合性ポリマー。
【0211】
(78)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIのモノマー
【化50】

から誘導され、式中、RおよびRが、それぞれ独立して、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、sは、0~20の整数であり、Zは、任意のアニオンであり、Rは、疎水性基である、実施形態(77)に記載の会合性ポリマー。
【0212】
(79)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIIのモノマー
【化51】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、uは、0~30の整数である、実施形態(78)に記載の会合性ポリマー。
【0213】
(80)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIIのモノマー
【化52】

から誘導され、式中、RはCHであり、uは10である、実施形態(79)に記載の会合性ポリマー。
【0214】
(81)Eが、アニオン性会合性モノマー単位である、実施形態(67)または(68)に記載の会合性ポリマー。
【0215】
(82)前記アニオン性会合性モノマー単位が、式VIIIのモノマー
【化53】

から誘導され、式中、Rが、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、Mは任意のカチオンであり、各R10は、独立して、Hまたは疎水性基である、実施形態(81)に記載の会合性ポリマー。
【0216】
(83)Fが、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(「DMAEA」)、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(「DMAEM」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド(「DMAPMA」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド(「DMAPA」)、3-メタクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「MAPTAC」)、3-アクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「APTAC」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、N-ビニルアセトアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、ジアリルアミン、ビニルホルムアミド、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)、2-(メタクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEM.MCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド(「DMAEA.BCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド(「DMAEM.BCQ」)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(「AMPS」)、2-アクリルアミド-2-メチルブタンスルホン酸(「AMBS」)、[2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-ホスホン酸、メタクリル酸、アクリル酸;これらの塩;およびこれらの組合せである、実施形態(67)~(82)のいずれか一つに記載の会合性ポリマー。
【0217】
(84)Fが、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)、アクリル酸、メタクリル酸、これらの塩、およびこれらの組合せから選択されるモノマーに由来する、実施形態(83)に記載の会合性ポリマー。
【0218】
(85)Gが、式Iのモノマー:
【化54】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-Cアルキルであり、各Rは、独立して、Hまたは有機基である、実施形態(67)~(84)のいずれか一項に記載の会合性ポリマー。
【0219】
(86)前記有機基がC-Cアルキル基である、実施形態(85)に記載の会合性ポリマー。
【0220】
(87)Gが、アクリルアミド、メタクリルアミド、またはこれらの組合せから選択されるモノマーに由来する、実施形態(86)に記載の会合性ポリマー。
【0221】
(88)Hが存在し、前記会合性ポリマーが、式AP
【化55】

を有し、式中、Eは、1つ以上の会合性モノマー単位であり、E”は、約0.005~約10モルパーセント値であり、Fは、1つ以上のさらなるモノマー単位であり、F”は、約0.005~約90モルパーセント値であり、Gは、式Iのモノマーに由来する1つ以上のモノマー単位であり、G”は、約10~約99.99モルパーセント値であり、Hは、1つ以上のピペリジン-2,6-ジオン単位であり、H”は、約0(すなわち、痕跡量)~約10モルパーセント値である、実施形態(66)に記載の会合性ポリマー。
【0222】
(89)Hが、式
【化56】

を有し、Rは、HまたはC-Cアルキルであり、Rは、Hまたは有機基である、実施形態(88)に記載の会合性ポリマー。
【0223】
(90)前記有機基がC-Cアルキル基である、実施形態(89)に記載の会合性ポリマー。
【0224】
(91)RおよびRが水素である、実施形態(89)に記載の会合性ポリマー。
【0225】
(92)E”が、約0.005モル%~約1モル%であり、F”が、約4モル%~約10モル%であり、G”が、約84モル%~約90モル%であり、H”が、約0モル%(すなわち痕跡量)~約10モル%である、実施形態(88)~(91)のいずれか一つに記載の会合性ポリマー。
【0226】
(93)Eが、非イオン性会合性モノマー単位である、実施形態(88)~(92)のいずれか一つに記載の会合性ポリマー。
【0227】
(94)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IIのモノマー
【化57】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、m、nおよびoは、独立して、0~100の整数であり、(n+o)≦3であるとき、mは、少なくとも7であり、それぞれのYおよびYは、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、Rは、Hまたは疎水性基である、実施形態(93)に記載の会合性ポリマー。
【0228】
(95)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IIIのモノマー
【化58】

から誘導され、式中、Rは、-CH(CHCHであり、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、pは、3~100の整数である、実施形態(94)に記載の会合性ポリマー。
【0229】
(96)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、またはこれらの組合せに由来する、実施形態(95)に記載の会合性ポリマー。
【0230】
(97)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルアクリレートに由来する、実施形態(96)に記載の会合性ポリマー。
【0231】
(98)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IVのモノマー
【化59】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、qは、2~100の整数であり、rは、0~30の整数であり、各Yは、独立してHまたはCHである、実施形態(93)に記載の会合性ポリマー。
【0232】
(99)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルポリエトキシ(25)メタクリレート、セチルポリエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルポリエトキシ(25)メタクリレート、ベヘニルポリエトキシ(25)メタクリレート、またはこれらの組合せに由来する、実施形態(94)に記載の会合性ポリマー。
【0233】
(100)前記非イオン性モノマー単位が、セチルポリエトキシ(25)メタクリレートとステアリルポリエトキシ(25)メタクリレートの混合物に由来する、実施形態(99)に記載の会合性ポリマー。
【0234】
(101)Eが、カチオン性会合性モノマー単位である、実施形態(88)~(92)のいずれか一つに記載の会合性ポリマー。
【0235】
(102)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIのモノマー
【化60】

から誘導され、式中、RおよびRが、それぞれ独立して、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、sは、0~20の整数であり、Zは、任意のアニオンであり、Rは、疎水性基である、実施形態(101)に記載の会合性ポリマー。
【0236】
(103)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIIのモノマー
【化61】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、uは、0~30の整数である、実施形態(102)に記載の会合性ポリマー。
【0237】
(104)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIIのモノマー
【化62】

から誘導され、式中、RはCHであり、uは10である、実施形態(103)に記載の会合性ポリマー。
【0238】
(105)Eが、アニオン性会合性モノマー単位である、実施形態(88)~(92)のいずれか一つに記載の会合性ポリマー。
【0239】
(106)前記アニオン性会合性モノマー単位が、式VIIIのモノマー
【化63】

から誘導され、式中、Rが、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、Mは任意のカチオンであり、各R10は、独立して、Hまたは疎水性基である、実施形態(105)に記載の会合性ポリマー。
【0240】
(107)Gが、式Iのモノマー:
【化64】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-Cアルキルであり、各Rは、独立して、Hまたは有機基である、実施形態(88)~(106)のいずれか一項に記載の会合性ポリマー。
【0241】
(108)前記有機基がC-Cアルキル基である、実施形態(107)に記載の会合性ポリマー。
【0242】
(109)Gが、アクリルアミドに由来する、実施形態(107)に記載の会合性ポリマー。
【0243】
(110)Gが、メタクリルアミドに由来する、実施形態(108)に記載の会合性ポリマー。
【0244】
(111)Fが、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(「DMAEA」)、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(「DMAEM」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド(「DMAPMA」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド(「DMAPA」)、3-メタクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「MAPTAC」)、3-アクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「APTAC」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、N-ビニルアセトアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、ジアリルアミン、ビニルホルムアミド、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)、2-(メタクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEM.MCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド(「DMAEA.BCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド(「DMAEM.BCQ」)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(「AMPS」)、2-アクリルアミド-2-メチルブタンスルホン酸(「AMBS」)、[2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-ホスホン酸、メタクリル酸、アクリル酸;これらの塩;およびこれらの組合せである、実施形態(88)~(110)のいずれか一つに記載の会合性ポリマー。
【0245】
(112)Fが、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(「DMAEA」)、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(「DMAEM」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド(「DMAPMA」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド(「DMAPA」)、3-メタクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「MAPTAC」)、3-アクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「APTAC」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、ジアリルアミン、ビニルホルムアミド、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)、2-(メタクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEM.MCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド(「DMAEA.BCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド(「DMAEM.BCQ」)、これらの塩、およびこれらの組合せから選択されるモノマーに由来するカチオン性モノマー単位である、実施形態(111)に記載の会合性ポリマー。
【0246】
(113)Fが、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)に由来する、実施形態(112)に記載の会合性ポリマー。
【0247】
(114)前記さらなるモノマー単位が、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)に由来する、実施形態(112)に記載の会合性ポリマー。
【0248】
(115)Fが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(「AMPS」)、2-アクリルアミド-2-メチルブタンスルホン酸(「AMBS」)、[2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-ホスホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、これらの塩、およびこれらの組合せから選択されるモノマーに由来するアニオン性モノマー単位である、実施形態(111)に記載の会合性ポリマー。
【0249】
(116)Fが、アクリル酸に由来する、実施形態(115)に記載の会合性ポリマー。
【0250】
(117)Fが、アクリル酸ナトリウムに由来する、実施形態(115)に記載の会合性ポリマー。
【0251】
(118)前記会合性ポリマーは、重量平均分子量が約200kDa~約2,000kDaである、実施形態(66)~(117)のいずれか一つに記載の会合性ポリマー。
【0252】
(119)前記会合性ポリマーは、重量平均分子量が約500kDa~約2,000kDaである、実施形態(118)に記載の会合性ポリマー。
【0253】
(120)前記会合性ポリマーは、重量平均分子量が約800kDa~約2,000kDaである、実施形態(119)に記載の会合性ポリマー。
【0254】
(121)前記会合性ポリマーが、式AP
【化65】

を有し、式中、各Rは、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、各Rは、独立して、Hまたは有機基であり、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、m、nおよびoは、独立して、0~100の整数であり、(n+o)≦3であるとき、mは、少なくとも7であり、それぞれのYおよびYは、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、Rは、Hまたは疎水性基である、実施形態(88)に記載の会合性ポリマー。
【0255】
(122)前記会合性ポリマーが、式AP
【化66】

を有し、式中、rは、0~30の整数であり、各Yは、独立してHまたはCHである、実施形態(88)に記載の会合性ポリマー。
【0256】
(123)前記会合性ポリマーが、式AP
【化67】

を有し、式中、各Rは、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、各Rは、独立して、Hまたは有機基であり、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、sは、0~20の整数であり、Zは、任意のアニオンであり、Rは、疎水性基である、実施形態(88)に記載の会合性ポリマー。
【0257】
(124)前記会合性ポリマーが、式AP
【化68】

を有し、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、uは、0~30の整数である、実施形態(88)に記載の会合性ポリマー。
【0258】
(125)前記会合性ポリマーが、式AP11
【化69】

を有し、式中、Rが、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、Mは任意のカチオンであり、各R10は、独立して、Hまたは疎水性基である、実施形態(88)に記載の会合性ポリマー。
【0259】
(126)粉末を製造するための方法であって、湿潤ゲルから粉末を作成することを含み、前記湿潤ゲルは、1種類以上の会合性ポリマーと、場合により、1種類以上の界面活性剤を含み、前記1種類以上の会合性ポリマーは、重量平均分子量が約10kDa~約2,000kDaである、方法。
【0260】
(127)前記湿潤ゲルが機械加工されて粉末にされる、実施形態(126)に記載の方法。
【0261】
(128)前記1種類以上の会合性ポリマーが、アクリレートモノマー、アクリルアミドモノマー、またはこれらの組合せに由来する1つ以上の会合性モノマーを含む、実施形態(126)または(127)に記載の方法。
【0262】
(129)前記1種類以上の会合性ポリマーが、非イオン性会合性モノマー単位を含む、実施形態(126)~(128)のいずれか一つに記載の方法。
【0263】
(130)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IIのモノマー
【化70】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、m、nおよびoは、独立して、0~100の整数であり、(n+o)≦3であるとき、mは、少なくとも7であり、それぞれのYおよびYは、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、Rは、Hまたは疎水性基である、実施形態(129)に記載の方法。
【0264】
(131)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IIIのモノマー
【化71】

から誘導され、式中、Rは、-CH(CHCHであり、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、pは、3~100の整数である、実施形態(130)に記載の方法。
【0265】
(132)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、またはこれらの組合せに由来する、実施形態(131)に記載の方法。
【0266】
(133)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルアクリレートに由来する、実施形態(132)に記載の方法。
【0267】
(134)前記非イオン性会合性モノマー単位が、式IVのモノマー
【化72】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、qは、2~100の整数であり、rは、0~30の整数であり、各Yは、独立してHまたはCHである、実施形態(130)に記載の方法。
【0268】
(135)前記非イオン性モノマー単位が、ラウリルポリエトキシ(25)メタクリレート、セチルポリエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルポリエトキシ(25)メタクリレート、ベヘニルポリエトキシ(25)メタクリレート、またはこれらの組合せに由来する、実施形態(132)に記載の方法。
【0269】
(136)前記非イオン性モノマー単位が、セチルポリエトキシ(25)メタクリレートとステアリルポリエトキシ(25)メタクリレートの混合物に由来する、実施形態(135)に記載の方法。
【0270】
(137)前記1種類以上の会合性ポリマーが、カチオン性会合性モノマー単位を含む、実施形態(126)~(128)のいずれか一つに記載の方法。
【0271】
(138)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIのモノマー
【化73】

から誘導され、式中、RおよびRが、それぞれ独立して、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、sは、0~20の整数であり、Zは、任意のアニオンであり、Rは、疎水性基である、実施形態(137)に記載の方法。
【0272】
(139)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIIのモノマー
【化74】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-C10アルキルであり、uは、0~30の整数である、実施形態(138)に記載の方法。
【0273】
(140)前記カチオン性会合性モノマー単位が、式VIIのモノマー
【化75】

から誘導され、式中、RはCHであり、uは10である、実施形態(139)に記載の方法。
【0274】
(141)前記1種類以上の会合性ポリマーが、アニオン性会合性モノマー単位を含む、実施形態(126)~(128)のいずれか一つに記載の方法。
【0275】
(142)前記アニオン性会合性モノマー単位が、式VIIIのモノマー
【化76】

から誘導され、式中、Rが、HまたはC-C10アルキルであり、Xは、OまたはNHであり、Mは任意のカチオンであり、各R10は、独立して、Hまたは疎水性基である、実施形態(141)に記載の方法。
【0276】
(143)前記1種類以上の会合性ポリマーが、カチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位、非イオン性モノマー単位、およびこれらの組合せから選択される1つ以上のさらなるモノマー単位を含む、実施形態(126)~(142)のいずれか一つに記載の方法。
【0277】
(144)前記さらなるモノマー単位が、式Iのモノマー
【化77】

から選択されるモノマーから誘導され、式中、Rは、HまたはC-Cアルキルであり、各Rは、独立して、Hまたは有機基;2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(「DMAEA」)、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(「DMAEM」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド(「DMAPMA」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド(「DMAPA」)、3-メタクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「MAPTAC」)、3-アクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「APTAC」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、N-ビニルアセトアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、ジアリルアミン、ビニルホルムアミド、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)、2-(メタクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEM.MCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド(「DMAEA.BCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド(「DMAEM.BCQ」)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(「AMPS」)、2-アクリルアミド-2-メチルブタンスルホン酸(「AMBS」)、[2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-ホスホン酸、メタクリル酸、アクリル酸;これらの塩;およびこれらの組合せである、実施形態(143)に記載の方法。
【0278】
(145)前記さらなるモノマー単位が、式Iのモノマー
【化78】

から誘導され、式中、Rは、HまたはC-Cアルキルであり、各Rは、独立して、Hまたは有機基である、実施形態(143)または(144)に記載の方法。
【0279】
(146)前記有機基がC-Cアルキル基である、実施形態(145)に記載の方法。
【0280】
(147)前記さらなるモノマー単位が、アクリルアミドに由来する、実施形態(145)に記載の方法。
【0281】
(148)前記さらなるモノマー単位が、メタクリルアミドに由来する、実施形態(146)に記載の方法。
【0282】
(149)前記さらなるモノマー単位が、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(「DMAEA」)、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(「DMAEM」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド(「DMAPMA」)、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド(「DMAPA」)、3-メタクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「MAPTAC」)、3-アクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド(「APTAC」)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)、ジアリルアミン、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)、2-(メタクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEM.MCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド(「DMAEA.BCQ」)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド(「DMAEM.BCQ」)、これらの塩、およびこれらの組合せから選択されるモノマーに由来するカチオン性モノマーである、実施形態(144)に記載の方法。
【0283】
(150)前記さらなるモノマー単位が、2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(「DMAEA.MCQ」)に由来する、実施形態(149)に記載の方法。
【0284】
(151)前記さらなるモノマー単位が、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(「DADMAC」)に由来する、実施形態(149)に記載の方法。
【0285】
(152)前記さらなるモノマー単位が、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(「AMPS」)、2-アクリルアミド-2-メチルブタンスルホン酸(「AMBS」)、[2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-ホスホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、これらの塩、およびこれらの組合せから選択されるモノマーに由来するアニオン性モノマー単位である、実施形態(144)に記載の方法。
【0286】
(153)前記さらなるモノマー単位が、アクリル酸に由来する、実施形態(152)に記載の方法。
【0287】
(154)前記さらなるモノマー単位が、アクリル酸ナトリウムに由来する、実施形態(152)に記載の方法。
【0288】
(155)前記湿潤ゲルが、1種類以上の界面活性剤を含む、実施形態(126)~(154)のいずれか一つに記載の方法。
【0289】
(156)前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、実施形態(155)に記載の方法。
【0290】
(157)前記アニオン性界面活性剤が、式X
【化79】

の硫酸塩であり、式中、Bは、任意のカチオンであり、fは、7~35の整数である、実施形態(156)に記載の方法。
【0291】
(158)前記アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウムである、実施形態(157)に記載の方法。
【0292】
(159)前記界面活性剤が、カチオン性界面活性剤である、実施形態(155)に記載の方法。
【0293】
(160)前記カチオン性界面活性剤が、式IX
【化80】

のアンモニウム塩であり、式中、各R11が、独立して、HまたはC-C10アルキルであり、Aは、任意のアニオンであり、dは、6~34の整数である、実施形態(159)に記載の方法。
【0294】
(161)前記カチオン性界面活性剤が、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、またはこれらの組合せである、実施形態(160)に記載の方法。
【0295】
(162)前記界面活性剤が、非イオン性である、実施形態(155)に記載の方法。
【0296】
(163)前記非イオン性界面活性剤が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはこれらの組合せを含むブロックポリマーまたはランダムポリマーである、実施形態(162)に記載の方法。
【0297】
(164)前記ポリマーが、式XI:
HO(CO)(CO)(CO)
XI
を有するものであり、式中、a、bおよびcは、約2~約200の範囲の整数であり、a、bおよびcは、同じであるか、または異なっている、実施形態(163)に記載の方法。
【0298】
(165)前記非イオン性界面活性剤が、HO(CO)101(CO)56(CO)101Hである、実施形態(164)に記載の方法。
【0299】
(166)前記非イオン性界面活性剤が、式XII:
【化81】

を有するものであり、式中、gは、約6~約50の範囲の整数であり、各R12およびR13は、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、hおよびiは、独立して、0~約100の範囲の整数である、実施形態(165)に記載の方法。
【0300】
(167)前記非イオン性界面活性剤が、式C1837(OCh’OH(式中、h’は、約2~約200の範囲の整数である)のポリエチレングリコールオクタデシルエーテルである、実施形態(166)に記載の方法。
【0301】
(168)前記非イオン性界面活性剤が、式XIII
【化82】

を有するものであり、式中、w、x、yおよびzは、約0~約50の整数であり、w、x、yおよびzは、同じであるか、または異なっている、実施形態(162)に記載の方法。
【0302】
(169)前記非イオン性界面活性剤が、TWEEN(登録商標)20界面活性剤であり、すなわち、w+x+y+z=20である、実施形態(168)に記載の方法。
【0303】
(170)前記非イオン性界面活性剤が、式XII:
【化83】

を有するものであり、式中、gは、約6~約50の範囲の整数であり、iは0であり、R12はHであり、hは、約2~約30の範囲の整数である、実施形態(166)に記載の方法。
【0304】
(171)前記非イオン性界面活性剤が、ポリエトキシ(25)ラウリルアルコール、ポリエトキシ(25)セチルアルコール、ポリエトキシ(25)ステアリルアルコール、ポリエトキシ(25)ベヘニルアルコール、またはこれらの組合せである、実施形態(170)に記載の方法。
【0305】
(172)前記非イオン性界面活性剤が、ポリエトキシ(25)セチルアルコールとポリエトキシ(25)ステアリルアルコールとの混合物である、実施形態(171)に記載の方法。
【0306】
(173)前記1種類以上の会合性ポリマーが、界面活性剤存在下で作られる、実施形態(155)~(172)のいずれか一つに記載の方法。
【0307】
(174)前記1種類以上の会合性ポリマーが、界面活性剤の非存在下で作られる、実施形態(126)~(172)のいずれか一つに記載の方法。
【0308】
(175)1種以上の界面活性剤が前記粉末に添加される、実施形態(174)に記載の方法。
【0309】
(176)前記粉末は、少なくとも300ミクロンのメジアン粒径では、ケージ撹拌機によって400rpmで、室温で1時間以内に、水に1重量%溶液までは完全に可溶性である、実施形態(126)~(175)のいずれか一つに記載の方法。
【0310】
(177)前記粉末は、少なくとも300ミクロンのメジアン粒径では、水に難溶性である(すなわち、室温で1時間以内に、1重量%溶液として水に完全には溶解しない)、実施形態(126)~(154)のいずれか一つに記載の方法。
【0311】
(178)前記1種類以上の会合性ポリマーは、重量平均分子量が約200kDa~約2,000kDaである、実施形態(126)~(177)のいずれか一つに記載の方法。
【0312】
(179)前記1種類以上の会合性ポリマーは、重量平均分子量が約500kDa~約2,000kDaである、実施形態(178)に記載の方法。
【0313】
(180)前記1種類以上の会合性ポリマーは、重量平均分子量が約800kDa~約2,000kDaである、実施形態(179)に記載の方法。
【0314】
(181)前記粉末は、固有粘度が約0.05dL/g~約7dL/gである、実施形態(126)~(180)のいずれか一つに記載の方法。
【0315】
(182)前記粉末は、固有粘度が約0.5dL/g~約5dL/gである、実施形態(181)に記載の方法。
【0316】
(183)前記粉末は、ハギンス定数が約0.3~約10である、実施形態(126)~(182)のいずれか一つに記載の方法。
【0317】
(184)前記粉末は、ハギンス定数が約0.3~約5である、実施形態(183)に記載の方法。
【0318】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、もちろん、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0319】
実施例1
この実施例は、コントロールとして提供され、会合性モノマー単位または界面活性剤によって網目構造化していない低分子量ポリマーによって示される、機械加工して粉末にすることができないことに対する影響を実証するものである。
【0320】
95/5mol%のアクリルアミド/DMAEA・MCQを含むポリマー1(コントロール)を以下の様式で合成した。
【0321】
95/5モル%のアクリルアミド/DMAEA.MCQの34重量%のモノマー混合物、アゾ開始剤、連鎖移動剤、緩衝剤およびキレート化剤を含有するpH2.5の水溶液1,000gを約-5℃まで冷却し、窒素で脱気した。1対の酸化還元剤を用いて重合を開始し、モノマーの転化率が99.99%を超えるまで断熱的に進行させ、目標とする分子量を1×10g/molにした。得られたポリマーゲルは、1重量%(ポリマーゲルの重量に対して)の石油系潤滑剤をカッティングミル(Restch Mill Cutter)に入れ、1500rpmで加工するには柔らかすぎ、粘着性があった。トレイ上で、得られたポリマーゲルを手動で小片に分割し、85℃のオーブンで乾燥させて水分を除去し、次いで粉砕し、固有粘度が3.20dg/L、1.0N NaNO溶液中、30℃でのハギンス定数が0.31の粉末にした。重量平均分子量は、得られたポリマーの加水分解(0.1wt%のNaOH溶液、pH12で、ケージ撹拌機を400rpmで1時間使用)、その後のサイズ排除クロマトグラフィーによって決定した。
【0322】
表1に示す結果から明らかなように、会合性モノマーを介した一時的なネットワークを欠いている低分子量ポリマー1は、機械加工して粉末を形成することができなかった。これは、柔らかく粘着性のあるポリマーを手動で分割することを必要とする手順によって、さらに実証された。
【表1】
【0323】
実施例2
この実施例は、会合性モノマー単位と界面活性剤による一時的な網目構造化を含む低分子量ポリマーによって示される、機械加工して粉末にすることができることに対する影響を実証するものである。
【0324】
94.94/5/0.06モル%のアクリルアミド/DMAEA.MCQ/C18PEG1105MAを含むポリマー2を以下の様式で合成した。
【0325】
94.94/5/0.06モル%のアクリルアミド/DMAEA.MCQ/C18PEG1105MA(VISIOMER(登録商標)モノマー、活性成分55%、Evonik Industries、エッセン、ドイツ)の34重量%のモノマー混合物、1重量%のPLURONIC(登録商標)F127界面活性剤(BASF Corporation、フローラム・パーク、ニュージャージー)、アゾ開始剤、連鎖移動剤、緩衝剤およびキレート化剤を含むpH2~5の水溶液1,000gを約-5℃まで冷却し、窒素で脱気した。1対の酸化還元剤を用いて重合を開始し、モノマーの転化率が99.99%を超えるまで断熱的に進行させ、目標とする分子量を1×10g/molにした。得られた湿潤ゲルは、タフィー状の稠度を維持しており、粘着性ではなく、1重量%(ポリマーゲルの重量に対して)の石油系潤滑剤をカッティングミル(Retsch Mill Cutter)に入れ、1500rpmで加工し、顆粒を作成した。湿潤ゲルの顆粒をメッシュトレイ中、85℃のオーブンで乾燥させて含水量を約10重量%まで減らし、次いで粉砕し、固有粘度が2.91dg/L、1N NaNO溶液中、30℃でのハギンス定数が1.05の粉末を得た。重量平均分子量は、得られたポリマーの加水分解(0.1wt%のNaOH溶液、pH12で、ケージ撹拌機を400rpmで1時間使用)、その後のサイズ排除クロマトグラフィーによって決定した。
【0326】
表1に示す結果から明らかなように、一時的な網目構造化を含む低分子量ポリマー2は、機械加工して粉末を生成することができた。このことは、切断ミルの使用によって湿潤ゲルを処理することが可能な手順によって、さらに証明された。
【0327】
実施例3
この実施例は、会合性モノマー単位と界面活性剤による一時的な網目構造化を含む低分子量ポリマーによって示される、加工して粉末にすることができることに対する影響を実証するものである。
【0328】
94.84/5/0.12モル%のアクリルアミド/DMAEA.MCQ/C18PEG1105MAを含むポリマー3を以下の様式で合成した。
【0329】
94.8/5/0.12モル%のアクリルアミド/DMAEA.MCQ/C18PEG1105MA(VISIOMER(登録商標)モノマー、活性成分55%、Evonik Industries、エッセン、ドイツ)の34重量%のモノマー混合物、1重量%のPLURONIC(登録商標)F127界面活性剤(BASF Corporation、フローラム・パーク、ニュージャージー)、アゾ開始剤、連鎖移動剤、緩衝剤およびキレート化剤を含むpH2~5の水溶液1,000gを約-5℃まで冷却し、窒素で脱気した。1対の酸化還元剤を用いて重合を開始し、モノマーの転化率が99.99%を超えるまで断熱的に進行させ、目標とする分子量を0.5×10g/molにした。得られた湿潤ゲルは、タフィー状の稠度を維持しており、粘着性ではなく、1重量%(ポリマーゲルの重量に対して)の石油系潤滑剤をカッティングミル(Retsch Mill Cutter)に入れ、1500rpmで加工し、顆粒を作成した。湿潤ゲルの顆粒をメッシュトレイ中、85℃のオーブンで乾燥させて含水量を約10重量%まで減らし、次いで粉砕し、固有粘度が1.96dg/L、1N NaNO溶液中、30℃でのハギンス定数が1.36の粉末を得た。重量平均分子量は、得られたポリマーの加水分解(0.1wt%のNaOH溶液、pH12で、ケージ撹拌機を400rpmで1時間使用)、その後のサイズ排除クロマトグラフィーによって決定した。
【0330】
表1に示す結果から明らかなように、一時的な網目構造化を含む低分子量ポリマー3は、機械加工して粉末を生成することができた。このことは、切断ミルの使用によって湿潤ゲルを処理することが可能な手順によって、さらに証明された。
【0331】
実施例4
この実施例は、会合性モノマー単位のみによる(すなわち、モノマー相に界面活性剤をさらに含まない)一時的な網目構造化を含む低分子量ポリマーによって示される、機械加工して粉末にすることができることに対する影響を実証するものである。
【0332】
89.965/10/0.035モル%のアクリルアミド/DMAEA.MCQ/C18PEG1105MAを含むポリマー4を以下の様式で合成した。
【0333】
89.965/10/0.035モル%のアクリルアミド/DMAEA.MCQ/C18PEG1105MA(VISIOMER(登録商標)モノマー、活性成分55%、Evonik Industries、エッセン、ドイツ)の37重量%のモノマー混合物、アゾ開始剤、連鎖移動剤、緩衝剤およびキレート化剤を含むpH2~5の水溶液1,000gを約-5℃まで冷却し、窒素で脱気した。1対の酸化還元剤を用いて重合を開始し、モノマーの転化率が99.99%を超えるまで断熱的に進行させ、目標とする分子量を1.0×10g/molにした。得られた湿潤ゲルは、タフィー状の稠度を維持しており、粘着性ではなく、1重量%(ポリマーゲルの重量に対して)の石油系潤滑剤をカッティングミル(Retsch Mill Cutter)に入れ、1500rpmでわずかに加工し、顆粒を作成した。湿潤ゲルの顆粒をメッシュトレイ中、85℃のオーブンで乾燥させて含水量を約10重量%まで減らし、次いで粉砕し、粉末を得た。得られた粉末は、Horiba Laser Scattering Particle Size Distribution Analyzer LA-950を用い、粉末の屈折率を1.5000に設定して決定すると、メジアン粒径が568.9ミクロン(平均粒径が634.4)であった。この粉末は、ケージ撹拌機を攪拌しつつ、400rpmで1時間以内に合成水道水に1重量%溶液として完全には溶解しなかった。この粉末は、合成水道水中の1重量%溶液として、30rpmで、スピンドル62を用いてBrookfield Model DV-E Viscometerで測定した場合、粘度は744cpsであった。重量平均分子量は、得られたポリマーの加水分解(0.1wt%のNaOH溶液、pH12で、ケージ撹拌機を400rpmで1時間使用)、その後のサイズ排除クロマトグラフィーによって決定した。
【0334】
表2に示す結果から明らかなように、界面活性剤を含まない低分子量ポリマー4は、わずかに機械加工して粉末を生成することができた。得られた粉末は、水に難溶性であった(すなわち、ケージ撹拌機を攪拌しつつ、400rpmで1時間以内に地域の水道水に1重量%溶液として完全には溶解しなかった)。
【表2】
【0335】
実施例5
この実施例は、会合性モノマー単位と界面活性剤による一時的な網目構造化を含む低分子量ポリマーによって示される、機械加工して粉末にすることができることに対する影響を実証するものである。
【0336】
89.965/10/0.035モル%のアクリルアミド/DMAEA.MCQ/C18PEG1105MAを含むポリマー5を以下の様式で合成した。
【0337】
89.965/10/0.035モル%のアクリルアミド/DMAEA.MCQ/C18PEG1105MA(VISIOMER(登録商標)モノマー、活性成分55%、Evonik Industries、エッセン、ドイツ)の37重量%のモノマー混合物、1重量%のLutensolAT(登録商標)25界面活性剤またはエトキシル化(25mol EO)C16-18脂肪アルコール(BASF Corporation、フローラム・パーク、ニュージャージー)、アゾ開始剤、連鎖移動剤、緩衝剤およびキレート化剤を含むpH2~5の水溶液1,000gを約-5℃まで冷却し、窒素で脱気した。1対の酸化還元剤を用いて重合を開始し、モノマーの転化率が99.99%を超えるまで断熱的に進行させ、目標とする分子量を1.0×10g/molにした。得られた湿潤ゲルは、タフィー状の稠度を維持しており、粘着性ではなく、1重量%(ポリマーゲルの重量に対して)の石油系潤滑剤をカッティングミル(Retsch Mill Cutter)に入れ、1500rpmで加工し、顆粒を作成した。湿潤ゲルの顆粒をメッシュトレイ中、85℃のオーブンで乾燥させて含水量を約10重量%まで減らし、次いで粉砕し、粉末を得た。得られた粉末は、Horiba Laser Scattering Particle Size Distribution Analyzer LA-950を用い、粉末の屈折率を1.5000に設定して決定すると、メジアン粒径が559.7ミクロン(平均粒径が609.3)であった。この粉末は、ケージ撹拌機を攪拌しつつ、400rpmで1時間以内に合成水道水に1重量%溶液として完全に溶解した。この粉末ポリマーは、合成水道水中の1重量%溶液として、30rpmで、スピンドル62を用いてBrookfield Model DV-E Viscometerで測定した場合、粘度は317cpsであった。重量平均分子量は、得られたポリマーの加水分解(0.1wt%のNaOH溶液、pH12で、ケージ撹拌機を400rpmで1時間使用)、その後のサイズ排除クロマトグラフィーによって決定した。ポリマー中に存在するピペリジン-2,6-ジオンの量を定量するために、ポリマー5の構造を、13C NMR分光法(図1)によってさらに分析した。13C NMRサンプルを重水で調製し、Zグラジエントおよび広帯域10mmプローブを備えたAgilent Inova 500Mhz分光器を使用し、炭素スペクトルを取得した。
【0338】
表2に示す結果から明らかなように、界面活性剤を含む低分子量ポリマー5は、容易に機械加工して粉末を生成することができた。それに加え、得られた粉末は、2.2重量%の界面活性剤を含み、ケージ撹拌機を攪拌しつつ、400rpmで1時間以内に地域の水道水に1重量%溶液として完全に溶解した。
【0339】
これに加え、ピペリジン-2,6-ジオンモノマー単位の存在は、13C NMR分光法によって確認することができ、13C NMRスペクトルでは、177ppmに同定ピークを有する(図1)。ピペリジン-2,6-ジオンモノマー単位の相対量は、177ppmでのピークの積分、その後、他のモノマー単位を示す他の13C NMRシグナルの積分との相対比較によって定量することができる。積分分析は、ポリマー5が、7.8/90/2.1モル%のDMAEA.MCQ-アクリルアミド-ピペリジン-2,6-ジオンを含むことを実証している。なお、会合性モノマー単位は、会合性モノマー単位の同定ピークが13C NMR分光法によって見ることができないほどの低濃度で存在している。
【0340】
実施例6
この実施例は、コントロールとして提供され、会合性モノマー単位または界面活性剤によって網目構造化していない低分子量ポリマーによって示される、機械加工して粉末にすることができないことに対する影響を実証するものである。
【0341】
50/50mol%のアクリルアミド/アクリル酸ナトリウムを含むポリマー6(コントロール)を以下の様式で合成した。
【0342】
50/50モル%のアクリルアミド/アクリル酸ナトリウムの37重量%のモノマー混合物、アゾ開始剤、連鎖移動剤およびキレート化剤を含有する中性pHの水溶液1,000gを約-5℃まで冷却し、窒素で脱気した。1対の酸化還元剤を用いて重合を開始し、モノマーの転化率が99.99%を超えるまで断熱的に進行させ、目標とする分子量を1.0×10g/molにした。得られたポリマー湿潤ゲルは、1重量%(ポリマーゲルの重量に対して)の石油系潤滑剤をカッティングミル(Retsch Mill Cutter)に入れ、1500rpmで加工するには柔らかすぎ、粘着性があった。トレイ上で、得られた湿潤ゲルを手動で小片に分割し、85℃のオーブンで乾燥させて水分を除去し、次いで粉砕し、固有粘度が5.80dg/L、1N NaNO溶液中、30℃でのハギンス定数が0.24の粉末にした。重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーによって決定した。
【0343】
表3に示す結果から明らかなように、会合性モノマー単位を介した一時的な網目構造化を欠いている低分子量ポリマー6は、機械加工して粉末を形成することができなかった。これは、柔らかく粘着性のあるポリマーを手動で分割することを必要とする手順によって、さらに実証された。
【表3】
【0344】
実施例7
この実施例は、会合性モノマー単位と界面活性剤による一時的な網目構造化を含む低分子量ポリマーによって示される、機械加工して粉末にすることができることに対する影響を実証するものである。
【0345】
49.9/50/0.1mol% アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム/MAPTAC-C12誘導体を含むポリマー7を以下の様式で合成した。
【0346】
49.9/50/0.1モル%のアクリルアミド/アクリル酸ナトリウム/MAPTAC-C12誘導体の37重量%のモノマー混合物、0.5重量%のヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネート(Sigma-Aldrich、セントルイス、MO)、アゾ開始剤、連鎖移動剤およびキレート化剤を含有する中性pHの水溶液1,000gを約-5℃まで冷却し、窒素で脱気した。1対の酸化還元剤を用いて重合を開始し、モノマーの転化率が99.99%を超えるまで断熱的に進行させ、目標とする分子量を1.0×10g/molにした。得られた湿潤ゲルは、タフィー状の稠度を維持しており、粘着性ではなく、1重量%(ポリマーゲルの重量に対して)の石油系潤滑剤をカッティングミル(Retsch Mill Cutter)に入れ、1500rpmで加工し、顆粒を作成した。湿潤ゲルの顆粒をメッシュトレイ中、85℃のオーブンで乾燥させて含水量を約10重量%まで減らし、次いで粉砕し、粉末を得た。得られた粉末は、Horiba Laser Scattering Particle Size Distribution Analyzer LA-950を用い、粉末の屈折率を1.5000に設定して決定すると、メジアン粒径が357.1ミクロン(平均粒径が420.1)であった。この粉末は、1.0N NaNO溶液中、30℃で5.83dg/Lの固有粘度を有し、0.84のハギンス定数を有していた。この粉末は、ケージ撹拌機を攪拌しつつ、400rpmで1時間以内に合成水道水に1重量%溶液として完全に溶解した。この粉末は、合成水道水中の1重量%溶液として、30rpmで、スピンドル63を用いてBrookfield Model DV-E Viscometerで測定した場合、粘度は1976cpsであった。重量平均分子量は、代用物、ポリマー6を用いたサイズ排除クロマトグラフィーによって決定した。
【0347】
表3に示す結果から明らかなように、界面活性剤を含む低分子量ポリマー7は、容易に機械加工して粉末を生成することができた。それに加え、表4は、得られた粉末が、1.3重量%の界面活性剤を含み、ケージ撹拌機を攪拌しつつ、400rpmで1時間以内に地域の水道水に1重量%溶液として完全に溶解したことを示している。
【0348】
実施例8
この実施例は、会合性モノマー単位と界面活性剤による一時的な網目構造化を含む低分子量ポリマーによって示される、機械加工して粉末にすることができることに対する影響を実証するものである。
【0349】
89.9/10/0.1mol% アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム/MAPTAC-C12誘導体を含むポリマー8を以下の様式で合成した。
【0350】
89.9/10/0.1モル%のアクリルアミド/アクリル酸ナトリウム/MAPTAC-C12誘導体の33重量%のモノマー混合物、0.5重量%のヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネート(Sigma-Aldrich、セントルイス、MO)、アゾ開始剤、連鎖移動剤およびキレート化剤を含有する中性pHの水溶液1,000gを約-5℃まで冷却し、窒素で脱気した。1対の酸化還元剤を用いて重合を開始し、モノマーの転化率が99.99%を超えるまで断熱的に進行させ、目標とする分子量を1.0×10g/molにした。得られた湿潤ゲルは、タフィー状の稠度を維持しており、粘着性ではなく、1重量%(ポリマーゲルの重量に対して)の石油系潤滑剤をカッティングミル(Retsch Mill Cutter)に入れ、1500rpmで加工し、顆粒を作成した。湿潤ゲルの顆粒をメッシュトレイ中、85℃のオーブンで乾燥させて含水量を約10重量%まで減らし、次いで粉砕し、粉末を得た。得られた粉末は、Horiba Laser Scattering Particle Size Distribution Analyzer LA-950を用い、粉末の屈折率を1.5000に設定して決定すると、メジアン粒径が396.2ミクロン(平均粒径が463.6)であった。この粉末は、1N NaNO溶液中、30℃で3.49dg/Lの固有粘度を有し、2.49のハギンス定数を有していた。この粉末は、ケージ撹拌機を攪拌しつつ、400rpmで1時間以内に合成水道水に1重量%溶液として完全に溶解した。この粉末は、水道水中の1重量%溶液として、30rpmで、スピンドル63を用いてBrookfield Model DV-E Viscometerで測定した場合、粘度は2748cpsであった。重量平均分子量は、MAPTAC-C12誘導体の非存在下で、90/10モル%のアクリルアミド/アクリル酸ナトリウムを含有する、同じ合成手順で作られた代用ポリマーを用い、サイズ排除クロマトグラフィーによって決定した。
【0351】
表3に示す結果から明らかなように、界面活性剤を含む低分子量ポリマー8は、容易に機械加工して粉末を生成することができた。それに加え、表4は、得られた粉末が、1.3重量%の界面活性剤を含み、ケージ撹拌機を攪拌しつつ、400rpmで1時間以内に地域の水道水に1重量%溶液として完全に溶解したことを示している。
【表4】
【0352】
実施例9
この実施例は、会合性モノマーのみによる(すなわち、モノマー相に界面活性剤をさらに含まない)一時的な網目構造化を含む低分子量ポリマーによって示される、機械加工して粉末にすることができることに対する影響を実証するものである。
【0353】
49.9/50/0.1mol% アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム/MAPTAC-C12誘導体を含むポリマー9を以下の様式で合成した。
【0354】
49.9/50/0.1モル%のアクリルアミド/アクリル酸ナトリウム/MAPTAC-C12誘導体の37重量%のモノマー混合物、アゾ開始剤、連鎖移動剤およびキレート化剤を含有する中性pHの水溶液1,000gを約-5℃まで冷却し、窒素で脱気した。1対の酸化還元剤を用いて重合を開始し、モノマーの転化率が99.99%を超えるまで断熱的に進行させ、目標とする分子量を1.0×10g/molにした。得られた湿潤ゲルは、タフィー状の稠度を維持しており、粘着性ではなく、1重量%(ポリマーゲルの重量に対して)の石油系潤滑剤をカッティングミル(Retsch Mill Cutter)に入れ、1500rpmで加工し、顆粒を作成した。湿潤ゲルの顆粒をメッシュトレイ中、85℃のオーブンで乾燥させて水分を除去し(すなわち、含水量を約10重量%にして)、次いで粉砕し、粉末を得た。得られた粉末は、Horiba Laser Scattering Particle Size Distribution Analyzer LA-950を用い、粉末の屈折率を1.5000に設定して決定すると、メジアン粒径が385.4ミクロン(平均粒径が446.4)であった。この粉末は、1N NaNO溶液中、30℃で5.84dg/Lの固有粘度を有し、0.98のハギンス定数を有していた。この粉末ポリマーは、ケージ撹拌機を攪拌しつつ、400rpmで1時間以内に合成水道水に1重量%溶液として完全には溶解しなかった。この粉末は、合成水道水中の1重量%溶液として、30rpmで、スピンドル63を用いてBrookfield Model DV-E Viscometerで測定した場合、粘度は1588cpsであった。重量平均分子量は、代用物、ポリマー6を用いたサイズ排除クロマトグラフィーによって決定した。
【0355】
表4に示す結果から明らかなように、界面活性剤を含まない低分子量ポリマー9は、機械加工して粉末を生成することができた。得られた粉末は、水に難溶性であった(すなわち、ケージ撹拌機を攪拌しつつ、400rpmで1時間以内に地域の水道水に1重量%溶液として完全には溶解しなかった)。
【0356】
実施例10
この実施例は、会合性モノマー単位および界面活性剤を介して、会合によって網目構造化されるポリマーを含む粉末で処理した紙シートによって示される紙の乾燥強度に対する効果を実証する。
【0357】
ポリマー2(実施例2に従って調製)およびポリマー3(実施例3に従って調製)を水に溶解し、種々の濃度でセルロース繊維スラリーに添加した。次いで、処理された繊維をハンドシート型に加え、スクリーンを通して排水し、湿った繊維パッドを作製した。パッドをスクリーンから剥がし、プレスし、乾燥させ、完成紙シートを得た。シートを引張強度および圧縮強度について試験し、結果をそれぞれ図2および図3に示す。これに加え、確立された市販の強度剤であるNalco 64114(すなわち、グリオキシル化ポリアクリルアミドポリマー)の引張強度および圧縮強度の結果を、比較のために提供する。
【0358】
図2および図3によって示されるように、ポリマー2およびポリマー3は、引張強度および圧縮強度の両方において、標準であるNalco 64114(すなわちグリオキシル化ポリアクリルアミドポリマー)(コントロール)を凌駕する満足のいく強度特性を示す。
【0359】
実施例11
この実施例は、会合性モノマー単位および界面活性剤を介して、会合によって網目構造化されるポリマーを含む粉末で処理した紙シートによって示される紙の乾燥強度に対する効果を実証する。
【0360】
ポリマー1(コントロール、実施例1に従って調製)およびポリマー2(実施例2に従って調製)を水に溶解し、種々の濃度でセルロース繊維スラリーに添加した。次いで、処理された繊維をハンドシート型に加え、スクリーンを通して排水し、湿った繊維パッドを作製した。パッドをスクリーンから剥がし、プレスし、乾燥させ、完成紙シートを得た。このシートを引張強度について試験し、その結果を図4に示した。
【0361】
図4によって示されるように、ポリマー2は、会合性モノマー単位を介した網目構造化を欠く低分子量ポリマー1(コントロール)と比較して、改善された引張強度を示した。
【0362】
本明細書に引用された刊行物、特許出願および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個々にかつ具体的に参照により組み入れられることが示され、その全体が本明細書に記載されているのと同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0363】
(特に添付の特許請求の範囲の文脈において)本発明を説明する文脈における用語「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」および「少なくとも1つの」および同様の指示対象の使用は、本明細書中に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数形である。1つ以上の項目の列挙(例えば、「AおよびBのうち少なくとも1つ」)の後に続く「少なくとも1つ」との用語の使用は、本明細書に特に示されていない限り、または内容により明らかに矛盾していない限り、列挙された項目から選択される1つの項目(AまたはB)または列挙された項目のうち2つ以上の組合せ(AおよびB)を意味すると解釈すべきである。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」という用語は、別段の記載がない限り、制限のない用語(すなわち、「~を含むが、これに限定されない」を意味する)であると解釈すべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書で特に言及されない限り、単に、その範囲内のそれぞれの別個の値に個々に言及する簡略方法として役立つことを意図しており、それぞれの別個の値は、個々に本明細書に引用されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書中に記載されるすべての方法は、本明細書中で他に指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供される任意のおよびすべての例、または例示的な用語(例えば、「~など」)の使用は、単に本発明をよりよく示すことを意図しており、別段の請求がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言葉も、本発明の実施に不可欠な請求していない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0364】
本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態を本明細書に記載する。これらの好ましい実施形態の変形形態は、前述の説明を読むことにより当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がこのような変形を適切に使用することを期待しており、本発明者らは本発明が本明細書に具体的に記載されたものとは別の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に記載された主題のすべての改変および均等物を含む。さらに、本明細書中で他に指示されない限り、あるいは文脈によって明らかに否定されない限り、それらのすべての可能な変形における上述の要素の任意の組合せが本発明に包含される。
図1
図2
図3
図4