(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】走査ファイバディスプレイのための成形ファイバ要素の製作のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 26/10 20060101AFI20241105BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20241105BHJP
G02B 6/02 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
G02B26/10 109Z
G02B26/08 F
G02B6/02 421
(21)【出願番号】P 2023108118
(22)【出願日】2023-06-30
(62)【分割の表示】P 2022032400の分割
【原出願日】2017-12-21
【審査請求日】2023-06-30
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【氏名又は名称】矢口 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ティー. ショーウェンゲルト
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ディー. ワトソン
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ デイビッド メルヴィル
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-516568(JP,A)
【文献】特開2015-075566(JP,A)
【文献】特表2003-535659(JP,A)
【文献】特開平07-151769(JP,A)
【文献】特開平07-209529(JP,A)
【文献】米国特許第04469554(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/08 - 26/10
A61B 1/00 - 1/32
G02B 6/00 - 6/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバ走査システムの光ファイバ要素であって、前記光ファイバ要素は、
光ファイバケーブルであって、前記光ファイバケーブルは、
入力領域と、
前記入力領域に結合された支持領域と、
光放射先端と
を有し、前記支持領域は、第1の直径によって特徴付けられ、前記光放射先端は、前記第1の直径より小さい第2の直径によって特徴付けられ、前記入力領域は、前記支持領域よりも前記光放射先端から遠くに位置している、光ファイバケーブルと、
運動アクチュエータであって、前記運動アクチュエータは、
縦方向側部材と、
前記縦方向側部材間に配置された内部オリフィスと、
前記運動アクチュエータの一端に配置された第1の領域と、
中心領域と、
前記運動アクチュエータの対向する端に配置された第2の領域と
を有する、運動アクチュエータと
を備え、
前記光ファイバケーブルの前記支持領域は、前記運動アクチュエータの前記第2の領域内に配置され、
前記光ファイバケーブルの前記入力領域は、前記縦方向側部材の中に配置され、かつ、たわみ距離によって前記縦方向側部材から分離されている、光ファイバ要素。
【請求項2】
前記光ファイバケーブルは、前記支持領域から前記光放射先端までテーパ状になっている、請求項1に記載の光ファイバ要素。
【請求項3】
前記入力領域は、前記運動アクチュエータの前記中心領域内に配置される、請求項1に記載の光ファイバ要素。
【請求項4】
前記光ファイバケーブルの前記支持領域は、前記運動アクチュエータの第2の領域と機械的に接触している、請求項1に記載の光ファイバ要素。
【請求項5】
前記光ファイバケーブルは、前記入力領域に結合された第2の支持領域をさらに備え、
前記第2の支持領域は、前記運動アクチュエータの前記第1の領域間に配置される、請求項1に記載の光ファイバ要素。
【請求項6】
前記光ファイバケーブルの前記支持領域は、前記運動アクチュエータの第2の領域と機械的に接触しており、
前記光ファイバケーブルの前記第2の支持領域は、前記運動アクチュエータの前記第1の領域と機械的に接触している、請求項5に記載の光ファイバ要素。
【請求項7】
前記入力領域は、前記第1の直径より小さい第3の直径によって特徴付けられ、前記第2の支持領域は、前記第3の直径より大きい第4の直径によって特徴付けられる、請求項5に記載の光ファイバ要素。
【請求項8】
前記第2の支持領域は、前記第1の直径によって特徴付けられる、請求項5に記載の光ファイバ要素。
【請求項9】
前記運動アクチュエータは、圧電アクチュエータを備え、
前記縦方向側部材は、収縮/拡張するように動作可能である第1の圧電要素と、前記第1の圧電要素と反対に拡張/収縮するように動作可能である第2の圧電要素とを備えている、請求項1に記載の光ファイバ要素。
【請求項10】
前記運動アクチュエータの前記内部オリフィスは、内径によって画定された円筒形プロファイルによって特徴付けられ、前記支持領域は、前記内径と実質的に等しい外径によって特徴付けられる、請求項1に記載の光ファイバ要素。
【請求項11】
前記光ファイバケーブルは、前記入力領域に結合された第2の支持領域をさらに備え、
前記第2の支持領域は、前記運動アクチュエータの前記第1の領域間に配置され、
前記第2の支持領域は、前記内径と実質的に等しい外径によって特徴付けられる、請求項10に記載の光ファイバ要素。
【請求項12】
前記入力領域は、前記第1の直径より小さい第3の直径によって特徴付けられる、請求項1に記載の光ファイバ要素。
【請求項13】
前記入力領域は、前記運動アクチュエータの前記第1の領域内に配置される、請求項1に記載の光ファイバ要素。
【請求項14】
成形ファイバを製作する方法であって、前記方法は、
放射領域および支持領域を有する光ファイバケーブルを提供することと、
エッチング溶液を提供することと、
前記放射領域の少なくとも一部をエッチング耐性マスクでコーティングすることと、
前記支持領域を前記エッチング溶液の中に挿入することと、
前記支持領域の中心部分をエッチングすることと、
前記放射領域上の前記コーティングを除去することと、
前記放射領域を前記エッチング溶液の中に挿入することと、
前記放射領域をエッチングすることと
を含む、方法。
【請求項15】
運動アクチュエータを提供することをさらに含み、
前記光ファイバケーブルの前記支持領域は、前記運動アクチュエータ内に配置され、
前記光ファイバケーブルの前記支持領域は、
前記運動アクチュエータの内径と実質的に同一の直径を有し、
前記支持領域の前記中心部分のエッチングは、前記光ファイバケーブルの前記支持領域の直径を保存する一方でたわみ領域を形成することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記放射領域をエッチングする前に、前記支持領域の少なくとも一部をエッチング耐性コーティングでコーティングすることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記放射領域をエッチングすることは、テーパ状放射領域を形成することを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第62/438,380号(2016年12月22日出願、名称「Methods and Systems for Fabrication of Shaped Fiber Elements for Scanning Fiber Displays」)に対する優先権を主張し、上記出願の開示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に引用される。
【0002】
以下の米国出願(本願を含む)は、同時に出願され、他の出願の全開示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本願に引用される:
米国特許出願第15/_号(2017年12月21日出願、名称「METHODS AND SYSTEMS FOR FABRICATION OF SHAPED FIBER ELEMENTS FOR SCANNING FIBER DISPLAYS」、代理人事件番号101782-1060973-002210US)、
米国特許出願第15/_号(2017年12月21日出願、名称「METHODS AND SYSTEMS FOR FABRICATION OF SHAPED FIBER ELEMENTS USING LASER ABLATION」、代理人事件番号101782-1060976-002310US)、および、
米国特許出願第15/_号(2017年12月21日出願、名称「METHODS AND SYSTEMS FOR MULTI-ELEMENT LINKAGE FOR FIBER SCANNING DISPLAY」、代理人事件番号101782-1060978-002410US)。
【背景技術】
【0003】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、もしくはそのように知覚され得る様式で視認者に提示されるいわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進している。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、視認者の周囲の実際の世界の可視化の拡張として、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0004】
これらのディスプレイ技術において成された進歩にもかかわらず、当技術分野において、拡張現実システム、特に、ディスプレイシステムに関連する改良された方法およびシステムの必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、概して、成形光ファイバケーブルの製作のための方法およびシステムに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、テーパ状および他の所定のプロファイルを伴うファイバを製作する方法およびシステムを提供する。本発明は、コンピュータビジョンおよび画像ディスプレイシステムにおける種々の用途に適用可能である。
【0006】
本発明のある実施形態によると、ファイバ走査システムの光ファイバ要素が、提供される。光ファイバ走査システムは、複数の光ファイバ要素を含むことができる。光ファイバ要素は、縦方向側部材と、縦方向側部材間に配置された内部オリフィスと、運動アクチュエータの一端に配置される支持領域と、支持領域に対向する投影領域とを有する運動アクチュエータ(例えば、圧電アクチュエータ)を含む。縦方向側部材は、収縮/拡張するように動作可能である第1の圧電要素と、第1の圧電要素と反対に拡張/収縮するように動作可能である第2の圧電要素とを含むことができる。内部オリフィスは、いくつかの実施形態では、内径によって画定された円筒形プロファイルによって特徴付けられる。本実施形態では、結合領域は、実質的に円筒形であり、内径と実質的に等しい外径によって画定されることができる。
【0007】
光ファイバ要素は、内部オリフィスを通過する光ファイバケーブルも含む。光ファイバケーブルは、縦方向側部材間に配置され、投影領域と機械的に接触する結合領域と、運動アクチュエータの投影領域から離れるように延びている光送達領域と、光放射先端とを有する。光ファイバ要素は、結合領域と投影領域との間に配置される界面層(例えば、ガラスフリットまたはエポキシ)も含むことができる。光送達領域は、第1の直径によって特徴付けられ、光放射先端は、第1の直径より小さい第2の直径によって特徴付けられる。ある実施形態では、光送達領域は、運動アクチュエータの投影領域間に延びている凹角プロファイルによって特徴付けられる。例として、光ファイバケーブルは、光送達領域から光放射先端に次第に細くされることができる。ファイバ走査システムは、ファイバ走査投影ディスプレイの要素であることができる要素。
【0008】
ある実施形態では、結合領域は、縦方向側部材と機械的に接触する支持部分と、支持領域と投影領域との間に配置されたたわみ領域とを含むことができる。たわみ領域は、たわみ距離によって縦方向側部材から分離される。本実施形態では、結合領域は、縦方向側部材と機械的に接触する第2の支持部分をさらに含む。第2の支持部分は、支持領域内に配置されることができる。
【0009】
本発明の別の実施形態によると、ファイバ走査システムの光ファイバ要素が、提供される。光ファイバ要素は、運動アクチュエータを含み、運動アクチュエータは、縦方向側部材と、縦方向側部材間に配置された内部オリフィスと、運動アクチュエータの一端に配置された第1の支持領域と、中心領域と、運動アクチュエータの対向する端に配置された第2の支持領域とを有する。第1の光ファイバケーブルが、内部オリフィスを通過する。第1の光ファイバケーブルは、縦方向側部材間に配置された第1の結合領域と、中心領域内に配置された第1のファイバジョイントとを有する。第2の光ファイバケーブルが、内部オリフィスを通過する。第2の光ファイバケーブルは、中心領域内に配置され、第1のファイバジョイントに継ぎ合わせられる第2のファイバジョイントと、縦方向側部材間に配置され、第2の支持領域と機械的に接触している第2の結合領域とを有する。光ファイバ要素は、運動アクチュエータの第2の支持領域から離れるように延びている光送達領域と、光放射先端とも含む。光送達領域は、第1の直径によって特徴付けられ、光放射先端は、第1の直径より小さい第2の直径によって特徴付けられる。
【0010】
本発明の具体的実施形態によると、ファイバ走査システムの光ファイバ要素が、提供される。光ファイバ要素は、運動アクチュエータを含み、運動アクチュエータは、縦方向側部材と、縦方向側部材間に配置された内部オリフィスと、運動アクチュエータの一端に配置された第1の支持領域と、中心領域と、運動アクチュエータの対向する端に配置された第2の支持領域とを有する。光ファイバ要素は、第1の支持領域内に配置された保持要素と、保持要素および内部オリフィスを通過する第1の光学導波管とも含む。第1の光学導波管は、保持要素内に配置された第1の篏合ジョイントを有する。光ファイバ要素は、内部オリフィスを通過する第2の光学導波管をさらに含む。第2の光学導波管は、保持要素内に配置され、第1の篏合ジョイントと、縦方向側部材間に配置され、第2の支持領域と機械的に接触している第2の結合領域とに接合される第2の篏合ジョイントとを有する。光ファイバ要素は、加えて、運動アクチュエータの第2の支持領域から離れるように延びている光送達領域と、光放射先端とを含む。光送達領域は、第1の直径によって特徴付けられ、光放射先端は、第1の直径より小さい第2の直径によって特徴付けられる。
【0011】
本発明の別の具体的実施形態によると、成形ファイバを製作する方法が、提供される。方法は、光ファイバケーブルを提供することと、光ファイバケーブルの一部をエッチングジャケットで被覆し、光ファイバケーブルの露出領域および光ファイバケーブルの被覆領域を画定することと、光ファイバケーブルの露出領域およびエッチングジャケットをエッチング溶液にさらすこととを含む。方法は、エッチング溶液にさらすことに応答して、光ファイバケーブルの露出領域の少なくとも一部を除去することと、エッチングジャケット下にエッチング溶液を吸い上げ、光ファイバケーブルの被覆領域の少なくとも一部を除去することとも含む。エッチングジャケットの下にエッチング溶液を吸い上げることは、エッチング溶液の毛細管作用流動を含むことができる。
【0012】
本発明の特定の実施形態によると、ファイバアクチュエータ機構が、提供される。ファイバアクチュエータは、運動アクチュエータを含み、運動アクチュエータは、縦方向側部材と、縦方向側部材間に配置された内部オリフィスと、運動アクチュエータの一端に配置される支持領域と、支持領域に対向し、投影面を有する投影領域とを有する。ファイバアクチュエータは、内部オリフィスを通過する光ファイバケーブルも含む。光ファイバケーブルは、縦方向側部材間に配置され、投影領域と機械的に接触している、結合領域と、運動アクチュエータの投影領域から離れるように延びている光送達領域とを有する。光送達領域は、投影領域の投影面に沿って延びているフランジを含む。光ファイバケーブルは、光放射先端をさらに含む。光送達領域は、投影領域の投影面から離れるように縦方向に延びているテーパ状領域をさらに含むことができる。例として、テーパ状領域に関連付けられた傾きは、フランジからの距離に伴って減少する。
【0013】
本発明のある実施形態によると、ファイバアクチュエータ機構が、提供される。ファイバアクチュエータ機構は、運動アクチュエータを含み、運動アクチュエータは、縦方向側部材と、縦方向側部材間に配置された内部オリフィスと、運動アクチュエータの一端に配置される支持領域と、支持領域に対向し、投影面を有する投影領域と、投影外部表面とを有する。ファイバアクチュエータ機構は、内部オリフィスを通過する光ファイバケーブルも含む。光ファイバケーブルは、縦方向側部材間に配置され、投影領域と機械的に接触する結合領域と、運動アクチュエータの投影領域を包囲し、そこから離れるように延びている光送達領域とを有する。光送達領域は、投影面と平行な第1の領域と、投影外部表面と平行な第2の領域とを含む。ファイバアクチュエータ機構は、光放射先端をさらに含む。第1の領域は、投影面と機械的に接触することができる。ある実施形態では、第2の領域は、投影外部表面と機械的に接触する。さらに、光送達領域はさらに、投影領域を包囲する第3の領域を含むことができる。
【0014】
本発明の別の実施形態によると、成形ファイバを製作する方法が、提供される。方法は、支持領域および放射領域を有する光ファイバケーブルを提供することと、エッチング溶液(例えば、フッ化水素酸を含む)を提供することと、放射領域の少なくとも一部をエッチング耐性マスクでコーティングすることとを含む。方法は、支持領域をエッチング溶液の中に挿入することと、支持領域の中心部分をエッチングすることと、放射領域上のコーティングを除去することとをさらに含む。支持領域の中心部分をエッチングすることは、たわみ領域の形成をもたらし得る。方法は、放射領域をエッチング溶液の中に挿入することと、放射領域をエッチングすることとも含む。放射領域をエッチングすることは、時間の関数として減少する率(例えば、非線形率)で放射領域をエッチング溶液から引き出すことを含むことができる。エッチングシステムは、例えば、エッチング溶液上に浮遊するエッチング溶液に隣接する不活性溶液(例えば、イソオクタン)も含むことができる。方法は、放射領域をエッチングする前、エッチングされた中心部分をコーティングすることも含むことができる。
【0015】
本発明の具体的実施形態によると、エッチングされたファイバ導波管を製作する方法が、提供される。方法は、エッチング溶液(例えば、HFを含む)を含むエッチングシステムを提供することと、光ファイバケーブルの第1の端部をエッチング溶液の中に挿入することと、光ファイバケーブルの第1の端部を第1の率で引き出すこととを含む。第1の率は、線形または非線形様式において、時間の関数として変動し得る(例えば、減少する)。方法は、第1の端部に対向する光ファイバケーブルの第2の端部をエッチング溶液の中に挿入することと、光ファイバケーブルの第2の端部を第2の率で引き出すこととも含む。第2の率は、線形または非線形様式において、時間の関数として変動し得る(例えば、減少する)。エッチングシステムは、例えば、エッチング溶液上に浮遊するエッチング溶液に隣接する不活性溶液(例えば、イソオクタン)も含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の端部と第2の端部との間に配置された光ファイバケーブルの中心部分は、エッチングされない。
【0016】
本発明の別の具体的実施形態によると、成形ファイバを製作する方法が、提供される。方法は、支持領域および放射領域を有する光ファイバケーブルを提供することと、第1の不活性層、第1の不活性層に隣接するエッチング層、およびエッチング層に隣接する第2の不活性層を含むエッチング溶液を提供することとを含む。方法は、放射領域の少なくとも一部をエッチング耐性マスクでコーティングことと、支持領域をエッチング層の中に挿入することと、支持領域の中心部分をエッチングし、支持領域の区分間に配置され、支持領域の区分より細い直径によって特徴付けられるたわみ領域を形成することとも含む。方法は、放射領域の少なくとも一部上のコーティングを除去することと、放射領域をエッチング層の中に挿入することと、放射領域をエッチングし、テーパ状プロファイルを形成することとをさらに含む。第1の不活性層は、イソオクタンを含むことができ、エッチング層は、HF酸を含むことができる。第2の不活性層は、エッチング層のエッチングの密度より高い密度を伴う油を含むことができる。
【0017】
本発明の特定の実施形態によると、テーパ状ファイバ放射先端を製作する方法が、提供される。方法は、放射領域を有する光ファイバケーブルを提供することと、不活性層およびエッチング層を含むエッチング溶液を提供することと、放射領域を不活性層を通してエッチング層の中に挿入することとを含む。方法は、放射領域の一部をエッチングすることと、撹拌を放射領域とエッチング溶液との間に導入することと、放射領域をエッチング層から引き出すこととも含む。いくつかの実施形態では、撹拌を導入することは、エッチング溶液の撹拌および光ファイバケーブルの撹拌の両方を含む。放射領域をエッチング層から引き出すことは、時間の関数としての増加率によって特徴付けられることができる。
【0018】
本発明の別の特定の実施形態によると、テーパ状ファイバ放射先端を製作する方法が、提供される。方法は、放射領域を有する光ファイバケーブルを提供することと、不活性層およびエッチング層を含むエッチング溶液を提供することと、放射領域を不活性層を通してエッチング層内の第1の深度まで挿入することとを含む。方法は、放射領域の一部をエッチングすることと、少なくとも部分的に、放射領域をエッチング層から引き出すことと、放射領域を不活性層を通して第1の深度未満のエッチング層内の後続深度まで再挿入することとも含む。方法は、少なくとも部分的に、放射領域を引き出すことと、放射領域を再挿入することとを繰り返すことと、放射領域をエッチング層から完全に引き出すこととをさらに含む。後続深度は、プロセスを繰り返す間、徐々に減少させられることができる。
【0019】
本発明のある実施形態によると、テーパ状ファイバ放射先端を製作する方法が、提供される。方法は、放射領域および放射面を有する光ファイバケーブルを提供することと、放射領域をエッチング耐性マスクでコーティングすることと、放射面に隣接する放射領域の一部を露出し、側壁マスクおよび放射面マスクを形成することとを含む。方法は、エッチング溶液を提供することと、放射領域をエッチング溶液の中に挿入することと、放射領域の一部をエッチングし、連続的により深いエッチングプロファイルを形成することとも含む。方法は、エッチング終点を決定することと、放射領域をエッチング溶液から除去することとをさらに含む。エッチング終点を決定することは、放射面と放射面マスクとの間の分離を検出することを含むことができる。
【0020】
本発明の特定の実施形態によると、レンズを光ファイバ先端上に製作する方法が、提供される。方法は、放射領域および放射面を有する光ファイバケーブルを提供することと、表面を有するエッチング溶液を提供することと、放射面をエッチング溶液の表面と接触させるように位置付けることとを含む。方法は、放射領域を包囲するエッチング溶液のメニスカスを形成することも含む。メニスカスは、放射面に隣接するより大きい幅と、初期高さとによって特徴付けられる。方法は、放射領域をエッチングし、初期エッチングプロファイルを形成することと、メニスカスの高さを減少させることと、放射領域をエッチングし、後続エッチングプロファイルを形成することとをさらに含む。放射領域をエッチングし、後続エッチングプロファイルを形成することは、自己限定プロセスであることができる。
【0021】
本発明の具体的実施形態によると、導波管製作システムが、提供される。導波管製作システムは、ロボットと、ロボットに結合されるエッチングシステムと、ロボットに結合される清掃システムとを含む。導波管製作システムは、ロボットに結合されるマスク形成システムと、ロボットに結合されるマスク除去システムと、ロボットに結合されるコンピュータとも含む。導波管製作システムは、ロボットに結合される入力/出力スタックをさらに含むことができる。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ファイバ走査システムの光ファイバ要素であって、前記光ファイバ要素は、
運動アクチュエータであって、前記運動アクチュエータは、
縦方向側部材と、
前記縦方向側部材間に配置された内部オリフィスと、
前記運動アクチュエータの一端に配置された第1の支持領域と、
中心領域と、
前記運動アクチュエータの対向する端に配置された第2の支持領域と
を有する、運動アクチュエータと、
前記内部オリフィスを通過する第1の光ファイバケーブルであって、前記第1の光ファイバケーブルは、前記縦方向側部材間に配置された第1の結合領域と、前記中心領域内に配置された第1のファイバジョイントとを有する、第1の光ファイバケーブルと、
前記内部オリフィスを通過する第2の光ファイバケーブルと
を備え、
前記第2の光ファイバケーブルは、
前記中心領域内に配置され、前記第1のファイバジョイントに継ぎ合わせられる第2のファイバジョイントと、
前記縦方向側部材間に配置され、前記第2の支持領域と機械的に接触している第2の結合領域と、
前記運動アクチュエータの前記第2の支持領域から離れるように延びている光送達領域と、
光放射先端と
を有し、
前記光送達領域は、第1の直径によって特徴付けられ、前記光放射先端は、前記第1の直径より小さい第2の直径によって特徴付けられる、光ファイバ要素。
(項目2)
前記第1の光ファイバケーブルの第1の結合領域を前記第1の支持領域に対して保持する機械的固定具をさらに備えている、項目1に記載の光ファイバ要素。
(項目3)
前記第1の光ファイバケーブルの前記第1の結合領域は、第1の支持領域と機械的に接触している、項目1に記載の光ファイバ要素。
(項目4)
前記第1のファイバジョイントおよび前記第2のファイバジョイントは、たわみ距離によって前記縦方向側部材から分離されている、項目1に記載の光ファイバ要素。
(項目5)
前記運動アクチュエータは、圧電アクチュエータを備え、
前記縦方向側部材は、収縮/拡張するように動作可能である第1の圧電要素と、前記第1の圧電要素と反対に拡張/収縮するように動作可能である第2の圧電要素とを備えている、項目1に記載の光ファイバ要素。
(項目6)
前記運動アクチュエータの前記内部オリフィスは、内径によって画定された円筒形プロファイルによって特徴付けられ、前記第2の結合領域は、前記内径と実質的に等しい外径によって特徴付けられる、項目1に記載の光ファイバ要素。
(項目7)
ファイバ走査システムの光ファイバ要素であって、前記光ファイバ要素は、
運動アクチュエータであって、前記運動アクチュエータは、
縦方向側部材と、
前記縦方向側部材間に配置された内部オリフィスと、
前記運動アクチュエータの一端に配置された第1の支持領域と、
中心領域と、
前記運動アクチュエータの対向する端に配置された第2の支持領域と
を有する、運動アクチュエータと、
前記第1の支持領域内に配置された保持要素と、
前記保持要素および前記内部オリフィスを通過する第1の光学導波管であって、前記第1の光学導波管は、前記保持要素内に配置された第1の篏合ジョイントを有する、第1の光学導波管と、
前記内部オリフィスを通過する第2の光学導波管と
を備え、
前記第2の光学導波管は、
前記保持要素内に配置され、前記第1の篏合ジョイントに接合された第2の篏合ジョイントと、
前記縦方向側部材間に配置され、前記第2の支持領域と機械的に接触している第2の結合領域と、
前記運動アクチュエータの第2の支持領域から離れるように延びている光送達領域と、
光放射先端と
を有し、
前記光送達領域は、第1の直径によって特徴付けられ、前記光放射先端は、前記第1の直径より小さい第2の直径によって特徴付けられる、光ファイバ要素。
(項目8)
前記第1の光学導波管は、第1の光ファイバケーブルを備えている、項目7に記載の光ファイバ要素。
(項目9)
前記第2の光学導波管は、第2の光ファイバケーブルを備えている、項目7に記載の光ファイバ要素。
(項目10)
前記保持要素は、前記第1の篏合ジョイントを前記第1の支持領域に対して保持するように動作可能である、項目7に記載の光ファイバ要素。
(項目11)
前記第2の光学導波管は、前記第2の篏合ジョイントと前記第2の結合領域との間に配置されたたわみ領域を備え、前記たわみ領域は、たわみ距離によって前記縦方向側部材から分離されている、項目7に記載の光ファイバ要素。
(項目12)
前記運動アクチュエータは、圧電アクチュエータを備えている、項目7に記載の光ファイバ要素。
(項目13)
前記圧電アクチュエータは、前記第1の支持領域と、前記第1の篏合継ぎ合わせ部と、前記第2の篏合継ぎ合わせ部とを含む平面に位置付けられる、項目12に記載の光ファイバ要素。
(項目14)
テーパ状ファイバ放射先端を製作する方法であって、前記方法は、
放射領域を有する光ファイバケーブルを提供することと、
不活性層およびエッチング層を含むエッチング溶液を提供することと、
前記放射領域を前記不活性層を通して前記エッチング層の中に挿入することと、
前記放射領域の一部をエッチングすることと、
撹拌を前記放射領域と前記エッチング溶液との間に導入することと、
前記放射領域を前記エッチング層から引き出すことと
を含む、方法。
(項目15)
撹拌を導入することは、前記エッチング溶液の撹拌を含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
撹拌を導入することは、前記光ファイバケーブルの撹拌を含む、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記光ファイバケーブルの撹拌は、側方撹拌を含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記光ファイバケーブルの撹拌は、縦方向撹拌を含む、項目16に記載の方法。
(項目19)
前記光ファイバケーブルの撹拌は、前記光ファイバケーブルの回転を含む、項目16に記載の方法。
【0022】
従来の技法に優る多数の利点が、本発明の方法によって達成される。例えば、本発明の実施形態は、ファイバ走査ディスプレイシステムの中に統合され得るファイバを製作するために使用され得る方法およびシステムを提供する。本発明のこれらおよび他の実施形態は、その利点および特徴の多くとともに、下記のテキストおよび添付の図と併せてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】
図1Aは、本発明のある実施形態による、ファイバ走査システムの成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
【0024】
【
図1B】
図1Bは、本発明のある実施形態による、たわみ領域を含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
【0025】
【
図1C】
図1Cは、本発明のある実施形態による、支持領域を含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
【0026】
【
図1D】
図1Dは、本発明のある実施形態による、多要素成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
【0027】
【
図1E】
図1Eは、本発明の別の実施形態による、多要素成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
【0028】
【
図1F】
図1Fは、本発明のある実施形態による、圧電運動アクチュエータの簡略化された斜視図である。
【0029】
【
図1G】
図1Gは、本発明のある実施形態による、多要素運動アクチュエータを図示する簡略化された端面図である。
【0030】
【
図2A】
図2Aは、本発明のある実施形態による、凹角プロファイルを含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
【0031】
【
図2B】
図2Bは、本発明のある実施形態による、光学要素をファイバの先端に含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
【0032】
【
図3A】
図3Aは、本発明のある実施形態による、光学導波管およびエッチング耐性ジャケットの一部を図示する簡略化された側面図である。
【0033】
【
図3B】
図3Bは、本発明のある実施形態による、
図3Aに図示されるエッチング耐性ジャケット下におけるエッチング液の吸い上げを図示する簡略化された側面図である。
【0034】
【
図3C】
図3Cは、エッチング耐性ジャケット下におけるエッチング液のさらなる吸い上げを図示する簡略化された側面図である。
【0035】
【
図3D】
図3Dは、本発明のある実施形態による、光学導波管のテーパ形成を図示する簡略化された側面図である。
【0036】
【
図3E】
図3Eは、本発明のある実施形態による、成形ファイバを製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。
【0037】
【
図4】
図4は、本発明のある実施形態による、支持フランジを含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
【0038】
【
図5A】
図5Aは、本発明のある実施形態による、運動アクチュエータ結合領域を含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
【0039】
【
図5B】
図5Bは、本発明の別の実施形態による、運動アクチュエータ結合領域を含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
【0040】
【
図5C】
図5Cは、本発明のさらに別の実施形態による、運動アクチュエータ結合領域を含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
【0041】
【
図6A】
図6Aは、本発明のある実施形態による、成形ファイバを製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。
【0042】
【
図6B】
図6Bは、本発明のある実施形態による、エッチングシステムを図示する。
【0043】
【
図6C】
図6Cは、本発明の代替実施形態による、エッチングシステムを図示する。
【0044】
【
図6D】
図6Dは、本発明のある実施形態による、エッチングされたファイバ導波管を製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。
【0045】
【
図6E】
図6Eは、本発明の特定の実施形態による、エッチングシステムを図示する。
【0046】
【
図7】
図7は、本発明のある実施形態による、テーパ状ファイバ放射先端を製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。
【0047】
【
図8】
図8は、本発明の別の実施形態による、テーパ状ファイバ放射先端を製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。
【0048】
【
図9】
図9は、本発明のある実施形態による、エッチングプロセスを使用して、成形ファイバを製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。
【0049】
【
図10-1】
図10A-10Dは、
図9に関連して提供される方法による、ファイバの処理を図示する簡略化された側面図である。
【0050】
【
図10-2】
図10Eは、本発明のある実施形態による、保護カバーを伴うファイバを図示する簡略化された斜視図である。
【0051】
【
図11】
図11A-11Cは、本発明のある実施形態による、成形ファイバ先端を製作する方法を図示する簡略化された側面図である。
【0052】
【
図12】
図12は、本発明のある実施形態による、導波管製作システムを図示する簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の実施形態は、ファイバ走査ディスプレイシステムのための要素を製作する方法およびシステムに関する。いくつかのファイバスキャナシステムでは、光ファイバケーブルの直径は、ファイバを保持する圧電アクチュエータの内径より著しく狭い。これらのシステムでは、結合材料が、結果として生じる間隙を充填するために利用される。例として、エポキシが、ファイバを圧電アクチュエータに接合するために使用されることができる。エポキシの剛性は、温度に伴って変動し得るので、エポキシジョイントは、ファイバ性能に影響を及ぼし得る。さらに、接着問題は、ファイバ性能を低下させ得る。
【0054】
図1Aは、本発明のある実施形態による、ファイバ走査システムの成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
図1Aを参照すると、運動アクチュエータは、圧電構造またはアクチュエータを利用し、圧電構造の作動は、矢印112によって図示されるように、第1の縦方向側部材110が拡張または膨張する一方、第1の縦方向側部材110に対向する第2の縦方向側部材120が、矢印122によって図示されるように、収縮することによって図示される。一連の対抗する拡張および縮小運動は、テーパ状ファイバ130を図の平面内で振動させるであろう。テーパ状ファイバは、運動アクチュエータの右端部における幅約200~250μmから、光放射先端とも称されるファイバ先端132における幅約20μm~40μmまで次第に細くなる。
【0055】
図1Aに図示される光ファイバ要素は、ファイバ走査投影ディスプレイシステムの一部であることができる。光ファイバ要素は、対向する縦方向側部材112および122を含む運動アクチュエータを含む。対向する縦方向側部材が、収縮/拡張するにつれて、縦方向側部材間を通過する光ファイバケーブルは、図の平面内で振動する。単一ファイバが、
図1Aおよび本明細書の他の図に図示されるが、本発明の範囲は、複数のファイバコアが走査ディスプレイシステム内で利用されるマルチコアファイバシステムを含む。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0056】
図1Aに図示される実施形態では、運動アクチュエータ105は、縦方向側部材112と122との間に配置された内部オリフィス107を含む。運動アクチュエータは、支持領域108が運動アクチュエータの一端(例えば、左端部)に配置され、投影領域109が支持領域と反対の運動アクチュエータの対向する端(例えば、右端部)に配置されるように画定されることができる。
【0057】
光ファイバケーブル130が、内部オリフィス107を通過する。光ファイバケーブル130は、縦方向側部材間に配置され、投影領域109と機械的に接触する結合領域131を有する。
図1Aに図示される実施形態では、運動アクチュエータの内部オリフィスは、内径によって画定された円筒形プロファイルによって特徴付けられ、光ファイバケーブル130は、実質的に円筒形であり、運動アクチュエータの内径と実質的に等しい外径によって画定される結合領域131を有する。光ファイバケーブルは、その結果、運動アクチュエータバレルを完全に充填し、頑丈な機械的接続を提供し、いくつかの実施形態では、締まり嵌め部材であることができる。
図1Aに図示される実施形態では、運動アクチュエータの材料、すなわち、圧電材料と、光ファイバケーブル、例えば、ガラスとは、実質的に合致したサイズにより、直接機械的に接触する。
【0058】
図1Fは、本発明のある実施形態による、圧電運動アクチュエータの簡略化された斜視図である。
図1Fに図示される圧電運動アクチュエータは、円筒形ケーシング内に配置される4つの作動入力(+X、-X、+Y、および-Y)を含む。光ファイバケーブルが、オリフィス107を通過し、4つの作動入力の作動によって、光ファイバケーブルは、2次元で走査されることができる。
図1Fでは、+X作動入力の縮小および-X作動入力の拡張は、圧電運動アクチュエータに+X軸に向かって傾斜させる。
図1Fに図示される運動は、2次元(すなわち、x-軸およびy-軸によって画定された平面に沿って)であるが、実施形態は、z-軸に沿った収縮/拡張と連動して、全4つの作動入力を拡張または収縮させることもできる。したがって、本発明の実施形態は、x-方向およびy-方向の両運動と、z-方向に圧縮/拡張する円筒形アクチュエータの使用とを提供する。
【0059】
図1Aに図示される円筒形運動アクチュエータに加え、本発明の範囲は、他の幾何学形状が運動アクチュエータのために利用される実装を含む。例として、ある実施形態では、運動アクチュエータは、多要素運動アクチュエータとして互いに連動する複数の対向する運動作動要素(例えば、圧電要素)を含む。
図1Gは、本発明のある実施形態による、多要素運動アクチュエータを図示する簡略化された端面図である。
図1Gに図示される図は、縦軸と整列させられている。
図1Gに図示されるように、光ファイバケーブル193の片側上に位置付けられる第1の運動作動要素192および光ファイバケーブルの反対側上に位置付けられる第2の運動作動要素194は、連動して収縮/拡張し、光ファイバケーブルに水平平面内で移動させることができる。光ファイバケーブル193の第3の側上に位置付けられる第3の運動作動要素196および光ファイバケーブルの反対側上に位置付けられる第4の運動作動要素198は、連動して収縮/拡張し、光ファイバケーブルに垂直平面内で移動させることができる。全4つの運動作動要素の作動によって、ファイバは、投影ディスプレイにおいて使用するための必要に応じて、2次元で走査されることができる。
図1Gに図示される実施形態は、圧電質量を低減させることによって、より軽量のシステムを提供することができる。
図1Gに図示される長方形幾何学形状に加え、六角形、三角形等を含む他の幾何学形状も、本発明の範囲内に含まれる。
【0060】
いくつかの実施形態では、運動アクチュエータの材料、例えば圧電材料と、光ファイバケーブル、例えばガラスとは、直接機械的に接触する。他の実施形態では、実質的な機械的接触は、運動アクチュエータと光ファイバケーブルとの間の界面層の挿入によって提供される。これらの実施形態では、光ファイバケーブルは、運動アクチュエータバレルより直径が若干小さく、光ファイバケーブルを運動アクチュエータに接合するために、薄い接着剤層が利用されることを可能にする。これらの実施形態では、実質的な機械的接触は、運動アクチュエータと光ファイバケーブルとの間の界面層の挿入によって提供される。界面層は、結合領域131と投影領域109との間、および運動アクチュエータの他の部分に配置されることができる。例として、界面層は、フリットガラス、エポキシ等のうちの少なくとも1つを含むことができる。一実施形態では、例えば、プリフォームの形態における、フリットガラスが、運動アクチュエータとファイバとの間の界面に設置され、例えば、運動アクチュエータの端部の右に設置される。そして、プリフォームを構成する異なる層を有し得るフリットガラスは、結合領域と投影領域との間の界面の中に再流動させられることができる。再流動後、フリットガラスは、その界面、および運動アクチュエータの外側の両方に存在し、シールを運動アクチュエータから退出するファイバの周囲に形成し得る。例として、材料のリングが、運動アクチュエータの右側において、ファイバの周囲に設置され得る。加熱すると、材料は、界面領域の中に流動し、応力緩和要素をファイバを包囲して形成し得る。界面材料として使用されるとき、エポキシは、減衰材料であり、それは、いくつかの実装において利点を提供することができる。
【0061】
光ファイバケーブルは、運動アクチュエータ105の投影領域109から離れるように延びている光送達領域136と、光放射領域138とを含む。
【0062】
光ファイバケーブルは、光放射先端134も含む。ファイバは、いくつかの実施形態では、光送達領域136が、第1の直径によって特徴付けられ、光放射先端134が、ファイバが先端に向かって次第に細くなるにつれて第1の直径未満となる第2の直径によって特徴付けられるように、テーパ状である。テーパ形成は、いくつかの実施形態では、連続的であることができる(すなわち、位置の関数として一定に減少する直径)。
【0063】
光送達領域136におけるテーパ形成は、急激であることができ、テーパ形成は、先端に接近するにつれて、率において減少する。したがって、テーパの傾きは、光送達領域では大きく、光放射領域では小さくあり得る。例として、ファイバの開始直径は、200μm~250μmの範囲内であることができ、急激なテーパ形成は、約50μm~100μm、例えば、85μmのファイバ長さ内で100μm~125μmの範囲内の値に直径を低減させることができ、そして、テーパ形成プロファイルは、実質的に線形なテーパまで、光放射先端134における直径20μm~40μm(例えば、30μm、35μm等)まで低減させられることができる。光送達領域内の急激なテーパ形成は、歪みおよび/または応力緩和を提供することができ、その結果、この領域におけるテーパ形成プロファイルは、作動中のファイバ上の歪みを低減させ、または最小化し、応力局所化を低減させるように選択されることができる。楕円形プロファイル、有限要素分析を使用して決定された非線形プロファイルを含む他の弧等が、テーパ形成プロファイルのために利用されることができる。
【0064】
図1Bは、本発明のある実施形態による、たわみ領域を含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
図1Bを参照すると、ケーブルが運動アクチュエータの作動に応答して振動するときの縦方向側部材と光ファイバケーブルとの間の潜在的結合を低減させるために、たわみ領域が、支持領域と投影領域との間に提供される。光ファイバケーブルと縦方向側部材との間の空間分離は、光ファイバケーブルが、側方方向に移動し、縦方向側部材が拡張および収縮するときの結合を低減させ、または排除することを可能にする。側方方向は、縦方向に直交する平面における全ての運動に及ぶ。例として、縦方向が、z-軸と整列させられる場合、側方運動は、x-y平面における運動を含むであろう。したがって、側方運動は、ファイバの中心がx-y平面内での螺旋パターンをなぞるように光ファイバケーブルがx-y平面内で移動する場合の螺旋運動を含む。
【0065】
図1Bを参照すると、運動アクチュエータの剛性を低減させ、柔軟性を改良するために、光ファイバケーブルの結合領域は、縦方向側部材と機械的に接触する支持部分140と、支持領域と投影領域との間に配置されたたわみ領域142とを含み、たわみ領域は、たわみ距離dによって縦方向側部材から分離される。ファイバ直径を縮小させることによって形成されるたわみ領域は、光ファイバケーブルと縦方向支持部材の内部表面との間の機械的接触を増加させる設計と比較して、追加の柔軟性を可能にする。
【0066】
図1Cは、本発明のある実施形態による、支持領域を含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
図1Cでは、光ファイバケーブルは、運動アクチュエータの投影領域においてのみならず、運動アクチュエータの支持領域においても、結合領域150をさらに含む。本実施形態では、光ファイバケーブルの側方寸法は、たわみ領域142において減少させられ、結合を低減させるが、支持領域および投影領域に隣接して増加させられ運動アクチュエータと光ファイバケーブルとの間の所望の機械的接触を提供する。結合領域150は、縦方向側部材と機械的に接触する第2の支持部分と称され得る。ある実施形態では、ファイバ直径は、運動アクチュエータの縦方向側部材の内径に合致する元の直径に戻るように増加させられることができる。
【0067】
図1Dは、本発明のある実施形態による、多要素成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
図1Dを参照すると、いくつかの実施形態では、複数のタイプの光学導波管が、利用され、ファイバ走査システムを組み立てる。
図1Eに関連して下で議論されるように、
図1Dに図示される第2の光ファイバケーブル162は、延伸ファイバプロセス以外の機構によって製作される光学導波管要素と置換されることができる。
【0068】
明確性の目的のために、
図1Dに関連する議論は、第2の光学導波管としての光ファイバケーブルの使用について議論するであろうが、本発明の実施形態は、この実装に限定されない。加えて、本発明の実施形態は、光ファイバケーブルの使用に関連して本明細書で議論されるが、他の光学導波管構造も、光ファイバケーブルの代わりに利用されることができる。光学導波管構造に加え、統合された光学要素等が、本明細書に説明される技法を使用して、光ファイバケーブルまたは他の光学構造および運動アクチュエータに継ぎ合わせられることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0069】
図1Dに図示されるように、第1の光ファイバケーブル161は、入力ファイバ161として利用されることができ、第2の光ファイバケーブル162は、運動アクチュエータに機械的に結合され、テーパ状光送達領域を含む送達ファイバとして利用されることができる。入力ファイバは、送達ファイバより小さい直径ファイバであることができる。2つの光ファイバケーブルは、継ぎ合わせジョイント160において継ぎ合わせられる。図示される実施形態では、継ぎ合わせジョイント160は、側方分離(例えば、たわみ距離)が継ぎ合わせジョイントと縦方向側部材との間に提供されるように、たわみ領域内に位置付けられる。
【0070】
図1Dを参照すると、ファイバ走査システムの一部であり得る光ファイバ要素は、運動アクチュエータと、第1の光ファイバケーブルと、第2の光ファイバケーブルとを含む。運動アクチュエータは、縦方向側部材と、縦方向側部材間に配置された内部オリフィスと、運動アクチュエータの一端に配置された第1の支持領域と、中心領域と、運動アクチュエータの対向する端に配置された第2の支持領域とを含む。
【0071】
第1の光ファイバケーブル161は、運動アクチュエータの内部オリフィスを通過し、縦方向側部材間に配置された第1の結合領域140と、中心領域内に配置された第1のファイバジョイント(継ぎ合わせジョイント160の左側)とを有する。第2の光ファイバケーブルは、内部オリフィスを通過し、中心領域内に配置され、第1のファイバジョイントに継ぎ合わせられる第2のファイバジョイント(継ぎ合わせジョイント160の右側)を有する。いくつかの実施形態では、第2の光ファイバケーブルは、縦方向側部材間に配置され、第2の支持領域と機械的に接触している第2の結合領域も有する。
【0072】
図1Dに図示される実施形態を参照すると、第2の光ファイバケーブル162は、運動アクチュエータの第2の支持領域から離れるように延びている光送達領域と、光放射先端とを含むことができる。光送達領域は、光放射先端に向かって次第に細くされることができる。いくつかの実施形態では、第1の結合領域140における第2の光ファイバケーブルの直径は、運動アクチュエータの内部オリフィスの内径と実質的に等しい。他の実施形態では、機械的固定具が、第1の光ファイバケーブルの第1の結合領域を第1の支持領域に対して保持するために使用されることができる。例として、Oリングが、細いファイバを縦方向側部材間に支持するために使用されることができる。
【0073】
図1Dに図示されないが、第1の光ファイバケーブルの第1の結合領域は、
図1Cにおける結合領域150によって図示されるように、運動アクチュエータの第1の支持領域と機械的に接触することができる。したがって、本明細書に提供される種々の図に図示される要素の組み合わせは、特定の用途に対する必要に応じて、組み合わせられることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0074】
第2の光ファイバケーブルを製作する方法は、マスキングおよびエッチングプロセスを含むことができる。例として、光ファイバケーブルは、ファイバの先端となるであろう部分上をエッチング耐性マスクでマスクされ得る。先端がマスクされた後、中心領域は、エッチング溶液、例えば、
図6Cに図示される3層エッチングシステム中に浸漬されることができる。ファイバの先端が、浸漬プロセス中、エッチング液を通過するとき、マスクは、先端がエッチングされることを防ぐであろう。中心領域が、エッチングされ、縮径たわみ領域を形成し、ファイバが、エッチングシステムから除去された後、先端上のエッチング耐性マスクは、除去されることができ、第2のエッチングプロセスが、ファイバの先端のための所望の形状(例えば、テーパ状形状)を形成するために使用されることができる。加えて、この第2のエッチングプロセス中、エッチング耐性マスクが、中心領域に適用され、第1のエッチングプロセス後に形成された形状を保存することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、順序は、修正され、例えば、逆転され、最初に、先端を次いで、中心領域をたわみ領域として形成することができる。これらのプロセスでは、ファイバがエッチング液に挿入され、および/または、それから引き出される率は、ファイバの形状を制御するために利用されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0076】
図1Eは、本発明の別の実施形態による、多要素成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。この実装では、運動アクチュエータは、取り付けカラーとも称され得る支持部170を使用して、機械的搭載部に取り付けられる。運動アクチュエータは、支持部170が取り付けられる基部(図示せず)に対して振動する。この代替実施形態では、2つの光ファイバケーブルを接合する継ぎ合わせジョイント160が、運動アクチュエータが結合される支持部170間に位置付けられる。
【0077】
図1Eに示されるように、保持要素172が、第1の支持領域108内に配置される。第1の光ファイバケーブルが、保持要素172と運動アクチュエータの内部オリフィスとの間を通過する。第1の光ファイバケーブルは、継ぎ合わせジョイント160によって、第2の光ファイバケーブルに接合され、継ぎ合わせジョイント160は、第1の光ファイバケーブルの第1のファイバジョイント(継ぎ合わせジョイントの左に対して)と、第2の光ファイバケーブルの第2のファイバジョイント(継ぎ合わせジョイントの右に対して)とによって画定される。継ぎ合わせジョイントは、それが保持要素内に配置されるように、縦方向に位置付けられる。保持要素内および支持部170間の継ぎ合わせジョイントの位置は、運動アクチュエータが支持部に対して移動するので、低減した柔軟性のエリアである継ぎ合わせジョイントにおける機械的応力を低減させる。
【0078】
いくつかの実施形態では、保持要素172は、可撓な接着剤、例えば、シリコーンボールを第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間の継ぎ合わせジョイント上に堆積させ、接着剤が支持部間に位置付けられ、接着剤がこの位置で硬化することを可能にするように、スライスされたファイバを堆積された可撓な接着剤とともに移動させることによって形成される。シリコーンが、例として使用されるが、本発明は、この実装に限定されず、好適な機械的堅さおよび所望の寿命時間を提供する他の保持要素も、利用されることができる。
【0079】
さらに、継ぎ合わせジョイントが、
図1Eでは、支持部間に図示されるが、それは、本発明によって要求されず、継ぎ合わせジョイントは、同様に低柔軟性領域として特徴付けられ得る支持部の左の他の位置に移動させられることができる。したがって、継ぎ合わせジョイントが設置される精度は、いくつかの実施形態では、緩和され、製造可能性を改良することができる。
【0080】
再び
図1Eを参照すると、ファイバ走査システムの光ファイバ要素が、提供される。光ファイバ要素は、運動アクチュエータと、第1の光学導波管と、第2の光学導波管とを含む。第1の光学導波管は、第1の光ファイバケーブルであることができ、第2の光学導波管は、第2の光ファイバケーブルであることができる。運動アクチュエータは、縦方向側部材と、縦方向側部材間に配置された内部オリフィスとを有する。運動アクチュエータは、運動アクチュエータの一端に配置された第1の支持領域108と、運動アクチュエータの対向する端に配置された第2の支持領域109とを有し、それによって、中心領域180を画定する。
【0081】
運動アクチュエータは、圧電アクチュエータを含むことができ、それは、第1の支持領域108、第1の篏合表面継ぎ合わせ部と、第2の篏合表面とを含む平面内に位置付けられていることができる。他の実施形態では、縦方向側部材は、上で議論されるように、収縮および拡張する圧電要素を含む。これらの実施形態では、継ぎ合わせジョイント160の平面内に位置付けられる圧電アクチュエータが、支持運動アクチュエータを支持する機械的支持部と置換されることができる。
【0082】
保持要素172は、縦方向側部材間の第1の支持領域108内に配置される。第1の光ファイバケーブルであり得る第1の光学導波管181が、保持要素および内部オリフィスを通過する。第1の光学導波管は、保持要素172内に配置される第1の篏合表面(継ぎ合わせジョイント160の左側)を有する。第2の光学導波管が、内部オリフィスを通過し、保持要素172内に配置され、第1の篏合表面に接合される第2の篏合表面(継ぎ合わせジョイント160の右側)を有する。第2の光ファイバケーブルであり得る第2の光学導波管は、縦方向側部材間に配置され、第2の支持領域109と機械的に接触している第2の結合領域140を有する。第2の光学導波管は、運動アクチュエータの第2の支持領域から離れるように延びている光送達領域と、光放射先端とをさらに含む。光送達領域は、
図1Eに図示されるように、次第に細くされることができる。
【0083】
図1Eに図示されるように、保持要素172は、継ぎ合わせジョイント160を第1の支持領域108に対して保持し、第1および第2の光学導波管の一部を支持するように動作可能である。故に、
図1Eに図示されるように、第2の結合領域140と縦方向側部材との間の機械的接触、ならびに、第1および第2の光学導波管と保持要素と運動アクチュエータの第1の支持領域108との間の機械的接触は、光学導波管の固定を提供する。同時に、たわみ領域は、第2の光学導波管が、光放射先端が図の平面内で振動するとき、側方に移動することを可能にする。
図1Eに示されるように、第2の光学導波管は、第2の篏合表面と第2の結合領域140との間に配置されたたわみ領域142を含み、縦方向側部材とたわみ領域との間の側方分離(すなわち、たわみ距離)を提供することができる。
【0084】
図1Eを参照すると、第1の光学導波管は、光ファイバケーブルとして製作されることができる。いくつかの実施形態では、第2の光学導波管は、第2の光ファイバケーブルとして製作されるが、それは、本発明の実施形態によって要求されない。代替実施形態では、第2の光学導波管は、ファイバ延伸プロセス以外のプロセスを使用して、例えば、微小電気機械的システム(MEMS)または微小光電気機械的システム(MOEMS)微小製作プロセスを使用して、製作されることができる。したがって、付加製造を使用して製作される成型部分および光学導波管は、本発明の範囲内に含まれる(例えば、カンチレバー構造、チャネル導波管等)。
【0085】
図1Dに関連して上で議論されるように、第2の光ファイバケーブルは、別のタイプの光学導波管構造と置換されることができる。故に、本発明の実施形態は、ファイバ延伸プロセスを使用して製作される光ファイバケーブルと、他の微小製作技法を使用して製作される光学導波管要素の組み合わせを利用することができる。光ファイバケーブルを利用するような本明細書に説明される実施形態は、1つ以上の光ファイバケーブルの代わりに、またはそれと組み合わせて、他の形態の光学導波管構造を利用するように修正されることができることに留意されたい。したがって、要素として光ファイバケーブルを使用するように図示される実施形態は、この特定の導波管設計に限定されず、他の光学導波管設計も、これらの実施形態において利用されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0086】
図2Aは、本発明のある実施形態による、凹角プロファイルを含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
図2Aに図示される実施形態では、光ファイバケーブルの光送達領域は、運動アクチュエータの投影領域を構成するアクチュエータ間の直径を修正するようにエッチングまたは別様に処理される。
図2Aに図示されるように、光送達領域は、送達導波管に隣接して(例えば、それを包囲して)凹角プロファイルを含む。ファイバが、運動作動に応答して、図の平面内で振動するとき、凹角プロファイル210に隣接する送達導波管205の部分は、送達導波管205の縁220が、縁が凹角プロファイルと接触すると、凹角プロファイル210の輪郭に実質的に合致するので、低減した歪みを経験するであろう。
【0087】
凹角プロファイル210を特徴とする滑らかに湾曲した表面は、寿命のために有益である低減した応力接触表面を提供する。
図2Aに図示される凹角プロファイルは、本明細書で議論される他の設計の中に統合されることができる。凹角プロファイルを製作する方法は、
図3A-3Cに関してさらに詳細に議論される。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0088】
テーパ状端部を伴うテーパ状ファイバが、
図2Aに図示されるが、それは、本発明によって要求されず、ファイバの端部は、他の光学構造を特徴とすることができる。例として、レンズ状要素が、利用され得る。
図2Bは、本発明のある実施形態による、光学要素をファイバの先端に含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。光学要素230は、ファイバの先端の中に統合される。光学要素は、レンズとして集束させること、ファイバ出力をコリメートすること等を含むいくつかの光学機能のうちの1つを提供することができる。いくつかの実施形態では、光学性質に加え、光学要素は、機械的機能のためにも役立ち、光学要素の質量が、カンチレバーファイバの振動運動を強調するために利用される。
【0089】
図3Aは、本発明のある実施形態による、光学導波管およびエッチング耐性ジャケットの一部を図示する簡略化された側面図である。
図3Aに図示されるように、光ファイバであり得る光学導波管320が、部分的に、エッチング耐性ジャケット310でコーティングされる。エッチング耐性ジャケットは、エッチング等に耐性がある材料を使用して形成されることができる。
【0090】
図3Bは、本発明のある実施形態による、
図3Aに図示されるエッチング耐性ジャケットの下でのエッチング液の吸い上げ(wicking)を図示する簡略化された側面図である。光学導波管320およびエッチング耐性ジャケット310が、エッチング溶液にさらされると、導波管の露出部分322は、導波管の直径Dの減少によって図示されるように、エッチングされるであろう。加えて、介在物が、ジャケット/導波管界面に形成されることができ、毛細管作用が、導波管(例えば、ファイバ)とジャケットとの間のエッチング液を引き出し、その結果、エッチング液の一部は、ジャケットの下で吸い上げ、
図3Bに図示される凹角プロファイル324をエッチングするであろう。
【0091】
図3Cは、エッチング耐性ジャケットの下でのエッチング液のさらなる吸い上げを図示する簡略化された側面図である。エッチングプロセスが継続するにつれて、露出部分における導波管の直径は、減少し続け、凹角プロファイルが、ジャケットの下のより深い深度に形成される。エッチングプロセスは、所望の凹角プロファイルが形成されるまで継続される。BOE等のいくつかのエッチング化学物質を使用して、直径低減約50μmに関連付けられた凹角プロファイルが、1時間未満、例えば、20分で遂行されることができる。
【0092】
図3Dは、本発明のある実施形態による、光学導波管のテーパ形成を図示する簡略化された側面図である。凹角プロファイルの形成後、
図3Dに図示されるテーパ状プロファイル340が、追加の材料除去プロセスを使用して製作されることができる。例として、元のエッチング耐性ジャケットは、除去され得、および/またはファイバは、再び追加のエッチング耐性ジャケットでコーティングされ得、二次エッチングプロセスが、所望のテーパ状プロファイルを形成するために使用され得る。
【0093】
図3Eは、本発明のある実施形態による、成形ファイバを製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。方法350は、光ファイバケーブルを提供すること(360)と、光ファイバケーブルの一部をエッチングジャケットで被覆し、光ファイバケーブルの露出領域と光ファイバケーブルの被覆領域とを画定すること(362)とを含む。方法は、光ファイバケーブルの露出領域およびエッチングジャケットをエッチング溶液にさらすこと(364)と、エッチング溶液にさらすことに応答して、光ファイバケーブルの露出領域の少なくとも一部を除去すること(366)とも含む。方法はさらに、エッチングジャケット下にエッチング溶液を吸い上げ、光ファイバケーブルの被覆領域の少なくとも一部を除去すること(368)を含む。ある実施形態では、エッチングジャケットの下でエッチング溶液を吸い上げることは、エッチング溶液の毛細管作用流動を含む。一実装では、エッチングジャケットの下の除去される光ファイバケーブルの被覆領域の部分は、凹角プロファイルによって特徴付けられる。
【0094】
図4は、本発明のある実施形態による、支持フランジを含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
図4に図示されるように、運動アクチュエータは、中空圧電管として実装されることができ、それを光ファイバケーブルが通過する。本実施形態では、光ファイバケーブルの初期直径(例えば、外側クラッディング直径)は、運動アクチュエータの内径より大きい。例として、500μm直径ファイバから開始し、平面403の左の部分は、運動アクチュエータの内径と実質的に等しい直径にエッチングされる。したがって、フランジ425が、フランジが運動アクチュエータの端部を被覆するように作成される。フランジの存在は、カンチレバーの基部領域がアクチュエータの正面表面まで延びているので、運動アクチュエータと光ファイバケーブルとの間の強固な機械的結合を提供する。
【0095】
再び
図4を参照すると、運動アクチュエータと、運動アクチュエータを通過する光ファイバケーブルとを含むファイバアクチュエータ機構が、提供される。運動アクチュエータ410は、縦方向側部材412および414と、縦方向側部材間に配置された内部オリフィス411と、運動アクチュエータの一端に配置される支持領域416と、支持領域に対向し、投影面419を有する投影領域418とを有する。
【0096】
光ファイバケーブル420は、内部オリフィス411を通過し、光ファイバケーブル420は、縦方向側部材間に配置され、投影領域と機械的に接触する結合領域を有する。光ファイバケーブルはまた、運動アクチュエータの投影領域から離れるように延びている光送達領域を有する。光送達領域は、投影領域の投影面に沿って延びているフランジ425を含む。図示される実施形態では、投影面は、実質的に平面であり、フランジも、実質的に平面であり、2つの表面間に緊密な合わさりを提供する。光ファイバケーブルは、光放射先端(
図4には図示されないが、
図1Aに図示される)をさらに含む。
【0097】
ある実施形態では、光ファイバケーブルの光送達領域は、
図4に図示されるように、投影領域の投影面から離れるように縦方向に延びているテーパ状領域を含む。テーパ状領域は、特定の用途に対する必要に応じて、線形にテーパ状または非線形にテーパ状であることができる。
図4に図示される実装では、テーパ状領域に関連付けられた傾きは、フランジからの距離に伴って減少し、最初に、急峻なテーパ形成角度から開始し、次いで、光放射先端までの距離が減少するにつれて、あまり急峻ではないテーパ状となる。他の実施形態では、傾きは、他の様式において変動させられる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0098】
運動アクチュエータがセラミック圧電材料を利用する実施形態では、運動アクチュエータは、それが振動するとき、比較的に剛である一方、ファイバは、より可撓になる。故に、振動範囲の端部において、ファイバは、ファイバが振動範囲の端部に到達しているので、圧力を圧電材料上に及ぼす。その結果、圧電アクチュエータの先端は、強い力を経験する。これらの力に対処するために、いくつかの実施形態は、圧電アクチュエータを部分的に包囲するファイバ構造を利用する。
【0099】
図5Aは、本発明のある実施形態による、運動アクチュエータ結合領域を含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
図5Aに図示される実装では、運動アクチュエータ(例えば、圧電アクチュエータ)の縦方向側部材の端部のためのポケットが、光ファイバケーブルが運動アクチュエータの一部を包囲する要素を含むように提供される。本実施形態は、動作中、光ファイバケーブルが平面内で振動するとき、運動アクチュエータ要素(例えば、縦方向側部材の端部)が亀裂を生じることを防止する。構造完全性も、縦方向側部材の表面と光ファイバケーブルの表面とが重複する表面積が増加するので、増加させられる。
【0100】
図5Aに図示される直接機械的結合は、縦方向側部材の端部を光ファイバケーブル内に形成されるポケット内に収める。光ファイバケーブルの対向する内側表面および外側表面によって加えられる圧力は、運動アクチュエータアームの亀裂を防止する。
【0101】
図5Aを参照すると、運動アクチュエータと、光ファイバケーブルとを含むファイバアクチュエータ機構が、提供される。運動アクチュエータは、縦方向側部材と、縦方向側部材間に配置された内部オリフィスと、運動アクチュエータの一端に配置される支持領域と、支持領域に対向する投影領域とを有する。投影領域は、内部オリフィスの投影内部表面520と、投影面522と、投影外部表面524とを有する。
【0102】
光ファイバケーブルは、内部オリフィスを通過し、光ファイバケーブルは、縦方向側部材間に配置され、投影領域と機械的に接触する結合領域と、運動アクチュエータの投影領域を包囲し、それから離れるように延びている光送達領域と、光放射先端とを有する。光送達領域は、投影内部表面520と平行な第1の領域521と、投影面522と平行な第2の領域523と、投影外部表面524と平行な第3の領域525とを含む。光放射先端(図示せず)も、光ファイバケーブルの要素である。
【0103】
図5Aに図示される実施形態では、ファイバの第1の領域521は、運動アクチュエータの投影内部表面520と機械的に接触し、第2の領域523は、投影面522と機械的に接触する。他の実施形態では、第3の領域525は、投影外部表面524と機械的に接触する。光送達領域は、ファイバおよび運動アクチュエータの追加の機械的支持を提供するための投影領域を包囲する第4の領域530をさらに含むことができる。
図5Aでは、接触表面は、下で説明されるように、断面において実質的に平面の、例えば、円筒形であるが、それは、本発明によって要求されない。
【0104】
図5Bは、本発明の別の実施形態による、運動アクチュエータ結合領域を含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
図5Bに図示される実施形態では、製作プロセスは、角張った表面ではなく、湾曲特徴を含む表面を形成する。加えて、運動アクチュエータの端部は、
図5Bに図示されるように、実質的に平坦であることができるが、他の実施形態では、端部は、特定の用途に対する必要に応じて、丸みを帯びているか、または他の形状によって特徴付けられることができる。
図5Bに図示される実施形態では、縦方向側部材の幅が、ポケットの幅より広い場合、ポケットを包囲するファイバの部分は、縦方向側部材がポケットの中に挿入されるにつれて曲がり、ポケットの内部表面と縦方向側部材の外部表面との間の緊密接触を提供するであろう。
【0105】
用途に応じて、ポケットと縦方向側部材との間の表面接触は、十分な機械的結合を確実にするために十分なレベルで提供される。例えば、接触表面のサイズ(例えば、長さおよび幅)は、いくつかの実施形態では、接着剤を使用せずに、機械的支持を提供するように選択される。他の実施形態では、エポキシを含む追加の接着材料が、機械的結合を向上させるために使用されることができ、湾曲特徴は、組み立て中、エポキシが移動する余地を提供する。例えば、注封材料(potting material)が、運動アクチュエータにおいて利用されることができるセラミック材料の拡張に対抗するために使用され、高フープ応力を提供することができる。
【0106】
図5Cは、本発明のさらに別の実施形態による、運動アクチュエータ結合領域を含む成形ファイバを図示する簡略化された側面図である。
図5Cに図示される実施形態では、断面において実質的に平面の内部表面を伴うポケットが、丸みを帯びた外側表面と併せて利用される。
【0107】
図5A-5Cに図示される構造を製作するために、レーザアブレーションおよび/または彫刻プロセスが、利用され、ポケットを形成することができ、その中に、運動アクチュエータ要素が挿入される。例えば、ファイバは、運動アクチュエータを通過するであろう部分を形成し、第4の領域530を含む大径区分を残すようにエッチングされることができる。そして、露出表面は、レーザアブレートされ、ポケットを形成することができる。別の好適な製作技法は、例えば、多段階マスクおよびエッチングプロセスにおいて、マスクし、所望の構造をエッチングすることである。エッチングとレーザアブレーションとの組み合わせも、陥凹またはポケットを形成するために使用されることができる。
【0108】
図6Bは、本発明のある実施形態による、エッチングシステムを図示する。
図6Bに図示される実施形態では、サファイアまたは他のエッチング耐性容器650が、部分的に、エッチング溶液652(例えば、HFベースの酸混合物)と、不活性溶液654(例えば、イソオクタン)とで充填される。エッチング溶液652は、本明細書に説明される光学要素のエッチングのために好適な種々の成分を含むことができ、フッ化アンモニウム等の表面活性剤を含む緩衝酸化物エッチング(BOE)溶液等を含む。不活性溶液654は、この実装では、エッチング溶液より低密度であり、エッチング液の蒸発を防止し、不活性溶液中に浸漬されたファイバの部分が、例えば、エッチング液の蒸発およびファイバの結果として生じる蒸発エッチングによって、エッチングされることを防ぐ。不活性層は、いくつかの実装では、浮遊層と称され得る。
【0109】
エッチングされるべきファイバ670の部分は、エッチング溶液の中に挿入され、例えば、不活性溶液を通過し、エッチング溶液に進入する。ファイバが、エッチング溶液から所定の率で引き出されるにつれて、所望のプロファイルが、ファイバのエッチング部分の中にエッチングされる。
図6Bでは、ファイバは、エッチング溶液の表面と垂直な垂直方向に挿入されるように図示される。いくつかの実施形態では、ファイバが挿入および/または引き出される角度は、制御され、例えば、時間の関数として変動させられ、達成されるエッチングプロファイルを制御する。
【0110】
図6Bは、カメラ656を図示し、それは、ファイバの一部がエッチング溶液652中に浸漬されているときのファイバ670を撮像するために使用され得る。
図6Bに図示される実施形態では、カメラ656は、不活性溶液654とエッチング溶液656との間の界面653と水平に位置付けられる。他の実施形態では、カメラは、界面の上方、界面の下方等に設置されることができる。そのようなオフセットビューでは、カメラは、エッチング液のメニスカス線の干渉画像、または異なる材料の界面(不活性またはエッチング液層等)において視認することによって捕捉され得る屈折誤差を伴わずに、ファイバを観察することができる。言い換えると、オフセット角度では、カメラは、より少ない数の中間媒体を通してファイバを視認し、より少ない屈折率の伝搬される捕捉光がカメラに到着するように補償する捕捉された画像に基づいて、エッチング率を計算し得る。加えて、オフセットは、追加の画像情報の収集を可能にする。
図6Bに描写される水平視認は、直径変化の関数として、エッチング率視認を可能にするが、オフセットビューは、単に、特定のビューに従った直径幅以外に、ファイバ外部に沿って生じるエッチングプロセスの均一度等のある円周エッチング特性も捕捉し得る。エッチング槽の攪拌に関連してさらに詳細に本明細書に説明されるいくつかの実施形態では、オフセットビューから決定されるような非均一エッチングは、非均一エッチングが観察される場合、撹拌機をトリガし、ファイバの位置を変化させ得る。加えて、単一カメラが、
図6Bに図示されるが、界面653に対して種々の向きで設置された複数のカメラが、本発明の実施形態によって利用されることができる。カメラ656を使用して、ユーザは、エッチングシステムへの挿入およびそこからの引き出し中、界面653およびファイバ670を視認することを可能にされる。例として、1つ以上のカメラを使用して、界面におけるファイバの直径が、決定され、エッチングプロセスを制御することにおいて利用されることができる。故に、本発明の実施形態は、1つ以上のカメラ、コンピュータビジョンシステム等を利用し、本明細書に説明されるように、所定の長さおよび直径を有する種々の区分を伴うファイバ要素を達成する。
【0111】
光ファイバケーブルは、エッチング耐性マスクでマスクされ、エッチング溶液の中に挿入されるにもかかわらず、エッチングされないであろうマスク領域を形成することができる。マスクは、マスク領域のエッチングを防止し、例えば、
図1Cに図示されるたわみ領域142を製作する。続いて、マスクは、除去され、光ファイバケーブルが、光ファイバケーブルの投影領域をエッチングするために、以前にエッチングされたたわみ領域とともに、エッチング溶液の上方に再挿入されることができる。
【0112】
図6Bに図示されるエッチングシステムは、
図1Dにおける第2の光ファイバケーブルによって図示されるような光学導波管構造を製作するために利用されることができる。ファイバ継ぎ合わせ部160に隣接する端部は、ファイバが引き出されるにつれて増加したエッチングを生産するように変動させられた率でのエッチング溶液への挿入およびそれからの引き出しによって、エッチングされることができる。続いて、光送達領域136および光放射先端138が、所望のテーパ状プロファイルを形成するためにエッチングされることができる。
【0113】
図6Aは、本発明のある実施形態による、成形ファイバを製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。
図6Aに図示される方法は、
図6Bに図示されるような2層エッチングシステムを利用するが、それは、本発明によって要求されず、エッチングシステムの他の構成も、本発明のある実施形態によると、利用されることができる。
【0114】
図6Aを参照すると、方法は、支持領域および放射領域を有する光ファイバケーブルを提供すること(610)と、エッチング溶液を提供すること(612)とを含む。方法は、放射領域の少なくとも一部をエッチング耐性マスクでコーティングすること(614)と、支持領域をエッチング溶液の中に挿入すること(616)と、支持領域の中心部分をエッチングすること(618)とも含む。ある実施形態では、ファイバの支持領域は、運動アクチュエータの内径と実質的に同一直径であり、支持領域の中心部分は、たわみ領域を形成するためにエッチングされる一方、運動アクチュエータと機械的に接触するであろう支持領域の部分におけるファイバ直径を保存する。
【0115】
方法は、放射領域上のコーティングを除去すること(620)と、放射領域をエッチング溶液の中に挿入すること(622)と、放射領域をエッチングすること(624)とをさらに含む。いくつかの実施形態では、支持領域は、放射領域がエッチングされる前、エッチング耐性コーティングで部分的または全体的にコーティングされる。放射領域のエッチングは、テーパ状プロファイル等を形成することができる。
【0116】
光ファイバケーブルが、
図6Aに関連して議論されるが、本明細書に説明される方法は、他の光学導波管構造の製作にも適用可能であり、本発明は、光ファイバケーブルから形成される成形ファイバの製作に限定されず、光ファイバ以外の開始材料から製作される成形光学導波管を含むことができる。
【0117】
図6Aに図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、成形ファイバを製作する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスも、代替実施形態に従って実施され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概略されたステップを異なる順序で実施し得る。さらに、
図6Aに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、追加のステップが、特定の用途に応じて、追加または除去され得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0118】
図6Dは、本発明のある実施形態による、エッチングされたファイバ導波管を製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。方法685は、エッチング溶液を含むエッチング液システムを提供すること(690)と、光ファイバケーブルの第1の端部をエッチング溶液の中に挿入すること(692)とを含む。エッチング溶液は、HF酸を含むことができる。方法は、光ファイバケーブルの第1の端部を第1の率で引き出すこと(694)も含む。第1の率は、時間の関数として変動し、例えば、時間の関数として減少し、エッチングプロセスの終了間近に処理された端部においてより厚いテーパ状構造を形成することができる。第1の率における減少(または増加)は、非線形または線形であることができる。
【0119】
方法は、第1の端部に対向する光ファイバケーブルの第2の端部をエッチング溶液の中に挿入すること(696)と、光ファイバケーブルの第2の端部を第2の率で引き出すこと(698)とをさらに含む。第2の率は、時間の関数として変動し、例えば、時間の関数として減少することができる。第2の率における減少(または増加)は、非線形または線形であることができる。
【0120】
図6Dに図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、エッチングされたファイバ導波管を製作する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスも、代替実施形態に従って実施され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概略されたステップを異なる順序で実施し得る。さらに、
図6Dに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、追加のステップが、特定の用途に応じて、追加または除去され得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0121】
図6Bに図示されるように、エッチング液システムは、例えば、エッチング溶液の上方に浮遊するエッチング溶液に隣接する不活性溶液を含むことができる。この場合、不活性溶液は、エッチング溶液より低密度であり、例えば、エッチング溶液としてのHFのための不活性溶液としてのイソオクタンである。いくつかの実装では、第1の端部と第2の端部との間に配置される光ファイバケーブルの中心部分は、
図6Dに図示されるプロセス中、エッチングされず、第1の端部および第2の端部は、異なる成形プロファイルを有することができる。
【0122】
いくつかの実施形態は、レンズをファイバの先端上に提供する。本明細書に説明されるファイバ成形プロセスは、例えば、ファイバの先端をマスクし、ファイバの他の領域のための所望の形状を形成することによって、そのようなレンズをファイバ先端上に形成するために利用されることができる。そして、すでに完了された他の領域は、マスクされることができ、先端上のマスクは、除去され、レンズが、先端上に形成されることができる。代替実施形態では、順序は、逆転され、最初に、レンズが先端上に形成され、そして、ファイバの側面が、続いて、成形または彫刻される。レンズは、六角形レンズまたは他の好適な光学形状として製作されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0123】
図1Eに示される構造を参照すると、光ファイバケーブルであり得る第1の光学導波管と、第2の光学導波管とを利用する利点は、第2の光学導波管が、
図6Bに図示される2レベルエッチングシステムを使用して製作されることができることである。第2の光学導波管のたわみ領域142は、エッチングシステム中でエッチングし、支持部分140の寸法を保存し、送達および放射区分となるであろう第2の光学導波管の部分をエッチングしないことによって、製作されることができる。続いて、第2の光学導波管の右側が、2レベルエッチングシステムを使用して、製作され、例えば、図示されるような次第に細くされることができる。当然ながら、順序は、逆転され得る。2つの端部の製作後、第2の光学導波管は、第1の光学導波管に継ぎ合わせられることができる。故に、この設計は、他の技法と比較して、製作プロセスを簡略化する。
【0124】
図6Cは、本発明のある実施形態による、エッチングシステムを図示する。
図6Cに図示される実施形態では、3層アプローチが、利用され、エッチング耐性容器650は、部分的に、エッチング溶液より高濃度であり、不活性層660を形成する第1の不活性材料と、エッチング溶液652と、エッチング溶液より低濃度であり、第2の不活性層662を形成する第2の不活性材料とで充填される。例として、HFベースのエッチング溶液を使用すると、Krytox
TM油等の油が、第1の不活性材料として使用されることができ、イソオクタンが、第2の不活性材料として使用されることができる。この3層エッチングシステムを使用すると、エッチング溶液の中に挿入されるファイバの部分のみが、エッチングされ、
図1Cに図示されるものに類似する構造が製作されることを可能にし、ファイバの中心部分(例えば、たわみ領域)が、エッチングされ、中心部分を包囲する端部と比較して、側方縮径部を光ファイバケーブル内に形成する。いくつかの実施形態では、エッチングされないファイバの部分、例えば、両端は、中心部分がエッチングされるとき、マスクして隠され、不活性層によって提供される保護を補完する。
【0125】
図6Cに図示される3層エッチングシステムを利用して、成形ファイバを製作する方法が、提供されることができる。方法は、支持領域および放射領域を有する光ファイバケーブルを提供することと、エッチング溶液を提供することとを含む。エッチング溶液は、第1の不活性層と、第1の不活性層に隣接するエッチング層と、エッチング層に隣接する第2の不活性層とを含む。方法は、放射領域の少なくとも一部をエッチング耐性マスクでコーティングすることと、支持領域をエッチング層の中に挿入することと、支持領域の中心部分をエッチングし、支持領域の区分間に配置され、支持領域の区分より細い直径によって特徴付けられるたわみ領域を形成することとを含む。方法は、放射領域の少なくとも一部上のコーティングを除去することと、放射領域をエッチング層の中に挿入することと、放射領域をエッチングし、テーパ状プロファイルを形成することとをさらに含む。
【0126】
第1の不活性層は、イソオクタンを含むことができ、エッチング層は、HF酸を含むことができる。第2の不活性層は、エッチング層内の材料より高濃度の不活性材料を含むことができる。
図1Cを参照すると、結合領域の右の光ファイバケーブルの部分は、たわみ領域のエッチング中、マスクされ、これらの領域のエッチングを防止することができる。同様に、たわみ領域がエッチングされた後、この領域は、必要に応じて、光ファイバケーブルの投影領域が、エッチングされ、所望のテーパ状プロファイルを形成する間、マスクされることができる。このプロセスに関する変形例も、本発明の範囲内に含まれ、追加の領域のマスク、エッチングを促進するためのマスクされた領域の一部の除去、処理の順序の逆転等を含む。
【0127】
光ファイバケーブルは、本明細書で議論される成形および/またはテーパ状構造を形成するためにエッチングされる導波管として図示されるが、本発明の実施形態は、光ファイバケーブルのエッチングに限定されないことに留意されたい。他の導波管構造も、本明細書に説明される技法を使用して、エッチングおよび成形されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0128】
本明細書に説明されるエッチングシステム、例えば、
図6Bに図示される2層エッチングシステムの使用中、光ファイバケーブルの親水性特性は、エッチング液と不活性層との間の界面に形成されるメニスカスをもたらす。ファイバが、エッチング液から引き出されるとき(例えば、先端が光送達領域よりエッチングされるテーパ状プロファイルを形成するための時間の関数としての増加率で)、エッチング溶液は、したがって、容器650の縁に存在するエッチング液の表面より上のレベルにおいてファイバに接着することができる。ファイバの近傍におけるエッチング溶液のこの吸い上げは、引力が表面張力を超える点に高さが到達するまで、ファイバが引き出されるとき、支持されるであろう。この時点で、エッチング溶液は、エッチングの表面によって画定されたレベルまで崩れ落ちるであろう。メニスカスがファイバに接着している時間の間に生じる追加のエッチングは、所望のファイバ形状のオーバーレイとして、ファイバのスカロッピングをもたらし得る。
【0129】
図6Eは、本発明の特定の実施形態による、エッチングシステムを図示する。
図6Eでは、代替2層エッチングシステムが、図示され、第1のエッチングの層604および第2のエッチングの層602は、不活性層603によって分離される。エッチング液および不活性層は、上で説明されるエッチング液および不活性層と類似性を共有することができる。
図6Eに図示されるエッチングシステムは、
図1Bに図示されるたわみ領域を含む成形ファイバに類似する構造を形成するために利用されることができる。この例では、成形ファイバは、最初に、ファイバを
図6Eに図示される槽の中に挿入し、それによって、ファイバの端部をエッチングする一方、中心に位置する支持部分140の元の寸法を保存することによって形成され得る。ファイバのたわみ領域の形成および放射端部の初期成形後、ファイバは、
図6Bに示されるようなエッチングシステム中に浸漬され、ファイバの放射端部をさらにテーパ状にすることができる。したがって、本明細書に説明されるエッチングシステムの組み合わせを使用して、コンポーネントは、光ファイバケーブルが、挿入および除去され、回転され、続いて、再挿入される方法の代替として、1つ以上の線形に段階化されたエッチングシステムの組(例えば、エッチング槽)の中への垂直挿入の使用によって製作されることができる。故に、本明細書に説明されるエッチングシステムの組み合わせは、所望の形状を伴うコンポーネントを製作するために利用されることができることを理解されたい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0130】
図7は、本発明のある実施形態による、テーパ状ファイバ放射先端を製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。
図7に図示される方法は、上で説明されるようなファイバの側面のスカロッピングを低減または防止する。テーパ状ファイバ放射先端を製作する方法700は、放射領域を有する光ファイバケーブルを提供すること(710)と、不活性層およびエッチング液を含むエッチング溶液を提供すること(712)とを含む。エッチング液は、エッチング層とも称され得る。方法はまた、放射領域を不活性層を通してエッチング液の中に挿入すること(714)と、放射領域の一部をエッチングすること(716)とを含む。
【0131】
ファイバの側面の望ましくないスカロッピングを防止するために、方法は、放射領域がエッチング液から引き出されるとき(720)、撹拌を放射領域とエッチング液との間に導入すること(718)を含む。撹拌の導入は、エッチングおよび不活性層を含むエッチングシステムの撹拌によって実装されることができる。他の実装では、撹拌を導入することは、エッチングシステムに対する光ファイバケーブルの撹拌によって遂行されることができる。これらの実装では、光ファイバケーブルは、側方に移動させられ、側方撹拌を導入することができる。側方撹拌は、ランダム、半ランダム等であることができる。そのようなランダム化は、望ましくない可能性がある定常波を防止することができる。撹拌および結果として生じる溶液表面形状は、所望のファイバ形状を提供するように制御されることができる。
【0132】
他の実施形態では、光ファイバケーブルの撹拌は、光ファイバケーブルの縦方向撹拌を導入することによって遂行されることができる。さらに、これらの方法に加え、光ファイバケーブルの撹拌は、光ファイバケーブルの回転によって遂行されることができる。種々の本明細書に説明される方法は、側方に、縦方向に、または組み合わせてのいずれかにおいて、組み合わせられ、例えば、エッチングシステムの攪拌および光ファイバケーブルの撹拌の両方を実施することができる。
【0133】
図7に図示される方法は、テーパ状ファイバ放射先端の製作に関連して議論されたが、本発明は、この特定の構造に限定されず、所定の縦方向範囲にわたって一定直径を有し得るたわみ領域を含む本明細書で議論されるファイバおよび光学導波管の他の部分にも適用可能である。この場合、スカロッピングの低減または防止は、所望の一定直径を保存するであろう。
図7に図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、テーパ状ファイバ放射先端を製作する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスも、代替実施形態に従って実施され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概略されたステップを異なる順序で実施し得る。さらに、
図7に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、追加のステップが、特定の用途に応じて、追加または除去され得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0134】
図8は、本発明の別の実施形態による、テーパ状ファイバ放射先端を製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。上で議論されるように、
図8は、テーパ状ファイバ放射先端の製作に関連して議論されるが、本発明は、この特定の構造に限定されず、たわみ領域および他の領域を含む本明細書で議論されるファイバおよび光学導波管の他の部分にも適用可能である。ファイバが、時間の関数として変動し得る所定の率で、エッチング液に浸漬され、そこから完全に引き出される方法の代替を提供する方法では、ファイバは、エッチング液中に第1の所定の深度まで浸漬され、完全に引き出され、次いで、第2の所定の深度まで再浸漬される。引き出しプロセスは、上で議論されるように、ファイバ上に形成されるメニスカスを破壊し得る。
【0135】
図8を参照すると、テーパ状ファイバ放射先端を製作する方法800は、放射領域を有する光ファイバケーブルを提供すること(810)と、不活性層およびエッチング層を含むエッチング溶液を提供すること(812)とを含む。したがって、方法では、
図6に図示されるエッチング液652は、エッチング層と称される。方法は、放射領域を不活性層を通してエッチング層内の第1の深度まで挿入すること(814)と、放射領域の一部をエッチングすること(816)とも含む。方法は、少なくとも部分的に、放射領域をエッチング層から引き出し(818)、エッチング液の表面張力を破壊することと、放射領域を不活性層を通して第1の深度未満のエッチング層内の次の深度まで再挿入すること(820)とをさらに含む。
【0136】
少なくとも部分的に、放射領域を引き出し、放射領域を再挿入するプロセスは、所定回数、繰り返され(822)、エッチング層からの放射領域の段階的かつ完全引き出しを効果的に遂行する(824)。ある実施形態では、次の深度は引き出しおよび再挿入プロセスの繰り返し中、徐々に減少させられる。
【0137】
図8に図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、テーパ状ファイバ放射先端を製作する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスも、代替実施形態に従って実施され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概略されたステップを異なる順序で実施し得る。さらに、
図8に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、追加のステップが、特定の用途に応じて、追加または除去され得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0138】
図9は、本発明のある実施形態による、エッチングプロセスを使用して、成形ファイバを製作する方法を図示する簡略化されたフローチャートである。
図10A-10Dは、
図9に関連して提供される方法による、ファイバの処理を図示する簡略化された側面図である。
【0139】
図9を参照すると、方法900は、放射領域および放射面を有する光ファイバケーブルを提供すること(910)と、放射領域をエッチング耐性マスクでコーティングすること(912)と、放射面に隣接する放射領域の一部を露出し、側壁マスクおよび放射面マスクを形成すること(914)とを含む。
図10Aを参照すると、光ファイバケーブルは、放射領域1010と、放射面1012とを有する。光ファイバケーブルの放射領域1010および放射面1012は、エッチング耐性マスク1014でコーティングされる。したがって、マスクは、ファイバの端部および側面の両方をコーティングするように図示される。
図10Bを参照すると、放射面に隣接する放射領域の一部の露出後、露出部分は、除去され、側壁マスク1020と、放射面マスク1022とを形成する。マスクによって被覆されないファイバの部分は、次いで、下で説明されるように、エッチングされることができる。
【0140】
側壁マスク1020と放射面マスク1022との間の空間分離は、
図10Bでは、Lとして図示され、エッチングされるプロファイルの形状を制御するために使用されることができる。小さい分離に対して、エッチング液は、マスクの下に効果的に吸い上げられる一方、より大きい分離に対して、ファイバの側面は、著しくエッチングされる。空間分離を選択することによって、ファイバ先端の湾曲の制御が、いくつかの実施形態によって提供される。
【0141】
方法は、エッチング溶液を提供すること(916)と、放射領域をエッチング溶液の中に挿入すること(918)と、放射領域の一部をエッチングし、連続的により深いエッチングプロファイルを形成すること(920)とも含む。
図10Cを参照すると、4つの後続エッチングプロファイル1030、1032、1034、および1036が、それぞれ、実線、破線、ドット、および実線によって図示される。エッチングプロセスが進むにつれて、エッチング液は、図示されるプロセスにおいて側壁マスクの下で吸い上げ、図示されるように、エッチングを延長するが、それは、本発明によって要求されない。方法は、エッチング終点を決定すること(922)と、放射領域をエッチング溶液から除去すること(924)とをさらに含む。
図10Dに図示されるように、いくつかの実施形態では、エッチング終点を決定することは、ファイバの放射面(現時点で点まで縮小されている)と、放射面マスク1022との間の分離を検出することを含む。例として、マシンビジョンシステムが、放射面マスクを監視し、終点検出機能性を提供し得る。
【0142】
図9に図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、エッチングステップを使用して成形ファイバを製作する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスも、代替実施形態に従って実施され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概略されたステップを異なる順序で実施し得る。さらに、
図9に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、追加のステップが、特定の用途に応じて、追加または除去され得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0143】
種々の実施形態では、マスク寸法および材料は、エッチングプロファイルの変動が、多くの終点形状を作成することを可能にする。例として、エッチング化学性質に応じて、エッチング液は、放射面と放射面マスクとの間で吸い上げ、凸面レンズをファイバの端部上に形成することができる。さらに、
図10A-10Dに図示される例は、回転対称であるが、本発明は、この例に限定されず、他のマスク形状、例えば、両側上の開口が、円筒形レンズ要素の作成を可能にするために使用されることができる。さらに、種々のサイズ、向き等の個別的な開口が、恣意的形状のプロファイルを形成し得るエッチング液流入のためのポートを提供するために利用されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0144】
図10A-10Dに関連して図示されるプロセスに加え、マルチステッププロセスも、本発明の範囲内に含まれる。例として、第1の組の1つ以上のエッチング耐性マスクが、適用され得、第1のエッチングプロセスが、実施され得、後続のマスクが、適用され、後続のエッチングプロセスが続き得る。故に、各々が異なるエッチングプロファイルを作成するために使用される複数のエッチングプロセスが、組み合わせられ、所望の形状のプロファイルを製作することができる。したがって、連続マスキングおよびエッチングプロセスの種々の組み合わせも、本発明の範囲内に含まれる。別の例として、第1のマスキング設計が、第1の成形プロファイルをファイバの端部に生産するために利用され得る。第2の異なる放射面マスクが、次いで、異なる向きに適用され、代替形状をファイバの端部にエッチングし得る。フォトリソグラフィプロセスを使用して、高レベルの制御が、マスクに適用され、エッチングプロファイルのための高レベルの制御を可能にすることができる。例として、放射面マスク1022は、放射面より大きい直径を有し、それによって、全面を被覆するが、それは、要求されず、一部が全面を被覆し、その他が面の一部のみを被覆する異なる放射面マスクも、単一ステップまたはマルチステップエッチングプロセスにおいて利用されることができる。さらに、マスクの厚さ同様に、その被覆面積も、本発明の実施形態によると、制御可能である。
【0145】
いくつかの実施形態では、ファイバの端部をマスクするのではなく、側面が、ジャケットでマスクされ、端部が、露出され、ジャケット下でのエッチング液の吸い上げを可能にし、成形先端をファイバ上に形成することができる。成形先端は、円錐形構造、六角形レンズ等として形成されることができる。
【0146】
図10Eは、本発明のある実施形態による、保護カバーを伴うファイバを図示する簡略化された斜視図である。当業者に明白であろうように、光ファイバの導波性質は、ファイバのコアおよびクラッディングのために利用される異なる材料に関連付けられた異なる屈折率から生じる。例として、溶融シリカのクラッディングと、ドープされた溶融シリカコアとを伴い、それによって、異なる屈折率を提供するファイバに対して、コア/クラッディング界面は、エッチング液(例えば、HFベースのエッチング液)による侵入を受けやすく、エッチング液は、界面に沿って、またはコアの中に吸い上げ、コアを優先的にエッチングし得る。加えて、コアおよびクラッディングのためのエッチング率は、異なり得、したがって、コアは、クラッディングより急速にエッチングされ得る。
【0147】
故に、本発明の実施形態は、コアを保護カバーで保護し、このコアエッチングを防止する。保護カバーは、端部全体または端部の一部のみを被覆することができる。
図10Eを参照すると、ファイバ1050は、コア1052を含む。保護カバー1054が、ファイバの端部上に形成され、エッチング処理中、コアを優先的エッチングから保護する。
【0148】
図11A-11Cは、本発明のある実施形態による、成形ファイバ先端を製作する方法を図示する簡略化された側面図である。
図11A-11Cに関連して説明されるように、
図6Bに関連して上で議論されるエッチング液と不活性層との間の界面の特性を形成するメニスカスは、レンズをファイバの先端上に形成するために利用されることができる。
図11A-11Cを参照すると、レンズを光ファイバ先端上に製作する方法が、提供される。方法は、放射領域1110と、放射面1112とを有する光ファイバケーブル1100を提供することを含む。表面1122を有するエッチング溶液1120が、提供され、放射面が、
図11Aに図示されるように、エッチング溶液の表面1122と接触するように位置付けられる。
図11Aに図示される実施形態では、放射面は、表面1122の下方に延びず、ファイバの親水性特性は、ファイバの側面の上方へのエッチング液の吸い上げをもたらすが、他の実施形態では、ファイバは、放射面が表面の下方に延びているように位置付けられる。
【0149】
ファイバの側面の上方へのエッチング溶液の吸い上げに起因して、メニスカス1130が、放射領域1110を包囲するエッチング溶液によって形成される。メニスカス1130は、放射面からより離れた位置における幅(w2)より大きい放射面1112に隣接する幅(w1)によって特徴付けられる。メニスカスは、初期高さ(H)によって特徴付けられることもできる。
【0150】
メニスカス中のエッチング溶液の存在は、
図11Bに図示されるように、放射領域をエッチングし、初期エッチングプロファイル1140を形成することをもたらすであろう。放射面に隣接して存在するより大量のエッチング液は、放射面に隣接してより速いエッチング率、メニスカスの上部により遅いエッチング率をもたらすであろう。故に、エッチングプロセスは、ファイバ/エッチング液界面に隣接してより多くの材料を除去し、凸面特徴が形成される
図11Bに図示される初期エッチングプロファイル1140をもたらすであろう。
【0151】
初期エッチングプロファイルの形成により、表面張力変化は、初期高さ(H
1)未満の値(H
2)まで高さが減少した後続メニスカスを生成する。メニスカス高さが、減少するにつれて、エッチングプロセスは、
図11Cに図示されるように、後続エッチングプロファイル1150を継続して形成するであろう。エッチング液が、より少ない程度でファイバの側面の上方に吸い上げられ、それによって、メニスカス高さの関数として、エッチング率を変動させるにつれて、エッチングプロセスは、湾曲レンズをファイバ先端上に形成するであろう。いくつかの実装では、
図11A-11Cに図示されるプロセスは、放射面がもはやエッチング液の表面と接触しなくなるまで、メニスカスが高さを減少させるので、自己限定プロセスとなるであろう。その結果、
図11A-11Cに関連して説明される方法およびシステムは、エッチングが自己限定様式において進むにつれて、メニスカスの高さが変化するので、再現性を提供する。
【0152】
レンズ状ファイバ先端の形成に加え、
図11A-11Cに関連して図示される方法はまた、本明細書で議論される他のエッチングプロセスにも適用され、エッチング液に隣接するファイバ位置の制御によって、所望のプロファイルを形成することができる。さらに、本発明の実施形態は、第1のファイバ成形プロセスが、レンズをファイバ先端上に形成するために利用され、エッチング耐性マスクが、製作される先端を保護するために使用され、1つ以上の後続ファイバ成形プロセスが、成形ファイバの他の領域、例えば、テーパ状送達領域、たわみ領域等を形成するために利用される方法およびシステムを含む。当業者に明白であろうように、順序は、逆転され得る。先端を最初に処理する利点は、初期処理の間のファイバの均一性およびサイズであろう。先端を最後に処理する利点は、処理されるまで、先端を保護する能力であり、それは、より繊細な処理ステップを伴い得る。特定の用途に応じて、これらの利点のうちの1つ以上のものが、利用可能であり得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0153】
図12は、本発明のある実施形態による、導波管製作システム1200を図示する簡略化された概略図である。
図12に図示されるように、エッチングシステム1210が、ロボット1212と、清掃システム1214と、マスク形成システム1216と、マスク除去システム1218と連動し得るように提供される。システム制御は、コンピュータ1220によって提供され、それは、1つ以上のプロセッサと、メモリと、他の図示されるシステムと通信するように動作可能である入力/出力インターフェースとを含むことができる。エッチングシステム1210は、エッチングされるべき特定の材料に対する必要に応じて、異なるエッチング溶液を利用するマルチタンクシステムであることができる。例えば、第1のタンクは、HFベースのエッチング液を含み、ガラスをエッチングし得、第2のタンクは、H
2SO
4ベースのエッチングを含み、マスク除去システム1218と併せて、またはその代わりに、マスク材料をエッチングし得る。チャンバの形態におけるシールされたタンクも、使用されることができる。清掃システム1214は、いくつかの実施形態では、マスク除去システム1218と統合されることができ、追加の処理のために、または処理後、光学要素を清掃し、それらを準備するために使用されることができる。当業者に明白であろうように、
図12に図示される種々のシステムは、
図12に図示されるシステムのうちの1つ以上のものを含む複合システム要素の中に組み合わせられることができる。
【0154】
入力/出力スタック1222に提供される光ファイバケーブルまたは他の好適な導波管構造は、ロボット1212によってピックアップされ、マスク形成システム1216を使用して、部分的にマスクされることができ、次いで、導波管構造の一部は、エッチングシステム1210を使用してエッチングされることができる。テーパ状プロファイルが、本明細書に議論されるように製作されることができる。エッチングプロセス後、清掃システム1214および/またはマスク除去システム1218(例えば、硫酸槽を使用する)が、さらなる処理のために、マスクを除去し、導波管構造を準備するために利用されることができる。
【0155】
コンピュータ1220の制御下で、ロボットを使用して、導波管構造を種々のシステム間で平行移動させることによって、導波管構造の異なる部分または同一部分が、所望の構造が製作されるまで、プロセスを繰り返すことによって、マスクおよびエッチングされることができる。製作プロセスの完了時、完了された構造は、運動作動システムの要素としてのパッケージングを含む将来的使用のために、入力/出力スタック1222の出力区分に移動させられることができる。
【0156】
本明細書に説明される例および実施形態が例証的目的のためだけのものであり、それに照らして、種々の修正または変更が、当業者に示唆され、本願の精神および権限ならびに添付の請求項の範囲内に含まれるべきであることも理解されたい。