(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20241105BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20241105BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241105BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241105BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
G03G21/18 178
B41J29/13
B41J29/38 203
B41J29/38 204
B41J29/38 350
G03G15/00 550
G03G21/16 104
(21)【出願番号】P 2023169336
(22)【出願日】2023-09-29
(62)【分割の表示】P 2019194553の分割
【原出願日】2019-10-25
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】林田 佳
(72)【発明者】
【氏名】松坂 賢治
(72)【発明者】
【氏名】野口 富生
(72)【発明者】
【氏名】畔田 孝弘
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-168435(JP,A)
【文献】特開2013-228540(JP,A)
【文献】特開2018-060090(JP,A)
【文献】特開平03-180874(JP,A)
【文献】特開2015-121681(JP,A)
【文献】特開2017-161949(JP,A)
【文献】特開2015-123587(JP,A)
【文献】特開平06-067534(JP,A)
【文献】特開2006-139070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 15/00
G03G 21/16
B41J 29/13
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補給容器が着脱可能な画像形成装置において、
装置本体であって、
静電潜像が形成される感光ドラムと、
前記感光ドラムにトナーを供給することによって前記静電潜像を現像して前記感光ドラム上にトナー画像を形成する現像ローラと、前記現像ローラに担持させるトナーを収容するトナー収容部と、前記トナー収容部にトナーを補給するためのトナー補給口であって前記補給容器が装着可能なトナー補給口と、を有する現像ユニットと、
排出トレイと、
前記トナー画像が形成された記録材を前記排出トレイに向けて排出方向に排出する排出ローラと、
を有する装置本体と、
前記画像形成装置を操作するための操作部であって、前記排出方向において前記装置本体の下流側である正面側に設けられた操作部と、
アンテナを含む近距離無線通信部と、
前記トナー補給口に前記補給容器が装着可能な空間が前記トナー補給口の上方に形成されるように前記トナー補給口を開放する開位置と、前記空間が前記トナー補給口の上方に形成されないように前記トナー補給口を閉鎖する閉位置と、の間を移動可能な開閉部材と、
を備え、
前記排出トレイと、前記トナー補給口と、前記近距離無線通信部と、は、前記装置本体の上面に設けられ、
前記トナー補給口
及び前記近距離無線通信部は
それぞれ、前記排出方向及び重力方向の双方に直交する方向において前記画像形成装置の一端部側
及び他端部側にある前記上面の領域
であって前記正面側の領域に設けられ
ている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記トナー補給口と前記近距離無線通信部は、
重力方向において上方から見たときに、前記直交する方向において整列していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体の上方に設けられ、記録材の画像を読み取るための読取装置であって、前記装置本体の前記排出方向の上流側端部に位置する回転軸を中心とする回転によって前記装置本体に対して開閉可能な読取装置を備え、
前記トナー補給口は、前記読取装置が閉じている状態において上方から見たときに、前記読取装置と重なる位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記近距離無線通信部は、前記読取装置が閉じている状態において、
重力方向に関し上方から見たときに、前記読取装置と重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記近距離無線通信部は、前記読取装置が閉じている状態において、
重力方向に関し上方から見たときに、前記近距離無線通信部の一部が前記画像形成装置の外部に露出していることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記近距離無線通信部は、ユーザ認証を行うことで前記画像形成装置を使用可能な状態にすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記トナー補給口に装着された前記補給容器から補給されるトナーの補給可否を制御するトナー補給制御機構を有し、
前記トナー補給制御機構は、前記近距離無線通信部で受信した信号により制御されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記読取装置が開かれて前記補給容器が前記画像形成装置に装着された場合において、前記補給容器は、前記読取装置が閉じている時に前記読取装置がある領域にあることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記トナー補給口と前記近距離無線通信部は、いずれも前記上面の前記排出トレイを除いた領域に設けられていることを特徴とする請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記トナー補給口と前記近距離無線通信部は、前記直交する方向において、前記排出トレイを挟んで互いに反対側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置は、感光体の表面に形成した静電潜像をトナーを用いてトナー像として現像した後、トナー像を感光体から記録材に転写することで記録材に画像を形成する。画像形成を繰り返し行うことで消費されるトナーを画像形成装置に補給する方法としては、プロセスカートリッジ方式や逐次補給方式が知られている。プロセスカートリッジ方式は、感光体とトナーを収容する現像容器とをプロセスカートリッジとして一体化し、現像容器内のトナー残量が空になった場合にプロセスカートリッジを新品に交換する方式である。
【0003】
一方、特許文献1には、現像ロールにトナーを供給するトナー搬送路と、このトナー搬送路に接続された現像剤供給箱とを備え、トナー残量の検知結果に応じて現像剤供給箱からトナー搬送路にトナーを補給する逐次補給方式の現像装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、画像形成装置は、上述のプロセスカートリッジ方式や逐次補給方式等に限らず、さまざまな使われ方がユーザから求められている。
【0006】
そこで、本発明は、画像形成装置の一形態を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、補給容器が着脱可能な画像形成装置において、装置本体であって、静電潜像が形成される感光ドラムと、前記感光ドラムにトナーを供給することによって前記静電潜像を現像して前記感光ドラム上にトナー画像を形成する現像ローラと、前記現像ローラに担持させるトナーを収容するトナー収容部と、前記トナー収容部にトナーを補給するためのトナー補給口であって前記補給容器が装着可能なトナー補給口と、を有する現像ユニットと、排出トレイと、前記トナー画像が形成された記録材を前記排出トレイに向けて排出方向に排出する排出ローラと、を有する装置本体と、前記画像形成装置を操作するための操作部であって、前記排出方向において前記装置本体の下流側である正面側に設けられた操作部と、アンテナを含む近距離無線通信部と、前記トナー補給口に前記補給容器が装着可能な空間が前記トナー補給口の上方に形成されるように前記トナー補給口を開放する開位置と、前記空間が前記トナー補給口の上方に形成されないように前記トナー補給口を閉鎖する閉位置と、の間を移動可能な開閉部材と、を備え、前記排出トレイと、前記トナー補給口と、前記近距離無線通信部と、は、前記装置本体の上面に設けられ、前記トナー補給口及び前記近距離無線通信部はそれぞれ、前記排出方向及び重力方向の双方に直交する方向において前記画像形成装置の一端部側及び他端部側にある前記上面の領域であって前記正面側の領域に設けられている、ことを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成装置の一形態を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の断面図(a)及び斜視図(b)。
【
図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の断面図(a)及び斜視図(b)。
【
図3】第1の実施形態に係るプロセスカートリッジの着脱について説明するための図。
【
図4】第1の実施形態に係る画像形成装置の開閉可能な部材について説明するための図(a~c)。
【
図5】第1の実施形態に係るトナーパックを用いたトナー補給について説明するための図(a、b)。
【
図6】第1の実施形態に係るトナーパックを用いたトナー補給について説明するための図(a~c)。
【
図7】第1の実施形態に係るトナーパックの斜視図(a)及び側面図(b)。
【
図8】第1の実施形態に係るトナーパックの斜視図(a)、側面図(b)及びトナーを排出させる様子を表す図(c)。
【
図9】第1の実施形態に係る補給容器装着部の斜視図(a)、上面図(b)及び拡大図(c)。
【
図10】第1の実施形態に係る補給容器装着部の動作を説明するための図(a、b、c)。
【
図11】第1の実施形態に係るロック部材の位置を表す図(a、b)。
【
図12】第1の実施形態に係るトナーパックの斜視図。
【
図13】第1の実施形態に係るロック部材の押圧機構を表す図。
【
図14】第1の実施形態に係るパネルを表す図(a~c)。
【
図15】第1変形例に係るトナーボトルユニットの斜視図(a、b)、側面図(c)及び断面図(d)。
【
図16】第1変形例に係るトナーボトルユニットの内部構成を説明するための図(a~d)及びトナーボトルユニットの回転検知について説明するための図(e、f)。
【
図17】第2変形例に係るプロセスカートリッジの斜視図(a)、上面図(b)及び断面図(c、d)。
【
図18】第3変形例に係るプロセスカートリッジの斜視図(a)、上面図(b)及び断面図(c)。
【
図19】第1の実施形態に係る画像形成装置の制御系を示すブロック図。
【
図20】第1の実施形態に係るNFCユニットを配置した画像形成装置を示す斜視図。
【
図21】第1の実施形態に係る
図20に示す画像形成装置のトナー補給口にトナーボトルを装着した様子を示す斜視図。
【
図22】第1の実施形態に係る
図20に示す画像形成装置のトナー補給口にトナーボトルを装着した様子を示す上面図。
【
図23】第1の実施形態に係る
図20に示す画像形成装置から、外装を不図示にして、矢視Mの方向から見た図。
【
図24】第2の実施形態に係るNFCユニットを配置した画像形成装置を示す斜視図。
【
図25】第2の実施形態に係る
図24に示す画像形成装置のトナー補給口にトナーボトルを装着した様子を示す上面図。
【
図26】第2の実施形態に係る
図24に示す画像形成装置から、外装を不図示にして、矢視Mの方向から見た図。
【
図27】第2の実施形態に係る
図24に示す画像形成装置から、外装を不図示にして、矢視Mの方向から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
(1)画像形成装置
図1(a)は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す概略図である。画像形成装置1は、外部機器から入力される画像情報に基づいて記録材に画像を形成するモノクロプリンターである。記録材には、普通紙及び厚紙等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート、並びに布等の、材質の異なる様々なシート材が含まれる。
【0012】
(1-1)全体構成
画像形成装置1は、
図1(a)(b)に示すように、装置本体としてのプリンタ本体100と、プリンタ本体100に開閉可能に支持される読取装置200と、プリンタ本体100の外装面に取付けられた操作部300と、を有している。プリンタ本体100は、画像形成部10と、給送部60と、定着部70と、排出ローラ対80と、を有している。給送部60は画像形成部10に記録材を給送し、画像形成部10は記録材にトナー像を形成する。定着部70は、画像形成部10によって形成されたトナー像を記録材に定着させ、排出ローラ対80は定着部70を通過した記録材を装置外に排出する。また、本実施形態のプロセスカートリッジ20には、補給用のトナーが充填されたトナーパック40を用いて、画像形成装置1の外部からトナーを直接補給する直接補給方式を採用している。
【0013】
画像形成部10は、スキャナユニット11と、プロセスカートリッジ20と、転写ローラ12と、を有する電子写真式の画像形成手段である。プロセスカートリッジ20は、感光ドラム21と、感光ドラム21の周囲に配置された帯電ローラ22、現像ローラ31及びクリーニングブレード24と、を有している。
【0014】
本実施形態における像担持体としての感光ドラム21は、円筒型に成形された感光体である。本実施形態の感光ドラム21は、アルミニウムで成形されたドラム状の基体上に、負帯電性の有機感光体で形成された感光層を有している。また、感光ドラム21は、モータによって所定の方向(図中時計周り方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0015】
帯電ローラ22は、感光ドラム21に所定の圧接力で接触し、帯電部を形成する。また、帯電高圧電源によって所望の帯電電圧を印加されることで、感光ドラム21の表面を所定の電位に均一に帯電させる。本実施形態では、感光ドラム21は帯電ローラ22により負極性に帯電する。
【0016】
スキャナユニット11は、外部機器又は読取装置200から入力された画像情報に対応したレーザ光Lを、ポリゴンミラーを用いて感光ドラム21に照射することで、感光ドラム21の表面を走査露光する。この露光により、感光ドラム21の表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。なお、スキャナユニット11は、レーザスキャナ装置に限定されることはなく、例えば、感光ドラム21の長手方向に沿って複数のLEDが配列されたLEDアレイを有するLED露光装置を採用してもよい。
【0017】
現像ユニット802は、現像剤を担持する現像剤担持体としての現像ローラ31と、現像ユニット802の枠体となる現像容器32と、現像ローラ31に現像剤を供給可能な供給ローラ33と、を備えている。現像ローラ31及び供給ローラ33は、現像容器32によって回転可能に支持されている。また、現像ローラ31は、感光ドラム21に対向するように、現像容器32の開口部に配置されている。供給ローラ33は現像ローラ31に回転可能に当接しており、現像容器32に収容されている現像剤としてのトナーは供給ローラ33によって現像ローラ31の表面に塗布される。
【0018】
本実施形態の現像ユニット802は、現像方式として接触現像方式を用いている。即ち、現像手段としての現像ローラ31に担持されたトナー層が、感光ドラム21と現像ローラ31とが対向する現像部(現像領域)において感光ドラム21と接触する。現像ローラ31には現像高圧電源によって現像電圧が印加される。現像電圧の下で、現像ローラ31に担持されたトナーが感光ドラム21の表面の電位分布に従って現像ローラ31からドラム表面に転移することで、静電潜像がトナー像に現像される。なお、本実施形態では、反転現像方式を採用している。即ち、帯電工程において帯電させられた感光ドラム21の表面のうち、露光工程において露光されることで電荷量が減衰した領域にトナーが付着することでトナー像が形成される。
【0019】
また、本実施形態では、粒径が6μm、正規の帯電極性が負極性のトナーを用いている。本実施形態のトナーは一例として重合法により生成された重合トナーを採用している。また、本実施形態のトナーは磁性成分を含有せず、主に分子間力や静電気力(鏡像力)によってトナーが現像ローラ31に担持される、所謂非磁性の一成分現像剤である。ただし、磁性成分を含有する一成分現像剤を用いてもよい。また、一成分現像剤には、トナー粒子以外にもトナーの流動性や帯電性能を調整するための添加物(例えば、ワックスやシリカ微粒子)が含まれている場合がある。また、現像剤として非磁性のトナーと磁性を有するキャリアとによって構成された二成分現像剤を用いてもよい。磁性を有する現像剤を用いる場合、現像剤担持体としては、例えば内側にマグネットが配置された円筒状の現像スリーブが用いられる。つまり、現像容器32に収容されるのは、トナー成分からなる一成分現像剤に限らず、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤であってもよい。
【0020】
現像容器32の内部には、撹拌手段としての撹拌部材34が設けられている。撹拌部材34は、駆動されて回動することで、現像容器32内のトナーを撹拌すると共に、現像ローラ31及び供給ローラ33に向け、トナーを送り込む。また、撹拌部材34は、現像に使用されず現像ローラ31から剥ぎ取られたトナーを現像容器内で循環させ、現像容器内のトナーを均一化する役割を有する。
【0021】
また、現像ローラ31が配置される現像容器32の開口部には、現像ローラ31に担持されるトナーの量を規制する現像ブレード35が配置されている。現像ローラ31の表面に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って現像ブレード35との対向部を通過することで、均一に薄層化され、また摩擦帯電により負極性に帯電させられる。
【0022】
給送部60は、プリンタ本体100に開閉可能に支持される前扉61と、積載トレイ62と、中板63と、トレイバネ64と、ピックアップローラ65と、を有している。積載トレイ62は、前扉61が開かれることで現れる記録材収容空間の底面を構成しており、中板63は、積載トレイ62に昇降可能に支持されている。トレイバネ64は、中板63を上方に付勢しており、中板63に積載された記録材Pをピックアップローラ65に押し付ける。なお、前扉61は、プリンタ本体100に対して閉じられた状態で記録材収容空間を閉塞し、プリンタ本体100に対して開かれた状態で積載トレイ62、中板63と共に記録材Pを支持する。
【0023】
転写手段としての転写ローラ12は、プロセスカートリッジ20の感光ドラム21に形成されたトナー像を記録材に転写する。なお、本実施形態は、像担持体に形成されたトナー像を、像担持体から記録材に直接転写する直接転写方式について説明するが、像担持体から中間転写ベルト等の中間転写体を介して記録材にトナー像を転写する中間転写方式であってもよい。その場合、例えば、中間転写ベルトと、感光ドラムから中間転写ベルトにトナー像を一次転写する一次転写ローラと、中間転写ベルトから記録材にトナー像を転写する二次転写ローラとによって構成される転写ユニットが転写手段として機能する。
【0024】
定着部70は、記録材上のトナーを加熱して溶融させることで画像の定着処理を行う熱定着方式のものである。定着部70は、定着フィルム71と、定着フィルム71を加熱するセラミックヒータ等の定着ヒータと、定着ヒータの温度を測定するサーミスタと、定着フィルム71に圧接する加圧ローラ72と、を備える。
【0025】
次に、画像形成装置1の画像形成動作について説明する。画像形成装置1に画像形成の指令が入力されると、画像形成装置1に接続された外部のコンピュータ又は読取装置200から入力された画像情報に基づいて、画像形成部10による画像形成プロセスが開始される。スキャナユニット11は、入力された画像情報に基づいて、感光ドラム21に向けてレーザ光Lを照射する。このとき感光ドラム21は、帯電ローラ22により予め帯電されており、レーザ光Lが照射されることで感光ドラム21上に静電潜像が形成される。その後、現像ローラ31によりこの静電潜像が現像され、感光ドラム21上にトナー像が形成される。
【0026】
上述の画像形成プロセスに並行して、給送部60のピックアップローラ65は、前扉61、積載トレイ62及び中板63に支持された記録材Pを送り出す。記録材Pは、ピックアップローラ65によってレジストレーションローラ対15に給送され、レジストレーションローラ対15のニップに突き当たることで斜行が補正される。そして、レジストレーションローラ対15は、スキャナユニット11の露光開始時刻から求められるトナー像の転写タイミングに合わせて駆動され、記録材Pを転写ローラ12及び感光ドラム21によって形成されるニップ部である転写部に向けて搬送する。
【0027】
転写ローラ12には、転写高圧電源から転写電圧が印加され、レジストレーションローラ対15によって搬送される記録材Pに感光ドラム21に担持されているトナー像が転写される。転写後の感光ドラム21は、感光ドラム21に当接した弾性体ブレードであるクリーニングブレード24によって表面の転写残トナーが除去される。トナー像を転写された記録材Pは、定着部70に搬送され、定着部70の定着フィルム71と加圧ローラ72との間のニップ部を通過する際にトナー像が加熱及び加圧される。これによりトナー粒子が溶融し、その後固着することで、トナー像が記録材Pに定着する。定着部70を通過した記録材Pは、排出ローラ対80によって画像形成装置1の外部に排出され、プリンタ本体100の上部に形成された排出トレイ81に積載される。
【0028】
排出トレイ81は、記録材の排出方向における下流に向けて上方に傾斜しており、排出トレイ81に排出された記録材は、排出トレイ81を滑り下りることで、後端が規制面84によって整合される。
【0029】
(1-2)画像形成装置の開閉可能な部分
図2(a)、(b)及び
図3に示すように、プリンタ本体100の上部には、上方に開口した第1開口部101が設けられている。第1開口部101は、使用中の状態ではトップカバー82によって覆われ(
図1(b))、トップカバー82を上方に開くことでプロセスカートリッジ20が露出する(
図2(b))。トップカバー82は、左右方向に延びる回動軸82c(
図3)を中心にプリンタ本体100に対して開閉可能に支持されており、上面に排出トレイ81が設けられている。トップカバー82は、読取装置200がプリンタ本体100に対して開かれた状態で、手前側から奥側に向けて開かれる。なお、読取装置200及びトップカバー82は、ヒンジ機構等の保持機構によって、開かれた状態及び閉じられた状態で保持されるように構成されてもよい。
【0030】
例えば、ピックアップローラ65によって給送された記録材が通過する搬送路CPにおいて、記録材がジャム(紙詰まり)してしまった場合、ユーザは読取装置200と共にトップカバー82を開く。そして、ユーザは、トップカバー82が開かれたことで露出した第1開口部101からプロセスカートリッジ20にアクセスし、プロセスカートリッジ20をカートリッジガイド102に沿って引き出す。カートリッジガイド102は、感光ドラム21の軸方向におけるプロセスカートリッジ20の端部に設けられた突出部21a(
図5(a))に摺動して案内する。
【0031】
そして、第1開口部101から外部にプロセスカートリッジ20が引き出されることで、搬送路CPに手を入れることができるスペースができる。ユーザは、第1開口部101からプリンタ本体100の内部に手を入れ、搬送路CPでジャムした記録材にアクセスすることで、ジャムした記録材を除去することができる。
【0032】
また、本実施形態では、
図1(b)及び
図4(c)に示すように、トップカバー82に開閉部材83が開閉可能に設けられている。排出トレイ81が設けられているトップカバー82の上面には、上方に開口した開口部82aが設けられており、開閉部材83が閉じられることで開口部82aが覆われる。開閉部材83及び開口部82aは、トップカバー82の右側に設けられている。また、開閉部材83は、前後方向に延びる回動軸83aを中心に開閉可能にトップカバーに82に支持されており、トップカバー82に設けられた溝部82bから指を掛けることで右方向に開かれる。開閉部材83は、トップカバー82の形状に沿って、略L字状に形成されている。なお、開閉部材83は、上記の開閉機構に限らない。例えば補給容器装着部701を覆うようにしてトップカバー82上に配置し、且つトップカバー82と垂直に交わる回動軸を中心にしてトップカバー82の上面を滑るように回動することで開口部82aを開閉するように構成されていてもよい。ここで、トップカバー82の上面を滑るとは、開閉部材83の回動軸線方向の移動が規制されていることを意味する。
【0033】
開口部82aは、プロセスカートリッジ20の上部に設けられたトナー補給用の補給容器装着部701が露出するように開口している。開閉部材83を開くことで、ユーザは、トップカバー82を開けることなく補給容器装着部701にアクセスすることができる。ユーザは、トナーパック40を補給容器装着部701に装着することで、トナーをプロセスカートリッジ20に補給することができる。
【0034】
本実施形態では、プロセスカートリッジ20が画像形成装置1に装着された状態のまま、ユーザが補給用のトナーが充填されたトナーパック40(
図1(a)(b))からプロセスカートリッジ20へとトナーを補給する方式(直接補給方式)を採用している。このため、プロセスカートリッジ20のトナー残量が少なくなった場合に、プロセスカートリッジ20をプリンタ本体100から取り出して新品のプロセスカートリッジに交換する作業が不要になるので、ユーザビリティを向上することができる。なお、画像形成装置1及びトナーパック40は、画像形成システムを構成している。
【0035】
なお、本実施形態は画像形成装置1の上部に読取装置200が設けられており、開閉部材83を開く場合には、先に読取装置200を開いてトップカバー82を露出させる必要がある。しかしながら、読取装置200を省略し、はじめから開閉部材83が画像形成装置1の上部に露出している構成であってもよい。
【0036】
(1-3)読取装置
読取装置200は、
図4(a)(b)に示すように、内部に不図示の読取部を内蔵する読取ユニット201と、読取ユニット201に開閉可能に支持される圧板202と、を有している。読取ユニット201の上面には、読取部から出射される光を透過すると共に、原稿が載置される原稿台ガラス203が設けられている。
【0037】
ユーザは、原稿の画像を読取装置200によって読取らせる場合には、圧板202を開いた状態で原稿台ガラス203に原稿を載置する。そして、圧板202を閉じることで原稿台ガラス203の上の原稿の位置ずれを防止し、例えば操作部300を操作することで画像形成装置1に読取指令を出力する。読取動作が開始されると、読取ユニット201内の読取部が副走査方向、すなわち画像形成装置1の操作部300を正面に臨んだ状態で左右方向に読取部が往復移動する。読取部は、発光部から原稿に対して光を出射しつつ、原稿によって反射した光を受光部によって受光し、光電変換することで原稿の画像を読み取る。
【0038】
なお、以下では、操作部300を正面に臨んだ状態を基準にして、画像形成装置1における前後方向、左右方向及び上下方向(重力方向)を規定する。プロセスカートリッジ20を始めとしてプリンタ本体100に対して着脱可能な部材の位置関係は、プリンタ本体100に装着された状態を基準にして説明する。また、プロセスカートリッジ20の「長手方向」とは、感光ドラム21の軸線方向を指す。
【0039】
(1-4)プロセスカートリッジの構成
次に、プロセスカートリッジ20の構成について説明する。
図5(a)は、プロセスカートリッジ20及びトナーパック40を示す斜視図であり、
図5(b)は、プロセスカートリッジ20及びトナーパック40を示す側面図である。
図6(a)は、
図5(b)の6A-6A断面図であり、
図6(b)は、
図5(b)の6B-6B断面図であり、
図6(c)は、
図6(a)、(b)の6C-6C断面図である。なお、
図5及び
図6において、補給容器装着部701の外形を簡略化して図示している(詳細な形状は、例えば
図9(a)参照)。
【0040】
図5乃至
図6に示すように、プロセスカートリッジ20は、トナー受けユニット801、現像ユニット802及びクリーニングユニット803から構成されている。トナー受けユニット801、クリーニングユニット803及び現像ユニット802は、重力方向上方から下方にこの順に配置されている。以下、順に各ユニットについて説明する。
【0041】
トナー受けユニット801は、プロセスカートリッジ20の上部に配置されている。トナー受けユニット801の内部にはトナーを収容する枠体で構成されるトナー収容部8011が設けられ、長手方向端部にはトナーパック40と結合する補給容器装着部701が設けられている。なお、トナー収容部8011を構成する枠体は1つの部材で構成されても、複数の部材を組み合わせて構成しても良い。補給容器装着部701は、トナーパック40から排出されるトナーを受ける補給口8012を有する。補給容器装着部701の詳細な構成及び補給容器装着部701に対するトナーパック40の装着については後述する。
【0042】
さらに、トナー受けユニット801の内部には、第一搬送部材8013、第二搬送部材8014及び第三搬送部材8015が設けられている。第一搬送部材8013は、補給口8012を介して長手方向におけるトナー収容部8011の端部に落下したトナーを、トナー収容部8011の中央部に向かって矢印H方向(
図6(c))に搬送する。第二搬送部材8014は、第一搬送部材8013によって搬送されたトナーを、長手方向に垂直な矢印J方向(
図6(c))に向かって、現像ユニット802の上方、即ち、排出口8016まで搬送する。第三搬送部材8015は、第二搬送部材8014から主に長手方向の中央部でトナーを受け取り、長手方向の一方側と他方側(矢印K方向と矢印K’方向)に搬送する。なお、第一乃至第三搬送部材を、トナーを移動させるように動作するので、第一乃至第三現像剤移動部材と言い換えることもできる。
【0043】
補給容器としてのトナーパック40からのトナーがトナー受けユニット801に流入してくる際に、空気も同時に流入する。トナー受けユニット801は、トナー補給時にトナーが補給されやすいように、トナー補給時に空気が矢印H方向に流れることを許容するためのエアフィルタ8017(
図5(a)参照)を有している。このエアフィルタ8017は、トナー補給時にトナー受けユニット801の内圧が高まって一部の空気が矢印H方向とは反対方向に流れることで補給口8012からトナーが噴出することを防いでいる。
【0044】
そして、トナー受けユニット801の長手方向両端部には、トナー収容部8011から現像ユニット802の現像容器32へトナーを排出するための排出口8016(
図6(b)が設けられている。第三搬送部材8015によって排出口8016に到達したトナーは、重力によって現像容器32へと落下する。なお、排出口8016経路途中に搬送部材を更に設け重力によるトナー移動を保持しても良い。
【0045】
プロセスカートリッジ20の下部に位置する現像ユニット802は、排出口8016から排出されたトナーを受ける開口8021を有する(
図6(b))。排出口8016と開口8021の間には不図示のシール部材が設けられており、排出口8016と開口8021の間の隙間からトナーが漏れ出ないようにシールされている。
【0046】
トナーパック40から補給口8012を介してトナー受けユニット801に落下したトナーは、トナー受けユニット801の内部を第一搬送部材8013、第二搬送部材8014及び第三搬送部材8015により搬送される。そして、長手方向の両端部の排出口8016及び開口8021を介して、トナー受けユニット801から現像ユニット802に受け渡される。このようにして、長手方向においてプロセスカートリッジ20の端部に位置し、かつ、長手方向から見て現像容器32から水平方向に離れた位置にある補給口8012を介して補給されるトナーが、カートリッジ内部で搬送されて現像容器32に到達する。
【0047】
このように、トナー受けユニット801のトナー収容部8011及び現像ユニット802の現像容器32は、互いに連通することにより、プロセスカートリッジ20においてトナーを収容する空間を形成する収容容器を構成している。従って、本実施形態では、外部からトナーを補給するための補給口8012がプロセスカートリッジ20の収容容器の一部として設けられていることになる。ただし、補給容器と直接連結される補給口がプリンタ本体に設けられ、プロセスカートリッジがこの補給口を介してトナーを受け取るようにしてもよい。この場合、補給口を除く部分のプロセスカートリッジ20が、
図3に示されるように画像形成装置1から着脱可能になる。
【0048】
開口8021を介して現像ユニット802に供給されたトナーは、現像ユニット802の枠体で構成される現像容器32の内部に形成される搬送室36に収容されることになる(
図6(a)、(b))。なお、現像容器32を構成する枠体は1つの部材で構成されても、複数の部材を組み合わせて構成しても良い。ここで、搬送室36には撹拌部材34が設けられている。撹拌部材34は、撹拌部材34の回転中心の近傍に設けられる軸部材34aと、軸部材34aから径方向に延びる羽根部34bと、を有している。断面において、羽根部34bの先端の回転軌跡内にあるトナーは羽根部34bの移動に応じて押され移動する。開口8021を介して補給されたトナーは、撹拌部材34によって撹拌されながら、現像ローラ31、供給ローラ33及び現像ブレード35に向かって搬送されることになる。
【0049】
クリーニングユニット803は、第四搬送部材8031、第五搬送部材8032及び枠体で構成される廃トナー室8033を備えている(
図6(a)、(b))。なお、廃トナー室8033を構成する枠体は1つの部材で構成されても、複数の部材を組み合わせて構成しても良い。廃トナー室8033は、クリーニングブレード24によって感光ドラム21から回収された転写残トナー等の回収物(いわゆる廃トナー)を収容する空間であり、トナー受けユニット801及び現像ユニット802の内部空間とは独立している。クリーニングブレード24によって回収された廃トナーは、第四搬送部材8031及び第五搬送部材8032により矢印M方向に搬送され、廃トナー室の奥部8033aから手前に徐々に堆積されていく。
【0050】
ここで、クリーニングユニット803と現像ユニット802との間には、スキャナユニット11(
図1(a))から感光ドラム21に向けて出射されるレーザ光Lが通過可能な空隙としてのレーザ通過空間SPが形成されている(
図6(a))。上述した通り、トナー受けユニット801から現像ユニット802にトナーを受け渡すための排出口8016及び開口8021は、長手方向における各ユニットの端部に設けられている。このため、プロセスカートリッジ20全体としてコンパクトな構成で、レーザ通過空間SPを確保しつつ、画像形成装置の外部から(特に、装置の上面に開口する補給口を介して)補給されるトナーを、カートリッジ下部の現像容器32まで搬送できる。
【0051】
(1-5)トナーパックの構成
トナーパック40の構成について説明する。
図7(a)はシャッタ部材41が閉状態にあるトナーパック40を示す斜視図であり、
図7(b)はその下面図である。
図8(a)はシャッタ部材41が開状態にあるトナーパック40を示す斜視図であり、
図8(b)はその下面図であり、
図8(c)はトナー補給時にユーザがトナーパック40を手で絞る様子を表している。また、
図12は、シャッタ部材41が閉状態にあるトナーパック40を下方から見た斜視図である。
【0052】
図7乃至
図8に示すように、補給容器の一例であるトナーパック40は、トナーが充填される袋部材43と、袋部材43に取付けられた樹脂製の排出部42と、排出部42の開口部を開閉可能なシャッタ部材41と、を備えている。また、排出部42には、トナーパック40の情報を記憶する記憶手段としてのメモリユニット45が取付けられている。メモリユニット45は、後述する補給容器装着部701の接点部70133(
図9参照)と接触する接点部45aとして、トナーパック40の外側に露出した複数の金属板(金属端子)を有している。また、袋部材43について、材質として、PP樹脂(ポリプロピレン)、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、段ボール、紙などを採用することができる。また、厚みは0.01mm~1.2mmとすることができる。また袋のユーザによる解しやすさ、丈夫さという観点では、0.05mm~1.0mm以下が更に好適である。
【0053】
図7(b)、
図8(b)及び
図12に示すように、シャッタ部材41は、排出部42に対して相対回転可能な円盤の一部を切り欠いた形状をしている。切り欠きされた部分でのシャッタ部材41の厚みを形成する側面が係合面41sとして機能する。一方、排出部42も、切り欠きが施された形状を持つ。排出部42は、切り欠きされた部分で、係合面41sと平行な係合面42sを有する。そして、排出口42aは排出口42aの周方向において係合面42sとは略180度離れた位置に設けられている。なお、係合面41s及び係合面42sについては、
図12にその詳細が示されている。
【0054】
図7(b)及び
図12に示すように、シャッタ部材41及び排出部42の上面或いは下面から見たときの切り欠きの位置が揃っているとき、排出口42aはシャッタ部材41によって覆われる(閉状態)。
図8(b)に示すように、シャッタ部材41が排出部42に対して180度回転すると、シャッタ部材41の切り欠き部分を介して排出口42aが露出して、袋部材43の内部空間がトナーパック40の外部空間に連通する。なお、
図12に示すように、シャッタ部材41は、剛性を有する本体部41aに、スポンジ等の弾性材料で形成されたシール層41bを貼り合わせた構造とすると好適である。この場合、閉状態においてシール層41bが排出口42aの周縁部を覆うシール層42cと密着することで、トナー漏れを防ぐことができる。
図12中でシール層42cが示されているが、このシール層42cもシール層41bと同様に、スポンジ等の弾性材料で形成されている。
【0055】
後述するように、トナーパック40から画像形成装置1にトナーを補給する際は、排出部42を所定の位置に位置合わせしてトナーパック40を補給容器装着部701に挿入・結合する。そして、排出部42を180度回転させることで、排出部42がシャッタ部材41に対して相対回転して排出口42aが開き、袋部材43のトナーが重力に従いトナー受けユニット801に流下する構成となっている。このときシャッタ部材は補給容器装着部701に対しては相対的に移動しない。
【0056】
図8(c)に示すように、ユーザは、トナーパック40を補給容器装着部701に装着して180度回転させた状態で袋部材43を手で絞ることにより、トナーパック40からのトナーの排出を促すことができる。
【0057】
なお、ここでは回転式のシャッタ部材41を例示したが、シャッタ部材は省いてもよく、回転式のシャッタ部材41の代わりにスライド式のシャッタ部材を適用してもよい。また、シャッタ部材41は、トナーパック40を補給口8012に装着したり装着状態でトナーパックを回転させたりすることで破壊される構成でも良く、シールのような取外し可能な蓋構造であってもよい。
【0058】
また、未使用のトナーパック40の排出部42に対して保護キャップを装着し、輸送時等にトナーが漏れ出ないようにすると好適である。保護キャップは、例えば排出部42に装着された状態においてシャッタ部材41及び排出部42の切り欠き部分に係合し、シャッタ部材41と排出部42の相対回転を規制するように構成される。保護キャップを取り外すことで、ユーザはトナーパック40を補給容器装着部701に装着できるようになる。
【0059】
(1-6)補給容器装着部の構成
トナーパック40とトナー受けユニット801のシャッタ開閉機構、及びシャッタ部材41のロック機構について説明する。
図9(a)は、補給容器装着部701の斜視図であり、
図9(b)はその上面図である。補給容器装着部701は、補給口8012、補給口シャッタ7013、ロック部材7014及び回転検知部7015を有している。
【0060】
補給口8012は、トナー受けユニット801のトナー収容部8011(
図6参照)に連通する開口部であり、トナー受けユニット801の枠体8010に対して固定されている。補給口シャッタ7013は、補給口8012を覆う蓋部70131と、トナーパック40の排出部42を受け入れる筒状部70132と、トナーパック40のメモリユニット45の接点部45a(
図8(b)参照)と接続される接点部70133と、を有している。図中、接点部70133を覆う筒状部70132の部分を筒状部70132aで示してある。補給口シャッタ7013は、これら蓋部70131、筒状部70132及び接点部70133が一体化され、トナー受けユニット801の枠体8010に回転可能に取付けられた部材である。接点部70133に露出している各導体は、プロセスカートリッジ20に設けられた配線及びプロセスカートリッジ20とプリンタ本体100との間の接点を介して、プリンタ本体100に搭載される画像形成装置1の制御部と電気的に接続されている。
【0061】
回転検知センサとしての回転検知部7015は、補給口シャッタ7013の回転を検知する機構である。本実施形態の回転検知部7015は、2枚の導電性のある板バネ70151、70152によって構成される。板バネ70152は時計回りの方向にバネ付勢しており、補給口シャッタ7013の外周に設けられた突出部70135aによって押圧された場合に、先端部701521において他方の板バネ70151に接触する。つまり、回転検知部7015は、補給口シャッタ7013の回転角度(回転位置)に応じて、導通状態と切断状態とが切り替わるように構成された電気回路である。後述するように、画像形成装置の制御部90(
図19)は、回転検知部7015が導通しているか切断しているかに基づいて、トナーパック40の排出口42aと補給容器装着部701の補給口8012とが連通した状態か否かを認識する。言い換えると、ユーザによるトナーパック40への補給操作が少なくとも排出口42aと補給口8012との連通まで正常に行われたことを制御部90は判断できる。
【0062】
図9(a)乃至
図10(c)に示すように、補給口シャッタ7013の筒状部70132の外周部には、複数の突出部70135a、70135bが設けられている。また、枠体8010は、シャッタ支持部7011を有しており、シャッタ支持部7011は、補給口シャッタ7013の筒状部70132を回転可能に支持している。シャッタ支持部7011の円筒部分7011aにも、複数の突出部70125a、70125bが設けられている。複数の突出部70125a、70125bは、突出部70135a(
図10(a)中右側)よりも重力方向で下方に位置する。突出部70125bは、突出部70135a(
図10(a)中右側)の回転移動による通過を許容する。一方、突出部70135a(
図10(a)左側)は、突出部70135a(
図10(a)中右側)と同じ高さで、且つ突出部70125a、突出部70125bと重複する高さまで下に伸びている。従って、突出部70125bは、補給口シャッタ7013の回転角度(回転位置)によって、突出部70135a(
図10(a)中左側)と当接し、突出部70135a(
図10(a)中左側)の回転移動を規制する。
【0063】
また、補給口シャッタ7013のR1方向回転前は、突出部70125aが突出部70135a(左側)に当接し、突出部70135aのR2方向の回転移動を規制する。また、突出部70135a(
図10(a)中右側)がロック部材7014に当接し、ロック部材7014のR1方向の回転移動を規制する。一方、補給口シャッタ7013のR1方向回転後は、突出部70135bが、ロック位置に移動後のロック部材7014に当接し、ロック部材7014のR2方向の回転移動を規制する。また、突出部70135a(
図10(a)右側)が、突出部70125bに当接し、突出部70135aのこれ以上のR1方向の回転移動を規制する。なお、補給口シャッタ7013の回転方向は、トナーパック40の取付け時にR1方向であり、取外し時にR2方向であるものとする。
【0064】
ロック部材7014は、補給口シャッタ7013の回転を規制する部材である。
図11(a)はロック部材7014がロック位置にある状態を表し、
図11(b)はロック部材7014がロック解除位置にある状態を表している。ロック部材7014は、上下に移動することでロック位置(規制位置)とロック解除位置(許容位置)との間で遷移可能である。
図9(b)及び
図11(a)に示すように、ロック部材7014がロック位置において補給口シャッタ7013の突出部70135aに当接すると、補給口シャッタ7013の回転が規制される。
図11(b)に示すようにロック部材7014がロック解除位置に移動すると、補給口シャッタ7013が回転するときの突出部70135aの移動軌跡からロック部材7014が退避することにより、補給口シャッタ7013の回転が許容される。
【0065】
(1-7)ロック部材の押圧機構
ここで、画像形成装置1が有する押圧機構600について
図13を用いて説明する。押圧機構600は、モータ601、入力ギア602、カムギア603、進退ピン604で構成される。カムギア603は、カム部6031とギア部6032から成る。
【0066】
入力ギア602はねじ歯車で構成されていて、カムギア603のギア部6032ははす歯車で構成されており、モータ601からの回転運動を入力ギア602からギア部6032に伝えることができる。
【0067】
進退ピン604は不図示の保持部材により重力方向と重力と逆方向に直線運動可能に支持されている。
図13に示すように、進退ピン604はカムギア603のカム部6031と接触することで重力方向と重力と逆方向に直線運動する。その時、進退ピン604はトナー受けユニット801のロック部材7014と連動し、進退ピン604はロック部材7014を重力方向と重力と逆方向に動かす。
【0068】
なお、本実施形態のギア形状は、はす歯歯車とねじ歯車の組み合わせとしたが、モータの回転を直線運動に変換可能な構成であればこれに限定しなくてもよく、例えばかさ歯歯車を用いたり、入力ギア602を排してカムギア603をモータ601で直接駆動させる構成としてもよい。
【0069】
(1-8)トナーパックを用いた補給動作の流れ
以上で説明したトナーパック40、補給容器装着部701及び押圧機構600の構成に基づいて、トナーパック40を補給容器装着部701に装着してトナーを補給した後に取り外す際の一連の動作を説明する。
図10(a)は、補給口8012が閉状態にある補給容器装着部701の上面図であり、
図10(b)は、補給口8012が開状態にある補給容器装着部701の上面図である。
図10(c)は、補給口8012が開状態にある補給容器装着部701の斜視図である。
【0070】
図10(a)に示すように、閉状態にある補給口シャッタ7013は、突出部70135aがロック位置にあるロック部材7014と回転方向において当接することにより、補給口8012に対して回転しないよう固定されている。このとき、補給口シャッタ7013の蓋部70131は補給口8012を完全に塞いでいる。また、回転検知部7015の板バネ70151、70152は離間しており、回転検知部7015は切断状態である。
【0071】
トナーパック40を補給容器装着部701に挿入するとき、ユーザは、トナーパック40の排出部42及びシャッタ部材41の切り欠き部(
図12)を補給口8012及び補給口シャッタ7013の蓋部70131に位置合わせして挿入する。すると、排出部42の係合面42sが蓋部70131の側面である係合面7013s(
図9(c)参照)と係合し、シャッタ部材41の係合面41sが補給口8012の外周部に設けられた係合面8012s(
図9(c)参照)と係合する。このとき、補給口シャッタ7013の蓋部70131と係合している排出部42は、後にロック部材7014による補給口シャッタ7013のロックが解除されるまでは回転不能であり、ロック解除によって補給口シャッタ7013と共に回転可能となる。一方、トナーパック40のシャッタ部材41は、トナー受けユニット801の枠体8010に固定された補給口8012に係合することで回転不能な状態となっている。なお、蓋部70131及び排出部42の他の係合構成として、蓋部70131の上面から上方に突出する凸部を設け、排出部42の下面42b(
図12参照)にこの突起に係合する凹部を設けてもよい。
【0072】
また、トナーパック40の挿入により、メモリユニット45の接点部45a(
図7)が補給容器装着部701の接点部70133と接触し、メモリユニット45に記録された情報が画像形成装置の制御部90によって読み取られる。メモリユニット45には、トナーパック40にトナーが入っているか否か(使用済みのトナーパックか否か)を表す情報(新品フラグ)が記録されている。制御部90は、新品フラグを読み取り、現在装着されているトナーパック40にトナーが入っている(未使用である)と判断すると、押圧機構600を制御しロック部材7014を押し上げる。これにより、ロック部材7014はロック位置からロック解除位置(
図11(b))に移動する。
【0073】
ロック部材7014がロック解除位置に移動した状態では、ロック部材7014が補給口シャッタ7013の突出部70135aから離間することで、補給口シャッタ7013が、
図10(a)、(b)のR1方向に回転可能な状態となる(
図11(b))。これに対し、トナー受けユニット801の枠体8010に設けられた突出部70125aが突出部70135aと干渉するため(
図10(a))、補給口シャッタ7013のR2方向への回転は規制されている。即ち、
図10(a)中で、70125a及び70125bは、70135a及び70135bが回転方向に移動通過できるように、70135a及び70135bよりも、重力方向において下方に位置している。
【0074】
ユーザがトナーパック40を把持して排出部42又はその近傍の袋部材43をR1方向に180度回転させると、
図10(b)、(c)に示す状態となる。トナーパック40の排出部42と共に補給口シャッタ7013が180度回転することで、蓋部70131が補給口8012を覆う位置から移動して補給口8012が露出する。蓋部70131は、その側面が回転する排出部42の一部である係合面42sに押され係合面42sと共に回転移動する。また、シャッタ部材41が固定されている状態で排出部42が180度回転することで、トナーパック40の排出口42aが露出し(
図8(b))、補給口8012に対向する。これにより、トナーパック40の内部空間と、トナー受けユニット801の内部空間とが、排出口42a及び補給口8012を介して連通し、袋部材43に充填されているトナーがトナー収容部8011に流下する。
【0075】
トナー収容部8011に落下したトナーは、上述した通り、トナー受けユニット801の内部を搬送されて現像容器32に到達し、現像プロセスに使用可能な状態となる。なお、新たに補給されたトナーが現像容器32に到達する前であっても、現像容器32に画質を維持するために必要な量のトナーが残っている限りは、現像ユニット802が現像プロセスを実行可能な構成としてもよい。即ち、画像形成部10(
図1(a))における画像形成動作の実行中であるか否かに関わらず、画像形成装置の外部にある補給容器から現像容器にトナーを補給可能な構成としてもよい。
【0076】
また、突出部70125bは、補給口シャッタ7013が
図10(a)の状態からR1方向に180度回転したときに補給口シャッタの突出部70135aと当接するように配置されている(
図10(b)、(c))。即ち、突出部70125bも、70125aと同様に、70135a及び70135bよりも重力方向において下方に位置している。これにより、補給口シャッタ7013は180度を超えてR1方向に回動することを規制される。同時に、補給口シャッタ7013の突出部70135aが回転検知部7015の板バネ70152を押圧し、その先端部701521を板バネ70151に接触させる。回転検知部7015が導通状態になると、制御部90は補給口シャッタ7013が開状態となったことを認識し、押圧機構600を動作させ、ロック部材7014を再びロック位置へ移動させる。すると、ロック部材7014が補給口シャッタ7013の突出部70135bと係合してR2方向への回転を規制することで、補給口シャッタ7013及びトナーパック40がいずれの方向にも回転しない状態となる。
【0077】
さらに、トナーパック40の排出部42及び補給口シャッタ7013が180度回転された
図10(b)、(c)の状態では、トナーパック40のシャッタ部材41の上方を補給口シャッタ7013の蓋部70131が覆う位置関係となる。このため、トナーパック40を補給容器装着部701から上方に持ち上げようとしても、シャッタ部材41が蓋部70131に干渉するため、トナーパック40の移動は規制される。従って、ユーザが以下で説明する所定の手順でトナーパック40の取外し操作を行わない限り、トナーパック40が補給容器装着部701から脱落することが防がれる。
【0078】
トナーパック40からトナーの排出が始まった後、トナーの排出完了を判断するための条件が満たされると、制御部90は押圧機構600を動作させ、ロック部材7014をロック解除位置へと移動させる。本実施形態では、回転検知部7015が導通状態となった時点からの経過時間によってトナーの排出完了が判断される。
【0079】
ロック部材7014がロック解除位置へと移動した後は、ユーザは、トナーパック40の取付け時とは逆の手順によってトナーパック40を取り外すことができる。すなわち、ユーザは、トナーパック40の排出部42又はその近傍の袋部材43を把持して、取付け時とは反対のR2方向に180度回転させる。すると、排出部42と共に補給口シャッタ7013が180度回転し、
図10(a)に示すように補給口8012が補給口シャッタ7013の蓋部70131によって覆われる。また、補給口シャッタ7013の突出部70135a(
図10(a)中左側)が突出部70125aに当接することで、補給口シャッタ7013が180度を超えてR2方向に回動することが規制される。
【0080】
トナーパック40の排出部42がR2方向に180度回転された状態では、排出部42の切り欠き部の位置とシャッタ部材41の切り欠き部の位置とが揃っている(
図12)。このため、トナーパック40が上方に移動しても、シャッタ部材41が補給口シャッタ7013の蓋部70131と干渉することはなく、ユーザはトナーパック40を把持して持ち上げることで補給容器装着部701から取り外すことができる。
【0081】
なお、補給口シャッタ7013がR2方向に180度回転する過程で、突出部70135aが板バネ70152から離間し、回転検知部7015が切断状態に戻る。すると、制御部90は補給口シャッタ7013が閉状態となったことを認識し、押圧機構600を動作させてロック部材7014をロック位置へと移動させる。これにより、補給容器装着部701は、トナーの補給動作を行う前の初期状態に戻る。例えば、制御部90は、回転検知部7015が導通状態となってから所定時間経過することで、ロック部材7014をロック解除状態へ移動させる所定条件が満たされたと判断しても良い。なお、ロック部材7014をロック位置へと移動させるトリガーは、トナーパック40を補給容器装着部701から引き抜くことによって、補給容器装着部の接点部70133とトナーパックの接点部45a(
図7参照)との導通が失われたことであってもよい。
【0082】
本実施形態では180度の回転でトナーパック40の排出口42aと補給口8012が連通する位置関係としたが、本実施形態と同様の操作によってトナーパック40の着脱が可能となる構成であれば、連通に必要な回転角度は変更可能である。
【0083】
(1-9)パネル
次に、パネル400について説明する。パネル400は、
図1(b)及び
図14(a)~(c)に示すように、例えば、プリンタ本体100の筐体の前面に設けられている。現像容器32内のトナーの残量(あるいは、現像容器32の空き容量)に関する情報を表す表示手段の一例である。パネル400は、複数の目盛り(インジケータ)を含む液晶パネルからなる。本実施例では、鉛直方向の上方から下方に3つの目盛り4001、4002,4003が配列されている。パネル400は、段階的に変化する目盛り4001~4003の表示により、現像容器32に対して補給可能なトナーの量を表している。制御部90は後述の補給動作完了認識に基づきパネル表示を随時更新する。また、補給動作完了が実際のトナー残量に反映されていなかった場合には、追ってトナー残量検知をし、パネル表示を更新しても良い。例えば、制御部90が、インジケータ4002を点灯させた後、実際にはトナー残量が十分補給されていないことを光学センサ(51a,51b、
図6(a)参照)で検知した場合、制御部90は、インジケータ4002を消灯させ、パネル400の表示を更新する。また、最下部の目盛り4003は、現像容器32内のトナーがLowレベルであるかOutレベルであるかについても表している。ただし、Lowレベルとは、現像容器32に対するトナーの補給が必要であるが、画質を維持するために最低限の量のトナーは残っており、現時点では画像形成動作を実行可能であることを表す。Outレベルとは、現像容器32内にトナーがほとんど残っておらず、画像形成動作を実行不能であることを表す。
【0084】
図示したパネル400の構成例において、3つの目盛り4001,4002,4003が全て消灯している場合には、現像容器32のトナーがOutレベルであることを示す(第4状態)。
【0085】
図14(a)のように、下部の目盛り4003のみが点灯している場合には、現像容器32内のトナー残量がLowレベルであることを示す。この状態では、目盛り2つが消灯していることから、例えばトナーパック40で2本分のトナーを補給可能であることが分かる(第3状態)。また、目盛りに隣接する「+1」及び「+2」の数字パネルが点灯することからも、トナーパック40で2本分のトナーを補給可能であることが分かる。
【0086】
図14(b)のように、下部及び中央の目盛り4002,4003が点灯し、上部の目盛り4001が消灯している場合には、現像容器32内のトナー残量がLowレベルより多く、Fullレベル(満タン)より少ない水準であることを示す。この状態では、目盛り1つが消灯していることから、例えばトナーパック40で1本分のトナーを補給可能であることが分かる(第2状態)。また、目盛りに隣接する「+1」の数字パネルが点灯し、「+2」の数字パネルが消灯していることからも、トナーパック40で1本分のトナーを補給可能であることが分かる。
【0087】
図14(c)のように、3つの目盛り4001~4003の全てが点灯している場合には、現像容器32内のトナー残量がFullレベルであることを示す。この状態では、消灯している目盛りがないから、例えばトナーパック40からトナーを補給することできないことが分かる(第1状態)。また、目盛りに隣接する「+1」及び「+2」の数字パネルが消灯していることからも、トナーパック40からトナーを補給できないことが分かる。
【0088】
なお、
図14に図示したパネル400では、現像容器32内のトナー残量に応じて表示内容が変更される表示手段の一例であり、他の構成を用いてもよい。例えば、液晶パネルに代えて、LED又は白熱灯等の光源と拡散レンズとを組み合わせてパネルを構成してもよい。目盛りを省略して数字パネルのみを用いたり、数字パネルを省略して目盛りのみを用いてもよい。
【0089】
また、パネル400における目盛りの数やその表示方法は適宜変更可能である。例えば、現像容器32内のトナー残量がLowレベルである場合に下部の目盛りを点滅させることで、ユーザにトナーの補給を促すようにしてもよい。
【0090】
[NFCユニットを搭載した画像形成装置の説明]
本実施形態では、トナーボトルユニット900から供給されるトナーの補給可否を制御するトナー補給制御機構の制御に非接触通信であるNFC(Near Field Communication)通信を用いる。
図4に示す画像形成装置にNFC通信を行うための非接触通信部としてNFCユニットを設置した時の構成を
図20から
図23の図面を参照しながら詳しく説明する。
図20は、
図4に示す画像形成装置にNFCを設置した斜視図である。
図21は、
図20で示したNFCを有した画像形成装置に、トナーボトルユニット900を装着した様子を示す斜視図である。
図22は、
図21で示したトナーボトルユニットを装着した画像形成装置の上面図である。そして
図23は、
図20に示す画像形成装置から、外装を不図示にして、矢視Mの方向から見た図である。
【0091】
NFCユニット120は、内部にアンテナを有し、本体正面から見て、右側に配置されている(
図20)。実施例において、NFCユニットは、本体外に取り付けられているが、電磁波を透過する材質のカバー内に配置することも可能である。
【0092】
ユーザがトナー補給を行う際には、ユーザは読取装置200を開き、トナーボトルユニット900を補給口に装着し(
図21)、認証を行う認証手段である公知のNFCカード(不図示)をNFCユニット120にかざす。これにより画像形成装置は、NFCユニット120にかざされたNFCカードからの信号を受信してユーザ認証を行い、画像形成装置の保守を行う権限を有するユーザである場合には、補給制御機構を駆動・制御し、トナーの補給動作が行なわれる。なお本明細書における非接触通信とは、NFCカードをNFCユニット120にかざすことにより通信を行うものを指す。
【0093】
NFCユニット120は、
図22に示すようにトナー補給口とともに本体正面から見て右側(排出トレイ81に対して一方側)に設けられている。つまりトナーボトルユニット900の回転を規制するロック部材7014を移動させるモータ601と、NFCユニット120と、は本体正面から見て共に右側にある。加えてNFCユニット120は、読取装置200上ではなく装置本体上面の排出トレイ81外に配置され、かつ、読取装置の回転軸と直交する方向において、読取装置の回転軸とトナー補給口の間以外の領域に配置される。そして本実施形態では、NFCユニット120をモータ601の軸線611上から外れた位置に設置している(
図23)。このように配置することにより、NFCユニット120をモータ601の磁力線の影響を受けにくい場所に配置した構成としている。
【0094】
以上のような構成で以下の効果を得ることができる。
【0095】
1)読取装置上面にNFCユニットを配置した構成にあっては、読取装置を閉じたとき、補給口が読取装置で隠れる構成の場合、トナー補給時にはトナーボトルを装着するため、読取装置を傾ける必要がある。この結果、NFCカードを読取装置上面のNFCユニットに接触させることが難しくなり、操作性が低下する。これに対し、本実施例のようにNFCユニットを読取装置上面ではなく、装置本体上面に配置することで、トナーボトルを装着した状態であってもNFCカードをNFCユニットに容易に接触させることが可能となる。この結果、トナー補給時のNFC通信での認証作業の操作性を向上させることができる。
【0096】
2)本体上方から見たときに、NFCユニットとトナー補給口をいずれかの姿勢(少なくとも閉状態)の読取装置と重なるように配置する構成の場合、読取装置を開かずともトナー補給が可能であるが、本体が大型化してしまう。これに対し、本実施例のようにNFCユニットとトナー補給口をいずれかの姿勢(少なくとも閉状態)の読取装置と重なるように配置することで、本体の大型化を防ぐことができる。
【0097】
3)NFCユニットを、読取装置の回転軸と直交する方向において、回転軸とトナー補給口の間ではない位置に配置することで、補給時に装着されたトナーボトルでNFCユニットが隠れることはない。このため、ユーザがNFCユニットを認識しやすく、また、NFCカードの接触も容易となる。
【0098】
4)NFCユニットとトナー補給口を装置本体の同じ側に配置することで、操作性が向上する。
【0099】
5)
図21に示すように、NFCユニット120は、モータ601の軸線611上から外れた位置にある。これにより、ユーザがNFCカードで信号を読み取らせる時に、モータ601の磁力線の影響を抑制することができ、より確実に信号を受信する(通信する)ことができる。また受信した信号も、磁力の影響によるノイズを低減させることができ、誤動作が引き起こされることを抑制することができる。
【0100】
このようにNFCユニット120を画像形成装置の所定の配置に設けることにより、5つの効果を得ることができる。
【0101】
(2)第1変形例
次に、補給容器の他の例として、袋状のトナーパックに代えてボトル状のトナーボトルユニットを用いる第1変形例の形態について、
図15を用いて説明する。なお、このトナーボトルユニットは、上述のトナーパック40と同じく上述の補給容器装着部701に対して取付け及び取外し可能に構成される。従って、第1の実施形態と共通である画像形成装置の構成については説明を省略する。
【0102】
(2-1)トナーボトルユニットの構成
図15(a)はトナーボトルユニット900の外観を示す斜視図であり、
図15(b)はトナー排出後のトナーボトルユニット900を示す斜視図である。
図15(c)はトナーボトルユニット900をピストンの下方から見た図であり、
図15(d)は
図15(c)に示す断面位置D-Dにおけるトナーボトルユニット900の断面図である。
【0103】
また、
図16(a)は、外筒903(
図15(a)参照)を非表示にしたトナーボトルユニット900の斜視図であり、
図16(b)はトナー排出後の状態で外筒903を非表示にしたトナーボトルユニット900の斜視図である。
図16(c)は、トナーボトルユニット900の押込み検知に関わる部品の押込み操作前の状態を表す図であり、
図16(d)は、押込み検知に関わる部品の押込み操作後の状態を表す図である。
図16(e)は、トナーボトルユニット900の回転検知に関わる部品の回転操作前の状態を表す図であり、
図16(f)は、トナーボトルユニット900の回転検知に関わる部品の回転操作後の状態を表す図である。
【0104】
図15(a)、(d)に示すように、トナーボトルユニット900は、大まかに、外筒903、内筒901、ピストン902、シャッタ部材904及びメモリユニット911を備えている。外筒903及び内筒901は筒状であり、外筒903の内側に内筒901が嵌め込まれており、ピストン902は、内筒901のさらに内側に嵌め込まれ、内筒901に対して摺動可能である。以下、ピストン902が移動する方向(外筒903及び内筒901の軸線の方向)を指して、トナーボトルユニット900の軸方向とする。また、ピストン902は押圧部材の一例である。
【0105】
内筒901は、トナーを収容する筒形状のトナー収容部9014と、軸方向の一端側に設けられた底部9013と、底部9013に設けられた排出口9011と、を有している。内筒901は、トナー収容部9014の軸方向の一端部が底部9013によって閉じられたシリンダ形状である。トナー収容部9014の他端側は開口部9012となっており、ピストン902は開口部9012を介してトナー収容部9014に挿入されている。また、内筒901にはトナー収容部9014内を自在に移動可能な球形状の重り部材905が内包されている。
【0106】
外筒903は、内筒901のトナー収容部9014を内側に収める筒形状の内筒収容部9034と、軸方向の一端側に設けられた底部9033と、底部9033に設けられた排出口9031と、を有している。外筒903は、内筒901と同じく、内筒収容部9034の軸方向の一端部が底部9033によって閉じられたシリンダ形状であり、内筒901を相対移動不能に保持している。内筒収容部9034の他端側は、ピストン902が挿通される開口部9032となっている。なお、
図15には重り部材905(移動部材)が1つだけ図示されているが、後述するように、移動部材の数を変更することが可能である。
【0107】
内筒901の排出口9011は、底部9013から軸方向の一端側に延びる細筒状である。外筒903の排出口9031は、底部9033において内筒901の排出口9011に対応する位置に設けられている。外筒903の排出口9031は、トナー収容部9014に収容されたトナーを、トナーボトルユニット900の外部に排出する排出口である。なお、内筒901の排出口9011に隣接して、ピストン押込み時に重り部材905が排出口9011を塞がないように退避する退避空間9013aが設けられている。
【0108】
なお、内筒901の底部9013は、軸方向の排出口側に向かうほど断面積が小さくなる傾斜形状(特に、軸方向の排出口側に向かうほど内径が小さくなる円錐形状)を有している。内筒901の底部9013に対向する外筒903の底部9033も同様の傾斜形状を有している。内筒901の排出口9011及び退避空間9013aは、底部9033の傾斜形状の頂点部分に設けられている。重り部材905は球形で、この底部9013に案内され、重力により退避空間9013aに移動する。
【0109】
ピストン902は、軸方向の一端側(排出口側)の端部9023に装着された弾性部材906と、他端側の端部9022(ピストン押込み時にユーザが押圧する部分)の付近に設けられた押込みリブ9021と、を備えている。弾性部材906は、トナー収容部9014の内周面に隙間なく接するように構成され、ピストン押込み時にトナーのすり抜けを防ぐ機能を有する。また、押込みリブ9021は、ピストン902の外周面から径方向外側に突出する凸形状である。
【0110】
シャッタ部材904に関する構成は、上述のトナーパック40に設けられたシャッタ部材41と同様である。即ち、
図15(c)に示すように、シャッタ部材904は、外筒903に対して相対回転可能な円盤の一部を切り欠いた形状をしている。切り欠きされた部分でのシャッタ部材904の厚みを形成する側面が係合面904sとして機能する。一方、外筒903も、切り欠きが施された形状を持つ。外筒903は、切り欠きされた部分で、係合面904sと平行な係合面903sを有する。そして排出口9031は外筒903の周方向において係合面903sとは略180度離れた位置に設けられている。
【0111】
図15(c)は排出口9031が既に露出した状態を図示しているが、トナーボトルユニット900の出荷時の状態では、シャッタ部材904及び外筒903の切り欠き状の係合面903s、904sの位置は揃っている。この場合、排出口9031はシャッタ部材904によって覆われ、トナー収容部9014の封止状態が維持される(閉状態)。
図15(c)に示すように、シャッタ部材904が外筒903に対して180度回転すると、シャッタ部材904の切り欠き部分を介して排出口9031が露出し、トナー収容部9014の封止が解除されてトナーを排出可能な状態となる(開状態)。排出口9031、係合面903s、シャッタ部材904の構成は、基本的に
図7、
図8及び
図12で説明した構成と同様である。
【0112】
外筒903における排出口9031の付近には、トナーボトルユニット900の情報を記憶する記憶手段としてのメモリユニット911が取付けられている。メモリユニット911は、補給容器装着部701の接点部70133(
図9(a))と接触する接点部911aとして、トナーボトルユニット900の外側に露出する複数の金属板9111,9112,9113(
図16(a))を有している。
【0113】
(2-2)ピストンの押込み検知機構
また、
図16(a)、(c)に示すように、外筒903と内筒901との間には、ピストン902の押込み動作を検知する押込み検知機構として、押込み検知棒907、第一接点板908及び第二接点板909が配置されている。押込み検知棒907は、樹脂等の絶縁材料で、第一接点板908、第二接点板909は金属等の導電材料で形成される。押込み検知棒907は、軸方向の一端側(排出口側)に接点解除部9072を有し、軸方向の他端側に、ピストン902の押込みリブ9021に当接可能なピストン接触部9071を有している。押込み検知棒907は、ピストン902の押込み動作に連動して、押込みリブ9021にピストン接触部9071が押圧されることで軸方向に移動する。
【0114】
押込み検知棒907は、例えば内筒901の外周面又は外筒903の内周面に形成された軸方向の溝形状に嵌め込まれることで、軸方向に垂直な方向への移動を規制されつつ、且つ内筒901及び外筒903に対して軸方向に移動可能に保持されている。また、ピストン接触部9071は、軸方向に対して垂直に、つまりL字状に折り曲げられた形状を有し、押込みリブ9021がより確実に当接するように構成されている。なお、
図16(a)では押込みリブ9021がピストン902の外周面に全周に亘って設けられているが、ピストン接触部9071に対応する周方向位置に限って押込みリブ9021を形成してもよい。
【0115】
第一接点板908及び第二接点板909は、絶縁樹脂で形成された押込み検知棒907の位置によって導通状態と切断状態とが切り替わる金属板である。第一接点板908及び第二接点板909を用いたトナーボトルユニット900の新品検知方法については後述する。
【0116】
また、外筒903の開口部側の端部には、筒カバー910(
図15(a))が備え付けられており、押込み検知棒907が脱落するのを防止している。つまり、外筒903の開口部9032を構成している筒カバー910が、ピストン接触部9071(
図16(b))の径方向外側の端部位置よりも内側に絞られている(
図15(d))。そのため、押込み検知棒907を軸方向開口部側に移動させようとする力が加わっても、ピストン接触部9071が筒カバー910に干渉し、押込み検知棒907はトナーボトルユニット900から脱落しない。
【0117】
(2-3)トナーボトルユニットの新品又は使用済み判断
次に、トナーボトルユニット900を補給容器装着部701に装着した場合に、トナーボトルユニット900が未使用(新品)か使用済みかを検知する構成について説明する。
図16(c)、(d)に示すように、押込み検知棒907の接点解除部9072は第一接点板908及び第二接点板909近傍に位置している。
【0118】
図16(c)は
図16(a)に示すピストン押込み前の状態に対応し、第一接点板908及び第二接点板909が互いに接触することで導通状態にある。このとき、金属製の第一接点板908及び第二接点板909の一方を板バネ形状として、他方の接点板に圧接するように構成すると好適である。また、例えば第一接点板908及び第二接点板909の接触面に導電グリスを塗布しておくことで第一接点板908及び第二接点板909の導通をより確実にすることができる。
【0119】
図16(d)は
図16(b)に示すピストン押込み後の状態に対応し、第一接点板908及び第二接点板909が切断状態にある。この状態では、押込みリブ9021によって押込まれた押込み検知棒907の接点解除部9072が、第一接点板908及び第二接点板909の間に入り込むことでこれらを物理的に離間させている。押込み検知棒907は、少なくとも接点解除部9072が絶縁材料で形成されており、接点解除部9072が介在する
図16(d)の状態では第一接点板908及び第二接点板909の導通が切断される。
【0120】
第一接点板908及び第二接点板909は、押込み検知棒907の接点解除部9072と接触する端部とは反対側の端部において、複数の金属板9111~9113のうちで異なる金属板とそれぞれ接続されている。ここでは、第一接点板908が金属板9111に接続され、第二接点板909が金属板9113に接続されているものとする。この場合、金属板9111,9113の間に微弱な電圧を印加した際の電流の有無を検知することで、トナーボトルユニット900がピストン押込み前の状態(未使用)であるかピストン押込み後の状態(使用済み)であるかを判別可能である。即ち、トナーボトルユニット900が補給容器装着部701に装着された状態において、画像形成装置の制御部90は金属板9111、9113の間の導通の有無に基づいてトナーボトルユニット900が未使用か使用済みかを判断できる。また、制御部90は、第一接点板908、第二接点板909が非導通になったことをもって、ユーザによる補給操作が終了したと判断することができる。この判断に基づき、制御部90は、先に説明したパネル400の表示制御を行う。また、制御部90は、金属板9111、9113間の導通の変化で、トナーボトルユニット900が、使用済みであることを示す、新品フラグ(新品:1、使用済み:0)をメモリユニット45に書き込む。
【0121】
なお、上記構成の場合、メモリユニット911は金属板9111,9112をつなぐ回路上に配置すると好適である。これにより、画像形成装置の制御部90は、金属板9111,91113を介してトナーボトルユニット900の押込み動作を監視しながら、これに並行して、金属板9111,9112を介してメモリユニット911にアクセスすることができる。
【0122】
(2-4)トナーボトルユニットの回転検知
次に、
図16(e)、(f)を用いてトナーボトルユニット900の回転を検知する方法について説明する。なお、本実施の形態における回転検知方法は、補給容器の排出口を封止するシャッタ部材904がトナーボトルユニット900の外筒903に取付けられている以外は、上述のトナーパック40を用いる実施の形態と同様である。
【0123】
図16(e)、(f)に示すように、プロセスカートリッジの補給容器装着部701には、回転検知部7015として、2枚の導電性のある板バネ70151、70152が配置されている。また、補給口シャッタ7013の外周部には、突出部70135bが設けられている。
【0124】
図16(e)に示すように、補給容器装着部701に挿入されたトナーボトルユニット900が回転される前の状態では、板バネ70152の先端701521が板バネ70152に接触しておらず、回転検知部7015は切断状態にある。即ち、板バネ70151,70152の間に微弱な電圧を印加しても電流は流れない。
図16(f)に示すように、トナーボトルユニット900が180度回転されると、板バネ70152が突出部70135aによって押圧され、先端部701521において他方の板バネ70151に接触して導通状態となる。この状態では、板バネ70151,70152の間に微弱な電圧を印加すると電流が流れる。画像形成装置の制御部90は、回転検知部7015が導通しているか切断しているかに基づいて、トナーボトルユニット900の排出口9031と補給容器装着部701の補給口8012とが連通した状態か否かを認識する。
【0125】
(2-5)トナーボトルユニットを用いた補給動作の流れ
トナーボトルユニット900を補給容器装着部701に装着してトナーの補給を行った後、トナーボトルユニット900を取り外す一連の動作について説明する。なお、トナーパック40を用いる上述の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0126】
まず、ユーザは、未使用のトナーボトルユニット900を補給容器装着部701に装着する。具体的には、外筒903及びシャッタ部材904の切り欠き状の係合面903s、904s(
図15(c))を補給口8012及び補給口シャッタ7013の蓋部70131(
図9(a))に位置合わせして挿入する。すると、外筒903の係合面903sが蓋部70131の側面である係合面7013sと係合し、シャッタ部材904の係合面904sが補給口8012の外周部に設けられた係合面8012sと係合する。このとき、補給口シャッタ7013の蓋部70131と係合している外筒903は、後にロック部材7014による補給口シャッタ7013のロックが解除されるまでは回転不能であり、ロック解除により補給口シャッタ7013と共に回転可能となる。一方、シャッタ部材904は、トナー受けユニット801の枠体8010に固定された補給口8012に係合することで回転不能な状態となっている。また、回転検知部7015の板バネ70151、70152は離間しており、回転検知部7015は切断状態である(
図16(e))。
【0127】
未使用のトナーボトルユニット900が補給容器装着部701に挿入された場合、上述の新品検知構成によってトナーボトルユニット900が新品であることを制御部90が認識する。制御部90は、先に説明したように、金属板9111-91113間の導通を認識してもよいし、メモリユニット45の新品フラグ(新品:1、使用済み:0)を、読み込み判断しても良い。すると、制御部90は、押圧機構600を動作させてロック部材7014をロック解除位置へ移動させ、トナーボトルユニット900が回転可能な状態となる。
【0128】
その後、ユーザがトナーボトルユニット900を把持して180度回転させると、シャッタ部材904及び補給口シャッタ7013が開放され、トナーボトルユニット900の排出口9031と補給容器装着部701の補給口8012とが連通する。トナーボトルユニット900の回転に伴ってシャッタ部材904及び補給口シャッタ7013が開く動作は、
図10(a)、(b)、(c)を用いて説明したトナーパック40の場合と同様である。
【0129】
図16(f)に示すように、トナーボトルユニット900が180度回転された状態では、補給口シャッタ7013の突出部70135bによって押圧される板バネ70152の端部701521が他方の板バネ70151に接触する。このように回転検知部7015が導通状態になると、画像形成装置の制御部90は、トナーボトルユニット900の回転操作が行われたことを検知する。つまり、制御部90は、シャッタ部材904及び補給口シャッタ7013の封止が解除されてトナーパック40の排出口42aと補給容器装着部701の補給口8012とが連通したことを認識する。また、制御部90は、押圧機構600を動作させてロック部材7014をロック位置へ移動させ、トナーボトルユニット900の回転可能を規制する。
【0130】
次に、ユーザはトナーボトルユニット900のピストン902を押圧して、トナーの排出を開始する。トナー収容部8011に落下したトナーは、トナー受けユニット801の内部を搬送されて現像容器32に到達する。本変形例においても、ピストン902が最も奥まで押込まれると、上述の押込み検知機構により、ピストン902の押込み動作の完了が検知される。即ち、
図16(b)に示すように、ピストン902の押込みリブ9021が押込み検知棒907のピストン接触部9071を押圧することで、押込み検知棒907がピストン902に連動して移動する。そして、
図16(d)に示すように、押込み検知棒907の接点解除部9072が第一接点板908及び第二接点板909の導通を切断する。画像形成装置の制御部90は、第一接点板908に接続された金属板9111と、第二接点板909に接続された金属板9113との間に電圧を印加しても電流が流れなくなったことに基づき、ピストン902の押込み完了を認識する。つまり、本変形例の場合は、押込み検知機構によってピストン902の押込み動作の完了を検知することが、トナーの排出完了を判断するための条件となっている。なお、他の構成例として、第一接点板908及び第二接点板909の間の導通が切断された場合に制御部90がメモリユニット911の新品フラグを書き換えるとともに、新品フラグの書き換えをもってトナーの排出が完了したと判断するようにしてもよい。
【0131】
トナーボトルユニット900からのトナーの排出完了を検知した制御部90は、再び押圧機構600を動作させてロック部材7014をロック解除位置へ移動させ、トナーボトルユニット900を回転可能な状態とする。ユーザは、トナーボトルユニット900を把持して180度回転させる。すると、トナーボトルユニット900の排出口9031はシャッタ部材904によって覆われ、補給容器装着部701の補給口8012は補給口シャッタ7013の蓋部70131によって覆われる。また、
図16(e)に示すように板バネ70151、70152が離間し、回転検知部7015が切断状態に戻る。すると、制御部90は補給口シャッタ7013が閉状態となったことを認識し、押圧機構600を動作させてロック部材7014をロック位置へと移動させる。これにより、補給容器装着部701は、トナー補給を行う前の初期状態に戻る。
【0132】
(3)第2変形例
次に、プロセスカートリッジの構成が異なる第2変形例の形態について説明する。本変形例は、プロセスカートリッジに関する構成以外の部分については第1の実施形態と共通の構成を備えるため、共通部分については説明を省略する。
【0133】
(3-1)プロセスカートリッジ
図17は、本変形例に係るプロセスカートリッジ20Aの(a)斜視図、(b)側面図、(c)断面図、(d)断面図である。
図17(c)、(d)は、それぞれ
図17(b)に図示した切断位置における切断面を表している。
【0134】
図17の各図に示すように、本変形例のプロセスカートリッジ20Aは、トナー受けユニット801、現像ユニット802及びドラムユニット803Aによって構成されている。第1の実施形態と比べた場合、ドラムユニット803Aには、感光ドラム21の表面を清掃するクリーニングブレード24や廃トナーを収容する廃トナー室8033(
図6(a)参照)は設けられていない。本変形例は、記録材に転写されずに感光ドラム21の表面に残った転写残トナーを現像ユニット802に回収して再利用する、クリーナーレス構成を採用しているためである。なお、ここでも例えば非磁性又は磁性の一成分現像剤が用いられるものとする。
【0135】
図示した例では、現像ユニット802がプロセスカートリッジ20Aの下部に位置し、トナー受けユニット801及びドラムユニット803Aは重力方向で現像ユニット802の上方に位置する。
図17(b)に示すように、重力方向に見てトナー受けユニット801及びドラムユニット803Aの位置は重複していないが、両者が少なくとも部分的に上下に並ぶ構成であってもよい。また、第1の実施形態でクリーニングブレード24や廃トナー室8033が設けられていた空間には、トナー受けユニット801が配置されている。トナー受けユニット801に設けられた補給容器装着部701の構成は第1の実施形態と共通であるが、
図17には簡略化された形状を図示している。
【0136】
現像ユニット802と、ドラムユニット803A及びトナー受けユニット801との間には、スキャナユニット11(
図1(a)参照)から感光ドラム21に向けて出射されるレーザ光Lが通過可能な空隙としてのレーザ通過空間SPが形成されている。また、ドラムユニット803Aには、感光ドラム21の回転方向において転写部の下流かつ帯電ローラ22の間に、感光ドラム21の表面に光を照射して静電潜像を消去する前露光装置を配置することが好ましい。
【0137】
(3-2)クリーナーレス構成におけるトナーの挙動
クリーナーレス構成におけるトナーの挙動について説明する。転写部において感光ドラム21に残った転写残トナーは、以下の工程で除去される。転写残トナーには正極性に帯電しているトナーや、負極性に帯電しているものの充分な電荷を有していないトナーが混在する。前露光装置により転写後の感光ドラム21を除電し、帯電ローラ22による均一な放電を生じさせることで、転写残トナーは再び負極性に帯電させられる。帯電部において再び負極性に帯電させられた転写残トナーは、感光ドラム21の回転に伴い現像部に到達する。そして、帯電部を通過した感光ドラム21の表面領域は、転写残トナーが表面に付着した状態のまま、スキャナユニット11により露光されて静電潜像を書き込まれる。
【0138】
ここで、現像部に到達した転写残トナーの挙動について、感光ドラム21の露光部と非露光部に分けて説明する。感光ドラム21の非露光部に付着している転写残トナーは、現像部において感光ドラム21の非露光部の電位(暗部電位)と現像電圧との電位差により現像ローラ31に転移し、現像容器32に回収される。これは、トナーの正規帯電極性が負極性であるものとして、現像ローラ31に印加される現像電圧が、非露光部の電位に対して相対的に正極性だからである。なお、現像容器32に回収されたトナーは、撹拌部材34によって現像容器内のトナーと撹拌されて分散すると共に、現像ローラ31に担持されることで再び現像工程に使用される。
【0139】
一方、感光ドラム21の露光部に付着している転写残トナーは、現像部において感光ドラム21から現像ローラ31に転移せずにドラム表面に残る。これは、トナーの正規帯電極性が負極性であるものとして、現像ローラ31に印加される現像電圧が、露光部の電位(明部電位)よりもさらに負極性の電位となっているためである。ドラム表面に残った転写残トナーは、現像ローラ31から露光部へと転移する他のトナーと共に感光ドラム21に担持されて転写部へ移動し、転写部において記録材に転写される。
【0140】
クリーナーレス構成とすることで、転写残トナー等を回収する回収容器の設置スペースが不要となって画像形成装置1のより一層の小型化が可能となり、また、転写残トナーを再利用することで印刷コストの低減を図ることもできる。
【0141】
(4)第3変形例
次に、プロセスカートリッジの構成が上述のいずれの形態とも異なる第3の変形例について説明する。本変形例は、プロセスカートリッジに関する構成以外の部分については第1の実施形態と共通の構成を備えるため、共通部分については説明を省略する。
【0142】
(4-1)プロセスカートリッジの第3の形態
図18は、本変形例に係るプロセスカートリッジ20Bの(a)斜視図、(b)側面図、(c)断面図である。
図18(c)は、
図18(b)に図示した切断位置における切断面を表している。
【0143】
図18の各図に示すように、本変形例のプロセスカートリッジ20Bは、現像ユニット802及びドラムユニット803Aによって構成されている。第3の実施形態と比べた場合、トナー受けユニット801が省略される代わりに、補給容器装着部701、第一搬送部材8013及び第二搬送部材8014が現像ユニット802に配置されている。つまり、本変形例は、現像容器32に設けられた補給口8012に対して、トナーパック40やトナーボトルユニット900等の補給容器を画像形成装置の外部から装着してトナーの補給を行う構成である。補給容器装着部701の構成は第1の実施形態と共通であるが、簡略化された形状を図示している。
【0144】
現像ユニット802と、ドラムユニット803A及びトナー受けユニット801との間には、スキャナユニット11(
図1(a)参照)から感光ドラム21に向けて出射されるレーザ光Lが通過可能な空隙としてのレーザ通過空間SPが形成されている。また、ドラムユニット803Aには、感光ドラム21の回転方向において転写部の下流かつ帯電ローラ22の間に、感光ドラム21の表面に光を照射して静電潜像を消去する前露光装置を配置することが好ましい。本変形例は、クリーナーレス構成を採用している。クリーナーレス構成におけるトナーの挙動については第2変形例と同様であるため説明を省略する。
【0145】
(5)画像形成装置の制御系
図19は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。画像形成装置1の制御手段としての制御部90は、演算装置としてのCPU91と、CPU91の作業領域として使用されるRAM92と、各種プログラムを格納する不揮発性メモリ93と、を有している。また、制御部90は、外部の機器と接続される入出力ポートとしてのI/Oインターフェース94と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部95と、を有している。CPU91は、不揮発性メモリ93に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することで、画像形成装置1の各部を制御する。従って、不揮発性メモリ93は、画像形成装置を特定の方法で動作させるための制御プログラムを格納した非一過性の記憶媒体の例である。
【0146】
また、制御部90には、トナーパック40やトナーボトルユニット900等の補給容器に搭載された不揮発メモリであるTメモリ57、プロセスカートリッジ20に搭載された不揮発メモリであるPメモリ58が接続される。補給容器に設けられた記憶手段としてのTメモリ57の例は、前述のトナーパック40に搭載されたメモリユニット45、及び、前述のトナーボトルユニット900に搭載されたメモリユニット911である。また、Tメモリ57には、トナーパック40やトナーボトルユニット900等の補給容器に収容されているトナーが現像容器32に補給可能なトナーであることを示すトナー情報も記憶されている。トナー情報とは、例えば、トナーパック40が未使用状態であるか、トナーの初期容量、使用期限等が記述された情報のことである。また、Pメモリ58には、現像容器32に収容されているトナーの残量、これまでに行われた補給容器からのトナーの補給総量、感光体寿命に関する情報、プロセスカートリッジ20の交換タイミングに関する情報などが記憶されている。
【0147】
さらに、制御部90には回転ロック機構59及び画像形成部10が接続されている。回転ロック機構59の例は、補給容器装着部701に設けられたロック部材7014(
図9及び
図11)及びこのロック部材7014を移動させる押圧機構600(
図13)である。画像形成部10は、感光ドラム21、現像ローラ31、供給ローラ33及び撹拌部材34等を駆動する駆動源としてのモータM1を有している。なお、これらの回転部材の駆動源は必ずしも同一でなくともよく、例えば感光ドラム21、現像ローラ31及び供給ローラ33と、撹拌部材34とを、それぞれ別個のモータによって駆動するように構成してもよい。また画像形成部10は、現像ローラ31等の各部材へ電圧印加するための電源部211や、スキャナユニット11を制御する露光制御部212も備える。
【0148】
制御部90の入力側には、トナー残量検知手段51、廃トナー満タン検知手段52、装着検知手段53、開閉検知手段54、回転検知手段55、押込み検知手段56が接続されている。
【0149】
トナー残量検知手段51は、現像容器32に収容されているトナーの残量を検知する。トナー残量検知手段51の例は、
図6(a)に示す光学センサ(51a,51b)である。この光学センサは、現像容器32の内部に向けて検知光を照射する発光部51aと、検知光を検知する受光部51bとを含む。この場合、撹拌部材34が回転する際の回転周期に対して検知光の光路がトナーによって遮光されていた期間の割合(Duty)は、現像容器32内のトナー残量に相関がある。これを利用し、Duty値とトナー残量との対応関係を予め用意しておくことで、現在のDuty値からトナー残量を求めることができる。なお、このような光学センサはトナー残量検知手段の一例であり、感圧センサや静電容量式センサを用いてもよい。廃トナー満タン検知手段52は、クリーニングユニット803の廃トナー室8033(
図6(a))に蓄積された廃トナーの量が所定の上限に到達したことを検知する。廃トナー満タン検知手段52としては、例えば廃トナー室8033に配置した感圧センサを用いることができる。また、画像情報の所定割合が廃トナーとなって回収されるという予想のもと、制御部90は、画像情報から廃トナー量を演算予想しても良い。
【0150】
装着検知手段53は、トナーパック40等の補給容器が補給容器装着部701に装着されたことを検知する。装着検知手段53は、例えば、補給容器装着部701に設けられ、トナーパック40の底面によって押圧されることで検知信号を出力する感圧スイッチから構成される。また、装着検知手段53は、補給容器装着部701の接点部70133(
図9)を介してTメモリ57が制御部90と電気的に接続されたことを検出する検出回路であってもよい。
【0151】
回転検知手段55は、補給容器装着部701に装着された補給容器の回転を検知する。回転検知手段55の例は、板バネ70151,70152(
図9及び
図16)によって構成される回転検知部7015である。回転検知部7015は回転検知手段55の一例であり、例えば補給口シャッタ7013に設けられた突出部によって遮光される光電センサを回転検知センサとして用いることもできる。また、回転検知センサの他の例として、トナーパック40の排出部42に設けた突出部によって回転検知部7015の板バネ70151,70152が導通する構成としてもよい。
【0152】
押込み検知手段56は、第1変形例のトナーボトルユニット900を用いる場合に追加される要素であり、トナーボトルユニット900のピストン902の押込み完了を検知する。押込み検知手段56の例は、トナーボトルユニット900に設けられた押込み検知棒907、第一接点板908及び第二接点板909からなる押込み検知機構(
図16)の状態変化を検知する画像形成装置1に設けられた検出回路である。この検出回路は、第一接点板908及び第二接点板909がそれぞれ接続された金属板9111,9113に電圧を印加したときの電流値を監視することで、ピストン902の押込み前か押込み後かを検出する。
【0153】
また、制御部90には、画像形成装置1のユーザインタフェースとなる操作部300と、ユーザに対して現像容器32内のトナー残量に関する情報を通知する通知手段(報知手段)としてのパネル400とが接続されている。ここでトナー残量に関する情報とは、トナー残量そのものを示すことに限定されない。その他にも、トナー残量に関する情報には、トナーパック40やトナーボトルユニット900を用いて、どれだけ既に補給済みであるかを示す情報も包含される。また、トナー残量に関する情報には、現像容器32にあと幾つのトナーパック40や、トナーボトルユニット900で補給を行えるかの現像容器32の空き容量を示す情報も包含される。
【0154】
操作部300は、各種の設定画面を表示可能な表示部301を有している。表示部301は、例えば液晶パネルで構成される。また、操作部300は、ユーザからの入力操作を受け付ける入力部302を備えている。入力部302は、例えば物理ボタンや液晶パネルのタッチパネル機能部で構成される。さらに、制御部90は、I/Oインターフェース94を介して、デスクトップコンピュータやスマートフォン等の外部機器と接続される。
【0155】
<第2の実施形態>
本発明に係る画像形成装置及び画像形成システムの第2実施形態について、図を用いて説明する。本実施形態では、NFC通信でユーザ認証を行い、装置本体、読取装置の少なくともいずれか一方を駆動可能とする構成としている他、搬送部材8013~8015を駆動するモータ613とNFCユニットを所定の配置とする点で第1の実施形態と異なる。
【0156】
第1の実施形態の時と同様に、
図4に示す画像形成装置にNFC通信を行うためのNFCユニットを設置した時の構成について、
図24~27を用いて説明する。
【0157】
図24は本実施例2に係るNFCユニットを設置した画像形成装置の斜視図である。
図25は、
図24で示したNFCを有した画像形成装置で、トナーボトルユニットを装着した様子を示す斜視図である。
図26は、
図24で示したトナーボトルユニットを装着した画像形成装置の上面図である。
図27は、
図23に示す画像形成装置から、外装を不図示にして、矢視Nの方向から見た図である。
【0158】
NFCユニット140は、内部にアンテナを有し、本体正面から見て、左側に配置されている(
図24)。本実施例において、NFCユニット140は、本体外に取り付けられているが、電磁波を透過する材質のカバー内に配置することも可能である。
【0159】
本実施例においても第1の実施形態と同様、ユーザがトナー補給を行う際には、ユーザは読取装置200を開き、トナーボトルユニット900を補給口に装着し(
図25)、認証を行う認証手段であるNFCカード(不図示)をNFCユニット140にかざす。これにより画像形成装置は、NFCユニット140にかざされたNFCカードでユーザ認証を行い、装置本体、読取装置の少なくともいずれか一方を駆動可能とする。
【0160】
NFCユニット140は、読取装置200上ではなく装置本体上面の排出トレイ81外に配置され、かつ、読取装置の回転軸と直交する方向において、回転軸とトナー補給口の間以外の領域に配置される(
図26)。
【0161】
また、第1の実施形態と同様、トナーを搬送する第一搬送部材8013と第二搬送部材8014、そして第三搬送部材8015を駆動するために入力ギア614と、入力ギア614を駆動するモータ613を第2の実施形態も備えている。本実施形態では、NFCユニット140をモータ613の軸線618上から外れた位置に設置している(
図27)。このように配置することにより、NFCユニット140をモータ613の磁力線の影響を受けにくい場所に配置した構成としている。そして第2の実施形態においても、NFCユニット140をモータ613の軸線618上から外れた位置に設置している。
【0162】
以上のような構成で以下の効果を得ることができる。
【0163】
1)実施例1と同様に、NFCユニット140を装置本体上面に配置することで、トナーボトル900を装着した状態でNFCカードをNFCユニット140に容易に接触させることが可能となる。この結果、トナー補給時の認証作業の操作性を向上することができる。
【0164】
2)実施例1と同様に、装置上方から見たとき、NFCユニット140とトナー補給口をいずれかの姿勢(少なくとも閉状態)の読取装置と重なるように配置することで、本体の大型化を防ぐことができる。
【0165】
3)NFCユニット140を本体正面から見た時にトナーボトル140と排出トレイ81を挟んで反対側に配置し、NFCユニット140がトナーボトル900に隠れない構成とする。これによりユーザは、NFCユニット140を認識しやすく、また、NFCカードの接触も容易となる。
【0166】
4)NFCユニット140とトナー補給口を、排出トレイ81を挟んで反対側に配置することで、NFCユニット140の配置の際、トナー補給口の位置を気にしなくてよくなり、空間効率の良い配置が可能となる。
【0167】
5)
図24に示すように、NFCユニット140は、モータ613の軸線618上から外れた位置にある。これにより、ユーザがNFCカードで信号を読み取らせる時に、モータ613の磁力線の影響を抑制することができ、より確実に信号を読み取る(通信する)ことができる。また、読み取った信号も、磁力の影響よるノイズを低減させることができ、誤動作が引き起こされることを抑制することができる。特に、モータ613は、負荷の大きい搬送手段を駆動する必要があり、より、大きな出力を必要としているので、磁力が大きい。よって、軸線を外すことにより大きな磁力の影響を回避することができる。これによりNFCユニット140、NFCカードと安定した通信を行うことができる。
【0168】
このようにNFCユニット140を画像形成装置の所定の配置に設けることにより、5つの効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0169】
1 画像形成装置
20,20A,20B プロセスカートリッジ
21 像担持体(感光ドラム)
31 現像剤担持体(現像ローラ)
32,8010 プロセスカートリッジの枠体(現像容器、トナー受けユニットの枠体)
40、900 補給容器(トナーパック、トナーボトルユニット)
8011 トナー収容部、第一の収容部
8012 補給口
8013 搬送部材(第一搬送部材)
8016 連通部(排出口)
8111 第一開口(第一排気口)