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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】締結装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/38 20060101AFI20241105BHJP
   A44B 99/00 20100101ALI20241105BHJP
   A43B 11/00 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
B65H75/38 S
A44B99/00 611N
A43B11/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022114340
(22)【出願日】2022-07-15
(62)【分割の表示】P 2019150333の分割
【原出願日】2019-08-20
(65)【公開番号】P2022163729
(43)【公開日】2022-10-26
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】108114559
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】510299178
【氏名又は名称】陳 金柱
【氏名又は名称原語表記】CHEN,Chin-Chu
【住所又は居所原語表記】No.11-1,Lane 188,Gougye Rd.,Zhonghe Village,Longjing District Taichung,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】陳 金柱
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/137274(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1040372(KR,B1)
【文献】特表2018-509185(JP,A)
【文献】特開2020-179145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を形成するように囲んでなる側壁と、前記側壁から径方向に突出して前記収容空間を上部チャンバ及び下部チャンバに分けるコンパートメント部と、前記側壁の少なくとも一部に着脱可能に接続されるシャーシと、を含むケースユニットと、
前記下部チャンバに位置し且つひもが巻き取られるように構成されたリールと、
前記リールに挿通され軸方向を有する位置決め軸と、
前記ケースユニットを覆い且つ前記位置決め軸に接続されるノブと、
前記上部チャンバに位置する回り止めユニットと、
を備え、
前記位置決め軸が前記リールに挿入されて前記リールと前記ノブが結合された後、
前記シャーシが前記側壁の少なくとも一部分から分離した状態で、前記コンパートメント部、前記リール、前記位置決め軸、前記ノブ及び前記回り止めユニットが互いに分離することなく一体的に接続され
前記ノブが前記軸方向に沿って第1の位置から第2の位置に切り替えられて前記ひもが放されると、前記回り止めユニットは原位置に維持されることを特徴とする締結装置。
【請求項2】
前記リールは、
前記位置決め軸が挿通するための貫通空間を形成するように囲んでなる内周壁を含む中空主体と、
前記中空主体の一端から径方向に外へ突出する上ループ部と、
前記中空主体の他端から径方向に外へ突出する下ループ部と、
前記内周壁から前記貫通空間に向かって突出し、前記位置決め軸に結合するフレキシブル係合部と、
を備え、
前記上ループ部と前記下ループ部との間に巻線トラックが形成される請求項1に記載の締結装置。
【請求項3】
前記位置決め軸は位置決めバルジを含み、前記ノブが前記第1の位置に位置する場合、前記位置決めバルジが前記フレキシブル係合部の一側に位置し、前記ノブが前記軸方向に沿って前記第1の位置から前記第2の位置に切り替えられる場合、前記位置決めバルジが前記フレキシブル係合部を変形するように当接してから前記フレキシブル係合部の他側に位置変更する請求項2に記載の締結装置。
【請求項4】
前記ケースユニットは、前記コンパートメント部に接続されるように前記上部チャンバに位置し、前記回り止めユニットを位置限定する位置限定部を更に含む請求項1に記載の締結装置。
【請求項5】
前記ケースユニットは、前記コンパートメント部に位置するスルーホールを含み、前記位置限定部は、間隔をあけて前記スルーホールに囲まれ、その各々の自由端が前記回り止めユニットを位置限定する4つの位置限定部アームを含む請求項4に記載の締結装置。
【請求項6】
前記ノブは複数の第1の駆動歯を含み、前記回り止めユニットは複数の第1の結合歯を含み、前記ノブが前記第1の位置に位置する場合、前記第1の駆動歯は前記第1の結合歯に噛み合い、前記ノブが前記第2の位置に位置する場合、前記第1の駆動歯は前記第1の結合歯から離脱する請求項5に記載の締結装置。
【請求項7】
前記ノブは、
前記ケースユニットを覆う蓋本体と、
前記スルーホールに伸びるように前記蓋本体に設けられるボスと、
前記リールに結合されるように、前記ボスの前記蓋本体から離れる遠位端に位置する複数の第2の駆動歯と、
を更に含む請求項6に記載の締結装置。
【請求項8】
前記ノブは、前記ケースユニットを覆う蓋本体と、前記スルーホールに対応するように前記蓋本体に設けられるボスと、前記ボスの前記蓋本体から離れる遠位端に位置する複数の第2の駆動歯と、を更に含み、
前記締結装置は、前記第2の駆動歯に噛み合う太陽歯車と、前記太陽歯車に噛み合うように、間隔をあけて前記リールに設けられる複数遊星歯車と、を含む遊星歯車セットを更に備え、
前記ケースユニットは、前記遊星歯車に噛み合うように、前記下部チャンバに位置する複数の遊星内歯を更に含む請求項6に記載の締結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結装置に関し、特に、ひもを締緩可能な締結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、物品を締め付けるために、ロープ及びひもはよく使用される。レースシューズのような、ラインで物品における穴を往復して貫通して、結び目等で固定する締め付け手段は最もよく見られる。しかしながら、このような締め付け方法では、外力により結び目が緩んでしまう傾向があるため、結び目を改めて締め付ける必要があるだけでなく、物品を安定的に締め付けることができないことで多くの不都合を招く。
【0003】
このような課題を解決するために、簡易な締めひも構造が業界によって提供される。その簡易な締めひも構造は、ケース、回り止めユニット及びバネを含み、ケースにひもを貫通させるためのスルーホールを有し、バネと回り止めユニットとの間の作用力によってひもを回り止めユニットとケースとの間に挟まって締結効果を実現し、バネを押し付けて回り止めユニット位置を変えるとひもの長さを変えることができる。しかし、このような締めひも構造は、バネの復帰力によって締結力を提供するので、相変わらず震動又は外部要因によりひもが係脱し、且つこのような締めひも構造にひもを収納する空間がないため、ひもが露出して危険性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、業者により、回転可能に締めひもを締め付け固定する別の留め具が発展される。その留め具は、ひもが留め具の内部に収納されることができ、且つ内部材の機械の干渉によってひもの長さを調整すると共に、締め付けるタイト度を調整することができる。しかし、このような留め具の構造は、複雑であるので、製造コストが向上すると共に、組立及びメンテナンスが困難である問題がある。
【0005】
従って、業者により留め具の内部の構造に対して絶えなく調整及び改良を加えるのは、何れも構造を簡素化する前提で、相変わらず留め具の締結能力を保持し、寿命の短縮を避けるように構造の信頼性を向上させることが望まれている。
【0006】
これに鑑みて、如何に留め具構造等の締結装置を効果的に改善するかは、業者にとって努力する目標となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、全体の構造配置によって構造を簡略化し構造の信頼性を向上させることのできる締結装置を提供する。
【0008】
本発明の態様の実施形態によれば、収容空間を形成するように囲んでなる側壁と、側壁から径方向に突出して収容空間を上部チャンバ及び下部チャンバに分けるコンパートメント部と、上部チャンバに位置する複数の噛み歯と、を含むケースユニットと、下部チャンバに位置し且つフレキシブル係合部を含むリールと、リールに挿通されてフレキシブル係合部に結合され、軸方向を有する位置決め軸と、ケースユニットを覆ってよく且つ位置決め軸に接続されるノブと、上部チャンバに位置し、噛み歯に対応し且つ選択的にノブに結合される回り止めユニットと、を備え、ノブは位置決め軸を軸方向に沿って第1の位置と第2の位置との間で切り替えるように連動させ、ノブが第1の位置に位置する場合に回り止めユニットに結合され、且つ回り止めユニットが少なくとも1つの噛み歯に係合してリールの第1の方向への回転を阻止し、ノブが第2の位置に位置する場合、ノブが回り止めユニットから離脱し、回り止めユニットがリールの第1の方向への回転を阻止しない締結装置を提供する。
【0009】
これにより、ノブのみが軸方向に沿って変位し、回り止めユニットが相変わらず原位置に残っており、構造の信頼性を向上させることができる。
【0010】
前記の締結装置の複数の実施例によれば、リールは、位置決め軸が挿通するための貫通空間を形成するように囲んでなる内周壁を含む中空主体と、中空主体の一端から径方向に外へ突出する上ループ部と、中空主体の他端から径方向に外へ突出する下ループ部と、を備えてよい。上ループ部と下ループ部との間に巻線トラックが形成され、且つフレキシブル係合部が内周壁から貫通空間へ突出して位置決め軸に結合される。或いは、位置決め軸は位置決めバルジを含んでよい。ノブが第1の位置に位置する場合、位置決めバルジがフレキシブル係合部の一側に位置し、ノブが軸方向に沿って第1の位置から第2の位置に切り替えられる場合、位置決めバルジがフレキシブル係合部を変形するように当接してからフレキシブル係合部の他側に位置変更する。
【0011】
前記の締結装置の複数の実施例によれば、コンパートメント部に接続されるように上部チャンバに位置し、回り止めユニットを位置限定する位置限定部を更に含んでよい。或いは、ケースユニットは、コンパートメント部に位置するスルーホールを含みてよい。位置限定部は、間隔をあけてスルーホールに囲まれ、その各々の自由端が回り止めユニットを位置限定する4つの位置限定部アームを含む。
【0012】
前記の締結装置の複数の実施例によれば、ノブは複数の第1の駆動歯を含んでよい。回り止めユニットは複数の第1の結合歯を含み、ノブが第1の位置に位置する場合、第1の駆動歯は第1の結合歯に噛み合い、ノブが第2の位置に位置する場合、第1の駆動歯は第1の結合歯から離脱する。或いは、ノブは、ケースユニットを覆う蓋本体と、スルーホールに伸びるように蓋本体に設けられるボスと、リールに結合されるように、ボスの蓋本体から離れる遠位端に位置する複数の第2の駆動歯と、を更に含んでよい。或いは、ノブは、ケースユニットを覆う蓋本体と、スルーホールに対応するように蓋本体に設けられるボスと、ボスの蓋本体から離れる遠位端に位置する複数の第2の駆動歯と、を更に含んでよい。締結装置は、第2の駆動歯に噛み合う太陽歯車と、太陽歯車に噛み合うように、間隔をあけてリールに設けられる複数遊星歯車と、を含む遊星歯車セットを更に備える。且つ、ケースユニットは、遊星歯車に噛み合うように、下部チャンバに位置する複数の遊星内歯を更に含む。
【0013】
本発明の態様の別の実施形態によれば、収容空間を形成するように囲んでなる側壁と、側壁から収容空間へ突出する複数の噛み歯と、を含むケースユニットと、ケースユニットを覆ってよいノブと、収容空間に位置し、噛み歯に対応し且つ選択的にノブに結合される回り止めユニットと、を備え、ノブが軸方向に沿って第1の位置と第2の位置との間で切り替えられ、ノブが第1の位置に位置する場合に回り止めユニットに結合されて、ノブと回り止めユニットとを連動させ、回り止めユニットが少なくとも1つの噛み歯に係合してノブの第1の方向への回転を阻止し、ノブが第2の位置に位置する場合、ノブが回り止めユニットから離れて且つ回り止めユニットから離脱し、回り止めユニットがノブの第1の方向への回転を阻止しない締結装置を提供する。
【0014】
これにより、ノブのみが軸方向に沿って変位し、回り止めユニットが相変わらず原位置に残っており、構造の信頼性を向上させることができる。
【0015】
前記の締結装置の複数の実施例によれば、収容空間に位置限定され且つフレキシブル係合部を含むリールと、リールに挿通されてフレキシブル係合部に結合され、位置決め軸が軸方向を有し、且つ位置決め軸がノブによって連動される位置決め軸と、を含んでよく、ノブが第1の位置に位置する場合リールに結合される。
【0016】
前記の締結装置の複数の実施例によれば、リールは、位置決め軸が挿通するための貫通空間を形成するように囲んでなる内周壁を含む中空主体と、中空主体の一端から径方向に外へ突出する上ループ部と、中空主体の他端から径方向に外へ突出する下ループ部と、を含んでよい。上ループ部と下ループ部との間に巻線トラックが形成され、且つフレキシブル係合部が内周壁から貫通空間へ突出して位置決め軸に結合される。或いは、位置決め軸は位置決めバルジを含んでよく、ノブが第1の位置に位置する場合、位置決めバルジがフレキシブル係合部の一側に位置し、ノブが軸方向に沿って第1の位置から第2の位置に切り替えられる場合、位置決めバルジがフレキシブル係合部を変形するように当接してからフレキシブル係合部の他側に位置変更する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態による締結装置を示す斜視模式図である。
図2図1の締結装置を示す分解模式図である。
図3図1の締結装置を示す別の分解模式図である。
図4図1の締結装置を示す断面模式図である。
図5図1の締結装置を示す別の断面模式図である。
図6】本発明の別の実施例による締結装置を示す斜視模式図である。
図7図6の締結装置を示す分解模式図である。
図8図6の締結装置を示す別の分解模式図である。
図9図6の締結装置を示す断面模式図である。
図10図6の締結装置を示す別の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に合わせて本発明の実施例を説明する。明らかに説明するために、数多くの実際の細部を以下の説明で併せて説明する。しかしながら、これらの実際の細部は本発明を制限するためのものではないことが理解すべきである。つまり、本発明の部の実施例において、これらの実際の細部はが必要なものではない。そのほか、図面を簡略化するために、ある従来慣用の構造と素子を図面において簡単に模式的に示す。また、重複した素子を同一の番号で示すことがある。
【0019】
なお、本文における素子(機構やモジュール等)が他の素子に「接続」、「設置」又は「結合」されることは、前記素子が他の素子に直接接続、直接設置又は直接結合されることを指してもよいし、ある素子が他の素子に間接接続、間接設置又は間接結合されることを指してもよい。つまり、前記素子と他の素子との間にその他の素子が介在されることを意味する。ある素子が他の素子に「直接接続」、「直接設置」又は「直接結合」されることが明示される場合、前記素子と他の素子との間にその他の素子が介在されないことを示す。第1、第2、第3等の用語は、単に異なる素子又は成分を記述するためのものであるので、素子/成分そのものに対して制限はない。そのため、第1の素子/成分を第2の素子/成分に変更してもよい。且つ、本文における素子/成分/機構/モジュールの組み合わせは、当分野において一般的に知られた、常規又は既知の組み合わせではなく、素子/成分/機構/モジュールそのものが従来のものであるかに基づいて、その組み合わせ関係が当業者により容易に完成されるかを判断することはできない。
【0020】
図1図2図3図4及び図5を参照されたい。図1は、本発明の実施例による締結装置100を示す斜視模式図である。図2は、図1の締結装置100を示す分解模式図である。図3は、図1の締結装置100を示す別の分解模式図である。図4は、図1の締結装置100を示す断面模式図である。図5は、図1の締結装置100を示す別の断面模式図である。締結装置100は、ケースユニット200と、リール300と、位置決め軸600と、ノブ500と、回り止めユニット400と、を含む。
【0021】
ケースユニット200は、側壁220及び複数の噛み歯240を含む。側壁220が収容空間を形成するように囲んでなり(図示せず)、複数の噛み歯240が側壁220から収容空間へ突出する。ノブ500がケースユニット200を覆い且つ位置決め軸600に接続される。回り止めユニット400は、収容空間に位置し、噛み歯240に対応し且つ選択的にノブ500に結合される。ノブ500及びケースユニット200の1つは、回り止めユニット400に対応する複数の噛み歯240(本実施例において、ケースユニット200が複数の噛み歯240を含み)を含む。ノブ500が軸方向I1に沿って第1の位置と第2の位置との間で切り替えられる。ノブ500は、第1の位置に位置する場合、回り止めユニット400に結合されて、回り止めユニット400と連動する。回り止めユニット400は、ノブ500の第1の方向R1への回転を阻止するために、少なくとも1つの噛み歯240に係合する。ノブ500は、第2の位置に位置する場合、回り止めユニット400から離れて且つ回り止めユニット400から離脱し、回り止めユニット400がノブ500の第1の方向R1への回転を阻止しない。
【0022】
これにより、ノブ500のみが軸方向I1に沿って変位し、回り止めユニット400が相変わらず原位置に残っており、構造の信頼性を向上させることができる。下記で、締結装置100の細部構造を更に詳しく説明する。
【0023】
ケースユニット200は、前記側壁220、コンパートメント部230及び前記の複数の噛み歯240を含んでよい。コンパートメント部230は、側壁220から径方向に突出して、収容空間を上部チャンバS11及び下部チャンバS12に分ける。複数の噛み歯240が上部チャンバS11に位置し、回り止めユニット400が上部チャンバS11に位置して噛み歯240に対応する。より詳しく言えば、ケースユニット200は、シャーシ210を更に含んでよい。側壁220は、上周壁221及び下周壁222を含んでよい。下周壁222がシャーシ210に固接される。コンパートメント部230が上周壁221の下縁に接続される。側壁220は、4つの位置決め部223及び4つの位置決め孔224を更に含んでよい。各位置決め部223が上周壁221の下縁から下へ突出し、各位置決め孔224が下周壁222に位置し且つ各位置決め部223の嵌合に用いられる。従って、各位置決め部223が各位置決め孔224に係合した後で、シャーシ210、下周壁222及びコンパートメント部230は下部チャンバS12を囲んでなり、上周壁221及びコンパートメント部230は上部チャンバS11を囲んでなる。
【0024】
ケースユニット200は、位置限定部250を更に含んでよい。位置限定部250は、コンパートメント部230に接続されるように上部チャンバS11に位置し、回り止めユニット400を位置限定する。位置限定部250の作用によって、回り止めユニット400を上部チャンバS11に位置限定して、ケースユニット200から離脱することを避けることができる。好ましくは、ケースユニット200は、スルーホール260を含んでよい。スルーホール260がコンパートメント部230に位置する。位置限定部250が4つの位置限定部アーム251を含む。4つの位置限定部アーム251は、間隔をあけてスルーホール260に囲まれ、その各々の自由端2511が回り止めユニット400を位置限定する。スルーホール260が軸方向I1に沿ってコンパートメント部230の中心を貫通して下部チャンバS12と上部チャンバS11とを連通させる。4つの位置限定部アーム251がコンパートメント部230からスルーホール260に隣接して軸方向I1に沿って上へ突出し、径方向の突出リップ構造を有する自由端2511を形成する。これにより、回り止めユニット400は軸方向I1に沿って上から下まで上部チャンバS11に置かれてよい。4つの位置限定部アーム251が圧力を受けてから径方向に変形して回り止めユニット400の中心孔(図示せず)を通り、回り止めユニット400が完全に上部チャンバS11に置かれた後で、4つの位置限定部アーム251がリセットし、且つ自由端2511が回り止めユニット400を位置限定して、回り止めユニット400を位置限定する効果を達成する。
【0025】
締結装置100は、リール300及び位置決め軸600を更に含んでよい。リール300は、収容空間に位置限定され、且つフレキシブル係合部340を含む。位置決め軸600は、フレキシブル係合部340に結合されるようにリール300に挿通され、軸方向I1を有し、且つノブ500により連動され、ノブ500が第1の位置に位置する場合リール300に結合される。これにより、ノブ500が第1の位置に位置する場合に回り止めユニット400に結合され、且つ回り止めユニット400が少なくとも1つの噛み歯240に第1の方向R1で係合してリール300の第1の方向R1への回転を阻止する。それに対して、ノブ500が第2の位置に位置する場合に回り止めユニット400から離脱するため、回り止めユニット400は、リール300の第1の方向R1への回転を阻止しない。
【0026】
リール300は、中空主体310、上ループ部320及び下ループ部330を含んでよい。中空主体310は、位置決め軸600が挿通するための貫通空間T2を形成するように囲んでなる内周壁311を含む。上ループ部320が中空主体310の一端(図示せず)から径方向に外へ突出する。下ループ部330が中空主体310の他端から径方向に外へ突出する。上ループ部320と下ループ部330との間に巻線トラックT1が形成され、且つフレキシブル係合部340が内周壁311から貫通空間T2へ突出して位置決め軸600に結合される。また、位置決め軸600は位置決めバルジ610を含んでよく、ノブ500が第1の位置に位置する場合、位置決めバルジ610がフレキシブル係合部340の一側に位置し、ノブ500が軸方向I1に沿って第1の位置から第2の位置に切り替えられる場合、位置決めバルジ610がフレキシブル係合部340を変形するように当接してからフレキシブル係合部340の他側に位置変更する。
【0027】
詳しく言えば、内周壁311は上径段3112及び下径段3111を含み、上径段3112が直面領域(図示せず)及び斜面領域(図示せず)を有し、直面領域が斜面領域を接続し、斜面領域が下径段3111を接続し、フレキシブル係合部340が4つの係合アーム341を含み斜面領域から貫通空間T2へ突出し径方向の突出リップ構造を有する係合端3411を形成する。位置決め軸600は底部620及び軸部630を更に含み、軸部630が底部620に設けられ、位置決めバルジ610が軸部630に位置し、従って、位置決め軸600は下から上へ貫通空間T2に入りフレキシブル係合部340に係合されてよく、且つ底部620が下径段3111に位置限定される。締結装置100はネジ部品700を更に含んでよく、ネジ部品700が位置決め軸600及びノブ500を接続することに用いられてよい。これにより、位置決め軸600とノブ500とを連動させる。
【0028】
ノブ500が位置決め軸600の軸方向I1に沿って上へ移動するように駆動する場合、位置決めバルジ610が4つの係合アーム341を当接して4つの係合アーム341を径方向に変形させて、位置決めバルジ610がフレキシブル係合部340の前記一側から前記他側に変位し、4つの係合アーム341がリセットし、これにより、ノブ500を第2の位置に保持させる。
【0029】
巻線トラックT1はひも(未図示)が巻き取ることに用いられ、ケースユニット200が2つのラインホール270を更に含んでよく、2つのラインホール270が下周壁222に位置し、ラインホール270が下部チャンバS12と連通してよく、従って、ひもが2つのラインホール270によって下部チャンバS12に入ったりここから出たりしてよく巻線トラックT1から巻き出され又はこれに巻き取られる。
【0030】
ノブ500は、複数の第1の駆動歯540を含んでよく、回り止めユニット400が複数の第1の結合歯410を含み、ノブ500が第1の位置に位置する場合、第1の駆動歯540が第1の結合歯410に噛み合い、ノブ500が第2の位置に位置する場合、第1の駆動歯540が第1の結合歯410から離脱する。また、ノブ500は蓋本体510、ボス520及び複数の第2の駆動歯530を更に含んでよい。蓋本体510は、ケースユニット200を覆う。ボス520は、スルーホール260に伸びるように蓋本体510に設けられる。複数の第2の駆動歯530は、リール300に結合されるように、ボス520の蓋本体510から離れる遠位端に位置する。
【0031】
ノブ500の蓋本体510は内頂面(図示せず)を含み、ボス520が内頂面朝から内頂面から離れる方向へ突出し、第2の駆動歯530がボス520の外周面に位置し、複数の第1の駆動歯540が内頂面に位置し且つボス520を囲む。回り止めユニット400は中空環状本体430を含んでよく、複数の第1の結合歯410が中空環状本体430の上端に位置し、蓋本体510がケースユニット200に組み立てられる場合、第1の駆動歯540が対応して第1の結合歯410に噛み合い、ボス520がスルーホール260に伸びてよく、これにより第2の駆動歯530が上径段3112に位置する複数の第2の結合歯(図示せず)と結合して、ノブ500をリール300に結合させる。
【0032】
本実施例において、回り止めユニット400が複数のラチェットアーム420を更に含み、各ラチェットアーム420が各中空環状本体430から外へ突出し、且つラチェットアーム420が第1の方向R1で少なくとも1つの噛み歯240と噛み合って、これにより回り止めユニット400が第1の方向R1へ回転できなく、逆に、各ラチェットアーム420が第1の方向R1と反対する第2の方向R2で絶えずに噛み歯240から離脱し、これにより回り止めユニット400がケースユニット200に対して第2の方向R2へ回転することができる。
【0033】
図4に示すように、この時のノブ500が第1の位置に位置し、ノブ500の第1の駆動歯540が回り止めユニット400の第1の結合歯410に噛み合い、ノブ500の第2の駆動歯530がリール300の第2の結合歯に噛み合い、使用者がノブ500を第2の方向R2へ回転する場合、ラチェットアーム420は絶えずに噛み歯240から離脱し、ノブ500がひもを締め付けるようにリール300を駆動し、逆に、使用者がノブ500を放す場合、ラチェットアーム420が少なくとも1つの噛み歯240に係合され、ノブ500の回転が回り止めユニット400に制限されると共に、リール300の第1の方向R1への回転を阻止し、締結効果を達成することができる。
【0034】
図5に示すように、使用者がひもを放そうとする時に、ノブ500を軸方向I1に沿って上へ引き、この時のノブ500の第1の駆動歯540が回り止めユニット400の第1の結合歯410から離脱し、ノブ500の第2の駆動歯530もリール300の第2の結合歯から離脱するため、ノブ500及びリール300の回転が回り止めユニット400に制限されない。他の実施例において、ノブが第2の位置に位置する場合、ノブの第2の駆動歯がリールの第2の結合歯から離脱しなくてもよいが、これに限定されない。
【0035】
図6図7図8図9及び図10を参照されたい。図6は、本発明の別の実施例による締結装置100aを示す斜視模式図である。図7は、図6の締結装置100aを示す分解模式図である。図8は、図6の締結装置100aを示す別の分解模式図である。図9は、図6の締結装置100aを示す断面模式図である。図10は、図6の締結装置100aを示す別の断面模式図である。締結装置100aの構造と図1図5の締結装置100と類似しているが、リール300aとノブ500aの結合形態は異なる。
【0036】
より詳しく言えば、ノブ500aは蓋本体510a、ボス520a及び複数の第2の駆動歯530aを更に含んでよい。蓋本体510aは、ケースユニット200aを覆う。ボス520aは、スルーホール(図示せず)に対応するように、蓋本体510aに設けられる。複数の第2の駆動歯530aは、ボス520aの蓋本体510aから離れる遠位端に位置する。締結装置100aは、遊星歯車セット800aを更に含む。遊星歯車セット800aは、太陽歯車810a及び複数の遊星歯車820a(本実施例において、4つの遊星歯車820aを含む)を含む。太陽歯車810aは、第2の駆動歯530aに噛み合う。複数の遊星歯車820aは、太陽歯車810aに噛み合うように、間隔をあけてリール300aに設けられる。ケースユニット200aは、複数の遊星歯車820aに噛み合うように、下部チャンバS12に位置する複数の遊星内歯280aを更に含む。
【0037】
ボス520aが遠位端に位置するノッチ(図示せず)を有し、第2の駆動歯530aがノッチ内に位置し、太陽歯車810aがノッチに嵌めあわれて第2の駆動歯530aに噛み合い、リール300aは4つの遊星歯車820aが枢設するための4つの枢軸350aを含む。
【0038】
ケースユニット200aのコンパートメント部230aは上周壁221aの中間部から内に突出してよく、コンパートメント部230aを分界とし、上周壁221aの上半領域が上部チャンバS11を形成し、上周壁221aの下半領域と下周壁222a及びシャーシ(図示せず)が下部チャンバS12を形成し、遊星内歯280aが上周壁221aの下半領域に設けられてよい。ノブ500aが回転する場合、第2の駆動歯530aは太陽歯車810aを駆動して、遊星歯車820aが太陽歯車810aの作用によって遊星内歯280aに沿って回転し変位して、リール300aを回転させる。
【0039】
従って、図9に示すように、この時のノブ500aが第1の位置に位置し、ノブ500aの第1の駆動歯540aが回り止めユニット400aの第1の結合歯410aに噛み合い、ノブ500aの第2の駆動歯530aが遊星歯車セット800aに噛み合い、使用者がノブ500aを第2の方向へ回転する場合、ラチェットアーム420aが絶えずに噛み歯240aから離脱し、ノブ500aがひもを締め付けるようにリール300aを駆動し、逆に、使用者がノブ500aを放す場合、ラチェットアーム420aが少なくとも1つの噛み歯240aに係合し、ノブ500aの回転が回り止めユニット400aに制限されると共に、リール300aが第1の方向へ回転することを阻止し、締結効果を達成することができる。
【0040】
図10に示すように、使用者がひもを放そうとする時に、ノブ500aを軸方向I1に沿って上へ引き、この時のノブ500aの第1の駆動歯540aが回り止めユニット400aの第1の結合歯410aから離脱し、ノブ500a及びリール300aの回転が回り止めユニット400aに制限されない。太陽歯車810aが相変わらず遊星歯車820aと噛み合うため、ノブ500aとリール300aとは相変わらず結合関係を保持する。
【0041】
本発明の実施例を前記の通りに開示したが、これは、本発明を限定するものではなく、業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えてもよく、従って、本発明の保護範囲は、後の特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0042】
100、100a 締結装置
200、200a ケースユニット
210 シャーシ
220 側壁
221、221a 上周壁
222、222a 下周壁
223 位置決め部
224 位置決め孔
230、230a コンパートメント部
240、240a 噛み歯
250 位置限定部
251 位置限定部アーム
2511 自由端
260 スルーホール
270 ラインホール
300、300a リール
310 中空主体
311 内周壁
3111 下径段
3112 上径段
320 上ループ部
330 下ループ部
340 フレキシブル係合部
341 係合アーム
3411 係合端
400 回り止めユニット
410 第1の結合歯
420 ラチェットアーム
430 中空環状本体
500、500a ノブ
510 蓋本体
520、520a ボス
530 第2の駆動歯
540 第1の駆動歯
600 位置決め軸
610 位置決めバルジ
620 底部
630 軸部
700 ネジ部品
T1 巻線トラック
T2 貫通空間
280a 遊星内歯
350a 枢軸
400a 回り止めユニット
410a 第1の結合歯
420a ラチェットアーム
510a 蓋本体
530a 第2の駆動歯
540a 第1の駆動歯
800a 遊星歯車セット
810a 太陽歯車
820a 遊星歯車
I1 軸方向
R1 第1の方向
R2 第2の方向
S11 上部チャンバ
S12 下部チャンバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10