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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0204 20230101AFI20241105BHJP
【FI】
G06Q30/0204
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023125969
(22)【出願日】2023-08-02
(62)【分割の表示】P 2022211456の分割
【原出願日】2022-12-28
(65)【公開番号】P2024095504
(43)【公開日】2024-07-10
【審査請求日】2023-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】高山 伸也
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-014676(JP,A)
【文献】特開2009-087091(JP,A)
【文献】特開2021-057048(JP,A)
【文献】国際公開第2020/008938(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のプロセッサが実行する、
現実空間上の属性である特定の現実属性が付与されているユーザ及び前記現実空間上の活動である特定の現実活動を行ったユーザの少なくとも一方を含む複数のユーザの人数に対する、前記複数のユーザの少なくとも一部に対応する複数のアバタであって、仮想空間上の活動である特定の仮想活動を行った複数のアバタの人数の統計量を示す関連性情報を生成するステップと、
前記関連性情報において、前記情報処理装置とは異なる装置から取得した情報が示す前記現実空間上で特定の対象ユーザに付与されている属性である特定の対象属性に対応する前記現実属性と、前記情報処理装置とは異なる装置から取得した情報が示す前記現実空間上で前記対象ユーザが行う活動である特定の対象活動に対応する前記現実活動と、の少なくとも一方に対する前記統計量が閾値以上である前記仮想活動を示す活動情報を出力するステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項2】
情報処理装置のプロセッサが実行する、
仮想空間上の属性である特定の仮想属性が付与されているアバタ及び前記仮想空間上の活動である特定の仮想活動を行ったアバタの少なくとも一方を含む複数のアバタの人数に対する、前記複数のアバタの少なくとも一部に対応する複数のユーザであって、現実空間上の活動である特定の現実活動を行った複数のユーザの人数の統計量を示す関連性情報を生成するステップと、
前記関連性情報において、前記情報処理装置とは異なる装置から取得した情報が示す前記仮想空間上で特定の対象ユーザに対応するアバタに付与されている属性である特定の対象属性に対応する前記仮想属性と、前記情報処理装置とは異なる装置から取得した情報が示す前記仮想空間上で前記対象ユーザに対応するアバタが行う活動である特定の対象活動に対応する前記仮想活動と、の少なくとも一方に対する前記統計量が閾値以上である前記現実活動を示す活動情報を出力するステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項3】
前記出力するステップは、前記活動情報を、前記対象ユーザが利用する情報端末に出力する、
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記出力するステップは、前記活動情報を、前記情報端末に表示された前記仮想空間上で前記対象ユーザに対応するアバタに関連付けて表示する、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
記憶部において前記対象ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けられた前記対象属性及び前記対象活動の少なくとも一方を特定するステップをさらに有し、
前記出力するステップは、前記仮想空間上で前記ユーザ識別情報に関連付けられたアバタに関連付けて前記活動情報を表示する、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記属性は、前記ユーザ又は前記ユーザに対応するアバタの性別及び年齢の少なくとも一方を含む、
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記現実空間上の時刻と前記仮想空間上の時刻とは同期しており、
前記関連性情報は、前記現実空間上の所定の時間帯での前記現実活動を行った前記複数のユーザの人数に対する、前記仮想空間上の前記時間帯での前記仮想活動を行った前記複数のアバタの人数の前記統計量を示す、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記現実空間上の時刻と前記仮想空間上の時刻とは同期しており、
前記関連性情報は、前記仮想空間上の所定の時間帯での前記仮想活動を行った前記複数のアバタの人数に対する、前記現実空間上の前記時間帯での前記現実活動を行った前記複数のユーザの人数の前記統計量を示す、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記出力するステップは、前記関連性情報において前記現実属性及び前記現実活動の少なくとも一方に対する前記統計量が閾値以上である前記仮想活動であって、前記対象ユーザが過去の所定期間内に行っていない前記仮想活動を示す前記活動情報を、前記対象ユーザに対して出力する、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記活動は、前記ユーザ又は前記ユーザに対応するアバタのイベントへの参加及び商品の購入の少なくとも一方を含む、
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記関連性情報は、特定の前記現実属性を有し又は特定の前記現実活動を行ったユーザに対応するアバタが、特定の前記仮想活動を行った割合を示す情報である、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記関連性情報は、特定の前記仮想属性を有し又は特定の前記仮想活動を行ったアバタに対応するユーザが、特定の前記現実活動を行った割合を示す情報である、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記対象ユーザに対応するアバタと、前記対象ユーザとは異なる他ユーザに対応するアバタと、の前記仮想空間上の交流を示す交流情報であって、前記対象ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けられた交流情報が示す前記対象ユーザに対応するアバタによる前記他ユーザに対応するアバタに関する活動を、前記対象活動として特定するステップをさらに有する、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記関連性情報は、特定の前記仮想属性が付与されている前記複数のアバタであって、前記現実空間上の属性である特定の現実属性が付与されているユーザに対応する前記複数のアバタの人数に対する、前記現実活動を行った前記複数のユーザの人数の前記統計量を示しており、
前記仮想空間上で前記対象ユーザに対応するアバタに付与されている属性と、前記現実空間上で前記対象ユーザに付与されている属性と、を前記対象属性として特定するステップをさらに有し、
前記出力するステップは、前記関連性情報において、前記対象属性に対応する前記仮想属性及び前記現実属性に対する前記統計量が閾値以上である前記現実活動を示す前記活動情報を、前記対象ユーザに対して出力する、
請求項に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間に関する情報を処理するための情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、仮想空間において、アバタの属性及び行動を関連付けて解析することにより、アバタに対する広告等のマーケティングを行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-216073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮想空間上のアバタの人物像は、現実空間上のユーザの人物像と必ずしも一致しない。特許文献1に記載された技術では、仮想空間上のアバタの属性及び行動の関連性に基づいてマーケティングを行うため、アバタを操作する現実空間上のユーザに対して当該マーケティングの効果が低い場合があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、仮想空間上のアバタを操作する現実空間上のユーザに対して、現実空間及び仮想空間の双方における情報を考慮したマーケティングを行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、現実空間上の属性である現実属性が付与されているユーザ及び前記現実空間上の活動である現実活動を行ったユーザの少なくとも一方を含む複数のユーザの人数に対する、前記複数のユーザの少なくとも一部に対応する複数のアバタであって、仮想空間上の活動である仮想活動を行った複数のアバタの人数の統計量を示す関連性情報を生成するステップを有する。
【0007】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、仮想空間上の属性である仮想属性が付与されているアバタ及び前記仮想空間上の活動である仮想活動を行ったアバタの少なくとも一方を含む複数のアバタの人数に対する、前記複数のアバタの少なくとも一部に対応する複数のユーザであって、現実空間上の活動である現実活動を行った複数のユーザの人数の統計量を示す関連性情報を生成するステップを有する。
【0008】
前記情報処理方法は、前記関連性情報において、前記現実空間上で対象ユーザに付与されている属性である対象属性に対応する前記現実属性及び前記現実空間上で前記対象ユーザが行う活動である対象活動に対応する前記現実活動の少なくとも一方に対する前記統計量が閾値以上である前記仮想活動を示す活動情報を、前記対象ユーザに対して出力するステップをさらに有してもよい。
【0009】
前記情報処理方法は、前記関連性情報において、前記仮想空間上で対象ユーザに対応するアバタに付与されている属性である対象属性に対応する前記仮想属性及び前記仮想空間上で前記対象ユーザに対応するアバタが行う活動である対象活動に対応する前記仮想活動の少なくとも一方に対する前記統計量が閾値以上である前記現実活動を示す活動情報を、前記対象ユーザに対して出力するステップをさらに有してもよい。
【0010】
前記出力するステップは、前記活動情報を、前記仮想空間上で前記対象ユーザに対するアバタに提示してもよい。
【0011】
前記情報処理方法は、前記対象ユーザを識別するためのユーザ識別情報を用いて前記対象属性及び前記対象活動の少なくとも一方を特定するステップをさらに有し、前記出力するステップは、前記仮想空間上で前記ユーザ識別情報に関連付けられたアバタに前記活動情報を提示してもよい。
【0012】
前記出力するステップは、前記活動情報を、前記現実空間上で前記対象ユーザに対して提示してもよい。
【0013】
前記属性は、前記ユーザ又は前記ユーザに対応するアバタの性別及び年齢の少なくとも一方を含んでもよい。
【0014】
前記現実空間上の時刻と前記仮想空間上の時刻とは同期しており、前記関連性情報は、前記現実空間上の所定の時間帯での前記現実活動を行った前記複数のユーザの人数に対する、前記仮想空間上の前記時間帯での前記仮想活動を行った前記複数のアバタの人数の前記統計量を示してもよい。
【0015】
前記現実空間上の時刻と前記仮想空間上の時刻とは同期しており、前記関連性情報は、前記仮想空間上の所定の時間帯での前記仮想活動を行った前記複数のアバタの人数に対する、前記現実空間上の前記時間帯での前記現実活動を行った前記複数のユーザの人数の前記統計量を示してもよい。
【0016】
前記出力するステップは、前記関連性情報において前記現実属性及び前記現実活動の少なくとも一方に対する前記統計量が閾値以上である前記仮想活動であって、前記対象ユーザが過去の所定期間内に行っていない前記仮想活動を示す前記活動情報を、前記対象ユーザに対して出力してもよい。
【0017】
前記活動は、前記ユーザ又は前記ユーザに対応するアバタのイベントへの参加及び商品の購入の少なくとも一方を含んでもよい。
【0018】
前記関連性情報は、特定の前記現実属性を有し又は特定の前記現実活動を行ったユーザに対応するアバタが、特定の前記仮想活動を行った割合を示す情報であってもよい。
【0019】
前記関連性情報は、特定の前記仮想属性を有し又は特定の前記仮想活動を行ったアバタに対応するユーザが、特定の前記現実活動を行った割合を示す情報であってもよい。
【0020】
前記情報処理方法は、前記対象ユーザに対応するアバタと、前記対象ユーザとは異なるユーザに対応するアバタと、の前記仮想空間上の交流を示す交流情報に基づいて、前記対象活動を特定するステップをさらに有してもよい。
【0021】
前記関連性情報は、前記仮想属性が付与されている前記複数のアバタであって、前記現実空間上の属性である現実属性が付与されているユーザに対応する前記複数のアバタの人数に対する、前記現実活動を行った前記複数のユーザの人数の前記統計量を示しており、前記情報処理方法は、前記仮想空間上で前記対象ユーザに対応するアバタに付与されている属性と、前記現実空間上で対象ユーザに付与されている属性と、を前記対象属性として特定するステップをさらに有し、前記出力するステップは、前記関連性情報において、前記対象属性に対応する前記仮想属性及び前記現実属性に対する前記統計量が閾値以上である前記現実活動を示す前記活動情報を、前記対象ユーザに対して出力してもよい。
【0022】
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、仮想空間上のアバタを操作する現実空間上のユーザに対して、現実空間及び仮想空間の双方における情報を考慮したマーケティングを行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図3】例示的な関連性情報の模式図である。
図4】例示的な対象属性及び対象活動の模式図である。
図5】仮想空間上で活動情報を提示する方法を説明するための模式図である。
図6】現実空間上で活動情報を提示する方法を説明するための模式図である。
図7】実施形態に係る情報処理装置が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数の情報端末2と、を含む。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0026】
情報処理装置1は、情報端末2に表示される仮想空間に関する情報を管理するコンピュータである。仮想空間は、コンピュータ上に形成された仮想的な空間(例えば、メタバース)である。仮想空間は、情報端末2において面積又は体積を有する領域として表示される。一方、ユーザが生活する実際の空間(例えば、地球上の空間)を現実空間という。
【0027】
情報処理装置1は、仮想空間上に、複数のユーザそれぞれが操作するアバタを表示させる。アバタは、例えば、ユーザが予め登録した2次元又は3次元の画像である。アバタは、例えば、ユーザによる操作に応じて、仮想空間上を移動し、文字、音声又は動作のうち少なくとも1つを用いて他のアバタと交流(コミュニケーション)をする。
【0028】
情報端末2は、複数のユーザそれぞれが利用するコンピュータである。ユーザは、情報端末2を用いて仮想空間上のアバタを操作する人間である。情報端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。情報端末2は、操作を受け付けるためのタッチパネルやキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、を有する。情報端末2は、ネットワークを介して情報処理装置1と通信可能である。
【0029】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、現実空間上のユーザに関する情報と仮想空間上のアバタに関する情報との関連性を示す関連性情報の関連性を示す関連性情報を取得する。関連性情報は、例えば、現実空間上でユーザに付与されている属性である現実属性又はユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上でアバタに付与されている属性である仮想属性又はアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す情報である。属性は、例えば、性別や年齢等を含む。活動は、例えば、イベントへの参加や商品の購入等を含む。
【0030】
関連性情報は、例えば、特定の現実属性を有し又は特定の現実活動を行うユーザに対応するアバタが、特定の仮想活動を行う割合を示す情報である。また、関連性情報は、例えば、特定の仮想属性を有し又は特定の仮想活動を行うアバタに対応するユーザが、特定の現実活動を行う割合を示す情報であってもよい。
【0031】
情報処理装置1は、仮想空間上のアバタを操作する複数のユーザのうちいずれかのユーザである対象ユーザについて、以降の処理を行う。情報処理装置1は、対象ユーザに対して仮想活動を提案する場合に、現実属性である対象属性又は現実活動である対象活動の少なくとも一方を特定する。情報処理装置1は、取得した関連性情報において、対象属性に対応する現実属性又は対象活動に対応する現実活動の少なくとも一方と所定の関連性(例えば、割合が50%以上であること)がある仮想活動を決定する。
【0032】
情報処理装置1は、対象ユーザに対して現実活動を提案する場合に、仮想属性である対象属性又は仮想活動である対象活動の少なくとも一方を特定する。情報処理装置1は、取得した関連性情報において、対象属性に対応する仮想属性又は対象活動に対応する仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性(例えば、割合が50%以上であること)がある現実活動を決定する。
【0033】
情報処理装置1は、決定した仮想活動又は現実活動を示す活動情報を、対象ユーザに対して出力する。情報処理装置1は、例えば、対象ユーザが利用する情報端末2上に、活動情報を表示させる。
【0034】
このように、情報処理システムSは、現実空間上の属性又は活動と仮想空間上の属性又は活動との関連性に基づいて、ユーザの現実空間上の属性又は活動に応じて仮想空間上の活動を提案し、又はユーザが操作するアバタの仮想空間上の属性又は活動に応じて現実空間上の活動を提案する。これにより、情報処理システムSは、仮想空間上のアバタを操作する現実空間上のユーザに対して、現実空間及び仮想空間の双方における情報を考慮したマーケティングを行うことができる。
【0035】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0036】
情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0037】
通信部11は、ネットワークを介して情報端末2との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、情報端末2からネットワークを介して受信したデータを制御部13に通知する。また、通信部11は、ネットワークを介して、制御部13から出力されたデータを情報端末2に送信する。
【0038】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部12は、現実空間上のユーザに関する情報と仮想空間上のアバタに関する情報との関連性を示す関連性情報を予め記憶している。記憶部12は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0039】
制御部13は、取得部131と、特定部132と、決定部133と、出力部134と、を有する。制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、特定部132、決定部133及び出力部134として機能する。
【0040】
以下、情報処理システムSが実行する処理について詳細に説明する。以下、仮想空間上でアバタを操作する複数のユーザのうちいずれかのユーザを対象ユーザという。情報処理システムSは、複数のユーザそれぞれを対象ユーザとして以降の処理を行う。
【0041】
取得部131は、記憶部12に予め記憶されている、現実空間上のユーザに関する情報と仮想空間上のアバタに関する情報との関連性を示す関連性情報を取得する。関連性情報は、例えば、現実空間上のユーザの属性である現実属性又はユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上のアバタの属性である仮想属性又はアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す情報である。
【0042】
現実空間上の属性は、例えば、現実空間における、ユーザの性別、年齢、居住地等を含む。現実空間上の活動は、例えば、現実空間における、イベントへの参加、商品の購入等を含む。仮想空間上の属性は、例えば、仮想空間における、アバタの性別、年齢層(若者、中年又は老人)等を含む。仮想空間上の活動は、例えば、仮想空間における、イベントへの参加、商品の購入、他のアバタとの交流等を含む。
【0043】
取得部131は、後述の決定部133が現実属性又は現実活動の少なくとも一方に基づいて仮想活動を決定する場合と、決定部133が仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に基づいて現実活動を決定する場合と、で異なる関連性情報を取得する。決定部133は、仮想活動及び現実活動の両方を決定してもよく、仮想活動又は現実活動のうち対象ユーザ又は仮想空間の管理者等によって選択されたどちらか一方を決定してもよい。
【0044】
図3(a)は、決定部133が現実属性又は現実活動の少なくとも一方に基づいて仮想活動を決定する場合の例示的な関連性情報の模式図である。関連性情報は、現実属性又は現実活動の少なくとも一方と、仮想活動と、の関連性を示す情報である。
【0045】
関連性情報は、例えば、複数のユーザの現実属性又は現実活動の少なくとも一方と、当該複数のユーザに対応する複数のアバタの仮想活動と、の関係を示す統計量を含む。関連性情報として用いられる統計量は、例えば、特定の現実属性を有し又は特定の現実活動を行った複数のユーザに対応する複数のアバタが、特定の仮想活動を行った割合である。関連性情報は、例えば、過去の所定期間(例えば、過去1年間)における、特定の現実属性を有し又は特定の現実活動を行った複数のユーザの人数に対する、当該複数のユーザに対応する複数のアバタのうち特定の仮想活動を行った人数の割合(例えば、比率)を算出することにより、生成される。
【0046】
図3(a)の例では、関連性情報は、現実空間上で商品βを購入した男性のユーザの60%がアバタを操作して仮想空間上のイベントγに参加し、現実空間上で商品βを購入した女性のユーザの15%がアバタを操作して仮想空間上のイベントγに参加したことを表している。
【0047】
また、関連性情報は、現実属性と、仮想属性及び仮想活動と、の関連性を示してもよい。この場合に、関連性情報として用いられる統計量は、例えば、特定の現実属性を有する複数のユーザに対応する複数のアバタであって、特定の仮想属性を有する複数のアバタが、特定の仮想活動を行った割合である。
【0048】
図3(b)は、決定部133が仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に基づいて現実活動を決定する場合の例示的な関連性情報の模式図である。関連性情報は、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方と、現実活動と、の関連性を示す情報である。
【0049】
関連性情報は、例えば、複数のアバタの仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方と、当該複数のアバタに対応する複数のユーザの現実活動と、の関係を示す統計量を含む。関連性情報として用いられる統計量は、例えば、特定の仮想属性を有し又は特定の仮想活動を行った複数のアバタに対応する複数のユーザが、特定の現実活動を行った割合である。関連性情報は、例えば、過去の所定期間(例えば、過去1年間)における、特定の仮想属性を有し又は特定の仮想活動を行った複数のアバタの人数に対する、当該複数のアバタに対応する複数のユーザのうち特定の現実活動を行った人数の割合(例えば、比率)を算出することにより、生成される。
【0050】
図3(b)の例では、関連性情報は、仮想空間上のイベントγに参加した男性のアバタを操作するユーザの25%が現実空間上のイベントδに参加し、仮想空間上のイベントγに参加した女性のアバタを操作するユーザの65%が現実空間上のイベントδに参加したことを表している。
【0051】
また、関連性情報は、仮想属性と、現実属性及び現実活動と、の関連性を示してもよい。この場合に、関連性情報として用いられる統計量は、例えば、特定の仮想属性を有する複数のアバタに対応する複数のユーザであって、特定の現実属性を有する複数のユーザが、特定の現実活動を行った割合である。
【0052】
関連性情報は、現実空間及び仮想空間において同じ時間帯における現実空間上のユーザに関する情報と仮想空間上のアバタに関する情報との関連性を示す情報であってもよい。この場合に、現実空間上の時刻と仮想空間上の時刻とは同期しており、現実空間が特定の時間帯(朝、昼、夜等)である時に、仮想空間も当該時間帯になる。関連性情報は、現実空間上の所定の時間帯での現実活動と、仮想空間上の当該時間帯での仮想活動と、の関連性を示す。これにより、情報処理システムSは、例えば現実空間上で夜のイベントに参加したユーザは仮想空間上でも夜のイベントに参加する傾向にある等、現実空間及び仮想空間の双方における活動が行われた時間帯を考慮したマーケティングを行うことができる。
【0053】
特定部132は、対象ユーザの属性である対象属性又は対象ユーザが行う活動である対象活動の少なくとも一方を特定する。特定部132は、対象ユーザを識別するためのユーザ識別情報(以下、ユーザID(Identification))を用いて、対象属性又は対象活動の少なくとも一方を特定する。対象ユーザ及び対象ユーザが操作するアバタを容易に対応付けるために、ユーザIDは、現実空間及び仮想空間で共通に用いられる識別情報であることが望ましい。
【0054】
特定部132は、後述の決定部133が現実属性又は現実活動の少なくとも一方に基づいて仮想活動を決定する場合と、決定部133が仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に基づいて現実活動を決定する場合と、で異なる対象属性又は対象活動の少なくとも一方を特定する。
【0055】
決定部133が現実属性又は現実活動の少なくとも一方に基づいて仮想活動を決定する場合に、特定部132は、現実空間上で対象ユーザに付与されている現実属性である対象属性又は対象ユーザが行う現実活動である対象活動の少なくとも一方を特定する。
【0056】
特定部132は、例えば、現実空間上で提供されるサービスに対する登録情報に基づいて、対象属性を特定する。この場合に、特定部132は、情報処理装置1とは異なるサーバから、現実空間上で事業者が提供するサービス(通信サービス等)に対して対象ユーザが登録した登録情報を受信する。登録情報は、例えば、対象ユーザと事業者との間で結ばれた契約を示す契約情報や、対象ユーザが事業者からサービスを受けるために入力した個人情報等であり、対象ユーザのユーザIDと関連付けられている。また、登録情報は、記憶部12に対象ユーザのユーザIDと関連付けて予め記憶されていてもよい。
【0057】
特定部132は、受信した登録情報に含まれる所定の情報を、対象属性(例えば、対象ユーザの性別、年齢、居住地等)として特定する。これにより、情報処理システムSは、現実空間で提供されるサービスに対する登録情報から、対象属性を容易に特定できる。
【0058】
特定部132は、例えば、現実空間上の対象ユーザの位置情報又は決済情報に基づいて、対象活動を特定する。この場合に、特定部132は、情報処理装置1とは異なるサーバから、対象ユーザの現実空間上の位置を示す位置情報又は対象ユーザが現実空間上の店舗で行った決済を示す決済情報の少なくとも一方を受信する。位置情報は、例えば、対象ユーザのユーザIDと、GNSS(Global Navigation Satellite System)等によって測定された対象ユーザが利用する情報端末2の位置と、位置の測定日時と、を関連付けた情報である。決済情報は、例えば、対象ユーザのユーザIDと、対象ユーザが購入した商品を示す情報と、商品の購入金額と、商品の購入日時と、を関連付けた情報である。また、位置情報及び決済情報は、記憶部12に対象ユーザのユーザIDと関連付けて予め記憶されていてもよい。
【0059】
特定部132は、記憶部12に予め記憶された現実空間上の過去のイベントのスケジュールを参照することにより、受信した位置情報が示す位置及び測定日時において行われたイベントを、対象活動(例えば、対象ユーザが参加したイベント)として特定する。特定部132は、受信した決済情報が示す商品を、対象活動(例えば、対象ユーザが購入した商品)として特定する。これにより、情報処理システムSは、現実空間における位置情報又は決済情報から、対象活動を容易に特定できる。
【0060】
決定部133が仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に基づいて現実活動を決定する場合に、特定部132は、仮想空間上で対象ユーザに対応するアバタに付与されている仮想属性である対象属性又は対象ユーザに対応するアバタが行う仮想活動である対象活動の少なくとも一方を特定する。
【0061】
特定部132は、例えば、仮想空間上のアバタの設定情報に基づいて、対象属性を特定する。この場合に、特定部132は、記憶部12に対象ユーザのユーザIDと関連付けて予め記憶された、仮想空間上のアバタに対して対象ユーザが設定した設定情報を取得する。また、設定情報は、情報処理装置1とは異なるサーバから受信されてもよい。特定部132は、取得した設定情報に含まれる所定の情報を、対象属性(例えば、対象ユーザに対応するアバタの性別、年齢層等)として特定する。これにより、情報処理システムSは、仮想空間におけるアバタに対する設定情報から、対象属性を容易に特定できる。
【0062】
特定部132は、例えば、仮想空間上のアバタの位置情報又は決済情報に基づいて、対象活動を特定する。この場合に、特定部132は、記憶部12に対象ユーザのユーザIDと関連付けて予め記憶された、対象ユーザの仮想空間上の位置を示す位置情報又は対象ユーザが仮想空間上の店舗で行った決済を示す決済情報の少なくとも一方を取得する。位置情報は、例えば、対象ユーザが操作するアバタの仮想空間上の位置と、位置の取得日時と、を関連付けた情報である。決済情報は、例えば、対象ユーザが購入した商品を示す情報と、商品の購入金額と、商品の購入日時と、を関連付けた情報である。また、位置情報及び決済情報は、情報処理装置1とは異なるサーバから受信されてもよい。
【0063】
特定部132は、記憶部12に予め記憶された仮想空間上の過去のイベントのスケジュールを参照することにより、取得した位置情報が示す位置及び取得日時において行われたイベントを、対象活動(例えば、対象ユーザに対応するアバタが参加したイベント)として特定する。特定部132は、取得した決済情報が示す商品を、対象活動(例えば、対象ユーザがアバタを用いて購入した商品)として特定する。これにより、情報処理システムSは、仮想空間における位置情報又は決済情報から、対象活動を容易に特定できる。
【0064】
特定部132は、例えば、仮想空間上のアバタ同士の交流情報に基づいて、対象活動を特定する。この場合に、特定部132は、記憶部12に予め記憶された、対象ユーザに対応するアバタと、対象ユーザとは異なるユーザに対応するアバタと、の間で行われた仮想空間上の交流(コミュニケーション)を示す交流情報を取得する。仮想空間上の交流は、例えば、文字によるメッセージの送受信、音声による通話、又はジェスチャ等の動作を含む。交流情報は、例えば、対象ユーザのユーザIDと、対象ユーザが操作するアバタが仮想空間上で交流したアバタを操作する他ユーザのユーザIDと、交流が行われた日時と、を関連付けた情報である。
【0065】
特定部132は、受信した交流情報が示す他ユーザを、対象活動(例えば、対象ユーザの交流相手)として特定する。これにより、情報処理システムSは、仮想空間におけるアバタ同士の交流情報から、対象活動を容易に特定できる。
【0066】
特定部132は、ここに示した具体的な方法に限られず、その他の方法で対象属性又は対象活動の少なくとも一方を特定してもよい。決定部133が仮想活動又は現実活動のいずれを決定する場合であっても、特定部132は、現実空間上で対象ユーザに付与されている現実属性と、仮想空間上で対象ユーザに対応するアバタに付与されている仮想属性と、の両方を対象属性として特定してもよい。
【0067】
図4(a)は、特定部132が特定する例示的な対象属性の模式図である。図4(a)の例では、特定部132は、対象ユーザのユーザIDと関連付けて、性別、年齢及び居住地を、対象属性として特定している。特定部132は、ここに示した具体的な情報に限られず、その他の情報を対象属性として特定してもよい。
【0068】
図4(b)は、特定部132が特定する例示的な対象活動の模式図である。図4(b)の例では、特定部132は、対象ユーザのユーザIDと関連付けて、参加したイベント、購入した商品及び交流相手を、対象活動として特定している。特定部132は、ここに示した具体的な情報に限られず、その他の情報を対象活動として特定してもよい。
【0069】
決定部133は、特定部132が特定した対象属性又は対象活動の少なくとも一方に基づいて、対象ユーザに対して提案する仮想活動又は現実活動を決定する。決定部133は、現実属性又は現実活動の少なくとも一方に基づいて仮想活動を決定する場合に、取得部131が取得した関連性情報において、特定部132が特定した対象属性又は対象活動の少なくとも一方と所定の関連性がある仮想活動を決定する。
【0070】
決定部133は、例えば、図3(a)に例示した関連性情報において、対象属性に対応する現実属性又は対象活動に対応する現実活動の少なくとも一方に関連付けられた仮想活動であって、割合が閾値(50%等)以上である仮想活動を、対象ユーザに対して提案する仮想活動として決定する。これにより、決定部133は、特定部132が特定した現実属性又は現実活動の少なくとも一方に該当するユーザが行う蓋然性の高い仮想活動を決定できる。
【0071】
決定部133は、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に基づいて現実活動を決定する場合に、取得部131が取得した関連性情報において、特定部132が特定した対象属性又は対象活動の少なくとも一方と所定の関連性がある現実活動を決定する。
【0072】
決定部133は、例えば、図3(b)に例示した関連性情報において、対象属性に対応する仮想属性又は対象活動に対応する仮想活動の少なくとも一方に関連付けられた現実活動であって、割合が閾値(50%等)以上である現実活動を、対象ユーザに対して提案する現実活動として決定する。これにより、決定部133は、特定部132が特定した仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に該当するユーザが行う蓋然性の高い現実活動を決定できる。
【0073】
決定部133は、対象ユーザの現実属性及び対象ユーザに対応するアバタの仮想属性の両方に基づいて、対象ユーザに提案する仮想活動を決定してもよい。この場合に、関連性情報は、現実属性と、仮想属性及び仮想活動と、の関連性を示す情報である。決定部133は、関連性情報において、対象属性に対応する現実属性及び仮想属性と所定の関連性(例えば、割合が50%以上であること)がある仮想活動を、対象ユーザに提案する仮想活動として決定する。これにより、情報処理システムSは現実空間及び仮想空間の双方の属性に基づいて、対象ユーザにより適した仮想活動を決定できる。
【0074】
決定部133は、対象ユーザの現実属性及び対象ユーザに対応するアバタの仮想属性の両方に基づいて、対象ユーザに提案する現実活動を決定してもよい。この場合に、関連性情報は、仮想属性と、現実属性及び現実活動と、の関連性を示す情報である。決定部133は、関連性情報において、対象属性に対応する仮想属性及び現実属性と所定の関連性(例えば、割合が50%以上であること)がある現実活動を、対象ユーザに提案する現実活動として決定する。これにより、情報処理システムSは現実空間及び仮想空間の双方の属性に基づいて、対象ユーザにより適した現実活動を決定できる。
【0075】
決定部133は、ユーザが過去の所定期間内に行っていない活動を、対象ユーザに対して提案する仮想活動又は現実活動として決定してもよい。この場合に、決定部133は、情報処理装置1とは異なるサーバから、対象ユーザが過去の所定期間内(例えば、過去1年間、過去の全期間等)に行った仮想活動又は現実活動を示す履歴情報を受信する。履歴情報は、例えば、対象ユーザのユーザIDと、仮想活動又は現実活動と、仮想活動又は現実活動が行われた日時と、を関連付けた情報である。また、履歴情報は、記憶部12に対象ユーザのユーザIDと関連付けて予め記憶されていてもよい。
【0076】
決定部133は、関連性情報において対象属性に対応する現実属性又は対象活動に対応する現実活動の少なくとも1つと所定の関連性(例えば、割合が50%以上であること)がある仮想活動であって、対象ユーザが過去の所定期間内に行ったことを履歴情報が示さない仮想活動を、対象ユーザに対して提案する仮想活動として決定する。また、決定部133は、関連性情報において対象属性に対応する仮想属性又は対象活動に対応する仮想活動の少なくとも1つと所定の関連性(例えば、割合が50%以上であること)がある現実活動であって、対象ユーザが過去の所定期間内に行ったことを履歴情報が示さない現実活動を、対象ユーザに対して提案する現実活動として決定する。
【0077】
これにより、情報処理システムSは、対象ユーザが過去の所定期間に行ったことが記録されていない活動(例えば、対象ユーザが参加したことのないイベントや購入したことのない商品)を対象ユーザに提案するため、提案の効果を向上できる。
【0078】
出力部134は、決定部133が決定した対象ユーザに提案する仮想活動又は現実活動を示す活動情報を、対象ユーザに対して出力する。
【0079】
決定部133が仮想活動を決定した場合に、出力部134は、仮想空間上で対象ユーザのユーザIDに関連付けられたアバタに、活動情報を提示する。出力部134は、対象ユーザが利用する情報端末2に表示された仮想空間上に、活動情報を表示させる。出力部134は、例えば、対象ユーザが利用する情報端末2に表示された仮想空間の制御を行うプログラムに、活動情報を通知する。
【0080】
図5は、仮想空間上で活動情報を提示する方法を説明するための模式図である。対象ユーザが利用する情報端末2に表示された仮想空間の制御を行うプログラムは、仮想空間上の所定の領域(例えば、仮想空間上に配置された仮想的な看板)に、活動情報A1を表示させる。活動情報A1は、例えば、仮想活動が示すイベントや商品を表す文字又は画像を含む。これにより、情報処理システムSは、対象ユーザの現実属性又は現実活動の少なくとも一方に基づいて決定された仮想活動を仮想空間上で対象ユーザに提示することができ、対象ユーザが当該仮想活動を行いやすくすることができる。
【0081】
決定部133が現実活動を決定した場合に、出力部134は、現実空間上で対象ユーザのユーザIDに関連付けられた対象ユーザに、活動情報を提示する。出力部134は、例えば、対象ユーザのユーザIDを宛先として、現実空間上で活動情報を表示するためのメッセージ(電子メール、SNS(Social Networking Service)のメッセージ等)を送信する。
【0082】
図6は、現実空間上で活動情報を提示する方法を説明するための模式図である。情報端末2は、情報処理装置1から受信したメッセージを表示するためのアプリケーション上に、当該メッセージが示す活動情報A2を提示する。活動情報A2は、例えば、現実活動が示すイベントや商品を表す文字又は画像を含む。これにより、情報処理システムSは、対象ユーザの仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に基づいて決定された現実活動を現実空間上で対象ユーザに提示することができ、対象ユーザが当該現実活動を行いやすくすることができる。
【0083】
[情報処理方法のフロー]
図7は、本実施形態に係る情報処理装置1が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。取得部131は、記憶部12に予め記憶されている、現実空間上のユーザに関する情報と仮想空間上のアバタに関する情報との関連性を示す関連性情報を取得する(S11)。関連性情報は、例えば、現実空間上のユーザの属性である現実属性又はユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上のアバタの属性である仮想属性又はアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す情報である。
【0084】
決定部133が現実属性又は現実活動の少なくとも一方に基づいて仮想活動を決定する場合に(S12のYES)、特定部132は、現実空間上で対象ユーザに付与されている現実属性である対象属性又は対象ユーザが行う現実活動である対象活動の少なくとも一方を特定する(S13)。
【0085】
決定部133は、取得部131が取得した関連性情報において、特定部132が特定した対象属性又は対象活動の少なくとも一方と所定の関連性がある仮想活動を決定する(S14)。決定部133は、例えば、関連性情報において、対象属性に対応する現実属性又は対象活動に対応する現実活動の少なくとも一方に関連付けられた仮想活動であって、割合が閾値以上である仮想活動を、対象ユーザに対して提案する仮想活動として決定する。
【0086】
出力部134は、決定部133が決定した対象ユーザに提案する仮想活動を示す活動情報を、対象ユーザに対して出力する(S15)。出力部134は、例えば、仮想空間上で対象ユーザのユーザIDに関連付けられたアバタに、活動情報を提示する。
【0087】
決定部133が現実属性又は現実活動の少なくとも一方に基づいて現実活動を決定する場合に(S12のNO)、特定部132は、仮想空間上で対象ユーザに対応するアバタに付与されている仮想属性である対象属性又は対象ユーザに対応するアバタが行う仮想活動である対象活動の少なくとも一方を特定する(S16)。
【0088】
決定部133は、取得部131が取得した関連性情報において、特定部132が特定した対象属性又は対象活動の少なくとも一方と所定の関連性がある現実活動を決定する(S17)。決定部133は、例えば、関連性情報において、対象属性に対応する仮想属性又は対象活動に対応する仮想活動の少なくとも一方に関連付けられた現実活動であって、割合が閾値以上である現実活動を、対象ユーザに対して提案する現実活動として決定する。
【0089】
出力部134は、決定部133が決定した対象ユーザに提案する現実活動を示す活動情報を、対象ユーザに対して出力する(S18)。出力部134は、例えば、現実空間上で対象ユーザのユーザIDに関連付けられた対象ユーザに、活動情報を提示する。
【0090】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSによれば、情報処理装置1は、現実属性又は現実活動の少なくとも一方と仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方との関連性に基づいて、ユーザの現実属性又は現実活動の少なくとも一方に応じて仮想活動を提案し、又はユーザに対応するアバタの仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に応じて現実活動を提案する。これにより、情報処理システムSは、仮想空間上のアバタを操作する現実空間上のユーザに対して、現実空間及び仮想空間の双方における情報を考慮して適した活動を提案できる。
【0091】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0092】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0093】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 特定部
133 決定部
134 出力部
2 情報端末

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7