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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】アクリル系接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/08 20060101AFI20241105BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
C09J133/08
C09J11/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022502164
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 CN2019096517
(87)【国際公開番号】W WO2021007847
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-07-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ミャオ
(72)【発明者】
【氏名】チュー、ツァオホイ
【審査官】澤村 茂実
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-277711(JP,A)
【文献】特開平06-158010(JP,A)
【文献】国際公開第2017/216108(WO,A1)
【文献】特開2009-138152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)
(a)40~90重量%のC~C10アルキルアクリレート、
(b)3~15重量%のメチル(メタ)アクリレート、
(c)少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する0.1~5重量%のエチレン系不飽和化合物、
(d)0.20~2重量%のアクリル酸であるエチレン系不飽和酸、および
(e)10~30重量%のエチルアクリレート、0.01~4重量%の(メタ)アクリルアミド、0.01~2重量%のリン官能性モノマーおよびこれらの組合せから選択される他のエチレン系不飽和モノマー(ただし、前記他のエチレン系不飽和モノマーは、少なくともエチルアクリレートおよび(メタ)アクリルアミドを含む)
を含む、モノマー混合物から重合されたポリマーと(ここで、パーセンテージは、前記モノマー混合物の総重量に基づいている)、
B)架橋反応によって、前記ケトまたはアルデヒド基と反応する少なくとも2つのヒドラジド官能性基を有するポリヒドラジド化合物と
を含む、感圧接着剤組成物。
【請求項2】
前記モノマー混合物中のC~C10アルキルアクリレートの量が、65~90重量%である、請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
【請求項3】
前記C~C10アルキルアクリレートが、2-エチルヘキシルアクリレートおよび2-プロピルヘプチルアクリレートからなる群から選択される、請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
【請求項4】
少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する前記エチレン系不飽和化合物が、アセトアセチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートおよびジアセトンアクリルアミドからなる群から選択される、請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
【請求項5】
前記モノマー混合物中の少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有するエチレン系不飽和化合物の量が、0.1~2重量%である、請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
【請求項6】
前記他のエチレン系不飽和モノマー(e)が、エチルアクリレートおよび(メタ)アクリルアミドの組合せである、請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
【請求項7】
架橋反応によって、前記ケトまたはアルデヒド基と反応する少なくとも2つのヒドラジド官能性基を有する前記ポリヒドラジド化合物が、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド;アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド;モノオレフィン不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド;炭酸10ポリヒドラジド;芳香族ジヒドラジド;トリヒドラジド、およびそれらの混合物または任意のサブセットである、請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
【請求項8】
ポリヒドラジド架橋剤の量が、ヒドラジン官能基の比が、少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する前記エチレン系不飽和化合物のケトンまたはアルデヒド官能基の1当量当たり、約0.02~約5当量となるようなものである、請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の裏材材料および感圧接着剤組成物を含む、自己接着剤物品。
【請求項10】
前記裏材材料が、紙、金属箔またはポリマーフィルムである、請求項9に記載の自己接着剤物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクリル系接着剤組成物、特にアクリル系感圧接着剤組成物に関する。
【0002】
序論
近年では、ポリマーパッケージ(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、または他のプラスチックタイプ)の使用は、それらの軽量および良好な耐破壊性により増加した。感圧フィルムラベルもまた、耐湿性および外観の改善により、ポリマーパッケージ系での使用において増加しており、このようなパッケージ材料はリサイクルできることが望ましい。接着力(剥離特性)および凝集力(剪断力特性)は、感圧接着剤(PSA)製品の最も重要な性能である。従来技術において、良好な接着力を有するいくつかの感圧接着剤製品が存在するが、それらの凝集力は満足のいくものではない。または、良好な凝集力を有するいくつかの感圧接着剤製品も存在するが、それらの接着力は満足のいくものではない。バランスのとれた接着力および凝集力を有する感圧接着剤製品が望ましい。
【0003】
したがって、当技術分野では、改善された接着力および/または凝集力、あるいはバランスのとれた接着力および凝集力などの望ましい性能を有する代替の感圧接着剤組成物が強く必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、改善された接着力および/または凝集力、あるいはバランスのとれた接着力および凝集力などの望ましい性能を有する新規の感圧接着剤組成物を提供する。
【0005】
第1の態様では、本開示は、
A)
(a)40~90重量%のC~C10アルキルアクリレート、
(b)3~15重量%のメチル(メタ)アクリレート、
(c)少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する0.1~5重量%のエチレン系不飽和化合物、
(d)0~2重量%のエチレン系不飽和酸、
(e)0~30重量%の他のエチレン系不飽和モノマー
を含む、モノマー混合物から重合されたポリマーと(ここで、パーセンテージは、モノマー混合物の総重量に基づいている)、
B)架橋反応によって、ケトまたはアルデヒド基と反応する少なくとも2つのヒドラジド官能性基を有するポリヒドラジド化合物と、を含む、感圧接着剤組成物を提供する。
【0006】
第2の態様では、本開示は、裏材材料、および
A)
(a)40~90重量%のC~C10アルキルアクリレート、
(b)3~15重量%のメチル(メタ)アクリレート、
(c)少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する0.1~5重量%のエチレン系不飽和化合物、
(d)0~2重量%のエチレン系不飽和酸、
(e)0~30重量%の他のエチレン系不飽和モノマー
を含む、モノマー混合物から重合されたポリマーと(ここで、パーセンテージは、モノマー混合物の総重量に基づいている)、
B)架橋反応によって、ケトまたはアルデヒド基と反応する少なくとも2つのヒドラジド官能性基を有するポリヒドラジド化合物と、を含む、感圧接着剤組成物を含む、自己接着剤物品を提供する。
【0007】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求されるように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。また、本明細書に記載されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照により組み込まれる。
【0009】
本明細書に開示されるように、「組成物」、「配合物」、または「混合物」という用語は、物理的手段によって異なる成分を単に混合することによって得られる、異なる成分の物理的なブレンドを指す。
【0010】
本明細書に開示されるように、「ガラス転移温度」(T)という用語は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)またはFoxの式を使用する計算を含む様々な技術によって測定することができる。
【0011】
この文書全体を通して、「(メタ)アクリル)」という語の断片は、「メタクリル」および「アクリル」の両方を指す。例えば、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸およびアクリル酸の両方を指し、メチル(メタ)アクリレートは、メチルメタクリレートおよびメチルアクリレートの両方を指し、(メタ)アクリアミドは、メタクリアミドおよびアクリアミドの両方を指す。
【0012】
本明細書における「水性」組成物または分散液は、粒子が水性媒体中に分散していることを意味する。本明細書において「水性媒体」とは、水、および媒体の重量に基づく重量基準で0~30%の、例えば、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルおよびこれに類するものなどの水混和性化合物(複数可)を意味する。
【0013】
本開示は、
A)
(a)40~90重量%のC~C10アルキルアクリレート、
(b)3~15重量%のメチル(メタ)アクリレート、
(c)少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する0.1~5重量%のエチレン系不飽和化合物、
(d)0~2重量%のエチレン系不飽和酸、
(e)0~30重量%の他のエチレン系不飽和モノマー
を含む、モノマー混合物から重合されたポリマーと(ここで、パーセンテージは、モノマー混合物の総重量に基づいている)、
B)架橋反応によって、ケトまたはアルデヒド基と反応する少なくとも2つのヒドラジド官能性基を有するポリヒドラジド化合物と、を含む、感圧接着剤組成物を提供する。
【0014】
好ましくは、C~C10アルキルアクリレートは、2-エチルヘキシルアクリレートおよび2-プロピルヘプチルアクリレートから選択される。より好ましくは、C~C10アルキルアクリレートは、2-エチルヘキシルアクリレートである。
【0015】
好ましくは、モノマー混合物中のC~C10アルキルアクリレート(a)の量は、50重量%以上、60重量%以上、65重量%以上、70重量%以上だが、90重量%以下、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下であり得る。より好ましくは、C~C10アルキルアクリレートの量は、モノマー混合物の65~90重量%である。
【0016】
モノマーのメチル(メタ)アクリレート(b)は、メチルアクリレート、および/またはメチルメタクリレートであり得る。
【0017】
好ましくは、モノマー混合物中のメチル(メタ)アクリレート(b)の量は、3重量%以上、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらにより好ましくは6重量%以上、なおさらにより好ましくは8重量%以上だが、15重量%以下、好ましくは13重量%以下、より好ましくは12重量%以下、さらにより好ましくは11重量%以下、なおさらにより好ましくは10重量%以下であり得る。
【0018】
少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有するエチレン系不飽和化合物(c)は、例えば、アクロレイン、メタアクロレイン、アルキルラジカル中に1~20個、好ましくは1~10個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン、ホルミルスチレン、アルキルラジカル中に1つまたは2つのケトまたはアルデヒドあるいは1つのアルデヒドおよび1つのケト基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、該アルキルラジカルは、好ましくは、合計で3~10個の炭素原子を含み、例は、DE-A2722097に記載されているような(メタ)アクリロイルオキシアルキルプロパナールである。さらに、例えば、米国特許第4,228,007号、DE-A2061213またはDE-A2207209から知られているようなN-オキソアルキル(メタ)アクリルアミドもまた好適である。
【0019】
特に好ましくは、アセトアセチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、および特に、ジアセトンアクリルアミド(DAAM)である。
【0020】
モノマー混合物中のモノマー(c)の量は、0.1~5重量%、好ましくは0.1~2重量%、より好ましくは0.2~1重量%である。
【0021】
エチレン系不飽和酸(d)は、スルホン酸、リン酸、または好ましくは、カルボン酸であり得る。好適例としては、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸、または好ましくは、アクリル酸および/もしくはメタクリル酸が挙げられる。好ましくは、エチレン系不飽和酸(d)は、アクリル酸である。
【0022】
好ましくは、モノマー混合物中のエチレン系不飽和酸(d)の量は、0.1重量%以上、好ましくは0.15重量%以上、より好ましくは0.20重量%以上、さらにより好ましくは0.25重量%以上だが、5重量%以下、好ましくは4重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらにより好ましくは2重量%以下、なおさらにより好ましくは1重量%以下であり得る。
【0023】
他のエチレン系不飽和モノマー(e)は、任意の種類のものであり得る。好適例としては、モノマー(a)もしくはモノマー(b)以外のC~C18アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリアミド、ビニル芳香族化合物またはリン官能性モノマーが挙げられる。モノマー(a)またはモノマー(b)以外のC~C18アルキル(メタ)アクリレートの好ましい例としては、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレートおよびn-ブチルメタクリレートが挙げられる。ビニル芳香族化合物の好ましい例としては、スチレンおよびアルファ-メチルスチレンが挙げられる。リン官能性モノマーは、ホスホエチル(メタ)アクリレート、ホスホプロピル(メタ)アクリレート、ホスホブチル(メタ)アクリレート、それらの塩、およびそれらの混合物などの、リン含有(メタ)アクリレート;すべてSolvayから入手可能である、SIPOMER PAM-100、SIPOMER PAM-200、およびSIPOMER PAM-300などの、CH=C(R)-C(O)-O-(RO)-P(O)(OH)(式中、R=HまたはCH、R=アルキル、かつn=2~6);ホスホエチレングリコール(メタ)アクリレート、ホスホジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ホスホトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ホスホプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ホスホジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ホスホトリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの、ホスホアルコキシ(メタ)アクリレート、それらの塩、ならびにそれらの混合物であり得る。
【0024】
エチルアクリレートの量は、10~30重量%であり得る。好ましくは、モノマー混合物中のエチルアクリレートの量は、10重量%以上、12重量%以上、15重量%以上、16重量%以上だが、30重量%以下、好ましくは25重量%以下、より好ましくは20重量%以下であり得る。より好ましくは、エチルアクリレートの量は、15~20重量%である。
【0025】
リン官能性モノマーの量は、0.01~2重量%であり得る。好ましくは、モノマー混合物中のリン官能性モノマーの量は、0.02重量%以上、0.04重量%以上、0.06重量%以上、0.08重量%以上だが、2重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.3重量%以下であり得る。より好ましくは、リン官能性モノマーの量は、0.06~0.3重量%である。
【0026】
(メタ)アクリアミドの量は、0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.10重量%以上、さらにより好ましくは0.15重量%以上だが、4重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらにより好ましくは1重量%以下、なおさらにより好ましくは0.5重量%以下であり得る。
【0027】
好ましい一実施形態において、ポリマーA)は、エマルジョン重合によって調製され、したがって、エマルジョンポリマーである。
【0028】
エマルジョン重合の場合には、好適な界面活性剤系および/もしくは保護コロイド、または安定剤を使用する。
【0029】
好適な界面活性剤系の例は、当該技術分野において既知のものであり、アニオン性、非イオン性、カチオン性、または両性乳化剤、およびそれらの混合物が含まれる。アニオン性界面活性剤の例としては、アルキルサルフェート、エトキシレートアルコールのサルフェート、アリールスルホネート、エトキシル化アルコールのホスフェート、スルホサクシネート、エトキシル化アルキルフェノールのサルフェートおよびスルホネート、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤の例としては、エトキシル化アルコール、エトキシル化アルキルフェノール、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。カチオン性界面活性剤の例としては、エトキシル化脂肪族アミンが挙げられるが、これに限定されない。界面活性剤の典型的な重量は、モノマーの総重量に基づいて、0.1~5.0重量%、より好ましくは0.3~5.0重量%、最も好ましくは0.5~3.0重量%である。界面活性剤は、当技術分野でよく知られている従来の方法によって利用される。一実施形態では、PSAを調製するためのプロセスは、重合反応の前に、界面活性剤系を用いたモノマーミックスのエマルジョン化を含む。
【0030】
界面活性剤の商品名の例は、AEROSOL(登録商標)A-102、Disponil(登録商標)FES77、Dowfax(商標)2A1、Abex(登録商標)2535、およびRHODACAL(登録商標)DS-4である。
【0031】
エマルジョン重合のための水溶性開始剤は、例えば、ペルオキソ二硫酸のアンモニウム塩およびアルカリ金属塩、例えば、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、または有機過酸化物、例えば、tert-ブチルヒドロペルオキシドである。
【0032】
還元-酸化(レドックス)開始剤系として知られているものもまた好適である。
【0033】
レドックス開始剤系は、少なくとも1つの、通常は無機の還元剤、および1つの有機または無機の酸化剤から構成される。
【0034】
酸化用成分は、例えば、すでに前述したエマルジョン重合開始剤を含む。
【0035】
還元用成分は、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの、亜硫酸のアルカリ金属塩、二亜硫酸ナトリウムなどの、二亜硫酸のアルカリ金属塩、アセトン重亜硫酸塩などの、脂肪族アルデヒドおよびケトンとの重亜硫酸塩付加化合物、またはヒドロキシメタンスルフィン酸およびその塩、もしくはアスコルビン酸などの、還元剤を含む。レドックス開始剤系は、その金属成分が複数の原子価状態で存在することができる可溶性金属化合物とともに使用することができる。
【0036】
通常のレドックス開始剤系の例としては、アスコルビン酸/硫酸鉄(II)/ペルオキソ二硫酸ナトリウム、tert-ブチルヒドロペルオキシド/二硫酸ナトリウム、およびtert-ブチルヒドロペルオキシド/Naヒドロキシメタンスルフィン酸が挙げられる。個々の成分、例えば還元用成分は、混合物、例えば、ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩と二亜硫酸ナトリウムとの混合物であってもよい。
【0037】
これらの化合物は、大部分が水溶液の形態で使用され、低濃度は分散液中で許容される水の量により決定され、高濃度はそれぞれの化合物の水への溶解度により決定される。濃度は、溶液に基づいて、一般に0.1~30重量%、好ましくは0.5~20重量%、特に好ましくは1.0~10重量%である。
【0038】
開始剤の量は、重合させるモノマーに基づいて、一般に0.1~10重量%、好ましくは0.3~5重量%である。エマルジョン重合に2つ以上の異なる開始剤を使用することも可能である。
【0039】
エマルジョン重合は、一般に、30~130℃.、好ましくは60~95℃で行われる。重合媒体は、水のみ、または水とメタノールなどの水混和性液体との混合物のいずれかで構成され得る。好ましくは、水のみが使用される。エマルジョン重合は、バッチ操作として、あるいは段階式または勾配式を含む供給プロセスの形態で実施してよい。好ましいのは、重合混合物の一部を、初期充填物として導入し、重合温度に加熱して、この初期充填物の重合を開始し、次に重合混合物の残部を、通常は2つ以上の空間的に分離された供給流(そのうちの1つ以上は、モノマーをそのままで、またはエマルジョン化した形態で含む)により重合領域に供給し、この添加は、連続的に、段階的に、または濃度勾配下で行われ、そしてこの添加の間は重合が維持される、供給プロセスである。例えば、粒度をより効果的に調整するために、重合への初期充填物にポリマーシードを含めることも可能である。
【0040】
フリーラジカル水性エマルジョン重合の過程で、開始剤を重合容器に添加する方法は、熟練した研究者に既知である。開始剤は、その全部が重合容器への初期充填物中に含まれるか、あるいはフリーラジカル水性エマルジョン重合の過程で、消費される速度に応じて開始剤が連続的にまたは段階的に導入されるかのいずれかである。それぞれの特定の場合において、これは開始剤系の化学的性質と重合温度との両方に依存することになる。開始剤は一部を初期充填物中に含め、かつ開始剤が消費される速度に応じて残部を重合領域に供給することが好ましい。
【0041】
残留モノマーを除去するために、実際のエマルジョン重合の終了後、すなわち、少なくとも95%のモノマーの転化後にも開始剤を添加するのが一般的である。
【0042】
供給プロセスでは、個々の成分を、上部から、側部から、または下部から、反応器の床を通して反応器に添加することができる。
【0043】
エマルジョン重合の場合、一般に15~75重量%、好ましくは40~75重量%の固形分を有する水性ポリマー分散液が得られる。
【0044】
反応器の高い空間/時間収率のためには、可能な限り高い固形分を有する分散液が好ましい。60重量%を超える固形分を達成し得るためには、二峰性または多峰性の粒度に調整されるべきである。それというのも、そうでなければ粘度が高すぎるものになり、分散液はもはや取り扱うことができないからである。新たな粒子の生成は、例えば、シード(EP81083)の添加によって、過剰量の乳化剤の添加によって、またはミニエマルジョンの添加によって実施できる。高固形分での低粘度に関連する別の利点は、高固形分での改善されたコーティング挙動である。1つ以上の新たな粒子の生成は、任意の時点で実施できる。それは、低粘度を対象とした粒度分布によって導かれる。
【0045】
このように調製されたポリマーは、好ましくは、その水性分散液の形態で使用される。
【0046】
ポリマー分散液のpHは、好ましくは、4.5超のpH、特に5~9の間のpHに調節される。
【0047】
ポリマーまたはポリマーのガラス転移温度は、好ましくは-60~-30℃、特に好ましくは-55~-30℃、特に極めて好ましいのは-50~-35℃である。
【0048】
ガラス転移温度は、示差熱分析または示差走査熱量測定などの通常の方法で決定できる(例えば、ASTM 3418/82、中点温度を参照のこと)。
【0049】
化合物B)は、少なくとも2つのヒドラジド官能性基を有するポリヒドラジド化合物である。ポリヒドラジド化合物の特定例としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド;アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどの、モノオレフィン不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド;炭酸ジヒドラジドなどの、炭酸10ポリヒドラジド;フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどの、芳香族ジヒドラジド;1,2,4-ブタントリカルボヒドラジド、1,1,4-ブタントリカルボヒドラジド、1,2,5-ペンタントリカルボヒドラジド、1,3,6-ヘキサントリカルボヒドラジド、1,3,7-ヘプタントリカルボヒドラジド、およびI-ヒドロキシ-1,2,4-ブタントリカルボヒドラジドなどの、トリヒドラジド、ならびにそれらの混合物または任意のサブセットが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ポリヒドラジドは、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ビス-セミカルビジド、およびそれらの混合物を含む。別の実施形態では、ポリヒドラジドはアジピン酸ジヒドラジドである。
【0050】
ポリヒドラジド架橋剤の有効量は、ヒドラジン官能基の比が、少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有するエチレン系不飽和化合物のケトンまたはアルデヒド官能基の1当量当たり、約0.02~約5当量であるか、あるいは少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有するエチレン系不飽和化合物のケトンまたはアルデヒド官能基の1当量当たり、約0.1~約3当量であるか、あるいは少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有するエチレン系不飽和化合物のケトンまたはアルデヒド官能基の1当量当たり、約0.2~約1当量となるようなものである。
【0051】
ポリヒドラジド化合物B)は、プロセスの任意の時点で添加することができる。一実施形態では、それはエマルジョン反応の後に添加される。
【0052】
B)の重量画分は、ポリマーA)の100重量部当たり、好ましくは0.05~2重量部、特に0.05~1重量部、非常に好ましくは0.1~0.7重量部であり、ポリマーA)の100重量部当たり、より好ましくは0.1~0.3重量部である。
【0053】
ポリマーA)、またはポリマーの水性分散液は、簡単な方法で化合物B)と混合することができる。得られた混合物は保存時に安定していた。
【0054】
感圧接着剤(PSA)は、ポリマーのみ、またはポリマーA)および化合物B)の水性分散液から構成されてよい。
【0055】
PSAは、さらなる添加剤:増粘剤、消泡剤、湿潤剤、機械的安定剤、顔料、充填剤、凍結融解剤、中和剤、可塑剤、粘着付与剤(粘着付与樹脂)、接着促進剤、およびそれらの組み合わせを含み得る。粘着付与剤の例は、ロジン、ならびにその不均化もしくは異性化、重合、二量化および/または水素化によって形成された誘導体などの天然樹脂である。これらは、その塩の形態で(例えば、一価または多価の対イオン(カチオン)との塩の形態で)、または好ましくは、そのエステル化形態で存在し得る。エステル化に使用されるアルコールは、一価または多価であり得る。例は、メタノール、エタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,3-プロパンチオール、およびペンタエリトリトールである。
【0056】
さらに炭化水素樹脂、例えば非水素化脂肪族C5樹脂、水素化脂肪族C5樹脂、芳香族修飾C5樹脂、テルペン樹脂、水素化C9樹脂、およびそれらの組み合わせも使用される。
【0057】
粘着付与剤としてますます使用されている他の化合物には、低モル重量を有するポリアクリレートが含まれる。このポリアクリレートは、好ましくは、30,000未満の重量平均分子量MWを有する。好ましい場合、ポリアクリレートは、少なくとも60重量%、特に少なくとも80重量%のC1~C8アルキル(メタ)アクリレートから構成される。
【0058】
好ましい粘着付与剤は、天然または化学修飾したロジンである。ロジンは、主にアビエチン酸またはその誘導体から構成される。
【0059】
粘着付与剤の重量による量は、ポリマー100重量部当たり、好ましくは5~100重量部、特に好ましくは10~50重量部である(固体/固体)。
【0060】
PSAは、接着剤組成物の総重量に基づいて、0~5重量パーセントの増粘剤を含み得る。0~5重量パーセントのすべての個々の値および部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。例えば、中和剤の重量%は、0、0.5、または1重量パーセントの下限から1、3、または5重量パーセントの上限までであり得る。増粘剤の例としては、The Dow Chemical Company、Midland,Michiganから市販されているACRYSOL(商標)、UCAR(商標)、およびCELOSIZE(商標)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
PSAは、接着剤組成物の総重量に基づいて、0~2重量パーセントの中和剤を含み得る。0~2重量パーセントのすべての個々の値および部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。例えば、中和剤の重量%は、0、0.3、または0.5重量パーセントの下限から0.5、1、または2重量パーセントの上限までであり得る。中和剤は、典型的には配合された感圧接着剤組成物に安定性を与えるようにpHを制御するために使用される。中和剤の例としては、アンモニア水、アミン水溶液、および他の水性無機塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
PSAは、ラベル、接着剤テープまたは接着剤シート、例えば、保護フィルムなどの自己接着剤物品を製造するために使用される。
【0063】
自己接着剤物品は、一般に、接着剤の層が片面または両面に、好ましくは片面に塗布された裏材から構成される。
【0064】
裏材材料は、例えば、紙、金属箔、好ましくは二軸または一軸延伸することができるポリエチレンおよびポリプロピレンを含むポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレンまたはポリアミドからなるポリマーフィルムを含み得る。
【0065】
本開示は、本明細書に開示される裏材材料および感圧接着剤組成物を含む、自己接着剤物品を提供する。
【0066】
裏材材料上に接着剤層を作製するために、裏材材料を従来通りコーティングすることができる。通常の塗布量は、例えば、5~50g/m(固体、水なし)である。
【0067】
構成されたコーティングされた基材は、例えば、ラベル、接着剤テープまたはシート、例えば、保護フィルムなどの自己接着剤物品として使用される。その後の使用のために、基材、例えばラベルのPSAコーティングされた面を、シリコーン処理紙などの剥離紙で覆うことができる。
【0068】
本発明の自己接着剤物品は、良好な性能特性、特に、改善された接着力および凝集力、ならびに/または改善された接着力/凝集力のバランスを有する。
【実施例
【0069】
本発明のいくつかの実施形態は、以下の実施例においてここに記載され、すべての部およびパーセンテージは、他に特定されない限り、重量による。
原料:
【表1】
【0070】
エマルジョン重合法
一般に、本開示によるエマルジョン混合物は以下のように調製される。コンデンサー、メカニカルスターラー、温度制御された熱電対ならびに開始剤およびモノマー用の入口を備えた4リットルの5つ口反応器に、675gの脱イオン(「DI」)水を供給し、穏やかなN流の下で88℃に加熱する。別のコンテナ内で、275gのDI水、10gのRHODACAL DS-4、12gのAEROSOL A-102、2.5gのNaCO、ならびに2-エチルヘキシルアクリレート(「2-EHA」)、ブチルアクリレート(「BA」)、エチルアクリレート(「EA」)、メチルメタクリレート(「MMA」)、アクリル酸(「AA」)、AM、PEM、およびDAAMのうちの少なくとも1つを含む1,672gのモノマー混合物を混合することによって、モノマーエマルジョンが調製される。
【0071】
次に、40gのDI水中のNaCOと、過硫酸アンモニウム(「APS」)との混合物の溶液を反応器に添加する。NaCOおよびAPSの溶液を添加した直後に、モノマーエマルジョンを反応器に供給する。供給は、80分間続行する。
【0072】
モノマーエマルジョンの添加が完了したら、反応混合物を60℃に冷却させた後、tert-ブチルヒドロペルオキシド(70%)(「t-BHP」)(32gのDI水中に9.2g)、および34.5gのDI水中の6.8g Bruggemann Chemical US Company、Chadds Ford,PennsylvaniaからのBRUGGOLITE FF6 M(「FF6」)などの還元剤の溶液を、30分かけて2本の別々のパイプを通して徐々に添加する。供給が完了したら、反応物を室温に冷却する。次いで、得られた組成物を325メッシュ濾布を通して濾過して、その後の評価作業用の組成物を調製する。
【0073】
感圧接着剤の配合
すべてのサンプルは、別途記載のない限り、実験室のドローダウンのために湿潤性を改善するため、全エマルジョンに基づいて、Evonik Industriesから入手した0.3%(湿潤/湿潤)Surfynol 420湿潤剤(「420」)などの湿潤剤がわずかに配合される。ADHも添加した。次に、The Dow Chemical Company、Midland,MichiganからのACRYSOL RM-2020(「RM-2020」)などの増粘剤を使用して、粘度を約600cps(Brookfield、RVDV、30rpm、63#)に調節し、アンモニアを使用して、最終pHを7.0~7.5に調節する。
【0074】
実験室のドローダウン
ポリプロピレン(「PP」)フィルム(厚さ60マイクロメートル)を、ラミネート加工前にコロナ処理によって前処理する。配合した接着剤を、乾燥重量基準で17g/mの量で剥離ライナーに塗布し、105℃で2分間乾燥させる。PEフィルムを、40psiの圧力下で40℃にて、感圧接着剤をコーティングした剥離ライナーとラミネートする。
【0075】
適用試験
性能試験は、接着剤ラミネートを、制御された環境(22~24℃、相対湿度50~60%)の試験実験室で、5日間コンディショニングした後に実施することができる。
【0076】
剥離強度試験:ガラス試験プレートおよび高密度ポリエチレン(HDPE)試験プレートの両方に対する90°での剥離強度試験は、FINAT試験方法No.1に従った。試験前に、サンプルストリップ(ワックスなしで配合)を試験プレートに20分間および1日間の滞留時間で貼付した。
【0077】
凝集力/剪断力試験:ガラス試験プレートに対する剪断力抵抗試験は、FINAT試験方法No.8を使用する。
【0078】
破壊形態は、試験値の後ろに記録される:「AF」は接着力破壊を示し、「AFB」は裏材からの接着力破壊を示し、「MF」は混合破壊を示し、「CF」は凝集力破壊を示す。例示的な実施例(「IE」)および比較実施例(「CE」)を、以下の表1に詳細に記載する。表1は、実施例IEおよびCEの組成物の配合物およびPSA特性を詳細に記載している。
【表2】
【0079】
CE1の配合物と比較して、IE1~IE5の配合物では、より良好なHDPE剥離が得られた。IE1、IE2およびIE5の配合物では、より良好な1日間のガラス剥離が得られた。IE1~IE5の剪断力性能は接着力破壊であり、これは凝集力が接着力よりも良好であったことを意味する。IE3およびIE4の配合物では、200時間超の剪断力が得られ、これはCE1およびCE2よりも大いに良好であった。
【0080】
CE2の配合物と比較して、IE5の配合物では、より高い剪断力、およびわずかに低いHDPE剥離が得られた。1日間のガラス剥離は同等であった。
【0081】
モノマー混合物中に30%のEHAを含むCE3の配合物と比較して、IE1~IE5の配合物では、大いに良好な剪断力特性が得られた。
【0082】
モノマー混合物のEA含有量が高すぎると、Tgが高すぎるものとなる。モノマー混合物のMMA含有量が高すぎると、Tgが非常に高いものとなる。Tgの増加は、ポリマーの剛性を高め、湿潤性を低下させ、接着剤特性を低下させる可能性がある。Tgが高すぎるポリマーは、特に低表面エネルギーの表面上で、適切な感圧接着力を示すのに十分な適合性を持たない。
【0083】
配合物CE3およびCE4と比較して、IE4の配合物では、大いに良好な剪断力、かつガラスとHDPEの両方で同等またはより良好な接着力が得られた。CE6は、良好な接着力が得られたが、低すぎる剪断力性能(凝集力)となり、一方で、CE7は、適切な剪断力が得られたが、すべての本発明の実施例IE1~IE5よりも低い接着力となった。CE6とCE7はどちらも、本発明の実施例よりも接着力/凝集力のバランスがより劣っている。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] A)
(a)40~90重量%のC ~C 10 アルキルアクリレート、
(b)3~15重量%のメチル(メタ)アクリレート、
(c)少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する0.1~5重量%のエチレン系不飽和化合物、
(d)0~2重量%のエチレン系不飽和酸、
(e)0~30重量%の他のエチレン系不飽和モノマー
を含む、モノマー混合物から重合されたポリマーと(ここで、パーセンテージは、前記モノマー混合物の総重量に基づいている)、
B)架橋反応によって、前記ケトまたはアルデヒド基と反応する少なくとも2つのヒドラジド官能性基を有するポリヒドラジド化合物と
を含む、感圧接着剤組成物。
[2] 前記モノマー混合物中のC ~C 10 アルキルアクリレートの量が、65~90重量%である、[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[3] 前記C ~C 10 アルキルアクリレートが、2-エチルヘキシルアクリレートおよび2-プロピルヘプチルアクリレートからなる群から選択される、[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[4] 少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する前記エチレン系不飽和化合物が、アセトアセチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートおよびジアセトンアクリルアミドからなる群から選択される、[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[5] 前記モノマー混合物中の少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有するエチレン系不飽和化合物の量が、0.1~2重量%である、[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[6] 前記他のエチレン系不飽和モノマー(e)が、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、(メタ)アクリアミド、ビニル芳香族化合物、およびリン官能性モノマーからなる群から選択される、[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[7] 前記エチレン系不飽和酸が、スルホン酸、リン酸、およびカルボン酸からなる群から選択される、[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[8] 架橋反応によって、前記ケトまたはアルデヒド基と反応する少なくとも2つのヒドラジド官能性基を有する前記ポリヒドラジド化合物が、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド;アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド;モノオレフィン不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド;炭酸10ポリヒドラジド;芳香族ジヒドラジド;トリヒドラジド、およびそれらの混合物または任意のサブセットである、[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[9] ポリヒドラジド架橋剤の量が、ヒドラジン官能基の比が、少なくとも1つのケトまたはアルデヒド基を有する前記エチレン系不飽和化合物のケトンまたはアルデヒド官能基の1当量当たり、約0.02~約5当量となるようなものである、[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載の裏材材料および感圧接着剤組成物を含む、自己接着剤物品。
[11] 前記裏材材料が、紙、金属箔またはポリマーフィルムである、[10]に記載の自己接着剤物品。