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特許7581308歯洗浄デバイス用のマウスピース、歯磨きの方法、マウスピースを備える歯洗浄デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】歯洗浄デバイス用のマウスピース、歯磨きの方法、マウスピースを備える歯洗浄デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/00 20060101AFI20241105BHJP
   A61C 17/16 20060101ALI20241105BHJP
   A61C 17/30 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
A61C17/00 Z
A61C17/16
A61C17/30 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022200454
(22)【出願日】2022-12-15
(62)【分割の表示】P 2020509417の分割
【原出願日】2018-04-26
(65)【公開番号】P2023030044
(43)【公開日】2023-03-07
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】2018786
(32)【優先日】2017-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】519383290
【氏名又は名称】デンタル・ロボティクス・グループ・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(72)【発明者】
【氏名】ヨッペ・ギディオン・ファン・デイク
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04224710(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102005009965(DE,A1)
【文献】特開昭61-064245(JP,A)
【文献】特開平07-008321(JP,A)
【文献】特表2013-504393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/00
A61C 17/16
A61C 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯を磨くためのマウスピースであって、
歯列弓の複数の歯を受け入れるように構成された支持構造であって、前記複数の歯に面する第1の内面を含む、支持構造と、
前記支持構造の第1の内面に結合された第1のブラッシングチャンバであって、前記第1のブラッシングチャンバは可撓性壁部を含み、前記可撓性壁部は、前記支持構造の第1の内面とは反対側の外側を有する、第1のブラッシングチャンバと、
位置決めチャンバであって、該位置決めチャンバは、前記第1のブラッシングチャンバと前記支持構造の第1の内面との間に配置される、位置決めチャンバと、
前記第1のブラッシングチャンバの可撓性壁部の外側から延在する複数のブリッスルのタフトであって、該複数のブリッスルのタフトは、別々に形成され、前記可撓性壁部に接着される、複数のブリッスルのタフトと、
を含み、前記第1のブラッシングチャンバの可撓性壁部は、前記第1のブラッシングチャンバ内の流体を交互に加圧および減圧することによって変形するように構成されるとともに、前記第1のブラッシングチャンバが加圧されるとき、凸形状をとるように構成される、マウスピース。
【請求項2】
前記可撓性壁部は、弾性材料から形成される、請求項1に記載のマウスピース。
【請求項3】
前記複数のブリッスルのタフトが、房付け(tufting)、接着、または溶接のうちの1つによって結合される、請求項1に記載のマウスピース。
【請求項4】
前記複数のブリッスルのタフトが、前記可撓性壁部に直接接着される、請求項1に記載のマウスピース。
【請求項5】
前記第1のブラッシングチャンバの前記可撓性壁部が、複数のタフト穴を備える、請求項1に記載のマウスピース。
【請求項6】
前記第1のブラッシングチャンバは、前記支持構造の第1の端部から前記支持構造の第2の端部まで延在する、請求項1に記載のマウスピース。
【請求項7】
前記支持構造が、剛性材料から形成される、請求項1に記載のマウスピース。
【請求項8】
前記支持構造は、第1の側部、第2の側部、および前記第1の側部と前記第2の側部を接続する中間部を含み、前記第1の側部は第1の内面を含み、前記第2の側部は第2の内面を含み、
第2のブラッシングチャンバは、前記支持構造の第2の内面に結合され、前記第2のブラッシングチャンバは、前記支持構造の第2の内面とは反対側の外側を有する可撓性壁部を含み、
第2の複数のブリッスルのタフトは、前記第2のブラッシングチャンバの可撓性壁部の外側から延び、
前記第2のブラッシングチャンバの可撓性壁部は、前記第2のブラッシングチャンバ内の流体を交互に加圧および減圧することによって変形するように構成される、請求項1に記載のマウスピース。
【請求項9】
前記中間部が、前記第1のブラッシングチャンバを前記第2のブラッシングチャンバから隔離する、請求項8に記載のマウスピース。
【請求項10】
前記複数の歯は、上顎歯列弓の複数の歯および下顎歯列弓の複数の歯を含み、前記支持構造は、前記上顎歯列弓の複数の歯と、前記下顎歯列弓の複数の歯を同時に受け入れるように構成される、請求項8に記載のマウスピース。
【請求項11】
前記第1および第2のブラッシングチャンバの前記可撓性壁部は、前記複数の歯の顔面、舌面、および咬合面と係合するように構成される、請求項8に記載のマウスピース。
【請求項12】
複数のブラッシングチャンバをさらに含み、前記第1のブラッシングチャンバおよび第3のブラッシングチャンバの両方が、前記複数の歯の顔面、舌面、または咬合面のうちの1つと係合するように構成される、請求項1に記載のマウスピース。
【請求項13】
前記第1のブラッシングチャンバおよび前記第3のブラッシングチャンバの両方が、前記複数の歯のうちの単一の歯の顔面、舌面、または咬合面のうちの1つと係合するように構成される、請求項12に記載のマウスピース。
【請求項14】
歯を磨くためのマウスピースであって、
歯列弓の複数の歯を受けるように構成された支持構造であって、該支持構造は、第1の側部、第2の側部、および前記第1の側部と前記第2の側部を接続する中間部を備え、前記第1の側部は前記複数の歯の上顎歯列弓に面する第1の内面を備え、前記第2の側部は、前記複数の歯の下顎歯列弓に面する第2の内面を備える、支持構造と、
前記支持構造の第1の内面に結合された第1のブラッシングチャンバであって、前記第1のブラッシングチャンバは可撓性壁部を含み、前記可撓性壁部は、前記支持構造の第1の内面とは反対側の外側を有する、第1のブラッシングチャンバと、
位置決めチャンバであって、該位置決めチャンバは、前記第1のブラッシングチャンバと前記支持構造の第1の内面との間に配置される、位置決めチャンバと、
前記支持構造の第2の内面に結合された第2のブラッシングチャンバであって、前記第2のブラッシングチャンバは可撓性壁部を備え、前記可撓性壁部は、前記支持構造の第2の内面とは反対側の外側を有する、第2のブラッシングチャンバと、
前記第1および第2のブラッシングチャンバの可撓性壁部の外側から延びる複数のブリッスルと、
を含み、前記第1および第2のブラッシングチャンバの可撓性壁部は、前記第1および第2のブラッシングチャンバ内の流体を交互に加圧および減圧することによって変形するように構成される、マウスピース。
【請求項15】
前記複数のブリッスルが、複数のブリッスルのタフトであり、前記複数のブリッスルのタフトはそれぞれ別々に形成され、前記可撓性壁部に接着される、請求項14に記載のマウスピース。
【請求項16】
複数のブラッシングチャンバをさらに備え、前記第1のブラッシングチャンバおよび第3のブラッシングチャンバの両方が、前記複数の歯の顔面、舌面、または咬合面のうちの1つと係合するように構成される、請求項14に記載のマウスピース。
【請求項17】
前記第1のブラッシングチャンバおよび前記第3のブラッシングチャンバの両方が、前記複数の歯のうちの単一の歯の顔面、舌面、または咬合面のうちの1つと係合するように構成される、請求項16に記載のマウスピース。
【請求項18】
歯を磨くためのマウスピースであって、
歯列弓の複数の歯を受け入れるように構成された支持構造であって、前記複数の歯に面する第1の内面を含む、支持構造と、
前記支持構造の第1の内面に結合された第1の位置決めチャンバと、
前記第1の位置決めチャンバに結合された第1のブラッシングチャンバであって、該第1のブラッシングチャンバは可撓性壁部を含み、該可撓性壁部は、前記支持構造の第1の内面とは反対側の外側を有する、第1のブラッシングチャンバと、
前記第1のブラッシングチャンバの可撓性壁部の外側から延びる複数のブリッスルと、
を含み、前記第1のブラッシングチャンバの可撓性壁部は、前記第1のブラッシングチャンバ内の流体を交互に加圧および減圧することによって変形するように構成される、マウスピース。
【請求項19】
前記支持構造は、第1の側部、第2の側部、および前記第1の側部と前記第2の側部を接続する中間部を含み、前記第1の側部は第1の内面を含み、前記第2の側部は第2の内面を含み、
第2の位置決めチャンバは、前記支持構造の第2の内面に結合され、
第2のブラッシングチャンバは、前記第1の位置決めチャンバに結合され、かつ前記支持構造の第2の内面とは反対側の外側を有する可撓性壁部を含み、
第2の複数のブリッスルは、前記第2のブラッシングチャンバの可撓性壁部の外側から延び、
前記第2のブラッシングチャンバの可撓性壁部は、前記第2のブラッシングチャンバ内の流体を交互に加圧および減圧することによって変形するように構成される、請求項1に記載のマウスピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯洗浄デバイスの分野に関し、詳細には歯洗浄デバイス用のマウスピースに関する。本発明は、歯磨きの方法にさらに関する。本発明は、本発明のマウスピースを備える歯洗浄デバイスにさらに関する。このマウスピースは、人間または動物の口腔の数本の歯またはすべての歯を同時に磨くように構成されてもよい。
【背景技術】
【0002】
人間および動物の歯の洗浄は、口腔衛生、および内蔵器官の健康の必須条件である。手動および電動の歯ブラシなどの様々な歯洗浄デバイスが利用可能である。このような典型的な歯ブラシを用いる場合、歯垢を効果的に除去するには少なくとも1日当たり2分間所定の方法によって歯を磨くことが勧められている。しかしながら、平均的な人がこの所定の時間のすべてを歯の洗浄に費やしているとは限らず、常に有効な方法に従って磨いているとは限らない。さらに、典型的な歯ブラシでは歯の様々な表面にブラシのブリッスルを正確に位置させる必要があるので、高齢者もしくは障害者または子供が歯ブラシで歯を磨くのは難しい場合がある。さらに、歯磨き時に人はブラシのブリッスルに過度に高い圧力を加えることがあり、それによってブリッスルが急速にかつ過度に摩耗するだけでなく、歯磨きプロセスも効果的でなくなり、歯が損傷を受け、歯茎が下がる場合があり、それによって歯の衛生が悪影響を受ける。
【0003】
歯を自動的に洗浄し、それによって、効果的な歯磨きに必要な時間を短縮しその労力を低減させる必要がある。さらに、ブラシを慎重に操作する必要がある。
【0004】
上顎歯列弓と下顎歯列弓の両方を覆うマウスピースを備える歯洗浄デバイスが知られている。そのようなマウスピースは、ブリッスルを有するブラッシング面を備え、このようなブラッシング面が自動的に動かされてすべての歯が完全に洗浄される。
【0005】
公知の歯洗浄デバイスのマウスピースおよびブラシング面では、ユーザの歯列弓の形状にぴったりと適合するように調整する必要がある。マウスピースは、あらゆる歯表面を洗浄することができる必要がある。しかし、歯列は、大きさが様々であること、不正皎合、欠損歯などに起因してそれぞれに異なるユーザ間の違いが大きい。したがって、調整可能なマウスピースを有する歯洗浄デバイスが必要である。
【0006】
米国特許出願公開第2010/0062397号明細書は、マウスピースを有する電動歯洗浄デバイスを開示している。この公知のマウスピースは、歯の上顎歯列弓を洗浄するための上部と歯の下顎歯列弓を洗浄するための下部とを有する。この公知のマウスピースの上部および下部はどちらも、各々がブラシパッドを有し、各ブラシパッドは、U字形断面を有するとともに、U字形の内側にブリッスルを有する。この2つのブラシパッドは、パッドのU字形の底部が互いに向き合うように位置し、上部ブラシパッドのUの脚が、下方を向く下部ブラシパッドのU字形の脚とは逆に上方を向くように位置している。ブラシパッドは、剛性があるブラシプレートをU字形の外側に備える。これらのU字形ブラシパッドは、U字形の脚の方向において歯の自由端部/頂部に対して上下に駆動される。いくつかの実施形態では、マウスピースの上顎歯列弓と下顎歯列弓との間にブラダが位置してもよく、ブラダに対して空気圧および吸引を交互に加えるかまたは空気圧および吸引を加えて振動させて、底部ブラシプレートを上下に動かしてもよく、それにより、U字形のブラシパッドが上下に動き、それによって歯磨きが行われる。
【0007】
米国特許出願公開第2010/0062397号明細書によるマウスピースの一実施形態では、マウスピースは、側部ブラシプレートが、柔軟なフィンガーおよび/またはブラダを使用することによって歯の舌側および顔側に接触して配置されるように調整可能であり、フィンガーおよび/またはブラダは、静圧を加えてブラシプレートのブリッスルの先端を歯の舌側および顔側に係合させ、一方、上下に移動させ、静圧の方向に対して横方向に移動させるとともに、一方向において歯の舌側および顔側に沿って移動させるように構成される。
【0008】
米国特許出願公開第2010/0062397号明細書では、U字形ブラシパッドが互いに接近し分離するように移動させられるに過ぎないので、ブラッシング運動は、1-D運動(一次元運動)のみである。
【0009】
米国特許出願公開第2010/0062397号明細書によるマウスピースは、ブラッシング動作が限定されるという欠点を有する。その理由は、ブラシパッド上のブリッスルが、剛性があるプレート上に取り付けられるので歯のすべての表面に到達するうえで限定された機能を有するからである。
【0010】
米国特許第4,795,347号は、対応する欧州特許出願公開第0173114号を有し、歯を洗浄するためのデバイスのいくつかの実施形態を開示しており、これらのデバイスは、言わば一度に1つの歯を洗浄するために一度に1つの歯を包み込むことを目的とした2種類のデバイスに分類することができる。米国特許第4,795,347号の図1図9に示す第1の種類のデバイスは、手によってブリッスルのブラッシング運動が行われている間、すなわち、ブラシヘッドが、通常の歯ブラシと同様なブラシヘッドを歯に沿って移動させるように操作されるハンドグリップ上に取り付けられている間、歯に対するブリッスルの静的ブラッシング圧力を確保する。この第1のタイプでは、個々のブリッスルタフトと歯との間の洗浄接触圧が全体にわたって少なくともほぼ等しくなることを確保するように単一の圧力チャンバまたは互いに対向する2つの圧力バブルが使用されてもよい。
第1のタイプでは、手によってタフトのブラッシング運動が行われる間、第2のタイプによるデバイスのブラッシング運動が駆動装置によって自動的に行われる。第2のタイプのデバイスは、米国特許第4,795,347号の図10図21に示されており、タフトが歯表面に対して2-D運動(二次元運動)を実行するように駆動されるように設計される。各タフトは、歯列弓に垂直な平面において、すなわち、洗浄される歯まで移動するように駆動される。第1の段階では、タフトは、歯の方へ移動させられて歯に押し付けられ、その後タフトは歯表面に沿って歯茎から歯軸方向おいて歯の頂部/歯冠の方へ移動させられ、その後タフトを歯から離れるように移動させて圧力を低下させ、タフトを頂部/歯冠から歯の歯茎の方へ戻し、次のサイクルを開始する。この第2のタイプでは、タフトを駆動してこの2-D運動を実行するために圧力バブルが使用されてもよい。これらの実施形態では、タフトは、圧力バブルがロッカーアームを介して直接または間接的に作用する剛性がある洗浄要素キャリア上に取り付けられる。
【0011】
米国特許第4,795,347号明細書による自動化マウスピースは、ブラッシング動作が制限されるという欠点を有する。その理由は、タフトが、剛性があるキャリア上に取り付けられるので歯のすべての表面に到達するうえで制限された機能を有するからである。
このマウスピースのさらなる欠点は、自動的に洗浄されるのは一度に1本の歯に過ぎず、すべての歯を洗浄するには、米国特許第4,795,347号の自動化マウスピースをすべての歯に沿って手動で移動させる必要があり、時間がかかり、かつすべての歯が十分に洗浄されるとは限らないというリスクを伴う。
【0012】
したがって、複数の歯を同時に洗浄するうえで高速で完全な自動歯洗浄デバイスが依然として必要である。さらに、ユーザによる労力をなるべく少なくする自動歯洗浄デバイスが依然として必要である。さらに、実質的にすべての歯表面に効果的に到達する自動歯洗浄デバイスが依然として必要である。さらに、洗浄される歯の適切で十分な洗浄を確実に行う自動歯洗浄デバイスが依然として必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】米国特許出願公開第2010/0062397号明細書
【文献】米国特許第4,795,347号明細書
【文献】欧州特許出願公開第0173114号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
歯洗浄デバイス、特に自動歯洗浄デバイス用の代替マウスピースを提供することが望ましい。歯洗浄デバイス用の改良されたマウスピースを提供することも望ましい。マウスピースを備えた歯洗浄デバイスを提供することがさらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの問題のうちの1つまたは複数によりうまく対処するために、本発明の第1の態様ではマウスピースが提供される。このマウスピースは、歯列弓の複数の歯を包み込むように構成された支持構造であって、歯表面に面するように構成された内面を有する支持構造と、支持構造の内面側に設けられた少なくとも1つのブラッシングチャンバであって、可撓性壁部を備え、可撓性壁部がブラッシングチャンバを加圧または減圧することによって変形可能である、ブラッシングチャンバと、ブラッシングチャンバの可撓性壁部から外側に延びるブリッスルとを備える。
【0016】
本発明のマウスピースでは、可撓性壁部がブリッスルの基礎を形成する。本発明のマウスピースは、ブラッシングチャンバの可撓性壁部に直接接続されたブリッスルを有し、それによって、各ブリッスルまたはブリッスルのタフトの向き、すなわち、空間内のブリッスルまたはブリッスルのタフトの(概略的な)長手方向が、ブリッスルまたはブリッスルのタフトが接続されるかまたは取り付けられた可撓性壁部の部分の向きによって決定される。次いで、この形状は、ブラッシングチャンバの加圧または減圧の範囲で決定される。
したがって、経時的にブラッシングチャンバ内の圧力を変化させることによってブリッスルまたはブリッスルのタフトの向きが経時的に変更される。ブラッシングチャンバ、または相互に異なる加圧サイクルまたは減圧サイクルを有することができる複数のブラッシングチャンバを適切に設計することによって、ブリッスルまたはブリッスルのタフトの歯に対する適切で効果的なブラッシング動作を実現することができる。ブラッシングチャンバの可撓性壁部は、1本または複数の歯が欠損している場合も、ブリッスルまたはブリッスルのタフトが、歯間表面を含む歯のほぼ全体によりうまく到達するのを可能にする。
【0017】
第1の態様のより具体的な実施形態によれば、本発明は、上顎歯列弓および下顎歯列弓において磨くべき複数の歯を包み込むための、請求項1によるマウスピースを提供する。
上顎歯列弓および下顎歯列弓の各々は、舌側面と、顔側面と、大臼歯の皎合面および切歯の切縁とを備える歯表面を有し、舌側面はユーザの舌に面し、顔側面はユーザの顔に面し、上顎歯列弓の皎合面および切縁は、それぞれユーザの下顎歯列弓の皎合面および切縁に面する。マウスピースは、歯列弓の複数の歯を包み込むように構成された支持構造を備え、磨くべき歯の歯表面に面するように構成された内面を有する。
【0018】
マウスピースは、支持構造の内面の側に設けられた少なくとも1つのブラッシングチャンバをさらに備える。少なくとも1つのブラッシングチャンバは可撓性壁部を備え、可撓性壁部は、ブラッシングチャンバとは反対側を向いた外側を有する。少なくとも1つのブラッシングチャンバは、その可撓性壁部の外側、すなわち、上顎歯列弓および下顎歯列弓において磨くべき歯の舌側面および顔側面および皎合面および切縁に面するように構成される。マウスピースは、可撓性壁部の外側に設けられ、可撓性壁部の外側から歯表面まで延びるブリッスルをさらに備える。少なくとも1つのブラッシングチャンバの可撓性壁部は、少なくとも1つのブラッシングチャンバ内の流体の加圧および減圧を交互に行うことによって変形可能になるように構成される。このことはすべて、可撓性壁部上のブリッスルが上顎歯列弓および下顎歯列弓のすべての包含される歯ならびに関連する歯茎、または歯が欠損している場合は、かつて1つまたは複数の歯が存在した隙間に関連する歯茎に同時に到達することができることを意味する。
【0019】
本発明の第1の態様のさらなる実施形態によれば、マウスピースは、少なくとも1つのブラッシングチャンバと流体連通し、少なくとも1つのブラッシングチャンバへの流体の供給と少なくとも1つのブラッシングチャンバからの流体の排出を交互に行って、少なくとも1つのブラッシングチャンバ内の流体の加圧と減圧を交互に行うのを可能にするように構成された、少なくとも1つの流体開口部をさらに備える。
【0020】
本発明の第1の態様の別のさらなる実施形態によれば、可撓性壁部は弾性材料で作られる。弾性の可撓性壁部は、減圧時に可撓性壁部が戻る際に可撓性壁部を助ける。
【0021】
本発明の第1の態様の別のさらなる実施形態によれば、ブリッスル(またはブリッスルを有するタフト)は、少なくとも1つのブラッシングチャンバの可撓性壁部に直接接続される。「ブリッスルがブラッシングチャンバに直接接続される」は、機械的な観点からは、ブリッスル(またはタフト)がそれぞれのブリッスル(またはタフト)のすぐ隣の可撓性壁部の向きに従うのを妨げる中間構成要素がブリッスルとブラッシングチャンバとの間になく、言い換えれば、「ブリッスルは、少なくとも1つのブラッシングチャンバの可撓性壁部に直接接続され、それによって、各ブリッスルまたはブリッスルのタフトの長手方向が、ブリッスルまたはブリッスルのタフトが接続されるかまたは取り付けられる可撓性を有しかつ変形可能な壁部の部分の向きによって決定される」ことを意味する。
【0022】
本発明の第1の態様のさらなる実施形態によれば、ブリッスルは、少なくとも1つのブラッシングチャンバが加圧されたときに上顎歯列弓または下顎歯列弓の舌側面、顔側面、および皎合面または切縁の少なくとも1つに係合するように構成される。
【0023】
支持構造のアクセス長さを回避するために、本発明の第1の態様のさらなる実施形態によれば、少なくとも1つのブラッシングチャンバは、上顎歯列弓および下顎歯列弓の長さ方向において見たときに、支持構造の全長に沿って延びることが構想される。支持構造のアクセス長によってユーザの不要な不快感が生じる。
【0024】
本発明の第1の態様のさらなる実施形態によれば、少なくとも1つのブラッシングチャンバは、上顎歯列弓および下顎歯列弓の複数の歯を包み込む使用時に、上顎歯列弓および下顎歯列弓の長さ方向において見たときに、上顎歯列弓および下顎歯列弓の左部分、前部分、および右部分に沿って延びるように構成される。これによって、一気にすべての歯を包み込み、すべての歯および関連する歯茎、または歯が欠損している場合は、かつて1つまたは複数の歯が存在した隙間に関連する歯茎を洗浄するのが可能になる。
【0025】
高齢者では生まれつきの大臼歯がすべて欠損することが多いことを考慮して、本発明の第1の態様によるマウスピースでは、ブラッシングチャンバは、上顎歯列弓および下顎歯列弓の少なくとも切歯、犬歯、および小臼歯を包み込むように構成されることが構想される。
【0026】
本発明の第1の態様のさらなる実施形態によれば、支持構造は、少なくとも1つのブラッシングチャンバの可撓性壁部に対して剛性を有する。少なくとも1つのブラッシングチャンバを加圧する際に、この加圧によってブラッシングチャンバが、歯の洗浄に有効ではない方向において過度に増大することはないことを確保する。この過度の増大によって、ユーザの口腔内部でマウスピースが「広がり」、加圧によるすべての圧力が歯に集中するとは限らなくなる。そのような広がりは、ユーザによって不快に感じられ、少なくとも1つのブラッシングチャンバが過度に増大すると、加圧に必要な流体およびエネルギーが増す。
【0027】
本発明の第1の態様のさらなる実施形態によれば、マウスピースは、前記少なくとも1つの圧力チャンバにおける1つまたは複数の圧力チャンバを加圧し、同時に前記少なくとも1つの圧力チャンバにおける1つまたは複数の他の圧力チャンバを減圧するように構成される。言い換えれば、複数のブラッシングチャンバの場合、これらのブラッシングチャンバは、それぞれに異なる瞬間に互いに位相をずらして加圧され減圧されるように動作されてもよい。
【0028】
本発明の第1の態様のさらなる実施形態によれば、ブリッスルは、少なくとも1つのブラッシングチャンバの可撓性壁部に取り付けられる。
【0029】
本発明の第2の態様では、歯磨きの方法であって、本発明の第1の態様によるマウスピースによって磨くべき複数の歯を包み込むステップと、少なくとも1つの前記ブラッシングチャンバの加圧と減圧を交互に行うステップとを含む方法が提供される。
【0030】
言い換えれば、本発明の第2の態様では、歯磨きの方法であって、
歯表面に面する内面を有する支持構造を備えるマウスピースによって歯列弓の複数の歯を包み込むステップと、
支持構造の内面側に設けられた少なくとも1つのブラッシングチャンバを加圧し減圧するステップであって、少なくとも1つのブラッシングチャンバが、ブラッシングチャンバの可撓性壁部から外側に延びるブリッスルを有する可撓性壁部を備える、ステップとを含む方法が提供される。
【0031】
本発明の第3の態様では、歯洗浄デバイスが提供される。歯洗浄デバイスは、本発明によるマウスピースを備える。
【0032】
本発明の第3の態様のさらなる実施形態によれば、歯洗浄デバイスは、少なくとも1つのブラッシングチャンバと流体連通するように構成され、かつ流体によって少なくとも1つのブラッシングチャンバの加圧と減圧を交互に行うように構成された圧力デバイスをさらに備える。
【0033】
本発明の第3の態様のさらなる実施形態によれば、歯洗浄デバイスは、少なくとも1つのブラッシングチャンバと流体連通する少なくとも1つの第1の流体末端との第1の接触面部分と、圧力デバイスと流体連通する少なくとも1つの第2の流体末端との第2の接触面部分を有する接触面をさらに備え、第1の接触面部分および第2の接触面部分は、互いに脱着可能に結合されるように構成され、それによって、結合状態では、前記少なくとも1つの流体末端が前記少なくとも1つの第2の流体末端と流体連通する。
【0034】
本発明の第3の態様のさらなる実施形態によれば、前記少なくとも1つの第1の流体末端の数が、前記少なくとも1つの第2の流体末端の数に対応する。
【0035】
本発明の第3の態様のさらなる実施形態によれば、圧力デバイスはさらに、前記少なくとも1つの圧力チャンバにおける1つまたは複数の圧力チャンバを加圧し、一方、前記少なくとも1つの圧力チャンバにおける1つまたは複数の他の圧力チャンバを減圧するように構成される。
【0036】
本発明のこれらの態様および他の態様は、以下の詳細な説明を参照することによって理解され、かつ添付の図面に関連して検討されたときに、より容易に理解されよう。図面において、同様の参照符号は同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明によるマウスピースの一実施形態の概略部分断面上面図である。
図2a】本発明によるマウスピースの一実施形態の、異なる一動作状態における概 略断面図である。
図2b】本発明によるマウスピースの一実施形態の、異なる一動作状態における概 略断面図である。
図2c】本発明によるマウスピースの一実施形態の、異なる一動作状態における概 略断面図である。
図3】本発明によるマウスピースのさらなる実施形態の概略部分断面上面図である 。
図4a】本発明によるマウスピースのさらなる実施形態の、異なる一動作状態にお ける概略断面図である。
図4b】本発明によるマウスピースのさらなる実施形態の、異なる一動作状態にお ける概略断面図である。
図4c】本発明によるマウスピースのさらなる実施形態の、異なる一動作状態にお ける概略断面図である。
図5a】本発明によるマウスピースの一実施形態の、異なる一動作状態における概 略断面図である。
図5b】本発明によるマウスピースの一実施形態の、異なる一動作状態における概 略断面図である。
図5c】本発明によるマウスピースの一実施形態の、異なる一動作状態における概 略断面図である。
図6a】本発明によるマウスピースの一実施形態の、異なる一動作状態における概 略断面図である。
図6b】本発明によるマウスピースの一実施形態の、異なる一動作状態における概 略断面図である。
図6c】本発明によるマウスピースの一実施形態の、異なる一動作状態における概 略断面図である。
図7a】位置決めチャンバとブラッシングチャンバを比較する本発明によるマウス ピースのさらなる実施形態の、異なる一動作状態における概略断面図である。
図7b】位置決めチャンバとブラッシングチャンバを比較する本発明によるマウス ピースのさらなる実施形態の、異なる一動作状態における概略断面図である。
図7c】位置決めチャンバとブラッシングチャンバを比較する本発明によるマウス ピースのさらなる実施形態の、異なる一動作状態における概略断面図である。
図7d】位置決めチャンバとブラッシングチャンバを比較する本発明によるマウス ピースのさらなる実施形態の、一動作状態における概略断面図である。
図8】ブラダを備えるブラッシングチャンバの一実施形態の概略断面図である。
図9】各々がブラダを備えるブラッシングチャンバを備える本発明によるマウスピ ースのさらなる実施形態の概略断面図である。
図10a】ブラッシングチャンバの一実施形態の概略断面図である。
図10b図10aのブラッシングチャンバと同様に構成されたブラッシングチャ ンバを備える本発明によるマウスピースのさらなる実施形態の概略断面図である。
図10c図10aのブラッシングチャンバと同様に構成されたブラッシングチャ ンバを備える本発明によるマウスピースのさらなる実施形態の概略断面図である。
図10d図10aのブラッシングチャンバと同様に構成されたブラッシングチャ ンバを備える本発明によるマウスピースのさらなる実施形態の概略断面図である。
図11】ブラッシングチャンバの異なるさらなる実施形態の概略断面図である。
図12】ブラッシングチャンバの異なるさらなる実施形態の概略断面図である。
図13】ブラッシングチャンバの異なるさらなる実施形態の概略断面図である。
図14】一体的なブリッスルを有するブラッシングチャンバの可撓性壁部の概略断 面図である。
図15】ブリッスルが埋め込まれたブラッシングチャンバの可撓性壁部の概略断面 図である。
図15a】ブリッスルが埋め込まれたブリッスル支持体の一実施形態の概略上面図 である。
図16】ブリッスルのタフトを収容するための窪みを有するブラッシングチャンバ の可撓性壁部の概略断面図である。
図17a】ブリッスルのタフトが接着されたブラッシングチャンバの可撓性壁部の 概略断面図である。
図17b】ブリッスルのタフトが接着されたブラッシングチャンバの可撓性壁部の 概略断面図である。
図18】ブリッスル支持体を収容するための窪みを有するブラッシングチャンバの 可撓性壁部の概略部分断面図である。
図19】ブリッスル支持体が埋め込まれたブラッシングチャンバの可撓性壁部の概 略部分断面図である。
図20】ブリッスル支持体上に事前に束ねられたブリッスルのタフトを収容するた めの貫通孔を備えるブラッシングチャンバの可撓性壁部の概略部分断面図である。
図21】ブリッスル支持体が可撓性壁部の外面に接着されたブラッシングチャンバ の可撓性壁部の概略部分断面図である。
図22】ハンドル部材とそれに結合されたマウスピースとを備える歯洗浄デバイス の概略部分切欠き斜視図である。
図23】マウスピースに結合された(マウスピースと流体連通する)流体加圧およ び減圧デバイスの第1の実施形態を示す概略図である。
図24】マウスピースに結合された(マウスピースと流体連通する)流体加圧およ び減圧デバイスの第2の実施形態を示す概略図である。
図25】マウスピースに結合された(マウスピースと流体連通する)流体加圧およ び減圧デバイスの第3の実施形態を示す概略図である。
図26】マウスピースに結合された(マウスピースと流体連通する)流体加圧およ び減圧デバイスの第4の実施形態を示す概略図である。
図27】マウスピースに結合された(マウスピースと流体連通する)流体加圧およ び減圧デバイスの第5の実施形態を示す概略図である。
図28a】マウスピース内の洗浄流体構成の第1の実施形態の概略断面図である。
図28b】マウスピース内の洗浄流体構成の第1の実施形態の概略上面図である。
図29a】マウスピース内の洗浄流体構成の第2の実施形態の概略断面図である。
図29b】マウスピース内の洗浄流体構成の第2の実施形態の概略上面図である。
図30a】マウスピース内の洗浄流体構成の第3の実施形態の概略断面図である。
図30b】マウスピース内の洗浄流体構成の第3の実施形態の概略上面図である。
図31】3つの直交軸の系が歯列弓をどのように画定するかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図31は、x軸x、y軸y、およびz軸zを含む、相互に直交する軸の系を示す。z軸zは、歯列弓1の外郭に従う曲線軸である。x軸xとy軸yは互いに垂直であり、歯列弓1に垂直なxy平面を定め、すなわち、z軸上の位置で交差する各xy平面は、その位置において曲線状のz軸zに垂直である。z軸zは、歯列弓1の長さ方向を定める。歯列弓は、歯が欠損していることに起因する隙間を示す参照符号2および3によって示すように1つまたは複数の歯部材が欠損することがある。1本または複数の歯要素が欠損している場合、このような位置における歯茎を洗浄すべきである。
【0039】
図1は、マウスピース10の一実施形態を示し、マウスピース10は、歯列弓の複数の歯を包み込むように構成された支持構造11を備える。支持構造11は、(比較的)剛性の高い材料から作られてもよく、歯表面に面するように構成された内面12を有する。
【0040】
マウスピース10は、支持構造11の内面12の側に設けられた複数のブラッシングチャンバ13a、13b、13cを備える。図1の実施形態では、第1のブラッシングチャンバ13aは、上顎歯列弓または下顎歯列弓の舌側面に面するように構成され、第2のブラッシングチャンバ13bは、上顎歯列弓または下顎歯列弓の顔側面に面するように構成され、第3のブラッシングチャンバ13cは、歯列弓の皎合面または切縁に面するように構成される。
【0041】
第1のブラッシングチャンバ13aは、第1の流体流路14aを通して第3のブラッシングチャンバ13eに接続される(第3のブラッシングチャンバ13cと流体連通する)。第2のブラッシングチャンバ13bは、第2の流体流路14bを通して第3のブラッシングチャンバ13cに接続される(第3のブラッシングチャンバ13cと流体連通する)。
【0042】
マウスピース10は、第2のブラッシングチャンバ13bに接続された(第2のブラッシングチャンバ13bと連通する)マウスピース流体流路末端14cを備えるマウスピース接触面16を備える。マウスピース接触面16は、以下により詳しく説明する歯洗浄デバイスの一部となるように構成されたマウスピース10を、ハンドル部材などの、歯洗浄デバイスの別の部分に結合するように構成される。
【0043】
マウスピースの支持構造は、上顎歯列弓の複数の歯もしくはすべての歯および/または下顎歯列弓の複数の歯もしくはすべての歯を包み込むように構成されてもよいことに留意されたい。マウスピースの支持構造が、上顎歯列弓のみの複数の歯もしくはすべての歯、または下顎歯列弓のみの複数の歯もしくはすべての歯を包み込むように構成される場合、支持構造の断面の少なくとも一部はU字形またはV字形である。マウスピースの支持構造が、上顎歯列弓と下顎歯列弓の両方の複数の歯またはすべての歯を包み込むように構成される場合、支持構造の断面の少なくとも一部はH字形またはX字形である。
【0044】
各ブラッシングチャンバ13a、13b、13cは、それぞれの可撓性壁部17a、17b、17cを備え、可撓性壁部17a、17b、17cは、ブラッシングチャンバ13a、13b、13cを加圧または減圧することによって変形可能である。
【0045】
本開示全体にわたって、「加圧する」という用語は、「圧力を環境圧よりも低い圧力から高めること」または「環境圧よりも高い圧力を加えること」と考えるべきであり、「減圧する」という用語は、「圧力を環境圧よりも高い圧力から低下させること」または「真空を含む、環境圧よりも低い圧力を加えること」と考えるべきである。
【0046】
以下の図により詳細に示すように、ブリッスルは、ブラッシングチャンバの可撓性壁部から外側に延びる。ブリッスルは、ブラッシングチャンバの可撓性壁部の外面に対して実質的に直角、または60度を超える鋭角に延びる。ブリッスルは、歯列弓の歯表面に向けられる。ブリッスルはさらに、歯表面に隣接する歯茎の領域に向けられてもよい。
【0047】
第1のブラッシングチャンバ13aは、第1のブラッシングチャンバ13a内への流体の供給および第1のブラッシングチャンバ13aからの流体の排出によってそれぞれ、第1のブラッシングチャンバ13aを加圧し減圧するのを可能にするように構成された1つの開口部を備える。図1に示す実施形態では、第1のブラッシングチャンバ13aの開口部は、第1のブラッシングチャンバ13aと第1の流体流路14aの接合部に位置する。
【0048】
第2のブラッシングチャンバ13bは、第2のブラッシングチャンバ13b内への流体の供給および第2のブラッシングチャンバ13bからの流体の排出によってそれぞれ、第2のブラッシングチャンバ13bを加圧し減圧するのを可能にするように構成された2つの開口部を備える。図1に示す実施形態では、第2のブラッシングチャンバ13bの一方の開口部は、第2のブラッシングチャンバ13bと第2の流体流路14bの接合部に位置する。第2のブラッシングチャンバ13bの他方の開口部は、第2のブラッシングチャンバ13bとマウスピース流体流路末端14cの接合部に位置する。
【0049】
第3のブラッシングチャンバ13cは、第3のブラッシングチャンバ13c内への流体の供給および第3のブラッシングチャンバ13cからの流体の排出によってそれぞれ、第3のブラッシングチャンバ13cを加圧し減圧するのを可能にするように構成された2つの開口部を備える。図1に示す実施形態では、第3のブラッシングチャンバ13cの一方の開口部は、第3のブラッシングチャンバ13cと第1の流体流路14aの接合部に位置する。第3のブラッシングチャンバ13cの他方の開口部は、第3のブラッシングチャンバ13cと第2の流体流路14bの接合部に位置する。
【0050】
図1の実施形態では、ブラッシングチャンバ13a、13b、13cは互いに流体連通しているので、たとえば、マウスピース流体流路末端14cに流体を供給するか、またはマウスピース流体流路末端14cから流体を排出することによって、すべてのブラッシングチャンバ13a、13b、13cが同時に加圧または減圧される。別の例として、ブラッシングチャンバ13a、13b、13cの加圧および減圧はそれぞれ、ブラッシングチャンバ13a、13b、13c内にすでに存在する流体の量を増加させ減少させることによって実現されてもよい。ブラッシングチャンバ13a、13b、13cを加圧し減圧すると、対応する可撓性壁部17a、17b、17cがそれに応じて変形し、それによって可撓性壁部17a、17b、17cから外側に延びるブリッスルを動かす。
【0051】
各ブラッシングチャンバまたはマウスピースのブラッシングチャンバの総数のうちの任意の数のブラッシングチャンバが、マウスピース流体流路末端からブラッシングチャンバに至る別個の流体流路を有して、少なくとも1つの他のブラッシングチャンバから独立した1つまたは複数のブラッシングチャンバを独立に加圧し減圧してもよいことに留意されたい。
【0052】
本開示全体にわたって、流体は空気などの気体、もしくは水などの液体、またはそれらの組合せであってもよい。
【0053】
図2a、図2b、および図2cは、マウスピース20の一実施形態の、それぞれに異なる動作状態における断面図を概略的に示す。マウスピース20は支持構造21を備える。
支持構造21は、上顎歯列弓および下顎歯列弓の複数の歯を包み込むように構成され、上顎歯列弓および下顎歯列弓のすべての歯を包み込むように構成されてもよい。支持構造21の内面側において、内面は歯表面に面するように構成され、第1、第2、第3、および第4のブラッシングチャンバ22a、22b、22c、22dが設けられる。さらに、支持構造21の互いに向かい合う内面間を延びる第5のブラッシングチャンバ22eが設けられる。
【0054】
第1のブラッシングチャンバ22aは第1の可撓性壁部23aを備える。第2のブラッシングチャンバ22bは第2の可撓性壁部23bを備える。第3のブラッシングチャンバ22cは第3の可撓性壁部23cを備える。第4のブラッシングチャンバ22dは第4の可撓性壁部23dを備える。第5のブラッシングチャンバ22eは第5の可撓性壁部23eと第6の可撓性壁部23fとを備える。第1~第6の可撓性壁部23a~23fは、特にそれぞれの対応するブラッシングチャンバ22a~22eを加圧または減圧することによって変形可能である。可撓性壁部23a~23fは、ゴム材料などの弾性材料から作られてもよい。可撓性壁部23a~23fは、非弾性材料から作られてもよい。可撓性壁部23a~23fの材料は、可撓性壁部23a~23fの内側および外側にわたって圧力差が実質的にまったくないか、または圧力差が小さいときに所定の形状を維持する。
【0055】
ブリッスル24のタフトは、ブラッシングチャンバ22a~22eの可撓性壁部23a~23fから外側に延びる。マウスピース20は、少なくとも、対応するブラッシングチャンバ22a、22b、22c、22d、22eが加圧されたときにブリッスル24のタフトが歯列弓の歯の歯表面に係合するように構成される。
【0056】
図2aは、第1~第5のブラッシングチャンバ22a~22eに対して加圧も減圧も行われていないときのマウスピース20の第1の動作状態を示す。図2bは、たとえば、ブラッシングチャンバ22a~22eに流体を供給するか、またはブラッシングチャンバ22a~22e内の流体の量を増加させることによって、すべてのブラッシングチャンバ22a~22eが加圧されたときのマウスピース20の第2の動作状態を示す。図2bを見るとわかるように、加圧の結果として、第1~第6の可撓性壁部23a~23fは、対応するブラッシングチャンバ22a~22eの外側から見たときに凸形状をとり、それによって、ブリッスル24、特にその自由端が歯表面に係合することがあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。図2cは、たとえば、ブラッシングチャンバ22a~22eから流体を排出するか、またはブラッシングチャンバ22a~22e内の流体の量を減少させることによって、すべてのブラッシングチャンバ22a~22eが減圧されたときのマウスピース20の第3の動作状態を示す。図2cを見るとわかるように、減圧の結果として、第1~第6の可撓性壁部23a~23fは、対応するブラッシングチャンバ22a~22eの外側から見たときに凹形状をとり、それによって、ブリッスル24、特にその自由端は歯表面に係合しないかもしくはほとんど係合しないことがあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。
【0057】
ブラッシングチャンバ22a~22eを加圧し減圧して第1の動作状態から第2の動作状態に切り替え、次いで第2の動作状態から第1の動作状態に切り替え、次いで第1の動作状態から第3の動作状態に切り替え、その後第1の動作状態に戻り、その後そのようなサイクルを繰り返す適切なサイクルによって、マウスピースの最も効果的なブラッシング動作を得ることができる。可撓性壁部23a~23dのブリッスル24は概して、そのような循環時に上昇運動および下降運動を実行し、可撓性壁部23eおよび23fのブリッスル24は、そのような循環時に横方向への往復運動を実行する。より短い代替サイクルでは、サイクルは、第1の動作状態と第2の動作状態のみの間で切り替えられ、その場合、図2cは、このより短いサイクルの一部ではなく、または第1の動作状態と第3の動作状態の間で切り替えられ、その場合、図2bはこのより短いサイクルの一部ではない。
【0058】
マウスピース20の実施形態では、ブラッシングチャンバ22a~22dの各々は、支持構造21の内面に固定された管状部材を備え、管状部材は、ブリッスル24を備える可撓性壁部23a~23dを備える。ブラッシングチャンバ22eも、ブラッシングチャンバ22a~22dを形成する管状部材に結合された管状部材を備え、管状部材は、ブリッスル24を備える可撓性壁部23eおよび23fを備える。
【0059】
図3は、歯列弓の複数の歯を包み込むように構成された支持構造31を備えるマウスピース30の一実施形態を示す。支持構造31は、歯表面に面するように構成された内面32を有する。
【0060】
マウスピース30は、支持構造31の内面32の側に設けられた複数のブラッシングチャンバ33a、33b、33c、33d、33e、および33fを備える。図3の実施形態では、第1のブラッシングチャンバ33aおよび第2のブラッシングチャンバ33bは、上顎または下顎歯列弓の舌側面に面するように構成され、第3のブラッシングチャンバ33cおよび第4のブラッシングチャンバ33dは、上顎および下顎歯列弓の顔側面に面するように構成され、第5のブラッシングチャンバ33eおよび第6のブラッシングチャンバ33fは、歯列弓の皎合面または切縁に面するように構成される。
【0061】
第1のブラッシングチャンバ33aは、第1の流体流路34aを通して第5のブラッシングチャンバ33eに接続される(第5のブラッシングチャンバ33eと流体連通する)。第3のブラッシングチャンバ33cは、第2の流体流路34bを通して第5のブラッシングチャンバ33eに接続される(第5のブラッシングチャンバ33eと流体連通する)。
【0062】
マウスピース30は、第3のブラッシングチャンバ33cに接続された(第3のブラッシングチャンバ33cと流体連通する)第1のマウスピース流体流路末端34cを備えるマウスピース接触面36を備える。マウスピース接触面36は、以下により詳しく説明する歯洗浄デバイスの一部になるように構成されるマウスピース30をハンドル部材などの歯洗浄デバイスの別の部分に結合するように構成される。
【0063】
第2のブラッシングチャンバ33bは、第4の流体流路34dを通して第6のブラッシングチャンバ33fに接続される(第6のブラッシングチャンバ33fと流体連通する)。第4のブラッシングチャンバ33dは、第5の流体流路34eを通して第6のブラッシングチャンバ33fに接続される(第6のブラッシングチャンバ33fと流体連通する)。
【0064】
マウスピース接触面36は、第4のブラッシングチャンバ33dに接続された(第4のブラッシングチャンバ33dと流体連通する)第2のマウスピース流体流路末端34fを備える。マウスピース接触面36は、以下により詳しく説明する歯洗浄デバイスの一部になるように構成されるマウスピース30をハンドル部材などの歯洗浄デバイスの別の部分に結合するように構成される。
【0065】
各ブラッシングチャンバ33a、33b、33c、33d、33e、33fは、それぞれの可撓性壁部37a、37b、37c、37d、37e、37fを備える。可撓性壁部37a、37c、37eは、対応するブラッシングチャンバ33a、33c、33eを加圧または減圧することによって変形可能である。可撓性壁部37b、37d、37fは、対応するブラッシングチャンバ33b、33d、33fを加圧または減圧することによって変形可能である。以下の図により詳しく示すように、ブリッスルは、ブラッシングチャンバの可撓性壁部から外側に延びる。ブリッスルは、歯列弓の歯表面に向けられる。
【0066】
第1のブラッシングチャンバ33aは、第1のブラッシングチャンバ33a内への流体の供給および第1のブラッシングチャンバ33aからの流体の排出によってそれぞれ、第1のブラッシングチャンバ33aを加圧し減圧するのを可能にするように構成された1つの開口部を備える。図3に示す実施形態では、第1のブラッシングチャンバ33aの開口部は、第1のブラッシングチャンバ33aと第1の流体流路34aの接合部である。
【0067】
第2のブラッシングチャンバ33bは、第2のブラッシングチャンバ33b内への流体の供給および第2のブラッシングチャンバ33bからの流体の排出によってそれぞれ、第2のブラッシングチャンバ33bを加圧し減圧するのを可能にするように構成された1つの開口部を備える。図3に示す実施形態では、第2のブラッシングチャンバ33bの開口部は、第2のブラッシングチャンバ33bと第4の流体流路34dの接合部である。
【0068】
第3のブラッシングチャンバ33cは、第3のブラッシングチャンバ33c内への流体の供給および第3のブラッシングチャンバ33cからの流体の排出によってそれぞれ、第3のブラッシングチャンバ33cを加圧し減圧するのを可能にするように構成された2つの開口部を備える。図3に示す実施形態では、第3のブラッシングチャンバ33cの一方の開口部は、第3のブラッシングチャンバ33cと第2の流体流路34bの接合部である。第3のブラッシングチャンバ33cの他方の開口部は、第3のブラッシングチャンバ33cと第1のマウスピース流体流路末端34cの接合部である。
【0069】
第4のブラッシングチャンバ33dは、第4のブラッシングチャンバ33d内への流体の供給および第4のブラッシングチャンバ33dからの流体の排出によってそれぞれ、第4のブラッシングチャンバ33dを加圧し減圧するのを可能にするように構成された2つの開口部を備える。図3に示す実施形態では、第4のブラッシングチャンバ33dの一方の開口部は、第4のブラッシングチャンバ33dと第5の流体流路34eの接合部である。第4のブラッシングチャンバ33dの他方の開口部は、第4のブラッシングチャンバ33dと第2のマウスピース流体流路末端34fの接合部である。
【0070】
第5のブラッシングチャンバ33eは、第5のブラッシングチャンバ33e内への流体の供給および第5のブラッシングチャンバ33eからの流体の排出によってそれぞれ、第5のブラッシングチャンバ33eを加圧し減圧するのを可能にするように構成された2つの開口部を備える。図3に示す実施形態では、第5のブラッシングチャンバ33eの一方の開口部は、第5のブラッシングチャンバ33eと第1の流体流路34aの接合部である。第5のブラッシングチャンバ33eの他方の開口部は、第5のブラッシングチャンバ33eと第2の流体流路34bの接合部である。
【0071】
第6のブラッシングチャンバ33fは、第6のブラッシングチャンバ33f内への流体の供給および第6のブラッシングチャンバ33fからの流体の排出によってそれぞれ、第6のブラッシングチャンバ33fを加圧し減圧するのを可能にするように構成された2つの開口部を備える。図3に示す実施形態では、第6のブラッシングチャンバ33fの一方の開口部は、第6のブラッシングチャンバ33fと第4の流体流路34dの接合部である。第6のブラッシングチャンバ33fの他方の開口部は、第6のブラッシングチャンバ33fと第5の流体流路34eの接合部である。
【0072】
図3の実施形態では、第1、第3、および第5のブラッシングチャンバ33a、33c、および33eは、互いに流体連通するので、第1、第3、および第5のブラッシングチャンバ33a、33c、および33eは、たとえば、第1のマウスピース流体流路末端34cに流体を供給するか、または第1のマウスピース流体流路末端34cから流体を排出することによって同時に加圧または減圧される。別の例として、第1、第3、および第5のブラッシングチャンバ33a、33c、および33eの加圧および減圧はそれぞれ、第1、第3、および第5のブラッシングチャンバ33a、33c、および33e内にすでに存在する流体の量を増加させ減少させることによって実現されてもよい。
【0073】
さらに、図3の実施形態では、第2、第4、および第6のブラッシングチャンバ33b、33d、および33fは、互いに流体連通するので、第2、第4、および第6のブラッシングチャンバ33b、33d、および33fは、たとえば、第2のマウスピース流体流路末端34fに流体を供給するか、または第2のマウスピース流体流路末端34fから流体を排出することによって同時に加圧または減圧される。別の例として、第2、第4、および第6のブラッシングチャンバ33b、33d、および33fの加圧および減圧はそれぞれ、第2、第4、および第6のブラッシングチャンバ33b、33d、および33f内にすでに存在する流体の量を増加させ減少させることによって実現されてもよい。
【0074】
第1、第3、および第5のブラッシングチャンバ33a、33c、および33eを加圧し減圧すると、対応する可撓性壁部37a、37c、および37eがそれに応じて変形し、それによって可撓性壁部37a、37c、および37eから外側に延びるブリッスルを移動させる。
【0075】
第2、第4、および第6のブラッシングチャンバ33b、33d、および33fを加圧し減圧すると、対応する可撓性壁部37b、37d、および37fがそれに応じて変形し、それによって可撓性壁部37b、37d、および37fから外側に延びるブリッスルを移動させる。
【0076】
第1、第3、および第5のブラッシングチャンバ33a、33c、および33eの加圧および減圧と第2、第4、および第6のブラッシングチャンバ33b、33d、および33fの加圧および減圧とは互いに同期させられてもよく、その場合、特に第1、第3、および第5のブラッシングチャンバ33a、33c、および33eが、第2、第4、および第6のブラッシングチャンバ33b、33d、および33fとは異なる歯表面の部分まで延びるブリッスルを有するとき、第1、第3、および第5のブラッシングチャンバ33a、33c、および33eの加圧は、第2、第4、および第6のブラッシングチャンバ33b、33d、および33fが減圧されている間に実行され、逆も同様である。
【0077】
各ブラッシングチャンバ、またはマウスピースのブラッシングチャンバの総数における任意の数のブラッシングチャンバが、マウスピース流体流路末端からブラッシングチャンバに至る別個の流体流路を有して、少なくとも1つの他のブラッシングチャンバから独立した1つまたは複数のブラッシングチャンバを独立に加圧し減圧してもよいことに留意されたい。
【0078】
図4a、図4b、および図4cは、マウスピース40の一実施形態の、それぞれに異なる動作状態における断面図を概略的に示す。マウスピース40は支持構造41を備える。
支持構造41は、上顎歯列弓および下顎歯列弓の複数の歯を包み込むように構成され、上顎歯列弓および下顎歯列弓のすべての歯を包み込むように構成されてもよい。支持構造41の内面側において、内面は歯表面に面するように構成され、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、および第8のブラッシングチャンバ42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、および42hが設けられる。さらに、支持構造41の互いに向かい合う内面間を延びる第9および第10のブラッシングチャンバ42iおよび42jが設けられる。
【0079】
第1のブラッシングチャンバ42aは第1の可撓性壁部43aを備える。第2のブラッシングチャンバ42bは第2の可撓性壁部43bを備える。第3のブラッシングチャンバ42cは第3の可撓性壁部43cを備える。第4のブラッシングチャンバ42dは第4の可撓性壁部43dを備える。第5のブラッシングチャンバ42eは第5の可撓性壁部43eを備える。第6のブラッシングチャンバ42fは第6の可撓性壁部43fを備える。第7のブラッシングチャンバ42gは第7の可撓性壁部43gを備える。第8のブラッシングチャンバ42hは第8の可撓性壁部43hを備える。第9のブラッシングチャンバ42iは第9の可撓性壁部43iと第10の可撓性壁部43jを備える。第10のブラッシングチャンバ42jは第11の可撓性壁部43kと第12の可撓性壁部43lを備える。第1~第12の可撓性壁部43a~43lは、特にそれぞれの対応するブラッシングチャンバ42a~42jを加圧または減圧することによって変形可能である。可撓性壁部43a~43lは、ゴム材料などの弾性材料から作られてもよい。可撓性壁部43a~43lは、非弾性材料から作られてもよい。可撓性壁部43a~43lの材料は、可撓性壁部43a~43lの内側および外側にわたって圧力差が実質的にまったくないか、または圧力差が小さいときに所定の形状を維持する。
【0080】
ブリッスル44のタフトは、ブラッシングチャンバ42a~42jの可撓性壁部43a~43lから外側に延びる。マウスピース40は、少なくとも、対応するブラッシングチャンバ42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42h、42i、42jが加圧されたときにブリッスル44のタフトが歯列弓の歯の歯表面に係合するように構成される。
【0081】
図4aは、第1~第10のブラッシングチャンバ42a~42jに対して加圧も減圧も行われていないときのマウスピース40の第1の動作状態を示す。図4bは、たとえば、第1、第3、第5、第7、および第9のブラッシングチャンバ42a、42c、42e、42g、および42iに流体を供給するか、またはブラッシングチャンバ42a、42c、42e、42g、および42i内の流体の量を増加させることによって、ブラッシングチャンバ42a、42c、42e、42g、および42iが加圧されたときのマウスピース40の第2の動作状態を示す。第2、第4、第6、第8、および第10のブラッシングチャンバ42b、42d、42f、42h、および42jは、たとえば、ブラッシングチャンバ42b、42d、42f、42h、および42jから流体を排出するか、またはブラッシングチャンバ42b、42d、42f、42h、および42j内の流体の量を減少させることによって減圧される。図4bを見るとわかるように、加圧の結果として、第1、第3、第5、第7、第9、および第10の可撓性壁部43a、43c、43e、43g、43i、および43jは、対応するブラッシングチャンバ42a、42c、42e、42g、および42iの外側から見たときに凸形状をとり、それによって、ブリッスル44、特にその自由端が歯表面に係合することがあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。第2、第4、第6、第8、第11、および第12の可撓性壁部43b、43d、43f、43h、43k、および43lは、対応する第2、第4、第6、第8、および第10のブラッシングチャンバ42b、42d、42f、42h、および42jの外側から見たときに凹形状をとり、それによって、ブリッスル44、特にその自由端が歯表面に係合することも係合しないこともあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。図4cは、たとえば、第2、第4、第6、第8、および第10のブラッシングチャンバ42b、42d、42f、42h、および42jから流体を供給するか、または第2、第4、第6、第8、および第10のブラッシングチャンバ42b、42d、42f、42h、および42j内の流体の量を増加させることによって、第2、第4、第6、第8、および第10のブラッシングチャンバ42b、42d、42f、42h、および42jが加圧されたマウスピース40の第3の動作状態を示す。第1、第3、第5、第7、および第9のブラッシングチャンバ42a、42c、42e、42f、42g、および42iは、たとえば、ブラッシングチャンバ42a、42c、42e、42f、42g、および42iから流体を排出するか、またはブラッシングチャンバ42a、42c、42e、42f、42g、および42i内の流体の量を減少させることによって減圧される。加圧の結果として、第2、第4、第6、第8、第11、および第12の可撓性壁部43b、43d、43f、43h、43k、および43lは、対応するブラッシングチャンバ42b、42d、42f、42h、および42jの外側から見たときに凸形状をとり、それによって、ブリッスル44、特にその自由端は歯表面に係合することがあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。第1、第3、第5、第7、第9、および第10の可撓性壁部43a、43c、43e、43g、43i、および43jは、対応する第1、第3、第5、第7、および第9のブラッシングチャンバ42a、42c、42e、42g、および42iの外側から見たときに凹形状をとり、それによって、ブリッスル44、特にその自由端が歯表面に係合することも係合しないこともあり、もしくはほとんど係合せず、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。
【0082】
ブラッシングチャンバ42a~42jを加圧し減圧して第1の動作状態から第2の動作状態に切り替え、次いで第2の動作状態から第1の動作状態に切り替え、次いで第1の動作状態から第3の動作状態に切り替え、その後第1の動作状態に戻り、その後そのようなサイクルを繰り返す適切なサイクルによって、マウスピースの最も効果的なブラッシング動作を得ることができる。可撓性壁部43a~43hのブリッスル44は概して、そのような循環時に上昇運動および下降運動を実行し、可撓性壁部43iおよび43lのブリッスル44は、そのような循環時に横方向への往復運動を実行する。より短い代替サイクルでは、サイクルは、第1の動作状態と第2の動作状態のみの間で切り替えられ、その場合、図4cは、このより短いサイクルの一部ではなく、または第1の動作状態と第3の動作状態の間で切り替えられ、その場合、図4bはこのより短いサイクルの一部ではない。
【0083】
マウスピース40の実施形態では、ブラッシングチャンバ42a~42hの各々は、支持構造41の内面に固定された管状部材を備え、管状部材は、ブリッスル44が設けられた可撓性壁部43a~43hを備える。ブラッシングチャンバ42iおよび42jも、ブラッシングチャンバ42a~42hを形成する管状部材に結合された管状部材を備え、これらの管状部材は、ブリッスル44が設けられた可撓性壁部43i~43lを備える。
【0084】
図5a、図5b、および図5cは、マウスピース310の一実施形態の、それぞれに異なる動作状態における断面図を概略的に示す。この断面図は、図31に定められた歯列弓の長さ全体にわたってほぼ同一である場合がある。
【0085】
マウスピース310は支持構造311a、311b、311cを備え、支持構造311a、311b、311cは、2つの側部311aおよび311bと、側部311aと側部311bを接続する中間部311cとを備える。支持構造311は、上顎歯列弓および下顎歯列弓の複数の歯を包み込むように構成され、上顎歯列弓および下顎歯列弓のすべての歯を包み込むように構成されてもよい。歯表面に面するように構成された、支持構造311a、311bの内面側316に、第1および第2のブラッシングチャンバ312a、312bが設けられる。
【0086】
第1のブラッシングチャンバ312aは第1の可撓性壁部313aを備える。第2のブラッシングチャンバ312bは第2の可撓性壁部313bを備える。第1および第2の可撓性壁部313a、313bは、特にそれぞれの対応するブラッシングチャンバ312aおよび312bを加圧または減圧することによって変形可能である。可撓性壁部313a、313bは、ゴム材料などの弾性材料から作られてもよい。可撓性壁部313a、313bは、非弾性材料から作られてもよい。可撓性壁部313a、313bの材料は、可撓性壁部313a、313bの内側および外側にわたって圧力差が実質的にまったくないか、または圧力差が小さいときに所定の形状を維持する場合がある。
【0087】
ブリッスル315のタフト314は、ブラッシングチャンバ312a、312bの可撓性壁部313a、313bから外側に延びる。マウスピース310は、少なくとも、対応するブラッシングチャンバ312a、312bが加圧されたときに、ブリッスル315のタフトが歯列弓の歯の歯表面に係合するように構成される。図31において定められた歯列弓の長さ方向において見たときに、ブリッスル315のタフト314は、(図5a、図5b、図5cに示す)断面図で見るとほぼ同じ密度に配置される場合がある。
【0088】
図5aは、第1および第2のブラッシングチャンバ312a、312bに対して加圧も減圧も行われていないときのマウスピース310の第1の動作状態を示す。図5bは、たとえば、ブラッシングチャンバ312a、312bに流体を供給するか、またはブラッシングチャンバ312a、312b内の流体の量を増加させることによって、ブラッシングチャンバ312a、312bが加圧されたときのマウスピース310の第2の動作状態を示す。図5bを見るとわかるように、加圧の結果として、第1および第2の可撓性壁部313a、313bは、対応するブラッシングチャンバ312a、312bの外側から見たときに凸形状をとり、それによって、ブリッスル315、特にその自由端が歯表面に係合することがあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。図5cは、たとえば、ブラッシングチャンバ312a、312bから流体を排出するか、またはブラッシングチャンバ312a、312b内の流体の量を減少させることによって、ブラッシングチャンバ312a、312bが減圧されたときのマウスピース310の第3の動作状態を示す。図5cを見るとわかるように、減圧の結果として、第1および第2の可撓性壁部313a、313bは、対応するブラッシングチャンバ312a、312bの外側から見たときに凹形状をとり、それによって、ブリッスル314、特にその自由端は歯表面に係合しないかもしくはほとんど係合しないことがあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。
【0089】
ブラッシングチャンバ312a、312 bを加圧し減圧して第1の動作状態から第2の動作状態に切り替え、次いで第2の動作状態から第1の動作状態に切り替え、次いで第1の動作状態から第3の動作状態に切り替え、その後第1の動作状態に戻り、その後そのようなサイクルを繰り返す適切なサイクルによって、マウスピースの最も効果的なブラッシング動作を得ることができる。可撓性壁部313a、313bの中央のブリッスル314は概して、そのような循環時に上昇運動および下降運動を実行し、可撓性壁部313a、313bの側のブリッスル314は、そのような循環時に横方向への往復運動を実行する。より短い代替サイクルでは、サイクルは、第1の動作状態と第2の動作状態のみの間で切り替えられ、その場合、図5cは、このより短いサイクルの一部ではなく、または第1の動作状態と第3の動作状態の間で切り替えられ、その場合、図5bはこのより短いサイクルの一部ではない。
【0090】
マウスピース310の実施形態では、ブラッシングチャンバ312a、312bの各々は、支持構造311の内面に固定された管状部材を備え、管状部材は、ブリッスル314が設けられた可撓性壁部313a、313bを備える。
【0091】
図6a、図6b、および図6cは、マウスピース330の一実施形態の、それぞれに異なる動作状態における断面図を概略的に示す。この断面図は、図31に定められた歯列弓の長さ全体にわたってほぼ同一である場合がある。
【0092】
マウスピース330は支持構造331a、331b、331cを備え、支持構造331a、331b、331cは、2つの側部331aおよび331bと、側部331aと側部331bを接続する複数の中間部331cとを備える。これらの中間部はバーであってもよい。支持構造331は、上顎歯列弓および下顎歯列弓の複数の歯を包み込むように構成され、上顎歯列弓および下顎歯列弓のすべての歯を包み込むように構成されてもよい。歯表面に面するように構成された、支持構造331a、331bの内面側336に、単一のブラッシングチャンバ332が設けられる。
【0093】
単一のブラッシングチャンバ332は第1の可撓性壁部333aと第2の可撓性壁部333bとを備える。第1および第2の可撓性壁部333a、333bは、特にブラッシングチャンバ332を加圧または減圧することによって変形可能である。可撓性壁部333a、333bは、ゴム材料などの弾性材料から作られてもよい。可撓性壁部333a、333bは、非弾性材料から作られてもよい。可撓性壁部333a、333bの材料は、可撓性壁部333a、333bの内側および外側にわたって圧力差が実質的にまったくないか、または圧力差が小さいときに所定の形状を維持する場合がある。
【0094】
ブリッスル335のタフト334は、ブラッシングチャンバ332a、332bの可撓性壁部333a、333bから外側に延びる。マウスピース330は、少なくとも、対応するブラッシングチャンバ332が加圧されたときに、ブリッスル335のタフトが歯列弓の歯の歯表面に係合するように構成される。図31において定められた歯列弓の長さ方向において見たときに、ブリッスル335のタフト334は、(図6a、図6b、図6cに示す)断面図で見るとほぼ同じ密度に配置される場合がある。
【0095】
図6aは、ブラッシングチャンバ332に対して加圧も減圧も行われていないときのマウスピース330の第1の動作状態を示す。図6bは、たとえば、ブラッシングチャンバ332に流体を供給するか、またはブラッシングチャンバ332内の流体の量を増加させることによって、ブラッシングチャンバ332が加圧されたときのマウスピース330の第2の動作状態を示す。図6bを見るとわかるように、加圧の結果として、第1および第2の可撓性壁部333a、333bは、ブラッシングチャンバ332の外側から見たときに凸形状をとり、それによって、ブリッスル335、特にその自由端が歯表面に係合することがあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。図6cは、たとえば、ブラッシングチャンバ332から流体を排出するか、またはブラッシングチャンバ332内の流体の量を減少させることによって、ブラッシングチャンバ332が減圧されたときのマウスピース330の第3の動作状態を示す。図6cを見るとわかるように、減圧の結果として、第1および第2の可撓性壁部333a、333bは、ブラッシングチャンバ332の外側から見たときに凹形状をとり、それによって、ブリッスル334、特にその自由端は歯表面に係合しないかもしくはほとんど係合しないことがあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。
【0096】
ブラッシングチャンバ332を加圧し減圧して第1の動作状態から第2の動作状態に切り替え、次いで第2の動作状態から第1の動作状態に切り替え、次いで第1の動作状態から第3の動作状態に切り替え、その後第1の動作状態に戻り、その後そのようなサイクルを繰り返す適切なサイクルによって、マウスピースの最も効果的なブラッシング動作を得ることができる。可撓性壁部333a、333bの中央のブリッスル334は概して、そのような循環時に上昇運動および下降運動を実行し、可撓性壁部333a、333bの側のブリッスル334は概して、そのような循環時に横方向への往復運動を実行する。より短い代替サイクルでは、サイクルは、第1の動作状態と第2の動作状態のみの間で切り替えられ、その場合、図6cは、このより短いサイクルの一部ではなく、または第1の動作状態と第3の動作状態の間で切り替えられ、その場合、図6bはこのより短いサイクルの一部ではない。
【0097】
マウスピース310の実施形態では、ブラッシングチャンバ312は、支持構造311の内面に固定された管状部材を備えてもよく、管状部材は、ブリッスル314が設けられた可撓性壁部313a、313bを備える。
【0098】
図5a、図5b、図5cの実施形態と図6a、図6b、図6cの実施形態との間の主な違いは、図5a、図5b、図5cの実施形態が、支持構造の中間部311cによって分割された2つのブラッシングチャンバを有し、それに対して、図6a、図6b、図6cの実施形態が1つのブラッシングチャンバと複数の中間部331cとを有することである。図5a、5b、5cの実施形態の中間部311cに、ブラッシングチャンバ312aとブラッシングチャンバ312bを接続する複数の通路または1つのそのような通路を設けることによって、図5a、5b、5cの実施形態は図6a、図6b、図6cの実施形態とほぼ同じになる。
【0099】
図7a、図7b、図7c、および図7dは、位置決めチャンバとブラッシングチャンバとを備えるマウスピース50のさらなる実施形態の、それぞれに異なる動作状態における断面図を概略的に示す。
【0100】
マウスピース50は、支持構造51を備える。支持構造51は、上顎歯列弓および下顎歯列弓の複数の歯を包み込むように構成され、上顎歯列弓および下顎歯列弓のすべての歯を包み込むように構成されてもよい。歯表面に面するように構成された、支持構造51の内面側に、第1、第2、第3、および第4の位置決めチャンバ52a、52b、52c、および52dが設けられる。さらに、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、および第12のブラッシングチャンバ55a、55b、55c、55d、55e、55f、55g、55h、55i、55j、55k、および55lが設けられる。第1の位置決めチャンバ52aは、支持構造51の内面と第1、第2、および第3のブラッシングチャンバ55a、55b、55cとの間に配置される。第2の位置決めチャンバ52bは、支持構造51の内面と第4、第5、および第6のブラッシングチャンバ55d、55e、55fとの間に配置される。第3の位置決めチャンバ52cは、支持構造51の内面と第7、第8、および第9のブラッシングチャンバ55g、55h、55iとの間に配置される。第4の位置決めチャンバ52dは、支持構造51の内面と第10、第11、および第12のブラッシングチャンバ55j、55k、55lとの間に配置される。
【0101】
第1の位置決めチャンバ52aは第1の可撓性壁部56aを備える。第2の位置決めチャンバ52bは第2の可撓性壁部56bを備える。第3の位置決めチャンバ52cは第3の可撓性壁部56cを備える。第4の位置決めチャンバ52dは第4の可撓性壁部56dを備える。第1のブラッシングチャンバ55aは第5の可撓性壁部53aを備える。第2のブラッシングチャンバ55bは第6の可撓性壁部53bを備える。第3のブラッシングチャンバ55cは第7の可撓性壁部53cを備える。第4のブラッシングチャンバ55dは第8の可撓性壁部53dを備える。第5のブラッシングチャンバ55eは第9の可撓性壁部53eを備える。第6のブラッシングチャンバ55fは第10の可撓性壁部53fを備える。第7のブラッシングチャンバ55gは第11の可撓性壁部53gを備える。第8のブラッシングチャンバ55hは第12の可撓性壁部53hを備える。第9のブラッシングチャンバ55iは第13の可撓性壁部53iを備える。第10のブラッシングチャンバ55jは第14の可撓性壁部53jを備える。第11のブラッシングチャンバ55kは第15の可撓性壁部53kを備える。第12のブラッシングチャンバ55lは第16の可撓性壁部53lを備える。第1~第16の可撓性壁部56a~56d、53a~53lは、特にそれぞれの対応する位置決めチャンバ52a~52dおよびブラッシングチャンバ55a~55lを加圧または減圧することによって変形可能である。可撓性壁部56a~56d、53a~53lは、ゴム材料などの弾性材料から作られてもよい。可撓性壁部56a~56d、53a~53lは、非弾性材料から作られてもよい。可撓性壁部56a~56d、53a~53lの材料は、可撓性壁部56a~56d、53a~53lの内側および外側にわたって圧力差が実質的にまったくないか、または圧力差が小さいときに所定の形状を維持する場合がある。
【0102】
ブリッスル54のタフトは、ブラッシングチャンバ55a~55lの可撓性壁部53a~53lから外側に延びる。マウスピース50は、図7bに示すように、少なくとも、対応する位置決めチャンバ52aおよび52cまたは52bおよび52dがそれぞれ加圧されたときに、ブリッスル54のタフトが歯列弓の歯58の歯表面に係合するように構成される。
【0103】
図7aは、第1~第4の位置決めチャンバ52a~52dおよび第1~第12のブラッシングチャンバ55a~55lに対して加圧も減圧もされないときのマウスピース50の第1の動作状態を示す。第1の動作状態では、マウスピース50を人の口腔内に容易に移動させることができ、歯をブリッスル54間に容易に配置することができる。
【0104】
図7bは、位置決めチャンバ52aおよび52cが加圧されて第1、第2、第3、第7、第8、および第9のブラッシングチャンバ55a、55b、55c、55g、55h、および55iのブリッスル54のタフトを歯58の歯表面に係合させたときのマウスピース50の第2の動作状態を示す。同様に、図7bには示されていないが、位置決めチャンバ52bおよび52dが加圧されて第4、第5、第6、第10、第11、および第12のブラッシングチャンバ55d、55e、55f、55j、55k、および55lのブリッスル54のタフトを歯の歯表面に係合させてもよい。マウスピース50の第2の動作状態では、ブラッシングチャンバ55a~55l対して加圧も減圧もされない。第2の動作状態は、歯磨きされる特定の歯の形状にぴったりと合うように第1、第2、第3、第7、第8、および第9のブラッシングチャンバ55a、55b、55c、55g、55h、および55iの位置を適応させる。
【0105】
図7cは、位置決めチャンバ52aおよび52cが加圧されたままであり、さらに、たとえば、第1、第3、および第8のブラッシングチャンバ55a、55c、および55hに流体を供給するか、またはブラッシングチャンバ55a、55c、および55h内の流体の量を増加させることによって、ブラッシングチャンバ55a、55c、および55hが加圧されたマウスピース50の第3の動作状態を示す。位置決めチャンバ52bおよび52dに対しては加圧も減圧もされない。たとえば、第2、第7、および第9のブラッシングチャンバ55b、55g、および55iから流体を排出するか、またはブラッシングチャンバ55b、55g、および55i内の流体の量を減少させることによって、ブラッシングチャンバ55b、55g、および55iが減圧される。図7cを見るとわかるように、加圧の結果として、第1、第3、および第8の可撓性壁部53a、53c、および53hは、対応するブラッシングチャンバ55a、55c、および55hの外側から見たときに凸形状をとり、それによって、ブリッスル54、特にその自由端が歯表面に係合することがあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。第2、第7、および第9の可撓性壁部53b、53g、および53iは、対応する第2、第7、および第9のブラッシングチャンバ55b、55g、および55iの外側から見たときに凹形状をとり、それによって、ブリッスル54、特にその自由端は歯表面に係合することも係合しないこともあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。
【0106】
図7dは、位置決めチャンバ52aおよび52cが加圧されたままであり、さらに、たとえば、第2、第7、および第9のブラッシングチャンバ55b、55g、および55iに流体を供給するか、または第2、第7、および第9のブラッシングチャンバ55b、55g、および55i内の流体の量を増加させることによって、第2、第7、および第9のブラッシングチャンバ55b、55g、および55iが加圧されたマウスピース50の第4の動作状態を示す。まず、第1、第3、および第8のブラッシングチャンバ55a、55c、および55hから流体を排出するか、またはブラッシングチャンバ55a、55c、および55h内の流体の量を減少させることによって、ブラッシングチャンバ55a、55c、および55hが減圧される。加圧の結果として、第2、第7、および第9の可撓性壁部53b、53g、および53iは、対応するブラッシングチャンバ55b、55g、および55iの外側から見たときに凸形状をとり、それによって、ブリッスル54、特にその自由端は歯表面に係合することがあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。第1、第3、および第8の可撓性壁部53a、53c、および53hは、対応する第1、第3、および第8のブラッシングチャンバ55a、55c、および55hの外側から見たときに凹形状をとり、それによって、ブリッスル54、特にその自由端が歯表面に係合することも係合しないこともあり、もしくはほとんど係合しないことがあり、ならびに/または歯表面に接触して変形される場合がある。
【0107】
ブラッシングチャンバ55a~55cおよび55g~55iを加圧し減圧して第3の動作状態(図7c)から第4の動作状態(図7d)に切り替え、次いで第4の動作状態から第3の動作状態に切り替え、位置決めチャンバ52aおよび52cの加圧を維持しながらそのようなサイクルを繰り返す適切なサイクルによって、マウスピースの最も効果的なブラッシング動作を得ることができる。位置決めチャンバ52a、52cを加圧することによって、ブリッスル54は、歯間面を含む歯のほぼ全面に確実に接触する。可撓性壁部53a~53cおよび53g~53iのブリッスル334は概して、そのような循環時に上昇運動および下降運動を実行し、可撓性壁部53cおよび53iのいくつかのブリッスル54は、そのような循環時に横方向への往復運動を実行する。
【0108】
マウスピース50の実施形態では、ブラッシングチャンバ55a~55cの各々は、位置決めチャンバ52aに固定された管状部材を備え、位置決めチャンバ52aも管状部材として形作られる。ブラッシングチャンバ55d~55fの各々は、位置決めチャンバ52bに固定された管状部材を備え、位置決めチャンバ52bも管状部材として形作られる。ブラッシングチャンバ55g~55iの各々は、位置決めチャンバ52cに固定された管状部材を備え、位置決めチャンバ52cも管状部材として形作られる。ブラッシングチャンバ55j~55lの各々は、位置決めチャンバ52dに固定された管状部材を備え、位置決めチャンバ52dも管状部材として形作られる。第1~第12のブラッシングチャンバ55a~55lを形成する管状部材は、それぞれブリッスル54が設けられた可撓性壁部53a~53lを備える。第1~第4の位置決めチャンバ52a~52dを形成する管状部材は、関連するブラッシングチャンバ55a~55lがそれぞれの関連する位置決めチャンバ52a~52dを含む共通の壁を有するように形成される可撓性壁部を備える。第1~第4の位置決めチャンバ52a~52dを形成する管状部材の一部は、支持構造51に取り付けられる。管状部材は、たとえば押出し成形によって一体的に形成されてもよい。
【0109】
図8および図9は、可撓性材料から作られたブラダを含み、可撓性壁部が、ブラダを加圧または減圧することによって変形可能である、位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバの実施形態を示す。図8の実施形態では、位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ60は、少なくとも1つの可撓性壁部62を有する。位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ60にはブラダ64が含まれる。ブラダ64は可撓性材料から作られる。ブラダ64は、弾力性のある材料から作られてもよい。図9の実施形態では、マウスピース70は、それぞれの可撓性壁部74a、74b、74c、74d、74e、および74fを有する第1、第2、第3、第4、および第5のブラッシングチャンバ72a、72b、72c、72d、および72eを備える。第1、第2、第3、第4、および第5のブラッシングチャンバ72a、72b、72c、72d、および72eは、それぞれ可撓性材料および/または弾力性のある材料から作られた第1、第3、第4、および第5のブラダ76a、76b、76c、76d、76eを含む。
【0110】
各ブラダ64、76a、76b、76c、76d、76eには、ブラダ64、76a、76b、76c、76d、76e内への流体の供給およびブラダ64、76a、76b、76c、76d、76eからの流体の排出によってそれぞれ、関連するブラッシングチャンバ60、72a、72b、72c、72d、72eを加圧し減圧するのを可能にするように構成された開口部が設けられる。ブラッシングチャンバ60、72a、72b、72c、72d、72eの各々は、密閉されてもよく、またはブラッシングチャンバ60、72a、72b、72c、72d、72eの外部と開放流体連通してもよい。加圧時には、ブラダ64、76a、76b、76c、76d、76eの体積が増加してブラッシングチャンバ60、72a、72b、72c、72d、72eの可撓性壁部74a、74b、74c、74d、74e、および74fを外側に押す。減圧時には、ブラダ64、76a、76b、76c、76d、76eの体積が減少してブラッシングチャンバ60、72a、72b、72c、72d、72eの可撓性壁部74a、74b、74c、74d、74e、および74fが内側に移動するのを可能にする。したがって、ブラダ64、76a、76b、76c、76d、76eを加圧し減圧すると、可撓性壁部74a、74b、74c、74d、74e、および74fから外側に延びるブリッスルのブラッシング動作が生じる。
【0111】
ブラダ64、76a、76b、76c、76d、76eの加圧または減圧はそれぞれ、ブラダ64、76a、76b、76c、76d、76e内に流体を供給するか、もしくはブラダ64、76a、76b、76c、76d、76eから流体を排出するか、またはブラダ64、76a、76b、76c、76d、76e内の流体の量を増加させるかもしくはブラダ64、76a、76b、76c、76d、76e内の流体の量を増加させることによって実行することができる。
【0112】
図10aは、位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバのさらなる実施形態を示し、図10b、図10c、および図10dは、位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバのそのようなさらなる種類の実施形態を組み込んだマウスピースのさらなる実施形態を示す。
【0113】
図10aによれば、位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ80は、縁部82aを有する壁部材82を備え、縁部82aは、支持構造84の内面に固定される。壁部材82は、可撓性壁部83から外側に延びるブリッスルが設けられる可撓性壁部83を備える。壁部材82の縁部82aの固定は、共押出、成形、接着、溶接または任意の他の適切な方法によって行われてもよい。
【0114】
図10bは、中心部85aを備える支持構造85を有するマウスピース81aを示す。
壁部材86aは、ブラッシングチャンバ87a、87b、および87cを形成し、壁部材86aの縁部88a、88b、88c、および88dは、支持構造85の上部内面に固定される。壁部材86bはブラッシングチャンバ87d、87e、および87fを形成し、壁部材86bの縁部88e、88f、88g、および88hは、支持構造85の下部内面に固定される。ブラッシングチャンバ87a~87fはそれぞれ、可撓性壁部89a~89fを備える。
【0115】
図10cのマウスピース81bの実施形態は、図10bに示す支持構造85の中心部85aが図10cの実施形態では除去されている点が図10bの実施形態とは異なる。したがって、図10bに示すブラッシングチャンバ87bとブラッシングチャンバ87eは、図10cによるブラッシングチャンバ87gとして組み合わされる。
【0116】
図10cの実施形態では、壁部材86aは、ブラッシングチャンバ87aおよび87cを形成し、ブラッシングチャンバ87gを部分的に形成し、壁部材86aの縁部88a、88b、88c、および88dは支持構造85の上部内面に固定される。壁部材86bは、ブラッシングチャンバ87dおよび87fを形成し、ブラッシングチャンバ87gを部分的に形成し、壁部材86bの縁部88e、88f、88g、および88hは支持構造85の下部内面に固定される。ブラッシングチャンバ87a、87c、87d、87f、および87gはそれぞれ、可撓性壁部89a~89fを備える。
【0117】
図10dのマウスピース81cの実施形態は、図10dに示す実施形態では、図10bに示す支持構造の中心部85aが全体的に除去されており、縁部88bおよび88f、ならびに縁部88cおよび88gがそれぞれ相互接続される点で、図10bの実施形態とは異なる。図10cと同様に、図10bに示すブラッシングチャンバ87bとブラッシングチャンバ87eは、図10dによるブラッシングチャンバ87gとして組み合わされる。
【0118】
図10dの実施形態では、壁部材86cは、ブラッシングチャンバ87a、87c、87d、87f、および87gを形成し、壁部材86cの縁部88a~88hは支持構造85の内面に固定される。ブラッシングチャンバ87a、87b、87c、87f、および87gはそれぞれ、可撓性壁部89a~89fを備える。
【0119】
図10a~図10dの代替実施形態では、支持構造84、85は、その内面に、壁部材82、86a、86b、86cが固定された1つまたは複数の窪みを含んでもよく、壁部材は可撓性壁部83、89a~89fを備える。
【0120】
図11図12、および図13は、位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバを形成する管状部材の実施形態を示す。管状部材は、長手方向縁部を有する細長いストリップで作られる。ストリップは、その長手方向縁部に沿って相互接続される。
【0121】
図11は、接着、溶接、または任意の他の適切な方法によって互いに接続された縁部または縁部領域92a、92bを有する細長いストリップ92によって形成される位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ90を示す。ストリップ92は支持構造94に接続され、それによって、位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ90は支持構造94に接続される。位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ90は、可撓性壁部96から外側に延びるブリッスルが設けられる可撓性壁部96を備える。
【0122】
図12は、接着、溶接、または任意の他の適切な方法によって互いに接続された縁部または縁部領域104a、104bを有する細長いストリップ102a、102bによって形成される位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ100を示す。ストリップ102aは支持構造106の内面に接続され、それによって、位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ100は支持構造106に接続される。位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ100は、可撓性壁部108から外側に延びるブリッスルが設けられるストリップ102bの可撓性壁部108を備える。支持構造106に接続されたストリップ102aは、ストリップ102b、少なくともその可撓性壁部108に対して比較的高い剛性を有してもよい。
【0123】
図13は、接着、溶接、または任意の他の適切な方法によって互いに接続された縁部または縁部領域114a、114bを有する2つの細長いストリップ112a、112bによって形成される位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ110を示す。ストリップ112aは支持構造116の内面に接続され、それによって、位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ100は支持構造116に接続される。位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ110は、可撓性壁部118から外側に延びるブリッスルが設けられるストリップ112bの可撓性壁部118を備える。支持構造116に接続されたストリップ112aは、ストリップ112b、少なくともその可撓性壁部118に対して比較的高い剛性を有してもよい。
【0124】
図1図13によるマウスピースの実施形態では、少なくとも1つのブラッシングチャンバは、歯列弓の舌側面、顔側面、および皎合面または切縁のうちの少なくとも1つに面するように構成され、ブリッスルは、チャンバが加圧されたときに歯列弓の舌側面、顔側面、および皎合面または切縁のうちの少なくとも1つに係合するように構成される。
【0125】
図1図2a~図2c、図3図4a~図4c、図7a~図7d、図10b~図10dによるマウスピースの実施形態では、支持構造は、歯列弓当たり3つのブラッシングチャンバを備え、3つのブラッシングチャンバのうちの第1のブラッシングチャンバは、歯列弓の舌側面に面するように構成され、3つのブラッシングチャンバのうちの第2のブラッシングチャンバは、歯列弓の顔側面に面するように構成され、3つのブラッシングチャンバのうちの第3のブラッシングチャンバは、歯列弓の皎合面または切縁に面するように構成され、ブリッスルは、対応する第1、第2、または第3のブラッシングチャンバが加圧されたときに歯列弓の舌側面、顔側面、および皎合面または切縁のうちの少なくとも1つに接触するように構成される。
【0126】
図7a~図7dによるマウスピースの実施形態では、切歯を包み込む支持構造の部分は、歯列弓当たり少なくとも2つのブラッシングチャンバを備え、2つのブラッシングチャンバのうちの第1のブラッシングチャンバは、切歯の舌側面に面するように構成され、2つのブラッシングチャンバのうちの第2のブラッシングチャンバは、切歯の顔側面に面するように構成され、ブリッスルは、対応する第1または第2のブラッシングチャンバが加圧されたときに切歯の舌側面および顔側面の少なくとも一方に接触するように構成される。
【0127】
図14は、たとえば、共押出によって同じ材料から一体的に作られた可撓性壁部120とブリッスル122またはブリッスルのタフタを示す。
【0128】
図15は、ブリッスル132またはブリッスルのタフタがブラッシングチャンバの可撓性壁部またはブリッスル支持体130にインサート成形によって固定された可撓性壁部またはブリッスル支持体130を示す。ブリッスル支持体は、ブラッシングチャンバの可撓性壁部に接触するか、または付着させるか、または固定することができる。
【0129】
図15aは、ブリッスル136が埋め込まれたブリッスル支持体134の一実施形態の上面図を概略的に示す。ブリッスル支持体134は、ブラッシングチャンバの可撓性壁部に接触するか、または付着させるか、または固定させることができる。ブリッスル支持体134は、図15aに示すようネット状構成を有するか、または任意の他の構成を有することができる。
【0130】
図16は、クラミングによって可撓性壁部またはブリッスル支持体140の穴144内にブリッスル142のタフトを固定することを示す。
【0131】
図17aは、接着剤151を塗布することによって可撓性壁部またはブリッスル支持体150の穴153内にブリッスル152のタフトを固定することを示す。図17bは、接着剤155を塗布することによって可撓性壁部154上に設けられたブリッスル支持体158の穴157内にブリッスル156のタフトを固定することを示す。
【0132】
図18は、ブリッスル支持体164上にブリッスル162のタフトを固定することを示す。ブリッスル支持体164は、ブラッシングチャンバの可撓性壁部160の窪み166に付着させるかまたは窪み166内に固定される。
【0133】
図19は、ブリッスル支持体174上にブリッスル172のタフトを固定することを示す。ブリッスル支持体174は、ブラッシングチャンバの可撓性壁部170に埋め込まれる。
【0134】
図20は、ブリッスル支持体184上にブリッスル182のタフトを固定することを示す。ブリッスル支持体184は、特にブラッシングチャンバの内側においてブラッシングチャンバの可撓性壁部180の側部に固定される。ブリッスル182のタフトは、可撓性壁部180のそれぞれの穴186を通して突き出る。ブリッスル支持体184は穴186と重なり合う。
【0135】
図21は、ブリッスル支持体194上にブリッスル192のタフトを固定することを示す。ブリッスル支持体194は、接着剤196によってブラッシングチャンバの可撓性壁部190上に接着される。
【0136】
図22は、ハンドル部材202とそれに結合されたマウスピース204とを備える歯洗浄デバイス200の部分切欠き斜視図を概略的に示す図である。ハンドル部材202には、ハンドル接触面が設けられ、マウスピース204には、ハンドル接触面に脱着可能に結合されるように構成されたマウスピース接触面が設けられる。ハンドル部材202は、バッテリ充電接触面212を通してバッテリ210に供給することができる電気エネルギーを蓄積するためのバッテリ210を備える。バッテリ210は、プリント基板、PCB214、モータ216と変速機218とクランクピストン220とピストンポンプ222とを備えるメインポンピングユニット、およびマウスワッシュポンプ224にエネルギーを供給する。
【0137】
ピストンポンプ222からマウスピース204に至る1つまたは複数のダクト242および場合によっては他のダクト内にブラッシング弁ユニット240が含まれる。マウスワッシュポンプ224からマウスピース204に至るダクト252内に洗浄弁ユニット250が含まれる。ブラッシング弁ユニット240および洗浄弁ユニット250は、同じくバッテリ210からエネルギーを受け取る電子弁を備える。マウスワッシュポンプ224は、ダクト254を通してマウスワッシュカプセル230と流体連通する。
【0138】
歯洗浄デバイス200の動作はPCB214によって制御される。PCB214は、モータ216の動作、マウスワッシュポンプ224の動作、およびブラッシング弁ユニット240および洗浄弁ユニット250に備えられた弁の動作を制御してもよい。特に、歯洗浄デバイスが歯磨きに使用され、歯列弓の複数の歯がマウスピース204によって包み込まれるとき、PCB214は、歯洗浄デバイス200を制御してマウスピース204の支持構造の内面側に設けられた少なくとも1つのブラッシングチャンバの加圧と減圧を交互に行ってもよい。少なくとも2つの隣接するブラッシングチャンバがマウスピース204の支持構造の内面側に設けられ、2つのブラッシングチャンバのそれぞれの可撓性壁部が、互いに隣接し、同じ歯表面の隣接する部分に面する場合、PCB214は、歯洗浄デバイスを制御して(a)2つのブラッシングチャンバの一方を加圧し、同時に2つのブラッシングチャンバの他方を減圧することと、(b)2つのブラッシングチャンバの前記一方を減圧し、同時に2つのブラッシングチャンバの前記他方を加圧することとを含むブラッシングサイクルを繰り返してもよい。位置決めチャンバがマウスピース204の支持構造の内面とマウスピース204の少なくとも1つのブラッシングチャンバとの間に位置する場合、PCB214は、歯洗浄デバイスを制御して、複数の歯を包み込む前に位置決めチャンバを減圧し、複数の歯を包み込んだ後に位置決めチャンバを加圧し、マウスピース204の少なくとも1つのブラッシングチャンバを加圧し減圧する間位置決めチャンバを加圧された状態に維持してもよい。
【0139】
図23は、マウスピースに結合された(マウスピースと流体連通する)流体加圧および減圧デバイスの第1の実施形態を概略的に示す。図23の加圧および減圧デバイスは、ダクト245を通して電子弁244と流体連通するポンプ222を備える。ポンプ222は、ピストンポンプまたは別の種類のポンプであってもよい。電子弁244は、ダクト242を通してマウスピース204と流体連通してマウスピース204の位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバの加圧または減圧を制御する。電子弁244は、PCB214によって制御可能な三方弁であってもよい。
【0140】
ポンプ222は空気圧などの過大圧力(すなわち、環境圧よりも高い圧力)をダクト245内に蓄積してもよい。次いで、電子弁244が開いてダクト245からダクト242への流体接続を可能にしてダクト242を加圧し、それによって、ダクト242と流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバを加圧してもよい。しばらくして、電子弁244が再び閉じられてダクト242をダクト245から切り離してもよい。
次いで、電子弁244は、さらに開口部243を通してダクト242から環境への流体接続を可能にしてもよく、それによってダクト242およびダクト242と流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバは、環境圧まで減圧してもよい。
【0141】
ポンプ222(の別の実施形態)が空気圧などの過小圧力(すなわち、環境圧よりも低い圧力)をダクト245内に蓄積することも可能である。次いで、電子弁244が開いてダクト245からダクト242への流体接続を可能にしてダクト242を減圧し、それによって、ダクト242と流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバを減圧してもよい。しばらくして、電子弁244が再び閉じられてダクト242をダクト245から切り離してもよい。次いで、電子弁244は、さらに開口部243を通してダクト242から環境への流体接続を可能にしてもよく、それによってダクト242およびダクト242と流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバは、環境圧まで加圧してもよい。
【0142】
図24は、マウスピースに結合された(マウスピースと流体連通する)流体加圧および減圧デバイスの第2の実施形態を概略的に示す。図24の加圧および減圧デバイスは、ダクト245a、245bを通して電子弁244aと流体連通するポンプ222aを備える。ポンプ222aは、ピストンポンプまたは他の種類のポンプであってもよい。電子弁244aはダクト242を通してマウスピース204と流体連通してマウスピース240の位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバの加圧または減圧を制御する。電子弁244aは、PCB214によって制御可能な五方弁であってもよい。
【0143】
図24の実施形態では、ポンプ222aは空気圧などの過大圧力(すなわち、環境圧よりも高い圧力)をダクト245a内に蓄積してもよい。次いで、電子弁244aが開いてダクト245aからダクト242への流体接続を可能にしてダクト242を加圧し、それによって、ダクト242と流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバを加圧してもよい。しばらくして、電子弁244aが再び閉じられてダクト242をダクト245aから切り離してもよい。次いで、電子弁244 aは、さらに開口部243aを通してダクト242から環境への流体接続を可能にしてもよく、それによってダクト242およびダクト242と流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバは、環境圧まで減圧してもよい。
【0144】
ポンプ222aは、空気圧などの過小圧力(すなわち、環境圧よりも低い圧力)をダクト245b内にさらに蓄積してもよい。次いで、電子弁244aが開いてダクト245bからダクト242への流体接続を可能にしてダクト242を加圧し、それによって、ダクト242と流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバを加圧してもよい。しばらくして、電子弁244aが再び閉じられてダクト242をダクト245bから切り離してもよい。次いで、電子弁244aは、さらに開口部243bを通してダクト242から環境への流体接続を可能にしてもよく、それによってダクト242およびダクト242と流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバは、環境圧まで減圧してもよい。
【0145】
代替実施形態では、ポンプ222aは、ダクト245b内に過大圧力を生じさせ、ダクト245a内に過小圧力を生じさせるように構成されてもよい。
【0146】
図25は、マウスピースに結合された(マウスピースと流体連通する)流体加圧および減圧デバイスの第3の実施形態を概略的に示す。図25の加圧および減圧デバイスは、ダクト245a、245bを通して電子弁244bと流体連通するポンプ222bを備える。ポンプ222bは、ピストンポンプまたは別の種類のポンプであってもよい。電子弁244bは、ダクト242a、242bを通してマウスピース204と流体連通してマウスピース204の位置決めチャンバおよびブラッシングチャンバ、または2つの位置決めチャンバ、または2つのブラッシングチャンバの加圧または減圧を制御する。電子弁244bは、PCB214によって制御可能な四方弁である。
【0147】
図25の実施形態では、ポンプ222bは空気圧などの過大圧力(すなわち、環境圧よりも高い圧力)をダクト245a内に蓄積してもよい。次いで、電子弁244aが開いてダクト245aからダクト242aへの流体接続を可能にしてダクト242aを加圧し、それによって、ダクト242aと流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバを加圧してもよい。電子弁244aはさらに開いてダクト245bからダクト242bへの流体接続を可能にしてダクト242bを減圧し、それによってダクト242bと流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバを減圧してもよい。しばらくして、電子弁244bが再び閉じられてダクト242a、242bをダクト245a、245bから切り離してもよい。次いで、電子弁244aが開いてダクト245aからダクト242bへの流体接続を可能にしてダクト242bを加圧し、それによって、ダクト242bと流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバを加圧してもよい。電子弁244aはさらに開いてダクト245bからダクト242aへの流体接続を可能にしてダクト242aを減圧し、それによってダクト242aと流体連通しているブラッシングチャンバまたは位置決めチャンバを減圧してもよい。しばらくして、電子弁244bが再び閉じられてダクト242a、242bをダクト245a、245bから切り離してもよい。このようにして、ダクト242a、242bは交互に加圧され減圧される。
【0148】
図26は、マウスピースに結合された(マウスピースと流体連通する)流体加圧および減圧デバイスの第4の実施形態を概略的に示す。図26の加圧および減圧デバイスは、図24の実施形態と同様に、ダクト245a、245bを通して電子弁244aと流体連通するポンプ222aを備える。電子弁244aは、ダクト242を通してマウスピース204と流体連通してマウスピース204の位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバの加圧または減圧を制御する。電子弁244bは、PCB214によって制御可能な五方弁である。ダクト245bから、マウスワッシュ弁248に通じる分岐ダクト247aが設けられている。マウスワッシュ弁248は、ダクト247bを通してマウスワッシュカプセル230と流体連通し、ポンプ222aから高圧空気がマウスワッシュ液を、マウスワッシュカプセル230からダクト247cを通してマウスピース204に送り出すことを可能にする。
【0149】
図27は、マウスピースに結合された(マウスピースと流体連通する)流体加圧および減圧デバイスの第5の実施形態を概略的に示す。図27の加圧および減圧デバイスは、図24の実施形態と同様に、ダクト245a、245bを通して電子弁244aと流体連通するポンプ222aを備える。電子弁244aは、ダクト242を通してマウスピース204と流体連通してマウスピース204の位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバの加圧または減圧を制御する。電子弁244aは、PCB214によって制御可能な五方弁である。マウスワッシュポンプ224は、PCB214によってそうするように制御されたとき、マウスワッシュ液をマウスワッシュカプセル230からマウスピース204にダクト252を通して送り出す。
【0150】
図28aおよび図28bはそれぞれ、断面図および上面図において、マウスピース260内の洗浄流体構成の第1の実施形態を概略的に示す。洗浄流体構成の第1の実施形態は、複数の歯の切歯の領域に歯洗浄流体を供給するように構成され、上顎歯列弓の切歯の領域に歯洗浄流体を供給するように構成された第1の放出口261と、下顎歯列弓の切歯の領域に歯洗浄流体を供給するように構成された第2の放出口262とを備える。歯洗浄流体は、ダクト263を通してブリッスル264の近くの第1および第2の放出口261、262に供給され、それによって、歯洗浄流体をブリッスル264によって歯表面全体にわたって分散させることができる。
【0151】
図29aおよび図29bはそれぞれ、断面図および上面図において、マウスピース270内の洗浄流体構成の第2の実施形態を概略的に示す。洗浄流体構成の第2の実施形態は、第1の放出口271a、271b、271c、271d、271e、271f、および271gを通して上顎歯列弓の領域に歯洗浄流体を供給し、追加の第2の放出口272a~272g(図29aでは放出口272gのみが見える)を通して下顎歯列弓の領域に歯洗浄流体を供給するように構成される。歯洗浄流体は、ダクト273を通してブリッスル274の近くの第1および第2の放出口271a~271g、272a~272gに供給され、それによって、歯洗浄流体をブリッスル274によって歯表面全体にわたって分散させることができる。
【0152】
図30aおよび図30bはそれぞれ、断面図および上面図において、マウスピース280内の洗浄流体構成の第3の実施形態を概略的に示す。洗浄流体構成の第3の実施形態は、第1の放出口281a、281b、281c、281d、281e、281f、および281g、291a、291b、291c、291d、291e、291f、および291gを通して上顎歯列弓の領域に歯洗浄流体を供給し、追加の第2の放出口282a~282g、292a~292g(図30aでは放出口282gおよび292gのみが見える)を通して下顎歯列弓の領域に歯洗浄流体を供給するように構成される。歯洗浄流体は、ダクト283を通してブリッスル284の近くの第1および第2の放出口281a~281g、291a~291g、282a~282g、292a~292gに供給され、それによって、歯洗浄流体をブリッスル284によって歯表面全体にわたって分散させることができる。
【0153】
以下の節では、上述の本発明の例およびこれらの発明のさらなる態様および実施形態を示す。
1.マウスピースであって、
- 歯列弓の複数の歯を包み込むように構成された支持構造であって、歯表面に面するように構成された内面を有する支持構造と、
- 支持構造の内面側に設けられた少なくとも1つのブラッシングチャンバであって、可撓性壁部を備え、可撓性壁部がブラッシングチャンバを加圧または減圧することによって変形可能である、ブラッシングチャンバと、
- ブラッシングチャンバの可撓性壁部から外側に延びるブリッスルとを備えるマウスピース。
2.上顎歯列弓および下顎歯列弓において磨くべき複数の歯を包み込むためのマウスピースであって、
上顎歯列弓および下顎歯列弓の各々は、
舌側面と、
顔側面と、
皎合面および切縁とを備える歯表面を有し、
舌側面は舌に面し、顔側面は顔に面し、上顎歯列弓の皎合面および切縁は、それぞれ下顎歯列弓の皎合面および切縁に面し、
マウスピースは、歯列弓の複数の歯を包み込むように構成された支持構造を備え、磨くべき歯の歯表面に面するように構成された内面を有し、
マウスピースは、支持構造の内面の側に設けられた少なくとも1つのブラッシングチャンバをさらに備え、
少なくとも1つのブラッシングチャンバは可撓性壁部を備え、可撓性壁部は、ブラッシングチャンバとは反対側を向いた外側を有し、少なくとも1つのブラッシングチャンバは、その可撓性壁部の外側、すなわち、上顎歯列弓および下顎歯列弓において磨くべき歯の舌側面および顔側面および皎合面および切縁に面するように構成され、
マウスピースは、可撓性壁部の外側に設けられ、可撓性壁部の外側から歯表面まで延びるブリッスルをさらに備え、
少なくとも1つのブラッシングチャンバの可撓性壁部は、少なくとも1つのブラッシングチャンバ内の流体の加圧および減圧を交互に行うことによって変形可能になるように構成されるマウスピース。
3.ブラッシングチャンバは、ブラッシングチャンバ内への流体の供給およびブラッシングチャンバからの流体の排出によってそれぞれ、ブラッシングチャンバを加圧し減圧するのを可能にするように構成された開口部が設けられる、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
4.少なくとも、ブラッシングチャンバが加圧されたときにブリッスルが歯表面に係合するように構成される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
5.可撓性壁部は、ゴム材料などの弾性材料から作られる、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
6.少なくとも1つのブラッシングチャンバは、支持構造の内面に固定された管状部材を備え、管状部材は、ブリッスルが設けられた可撓性壁部を備える、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
7.管状部材は、長手方向縁部を有する細長いストリップで作られ、ストリップは、長手方向縁部に沿って相互に接続される、節6に記載のマウスピース。
8.管状部材は、2つの細長いストリップで作られ、第1のストリップは、支持構造の内面に固定され、第2のストリップは、ブリッスルが設けられた可撓性壁部を備える、節7に記載のマウスピース。
9.支持構造は、その内面に、管状部材の少なくとも一部を収容する窪みを備える、節6から8のいずれか一節に記載のマウスピース。
10.少なくとも1つのブラッシングチャンバは、縁部を有する壁部材を備え、縁部は、支持構造の内面に固定され、壁部材は、ブリッスルが設けられた可撓性壁部を備える、節1から5のいずれか一節に記載のマウスピース。
11.支持構造は、その内面に、壁部材が固定された窪みを備える、節10に記載のマウスピース。
12.ブラッシングチャンバは、可撓性材料から作られたブラダを含み、可撓性壁部は、ブラダを加圧または減圧することによって変形可能である、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
13.ブラダは、ブラダ内への流体の供給およびブラダからの流体の排出によってそれぞれ、ブラッシングチャンバを加圧し減圧するのを可能にするように構成された開口部が設けられる、節12に記載のマウスピース。
14.支持構造の内面とブラッシングチャンバとの間に位置する位置決めチャンバをさらに備え、位置決めチャンバは、位置決めチャンバを加圧または減圧することによって変形可能である、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
15.少なくとも1つのブラッシングチャンバは、歯列弓の舌側面、顔側面、および皎合面または切縁のうちの少なくとも1つに面するように構成され、ブリッスルは、チャンバが加圧されたときに歯列弓の舌側面、顔側面、および皎合面または切縁のうちの少なくとも1つに係合するように構成される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
16.支持構造は、歯列弓当たり3つのブラッシングチャンバを備え、3つのブラッシングチャンバの第1のブラッシングチャンバは、歯列弓の舌側面に面するように構成され、3つのブラッシングチャンバの第2のブラッシングチャンバは、歯列弓の顔側面に面するように構成され、3つのブラッシングチャンバの第3のブラッシングチャンバは、歯列弓の皎合面または切縁に面するように構成され、ブリッスルは、対応する第1、第2、または第3のブラッシングチャンバが加圧されたときに歯列弓の舌側面、顔側面、および皎合面または切縁のうちの少なくとも1つに接触するように構成される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
17.切歯を包み込む支持構造の部分が、歯列弓当たり少なくとも2つのブラッシングチャンバを備え、2つのブラッシングチャンバの第1のブラッシングチャンバは、切歯の舌側面に面するように構成され、2つのブラッシングチャンバの第2のブラッシングチャンバは、切歯の顔側面に面するように構成され、ブリッスルは、対応する第1または第2のブラッシングチャンバが加圧されたときに切歯の舌側面および顔側面の少なくとも一方に接触するように構成される、節1から14のいずれか一節に記載のマウスピース。
18.ブリッスルまたはブリッスルのタフトは、インサート成形、クラミング、または接着によってチャンバの可撓性壁部に固定される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
19.可撓性壁部およびブリッスルまたはブリッスルのタフトは、同じ材料から一体的に作られる、節1から17のいずれか一節に記載のマウスピース。
20.ブリッスルまたはブリッスルのタフトの各々は、ブリッスル支持体上に固定され、ブリッスル支持体は、チャンバの可撓性壁部に接触するか、またはチャンバの可撓性壁部に固定される、節1から18のいずれか一節に記載のマウスピース。
21.ブリッスル支持体は、可撓性壁部の窪み内に位置するか、または可撓性壁部の材料に埋め込まれるか、または可撓性壁部に付着するかもしくは接着されるか、またはチャンバ内に位置し、可撓性壁部の穴と重なり合い、この穴を通ってブリッスルのタフトが可撓性壁部から外側に延びる、節20に記載のマウスピース。
22.ブリッスル支持体はネット状構成を有する、節20または21に記載のマウスピース。
23.支持構造は剛性の高い材料で作られる、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
24.支持構造の断面の少なくとも一部はU字形またはV字形である、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
25.支持構造は、歯列弓のすべての歯を包み込むように構成される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
26.支持構造は、上顎歯列弓の複数の歯および下顎歯列弓の複数の歯を包み込むように構成される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
27.支持構造は、上顎歯列弓と下顎歯列弓の両方のすべての歯を包み込むように構成される、節26に記載のマウスピース。
28.支持構造の断面の少なくとも一部はH字形またはX字形である、節26または27に
記載のマウスピース。
29.少なくとも1つのブラッシングチャンバと流体連通する少なくとも1つの流体開口部であって、少なくとも1つのブラッシングチャンバへの流体の供給と少なくとも1つのブラッシングチャンバからの流体の排出を交互に行って、少なくとも1つのブラッシングチャンバ内の流体の加圧および減圧を交互に行うのを可能にするように構成された少なくとも1つの流体開口部をさらに備える、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
30.可撓性壁部が弾性材料から作られる、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
31.ブリッスルは、少なくとも1つのブラッシングチャンバの可撓性壁部に直接接続される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
32.ブリッスルは、少なくとも1つのブラッシングチャンバの可撓性壁部に直接接続され、それによって、各ブリッスルまたはブリッスルのタフトの長手方向が、ブリッスルまたはブリッスルのタフトが接続されるかまたは取り付けられた可撓性壁部の部分の向きによって決定される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
33.ブリッスルは、少なくとも1つのブラッシングチャンバが加圧されたときに上顎歯列弓または下顎歯列弓の舌側面、顔側面、および皎合面または切縁のうちの少なくとも1つに係合するように構成される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
34.少なくとも1つのブラッシングチャンバは、上顎歯列弓および下顎歯列弓の長さ方向において見たときに、支持構造の全長に沿って延びる、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
35.少なくとも1つのブラッシングチャンバは、上顎歯列弓および下顎歯列弓の複数の歯を包み込む使用時に、上顎歯列弓および下顎歯列弓の長さ方向において見たときに、上顎歯列弓および下顎歯列弓の左部分、前部分、および右部分に沿って延びるように構成される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
36.ブラッシングチャンバは、上顎歯列弓および下顎歯列弓の少なくとも切歯、犬歯、および小臼歯を包み込むように構成される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
37.支持構造は、少なくとも1つのブラッシングチャンバの可撓性壁部に対して剛性を有する、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
38.前記少なくとも1つの圧力チャンバにおける1つまたは複数の圧力チャンバを加圧し、同時に前記少なくとも1つの圧力チャンバにおける1つまたは複数の他の圧力チャンバを減圧するように構成される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
39.前記少なくとも1つの圧力チャンバにおける1つまたは複数の圧力チャンバを加圧するのを可能にし、同時に前記少なくとも1つの圧力チャンバにおける1つまたは複数の他の圧力チャンバを減圧するのを可能にするように構成される、前節のいずれか一節に記載のマウスピース。
40.歯磨きの方法であって、
前節のいずれか一節に記載のマウスピースによって磨くべき複数の歯を包み込むステップと、
少なくとも1つの前記ブラッシングチャンバの加圧と減圧を交互に行うステップとを含む方法。
41.歯磨きの方法であって、
歯表面に面する内面を有する支持構造を備えるマウスピースによって歯列弓の複数の歯を包み込むステップと、
支持構造の内面側に設けられた少なくとも1つのブラッシングチャンバの加圧と減圧を交互に行うステップであって、少なくとも1つのブラッシングチャンバは、ブラッシングチャンバの可撓性壁部から外側に延びるブリッスルを有する可撓性壁部を備える、ステップとを含む方法。
42.少なくとも2つの隣接するブラッシングチャンバが支持構造の内面側に設けられ、2つのブラッシングチャンバのそれぞれの可撓性壁部は、互いに隣接し、同じ歯表面の隣接する部分に面し、方法は、
- ブラッシングサイクルを繰り返すステップであって、ブラッシングサイクルが、
- 2つのブラッシングチャンバの一方を加圧し、同時に2つのブラッシングチャンバの他方を減圧することと、
- 2つのブラッシングチャンバの前記一方を減圧し、同時に2つのブラッシングチャンバの前記他方を加圧することとを含むステップを含む、節40または41に記載の方法。
43.支持構造の内面と少なくとも1つのブラッシングチャンバとの間に位置決めチャンバが位置し、方法は、
マウスピースによって複数の歯を包み込む前に位置決めチャンバを減圧するステップと、
複数の歯を包み込んだ後に位置決めチャンバを加圧するステップと、
少なくとも1つのブラッシングチャンバを加圧し減圧する間位置決めチャンバを加圧した状態に維持するステップとをさらに含む、節40から42のいずれか一節に記載の方法。
44.ブリッスルは、対応するブラッシングチャンバが加圧されたときに歯表面に係合する、節40~43のいずれか一節に記載の方法。
45.節1から39のいずれか一節に記載のマウスピースを備える歯洗浄デバイス。
46.節1から39のいずれか一節に記載のマウスピースを備え、
圧力デバイスであって、
- 少なくとも1つのブラッシングチャンバと流体連通することと、
- 流体による少なくとも1つのブラッシングチャンバの加圧と減圧を交互に行うこととを行うように構成された圧力デバイスをさらに備える歯洗浄デバイス。
47.ハンドル接触面が設けられたハンドル部材であって、マウスピースには、ハンドル接触面に着脱可能に結合されるように構成されたマウスピース接触面が設けられる、ハンドル部材を備える、節45または46に記載の歯洗浄デバイス。
48.マウスピース接触面は、マウスピース流体流路を通してマウスピースの少なくとも1つのブラッシングチャンバと流体連通する少なくとも1つのマウスピース流体流路末端を備え、ハンドル接触面は、マウスピース流体流路末端と流体連通するように構成された少なくとも1つのハンドル流体流路末端を備える、節47に記載の歯洗浄デバイス。
49.ハンドル部材は、少なくとも1つのブラッシングチャンバを加圧し減圧するためのポンピングデバイスを備え、ポンピングデバイスは、少なくとも1つのハンドル流体流路を通してハンドル流体流路末端と流体連通するように構成される、節48に記載の歯洗浄デバイス。
50.ポンピングデバイスは空気圧ポンプまたは油圧ポンプである、節49に記載の歯洗浄デバイス。
51.ポンピングデバイスは、制御可能な弁システムを通してハンドル流体流路末端に結合される、節49または50に記載の歯洗浄デバイス。
52.マウスピース接触面は、支持構造に設けられた洗浄流体供給開口部と流体連通する少なくとも1つのさらなるマウスピース流体流路末端を備え、ハンドル接触面は、さらなるマウスピース流体流路末端と流体連通するように構成された少なくとも1つのさらなるハンドル流体流路末端を備える、節45から51のいずれか一節に記載の歯洗浄デバイス。
53.少なくとも1つのブラッシングチャンバと流体連通する少なくとも1つの第1の流体末端を含む第1の接触面部分と、圧力デバイスと流体連通する少なくとも1つの第2の流体末端を含む第2の接触面部分とを有する接触面をさらに備え、
第1の接触面部分および第2の接触面部分は、互いに脱着可能に結合するように構成され、それによって、結合状態では、前記第1の流体末端が前記少なくとも1つの第2の流体末端と流体連通する、節45から52のいずれか一節に記載の歯洗浄デバイス。
54.前記少なくとも1つの流体末端の数は、前記少なくとも1つの第2の流体末端の数に対応する、節53に記載の歯洗浄デバイス。
55.圧力デバイスは、前記少なくとも1つの圧力チャンバにおける1つまたは複数の圧力チャンバを加圧し、同時に前記少なくとも1つの圧力チャンバにおける1つまたは複数の他の圧力チャンバを減圧するようにさらに構成される、節45から54のいずれか一節に記載の歯洗浄デバイス。
56.洗浄流体構成をさらに備え、洗浄流体構成は、
洗浄流体用の注入口であって、注入口開口部が、マウスピースをハンドル部材に結合するように構成されたマウスピース接触面に配置される注入口と、
洗浄流体用の1つまたは複数の放出口であって、上顎歯列弓および/または下顎歯列弓の領域に歯洗浄流体を供給するように構成された放出口と、
マウスピースを貫通して延び、洗浄流体用の注入口と洗浄流体用の1つまたは複数の放出口との間を流体接続するように構成されたダクトとを備える、節1から39のいずれか一節に記載のマウスピース。
57.前記1つまたは複数の放出口は、複数の歯の切歯の領域に配置された放出口を備える、節56に記載のマウスピース。
58.前記1つまたは複数の放出口は、複数の歯の皎合面および切縁の領域にわたって歯列弓に沿って分散されて配置された複数の放出口を備える、節56または57に記載のマウスピース。
59.前記1つまたは複数の放出口は、複数の歯の皎合面および切縁の領域にわたって歯列弓に沿って分散された複数の放出口を有する第1の列を備える、節56から58のいずれか一節に記載のマウスピース。
59.前記1つまたは複数の放出口は、複数の歯の皎合面および切縁の領域にわたって歯列弓に沿って分散された複数の放出口を有する第2の列を備え、第2の列は第1の列に平行である、節58に記載のマウスピース。
60.少なくとも1つのブラッシングチャンバの可撓性壁部は、少なくとも1つのブラッシングチャンバを加圧した結果として凸形状をとるように構成される、節1~39または56~59のいずれか一節に記載のマウスピース。
61.少なくとも1つのブラッシングチャンバの可撓性壁部は、少なくとも1つのブラッシングチャンバを減圧した結果として凹形状をとるように構成される、節1~39または56~60のいずれか一節に記載のマウスピース。
62.節56~59のいずれか一節に記載のマウスピースとハンドル部材とを備え、ハンドル部材には、マウスワッシュカプセルと、マウスワッシュカプセルと洗浄流体用の注入口との間を流体接続するように構成されたハンドル部材ダクトとが設けられる歯洗浄デバイス。
63.ハンドルは、マウスワッシュ液をカプセルからマウスピースに送り出すように構成されたポンプをさらに備える、節60に記載の歯洗浄デバイス。
【0154】
上記で詳しく説明したように、歯洗浄デバイス用のマウスピースは、歯列弓の複数の歯を包み込むように構成された支持構造を備える。支持構造は、歯表面に面する内面を有する。内面側に少なくとも1つのブラッシングチャンバが設けられる。ブラッシングチャンバは、ブラッシングチャンバを加圧または減圧することによって変形可能な可撓性壁部を備える。可撓性壁部から外側にブリッスルが延びる。歯磨きの方法では、マウスピースによって複数の歯が包み込まれ、少なくとも1つのブラッシングチャンバに対して加圧と減圧が交互に行われる。
【0155】
上記で詳しく説明したように、本発明によるマウスピースは、少なくとも1つのブラッシングチャンバを備える。少なくとも1つのブラッシングチャンバは、本発明によれば、上顎歯列弓用に1つ、下顎歯列弓用に1つの、2つのブラッシングチャンバであってもよい。少なくとも1つのブラッシングチャンバは、上顎歯列弓用の2つ、3つ、5つ、または任意の他の数のブラッシングチャンバと下顎歯列弓用の2つ、3つ、5つ、または任意の他の数のブラッシングチャンバであってもよい。上記では、各ブラッシングチャンバがマウスピースの全長にわたって延びると仮定されているが、各列が歯列弓の長さ方向に延びるブラッシングチャンバの1つまたは複数の列が、一列に揃えられた2つ以上のブラッシングチャンバを備える実施形態も含む。
【0156】
必要に応じて、本明細書では本発明の詳細な実施形態が開示されるが、開示された実施形態は本発明の例に過ぎず、本発明が様々な形態で実施できることを理解されたい。したがって、本明細書で開示された特定の構造および機能の詳細は、限定として解釈すべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎としてかつ本発明を実質的に任意の適切に詳細な構造において様々な形態で当業者が使用するように教示するための代表的な基礎として解釈すべきである。さらに、本明細書で使用された用語および句は、限定を意図したものではなく、むしろ本発明の理解可能な説明を提供するためのものである。
【0157】
「a/an」という用語は、本明細書で使用するとき、1つまたは1つよりも多い数として定義される。plurality(複数)という用語は、本明細書で使用するとき、2つまたは2つよりも多い数として定義される。another(別の)という用語は、本明細書で使用
するとき、少なくとも2番目またはそれよりも後のものとして定義される。including(含む)および/またはhaving(有する)という用語は、本明細書で使用するとき、compri
sing(備える)と定義される(すなわち、オープンランゲージ、他の要素およびステップを除外しない)。特許請求の範囲における任意の参照符号は、特許請求の範囲の範囲、または本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0158】
ある手段が相互に異なる従属クレームに記載されているという事実だけで、これらの手段の組合せが有利に使用できないものであることを示すことにはならない。
【0159】
coupled(結合された)という用語は、本明細書で使用するとき、接続されることとして定義されるが、必ずしも直接接続されるとは限らない。
【符号の説明】
【0160】
1 歯列弓
10、20、30、40、50、81a、81b、204、260、270、280、310、330 マウスピース
11、21、31、41、51、94、84、85、106、116、311、331 支持構造
12、32 内面
13a 第1のブラッシングチャンバ
13b 第2のブラッシングチャンバ
13c 第3のブラッシングチャンバ
14a 第1の流体流路
14b 第2の流体流路
14c マウスピース流体流路末端
16、36 マウスピース接触面
17a、17b、17c、37a~37f、62、74a~74f、83、89a~89f、96、108、118、120、154、160、170、180、190 可撓性壁部
22a~22e 第1~第5のブラッシングチャンバ
23a~23f 第1~第6の可撓性壁部
24、44、54、132、136、142、152、156、162、172、182、192、264、274、284、315、335 ブリッスル
33a~33f 第1~第6のブラッシングチャンバ
34a 第1の流体流路末端
34b 第2の流体流路末端
34c 第1のマウスピース流体流路末端
34d 第4の流体流路末端
34e 第5の流体流路末端
34f 第2のマウスピース流体流路末端
42a~42j 第1~第10のブラッシングチャンバ
43a~43l 第1~第12の可撓性壁部
52a~52d 第1~第4の位置決めチャンバ
53a~53l 第5~第16の可撓性壁部
55a~55l 第1~第12のブラッシングチャンバ
56a~56d 第1~第4の可撓性壁部
58 歯
60、80、90、100、110 位置決めチャンバまたはブラッシングチャンバ 64 ブラダ
72a~72e 第1~第5のブラッシングチャンバ
76a~76e 第1~第5のブラダ
82、86a~86c 壁部材
82a、88a~88h 縁部
85a 中心部
87a~87g、312、332、332a、332b ブラッシングチャンバ
92 ストリップ
92a、92b、104a、104b、114a、114b 縁部または縁部領域
102a、102b、112a、112b 細長いストリップ
130、140、150 可撓性壁部またはブリッスル支持体
134、158、164、174、184、194 ブリッスル支持体
144、153、157、186 穴
151、155、196 接着剤
166 窪み
200 歯洗浄デバイス
202 ハンドル部材
210 バッテリ
212 バッテリ充電接触面
214 PCB
216 モータ
218 変速機
220 クランクピストン
222 ピストンポンプ
222a ポンプ
224 マウスワッシュポンプ
230 マウスワッシュカプセル
240 ブラッシング弁ユニット
242、242a、242b、245、245a、245b、247b、247c、252、254、273、283 ダクト
243、243a、243b 開口部
244、244a、244b 電子弁
247a 分岐ダクト
248 マウスワッシュ弁
250 洗浄弁ユニット
261 第1の放出口
262 第2の放出口
271a~271g 第1の放出口
272a~272g 第2の放出口
281a~281g、291a~291g 第1の放出口
282a~282g、292a~292g 第2の放出口
311a、311b 支持構造、側部
311c 支持構造、中間部
312a 第1のブラッシングチャンバ
312b 第2のブラッシングチャンバ
313a 第1の可撓性壁部
313b 第2の可撓性壁部
314、334 ブリッスル、タフト
316、336 内面 内面側
331a、331b 支持構造、側部
331c 支持構造、中間部
333a 第1の可撓性壁部
333b 第2の可撓性壁部
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c
図7d
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図10d
図11
図12
図13
図14
図15
図15a
図16
図17a
図17b
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28a
図28b
図29a
図29b
図30a
図30b
図31