(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20241105BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20241105BHJP
A63F 13/812 20140101ALI20241105BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/55
A63F13/812 Z
(21)【出願番号】P 2023148261
(22)【出願日】2023-09-13
(62)【分割の表示】P 2019064262の分割
【原出願日】2019-03-28
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】京野 晃大
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-171261(JP,A)
【文献】特開2015-019822(JP,A)
【文献】特開2014-150958(JP,A)
【文献】特開2007-244663(JP,A)
【文献】#コンパス[初心者攻略]: 勝率がメキメキ上がる!バトルを120%楽しむための初心者ガイド[12/17更新],ApplivGames [online],2018年12月17日,https://games.app-liv.jp/archives/216963,[2023年2月27日検索]
【文献】サッカールール変更についての考察。ゴールの決定機阻止で一発レッドカードにならない件。,社畜ですが? [online],2017年09月20日,https://hashimototsutomu.com/archives/3567601.html,[2023年2月27日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤキャラクタを用いた対戦ゲームであって、複数のプレーヤキャラクタから構成されるチーム毎に所与の領域が形成されている対戦ゲームを実行するプログラムであって、
ゲーム空間内に少なくとも1以上の前記プレーヤキャラクタを設定するキャラクタ設定手段、
前記ゲーム空間内に設定された自陣となる自陣領域から対戦相手の敵陣となる敵陣領域に向かって前記設定されたプレーヤキャラクタの移動を制御する移動制御手段、
前記対戦ゲーム中に、前記設定されたプレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、前記ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に応じて検出する検出処理を実行する検出手段、
前記対戦ゲーム中に、前記検出されたキャラクタ位置に基づいて所与のパラメータの値を変化させる制御処理を実行するパラメータ制御手段、及び、
前記所与のパラメータの値が所与の条件を具備した場合には、所与のイベントを発動させるイベント制御手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記パラメータ制御手段が、
前記検出されたプレーヤキャラクタのキャラクタ位置に加えて、当該キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタとは異なる他のプレーヤキャラクタであって、当該キャラクタ位置又は当該キャラクタ位置に関連する位置に存在する複数の他のプレーヤキャラクタ
の数に基づいて、前記パラメータの値を変化させる制御処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
プレーヤキャラクタを用いた対戦ゲームであって、複数のプレーヤキャラクタから構成されるチーム毎に所与の領域が形成されている対戦ゲームを実行するプログラムであって、
ゲーム空間内に少なくとも1以上の前記プレーヤキャラクタを設定するキャラクタ設定手段、
前記ゲーム空間内に設定された自陣となる自陣領域から対戦相手の敵陣となる敵陣領域
に向かって前記設定されたプレーヤキャラクタの移動を制御する移動制御手段、
前記対戦ゲーム中に、前記設定されたプレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、前記ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に応じて検出する検出処理を実行する検出手段、
前記対戦ゲーム中に、前記検出されたキャラクタ位置に基づいて所与のパラメータの値を変化させる制御処理を実行するパラメータ制御手段、及び、
前記所与のパラメータの値が所与の条件を具備した場合には、所与のイベントを発動させるイベント制御手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記パラメータ制御手段が、
前記検出されたプレーヤキャラクタのキャラクタ位置に加えて、
(A)当該キャラクタ位置が検出された、前記自陣領域に存在する複数の味方のプレーヤキャラクタと、当該キャラクタ位置が検出された、前記自陣領域に存在する複数の敵キャラクタと、の組み合わせ、
(B)当該キャラクタ位置が検出された、前記敵陣領域に存在する複数の味方のプレーヤキャラクタと、当該キャラクタ位置が検出された、前記敵陣領域に存在する複数の敵キャラクタと、の組み合わせ、
(C)当該キャラクタ位置が検出された複数の味方のプレーヤキャラクタの組み合わせ、又は、
(D)当該キャラクタ位置が検出された複数の敵キャラクタの組み合わせ、
に基づいて、前記パラメータの値を変化させる制御処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプログラムであって、
前記パラメータ制御手段が、
前記設定されたプレーヤキャラクタが所与の状態になった際に前記検出されたキャラクタ位置に基づいて所与のパラメータの値を変化させる前記制御処理を実行する、プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記検出手段が、
前記設定されたプレーヤキャラクタのうち所与の状態になったプレーヤキャラクタの前記ゲーム空間上の位置を、前記キャラクタ位置として、検出する前記検出処理を実行する、プログラム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のプログラムであって、
前記所与の状態には、プレーヤキャラクタが対戦ゲームにおいて、ゲーム上、不利な状態になったことが含まれる、プログラム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記キャラクタ位置の検出の対象となるプレーヤキャラクタが、予め定められた属性を有しているプレーヤキャラクタである、プログラム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記パラメータ制御手段が、
前記検出されたプレーヤキャラクタのキャラクタ位置に加えて、当該キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタの属性、及び、当該キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタが属するプレーヤキャラクタ群の属性、の少なくともいずれか一方に基づいて、前記パラメータの値を変化させる制御処理を実行する、プログラム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記イベント制御手段が、
前記イベントの発動時の前記パラメータの値に応じて、当該発動するイベントの効果を決定する、プログラム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記イベント制御手段が、
前記イベントの発動時の前記パラメータの値に応じて、当該発動するイベントの実施期間を決定する、プログラム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記対戦ゲームの対戦期間を管理する管理手段として更に前記コンピュータを機能させ、
前記パラメータ制御手段が
前記対戦期間の終了時刻に近づくほど前記パラメータの変化量を大きくする前記制御処理を実行する、プログラム。
【請求項11】
プレーヤキャラクタを用いた対戦ゲームであって、複数のプレーヤキャラクタから構成されるチーム毎に所与の領域が形成されている対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
ゲーム空間内に少なくとも1以上の前記プレーヤキャラクタを設定するキャラクタ設定手段と、
前記ゲーム空間内に設定された自陣となる自陣領域から対戦相手の敵陣となる敵陣領域に向かって前記設定されたプレーヤキャラクタの移動を制御する移動制御手段と、
前記対戦ゲーム中に、前記設定されたプレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、前記ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に応じて検出する検出処理を実行する検出手段と、
前記対戦ゲーム中に、前記検出されたキャラクタ位置に基づいて所与のパラメータの値を変化させる制御処理を実行するパラメータ制御手段と、
前記所与のパラメータの値が所与の条件を具備した場合には、所与のイベントを発動させるイベント制御手段と、
を備え、
前記パラメータ制御手段が、
前記検出されたプレーヤキャラクタのキャラクタ位置に加えて、
当該キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタとは異なる他のプレーヤキャラクタであって、当該キャラクタ位置又は当該キャラクタ位置に関連する位置に存在する複数の他のプレーヤキャラクタ
の数に基づいて、前記パラメータの値を変化させる制御処理を実行することを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
プレーヤキャラクタを用いた対戦ゲームであって、複数のプレーヤキャラクタから構成されるチーム毎に所与の領域が形成されている対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
ゲーム空間内に少なくとも1以上の前記プレーヤキャラクタを設定するキャラクタ設定手段と、
前記ゲーム空間内に設定された自陣となる自陣領域から対戦相手の敵陣となる敵陣領域に向かって前記設定されたプレーヤキャラクタの移動を制御する移動制御手段と、
前記対戦ゲーム中に、前記設定されたプレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、前記ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に応じて検出する検出処理を実行する検出手段と、
前記対戦ゲーム中に、前記検出されたキャラクタ位置に基づいて所与のパラメータの値
を変化させる制御処理を実行するパラメータ制御手段と、
前記所与のパラメータの値が所与の条件を具備した場合には、所与のイベントを発動させるイベント制御手段と、
を備え、
前記パラメータ制御手段が、
前記検出されたプレーヤキャラクタのキャラクタ位置に加えて、
(A)当該キャラクタ位置が検出された、前記自陣領域に存在する複数の味方のプレーヤキャラクタと、当該キャラクタ位置が検出された、前記自陣領域に存在する複数の敵キャラクタと、の組み合わせ、
(B)当該キャラクタ位置が検出された、前記敵陣領域に存在する複数の味方のプレーヤキャラクタと、当該キャラクタ位置が検出された、前記敵陣領域に存在する複数の敵キャラクタと、の組み合わせ、
(C)当該キャラクタ位置が検出された複数の味方のプレーヤキャラクタの組み合わせ、又は、
(D)当該キャラクタ位置が検出された複数の敵キャラクタの組み合わせ、
に基づいて、前記パラメータの値を変化させる制御処理を実行することを特徴とするゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及びプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タブレット型情報通信端末装置又はスマートフォンなどの情報通信端末装置やパーソナルコンピュータ(以下、「通信端末装置」という)の多機能化、機能向上及びその普及に伴い、これらの通信端末装置において、ゲームを実行する機会が増えている。
【0003】
また、最近では、プレーヤキャラクタを用いて競技ゲームを実行するものが知られており、例えば、ゲーム空間に複数のプレーヤキャラクタを登場させて複数の敵プレーヤキャラクタに対して攻撃を実行してゲームを進行させるものが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムにあっては、単に敵キャラクタを指定してプレーヤキャラクタによる攻撃を実行しているので、競技ゲームのゲーム情勢を大きく変化させることが難しく、単調なゲームとしてプレーヤの興趣性を低下させてしまう可能性もある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、競技ゲームにおけるゲーム情勢を勘案することによって、ゲーム情勢を大きく変化させること、及び、ゲームの興趣性が高まる方向にゲームを誘導することが可能にし、その結果、ゲームの興趣性を向上させることが可能なプログラム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
プレーヤキャラクタを用いてプレーヤが対戦相手との競技する競技ゲームを実行するプログラムであって、
ゲーム空間内に少なくとも1以上の前記プレーヤキャラクタを設定するキャラクタ設定手段、
前記ゲーム空間内に設定された自陣となる自陣領域から前記対戦相手の敵陣となる敵陣領域に向かって前記設定されたプレーヤキャラクタの移動を制御する移動制御手段、
前記競技ゲーム中に、前記設定されたプレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、前記ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に応じて検出する検出処理を実行する検出手段、
前記競技ゲーム中に、前記検出されたキャラクタ位置に基づいて所与のパラメータの値を変化させる制御処理を実行するパラメータ制御手段、及び、
前記所与のパラメータの値が所与の条件を具備した場合には、所与のイベントを発動させるイベント制御手段、
としてコンピュータを機能させる、構成を有している。
【0008】
この構成により、本発明は、競技ゲームにおけるゲーム情勢を判断する1の要素となる
ゲーム空間内のキャラクタ位置の、ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に基づいて、イベントを制御することができるので、競技ゲームにおけるゲーム情勢を勘案したイベントを発動することができる。
【0009】
特に、本発明は、例えば、
(A1)自陣領域の近傍にしかプレーヤキャラクタが存在しない場合、若しくは、敵陣領域や敵のゴールの近傍にしか対戦相手のプレーヤキャラクタ(すなわち、敵キャラクタ)が存在しない場合、
(A2)敵陣領域や敵のゴールにプレーヤキャラクタが近づいた場合、又は、
(A3)自陣領域や自プレーヤのゴール(以下、「自ゴール」ともいう。)の近傍でプレーヤキャラクタの所与の状態(例えば、特定の動作状態や特定の能力の状態、特に、反則をした状態やペナルティを受けた状態など競技ゲームに使用できなくなる状態又は当該競技ゲーム上において不利になった状態(例えば反則やペナルティを)が好ましい。)をした場合、若しくは、敵陣領域や敵のゴールの近傍で敵キャラクタが所与の状態になった場合に、
にプレーヤキャラクタの位置を基準にプレーヤや対戦相手が優位か否かをなどのゲーム情勢を判断することができる。
【0010】
そして、本発明は、上述のように、一方のゲーム情勢が優勢になった場合に、起死回生の行動や攻め込まれているプレーヤや対戦相手に対して有利なイベントを発動し、又は、ゲーム情勢が優勢なプレーヤや対戦相手にさらに有利なイベントを発動することができる。
【0011】
したがって、本発明は、たとえ、戦況が著しく悪くなった場合でも、そのままゲームの勝敗を決することなく、ゲームを継続させることができるとともに、戦況がよい状況においてさらに有利に状況を生み出すことができるので、当該イベントによって当該ゲーム情勢を反転させること、又は、優勢なゲーム状況をさらに勢いづけることができる。
【0012】
その結果、本発明は、ゲーム情勢を大きく変化させること、及び、ゲームの興趣性が高まる方向にゲームを誘導することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0013】
なお、「自陣領域」又は「敵陣領域」とは、例えば、ゲーム空間内に形成される競技ゲームの陣地(ゴールそのものやゴール領域なども含んでもよい。)、球技などの競技上において形成される各領域を示し、競技が成立すれば各領域はゲーム中に移動してもよい。
【0014】
特に、自陣領域及び敵陣領域は、画面の上下(この場合には、プレーヤキャラクタは上下方向に移動する)、又は、画面の左右(この場合には、プレーヤキャラクタは左右方向に移動する)など画面の対向する位置に形成されることが好ましいが、他の領域があってもよく、これらの形態に限られない。
【0015】
そして、「自陣領域及び敵陣領域の少なくとも一方を基準とした位置」とは、例えば、自陣領域(又は敵陣領域でもよく、ゴールであってもよい。)の中心やゲーム空間において自陣領域の敵陣領域側の端部(又は敵陣領域の自陣領域側の端部)から予め定められた相対的な位置を示す。
【0016】
また、「所与のパラメータ」には、例えば、プレーヤキャラクタのエネルギー(スタミナを含む。)、プレーヤキャラクタや当該プレーヤキャラクタが属するチームの攻撃能力(キック飛距離・威力、キック精度)、プレーヤキャラクタやチームの守備能力(捕球能力、奪球能力)、又は、プレーヤキャラクタやチームの所定の動作に関するパラメータなど
、プレーヤキャラクタが所与の状態となる毎に算出されるパラメータ、及び、プレーヤキャラクタや競技使用されるボールなどの競技に用いられるオブジェクト(自動車などのオブジェクトも含む。)が敵陣やそのゴールに近づくことによって変化するパラメータを含む。
【0017】
特に、「プレーヤキャラクタ」は、ゲームを主導するプレーヤのプレーヤキャラクタだけなく、対戦相手のプレーヤキャラクタを含み、コンピュータによって制御されるNPCも含む。
【0018】
そして、「検出された位置に基づいて所与のパラメータを変化させる」とは、例えば、(B1)設定されたプレーヤキャラクタが所与の状態になる毎に、当該プレーヤキャラクタが所与の状態となった位置が自陣やそのゴールに近いほど高い値(又は低い値)となるパラメータの値を制御(積算)すること、
(B2)設定されたプレーヤキャラクタが所与の状態になる毎に、当該プレーヤキャラクタが所与の状態になった位置が敵陣やそのゴールに近いほど、低い値(又は高い値)となるパラメータの値を制御(積算)すること、
(B3)プレーヤキャラクタ毎に、又は、プレーヤ毎に、当該プレーヤキャラクタの位置が敵陣に近くなるに従ってパラメータの値を制御する(すなわち、増加させる)こと、などを含む。
【0019】
特に、このようなゲーム空間の位置に基づく所与のパラメータの変化については、プレーヤキャラクタの特定の属性や特定の種別の所与の状態となったプレーヤキャラクタや敵陣に近づいたプレーヤキャラクタに限定してもよいし、これらのプレーヤキャラクタに限定しなくてもよい。
【0020】
さらに、「所与の条件」とは、例えば、上記のように変化するパラメータの値が一定の値以上又は以下になることを示す。
【0021】
上記に加えて、「イベント」とは、例えば、プレーヤの操作に基づいて、又は、自動的に、
(C1)プレーヤキャラクタの攻撃能力(キック飛距離・威力、キック精度)、守備能力(捕球能力、奪球能力)、若しくは、スタミナ(エネルギー)が一時的にアップさせること、
(C2)プレーヤキャラクタがスローモーション的な動きになること、又は、
(C3)ガチャを含み、球技ゲームにおいて有利となるミニゲームが実行されることなど、競技ゲームの戦況が変化するイベントが含まれる。
【0022】
特に、設定されたプレーヤキャラクタは、例えば、レベルを最大にするなど攻撃能力をパワーアップさせた(例えば、最大能力やノーマルな能力の3倍など)プレーヤキャラクタであってもよいし、現在の又は所与の状態になった際の能力を有するプレーヤキャラクタであってもよい。ただし、投入可能なプレーヤキャラクタや復活されたプレーヤキャラクタは、イベント終了後には、そのままゲーム空間上に存在するが、パワーアップなどは解除されたノーマルモードに戻ることが望ましい。
【0023】
また、「競技ゲーム」としては、例えば、ラグビーやアメリカンフットボールなどの領域の争奪を含む競技のゲームであることが望ましい。
【0024】
(2)また、本発明は、
前記パラメータ制御手段が、
前記設定されたプレーヤキャラクタが所与の状態になった際に前記検出されたキャラ
クタ位置に基づいて所与のパラメータの値を変化させる前記制御処理を実行する、構成を有している。
【0025】
この構成により、本発明は、設定されたプレーヤキャラクタが所与の状態になることによってプレーヤの不利な情勢となったとしても、所与のイベントを発動することができるので、たとえ戦況が著しく悪くなった場合でも、当該プレーヤキャラクタやそのチームに対して、起死回生のイベントを発動するなど戦況が悪いゲーム情勢を好転させるための制御を行うことができる。
【0026】
したがって、本発明は、プレーヤの不利な情勢の場合に、そのまま一気にゲームの勝敗を決することなく、ゲームを継続させることができるので、競技ゲームにおいて、初心者やゲームの得意でないプレーヤに対して有利となるアクセントを付けること、及び、その結果、あらゆるプレーヤに対してゲームを充実させて興趣性を向上させることができる。
【0027】
なお、所与の状態になったプレーヤキャラクタは、全てのプレーヤキャラクタであってもよいいし、特定の属性を有するプレーヤキャラクタであってもよく、複数のプレーヤキャラクタであってもよい。
【0028】
(3)また、本発明は、
前記検出手段が、
前記設定されたプレーヤキャラクタのうち所与の状態になったプレーヤキャラクタの前記ゲーム空間上の位置を、前記キャラクタ位置として、検出する前記検出処理を実行する、構成を有している。
【0029】
この構成により、本発明は、例えば、自陣領域近くにおいてエネルギーパラメータが少なくなった、反則をした、又は、捕球を失敗したなど所与の状態になったプレーヤキャラクタが多い場合には、所与のパラメータの値を大きく変化させることができるので、自陣領域近くにおいて所与の状態になったプレーヤキャラクタが多くなっているプレーヤが不利な情勢である場合に、ゲーム情勢を一変させるイベントを発動することができる。
【0030】
したがって、本発明は、たとえ戦況が著しく悪くなった場合でも、そのままゲームの勝敗を決することなく、ゲームを継続させることができるので、競技ゲームにおいて、初心者やゲームの得意でないプレーヤに対して有利となるアクセントを付けること、及び、その結果、あらゆるプレーヤに対してゲームを充実させて興趣性を向上させることができる。
【0031】
(4)また、本発明は、
前記所与の状態には、プレーヤキャラクタが競技ゲームにおいて、ゲーム上、不利な状態になったことが含まれる、構成を有している。
【0032】
この構成により、本発明は、例えば、球技における捕球の失敗やパスミスなどのゲーム中の失策、又は、ゲームからの退場やゲーム中の怪我などの継続不能状態になった場合など、プレーヤが不利な状態になった場合に、プレーヤキャラクタの位置を基準にプレーヤや不利なゲーム情勢などを判断することができる。
【0033】
(5)また、本発明は、
前記キャラクタ位置の検出の対象となるプレーヤキャラクタが、予め定められ属性を有しているプレーヤキャラクタである、構成を有している。
【0034】
この構成により、本発明は、例えば、能力やレベルが高いプレーヤキャラクタ、レア度
の高いプレーヤキャラクタ、又は、予め設定された種別のプレーヤキャラクタ(例えば、キャプテンのキャラクタやフォワードのキャラクタ)などの特定のプレーヤキャラクタについての不利な状態になったキャラクタ位置に基づいて、パラメータの値を制御する制御処理又はプレーヤキャラクタの位置を検出する検出処理を実行することができる。
【0035】
したがって、本発明は、例えば、キーとなるプレーヤキャラクタに基づいてゲーム情勢を判断することができるので、全部のキャラクタを判断する場合に比べてゲーム情勢の判断を行う処理の負担を軽減しつつ、的確にゲーム情勢を判断すること、又は、プレーヤキャラクタの種別に応じて判断基準の軽重を付けることによってゲーム戦略の重要性をゲームに反映し、その結果、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0036】
(6)また、本発明は、
前記パラメータ制御手段が、
前記キャラクタ位置が自陣領域又は敵陣領域に近いほど前記パラメータの変化量を大きくする前記制御処理を実行する、構成を有している。
【0037】
この構成により、本発明は、ゲームの情勢が不利になればなるほど、又は、有利になればなるほどイベントを発動しやすくすることができるので、例えば、起死回生のイベントによってゲーム情勢を大きく変化させること、又は、さらに有利になるイベントによって優勢なゲーム情勢をさらに勢いづけることができる。
【0038】
したがって、本発明は、たとえ戦況が著しく悪くなった場合でも、そのままゲームの勝敗を決することなく、ゲームを継続させることができるとともに、戦況がよい状況においてさらに有利にゲームを進行させることができる。
【0039】
(7)また、本発明は、
前記ゲーム空間上の前記自陣領域及び前記敵陣領域の間が少なくとも1以上の領域に区分されており、
前記パラメータ制御手段が、
前記区分された領域毎に定まる前記パラメータの変化量に基づいて、前記制御処理を実行する、構成を有している。
【0040】
この構成により、本発明は、区分された領域毎にパラメータの変化量が定まるので、プレーヤにパラメータの変化を認識させやすく、プレーヤによってイベントの発動を狙いやすくすることができる。
【0041】
なお、「区分された領域毎に定まる前記パラメータの変化量」とは、例えば、領域毎に予めパラメータの値が設定されていてもよいし、領域毎に予め係数が設定されており、予め定められたパラメータの値に乗算してパラメータの変化量が定められてもよい。
【0042】
そして、領域毎に予め定められた係数が設定されている場合には、当該係数を、プレーヤキャラクタの属性(例えば、レベルやレア度の高いプレーヤキャラクタの値を他のプレーヤキャラクタの値より高くする)、又は、所与の状態の種別(例えば、エネルギーが「0」、又は、弾薬が「0」などの戦闘するための装備品が無くなるなど)などによって異なる値を用いてもよい。
【0043】
(8)また、本発明は、
前記パラメータ制御手段が、
前記検出されたプレーヤキャラクタのキャラクタ位置に加えて、
当該キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタとは異なる他のプレーヤキャラ
クタであって、当該キャラクタ位置又は当該キャラクタ位置に関連する位置に存在する他のプレーヤキャラクタの数に基づいて、前記パラメータの値を変化させる制御処理を実行する、構成を有している。
【0044】
この構成により、本発明は、例えば、自陣領域の近くに味方のプレーヤキャラクタが多く存在する場合や自陣近くに敵キャラクタが多く存在する場合には、プレーヤの情勢が不利(対戦相手の情勢が有利)であると判断することができるとともに、敵陣領域の近くに味方プレーヤキャラクタが多く存在する場合や敵陣領域の近くに敵キャラクタが多く存在する場合には、プレーヤの情勢が有利(対戦相手の情勢が不利)であると判断することができる。
【0045】
したがって、本発明は、より確実にゲーム情勢を判断することができるので、イベントの発動を効果的に実行することができる。
【0046】
なお、「他のプレーヤキャラクタ」とは、例えば、競技ゲームにおいて味方となるプレーヤキャラクタであってもよいし、敵となるプレーヤキャラクタ(すなわち、敵キャラクタ)であってもよい。
【0047】
また、「キャラクタ位置に関連する位置」には、例えば、ゲーム空間が予め複数の領域に区分されている場合にキャラクタ位置が属する区分された領域内の位置、又は、キャラクタ位置から所定の半径のよって形成される範囲内の位置などの当該キャラクタ位置に対応付けられた位置などを含む。
【0048】
(9)また、本発明は、
前記パラメータ制御手段が、
前記検出されたプレーヤキャラクタのキャラクタ位置に加えて、
(A)当該キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタとは異なる他のプレーヤキャラクタであって当該キャラクタ位置若しくは当該キャラクタ位置に関連する位置に存在する他のプレーヤキャラクタの組み合わせ、又は、
(B)当該キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタと前記他のキャラクタとの組み合わせ、
に基づいて、前記パラメータの値を変化させる制御処理を実行する、構成を有している。
【0049】
この構成により、本発明は、例えば、自陣領域の近くに味方のプレーヤキャラクタが多く存在する場合や自陣近くに敵キャラクタが多く存在する場合には、プレーヤの情勢が不利(対戦相手の情勢が有利)であると判断することができるとともに、敵陣領域の近くに味方プレーヤキャラクタが多く存在する場合や敵陣領域の近くに敵キャラクタが多く存在する場合には、プレーヤの情勢が有利(対戦相手の情勢が不利)であると判断することができる。
【0050】
したがって、本発明は、より確実にゲーム情勢を判断することができるので、イベントの発動を効果的に実行することができる。
【0051】
(10)また、本発明は、
前記パラメータ制御手段が、
前記検出されたプレーヤキャラクタのキャラクタ位置に加えて、当該キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタの属性、及び、当該キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタが属するプレーヤキャラクタ群の属性、の少なくともいずれか一方に基づいて、前記パラメータの値を変化させる制御処理を実行する、構成を有している。
【0052】
この構成により、本発明は、例えば、
(D1)キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタが属するチーム(例えが競技ゲームを実行するためのデッキに設定されたキャラクタ群)のレベルが高い程、パラメータの値を大きく変化させること、
(D2)キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタのレベルや能力(例えば、攻撃力や防御力などの戦闘能力)が高い程、パラメータの値を大きく変化させること、又は、(D3)キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタが、特定の種別(例えば、キャプテンやフォワード)の場合には他の種別よりもパラメータの値を大きく変化させること、又は、
(D4)キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタが、特定のレア度(レアリティ)を有する場合(特定のレア度以上の場合)には、当該レア度より低いレア度などの他のレア度を有するプレーヤキャラクタよりもパラメータの値を大きく変化させること、
ができる。
【0053】
したがって、本発明は、ゲーム情勢を位置以外の側面から判断することができるので、より確実にゲーム情勢を判断すること、及び、その結果、イベントの発動を効果的に実行することができる。
【0054】
(11)また、本発明は、
前記イベント制御手段が、
前記イベントの発動時の前記パラメータの値に応じて、当該発動するイベントの効果を決定する、構成を有している。
【0055】
この構成により、本発明は、例えば、イベントを発動させる際のパラメータの値が大きいほど、より有利な効果を有するイベントを発動することができるので、イベントの発動を含めて競技ゲームを行う上での戦略性をゲームに組み込むことができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0056】
なお、「イベントの効果」とは、攻撃能力、防御能力などの競技ゲームにおいてゲーム情勢を変化させるための効果を示す。
【0057】
また、イベントは、プレーヤの操作に基づいて発動することが望ましく、また、当該プレーヤの操作をサポートするために、パラメータの値は、競技ゲーム中に表示されることが望ましい。
【0058】
(12)また、本発明は、
前記イベント制御手段が、
前記イベントの発動時の前記パラメータの値に応じて、当該発動するイベントの実施期間を決定する、構成を有している。
【0059】
この構成により、本発明は、例えば、イベントを発動させる際のパラメータの値が大きいほど、より長時間イベントを発動することができるので、より効果的なイベントを発動することができる。
【0060】
したがって、本発明は、イベントの発動を含めて競技ゲームを行う上での戦略性をゲームに組み込むことができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0061】
(13)また、本発明は、
前記競技ゲームの対戦期間を管理する管理手段として更に前記コンピュータを機能させ、
前記パラメータ制御手段が
前記対戦期間の終了時刻に近づくほど前記パラメータの変化量を大きくする前記制御処理を実行する、構成を有している。
【0062】
この構成により、本発明は、対戦期間の終了時刻に近づくほど、ゲーム情勢を反転させること、又は、さらに優勢にすることができるので、競技ゲームを終盤に向けて盛り上げることができる。
【0063】
なお、「対戦期間の終了時刻に近づくほど前記パラメータの変化量を大きくする」とは、競技ゲームの開始当初より終了時刻に近づけば近づくほど、同じキャラクタ位置であっても、パラメータの変化量を大きくなるように制御することを示す。
【0064】
(14)上記課題を解決するため、本発明は、
プレーヤキャラクタを用いてプレーヤが対戦相手との対戦ゲームを実行するプログラムであって、
前記対戦ゲーム中にゲーム空間内に少なくとも1以上の前記プレーヤキャラクタを投入するキャラクタ投入手段、
前記ゲーム空間内に設定された自陣となる自陣領域から前記対戦相手の敵陣となる敵陣領域に向かって前記投入されたプレーヤキャラクタの移動を制御する移動制御手段、
前記対戦ゲーム中に、前記投入されたプレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、前記ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に応じて検出する検出処理を実行する検出手段、
前記対戦ゲーム中に、前記検出されたキャラクタ位置に基づいて所与のパラメータの値を変化させる制御処理を実行するパラメータ制御手段、及び、
前記所与のパラメータの値が所与の条件を具備した場合には、所与のイベントを発動させるイベント制御手段、
としてコンピュータを機能させる、構成を有している。
【0065】
この構成により、本発明は、対戦ゲームにおけるゲーム情勢を判断する1の要素となるゲーム空間内のキャラクタ位置の、ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に基づいて、イベントを制御することができるので、対戦ゲームにおけるゲーム情勢を勘案したイベントを発動することができる。
【0066】
特に、本発明は、例えば、
(E1)自陣領域の近傍にしかプレーヤキャラクタが存在しない場合や敵陣領域の近傍にしか対戦相手のプレーヤキャラクタ(すなわち、敵キャラクタ)が存在しない場合、
(E2)敵陣領域にプレーヤキャラクタが近づいた場合、又は、
(E3)自陣領域の近傍でプレーヤキャラクタのエネルギーが無くなった場合や敵陣領域の近傍で敵キャラクタのエネルギーが無くなった場合などの自陣領域や敵陣領域の近傍でその領域側のキャラクタが戦闘不能状態になった場合に、
プレーヤキャラクタの位置を基準にプレーヤや対戦相手が攻め込まれているか、又は、攻め込んでいるかのゲーム情勢を判断することができる。
【0067】
そして、本発明は、上述のように、一方のゲーム情勢が優勢になった場合に、起死回生の攻撃を発動し、又は、優勢なゲーム情勢をさらに勢いづけるなどの攻め込まれているプレーヤや対戦相手に有利なイベントを発動し、又は、攻め込んでいるプレーヤや対戦相手にさらに有利なイベントを発動することができる。
【0068】
したがって、本発明は、たとえ戦況が著しく悪くなった場合でも、そのままゲームの勝敗を決することなく、ゲームを継続させることができるとともに、戦況がよい状況におい
てさらに有利に状況を生み出すことができるので、当該イベントによって当該ゲーム情勢を反転させること、又は、優勢なゲーム状況をさらに勢いづけることができる。
【0069】
その結果、本発明は、ゲーム情勢を大きく変化させること、及び、ゲームの興趣性が高まる方向にゲームを誘導することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0070】
なお、「所与のパラメータ」には、例えば、プレーヤキャラクタのエネルギーが「0」になるなどの戦闘不能な状態(すなわち、対戦ゲームから退場した状態)となる毎に算出されるパラメータ、及び、プレーヤキャラクタが敵陣に近づくことによって変化するパラメータを含む。
【0071】
そして、「検出された位置に基づいて所与のパラメータを変化させる」とは、例えば、(F1)投入されたプレーヤキャラクタが戦闘不能な状態(以下、「戦闘不能状態」ともいう。)になる毎に、当該戦闘不能状態となった位置が自陣に近いほど高い値(又は低い値)となるパラメータの値を制御(積算)すること、
(F2)投入されたプレーヤキャラクタが戦闘不能状態になる毎に、当該プレーヤキャラクタが戦闘不能状態になった位置が敵陣に近いほど、低い値(又は高い値)となるパラメータの値を制御(積算)すること、及び、
(F3)プレーヤキャラクタ毎に、又は、プレーヤ毎に、当該プレーヤキャラクタの位置が敵陣に近くなるに従ってパラメータの値を制御する(すなわち、増加させる)こと、
などを含む。
【0072】
特に、このようなゲーム空間の位置に基づく所与のパラメータの変化については、プレーヤキャラクタの特定の属性や特定の種別の戦闘不能となったプレーヤキャラクタや敵陣に近づいたプレーヤキャラクタに限定してもよいし、これらのプレーヤキャラクタに限定しなくてもよい。
【0073】
上記に加えて、「イベント」とは、例えば、プレーヤの操作に基づいて、又は、自動的に、
(G1)ゲーム空間に未投入の、又は、投入可能な複数のプレーヤキャラクタ(又は敵キャラクタ)をゲーム空間に投入して既にゲーム空間に投入されているプレーヤキャラクタ(又は敵キャラクタ)に加勢すること、
(G2)エネルギーが「ゼロ」となることなどにより対戦ゲームにおいて既に戦闘不能となったプレーヤキャラクタ(又は敵キャラクタ)を復活させて再度対戦ゲームに参加させること、及び、
(G3)(G1)及び(G2)の双方、
などのゲームの戦況を変化させるイベントが含まれる。
【0074】
特に、投入可能なプレーヤキャラクタや復活されたプレーヤキャラクタは、例えば、レベルを最大にするなど戦闘能力をパワーアップさせた(例えば、最大能力やノーマルな能力の3倍など)プレーヤキャラクタであってもよいし、現在の又は戦闘不能状態になった際の能力を有するプレーヤキャラクタであってもよい。ただし、投入可能なプレーヤキャラクタや復活されたプレーヤキャラクタは、イベント終了後には、そのままゲーム空間上に存在するが、パワーアップなどは解除されたノーマルモードに戻ることが望ましい。
【0075】
(15)また、本発明は、
前記パラメータ制御手段が、
前記投入されたプレーヤキャラクタが戦闘不能になった際に前記検出されたキャラクタ位置に基づいて所与のパラメータの値を変化させる前記制御処理を実行する、構成を有
している。
【0076】
この構成により、本発明は、投入されたプレーヤキャラクタが戦闘不能になることによってプレーヤの不利な情勢となり、その場合に、所与のイベントを発動することができるので、たとえ戦況が著しく悪くなった場合でも、起死回生のイベントを発動するなど戦況が悪い方のゲーム情勢を好転させるための制御を行うことができる。
【0077】
したがって、本発明は、プレーヤの不利な情勢の場合に、そのまま一気にゲームの勝敗を決することなく、ゲームを継続させることができるので、対戦ゲームにおいて、初心者やゲームの得意でないプレーヤに対して有利となるアクセントを付けること、及び、その結果、あらゆるプレーヤに対してゲームを充実させて興趣性を向上させることができる。
【0078】
なお、戦闘不能になったプレーヤキャラクタは、全てのプレーヤキャラクタであってもよいいし、特定の属性を有するプレーヤキャラクタであってもよく、複数のプレーヤキャラクタであってもよい。
【0079】
(16)また、本発明は、
前記検出手段が、
前記投入されたプレーヤキャラクタのうち戦闘不能になったプレーヤキャラクタの前記ゲーム空間上の位置を、前記キャラクタ位置として、検出する前記検出処理を実行する、構成を有している。
【0080】
この構成により、本発明は、例えば、自陣領域近くにおいて戦闘不能になったプレーヤキャラクタが多い場合には、所与のパラメータの値を大きく変化させることができるので、自陣領域近くにおいて戦闘不能になったプレーヤキャラクタが多くなっているプレーヤが不利な情勢である場合に、ゲーム情勢を一変させるイベントを発動することができる。
【0081】
したがって、本発明は、たとえ戦況が著しく悪くなった場合でも、そのままゲームの勝敗を決することなく、ゲームを継続させることができるので、対戦ゲームにおいて、初心者やゲームの得意でないプレーヤに対して有利となるアクセントを付けること、及び、その結果、あらゆるプレーヤに対してゲームを充実させて興趣性を向上させることができる。
【0082】
(17)上記課題を解決するため、本発明は、
プレーヤキャラクタを用いてプレーヤが対戦相手との競技ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記競技ゲーム中にゲーム空間内に少なくとも1以上の前記プレーヤキャラクタを投入するキャラクタ設定手段と、
前記ゲーム空間内に設定された自陣となる自陣領域から前記対戦相手の敵陣となる敵陣領域に向かって前記設定されたプレーヤキャラクタの移動を制御する移動制御手段と、
前記競技ゲーム中に、前記設定されたプレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、前記ゲーム空間内の自陣領域及び敵陣領域の少なくともいずれか一方に対応付けて検出する検出処理を実行する検出手段と、
前記競技ゲーム中に、前記検出されたキャラクタ位置に基づいて所与のパラメータの値を変化させる制御処理を実行するパラメータ制御手段と、
前記所与のパラメータの値が所与の条件を具備した場合には、所与のイベントを発動させるイベント制御手段と、
を備える、構成を有している。
【0083】
この構成により、本発明は、競技ゲームにおけるゲーム情勢を判断する1の要素となる
ゲーム空間内のキャラクタ位置の、ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に基づいて、イベントを制御することができるので、競技ゲームにおけるゲーム情勢を勘案したイベントを発動することができる。
【0084】
したがって、本発明は、たとえ戦況が著しく悪くなった場合でも、そのままゲームの勝敗を決することなく、ゲームを継続させることができるとともに、戦況がよい状況においてさらに有利に状況を生み出すことができるので、当該イベントによって当該ゲーム情勢を反転させること、又は、優勢なゲーム状況をさらに勢いづけることができる。
【0085】
その結果、本発明は、ゲーム情勢を大きく変化させること、及び、ゲームの興趣性が高まる方向にゲームを誘導することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】一実施形態のゲームシステムの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態におけるサーバ装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。
【
図3】一実施形態における端末装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。
【
図4】一実施形態におけるイベント発動パラメータの管理及びイベント制御処理の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態におけるイベント発動パラメータに基づくイベント制御処理について説明するための図(その1)である。
【
図6】一実施形態におけるイベント発動パラメータに基づくイベント制御処理について説明するための図(その2)である。
【
図7】一実施形態のゲームの変形例を説明するための図(その1)である。
【
図8】一実施形態のゲームの変形例を説明するための図(その2)である。
【
図9】一実施形態のゲームの変形例を説明するための図(その3)である。
【
図10】一実施形態の端末装置によって実行されるイベント発動パラメータの管理を含むイベント制御処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0087】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0088】
[1]ゲームシステム
まず、
図1を用いて本実施形態のゲームシステム1の概要及び概要構成について説明する。なお、
図1は、本実施形態のゲームシステム1の構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0089】
本実施形態のゲームシステム1は、
図1に示すように、ゲームサービスを提供するサーバ装置10と、端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)とが、インターネット(ネットワークの一例)に接続可能に構成されている。
【0090】
プレーヤは、端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、インターネットを介してサーバ装置10からゲームを取得し、当該ゲームのプレーをすることができる。さらに、プレーヤは端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、他のプレーヤとの間でコミュニケーションを図りつつ、ゲームを実行することができるようになっている。
【0091】
特に、サーバ装置10は、インターネットを介して通信接続された端末装置20を用いて、プレーヤにゲームをプレーさせるサービスを提供することが可能な情報処理装置である。なお、サーバ装置10は、コミュニケーション型のサービスを提供するSNSサーバとして機能することも可能である。また、SNSサーバとは、例えば、複数のプレーヤ間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置を示す。
【0092】
また、サーバ装置10は、例えば、SNSサーバとして機能する場合には、提供するSNSの動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用して実行されるソーシャルゲーム(Social Game)をと呼ばれるゲームを提供することができるようになっている。
【0093】
具体的には、サーバ装置10は、端末装置20のWebブラウザ上で提供されるゲーム、例えばHTML、FLASH、CGI、PHP、shockwave、Java(登録商標)アプレット、JavaScript(登録商標)など様々な言語で作られたブラウザゲーム(Webブラウザで設置サイトを開くだけで起動するゲーム)を提供することができるようになっている。
【0094】
なお、ソーシャルゲームとは、既存のオンラインゲームとは違い、専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、WebブラウザとSNSのアカウントのみで利用可能なゲームが含まれる。また、サーバ装置10は、ネットワークを介して他のプレーヤの端末(スマートフォン、パソコン、ゲーム機など)と接続し、オンラインで同時に同じゲーム進行を共有することができるオンラインゲームを提供することが可能な構成を有している。
【0095】
一方、サーバ装置10は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0096】
そして、サーバ装置10の記憶領域(後述する記憶部140)に記憶される課金情報、ゲーム情報等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよいし、SNSサーバとして機能する場合には、記憶領域に記憶されるプレーヤ情報146等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよい。
【0097】
具体的には、本実施形態のサーバ装置10は、端末装置20のプレーヤ(すなわち、ゲームを実行するプレーヤ)の操作に基づく入力情報を受信し、受信した入力情報に基づいてゲーム処理を行うようになっている。
【0098】
そして、サーバ装置10は、ゲーム処理結果を端末装置20に送信する。なお、端末装置20は、サーバ装置10から受信したゲーム処理結果を端末装置20にプレーヤに閲覧可能に提供する各種の処理を行う構成を有している。
【0099】
端末装置20は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、携帯型ゲーム機等、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ装置10に接続可能な装置である。なお、端末装置20とサーバ装置10との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0100】
また、端末装置20は、Webページ(HTML形式のデータ)を閲覧可能なWebブラウザを備えている。すなわち、端末装置20は、サーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、及びサーバ装置10から受信したデータ(Webデータ、HTML形式で作成されたデータなど)を用いて表示制御を行うとともに、プレーヤ操作のデータをサー
バ装置10に送信するWebブラウザ機能などを備えている。
【0101】
例えば、端末装置20は、他のプレーヤの対戦時の他のプレーヤに関するゲーム情報など必要な情報をサーバ装置10から取得しつつ、記憶領域(後述する記憶部270)に記憶されたゲームアプリケーションに基づいてゲーム処理を実行し、また、ゲーム画面をプレーヤに提供する各種の処理を実行し、プレーヤによってゲームを実行させてもよい。
【0102】
また、例えば、端末装置20は、プレーヤ操作のデータをサーバ装置10に送信しつつ、サーバ装置10から提供されたゲーム制御情報を取得して所定のゲーム処理を実行し、ゲーム処理に基づくゲームを実行してもよい。
【0103】
特に、端末装置20は、サーバ装置10から提供されたゲーム制御情報に基づいてゲーム処理を実行する場合に、所定ゲームを行う旨の要求をサーバ装置10に対して行うと、サーバ装置10のゲームサイトに接続され、ゲームが開始される。
【0104】
そして、端末装置20は、必要に応じてAPIを用いることにより、SNSサーバとして機能するサーバ装置10に所定の処理を行わせ、又は、SNSサーバとして機能するサーバ装置10が管理するプレーヤ情報146を取得させてゲームを実行する構成を有している。
【0105】
[2]サーバ装置
次に、
図2を用いて本実施形態のサーバ装置10について説明する。なお、
図2は、本実施形態のサーバ装置10の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態のサーバ装置10は
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0106】
サーバ装置10は、管理者やその他の入力に用いるための入力部120、所定の表示を行う表示部130、所定の情報が記憶された情報記憶媒体180、端末装置20やその他と通信を行う通信部196、主に提供するゲームに関する処理を実行する処理部100、及び、主にゲームに用いる各種のデータを記憶する記憶部140を含む。
【0107】
入力部120は、システム管理者等がゲームに関する設定やその他の必要な設定、データの入力に用いるものである。例えば、本実施形態の入力部120は、マウスやキーボード等によって構成される。
【0108】
表示部130は、システム管理者用の操作画面を表示するものである。例えば、本実施形態の表示部130は、液晶ディスプレイ等によって構成される。
【0109】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などによって構成される。
【0110】
通信部196は外部(例えば、端末、他のサーバや他のネットワークシステム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0111】
記憶部140は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、RAM(VRAM)などによって構成される。なお、記憶部140に記憶される情報は、データベースで管理してもよい。
【0112】
また、本実施形態においては、記憶部140には、提供するゲームに関する情報を示すゲーム情報144、提供するゲームに関しプレーヤとしてのプレーヤに関する情報を示すプレーヤ情報146、及び、その他ゲーム演算に必要な各種の情報が記憶される。
【0113】
処理部100は、記憶部140内の主記憶部142をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0114】
処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0115】
例えば、処理部100(プロセッサ)は、情報記憶媒体に記憶されているプログラムに基づいて、サーバ装置10全体の制御を行うとともに、各部間におけるデータ等の受け渡しの制御などの各種の処理を行う。さらに、端末装置20からの要求に応じた各種サービスを提供する処理を行う。
【0116】
具体的には、本実施形態の処理部100は、通信制御部101、Web処理部102及びゲーム管理部104を少なくとも有している。
【0117】
通信制御部101は、端末装置20とネットワークを介してデータを送受信する処理を行う。すなわち、サーバ装置10は、通信制御部101によって端末装置20等から受信した情報に基づいて各種処理を行う。
【0118】
特に、本実施形態の通信制御部101は、プレーヤの端末装置20からの要求に基づいて、ゲーム画面に関する情報やゲーム制御情報を、当該プレーヤの端末装置20に送信する処理を行う。
【0119】
Web処理部102は、Webサーバとして機能する。例えば、Web処理部102は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルを通じて、端末装置20にインストールされているWebブラウザの要求に応じてデータを送信する処理、及び、端末装置20のWebブラウザによって送信されるデータを受信する処理を行う。
【0120】
なお、本実施形態では、サーバ装置10がSNSサーバとしての機能も備えていている場合を例にとり説明するが、サーバ装置10を、ゲーム用のサーバと、SNS用のサーバと別々に形成してもよい。また、本実施形態のゲームの処理は、サーバ装置10が一部又は全部を行ってもよいし、端末装置20が一部を行ってもよい。
【0121】
ゲーム管理部104は、端末装置20と連動し、当該端末装置20を介して入力されたプレーヤの操作に基づいて、各プレーヤにおいてロールプレーイングゲーム(RPG)や競技ゲームなどの各種のゲームに関するゲーム処理を実行するとともに、各プレーヤのゲームの進行状況やアイテム管理などの各プレーヤにおいて使用するキャラクタ(後述するユニット)及び各種のアイテムを含むプレーヤ情報146を管理する。
【0122】
[3]端末装置
次に、
図3を用いて本実施形態の端末装置20について説明する。なお、
図3は、本実施形態における端末装置20の構成を示す機能ブロック図の一例である。また、本実施形態の端末装置20は
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0123】
入力部260は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、マウスなどのポインティングデバイス、又は、タッチパネルやタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
【0124】
すなわち、入力部260は、画像が表示される画面上における2次元の指示位置座標(x,y)を検出可能な検出部262を備えている。例えば、入力部260は、タッチパネルを用いる場合には、接触検出領域(タッチパネル)における、2次元の接触位置座標(x,y)を検出可能な検出部262を備えている。
【0125】
なお、本実施形態において、接触位置は、プレーヤの接触操作(直接的な接触及びポインティングデバイスによる間接的な接触も含む)により、接触検出領域から得られる位置情報である。
【0126】
特に、本実施形態のプレーヤの接触操作には、ユーザの指によるタッチパネル上への直接的なタッチ操作又はスライド操作、及び、ポインティングデバイスなどのデバイスを介して実行される間接的なタッチパネル上へのタッチ操作又はスライド操作の他に、タッチパネルに直接的及び間接的にタッチ操作又はスライド操作をせずに、タッチパネル上への擬似的なタッチ操作又はスライド操作も含まれる。
【0127】
例えば、擬似的なタッチ操作又はスライド操作とは、
(1)赤外線などの光ビームをタッチパネル面と平行に当該タッチパネル面に近接した位置で照射し、当該タッチパネルの一端部に縦横方向に一定間隔に形成される複数の照射部と、各照射部と対を構成し、当該各照射部に対向するタッチパネルの他端部に設けられ、各照射された光ビームをそれぞれ受信する複数のセンサとによって、タッチパネルに接触又は近接した際に光ビームが遮断された縦横の座標を検出し、当該検出した座標に基づいて認識するタッチ操作又はスライド操作、及び、
(2)タッチパネルの表示面を撮像するカメラを設け、当該カメラによってユーザがタッチパネルに接触又は近接した位置座標を検出し、当該検出した位置座標に基づいて認識するタッチ操作又はスライド操作、
などタッチパネルに実際に接触することによって又は近接させて検出することによって認識するタッチ操作又はスライド操作を含む。
【0128】
また、この場合には、本実施形態では、表示画面(ディスプレイ)12が、液晶ディスプレイと、プレーヤ(操作者、ユーザ)の接触位置を検出するためのタッチパネルとが積層されたタッチパネル型ディスプレイとなっている。すなわち、本実施形態では、表示画面12が入力部260として機能するとともに表示部290としても機能する。
【0129】
ただし、入力部260は、指示位置以外の操作情報(操作信号)を入力可能なボタンやレバー、キーボード、ステアリング、マイク、加速度センサなどを備えていてもよい。
【0130】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部270は、ワーク領域として使用される主記憶部271と、最終的な表示画像等が記憶される画像バッファ272と、提供するゲームに関しプレーヤに関する情報を示すプレーヤ情報を記憶するプレーヤ情報記憶部273と、テーブルデータなどのゲームを実行する上で必要な各種のデータを記憶するゲームデータ記憶部274と、を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよいし、サーバ装置10の記憶部140がその一部を構成してもよい。
【0131】
プレーヤ情報記憶部273には、プレーヤが所有するプレーヤキャラクタの情報(アイ
テムの情報を含む。)、競技ゲームにおいてプレーヤの攻撃の核となる拠点に関する情報(パラメータ)、ゲームの実行中におけるプレーヤの各種のパラメータ(ゲームレベルや経験値など)、及び、プレーヤに関する情報(ID、パス及びゲーム開始時期など)を示すユーザ情報が記憶される。
【0132】
ゲームデータ記憶部274には、提供するゲームに関する情報を示すゲーム情報、プレーヤキャラクタの情報(アイテムの情報を含む)、プレーヤに属する拠点及び拠点領域に関する情報(プレーヤに属する他の拠点とのゲーム空間内における相対的な位置情報、すなわち、フォーメーション情報)、及び、所定のテーブルデータを含むその他のゲーム演算に必要な各種の情報が記憶される。
【0133】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0134】
また、情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。なお、処理部200は、後述するように、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
【0135】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0136】
なお、本実施形態では表示部290は、タッチパネルディスプレイを用いる場合には、プレーヤがゲーム操作を行う入力部260としても機能する。なお、本実施形態のタッチパネルディスプレイとしては、例えば抵抗膜方式(4線式、5線式)、静電容量方式、電磁誘導方式、超音波表面弾性波方式、赤外線走査方式などのタッチパネルを用いることができる。
【0137】
音出力部292は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0138】
通信部296は、外部(例えばホスト装置や他の端末装置)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0139】
なお、端末装置20は、サーバ装置10が有する情報記憶媒体や記憶部270に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体280や記憶部270に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信して端末装置20を機能させる場合も本発明の範囲内に含めることができる。
【0140】
処理部200(プロセッサ)は、入力部260からの入力データやプログラムなどに基づいて、サーバ装置10から提供されたプログラムに従って、又は、当該サーバ装置10と連動して、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。
【0141】
特に、本実施形態においては、ゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、競技ゲームなどの各種のゲームを進行させる処理、プレーヤキ
ャラクタや敵キャラクタ又は拠点や拠点領域をなどのゲームに用いられる各種のオブジェクトの配置や領域を設定する処理、各種のオブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などが含まれる。
【0142】
また、処理部200は、記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0143】
特に、本実施形態の処理部200は、オブジェクト空間設定部210、操作検出処理部211、表示制御部212、移動処理部213、キャラクタ位置検出処理部214、ゲーム処理部215、仮想カメラ制御部216、パラメータ制御部217、描画部220、及び、音処理部230を含む。また、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0144】
なお、例えば、本実施形態の移動処理部213は、本発明の移動制御手段を構成し、キャラクタ位置検出処理部214は、検出手段を構成し、本実施形態のゲーム処理部215は、本発明のキャラクタ設定手段、イベント制御手段及び管理手段を構成する。また、例えば、本実施形態のパラメータ制御部217は、本発明のパラメータ制御手段を構成する。
【0145】
オブジェクト空間設定部210は、オブジェクト、移動経路、建物、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(スプライト、ビルボード、ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間(すなわち、ゲーム空間)に配置設定する処理を行う。
【0146】
具体的にはオブジェクト空間設定部210は、オブジェクト(モデルオブジェクト)の位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y)或いは(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y軸回りでの回転角度)或いは(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0147】
なお、オブジェクト空間とは、いわゆる仮想2次元空間、仮想3次元空間の両方を含む。2次元空間とは、例えば2次元座標(X,Y)においてオブジェクトが配置される空間であり、3次元空間とは、例えば3次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。
【0148】
そして、オブジェクト空間を2次元空間とした場合には、複数のオブジェクトそれぞれについて設定された優先順位に基づいてオブジェクトを配置する。例えば、奥側にあるように見せたいオブジェクト(スプライト)から順にオブジェクトを配置し、手前側にあるように見せたいオブジェクトを重ねて配置する処理を行うことができる。
【0149】
また、描画サイズが大きなオブジェクトを画像の下方に配置し、描画サイズが小さなオブジェクトを画像の上方に配置すれば、画面の上方に対応するオブジェクト空間が奥側にあるように見せることができ、画面の下方に対応するオブジェクト空間が手前側にあるように見せることができる。
【0150】
一方、オブジェクト空間を3次元空間とした場合には、ワールド座標系にオブジェクトを配置する。
【0151】
操作検出処理部211は、プレーヤが入力部260から入力した入力情報の認識処理を行う。具体的には、本実施形態の操作検出処理部211は、入力部260によって入力さ
れた指示位置(具体的には、表示画面上の座標位置)を取得する。
【0152】
例えば、操作検出処理部211は、タッチパネル上のタッチ操作を検出する場合には、プレーヤの接触操作(すなわち、タッチ操作)を検出する接触検出領域(タッチパネル)における接触位置(2次元の接触位置座標)を指示位置として取得する。
【0153】
すなわち、操作検出処理部211は、プレーヤが指でタッチパネルにタッチ(以下、「タッチ操作入力」という。)し、そのまま指を移動して最後にタッチパネルから離す操作(以下、「スライド操作」という。)を行う期間に相当する接触操作期間中(スライド操作期間中)における接触位置(検出位置)を取得する。
【0154】
特に、操作検出処理部211は、タッチパネル上のタッチ操作を検出する場合には、
(1)画面へのタッチ操作入力されていない状態(以下、「無接触状態」という。)からタッチ操作入力された状態(以下、「接触状態」という。)への第1の変化(以下、「状態変化」という。)を検出するとともに、当該状態変化が実行された検出位置(以下、「第1検出位置」ともいう。)を検出する第1の検出処理、
(2)第1の変化の検出後であって当該第1の変化を検出した際(すなわち、無接触状態から接触状態に状態変化した際)のタッチ操作入力が継続されて(すなわち、接触状態が継続されて)スライド操作による入力(以下、「スライド操作入力」という。)が実行されている場合に、当該スライド操作入力の変化(すなわち、検出位置の変化)を第2の変化として検出するとともに、当該状態変化が実行された検出位置(以下、「第2検出位置」ともいう。)を検出する第2の検出処理、及び、
(3)スライド操作入力中に、画面へのタッチ操作入力がされていない状態(すなわち、スライド操作入力が終了して無接触状態となった場合)を検出する第3の検出処理、
を実行する。
【0155】
なお、操作検出処理部211は、ディスプレイ12上のタッチ操作を検出する場合には、所定の周期毎に入力された指示位置を取得する。具体的には、所定の周期とはフレーム毎、例えば、1/60秒~1/120秒程度とすることができる。
【0156】
表示制御部212は、ディスプレイ12上に、プレーヤの指示が可視化された操作入力オブジェクトを含むゲームに関する画像を表示する。
【0157】
移動処理部213は、オブジェクト空間内における移動体オブジェクト(特に、プレーヤキャラクタや敵キャラクタなどのキャラクタオブジェクト)等の操作対象のキャラクタオブジェクトの移動演算を行う。
【0158】
すなわち、移動処理部213は、入力部260によりプレーヤが入力した入力データ又はプログラム(移動アルゴリズム)や各種データ(モーションデータ)などに基づいて、移動体オブジェクトをオブジェクト空間内で移動させ、又は、移動体オブジェクトの動作(モーション、アニメーション)を制御するための処理を行う。
【0159】
特に、移動処理部213は、例えば、自陣の領域(以下、「自陣領域」ともいう。)と敵陣の領域(以下、「敵陣領域」ともいう。)とがゲーム空間内に設定され、複数のプレーヤキャラクタから構成されるチームと複数の敵キャラクタから構成されるチームとを対戦させる競技ゲームにおいては、プレーヤの操作に従って又はプログラムに従ってプレーヤキャラクタ及び敵キャラクタを競技に沿って移動させる移動制御を実行する。
【0160】
また、本実施形態の移動処理部213は、オブジェクトの移動情報(移動方向、移動量、移動速度、位置、回転角度、或いは加速度)や動作情報(各パーツオブジェクトの位置
、或いは回転角度)を、1フレーム毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。ここでフレームとは、オブジェクトの移動処理、動作処理(シミュレーション処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。そして、本実施形態では、フレームレートは、固定としてもよいし、処理負荷に応じて可変としてもよい。
【0161】
なお、移動処理部213は、3次元のオブジェクト空間において入力方向に基づいてオブジェクトを移動させる処理を行ってもよい。例えば、予め、入力方向毎に移動方向を対応づけ、入力方向に対応する移動方向にオブジェクトを移動させる。
【0162】
また、移動処理部213は、独立して実行してもよいし、サーバ装置10と連動して実行してもよく、サーバ装置10と連動する場合には、その一部又は全部がサーバ装置10に形成されていてもよい。
【0163】
キャラクタ位置検出処理部214は、ゲーム中に、それぞれのプレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、ゲーム空間内の自陣領域及び敵陣領域の少なくとも一方に対応付けて検出する検出処理を実行する構成を有している。
【0164】
なお、キャラクタ位置検出処理部214は、独立して実行してもよいし、サーバ装置10と連動して実行してもよく、サーバ装置10と連動する場合には、その一部又は全部がサーバ装置10に形成されていてもよい。
【0165】
ゲーム処理部215は、入力部260を介して入力されたプレーヤの操作に基づいて、各プレーヤにおいて競技ゲーム等のゲームに使用するプレーヤキャラクタ及び各種のアイテムを、ゲーム中に使用可能なプレーヤキャラクタとして登録するためのデッキに設定し、当該デッキに設定した情報をデッキ情報としてプレーヤ情報記憶部に273に登録する。
【0166】
また、ゲーム処理部215は、ゲームの実行に関する各種のプレーヤに属するデータをプレーヤ情報記憶部273に登録する。
【0167】
そして、ゲーム処理部215は、種々のゲーム演算処理を行う。例えば、ゲーム処理部215は、プレーヤの指示に基づいてゲームに使用される複数のプレーヤキャラクタを用いてゲームを進行させるための各処理を実行する。
【0168】
特に、ゲーム処理部215は、マップなどに基づくオブジェクト空間の形成、ゲームに用いるプレーヤキャラクタのデッキへの設定、プレーヤキャラクタのゲーム空間への投入、イベントの発動制御、プレーヤキャラクタと敵キャラクタやその他のオブジェクトとの対戦、シミュレーションゲームにおけるゲームの進行、及び、当該対戦時のパラメータ管理などのゲームを実行する上で必要な演算処理を行う。
【0169】
なお、ゲーム処理部215は、独立して実行してもよいし、サーバ装置10と連動して実行してもよく、サーバ装置10と連動する場合には、その一部又は全部がサーバ装置10に形成されていてもよい。
【0170】
仮想カメラ制御部216は、所与の視点から見える画像であって、奥行きがあるように見える画像を生成する。この場合に、仮想カメラ制御部216が、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置や視線方向を制御する処理)を行う。
【0171】
例えば、仮想カメラによりオブジェクト(例えば、キャラクタ、ボール、車)を後方から撮影する場合には、オブジェクトの位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度(仮想カメラの向き)を制御する。
【0172】
この場合には、移動処理部213で得られたオブジェクトの位置、回転角度又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよい。また、この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)又は回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。
【0173】
なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラについて上記の制御処理が行われる。
【0174】
また、仮想カメラ制御部216は、サーバ装置10と連動して実行してもよく、サーバ装置10と連動する場合には、その一部又は全部がサーバ装置10に形成されていてもよい。
【0175】
パラメータ制御部217は、ゲーム中に、検出されたゲーム空間内のプレーヤキャラクタの位置(すなわち、キャラクタ位置)に基づいて、所与のイベントの発動の可否を判定するためのパラメータの値を変化させる制御処理を実行する。
【0176】
特に、本実施形態のパラメータ制御部217は、ゲーム空間に設定されたプレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置(すなわち、キャラクタ位置)に基づいて変動するパラメータであって、デッキに設定されたプレーヤキャラクタや既に所与の状態となったプレーヤキャラクタをゲームに使用(再使用)する際に、すなわち、ゲーム空間内に設定する際に、消費するパラメータ(以下、「行動用パラメータ」という。)を管理する。
【0177】
描画部220は、処理部200で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部(ディスプレイ)290に出力する。描画部220が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、いわゆる3次元画像であってもよい。特に、描画部220は、オブジェクト空間における仮想カメラから見える画像であって、画面上に表示する画像を生成する。
【0178】
ここで2次元画像を生成する場合には、描画部220は、設定された優先度が低いオブジェクトから順に描画して、オブジェクト同士が重なる場合には、優先度の高いオブジェクトを上書きして描画する。
【0179】
また、3次元画像を生成する場合には、本実施形態の描画部220は、まずオブジェクト(モデル)の各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含むオブジェクトデータ(モデルデータ)が入力され、入力されたオブジェクトデータに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理が行われる。なお、頂点処理を行うに際して、必要に応じてポリゴンを再分割するための頂点生成処理(テッセレーション、曲面分割、ポリゴン分割)を行うようにしてもよい。
【0180】
また、頂点処理では、頂点の移動処理や、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、あるいは、透視変換等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、オブジェクトを構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そして、ラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画
するピクセル処理(フラグメント処理)が行われる(光源処理などを含む)。
【0181】
ピクセル処理では、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を画像バッファ272(フレームバッファ、ピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM、レンダリングターゲット)に出力(描画)する。すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。
【0182】
これにより、オブジェクト空間内に設定された仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラから見える画像を分割画像として1画面に表示できるように画像を生成することができる。
【0183】
なお、描画部220が行う頂点処理やピクセル処理は、シェーディング言語によって記述されたシェーダプログラムによって、ポリゴン(プリミティブ)の描画処理をプログラム可能にするハードウェア、いわゆるプログラマブルシェーダ(頂点シェーダやピクセルシェーダ)により実現されてもよい。プログラマブルシェーダでは、頂点単位の処理やピクセル単位の処理がプログラム可能になることで描画処理内容の自由度が高く、ハードウェアによる固定的な描画処理に比べて表現力を大幅に向上させることができる。
【0184】
そして、描画部220は、オブジェクトを描画する際に、ジオメトリ処理、テクスチャマッピング、隠面消去処理、αブレンディング等を行う。
【0185】
ジオメトリ処理では、オブジェクトに対して、座標変換、クリッピング処理、透視投影変換、或いは光源計算等の処理を行う。そして、ジオメトリ処理後(透視投影変換後)のオブジェクトデータ(オブジェクトの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ(輝度データ)、法線ベクトル、或いはα値等)を記憶部270に記憶する。
【0186】
テクスチャマッピングでは、記憶部270のテクスチャ記憶部に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をオブジェクトにマッピングする処理を行う。具体的には、オブジェクトの頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いて記憶部270のテクスチャ記憶部からテクスチャ(色(RGB)、α値などの表面プロパティ)を読み出し、2次元の画像であるテクスチャをオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理や、テクセルの補間としてバイリニア補間などを行う。
【0187】
なお、本実施形態では、オブジェクトを描画する際に、所与のテクスチャをマッピングする処理を行うようにしてもよい。この場合には、マッピングされるテクスチャの色分布(テクセルパターン)を動的に変化させることができる。
【0188】
また、この場合において、色分布(ピクセルパターン)が異なるテクスチャを動的に生成してもよいし、複数の色分布が異なるテクスチャを予め用意しておき、使用するテクスチャを動的に切り替えるようにしてもよい。またオブジェクト単位でテクスチャの色分布を変化させてもよい。
【0189】
隠面消去処理では、描画ピクセルのZ値(奥行き情報)が格納されるZバッファ(奥行きバッファ)を用いたZバッファ法(奥行き比較法、Zテスト)による隠面消去処理を行う。すなわち、オブジェクトのプリミティブに対応する描画ピクセルを描画する際に、Zバッファに格納されるZ値を参照するとともに、当該参照されたZバッファのZ値と、プリミティブの描画ピクセルでのZ値とを比較し、描画ピクセルでのZ値が、仮想カメラか
ら見て手前側となるZ値(例えば小さなZ値)である場合には、その描画ピクセルの描画処理を行うとともにZバッファのZ値を新たなZ値に更新する。
【0190】
αブレンディング(α合成)では、描画部220は、α値(A値)に基づく半透明合成処理(通常αブレンディング、加算αブレンディング又は減算αブレンディング等)を行う。なお、α値は、各ピクセル(テクセル、ドット)に関連づけて記憶できる情報であり、例えば色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マスク情報、半透明度(透明度、不透明度と等価)、バンプ情報などとして使用できる。
【0191】
特に、本実施形態での描画部220は、接触検出領域に対応する表示領域に表示させる画像を生成してもよい。表示領域に表示させる画像とは、例えばオブジェクトを含む画像でもよい。
【0192】
音処理部230は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部292に出力する。
【0193】
なお、本実施形態の端末装置20は、1人のプレーヤのみがプレーできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、複数のプレーヤがプレーできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。
【0194】
また、複数のプレーヤがプレーする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末装置20を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末装置20又はサーバ装置10を用いて分散処理により生成してもよい。
【0195】
[4]本実施形態の手法
[4.1]概要
次に、
図4を用いて本実施形態の手法の概要について説明する。なお、
図4は、本実施形態におけるイベント発動パラメータの管理及びイベント制御処理の一例を示す図である。
【0196】
本実施形態の端末装置20は、複数のプレーヤ間によって対戦する競技ゲームであって、プレーヤ毎に複数のプレーヤキャラクタをゲーム空間内に設定させ、設定したプレーヤキャラクタを含む複数のプレーヤキャラクタから構成されるチーム(自チーム)と、複数の敵キャラクタによって構成されるチーム(敵チーム)との対戦を実行し、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなどの各種の球技ゲーム(競技ゲーム)を実行する構成を有している。
【0197】
具体的に、端末装置20は、
(A1)プレーヤの操作やゲーム処理上の予め定められた指示に基づいて、競技ゲーム中にゲーム空間内に少なくとも1以上のプレーヤキャラクタを設定し、
(A2)ゲーム空間内に設定された自陣となる自陣領域から対戦相手の敵陣となる敵陣領域を設定しつつ、当該設定されたプレーヤキャラクタを含む各プレーヤキャラクタの各領域の移動を制御し、
(A3)競技ゲーム中に、各プレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に応じて検出する検出処理を実行し、
(A4)競技ゲーム中に、検出されたキャラクタ位置に基づいて所与のパラメータ(すなわち、イベント発動パラメータ)の値を変化させる制御処理を実行し、
(A5)イベント発動パラメータの値が所与の条件を具備した場合には、所与のイベント
を発動させる、
競技ゲームを実行する構成を有している。
【0198】
特に、本実施形態においては、イベント発動パラメータは、例えば、競技ゲーム中において、反則や怪我、それらに基づく退場、捕球(キャッチ)の失敗、シュートミスなどの所与の状態となる毎に算出されるパラメータであって、プレーヤキャラクタや競技に用いるボールが自陣やそのゴール又は敵陣やそのゴールに近づくことによって変化するパラメータである。
【0199】
また、端末装置20は、ゲームを実行しているプレーヤキャラクタが所与の状態になった際に検出されたキャラクタ位置(当該プレーヤキャラクタが扱うボールを含む。)に基づいてイベント発動パラメータの値を変化させる制御処理を実行し、又は、当該キャラクタ位置として、当該所与の状態になったプレーヤキャラクタのゲーム空間上の位置を検出する検出処理を実行し、イベント発動パラメータに基づいて所与のイベント(具体的には、バーストモードイベント)の発動制御をする制御処理(以下、「イベント制御処理」という。)を実行する構成を有している。
【0200】
そして、端末装置20は、属性に無関係のプレーヤキャラクタが所与の状態になった場合に、又は、特定の種別や能力などの予め定められ属性(例えば、キャプテン、フォワード、有力選手(設定された年俸が高い選手や在籍が長い選手)、レギュラー選手など属性)を有しているプレーヤキャラクタが所与の状態になった場合に、検出処理、制御処理及びイベント制御処理を実行する構成を有している。
【0201】
例えば、自陣領域とそのゴール及び敵陣領域とそのゴールがゲーム画面70の左右に形成される場合であって、ゲーム情勢が不利な場合に起死回生のイベント(以下、「バーストモードイベント」という。)を実行する場合に、端末装置20は、
図4(A)に示すように、自陣領域61内で所与の状態(例えば、パスカット捕球失敗)になる味方のプレーヤキャラクタを検出すると(すなわち、味方のプレーヤキャラクタが所与の状態になった位置が自陣領域内であると検出した場合には)、イベント発動パラメータ(すなわち、ゲージ72)の値を増加させる。
【0202】
そして、端末装置20は、イベント発動パラメータの値が所定の条件(具体的には、ゲージ72が最大になったこと)を具備したと判定すると、
図4(B)に示すように、
(B1)プレーヤキャラクタの攻撃能力(キック飛距離・威力・キック精度)、守備能力(捕球能力、奪球能力)、若しくは、スタミナ(エネルギー)が一時的にアップすること、
(B2)プレーヤキャラクタがスローモーション的な動きとなること、又は、
(B3)ガチャを含み、球技ゲームなどにおいて有利となるミニゲームを実行すること
を実行するバーストモードイベントを発動する構成を有している。
【0203】
なお、
図4(B)は、バーストモードイベントとして、所定の期間(例えば、3分間)すべてのプレーヤキャラクタの捕球能力が「5」になったことを示している。
【0204】
このような構成を有することによって、本実施形態においては、競技ゲームにおけるゲーム情勢を判断する1の要素となるゲーム空間内のキャラクタ位置と、ゲーム空間内の自陣領域やそのゴール又は敵陣領域やそのゴールとの位置関係に基づいて、イベントを制御することができるので、競技ゲームにおけるゲーム情勢を勘案したイベントを発動することができるようになっている。
【0205】
特に、本実施形態においては、例えば、
(C1)自陣領域やそのゴール(すなわち、自ゴール)の近傍にしかプレーヤキャラクタ
が存在しない場合や敵陣領域やそのゴールの近傍にしか対戦相手のプレーヤキャラクタ(すなわち、敵キャラクタ)が存在しない場合に、
(C2)敵陣領域やそのゴールにプレーヤキャラクタが近づいた場合に、又は、
(C3)自陣領域やそのゴールの近傍でプレーヤキャラクタ、もしくは、敵陣領域やそのゴールの近傍でその領域側のキャラクタが所与の状態(例えば、退場処分や警告の対象、反則の実施、怪我の発生、捕球の失敗、インターセプトの成功、ゴール、シュートミス、クリアミスなどの動作状態や動作の結果生じた状態)になった場合に
にプレーヤキャラクタの位置を基準にプレーヤや対戦相手が優位か否かをなどのゲーム情勢を判断することができるようになっている。
【0206】
そして、本実施形態においては、上述のように、一方のゲーム情勢が優勢になった場合に、起死回生の攻撃を発動し、又は、優勢なゲーム情勢をさらに勢いづけるなどの攻め込まれているプレーヤや対戦相手に有利なイベントを発動し、又は、攻め込んでいるプレーヤや対戦相手にさらに有利なイベントを発動することができるようになっている。
【0207】
したがって、本実施形態においては、たとえ戦況が著しく悪くなった場合でも、そのままゲームの勝敗を決することなく、ゲームを継続させることができるとともに、戦況がよい状況においてさらに有利に状況を生み出すことができるので、当該イベントによって当該ゲーム情勢を反転させること、又は、優勢なゲーム状況をさらに勢いづけることができるようになっている。
【0208】
その結果、本実施形態においては、ゲーム情勢を大きく変化させること、及び、ゲームの興趣性が高まる方向にゲームを誘導することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができるようになっている。
【0209】
なお、本実施形態においては、「複数のプレーヤ」には、コンピュータを含むとともに、プレーヤキャラクタには、ノンプレーヤキャラクタも含む。
【0210】
また、「自陣領域」又は「敵陣領域」とは、例えば、ゲーム空間内に形成される競技ゲームの陣地(城などの建物オブジェクトも含む。)、球技上において形成される各領域を示し、各領域はゲーム中に移動してもよい。
【0211】
特に、自陣領域及び敵陣領域やそれらのゴール位置は、上述のように、画面の左右(この場合には、プレーヤキャラクタは左右方向に移動する)に限られず、画面の上下(この場合には、プレーヤキャラクタは上下方向に移動する)などであってもよいし、他の領域があってもよい。ただし、防衛ラインの到達によるゲームの勝敗を確定する関係上、画面の対向する位置に形成されることが好ましいが、画面の対向する位置に形成されていない場合であっても本実施形態の競技ゲームを実現することが可能である。
【0212】
ただし、以下の説明においては、後述の変形例を除き、画面の左右に自陣領域及び敵陣領域とそれらの各ゴールを配置した場合を用いて説明する。
【0213】
[4.2]競技ゲーム
次に、本実施形態における競技ゲームについて説明する。なお、例えば、表示部290に表示されるゲーム画面(自陣領域及び敵陣領域とそれらのゴールの位置がゲーム画面の左右に形成される場合)の例を用いて説明する。
【0214】
本実施形態の競技ゲームは、プレーヤ毎に、プレーヤキャラクタをゲーム空間内に配置(すなわち、設定)し、敵キャラクタとボールを争奪しつつ、所定のパラメータ(例えば、プレーヤキャラクタのエネルギー・能力・動作に関するパラメータ)を有する敵となる
プレーヤの陣地61に形成されたゴールラインにボールをトライし、又は、当該ゴールライン上に形成されたゴールポストの所定の位置にボールを蹴り込む球技ゲーム(すなわち、ラグビーゲーム)である。
【0215】
特に、本実施形態のラグビーゲームは、ゲームの開始前に、プレーヤの操作に基づいて、プレーヤが所有するプレーヤキャラクタの中から、ゲームに設定する複数(例えば、7人制ラグビーの場合には交代要員含めて15人)のプレーヤキャラクタ(すなわち、指定プレーヤキャラクタ候補)をデッキに設定するようになっている。
【0216】
そして、本実施形態の競技ゲームは、例えば、7人制のラグビーの場合に、ゲームの実行中に、デッキに設定された指定プレーヤキャラクタ候補の中から、7人の指定プレーヤキャラクタ候補をプレーヤに指定させ、当該指定させた指定プレーヤキャラクタ候補をプレーヤキャラクタ50としてゲーム空間に設定する。
【0217】
そして、設定されたプレーヤキャラクタは、敵キャラクタとラグビーボールを争奪しつつ、敵陣領域のゴールに当該ラグビーボールをトライするようになっている。
【0218】
一方、本実施形態の競技ゲームにおいては、自陣領域から敵陣領域までパス交換を繰り返して又は単独でプレーヤキャラクタがラグビーボールを保持したまま移動している際に、ボールを保持しているプレーヤキャラクタの属性や競技ゲームの経過時間によって変化する行動用パラメータが管理される。
【0219】
そして、本実施形態の競技ゲームは、行動用パラメータの値が十分でないと、例えば、制度の高いパス・シュート・タックルやトライなどのプレーヤキャラクタの所定の動作を設定することができない仕様を有している。
【0220】
このため、本実施形態の競技ゲームは、操作対象となるプレーヤキャラクタの種別、ボールの運び方、又は、設定されるプレーヤキャラクタの種別が重要になるので、プレーヤによる高度な戦略眼が必要となり、当該ゲームの興趣性を向上させることができるようになっている。
【0221】
他方、本実施形態の競技ゲームは、競技ゲーム中、プレーヤ毎にイベント発動パラメータを管理し、当該イベント発動パラメータの値に応じて、バーストモードイベントを発動する。
【0222】
特に、競技ゲームは、バーストモードイベントとして、例えば、プレーヤの操作に基づいて、又は、自動的に、
(C1)プレーヤキャラクタの攻撃能力(キック飛距離・威力、キック精度)、守備能力(
捕球能力、奪球能力)、若しくは、スタミナ(エネルギー)が一時的にアップすること、
(C2)プレーヤキャラクタがスローモーション的な動きとなること、又は、
(C3)ガチャを含み、球技ゲームにおいて有利となるミニゲームを実行すること
など、各種のイベントが含まれる。
【0223】
[4.3]イベント発動パラメータの管理及びイベント制御処理
次に、
図5及び
図6を用いて本実施形態におけるイベント発動パラメータの管理及び当該イベント発動パラメータに基づくイベント制御処理について説明する。
【0224】
なお、
図5及び
図6は、本実施形態におけるイベント発動パラメータに基づくイベント制御処理について説明するための図である。
【0225】
端末装置20は、
(1)競技ゲーム中に、設定された各プレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、ゲーム空間内の自陣領域、敵陣領域、及び、これらのゴール位置の中から少なくともいずれか一に対応付けて検出する検出処理を実行し、
(2)検出した各キャラクタ位置に基づいて順次変化する(具体的には順次積算される)イベント発動パラメータの値の変化を制御する制御処理を実行してイベント発動パラメータの管理をし、
(3)管理されているイベント発動パラメータの値に基づいてイベントを制御するイベント制御処理を、
実行する。
【0226】
(検出処理)
キャラクタ位置検出処理部214は、競技ゲーム中に、設定されたプレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、ゲーム空間内の自陣領域、敵陣領域、及び、これらのゴール位置の中から少なくともいずれか一方に対応付けて検出する検出処理を実行する。
【0227】
特に、キャラクタ位置検出処理部214は、競技ゲーム中に、所定の属性を有するプレーヤキャラクタが所与の状態になった場合に、当該プレーヤキャラクタが所与の状態になったゲーム空間上の位置を、キャラクタ位置として、検出する。
【0228】
そして、キャラクタ位置検出処理部214は、プレーヤキャラクタが所与の状態になったゲーム空間上の位置を、自陣領域、敵陣領域、及び、これらのゴール位置の中心やゲーム空間において自陣領域の敵陣領域側の端部や敵陣領域の自陣領域側の端部から距離に対応付けて検出する。
【0229】
具体的には、ゲーム空間上の自陣領域及び敵陣領域の間が少なくとも1以上の領域に区分されており、本実施形態のキャラクタ位置検出処理部214は、検出したキャラクタ位置がどの領域に属するかを含めて検出する。
【0230】
例えば、
図5(A)に示すように、自陣領域及び敵陣領域とそれらのゴールとがゲーム画面の左右に形成される場合において、自陣領域及び敵陣領域と、区分された領域(以下、「中立領域」という。)と、の3つの領域に区分されている場合を想定する。
【0231】
この場合においては、キャラクタ位置検出処理部214は、プレーヤキャラクタが所与の状態になったゲーム空間上の座標位置(X座標及びY座標)を検出し、当該検出した座標位置が自陣領域、敵陣領域又は中立領域の3つの領域のうち、どの領域に存在するかを検出する。
【0232】
特に、キャラクタ位置検出処理部214は、
図5(B)の場合には、プレーヤキャラクタが所与の状態(捕球ミス)になった位置として、座標位置(X1,Y1)を検出し、かつ、当該検出した座標位置(X1,Y1)が自陣領域に存在することを検出する。
【0233】
なお、本実施形態においては、キャラクタ位置検出処理部214は、FWやキャプテンなどの予め定められた種別に属するプレーヤキャラクタ、シュート能力においで高度な能力を有するプレーヤキャラクタ、所定のレベルに達しているプレーヤキャラクタ、又は、所定のレア度(所定のレア度以上)のプレーヤキャラクタなど予め定められ属性を有しているプレーヤキャラクタについて、所与の状態になった位置を検出するようにしてもよい。
【0234】
(イベント発動パラメータの管理)
パラメータ制御部217は、競技ゲーム中に、プレーヤ毎に、設定されたプレーヤキャラクタが所与の状態になる毎に、当該所与の状態となった位置が自陣に近いほど高い値(又は低い値)となるパラメータ(以下、「キャラクタ状態パラメータ」ともいう。)の値を算出し、当該算出したイベンパラメータを積算してイベント発動パラメータを管理する。
【0235】
特に、パラメータ制御部217は、キャラクタ位置の検出の対象となったプレーヤキャラクタの属性(種別、能力及び特性)、検出されたキャラクタ位置が属する領域、又は、その双方に基づいて、各プレーヤキャラクタにおけるキャラクタ状態パラメータの値を算出する。
【0236】
具体的には、プレーヤキャラクタの属性とキャラクタ状態パラメータの値が設定されたテーブルデータ(以下、「パラメータテーブルデータ」という。)が記憶部270に記憶されている。
【0237】
そして、本実施形態のパラメータ制御部217は、例えば、所与の状態になったプレーヤキャラクタなどのキャラクタ位置が検出される毎に、当該パラメータテーブルデータに基づいて、当該検出の対象となったプレーヤキャラクタの属性に対応づけて登録されているパラメータの値を読み出す。
【0238】
また、検出されたキャラクタ位置が属する自陣領域、敵陣領域及び区分領域に対応付けて係数(以下、「パラメータ演算係数」という。)が設定されたテーブルデータ(以下、「演算係数テーブルデータ」という。)が記憶部270に記憶されている。
【0239】
そして、パラメータ制御部217は、検出されたキャラクタ位置が属する領域と演算係数テーブルデータに基づいて、パラメータ演算係数を特定し、上記の読み出したパラメータの値に特定したパラメータ演算係数を乗算して算出結果を得る。
【0240】
さらに、パラメータ制御部217は、算出結果を順次加算し、算出されたパラメータをイベント発動パラメータとして管理する。
【0241】
例えば、キャプテンのパラメータの値が「5」及びそれ以外のパラメータの値が「1」であり、上述と同様に、自陣領域、敵陣領域、及び、中立領域の3つの領域に区分されている場合においては、
図5(A)に示すように、自陣領域に「2倍」、中立領域に「1倍」及び敵陣領域に「0.5倍」のパラメータ演算係数がそれぞれ設定されている場合を想定する。
【0242】
この場合において、所与の状態になったプレーヤキャラクタなどのキャラクタ位置の検出の対象となったプレーヤキャラクタの属性がキャプテンであって、当該キャラクタ位置が自陣領域の場合には、パラメータ制御部217は、パラメータの値「10」を既に積算されているイベント発動パラメータの値に加算する。
【0243】
なお、例えば、パラメータ制御部217は、表示制御部212と連動して競技ゲーム中のイベント発動パラメータの値をゲージ(以下、「イベントパラメータゲージ」ともいう。)として画面上に表示制御する
【0244】
また、パラメータ制御部217は、パラメータ演算係数を、上記に代えて又は上記に加えて、プレーヤキャラクタの属性(例えば、レベルやレア度の高いプレーヤキャラクタの値を他のプレーヤキャラクタの値より高くする)、又は、所与の状態の種別(例えば、捕
球ミス、シュートミス、又は、退場処分を受けるなど)などによって異なる値を用いてもよい。
【0245】
さらに、本実施形態においては、領域毎に予め係数が設定されており、当該係数をキャラクタ状態パラメータの値に乗算してイベント発動パラメータの値に加算するパラメータを算出しているが、パラメータ領域毎に予めキャラクタ状態パラメータの値が設定されていてもよい。
【0246】
(イベント制御処理)
ゲーム処理部215は、競技ゲーム中の各プレーヤのイベントパラメータゲージなどによって表示されるイベント発動パラメータの値(例えば、ゲージ量)が予め定められた条件を具備した場合には、バーストモードイベントなどの所与のイベントの発動をさせる。
【0247】
具体的には、本実施形態においては、競技ゲーム中に積算されるイベント発動パラメータの全体(最小値から最大値まで)を複数のレベル(例えば、「レベル0」から「レベル3」までの4段階)に分割し、ゲーム処理部215は、上述のように、キャラクタ位置が検出される毎に算出したイベント発動パラメータの値が、所定のレベルに属した場合に、当該レベルに合わせたイベント(具体的には、バーストモードイベント)を発動する。
【0248】
特に、ゲーム処理部215は、最低レベル(例えば、「レベル0」)の場合にはバーストモードイベントを発動しない一方、競技ゲーム中に積算されたイベント発動パラメータが最低レベルを超えた場合(例えば、「レベル1」以上の場合)には、バーストモードイベントを発動する。
【0249】
そして、ゲーム処理部215は、バーストモードイベントとしては、行動用パラメータの消費をすることなく、例えば、上述の
図4(B)に示すように、
(C1)プレーヤキャラクタの攻撃能力(キック飛距離・威力、キック精度)、守備能力(捕球能力、奪球能力)、若しくは、スタミナ(エネルギー)が一時的にアップするイベント、
(C2)プレーヤキャラクタがスローモーション的な動きとなるイベント、又は、
(C3)ガチャを含み、球技ゲームにおいて有利となるミニゲームを実行するイベント
を実行する。
【0250】
また、ゲーム処理部215は、バーストモードイベントにおいては、設定されているプレーヤキャラクタのレベルに応じて、各プレーヤキャラクタにおける攻撃力や移動速度などの能力、ライフエネルギー量(すなわち、ヒットポイントの値)、及び、イベント期間を制御する。
【0251】
すなわち、ゲーム処理部215は、イベントの発動時のイベント発動パラメータの値に応じて、発動するバーストモードイベントの効果や当該バーストモードイベントの実施期間を決定する。
【0252】
具体的には、ゲーム処理部215は、発動するバーストモードイベントの効果としては、イベント発動前に最後に所与の状態になったプレーヤキャラクタのレベルを最大にするなど競技能力をパワーアップさせ、イベントの発動時のイベント発動パラメータの値が大きい程、バーストモードイベントの実施期間を長く設定する。
【0253】
例えば、本実施形態においては、
図6(A)に示すように、競技ゲーム中に積算されるイベント発動パラメータが「0」~「299」までを「レベル0」、「300」~「649」までを「レベル1」、「650」~「1199」までを「レベル2」、「1200」
以上の場合(ただしカウントは1200まで)に「レベル3」とする4段階のレベルに分けていることを想定する。
【0254】
この場合に、ゲーム処理部215は、競技ゲーム中に積算されたイベント発動パラメータの値がレベル0に属している場合(すなわち、「0」~「299」に属する場合)には、バーストモードイベントを発動しない。
【0255】
そして、ゲーム処理部215は、競技ゲーム中に積算されたイベント発動パラメータの値が「レベル1」以上になった場合には、各種のレベルに応じた設定を実行してバーストモードイベントを発動する。
【0256】
なお、
図6(A)は、レベル2までイベント発動パラメータが積算されている状態を示している。
【0257】
特に、ゲーム処理部215は、レベル1の場合には、
図6(B)に示すように、設定されているプレーヤキャラクタの攻撃力、最大ライフエネルギー(最大HP)及び移動速度を通常モードの2倍に設定し、イベント期間をイベント発動パラメータの総計を示すゲージ量に応じた時間(「ゲージ量(最大649)/100」として最大6秒)に設定する。
【0258】
また、ゲーム処理部215は、レベル2の場合には、
図6(B)に示すように、設定されているプレーヤキャラクタの攻撃力、最大ライフエネルギー(最大HP)及び移動速度を通常モードの3倍に設定し、イベント期間をイベント発動パラメータの総計を示すゲージ量に応じた時間(「ゲージ量(最大1199)/100」として最大11秒)に設定する。
【0259】
さらに、ゲーム処理部215は、レベル3の場合には、
図6(B)に示すように、設定されたプレーヤキャラクタの攻撃力、最大ライフエネルギー(最大HP)及び移動速度を通常モードの5倍に設定し、イベント期間をイベント発動パラメータの総計を示すゲージ量に応じた時間(「ゲージ量(1200)/100」として最大12秒)に設定する。
【0260】
なお、ゲーム処理部215は、バーストモードイベント中、所与の状態となったプレーヤキャラクタについては、所与の状態によって減少したパラメータを初期状態に回復させてもよく、退場したプレーヤキャラクタや怪我したプレーヤキャラクタを交代可能に設定してもよい。
【0261】
また、ゲーム処理部215は、バーストモードイベント終了後には、交代可能なプレーヤキャラクタは、そのままゲーム空間上に存在させる。ただし、ゲーム処理部215は、能力のパワーアップなどを解除し、ノーマルモードに戻してゲームを実行させる。
【0262】
(その他のイベント発動パラメータの管理)
本実施形態においては、パラメータ制御部217は、競技ゲーム中に、イベント発動パラメータを積算するようになっているが、ゲージに示されたイベント発動パラメータの値から算出された演算結果を減算し、当該イベント発動パラメータを管理してもよい。
【0263】
また、本実施形態においては、プレーヤが操作制御するプレーヤキャラクタを用いて説明したが、対戦相手のプレーヤキャラクタ(すなわち、上記の場合には敵キャラクタ)であっても同様に制御される。
【0264】
[4.4]変形例
次に、
図7~
図9を用いて本実施形態のゲーム処理、イベント発動パラメータの管理及
びイベント制御処理の変形例について説明する。なお、
図7~
図9は、本実施形態のゲームの変形例を説明するための図である。
【0265】
(変形例1)
ゲーム処理部215は、競技ゲームの対戦期間(競技期間や試合時間)を管理するとともに、パラメータ制御部217は、対戦期間の終了時刻に近づくほどイベント発動パラメータの変化量を大きくする制御処理を実行してもよい。
【0266】
具体的には、パラメータ制御部217は、対戦期間の終了時刻に近づくほど、パラメータ演算係数を高く設定する。
【0267】
例えば、パラメータ制御部217は、対戦期間の終了時刻まで3分前までは、パラメータ演算係数を「1」に設定する(すなわち、イベント発動パラメータの値がそのまま算出結果となるように設定する)。
【0268】
その一方、パラメータ制御部217は、対戦期間の終了時刻まで3分前になると、パラメータ演算係数を「1.5」に設定し、積算するイベント発動パラメータの値を1.5倍にし、対戦期間の終了時刻まで1分前になると、パラメータ演算係数を「2」に設定し、積算するイベント発動パラメータの値を2倍に設定する。
【0269】
このように、競技ゲームの開始当初より終了時刻に近づけば近づくほど、同じキャラクタ位置であっても、イベント発動パラメータの変化量を大きくなるように制御してもよい。
【0270】
(変形例2)
パラメータ制御部217は、ゲーム中のプレーヤキャラクタが所与の状態になる毎に、当該プレーヤキャラクタが所与の状態になった位置が敵陣に近いほど、低い値(又は高い値)となるパラメータの値を積算してもよい。
【0271】
すなわち、上述のように、検出されたキャラクタ位置が属する自陣領域、敵陣領域及び区分領域に区分されている場合には、自陣領域に「0.5倍」、中立領域に「1倍」及び敵陣領域に「1.5倍」のパラメータ演算係数が設定されている演算係数テーブルデータが用いられる。
【0272】
そして、パラメータ制御部217は、検出されたキャラクタ位置が属する領域と演算係数テーブルデータに基づいて、敵陣領域に近いほど値が大きなパラメータ演算係数を特定し、所与の状態となったプレーヤキャラクタに設定されたパラメータの値に、特定したパラメータ演算係数を乗算して算出結果を得る。
【0273】
なお、例えば、プレーヤが有利な展開において、さらに特殊なイベントを発動することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0274】
(変形例3)
パラメータ制御部217は、検出されたプレーヤキャラクタのキャラクタ位置に加えて、当該キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタとは異なる他のプレーヤキャラクタであって、当該キャラクタ位置又は当該キャラクタ位置に関連する位置に存在する他のプレーヤキャラクタの数に基づいて、イベント発動パラメータの値を変化させる制御処理を実行してもよい。
【0275】
通常、味方プレーヤキャラクタが自陣領域の近くに多く存在する場合、又は、自陣近く
に敵キャラクタが多く存在する場合には、プレーヤの情勢が不利(対戦相手の情勢が有利)であると判断することができる。
【0276】
そこで、パラメータ制御部217は、検出されたプレーヤキャラクタのキャラクタ位置を検出した場合に、自陣領域やそのゴール若しくは敵陣領域やそのゴールに存在する味方プレーヤキャラクタの数、及び、自陣領域若しくは敵陣領域に存在する敵キャラクタの数、の少なくともいずれかを検出し、キャラクタ位置に加えて、検出した味方プレーヤの数、敵キャラクタの数又はその組み合わせに基づいて、イベント発動パラメータの値を変化させる制御処理を実行する。
【0277】
例えば、パラメータ制御部217は、自陣領域に所定数(例えば5)以上の味方プレーヤキャラクタ(すなわち、5以上の味方プレーヤキャラクタの組み合わせ)が存在することを検出した場合には、算出するイベント発動パラメータの値を所定倍(例えば、1.5倍)に、当該算出した値を既に算出されているイベント発動パラメータの値に加算(又は減算)する。
【0278】
なお、キャラクタ位置に関連する位置とは、例えば、ゲーム空間が予め複数の領域に区分されている場合にキャラクタ位置が属する区分された領域内の位置、又は、キャラクタ位置から所定の半径のよって形成される範囲内の位置などの当該キャラクタ位置に対応付けられた位置などを含む。
【0279】
また、パラメータ制御部217は、自陣領域若しくは敵陣領域に存在する味方プレーヤキャラクタの数だけでなく、キャプテンユニット又はフォワードのユニットであること、攻撃力が所定以上あることなど、当該キャラクタ位置が検出されたプレーヤキャラクタが属するプレーヤキャラクタ群の属性に基づいて、イベント発動パラメータの値を変化させる制御処理を実行してもよい。
【0280】
(変形例4)
本実施形態の競技ゲームは、自陣領域及び敵陣領域やそれらのゴール位置がゲーム画面70の左右に形成される場合であって、ゲーム情勢が不利な場合にバーストモードイベントを実行する例を用いて説明したが、
図7に示すように、自陣領域及び敵陣領域がゲーム画面70の上下に形成される場合であって、上下方向に設定されたプレーヤキャラクタを移動させつつ他のプレーヤに属する陣地61に基づいて球技などの競技を行う競技ゲームとして実行してもよい。
【0281】
(変形例5)
本実施形態の端末装置20は、複数のプレーヤ間によって対戦する対戦ゲームであって、プレーヤ毎に複数のプレーヤキャラクタをゲーム空間内に投入させ、当該投入させたプレーヤキャラクタによって敵キャラクタを攻撃しつつ、当該プレーヤキャラクタを自陣から敵の陣地(以下、「敵陣」ともいう。)に向けて移動させて当該敵陣の防衛ラインに如何に早く到達するかを競い合うゲームに適用してもよい。
【0282】
具体的に、端末装置20は、
(1)プレーヤの操作やゲーム処理上の予め定められた指示に基づいて、対戦ゲーム中にゲーム空間内に少なくとも1以上のプレーヤキャラクタを投入し、
(2)ゲーム空間内に設定された自陣となる自陣領域から対戦相手の敵陣となる敵陣領域に向かって投入されたプレーヤキャラクタの移動を制御し、
(3)対戦ゲーム中に、投入されたプレーヤキャラクタの当該ゲーム空間内の位置を、キャラクタ位置として、ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に応じて検出する検出処理を実行し、
(4)対戦ゲーム中に、検出されたキャラクタ位置に基づいて所与のパラメータ(すなわち、イベント発動パラメータ)の値を変化させる制御処理を実行し、
(5)イベント発動パラメータの値が所与の条件を具備した場合には、所与のイベントを発動させる、
対戦ゲームを実行する構成を有している。
【0283】
特に、本実施形態においては、イベント発動パラメータは、例えば、プレーヤキャラクタのエネルギーが「0」になるなどの戦闘不能な状態(すなわち、対戦ゲームから退場した状態)となる毎に算出されるパラメータであって、プレーヤキャラクタが敵陣に近づくことによって変化するパラメータである。
【0284】
また、端末装置20は、投入されたプレーヤキャラクタが戦闘不能になった際に検出されたキャラクタ位置に基づいてイベント発動パラメータの値を変化させる制御処理を実行し、又は、当該キャラクタ位置として、当該戦闘不能になったプレーヤキャラクタのゲーム空間上の位置を検出する検出処理を実行し、イベント発動パラメータに基づいて所与のイベント(具体的には、バーストモードイベント)の発動制御をする制御処理(以下、「イベント制御処理」という。)を実行する構成を有している。
【0285】
そして、端末装置20は、属性に無関係に投入されたプレーヤキャラクタが戦闘不能になった場合に、又は、特定の種別や能力などの予め定められ属性を有しているプレーヤキャラクタが戦闘不能になった場合に、検出処理、制御処理及びイベント制御処理を実行する構成を有している。
【0286】
例えば、自陣領域及び敵陣領域がゲーム画面70の左右に形成される場合であって、ゲーム情勢が不利な場合に起死回生のバーストモードイベントを実行する場合に、端末装置20は、
図8(A)に示すように、自陣領域61内で戦闘不能状態(例えば、エネルギーが「ゼロ」)になる味方のプレーヤキャラクタを検出すると(すなわち、味方のプレーヤキャラクタが戦闘不能状態になった位置が自陣領域内であると検出した場合には)、イベント発動パラメータ(すなわち、ゲージ72)の値を増加させる。
【0287】
そして、端末装置20は、イベント発動パラメータの値が所定の条件(具体的には、ゲージ72が最大になったこと)を具備したと判定すると、
図8(B)に示すように、
(A)ゲーム空間に未投入の、又は、投入可能な複数のプレーヤキャラクタ(未投入キャラクタ55)をゲーム空間に投入して既にゲーム空間に投入されているプレーヤキャラクタ(すなわち、投入中キャラクタ56)に加勢すること、
(B)エネルギーが「ゼロ」となることなどにより対戦ゲームにおいて既に戦闘不能となったプレーヤキャラクタ(すなわち、戦闘不能キャラクタ57)を復活させて再度対戦ゲームに参加させること、又は、
(C)(A)及び(C)の双方、
を実行するバーストモードイベントを発動する構成を有している。
【0288】
このような構成を有することによって、本実施形態においては、対戦ゲームにおけるゲーム情勢を判断する1の要素となるゲーム空間内のキャラクタ位置と、ゲーム空間内の自陣領域又は敵陣領域との位置関係に基づいて、イベントを制御することができるので、対戦ゲームにおけるゲーム情勢を勘案したイベントを発動することができるようになっている。
【0289】
なお、当該変形例における対戦ゲームは、
図9(A)に例示するように、プレーヤ毎に、プレーヤキャラクタ50をゲーム空間60内に配置(すなわち、投入)し、所定のパラメータ(例えば、エネルギーパラメータ)を有する他のプレーヤに属する陣地61(具体
的には防衛ライン62)に突撃するゲームであって、例えば、敵キャラクタ51の攻撃を掻い潜り、敵陣に設けられた予め定められた領域内(具体的には、防衛ライン62)に如何に早く到達したかを競い合うゲームである。
【0290】
特に、本実施形態の対戦ゲームは、対戦ゲームの開始前に、プレーヤの操作に基づいて、プレーヤが所有するプレーヤキャラクタの中から、対戦ゲーム中に選択可能な複数(例えば、5つ)のプレーヤキャラクタ(すなわち、指定プレーヤキャラクタ候補52)をデッキ71に設定するようになっている。
【0291】
そして、本実施形態の対戦ゲームは、
図9(B)に示すように、ゲームの実行中に、デッキに設定された指定プレーヤキャラクタ候補52の中から、1以上の指定プレーヤキャラクタ候補52をプレーヤに指定させ、当該指定させた指定プレーヤキャラクタ候補52をプレーヤキャラクタ50としてゲーム空間60に投入する。
【0292】
そして、投入されたプレーヤキャラクタ50は、敵キャラクタ51を攻撃しつつ、敵陣領域61(具体的には、敵陣領域の防衛ライン62)に向かって突撃するようになっている。
【0293】
なお、各指定プレーヤキャラクタ候補52は、隊長ユニットとしてゲーム空間に投入されるとともに、プレーヤキャラクタとして隊長ユニットと同様に機能する複数のサポートユニット53を有している。ただし、隊長ユニットが出撃しないかぎり、サポートユニットは選択できない設定となっている。
【0294】
そして、サポートユニット53は、隊長ユニットが出撃中に、当該隊長ユニットと同様に、プレーヤの操作に基づいてゲーム空間60に投入される。
【0295】
一方、本実施形態の対戦ゲームにおいては、
図9(B)に示すように、自陣領域から敵陣領域までプレーヤキャラクタを移動中に、当該プレーヤキャラクタの移動に伴って移動し、かつ、当該プレーヤキャラクタの周囲に予め設定された領域(以下、「パーソナル領域」ともいう。)65に存在する敵キャラクタ51とマッチングする。
【0296】
そして、対戦ゲームは、マッチングした敵キャラクタ51といずれのエネルギーが「0」になるまで(
図5(B)に示すエネルギーゲージ63が「0」になるまで)、又は、当該敵キャラクタがパーソナル領域外の位置に移動するまで、バトルを実行する。
【0297】
また、本実施形態の対戦ゲームは、プレーヤキャラクタが敵キャラクタを戦闘不能し(すなわち、敵キャラクタのエネルギーを「0」とすると)、又は、パーソナル領域外に移動すると、当該プレーヤキャラクタをさらに敵領域方向に移動させるとともに、プレーヤキャラクタ自らのエネルギーが「0」となると、当該ゲーム空間から消滅し、戦闘不能の使用済みのプレーヤキャラクタとして登録される。
【0298】
さらに、使用済みプレーヤキャラクタは、記憶部270にリスト化されて登録されるとともに、当該プレーヤキャラクタに属するサポートユニットとともに、デッキ71からも選択不能に設定される。
【0299】
他方、本実施形態の対戦ゲームは、プレーヤ毎に管理されるパラメータであって、プレーヤキャラクタ(サポートユニットを含む。)が投入される毎にプレーヤキャラクタの属性や対戦ゲームの経過時間によって変化する消費される行動用パラメータ64が管理される。
【0300】
したがって、本実施形態の対戦ゲームは、行動用パラメータの値が十分でないとプレーヤキャラクタを投入することができない仕様を有している。
【0301】
このため、本実施形態の対戦ゲームは、プレーヤキャラクタの投入種別や投入タイミングが重要になるので、プレーヤによる高度な戦略眼が必要となり、当該ゲームの興趣性を向上させることができるようになっている。
【0302】
また、本実施形態の対戦ゲームは、対戦ゲーム中、プレーヤ毎にイベント発動パラメータを管理し、当該イベント発動パラメータの値に応じて、バーストモードイベントを発動する。
【0303】
特に、対戦ゲームは、バーストモードイベントとして、例えば、
(A)ゲーム空間に未投入の、又は、投入可能な複数のプレーヤキャラクタ(例えば、デッキに設定されているプレーヤキャラクタ)をゲーム空間に投入して既にゲーム空間に投入されているプレーヤキャラクタに加勢すること、
(B)エネルギーが「ゼロ」となることなどにより対戦ゲームにおいて既に戦闘不能となったプレーヤキャラクタ(例えば、戦闘不能の使用済みプレーヤキャラクタとして登録されたプレーヤキャラクタ)を復活させて再度対戦ゲームに参加させること、又は、
(C)(A)及び(C)の双方、
のイベントを実行する。
【0304】
[5]本実施形態における動作
次に、
図10を用いて本実施形態の端末装置20によって実行されるイベント発動パラメータの管理を含むイベント制御処理配置処理の動作について説明する。なお、
図10は、本実施形態の端末装置20によって実行されるイベント発動パラメータの管理を含むイベント制御処理配置処理の動作を示すフローチャートである。
【0305】
本動作は、原則的には端末装置20において実行される処理である。ただし、一部の処理においては、サーバ装置10と連動することによって実行されることも可能となっている。
【0306】
また、本動作は、競技ゲーム中に実行される動作であって、以下の動作では、イベント発動パラメータの総計が予め定められた値以上になった場合に、特定のバーストモードイベントが実行される場合の動作である。
【0307】
さらに、本動作は、プレーヤキャラクタの属性に無関係に所与の状態になった際のプレーヤキャラクタにおけるゲーム空間上の位置を検出することによって開始する動作であるとし、所与の状態となったプレーヤキャラクタのキャラクタ位置が属する領域に基づいて、各プレーヤのイベント発動パラメータの値を算出する場合を用いて説明する。
【0308】
まず、ゲーム処理部215は、競技ゲーム中に、ゲーム空間に設定されているプレーヤキャラクタの状態が所与の状態であると検出すると(ステップS101)、キャラクタ位置検出処理部214は、当該所与の状態となったプレーヤキャラクタのゲーム空間上の位置を、キャラクタ位置として、検出する(ステップS102)。
【0309】
次いで、パラメータ制御部217は、例えば、演算係数テーブルデータなどのデータを用いて、検出されたキャラクタ位置が属する領域に基づいて、キャラクタ状態パラメータを算出する(ステップS103)。
【0310】
なお、このとき、パラメータ制御部217は、所与の状態になったプレーヤキャラクタ
に関する種別やレベルなどの属性の情報を、使用済みプレーヤキャラクタの情報として、記憶部207に登録する。
【0311】
次いで、パラメータ制御部217は、算出したキャラクタ状態パラメータを、いままで算出し、かつ、それを加算したイベント発動パラメータに(すなわち、ゲージ量)を算出する(ステップS104)。
【0312】
次いで、ゲーム処理部215は、算出されたイベント発動パラメータが所与の条件を具備するか否か(具体的には、一定の値以上であるか否か)を判定する(ステップS105)。
【0313】
このとき、ゲーム処理部215は、所与の条件を具備しないと判定した場合には、本動作を終了させ、当該所与の条件を具備したと判定した場合には、ステップS111の処理に移行する。
【0314】
次いで、ゲーム処理部215は、バーストモードとして所与の状態になったプレーヤキャラクタの各能力を最大に設定する(ステップS111)。
【0315】
このとき、ゲーム処理部215は、バーストモード期間の長さなどのバーストモードイベントを実行する際の各種の設定を実行する。
【0316】
次いで、ゲーム処理部215は、設定したバーストモード期間の終了タイミングが到来したなどバーストモードイベントを終了させるか否かを繰り返し判定する(ステップS113)。
【0317】
このとき、ゲーム処理部215は、バーストモードを終了させると判定した場合には、本動作を終了させる。
【0318】
次いで、ゲーム処理部215は、バーストモードイベントを終了させないと判定した場合には、所与の状態のプレーヤキャラクタの有無を判定する(ステップS114)。
【0319】
このとき、ゲーム処理部215は、所与の状態のプレーヤキャラクタがないと判定した場合には、そのままステップS113の処理に移行し、所与の状態のプレーヤキャラクタがあると判定した場合には、新たなイベント追加プレーヤキャラクタを投入し、又は、所与の状態のプレーヤキャラクタを再投入して(ステップS115)ステップS113の処理に移行する。
【0320】
なお、バーストモードイベントが複数のレベルに分けられている場合には、パラメータ制御部217は、ステップS105の処理に代えて、算出されたイベント発動パラメータの値に基づいて、イベント発動パラメータの各レベルにおいて設定された所与の条件を具備している場合には、そのレベルに実行可能を示すフラグ情報を記憶部270に登録して本動作を終了させる。
【0321】
そして、この場合に、ゲーム処理部215は、フラグ情報に基づくゲーム処理上の指示、又は、プレーヤの指示を検出すると、当該ゲーム処理上の指示又はプレーヤの指示に基づいて、該当するフラグ情報によって示されるレベルのバーストモードイベントを特定し、ステップS111以降の処理を実行する。
【0322】
[6]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例え
ば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0323】
本実施形態では、競技ゲームの操作入力として説明しているが、RPGゲーム又はシミュレーションゲームなどの他のゲームにおいても用いることがきる。
【0324】
また、本実施形態は、一のサーバ装置10によって各ゲームを端末装置20に提供してもよいし、複数のサーバ装置10を連動させてサーバシステムを構築し、各ゲームを端末装置20に提供してもよい。
【0325】
また、本実施形態においては、サーバ装置10によって提供されたゲームを端末装置20によって実行されているが、操作検出処理部211を除き、上記の端末装置20の処理部200の各機能及びゲームプログラムの実行をサーバ装置10で実行し、当該端末装置20は、操作入力とストリーミングによる画像表示を実行することによって、上記のゲームを実現してもよい。
【0326】
また、本実施形態においては、ゲーム装置に本発明の端末装置を適用しているが、ゲーム装置に限らず、スマートフォン、タブレット型情報端末装置、パーソナルコンピュータ,モニター又はテレビなどのタッチパネルを用いて操作入力を実行可能な端末装置であれば、本発明の端末装置を提供することができる。
【0327】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0328】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0329】
10 … サーバ装置
20 … 端末装置
50 … プレーヤキャラクタ
51 … 敵キャラクタ
52 … 指定プレーヤキャラクタ候補
53 … サポートユニット
55 … 未投入キャラクタ
56 … 投入中キャラクタ
57 … 所与の状態キャラクタ
60 … ゲーム空間
61 … 陣地(自陣領域、敵陣領域)
62 … 防衛ライン
63 … キャラクタエネルギーゲージ
64 … 行動用パラメータ
65 … パーソナル領域
70 … ゲーム画面
71 … デッキ
72 … イベント発動パラメータ用ゲージ
100 … 処理部
101 … 通信制御部
102 … Web処理部
104 … ゲーム管理部
120 … 入力部
130 … 表示部
140 … 記憶部
142 … 主記憶部
144 … ゲーム情報
146 … プレーヤ情報
180 … 情報記憶媒体
196 … 通信部
200 … 処理部
210 … オブジェクト空間設定部
211 … 操作検出処理部
212 … 表示制御部
213 … 移動処理部
214 … キャラクタ位置検出処理部
215 … ゲーム処理部
216 … 仮想カメラ制御部
217 … パラメータ制御部
220 … 描画部
230 … 音処理部
270 … 記憶部
271 … 主記憶部
272 … 画像バッファ
273 … プレーヤ情報記憶部
274 … ゲームデータ記憶部
260 … 入力部
262 … 検出部
280 … 情報記憶媒体
290 … 表示部
292 … 音出力部
296 … 通信部