(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】メインコンポーネントとセンサ及びエミッタユニットとを含む電力コンポーネント並びに電力コンポーネントを有するシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20241105BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20241105BHJP
H02M 7/06 20060101ALI20241105BHJP
H02H 7/00 20060101ALI20241105BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20241105BHJP
H01L 29/868 20060101ALI20241105BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20241105BHJP
H02M 7/00 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H02M7/06 G
H02H7/00 B
H01L29/91 C
G06K19/07 170
G06K19/07 230
H02M7/00 Z
(21)【出願番号】P 2022554547
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 EP2021053416
(87)【国際公開番号】W WO2021180419
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-10-18
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】デンツァー、ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】ベヒレ、ラルフ
【審査官】金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/078525(WO,A1)
【文献】特開2019-135819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0051768(US,A1)
【文献】国際公開第2005/020320(WO,A1)
【文献】特表2016-522987(JP,A)
【文献】特開2006-108256(JP,A)
【文献】特表2018-518051(JP,A)
【文献】国際公開第2019/016949(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00 -25/18
H01L 29/732
H01L 29/739
H01L 29/74
H01L 29/772
H01L 29/861
G06K 19/07
H02H 7/00
H02M 7/00
H02M 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-2つの電気端子と、
-コンポーネントハウジングと、
-前記コンポーネントハウジングによって少なくとも部分的に取り囲まれ、前記2つの電気端子と接続され、前記2つの電気端子間を流れる電流を通すように構成されたメインコンポーネントと、
-前記メインコンポーネントの動作状態を特徴付ける物理量の値を測定し、前記物理量の測定された前記値が測定時間とともに符号化された電磁信号を放射するように構成されたセンサ及びエミッタユニット、ここにおいて、前記センサ及びエミッタユニットは、前記コンポーネントハウジング上に配置され、各々が前記メインコンポーネントの前記動作状態を特徴付けるそれぞれの物理量を測定するように構成された複数のセンサを備え、前記複数のセンサは前記メインコンポーネントの温度、前記2つの電気端子の電圧を測定するように構成される、と、を備え、
前記センサ及びエミッタユニットは、前記電磁信号を放射するためのアンテナを備え、前記アンテナは、前記メインコンポーネントから離間される、パワー半導体デバイス。
【請求項2】
前記メインコンポーネントの定格電流は、少なくとも約10Aであり、
前記パワー半導体デバイスは、高電圧コンポーネントであり、前記メインコンポーネントの定格電圧は、少なくとも約600Vであり、前記メインコンポーネントの定格電力は、少なくとも約2kWであり、
並びに/又は、
前記パワー半導体デバイスは、前記電流を制御及び/若しくは前記電流を遮断するように構成される、
請求項1に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項3】
前記パワー半導体デバイスは、縦型パワー半導体デバイスであり、
並びに/又は、
前記パワー半導体デバイスは、パワー半導体ダイオード及び/若しくはパワー半導体スイッチ、特に電力サイリスタ、電力MOSFET、若しくは電力IGBTを備える、請求項1又は2に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項4】
前記センサ及びエミッタユニットは低電力トランスポンダを備え、
前記センサ及びエミッタユニットは、少なくとも一時的に前記物理量のいくつかの測定された値を記憶するように構成され、
及び/又は、
前記センサ及びエミッタユニットは、前記パワー半導体デバイスについての識別子を前記電磁信号中に符号化するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項5】
前記低電力トランスポンダは、Bluetoothトランスポンダ又はRFIDトランスポンダ、特にアクティブRFIDタグ若しくはパッシブRFIDタグである、請求項4に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項6】
前記センサ及びエミッタユニットは、センサユニットと前記アンテナを備えるエミッタユニットとを備え、前記エミッタユニットは、前記センサユニットから離間され、
前記センサユニットは、
前記物理量を表すアナログ入力信号をデジタル値に変換し、
前記デジタル値を記憶し、
前記デジタル値を処理し、
並びに
前記デジタル値及び/若しくは処理された前記デジタル値を前記エミッタユニットに転送するように構成され、
前記センサ及びエミッタユニットは、1つ以上のRFIDセンサによって提供され、 並びに/又は、
前記センサ及びエミッタユニットの定格電力は、最大で5Wである、請求項1~5のいずれか一項に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項7】
前記メインコンポーネントは少なくとも実質的に円筒形状であり、前記2つの電気端子のうちの少なくとも1つは、少なくとも実質的に円筒形状であり、前記コンポーネントハウジングは少なくとも実質的に中空円筒形状であり、前記メインコンポーネントは、整流接合を備える半導体本体を備え、前記メインコンポーネント及び/又は前記半導体本体の直径は、少なくとも2インチ、典型的には2インチから6インチの範囲であり、及び/又は前記パワー半導体デバイスは、プレスパックデザイン又はプレスデザインを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項8】
前記センサ及びエミッタユニットは、前記整流接合の温度及び/又は前記半導体本体のコア温度を測定するように構成される、請求項7に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項9】
前記整流接合は、断面において、前記半導体本体を少なくとも実質的に通って延在し、前記整流接合は、前記2つの電気端子間に機能的に接続され、前記整流接合は、前記2つの電気端子間で電流を通すように構成され、及び/又は前記整流接合は、前記半導体本体のp型半導体領域とn型半導体領域との間に形成されたPN接合である、請求項8に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項10】
前記p型半導体領域及び前記n型半導体領域の各々は、前記2つの電気端子のうちの1つとオーミック接触している、及び/又
は少なくとも実質的に覆われている、請求項9に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項11】
前記整流接合に若しくはその近くに配置された一体型抵抗構造、及び/又は前記半導体本体の中心に若しくはその近くに配置された一体型抵抗構造を更に備える、請求項7~10のいずれか一項に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項12】
前記コンポーネントハウジングは、誘電体及び/若しくはセラミックを備え
前記コンポーネントハウジングは、前記メインコンポーネントを実質的に囲み、
前記アンテナは、実質的にフラットアンテナ及び/若しくはコイルアンテナであり、 並びに/又は、
前記アンテナは、前記コンポーネントハウジングの外側に配置される、請求項1~11のいずれか一項に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項13】
少なくとも2つの電力コンポーネントを備える電力モジュールであって、前記少なくとも2つの電力コンポーネントは互いに少なくとも対で接続され、前記少なくとも2つの電力コンポーネントのうちの少なくとも1つは請求項1~12のいずれか一項に記載のパワー半導体デバイスであり、前記少なくとも2つの電力コンポーネントの各々は、
-それぞれの2つの電気端子と、
-それぞれのコンポーネントハウジングと、
-前記コンポーネントハウジングによって少なくとも部分的に取り囲まれ、前記2つの電気端子と接続され、前記2つの電気端子間を流れる電流を通すように構成されたそれぞれのメインコンポーネントと、
-それぞれの前記メインコンポーネントの動作状態を特徴付ける物理量の値を測定し、前記物理量の測定された前記値が測定時間とともに符号化された電磁信号を放射するように構成されたそれぞれのセンサ及びエミッタユニット、ここにおいて、前記センサ及びエミッタユニットは、前記コンポーネントハウジング上に配置され、各々が前記メインコンポーネントの前記動作状態を特徴付けるそれぞれの物理量を測定するように構成された複数のセンサを備え、前記複数のセンサは前記メインコンポーネントの温度、前記2つの電気端子の電圧を測定するように構成される、と、を備え、
前記センサ及びエミッタユニットは、前記電磁信号を放射するためのアンテナを備え、前記アンテナは、前記メインコンポーネントから離間される、電力モジュール。
【請求項14】
-電力コンポーネントのメインコンポーネントの動作状態を特徴付ける物理量の値を測定するために、前記電力コンポーネントのセンサ及びエミッタユニットを使用することと、ここで、前記メインコンポーネントは電流を通すように構成され、
-前記物理量の測定された前記値が測定時間とともに符号化された電磁信号を放射するために、前記センサ及びエミッタユニットのアンテナを使用することと、を備え、
前記電力コンポーネントは、請求項1~12のいずれか一項に記載のパワー半導体デバイスであり
、請求項1
3に記載の電力モジュールによって提供される、方法。
【請求項15】
請求項1~請求項12のいずれか一項に記載のパワー半導体デバイスを製造するための方法であって、前記方法は、
-電流を通すように構成されたメインコンポーネントと、前記メインコンポーネントの動作状態を特徴付ける物理量の値を測定し、前記物理量の測定された前記値が測定時間とともに符号化された電磁信号を放射するように構成されたセンサ及びエミッタユニットとを提供することと、
-誘電体で前記メインコンポーネントを少なくとも部分的に包み込み、前記センサ及びエミッタユニットのアンテナを前記メインコンポーネントから離間されるように取り付けることと、
を備える、方法。
【請求項16】
-請求項1
3に記載の電力モジュールを提供することと、
-前記少なくとも2つの電力コンポーネントの前記センサ及びエミッタユニットのうちの少なくとも1つから物理量のそれぞれの測定された値を受信することと、
-受信された測定された前記値を更に処理することと、
を備える、方法。
【請求項17】
前記更に処理することは、
-温度分布を決定することと、
-温度分布を監視することと、
-電流フロー及び/又は電流フロー分布を決定することと、
-前記電流フロー及び/又は前記電流フロー分布を監視することと、
-前記温度分布及び/又は前記電流フロー分布の不均衡を検出することと、
-前記電力モジュールの経年劣化を推定することと、
-前記電力モジュールのためのメンテナンス又は修理をスケジュールすることと、
-前記電力モジュールを動作させるために、少なくとも1つの更新された制御パラメータを決定することと、
-前記電力モジュールを制御するために、前記少なくとも1つの更新された制御パラメータを使用することと、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記電流フロー及び/又は前記電流フロー分布は、前記電力モジュールの電力ヒューズの前記電気端子間の所与の電気抵抗、特に、前記電力ヒューズのそれぞれの耐寒性を考慮に入れて決定される、請求項
17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力コンポーネント、特に電力ヒューズ及びパワー半導体デバイス、電力コンポーネントを有するモジュール及びシステム、並びに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーエレクトロニクスでは、大電流のスイッチング及び/又はより高い電圧での動作が可能なパワー半導体、並びに対応する半導体ヒューズが、様々な目的のために、例えば増幅器、整流器、及び変換器において広く使用されている。使用されるパワー半導体ダイオード及びパワー半導体スイッチは、多くの場合、数百Vを超える電圧差で動作し、及び/又は同じ半導体片若しくは半導体本体内で大電流、例えば少なくとも数アンペアの電流を処理することが可能である。電流処理能力を更に増加させるために、いくつかのパワー半導体が並列に結合され得る。安全上の理由から、パワー半導体(複数可)は、半導体ヒューズ(複数可)によって保護され得る。
【0003】
負荷に応じて、パワー半導体(半導体本体)及び/又はヒューズ本体の温度は、動作中に変化し得る。それ故に、電流-電圧特性、ダイオードの順方向電圧降下、及び半導体スイッチのスイッチング特質のようなデバイスの電子的特質は、動作中に変化し得る。これは、並列に結合されたパワー半導体間の電流不均衡につながりさえし得る。同様に、温度は、所与の電流における抵抗及び電圧降下などのヒューズの動作パラメータ、このことからその遮断容量を変化させ得る。
【0004】
動作中に高電力/高電圧用途におけるデバイスの温度及び他のパラメータを確実に測定することは、複雑及び/又は高価である。これは、デバイス動作に著しい影響を与えることなくセンサが機能しなければならない(物理的)条件へのセンサの所望の適合に起因し得る。
【0005】
例えば、光ファイバセンサは、原則として、高電圧条件下での測定に適しているが、多くの場合、比較的大きい(ファイバコイル)。更に、複数の異なるセンサが望まれ得る。対応する多数の光ファイバに起因して、セットアップは、より複雑になり得る。これはまた、組み立て及びメンテナンス作業をより困難にし得る。加えて、測定されたデータを測定及び評価することは複雑であり得る。更に、追加の(光)インターフェースが必要とされ得る。
【0006】
このことから、動作中の電力コンポーネントの特徴付けを更に改善する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
上記を考慮して、請求項1に記載の電力コンポーネント、請求項17に記載の電力モジュール、請求項20に記載のシステム、請求項28に記載の方法、請求項30に記載の方法、及び請求項31に記載の方法が提供される。
【0008】
電力コンポーネントの実施形態によると、電力コンポーネントは、2つの電気端子と、コンポーネントハウジングと、コンポーネントハウジングによって少なくとも部分的に取り囲まれ、2つの電気端子と接続され、2つの電気端子間を流れる電流を通すように構成されたメインコンポーネントと、メインコンポーネントの動作状態を特徴付ける物理量の値を測定し、物理量の測定された値が符号化された電磁信号を放射するように構成されたセンサ及びエミッタユニットとを含む。センサ及びエミッタユニットは、電磁信号を放射するためのアンテナを含む。アンテナは、メインコンポーネントから離間され、コンポーネントハウジング中、その上、及び/又はそれに配置される。
【0009】
アンテナは、通常導電性のメインコンポーネントから離間されているので、アンテナの送信/受信特質は、メインコンポーネントによって著しく(負に)影響されず、アンテナは、メインコンポーネントの特質に著しい影響を有さない。更に、電磁信号を放射するためのアンテナを使用することにより、物理量の測定された値を非接触で読み取ることができる。
【0010】
これは、いくつかの更なる利点をもたらす。特に、一般的なセットアップ、特に、それらの電力コンポーネントのうちの1つ以上を使用する電力モジュール及びシステムの配線は、変更されないままとすることができる。1つ、いくつか、又は更には多数の電力コンポーネントのメインコンポーネントの動作状態を特徴付ける多数のそれぞれの測定された値であっても、簡単且つ費用効率の高い方法でこのように読み出され得る。センサ及びエミッタユニットは、比較的小さくあり得、及び/又は既存の技術を使用して、それぞれ多数及び比較的低コストで製造され得ることに留意されたい。更に、送信された測定された値は、(その後)更に分析され得る。特に、送信された測定された値は、電力コンポーネント(複数可)の状態ベースの監視及び/若しくは保護のために、電力コンポーネント(複数可)の耐用年数データ及び典型的には統計解析の収集のために、電力コンポーネントの動作の適合若しくは最適化のためにさえ、並びに/又は電力コンポーネント(複数可)の設計の適合若しくは最適化のためにさえ使用され得る。
【0011】
電磁信号は、典型的には、無線周波信号、例えば、極超短波(UHF)無線信号、即ち、300メガヘルツ(MHz)と3ギガヘルツ(GHz)との間の周波範囲内の信号である。
【0012】
本出願で使用される「高電圧」という用語は、少なくとも約600V、より典型的には少なくとも約1kV、又は少なくとも約5kVのac電圧及びdc電圧さえ包含するものとする。
【0013】
本出願で使用される「高電流」及び「電流」という用語は、少なくとも約10A、より典型的には少なくとも約50A、又は少なくとも約100A若しくは1kAのac電流及びdc電流さえ包含するものとする。
【0014】
本出願で使用される「高電力」という用語は、少なくとも約2kW、より典型的には少なくとも約5kW、又は少なくとも約15kWの電力さえ包含するものとする。
【0015】
同様に、本出願で使用される「電力コンポーネント」という用語は、少なくとも約2kW、より典型的には少なくとも約5kW、又は少なくとも約15kWの電力さえ包含するものとする。
【0016】
それ故に、メインコンポーネントの定格電流は、少なくとも約10Aであり、及び/又はメインコンポーネントの定格電力は、少なくとも約2kWである。
【0017】
更に、電力コンポーネントは、典型的には高電圧コンポーネントである。
【0018】
特に、メインコンポーネントの定格電圧は、典型的には少なくとも約600V、より典型的には少なくとも約680V、又は少なくとも約1kVでさえ若しくは更に約5kVでさえある。
【0019】
電力コンポーネントは、電流を制御するように、特に電流を増幅、スイッチング、及び/又は遮断するように構成され得る。
【0020】
特に、電力コンポーネントは、パワー半導体デバイス、特に縦型パワー半導体デバイス、又は電力ヒューズ、典型的にはそれぞれのいわゆる半導体ヒューズ、即ち、過負荷及び/又は短絡からパワー半導体デバイスを保護するように適合されたヒューズであり得る。遮断能力(ヒューズが安全に遮ることができる最大電流)は、例えば、ヒューズが適合されるパワー半導体デバイスの定格電流の10倍に相当し得る。
【0021】
パワー半導体デバイスは、パワー半導体ダイオード、パワー半導体トランジスタ、及び/若しくはパワー半導体スイッチとして実装され得、並びに/又は1つ以上のパワー半導体ダイオード及び/若しくは1つ以上のパワー半導体スイッチ、特に電力サイリスタ、電力MOSFET、若しくは電力IGBTなどのそれぞれのパワー半導体トランジスタを含み得る。
【0022】
パワー半導体ダイオード及びパワー半導体スイッチのメインコンポーネントは、典型的には、それぞれの(構造化された)半導体本体又はダイを含む。半導体本体又はダイは、2つの電気端子間に機能的に結合された整流接合、特にpn接合を含み得る。デバイスタイプに応じて、半導体本体又はダイはまた、いくつかのpn接合を含み得る。同様に、2つの電気端子はまた、2つよりも多くの端子、例えば、(例えば、ダイオード及び/又はサイリスタを参照する実施形態におけるような)アノード及びカソード端子などの2つの電力端子と、(例えば、MOSFET及び/又はサイリスタを参照する実施形態におけるような)2つの電力端子間の電流を制御及び/又はスイッチングするためのゲート端子などのスイッチング端子とを含み得る。
【0023】
電力ヒューズのメインコンポーネントは、典型的には、導電性素子、特に較正された導電体を含むか、又はそれによって形成される。導電性素子は、充填材によって取り囲まれ、それぞれハウジング及びヒューズ本体によって囲まれ得る。加えて、電力ヒューズは、ヒューズトリップを示す及び/又は遠隔シグナリングするための補助スイッチを含み得る。
【0024】
センサ及びエミッタユニットは、典型的には低電力ユニットである。以下では、センサ及びエミッタユニットは、感知及び放射ユニットとも呼ばれる。
【0025】
本出願で使用される「低電力」という用語は、最大で約5W、より典型的には最大で約2W、又は最大で約1Wの電力さえ包含するものとする。
【0026】
それ故に、センサ及びエミッタユニットの定格電力は、最大で5W、より典型的には最大で約2W、又は更に最大で約1Wでさえある。
【0027】
これは、内部電源を再充電又は交換することなく、より長い時間にわたってセンサ及びエミッタユニットを動作させることを可能にする。
【0028】
典型的には、センサ及びエミッタユニットは、低電力エミッタ、特にリーダとの双方向性通信のための低電力トランスポンダを含む。
【0029】
低電力トランスポンダは、それぞれのBluetooth(登録商標)トランスポンダ又はRFIDトランスポンダ、特にアクティブRFIDタグ又はパッシブRFIDタグでさえあり得る。
【0030】
更に、センサ及びエミッタユニットは、1つ以上のRFIDセンサ又は1つ以上のBluetoothセンサによって提供され得る。
【0031】
低コストに加えて、RFIDタグは、それらを電力コンポーネントに組み込むことを容易にする小型サイズを可能にする更なる利点を提供する。
【0032】
パッシブRFIDタグは、RFIDリーダから送られる電磁エネルギーによって電力供給することができるため、内部電源を必要としないという追加の利点を有する。
【0033】
また更に、Bluetoothトランスポンダ又はRFIDトランスポンダを有するセンサ及びエミッタユニットは、設計によって既に、電力コンポーネントについての識別子を電磁信号中に追加的に符号化するように構成され得る。これは、転送された測定された値のより後の評価を容易にし得る。
【0034】
代替として又は加えて、センサ及びエミッタユニットは、少なくとも一時的に物理量のいくつかの測定された値を記憶し、物理量のいくつかの測定された値を電磁信号中に、典型的にはそれぞれの測定時間と共に符号化するように構成され得る。
【0035】
更に、センサ及びエミッタユニットは、センサユニットと、典型的にはワイヤード接続でセンサユニットと機能的に接続され、アンテナを含むか、又は少なくともアンテナに接続されたエミッタユニットとを含み得る。
【0036】
センサユニットは、典型的には、物理量を表すアナログ入力信号をデジタル値に変換し、デジタル値を記憶し、デジタル値を処理し、並びに/又はデジタル値及び/若しくは処理されたデジタル値をエミッタユニットに転送するように構成される。
【0037】
エミッタユニットは、センサユニットから離間されさえし得る。これは、センサユニットが測定点のより近くに配置され得、対応するデジタル値(複数可)が、雑音の多い条件下であっても、少なくともアンテナの近くに配置されたエミッタユニットに安全に転送され得るので、測定された値(複数可)の測定及び送信を容易にし得る。
【0038】
センサ及びエミッタユニットはまた、1つのエミッタユニットと機能的に結合された2つ以上のセンサユニットを含み得る。
【0039】
代替として、電力コンポーネントは、2つ以上のセンサ及びエミッタユニットを含み得る。
【0040】
センサ及びエミッタユニット(複数可)は、各々がメインコンポーネントの動作状態を特徴付けるそれぞれの物理量の値を測定するように構成された少なくとも2つのセンサを含み、及び/又は実装し得る。例えば、センサ及びエミッタユニット(複数可)は、2つ以上の温度値(温度とも呼ばれる)を測定するように構成され得る。
【0041】
特に、センサ及びエミッタユニットは、各々がメインコンポーネントの動作状態を特徴付ける異なる物理量の値を測定するように構成され得る。
【0042】
例えば、センサ及びエミッタユニットは、それぞれ、メインコンポーネントの温度、2つの電気端子のうちの1つ若しくは更には各々の温度、2つの電気端子のうちの1つ若しくは更には各々の電圧、並びに/又はメインコンポーネント及び2つの端子の両端の電圧降下を測定するように構成され得る。
【0043】
アンテナは、典型的には少なくとも実質的に平坦であり、及び/又はコイルアンテナとして実装される。
【0044】
更に、アンテナは、外側又はコンポーネントハウジングの表面に配置され得る。これは、送受信状態が通常特に良好なためである。
【0045】
少なくともアンテナは、典型的にはコンポーネントハウジングに取り付けられ、例えばコンポーネントハウジングの外面に取り付けられる。
【0046】
特に、センサ及びエミッタユニットとしてそれぞれ1つ以上のRFIDタグ及びRFIDセンサを有する電力コンポーネントを参照する実施形態では、センサ及びエミッタユニットは、単にコンポーネントハウジングに接着され得る。
【0047】
コンポーネントハウジングは、典型的には、誘電体又はセラミックを含むか、又はそれらから作られさえする。
【0048】
コンポーネントハウジングは、メインコンポーネントを実質的に囲み得、典型的には、2つの電気端子のための、及び任意選択で、センサ及びエミッタユニットをメインコンポーネントにおける1つ以上の測定点、電気端子、及び/又はメインコンポーネントによって提供される1つ以上の測定端子とさえ接続するための電線のためのそれぞれの開口部、ダクト、又はビアを含む。
【0049】
例えば、測定端子は、温度測定を可能にする一体型構造、例えば、メインコンポーネントのpn接合の近く、メインコンポーネントの半導体本体の中心又はヒューズ本体の中心の近くに配置されたそれぞれの一体型抵抗構造と電気的に接触していることがある。
【0050】
この点に関して、接合温度は、典型的には、半導体デバイスの動作状態を特徴付けるために特に重要であることに留意されたい。ヒューズに関して、端子における温度及び/又はヒューズ本体のコア温度は、動作状態を特徴付けるために特に重要であり得る。
【0051】
本出願で使用される「ハウジング」という用語は、「ケーシング」という用語を包含するものとする。
【0052】
電力コンポーネントとしてパワー半導体デバイスを参照する実施形態では、メインコンポーネントは、典型的には少なくとも実質的に円筒形状であり、より典型的には少なくとも実質的に典型的に平坦な直円筒形状であり、特に(半導体)ウェハディスク形状である。同様に、電気端子(複数可)は、少なくとも実質的にそれぞれの円筒形状であり得、及び/又はコンポーネントハウジングは、少なくとも実質的に中空円筒、典型的には対応する中空直円筒形状であり得る。
【0053】
更に、メインコンポーネント及び/又はメインコンポーネントの半導体本体の直径は、少なくとも約2インチ、典型的には約2インチ~約6インチの範囲である。
【0054】
半導体本体は、典型的には整流接合を含む。
【0055】
断面、特に、少なくとも実質的に円筒形状の半導体本体の頂部基部及び底部基部によってそれぞれ形成された主表面(複数可)に平行な断面では、整流接合は、少なくとも実質的に半導体本体を通って延在し得、及び/又は少なくとも実質的に主表面(複数可)に平行に向けられ得る。
【0056】
更に、整流接合は、2つの電気端子間に機能的に接続され得、及び/又は2つの電気端子間に電流を通すように構成され得る。
【0057】
整流接合は、特に、半導体本体のp型半導体領域とn型半導体領域との間に形成されたPN接合であり得る。
【0058】
典型的には、p型半導体領域及びn型半導体領域の各々は、2つの電気端子のうちの1つとオーミック接触している及び/又はそれによって少なくとも実質的に覆われる。
【0059】
センサ及びエミッタユニットは、整流接合の温度及び/又は半導体本体のコア温度を測定するように構成され得る。
【0060】
この目的のために、電力コンポーネントは、センサ及びエミッタユニットと(オーミック)接触し、整流接合に若しくはその近くに配置された一体型抵抗構造、並びに/又はセンサ及びエミッタユニットと(オーミック)接触し、半導体本体の中心に若しくはその近くに、特に少なくとも実質的に円筒形状の半導体本体の円筒軸に対して及び/若しくは円筒軸に若しくはその近くに配置された一体型抵抗構造を有し得る。
【0061】
更に、パワー半導体デバイスは、プレスパック半導体デバイス又はプレス半導体デバイスであり得る。
【0062】
電力コンポーネントとして電力ヒューズを参照する実施形態では、コンポーネントハウジングは、典型的にはヒューズ本体を提供する。
【0063】
電力ヒューズのメインコンポーネントはまた、少なくとも実質的に(直)円筒形状であり得るが、典型的には円筒形状ではない。電力ヒューズは、特にスクエアボディ設計であり得る。電力ヒューズの電気端子は、フラッシュエンド設計を有し得る。
【0064】
センサ及びエミッタユニットと(オーミック)接触している抵抗構造は、ヒューズ本体の中心、特にヒューズ本体及び/若しくはメインコンポーネントの長手方向軸及び/若しくは円筒軸に対する中心に若しくはその近くに配置され、並びに/又はメインコンポーネントに若しくはその近くに、特にメインコンポーネントの側面に若しくはその近くに配置され得る。
【0065】
実施形態によると、電力モジュールは、本明細書で説明するような少なくとも2つの電力コンポーネント、例えば複数のそれぞれのコンポーネントを含む。
【0066】
典型的には、電力コンポーネントは、互いに対で接続される。
【0067】
より具体的には、電力モジュールは、並列又は直列に少なくとも対で接続された2つ以上のそれぞれのパワー半導体デバイス、例えば、並列に接続された2つ以上のそれぞれの電力サイリスタを含み得る。電力モジュールは、並列及び/又は直列に少なくとも対で接続された複数のそれぞれのパワー半導体デバイス、例えば、少なくとも並列に対で接続された24個まで又はそれよりも更に多くの電力サイリスタを含みさえし得る。
【0068】
代替として又は加えて、電力モジュールは、直列に接続されたパワー半導体デバイス及び電力ヒューズの1つ以上の対を含み得る。
【0069】
代替として又は加えて、電力モジュールは、直列に接続された第1のパワー半導体デバイス及び第1の電力ヒューズを有する第1のサブモジュールと、第1のサブモジュールと接続され、直列に接続された第2のパワー半導体デバイス及び第2の電力ヒューズを有する第2のサブモジュールとを含み得る。
【0070】
電力モジュールは、電力変換器、特に電力整流器又は電力逆変換器などのパワーエレクトロニクスデバイスを形成し得るか、又はその一部であり得る。
【0071】
実施形態によると、システムは、本明細書で説明するような1つ以上の電力コンポーネントを含むか、又は本明細書で説明するような1つ以上の電力モジュールと、電力コンポーネント(複数可)から電磁信号(複数可)を受信し、物理量(複数可)の測定された値(複数可)を復号するように構成された受信ユニットと、受信ユニットと接続可能であり、電力コンポーネント(複数可)のメインコンポーネントの動作状態及び/又は電力モジュール(複数可)の動作状態を分析するために、物理量(複数可)の復号された測定された値(複数可)を使用するように構成された評価ユニットとを含む。
【0072】
受信ユニットは、それぞれのリーダ、例えばアクティブRFIDリーダとして実装され得る。
【0073】
更に、受信ユニットは、受信ユニットをデータネットワークに接続するためのネットワークインターフェース、特に、受信ユニットとデータネットワーク、特にグローバルデータネットワークとの間でデジタル信号及び/又はデジタルデータを送受信するように構成されたネットワークインターフェース、例えば、それぞれのワイヤレスインターフェース(例えば、Wi-Fiインターフェース)を含み得る。
【0074】
データネットワークは、LAN、WAN、又はインターネットなどのTCP/IPを使用するイーサネット(登録商標)ネットワークであり得る。データネットワークは、クラウドなどの分散ストレージユニットを備え得る。アプリケーションに応じて、クラウドは、パブリック、プライベート、ハイブリッド、又はコミュニティクラウドの形態であり得る。
【0075】
受信ユニットは、典型的には、データネットワークから受信されたコマンドを実行するためにネットワークインターフェースに動作可能に接続される。コマンドは、受信ユニット及び電力コンポーネント(複数可)を制御するための制御コマンドを含み得る。コマンドは、状態要求を含み得る。状態要求に応答して、又は事前の状態要求なしで、受信ユニットは、ネットワークインターフェースに状態情報を送るように適合され得、ネットワークインターフェースは、次いで、ネットワークを通して状態情報を送るように適合される。コマンドは、更新データを含む更新コマンドを含み得る。この場合、受信ユニットは、更新コマンドに応答して、及び更新データを使用して、更新を開始するように適合され得る。
【0076】
同様に、評価ユニットはまた、データネットワークに評価ユニットを接続するための対応するネットワークインターフェースを含み得る。
【0077】
それ故に、評価ユニットは、受信ユニットに対して遠隔であり得る。
【0078】
評価ユニットは、典型的には、電力コンポーネント(複数可)の経年劣化状態を推定するために、並びに/又は電力コンポーネント(複数可)についての警告メッセージ、メンテナンス推奨、及び/若しくは制御パラメータを決定するために、復号された測定された値(複数可)を使用するように構成される。
【0079】
特に、評価ユニットは、電流の電流強度と電力コンポーネントのうちの少なくとも2つの間の電流分布とのうちの少なくとも1つを決定するために、復号された測定された値(複数可)を使用するように構成され得る。これらの値は、例えば、電力コンポーネント(複数可)についての制御パラメータ(複数可)、特に、電流強度及び/若しくはスイッチング特性を参照する制御パラメータ(複数可)、並びに/又はメンテナンス推奨を決定するために使用され得る。
【0080】
評価ユニットは、制御パラメータ(複数可)を使用して電流分布に影響を及ぼすように構成されさえし得る。
【0081】
更に、評価ユニットは、電力コンポーネントの異なる物理量の測定された値を復号するように、並びに/又は電力コンポーネントの温度、電圧、及び/若しくは電圧降下の測定された値(複数可)を復号するように構成され得る。
【0082】
また更に、評価ユニットは、電力コンポーネントの現在温度依存特性、特に電力コンポーネントの電気抵抗、電気抵抗率、導電力、及び/又は導電率を決定するように構成され得る。
【0083】
方法の実施形態によると、本方法は、電力コンポーネントのメインコンポーネントの動作状態を特徴付ける物理量の値を測定するために、電流を通すように構成された電力コンポーネントのセンサ及びエミッタユニット、特に本明細書で説明するような電力コンポーネントのセンサ及びエミッタユニットを使用することと、物理量の測定された値が符号化された電磁信号を放射するために、センサ及びエミッタユニットのアンテナを使用することとを含む。
【0084】
本方法は、典型的には、電磁信号を受信することと、符号化された値を復号することとを更に含む。
【0085】
更に、本方法は、動作状態を決定するために、電力コンポーネントについての制御パラメータを変更するために、電力コンポーネントの経年劣化状態を推定するために、並びに/又は電力コンポーネントについての警告メッセージ及び/若しくはメンテナンス推奨を決定するために、復号された値を使用することを更に含み得る。
【0086】
電力コンポーネント、特に本明細書で説明するような電力コンポーネントを製造するための方法の実施形態によると、本方法は、電流を通すように構成されたメインコンポーネントと、メインコンポーネントの動作状態を特徴付ける物理量の値を測定し、物理量の測定された値が符号化された電磁信号を放射するように構成されたセンサ及びエミッタユニットとを提供することと、誘電体でメインコンポーネントを少なくとも部分的に包み込み、センサ及びエミッタユニットのアンテナがメインコンポーネントから離間されるように誘電体中に、それに、及び/又はその上にセンサ及びエミッタユニットを取り付けることとを含む。
【0087】
例えば、メインコンポーネントは、誘電体で包み込むことによってモジュールハウジングを設けられ得る。その後、センサ及びエミッタユニットは、モジュールハウジング及び誘電体にそれぞれ取り付けられ、例えば、モジュールハウジングの外側に接着され得る。その後、センサ及びエミッタユニットは、端子における及び/又はメインコンポーネントの測定点に配線され得る。
【0088】
他の実施形態は、(不揮発性)コンピュータ可読記憶媒体又はデバイス、及び1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体又はコンピュータ記憶デバイス上に記録された1つ以上のコンピュータプログラムを含む。1つ以上のコンピュータプログラムは、システム、特に本明細書で説明するようなシステムの1つ以上のプロセッサによって実行されると、システムに動作又はプロセスを実行させる命令を含むことによって、特定の動作又はプロセスを実行するように構成することができる。
【0089】
方法、特に監視方法の実施形態によると、本方法は、本明細書で説明するような電力モジュールを提供することと、電力モジュールの少なくとも2つの電力コンポーネントのセンサ及びエミッタユニットのうちの少なくとも1つから物理量の1つ以上のそれぞれの測定された値を受信することと、受信された測定された値(複数可)を更に処理することとを含む。
【0090】
更なる処理は、典型的には、以下のプロセスのうちの少なくとも1つを含む:温度を決定することと、温度分布を決定することと、温度を監視することと、温度分布を監視することと、電流フローを決定することと、電流フロー分布を決定することと、電流フローを監視することと、電流フロー分布を監視することと、温度分布の不均衡、及び/又は電流フロー分布の不均衡、例えば、所定の時間よりも長く続くときに有害であり得るそれぞれの不均衡を検出すること。
【0091】
電流フロー及び/又は電流フロー分布を決定することは、電力モジュールの電力ヒューズの電気端子間の所与の電気抵抗、特に、電力ヒューズのそれぞれの耐寒性を考慮に入れることを含み得る。
【0092】
本方法は、典型的には、(潜在的に有害な)不均衡(複数可)、温度(複数可)、及び/又は電流を検出した後に、電力モジュールの経年劣化を推定すること、警告(メッセージ)を発すること、電力モジュールのためのメンテナンス又は修理をスケジュールすること、電力モジュールを動作させるために、少なくとも1つの更新された制御パラメータを決定すること、及び/又は電力モジュールを制御するために、少なくとも1つの更新された制御パラメータを使用することを更に含み得る。
【0093】
当業者は、以下の発明を実施するための形態を読み、添付の図面を見ることにより、追加の特徴及び利点を認識するであろう。
【0094】
図におけるコンポーネントは必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本発明の原理を例示することに重点が置かれている。その上、図では、同様の参照番号は対応する部分を示す。図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【
図1A】実施形態による電力コンポーネントを通る断面図を例示する。
【
図1B】実施形態による電力コンポーネント上の図を例示する。
【
図1C】実施形態による電力コンポーネント上の図を例示する。
【
図1D】実施形態による電力コンポーネントを通る断面図を例示する。
【
図1E】実施形態による電力コンポーネントを通る断面図を例示する。
【
図2A】実施形態による電力モジュールの概略図である。
【
図2B】実施形態による電力モジュールの概略図である。
【
図2C】実施形態によるシステムのブロック図である。
【
図2D】実施形態による電力コンポーネントを監視するための方法のフローチャートである。
【
図2E】実施形態による電力コンポーネントを製造するための方法のフローチャートである。
【
図3A】実施形態による電力モジュールの概略図である。
【
図3B】実施形態による電力モジュールの概略図である。
【
図3C】実施形態による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0096】
ここで様々な実施形態への参照が詳細に行われ、それらの1つ以上の例が各図面に例示される。各例は説明のために提供されており、限定を意味するものではない。例えば、一実施形態の一部として例示又は説明する特徴は、任意の他の実施形態上で、又はそれと併せて使用されて、また更なる実施形態をもたらすことができる。本開示は、そのような修正及び変形を含むことが意図される。
【0097】
以下の図面の説明内では、同じ参照番号は、同じ又は同様の構成要素を指す。一般に、個々の実施形態に関する相違点のみを説明する。別段の指定がない限り、一実施形態における部分又は態様の説明は、別の実施形態における対応する部分又は態様にも適用される。
【0098】
図1Aは、電力コンポーネント100を通る概略断面図を示す。例証的な実施形態では、電力コンポーネント100は、コンポーネントハウジング120を形成するセラミックヒューズ本体によって横方向に取り囲まれた機能的なメインコンポーネントとして導電性素子110を有する電力ヒューズである。ヒューズ本体120は、例えば中空円筒形状であり得る。導電性素子は、2つの電気端子111、112と電気的に接触しており、端子111、112間で電流を通し、所定の閾値電流を超える電流を遮断し得る。電磁信号を放射するためのアンテナ133を有するセンサ及びエミッタユニット130が、ヒューズ本体120の外面上に配置され、それに取り付けられる。配線135によって示すように、センサ及びエミッタユニット130は、導電性素子110の表面に隣接して、又は表面にさえ配置された測定チップと接続され得る。図面における任意の配線は、1本のワイヤ、1対のワイヤ、又は2本よりも更に多くのワイヤに相当し得ることに留意されたい。
【0099】
それ故に、センサ及びエミッタユニット130は、デバイス動作中に導電性素子110のコア温度値を測定し、電磁信号中に符号化されたコア温度値をアンテナ133を介してリーダ(図示せず)に放射し得る。明確にするために、充填材などの電力ヒューズ100の更なる任意選択の詳細も
図1Aに示さない。
【0100】
これは、測定された温度値を非接触で転送し、電力コンポーネント100の動作状態を少なくとも特徴付けるために遠隔で更に処理することを可能にする。
【0101】
破線の配線135’によって示すように、センサ及びエミッタユニット130は、代替として又は加えて、端子112(又は両方の端子でさえ)の温度値を測定し、端子温度値(複数可)を符号化された形式で電磁信号で放射し得る。
【0102】
それぞれの温度値は、約-40℃~約125℃(コア温度を測定するため)又は約-40℃~約+85℃(端子温度を測定するため)の温度範囲について、及び/又は少なくとも0.5℃の精度で測定され得る。
【0103】
図1Bは、電力コンポーネント100’のセクションの概略図を示す。電力コンポーネント100’は、
図1Aに関して上記で説明した電力コンポーネント100と同様であり、電力ヒューズでもあり得る。しかしながら、電力コンポーネント100’のセンサ及びエミッタユニット130’は、RFID温度センサとして実装される。RFID温度センサ130’は、適切な測定回路を有するセンサユニット131と、フラットコイルアンテナ133を有するエミッタユニット132とを有する。
【0104】
電力コンポーネント100’’のセクションの概略図を例示する
図1Cに示すように、RFIDセンサ130’’のセンサユニット131及びエミッタユニット132は、互いに離間され得るが、典型的にはワイヤード接続を介して互いに機能的に結合される。
【0105】
図1Dは、電力コンポーネント200を通る概略断面図を示す。電力コンポーネント200は、典型的には、
図1A~
図1Cに関して上記で説明した電力コンポーネント100~100’’と同様であり、典型的には電力ヒューズ、特にそれぞれの半導体ヒューズでもある。しかしながら、
図1Dの例証的な実施形態では、ヒューズ本体(コンポーネントハウジング)220に取り付けられたセンサ及びエミッタユニット230は、それぞれのワイヤ235を介して両方の電気端子211、212と接続される。
【0106】
センサ及びエミッタユニット230は、典型的には、端子211、212における電圧を測定するように構成される。更に、センサ及びエミッタユニット230は、2つの端子211、212間の電圧降下を決定するように構成され得る。
【0107】
上記で説明したように、センサ及びエミッタユニット230は、Bluetoothセンサ又はRFIDセンサとして、例えばRFID電圧測定センサとして、特に例証的な実施形態におけるそれぞれのバッテリフリーRFIDタグとして実装され得る。
【0108】
より具体的には、センサ及びエミッタユニット230は、高電力条件下/高電力用途、特に高電力整流器用途(
図2A、2Bも参照)であっても、それぞれ、半導体ヒューズ200及びそのメインコンポーネント(導電性素子)211の両端のAC電圧降下を測定するように構成され得る。
【0109】
電圧測定は、例えば、それらの用途において電流分布(オンライン)を監視するために使用され得る。代替として又は加えて、ヒューズ200の動作状態の情報は、測定された値から決定され得る。
【0110】
センサ及びエミッタユニット230は、ヒューズ200の両端のAC電圧パルスを測定し、平均化され得るそれぞれのRMS値を計算するように構成され得る。この点に関して、測定電圧は正弦波形でないことがあり、例えば、パルスDC電圧さえ使用され得、ゆがんでいる可能性があることに留意されたい。
【0111】
更に、センサ及びエミッタユニット230は、典型的には、(AC)ヒューズ200が遮断されたときにいかなるアークも作成しないように保護され、例えば2kVのACの完全な電圧降下がヒューズ200及び従ってセンサ及びエミッタユニット230の両端に印加される。しかしながら、これは、典型的には、半導体ヒューズ200が直列に接続されるパワー半導体デバイスの仕様に依存する。
【0112】
例えば、センサ及びエミッタユニット230は、以下の仕様のうちの1つ以上又は全てさえ満たし得る:
定格測定電圧:80~250mV、
定格周波数:50/60Hz、
測定モード:RMS、任意選択で平均、
測定更新サイクルレート:≦10s、
絶縁電圧入力/出力:5kV、
温度測定範囲:-40~≧125℃、
タイプ:RFID、
リーダと通信するための周波数範囲:UHF、及び、
サイズ:数平方センチメートル、典型的には25cm2未満。
【0113】
センサ及びエミッタユニット230は、ヒューズ本体220上の補助接点(図示せず)と同様に配置され得る。
【0114】
更に、センサ及びエミッタユニット230の回路は、典型的には、非導電性ハウジング材料によって囲まれる。これは、それが典型的には高電圧(HV)条件下で、例えばHV電子スタックにおいて使用されるからである。更に、センサ及びエミッタユニット230は、典型的には、近くに多くの金属製(ステンレス鋼、アルミニウム、銅)がある環境において使用される。
【0115】
任意選択で、センサ及びエミッタユニット230は、
図1A~1Cに関して上記で説明したような温度測定のために、特に端子(接続)温度を測定するために更に構成される。
【0116】
図1Eは、縦型パワー半導体デバイスとして、より具体的にはパワー半導体ダイオードとして実装された電力コンポーネント300を通る概略断面図を示す。これは、半導体本体310のp型半導体領域とn型半導体領域との間のPN接合を表す破線によって示し、それらの各々は、2つの電力端子311、312のうちの1つとオーミック接触している。
【0117】
例証的な実施形態では、半導体本体310は、例えば(上から見たときに)実質的にリング形状であり得る誘電体コンポーネントハウジング320によって横方向に囲まれている。
【0118】
更に、センサ及びエミッタユニット330が、ハウジング320の横方向外側上に及び横方向外側に配置されている。
【0119】
配線335によって示すように、センサ及びエミッタユニット330は、典型的には、半導体本体310と機能的に接続され、半導体本体310のコア温度、より具体的には、少なくとも電力ダイオード300のPN接合に近い温度を測定するように構成される。
【0120】
この目的のために、一体型抵抗構造は、整流接合に又はその近くに、及びPN接合(円筒軸)に対して典型的には少なくとも実質的に垂直である半導体本体310の中心軸に対する半導体本体の中心に又はその近くに、配置される。
【0121】
代替として又は加えて、センサ及びエミッタユニット330は、電力端子311、312における電圧を測定するように、及び/又は電力端子311、312間の電圧降下を決定するように構成され得る。これらの測定は、例えば、並列に接続された電力ダイオード間の電流不均衡を直接測定するために使用され得る。
【0122】
更に、センサ及びエミッタユニットは、半導体本体中の異なる点で温度を測定するように構成され得る。それ故に、温度プロファイルは、デバイス動作中に決定され得る。特に、複数のそれぞれのセルを典型的に有する電力MOSFET及び電力IGBTを参照する実施形態では、セル間の温度差は、セル間の電流分布、更には経年劣化に関する情報を提供し得る。
【0123】
更なる実施形態では、センサ及びエミッタユニットは、代替として又は加えて、それぞれのデバイスの動作状態を特徴付ける1つ以上の他の物理量の値を測定するように構成され得る。
【0124】
センサ及びエミッタユニット330はまた、コンポーネントハウジング320中に少なくとも部分的に配置され得る。例えば、センサ及びエミッタユニット330は、半導体本体310を包み込むために使用される鋳造複合材中に鋳造され得る。
【0125】
図2Aは、直列に接続された2つの電力コンポーネント200、300によって形成された電力モジュール500、即ち、
図1Eに関して上記で説明したようなパワー半導体ダイオード300及び
図1Dに関して上記で説明したような対応する半導体ヒューズ200の概略図を示す。
【0126】
明確にするために、パワー半導体ダイオード300のコア温度、及び端子温度、及びヒューズ200の両端の電圧降下についての値をそれぞれ測定し、非接触で送信するために使用され得るそれぞれのセンサ及びエミッタユニットは、
図2Aには示さない。これらの値は、動作中に電力モジュール500又はいくつかの電力モジュールさえも監視するために使用され得る。
【0127】
後者は、各々が典型的には
図2Aに関して説明したような電力モジュール500に対応する6つの電力モジュール501~506から成る例証的な3相電力整流器600の概略図を示す
図2Bと、各々が典型的には
図2Aに関して説明したような電力モジュール500に対応するN個の電力モジュール501~50N(Nは、3、7、又は15よりも大きくありさえし得る正の整数である)から成る例証的な電力整流器550の概略図を示す
図3Aとに例示する。例示する電力モジュール501~506、501~50Nは、各々が直列に接続されたパワー半導体デバイス及び電力ヒューズを備える、及び/又はそれらから成るそれぞれのサブモジュールと見なされ得る。
【0128】
電力ヒューズ200の温度測定及び電圧降下測定に基づいて、6つのモジュール501~506の各々を通って流れるそれぞれの電流I
1~I
6(
図2A)及びN個のモジュール501~50Nの各々を通って流れるそれぞれの電流I
1~I
N(
図3A)は、ヒューズ200の各々の両端の電圧降下が測定され、ヒューズ200の各々の抵抗が、測定された対応するヒューズ温度に従って補正され得るので、それぞれ高精度で決定され得る。
【0129】
加えて、電力ダイオード300の温度を測定することは、電力整流器550、600内の電流分布を決定するために必要とされないが、電力デバイスの長期監視、経年劣化の推定、及び/又はメンテナンス若しくは修理のスケジューリングのために使用され得る。
【0130】
言い換えれば、電力ダイオード200のみがそれぞれのセンサ及びエミッタユニットを設けられていれば十分であり得る。
【0131】
他の実施形態では、パワー半導体デバイスにそれぞれのセンサ及びエミッタユニットを設けるだけで十分であり得る。
【0132】
これは、M個の典型的には少なくとも実質的に同一の電力モジュール300’から成る例証的なパワーエレクトロニクスデバイス570の概略図を示す
図3Bに例示しており、Mは、1、3、7、又は15よりも大きくありさえする正の整数である。各電力モジュール300’は、
図1Eに関して説明したような電力ダイオード300に対応し得る。この実施形態では、パワーエレクトロニクスデバイス570は、電力整流器であり得る。パワーエレクトロニクススイッチングデバイスを参照する実施形態では、各電力モジュール300’は、例えば電力サイリスタであり得る。
【0133】
例えば、電力モジュール300’のセンサ及びエミッタユニットを使用する温度測定に基づいて、電力モジュール300’の温度の不均衡が決定され得る。それに基づいて、例えば電力モジュール300’の少なくとも実質的に等しい特質を仮定して、M個のモジュール501~50Mを通って流れる電流I1~IMの不均衡が決定され得る。
【0134】
いくつかの用途では、電力モジュールのうちの1つにそれぞれのセンサ及びエミッタユニットを設けるだけで十分でありさえし得る。
【0135】
図2Cに例示するように、
図1A~2Bに関して上記で説明したような電力コンポーネント(複数可)100~300及び電力モジュール(複数可)500~600のための監視及び/又は制御システム701は、典型的には、電力コンポーネント(複数可)100~300から電磁信号を受信し、物理量(複数可)T、V、ΔVの測定された値(複数可)を復号するように構成された受信ユニット710と、受信ユニット710に接続され、物理量(複数可)T、V、ΔVの復号された測定された値(複数可)に基づいてそれぞれの動作状態(複数可)を決定又は分析さえするように構成された評価ユニット720とを有する。
【0136】
受信ユニット710及び評価ユニット720は、1つのデバイスによって形成され得るか、又は互いに遠隔であり得、及び/若しくはデータネットワークを介して互いに接続され得る。
【0137】
電力モジュールのうちの1つ以上の決定/分析された動作状態に応じて、評価ユニット720は、例えば、警告メッセージを発し、及び/又は電力コンポーネント(複数可)についての制御パラメータを決定し、電力モジュール(複数可)を動作させるために、決定された制御パラメータを使用し得る。後者は、破線矢印によって
図2Cに例示する。
【0138】
監視及び/又は制御システム701並びに電力コンポーネント(複数可)100~300及び電力モジュール(複数可)500~600によって形成されるシステム700は、電力コンポーネント(複数可)の制御及び長期監視の両方を可能にし得る。
【0139】
システム700は、
図2Dのフローチャートに例示する方法1000を実行し得る。
【0140】
第1のブロック1100では、電力コンポーネントのセンサ及びエミッタユニット、特に本明細書で説明するような電力コンポーネントのセンサ及びエミッタユニットは、電力コンポーネントの動作状態を特徴付ける物理量の値を測定するために使用される。
【0141】
その後、ブロック1200では、物理量の測定された値が符号化された電磁信号が、センサ及びエミッタユニットのアンテナを介して放射される。
【0142】
典型的には、ブロック1300では、電磁信号が受信され、符号化された値が復号される。
【0143】
ブロック1100~1300は、数回、例えば規則的な間隔で、及び/又はいくつかの電力コンポーネントに対して、典型的には並行して実行され得る。
【0144】
符号化された値(複数可)は、典型的には、動作状態を決定及び/又は特徴付け、電力コンポーネント(複数可)についての警告メッセージ、メンテナンス推奨、及び/又は制御パラメータを決定するために使用される。
【0145】
図2Eは、電力コンポーネント、特に本明細書で説明するような電力コンポーネントを製造するための方法2000のフローチャートを示す。
【0146】
ブロック2100では、電流を通すように構成されたメインコンポーネントと、センサ及びエミッタユニットとが提供される。
【0147】
ブロック2200では、メインコンポーネントは、誘電体コンポーネントハウジングと、センサ及びエミッタユニットとが設けられる。これは、センサ及びエミッタユニットのアンテナがコンポーネントハウジングに取り付けられ、メインコンポーネントから離間され、センサ及びエミッタユニットがメインコンポーネントの動作状態を特徴付ける物理量の値を測定し、物理量の測定された値が符号化された電磁信号をアンテナを介して放射することができるように行われる。
【0148】
【0149】
第1のブロック3100では、本明細書で説明するような電力モジュールが提供され得る。
【0150】
ブロック3200では、1つ以上の物理量のそれぞれの測定された値が、電力モジュールの電力コンポーネントのセンサ及びエミッタユニットのうちの1つ、典型的には2つ、又は全てからさえ受信される。
【0151】
測定された値は、特に、それぞれのメインコンポーネントの温度、2つのそれぞれの電気端子のうちの少なくとも1つの電圧、又はメインコンポーネント及び2つの端子の両端の電圧降下をそれぞれ指し得る。
【0152】
その後、受信された測定された値(複数可)は、ブロック3300において更に処理される。
【0153】
図3Cの破線矢印によって示すように、ブロック3200、3300は、例えば周期的に(数回)繰り返され得る。
【0154】
更なる処理は、以下のステップのうちの1つ以上を含み得る:
メインコンポーネントの温度分布を決定するステップと、
温度分布を監視するステップと、
メインコンポーネントのうちの1つ以上を通る電流フローを決定するステップと、
メインコンポーネント間の電流フロー分布を決定するステップと、
電流フロー及び/又は電流フロー分布を監視するステップと、
温度分布及び/又は電流フロー分布の不均衡を検出するステップ。
【0155】
例えば、(提供される)電力モジュールは、
図3Bに関して上記で説明したような電力モジュール570、又は
図2B、3Aに関して上記で説明したような電力モジュール550、600であり得る。電力モジュール550、600を参照する実施形態では、電流フロー及び/又は電流フロー分布は、電力ヒューズの電気端子間の所与の電気抵抗、特に、電力ヒューズのそれぞれの耐寒性を考慮に入れて決定され得る。
【0156】
代替として又は加えて、更なる処理は、以下のステップのうちの1つ以上を含み得る:
電力モジュール又はその1つ以上の電力コンポーネントの経年劣化を推定するステップと、
電力モジュールのためのメンテナンス又は修理をスケジュールするステップと、
電力モジュールを動作させるために、少なくとも1つの更新された制御パラメータを決定するステップと、
電力モジュールを制御するために、少なくとも1つの更新された制御パラメータを使用するステップ。
【0157】
例えば、電力モジュール及びパワーエレクトロニクスデバイスの1つ以上の制御可能な電力コンポーネントのスイッチング特性及び/又は電流強度は、それぞれ、電流及び/又は温度分布をより良くバランスさせるように修正され得る。これは、耐用年数を延ばし得る。
【0158】
経年劣化を推定することは、それぞれ、電力モジュール及びその電力コンポーネントの監視されたピーク負荷及び/又は統合負荷に基づき得る。
【0159】
監視される負荷は、熱負荷、電流負荷、及びそれらの組み合わせを指し得る。
【0160】
本発明の様々な例証的な実施形態を開示してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の利点の一部を達成する様々な変更及び修正を行うことができることが当業者には明らかであろう。同じ機能を実行する他のコンポーネントが適切に置換され得ることは、当業者には明らかであろう。特定の図を参照して説明した特徴は、明示的に言及されていない場合であっても、他の図の特徴と組み合わせられ得ることは言及されるべきである。
【0161】
「下(under)」、「下方(below)」、「下部(lower)」、「上(over)」、「上部(upper)」などの空間的に相対的な用語は、1つの要素の第2の要素に対する位置決めを説明するための記述を容易にするために使用される。これらの用語は、図に図示するものとは異なる向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含することを意図される。更に、「第1」、「第2」などの用語は、様々な要素、領域、セクション、等を説明するためにも使用され、また、限定を意図されない。同様の用語は、説明全体を通じて同様の要素を指す。
【0162】
本明細書で使用される場合、「有する(having)」、「包含する(containing)」、「含む(including)」、「備える(comprising)」などの用語は、述べられた要素又は特徴の存在を示すが、追加の要素又は特徴を除外しないオープンエンドの用語である。冠詞「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうではないと明確に示さない限り、単数形だけでなく複数形も含むことを意図される。
【0163】
上記の範囲の変形及び応用を念頭に置いて、本発明は前述の説明によって限定されず、添付の図面によっても限定されないことを理解されたい。代わりに、本発明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの法的同等物によってのみ限定される。
【0164】
[参照番号]
100~300 電力コンポーネント
110,210,310 電力コンポーネントのメインコンポーネント
111,112,211,212,311,312 電気端子
120,220,320 電力コンポーネントのハウジング
130,230,330 センサ及びエミッタユニット
133 アンテナ
500~600 電力モジュール
700 システム
1000~3300 方法、方法ステップ
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] -2つの電気端子(111,112,211,212,311,312)と、
-コンポーネントハウジング(120,220,320)と、
-前記コンポーネントハウジング(120,220,320)によって少なくとも部分的に取り囲まれ、前記2つの電気端子(111,112,211,212,311,312)と接続され、前記2つの電気端子(111,112,211,212,311,312)間を流れる電流を通すように構成されたメインコンポーネント(110,210,310)と、
-前記メインコンポーネント(110,210,310)の動作状態を特徴付ける物理量(T,V,ΔV)の値を測定し、前記物理量の測定された前記値が符号化された電磁信号を放射するように構成されたセンサ及びエミッタユニット(130,230,330)と、を備え、
前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)は、前記電磁信号を放射するためのアンテナ(133)を備え、前記アンテナ(133)は、前記メインコンポーネント(110,210,310)から離間され、前記コンポーネントハウジング(120,220,320)中に、その上に、及びそれに配置される、電力コンポーネント(100~300)。
[2] 前記メインコンポーネント(110,210,310)の定格電流は、少なくとも約10Aであり、前記電力コンポーネント(100~300)は、高電圧コンポーネントであり、前記メインコンポーネント(110,210,310)の定格電圧は、少なくとも約600Vであり、前記メインコンポーネント(110,210,310)の定格電力は、少なくとも約2kWであり、並びに/又は前記電力コンポーネント(100~300)は、前記電流を制御及び/若しくは前記電流を遮断するように構成される、[1]に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[3] 前記電力コンポーネント(100~300)は、電力ヒューズ(100,200)、特にそれぞれの半導体ヒューズであるか、又はパワー半導体デバイス(200,300)、特に縦型パワー半導体デバイスであり、並びに/又は、前記電力コンポーネントは、パワー半導体ダイオード及び/若しくはパワー半導体スイッチ、特に電力サイリスタ、電力MOSFET、若しくは電力IGBTを備える、[1]又は[2]に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[4] 前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)は低電力トランスポンダを備え、前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)は、少なくとも一時的に前記物理量のいくつかの測定された値を記憶するように構成され、前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)は、前記物理量のいくつかの測定された値を前記電磁信号中に、典型的にはそれぞれの測定時間と共に符号化するように構成され、及び/又は前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)は、前記電力コンポーネントについての識別子を前記電磁信号中に符号化するように構成される、[1]~[3]のいずれか一項に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[5] 前記低電力トランスポンダは、Bluetoothトランスポンダ又はRFIDトランスポンダ、特にアクティブRFIDタグ若しくはパッシブRFIDタグである、[4]に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[6] 前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)は、センサユニット(131)と前記アンテナ(133)を備えるエミッタユニット(132)とを備え、前記エミッタユニット(132)は、前記センサユニット(131)から離間され、前記センサユニット(131)は、前記物理量(T,V)を表すアナログ入力信号をデジタル値に変換し、前記デジタル値を記憶し、前記デジタル値を処理し、並びに/又は前記デジタル値及び/若しくは処理された前記デジタル値を前記エミッタユニット(132)に転送するように構成され、前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)は、1つ以上のRFIDセンサによって提供され、並びに/又は前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)の定格電力は、最大で5Wである、[1]~[5]のいずれか一項に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[7] 前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)は、各々が前記メインコンポーネント(110,210,310)の前記動作状態を特徴付けるそれぞれの物理量を測定するように構成された2つのセンサを備え、前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)は、前記メインコンポーネント(110,210,310)の前記動作状態を各々特徴付ける異なる物理量を測定するように構成され、及び/又は前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)は、前記メインコンポーネント(110,210,310)の温度、前記2つの電気端子(111,112,211,212,311,312)のうちの少なくとも1つの電圧(V)、並びに/又は前記メインコンポーネント(110,210,310)及び/若しくは前記2つの電気端子(111,112,211,212,311,312)の両端の電圧降下(ΔV)を測定するように構成される、[1]~[6]のいずれか一項に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[8] 前記電力コンポーネントはパワー半導体デバイス(300)であり、前記メインコンポーネント(110,210,310)は少なくとも実質的に円筒形状であり、前記2つの電気端子(111,112,211,212,311,312)のうちの少なくとも1つは、少なくとも実質的に円筒形状であり、前記コンポーネントハウジング(120,220,320)は少なくとも実質的に中空円筒形状であり、前記メインコンポーネント(310)は、整流接合を備える半導体本体(310)を備え、前記メインコンポーネント(310)及び/又は前記半導体本体(310)の直径は、少なくとも2インチ、典型的には2インチから6インチの範囲であり、及び/又は前記パワー半導体デバイス(300)は、プレスパックデザイン又はプレスデザインを備える、[1]~[7]のいずれか一項に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[9] 前記センサ及びエミッタユニット(330)は、前記整流接合の温度及び/又は前記半導体本体(310)のコア温度を測定するように構成される、[8]に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[10] 前記整流接合は、断面において、前記半導体本体を少なくとも実質的に通って延在し、前記整流接合は、前記2つの電気端子(311,312)間に機能的に接続され、前記整流接合は、前記2つの電気端子(111,112,211,212,311,312)間で電流を通すように構成され、及び/又は前記整流接合は、前記半導体本体(310)のp型半導体領域とn型半導体領域との間に形成されたPN接合である、[9]に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[11] 前記p型半導体領域及び前記n型半導体領域の各々は、前記2つの電気端子(111,112,211,212,311,312)のうちの1つとオーミック接触している、及び/又はそれによって少なくとも実質的に覆われている、[10]に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[12] 前記整流接合に若しくはその近くに配置された一体型抵抗構造、及び/又は前記半導体本体(310)の中心に若しくはその近くに配置された一体型抵抗構造を更に備える、[8]~[11]のいずれか一項に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[13] 前記電力コンポーネントは電力ヒューズ(100,200)であり、前記コンポーネントハウジング(120,220)はヒューズ本体を提供し、前記メインコンポーネント(110,210)は少なくとも実質的に円筒形状であり、前記電力ヒューズ(100,200)はスクエアボディデザインを備え、及び/又は前記2つの電気端子(111,112,211,212)はフラッシュエンドデザインを備える、[1]~[7]のいずれか一項に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[14] 前記電力コンポーネント(100,200)は、前記ヒューズ本体の中心、特に前記ヒューズ本体及び/若しくは前記メインコンポーネント(110,210)の長手方向軸及び/若しくは円筒軸に対する中心に若しくはその近くに、並びに/又は前記メインコンポーネント(110,210)に若しくはその近くに、特に前記メインコンポーネント(110,210)の側面に若しくはその近くに配置された抵抗構造を備える、[13]に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[15] 前記コンポーネントハウジング(120,220,320)は、誘電体及び/又はセラミックを備え、前記コンポーネントハウジング(120,220,320)は、前記メインコンポーネント(110,210,310)を実質的に囲み、前記アンテナ(133)は、実質的にフラットアンテナ及び/又はコイルアンテナであり、及び/又は前記アンテナ(133)は、前記コンポーネントハウジング(120,220,320)の外側に配置される、[1]~[14]のいずれか一項に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[16] 前記電力コンポーネント(100~300)は、パワー半導体ダイオード及びパワー半導体スイッチ、特に電力サイリスタのうちの1つである、[1]~[15]のいずれか一項に記載の電力コンポーネント(100~300)。
[17] [1]~[16]のいずれか一項に記載の電力コンポーネント(100~300)の少なくとも2つを備える電力モジュール(500~600)であって、前記少なくとも2つの電力コンポーネント(100~300)は、互いに少なくとも対で接続される、電力モジュール(500~600)。
[18] 前記電力モジュールは、電力変換器、特に電力整流器の一部であるか若しくはそれを形成し、及び/又は、
-並列に接続された2つのパワー半導体デバイスと、
-直列に接続されたパワー半導体デバイス及び電力ヒューズと
のうちの少なくとも1つを備える、[17]に記載の電力モジュール(500~600)。
[19] 前記電力モジュールは、
-直列に接続された第1のパワー半導体デバイス及び第1の電力ヒューズを備える第1のサブモジュール(501~506)と、
-前記第1のサブモジュール(501~506)と接続され、直列に接続された第2のパワー半導体デバイス及び第2の電力ヒューズを備える第2のサブモジュール(501~506)と
を備える、[18]に記載の電力モジュール(500~600)。
[20] システム(700)であって、
-[1]~[16]のいずれか一項に記載の電力コンポーネント(100~300)、及び[17]~[19]のいずれか一項に記載の電力モジュール(500~600)のうちの少なくとも1つと、
-前記電力コンポーネント(100~300)から前記電磁信号を受信し、前記物理量の測定された前記値を復号するように構成された受信ユニット(710)と、
-前記受信ユニット(710)と接続可能であり、前記電力コンポーネント(100~300)の前記メインコンポーネント(110,210,310)の前記動作状態及び/又は前記電力モジュール(500~600)の動作状態を分析するために、前記物理量の復号された測定された前記値を使用するように構成された評価ユニット(720)と
を備える、システム(700)。
[21] 前記評価ユニット(720)は、前記電力コンポーネント(100~300)の経年劣化状態を推定するために、及び/又は前記電力コンポーネント(100~300)についての警告メッセージ及び制御パラメータのうちの少なくとも1つを決定するために、復号された測定された前記値を使用するように構成され、前記評価ユニット(720)は、データネットワークに前記評価ユニット(720)を接続するためのネットワークインターフェース、特に前記評価ユニット(720)と前記データネットワークとの間でデジタル信号及び/又はデジタルデータを送受信するように構成されたネットワークインターフェースを備え、及び/又は受信ユニット(710)は、前記データネットワークに前記受信ユニット(710)を接続するためのネットワークインターフェースを備える、[20]に記載のシステム(700)。
[22] [1]~[16]のいずれか一項に記載のいくつかの電力コンポーネント(100~300)、及び/又は[17]~[19]のいずれか一項に記載の電力モジュール(500~600)のいくつかを備える、[20]又は[21]に記載のシステム(700)。
[23] 前記評価ユニット(720)は、前記電流の電流強度と前記電力コンポーネントのうちの2つの間の電流分布とのうちの少なくとも1つを決定するために、復号された測定された前記値を使用するように構成される、[20]~[22]のいずれか一項に記載のシステム(700)。
[24] 前記評価ユニット(720)は、前記電力コンポーネントのうちの少なくとも1つについての制御パラメータ、特に電流強度を参照する制御パラメータを決定するように構成される、[22]又は[23]に記載のシステム(700)。
[25] 前記評価ユニット(720)は、電流分布に影響を与えるように構成される、[23]又は[24]に記載のシステム(700)。
[26] 前記評価ユニット(720)は、前記電力コンポーネント(100~300)の異なる物理量の測定された値を復号するように構成され、並びに/又は前記評価ユニット(720)は、前記電力コンポーネント(100~300)の温度、電圧、及び/若しくは電圧降下の測定された前記値を復号するように構成される、[20]~[25]のいずれか一項に記載のシステム(700)。
[27] 前記評価ユニット(720)は、前記電力コンポーネント(100~300)の現在温度依存特性、特に前記電力コンポーネント(100~300)の電気抵抗、電気抵抗率、導電力、及び/又は導電率を決定するように構成される、[20]~[26]のいずれか一項に記載のシステム(700)。
[28] -電力コンポーネント(100~300)のメインコンポーネント(110,210,310)の動作状態を特徴付ける物理量の値を測定するために、前記電力コンポーネント(100~300)のセンサ及びエミッタユニット(130,230,330)を使用すること(1100)と、ここで、前記メインコンポーネント(110,210,310)は電流を通すように構成され、
-前記物理量の測定された前記値が符号化された電磁信号を放射するために、前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)のアンテナ(133)を使用すること(1200)と、
を備える、方法(1000)。
[29] 前記電力コンポーネント(100~300)は、[1]~[16]のいずれか一項に記載の前記電力コンポーネント(100~300)であり、及び/又は[17]~[19]のいずれか一項に記載の電力モジュール(500~600)によって提供される、[28]に記載の方法。
[30] 電力コンポーネント(100~300)を製造するための方法(2000)であって、前記方法は、
-電流を通すように構成されたメインコンポーネント(110,210,310)と、前記メインコンポーネント(110,210,310)の動作状態を特徴付ける物理量の値を測定し、前記物理量の測定された前記値が符号化された電磁信号を放射するように構成されたセンサ及びエミッタユニット(130,230,330)とを提供すること(2100)と、
-誘電体(120,220,320)で前記メインコンポーネント(110,210,310)を少なくとも部分的に包み込み、前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)のアンテナ(133)が前記メインコンポーネント(110,210,310)から離間されるように、前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)を、前記誘電体(120,220,320)の中に、前記誘電体に、及び/又は前記誘電体の上に取り付けること(2200)と、
を備える、方法。
[31] -[17]~[19]のいずれか一項に記載の電力モジュール(500~600)を提供すること(3100)と、
-前記少なくとも2つの電力コンポーネント(100~300)の前記センサ及びエミッタユニット(130,230,330)のうちの少なくとも1つから物理量(T,V,ΔV)のそれぞれの測定された値を受信すること(3200)と、
-受信された測定された前記値を更に処理すること(3300)と、
を備える、方法(3000)。
[32] 更に処理すること(3300)は、
-温度分布を決定することと、
-温度分布を監視することと、
-電流フロー及び/又は電流フロー分布を決定することと、
-前記電流フロー及び/又は前記電流フロー分布を監視することと、
-前記温度分布及び/又は前記電流フロー分布の不均衡を検出することと
のうちの少なくとも1つを備える、[31]に記載の方法。
[33] 更に処理すること(3300)は、
-前記電力モジュール(500~600)の経年劣化を推定することと、
-前記電力モジュール(500~600)のためのメンテナンス又は修理をスケジュールすることと、
-前記電力モジュール(500~600)を動作させるために、少なくとも1つの更新された制御パラメータを決定することと、
-前記電力モジュール(500~600)を制御するために、前記少なくとも1つの更新された制御パラメータを使用することと
のうちの少なくとも1つを備える、[32]に記載の方法。
[34] 前記電流フロー及び/又は前記電流フロー分布は、前記電力モジュール(500~600)の電力ヒューズ(100,200)の前記電気端子(111,112,211,212)間の所与の電気抵抗、特に、前記電力ヒューズのそれぞれの耐寒性を考慮に入れて決定される、[32]又は[33]に記載の方法。