(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】人間による床レベルのタスク実行を容易にする下半身支持システム
(51)【国際特許分類】
B25J 11/00 20060101AFI20241105BHJP
A47C 9/10 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
A47C9/10 Z
(21)【出願番号】P 2022505400
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(86)【国際出願番号】 US2020043617
(87)【国際公開番号】W WO2021021679
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-14
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】竹内 公祐
(72)【発明者】
【氏名】首藤 和正
(72)【発明者】
【氏名】ジュヤン キム
(72)【発明者】
【氏名】シェン リュウ
(72)【発明者】
【氏名】ハルヒコ ハリー アサダ
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0040216(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0102423(US,A1)
【文献】特開2017-100196(JP,A)
【文献】特開2013-208672(JP,A)
【文献】特開2007-276086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
A47C 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの下部胴体の周囲に巻き付けられるハーネスと、
前記ハーネスに取り付けられて前記ユーザの両側に配置される支持プレート要素と、
前記支持プレート要素に固定され、前記ユーザの立位で作業環境の地面に接することなく下方へ延び、前記ユーザのしゃがみ位で前記地面に接する主要な身体支持構造体と、
前記支持プレート要素又は前記主要な身体支持構造体に回転ジョイントを中心として回転可能に結合されて前記ユーザの両側に配置される尻部支持フレームと、
各々の前記尻部支持フレームに結合されて前記ユーザの尻部を支持する尻部支持構造体と、を備え、
各々の前記尻部支持フレームは、前記回転ジョイントから離れるように延びて前記ユーザの大腿上部に取り付けられるレバーアーム部分を含む、
下半身支持システム。
【請求項2】
前記回転ジョイントを中心に回転可能に前記支持プレート要素に結合され、前記ユーザの立位で前記地面に接することなく下方へ延び、前記ユーザのしゃがみ位で前記主要な身体構造体よりも前記ユーザの前方側で前記地面に接する補助の身体支持構造体をさらに備え、
前記補助の身体支持構造は、前記ユーザの立位で前記主要な身体支持構造体よりも前記ユーザの後方側へ延びるメカニカルストップを有し、
前記メカニカルストップは、前記ユーザのしゃがみ位で前記主要な身体支持構造体に接触して前記回転ジョイントを中心とする前記ユーザの前方側への前記補助の身体支持構造体の回転を規制する、
請求項1に記載の下半身支持システム。
【請求項3】
前記主要な身体支持構造体に設けられた第2の回転ジョイントと、
前記第2の回転ジョイントを中心に回転可能に前記主要な身体支持構造体に結合され、前記ユーザの立位で前記地面に接することなく下方へ延びる補助の身体支持構造体と、
前記補助の身体支持構造体に設けられた第3の回転ジョイントと、
前記レバーアーム部分に設けられた第4の回転ジョイントと、
前記第3の回転ジョイントを中心に回転可能に前記補助の身体支持構造体に結合されるとともに、前記第4の回転ジョイントを中心に回転可能に前記レバーアーム部分に結合される展開リンクと、をさらに備え、
前記展開リンクは、前記ユーザが立位からしゃがみ位まで動くに従い、前記回転ジョイントを中心として回転する前記レバーアーム部分に連動して前記補助の身体支持構造体を前記ユーザの前方側に展開させて前記地面に接触させる、
請求項1に記載の下半身支持システム。
【請求項4】
前記主要な身体支持構造体は、前記ユーザのしゃがみ位で前記地面に接触して曲がることで前記地面との間に接触領域を形成する弾性材料により構成されている、
請求項1に記載の下半身支持システム。
【請求項5】
前記主要な身体支持構造体の下端部に設けられた第2の回転ジョイントと、
前記第2の回転ジョイントを中心とした回転に対する復元力が発生するように前記主要な支持構造体に回転可能に結合され、前記ユーザの立位で前記地面に接することなく下方へ延び、前記ユーザのしゃがみ位で前記地面に接触して前記主要な身体支持構造体に対して回転することで前記地面との間に接触領域を形成する補助の身体支持構造体と、をさらに備える、
請求項1に記載の下半身支持システム。
【請求項6】
前記主要な身体支持構造体の下端部に設けられた直線ジョイントと、
前記直線ジョイントにおいて前記主要な身体支持構造体に結合され、前記ユーザの立位で前記地面に接することなく下方へ延び、前記ユーザのしゃがみ位で前記地面に接触して前記主要な身体支持構造体に対して並進する補助の身体支持構造体と、
前記直線ジョイントに沿った前記主要な身体支持構造体に対する前記補助の身体支持構造体の並進移動によって復元力を発生させる線形ばねと、をさらに備える、
請求項1に記載の下半身支持システム。
【請求項7】
人間のユーザの胴体に取り外し可能に取り付けられるハーネスアセンブリと、
尻部支持構造体と、
第1の受動的下半身支持アセンブリ及び第2の受動的下半身支持アセンブリと、
を含む下半身支持システムであって、
前記第1の受動的下半身支持アセンブリ及び前記第2の受動的下半身支持アセンブリは各々、
前記ハーネスアセンブリに強固に結合された主要な身体支持構造体であり、作業環境の地面に向かって前記ハーネスアセンブリから下方に延びる主要な身体支持構造体、及び
前記尻部支持構造体に強固に結合され、且つ回転ジョイントにおいて前記ハーネスアセンブリ又は前記主要な身体支持構造体に結合された尻部支持フレームであり、前記回転ジョイントを中心として前記ハーネスアセンブリに対して回転可能な尻部支持フレーム、
を含み、
前記第1の受動的下半身支持アセンブリは、人間のユーザの胴体の第1の側で前記ハーネスアセンブリ及び前記尻部支持構造体に結合され、前記第2の受動的下半身支持アセンブリは、前記第1の側とは反対の人間のユーザの胴体の第2の側で前記ハーネスアセンブリ及び前記尻部支持構造体に結合されて
おり、
前記第1の受動的下半身支持アセンブリ及び前記第2の受動的下半身支持アセンブリは各々、
前記主要な身体支持構造体に結合され、直線ジョイントに沿って前記主要な身体支持構造体に対して並進するように強制される補助の身体支持構造体、及び
前記主要な身体支持構造体及び前記補助の身体支持構造体に結合されたばねであって、前記主要な身体支持構造体と前記補助の身体支持構造体との間の力が、前記直線ジョイントに沿って前記主要な身体支持構造体に対して前記補助の身体支持構造体を相対的に変位させることによって誘発される、ばね、
をさらに含む、下半身支持システム。
【請求項8】
人間のユーザの胴体に取り外し可能に取り付けられるハーネスアセンブリと、
尻部支持構造体と、
第1の受動的下半身支持アセンブリ及び第2の受動的下半身支持アセンブリと、
を含む下半身支持システムであって、
前記第1の受動的下半身支持アセンブリ及び前記第2の受動的下半身支持アセンブリは各々、
前記ハーネスアセンブリに強固に結合された主要な身体支持構造体であり、作業環境の地面に向かって前記ハーネスアセンブリから下方に延びる主要な身体支持構造体、及び
前記尻部支持構造体に強固に結合され、且つ回転ジョイントにおいて前記ハーネスアセンブリ又は前記主要な身体支持構造体に結合された尻部支持フレームであり、前記回転ジョイントを中心として前記ハーネスアセンブリに対して回転可能な尻部支持フレーム、
を含み、
前記第1の受動的下半身支持アセンブリは、人間のユーザの胴体の第1の側で前記ハーネスアセンブリ及び前記尻部支持構造体に結合され、前記第2の受動的下半身支持アセンブリは、前記第1の側とは反対の人間のユーザの胴体の第2の側で前記ハーネスアセンブリ及び前記尻部支持構造体に結合されており、
前記第1の受動的下半身支持アセンブリ及び前記第2の受動的下半身支持アセンブリは各々、
前記作業環境の地面に最も近い前記主要な身体支持構造体の端部において前記主要な身体支持構造体に結合されたエンドエフェクタ構造体をさらに含
み、
前記エンドエフェクタ構造体は、前記主要な身体支持構造体に取り外し可能に結合され、エンドエフェクタアセンブリが、前記主要な身体支持構造体に取り外し可能に結合されるクイックチェンジカプラを含み、前記クイックチェンジカプラは、ツールなしで前記人間のユーザによって、前記主要な身体支持構造体に結合され、前記主要な身体支持構造体から分離される、下半身支持システム。
【請求項9】
人間のユーザの胴体に取り外し可能に取り付けられるハーネスアセンブリと、
尻部支持構造体と、
第1の受動的下半身支持アセンブリ及び第2の受動的下半身支持アセンブリと、
を含む下半身支持システムであって、
前記第1の受動的下半身支持アセンブリ及び前記第2の受動的下半身支持アセンブリは各々、
前記ハーネスアセンブリに強固に結合された主要な身体支持構造体であり、作業環境の地面に向かって前記ハーネスアセンブリから下方に延びる主要な身体支持構造体、及び
前記尻部支持構造体に強固に結合され、且つ回転ジョイントにおいて前記ハーネスアセンブリ又は前記主要な身体支持構造体に結合された尻部支持フレームであり、前記回転ジョイントを中心として前記ハーネスアセンブリに対して回転可能な尻部支持フレーム、
を含み、
前記第1の受動的下半身支持アセンブリは、人間のユーザの胴体の第1の側で前記ハーネスアセンブリ及び前記尻部支持構造体に結合され、前記第2の受動的下半身支持アセンブリは、前記第1の側とは反対の人間のユーザの胴体の第2の側で前記ハーネスアセンブリ及び前記尻部支持構造体に結合されており、
前記第1の受動的下半身支持アセンブリ及び前記第2の受動的下半身支持アセンブリは各々、
第2の回転ジョイントにおいて前記主要な身体支持構造体に結合された補助の身体支持構造体であって、前記作業環境の地面に向かって前記主要な身体支持構造体から下方に延びる補助の身体支持構造体と、
第3の回転ジョイントにおいて前記補助の身体支持構造体、及び第4の回転ジョイントにおいて前記尻部支持フレームに結合されたリンク構造体と、
をさらに含む
、下半身支持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年7月24日に出願された“Lower Body Support System To Facilitate Floor Level Task Execution By Humans”と題された米国特許出願第16/938,839号に対する優先権を主張し、この米国特許出願第16/938,839号は、2019年7月26日に出願された“Support Gear For Floor Level Tasks”と題された米国仮特許出願第62/879,247号から米国特許法第119条に基づき優先権を主張しており、どちらも、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
記載される実施形態は、機械的位置の範囲にわたって人間のユーザを安定して支持するウェアラブルな機械的構造体に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの労働関連活動は、作業者にとって不安定で時には安全でない恐れがある人間工学的に不快な体位でタスクを実行することを作業者に要求する。一例では、作業者は、溶接又は研削タスク等、地表レベルでタスクを実行するよう要求される。典型的には、これは、ワークピースに到達するために、立位から前屈する、しゃがんで前屈する、又は両膝をついて座って前屈することを作業者に要求する。これらの姿勢はいずれも、筋肉疲労を引き起こす恐れがあり、慢性的な背部痛及び損傷につながることが多くある。例えば、床レベル又はその近くでタスクを実行する作業者には、しゃがみ姿勢が比較的一般的である。しゃがみ位の工場作業者を観察すると、これらの作業者は、疲れるのと同じように、姿勢を変えるのを困難にする筋肉の記憶及びスキルを発達させる傾向があることが明らかになる。加えて、作業者は、地表レベルで身体を支えるために片手又は両手を使用することがあり、これは生産性を低下させる。
【0004】
様々なパッド及び支持構造体が、長時間地表レベルでタスクを実行する間に生じ得る緊張を和らげる試みで開発されてきた。その一例が、Hyundai Chairless Exoskeleton(H-CEX)である。H-CEXは、膝レベルより上でタスクを実行する際に人間のユーザの膝にかかるストレスを軽減するように設計された機械的な支持構造体である。人間のユーザは、ベルトを使用して、H-CEXを腰、大腿、及び膝において人体に固定する。一組の脚が椅子のように展開し、人間のユーザは座位をとる。残念ながら、支持脚は、人間のユーザの各下腿の後ろから突出する。これによって、動きが妨げられ、周囲の物と容易に衝突する。また、各支持脚の足は小さく、体重支持を制限する。その結果、人間のユーザは、筋力発揮によって大部分の体重を支えなければならず、臀部、大腿、ふくらはぎ、及び足指に疲労を引き起こす。加えて、各支持脚は手動で展開される。人間のユーザは、座位まで動く前に、手で各支持脚を明確に展開させなければならない。この明確な展開動作は、ワークフローを中断するため、望ましくない。最後に、H-CEXは、座った状態を支持する構造体(seated support structure)であり、これは、溶接又は研削動作等、床レベル又はその近くでの人間のタスク実行を支持するのに適していない。
【0005】
大体において、従来のアプローチでは、地表レベルでタスクを実行する際の人体への負担が大幅に減ることはなかった。人間のユーザが地表レベル又はその近くで作業タスクを実行する間に、邪魔するのを最小限に抑えて人間のユーザを安定して支持するために利用可能なサポートギアに対する改善が所望されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
地表レベル又はその近くにおいてしゃがみ位でタスク実行に従事している人間のユーザの体重を部分的に支持するウェアラブルシステムが、本明細書において示されている。しゃがみ位の人間のユーザの体重を支持することによって、タスク実行を向上させながら、疲労感、不快感、及び損傷のリスクが減る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本明細書において記載されるウェアラブルシステムは受動的機構を利用し、支持機構の構成は、立位からしゃがみ位まで移行する間に人間のユーザの身体の動きによって変更され、その逆もまた同様である。
【0008】
さらなる態様では、各受動的下半身支持アセンブリが、しゃがみ位の人間のユーザの支持を強化するために、補助の身体支持構造体を含む。
【0009】
別のさらなる態様では、各補助の身体支持構造体は、人間のユーザの尻部(the seat of human user)の後ろの位置から、人間のユーザの尻部の下の位置まで回転する尻部支持構造体の回転と協調して展開される。
【0010】
別の態様では、各主要な身体支持構造体は、人間のユーザの体重によって荷重がかかったときに地面の形状に適合する弾性材料から構築される。
【0011】
別の態様では、各受動的下半身支持アセンブリは、作業環境の地面に最も近い主要な身体支持構造体の端部又はその近くで主要な身体支持構造体に結合された補助の身体支持構造体を含み、しゃがみ位の人間のユーザの支持を強化している。
【0012】
別の態様では、各受動的下半身支持アセンブリは、主要な身体支持構造体に結合され、且つ直線ジョイントに沿って主要な身体支持構造体に対して並進するように強制される補助の身体支持構造体を含み、しゃがみ位の人間のユーザの快適さを向上させている。
【0013】
上記は要約であり、従って、必然的に、詳細の簡素化、一般化、及び省略を含み、その結果、当業者は、本要約が単に例示的であり、決して限定的ではないことを正しく理解することになる。本明細書に記載される装置及び/又はプロセスの他の態様、発明に関する特徴、及び利点が、本明細書に記載される非限定的な詳細な説明において明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】立っている構成における一実施形態のウェアラブルな下半身支持システムの側面図である。
【
図2】しゃがんだ構成における
図1に描かれているウェアラブルな下半身支持システムの側面図である。
【
図3】しゃがんだ構成における
図2に描かれているウェアラブルな下半身支持システムの背面図である。
【
図4】天然ゴムから構築された円盤形状のエンドエフェクタを含むエンドエフェクタ構造体の実例を描いた図である。
【
図5】
図4に描かれているエンドエフェクタ構造体が、クイックチェンジカプラを使用して主要な身体支持構造体に取り付けられているところの実例を描いた図である。
【
図6】立っている構成における一実施形態の補助の身体支持構造体を含むウェアラブルな下半身支持システムの側面図である。
【
図7】しゃがんだ構成における
図6に描かれているウェアラブルな下半身支持システムの側面図である。
【
図8】地面に接触する点間の距離が最大である、しゃがんだ構成における
図6に描かれているウェアラブルな下半身支持システムの側面図である。
【
図9】立っている構成における別の実施形態の補助の身体支持構造体を含むウェアラブルな下半身支持システムの側面図である。
【
図10】しゃがんだ構成における
図9に描かれているウェアラブルな下半身支持システムの側面図である。
【
図11】人間のユーザの体重によって荷重がかかったときに地面の形状に適合する弾性材料から構築された主要な身体支持構造体を含むウェアラブルな下半身支持システムの側面図である。
【
図12】作業環境の地面に最も近い主要な身体支持構造体の端部又はその近くで主要な身体支持構造体に結合された補助の身体支持構造体を含むウェアラブルな下半身支持システム100の側面図である。
【
図13】主要な身体支持構造体に結合され、且つ直線ジョイントに沿って主要な身体支持構造体に対して並進するように強制される補助の身体支持構造体を含むウェアラブルな下半身支持システムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の一部の実施形態及び背景の例が詳細に参照され、これらの例は、添付の図面において例示されている。
【0016】
地表レベル又はその近くにおいてしゃがみ位でタスク実行に従事している人間のユーザの体重を部分的に支持するウェアラブルシステムが、本明細書において示されている。しゃがみ位の人間のユーザの体重を支持することによって、タスク実行を向上させながら、疲労感、不快感、及び損傷のリスクが減る。本明細書に記載されるウェアラブルシステムは、食品生産、装置組立、建設、ヘルスケア等の多くの産業において労働者によって利用されてもよい。
【0017】
一態様では、本明細書に記載されるウェアラブルシステムは受動的機構を利用し、支持機構の構成は、立位からしゃがみ位まで移行する間に人間のユーザの身体の動きによって変更され、その逆もまた同様である。
【0018】
図1は、立っている構成における一実施形態のウェアラブルな下半身支持システム100の側面図の実例を描いている。
図2は、しゃがんだ構成における
図1に描かれているウェアラブルな下半身支持システムの側面図の実例を描いている。
図3は、しゃがんだ構成における
図2に描かれているウェアラブルな下半身支持システムの背面図の実例を描いている。
【0019】
図1~3において描かれているように、ウェアラブルな下半身支持システム100は、腰又はその上で人間のユーザ10の下部胴体の周囲に巻き付けられるハーネス101(例えば、パッドベルト又はベルトのアレイ等)と、ハーネス101に固定して取り付けられた支持プレート要素102とを含む取り外し可能なハーネスアセンブリを含む。ハーネス101は、任意の適した取り付け機構(例えば、バックルファスナー、面ファスナー等)を使用して、人間のユーザ110の下部胴体に取り外し可能に取り付けられる。支持プレート要素102は、人間のユーザ10の両側、例えば矢状面の両側に配置される。加えて、ウェアラブルな下半身支持システム100は、尻部支持構造体106を含む。一部の実施形態において、尻部支持構造体106は、人間のユーザ10の尻部に適合する構造を含み、人間のユーザ10がしゃがみ位にあるときに、人間のユーザ10の尻部を支持する。
【0020】
加えて、ウェアラブルな下半身支持システム100は、人間のユーザ10の両側、例えば矢状面の両側に配置される受動的下半身支持アセンブリを含む。各受動的下半身支持アセンブリは、支持プレート要素102においてハーネスアセンブリに強固に結合された主要な身体支持構造体103を含む。各主要な身体支持構造体103は、作業環境の地面20に向かってハーネスアセンブリから下方に延びる。加えて、各受動的下半身支持アセンブリは、尻部支持構造体106に結合され、且つ回転ジョイント107において支持プレート要素102又は主要な身体支持構造体103に結合された尻部支持フレーム105を含む。尻部支持フレーム105は、回転ジョイント107を中心としてハーネスアセンブリに対して回転する。各尻部支持フレーム105は、回転ジョイント107から離れるように延びるレバーアーム部分105´を含む。一部の実施形態において、レバーアーム部分105´は、例えば、バックルファスナー、面ファスナー等のハーネス(図示せず)によって、人間のユーザ10の大腿上部に取り付けられる。一部の実施形態において、レバーアーム部分105´は、人間のユーザの大腿上部の前に向かって巻きつく。
【0021】
人間のユーザが立位からしゃがみ位まで動くに従い、人間のユーザ10の大腿上部は、レバーアーム部分105´との相互作用によって、回転ジョイント107を中心として尻部支持フレーム105を回転させる。例えば、人間のユーザ10が立位からしゃがみ位まで動くに従い、尻部支持フレーム105は、
図2において見られるように時計回りの方向に回転ジョイント107を中心として回転する。回転ジョイント107を中心とした尻部支持フレーム105の回転は、人間のユーザ10の尻部の後ろの位置から人間のユーザ10の尻部の下の位置まで尻部支持構造体106を回転させる。この様式で、尻部支持構造体106は、人間のユーザ10がしゃがみ位をとる場合に人間のユーザ10の体重を支持するように位置する。
図1~3において例示されているように、尻部支持構造体106によって支持される体重は、各尻部支持フレーム105を介して、及び回転ジョイント107を通して各主要な身体支持構造体103を介して地面20まで伝えられる。
【0022】
逆に、人間のユーザがしゃがみ位から立位まで動くに従い、人間のユーザ10の大腿上部が、レバーアーム部分105´との相互作用によって、回転ジョイント107を中心として尻部支持フレーム105を回転させる。例えば、人間のユーザ10がしゃがみ位から立位まで動くに従い、尻部支持フレーム105は、
図2において見られるように反時計回りの方向に回転ジョイント107を中心として回転する。回転ジョイント107を中心とした尻部支持フレーム105の回転は、人間のユーザ10の尻部の下の位置から人間のユーザ10の尻部の後ろの位置まで尻部支持構造体106を回転させる。この様式で、尻部支持構造体106は、人間のユーザ10の邪魔にならないように位置し、人間のユーザ10の脚の前後に配置された支持構造体によって妨げられることなく、人間のユーザ10は作業環境の周りを歩くことができる。さらに、立ったり歩いたりするときに、人間のユーザ10の大腿の側面に主要な身体支持構造体を配置することによって、主要な身体支持構造体は、人間のユーザ10の移動運動を妨害せず、周囲の物との衝突を最小限に抑える。
【0023】
立っているときの邪魔にならない位置からしゃがんでいるときの支持位置までのウェアラブルな下半身支持システム100の構成の変更を、人間のユーザ10の大腿上部から自然に駆動することによって、人間のユーザ10は、姿勢が変更するに従いウェアラブルな下半身支持システムに対して明確な手動の調整を行う必要なく、手元のタスクに集中することができる。
【0024】
一般に、尻部支持構造体106、ハーネス101、又はその両方は、矢状面30に直交する方向において比較的剛性である。言い換えると、尻部支持構造体106、ハーネス101、又はその両方は、矢状面30に直交する方向において荷重を受けたときにほとんど変形しない。この様式で、支持プレート要素102への取り付け点における受動的下半身支持アセンブリは、人間のユーザ10の身体に対して比較的安定した位置に配置される。
図3において例示されている実施形態では、支持プレート102は、矢状面に直交する方向において比較的小さな寸法を有する(すなわち、薄い)。この様式で、支持プレート要素102は、矢状面30に平行な方向において高い剛性を維持しながら、人間のユーザ10の身体の形状に適合することができる。
【0025】
図1及び2に描かれている実例において見られるように、主要な身体支持構造体103は、人間のユーザ10の脊椎にほぼ平行な方向に延びている。主要な身体支持構造体103は、人間のユーザ10の脊椎の下に延び、人間のユーザ10の尻部が地面20に接触することなく、地面20に接触する。この様式で、主要な身体支持構造体103は、人間のユーザ10の尻部が地面20の上方にあるしゃがみ位の人間のユーザ10の体重を支持する。
【0026】
図1~3に描かれている実施形態では、下半身支持システム100の各受動的下半身支持アセンブリは、作業環境の地面に最も近い主要な身体支持構造体103の端部において主要な身体支持構造体103に結合されたエンドエフェクタ構造体104を含む。この様式で、エンドエフェクタ構造体104は、人間のユーザ10の体重を支持するために地面20に接触する。
【0027】
一部の実施形態において、エンドエフェクタ構造体104は、
図2において描かれているように、人間のユーザの体重によって荷重がかかったときに地面の形状に適合する弾性材料から構築された細長いプレート構造体を含む。
【0028】
一部の実施形態において、エンドエフェクタ構造体104は、天然ゴム又は合成ゴム等のポリマー材料から構築された円盤形状の構造体を含む。
【0029】
一部の実施形態において、エンドエフェクタ構造体104は、クイックチェンジカプラ機構を用いて、主要な身体支持構造体103に取り外し可能に結合される。
【0030】
一部の実施形態において、エンドエフェクタ構造体104は、主要な身体支持構造体とエンドエフェクタとの間で結合されるスイベル機構を含む。スイベル機構は、エンドエフェクタに、1つ以上の回転軸を中心として主要な身体支持構造体に対して回転するよう強制して、エンドエフェクタが、最大の接触領域にわたって地面20に接触することを確実にする。加えて、主要な身体支持構造体とエンドエフェクタとの間で結合されたスイベル機構は、ユーザが、しゃがみ位で支持されながら、左右及び前後にピッチするのを可能にする。
【0031】
図4は、天然ゴムから構築された円盤形状のエンドエフェクタ121を含むエンドエフェクタ構造体の実例を描いている。エンドエフェクタ121は、スイベル機構122に結合され、スイベル機構122は、次に、クイックチェンジカプラの一部分123Aに結合されている。
【0032】
図5は、
図4において描かれているエンドエフェクタ構造体が、クイックチェンジカプラ123を使用して主要な身体支持構造体103に取り付けられているところの実例を描いている。
図5において描かれているように、スイベル122に取り付けられたクイックチェンジカプラの一部分123Aは、主要な身体支持構造体103に取り付けられたクイックチェンジカプラの一部分123Bにマッチする。エンドエフェクタは、クイックチェンジカプラを使用してツールなしで人間のユーザによって主要な身体支持構造体に取り外し可能に結合される。
【0033】
さらなる態様では、各受動的下半身支持アセンブリは、しゃがみ位の人間のユーザの支持を強化するために、補助の身体支持構造体を含む。
【0034】
図6は、立っている構成における一実施形態の補助の身体支持構造体を含むウェアラブルな下半身支持システム100の側面図の実例を描いている。
図7は、しゃがんだ構成における
図6に描かれているウェアラブルな下半身支持システムの側面図の実例を描いている。
図8は、補助の身体支持構造体及び主要な身体支持構造体によって地面に接触する点間の距離が最大である、しゃがんだ構成における
図6に描かれているウェアラブルな下半身支持システムの側面図の実例を描いている。
【0035】
図6~8において描かれているように、ウェアラブルな身体支持システム100の各受動的下半身支持アセンブリは、作業環境の地面20に向かってハーネスアセンブリから下方に延びる補助の身体支持構造体109を含む。補助の身体支持構造体109は、回転ジョイント107においてハーネスアセンブリの支持プレート要素102に結合されている。この様式で、補助の身体支持構造体109は、回転ジョイント107を中心としてハーネスアセンブリに対して回転する。一部の他の実施形態では、補助の身体支持構造体109は、回転ジョイント107とは異なる位置で、別の回転ジョイントにおいてハーネスアセンブリの支持プレート要素102に結合される。一部の他の実施形態では、補助の身体支持構造体109は、補助の身体支持構造体109と主要な身体支持構造体103との間の回転ジョイントにおいて主要な身体支持構造体103に結合される。
【0036】
人間のユーザが立位からしゃがみ位まで動くに従い、人間のユーザ10の大腿上部は、レバーアーム部分105´との相互作用によって、回転ジョイント107を中心として尻部支持フレーム105を回転させる。例えば、尻部支持フレーム105は、人間のユーザ10が立位からしゃがみ位まで動くに従い、
図7において見られるように時計回りの方向に回転ジョイント107を中心として回転する。回転ジョイント107を中心とした尻部支持フレーム105の回転は、人間のユーザ10の尻部の後ろの位置から人間のユーザ10の尻部の下の位置まで尻部支持構造体106を回転させる。加えて、補助の支持構造体109は、下へ落ち、地面20に接触する。
【0037】
図8において描かれているように、補助の支持構造体109は、補助の支持構造体109のメカニカルストップ110が主要な身体支持構造体103に接触するまで、地面20に沿って摺動する。この構成において、人間のユーザ10がしゃがみ位をとる場合に、人間のユーザ10は、地面に接触する4点において安定して支持される。
図6~8において例示されているように、尻部支持構造体106によって支持される体重は、各尻部支持フレーム105を介して、並びに回転ジョイント107を通して各主要な身体支持構造体103及び補助の身体支持構造体109を介して地面20に伝えられる。
【0038】
別のさらなる態様において、各補助の身体支持構造体は、人間のユーザ10の尻部の後ろの位置から人間のユーザ10の尻部の下の位置まで回転する尻部支持構造体106の回転と協調して展開される。
【0039】
図9は、立っている構成における別の実施形態の補助の身体支持構造体を含むウェアラブルな下半身支持システム100の側面図の実例を描いている。
図10は、しゃがんだ構成における
図9に描かれているウェアラブルな下半身支持システムの側面図の実例を描いている。
【0040】
図9~10において描かれているように、ウェアラブル身体支持システム100の各受動的下半身支持アセンブリは、作業環境の地面20に向かってハーネスアセンブリから下方に延びる補助の身体支持構造体115を含む。補助の身体支持構造体115は、回転ジョイント114において主要な身体支持構造体103に結合されている。この様式で、補助の身体支持構造体115は、回転ジョイント114を中心として主要な身体支持構造体103に対して回転する。加えて、補助の展開リンク111が、回転ジョイント115において身体支持構造体115に、及び、回転ジョイント113において尻部支持フレーム105に結合されている。この構成において、尻部支持フレーム105、主要な身体支持構造体103、補助の身体支持構造体115、及び補助の展開リンク111は、4バーリンケージ機構を形成している。
【0041】
人間のユーザが立位からしゃがみ位まで動くに従い、人間のユーザ10の大腿上部は、レバーアーム部分105´との相互作用によって、回転ジョイント107を中心として尻部支持フレーム105を回転させる。例えば、尻部支持フレーム105は、人間のユーザ10が立位からしゃがみ位まで動くに従い、
図9において見られるように時計回りの方向に回転ジョイント107を中心として回転する。回転ジョイント107を中心とした尻部支持フレーム105の回転は、人間のユーザ10の尻部の後ろの位置から人間のユーザ10の尻部の下の位置まで尻部支持構造体106を回転させる。加えて、回転ジョイント107を中心とした尻部支持フレーム105の回転は、
図10において描かれているように、補助の支持構造体115が地面20に向かって動くに従い、4バーリンケージに構成を変更させ、補助の支持構造体115を展開させる(すなわち、補助の身体支持構造体115と主要な身体支持構造体103との間の角度を増加させる)。
【0042】
逆に、人間のユーザ10がしゃがみ位から立位まで動くに従い、人間のユーザ10の大腿上部は、レバーアーム部分105´との相互作用によって、回転ジョイント107を中心として尻部支持フレーム105を回転させる。例えば、人間のユーザ10がしゃがみ位から立位まで動くに従い、尻部支持フレーム105は、
図10において見られるように反時計回りの方向に回転ジョイント107を中心として回転する。回転ジョイント107を中心とした尻部支持フレーム105の回転は、人間のユーザ10の尻部の下の位置から人間のユーザ10の尻部の後ろの位置まで尻部支持構造体106を回転させる。加えて、回転ジョイント107を中心とした尻部支持フレーム105の回転は、
図9において描かれているように、補助の支持構造体115が地面20から離れるように動くに従い、4バーリンケージに構成を変更させ、補助の支持構造体115を後退させる(すなわち、補助の身体支持構造体115と主要な身体支持構造体103との間の角度を減少させる)。
【0043】
立っているときの邪魔にならない位置からしゃがんでいるときの支持位置までの補助の支持構造体の構成の変更を、人間のユーザ10の大腿上部から自然に駆動することによって、人間のユーザ10は、姿勢が変更するに従い補助の支持構造体に対して明確な手動の調整を行う必要なく、手元のタスクに集中することができる。
【0044】
別の態様では、各主要な身体支持構造体は、人間のユーザの体重によって荷重がかかったときに地面の形状に適合する弾性材料から構築される。
【0045】
図11は、人間のユーザの体重によって荷重がかかったときに地面の形状に適合する弾性材料から構築された主要な身体支持構造体を含むウェアラブルな下半身支持システム100の側面図の実例を描いている。
【0046】
図11において描かれているように主要な身体支持構造体103は、人間のユーザがしゃがみ姿勢をとり且つ主要な身体支持構造体103に効果的に荷重をかけるに従い、地面20に接触し曲がる。主要な身体支持構造体103は、主要な身体支持構造体の一部が、人間のユーザの体重によって荷重がかかったときに地面の形状に適合し、且つ主要な身体支持構造体と地面20との間に大きな接触領域を効果的に形成するように、十分に柔軟である。例証的な弾性材料は、ポリマーベースの材料、金属等を含み、これらは、曲げ応力下で変形して、主要な身体支持構造体と地面20との間に大きな接触領域を形成する薄い幾何学的形状に形成される。
【0047】
別の態様では、各受動的下半身支持アセンブリは、作業環境の地面に最も近い主要な身体支持構造体の端部又はその近くで主要な身体支持構造体に結合された補助の身体支持構造体を含み、しゃがみ位の人間のユーザの支持を強化している。
【0048】
図12は、作業環境の地面に最も近い主要な身体支持構造体の端部又はその近くで主要な身体支持構造体に結合された補助の身体支持構造体を含むウェアラブルな下半身支持システム100の側面図の実例を描いている。
【0049】
補助の身体支持構造体118は、作業環境の地面20に最も近い主要な身体支持構造体103の端部又はその近くに配置された回転ジョイント117において主要な身体支持構造体103に結合されている。加えて、回転ジョイント117を中心とした補助の身体支持構造体117の回転によって復元力が発生するように、ねじりばね116が、主要な身体支持構造体103及び補助の身体支持構造体117に結合されている。
【0050】
図12において描かれているように、人間のユーザがしゃがみ姿勢をとり、且つ主要な身体支持構造体103に効果的に荷重をかけるに従い、補助の身体支持構造体118は、地面20に接触し、主要な身体支持構造体103に対して回転する。補助の身体支持構造体118が、人間のユーザの体重によって荷重がかかったときに地面の形状に適合し、且つ補助の身体支持構造体118と地面20との間に大きな接触領域を効果的に形成するように、補助の身体支持構造体118は十分に柔軟である。例証的な弾性材料は、ポリマーベースの材料、金属等を含み、これらは、曲げ応力下で変形して、補助の身体支持構造体118と地面20との間に大きな接触領域を形成する薄い幾何学的形状に形成される。
【0051】
別の態様では、各受動的下半身支持アセンブリは、主要な身体支持構造体に結合され、且つ直線ジョイントに沿って主要な身体支持構造体に対して並進するように強制される補助の身体支持構造体を含み、しゃがみ位の人間のユーザの快適さを向上させている。
【0052】
図13は、主要な身体支持構造体103に結合され、且つ直線ジョイントに沿って主要な身体支持構造体に対して並進するように強制される補助の身体支持構造体120を含むウェアラブルな下半身支持システム100の側面図の実例を描いている。
【0053】
補助の身体支持構造体120は、作業環境の地面20に最も近い主要な身体支持構造体103の端部又はその近くに配置された直線(すなわち、並進)ジョイントにおいて主要な身体支持構造体103に結合されている。加えて、直線ジョイント軸130に沿った主要な身体支持構造体103に対する補助の身体支持構造体120の並進移動によって、復元力が発生するように、線形ばね119が、主要な身体支持構造体103及び補助の身体支持構造体120に結合されている。
【0054】
図13において描かれているように、人間のユーザがしゃがみ姿勢をとり、且つ主要な身体支持構造体103に効果的に荷重をかけるに従い、補助の身体支持構造体120は、エンドエフェクタ104を介して地面20に接触し、主要な身体支持構造体103に向かう方向において直線ジョイント軸130に沿って主要な身体支持構造体103に対して並進する。この様式で、主要な身体支持構造体及び補助の身体支持構造体を含む耐荷重性部材は、ウェアラブルな下半身支持システムに荷重をかける及びその荷重を軽減するときに人間のユーザの快適さを増大させる柔軟な部材である。
【0055】
一般に、本明細書において記載される各身体支持構造体は、ウェアラブルな下半身支持システムに荷重をかける及びその荷重を軽減するときに人間のユーザの快適さを増大させるために、柔軟な二部品構造部材として構成されてもよい。
【0056】
1つ以上の例証的な実施形態において、記載される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つ以上の命令又はコードとして、コンピュータ読み取り可能媒体上に格納されてもよく又は送信されてもよい。コンピュータ読み取り可能媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体とコンピュータ記憶媒体との両方を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。例として、限定するものではないが、そのようなコンピュータ読み取り可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は、命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を運ぶ又は格納するために使用することができ、且つ、汎用コンピュータ若しくは専用コンピュータ、又は、汎用プロセッサ若しくは専用プロセッサによってアクセス可能な任意の他の媒体を含み得る。また、いずれの接続も、コンピュータ読み取り可能媒体と適宜呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線、無線、及びマイクロ波等の無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、無線、及びマイクロ波等の無線技術は、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk/disc)は、本明細書において使用される場合、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、及びブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ読み取り可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0057】
ある特定の実施形態が教育目的で上述されているけれども、本特許文献の教示は、一般的な適用可能性を有し、上述の特定の実施形態に限定されない。従って、記載された実施形態の様々な特徴の様々な修正、適応、及び組み合わせを、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく実施することができる。