(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】ガスケット組立体及びこれを含む燃料電池膜加湿器
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04119 20160101AFI20241105BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20241105BHJP
B01D 53/22 20060101ALI20241105BHJP
B01D 63/00 20060101ALI20241105BHJP
B01D 63/02 20060101ALI20241105BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20241105BHJP
【FI】
H01M8/04119
H01M8/04 N
B01D53/22
B01D63/00 500
B01D63/02
H01M8/10 101
(21)【出願番号】P 2023543075
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(86)【国際出願番号】 KR2022001199
(87)【国際公開番号】W WO2022169152
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】10-2021-0016022
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】キム ドウ
(72)【発明者】
【氏名】キム キョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】アン ナヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム インホ
【審査官】柳幸 憲子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/132141(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/213990(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04119
H01M 8/04
B01D 53/22
B01D 63/00
B01D 63/02
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッド-ケースと、前記ミッド-ケースと締め付けられるキャップと、前記ミッド-ケース内に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジとを備える燃料電池膜加湿器のためのガスケット組立体であって、
前記ガスケット組立体は、
前記カートリッジ端部を囲む形状で形成され、前記カートリッジ端部が挿入される第1のホールが形成されたサブケースと、
前記サブケースが挿入される第2のホールが形成され、前記第2のホールに挿入された前記サブケースの外周面と密着して前記カートリッジの水平方向振動を吸収するパッキング部と、前記パッキング部と連結形成され、前記ミッド-ケースの端部に形成された溝と前記キャップの端部により形成された空間に介在されるエッジ部と、
を有するガスケットと、
前記サブケースの外周面に形成され、前記パッキング部により垂直方向移動が抑制されて、前記カートリッジの垂直方向振動を吸収するダンピング部
を有し、
前記パッキング部は、
前記サブケースが挿入される第2のホールが形成されたボディー部材と、
前記ボディー部材の一端に形成され、前記第2のホールに挿入された前記サブケースの外周面と密着形成された突出部材と、を備え
前記ガスケットは、
前記パッキング部上面と前記サブケース上面と前記カートリッジ上面とにわたって形成されて、前記カートリッジの垂直方向振動を吸収するダンピングキャップ部をさらに備える、ことを特徴とするガスケット組立体。
【請求項2】
前記ボディー部材は、2個以上のサブケースが各々挿入され得る2個以上の第2のホールを備え、前記突出部材は、2個以上備えられて、前記2個以上のサブケースの外周面に接触形成される請求項
1に記載のガスケット組立体。
【請求項3】
前記突出部材は、
弾性力によって前記サブケースの外周面を加圧しながら接触して、前記ミッド-ケース側の空間と前記キャップ側の空間とを気密にする請求項
1に記載のガスケット組立体。
【請求項4】
前記サブケースは、
前記カートリッジ端部に形成されたポッティング部をなす物質の硬度より高い硬度を有する物質で形成される請求項
1に記載のガスケット組立体。
【請求項5】
前記パッキング部は、2個以上のサブケースが各々挿入され得る2個以上の第2のホールを備え、
前記ダンピング部は、2個以上のサブケースの各々の外周面に形成されて、前記パッキング部により垂直方向移動が抑制されて垂直方向の振動を吸収する請求項
1に記載のガスケット組立体。
【請求項6】
前記パッキング部と前記エッジ部との各々は、20~70Shore Aの第1の硬度を有し、
前記パッキング部の少なくとも一部と前記エッジ部の少なくとも一部に挿入されて形成され、前記第1の硬度より高い第2の硬度を有する補強部材をさらに備える請求項
1に記載のガスケット組立体。
【請求項7】
ミッド-ケースと、前記ミッド-ケース内に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジを有する加湿モジュールと、
前記ミッド-ケースと締め付けられるキャップと、
前記キャップが前記中空糸膜とのみ流体連通できるように、機械的組立を介して前記加湿モジュールの少なくとも一端に気密に結合されたガスケット組立体と、
を
備えた燃料電池膜加湿器であって、
前記ガスケット組立体は、
前記カートリッジ端部を囲む形状で形成され、前記カートリッジ端部が挿入される第1のホールが形成されたサブケースと、
前記サブケースが挿入される第2のホールが形成され、前記第2のホールに挿入された前記サブケースの外周面と密着して前記カートリッジの水平方向振動を吸収するパッキング部と、前記パッキング部と連結形成され、前記ミッド-ケースの端部に形成された溝と前記キャップの端部により形成された空間に介在されるエッジ部と、
を有するガスケットと、
前記サブケースの外周面に形成され、前記パッキング部により垂直方向移動が抑制されて、前記カートリッジの垂直方向振動を吸収するダンピング部
を有し、
前記パッキング部は、
前記サブケースが挿入される第2のホールが形成されたボディー部材と、
前記ボディー部材の一端に形成され、前記第2のホールに挿入された前記サブケースの外周面と密着形成された突出部材と、を備え、
前記ガスケットは、
前記パッキング部上面と前記サブケース上面と前記カートリッジ上面とにわたって形成されて、前記カートリッジの垂直方向振動を吸収するダンピングキャップ部をさらに備える、ことを特徴とする燃料電池膜加湿器。
【請求項8】
前記ボディー部材は、2個以上のサブケースが各々挿入され得る2個以上の第2のホールを備え、前記突出部材は、2個以上備えられて、前記2個以上のサブケースの外周面に接触形成される請求項
7に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項9】
前記サブケースは、
前記カートリッジ端部に形成されたポッティング部をなす物質の硬度より高い硬度を有する物質で形成される請求項
7に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項10】
前記パッキング部は、2個以上のサブケースが各々挿入され得る2個以上の第2のホールを備え、
前記ダンピング部は、2個以上のサブケースの各々の外周面に形成されて、前記パッキング部により垂直方向移動が抑制されて垂直方向の振動を吸収する請求項
7に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項11】
前記パッキング部と前記エッジ部との各々は、20~70Shore Aの第1の硬度を有し、
前記パッキング部の少なくとも一部と前記エッジ部の少なくとも一部に挿入されて形成され、前記第1の硬度より高い第2の硬度を有する補強部材をさらに備える請求項
7に記載の燃料電池膜加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスケット組立体及びこれを含む燃料電池膜加湿器に関し、より具体的には、向上した生産性で製造されることができ、維持補修費用を画期的に低減でき、燃料電池の繰り返し的運転によって発生する振動などの外乱を減少させて加湿効率を向上させることができるガスケット組立体及びこれを含む燃料電池膜加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池とは、水素と酸素を結合させて電気を生産する発電型電池である。燃料電池は、乾電池や蓄電池など、一般化学電池とは異なり、水素と酸素が供給される限り、電気を生産し続けることができ、熱損失がないので、内燃機関より効率が2倍くらい高いという長所がある。
また、水素と酸素の結合により発生する化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するので、公害物質排出が少ない。したがって、燃料電池は、環境親和的であり、かつ、エネルギー消費増加による資源枯渇に対する心配を減らすことができるという長所がある。
このような燃料電池は、使用される電解質の種類によって、大別して、高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell:PEMFC)、リン酸型燃料電池(Phosphoric Acid Fuel Cell:PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cell:MCFC)、固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)、及びアルカリ型燃料電池(Alkaline Fuel Cell:AFC)などに分類することができる。
【0003】
これらのそれぞれの燃料電池は、元々同じ原理により作動するが、使用される燃料の種類、運転温度、触媒、電解質などが互いに異なる。この中で、高分子電解質型燃料電池(PEMFC)は、他の燃料電池に比べて低温で動作するという点、及び出力密度が大きくて、小型化が可能であるので、小規模据え置き型発電装備だけでなく、輸送システムでも最も有望なものと知られている。
高分子電解質型燃料電池(PEMFC)の性能を向上させるにあたり、最も重要な要因のうち1つは、膜-電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)の高分子電解質膜(Polymer Electrolyte MembraneまたはProton Exchange Membrane:PEM)に一定量以上の水分を供給することによって含水率を維持させることである。高分子電解質膜が乾燥されれば、発電効率が急激に低下するためである。
高分子電解質膜を加湿する方法では、1)内圧容器に水を満たした後、対象気体を拡散器(diffuser)に通過させて水分を供給するバブラ(bubbler)加湿方式、2)燃料電池反応に必要な供給水分量を計算し、ソレノイドバルブを介してガス流動管に直接水分を供給する直接噴射(direct injection)方式、及び3)高分子分離膜を利用してガスの流動層に水分を供給する加湿膜方式などがある。
【0004】
これらの中でも、排ガス中に含まれる水蒸気のみを選択的に透過させる膜を利用して、水蒸気を高分子電解質膜に供給される空気に提供することによって高分子電解質膜を加湿する膜加湿方式が膜加湿器を軽量化及び小型化できるという点で有利である。
膜加湿方式に使用される選択的透過膜は、モジュールを形成する場合、単位体積当り透過面積が大きい中空糸膜が好ましい。すなわち、中空糸膜を利用して膜加湿器を製造する場合、接触表面積が広い中空糸膜の高集積化が可能であって、小容量でも燃料電池の加湿が十分になされることができ、低価素材の使用が可能であり、燃料電池において高温で排出される排ガス(off-gas)に含まれた水分と熱を回収し、膜加湿器を介して再使用できるという利点を有する。
図1は、従来技術に係る燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図である。
図1に示されたように、従来技術の燃料電池膜加湿器10は、外部から供給される空気と燃料電池スタック(図示せず)から排出される排ガスとの間の水分交換が起こる加湿モジュール11及び加湿モジュール11の両端に結合されたキャップ12を備える。
【0005】
キャップ12のうち1つは、外部から供給される空気を加湿モジュール11に供給し、他の1つは、加湿モジュール11により加湿された空気を燃料電池スタックに供給する。
加湿モジュール11は、排ガス流入口(off-gas inlet)11aaと排ガス排出口(off-gas outlet)11abとを有するミッド-ケース(mid-case)11a、及びミッド-ケース11a内の複数の中空糸膜11bを備える。中空糸膜11bの束の両末端は、ポッティング部11cに固定される。ポッティング部11cは、一般的にキャスティング(casting)方式によって液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることにより形成される。
外部から供給される空気は、中空糸膜11bの中空に沿って流れる。排ガス流入口11aaを介してミッド-ケース11a内に流入した排ガスは、中空糸膜11bの外表面と接触した後、排ガス排出口11abを介してミッド-ケース11aから排出される。排ガスが中空糸膜11bの外表面と接触するとき、排ガス内に含有されていた水分が中空糸膜11bを透過することによって中空糸膜11bの中空に沿って流れていた空気を加湿する。
キャップ12の内部空間は、中空糸膜11bの中空とのみ流体連通し、ミッド-ケース11aの内部空間とは完全に遮断されていなければならない。それとも、圧力差による空気漏れが発生して燃料電池スタックに供給される加湿空気の量が減り、燃料電池の発展効率が低下する。
【0006】
一般に、
図1に示されたように、複数の中空糸膜11bの末端が固定されているポッティング部11c及びポッティング部11cとミッド-ケース11aとの間の樹脂層11dがキャップ12の内部空間とミッド-ケース11aの内部空間とを遮断する。ポッティング部11cと同様に、樹脂層11dは、一般的にキャスティング方式によって液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることにより形成される。
しかし、樹脂層11d形成のためのキャスティング工程は、相対的に多くの工程時間を要求するため、膜加湿器10の生産性を低下させる。
また、樹脂層11dがポッティング部11cはもちろん、ミッド-ケース11aの内壁にも接着されているため、中空糸膜11bに問題が発生する場合、加湿モジュール11全体を交替しなければならず、莫大な維持補修費用が誘発される。
さらに、燃料電池の繰り返し的運転は、樹脂層11dとミッド-ケース11aとの間にギャップ(gap)を引き起こす蓋然性が高い。すなわち、燃料電池の運転及び停止が繰り返されることで、樹脂層11dの膨脹及び収縮が交互に発生しつつ、ミッド-ケース11aと樹脂層11dとの熱膨張係数差のため、樹脂層11dがミッド-ケース11aから離れるようになる蓋然性が高い。前述したように、樹脂層11dとミッド-ケース11aとの間にギャップが引き起こされれば、圧力差による空気漏れが発生して燃料電池スタックに供給される加湿空気の量が減り、燃料電池の発展効率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような関連技術の制限及び短所に起因した問題点を防止でき、向上した生産性で製造されることができ、維持補修費用を画期的に低減でき、燃料電池の繰り返し的運転によって発生する振動などの外乱を減少させて加湿効率を向上させることができるガスケット組立体及びこれを含む燃料電池膜加湿器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係るガスケット組立体は、
ミッド-ケースと、前記ミッド-ケースと締め付けられるキャップと、前記ミッド-ケース内に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジとを備える燃料電池膜加湿器のためのガスケット組立体であって、前記カートリッジ端部を囲む形状で形成され、前記カートリッジ端部が挿入される第1のホールが形成されたサブケースと、前記サブケースが挿入される第2のホールが形成され、前記第2のホールに挿入された前記サブケースの外周面と密着して前記カートリッジの水平方向振動を吸収するパッキング部と、前記パッキング部と連結形成され、前記ミッド-ケースの端部に形成された溝と前記キャップの端部により形成された空間に介在されるエッジ部と、前記サブケースの外周面に形成され、前記パッキング部により垂直方向移動が抑制されて、前記カートリッジの垂直方向振動を吸収するダンピング部とを備えるガスケットとを備える。
【0009】
本発明の実施形態に係るガスケット組立体において、前記パッキング部は、前記サブケースが挿入される第2のホールが形成されたボディー部材と、前記ボディー部材の一端に形成され、前記第2のホールに挿入された前記サブケースの外周面と密着形成された突出部材とを備えることができる。
本発明の実施形態に係るガスケット組立体において、前記ボディー部材は、2個以上のサブケースが各々挿入され得る2個以上の第2のホールを備え、前記突出部材は、2個以上備えられて、前記2個以上のサブケースの外周面に接触形成されることができる。
本発明の実施形態に係るガスケット組立体において、前記突出部材は、弾性力によって前記サブケースの外周面を加圧しながら接触して、前記ミッド-ケース側の空間と前記キャップ側の空間とを気密にすることができる。
【0010】
本発明の実施形態に係るガスケット組立体において、前記サブケースは、前記カートリッジ端部に形成されたポッティング部をなす物質の硬度より高い硬度を有する物質で形成されることができる。
本発明の実施形態に係るガスケット組立体において、前記ガスケットは、前記パッキング部上面と前記サブケース上面と前記カートリッジ上面とにわたって形成されて、前記カートリッジの垂直方向振動を吸収するダンピングキャップ部をさらに備えることができる。
本発明の実施形態に係るガスケット組立体において、前記パッキング部は、2個以上のサブケースが各々挿入され得る2個以上の第2のホールを備え、前記ダンピング部は、2個以上のサブケースの各々の外周面に形成されて、前記パッキング部により垂直方向移動が抑制されて垂直方向の振動を吸収できる。
本発明の実施形態に係るガスケット組立体において、前記カートリッジ端部と結合され得るように、前記サブケースの内周面には接着剤が塗布され得る。
【0011】
本発明の実施形態に係るガスケット組立体において、前記エッジ部は、両方向に突出されたエッジウィングを備え、前記エッジウィングは、前記ミッド-ケース端部に形成された溝を満たしながら介在されて、前記ミッド-ケースの内部と外部、そして、前記ミッド-ケースと前記キャップとを封止できる。
本発明の実施形態に係るガスケット組立体において、前記パッキング部と前記エッジ部との各々は、20~70Shore Aの第1の硬度を有し、前記パッキング部の少なくとも一部と前記エッジ部の少なくとも一部に挿入されて形成され、前記第1の硬度より高い第2の硬度を有する補強部材をさらに備えることができる。
また、本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器は、ミッド-ケースと、前記ミッド-ケースと締め付けられるキャップと、前記ミッド-ケース内に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジと、前記キャップが前記中空糸膜とのみ流体連通できるように、機械的組立を介して前記加湿モジュールの少なくとも一端に気密に結合されたガスケット組立体とを備える。前記ガスケット組立体は、前記カートリッジ端部を囲む形状で形成され、前記カートリッジ端部が挿入される第1のホールが形成されたサブケースと、前記サブケースが挿入される第2のホールが形成され、前記第2のホールに挿入された前記サブケースの外周面と密着して前記カートリッジの水平方向振動を吸収するパッキング部と、前記パッキング部と連結形成され、前記ミッド-ケースの端部に形成された溝と前記キャップの端部により形成された空間に介在されるエッジ部と、前記サブケースの外周面に形成され、前記パッキング部により垂直方向移動が抑制されて、前記カートリッジの垂直方向振動を吸収するダンピング部と、を備えるガスケットとを備える。
【0012】
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記パッキング部は、前記サブケースが挿入される第2のホールが形成されたボディー部材と、前記ボディー部材の一端に形成され、前記第2のホールに挿入された前記サブケースの外周面と密着形成された突出部材とを備えることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記ボディー部材は、2個以上のサブケースが各々挿入され得る2個以上の第2のホールを備え、前記突出部材は、2個以上備えられて、前記2個以上のサブケースの外周面に接触形成されることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記突出部材は、弾性力によって前記サブケースの外周面を加圧しながら接触して、前記ミッド-ケース側の空間と前記キャップ側の空間とを気密にすることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記サブケースは、前記カートリッジ端部に形成されたポッティング部をなす物質の硬度より高い硬度を有する物質で形成されることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記ガスケットは、前記パッキング部上面と前記サブケース上面と前記カートリッジ上面とにわたって形成されて、前記カートリッジの垂直方向振動を吸収するダンピングキャップ部をさらに備えることができる。
【0013】
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記パッキング部は、2個以上のサブケースが各々挿入され得る2個以上の第2のホールを備え、前記ダンピング部は、2個以上のサブケースの各々の外周面に形成されて、前記パッキング部により垂直方向移動が抑制されて垂直方向の振動を吸収できる。
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記カートリッジ端部と結合され得るように、前記サブケースの内周面には接着剤が塗布され得る。
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記エッジ部は、両方向に突出されたエッジウィングを備え、前記エッジウィングは、前記ミッド-ケース端部に形成された溝を満たしながら介在されて、前記ミッド-ケースの内部と外部、そして、前記ミッド-ケースと前記キャップとを封止できる。
本発明の実施形態に係る燃料電池膜加湿器において、前記パッキング部と前記エッジ部との各々は、20~70Shore Aの第1の硬度を有し、前記パッキング部の少なくとも一部と前記エッジ部の少なくとも一部に挿入されて形成され、前記第1の硬度より高い第2の硬度を有する補強部材をさらに備えることができる。
その他、本発明の様々な側面による実現例等の具体的な事項は、以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ガスケット組立体の機械的組立を介してミッド-ケースとキャップとの間の空気漏れを防止するので、従来技術のキャスティング工程(すなわち、液状ポリマーを鋳型に注入し、硬化する工程)及び追加的シーリング工程(すなわち、シーラントを塗布し、硬化させる工程)などを省略することができる。したがって、本発明によれば、ミッド-ケースとキャップとの間の空気漏れを防止しながらも、燃料電池膜加湿器の生産工程時間を短縮させることにより、その生産性を画期的に向上させることができる。
また、ミッド-ケースとキャップとの間の空気漏れ防止のための本発明のガスケット組立体は、機械的組立を介して加湿モジュールに装着されるので、加湿モジュールの特定部分に異常が発生する場合、ガスケット組立体を機械的に簡単に分離した後、当該部分のみを修理または交替することが可能である。したがって、本発明によれば、燃料電池膜加湿器の維持補修費用を相当に低減することができる。
また、サブケースにより突出部材が直接ポッティング部と接触することが防止されるので、ガスケット組立体の圧縮力により突出部材がポッティング部を変形毀損することを防止できる。
また、燃料電池の繰り返し的運転によって発生する振動などの外乱を減少させてミッド-ケースとキャップとの間の圧力差による空気漏れを防止して、燃料電池の発展効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】従来技術に係る燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解断面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された断面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解断面図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された断面図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る燃料電池膜加湿器の変形例が示された断面図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解断面図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された断面図である。
【
図12】本発明の実施形態等に係る燃料電池膜加湿器の付随効果を説明するための図である。
【
図13】本発明の実施形態等に係る燃料電池膜加湿器の付随効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、様々な変換を加えることができ、種々の実施形態を有することができるところ、特定実施形態を例示し、詳細な説明に詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物ないし代替物を含むことと理解されなければならない。
本発明において使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るガスケット組立体及びこれを含む燃料電池膜加湿器を説明する。
【0017】
図2は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図であり、
図3は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解断面図であり、
図4は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された断面図である。
図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る燃料電池膜加湿器100-1は、外部から供給される空気を燃料電池スタックから排出される排ガス内の水分で加湿する加湿モジュール110を備える。加湿モジュール110の両末端の各々は、キャップ120と結合される。
キャップ120のうち、いずれか1つは、外部から供給される空気を加湿モジュール110に供給し、他の1つは、加湿モジュール110により加湿された空気を燃料電池スタックに供給する。
加湿モジュール110は、外部から供給される空気と排ガスとの間の水分交換が起こる装置であって、排ガス流入口111aaと排ガス排出口111bとを有するミッド-ケース111、及びミッド-ケース111内に配置される少なくとも1つのカートリッジ112を備えることができる。
ミッド-ケース111とキャップ120とは、各々独立的に硬質プラスチックや金属で形成されることができ、円形または多角形の幅方向断面を有することができる。円形は、楕円形を含み、多角形は、丸い角(rounded corner)を有する多角形を含む。例えば、硬質プラスチックは、ポリカーボネート、ポリアミド(PA)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリプロピレン(PP)などであることができる。
【0018】
カートリッジ112は、複数の中空糸膜112a及びこれらを互いに固定させるポッティング部112bを備えることができる。中空糸膜112aの末端は、ポッティング部112bに固定されることができる。
中空糸膜112aは、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、またはこれらのうち、少なくとも2つ以上の混合物で形成された高分子膜を含むことができ、ポッティング部112bは、ディップポッティング、遠心ポッティングなどのキャスティング方式によって液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を硬化させることにより形成されることができる。
外部から供給される空気は、中空糸膜112aの中空に沿って流れる。排ガス流入口111aを介してミッド-ケース111内に流入した排ガスは、中空糸膜112aの外表面と接触した後、排ガス排出口111bを介してミッド-ケース111から排出される。排ガスが中空糸膜112aの外表面と接触するとき、排ガス内に含有されていた水分が中空糸膜112aを透過することによって中空糸膜112aの中空に沿って流れていた空気を加湿する。
キャップ120は、中空糸膜112aの中空とのみ流体連通し、ミッド-ケース111の内部空間Sとは完全に遮断されなければならない。それとも、圧力差による空気漏れが発生して燃料電池スタックに供給される加湿空気の量が減り、燃料電池の発展効率が低下する。
【0019】
このような問題を解決するために、本発明の燃料電池膜加湿器100は、加湿モジュール110の各末端に機械的組立を介して気密に結合されるガスケット組立体1000をさらに備える。
本発明によれば、ガスケット組立体1000の機械的組立を介してミッド-ケース111とキャップ120との間の空気漏れを防止するので、従来技術のキャスティング工程(すなわち、液状樹脂を鋳型に注入し、硬化する工程)及び追加的シーリング工程(すなわち、シーラントを塗布し、硬化させる工程)などを省略することができる。したがって、本発明によれば、ミッド-ケース111とキャップ120との間の空気漏れを防止しながらも、燃料電池膜加湿器100:100-1、100-2、100-3の生産工程時間を短縮させることにより、その生産性を画期的に向上させることができる。
また、本発明のガスケット組立体1000は、機械的組立を介して加湿モジュール110に装着されるので、加湿モジュール110の特定部分(例えば、カートリッジ112)に異常が発生する場合、サブケース1100とガスケット組立体1000とを加湿モジュール110から機械的に簡単に分離した後、当該部分のみを修理または交替することが可能である。したがって、本発明によれば、燃料電池膜加湿器100の維持補修費用を相当に低減することができる。
【0020】
また、燃料電池の繰り返し的運転によって発生する振動などの外乱を減少させてミッド-ケース111とキャップ120との間の圧力差による空気漏れを防止して、燃料電池の発展効率を向上させることができる。
図3及び
図4に示すように、ガスケット組立体1000は、サブケース1100とガスケット1200とを備える。
サブケース1100は、カートリッジ112の端部(例えば、ポッティング部112b)を囲む形状で形成される。サブケース1100は、ポッティング部112bをなす物質の硬度より高い硬度を有する物質で形成されることができる。サブケース1100は、カートリッジ112のポッティング部112bが挿入される第1のホールH1を備える。カートリッジ112のポッティング部112bは、サブケース1100の第1のホールH1に挿入固定されることができる。サブケース1100がポッティング部112bと結合され得るように、サブケース1100の内周面には、プライマーのような接着剤が塗布され得る。または、内部に中空糸膜112aが配置されたインナーケース(112c、
図5参照)をサブケース1100の第1のホールH1に挿入固定した後、ポッティング部112bを形成することもできる。
【0021】
ガスケット1200は、パッキング部1210とエッジ部1220とを備えることができる。パッキング部1210とエッジ部1220とは、20~70Shore A、望ましくは30~60Shore Aの第1の硬度を有する弾性物質(例えば、シリコン、ゴムなど)で形成されることができる。
パッキング部1210は、サブケース1100が挿入される第2のホールH2を備え、ミッド-ケース111とサブケース1100との間に介在される。パッキング部1210は、ボディー部材1211と突出部材1212とを備える。
ボディー部材1211は、サブケース1100が挿入される第2のホールH2を備え、第2のホールH2は、サブケース1100の形状と対応する形状で形成される。ボディー部材1211から下方向に突出形成された下部ボディー部材1211aは、断面が多角形状(例えば、台形)で形成されることができ、キャップ120側に形成された上部ボディー部材1211bは、平面形状で形成されることができる。もちろん、平面形状に限定されず、上部ボディー部材1211bは、曲面、傾斜面など、様々な形状で形成されることができる。下部ボディー部材1211aとエッジ部1220との間には、ミッド-ケース111の端部111aが挟まれる溝Gが形成される。
突出部材1212は、サブケース1100の外周面と接触するようにボディー部材1211の一端に形成される。突出部材1212は、ボディー部材1211の一端部から突出された少なくとも1個以上の環状突起であることができる。図面では、突出部材1212が2個であることを例示している。突出部材1212は、弾性力によってサブケース1100を加圧しながら接触して、ミッド-ケース111の空間とキャップ120による空間とを気密にすることができる。したがって、突出部材1212は、ミッド-ケース111内の流体がキャップ120側に形成された空間に流れることを防止できる。また、突出部材1212は、弾性を有しているので、振動緩衝機能を果たすことができ、したがって、膜加湿器100の振動による損傷を防止できる。このとき、サブケース1100は、突出部材1212が直接ポッティング部112bと接触することを防止するので、ガスケット1200の圧縮力により突出部材1212がポッティング部112bを変形毀損することを防止できる。
【0022】
エッジ部1220は、ボディー部材1211の他端に形成される。エッジ部1220は、ミッド-ケースの端部に形成された溝111bbとキャップの端部120aにより形成された空間に介在されることができる。エッジ部1220は、両方向に突出されたエッジウィング1221、1222を備えることができる。エッジウィング1221、1222は、加湿モジュール110の長さ方向に形成されることができる。
組立の際に、ミッド-ケース端部の溝111bbにエッジウィング1221、1222を挿入し、キャップの端部120aがエッジウィング1222を加圧した後、ボルトBなどの締め付け手段で締め付けて組み立てることができる。このとき、エッジウィング1221、1222は、弾性を有した物質からなるので、エッジウィング1221、1222は、ミッド-ケース端部の溝111bb空間を一定部分満たしながら介在されることができる。ミッド-ケース111とキャップ120との端部側面には、ボルト締め付けのための締め付け孔が形成された締め付け切片111c、120cが形成され得る。エッジウィング1221、1222は、ミッド-ケース端部の溝111bbを気密にしてミッド-ケース111の内部と外部、そして、ミッド-ケース111とキャップ120とを封止させることができる。
サブケース1100の外周面には、放射方向に突出されるダンピング部1110が形成され得る。ダンピング部1110は、サブケース1100の外周面に環状で形成することができる。ダンピング部1110は、パッキング部1210の下面と接触してパッキング部1210を支持するように形成されることができる。具体的に、ダンピング部1110は、少なくとも一部が下部ボディー部材1211aの下面と接触されるように形成されることができる。このようなダンピング部1110は、パッキング部1210により垂直方向(
図3においてz軸方向)移動が抑制されつつ、カートリッジ212の垂直方向振動を吸収できる。したがって、振動による外乱を減少させることができる。
【0023】
すなわち、パッキング部1210は、カートリッジ112の水平方向(
図3においてx軸方向)の振動を吸収し、ダンピング部1110は、カートリッジ112の垂直方向振動を吸収して、振動による外乱を減少させてミッド-ケース111とキャップ120との間の圧力差による空気漏れを防止できる。
また、ガスケット1200は、補強部材1240をさらに備えることができる。補強部材1240は、第1の硬度より高い第2の硬度を有することができる。例えば、補強部材1240は、金属、熱可塑性または熱硬化性樹脂などで形成されることができる。補強部材1240は、ガスケット1200成形の際、金型に金属プレートを挿入した後に製造することにより、ガスケット1200内に挿入されて形成されることができる。補強部材1240は、パッキング部1210の少なくとも一部とエッジ部1220の少なくとも一部とに挿入されて形成されることができる。補強部材1240は、ガスケット1200の中で変形に脆弱な部分(溝Gが形成された部分)に形成されることができる。パッキング部1210及びエッジ部1220より高い硬度を有する補強部材1240は、ガスケット組立体1000を加湿モジュール110に機械的に組み立てるとき、または膜加湿器運転中にボディー部材1211の変形が引き起こされることを防止することにより、空気漏れをより確実に遮断することができる。
次に、
図5~
図7を参照して本発明の第2実施形態に係るガスケット組立体を含む燃料電池膜加湿器を説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係るガスケット組立体を含む燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図であり、
図6は、本発明の第2実施形態に係るガスケット組立体を含む燃料電池膜加湿器が示された分解断面図であり、
図7は、本発明の第2実施形態に係るガスケット組立体を含む燃料電池膜加湿器が示された断面図である。
【0024】
図5~
図7に示すように、本発明の第2実施形態に係るガスケット組立体は、サブケース1100とガスケット1200とを備える。
サブケース1100は、その外周面に放射方向に突出されるダンピング部1110を備えることができ、ガスケット1200は、パッキング部1210、エッジ部1220、補強部材1240、ダンピングキャップ部1250を備えることができる。ダンピング部1110、パッキング部1210、エッジ部1220、補強部材1240は、前述した第1実施形態と実質的に同様であるので、繰り返し説明は省略する。
本実施形態では、ガスケット1200の一面に形成されるダンピングキャップ部1250をさらに備える。
図5~
図7に示されたように、ダンピングキャップ部1250は、パッキング部1210の上面と、サブケース1100の上面と、カートリッジ112の上面の少なくとも一部にわたって形成されることができる。
【0025】
ダンピングキャップ部1250は、サブケース1100の外周面と接するようにまたは所定距離離間するように形成されることができ、サブケース1100の上面及びポッティング部112bの上面とは接するように形成されることができる。ダンピングキャップ部1250は、一体形に大体「
」形状の環状で形成されるか、または複数個の「
」形状が所定距離離間しつつ、全体的に環状をなすように形成されることができる。
このようなダンピングキャップ部1250は、ダンピング部1110とともにカートリッジ112の垂直方向の振動を吸収できる。
次に、
図8を参照して本発明の第2実施形態に係る燃料電池膜加湿器の変形例を説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る燃料電池膜加湿器の変形例が示された断面図である。
図8に示すように、本発明の第2実施形態に係る燃料電池膜加湿器の変形例100aは、(i)ミッド-ケース111の内部空間が隔壁(partitions)111dにより第1の空間S1と第2の空間S2とに仕切られ、(ii)カートリッジ112がインナーケース(inner case)112cをさらに備えているということを除いては、前述した第2実施形態に係る燃料電池膜加湿器100-2と実質的に同様である。
インナーケース112cは、各末端に開口(opening)を有し、中空糸膜112aがその中に入っている。中空糸膜112aの端部がポッティングされているポッティング部112bは、インナーケース112cの開口を閉鎖させる。
【0026】
図8に示されたように、ポッティング部112bの少なくとも一部がインナーケース112cの外に位置して露出されることができ、サブケース1100は、露出されたポッティング部112bを覆うように形成されることができる。
インナーケース112cは、第1の空間S1との流体連通のために、メッシュ形態で配列された複数のホール(以下、「第1のメッシュホール」)MH1及び第2の空間S2との流体連通のために、メッシュ形態で配列された複数のホール(以下、「第2のメッシュホール」)MH2を備える。
排ガス流入口111aを介してミッド-ケース111の第1の空間S1に流入した排ガスは、第1のメッシュホールMH1を介してインナーケース112c内に流れ込んで中空糸膜112aの外表面と接触する。次いで、水分を奪われた排ガスは、第2のメッシュホールMH2を介して第2の空間S2に抜け出した後、排ガス排出口111bを介してミッド-ケース111から排出される。
このようなインナーケース112cを備えるカートリッジ112は、ミッド-ケース111に容易に組み立てられ得るだけでなく、容易に交替されることができるという長所を有する。もちろん、このような
図8の特徴は、前述した第1実施形態に係る燃料電池膜加湿器にも適用されることができる。
次に、
図9~
図11を参照して本発明の第3実施形態に係る燃料電池膜加湿器について説明する。
図9は、本発明の第3実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解斜視図であり、
図10は、本発明の第3実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された分解断面図であり、
図11は、本発明の第3実施形態に係る燃料電池膜加湿器が示された断面図である。
【0027】
図9~
図11に示されたように、本発明の第3実施形態に係る燃料電池膜加湿器100-3は、(i)加湿モジュール110が2個以上のカートリッジ112を備え、(ii)2個以上のカートリッジ112のポッティング部112bを各々囲むように形成される複数個のサブケース1100を備え、(iii)パッキング部1210のボディー部材1211は、複数個のサブケース1100の各々が挿入される2個以上のホールH2を備え、(iv)サブケース1100と接触するようにボディー部材1211の一端に形成される2個以上の突出部材1212を備える点を除いては、前述した実施形態等に係る燃料電池膜加湿器の変形例100aと実質的に同様である。
インナーケース112cを各々備える複数個のカートリッジ112がミッド-ケース111内に装着されることで、ミッド-ケース111内に存在する全ての中空糸膜112aに排ガスが分配され得るだけでなく、問題が発生した特定カートリッジ112のみを選別的に交替することができ、燃料電池膜加湿器の維持補修費用をさらに低減することができる。
次に、
図12及び
図13を参照して本発明の実施形態等に係る燃料電池膜加湿器の付随効果を説明する。
図12及び
図13は、本発明の実施形態等に係る燃料電池膜加湿器の付随効果を説明するための図である。
まず、
図12は、サブケース1100がない状態で突出部材1212がカートリッジ112の端部に形成されたポッティング部112bを直接加圧してミッド-ケース111の空間とキャップ120の空間とを気密にする状態を概括的に示した図である。
【0028】
図12の(a)に示されたように、突出部材1212は、ガスケット1200の圧縮力によりポッティング部112bを直接加圧しながら接触して、ミッド-ケース111の空間とキャップ120による空間とを気密にすることができる。しかし、燃料電池膜加湿器を長時間繰り返し使用すれば、
図12の(b)に示されたように、ガスケット1200の圧縮力により突出部材1212と接触されるポッティング部112bの一部は変形して毀損される。このような状態で使用し続けると、ポッティング部112bの毀損が加速化されて、ポッティング部112b本来の機能(流動空間分離)を行うことが難しくなる。
一方、
図13に示されたように、本発明では、サブケース1100により突出部材1212が直接ポッティング部112bと接触することが防止されるので、ガスケット1200の圧縮力により突出部材1212がポッティング部112bを変形毀損することを防止できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、または追加などによって本発明を様々に修正及び変更させ得るであろうし、これも本発明の権利範囲内に含まれるといえるであろう。
【符号の説明】
【0029】
100(100-1、100-2、100-3、100a):燃料電池膜加湿器
110:加湿モジュール 111:ミッド-ケース
112:カートリッジ 112b:ポッティング部
112c:インナーケース 1000:ガスケット組立体
1100:サブケース 1110:ダンピング部
1200:ガスケット 1210:パッキング部
1220:エッジ部 1250:ダンピングキャップ部