IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

特許7581298判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法
<>
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図1
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図2
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図3
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図4
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図5
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図6
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図7
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図8
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図9
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図10
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図11
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図12
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図13
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図14
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図15
  • 特許-判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241105BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20241105BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/68 F
G03F7/20 501
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022161856
(22)【出願日】2022-10-06
(65)【公開番号】P2024055156
(43)【公開日】2024-04-18
【審査請求日】2023-10-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀司
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 聡
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-208450(JP,A)
【文献】特開2021-109252(JP,A)
【文献】特開2009-170733(JP,A)
【文献】特開平11-145048(JP,A)
【文献】特開2002-347618(JP,A)
【文献】特開2017-44608(JP,A)
【文献】特開2004-343077(JP,A)
【文献】特開2009-76587(JP,A)
【文献】特開2000-306972(JP,A)
【文献】特開2011-145317(JP,A)
【文献】特開2007-235070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/68
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ユニットが複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第1相対位置を計測する第1計測工程と、
前記第1計測工程の後に、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第2相対位置を計測する第2計測工程と、
前記第1計測工程と前記第2計測工程との計測結果に基づいて、前記搬送ユニットの異常の発生の有無と前記複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無とを判定する判定工程と、
を有することを特徴とする判定方法。
【請求項2】
前記第1計測工程と前記第2計測工程において、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置のうちの第1計測位置に移動したときの、前記第1計測位置に対応する第1部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である前記第1相対位置と前記第2相対位置との変化の傾向を示す第1傾向と、
前記第1計測工程と前記第2計測工程において、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置のうちの前記第1計測位置とは異なる第2計測位置に移動したときの、前記第2計測位置に対応する第2部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である前記第1相対位置と前記第2相対位置との変化の傾向を示す第2傾向と、
に基づいて前記判定工程における判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の判定方法。
【請求項3】
前記判定工程において、前記第1計測位置が前記搬送ユニットと同じ床面にあり、前記第2計測位置が前記搬送ユニットと異なる床面にある場合に、
前記第1相対位置と前記第2相対位置とのうち少なくとも一方が第1範囲外である場合に異常ありと判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが第1閾値未満の場合は前記床面の沈みの異常は発生しておらず前記搬送ユニットの異常が発生していると判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが前記第1閾値より大きい場合で、前記第1相対位置と前記第2相対位置との両方が第2範囲内である場合は前記床面の沈みの異常が発生していると判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが前記第1閾値より大きい場合で、前記第1相対位置と前記第2相対位置とのうち少なくとも一方が第2範囲外である場合は前記床面の沈みの異常と前記搬送ユニットの異常が併発していると判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の判定方法。
【請求項4】
前記判定工程において、前記第1計測位置と前記第2計測位置とが同じ床面にある場合に、
前記第1相対位置と前記第2相対位置とのうち少なくとも一方が第1範囲外である場合に異常ありと判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが第1閾値未満の場合は前記床面の傾きの異常は発生しておらず前記搬送ユニットの異常が発生していると判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが前記第1閾値より大きい場合で、前記第1相対位置と前記第2相対位置との両方が第2範囲内である場合は前記床面の傾きの異常が発生していると判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが前記第1閾値より大きい場合で、前記第1相対位置と前記第2相対位置とのうち少なくとも一方が第2範囲外である場合は前記床面の傾きの異常と前記搬送ユニットの異常が併発していると判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の判定方法。
【請求項5】
前記判定工程の判定結果に応じて、前記複数の計測位置のうちの1又は複数又は全ての計測位置における前記搬送ユニットの少なくとも一部を挿入する位置である基準位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の判定方法。
【請求項6】
前記判定工程の判定結果に応じて、前記複数の計測位置に含まれていない位置においても前記基準位置を調整することを特徴とする請求項5に記載の判定方法。
【請求項7】
前記複数の計測位置それぞれに対応する部材は、基板であることを特徴とする請求項1に記載の判定方法。
【請求項8】
前記複数の計測位置は、基板を載置する基板ステージと、前記基板の温度を調整する温度調整部と、前記基板の位置合わせをするアライメント部とのうち少なくとも1つの位置を含むことを特徴とする請求項1に記載の判定方法。
【請求項9】
前記第1計測工程と前記第2計測工程における計測は、前記搬送ユニットの位置を検出するセンサを用いることを特徴とする請求項1に記載の判定方法。
【請求項10】
前記第1計測工程と前記第2計測工程における計測は、前記搬送ユニットと前記複数の計測位置それぞれに対応する部材との少なくとも一方を前記搬送ユニットと前記部材とが近づく方向に移動させたときの、前記搬送ユニットが前記部材を取得するまでの前記搬送ユニットと前記部材との相対的な移動量に基づいて前記相対的な位置を求めることを特徴とする請求項1に記載の判定方法。
【請求項11】
前記搬送ユニットが前記部材を取得したか否かの判定を、前記搬送ユニットと前記部材との間の圧力を計測する圧力センサの計測値に基づいて行うことを特徴とする請求項10に記載の判定方法。
【請求項12】
前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置の計測は、前記搬送ユニットが前記複数
の計測位置それぞれに移動する毎に行われることを特徴とする請求項1に記載の判定方法。
【請求項13】
複数の計測位置それぞれに対応する部材と搬送ユニットとの相対的な位置に基づいて異常を判定する判定部を有し、
前記判定部は、
前記搬送ユニットが前記複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第1相対位置を計測し、
前記第1相対位置を計測した後に、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第2相対位置を計測し、
前記第1相対位置と前記第2相対位置とに基づいて、前記搬送ユニットの異常の発生の有無と前記複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無とを判定する、
ことを特徴とする判定装置。
【請求項14】
基板にパターンを形成するリソグラフィ装置であって、
前記リソグラフィ装置の内部において、搬送ユニットの異常の発生の有無と複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無とを判定する請求項13に記載の判定装置と、
前記基板に前記パターンを形成するパターン形成部と、
を有することを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項15】
搬送ユニットが複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第1相対位置の計測結果と、前記第1相対位置を計測した後に、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第2相対位置の計測結果と、を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した前記第1相対位置の計測結果と前記第2相対位置の計測結果とに基づいて、前記搬送ユニットの異常の発生の有無と前記複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無とを判定する判定工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
搬送ユニットによって搬送された基板にパターンを形成する形成工程と、
前記形成工程で前記パターンが形成された前記基板から物品を製造する製造工程と、
を有する物品の製造方法であって、
前記搬送ユニットが複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第1相対位置を計測する第1計測工程と、
前記第1計測工程の後に、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第2相対位置を計測する第2計測工程と、
前記第1計測工程と前記第2計測工程との計測結果に基づいて、前記搬送ユニットの異常の発生の有無と前記複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無とを判定する判定工程と、
を有することを特徴とする物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスや液晶表示デバイスなどの製造工程において、基板を搬送する搬送ユニットを有する基板処理装置が用いられる。ここで、搬送ユニットと基板等の部材との相対的な位置に異常が発生している場合、搬送ユニットと基板等の部材が干渉することがある。
【0003】
特許文献1には搬送ユニットの特定位置における座標を取得し基準座標と比較することで搬送ユニットの位置の異常の発生を検出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-141098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、搬送ユニットと基板等の部材との相対的な位置の異常は、搬送ユニットのみに起因せずほかの原因に起因して発生することがある。例えば、搬送ユニットとは異なるほかのユニットの自重による床面の沈み等にも起因することがある。よって、搬送ユニットと基板等の部材との相対的な位置の異常を適切に修正するためには、搬送ユニットと基板等の部材との相対的な位置の異常の原因箇所を特定する必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、搬送ユニットと基板等の部材との相対的な位置の変化の原因の特定に有利な判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての判定方法は、搬送ユニットが複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第1相対位置を計測する第1計測工程と、前記第1計測工程の後に、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第2相対位置を計測する第2計測工程と、前記第1計測工程と前記第2計測工程との計測結果に基づいて、前記搬送ユニットの異常の発生の有無と前記複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無とを判定する判定工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される実施形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搬送ユニットと基板等の部材との相対的な位置の変化の原因の特定に有利な判定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態における基板処理装置の構成を示す概略図である。
図2】第1実施形態における露光部の構成を示す図である。
図3】第1実施形態における搬送ユニットの構成を示す図である。
図4】第1実施形態における搬送ユニットが支持部材から基板を取得する例を示す図である。
図5】第1実施形態における基板処理装置内の各ユニットが配置されている床面を示している図である。
図6】基板ステージに載置された基板を搬送ユニットが取得するときの模式図である。
図7】基板ステージに載置された第1基板と、温度調整部に載置された第2基板とを搬送ユニットが取得するときの模式図である。
図8】第1実施形態における、床面が同じユニット間の第1タイミング又は第2タイミングにおける間隔を示す図である。
図9】第1実施形態における床面の異常が発生していない場合の間隔の計測結果を示している。
図10】第1実施形態における床面の異常が発生している場合の間隔の計測結果を示している。
図11】第1実施形態における搬送ユニットと所定の部材との相対的な位置の変化に基づいて異常個所を判定するフローチャートの一例である。
図12】第1実施形態における搬送ユニットと所定の部材との相対的な位置の変化に基づいて異常個所を判定するフローチャートの一例である。
図13】第1実施形態における搬送ユニットと所定の部材との相対的な位置の変化に基づいて異常個所を判定するフローチャートの一例である。
図14】第2実施形態における搬送ユニットの構成を示す図である。
図15】第3実施形態における搬送ユニットの構成を示す図である。
図16】第4実施形態における物品の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態を添付の図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
また、本明細書および添付図面では、基本的に、鉛直方向をZ軸とし、鉛直方向に対し垂直な水平面をXY平面とし、各軸が相互に直交するXYZ座標系によって方向が示されている。ただし、各図面に記載されたXYZ座標系がある場合はその座標系を優先する。
【0013】
以下、各実施形態において、具体的な構成を説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態における基板処理装置1の構成を示す概略図である。基板処理装置1は、本実施形態では、ステップ・アンド・リピート方式又はステップ・アンド・スキャン方式により原版(マスク、レチクル)のパターンを、投影光学系を介して基板に露光する投影露光装置である。但し、基板処理装置1は、投影露光装置に限定されるものではない。例えば、基板処理装置1は、電子線やイオンビームなどによって基板に描画を行い、パターンを基板に形成する描画装置であってもよい。また、基板処理装置1は、他のリソグラフィ装置、例えば、基板の上のインプリント材を型により成形してパターンを基板上に形成するインプリント装置であってもよい。あるいは、基板処理装置1は、イオン打ち込み装置、現像装置、エッチング装置、成膜装置、アニール装置、スパッタリング装置、蒸着装置など、半導体ウエハやガラスプレートなどの基板を処理する他の装置であってもよい。また、基板処理装置1は、平坦な板を用いて基板上の組成物を平坦化する平坦化装置であってもよい。
【0015】
基板処理装置1は、装置全体を覆うチャンバー2と、露光処理を行う露光部20と、温度調整部3と、プリアライメント部4と、基板を所定位置に搬送する搬送ユニット6と、載置台7と、判定部(判定装置)8と、を有する。温度調整部3は載置された基板の温度を調整可能な構成である。プリアライメント部4においては露光部20による露光処理前に予め基板の位置合わせを実施する。搬送ユニット6は、例えば、ハンドを有する水平多関節型のロボット(スカラーロボット)である。載置台7は上面に基板を支えるための支持部材71を有し基板を一時的に載置可能な構成である。判定部8は、基板処理装置1内の異常個所を判定する。なお、判定部8の具体的な判定方法については後述する。また、判定部8は基板処理装置1内の異常個所を判定するだけでなく、基板処理装置1の制御を行う制御部としての役割を併せて行ってもよい。さらに、判定部8は判定した情報を送信する送信部81を有する。ここで、本実施形態における温度調整部3は第1センサ50を、プリアライメント部4は第2センサ51を、露光部20は第3センサ52を有している。第1センサ50、第2センサ51、第3センサ52は、それぞれ配置された位置において搬送ユニット6とそれぞれの位置における所定の部材との相対的な位置を検出する。これらのセンサは、例えば、カメラにより位置を検出するカメラセンサ、レーザにより位置を検出するレーザセンサである。例えば、第1センサ50は温度調整部3における搬送ユニット6と所定の部材との相対的な位置を検出する。なお、所定の部材とは、例えば基板である。
【0016】
次に基板の搬送順序について説明する。まず、基板処理装置1内に搬入された基板は、載置台7の上面から突出している支持部材71の上に載置される。その後、基板は搬送ユニット6により載置台7から温度調整部3に搬送され、温度調整部3により温度調整される。そして、温度調整部3により温度調整された基板は搬送ユニット6によりプリアライメント部4へ搬送され、露光処理前に事前に位置合わせをされる。ここで、プリアライメント部4による位置合わせは、例えば、基板のXY平面内における位置及び基板の回転角度について調整する。位置合わせが完了すると、基板は搬送ユニット6により露光部20へ搬送され、露光部20内において露光処理をされる。なお、本実施形態における搬送ユニット6が基板を搬送する順序を説明したが、搬送先や搬送順序は上記の例に限らず、基板を搬送する所定位置及び搬送順序をユーザーが自由に設定することができる。
【0017】
図2は、本実施形態における露光部20の構成を示す図である。露光部20は光を照射する照明光学系23と、投影光学系25と、レチクル21を保持するレチクルステージ24と、基板22を保持する基板ステージ5と、を有する。ここで、基板ステージ5はXY方向に移動可能な構成であり、露光部20に搬送された基板22は基板ステージ5上に載置される。レチクル21は、例えば石英ガラスの表面に転写されるべきパターン(例えば回路パターン)がクロムで形成されている原版である。また、基板22は、例えば単結晶シリコンであり、基板処理装置1が露光装置である場合において基板処理装置1に搬送される基板22は、表面上に感光材料(レジスト)が塗布されている。ここで、照明光学系23は基板22にパターンを形成するパターン形成部である。なお、本実施形態では光を用いてパターンを形成するリソグラフィ装置の例を示し、パターン形成部は照明光学系23であるが、熱硬化性材料を熱により硬化させるリソグラフィ装置であってもよい。その場合のパターン形成部は、例えば、熱硬化性材料を加熱する加熱部である。
【0018】
基板処理装置1において、光源(不図示)からの露光光は、照明光学系23を介して、レチクルステージ24に保持されたレチクル21を照明する。レチクル21を透過した光は、投影光学系25を介して、基板22に照射される。この時、レチクル21に形成されたパターンが基板22表面に結像される。基板処理装置1はこのように基板22上のショット領域を露光し、複数のショット領域のそれぞれについて同様に露光を行う。
【0019】
図3に本実施形態における搬送ユニット6の構成を示す。図3(a)は搬送ユニット6を+Z方向側から見た場合の図である。搬送ユニット6はハンド65を備えており、基板22をハンド65で保持し搬送する。ハンド65の形状は、基板22を取得できる形状であれば図3(a)に示す形状でなくともよく、特に限定しない。
【0020】
搬送ユニット6は、ハンド65を4軸方向(X、Y、Z、θZ)に位置決めするために、水平方向の駆動を行う駆動機構61、鉛直方向の駆動を行う駆動機構62、回転方向の駆動を行う駆動機構63と駆動機構64を有している。鉛直方向の駆動を行う駆動機構62と回転方向の駆動を行う駆動機構63と駆動機構64とハンド65とはそれぞれ駆動軸66によって連結されている。ただし、駆動機構の組み合わせは前記例に限られず、構成、種類、個数を限定しない。
【0021】
図3(b)は、載置台7に載置されている基板22を取得する搬送ユニット6を、図3(a)に示すα方向から見た場合の図である。基板22は、載置台7の上面から突出している支持部材71の上に載置されており、ハンド65が基板22の下に挿入された状態で、ハンド65は駆動機構62により基板22に近づく方向に移動する。この移動によりハンド65は基板22を載置台7から取得する。
【0022】
ここで、搬送ユニット6は、基板処理装置1が稼働する間において連続で搬送を行う。そのため搬送ユニット6の一部である駆動軸66は搬送ユニット6の搬送時間及び搬送回数に伴って経時的に摩耗する。この経時的な摩耗(経年劣化)により、駆動軸66の傾きは経時的に変化する。駆動軸66が摩耗し傾くことで、駆動軸66によって連結されているそれぞれの部材の位置が変わり、その影響を受け基板22と接触するハンド65の位置も変わる。具体的には、駆動軸66の経時的な傾きの変化によりハンド65の駆動軸66と離れている側が-Z方向に下がり、ハンド65が垂れている状態となる。これにより、ハンド65と所定の部材(例えば、基板)との相対的な位置が変化する。
【0023】
また、ハンド65の位置変化の原因は経時的な変化によるものだけではない。例えば、駆動軸66の初期取り付け位置の異常が原因でハンド65の位置変化が発生することもあり得る。駆動軸66の初期取り付け位置の異常の場合、ハンド65は垂れる方向(-Z方向)へ傾く位置の異常だけではなく、ハンド65が反りあがる方向(+Z方向)へ傾く位置の異常が発生することもあり得る。
【0024】
図4は本実施形態における搬送ユニット6が支持部材71から基板22を取得する例を示している。図4(a)は駆動軸66が傾いていない場合を示しており、ハンド65は基板22に対して平行な状態で接触することができる。
【0025】
図4(b)は駆動軸66が傾いている場合を示しており、駆動軸66がハンド65と基板22が平行ではない、異常な状態で接触する。このように異常な状態(異常な傾き)でハンド65と基板22とが接触すると、ハンド65及び基板22にダメージを与えうる。
【0026】
図4(a)と図4(b)に記載した間隔(ギャップ)gは、搬送ユニット6の一部であるハンド65の基板保持面と、支持部材71に載置された基板22の下面との距離である。搬送ユニット6への移動指示が同じであっても、駆動軸66が傾いている場合と傾いていない場合とでは間隔gは異なる。例えば、図4(b)の間隔gは図4(a)の間隔gよりも小さい。つまり、この間隔gを計測することで、ハンド65の位置状態(傾き状態)の変化を捉えることができる。第1センサ50、第2センサ51、第3センサ52は所定位置における所定の部材(本実施形態では基板22)と搬送ユニット6(ハンド65)との間隔gを計測する。なお、この間隔gは所定の部材と搬送ユニット6との相対的な位置を示している。
【0027】
図5は本実施形態における基板処理装置1内の各ユニットが配置されている床面を示している図である。ここで、各ユニットとは前述した基板処理装置1を構成する露光部20、温度調整部3、プリアライメント部4、判定部8、搬送ユニット6、載置台7を示す。各ユニットは2つのモジュールのいずれかに配置されており、2つのモジュールは第1床面100、第2床面200のうちいずれかを有している。なお、本実施形態における第1床面100と第2床面200は、例えば、それぞれ1つの部材(板材)である。
【0028】
第1床面100を有するモジュールには、第1床面100上に搬送ユニット6と、載置台7と、温度調整部3とが配置されている。第2床面200を有するモジュールには、第2床面200上にプリアライメント部4と、露光部20と、判定部8とが配置されている。なお、本実施形態では基板処理装置1内の各ユニットが2つのモジュールに分けられ、プリアライメント部4と露光部20とが同一モジュール、温度調整部3と搬送ユニット6とが同一モジュールである例を示した。しかし、モジュールの個数、モジュール内の構成は本実施形態で示した例に限られず、特に限定しない。
【0029】
このように基板処理装置1内(チャンバー2内)をモジュールに分け構成した場合に、チャンバー2内のモジュールのうちの、重量が大きいユニットを含むモジュールの床面が沈み、床面の高さがほかのモジュールの床面の高さより低くなることがある。図6は、基板ステージ5に載置された基板22を搬送ユニット6が取得するときの模式図であり、図5に示すβ方向から見た場合を示している。なお、基板22は基板ステージ5に配置されたZ軸方向に移動可能な支持部材26により支持されている。
【0030】
図6(a)は、第1床面100と第2床面200とが同じ高さである場合を示している。図6(b)は、露光部20の重量が大きく露光部20の基板ステージ5が配置されている第2床面200が沈み、第2床面200の高さが第1床面100の高さよりも低い場合を示している。ハンド65と基板22との相対的な位置を示す間隔gを第3センサ52で計測すると、図6(b)の間隔gのほうが図6(a)の間隔gよりも小さくなる。このように、搬送ユニット6と所定の部材(本実施形態では基板22)との相対的な位置は、駆動軸66の摩耗等の影響による経時的な変化のみに起因せず、床面の沈みにも起因する。
【0031】
図7は、基板ステージ5(第2計測位置)に載置された第1基板28(第2部材)と、温度調整部3(第1計測位置)に載置された第2基板29(第1部材)とを搬送ユニット6が取得するときの模式図であり、図5に示すβ方向から見た場合を示している。なお、第2基板29は温度調整部3に配置されたZ軸方向に移動可能な支持部材36により支持されている。温度調整部3に載置された第2基板29を取得するときの搬送ユニット6は点線で示している。
【0032】
図7(a)は、第1タイミングにおいて、第1床面100と第2床面200とが同じ高さである場合を示している。図7(b)は、第1タイミングから時間が経過した第2タイミングにおいて、第1床面100と第2床面200とが同じ高さである場合を示している。図7(c)は、第1タイミングから時間が経過した第2タイミングにおいて、露光部20の重量が大きく露光部20の基板ステージ5が配置されている第2床面200が沈み、第2床面200の高さが第1床面100の高さよりも低い場合を示している。
【0033】
なお、本実施形態では予めユーザーにより設定された複数の計測位置にある所定の部材と搬送ユニット6との相対的な位置を計測するタイミングは、搬送ユニット6が複数の計測位置それぞれに移動したときのタイミングを想定する。具体的には、所定の部材が基板であれば、複数の計測位置(例えば、温度調整部3、プリアライメント部4、基板ステージ5)に載置された基板を取得する毎に相対的な位置の計測を行う。また、本実施形態の第1タイミングと第2タイミングとは、経時的な変化を説明するため、第1タイミングから時間が経過したタイミングを第2タイミングとしている。また、本実施形態では第1タイミングにおける相対的な位置の計測を第1計測工程、第2タイミングにおける相対的な位置の計測を第2計測工程とする。
【0034】
基板ステージ5において、ハンド65と第1基板28との相対的な位置を示す間隔gを第3センサ52で計測した場合の計測結果を第1間隔(g1、g3、g5)とする。そして、温度調整部3において、ハンド65と第2基板29との相対的な位置を示す間隔gを第1センサ50で計測した場合の計測結果を第2間隔(g2、g4、g6)とする。
【0035】
図7(a)のように第1タイミングにおいて床面の沈みが発生していないとき、ハンド65の基板との基準位置(基準となる相対的な位置)が温度調整部3と基板ステージ5とで同じである場合に第1間隔g1と第2間隔g2とは同じになる。ここで、基準位置はハンド65が基板の取得を開始するため基板の下側へ入り込んだ位置でもよいし、基板の下側へ入り込んだ後に所定高さ又は所定時間だけ移動した位置でもよい。なお、第1間隔g1と第2間隔g2とは第1相対位置である。
【0036】
図7(b)のように第1タイミングから時間が経過した第2タイミングにおいて、床面の沈みが発生していない場合、ハンド65と基板との相対的な位置の変化は、駆動軸66の摩耗等の影響による経時的な変化(ハンド65の経時的な傾きの変化)に起因する。図7(b)の第2タイミングで計測した基板ステージ5における第1基板28と搬送ユニット6との相対的な位置を示す間隔は第1間隔g3である。また、第2タイミングで計測した温度調整部3における第2基板29と搬送ユニット6との相対的な位置を示す間隔は第2間隔g4である。なお、第1間隔g3と第2間隔g4とは第2相対位置である。
【0037】
基板ステージ5の第1タイミングから第2タイミングの間における第1間隔の変化(第2傾向)は、第1間隔g3と第1間隔g1との差G3(g3-g1)により示される。また、温度調整部3の第1タイミングから第2タイミングの間における第2間隔(第1傾向)の変化は、第2間隔g4と第2間隔g2との差G4(g4-g2)により示される。ここで、図7(b)において床面の沈みは発生しておらず、間隔の変化はハンド65の経時的な傾きの変化に起因する。つまり、差G3と差G4は同様の傾向を示し、具体的には差G3と差G4は同じ値又は近い値となる。
【0038】
図7(c)は第1タイミングから時間が経過した第2タイミングにおいて、露光部20の重量が大きく露光部20の基板ステージ5が配置されている第2床面200が沈み、第2床面200の高さが第1床面100の高さよりも低い場合を示している。このように床面の沈みが発生している場合、ハンド65と基板との相対的な位置の変化は、複数の原因に起因する。具体的には、床面が沈んだことにより沈んだユニットの位置の変化及び駆動軸66の摩耗等の影響による経時的な変化(ハンド65の経時的な傾きの変化)に起因する。図7(c)の第2タイミングで計測した基板ステージ5における第1基板28と搬送ユニット6との相対的な位置を示す間隔は第1間隔g5である。また、第2タイミングで計測した温度調整部3における第2基板29と搬送ユニット6との相対的な位置を示す間隔は第2間隔g6である。なお、第1間隔g5と第2間隔g6とは第2相対位置である。
【0039】
基板ステージ5の第1タイミングから第2タイミングの間における第1間隔の変化(第2傾向)は、第1間隔g5と第1間隔g1との差G5(g5-g1)により示される。また、温度調整部3の第1タイミングから第2タイミングの間における第2間隔の変化(第1傾向)は、第2間隔g6と第2間隔g2との差G6(g6-g2)により示される。ここで、図7(c)において床面の沈みが発生しているため、間隔の変化はハンド65の経時的な傾きの変化と床面の沈みによる沈み込んだユニットの位置の変化とに起因する。つまり、差G5と差G6は異なる傾向を示し、具体的には差G5は差G6より絶対値表記において大きくなり、差G5と差G6は床面の沈みに起因する影響の分だけ値が異なる。
【0040】
次に、床面の沈みにより床面が傾き、同じ床面に設置されているユニットどうしであっても搬送ユニット6と所定の部材(基板)との相対的な位置(間隔g)が異なる場合を説明する。このような床面の傾きは、ユニットの重量及びユニットの配置箇所に依存する。
【0041】
図8は本実施形態における、床面が同じユニット間の第1タイミング又は第2タイミングにおける間隔gを示す図である。第2床面200に配置された基板ステージ5(第2計測位置)に載置された第1基板28(第2部材)と第2床面200に配置されたプリアライメント部4(第1計測位置)に載置された第3基板30(第1部材)とを搬送ユニット6が取得するときの模式図である。なお、図8は、図5に示すβ方向から見た場合を示している。第3基板30はプリアライメント部4に配置されたZ軸方向に移動可能な支持部材46により支持されている。基板ステージ5に載置された第1基板28を取得するときの搬送ユニット6(ハンド65)は点線で示している。
【0042】
基板ステージ5において、ハンド65と第1基板28との相対的な位置を示す間隔gを第3センサ52で計測した場合の計測結果を第3間隔(g7、g9、g11)とする。そして、プリアライメント部4において、ハンド65と第3基板30との相対的な位置を示す間隔gを第2センサ51で計測した場合の計測結果を第4間隔(g8、g10、g12)とする。
【0043】
図8(a)のように第1タイミングにおいて床面の沈みが発生していないとき、ハンド65の基板との基準位置(基準となる相対的な位置)がプリアライメント部4と基板ステージ5とで同じである場合に第3間隔g7と第4間隔g8とは同じになる。ここで、基準位置はハンド65が基板の取得を開始するため基板の下側へ入り込んだ位置でもよいし、基板の下側へ入り込んだ後に所定高さ又は所定時間だけ移動した位置でもよい。なお、第3間隔g7と第4間隔g8とは第1相対位置である。
【0044】
図8(b)は第2床面200が第1床面100と平行な状態で沈み込んだ場合を示している。図8(b)の場合、ハンド65の基板との基準位置(基準となる相対的な位置)がプリアライメント部4と基板ステージ5とで同じである場合に第3間隔g9と第4間隔g10とは同じになる。
【0045】
図8(b)において基板ステージ5の第1タイミングから第2タイミングの間における間隔の変化(第2傾向)は、第3間隔g7と第3間隔g9との差G9(g9-g7)により示される。また、プリアライメント部4の第1タイミングから第2タイミングの間における間隔の変化(第1傾向)は、第4間隔g8と第4間隔g10との差G10(g10-g8)により示される。ここで、図8(b)において第2床面200が第1床面100と平行な状態で沈み込んでいるため、差G9と差G10は同様の傾向を示し、具体的には差G9と差G10は同じ値又は近い値となる。なお、第3間隔g9と第4間隔g10とは第2相対位置である。
【0046】
図8(c)は第2床面200が第1床面100に対して傾いた状態で沈み込んだ場合を示している。図8(c)の場合、ハンド65の基板との基準位置(基準となる相対的な位置)がプリアライメント部4と基板ステージ5とで同じである場合に、重量が大きい基板ステージ5側が沈み、第3間隔g11は第4間隔g12より小さくなる。
【0047】
図8(c)において基板ステージ5の第1タイミングから第2タイミングの間における間隔の変化(第2傾向)は、第3間隔g7と第3間隔g11との差G11(g11-g7)により示される。また、プリアライメント部4の第1タイミングから第2タイミングの間における間隔の変化(第1傾向)は、第4間隔g8と第4間隔g12との差G12(g12-g8)により示される。ここで、図8(c)において第2床面200が第1床面100に対して傾いた状態で沈み込んでいるため、差G11と差G12は異なる傾向を示す。具体的には差G11は差G12より絶対値表記において大きくなり、差G11と差G12は床面の傾きに起因する高さ変動の分だけ値が異なる。なお、第3間隔g11と第4間隔g12とは第2相対位置である。
【0048】
以上説明したように、搬送ユニット6と異なる位置に配置された各ユニットの所定の部材との相対的な位置は時間経過とともに搬送ユニット6の経時変化と床面の位置及び角度の経時変化とに影響され変化する。そして搬送ユニット6の経時変化と床面の位置及び角度の経時変化とは、各ユニットにおける相対的な位置の変化の傾向が異なる。つまり、第1タイミングから第2タイミングに変化したときの、搬送ユニット6と2以上のユニットにおける所定の部材のそれぞれとの相対的な位置の変化の傾向から、搬送ユニット6の異常の発生の有無と床面の異常の発生の有無とを判定することができる。このように相対的な位置の変化の原因(異常個所)を判定することで、ユーザーは異常個所に対して適切に対処することができる。例えば、搬送ユニット6の駆動軸66の傾き等の影響による経時変化により搬送ユニット6と所定の部材との相対的な位置が変化している場合、搬送ユニット6の駆動軸66の傾きを修正すればよい。或いは、全てのユニットにおけるハンド65を挿入する基準位置を修正すればよい。一方、床面の変化により搬送ユニット6と所定の部材との相対的な位置が変化している場合、床面の高さを修正すればよい。或いは、床面の位置及び角度の変化に影響された相対的な位置の変化に基づいて各ユニットのそれぞれにおけるハンド65を挿入する基準位置を修正すればよい。
【0049】
図9は本実施形態における床面の異常が発生していない場合の間隔gの計測結果を示している。図9の例はユニットA(温度調整部3)、ユニットB(プリアライメント部)、ユニットC(基板ステージ)においてそれぞれ5回(5タイミング)で搬送ユニット6と所定の部材との間隔gを計測した例である。図9(a)は計測結果を表で示し、図9(b)は計測結果をグラフで示している。判定部8は間隔gの計測結果から、各ユニットに対応した各所定の部材における計測回ごとの前回の計測結果からの差δを求める。この差δは所定の部材と搬送ユニットとの相対的な位置の変化の傾向を示している。つまり、前述の例であれば第1傾向及び第2傾向を示している。例えば、3回目の計測におけるユニットAの差δAは3回目の間隔gの計測結果である1.1(mm)と2回目の間隔gの計測結果である1.0(mm)との差である0.1(mm)となる。
【0050】
また、判定部8は各ユニットに対応する各所定の部材間の差δについての差Δを求める。この差Δは所定の部材と搬送ユニットとの相対的な位置の変化の傾向の違いを示し、換言すれば第1傾向と第2傾向との違いを示す。例えば、3回目のユニットAとユニットB間の差である差ΔABは、3回目のユニットAの差δAが0.1(mm)であり、3回目のユニットBの差δBが0.2(mm)であるため、0.1(mm)となる。ここで、差Δは絶対値である。そして、判定部8は求めた各ユニット間の差Δ(差ΔAB、差ΔBC)の平均値Pを求める。差ΔABの平均値は平均値P(AB)、差ΔBCの平均値は平均値P(BC)とする。図9(a)、図9(b)に示されるようにユニットA、ユニットB、ユニットCの経時的な変化の傾向は同様である。ここで、差Δは第1傾向と第2傾向との違いを示しており、平均値Pは差Δの平均の値であるため、平均値Pも第1傾向と第2傾向との違いを示している。
【0051】
なお、本実施形態ではユニット間の経時的な変化の傾向の差を示す値として平均値を用いているが、平均値ではなく各計測回の計測結果の差を用いて個々に判定してもよいし、関数フィッティングを行うことで算出した係数を用いてもよい。また、相関や回帰分析など、ほかの統計的手法等を用いてもよく、特に限定しない。
【0052】
図10は本実施形態における床面の異常が発生している場合の間隔gの計測結果を示している。図10(a)、図10(b)に示されるようにユニットAと、ユニットB及びユニットCの相対的な位置の変化の傾向は異なっている。また、ユニットB及びCは経時的な変化の傾向が同様である。この傾向から、ユニットBとユニットCが配置されている床面の沈みの異常が発生していることがわかる。また、この異常は平均値Pにより示され、図10(a)におけるユニットAとユニットBについての平均値P(AB)は0.15(mm)であり、異常がない場合の図9(a)における平均値P(AB)の0.05(mm)より大きい。つまり、この平均値Pについて判定することにより、異常個所を判定することができる。
【0053】
本実施形態の判定部8は平均値Pを判定することにより、異常の発生の有無と異常が発生している箇所を判定することができる。具体的には、異常なし、搬送ユニット異常、床面異常(床面の沈み)、床面異常(床面の沈み)と搬送ユニット異常の併発、床面異常(床面の沈み及び傾き)、床面異常(床面の沈み及び傾き)と搬送ユニット異常の併発の6種類に判別できる。
【0054】
図11は、本実施形態における搬送ユニット6と所定の部材との相対的な位置の変化に基づいて異常個所を判定するフローチャートの一例である。まず、各ユニットにおける所定の部材と搬送ユニット6との間隔gを計測する(S10)。そして、判定部8はステップS10における計測回数が所定計測回数に達したか否か、を判定する(S20)。ここで、所定計測回数はユーザーが自由に設定してよく、所定計測回数が多いほど長い期間の経時的な変化により異常個所を判定する。また、本実施形態では所定の部材と搬送ユニット6との相対的な位置の計測は、搬送ユニット6が所定の部材がある複数の計測位置それぞれに移動する毎に行われることを想定している。しかし、搬送ユニット6が複数の計測位置それぞれに移動する毎に所定の部材と搬送ユニット6との相対的な位置の計測を行わなくともよく、相対的な位置の計測を行うタイミングを時間により管理してもよい。例えば、ユーザーが予め1か月毎にステップS10を行うよう設定し、所定計測回数が5回である場合に、現在のステップS10の計測回数が4回であれば次のタイミング(1か月後)までステップS10は行われない、という設定にしてもよい。ステップS20にて計測回数が所定計測回数に達していなければステップS10に戻る。ステップS20にて計測回数が所定計測回数に達していれば、判定部8は各ユニットにおける間隔を計測した計測回ごとの前回の計測結果からの差δを求める(S30)。そして、判定部8は各ユニット間の差δの差Δを求め、差Δの平均値Pを求める(S40)。
【0055】
次に、判定部8は各ユニットにおいて計測した間隔g(第1相対位置と第2相対位置)は範囲V(第1範囲)の範囲内か否かを判定する(S50)。ステップS50の判定は、異常の発生の有無についての判定である。なお、ステップS50において、本実施形態では第1相対位置と第2相対位置に対し判定しているが最後に計測した間隔gについて判定してもよい。ここで、範囲Vはユニット毎に設けられ、搬送ユニット6の異常及び床面の異常が発生していない場合の搬送ユニット6と所定の部材との間隔gに基づいてユーザーが設定する。ステップS50にて第1範囲内であれば、搬送ユニット6及び床面において異常なし、と判定し(S60)、終了する。
【0056】
ステップS50にていずれかのユニットの間隔(第1相対位置と第2相対位置のうちの少なくとも一方)が第1範囲外であると判定された場合は、ステップS70に進む。判定部8は搬送ユニット6と同じ床面に配置されたユニットAと、異なる床面に配置されたユニットBについての第1傾向と第2傾向との傾向の違いを示す平均値P(AB)は閾値W(第1閾値)未満か否かを判定する(S70)。ステップS70は床面の沈みの異常の発生の有無を判定するためのステップであり、異なる床面に配置されたユニットA、ユニットBの平均値P(AB)について判定することによりユニットA及びBの経時的な変化の傾向から異常個所を判定する。なお、閾値Wは床面の沈みの異常が発生しておらず搬送ユニット6の異常のみ発生している場合の搬送ユニット6と所定の部材との間隔gの経時的な変化に基づいてユーザーが設定する。平均値P(AB)が閾値W以上であれば少なくとも床面の沈みの異常が発生していると判定され、閾値W未満であれば床面の沈みの異常は発生していないと判定される。例えば、図9及び図10の例において、閾値Wを0.1(mm)と設定していると、図9の場合は床面の沈みの異常が発生しておらず、図10の場合は床面の沈みの異常が発生している、となる。
【0057】
ステップS70において平均値P(AB)が閾値未満である場合は、異なる床面に配置されたユニットで経時的な変化の傾向が同様であるということを示し、前述のように床面の沈みの異常は発生していないと判定される。ここで、判定部8はステップS50において、異常ありと判定しており、ステップS70にて異常の原因が床面の沈みの異常の発生によるものでないと判定された場合は、搬送ユニット6の異常が発生していると判定される(S80)。
【0058】
次に、判定部8は搬送ユニット6と異なる床面に配置されたユニットB及びユニットCについての第1傾向と第2傾向との傾向の違いを示す平均値P(BC)は閾値X(第2閾値)未満か否か、を判定する(S90)。ステップS90は床面が傾いているか否かを判定するためのステップであり、同じ床面に配置されたユニットB、ユニットCの平均値P(BC)について判定することにより床面の傾きの異常の発生の有無について判定する。なお、閾値Xは床面の傾きの異常が発生していない場合の搬送ユニット6と所定の部材との間隔gの経時的な変化に基づいてユーザーが設定する。平均値P(BC)が閾値X以上であれば床面の傾きの異常が発生していると判定され、閾値X未満であれば床面の傾きの異常は発生していないと判定される。
【0059】
なお、床面の傾きの異常が発生しているということは、床面の沈みの異常が発生していることでもある。また、本実施形態では床面の沈みの異常の発生についての判定の後に床面の傾きの異常の発生について判定する例を示したが、床面の傾きの異常の発生についての判定の後に床面の沈みの異常の発生について判定を行ってもよく、特に判定順序は限定しない。
【0060】
ステップS90において平均値P(BC)が閾値未満である場合は、同じ床面に配置されたユニットで経時的な変化の傾向が同様であるということを示し、前述のように床面の傾きの異常は発生していないと判定される。ここで、判定部8はステップS70において、床面の異常が発生していると判定しており、ステップS90にて床面の傾きの異常が発生していないと判定された場合は、床面の沈みの異常が発生していると判定される。
【0061】
そして、判定部8は計測したユニットAにおける間隔g(第1相対位置と第2相対位置)は範囲Y(第2範囲)の範囲内か否かを判定する(S100)。ステップS100は床面の沈みの異常に加え、搬送ユニット6の異常が併発しているか否かを判定するステップである。なお、ステップS100において、本実施形態では第1相対位置と第2相対位置に対し判定しているが最後に計測した間隔gについて判定してもよい。ここで、範囲YはユニットAにおいて、搬送ユニット6の異常が発生していない場合の、搬送ユニット6と所定の部材との間隔gに基づいてユーザーが設定する。ステップS100にて第1相対位置と第2相対位置との両方が第2範囲内であれば、床面の沈みの異常が発生していると判定する(S110)。ステップS100にて第1相対位置と第2相対位置とのうち少なくとも一方が第2範囲外であれば搬送ユニット6の異常と床面の沈みの異常の併発と判定する(S120)。
【0062】
ステップS90にて平均値P(BC)が閾値X以上と判定された場合は、同じ床面に配置されたユニットB、ユニットCにおいて間隔gの経時的な変化の傾向が異なるということであり、ユニットB、ユニットCが配置された床面が傾いていることを示す。判定部8は計測したユニットAにおける間隔g(第1相対位置と第2相対位置)は範囲Y(第2範囲)の範囲内か否かを判定する(S130)。ステップS130は床面の沈みの異常及び床面の傾きの異常に加え、搬送ユニット6の異常が併発しているか否かを判定するステップである。なお、ステップS130において、本実施形態では第1相対位置と第2相対位置に対し判定しているが最後に計測した間隔gについて判定してもよい。ステップS130にて第1相対位置と第2相対位置の両方が第2範囲内であれば、床面の沈みの異常及び床面の傾きの異常が発生していると判定する(S140)。ステップS130にて第1相対位置と第2相対位置とのうち少なくとも一方が第2範囲外であれば搬送ユニット6の異常と床面の沈みの異常及び床面の傾きの異常との併発と判定する(S150)。なお、ステップS50~ステップS150の工程は判定工程である。
【0063】
ステップS80、S110、S120、S140、S150にて判定されたのちに、判定部8は異常の結果を通知し(S160)、終了する。この異常の通知は、判定部8が送信部81に対し、表示制御部(不図示)へ異常に関連する情報を送信するよう制御し、表示制御部が表示部(不図示)へ異常に関連する情報を表示することでユーザーに異常を通知してもよい。或いは、判定部8は警告音を鳴らすよう制御し、音によりユーザーに異常を通知してもよい。また、異常が発生した場合には異常を通知するとともに、搬送ユニット6による搬送を停止する構成としてもよい。異常時に搬送ユニット6の搬送を停止することにより搬送ユニット6と基板等の部材の干渉を抑制することができる。
【0064】
図12は、本実施形態における搬送ユニット6と所定の部材との相対的な位置の変化に基づいて異常個所を判定するフローチャートの図11とは異なる例である。なお、図12は搬送ユニット6と同じ床面に配置されたユニットAと、異なる床面に配置されたユニットBとの2つの計測位置において計測を行い、異常を判定する例である。
【0065】
まず、各ユニットにおける所定の部材と搬送ユニット6との間隔gを計測する(S210)。そして、判定部8はステップS210における計測回数が所定計測回数に達したか否か、を判定する(S220)。ステップS220にて計測回数が所定計測回数に達していなければステップS210に戻る。ステップS220にて計測回数が所定計測回数に達していれば、判定部8は各ユニットにおける間隔を計測した計測回ごとの前回の計測結果からの差δを求める(S230)。そして、判定部8は各ユニット間の差δの差Δを求め、差Δの平均値Pを求める(S240)。
【0066】
次に、判定部8は各ユニットにおいて計測した間隔g(第1相対位置と第2相対位置)は範囲V(第1範囲)の範囲内か否かを判定する(S250)。ステップS250の判定は、異常の発生の有無についての判定である。なお、ステップS250において、本実施形態では第1相対位置と第2相対位置に対し判定しているが最後に計測した間隔gについて判定してもよい。ここで、範囲Vはユニット毎に設けられ、搬送ユニット6の異常及び床面の異常が発生していない場合の搬送ユニット6と所定の部材との間隔gに基づいてユーザーが設定する。ステップS250にて第1範囲内であれば、搬送ユニット6及び床面において異常なし、と判定し(S260)、終了する。
【0067】
ステップS250にていずれかのユニットの間隔(第1相対位置と第2相対位置のうちの少なくとも一方)が第1範囲外であると判定された場合は、ステップS270に進む。判定部8は搬送ユニット6と同じ床面に配置されたユニットAと、異なる床面に配置されたユニットBについての第1傾向と第2傾向との傾向の違いを示す平均値P(AB)は閾値W(第1閾値)未満か否かを判定する(S270)。ステップS270は床面の沈みの異常の発生の有無を判定するためのステップであり、異なる床面に配置されたユニットA、ユニットBの平均値P(AB)について判定することによりユニットA及びBの経時的な変化の傾向から異常個所を判定する。なお、閾値Wは床面の沈みの異常が発生しておらず搬送ユニット6の異常のみ発生している場合の搬送ユニット6と所定の部材との間隔gの経時的な変化に基づいてユーザーが設定する。平均値P(AB)が閾値W以上であれば少なくとも床面の沈みの異常が発生していると判定され、閾値W未満であれば床面の沈みの異常は発生していないと判定される。
【0068】
ステップS270において平均値P(AB)が閾値未満である場合は、異なる床面に配置されたユニットで経時的な変化の傾向が同様であるということを示し、前述のように床面の沈みの異常は発生していないと判定される。ここで、判定部8はステップS250において、異常ありと判定しており、ステップS270にて異常の原因が床面の沈みの異常の発生によるものでないと判定された場合は、搬送ユニット6の異常が発生していると判定される(S280)。
【0069】
そして、判定部8は計測したユニットAにおける間隔g(第1相対位置と第2相対位置)は範囲Y(第2範囲)の範囲内か否かを判定する(S290)。ステップS290は床面の沈みの異常に加え、搬送ユニット6の異常が併発しているか否かを判定するステップである。なお、ステップS290において、本実施形態では第1相対位置と第2相対位置に対し判定しているが最後に計測した間隔gについて判定してもよい。ステップS290にて第1相対位置と第2相対位置の両方が第2範囲内であれば、床面の沈みの異常が発生していると判定する(S300)。ステップS290にて第1相対位置と第2相対位置とのうち少なくとも一方が第2範囲外であれば搬送ユニット6の異常と床面の沈みの異常の併発と判定する(S310)。なお、ステップS250~ステップS310の工程は判定工程である。
【0070】
ステップS280、S300、S310にて判定されたのちに、判定部8は異常の結果を通知し(S320)、終了する。
【0071】
図13は、本実施形態における搬送ユニット6と所定の部材との相対的な位置の変化に基づいて異常個所を判定するフローチャートの図11図12とは異なる例である。なお、図13は搬送ユニット6と異なる床面に配置されたユニットBとユニットCとの2つの計測位置において計測を行い、異常を判定する例である。なお、ユニットBとユニットCは同じ床面に配置されているとする。
【0072】
まず、各ユニットにおける所定の部材と搬送ユニット6との間隔gを計測する(S410)。そして、判定部8はステップS410における計測回数が所定計測回数に達したか否か、を判定する(S420)。ステップS420にて計測回数が所定計測回数に達していなければステップS410に戻る。ステップS420にて計測回数が所定計測回数に達していれば、判定部8は各ユニットにおける間隔を計測した計測回ごとの前回の計測結果からの差δを求める(S430)。そして、判定部8は各ユニット間の差δの差Δを求め、差Δの平均値Pを求める(S440)。
【0073】
次に、判定部8は各ユニットにおいて計測した間隔g(第1相対位置と第2相対位置)は範囲V(第1範囲)の範囲内か否かを判定する(S450)。ステップS450の判定は、異常の発生の有無についての判定である。なお、ステップS450において、本実施形態では第1相対位置と第2相対位置に対し判定しているが最後に計測した間隔gについて判定してもよい。ここで、範囲Vはユニット毎に設けられ、搬送ユニット6の異常及び床面の異常が発生していない場合の搬送ユニット6と所定の部材との間隔gに基づいてユーザーが設定する。ステップS450にて第1範囲内であれば、搬送ユニット6及び床面において異常なし、と判定し(S460)、終了する。
【0074】
ステップS450にていずれかのユニットの間隔(第1相対位置と第2相対位置のうちの少なくとも一方)が第1範囲外であると判定された場合は、ステップS470に進む。次に、判定部8は搬送ユニット6と異なる床面に配置されたユニットB及びユニットCについての第1傾向と第2傾向との傾向の違いを示す平均値P(BC)は閾値X(第2閾値)未満か否か、を判定する(S470)。ステップS470は床面が傾いているか否かを判定するためのステップであり、同じ床面に配置されたユニットB、ユニットCの平均値P(BC)について判定することにより床面の傾きの異常の発生の有無について判定する。なお、閾値Xは床面の傾きの異常が発生しておらず搬送ユニット6の異常のみ発生している場合の搬送ユニット6と所定の部材との間隔gの経時的な変化に基づいてユーザーが設定する。平均値P(BC)が閾値X以上であれば床面の傾きの異常が発生していると判定され、閾値X未満であれば床面の傾きの異常は発生していないと判定される。なお、床面の傾きの異常が発生しているということは、床面の沈みの異常が発生していることでもある。
【0075】
ステップS470において平均値P(BC)が閾値未満である場合は、同じ床面に配置されたユニットで経時的な変化の傾向が同様であるということを示し、前述のように床面の傾きの異常は発生していないと判定される。ここで、判定部8はステップS450において、異常が発生していると判定しており、ステップS470にて床面の傾きの異常が発生していないと判定された場合は、搬送ユニット6の異常が発生していると判定する(S480)。
【0076】
ステップS470にて平均値P(BC)が閾値X以上と判定された場合は、同じ床面に配置されたユニットB、ユニットCにおいて間隔gの経時的な変化の傾向が異なるということであり、ユニットB、ユニットCが配置された床面が傾いていることを示す。判定部8は計測した各ユニットにおける間隔g(第1相対位置と第2相対位置)は範囲Y(第2範囲)の範囲内か否かを判定する(S490)。ステップS490は床面の傾きの異常に加え、搬送ユニット6の異常が併発しているか否かを判定するステップである。なお、ステップS490において、本実施形態では第1相対位置と第2相対位置に対し判定しているが最後に計測した間隔gについて判定してもよい。ステップS490にて第1相対位置と第2相対位置の両方が第2範囲内であれば、床面の傾きの異常が発生していると判定する(S500)。ステップS490にて第1相対位置と第2相対位置とのうち少なくとも一方が第2範囲外であれば搬送ユニット6の異常と床面の傾きの異常との併発と判定する(S510)。なお、ステップS450~ステップS510の工程は判定工程である。
【0077】
ステップS480、S500、S510にて判定されたのちに、判定部8は異常の結果を通知し(S520)、終了する。
【0078】
なお、本実施形態では判定部8が基板処理装置1内に配置された例を示したが、判定部8は基板処理装置1の外部に配置され、基板処理装置1と情報の通信を行う形態としてもよい。この場合、判定部8は基板処理装置1内で計測された間隔gの情報をもとに異常個所を判定し、判定結果を基板処理装置1に通知する。このような形態にすることにより、判定の処理にかかる負荷を基板処理装置1の外部で処理することができる。
【0079】
本実施形態によれば、搬送ユニット6と、複数の計測位置(異なる位置)に配置されたユニットの所定の部材(例えば基板)との間の間隔gから搬送ユニット6と所定の部材との相対的な位置を求めることができ、異常が発生している箇所を特定することができる。具体的には、第1計測工程と第2計測工程との計測結果に基づいて、搬送ユニット6の異常の発生の有無と複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無を判定できる。つまり、基板処理装置1がリソグラフィ装置である場合は、リソグラフィ装置の内部に異常が発生した場合に異常が発生している箇所を特定することができる。
【0080】
<第2実施形態>
本実施形態における判定部8は、第1実施形態の特徴に加えて搬送ユニット6のハンド65の基準位置を調整する制御(判定)を行うことを特徴とする。図14は本実施形態における搬送ユニット60の構成を示す図である。搬送ユニット60はZ軸方向に上下移動可能な駆動機構67を有しており、駆動機構67に駆動機構63が取り付けられている。これにより、駆動機構67が上下移動することで駆動機構63、駆動機構64、ハンド65も上下移動を行う。
【0081】
本実施形態における判定部8は異常個所と各ユニットにおける間隔gに基づいて各ユニットにハンド65を挿入するときの基準位置を調整するよう制御する。例えば、図6(b)のように床面の沈みの異常が発生している場合は、ハンド65と基板22との間の間隔gが狭いため基板ステージ5におけるハンド65を挿入する基準位置を-Z方向に調整する。このような調整により、ハンド65を基板ステージ5の基板22下へ挿入した際に、ハンド65が基板等の部材と干渉する可能性を低減する。具体的には、床面の沈みにより間隔gが0.2(mm)小さくなったとすると、沈み込んだ床面に配置されたユニットに対して、搬送ユニット6(ハンド65)の基準位置を-0.2(mm)分調整する。
【0082】
また、例えば、図7(b)のようにハンド65の垂れによる搬送ユニット6の異常が発生している場合は、ハンド65と基板22との間の間隔gが全てのユニットに対して所望の位置より小さくなる。この場合に、判定部8は全てのユニットにおけるハンド65を挿入する基準位置を-Z方向に調整するよう制御する。なお、この-Z方向への基準位置の調整量は、搬送ユニット6と所定の部材との間隔g(相対的な位置)により決定される。
【0083】
なお、基準位置の調整はユーザーが任意に行ってよく、例えば、異常が発生していると判定されていない箇所であってもそのほかの条件等を考慮し、ユーザーが基準位置の変更を行ってもよい。例えば、間隔gの測定では読み取れないわずかな高さ変動の発生を考慮し、所定ユニットに対してのみ基準位置を変更することも可能である。
【0084】
ここで、搬送ユニット6の基準位置の調整は、必ずしも計測を行ったユニットに対してのみ行わなくともよい。例えば、温度調整部3、プリアライメント部4、基板ステージ5に対し搬送ユニット6と所定の部材との間隔gを計測し、第2床面200において床面の異常が発生していると判定したとする。この場合に、第2床面200に計測を行っていないユニットがあるとすると、判定部8はこのユニットに対しても床面の異常の影響を考慮した搬送ユニット6の位置調整を行ってもよい。このような基準位置の調整は異常の種類を問わず行ってもよく、例えば、搬送ユニット6の異常が発生している場合に、計測していないユニットに対して基準位置の調整を行ってもよい。或いは、床面の異常については対象の床面に配置されたユニットについて基準位置の調整を行い、さらにその基準位置の調整に加えて計測したユニットについては計測した位置ずれ分だけ基準位置の調整を行ってもよい。
【0085】
このように、本実施形態の判定部8は異常個所と各ユニットにおける間隔gに基づいてハンド65の位置を調整する。この位置の調整は、異常個所に応じて一部のユニット又は全てのユニットに対して行われる。
【0086】
本実施形態によれば、異常個所に応じて搬送ユニット6の基準位置を調整することができ、搬送ユニット6と基板等の所定の部材との干渉の可能性を低減できる。また、基準位置の調整を計測していないユニットに対しても適用することで、装置全体として搬送ユニット6と基板等の所定の部材との干渉の可能性を低減できる。
【0087】
<第3実施形態>
本実施形態の判定部8は、第1実施形態と間隔gの判定方法について異なる。図15は本実施形態における搬送ユニット80の構成を示す図である。搬送ユニット80はハンド85を備えており、基板22をハンド85で保持し搬送する。ハンド85の上面には基板22を吸着保持するための吸引口86が備えられており、吸引口86は周囲の気体を排気する真空ポンプなどの排気部88と繋がっている。なお、吸引口86の配置は、基板22を吸着できれば図15に示す配置でなくともよく、例えばハンド85の全面に吸引口を配置してもよく、また吸引口を複数配置してもよく、特に限定しない。そして、排気部88と吸引口86を接続する排気流路には圧力を計測するセンサ(圧力センサ)89が備えられている。排気部88と吸引口86を接続する排気流路は、基板22とハンド85の間の空間に接続されているため、この排気流路の圧力を計測することは基板22とハンド85の間の空間の圧力を計測することと実質的に同じである。また、センサ89は基板22とハンド85の間の空間の圧力を計測できればよく、排気部88と吸引口86を接続する排気流路には配置せず、基板22とハンド85の間の空間の圧力を直接計測できる位置に配置してもよい。
【0088】
図15(b)は、載置台7に載置されている基板22を取得する搬送ユニット80を、図15(a)に示すγ方向から見た場合の図である。基板22は、載置台7の上面から突出している支持部材71の上に載置されており、ハンド85は基板22の下に挿入された状態から基板22に近づく方向に移動する。排気部88が排気を行いつつ、ハンド85が上昇移動し、ハンド85に基板22が吸着されることによりハンド85は基板22を保持し、載置台7から搬送ユニット80へ基板22の受け渡しを行う。ハンド85に基板22が吸着されることにより、搬送中の基板22の位置ずれを防ぎながら搬送することができる。また、基板22がハンド85に吸着されることで、基板22によって吸引口86が塞がれ排気流路中の圧力は大気圧より負圧側に変化する。センサ89により排気流路中の圧力の変化を検出することで、判定部8は基板22がハンド85に吸着されたことを検知する。つまり、センサ89の計測値から基板22がハンド85に吸着されたことがわかる。
【0089】
本実施形態の判定部8は、ハンド85が基板22を取得する際の、基板22を吸着するまでのハンド85と基板22との相対的な移動量を間隔gとする。つまり、図15(b)の例であればセンサ89が基板22を吸着したことを示す所定値となるまで、ハンド85が基板22を取得するために+Z方向に移動したときの移動量を間隔gとする。このように間隔gを求めることで間隔gを測定するためのセンサをユニット毎に設ける必要がなくなり装置を単純化することができる。
【0090】
<第4実施形態>
本実施形態は、第1~3実施形態に記載の判定方法を用いて物品を製造することを特徴とする。
【0091】
図16は本実施形態における物品の製造方法のフローチャートである。まず、搬送ユニットが複数の計測位置それぞれに移動したときの、複数の計測位置それぞれに対応する部材と搬送ユニットとの相対的な位置である第1相対位置を計測する第1計測工程(S600)を行う。そして、第1計測工程の後に、搬送ユニットが複数の計測位置それぞれに移動したときの、複数の計測位置それぞれに対応する部材と搬送ユニットとの相対的な位置である第2相対位置を計測する第2計測工程(S610)を行う。次に、第1計測工程と第2計測工程との計測結果に基づいて、搬送ユニットの異常の発生の有無と前記複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無とを判定する判定工程(S620)を行う。次に、搬送ユニットによって搬送された基板にパターンを形成する形成工程(S630)を行う。そして、形成工程でパターンが形成された基板から物品を製造する製造工程(S640)を行う。
【0092】
この製造方法で製造する物品は、例えば、半導体IC素子、液晶表示素子、カラーフィルタ、MEMS等である。
【0093】
形成工程は、例えば、パターン材料上に感光材料が塗布された基板(シリコンウエハ、ガラスプレート等)を露光装置(リソグラフィ装置)により露光することで、基板にパターンを形成する。
【0094】
製造工程は、例えば、パターンが形成された基板(感光材料)の現像、現像された基板に対するエッチング及びレジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージングの実施が含まれる。本製造方法によれば、従来よりも装置内の異常個所を迅速に特定し、異常個所に対し適切に対処を行うことができる。
【0095】
本明細書の開示は、以下の判定方法、判定装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法を含む。
【0096】
[項目1]
搬送ユニットが複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第1相対位置を計測する第1計測工程と、
前記第1計測工程の後に、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第2相対位置を計測する第2計測工程と、
前記第1計測工程と前記第2計測工程との計測結果に基づいて、前記搬送ユニットの異常の発生の有無と前記複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無とを判定する判定工程と、
を有することを特徴とする判定方法。
【0097】
[項目2]
前記第1計測工程と前記第2計測工程において、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置のうちの第1計測位置に移動したときの、前記第1計測位置に対応する第1部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である前記第1相対位置と前記第2相対位置との変化の傾向を示す第1傾向と、
前記第1計測工程と前記第2計測工程において、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置のうちの前記第1計測位置とは異なる第2計測位置に移動したときの、前記第2計測位置に対応する第2部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である前記第1相対位置と前記第2相対位置との変化の傾向を示す第2傾向と、
に基づいて前記判定工程における判定を行うことを特徴とする項目1に記載の判定方法。
【0098】
[項目3]
前記判定工程において、前記第1計測位置が前記搬送ユニットと同じ床面にあり、前記第2計測位置が前記搬送ユニットと異なる床面にある場合に、
前記第1相対位置と前記第2相対位置とのうち少なくとも一方が第1範囲外である場合に異常ありと判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが第1閾値未満の場合は前記床面の沈みの異常は発生しておらず前記搬送ユニットの異常が発生していると判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが前記第1閾値より大きい場合で、前記第1相対位置と前記第2相対位置との両方が第2範囲内である場合は前記床面の沈みの異常が発生していると判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが前記第1閾値より大きい場合で、前記第1相対位置と前記第2相対位置とのうち少なくとも一方が第2範囲外である場合は前記床面の沈みの異常と前記搬送ユニットの異常が併発していると判定する、
ことを特徴とする項目2に記載の判定方法。
【0099】
[項目4]
前記判定工程において、前記第1計測位置と前記第2計測位置とが同じ床面にある場合に、
前記第1相対位置と前記第2相対位置とのうち少なくとも一方が第1範囲外である場合に異常ありと判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが第1閾値未満の場合は前記床面の傾きの異常は発生しておらず前記搬送ユニットの異常が発生していると判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが前記第1閾値より大きい場合で、前記第1相対位置と前記第2相対位置との両方が第2範囲内である場合は前記床面の傾きの異常が発生していると判定し、
前記異常ありと判定されていて、前記第1傾向と前記第2傾向との違いが前記第1閾値より大きい場合で、前記第1相対位置と前記第2相対位置とのうち少なくとも一方が第2範囲外である場合は前記床面の傾きの異常と前記搬送ユニットの異常が併発していると判定する、
ことを特徴とする項目2に記載の判定方法。
【0100】
[項目5]
前記判定工程の判定結果に応じて、前記複数の計測位置のうちの1又は複数又は全ての計測位置における前記搬送ユニットの少なくとも一部を挿入する位置である基準位置を調整することを特徴とする項目1~4のうちいずれか1項に記載の判定方法。
【0101】
[項目6]
前記判定工程の判定結果に応じて、前記複数の計測位置に含まれていない位置においても前記基準位置を調整することを特徴とする項目1~5のうちいずれか1項に記載の判定方法。
【0102】
[項目7]
前記複数の計測位置それぞれに対応する部材は、基板であることを特徴とする項目1~6のうちいずれか1項に記載の判定方法。
【0103】
[項目8]
前記複数の計測位置は、基板を載置する基板ステージと、前記基板の温度を調整する温度調整部と、前記基板の位置合わせをするアライメント部とのうち少なくとも1つの位置を含むことを特徴とする項目1~7のうちいずれか1項に記載の判定方法。
【0104】
[項目9]
前記第1計測工程と前記第2計測工程における計測は、前記搬送ユニットの位置を検出するセンサを用いることを特徴とする項目1~8のうちいずれか1項に記載の判定方法。
【0105】
[項目10]
前記第1計測工程と前記第2計測工程における計測は、前記搬送ユニットと前記複数の計測位置それぞれに対応する部材との少なくとも一方を前記搬送ユニットと前記部材とが近づく方向に移動させたときの、前記搬送ユニットが前記部材を取得するまでの前記搬送ユニットと前記部材との相対的な移動量に基づいて前記相対的な位置を求めることを特徴とする項目1~9のうちいずれか1項に記載の判定方法。
【0106】
[項目11]
前記搬送ユニットが前記部材を取得したか否かの判定を、前記搬送ユニットと前記部材との間の圧力を計測する圧力センサの計測値に基づいて行うことを特徴とする項目10に記載の判定方法。
【0107】
[項目12]
前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置の計測は、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置それぞれに移動する毎に行われることを特徴とする項目1~11のうちいずれか1項に記載の判定方法。
【0108】
[項目13]
複数の計測位置それぞれに対応する部材と搬送ユニットとの相対的な位置に基づいて異常を判定する判定部を有し、
前記判定部は、
前記搬送ユニットが前記複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第1相対位置を計測し、
前記第1相対位置を計測した後に、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第2相対位置を計測し、
前記第1相対位置と前記第2相対位置とに基づいて、前記搬送ユニットの異常の発生の有無と前記複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無とを判定する、
ことを特徴とする判定装置。
【0109】
[項目14]
基板にパターンを形成するリソグラフィ装置であって、
前記リソグラフィ装置の内部において、搬送ユニットの異常の発生の有無と複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無とを判定する項目13に記載の判定装置と、
前記基板に前記パターンを形成するパターン形成部と、
を有することを特徴とするリソグラフィ装置。
【0110】
[項目15]
搬送ユニットによって搬送された基板にパターンを形成する形成工程と、
前記形成工程で前記パターンが形成された前記基板から物品を製造する製造工程と、
を有する物品の製造方法であって、
前記搬送ユニットが複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第1相対位置を計測する第1計測工程と、
前記第1計測工程の後に、前記搬送ユニットが前記複数の計測位置それぞれに移動したときの、前記複数の計測位置それぞれに対応する前記部材と前記搬送ユニットとの相対的な位置である第2相対位置を計測する第2計測工程と、
前記第1計測工程と前記第2計測工程との計測結果に基づいて、前記搬送ユニットの異常の発生の有無と前記複数の計測位置のうちのいずれかの位置における床面の異常の発生の有無とを判定する判定工程と、
を有することを特徴とする物品の製造方法。
【0111】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16