(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】マルチチャンネル放射線検査機器
(51)【国際特許分類】
G01V 5/22 20240101AFI20241105BHJP
【FI】
G01V5/22
(21)【出願番号】P 2023530318
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 CN2021118975
(87)【国際公開番号】W WO2022105404
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】202011305516.9
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503414751
【氏名又は名称】同方威視技術股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】張 麗
(72)【発明者】
【氏名】黄 清萍
(72)【発明者】
【氏名】洪 明志
(72)【発明者】
【氏名】王 子楠
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-236633(JP,A)
【文献】特開2000-235007(JP,A)
【文献】特開平04-190188(JP,A)
【文献】特開平09-127021(JP,A)
【文献】特表2015-519577(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0054469(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0167936(US,A1)
【文献】国際公開第2017/109295(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109407163(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110927807(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106596601(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109623031(CN,A)
【文献】中国実用新案第209446790(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 5/20~5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線検査機器(100)であって、
並列に配置された複数の検査チャネル(1)と、走査装置と、駆動装置(4)と、コントローラとを含み、
各前記検査チャネルは、検査されるターゲットを載置するために用いられ、
前記走査装置は、
前記複数の検査チャンネルの外部に取り付けられる放射線源(2)と、
前記複数の検査チャネルの外部に取り付けられ、前記放射線源から発せられた放射線ビームを受信するための受信装置(3)と、を含み、
前記駆動装置(4)は、前記放射線源及び受信装置が各前記検査チャネルの近傍に移動するように駆動するために用いられ、
前記コントローラは、前記複数の検査チャンネルのうちの1つの検査チャンネルの近傍に移動した走査装置が前記1つの検査チャンネル内のターゲットを走査検査するように制御するために用いられる、
放射線検査機器。
【請求項2】
前記駆動装置は、前記放射線源及び前記受信装置が第1の方向に同期して往復移動するように駆動することによって、前記走査装置が各前記検査チャンネルの近傍に順に移動することを可能にすることに用いられる、
請求項1に記載の放射線検査機器。
【請求項3】
各前記検査チャンネルは、ハウジング(11)によって囲まれた検査空間(16)と、第1のセンサ(17)とを含み、
前記第1のセンサ(17)は、前記検査チャンネルに前記ターゲットが存在するか否かを検出するために用いられ、前記コントローラは、前記検査チャンネルにターゲットが存在することを前記第1のセンサが検出した場合にのみ、前記ターゲットを走査検査するように前記走査装置を制御する、
請求項
1に記載の放射線検査機器。
【請求項4】
各前記検査チャンネルは、さらに、前記検査空間の入口及び出口の少なくとも1つに設けられ、検査されるターゲットを前記検査空間に入れた後の走査検査期間及び/又は前記走査装置が前記ターゲットに不審物があることを検査したときに前記入口及び出口を閉じるように設けられる少なくとも1つのゲート(14)を含む、
請求項3に記載の放射線検査機器。
【請求項5】
各前記検査チャンネルは、前記ゲートの開閉を検出するための第2のセンサ(15)を含み、
前記コントローラは、前記少なくとも1つのゲートが共に閉じられたことを前記第2のセンサが検出したときにのみ、前記検査空間内のターゲットを走査検査するように前記走査装置を制御する、
請求項
4に記載の放射線検査機器。
【請求項6】
前記走査装置は、前記検査空間にターゲットがないことを前記検査チャンネルの第1のセンサが検出したとき、又は前記ゲートが開かれたことを前記検査チャンネルの第2のセンサが検出したときに、前記放射線源から発せられた放射線ビームが前記検査空間に放射されることを阻止するための遮蔽装置(22)をさらに含む、
請求項5に記載の放射線検査機器。
【請求項7】
前記コントローラは、前記検査空間にターゲットがないことを前記検査チャンネルの第1のセンサが検出したとき、又は前記ゲートが開かれたことを前記検査チャンネルの第2のセンサが検出したときに、前記検査チャンネルの近傍に移動した前記走査装置の放射線源を閉じる、
請求項5に記載の放射線検査機器。
【請求項8】
前記コントローラは、前記検査空間にターゲットがないことを前記検査チャンネルの第1のセンサが検出したとき、又は前記ゲートが開かれたことを前記検査チャンネルの第2のセンサが検出したときに、前記走査装置を駆動して前記検査チャンネルを速い速度で通過させるように前記駆動装置を制御する、
請求項
6に記載の放射線検査機器。
【請求項9】
前記放射線源は、複数の角度をなす放射線ビーム(21)を発するために用いられ、
前記受信装置は、複数組の検出器アレイを含み、前記複数組の検出器アレイの受信面は、複数の角度をなす前記放射線ビームをそれぞれ受信するように、互いに角度をなして設けられる、
請求項1~8のいずれか一項に記載の放射線検査機器。
【請求項10】
前記駆動装置は、
前記放射線源が移動するように駆動するための第1の駆動装置(41)と、
前記受信装置が移動するように駆動するための第2の駆動装置(42)と、
前記放射線源と前記受信装置を同期して駆動するように前記第1の駆動装置及び前記第2の駆動装置を制御するための同期モジュールとを含む、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の放射線検査機器。
【請求項11】
前記第1の駆動装置は、
第1のドライバと、
前記放射線源が取り付けられる第1のベース(412)と、
第1のガイドレール(413)と、を含み、
前記第1のドライバは、前記第1のベースが前記第1のガイドレールに沿って往復直線移動するように駆動する、
請求項10に記載の放射線検査機器。
【請求項12】
前記第1のドライバは、第1のモータと、第1のスクリュー(411)とを含み、
前記第1のスクリューの一端が前記第1のモータの出力軸に結合され、前記第1のスクリューが前記第1のベースと螺合することによって、前記第1のスクリューの回動が前記第1のベースの直線移動に変換される、
請求項11に記載の放射線検査機器。
【請求項13】
前記第2の駆動装置は、
第2のドライバと、
前記受信装置が取り付けられる第2のベース(422)と、
第2のガイドレール(423)と、を含み、
前記第2のドライバは、前記第2のベースが前記第2のガイドレールに沿って往復直線移動するように駆動する、
請求項
10に記載の放射線検査機器。
【請求項14】
前記第2のドライバは、第2のモータと、第2のスクリュー(421)とを含み、
前記第2のスクリューの一端が前記第2のモータの出力軸に結合され、前記第2のスクリューが前記第2のベースと螺合することによって、前記第2のスクリューの回動が前記第2のベースの直線移動に変換される、
請求項13に記載の放射線検査機器。
【請求項15】
前記複数の検査チャンネルは、水平方向に一行に配列され、
前記放射線源は、前記検査チャンネルのハウジング(11)の上壁(111)に設けられ、かつ、前記受信装置は、前記検査チャンネルのハウジング(11)の下壁(112)に設けられる、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の放射線検査機器。
【請求項16】
前記複数の検査チャンネルは、水平方向に一行に配列され、
前記放射線源は、検査チャンネルのハウジング(11)の下壁(112)に設けられ、かつ、受信装置は、前記検査チャンネルのハウジング(11)の上壁(111)に設けられる、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の放射線検査機器。
【請求項17】
前記複数の検査チャンネルは、水平方向に上下2行に配列され、
各行の検査チャネルの対向する両側にはそれぞれ1つの放射線源と1つの受信装置が設けられる、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の放射線検査機器。
【請求項18】
前記複数の検査チャンネルは、水平方向に上下2行に配列され、
2行の前記検査チャンネルの間に1つの放射線源が設けられ、各行の前記検査チャンネルにおける前記放射線源に対向する側に1つの受信装置が設けられ、
前記放射線源は、前記放射線源から発せられた放射線ビームが前記受信装置に選択的に照射されるように回転可能に設けられる、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の放射線検査機器。
【請求項19】
前記複数の検査チャンネルは、直立方向において左右2行に配列され、
2行の前記検査チャンネルの間に1つの放射線源が設けられ、各行の前記検査チャンネルにおける前記放射線源に対向する側に1つの受信装置が設けられ、
前記放射線源は、前記放射線源から発せられた放射線ビームが前記受信装置に選択的に照射されるように回転可能に設けられる、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の放射線検査機器。
【請求項20】
前記複数の検査チャンネルは、直立方向において左右2行に配列され、
各行の検査チャネルの対向する両側にはそれぞれ1つの放射線源と1つの受信装置が設けられる、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の放射線検査機器。
【請求項21】
各前記検査チャンネルは、前記検査チャンネルの下部に設けられ、第1の方向に垂直な第2の方向に前記ターゲットを搬送するための搬送装置(12)をさらに含む、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の放射線検査機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、放射線検査機器に関し、特に、複数の箇所に検出されるターゲットを入れることができるマルチチャンネル放射線検査機器に関する。
【背景技術】
【0002】
公共安全の需要に基づいて、大型展示会、臨時道路検査ステーション、辺境検査ポートランド、スタジアムなどの大型公共場所において、常に積載セキュリティ検査システムを使用してトランクやパッケージなどのターゲットに対して侵入しない検査を行い、車両に搭載された例えば放射線検査機器を利用してターゲット内に例えば麻薬、爆発物などの禁制品が存在するか否かを検査する。放射線検査機器は、主に検査チャンネルと走査装置を含む。検査されるターゲットは、通常、搬送構造を介して放射線検査機器の検査チャンネルを通過し、走査装置は、検査チャンネルの一方側に取り付けられ、X放射線ビームを発するための放射線源と、検査チャンネルの他方側に取り付けられ、前記放射線ビームを受信するための検出器アレイとを主に含む。
【0003】
従来の放射線検査機器では、検査されるターゲットは、単一の検査チャンネルでしか走査検査を受けることができず、且つ走査装置は、単一の検査チャンネル内の被検査ターゲットのみを走査検査することができ、このように、検査効率が低い。現在、デュアルチャネルを有する放射線検査機器が開発されており、各検査チャネル内の被検査ターゲットはいずれも走査検査を受けることができるが、各検査チャネルにはいずれも独立した走査装置が配置される必要があり、放射線検査機器のコストを増加させてしまう。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、従来技術に存在する上記問題及び欠陥の少なくとも1つを解決することを目的とする。
【0005】
本開示の一態様の実施例によれば、放射線検査機器を提供し、当該放射線検査機器は、並列に配置された複数の検査チャンネルと、走査装置と、駆動装置と、コントローラと、を含み、各前記検査チャンネルは、検査されるターゲットを載置するために用いられ、前記走査装置は、前記複数の検査チャンネルの外部に取り付けられた放射線源と、前記複数の検査チャンネルの外部に取り付けられ、前記放射線源から発せられた放射線ビームを受信するための受信装置と、を含み、前記駆動装置は、前記放射線源及び受信装置が各前記検査チャンネルの近傍に移動するように駆動するために用いられ、前記コントローラは、前記複数の検査チャンネルのうちの1つの検査チャンネルの近傍に移動した走査装置を制御して前記1つの検査チャンネル内のターゲットを走査検査するために用いられる。
【0006】
本開示の一実施例によれば、前記駆動装置は、前記放射線源及び受信装置が第1の方向に同期して往復移動するように駆動することによって、前記走査装置が各前記検査チャネルの近傍に順に移動することを可能にすることに用いられる。
【0007】
本開示の一実施例によれば、各前記検査チャンネルは、ハウジングによって囲まれた検査空間と、前記検査チャンネルに前記ターゲットが存在するか否かを検出するための第1のセンサと、を含み、前記コントローラは、前記検査チャンネルにターゲットが存在することを前記第1のセンサが検出したときにのみ、前記ターゲットを走査検査するように前記走査装置を制御する。
【0008】
本開示の一実施例によれば、各前記検査チャンネルは、前記検査空間の入口及び出口のうちの少なくとも1つに設けられ、検査されるターゲットを前記検査空間に入れた後の走査検査期間及び/又は前記走査装置が前記ターゲットに不審物があることを検査したときに前記入口及び出口を閉じるように設けられる少なくとも1つのゲートをさらに含む。
【0009】
本開示の一実施例によれば、各前記検査チャンネルは、前記ゲートの開閉を検出するための第2のセンサを含む。前記コントローラは、前記少なくとも1つのゲートが共に閉じられたことを前記第2のセンサが検出したときにのみ、前記検査空間内のターゲットを走査検査するように前記走査装置を制御する。
【0010】
本開示の一実施例によれば、前記走査装置は、前記検査空間にターゲットがないことを前記検査チャンネルの第1のセンサが検出したとき、又は前記ゲートが開かれたことを前記検査チャンネルの第2のセンサが検出したときに、前記放射線源から発せられる放射線ビームが前記検査空間に放射されることを阻止するための遮蔽装置をさらに含む。
【0011】
本開示の一実施例によれば、前記コントローラは、前記検査空間にターゲットがないことを前記検査チャンネルの第1のセンサが検出したとき、又は前記ゲートが開かれたことを前記検査チャンネルの第2のセンサが検出したときに、前記検査チャンネルの近傍に移動した前記走査装置の放射線源を閉じる。
【0012】
本開示の一実施例によれば、前記コントローラは、前記検査空間にターゲットがないことを前記検査チャンネルの第1のセンサが検出したとき、又は前記ゲートが開かれたことを前記検査チャンネルの第2のセンサが検出したときに、前記走査装置を駆動して前記検査チャンネルを速い速度で通過させるように前記駆動装置を制御する。
【0013】
本開示の一実施例によれば、前記放射源は、複数の角度をなす放射線ビームを発するために用いられ、前記受信装置は、複数組の検出器アレイを含み、前記複数組の検出器アレイの受信面は、複数の角度をなす前記放射線ビームをそれぞれ受信するように、互いに角度をなして設けられる。
【0014】
本開示の一実施例によれば、前記駆動装置は、前記放射線源が移動するように駆動するための第1の駆動装置と、前記受信装置が移動するように駆動するための第2の駆動装置と、前記放射線源及び前記受信装置を同期して駆動するように前記第1の駆動装置及び前記第2の駆動装置を制御するための同期モジュールとを含む。
【0015】
本開示の一実施例によれば、前記第1の駆動装置は、第1のドライバと、前記放射線源が取り付けられる第1のベースと、第1のガイドレールとを含み、前記第1のドライバは、第1のベースが前記第1のガイドレールに沿って往復直線移動するように駆動する。
【0016】
本開示の一実施例によれば、前記第1のドライバは、第1のモータと、第1のスクリューとを含み、前記第1のスクリューの一端が前記第1のモータの出力軸に結合され、前記第1のスクリューが前記第1のベースと螺合することによって、前記第1のスクリューの回動が前記第1のベースの直線移動に変換される。
【0017】
本開示の一実施例によれば、前記第2の駆動装置は、第2のドライバと、前記受信装置が取り付けられる第2のベースと、第2のガイドレールとを含み、前記第2のドライバは、前記第2のベースが前記第2のガイドレールに沿って往復直線移動するように駆動する。
【0018】
本開示の一実施例によれば、前記第2のドライバは、第2のモータと、第2のスクリューとを含み、前記第2のスクリューの一端が前記第2のモータの出力軸に結合され、前記第2のスクリューが前記第2のベースと螺合することによって、前記第2のスクリューの回動が前記第2のベースの直線移動に変換される。
【0019】
本開示の一実施例によれば、前記複数の検査チャンネルは、水平方向に一行に配列され、前記放射線源は、前記検査チャンネルのハウジングの上壁に設けられ、かつ、前記受信装置は、前記検査チャンネルのハウジングの下壁に設けられる。
【0020】
本開示の一実施例によれば、前記複数の検査チャンネルは、水平方向に一行に配列され、前記放射線源は、前記検査チャンネルのハウジングの下壁に設けられ、かつ、前記受信装置は、前記検査チャンネルのハウジングの上壁に設けられる。
【0021】
本開示の一実施例によれば、前記複数の検査チャネルは、水平方向に上下2行に配列され、各行の検査チャネルの対向する両側にはそれぞれ1つの放射線源と1つの受信装置が設けられる。
【0022】
本開示の一実施例によれば、前記複数の検査チャンネルは、水平方向に上下2行に配列され、2行の前記検査チャンネルの間に1つの放射線源が設けられ、各行の前記検査チャンネルにおける前記放射線源に対向する側に1つの受信装置が設けられ、前記放射線源は、前記放射線源から発せられた放射線ビームが前記受信装置に選択的に照射されるように回転可能に設けられる。
【0023】
本開示の一実施例によれば、前記複数の検査チャンネルは、直立方向において左右2行に配列され、2行の前記検査チャンネルの間に1つの放射線源が設けられ、各行の前記検査チャンネルにおける前記放射線源に対向する側に1つの受信装置が設けられ、前記放射線源は、前記放射線源から発せられた放射線ビームが選択的に前記受信装置に照射されるように回転可能に設けられる。
【0024】
本開示の一実施例によれば、前記複数の検査チャンネルは、直立方向において左右2行に配列され、各行の検査チャンネルの対向する両側にそれぞれ1つの放射線源と1つの受信装置が設けられる。
【0025】
本開示の一実施例によれば、各前記検査チャンネルは、前記検査チャンネルの下部に設けられ、第1の方向に垂直な第2の方向に前記ターゲットを搬送するための搬送装置をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本開示の一例示的な実施例に係る放射線検査機器の斜視模式図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示される放射線検査機器の上面図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の一例示的な実施例に係る放射線検査機器の簡易断面図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の一例示的な実施例に係る1つの検査チャンネルにおいて検査物品を走査する簡易模式図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の別の例示的な実施例に係る放射線検査機器の斜視模式図を示す。
【
図6】
図6は、本開示のまた別の例示的な実施例に係る放射線検査機器の簡易断面図を示す。
【
図7】
図7は、本開示のさらに別の例示的な実施例に係る放射線検査機器の簡易断面図を示す。
【
図8】
図8は、本開示のさらに別の例示的な実施例に係る放射線検査機器の簡易断面図を示す。
【
図9】
図9は、本開示のさらに別の例示的な実施例に係る放射線検査機器の簡易断面図を示す。
【
図10】
図10は、本開示の一例示的な実施例に係る放射線検査機器の動作フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術案を明瞭且つ完全に説明し、明らかなように、説明される実施例は、本開示の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。以下、少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は、実際に解釈的なものに過ぎず、決して本開示及びその応用又は使用に対するいかなる制限とするものではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく得られる全ての他の実施例は、本開示の保護範囲に属するものとする。
【0028】
以下の詳細な説明において、説明を容易にするために、本開示の実施例に対する全面的な理解を提供するために、多くの具体的な詳細を説明する。しかしながら、1つ以上の実施例は、これらの特定の詳細がない場合にも実施され得ることは明らかである。これ以外に、図面を簡略化するために、周知の構成及び装置は、図示の形で示される。当業者に周知された技術、方法、および機器は、詳細には議論されない可能性があるが、適切な場合には、技術、方法、および機器は、本明細書の一部と見なされるべきである。
【0029】
本開示の説明において、理解されるように、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂、底」などの方位語で表される方位又は位置関係は、通常、図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、本開示の説明の便宜上及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、逆の説明がない場合、これらの方位語は、示される装置又は素子が特定の方位を有するか又は特定の方位で構成及び操作されなければならないことを指示及び暗示するものではないため、本開示の保護範囲を制限するものとして理解されるべきではなく、方位語「内、外」とは、各部材自体の輪郭に対する内外を指す。
【0030】
本開示の説明において、理解すべきこととして、「第1」、「第2」などの用語を用いて部品を限定することは、対応する部品を区別しやすくするためのものに過ぎず、別途説明しない限り、上記用語は特別な意味がないため、本開示の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0031】
本開示の全体的な発明構想によれば、複数の検査チャンネルと、走査装置と、駆動装置と、コントローラとを含む放射線検査機器を提供する。複数の検査チャネルは、並列に配置され、各検査チャネルは、検査されるターゲットを載置するために用いられる。走査装置は、前記複数の検査チャンネルの外部に取り付けられた放射線源と、前記複数の検査チャンネルの外部に取り付けられ、前記放射線源から発せられた放射線ビームを受信するための受信装置とを含む。駆動装置は、前記放射線源及び受信装置が各前記検査チャンネルの近傍に移動するように前記放射線源及び受信装置を駆動するために用いられる。コントローラは、前記複数の検査チャンネルのうちの1つの検査チャンネルの近傍に移動した走査装置が前記1つの検査チャンネル内のターゲットを走査検査するように制御するために用いられる。
【0032】
図1は、本開示の一例示的な実施例に係る放射線検査機器の斜視模式図を示し、
図2は、
図1に示される放射線検査機器の上面図を示し、
図3は、本開示の一例示的な実施例に係る放射線検査機器の簡易断面図を示し、
図4は、本開示の一例示的な実施例に係る1つの検査チャンネルにおいて検査物品を走査する簡易模式図を示す。
【0033】
一例示的な実施例において、
図1~
図5を参照し、放射線検査機器100は、駅、空港、スタジアム、ショッピングモールなどの人の流動性が大きい場所において、トランク、パッケージ、ハンドバッグなどのターゲット200に規制カッター、銃、麻薬、爆発物などの禁止物品が存在するか否かを検査することに適用される。放射線検査機器100は、検査チャンネル1、走査装置、制御装置4及びコントローラを含む。複数の検査チャネル1は、並列に設置され、各検査チャネルは、検査されるターゲット200を載置するために用いられる。走査装置は、前記複数の検査チャンネル1の外部に取り付けられる放射線源2と、前記複数の検査チャンネルの外部に取り付けられ、前記放射線源2から放射されたX放射線ビームなどの放射線ビーム21を受信するための受信装置3とを含む。駆動装置4は、前記放射線源2及び受信装置3が各前記検査チャネル1の近傍に移動するように駆動するために用いられる。コントローラは、前記複数の検査チャンネル1のうちの1つの検査チャンネルの近傍に移動した走査装置が前記1つの検査チャンネル1内のターゲット200を走査検査するように制御するために用いられる。
【0034】
一例示的な実施例において、前記駆動装置は、前記放射線源2及び受信装置3が第1の方向F1に同期して往復移動ように駆動するために用いられ、これによって、前記走査装置は、各前記検査チャネル1の近傍に順に移動して、各検査チャネル1内のターゲットを順に走査検査することができる。
【0035】
本開示の実施例に係る放射線検査機器100によれば、駆動装置4は、前記放射線源2及び受信装置3が同期して往復移動ように駆動し、これによって、前記走査装置は、各前記検査チャンネル1の近傍に順に移動することができる。コントローラは、前記複数の検査チャンネル1のうちの1つの検査チャンネルの近傍に移動した走査装置が前記1つの検査チャンネル1内のターゲット200を走査検査するように制御する。このように、複数の検査チャネルは、1つの走査装置を共用することが可能となり、各検査チャネルにおける被検査ターゲットに対して独立して走査検査を行うことができ、検査効率を向上させる。
【0036】
図1~
図4を参照し、一例示的な実施例において、各前記検査チャンネル1は、支持フレームと放射線漏れを防止するために支持フレームに被覆された遮蔽材とを含むハウジング11によって囲まれた検査空間16と、前記検査チャンネル1において検査される前記ターゲット200が存在するか否かを検出するための第1のセンサ17とを含み、前記コントローラは、前記検査チャンネルにターゲットがあることを前記第1のセンサ17が検出したときにのみ、前記ターゲットに対して走査検査を行うように前記走査装置を制御する。すなわち、検査チャネル1内にターゲット200が存在しないことを第1のセンサ17が検出した場合、コントローラは、ターゲット200が存在しない検査チャネルに移動しないように走査装置を制御したり、ターゲット200が存在しない検査チャネルを通過する際に走査装置を閉じるかまたは検査チャネルに放射線ビームを照射しないようにしたりする。このように、放射線ビームは、ターゲットが存在しない検査チャンネルに照射されず、旅客は、検査すべきターゲット200を検査チャンネル1に入れる過程において、放射線ビームの放射を受けることがない。第1のセンサ17は、検査チャンネルの底部に設けられた重量センサ又は光学センサを含んでもよい。
【0037】
一例示的な実施例において、各前記検査チャンネル1は、前記検査空間16の入口及び出口のうちの少なくとも1つに設けられ、検査されるターゲットを前記検査空間に入れた後の走査検査期間及び/又は前記走査装置が前記ターゲット200に不審物があることを検査したときに前記入口及び出口を閉じるように設けられる少なくとも1つのゲート14をさらに含む。
図2には、3つの検査チャンネル16が示され、そのうち、1つのゲート14が閉じられている又は開かれている状態にあり、1つのゲートが全閉状態にあり、1つのゲートが全開状態にある。
【0038】
一実施例では、検査空間16の入口および出口の両方にはゲート14が設けられて、入口においてターゲット200を検査空間16に入れた後に入口および出口におけるゲート14を閉じる。走査検査期間及び/又は走査装置がターゲット200に不審物があることを走査検査した場合、乗客がターゲット200を取り出すことを回避するように、入口及び出口に位置するゲートを閉じ続けるとともに、放射線検査機器100の警報器が音声及び/又は光警告を発して、入口又は出口におけるゲートを開いて不審物があるターゲット200を取り出してさらなる処理を行うように検査者に提示する。走査装置がターゲット200に不審物がないことを走査検査した場合、入口と出口に位置するゲートを自動的に開いて、旅客がターゲット200を取り出すことを許可し、次のターゲットを検査空間16に入れることを許可する。このように、異なる旅客の例えばパッケージ、トランクなどの被検査ターゲットは、検査空間16に順に入れられ、互いに干渉せずに独立して走査検査を受けることができる。
【0039】
一代替的な実施例では、検査空間16には1つの開口のみが設けられ、この開口においてターゲット200を検査空間16に入れ、またはターゲットを検査空間から取り出す。開口においては、ターゲット200を検査空間16に入れた後に閉じるためのゲート14が設けられる。走査装置がターゲット200に不審物があることを走査検査した場合、乗客がターゲット200を取り出すことを回避するように、ゲート14を閉じたままにしつつ、放射線検査機器100の警報器が音声及び/又は光警告を発して、開口におけるゲート14を開いて不審物があるターゲット200を取り出してさらなる処理を行うように検査者に提示する。走査装置がターゲット200に不審物がないことを走査検査した場合に、自動的にゲートを開いて、旅客がターゲット200を取り出すことを許可し、次のターゲットを検査空間16に入れることを許可する。
【0040】
一例示的な実施例において、各前記検査チャンネル1は、前記ゲート14の開閉を検出するための第2のセンサ15をさらに含む。第2のセンサは、電気近接スイッチ、磁気近接スイッチ、又は光学センサを含んでもよい。前記コントローラは、前記少なくとも1つのゲート14が共に閉じられたことを前記第2のセンサ14が検出したときにのみ、前記検査空間16内の前記ターゲット200を走査検査するように前記走査装置を制御する。すなわち、ゲート14が閉じられていないことを第2のセンサが検出した場合に、走査装置は、そのゲート14が閉じられていない検査チャンネルに対して走査検査を行うことがなく、このように、走査検査中にターゲット200を出し入れすることを回避できる。
【0041】
一例示的な実施例において、前記走査装置は、遮蔽装置22をさらに含み、前記遮蔽装置22は、前記検査空間16にターゲット200がないことを前記検査チャンネル1の第1のセンサ17が検出したとき、又は前記ゲート14が開かれたことを前記検査チャンネル1の第2のセンサ15が検出したときに、前記放射線源2から発せられた放射線ビーム21が前記検査空間16に照射されることを阻止するために用いられる。すなわち、検査空間にターゲットがない、又はターゲットの出し入れが許可されている場合、検査チャンネル1が準備できていない状態にあることを示し、走査装置が当該検査チャンネル1を通過する過程において、遮蔽装置22が放射線源2からの放射線ビーム21を遮蔽して、放射線ビーム21が検査空間に照射されないようにする。このような遮蔽装置は、放射線ビームを連続的に発する放射線源に特に適する。
【0042】
一代替的な例示的な実施例において、前記検査空間16にターゲット200がないことを前記検査チャンネル1の第1のセンサ17が検出したときに、又は前記ゲート14が開かれたことを前記検査チャンネル1の第2のセンサ15が検出したときに、すなわち、検査チャンネルが準備できていないときに、前記コントローラは、放射線源2が放射線ビーム21を発生しないように、前記検査チャンネル1の近くに移動した前記走査装置の放射線源2を閉じる。例えば、放射線源がパルス放射線ビームを発生するように設けられる場合、シャッタ遮蔽装置を取り付ける必要がなく、放射線源2が準備できていない検査チャンネル1を通過するときに、直接にコントローラによって放射線源2を閉じるように制御する。
【0043】
一例示的な実施例において、前記検査空間16にターゲット200がないことを前記検査チャンネル1の第1のセンサ17が検出したときに、又は前記ゲート14が開かれたことを前記検査チャンネル1の第2のセンサ15が検出したときに、すなわち、検査チャンネルが準備できていないときに、前記コントローラは、前記走査装置を駆動して速い速度で前記検査チャンネル1を通過させて次の検査チャンネルに迅速に到達させるように前記駆動装置4を制御することによって、走査検査効率を向上させる。
【0044】
一例示的な実施例において、
図1~
図4を参照し、前記放射線源2は、角度をなす複数の(図面では2つのビームが示されている)放射線ビーム21を発することに用いられる。前記受信装置3は、複数組の(図面では2組が示されている)検出器アレイを含み、前記複数組の検出器アレイの受信面は、複数の角度をなす放射線ビーム21をそれぞれ受信するように、互いに角度をなして設けられる。複数組の検出器アレイは、異なる放射方向から放射された放射線ビーム21を受けることができるので、ターゲット200の異なる角度の走査画像を得ることができる。このように、デュアルビュー画像ひいてはマルチビュー画像を形成することができ、検出精度を向上させる。
【0045】
一例示的な実施例において、
図3~
図4を参照し、前記駆動装置4は、前記放射線源2が移動するように駆動するための第1の駆動装置41と、前記受信装置3が移動するように駆動するための第2の駆動装置42と、前記放射線源2と前記受信装置3を同期して駆動するように前記第1の駆動装置41と第2の駆動装置42を制御するための同期モジュールとを含む。このように、放射線源と受信装置とは、常に揃った状態に保持される。
【0046】
一例示的な実施例において、
図3~
図4を参照し、前記第1の駆動装置41は、第1のドライバと、前記放射線源2が取り付けられる第1のベース412と、第1のガイドレール413とを含み、前記第1のドライバは、前記第1のベース412が前記第1のガイドレール413に沿って往復直線移動するように前記第1のベースを駆動する。さらに、前記第1のドライバは、第1のモータと、第1のスクリュー411とを含み、前記第1のスクリュー411の一端が前記第1のモータの出力軸に結合されることによって、第1のモータが第1のスクリュー411が回動するように駆動する。前記第1のスクリュー411が前記第1のベース412と螺合することによって、前記第1のスクリュー411の回動を前記第1のベース412の直線移動に変換させ、第1のベース412がさらに放射線源2を直線移動させる。第1のガイドレール413は、ハウジング11の上壁111に設けられ、第1の方向F1に沿って延在する第1の溝と、第1ハウジング412に設けられ、第1の溝内に入り込む第1のガイドブロックとを含んでもよい。第1のガイドレール413は、第1のベース412が第1の方向F1に沿って往復直線移動するように案内し、第1のベース412が第1のスクリュー411につれて回動することを防止することができる。
【0047】
一例示的な実施例において、
図3~
図4を参照し、前記第2の駆動装置42は、第2のドライバと、前記受信装置3が取り付けられる第2のベース422と、第2のガイドレール423とを含み、前記第2のドライバは、前記第2のベース422が前記第2のガイドレール423に沿って往復直線移動するように前記第2のベースを駆動する。さらに、前記第2のドライバは、第2のモータと、第2のスクリュー421とを含み、前記第2のスクリュー421の一端が前記第2のモータの出力軸に結合され、前記第2のスクリュー421が前記第2のベース422と螺合することによって、前記第2のスクリュー421の回動を前記第2のベース422の直線移動に変換させ、第2のベース422がさらに受信装置3を直線移動させる。2本の第2のガイドレール423のそれぞれは、ハウジング11の下壁112に設けられ、第1の方向F1に沿って延在する第2の溝と、第2のハウジング422に設けられ、前記第2の溝内に入り込む第2のガイドブロックとを含んでもよい。第2のガイドレール423は、第2のベース422が第1の方向F1に沿って往復直線移動するように案内し、第2のベース422が第2のスクリュー421につれて回動することを防止することができる。
【0048】
図5は、本開示の別の例示的な実施例に係る放射線検査機器の斜視模式図を示す。
図4~
図5を参照し、一例示的な実施例において、各前記検査チャンネル1は、前記検査空間11の下部に設けられ、第1の方向F1に垂直な第2の方向F2に前記ターゲット200を搬送するための例えばベルトコンベアのような搬送装置12をさらに含む。検査チャンネル1に投入されたターゲット200は、搬送装置12による搬送で検査空間11の内部に移動する。検査空間11に入口と出口が設けられる場合に、搬送装置12は、入口から出口へターゲット200を搬送し、出口でターゲットを取り出す。一代替的な実施形態では、検査空間11に1つの開口のみが設けられる場合に、搬送装置12は、開口から検査空間11の略中央部分にターゲット200を搬送し、走査検査を受けた後にターゲットを開口に戻し、開口でターゲットを取り出す。さらに、検査チャンネルの入口及び/又は出口には、検査チャンネル1内の放射線ビーム21を遮蔽する遮蔽ゲートカーテン13が設けられ、ターゲット200は、遮蔽ゲートカーテンを通過して検査チャンネル1に入ったり出たりする。
【0049】
当業者であれば理解できるように、搬送装置12は必須ではない。一代替的な実施例では、搬送装置を設けなくてもよく、この場合、ターゲットは、検査チャンネル1に入れられた場合に移動しない。走査装置は水平方向に移動可能であるため、検査チャンネルに放置されたターゲットを走査検査することを実現することができる。さらに、放射線検査機器の構造をさらに簡略化するために、検査チャンネルの入口及び出口に遮蔽ゲートカーテンを設けなくてもよい。
【0050】
図4~
図5を参照し、一例示的な実施例において、前記複数の検査チャンネル1は、水平方向に一行に配列され、前記放射線源2は、前記検査チャンネル1のハウジング11の上壁111に設けられ、かつ、前記受信装置3は、前記検査チャンネル1のハウジング11の下壁112に設けられる。
【0051】
図10は、本開示の一例示的な実施例に係る放射線検査機器の動作フローチャートを示す。
【0052】
以下、
図1~4に示される放射線検査機器100を例として、本開示の実施例に係る放射線検査機器の動作過程を説明する。
【0053】
図1~
図4及び
図10を参照し、検査チャンネル一を利用して旅客一のターゲットを走査検査する場合、まず、旅客一が放射線検査機器100の近くに行って、検査チャンネル一の入口におけるゲートが開かれ、旅客一がトランク又はパッケージのようなターゲット100を検査チャンネル一に入れ、検査チャンネル一の入口及び出口におけるゲートが閉じられ、駆動装置が走査装置の放射線源及び受信装置が検査チャンネル一に移動するように駆動し、放射線源が放射線ビームを発し、検査チャンネル内のターゲットを走査検査し、走査検査の結果がターゲットに不審物があることを示す場合、ゲートを閉じたままにして係員に警告を提示し、係員がゲートを開き、ターゲットを取り出して更なる検査処理を行い、一方で、走査検査の結果がターゲットに不審物がなく、ターゲットが安全であることを示す場合、ゲートを開くように制御して、旅客がそのターゲットを取り出し、その後検査領域から離れることが可能となる。
上記の操作順序に従って、旅客二及び旅客三のターゲットを順に検査する。
【0054】
図6は、本開示のまた別の例示的な実施例に係る放射線検査機器の簡易断面図を示す。
図6を参照し、一例示的な実施例において、前記複数の検査チャンネル1は、水平方向に一行に配列され、前記放射線源2は、前記検査チャンネル1のハウジングの下壁112に設けられ、かつ前記受信装置3は、前記検査チャンネル1のハウジングの上壁111に設けられる。
図6に示される放射線検査機器の他の構造については、
図1~4に示される放射線検査機器を参照可能であり、ここでは説明を省略する。
【0055】
図7は、本開示のさらに別の例示的な実施例に係る放射線検査機器の簡易断面図を示す。
図7を参照し、一例示的な実施例において、前記複数の検査チャンネル1は、水平方向に上下2行に配列される。各行の検査チャネル1の対向する両側には、それぞれ1つの放射線源2及び1つの受信装置3が設けられる。すなわち、
図7に示される放射線検査機器は、2つの
図1~4に記載された放射線検査機器を積み重ねたものに対して、2組の放射線検査機器がそれぞれ独立して作動するため、セキュリティ検査の効率をさらに向上させることができる。
【0056】
図8は、本開示のさらに別の例示的な実施例に係る放射線検査機器の簡易断面図を示す。
図8を参照し、一例示的な実施例において、前記複数の検査チャンネル1は、水平方向に上下2行に配列される。2行の前記検査チャンネル1の間に1つの放射線源2’が設けられ、各行の前記検査チャンネル1における前記放射線源2’に対向する側に1つの受信装置3が設けられる。前記放射線源2’は、前記放射線源2’から発せられた放射線ビームが上部に位置する受信装置3又は下部に位置する受信装置3に選択的に照射されるように回転可能に設けられる。すなわち、本実施例に係る放射線検査機器において、放射線源2’は、駆動装置の駆動によって第1の方向(水平方向)F1に沿って往復直線移動するだけでなく、コントローラの制御によって標的中心の周りに回転することができる。
【0057】
複数のターゲットに対して走査検査を行う間、X線を放射するための放射線源2’が実線で示す左側位置にある場合に、放射線源2’の放射線窓は下向きであり、下部に位置する検出器アレイを含む受信装置3に正対し、下部の受信装置3は放射線源2’と同期して水平移動するため、下部に位置する複数の検査チャンネル1におけるターゲットに対して走査検査を行う。放射線源2’が破線で示す右側位置に移動すると、放射線源2’は標的中心に沿って180度回転し、放射線窓を上向きにして上部に位置する受信装置3に位置合わせし、下部の受信装置3は放射線源2’と同期して水平移動するため、上部に位置する複数の検査チャンネル1におけるターゲットに対して走査検査を行う。放射線源2’が左側位置に移動した後、さらに180度逆回転し、下部に位置する検査チャンネル1におけるターゲットに対して走査検査を開始する。
【0058】
図9は、本開示のさらに別の例示的な実施例に係る放射線検査機器の簡易断面図を示す。
図8を参照し、一例示的な実施例において、複数の検査チャンネル1’は、直立方向において左右2行に配列される。2行の前記検査チャンネル1’の間に1つの放射線源2”が設けられ、各行の前記検査チャンネル1’における前記放射線源2”に対向する側に1つの受信装置3’が設けられる。前記放射線源2”は、前記放射線源2”から発せられた放射線ビームが左側に位置する受信装置3’又は右側に位置する受信装置3’に選択的に照射されるように回転可能に設けられる。
【0059】
複数のターゲットに対して走査検査を行う間に、X線を放射するための放射線源2”が実線で示す上側位置にある場合に、放射線源2”の放射線窓は左向きであり、左側に位置する検出器アレイを含む受信装置3’に正対し、左側の受信装置3’は放射線源2”と同期して下へ移動するため、左側に位置する複数の検査チャンネル1’におけるターゲットに対して走査検査を行う。放射線源2”が破線で示す下側位置に移動すると、放射線源2”は標的中心に沿って180度回転し、放射線窓を右向きにして右部に位置する受信装置3’に位置合わせし、右部の受信装置3’は放射線源2”と同期して上へ移動するため、右部に位置する複数の検査チャンネル1’におけるターゲットに対して走査検査を行う。放射線源2”が上部位置に移動した後、さらに180度逆回転し、左側に位置する検査チャンネル1’におけるターゲットに対して走査検査を開始する。
【0060】
さらに別の例示的な実施例において、前記複数の検査チャンネルは、直立方向において左右2行に配列され、各行の検査チャンネルの対向する両側にそれぞれ1つの放射線源と1つの受信装置が設けられる。
【0061】
上記の実施例では、一行の検査チャネルが3つの独立した検査チャネルを含むことを例として説明した。当業者であれば理解されるように、一行の検査チャネルには2つ、4つ、さらにはより多くの検査チャネルが含まれてもよい。ユーザの需要に応じて、適切な数の検査チャネルを設定することができる。
【0062】
本開示の上記実施例に係る放射線検査機器によれば、1列又は複数列の受信装置(検出器アレイ)及びX放射線ビームを発生するための放射線源は、検査チャンネルの延在方向に垂直な方向に沿って往復直線運動する。放射線源の運動方向において、必要に応じて大きさの異なる複数の検査チャンネルに分け、検出器アレイと放射線源の平行移動によって検査チャンネル内のターゲット走査検査を完成し、インテリジェント図面識別を行うことができる。各検査チャンネルは、独立してイメージングし、独立して検査されるターゲットを入れる/取り出すことができ、これによって複数人の同時セキュリティ検査の目的を達成でき、セキュリティ検査の効率を大幅に向上させる。
【0063】
本開示の実施例に係る放射線検査機器は、スタジアム、映画館、ショッピングモール、コンサートなどのような大型パーティー活動の場所に設置されてもよく、大量の集中人流がセキュリティ検査を迅速に通過することを可能にし、セキュリティ検査コストが低い。
【0064】
当業者であれば理解されるように、上記の実施例はすべて例示的なものであり、当業者はそれを改良することができ、様々な実施例に記載された構造は、構造又は原理的な矛盾が発生しない限り、自由に組み合わせることができる。
【0065】
図面を参照して本開示を説明したが、図面に開示された実施例は、本開示の好ましい実施形態を例示的に説明することを意図しており、本開示を限定するものではないと理解されるべきである。本開示の技術思想のいくつかの実施例が示されて説明されたが、当業者であれば理解されるように、本開示の技術思想の原則と精神から逸脱することなく、これらの実施例に対して変更を行うことができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定されるものである。