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特許7581505高い色忠実度及び調節可能なメラノピックコンテンツを有するチューナブル白色照明システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】高い色忠実度及び調節可能なメラノピックコンテンツを有するチューナブル白色照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/20 20200101AFI20241105BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20241105BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20241105BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20241105BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20241105BHJP
【FI】
H05B45/20
H05B47/105
H05B47/155
H01L33/50 ZNM
H01L33/62
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023522971
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 US2021055063
(87)【国際公開番号】W WO2022086792
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】63/094,096
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ソエル,ワウテル
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0097200(US,A1)
【文献】国際公開第2020/043649(WO,A1)
【文献】特開2015-97196(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0217915(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0170120(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/20
H05B 47/105
H05B 47/155
H01L 33/50
H01L 33/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
420-440nmの範囲内にピーク発光波長を持つ第1ポンプ光を放つように構成された第1ポンプダイと、第1ポンプ光の一部を吸収し、530-580nmの波長範囲内にピーク発光を持つ第1ダウンコンバータ光を放つように構成された第1ダウンコンバータと、を含む第1の一次光源であり、未変換の第1ポンプ光の部分と第1ダウンコンバータ光とが組み合わさって第1の光を形成する、第1の一次光源、
470-500nmの範囲内にピーク発光波長を持つ第2ポンプ光を放つように構成された第2ポンプダイと、第2ポンプ光の一部を吸収し、495-580nmの波長範囲内にピーク発光を持つ第2ダウンコンバータ光を放つように構成された第2ダウンコンバータと、を含む第2の一次光源であり、未変換の第2ポンプ光の部分と第2ダウンコンバータ光とが組み合わさって第2の光を形成する、第2の一次光源、
440-460nmの範囲内にピーク発光波長を持つ第3ポンプ光を放つように構成された第3ポンプダイと、実質的に全ての第3ポンプ光を吸収し、530-580nmの波長範囲内にピーク発光を持つ第3ダウンコンバータ光を放つように構成された第3ダウンコンバータと、を含む第3の一次光源であり、第3ポンプ光の実質的に全てが第3ダウンコンバータ光に変換されて第3の光を形成する、第3の一次光源、及び
440-460nmの範囲内にピーク発光波長を持つ第4ポンプ光を放つように構成された第4ポンプダイと、実質的に全ての第4ポンプ光を吸収し、580-660nmの波長範囲内にピーク発光を持つ第4ダウンコンバータ光を放つように構成された第4ダウンコンバータと、を含む第4の一次光源であり、第4ポンプ光の実質的に全てが第4ダウンコンバータ光に変換されて第4の光を形成する、第4の一次光源、
を有する照明装置。
【請求項2】
前記第1の光は、0.35より低いMDERを持つ、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第2の光は、0.65より高いMDERを持つ、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1の一次光源は、前記第1ポンプダイに第1バイアスを提供するための第1電気接続を有し、前記第2の一次光源は、前記第2ポンプダイに第2バイアスを提供するための第2電気接続を有し、前記第3の一次光源は、前記第3ポンプダイに第3バイアスを提供するための第3電気接続を有し、前記第4の一次光源は、前記第4ポンプダイに第4バイアスを提供するための第4電気接続を有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1の光の量を制御するための前記第1バイアスと、前記第2の光の量を制御するための前記第2バイアスと、前記第3の光の量を制御するための前記第3バイアスと、前記第4の光の量を制御するための前記第4バイアスとを独立に入力するように構成されたコントローラ、を更に有する請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記第1の光の前記量、前記第2の光の前記量、前記第3の光の前記量、及び前記第4の光の前記量から形成される結合光を提供するための一組以上の所定の第1、第2、第3、及び第4バイアス値を格納するように構成されたメモリを有し、前記結合光は、CCT値と、光束値と、Ra値、TM-30-18 Rf値、Rcs,h1値、若しくはMDER値のうちの1つとを持つ、請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記結合光は、2000Kと10000Kとの間の範囲内とすることができるCCT値と、80より高いRa値と、0.25から1.39の範囲内とすることができるMDER値とを持つ、請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記第1の光は、0.18<u’<0.4、v’<0.42の範囲内のCIE 1976色点を持ち、前記第2の光は、u’<0.18、v’>0.25の範囲内の色点を持ち、前記第3の光は、0.18<u’<0.25、v’>0.53の範囲内の色点を持ち、前記第4の光は、u’>0.35,v’>0.50の範囲内の色点を持つ、請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、“Tunable White Lighting System with High Color Fidelity and Adjustable Melanopic Content”と題されて2020年10月20日に出願された米国出願番号63/094,096の優先権を主張するものであり、それをその全体にてここに援用する。
【0002】
本開示は、概して照明装置に関し、特に、色点(カラーポイント)を変えることに加えて、放出される光のスペクトル特性を変えることができるチューナブル照明装置に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体発光ダイオード及びレーザダイオード(ここでは“LED”と総称する)は、現在利用可能な最も効率的な光源の1つである。LEDの発光スペクトルは典型的に、デバイスの構造によって及びLEDが構築される半導体材料の組成によって決定される波長に、単一の狭いピークを示す。デバイス構造及び材料系の適切な選択により、LEDは、紫外、可視、又は赤外の波長で動作するように設計されることができる。
【0004】
LEDは、LEDによって発せられた光を吸収し、それに応答して、より長い波長の光を発する1つ以上の波長変換材料(ここでは概して“蛍光体”と称する)と組み合わされ得る。このような蛍光体変換LED(“pcLED”)では、蛍光体によって吸収されるLEDによって発光される光の割合は、LEDによって発せられる光の光路中の蛍光体材料の量、例えば、LED上又は周囲に配置される蛍光体層中の蛍光体材料の濃度及びその層の厚さに依存する。
【0005】
蛍光体変換LEDは、LEDによって発せられた光の全てが1つ以上の蛍光体によって吸収されるように設計されることがあり、その場合、pcLEDからの放射は完全に蛍光体からである。そのような場合、蛍光体は、例えば、直接的にLEDによってでは効率的に生成されない狭いスペクトル領域にある光を発するように選択され得る。あるいは、pcLEDは、LEDによって発せられた光の一部のみが蛍光体によって吸収されるように設計されることもあり、その場合、pcLEDからの放射は、LEDによって発せられた光と蛍光体によって発せられた光との混ぜ合わせである。
【発明の概要】
【0006】
一態様において、照明装置が開示され、当該照明装置は、420-440nmの範囲内にピーク発光波長を持つ第1ポンプ光を放つように構成された第1ポンプダイと、第1ポンプ光の一部を吸収し、530-580nmの波長範囲内にピーク発光を持つ第1ダウンコンバータ光を放つように構成された第1ダウンコンバータと、を含む第1の一次光源、470-500nmの範囲内にピーク発光波長を持つ第2ポンプ光を放つように構成された第2ポンプダイと、第2ポンプ光の一部を吸収し、495-580nmの波長範囲内にピーク発光を持つ第2ダウンコンバータ光を放つように構成された第2ダウンコンバータと、を含む第2の一次光源、440-460nmの範囲内にピーク発光波長を持つ第3ポンプ光を放つように構成された第3ポンプダイと、実質的に全ての第3ポンプ光を吸収し、530-580nmの波長範囲内にピーク発光を持つ第3ダウンコンバータ光を放つように構成された第3ダウンコンバータと、を含む第3の一次光源、及び440-460nmの範囲内にピーク発光波長を持つ第4ポンプ光を放つように構成された第4ポンプダイと、実質的に全ての第4ポンプ光を吸収し、580-660nmの波長範囲内にピーク発光を持つ第4ダウンコンバータ光を放つように構成された第4ダウンコンバータと、を含む第4の一次光源、を含む。未変換の第1ポンプ光の部分と第1ダウンコンバータ光とが組み合わさって第1の光を形成することができ、未変換の第2ポンプ光の部分と第2ダウンコンバータ光とが組み合わさって第2の光を形成することができ、第3ポンプ光の実質的に全てが第3ダウンコンバータ光に変換されて第3の光を形成することができ、第4ダウンコンバータ光の実質的に全てが変換されて第4の光を形成することができる。前記第1の光は、0.35より低いMDERを持ち得る。前記第2の光は、0.65より高いMDERを持ち得る。前記第1の一次光源は、前記第1ポンプダイに第1バイアスを提供するための第1電気接続を含むことができ、前記第2の一次光源は、前記第2ポンプダイに第2バイアスを提供するための第2電気接続を含むことができ、前記第3の一次光源は、前記第3ポンプダイに第3バイアスを提供するための第3電気接続を含むことができ、前記第4の一次光源は、前記第4ポンプダイに第4バイアスを提供するための第4電気接続を含むことができる。前記第1の光は、0.18<u’<0.4、v’<0.42の範囲内のCIE 1976色点を持つことができ、前記第2の光は、u’<0.18、v’>0.25の範囲内の色点を持つことができ、前記第3の光は、0.18<u’<0.25、v’>0.53の範囲内の色点を持つことができ、前記第4の光は、u’>0.35,v’>0.50の範囲内の色点を持つことができる。当該照明装置は、前記第1の光の量を制御するための前記第1バイアスと、前記第2の光の量を制御するための前記第2バイアスと、前記第3の光の量を制御するための前記第3バイアスと、前記第4の光の量を制御するための前記第4バイアスとを独立に入力するように構成されたコントローラを含み得る。前記コントローラは、前記第1の光の前記量、前記第2の光の前記量、前記第3の光の前記量、及び前記第4の光の前記量から形成される結合光を提供するための一組以上の所定の第1、第2、第3、及び第4バイアス値を格納するように構成されたメモリを含むことができ、前記結合光は、CCT値と、光束値と、Ra値、TM-30-18 Rf値、Rcs,h1値、若しくはMDER値のうちの1つとを持つ。前記結合光は、2000Kと10000Kとの間の範囲内とすることができるCCT値と、80より高いRa値と、0.25から1.39の範囲内とすることができるMDER値とを持ち得る。
【0007】
他の一態様において、照明装置は、第1発光スペクトルを持つ第1の光を放つように構成された第1の一次光源であり、前記第1発光スペクトルは、420-440nmの範囲内の波長の第1ピークと、530-580nmの波長範囲内の第2ピークとを持つ、第1の一次光源と、第2発光スペクトルを持つ第2の光を放つように構成された第2の一次光源であり、前記第2発光スペクトルは、470-500nmの範囲内の波長のピークを持つ、第2の一次光源と、第3発光スペクトルを持つ第3の光を放つように構成された第3の一次光源であり、前記第3発光スペクトルは、530-580nmの範囲内の波長のピークを持つ、第3の一次光源と、第4発光スペクトルを持つ第4の光を放つように構成された第4の一次光源であり、前記第4発光スペクトルは、580-660nmの範囲内の波長のピークを持つ、第4の一次光源と、を含む。前記第1の光は、0.35より低いMDERを持ち得る。前記第2の光は、0.65より高いMDERを持ち得る。前記第1の光は、0.18<u’<0.4、v’<0.42の範囲内のCIE 1976色点を持ち、前記第2の光は、u’<0.18、v’>0.25の範囲内の色点を持ち、前記第3の光は、0.18<u’<0.25、v’>0.53の範囲内の色点を持ち、前記第4の光は、u’>0.35,v’>0.50の範囲内の色点を持つとし得る。調節可能量の前記第1の光と、調節可能量の前記第2の光と、調節可能量の前記第3の光と、調節可能量の前記第4の光とが組み合わさって結合光を形成するように構成される。前記結合光は、2000Kから10000Kとの間のCCT(K)値に対してRa>90又はRa>95を維持し得る。前記結合光は、0.25から1.39の範囲内のMDERを持ち得る。設定されたCCT(K)及びRa>80を維持しながら、前記結合光のMDERを基準源MDERの90%から110%の間で変化させることができ、前記基準源は、CCT値が5000Kより下で黒体放射体であり、CCT値が5000Kより上でCIE D光源である。前記第1の一次光源は、前記第1ポンプダイに第1バイアスを提供するための第1電気接続を含むことができ、前記第2の一次光源は、前記第2ポンプダイに第2バイアスを提供するための第2電気接続を含むことができ、前記第3の一次光源は、前記第3ポンプダイに第3バイアスを提供するための第3電気接続を含むことができ、前記第4の一次光源は、前記第4ポンプダイに第4バイアスを提供するための第4電気接続を含むことができる。当該照明装置は更に、前記第1電気接続、第2電気接続、第3電気接続、及び第4電気接続の各々に電気的に接続されたコントローラを含むことができ、前記コントローラは、前記第1バイアス、第2バイアス、第3バイアス、及び第4バイアスを提供し、前記コントローラは、2000Kから10000Kの範囲内のCCT(K)値及び0.25から1.39の範囲内のMDERを持つ結合光を生成するための第1、第2、第3、及び第4バイアス値を格納するように構成されたメモリを含む。
【0008】
他の一態様において、照明装置は、複数の第1の一次光源であり、各第1の一次光源が、バイオレットポンプダイと、該バイオレットポンプダイ上に配置されたグリーン蛍光体とを有し、該バイオレットポンプダイ及び該グリーン蛍光体が第1パッケージに収容されている、複数の第1の一次光源と、
複数の第2の一次光源であり、各第2の一次光源が、シアンブルーポンプダイと、該シアンブルーポンプダイ上に配置されたグリーン蛍光体とを含み、該シアンブルーポンプダイ及び該グリーン蛍光体が第2パッケージに収容されている、複数の第2の一次光源と、複数の第3の一次光源であり、各第3の一次光源が、ロイヤルブルーポンプダイと、該ロイヤルブルーポンプダイ上に配置されたグリーン蛍光体とを含み、該ロイヤルブルーポンプダイ及び該グリーン蛍光体が第3パッケージに収容されている、複数の第3の一次光源と、複数の第4の一次光源であり、各第4の一次光源が、別のロイヤルブルーポンプダイと、該別のロイヤルブルーポンプダイ上に配置されたレッド蛍光体とを含み、該別のロイヤルブルーポンプダイ及び該レッド蛍光体が第4パッケージに収容されている、複数の第4の一次光源とを含み、 前記第1、第2、第3、及び第4パッケージは各々別々のパッケージである。
【0009】
以下の更なる詳細な説明を、最初に手短に説明する添付の図面と共に参照することで、本発明のこれらの及び他の実施形態、特徴、及び利点が当業者によりいっそう明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】一実施形態例に従った照明装置を示す断面図である。
図1B】一実施形態例に従った照明装置を示す上面図である。
図2】一実施形態例に従った一次光源の各々スペクトルパワー分布を示している。
図3図2に示した各発光スペクトル例の光の色点を示すCIE 1976色図である。図3は2,000Kから10,000Kまでの黒体軌跡も示している。
図4】各CCT値の結合光(白色光)を形成する4つの一次光源の21個のサンプル組み合わせについて、黒体軌跡(CCT(K))上の10個の色点における演色評価数CRI Raのプロットである。
図5】各CCT値の結合光(白色光)を形成する4つの一次光源の21個のサンプル組み合わせについて、黒体軌跡(CCT(K))上の10個の色点におけるANSI/IES TM-30-18 Rfのプロットである。
図6】各CCT値の結合光(白色光)を形成するとともに、Rf>78、Rg>95、及び-1%<Rcs,1h<15%という主観的な好みの基準を満たす4つの一次光源の一組のサンプル組み合わせについて、黒体軌跡(CCT(K))上の10個の色点におけるANSI-IES TM-30-18 Rcs,h1(赤色の色相ビンからのクロマシフト)のプロットである。
図7A】各CCT値の結合光(白色光)を形成するとともに、CCT値でMDER値の可能な範囲に広がった、4つの一次光源の一組のサンプル組み合わせについて、黒体軌跡(CCT(K))上の10個の色点におけるCIE S026:2018に従ったメラノピック昼光有効率(MDER)のプロットである。
図7B】各CCT値の結合光(白色光)を形成するとともに、CCT値でRa値>80を持った、4つの一次光源の一組のサンプル組み合わせについて、黒体軌跡(CCT(K))上の10個の色点におけるCIE S026:2018に従ったメラノピック昼光有効率(MDER)のプロットである。
図8A図8A図8B、及び図8Cは、一次光源の各々に印加されるバイアスを制御するためのコントローラを備えた、ここに開示される照明装置の様々な実装例を示している。
図8B図8A図8B、及び図8Cは、一次光源の各々に印加されるバイアスを制御するためのコントローラを備えた、ここに開示される照明装置の様々な実装例を示している。
図8C図8A図8B、及び図8Cは、一次光源の各々に印加されるバイアスを制御するためのコントローラを備えた、ここに開示される照明装置の様々な実装例を示している。
図9A】それぞれのCCT(K)で最も高いCRI Raを持つ結合光を生成するバイアス設定についての、各一次光源及び全ての原色の平均に対するCCT(K)値の関数としてのLED使用率のプロットである。
図9B】CCT(K)の関数としての、最も高いCRI Raを持つ結合光についての正規化した光束のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面中、様々な図を通して、同じ参照符号は同様の要素を指している。図面は、必ずしも縮尺通りではないものであり、選択的な実施形態を描いており、発明の範囲を限定する意図はない。詳細な説明は、限定としてではなく例として、本発明の原理を示す。
【0012】
チューナブル白色光LEDシステムは、典型的に、2つ又は3つの一次LED色(“原色”)を使用し、システムで使用されるそれら一次LED色の色域に含まれる相関色温度(“CCT”)の範囲内の光を発することができる。2原色を用いる基本的なチューナブル白色LEDシステムは、それら原色間の、色空間(例えば、国際照明委員会(“CIE”)1931又はCIE 1976)内の直線上の色を表すことができる。3原色を用いるシステムは、色空間内でそれら原色によって形成される三角形の色域内の任意の色を色空間で示すことができ、曲線状の黒体軌跡(black body locus;“BBL”)を辿ること及び広範囲のOff-BBL色を示すことを可能にする。
【0013】
3原色を使用するチューナブル白色光LEDシステムでは、特定の色点と光出力を持つ白色光、すなわち、組み合わせ光を生成する3原色の各組み合わせが、原色の各々に適用されるバイアスに関して固有のソリューションを持つ。従って、任意の1つの色点で、3原色からの白色光、すなわち、組み合わせ光の1つのスペクトルのみが可能である。これは、色点を変えずにスペクトル特性を変化させることができる光源が望まれる場合に欠点となる。
【0014】
さらに、3原色のみを使用するチューナブル白色光システムでは、所与の色点で1つのスペクトルのみが必要とされる場合であっても、3原色のみで所望のスペクトル及び色範囲を生成することは常に可能なわけではない。例えば、CRI Ra>95又はTM-30-18 Rf>90の演色性及び色忠実度によって特徴付けられるような高い色忠実度は、一般に、3原色のみが使用される場合、例えば2000-10000Kなどの広いCCT範囲にわたって維持されることができない。
【0015】
これらの要件を満たすために、より多くの原色をチューナブル白色光システムに追加することができるが、4つ以上の原色を持つシステムにおいて、どのような原色を使用すべきか、及びどのようなバイアスを適用すべきかを決定することは簡単ではない。上述のスペクトル性能目標に加えて、チューナブル白色光LEDシステムの更なる性能目標は典型的に発光効率及び光束を含む。従って、システムの複雑さを最小限に抑えるとともに、LED使用率を最大化して効率を向上させるために、可能な最小数の原色を使用することが望ましい。
【0016】
色点を変えずに白色光、すなわち、組み合わせ光のスペクトル特性を変化させることが望まれるチューナブル光源の一例は、所与の色点でメラノピックスペクトルコンテンツを調節することができる光源にある。多くの照明用途において、サーカディアン同調(エントレインメント)に適した条件を提供し、サーカディアン障害(ディスラプション)を最小限に抑えるために、チューナブル照明システムを用いて放出スペクトルのメラノピック照度を変更できることが望ましい。所与の色点でメラノピックスペクトルコンテンツを調節できる能力を用いることで、視覚的な影響を最小限に抑えながらサーカディアン同調を支援することができる。
【0017】
人間のサーカディアンリズムは、人間の生理学的プロセスでの24時間周期であり、内因性で同調性のサイクルを示す何らかの生物学的プロセスを含む。同調は、サーカディアンリズムと環境との間の相互作用であり、例えば、地球の自転によって決定される毎日の明暗サイクルに対するサーカディアンリズムの同調などである。光誘起のサーカディアン同調及び光に対するその他の非視覚的反応は、眼の中の光受容体及び桿錐状体構造によって影響される。それと併せて、光に対するこれらの非視覚的反応は、体内に日的(day-like)な生理的状態を作り出し得る。光誘起のサーカディアン同調は、一般に、可視スペクトルの短波長端にピークスペクトル感度を持つ。メラノピック感度範囲は、447-531nmの半値全幅(FWHM)であり、490nmの波長でピークとなる。この範囲は、光誘起のサーカディアン同調を担う光受容体によって発現される眼の中の光色素であるメラノプシンの作用スペクトルと相関がある。光源からの放出光のスペクトルは、メラノピックピーク感度と一致する波長範囲にギャップ又はピークのいずれかを作り出すように設計されることがある。このようなギャップ及びピークを、ここでは“シアンギャップ”又は“シアンピーク”として参照することがある。
【0018】
ここに開示される発光装置は、広いCCT範囲(2000-10000K)にわたって高い色忠実度(CRI Ra>95)を維持することができるとともに、所与の色点におけるメラノピックスペクトルコンテンツの最大限の調節可能性も提供するチューナブル白色LEDシステムであり、その間ずっと高いLED使用率及び発光効率で動作する。ここで使用されるとき、メラノピックスペクトルコンテンツ、又はメラノピックコンテンツは、CIE S026:2018によって定められたメラノピック昼光(D65)有効率(melanopic daylight (D65) efficacy ratio;“MDER”)によって測定される。
【0019】
上述のような色忠実度及びメラノピック調節機能を持つチューナブル白色LEDシステムは、各々がここに開示される異なる発光スペクトルを持つ4つの一次光源を使用して達成され得る。それら4つの一次光源は、実用的なLEDエミッタと蛍光体材料とで実現されることができる。特に、それら一次光源のうちの1つはバイオレット(~430nm)エミッタによってポンプされることができ、別の1つの一次光源はブルー(~480nm)エミッタによってポンプされることができる。これは、両方の一次光源を使用されるときの高いCCTでの高い色忠実性と、チューナブル白色LEDシステムが発する組み合わせ光におけるこれら2つの一次光源の相対的寄与を変化させることによるMDERチューナブル性とを可能にする。これら第1及び第2の一次光源の両方ともがグリーン蛍光体を含むことで、4つの一次光源のうちの残りの2つの一次光源と組み合わせて使用されるときの自身の使用率を高め、ひいては、色忠実度及びメラノピックチューナブル性能を損ねることなく効率及び光束を向上させ得る。
【0020】
図1Aは、上述の色忠実度及びメラノピック調節機能を持つチューナブル白色LEDシステムである発光装置の断面図を示し、図1Bは上面図を示している。図1Aの断面図は、図1Bの光A-Aを通ってとられている。
【0021】
図1A及び1Bの照明装置100は、4つの異なる一次光源110、120、130、及び140のグループ10、20、30、及び40を含んでいる。4つの異なる一次光源110、120、130、及び140の各々は個別にアドレスされることができ、図8A、8B、及び8Cに関して更に詳細に後述するコントローラに接続し得る。照明装置100は図1Bでは4×4アレイとして示されているが、4つのグループ10、20、30、及び40は、任意の数の個々の一次光源110、120、130、及び140を有することができ、様々な他の構成のグループが使用されてもよい。
【0022】
4つの異なる一次光源110、120、130、及び140の各々は、それぞれ、異なるパッケージ151、152、153、及び154内に配置され得る。4つの異なる一次光源110、120、130、及び140の各々は、以下の図2及び図3に関して更に詳細に後述するように、それぞれ、実質的に異なる発光スペクトル及び色点を持つものである調節可能量の光111、121、131、及び141を別々に放つように構成される。光111、121、131、及び141は、以降の図に関して更に詳細に後述するように、様々な量で組み合わされて結合光190を形成する。
【0023】
図1Aを参照するに、4つの異なる一次光源の各々はpcLEDとすることができ、ポンプダイとダウンコンバータとを含むことができる。第1の一次光源110は第1ポンプダイ112を含む。第1ポンプダイ112は、420-440nmの間のピーク発光波長を持つバイオレットポンプダイとすることができ、例えば、ピーク発光波長は約430nmとし得る。照明装置100で使用され得るバイオレットポンプダイの一例は、GaN又はInGaN半導体に基づくヘテロ接合を含む。
【0024】
第1の一次光源110は第1ダウンコンバータ115を含む。第1ダウンコンバータ115は、例えば530-580nmの範囲内のピーク発光波長を持つなど、より長い波長の発光スペクトルを持つグリーン蛍光体を含み得る。第1ダウンコンバータ115は、メラノピック感度範囲内での発光を最小化するように選択される。第1ダウンコンバータ115は、420-440nmの間の波長によって励起されることができ且つ530-580nmの範囲内のピーク波長を持つダウンコンバート光を発する例えば蛍光体又は量子ドットなどの任意のダウンコンバータ材料を含み得る。第1ダウンコンバータ115としての使用に好適なグリーン蛍光体材料は、例えばアルミニウムガーネット蛍光体を含み得る。使用され得るグリーン蛍光体の例は、例えばイエローシアン域の光を発するLuAl12:Ce3+及びYAl12:Ce3+などの、一般式(Lu1-x-y-a-bGd(Al1-zGa12:CePr、ただし、0<x<1、0<y<1、0<z≦0.1、0<a≦0.2、且つ0<b≦0.1、を持つアルミニウムガーネット蛍光体を含む。好適なグリーン蛍光体の更なる例は、以下に限られないが、Lu3-x-yAl5-z12:Ce、ただし、M=Y,Gd,Tb,Pr,Sm,Dy、A=Ga,Sc、且つ(0<x≦0.2)、Ca3-x-ySc2-zSi12:Ce、ただし、M=Y,Lu、A=Mg,Ga、且つ(0<x≦0.2)、Ba2-x-ySiO:Eu、ただし、M=Sr,Ca,Mg、且つ(0<x≦0.2)、Ba2-x-y-zSi1-z:Eu、ただし、M=Sr,Ca,Mg、且つ(0<x≦0.2)、Sr1-x-yAl2-zSi4-z:Eu、ただし、M=Ba,Ca,Mg、且つ(0<x≦0.2)、M1-xSi:Eu、ただし、M=Sr,Ba,Ca,Mg、且つ(0<x≦0.2)、M3-xSi:Eu、ただし、M=Sr,Ba,Ca,Mg、且つ(0<x≦0.2)、Sr1-x-yGa2-zAl:Eu、ただし、M=Ba,Ca,Mg、且つ(0<x≦0.2)、Ca1-x-y-zS:Ce、ただし、M=Ba,Sr,Mg、A=K,Na,Li、且つ(0<x≦0.2)、Sr1-x-zAl1+ySi4.2-y7-y0.4+y:Eu、ただし、M=Ba,Ca,Mg、且つ(0<x≦0.2)、Ca1-x-y-zSc:Ce、ただし、M=Ba,Sr,Mg、A=K,Na,Li、且つ(0<x≦0.2)、Mx-zSi6-y-2xAly+2x8-y:Eu、ただし、M=Ca,Sr,Mg、且つ(0<x≦0.2)、及びCa8-x-yMgSiOCl:Eu、ただし、M=Sr,Ba、且つ(0<x≦0.2)を含む。
【0025】
第1ポンプダイ112によって放たれた光の一部(例えば、放射束で60%以下)が第1ダウンコンバータ115によって吸収されて長波長側にダウンコンバートされ、第1ポンプダイ112によって放たれた光の一部(例えば、放射束で40%以上)は吸収されない。第1の一次光源110は、バイオレットポンプダイ112からの未変換の光と第1ダウンコンバータ115によって長波長側に変換された光との両方を含む第1の光111を放射する。光111については、図2及び図3に関して更に詳細に後述する。
【0026】
第2の一次光源120は第2ポンプダイ122を含み得る。第2ポンプダイ122は、470-500nmの間のピーク又は主発光波長を持つシアンブルーポンプダイとすることができ、例えば、ピーク発光波長は約485nmとし得る。第2の一次光源120に使用されるシアンブルーポンプダイの一例は、InGaN半導体に基づくヘテロ接合を含む。
【0027】
第2の一次光源120は第2ダウンコンバータ125を含む。第2ダウンコンバータ125もグリーン蛍光体を含むことができるが、第2ダウンコンバータ125として使用されるグリーン蛍光体は、メラノピック感度範囲での発光を更に強めるように、より短い波長にいっそう多くのスペクトル成分を持つ発光スペクトルを有し得る。例えば、第2ダウンコンバータは、495-580nmの範囲内にピーク発光波長を持ち得る。第2ダウンコンバータ125は、470-500nmの間の波長によって励起されることができ且つ495-580nmの範囲内のピーク波長を持つダウンコンバート光を発する例えば蛍光体又は量子ドットなどの任意のダウンコンバータ材料を含み得る。第2ダウンコンバータ125としての使用に好適な材料は、第1ダウンコンバータ115と同じグリーン蛍光体材料を含み得るが、より短い波長範囲に所望のスペクトル成分を提供するのに好適な組み合わせのホスト組成とアクティベータが選択される。
【0028】
第2ポンプダイ122によって放たれた光の一部(例えば、放射束で<50%)が第2ダウンコンバータ125によって吸収されて長波長側にダウンコンバートされ、第2ポンプダイ122によって放たれた光の一部(例えば、>50%)は吸収されない。第2の一次光源120は、ポンプダイ122からの未変換の光と第2ダウンコンバータ125によって長波長側に変換された光との両方を含む第2の光121を放射する。光121については、図2及び図3に関して更に詳細に後述する。
【0029】
第3の一次光源130は第3ポンプダイ132を含み得る。第3ポンプダイ132は、440-460nmの間のピーク波長を持つロイヤルブルーポンプダイとし得る。第3の一次光源130では、ポンプダイ132から放たれた光は、第3ダウンコンバータ135によってほぼ完全に変換され、それ故に、ポンプ波長は、第3の一次光源130によって放射される光のスペクトル特性ではなく、第3ダウンコンバータ135を励起する際の効率及び光束性能のために選定され得る。従って、第3ダウンコンバータ135を効率的に励起する任意のポンプダイが使用され得る。第3の一次光源130に使用されるロイヤルブルーポンプダイの一例は、InGaN半導体に基づくヘテロ接合を含む。
【0030】
第3ダウンコンバータ135は、530-580nmの範囲内の波長を発する。第3ダウンコンバータ135は、例えばアルミニウムガーネット蛍光体といった、少なくとも1つのグリーン蛍光体を含み得る。第3ダウンコンバータ135は、第3ポンプダイが放つ光によって励起されることができ且つ530-580nmの範囲内のピーク光波長を持つ緑色領域のダウンコンバート光を発する例えば蛍光体又は量子ドットなどの任意のダウンコンバータ材料を含み得る。第3ダウンコンバータ1325に使用されるダウンコンバータ材料は、第1ダウンコンバータ115に使用されるダウンコンバータ材料と同じとし得る。
【0031】
第3ポンプダイ132によって放たれた光の大部分が、第3ダウンコンバータ135によって吸収されて長波長側に変換される。第3の一次光源130は、ポンプダイ132からの未変換の光を殆ど又は全て含まず、殆ど又は全てがダウンコンバータ135によって長波長側に変換された光である第3の光131を放射する。光131については、図2及び図3に関して更に詳細に後述する。
【0032】
第4の一次光源140は第4ポンプダイ142を含み得る。第4ポンプダイ142も、440-460nmの間のピーク波長を持つロイヤルブルーポンプダイとし得る。第4の一次光源140でも、第4ポンプダイ142から放たれた光が、第4ダウンコンバータ145によってほぼ完全に変換され、それ故に、ポンプ波長は同様に、スペクトル特性ではなく、効率及び光束性能のために選定され、第3の一次光源130においてと同じタイプのポンプダイとし得る。ダウンコンバータ145を効率的に励起する任意のポンプダイが使用され得る。第4の一次光源140に使用されるロイヤルブルーポンプダイの一例は、InGaN半導体に基づくヘテロ接合を含む。
【0033】
第4ダウンコンバータ145は、580-660nmの範囲内の波長を発する。第4ダウンコンバータ145は、580-660nmの範囲内にピーク発光波長を持った、赤色領域のピーク発光を持つ例えば蛍光体又は量子ドットなどの任意のダウンコンバータ材料を含み得る。例えば、第4の一次光源のダウンコンバータ145は、例えばSCASN又はCASN蛍光体とし得るものである少なくとも1つのレッド蛍光体を含み得る。低いCCT値を持つ色点での結合光190の高い色忠実度をサポートするために、第4の一次光源140は、深い赤色領域(~640-660nm)に十分なスペクトル成分波長を持つべきである。一例において、第4ダウンコンバータ145に含まれる蛍光体のうちの1つは、例えばSLAなどの狭いレッド蛍光体であり、高い発光効率で深い赤色のスペクトル成分を実現することを可能にする。第4ポンプダイ142によって放たれた光の大部分が、第4ダウンコンバータ145によって吸収されて長波長側に変換される。第4の一次光源140は、ポンプダイ142からの未変換の光を殆ど又は全て含まず、殆ど又は全てが第4ダウンコンバータ145によって長波長側に変換された光である第4の光141を放射する。光141については、図2及び図3に関して更に詳細に後述する。
【0034】
図2は、1Wの放射束に正規化された、一次光源の各々のスペクトルパワー分布の例を示している。4つの一次光源110、120、130、及び140の各々によって放たれる光111、121、131、及び141のスペクトルパワー発光スペクトルが示されている。
【0035】
図2を参照するに、第1の一次光源110によって放たれる光111は、例えば図2に示すスペクトル210のようなスペクトルパワー発光スペクトルを持ち得る。光111のスペクトルパワー発光スペクトルの特徴は、420-440nmの範囲内で最大となる400-455nmの波長範囲にわたる狭い第1ピークと、グリーン蛍光体の存在による、530-580nmの間で最大となる約500-700nmの範囲にわたる、より広くて、あまり強くない第2ピークとを含む。光111のスペクトルパワー発光スペクトルにおける光の割合はまた、メラノピック感度範囲に対応するシアンギャップ領域を含む。特に、第1の一次光源110によって放たれる光111のスペクトルパワー発光スペクトルは、470nm-490nmの範囲内に殆ど又は全くスペクトルパワーのないシアンギャップを持ち、スペクトルパワーが447nmから470nmまでに基本的に0まで減少し、470nmから490nmまで基本的に0のままであり、その後、531nmでのスペクトル含有値が447nmでのスペクトル含有値よりも小さいままであるように490nmと531nmとの間でゆっくりと増加する“U”字形状を持ち得る。447nmと531nmとの間のスペクトル含有量は、第1発光スペクトル全体のスペクトルコンテンツのうちの15%未満であり得る。第1の一次光源110から放たれる光111のMDERは0.35より低い。例えば、図2に示す発光スペクトル210の例において、MDERは0.22である。
【0036】
第2の一次光源120によって放射される光121は、例えば図2に示すスペクトル220のようなスペクトルパワー発光スペクトルを持ち得る。光121が放つスペクトルパワー発光スペクトルの特徴は、例えば485nmなど470-500nmの範囲内で最大となる450-510nmの波長範囲にわたるピークを含む。このピークはメラノピック応答関数のピークに対応する。第2の一次光源120によって放たれる光121のMDERは0.65より高い。例えば、図2の発光スペクトル220において、光121のMDERは0.80である。光121の発光スペクトルはまた、グリーン蛍光体の存在により530-580nmの範囲内のスペクトル成分を持つことができ、例えば、発光スペクトル220は、約630nmでのゼロへと漸減する510nmのスペクトル成分を持つショルダー領域を含む。
【0037】
第3の一次光源130によって放たれる光131は、例えば図2に示す発光スペクトル230のようなスペクトルパワー発光スペクトルを持ち得る。光131は緑色光であり、530-580nmの範囲内のピークを含む。
【0038】
第4の一次光源140によって放たれる光141は、例えば図2に示す発光スペクトル240のようなスペクトルパワー発光スペクトルを持ち得る。光141は赤色光であり、600-700nmの範囲内のピークを含む。上述のように、また、図2の発光スペクトル240に示されるように、光141は深い赤色領域(~640-660nm)にかなりのスペクトル成分を含み得る。
【0039】
図3は、図2に示した発光スペクトル例の光の色点を示すCIE 1976色図である。図3において、図2の発光スペクトル例210を持つ光111は、u’=0.2177、v’=0.3775にある色点310を持ち、図2の発光スペクトル例220を持つ光121は、u’=0.0977、v’=0.4326にある色点320を持ち、図2の発光スペクトル例230を持つ光131は、u’=0.4527、v’=0.5138にある色点330を持ち、図2の発光スペクトル例240を持つ光141は、u’=0.2059、v’=0.5563にある色点340を持つ。
【0040】
図2及び図3に示すスペクトル及び色点の例は、照明装置100を形成するのに使用され得る4つの一次光源のセットの一例からの光を例示するものである。しかし、4つの一次光源110、120、130、及び140のスペクトル及び色点は特定の範囲内で変更されてもよく、ここに開示される特性を持つ照明装置100をなおも達成し得る。例えば、第1の一次光源において、グリーン蛍光体の量又は種類を変更して、発光スペクトル210内のバイオレットスペクトル含有量に対するグリーンスペクトル含有量を変更してもよく、それは色点310の位置も変更することになる。一般に、4つの一次光源の各々によって放たれる光の色点は様々とし得る。一次光源110によって放たれる光111は、0.18<u’<0.4、v’<0.42の範囲内の色点を持ち得る。一次光源120によって放たれる光121は、u’<0.18、v’>0.25の範囲内の色点を持ち得る。一次光源130によって放たれる光131は、0.18<u’<0.25、v’>0.53の範囲内の色点を持ち得る。一次光源140によって放たれる光141は、u’>0.35、v’>0.50の範囲内の色点を持ち得る。
【0041】
図1Aを参照するに、一次光源110、120、130、及び140の各々によって放たれた光111、121、131、及び141が組み合わさって結合光190を形成する。一次光源110、120、130、及び140の各々は、これらの一次光源の各々が個別アドレス可能であることを可能にする個別の電気接続161、162、163、及び164を有する。従って、結合光190に寄与する光111、121、131、及び141の量を、各一次光源110、120、130、及び140に提供されるバイアス、すなわち、電流の量を制御することによって個別に制御することができる。光111、121、131、及び141の量を変更することにより、結合光190の特性を変更することができる。
【0042】
図3はまた、2000Kから10000Kまでの黒体軌跡(“BBL”)370を示している。4つの一次光源110、120、130、及び140の各々から放たれた光111、121、131、及び141を様々な所定量で共に組み合わせて、2700Kから6500KまでのCCTについて少なくともBBLを包囲する色域を持つ結合光190を形成し得る。特に、結合光190の色域は、2000Kから10000KまでのCCT範囲(これは、図3に示すBBL370のセクションである)をカバーする。低いCCT(~2200Kより低い)では、BBL上の色点を維持するのに非常に飽和した赤と緑の原色を必要とし、これは実用的なLEDデバイスの効力を含む。従って、例えばDuv(CIE 1960色空間でのBBLまでの距離)が-0.006以上であるなど、Duvが合理的な制限内にある限り、BBLの下でのみこれらのCCTを示すことができる色域は許容可能であって好ましいものであり得る。
【0043】
ここに開示される照明装置100の利点は、結合光190の所与の色点及び光束で更なるスペクトル特性を最適化することを可能にすることである。すなわち、所望のCCT及び光束にある結合光190を生成する4つの一次光源からの光111、121、131、及び141の組み合わせは複数存在するので、例えば色忠実度及び演色性やメラノピックコンテンツなどの、結合光の更なる特性についても最適化することが可能である。
【0044】
例えばBBL370上の特定の色点となる白色光など、特定の光束及び色域内の特定の色点を持つ結合光190を照明装置100が放射するように、4つの一次光源の各々に対するバイアス値の組み合わせを決定することができる。所与の目標の光束及び色域内の色点について、特定の目標の色点及び光束を達成するための4つの一次光源110、120、130、及び140の各々に対する適切なバイアスを決定する問題は、一自由度によってでは劣決定系(underdetermined system)である。従って、一次元の解空間内に無数の解が存在し、更なる最適化パラメータ及び制約を用いてバイアス値の選択を決めることができる。そのような追加の最適化パラメータ及び制約は、例えば、図4図5、及び図6に関して以下に示すような所望の色忠実度を含み得る。この最適化は、解空間全体に離散的なステップで広がるスペクトルのセットについて、これらの重要なスペクトル性能メトリックのうちの1つ以上を計算することによって行われ、これらのメトリックに基づいて所望のスペクトルを選択し得るようになる。
【0045】
図4は、特定の色点において結合光190の演色評価数CRI Ra(CIE 13:3:1995)を最適化する例を示している。図4は、各CCT値の結合光190(これは白色光である)を形成する4つの一次光源110、120、130、及び140の21個のサンプル組み合わせについて、2,000Kと10,000Kとの間(2000KはDuv=-0.003でBBLより僅かに下にある)の黒体軌跡(CCT(K))上の10個の色点における演色評価数CRI Ra(CIE 13:3:1995)のプロットである。図4を見ると、2000-10000Kの範囲のCCT値を持つBBL上の10個の色点について、そのCCTを持つ結合光190を生成する4つの一次光源光の21個の異なる組み合わせ、すなわち、バイアス値の21個の組み合わせが決定されている。各CCT値において、そのCCT値を生成する21個のバイアス組み合わせは解空間にわたって広がっており、一端で一次光源のうちの1つ(光121)を最大量で含み、他端でその一次光源を最小量で含み、最大と最小の間に残りの19個の値が広がる。各CCTにおける21個の組み合わせの各々の結果として得られるRaがプロットされている。すなわち、各ドットが、そのCCT値を持つ結合光190をもたらす光111、121、131、及び141の組み合わせの各々で得られるRa値を表している。この範囲内のCCTの各々で、特定のCCT値と>95であるCRI Raとを持つ結合光190をもたらす光111、121、131、及び141の組み合わせ、すなわち、一次光源110、120、130、及び140のバイアスの組み合わせが存在している。従って、特定の色点にある結合光190のCRI Ra値が、発光システム100を用いて最適化され得る。
【0046】
なお、また、より深い赤色スペクトル成分(~640-660nm)を第4の一次光源140に加えた照明装置100を用いることにより、このCCT範囲を1800Kまで下方に拡張することが可能である。しかしながら、そのように第4の一次光源を変更することは照明装置100の効率及び光束を低下させてしまい得る。
【0047】
図5は、特定のCCTカラー値において結合光190の色忠実度の値TM-30-18 Rfについて最適化する例を示している。図5は、各CCT値の結合光(白色光)を形成する4つの一次光源の21個のサンプル組み合わせについて、黒体軌跡(CCT(K))上の10個の色点におけるANSI/IES TM-30-18 Rfのプロットである。図5のプロットには、図4で用いたのと同じ21個の組み合わせの光111、121、131、及び141、すなわち、同じ21個の組み合わせのバイアス値が用いられている。これらの21個の組み合わせについて、TM-30-18 Rf値を求めた。図5の各ドットは、そのCCT値を持つ結合光190をもたらす光111、121、131、及び141の組み合わせのうちの1つの結果として得られるRf値を表している。この範囲内のCCT値の各々で、特定のCCTと>90であるTM-30-18 Rf値とを持つ結合光190をもたらす光111、121、131、及び141の組み合わせが存在している。従って、特定の色点にある結合光190のTM-30-18 Rf値が、発光システム100を用いて最適化され得る。
【0048】
図6は、特定の演色特性の主観的な好みに基づいて、特定のCCT色点値において結合光190を最適化する例を示している。以前の研究によれば、主観的な演色性の好みは、Rf>78、Rg>95、及び-l%<Rcs,h1<15%として、正のレッドクロマシフトRcs,1hと相関がある。図6は、各CCT値の結合光(白色光)を形成するとともに、Rf>78、Rg>95、及び-1%<Rcs,1h<15%という主観的な好みの基準を満たす4つの一次光源の一組のサンプル組み合わせについて、黒体軌跡(CCT(K))上の10個の色点におけるANSI-IES TM-30-18 Rcs,h1(赤色の色相ビンからのクロマシフト)のプロットである。図6は、Rf>78且つRg>95であるとともに-1%<Rcs,1h<15%という主観的に好まれる範囲内にレッドクロマシフトが入るものである図4及び図5に関して上で決定した光111、121、131、及び141の組み合わせについての、Res,h1値の範囲を示している。図6が示すことには、色忠実度及び発光効率のために最適化されたLEDで一般的に可能なものを超えて赤色を大幅に過飽和させることができる(また、ここでは、より深い赤色成分を第4の一次光源140に加えることにより、より低い効率及び光束という犠牲の下で、過飽和能力をより低いCCTまで拡張することが可能である)。
【0049】
特定のカラー値及び光束を維持しながら、結合光190のスペクトルにおいて、CIE S026:2018に従ってメラノピック昼光(D65)有効率(“MDER”)により測定されるメラノピックコンテンツも変えることができる。図7Aは、各CCT値の結合光190(これはBBL上にあるままの白色光である)を形成し、そのCCT値でMDER値の可能な範囲に広がった4つの一次光源の一組のサンプル組み合わせについての、黒体軌跡(CCT(K))上の10個の色点におけるMDERのプロットである。図7Bは、図7Aと同じMDER対CCT(K)プロットを示しているが、Ra>80も持つ結合光190(白色光)をもたらす4つの一次光源のサンプル組み合わせのみが示されている。図7A及び図7Bの両方で、ドットは特定のCCT(K)値でのサンプル結合光190(白色光)を表している。参考までに、黒い破線701は黒体放射体(CCT値5000K未満)のMDER値であり、黒い実線702はCIE D光源(5000Kより高いCCT値)のMDER値を示している。
【0050】
図7A及び図7Bを見ると、図7Bに示すように適切な色忠実度を維持しながら、メラノピックコンテンツ(MDER)を基準源(701、702)のMDER値のかなり上及び下まで調節することができる。図7Aを見ると、MDERは、2000Kで0.25という低さであることができ、8000Kで1.89という高さであることができる。設定されたCCT値においてもMDERを広い範囲で変化させることができ、例えば、4000KのCCTで、MDERは0.43から1.0まで変化する。また、より小さい範囲で僅かにCCT値を変えることによって、より広い範囲のMDERが達成され得る。例えば、6500のCCTで、最も低いMDER値は0.74であり、最も高いMDER値は1.69であり、白色光のCCT値を5000Kに動かすことによって、0.5といういっそう低いMDER値を達成することができる。図7Bを見ると、結合光190がRa>80も持つ場合、MDER値の範囲は、特に上側の範囲で減衰される。故に、例えば2000KのCCTでは、MDERはなおも0.25という低さであることができる、10,000Kでは最も高いMDERで1.39である。設定されたCCT値及びRa>80において、MDERは例えば0.57と0.83との間の範囲であることができる。図7Aに関して上述したものと同様にCCT(K)を僅かに変えることにより、より広い範囲のMDER値を達成することができる。例えば、5000KのCCT値及びRa>80で、MDER値は0.57という低さであることができ、6500KのCCT値では、Ra>80として、MDER値は1.17まで上がることができる。照明装置100で得られる利用可能なMDER値の範囲は、BBL上にない色点、すなわち、Duvがゼロでない色点に結合光190を調節することで更に拡大され得る。例えば、BBLよりも下に結合光190の色点を調節することで、より高いMDERを得ることができ、BBLよりも上に結合光190の色点を調節することで、より低いMDERを得ることができる。
【0051】
図8A図8B、及び図8Cは、一次光源の各々に印加されるバイアス(入力電力)を制御するためのコントローラを備えた、ここに開示される照明装置の様々な実装例を示している。図8Aでは、照明装置801のハウジング811内にコントローラ851が含められている。一次光源841の各々が、コントローラ851に直接接続された対応する電気コネクタ871(例えば、図1Aの個々の電気接続161、162、163、及び164に対応する)を有する。コントローラ851は、一次光源841を動作させるための様々なコンポーネントを含むことができ、例えば、メモリコンポーネント854と、ユーザがコントローラ851を操作することを可能にするインタフェースコンポーネント855とを含み得る。図8Bでは、コントローラ856は照明装置802のハウジング内にはなく、別個の外部デバイスである。コントローラ856は、別個のケーブル859若しくは他の配線を介して、又は無線で、照明装置802の電気コネクタ872(例えば、図1Aの個々の電気接続161、162、163、及び164に対応する)に電気的に接続され、これは、コントローラ856が照明装置802から切り離されて分離されることを可能にする。コントローラ856は、一次光源842を動作させるための様々なコンポーネントを含むことができ、例えば、メモリコンポーネント857と、ユーザがコントローラ851を操作することを可能にするインタフェースコンポーネント858と含み得る。図8Cでは、コントローラが、照明装置803のハウジング813内にある内部部分881と、ケーブル886若しくは他の配線を介して又は無線で内部部分881に接続される外部部分883とに分割されている。外部部分883は照明装置803から切り離されることができる。一次光源843の各々が、コントローラの内部部分881に直接接続された対応する電気コネクタ873(例えば、図1Aの個々の電気接続161、162、163、及び164に対応する)を有する。コントローラの内部部分881及び外部部分883はまた、一次光源843を動作させるための内部コンポーネントを含むことができ、例えば、メモリ882、884と、インタフェースコンポーネント888、889とを含み得る。情報、インタフェース及び/又はその他の制御機能の一部が、内部部分881のコンポーネントと外部部分883のコンポーネントとの間で分割されてもよいし、全てがコントローラの内部部分881及び外部部分883の一方又は他方の中に含まれてもよい。
【0052】
コントローラ851、856、及び881/883を動作させること、並びにコントローラ851、856、及び881/883から照明装置100を動作させるのに使用されるバイアス値を決定及び入力することには、様々な方法が用いられ得る。基本的な動作方法では、バイアス値が直接入力され、コントローラ851、856、及び881/883は、一次光源の各グループに使用すべきバイアス値だけを入力することができる“ダイヤル”機能を持つ。
【0053】
他の一例において、コントローラ851、856、881/883は集積データを含み、コントローラ851、856、881/883への入力は、所望の色点(例えば、CCT、Duv座標で表される)、強度(減光レベル)、及び所望のスペクトル性能を記述するパラメータを含み得る。これらの入力は、例えば“最大忠実度”、“最大彩度”、“最大メラノピックコンテンツ”、“最小メラノピックコンテンツ”などの異なる設定の形式をとり得る。コントローラ851、856、881/883のメモリコンポーネント854、857、882/884は、色点の離散的なセットに対して、異なる設定に対応する一次バイアス値を格納し得る。これらの値はオフラインで計算されてルックアップテーブルとしてメモリに格納され得る。補間を用いて、予め計算された一組の離散的な色点間の色点についての適切なバイアス値を決定し得る。
【0054】
コントローラ851、856、881/883を動作させる方法の更なる例では、プリセット又はアルゴリズムがプログラムされ、入力のうち2つ以上が予め定められた方式で結合される。例えば、ユーザ又は外部コントローラがCCT及び強度レベルのみを設定するように、“好まれる色”プリセットがDuv及びスペクトル設定入力をCCT入力にリンク付けし得る。他の一例において、“サーカディアン”プリセットが、CCT、Duv、強度、及びスペクトル設定を制御する単一の外部入力のみを有し得る。そして、このようなプリセットが、外部入力スケールの一端で、最小限のメラノピックコンテンツを有した、BBL上の薄暗い暖白色の光を提供し、スケールの他端で、最大化されたメラノピックコンテンツを有した、BBLよりも上の明るい冷白色の光を提供し得る。更なる他の一例において、例えば時刻、占有レベル、又は周辺光レベルなどの外部入力が集積コントローラに付加されて、プリセットがこれらの外部入力に依存するようにし得る。
【0055】
図9Aは、それぞれのCCT(K)で最も高いCRI Raを持つ結合光を生成するバイアス設定についての、各一次光源及び全ての原色の平均に対するCCT(K)値の関数としてのLED使用率のプロットであり、図9Bは、CCT(K)の関数としての、最も高いCRI Raを持つ結合光についての正規化した光束のプロットである。図9Aにおいて、プロット901は一次光源110からのものであり、プロット902は一次光源120からのものであり、プロット903は一次光源130からのものであり、プロット904は一次光源140からのものであり、プロット906は全ての原色の平均である。照明装置100は、図9Aに示されるように、広いCCT範囲にわたって高い平均LED使用率を維持することが可能である。説明の目的で、図9A(及び9B)では、各一次LEDが公称動作条件で同じ放射束を放つと仮定している(実際には、全ての一次LEDが同じデバイスアーキテクチャで実装される場合、第2及び第4の一次LEDは、第2原色では長波長ブルーの低めのパワー変換効率のため、及び第4原色の量子効率及びストークス損失のために、幾分低い光束を持つことになる)。このCCT範囲の殆どで、平均使用率は50%より高い。図9Bは、同じ仮定の下で、正規化された光束をCCTに対して示している。
【0056】
照明装置100において、光束及び効率は、(i)一次光源からの光が2つの異なる蛍光体によって二度ダウンコンバートされることに伴う損失を回避するものである、グリーン蛍光体とレッド蛍光体との分離、及び(ii)蛍光体の大部分が高効率のロイヤルブルーLEDによってポンプされることによって、更に最適化される。対照的に、単一のパッケージでメラノピックコンテンツに関して最適化された白色スペクトルを提供する従来技術のLEDは、必然的に蛍光体の大部分を、あまり効率的でないバイオレット又は長波長ブルーのLEDでポンプする。
【0057】
この開示は、例示的なものであり、限定的なものではない。この開示に照らして当業者には更なる変更が明らかになり、それらは添付の請求項の範囲内にあることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B