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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】スピーカ及び端末
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/02 20060101AFI20241105BHJP
   H04R 9/04 20060101ALI20241105BHJP
   H04R 7/18 20060101ALI20241105BHJP
   H04R 7/12 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
H04R9/02 103Z
H04R9/04 105B
H04R9/02 102A
H04R7/18
H04R7/12 A
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2023518966
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 CN2021116261
(87)【国際公開番号】W WO2022062874
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】202011025500.2
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】フゥオ,ポン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,ツゥンショアイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,リンリン
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0303278(US,A1)
【文献】特開2005-269331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 9/02
H04R 9/04
H04R 7/18
H04R 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカであって、
凹状の収容キャビティが設けられたフレームと、
前記収容キャビティの開口部を覆い、前記フレームに接続された振動板と、
磁気アセンブリであって、前記磁気アセンブリの少なくとも一部は、前記収容キャビティに配置され、前記収容キャビティの底部に接続され、前記振動板に近い前記磁気アセンブリの端部は、磁気ギャップを有する、磁気アセンブリと、
前記収容キャビティに位置し、前記振動板に接続され、コイル、巻型、及び接続部材を含む振動アセンブリであって、前記コイルは、前記巻型の周りに巻かれ、前記コイルの少なくとも一部は、前記磁気ギャップに位置し、前記接続部材は、前記巻型の、前記収容キャビティの側壁に近い側に配置される、振動アセンブリと、
前記収容キャビティに位置し、前記巻型と前記接続部材との間に配置された環状の第1のダンパであって、前記第1のダンパの内側は、前記磁気アセンブリに接続され、前記第1のダンパの外側は、前記接続部材に接続され、前記第1のダンパの半径方向に前記振動アセンブリを支持し、前記第1のダンパは、前記コイルの上端に近く、前記コイルの下端から離れており、前記コイルの前記上端は、前記振動板に近く、前記コイルの前記下端は、前記振動板から離れている、第1のダンパと、
前記収容キャビティに位置し、前記接続部材と前記収容キャビティの前記側壁との間に配置された環状の第2のダンパであって、前記第2のダンパの内側は、前記接続部材に接続され、前記第2のダンパの外側は、前記収容キャビティの前記側壁に接続され、前記第2のダンパの半径方向に前記振動アセンブリを支持し、前記第2のダンパは、前記コイルの前記下端に近く、前記コイルの前記上端から離れている、第2のダンパと
を備えるスピーカ。
【請求項2】
前記第1のダンパは、前記コイルの、前記振動板に近い側に位置し、前記第2のダンパは、前記コイルの、前記振動板から離れた側に位置する、
請求項1に記載のスピーカ。
【請求項3】
前記振動板に近い前記コイルの端部は、前記振動板に近い前記第1のダンパの面を超え、
前記振動板から離れた前記コイルの端部は、前記振動板から離れた前記第2のダンパの面を超える、
請求項1に記載のスピーカ。
【請求項4】
前記接続部材上の前記コイルの垂直方向の突起の幾何学的中心と前記第1のダンパとの間には第1の間隔L1があり、前記接続部材上の前記コイルの前記垂直方向の突起の前記幾何学的中心と前記第2のダンパとの間には第2の間隔L2があり、L1=L2である、
請求項1から3のいずれか一項に記載のスピーカ。
【請求項5】
前記第1のダンパの弾性係数は、前記第2のダンパの弾性係数と同じである、請求項4に記載のスピーカ。
【請求項6】
前記振動板に近い前記コイルの端部は、前記振動板に近い前記第1のダンパの面を超え、
前記接続部材上の前記振動板から離れた前記コイルの端部の垂直方向の突起は、前記第1のダンパと前記第2のダンパとの間に位置する、
請求項1に記載のスピーカ。
【請求項7】
前記接続部材上の前記振動板に近い前記コイルの端部の垂直方向の突起は、前記第1のダンパと前記第2のダンパとの間に位置し、
前記振動板から離れた前記コイルの端部は、前記振動板から離れた前記第2のダンパの面を超える、
請求項1に記載のスピーカ。
【請求項8】
前記第1のダンパの内孔の軸は、前記コイルの軸と重なり、前記第2のダンパの内孔の軸は、前記コイルの軸と重なる、請求項1から7のいずれか一項に記載のスピーカ。
【請求項9】
前記コイルの前記軸は、前記巻型の軸と重なり、前記接続部材の軸は、前記巻型の前記軸と重なる、
請求項8に記載のスピーカ。
【請求項10】
前記スピーカは、ダンパブラケットを更に備え、
前記ダンパブラケットは、前記磁気アセンブリの、前記振動板に近い側に位置し、前記ダンパブラケットの、前記振動板から離れた側の面は、前記磁気アセンブリに接続され、前記ダンパブラケットの、前記振動板に近い側の面は、前記第1のダンパの前記内側に接続される、
請求項1から9のいずれか一項に記載のスピーカ。
【請求項11】
前記ダンパブラケットの高さは、前記振動アセンブリの振幅よりも大きく、前記ダンパブラケットの前記高さの方向は、前記収容キャビティの前記底部に対して垂直である、請求項10に記載のスピーカ。
【請求項12】
前記磁気アセンブリは、
ベースプレートと磁極柱とを含むTヨークであって、前記ベースプレートは、前記収容キャビティの前記底部に接続され、前記磁極柱は、前記ベースプレートの、前記振動板に近い側に位置し、前記底部に接続される、Tヨークと
前記Tヨークの前記ベースプレートの、前記振動板に近い側の面に接続された環状の第1の磁石であって、前記磁極柱は、前記第1の磁石の内孔に位置する、第1の磁石と、
前記第1の磁石の、前記振動板に近い側の面に接続された環状のワッシャであって、前記磁極柱は、前記ワッシャの内孔に位置し、前記磁気ギャップは、前記ワッシャの内側リングと前記磁極柱との間に形成される、ワッシャと
を備え、
前記ダンパブラケットは、前記ワッシャの上面に位置し、前記ワッシャの上面は、前記振動板に近い前記ワッシャの面である、
請求項10又は11に記載のスピーカ。
【請求項13】
前記ワッシャの縦断面において、前記振動板に近い部分は直角台形であり、前記振動板から離れた部分は矩形であり、前記直角台形の傾斜縁部は、前記収容キャビティの前記側壁に近く、前記縦断面は、前記収容キャビティの前記底部に対して垂直である、
請求項12に記載のスピーカ。
【請求項14】
前記第1の磁石の前記内孔の軸及び前記ワッシャの前記内孔の軸は、前記磁極柱の軸と重なり、
前記コイルの前記軸は、前記磁極柱の前記軸と重なる、
請求項12に記載のスピーカ。
【請求項15】
前記磁気アセンブリは、
溝が設けられたUヨークであって、前記Uヨークの前記溝の前記底部は、前記収容キャビティの前記底部に接続され、前記Uヨークの前記溝の側壁のうち前記振動板に近い側の面は、前記第1のダンパの前記内側に接続される、Uヨークと、
前記Uヨークの前記溝に位置し、前記Uヨークの前記溝の前記底部に接続された第2の磁石と、
前記Uヨークの前記溝に位置し、前記第2の磁石の、前記振動板に近い側の面に接続された磁極片であって、前記磁極片と前記Uヨークの前記溝の前記側壁との間に前記磁気ギャップが形成される、磁極片と
を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のスピーカ。
【請求項16】
前記第2の磁石及び前記磁極片は円筒形であり、前記第2の磁石の軸及び前記磁極片の軸は、前記Uヨークの軸と重なり、
前記コイルの前記軸は、前記Uヨークの前記軸と重なる、
請求項15に記載のスピーカ。
【請求項17】
前記接続部材は、第1の段差面を有し、前記第1の段差面は、前記収容キャビティの前記底部に平行であり、前記第1のダンパの前記外側は、前記第1の段差面に接合され、
前記フレームは、第2の段差面を有し、前記第2の段差面は、前記収容キャビティの前記底部に平行であり、前記第2のダンパの前記外側は、前記第2の段差面に取り付けられ、前記第2のダンパの前記内側は、前記接続部材の、前記振動板から離れた側の面に取り付けられる、
請求項1から16のいずれか一項に記載のスピーカ。
【請求項18】
前記振動板に近い前記接続部材の端部は、前記振動板に接続され、前記振動板に近い前記巻型の端部は、前記接続部材に接続される、
請求項1から17のいずれか一項に記載のスピーカ。
【請求項19】
前記振動板に近い前記巻型の端部は、前記振動板に接続され、前記振動板に近い前記接続部材の端部は、前記巻型に接続される、
請求項1から17のいずれか一項に記載のスピーカ。
【請求項20】
前記振動板に近い前記巻型の端部は、前記振動板に接続され、前記振動板に近い前記接続部材の端部は、前記振動板に接続され、
前記振動板に近い前記巻型の端部と前記振動板に近い前記接続部材の端部との間にはギャップがある、
請求項1から17のいずれか一項に記載のスピーカ。
【請求項21】
前記スピーカは、周囲部を更に備え、
前記周囲部は、環状であり、前記周囲部の内側は、前記振動板に接続され、前記周囲部の外側は、前記フレームに接続される、
請求項1から20のいずれか一項に記載のスピーカ。
【請求項22】
前記周囲部は、前記収容キャビティの前記底部に近づく方向に窪んでおり、前記振動板は、前記収容キャビティの前記底部から離れる方向に膨らんでいる、請求項21に記載のスピーカ。
【請求項23】
ハウジングと、請求項1から22のいずれか一項に記載のスピーカとを備える端末であって、前記ハウジングには取付孔が設けられており、前記スピーカの一部は前記取付孔に位置する、端末。
【請求項24】
前記端末は、サウンドボックス、テレビ、又はコンピュータのうちの1つである、請求項23に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年9月25日に中国国家知識産権局に出願された「SPEAKER AND TERMINAL」と題する中国特許出願第202011025500.2号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、オーディオ技術の分野に関し、詳細には、スピーカ及び端末に関する。
【背景技術】
【0003】
スピーカは、電気音響変換を通して音出力を実施するために、電気エネルギーを音響エネルギーに変換し得る。スピーカでは、通電されたコイルは、磁石によってもたらされる磁界の作用下で、振動板(diaphragm)を駆動して、振動板に対して垂直な垂直方向に振動させて、音を形成することができる。しかしながら、スピーカの動作時、コイルは、垂直方向に上下に振動するだけでなく、水平方向にも左右に揺動する。コイルが比較的大きい振幅で動くと、コイルは、コイルの周りの構成要素に接触して、異常な音を発生させ、スピーカに損傷を与える可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本出願の実施形態は、スピーカ内のコイルの水平方向における左右の揺動の振幅を低減するためのスピーカ及び端末を提供する。
【0005】
前述の目的を達成するために、本出願では、以下の技術的解決策が使用される。
【0006】
本出願の第1の態様によれば、スピーカが提供される。スピーカは、フレームと、振動板と、磁気アセンブリ(magnetic assembly)と、振動アセンブリ(vibrating assembly)と、第1のダンパ(damper)と、第2のダンパとを含む。フレームには、凹状の収容キャビティ(accommodating cavity)が設けられている。振動板は、収容キャビティの開口部を覆い、フレームに接続される。磁気アセンブリの少なくとも一部は、収容キャビティに配置され、収容キャビティの底部に接続され、振動板に近い磁気アセンブリの端部は、磁気ギャップ(magnetic gap)を有する。振動アセンブリは、収容キャビティに位置し、振動板に接続される。振動アセンブリは、コイル、巻型(coil former)、及び接続部材を含む。コイルは、巻型の周りに巻かれ、コイルの少なくとも一部は、磁気ギャップに位置する。接続部材は、巻型の、収容キャビティの側壁に近い側に配置される。第1のダンパは、環状であり、収容キャビティに位置し、巻型と接続部材との間に配置され、第1のダンパの内側は、磁気アセンブリに接続され、第1のダンパの外側は、接続部材に接続される。第1のダンパは、第1のダンパの半径方向に振動アセンブリを支持するように構成される。第1のダンパは、コイルの上端に近く、コイルの下端から離れている。コイルの上端は、振動板に近く、コイルの下端は、振動板から離れている。第2のダンパは、環状であり、収容キャビティに位置し、接続部材と収容キャビティの側壁との間に配置され、第2のダンパの内側は、接続部材に接続され、第2のダンパの外側は、収容キャビティの側壁に接続される。第2のダンパは、第2のダンパの半径方向に振動アセンブリを支持するように構成される。第2のダンパは、コイルの下端に近く、コイルの上端から離れている。
【0007】
結論として、コイルが左右に揺動するプロセスでは、コイルの上端の近くに配置された第1のダンパは、コイルの上端がコイルの初期位置(コイルが静止しているときのコイルの位置)に可能な限り近くなるように、コイルの上端に対して、コイルの揺動方向とは反対の方向の第1の復元力(restoring force)を与え得る。加えて、コイルの下端の近くに配置された第2のダンパは、コイルの下端がコイルの初期位置に可能な限り位置するように、コイルの下端に対して、コイルの揺動方向とは反対の方向の第2の復元力を与え得る。このようにして、第1のダンパ及び第2のダンパはそれぞれ、振動アセンブリを半径方向に支持することができるので、コイルの振動時、コイルの軸が磁気アセンブリの軸と可能な限り重なり、コイルが主に垂直方向に上下に動くことを可能にする。その結果、コイルの左右の揺動(すなわちロールスイング(roll swinging))の振幅を低減することができる。スピーカが低周波数状態で動作し、高電力信号の駆動下でコイルの振幅が比較的大きい場合、コイルのロールスイングの振幅を低減することによって、コイルが磁気アセンブリ内のワッシャと接触していることにより異常な音が引き起こされる確率を効果的に低減することができ、音の歪み率を低減することができる。
【0008】
任意選択的に、第1のダンパは、コイルの、振動板に近い側に位置し、第2のダンパは、コイルの、振動板から離れた側に位置する。このようにして、接続部材上のコイル全体の垂直方向の突起(vertical projection)は、接続部材上の第1のダンパの垂直方向の突起と接続部材上の第2のダンパの垂直方向の突起との間に位置し得る。この場合、第1のダンパは、コイルの上端に位置し、コイルの下端から比較的離れているので、第1のダンパがコイルの上端に与えるトルクは比較的大きい。これは、コイルの上端のロールスイングを制限するのにより役立つ。同様に、第2のダンパは、コイルの下端に位置し、コイルの上端から比較的離れているので、第2のダンパがコイルの下端に与えるトルクは比較的大きい。これは、コイルの下端のロールスイングを制限するのにより役立つ。
【0009】
任意選択的に、振動板に近いコイルの端部は、振動板に近い第1のダンパの面を超える。加えて、振動板から離れたコイルの端部は、振動板から離れた第2のダンパの面を超える。この場合、第1のダンパは、第2のダンパに比較的近い。これは、スピーカの厚さを低減するのに役立つ。
【0010】
任意選択的に、接続部材上のコイルの垂直方向の突起の幾何学的中心と第1のダンパとの間には第1の間隔L1がある。加えて、接続部材上のコイルの垂直方向の突起の幾何学的中心と第2のダンパとの間には第2の間隔L2がある。L1=L2である。このようにして、第1のダンパ及び第2のダンパによってコイルを支持するプロセスでは、第1のダンパによってコイルに加えられる第1の復元力及び第2のダンパによってコイルに加えられる第2の復元力の大きさは、同じ又はほぼ同じであり得るので、コイルが上下に振動するプロセスでは、コイルの軸は、可能な限り磁気アセンブリの軸と重なった状態を保つことができる。
【0011】
任意選択的に、第1のダンパの弾性係数は、第2のダンパの弾性係数と同じである。このようにして、第1のダンパ及び第2のダンパによってコイルを支持するプロセスでは、第1のダンパによってコイルに加えられる第1の復元力の値を、第2のダンパによってコイルに加えられる第2の復元力の値に近づける又は同じにすることはより有用であり得る。
【0012】
任意選択的に、振動板に近いコイルの端部は、振動板に近い第1のダンパの面を超える。接続部材上の振動板から離れたコイルの端部の垂直方向の突起は、第1のダンパと第2のダンパとの間に位置する。この場合、第1のダンパは、第2のダンパに比較的近い。これは、スピーカの厚さを低減させるのに役立つ。
【0013】
任意選択的に、接続部材上の振動板に近いコイルの端部の垂直方向の突起は、第1のダンパと第2のダンパとの間に位置する。振動板から離れたコイルの端部は、振動板から離れた第2のダンパの面を超える。この場合、第1のダンパは、第2のダンパに比較的近い。これは、スピーカの厚さを低減させるのに役立つ。
【0014】
任意選択的に、第1のダンパ及び第2のダンパは環状であり、第1のダンパの内孔の軸は、コイルの軸と重なる。第2のダンパの内孔の軸は、コイルの軸と重なる。このようにして、同心円状に配置された第1のダンパ及び第2のダンパによってコイルを支持するプロセスでは、第1のダンパによってコイルに加えられる第1の復元力及び第2のダンパによってコイルに加えられる第2の復元力の大きさは、同じ又はほぼ同じであり得るので、コイルが上下に振動するプロセスでは、コイルの軸は、可能な限り磁気アセンブリの軸と重なった状態を保つことができる。
【0015】
任意選択的に、コイルの軸は、巻型の軸と重なり、接続部材の軸は、巻型の軸と重なる。この場合、初期位置のコイルと初期位置の巻型とは、同心円状に配置される。これは、コイルの振動時、コイルの軸が、可能な限り磁気アセンブリの軸と重なった状態を保つことを可能にするのに有用である。
【0016】
任意選択的に、スピーカは、ダンパブラケットを更に含む。ダンパブラケットは、磁気アセンブリの、振動板に近い側に位置し、ダンパブラケットの、振動板から離れた側の面は、磁気アセンブリに接続され、ダンパブラケットの、振動板に近い側の面は、第1のダンパの内側に接続される。このようにして、ダンパブラケットは、第1のダンパの内側を支持して、コイルが大きな振幅で振動するときに第1のダンパが磁気アセンブリに接触するのを防止することができる。
【0017】
任意選択的に、ダンパブラケットの高さは、振動アセンブリの振幅よりも大きい。ダンパブラケットの高さの方向は、収容キャビティの底部に対して垂直である。このようにして、第1のダンパが上下に振動するプロセスでは、第1のダンパがワッシャに接触することを防止することができる。任意選択的に、磁気アセンブリは、Tヨークと、第1の磁石と、ワッシャとを含む。Tヨークは、ベースプレートと磁極柱(pole post)とを含む。ベースプレートは、収容キャビティの底部に接続され、磁極柱は、ベースプレートの、振動板に近い側に位置し、底部に接続される。第1の磁石は、環状であり、Tヨークのベースプレートの、振動板に近い側の面に接続され、磁極柱は、第1の磁石の内孔に位置する。ワッシャは、環状であり、第1の磁石の、振動板に近い側の面に接続される。磁極柱は、ワッシャの内孔に位置する。磁気ギャップは、ワッシャの内側リングと磁極柱との間に形成される。ダンパブラケットは、ワッシャの上面に位置し、ワッシャの上面は、振動板に近いワッシャの面である。このようにして、第1のダンパは、ダンパブラケットを通して、磁気アセンブリ内の構成要素、例えば、ワッシャに接続することができる。
【0018】
任意選択的に、ワッシャの縦断面において、振動板に近い部分は直角台形であり、振動板から離れた部分は矩形であり、直角台形の傾斜縁部は、収容キャビティの側壁に近く、縦断面は、収容キャビティの底部に対して垂直である。この場合、一方では、ワッシャの上半部の、収容キャビティの側壁に近い側は傾斜面であるため、ワッシャと第1のダンパとの間のギャップが大きくなり得る。その結果、第1のダンパの振幅がダンパブラケットの高さを超える場合、振動時、第1のダンパはワッシャに接触し難くなる。他方では、ワッシャの縦断面における振動板に近い部分が直角台形であり、その台形の傾斜縁部がコイルから離れた側に位置する場合、コイルに近いワッシャの部分の材料は、コイルから離れたワッシャの部分の材料よりも多い。このようにして、磁気伝導時、ワッシャは、第1の磁石からの磁力線を、コイルが位置する側に向かってより集中させることができるので、コイルが位置する磁界の強度がより高くなる。加えて、ワッシャの縦断面における振動板から離れた部分は矩形である。これにより、振動板から離れたワッシャの端部の鋭い角部により、加工、組み立て、輸送などの間に生じるワッシャへの損傷を回避することができる。
【0019】
任意選択的に、第1の磁石の内孔の軸及びワッシャの内孔の軸は、磁極柱の軸と重なる。コイルの軸は、磁極柱の軸と重なる。磁極柱の軸は、磁気アセンブリの軸として使用され得る。この場合、初期位置における第1の磁石の内孔の軸と、初期位置におけるワッシャの内孔の軸と、初期位置におけるコイルの軸とは、互いに重なり得る。これは、コイルの振動時、コイルの軸が、可能な限り磁気アセンブリの軸と重なった状態を保つことを可能にするのに有用である。
【0020】
任意選択的に、磁気アセンブリは、Uヨークと、第2の磁石と、磁極片(pole piece)とを含み得る。Uヨークには、溝が設けられており、Uヨークの溝の底部は、収容キャビティの底部に接続される。Uヨークの溝の側壁のうち振動板に近い側の面は、第1のダンパの内側に接続される。Uヨークの材料は、比較的純度の高い鉄であり得る。加えて、第2の磁石は、Uヨークの溝に位置し、Uヨークの溝の底部に接続される。第2の磁石は、永久磁石であり、スピーカ内に一定の磁界を提供するように構成される。磁極片は、Uヨークの溝に位置し、第2の磁石の、振動板に近い側の面に接続され、磁極片とUヨークの溝の側壁との間に磁気ギャップが形成される。磁極片は、磁気伝導の機能を有し得る。
【0021】
任意選択的に、第2の磁石及び磁極片は円筒形であり、第2の磁石の軸及び磁極片の軸は、Uヨークの軸と重なる。コイルの軸は、Uヨークの軸と重なる。Uヨークの軸は、磁気アセンブリの軸として使用され得る。この場合、初期位置における第2の磁石の軸と、初期位置における磁極片の内孔の軸と、初期位置におけるコイルの軸とは、重なり得る。これは、コイルの振動時、コイルの軸が、可能な限り磁気アセンブリの軸と重なった状態を保つことを可能にするのに有用である。
【0022】
任意選択的に、接続部材は、第1の段差面(step surface)を有する。第1の段差面は、収容キャビティの底部に平行であり、第1のダンパの外側は、第1の段差面に接合される。第1の段差面によって、第1のダンパの外側と接続部材との間の接触面積が増加し得、第1のダンパの外側と接続部材との間の接続の堅固性が向上し得る。加えて、フレームは、第2の段差面を有する。第2の段差面は、収容キャビティの底部に平行であり、第2のダンパの外側は、第2の段差面に取り付けられ、第2のダンパの内側は、接続部材の、振動板から離れた側の面に取り付けられる。このようにして、第2の段差面を配置することによって、第2のダンパの外側とフレームとの間の接触面積が増加し得、第2のダンパの外側とフレームとの間の接続の堅固性が向上し得る。
【0023】
任意選択的に、接続部材は、振動板に接続され、振動板に近い巻型の端部は、振動板に近い接続部材の端部に接続される。このようにして、振動アセンブリでは、巻型が既に接続部材に接合されているので、振動板を振動アセンブリに接合するプロセスでは、振動板を接続部材に接合するだけでよく、スピーカの取り付けプロセスが簡略化される。
【0024】
任意選択的に、振動板に近い巻型の端部は、振動板に接続され、振動板に近い接続部材の端部は、巻型に接続される。このようにして、振動アセンブリでは、接続部材が既に巻型に接合されているので、振動板を振動アセンブリに接合するプロセスでは、振動板を巻型に接合するだけでよく、スピーカの取り付けプロセスが簡略化される。
【0025】
任意選択的に、振動板に近い巻型の端部は、振動板に接続され、振動板に近い接続部材の端部は、振動板に接続される。振動板に近い巻型の端部と振動板に近い接続部材の端部との間にはギャップがある。このようにして、巻型は、振動板を通して間接的に接続部材に接続され得る。振動時、コイルが巻型を駆動して振動させ得、その後、巻型が接続部材を駆動して振動させるので、コイルの振動は、接続部材に接続された第1のダンパ及び第2のダンパに伝達され得る。
【0026】
任意選択的に、スピーカは、周囲部を更に含む。周囲部は、環状であり、周囲部の内側は、振動板に接続され、周囲部の外側は、フレームに接続される。この場合、周囲部を通して、振動板とフレームとの間の可撓性接続を実現することができる。加えて、スピーカを端末のハウジングの取付孔に取り付けた後、ハウジング内の空気が密閉され得る。
【0027】
任意選択的に、周囲部は、収容キャビティの底部に近づく方向に窪んでいる。窪んだ周囲部により、この周囲部と、スピーカの外側の別の構成要素、例えば、ダストスクリーンとの間の干渉を回避することができる。加えて、振動板は、収容キャビティの底部から離れる方向に膨らんでいる。このようにして、音波の放射がより均一になるように、振動板の形状が音波の放射形状に結合され得る。
【0028】
本出願の別の態様によれば、ハウジングと、上記で説明した任意のスピーカとを含む端末が提供される。ハウジングには取付孔が設けられており、スピーカの一部は取付孔に位置する。前述の端末は、前述の実施形態において提供されるスピーカと同じ技術的効果を有する。詳細については、本明細書では改めて説明しない。
【0029】
任意選択的に、前述の端末は、サウンドボックス、テレビ、又はコンピュータのうちの1つである。サウンドボックス、テレビ、又はコンピュータは、前述の実施形態において提供されるスピーカと同じ技術的効果を有する。詳細については、本明細書では改めて説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1a】本出願の一実施形態による音響デバイスの構造の概略図である。
図1b図1aのスピーカの構造の概略図である。
図2図1aに示すスピーカの部分的な構造の概略図である。
図3図2の振動板及び周囲部の構造の概略図である。
図4a図1bのTヨークの構造の概略図である。
図4b図1bの磁気アセンブリの構造の概略図である。
図5】本出願の一実施形態によるスピーカの構造の概略図である。
図6a】本出願の一実施形態によるスピーカの別の構造の概略図である。
図6b】本出願の一実施形態によるスピーカの別の構造の概略図である。
図7a】本出願の一実施形態によるスピーカの動作ステータスの概略図である。
図7b】本出願の一実施形態によるスピーカの別の動作ステータスの概略図である。
図8】本出願の一実施形態によるスピーカの別の構造の概略図である。
図9図8の第1のダンパ又は第2のダンパの上面構造の概略図である。
図10a】本出願の一実施形態による、スピーカ内の振動アセンブリ中の構成要素がそれぞれの初期位置に位置している場合の概略図である。
図10b】本出願の一実施形態によるスピーカ内の振動アセンブリの構造の一部のロールスイング方式の概略図である。
図10c】本出願の一実施形態によるスピーカ内の振動アセンブリのロールスイング方式の概略図である。
図10d】本出願の一実施形態によるスピーカ内の振動アセンブリの構造の一部の別のロールスイング方式の概略図である。
図10e】本出願の一実施形態によるスピーカ内の振動アセンブリの別のロールスイング方式の概略図である。
図11】関連技術におけるスピーカの構造の概略図である。
図12】本出願の一実施形態によるスピーカの別の構造の概略図である。
図13図12の磁気アセンブリによって形成された磁力線の概略図である。
図14】本出願の一実施形態によるスピーカの別の構造の概略図である。
図15】本出願の一実施形態によるスピーカの別の構造の概略図である。
図16】本出願の一実施形態によるスピーカの別の構造の概略図である。
図17】本出願の一実施形態によるスピーカの別の構造の概略図である。
【0031】
参照番号:
01:サウンドボックス、02:ハウジング、03:取付孔、10:スピーカ、100:収容キャビティ、A1:収容キャビティの底部、A2:収容キャビティの側壁、20:フレーム、30:振動板、31:周囲部、40:磁気アセンブリ、401:Tヨーク、402:第1の磁石、403:ワッシャ、404:Uヨーク、414:Uヨークの溝の底部、424:Uヨークの溝の側壁、405:第2の磁石、406:磁極片、400:磁気ギャップ、50:振動アセンブリ、51:ボイスコイル、501:コイル、502:巻型、503:接続部材、61:第1のダンパ、62:第2のダンパ、70:ダンパブラケット、411:ベースプレート、412:磁極柱、B1:第1の段差面、B2:第2の段差面、600:第3のダンパ。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では、本出願の実施形態における添付の図面を参照して、本出願の実施形態における技術的解決策について説明する。説明される実施形態は、本出願の実施形態の全てではなく一部にすぎないことは明らかである。
【0033】
以下では、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの用語は、単に説明を目的とするものであり、相対的な重要性の指示若しくは含意、股は示された技術的特徴の量の暗黙的な指示として理解されないものとする。従って、「第1の」、「第2の」などによって限定される特徴は、1つ又は複数の特徴を明示的又は暗示的に含み得る。
【0034】
加えて、本出願では、「左(left)」、「右(right)」、「上(upper)」、及び「下(lower)」などの方位語は、添付の図面における構成要素の概略的な配置方位に対して定義される。これらの方位語は、相対的な概念で、相対的な説明及び明確化のために使用されるものであり、添付の図面における構成要素の配置方位の変化に応じて相応に変化し得ることを理解されたい。
【0035】
本出願では、別段に明確に指定及び定義されていない限り、「接続(connection)」という用語は、広い意味で理解されるべきである。例えば、「接続」は、固定の接続、着脱可能な接続、若しくは統合的な接続であってもよいし、直接的な接続若しくは中間媒体を介した間接的な接続であってもよい。
【0036】
本出願の一実施形態は端末を提供する。端末は、テレビ、コンピュータ、車載デバイス、サウンドボックスなどであり得る。端末には、図1aに示すサウンドボックス01が設けられている。サウンドボックス01は、ハウジング02及びスピーカ10を含み得る。ハウジング02には、取付孔03が設けられている。スピーカ10の一部は、取付孔03に配置される。本出願のいくつかの実施形態では、図1bに示すように、スピーカ10は、フレーム20と、振動板30と、磁気アセンブリ40と、振動アセンブリ50と、第1のダンパ61と、第2のダンパ62とを含み得る。スピーカ10がハウジング02の取付孔03に取り付けられると、振動板30はハウジング02の外側に位置する。
【0037】
フレーム20には、図2に示す凹状の収容キャビティ100が設けられている。収容キャビティ100において、XOY平面に平行な部分は、収容キャビティ100の底部A1であり、XOY平面と交差する部分は、収容キャビティ100の側壁A2である。側壁A2は、底部A1の周囲に配置されている。加えて、振動板30は、収容キャビティ100の開口部を覆い、フレーム20に接続される。本出願のいくつかの実施形態では、スピーカ10は、環状構造の周囲部(surround)31を更に含み得、これは、折り返しリングとも呼ばれ得る。図3に示すように、周囲部31は、振動板30の周りに入れ子にされる。図2に示すように、周囲部31の内側は、振動板30の周縁部に接合され、周囲部31の外側は、フレーム20に接合されているので、振動板30は、周囲部31を介してフレーム20に接続される。
【0038】
振動板30の材料は、本出願では限定されない。例えば、材料は、紙材料、プラスチック、金属、又は繊維のうちの少なくとも1つであり得る。加えて、周囲部31は、弾性材料、例えば、ゴム材料から作製されている。周囲部31の質感は、振動板30の質感よりも柔らかい。この場合、周囲部31を通して、振動板30とフレーム20との間の可撓性接続が実現され得る。加えて、スピーカ10を図1aに示すハウジング02の取付孔03に取り付けた後、ハウジング02の内部の空気が密閉され得る。
【0039】
本出願のいくつかの実施形態では、図2に示すように、周囲部31は、収容キャビティ100の底部A1に近づく方向に窪んでいてもよい。窪んだ周囲部31により、この周囲部31と、スピーカ10の外側の他の構成要素、例えば、ダストスクリーンとの間の干渉を回避することができる。代替的に、本出願のいくつかの他の実施形態では、周囲部31は、収容キャビティ100の底部A1から離れる方向に膨らんでいてもよい。窪んだ周囲部31と比較して、膨らんだ周囲部31は、振動板30に対してより強い推力を与え得る。加えて、図2に示すように、振動板30は、収容キャビティ100の底部A1から離れる方向に膨らんでいてもよい。このようにして、音波の放射がより均一になるように、振動板30の形状が音波の放射形状に結合され得る。代替的に、いくつかの他の実施形態では、振動板30は、底部A1に近づく方向に窪んでいてもよい。膨らんだ振動板30と比較して、窪んだ振動板30は、より高い強度を有し得、より振動しやすいので、スピーカ10が、より広い可聴周波数をカバーすることができる。更に、窪んだ振動板30により、スピーカ10の外側の別の構成要素との干渉を回避することができる。
【0040】
周囲部31及び振動板30の形状は、本出願では限定されない。説明の便宜上、以下では、振動板30が収容キャビティ100の底部A1から離れる方向に膨らんでおり、周囲部31が収容キャビティ100の底部A1に近づく方向に窪んでいる例を用いて説明する。
【0041】
加えて、図1bに示すように、磁気アセンブリ40は、収容キャビティ100に配置され、収容キャビティ100の底部A1に接続される。振動板30に近い磁気アセンブリ40の端部は、磁気ギャップ400を有する。本出願のいくつかの実施形態では、磁気アセンブリ40は、収容キャビティ100の底部A1から順に離れるTヨーク401と、第1の磁石402と、ワッシャ403とを含み得る。
【0042】
図1bは、スピーカ10の断面構造を示す(スピーカは、収容キャビティ100の底部A1に対して垂直な方向に切断される)ことに留意すべきである。スピーカ10の断面構造は、磁気アセンブリ40の軸U-Uに対して左右対称である。添付の図面におけるいくつかの構成要素、例えば、磁気アセンブリについて、マーク「40」は、磁気アセンブリの左部分にラベル付けされているが、磁気アセンブリの右部分にはラベル付けされていない。しかしながら、磁気アセンブリの構造は、軸U-Uに対して左右対称であるので、マークがラベル付けされていない右部分もまた、磁気アセンブリの構造に属する。本出願の実施形態において提供される全ての添付図面において、磁気アセンブリ40の軸U-Uに対して左右対称の構成要素のラベル付けモードは、同様の方法で実施され得る。詳細については、本明細書では改めて説明しない。
【0043】
Tヨーク401の材料は、比較的純度の高い鉄であり得る。図4aに示すように、Tヨーク401は、XOY平面に平行なベースプレート411と、XOY平面に対して垂直な磁極柱412とを含み得る。ベースプレート411及び磁極柱412は、同じ材料で作られ、一体化された構造である。Tヨーク401の製造プロセスでは、ベースプレート411及び磁極柱412は、同一の製造プロセスを用いて同時に製造され得る。
【0044】
図4aの点線OOに沿って切断することによって得られるTヨーク401の断面図は、図1bに示されている。Tヨーク401の断面形状は、逆T字型に近いことが分かる。この場合、ベースプレート411は、収容キャビティ100の底部A1に接着によって接続されており、ベースプレート411と一体化された磁極柱412は、ベースプレート411の、振動板30に近い側に位置する。
【0045】
本出願の実施形態における接合モードは、液体接着剤を用いて又は固体接合層を用いて、互いに接合される必要がある2つの構成要素を接合することであり得ることに留意されたい。
【0046】
加えて、図4bに示すように、磁気アセンブリ40内の第1の磁石402及びワッシャ403は、両方とも環状であり得、Tヨークのベースプレート411から離れる方向にベースプレート411上に順次積み重ねられ得、第1の磁石402は、(図5に示すように)Tヨークのベースプレート411の、振動板30に近い側の面に接着によって接続され得る。ワッシャ403は、振動板30に近い第1の磁石402の面に接着によって接続され得る。このようにして、Tヨークの磁極柱412は、環状の第1の磁石402及びワッシャ403の内孔を通過することができ、磁極柱412とワッシャ403との間に磁気ギャップ400が形成される。第1の磁石402は、永久磁石であり、スピーカ10内に一定の磁界を提供するように構成される。ワッシャ403は、低炭素鋼から作製され得、磁気伝導及び磁気抵抗の低減の機能を有する。
【0047】
このようにして、Tヨーク401及びワッシャ403の磁気伝導の作用の下で、第1の磁石402のN極から放出される磁力線は、Tヨーク401を通過し、磁気ギャップ400を通過し、その後、第1の磁石402のS極に戻ることができ、それによって、磁気アセンブリ40内に磁気ループを形成することができる。代替的に、第1の磁石402のN極から放出される磁力線は、磁気ギャップ400を通過し、Tヨーク401を通過し、その後、第1の磁石402のS極に戻ることができ、それによって、磁気アセンブリ40内に磁気ループを形成することができる。
【0048】
磁気アセンブリ40が、Tヨーク401と、第1の磁石402と、ワッシャ403とを含む場合、磁気アセンブリ40の軸U-Uは、Tヨーク401内の磁極柱412の軸であり得ることに留意されたい。これに基づき、本出願のいくつかの実施形態では、第1の磁石402の内孔の軸及びワッシャ403の内孔の軸は、磁極柱412の軸と重なり得、それによって、比較的高い磁界強度を発生させ得る。
【0049】
加えて、図5図1bのスピーカ10の断面図)に示すように、スピーカ10内の振動アセンブリ50は、収容キャビティ100に位置し、振動板30に接続され、振動アセンブリ50は、振動板30を駆動して収容キャビティ100の底部A1に対して垂直な方向(例えば、Z方向)に上下に振動させるように構成される。振動アセンブリ50は、コイル501と、巻型502と、接続部材503とを含み得る。接続部材503は、巻型502の、収容キャビティ100の側壁A2に近い側(外側)に配置される。
【0050】
図5に示す巻型502は、アルミニウム金属、ガラス繊維、又は別の剛性材料で作られた円筒構造のものであり得る。コイル501は、巻型502の、Tヨーク401の磁極柱412から離れた側の面(外面)の周りに巻かれたエナメル線であり得る。巻型502は、コイル501を担持するために、振動アセンブリ50の一部として使用される。更に、巻型502におけるコイル501が巻かれた部分は、コイル501を固定するために、磁気ギャップ400に位置する。その結果、磁気アセンブリ40において発生した磁力線が磁気ギャップ400を通過するとき、磁力線は、コイル501を通過し得るので、磁界の作用下で、通電されたコイル501が振動し得る。コイル501と巻型502とからなるアセンブリは、ボイスコイル51とも呼ばれ得る。
【0051】
本出願のいくつかの実施形態では、図5に示すように、振動板30に近い巻型502の端部が振動板30に近い接続部材503の端部に接着によって接続され得る。次いで、振動板30が接続部材503に接着によって接続され、これにより、振動アセンブリ50全体を振動板30に接続することができる。このようにして、振動アセンブリ50では、巻型502が既に接続部材503に接合されているので、振動板30を振動アセンブリ50に接合するプロセスでは、振動板30を接続部材503に接合するだけでよく、スピーカ10の取り付けプロセスが簡略化される。
【0052】
代替的に、本出願のいくつかの他の実施形態では、図6aに示すように、振動板30に近い巻型502の端部が振動板30に接着によって接続され、振動板30に近い接続部材503の端部が振動板30に接着によって接続され、これにより、振動アセンブリ50全体を振動板30に接続することができる。更に、振動板30に近い巻型502の端部と振動板30に近い接続部材503の端部との間にはギャップがある。
【0053】
代替的に、本出願のいくつかの他の実施形態では、図6bに示すように、振動板30に近い巻型502の端部が、振動板30に接着によって接続され、振動板30に近い接続部材503の端部が巻型502に接続され、これにより、振動アセンブリ50全体を振動板30に接続することができる。
【0054】
振動アセンブリ50と振動板30との間の接続方式は、本出願では限定されない。説明の便宜上、以下では、振動板30に近い接続部材503の端部が振動板30に接続され、巻型502が接続部材503に接続される、図5に示す例を用いて説明する。
【0055】
これに基づき、スピーカ10の動作時、図7aに示すように、磁気ギャップ400に位置するコイル501に電流が導入されると、コイル501は、ローレンツ効果の作用下で、(XOY平面、すなわち、収容キャビティ100の底部A1に対して垂直な)Z方向に作用力を発生させる。
【0056】
例えば、収容キャビティ100の底部A1に近い第1の磁石402の端部は、N極であり得、振動板30に近い第1の磁石402の端部は、S極であり得る。コイル501に導入される電流の方向を図7aに示す。コイル501の断面の左端から電流が入り
【数1】
コイル501の断面の右端から出る
【数2】
場合、左手の法則に従って、磁気アセンブリ40によって提供される磁界の作用下で磁気ギャップ400に位置するコイル501が受けるローレンツ力Fの方向は、収容キャビティ100の底部A1に対して垂直な上向き方向(振動板30に近づく方向)であることが分かる。このようにして、コイル501は、振動アセンブリ50全体を駆動して、振動板30を押し上げる。
【0057】
加えて、コイル501に導入される電流の方向を図7bに示す。コイル501の断面の右端から電流が入り
【数3】
コイル501の断面の左端から出る
【数4】
場合、左手の法則に従って、磁気アセンブリ40によって提供される磁界の作用下で磁気ギャップ400に位置するコイル501が受けるローレンツ力Fの方向は、収容キャビティ100の底部A1に対して垂直な下向き方向(振動板30から離れる方向)であることが分かる。このようにして、コイル501は、振動アセンブリ50全体を駆動して、振動板30を引き下げ得る。
【0058】
これに基づき、コイル501内の電流の方向を変更することによって、振動板30は、振動アセンブリ50の振動作用の下で、収容キャビティ100の底部A1に対して垂直な方向(Z方向)に上下に動き得る。振動時、振動板30は、端末01のハウジング02の外側の空気を駆動して振動させ、音を発生させ得る。
【0059】
図7a及び図7bにおいて、収容キャビティ100の底部A1に近い第1の磁石402の端部がN極として使用され、振動板30に近い第1の磁石402の端部がS極として使用される例を用いて説明されることに留意されたい。本出願のいくつかの他の実施形態では、収容キャビティ100の底部A1に近い第1の磁石402の端部は、S極であり得、振動板30に近い第1の磁石402の端部は、N極であり得る。この場合、振動板30が空気を押して振動アセンブリ50の振動作用下で音を発生させるプロセスは、同様の方法で実施され得る。詳細については、本明細書では改めて説明しない。
【0060】
加えて、上記から、コイル501は、通電された後、磁気ギャップ400内の磁界の作用下で上下に振動することが分かる。コイル501が通電されていないとき、コイル501は振動しない。この場合、コイル501に接続された振動アセンブリ50の他の構成要素(巻型502及び接続部材503)、並びに振動アセンブリ50に接続された振動板30は、全て静止状態にあるので、それぞれの初期位置に位置する。
【0061】
例えば、図8に示すように、コイル501の初期位置は、静止状態のコイル501の軸が、磁気アセンブリ40の軸U-Uと重なるか又は大まかに重なることを意味する。更に、(収容キャビティ100の底部A1に対して垂直な)Z方向において、コイル501の幾何学的中心と収容キャビティ100の底部A1との間には第1の初期間隔S1がある。巻型502の初期状態は、静止状態の巻型502の軸が磁気アセンブリ40の軸U-Uと重なるか又は大まかに重なることを意味する。更に、Z方向において、巻型502の幾何学的中心と収容キャビティ100の底部A1との間には第2の初期間隔S2がある。接続部材503の初期状態は、静止状態の接続部材503の軸が磁気アセンブリ40の軸U-Uと重なるか又は大まかに重なることを意味する。更に、Z方向において、接続部材503の幾何学的中心と収容キャビティ100の底部A1との間には第3の初期間隔S3がある。従って、振動アセンブリ50内のコイル501、巻型502、及び接続部材503が全てそれぞれの初期状態にあるとき、コイル501の軸は、巻型502の軸と重なり、接続部材503の軸は、巻型502の軸と重なる。
【0062】
加えて、振動板30の初期状態は、静止状態の振動板30の幾何学的中心が、振動板30上の磁気アセンブリ40の軸U-Uの垂直方向の突起と重なるか又は大まかに重なることを意味する。更に、Z方向において、振動板30の幾何学的中心と収容キャビティ100の底部A1との間には第4の初期間隔S4がある。これに基づき、コイル501が収容キャビティ100の底部A1に対して垂直な方向に動くプロセスでは、コイル501が(図7bに示されるXOY平面、すなわち、収容キャビティ100の底部A1が位置する平面で)水平方向に左右に揺動することを防止するために、本出願の実施形態において提供されるスピーカ10は、図8に示され、収容キャビティ100に位置する第1のダンパ61及び第2のダンパ62を更に含む。
【0063】
本出願のいくつかの実施形態では、第1のダンパ61(又は第2のダンパ62)は、図9に示す環状構造であり得る。図9の点線EEに沿った切断が行われた後、第1のダンパ61(又は第2のダンパ62)の構造は、図8又は図1bに示すように、複数の不均一なリップル構造を含む。リップル構造が多いほど、リップルの深さは小さくなり、ダンパを作製するための材料は薄くなり、ダンパのコンプライアンスは大きくなる。第1のダンパ61、第2のダンパ62、及び周囲部31のコンプライアンスは、スピーカ10全体の振動コンプライアンスを一緒に形成し得る。ダンパを作製するための材料は、綿布、ポリエステル繊維布、混紡布、又は比較的高い引張強度及び良好な耐疲労性を有し、脆くなりにくい別の材料であり得る。
【0064】
図8に示すように、コイル501がその初期位置にあるとき、第1のダンパ61は、コイル501の上端(振動板30に近いコイル501の端部)の近くに、かつ、コイル501の下端(振動板30から離れたコイル501の端部)から離れて配置され得る。第2のダンパ62は、コイル501の下端の近くに、かつ、コイル501の上端から離れて配置され得る。加えて、第1のダンパ61及び第2のダンパ62は両方とも、接続部材503に接続される。
【0065】
この場合、コイル501に通電して巻型502を駆動して上下に振動させるプロセスでは、巻型502は接続部材503に直接接続され得るか、又は巻型502は振動板30を介して接続部材503に間接的に接続され得る(図6aの解決策に示すように)ので、接続部材503は、ボイスコイル51全体(コイル501及び巻型502を含む)と共に上下に振動し得る。これに基づき、接続部材503に接続された第1のダンパ61及び第2のダンパ62も、接続部材503と共に上下に振動する。
【0066】
加えて、第1のダンパ61には、第1のダンパ61の半径方向に複数の波状構造が設けられている。第2のダンパ62には、第2のダンパ62の半径方向に複数の波状構造が設けられている。波状構造は、波状構造の延在方向(すなわち、ダンパの半径方向)に第1のダンパ61及び第2のダンパ62の弾性変形を引き起こし得、それによって、弾性変形中にコイル501に復元力を与える。
【0067】
例えば、図10aに示すように、コイル501が通電されていないとき、コイル501、巻型502、及び接続部材503は全て、それぞれの初期位置(点線で表される)に位置する。この場合、上記から、コイル501、巻型502、及び接続部材503の軸は全て、磁気アセンブリの軸U-Uと重なるか又は大まかに重なることが分かる。従って、コイル501、巻型502、及び接続部材503の軸は、互いに重なり、振動アセンブリ50の軸P-Pを形成する。
【0068】
振動アセンブリ50内のコイル501、巻型502、及び接続部材503は全て、磁気アセンブリの軸U-Uに対して左右対称である。以下では、まず、説明のための例として振動アセンブリ50の右半部を使用する。図10bに示すように、本出願のいくつかの実施形態では、コイル501が通電されて振動するプロセスにおいて、ボイスコイル51は、接続部材503を駆動して右に揺動させ得、これにより、振動アセンブリ50全体が右にシフトし、振動アセンブリ50の軸P-PがZ方向から右にシフトする(図10bにおいて、コイル501、巻型502、及び接続部材503のそれぞれの初期位置は、点線で表される)。この場合、コイル501の上端aは、コイル501の初期位置の右側にシフトし、コイル501の下端bは、コイル501の初期位置の左側にシフトする。加えて、コイル501の上端aに近い接続部材503の部分は、接続部材503の初期位置の右側にシフトし、コイル501の下端bに近い接続部材503の部分は、接続部材503の初期位置の左側にシフトする。
【0069】
この場合、コイル501の上端aの近くに配置された第1のダンパ61の右半部は、張力を受けて弾性変形する。弾性変形時、第1のダンパ61は、第1の復元力F-re1を、コイル501の上端に近い接続部材503の部分に左方向に加え、これにより、接続部材503は、コイル501の上端aを駆動して左に移動させ、コイル501の初期位置に戻す。
【0070】
加えて、コイル501の下端bは、揺動時、コイル501の初期位置の左側にシフトする。この場合、コイル501の下端bの近くに配置された第2のダンパ62の右半部は、張力を受けて弾性変形する。変形時、第2のダンパ62は、第2の復元力F-re2を、コイル501の下端bに近い接続部材503の部分に右方向に加え、これにより、接続部材503は、コイル501の下端bを駆動して右に移動させ、コイル501の初期位置に戻す。
【0071】
振動アセンブリ50内のコイル501、巻型502、及び接続部材503は全て、磁気アセンブリの軸U-Uに対して左右対称であるので、振動アセンブリ50全体が右にシフトすると、図10cに示すように、振動アセンブリ50の左半部も右にシフトする。同様に、第1のダンパ61の左半部は、第1の復元力F-re1を、コイル501の上端aに近い接続部材503の部分に左方向に加え、これにより、接続部材503は、コイル501の上端aを駆動して左に移動させ、コイル501の初期位置に戻す。第2のダンパ62の左半部は、第2の復元力F-re2を、コイル501の下端bに近い接続部材503の部分に右方向に加え、これにより、接続部材503は、コイル501の下端bを駆動して右に移動させ、コイル501の初期位置に戻す。
【0072】
このようにして、第1のダンパ61は、第1の復元力F-re1を、コイル501の上端aに近い接続部材503の部分に左方向に加え、第2のダンパ62は、第2の復元力F-re2を、コイル501の下端bに近い接続部材503の部分に右方向に加え、これにより、接続部材503は、接続部材503の初期位置を復元するプロセスにおいて、コイル501を駆動してコイル501の初期位置に戻すことができる。
【0073】
上記の説明は、コイル501が通電されて振動するプロセスにおいて、ボイスコイル51が接続部材503を駆動して右に揺動させる例を用いて提供されている。本出願のいくつかの他の実施形態では、振動アセンブリ50の右半部が、説明のための例として使用される。図10dに示すように、コイル501の振動時、ボイスコイル51は、接続部材503を駆動して左に揺動させ、これにより、振動アセンブリ50全体が左にシフトし、振動アセンブリ50の軸P-PがZ方向から左にシフトする(図10dでは、コイル501、巻型502、及び接続部材503のそれぞれの初期位置は、点線で表される)。この場合、コイル501の上端aは、コイル501の初期位置の左側にシフトし、コイル501の下端bは、コイル501の初期位置の右側にシフトする。加えて、コイル501の上端aに近い接続部材503の部分は、接続部材503の初期位置の左側にシフトし、コイル501の下端bに近い接続部材503の部分は、接続部材503の初期位置の右側にシフトする。
【0074】
この場合、コイル501の上端aの近くに配置された第1のダンパ61の右半部は、圧力を受けて弾性変形する。弾性変形時、第1のダンパ61は、第1の復元力F-re1を、コイル501の上端aに近い接続部材503の部分に右方向に加え、これにより、接続部材503は、コイル501の上端aを駆動して右に移動させ、コイル501の初期位置に戻す。
【0075】
加えて、コイル501の下端bは、揺動時、コイル501の初期位置の右側にシフトする。この場合、コイル501の下端bの近くに配置された第2のダンパ62の右半部は、圧力を受けて弾性変形する。変形時、第2のダンパ62は、第2の復元力F-re2を、コイル501の下端bに近い接続部材503の部分に左方向に加え、これにより、接続部材503は、コイル501の下端bを駆動して左に移動させ、コイル501の初期位置に戻す。
【0076】
同様に、振動アセンブリ50内のコイル501、巻型502、及び接続部材503は全て、磁気アセンブリの軸U-Uに対して左右対称であるので、振動アセンブリ50全体が左にシフトすると、図10eに示すように、振動アセンブリ50の左半部も左にシフトする。同様に、第1のダンパ61の左半部は、第1の復元力F-re1を、コイル501の上端aに近い接続部材503の部分に右方向に加え、これにより、接続部材503は、コイル501の上端aを駆動して右に移動させ、コイル501の初期位置に戻す。第2のダンパ62の左半部は、第2の復元力F-re2を、コイル501の下端bに近い接続部材503の部分に左方向に加え、これにより、接続部材503は、コイル501の下端bを駆動して左に移動させ、コイル501の初期位置に戻す。
【0077】
このようにして、第1のダンパ61は、第1の復元力F-re1を、コイル501の上端aに近い接続部材503の部分に右方向に加え、第2のダンパ62は、第2の復元力F-re2を、コイル501の下端bに近い接続部材503の部分に左方向に加え、これにより、接続部材503は、接続部材503の初期位置を復元するプロセスにおいて、コイル501を駆動してコイル501の初期位置に戻すことができる。
【0078】
結論として、一方では、コイル501が左右に揺動するプロセスにおいて、コイル501の上端aの近くに配置された第1のダンパ61は、コイル501の上端aに対して、コイル501の揺動方向とは反対の方向の第1の復元力F-re1を与え得る。更に、コイル501の下端bの近くに配置された第2のダンパ62は、コイル501の下端に対して、コイル501の揺動方向とは反対方向の第2の復元力F-re2を与え得る。第1の復元力F-re1及び第2の復元力F-re2の組み合わされた作用の下では、コイル501は、コイル501の初期位置に可能な限り近くに位置することができるか、又はコイル501の初期位置と重なることができる。
【0079】
上記から、コイル501の揺動中、図10cに示すように、コイル501の上端aがコイル501の初期位置の右側(又は左側)にシフトすると、コイル501の下端bがコイル501の初期位置の左側(又は右側)にシフトすることが分かる。従って、コイル501に対して第1のダンパ61及び第2のダンパ62によって与えられる第1の復元力F-re1及び第2の復元力F-re2は、方向が反対である。このようにして、第1のダンパ61及び第2のダンパ62は、振動アセンブリ50をそれぞれの半径方向に支持することができるので、コイル501の振動中、コイル501の軸は、可能な限り磁気アセンブリ40の軸と重なった状態を保つことができ、コイル501は、主にZ方向に上下に動くことができる。その結果、コイル501の軸がZ方向から左右に揺動する(すなわちロールスイングする)振幅を低減することができる。例えば、スピーカ10が低周波数状態で動作し、高電力信号の駆動下でコイル501の振幅が比較的大きい場合、コイル501のロールスイングの振幅を低減することによって、コイル501が磁気アセンブリ40内のワッシャ403と接触していることにより異常な音が引き起こされる確率を効果的に低減することができ、音の歪み率を低減することができる。
【0080】
他方では、第1のダンパ61及び第2のダンパ62によりコイル501のロールスイングの振幅を低減することによって、スピーカ10のコンプライアンスも改善することができ、低周波数におけるスピーカ10の共振周波数(F0)を低減して、より良好な低周波数効果を得ることができる。
【0081】
更に、第1のダンパ61及び第2のダンパ62の支持作用の下でコイル501のロールスイングの振幅が低減されるので、スピーカ10が低周波数状態で動作するとき、コイル501の大きな振幅に必要な磁気ギャップ400のサイズは、高電力信号の駆動の下で効果的に低減され得る。このようにして、小さいサイズの磁気ギャップ400を形成することができる小さい第1の磁石402をスピーカ10において選択して、スピーカ10のサイズを低減し得る。更に、より小さい磁気ギャップ400を使用することで、より高い磁気誘導強度が得られ得る。この場合、コイル501に同じ電流を導入すると、振動板30は、より大きな駆動力を得ることができ、スピーカ10の音生成効率を高めることができる。
【0082】
これに基づき、図8に示すように、第1のダンパ61及び第2のダンパ62は、同心円状に配置され得る。例えば、第1のダンパ61及び第2のダンパ62の内側リングの軸は、磁気アセンブリ40の軸(U-U)と重なり得る。このようにして、同心円状に配置された第1のダンパ61及び第2のダンパ62によってコイル501を支持するプロセスでは、第1のダンパ61によってコイル501に加えられる第1の復元力F-re1及び第2のダンパ62によってコイル501に加えられる第2の復元力F-re2の大きさは、同じ又はほぼ同じであり得るので、コイル501が上下に振動するプロセスでは、コイル501の軸は、可能な限り磁気アセンブリ40の軸(U-U)と重なった状態を保つことができる。
【0083】
加えて、いくつかの関連技術では、図11に示すように、第3のダンパ600が巻型502に直接接続される場合、コイル501が巻型502に固定され、コイル501の少なくとも一部が磁気アセンブリ40の磁気ギャップ400に位置するので、この場合、比較的大きい振幅を有する第3のダンパ600が高電力信号の駆動下で磁気アセンブリ40内の構成要素に接触するのを防止するために、第3のダンパ600と磁気アセンブリ40との間の距離H1を増大させる必要がある。このようにして、第3のダンパ600に接続される巻型502の高さ(Z方向のサイズ)も増大させることができる。その結果、スピーカ10全体の厚み(Z方向のサイズ)が増大する。加えて、第1のダンパ61とコイル501との間の距離が過度に長くなり、コイル501に対する第1のダンパ61の支持作用が弱くなる。
【0084】
図11に示す解決策と比較して、本出願の一実施形態において提供されるスピーカ10では、図8に示すように、第1のダンパ61及び第2のダンパ62は両方とも接続部材503に固定され、接続部材503は、巻型502の、収容キャビティ100の側壁A2に近い側(すなわち、巻型502の外側)に配置される。従って、第1のダンパ61及び第2のダンパ62も巻型502の外側に位置する。このようにして、第1のダンパ61及び第2のダンパ62を巻型502に直接接続する必要がないので、第1のダンパ61及び第2のダンパ62を配置した後に巻型502の高さ(Z方向のサイズ)は増大しない。その結果、磁気アセンブリ40の上方に積層される構成要素の量を低減して、スピーカ10全体の厚さ(Z方向のサイズ)を低減することができるので、スピーカ10を、超薄型要件を有する音響デバイス、すなわち大画面ディスプレイ端末に適用することができる。
【0085】
加えて、第1のダンパ61及び第2のダンパ62は、巻型502の外側に配置される。このようにして、第1のダンパ61及び第2のダンパ62の振動時に、第1のダンパ61及び第2のダンパ62と、巻型502の近くに位置する磁気アセンブリ40との間の干渉の確率を下げることができる。更に、第1のダンパ61は、第2のダンパ62よりもコイル501の上端に近く、第2のダンパ62は、第1のダンパ61よりもコイル501の下端に近いので、第1のダンパ61及び第2のダンパ62を通してコイル501の両端のロールスイングが制限される。
【0086】
以下では、スピーカ10内の第1のダンパ61及び第2のダンパ62の具体的な配置位置について詳細に説明する。
【0087】
本出願のいくつかの実施形態では、図8に示すように、第1のダンパ61は、巻型502と接続部材503との間に配置され得、第1のダンパ61の内側は、接着剤を用いて磁気アセンブリ40に接続され得、第1のダンパ61の外側は、接着剤を用いて接続部材503に接続され得る。例えば、図8に示すように、接続部材503の折曲部には第1の段差面B1が設けられていてもよい。第1の段差面B1は、収容キャビティ100の底部A1に平行であり得る。第1のダンパ61の外側は、接着剤を用いて第1の段差面B1に接合され得、それによって、第1のダンパ61の外側と接続部材503との間の接触面積が増加し得、第1のダンパ61の外側と接続部材503との間の接続の堅固性が向上し得る。
【0088】
図8では、第1の段差面B1が収容キャビティ100の底部A1に面する例を用いて説明されることに留意されたい。本出願のいくつかの他の実施形態では、第1の段差面B1は、振動板30に面していてもよい。
【0089】
加えて、第1のダンパ61の内側が磁気アセンブリ40に接続されるとき、コイル501が大きな振幅で振動するときに第1のダンパ61が磁気アセンブリ40内のワッシャ403の上面に接触することを防止するために、スピーカ10は、図8に示すダンパブラケット70を更に含む。
【0090】
ダンパブラケット70は、磁気アセンブリ40の、振動板30に近い側に位置し、磁気アセンブリ40に接続される。例えば、磁気アセンブリ40がワッシャ403を含む場合、ダンパブラケット70は、ワッシャ403の上面(すなわち、振動板30に近いワッシャ403の面)に位置し、ダンパブラケット70は、接着剤を用いてワッシャ403の上面に接続され得る。加えて、ダンパブラケット70の、振動板30に近い側の面は、第1のダンパ61の内側に接着によって接続され得る。
【0091】
図8に示すように、ワッシャ403の上面上のダンパブラケット70の垂直方向の突起がワッシャ403の上面に位置するとき、ダンパブラケット70の高さH2(Z方向のサイズ)と振動アセンブリ50の振幅Apとは、H2≧Apを満たす。このようにして、第1のダンパ61は、第1のダンパ61が上下に振動するプロセスにおいて第1のダンパ61がワッシャ403に接触することを防止するためにダンパブラケット70によって支持され得る。これに基づき、ダンパブラケット70は、ボイスコイル51のより近くに配置され得、それによって、環状の第1のダンパ61の内側リングと外側リングとの間の幅を増大させ、コイル501に対して第1のダンパ61によって与えられる支持力を増加させる。
【0092】
代替的に、本出願のいくつかの他の実施形態では、図12に示すように、ワッシャ403の縦断面において、振動板30に近い部分(上半部)は、直角台形であってもよく、振動板30から離れた部分(下半部)は、矩形であってもよい。直角台形の傾斜縁部は、収容キャビティ100の側壁A2に近接している。ワッシャ403の縦断面は、収容キャビティ100の底部A1に対して垂直である。この場合、一方では、ワッシャ403の上半部において、収容キャビティ100の側壁A2に近い側は、傾斜面(すなわち、ワッシャ403の縦断面の直角台形の傾斜縁部が位置する面)であり、傾斜面により、ワッシャ403と第1のダンパ61との間のギャップが大きくなり得るので、第1のダンパ61の振幅がダンパブラケット70の高さH2を超える場合、第1の振動時、ダンパ61はワッシャ403に接触しない。加えて、ワッシャ403の縦断面における振動板30から離れた部分は矩形である。これにより、振動板30から離れたワッシャ403の端部の鋭い角部により、加工、組み立て、輸送などの間に生じるワッシャ403への損傷を回避することができる。
【0093】
他方では、図13に示すように、ワッシャ403の縦断面における振動板30に近い部分(上半部)が直角台形であり、その台形の傾斜縁部がコイル501から離れた側に位置する場合には、コイル501に近いワッシャ403の部分の材料は、コイル501から離れたワッシャ403の部分の材料よりも多い。このようにして、磁気伝導時、ワッシャ403は、第1の磁石402からの磁力線(図13では、磁力線を実線の矢印で表される)を、コイル501が位置する側に向かってより集中させることができるので、コイル501が位置する磁界の強度がより高くなる。
【0094】
代替的に、本出願のいくつかの他の実施形態では、磁気アセンブリ40と接続部材503との間の距離が、設計要件を満たす第1のダンパ61を取り付けるのに十分である場合、図14に示すように、第1のダンパ61の内側は、振動板30に近いワッシャ403の面に直接接続されてもよい。説明の便宜上、以下では、(図8に示すように)第1のダンパ61の内側がダンパブラケット70に接続される例を用いて説明する。
【0095】
加えて、図8に示すように、スピーカ10内の第2のダンパ62は、接続部材503と収容キャビティ100の側壁A2との間に配置され得る。第2のダンパ62の内側は、接着剤を用いて接続部材503に接続され得、第2のダンパ62の外側は、接着剤を用いて収容キャビティ100の側壁A2に接続され得る。例えば、フレーム20の折曲部には、第2の段差面B2が設けられていてもよく、第2の段差面B2は、収容キャビティ100の底部A1に平行である。第2のダンパ62の外側は、接着剤を用いて第2の段差面B2に接合され得、第2のダンパ62の内側は、接着剤を用いて、接続部材501の、振動板30から離れた側の面に接合され得る。このようにして、第2のダンパ62の外側とフレーム20との間の接触面積が増加することができ、第2のダンパ62の外側とフレーム20との間の接続の堅固性が向上することができる。
【0096】
図8では、説明のために、第2の段差面B2が振動板30に面する例が使用されることに留意されたい。本出願のいくつかの他の実施形態では、第2の段差面B2は、収容キャビティ100の底部A1に面していてもよい。
【0097】
この場合、一方では、第1のダンパ61は、接続部材503の内側(コイル501に近い側)に位置し得、第2のダンパ62は、接続部材503の外側(収容キャビティ100の、側壁A2に近い側)に位置し得る。このようにして、コイル501が高電力モードで動作し、比較的大きな振幅で上下に振動しても、コイル501の駆動下では、上下に振動する第1のダンパ61及び第2のダンパ62は互いに接触しない。
【0098】
他方では、第1のダンパ61及び第2のダンパ62が接続部材503の同じ側に配置される場合、上下に振動する第1のダンパ61及び第2のダンパ62が互いに接触するのを防止するために、第1のダンパ61と第2のダンパ62との間の距離を増大させる必要がある。このようにして、接続部材503の高さ(Z方向のサイズ)が増大し、それによって、スピーカ10の厚みが増大する。本出願では、第1のダンパ61が接続部材503の内側に位置し、第2のダンパ62が接続部材503の外側に位置するので、第1のダンパ61と第2のダンパ62とが互いに接触することを防止するために接続部材503の高さを増加させる必要はない。
【0099】
更に、図8に示すように、第1のダンパ61は、接続部材503の、コイル501に近い側(内側)に位置し、第2のダンパ62は、接続部材503の、コイル501から離れた側(外側)に位置するので、接続部材503の内側に位置する第1のダンパ61は、接続部材503の外側の構成要素、例えば、周囲部31と干渉しない。これは、スピーカ10の厚さを低減させるのにより役立つ。
【0100】
加えて、第1のダンパ61をコイル501の上端(振動板30に近いコイル501の端部)の近くに配置し、第2のダンパ62をコイル501の下端(振動板30から離れたコイル501の端部)の近くに配置することを可能にするために、本出願のいくつかの実施形態では、図8に示すように、コイル501が通電されていないとき、第1のダンパ61は、コイル501の上端(コイル501の、振動板30に近い側)に位置し得、第2のダンパ62は、コイル501の下端(コイル501の、振動板30から離れた側)に位置し得る。
【0101】
このようにして、接続部材503上のコイル501全体の垂直方向の突起は、接続部材503上の第1のダンパ61の垂直方向の突起と接続部材503上の第2のダンパ62の垂直方向の突起との間に位置し得る。この場合、第1のダンパ61はコイル501の上端に位置し、コイル501の下端から比較的離れているので、第1のダンパ61がコイル501の上端に与えるトルクは比較的大きい。これは、コイル501の上端のロールスイングを制限するのに役立つ。同様に、第2のダンパ62は、コイル501の下端に位置し、コイル501の上端から比較的離れているので、第2のダンパ62がコイル501の下端に与えるトルクは比較的大きい。これは、コイル501の下端のロールスイングを制限するのに役立つ。
【0102】
これに基づき、コイル501が通電されていないとき、接続部材503上のコイル501の垂直方向の突起の幾何学的中心と第1のダンパ61との間には第1の間隔L1がある。加えて、接続部材503上のコイル501の垂直方向の突起の幾何学的中心と第2のダンパ62との間には第2の間隔L2がある。L1=L2である。
【0103】
例えば、コイル501がコイル巻型502の周りに均一に巻かれているとき、接続部材503上の通電されていないコイル501の垂直方向の突起の幾何学的中心は、コイル501の質量中心であり得る。この場合、コイル501の質量中心と第1のダンパ61との間の間隔L1は、コイル501の質量中心と第2のダンパ62との間の間隔L2と等しい。このようにして、第1のダンパ61及び第2のダンパ62によってコイル501を支持するプロセスでは、第1のダンパ61によってコイル501に加えられる第1の復元力F-re1及び第2のダンパ62によってコイル501に加えられる第2の復元力F-re2の大きさは、同じ又はほぼ同じであり得るので、コイル501が上下に振動するプロセスでは、コイル501の軸は、可能な限り磁気アセンブリ40の軸(U-U)と重なった状態を保つことができる。
【0104】
加えて、第1のダンパ61の弾性係数は、第2のダンパ62の弾性係数と同じであり得る。このようにして、第1のダンパ61及び第2のダンパ62によってコイル501を支持するプロセスでは、第1のダンパ61によってコイル501に加えられる第1の復元力F-re1の値を、第2のダンパ62によってコイル501に加えられる第2の復元力F-re2の値に近づける又は同じにすることがより有用であり得る。
【0105】
代替的に、第1のダンパ61をコイル501の上端(振動板30に近いコイル501の端部)の近くに配置し、第2のダンパ62をコイル501の下端(振動板30から離れたコイル501の端部)の近くに配置することを可能にするために、本出願のいくつかの他の実施形態では、図14に示すように、コイル501が通電されていないとき、コイル501の上端a(振動板30に近いコイル501の端部)は、第1のダンパ61の上面(振動板30に近い面)を超え得る。接続部材503上のコイル501の下端b(コイル501の振動板30から離れた端部)の垂直方向の突起は、第1のダンパ61と第2のダンパ62との間に位置する。この場合、第2のダンパ62は、コイル501の下端b(コイル501の、振動板30から離れた側)に位置し得る。この場合、第1のダンパ61は、第2のダンパ62に比較的近接している。これは、スピーカ10の厚さを低減するのに役立つ。
【0106】
代替的に、本出願のいくつかの他の実施形態では、図15に示すように、接続部材503上のコイル501の上端a(振動板30に近いコイル501の端部)の垂直方向の突起は、第1のダンパ61と第2のダンパ62との間に位置する。この場合、第1のダンパ61は、コイル501の上端(コイル501の、振動板30に近い側)に位置し、コイル501の下端(コイル501の、振動板30から離れた側)は、第2のダンパ62の下面(振動板30から離れた面)を超え得る。この場合、第1のダンパ61は、第2のダンパ62に比較的近接している。これは、スピーカ10の厚さを低減するのに役立つ。
【0107】
代替的に、本出願のいくつかの他の実施形態では、図16に示すように、コイル501が通電されていないとき、コイル501の上端a(振動板30に近いコイル501の端部)は、第1のダンパ61の上面(振動板30に近い面)を超え得、コイル501の下端b(振動板30から離れたコイル501の端部)は、第2のダンパ62の下面(振動板30から離れた面)を超え得る。この場合、第1のダンパ61は、第2のダンパ62に比較的近接している。これは、スピーカ10の厚さを低減するのに役立つ。
【0108】
前述の説明は、磁気アセンブリ40が、Tヨーク401と、第1の磁石402と、ワッシャ403とを含む例を用いて提供されている。本出願のいくつかの他の実施形態では、図17に示すように、磁気アセンブリ40は、Uヨーク404と、第2の磁石405と、磁極片406とを含み得る。Uヨーク404には、溝が設けられており、Uヨーク404の溝の底部414は、収容キャビティ100の底部A1に接続される。Uヨーク404の溝の側壁424の、振動板30に近い側の面は、第1のダンパ61の内側に接続される。
【0109】
例えば、Uヨーク404の溝の底部414は、収容キャビティ100の底部A1内の貫通孔を通過し得、収容キャビティ100の底部A1に接続される。この場合、Uヨーク404の一部分は、収容キャビティ100の内側に位置し、Uヨーク404の他の部分は、収容キャビティ100の外側に位置し得る。Uヨーク404の材料は、より高純度の鉄であり得る。Uヨーク404の(収容キャビティ100の底部A1に対して垂直な)縦断面の形状は、U字型であり得る。
【0110】
加えて、第2の磁石405は、Uヨーク404の溝に位置し、Uヨーク404の溝の底部414に接続される。第2の磁石405は、永久磁石であり、スピーカ10内に一定の磁界を提供するように構成される。磁極片406は、Uヨーク404の溝に位置し、第2の磁石405の、振動板30に近い側の面に接続され、磁極片406とUヨーク404の溝の側壁424との間には磁気ギャップ400が形成される。磁極片406は、磁気伝導の機能を有し得る。
【0111】
このようにして、Uヨーク404及び磁極片406の磁気伝導の作用下で、第2の磁石405のN極から放出された磁力線は、Uヨーク404を通過し、磁気ギャップ400に位置するコイル501を通過し、その後、第2の磁石405のS極に戻ることができ、それによって、磁気アセンブリ40内に磁気ループを形成することができる。代替的に、第2の磁石405のN極から放出される磁力線は、磁気ギャップ400に位置するコイル501を通過し、Uヨーク404を通過し、その後、第2の磁石405のS極に戻ることができ、それによって、磁気アセンブリ40内に磁気ループを形成することができる。
【0112】
磁気アセンブリ40が、Uヨーク404と、第2の磁石405と、磁極片406とを含む場合、磁気アセンブリ40の軸U-Uは、Uヨーク404の軸であり得ることに留意されたい。これに基づき、本出願のいくつかの実施形態では、第2の磁石405及び磁極片406は、円筒であり得、第2の磁石405の軸及び磁極片406の軸は、Uヨーク404の軸と重なり得、それによって、比較的高い磁界強度を発生させ得る。
【0113】
上記の説明は、本出願の特定の実装形態にすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではない。本出願において開示される技術的範囲内で当業者によって容易に考え出される任意の変形又は置換は、本出願の保護範囲内に入るものとする。従って、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17