IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エレコム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電源アダプタ 図1
  • 特許-電源アダプタ 図2
  • 特許-電源アダプタ 図3
  • 特許-電源アダプタ 図4
  • 特許-電源アダプタ 図5
  • 特許-電源アダプタ 図6
  • 特許-電源アダプタ 図7
  • 特許-電源アダプタ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】電源アダプタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 31/02 20060101AFI20241105BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
H01R31/02 A
H01R13/46 302B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024001874
(22)【出願日】2024-01-10
【審査請求日】2024-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】393010318
【氏名又は名称】エレコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】弁理士法人クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮島 千
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211958176(CN,U)
【文献】中国実用新案第210897900(CN,U)
【文献】米国特許第09472913(US,B1)
【文献】中国実用新案第205159716(CN,U)
【文献】特開2017-016948(JP,A)
【文献】登録実用新案第3091662(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第105552634(CN,A)
【文献】米国特許第10574005(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第106340776(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0300366(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 31/02
H01R 13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ACコンセントに挿入することができる電源プラグ部と、USB機器に給電することができるUSBポート部と、正面、背面、上面、下面、右面、左面を有する略直方体形状の筐体と、を備えた電源アダプタであって、
前記電源プラグ部は、前記筐体の前記背面の前記上面側に設けられ、前記筐体に対して任意の角度で回動自在に固定されており、
前記筐体は、前記正面の前記上面側または前記下面側に段差部が設けられ、
前記USBポート部は、前記段差部の前記正面に略直交する側面に設けられ
前記電源アダプタの重心が、前記筐体の中央よりも前記電源プラグ部の側になるように構成された、電源アダプタ。
【請求項2】
前記段差部は、前記正面の前記下面側に設けられ、前記正面に略直交する側面と前記正面に平行で前記背面により近い前面とで階段状に構成された、請求項1に記載の電源アダプタ。
【請求項3】
前記段差部は、前記正面の前記上面側に設けられ、前記正面に略直交する側面と前記正面に平行で前記背面により近い前面とで階段状に構成された、請求項1に記載の電源アダプタ。
【請求項4】
他の機器にAC給電することができるコンセント部を、さらに備え、
前記コンセント部は、前記筐体の前記正面に設けられた、請求項1~3のいずれか1項に記載の電源アダプタ。
【請求項5】
前記段差部の前記筐体の長手方向の長さNが1.5cm以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の電源アダプタ。
【請求項6】
前記筐体は、前記電源プラグ部を収納可能な収納部を備え、
前記電源プラグ部は、前記上面と前記背面との交差する辺と平行に軸支され、前記筐体に対して任意の角度で回動自在に固定されており、
前記電源プラグ部が回動可能な角度の範囲は、90°超、180°以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の電源アダプタ。
【請求項7】
前記電源プラグ部を軸支する前記筐体の前記右面および前記左面の角部は、横断面がR形状であり、
前記電源プラグ部は、金属プラグと、前記金属プラグを支えるプラグ基部と、を有し、
前記R形状を構成する円弧の中心と、前記プラグ基部の回動中心とが一致し、かつ、前記R形状を構成する円弧の半径rと、前記プラグ基部の前記回動中心から対向するコンセントとの接続面までの垂線距離Lとが同じ長さである、請求項に記載の電源アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USB機器に給電することができる電源アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
USB機器に給電することができる電源アダプタとして、以下のものが提案されている。
例えば、特許文献1(特開2017-16948号公報)には、電源コンセントが一箇所しかない環境下においても、他の電気機器への給電を行うことができるとともに、電源コンセントがない環境下においても、USB給電を必要とする電子機器の使用が可能となる給電ユニットが提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の給電ユニットは、給電ユニット本体の下ケースにおいて、電源プラグと隣接する部分には電源プラグと電気的に接続された第1のAC補助電源コンセントと第2のAC補助電源コンセントが設けられている。下ケースの一端側にはAC電源コンセントに差し込まれる電源プラグが設けられている。下ケースの他端側にはパソコン用のスピーカ等の電子機器への電力の給電ポートとなるUSBポートが設けられている。USBポートへは電源プラグから出力される電力またはバッテリーから出力される電力が電気回路15を介して選択的に出力されるようになっているものである。
【0004】
特許文献2(特開2014-75349号公報)には、回転可能なUSBコンセントの構造を設けることによりUSB差し込み口の使用範囲を広げることができる、部分的に回転可能な電源コンセントが提案されている。
【0005】
特許文献2に記載の電源コンセントは、一面に差し込み口が設けられると共に他面にプラグが設けられており、少なくとも一つの回転軸部材を具える本体と、該回転軸部材によって該本体と枢設され、該本体における垂直方向であるX軸を軸心として任意の角度で水平回転する回転体と、該回転体における水平方向であるY軸心に設けられ、該回転体に連動して回転する、電子機器に電源を供給するための少なくとも一つのUSB差し込み口とを備えているものである。
【0006】
特許文献3(特開2011-138738号公報)には、回転可能なUSBコンセントの構造を設けることによりUSB差し込み口の使用範囲を広げることができる、部分的に回転可能な電源コンセントが提案されている。
【0007】
特許文献3に記載の電源コンセントは、少なくとも一つの回転軸部材を具える本体と、該本体上に設けられる少なくとも一組の差し込み口と、該回転軸部材によって該本体と枢設され、該回転軸部材を軸心にして回転する回転体と、該回転体上に設けられ、該回転体に連動して回転する少なくとも一つのUSB差し込み口とを備えているものである。
【0008】
特許文献4(実用新案登録第3141303号公報)には、USB差込口を備えたUSB給電機能付き平型タップが提案されている。
【0009】
特許文献4に記載の平型タップは、上下のケーシングを合着させた平型タップケーシング1と、平型タップケーシング1に形成した凹部1aと、凹部1aに回動可能に装着した栓刃用ホルダー2と、栓刃用ホルダー2に突設した一対の栓刃金具3と、一対の栓刃金具3に電気的に接続させた受刃金具4と、凹部1aと直交する平型タップケーシング1の両側面に設けた受刃金具4の受刃部4aにプラグを挿通させるプラグ挿入口を設けた受刃カバー5とを備え、受刃金具4に電気的に接続させたUSB基板6を平型タップケーシング1に内装すると共にUSB差込口6aを凹部1aと平行する平型タップケーシング1の側面に設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2017-16948号公報
【文献】特開2014-75349号公報
【文献】特開2011-138738号公報
【文献】実用新案登録第3141303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一般に、電源アダプタは壁等に設けられたACコンセントに接続され、さらに携帯電話など様々なUSB機器に給電する目的で使用される。
従来のUSB端子は、情報を通信する目的で設計されており、USBを介して給電可能なバスパワーは小電力に限られていた。したがって、USBを介して給電可能な機器は限られており、一般には各機器に専用の電源アダプタが必要とされて、例えばノートパソコンでは各メーカごとに専用の電源アダプタが同梱または販売され、ユーザは各機器毎に電源アダプタをACコンセントに接続する必要があった。
しかしながら、近年、USB Power-Delivery(PD)などの規格が考案され、USB接続を通じて様々な機器に対して電力を供給することが可能となり、携帯電話のほか、タブレット・ノートパソコン本体・ディスプレイ・プロジェクタなど、大電力を必要とする機器に対しても、USBを通じて給電することが可能となりつつある。
この場合、ユーザは従来のように各機器専用の電源アダプタを持ち運ぶ必要がなくなり、一つのUSB電源アダプタを使用して、様々な場所で様々な機器を使用することができるようになる。特に、従来のUSB電源アダプタは、例えば携帯電話など、主に小型機器のバッテリーを充電する目的で使用されてきたが、今後はノートパソコンなど、充電のみならず機器を動作するための給電を目的に使用する頻度が多くなる。
そうすると、従来は、例えば床面近くのACコンセントに挿された電源アダプタを使用して、床上または枕元に置いてある携帯電話を充電するといった場面が多かったものが、机上のノートパソコンまたはプロジェクタに給電するといった場面が多くなるなど、電源アダプタから少し離れた場所でUSB機器を操作することが多くなる。そして、これらのUSB機器は据え置き機器ではないため、USB機器を少し動かした際にUSBケーブルが動いて、これにより電源アダプタがACコンセントから脱落しやすいという問題が生じやすくなる。
【0012】
また、近年はカフェまたは列車の座席など、様々な場面でAC電源を提供するサービスが増えつつあるところ、スペースの関係等によりACコンセントが必ずしも鉛直の壁面に提供されるとは限らず、例えば机の天板の裏面、または座席の手摺の先端部分など、鉛直に対して傾斜した壁面等にACコンセントが設けられる場合がある。この場合、電源アダプタは、電源プラグによって電源アダプタ本体を宙で支えることになり、電源アダプタがACコンセントから脱落しやすいという問題がさらに生じやすくなる。
特に、列車の中など振動のある場所に電源アダプタが設置される場合、電源アダプタがACコンセントから脱落しやすいという問題が顕著になる。
【0013】
また、USBケーブルは、接続口とケーブルとの間に保持部が設けられているため、USBケーブルを電源アダプタに接続すると、保持部が電源アダプタから突出する。したがって、ユーザがこの保持部を引っ掛けて、USBケーブルが破損するといった問題があった。さらに、狭小な空間に電源アダプタを設置しようとすると、突出した保持部が床面等の周囲と干渉しやすくなるという問題があった。
【0014】
特許文献1の給電ユニットは、プラグ部(電源プラグ)は、ケースに対して回転可能とされ、かつ、電源プラグ差込み口(コンセント部)と、USBポートとをケースに備えるものである。
しかしながら、USBポートは直方体のケースの表面に設けられており、かつ、プラグ部とUSBポートとがそれぞれケースの最も離れた面に配置されているため、USBケーブルが少し動かされると、ケースが揺れて、ACコンセントからプラグ部が脱落しやすいという問題がある。また、USBケーブルの保持部がケースから突出することになるため、ユーザが引っ掛けやすくなり、また狭小な場所に配置しにくいという問題がある。
また、電源プラグ差込み口はケースに対して回動可能であるが、ケースは垂直な壁面に沿わせて設置されることが前提とされており、斜面など垂直ではない面に設けられたACコンセントに設置した場合、脱落しやすくなるという問題がある。
【0015】
特許文献2および3の電源コンセントは、USB差し込み口(USBポート部)が、本体に対して回動可能に構成されたものである。
しかしながら、実施例1等には本体におけるプラグとUSB差し込み口との関係が記載されておらず、実施例4等はプラグに対してUSB差し込み口が本体の断面対角となるよう配置されているため、USBケーブルが少し動かされると、ケースが揺れて、ACコンセントからプラグ部が脱落しやすいという問題がある。また、USBケーブルの保持部がケースから突出することになるため、ユーザが引っ掛けやすくなり、また狭小な場所に配置しにくいという問題がある。
また、プラグは本体に対して回転可能であるが(実施例4)、本体は垂直な壁面に沿わせて設置されることが前提とされており、斜面など垂直ではない面に設けられたACコンセントに設置した場合、脱落しやすくなるという問題がある。
【0016】
特許文献4のUSB給電機能付き平型タップは、平型タップケーシングに回動可能な栓刃金具(電源プラグ部)とUSB差込口とを備えたものである。
しかしながら、USB差込口は直方体の平型タップケーシングの表面に設けられており、かつ、栓刃金具とUSB差込口とがそれぞれ平型タップケーシングの最も離れた面に配置されているため、USBケーブルが少し動かされると、ケースが揺れて、ACコンセントから栓刃金具が脱落しやすいという問題がある。また、USBケーブルの保持部がケースから突出することになるため、ユーザが引っ掛けやすくなり、また狭小な場所に配置しにくいという問題がある。
また、栓刃金具は平型タップケーシングに対して回動可能であるが、斜面など垂直ではない面に設けられたACコンセントに設置した場合、脱落しやすくなるという問題がある。
【0017】
そこで、本発明の目的は、ACコンセントから脱落しにくい電源アダプタを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、USBケーブルが破損しにくく、狭小な空間でも設置しやすい電源アダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(1)
一局面に従う電源アダプタは、ACコンセントに挿入することができる電源プラグ部と、USB機器に給電することができるUSBポート部と、正面、背面、上面、下面、右面、左面を有する略直方体形状の筐体と、を備えた電源アダプタであって、電源プラグ部は、筐体の背面の上面側に設けられ、筐体に対して任意の角度で回動自在に固定されており、筐体は、正面の上面側または下面側に段差部が設けられ、USBポート部は、段差部の正面に略直交する側面に設けられたものである。
【0019】
従来の電源アダプタは、USBポート部が筐体の表面(主に直方体の下面)に設けられていたため、USB機器が動かされた場合に、弾性のあるUSBケーブルが電源アダプタの筐体を引張ることになる。そうすると、壁等のACコンセントに挿入された電源プラグ部を中心として回転モーメントが発生して、USBポート部が力点として作用するため、USBケーブルからの僅かな力の影響であっても、電源アダプタがACコンセントから脱落しやすいという問題があった。
一局面の電源アダプタは、筐体の背面の上面側に電源プラグ部が設けられ、かつ、筐体の正面の下面側または上面側に設けられた段差部の側面(正面に略直交する面)にUSBポート部が設けられている。そして、電源プラグ部が、壁等のACコンセントに挿入されて筐体を保持するため、USBポート部が筐体の下面に設けられた場合と比べて、電源プラグ部とUSBポート部との距離が短くなり、筐体がUSBケーブルから受ける回転モーメントの影響を抑えることができる。
よって、USB機器が動かされた場合も、電源プラグがACコンセントから抜けにくくなるため、電源アダプタがACコンセントから脱落するのを防止することができる。
また、USBケーブルから受ける回転モーメントの影響を受けにくく、電源プラグ部への負荷が少ないので、斜面など垂直ではない面に設けられたACコンセントに設置した場合、または、電車内など振動しやすい場所に設置した場合も、電源アダプタがACコンセントから脱落するのを防止することができる。
【0020】
また、電源プラグ部は筐体に対して任意の角度で回動自在に固定されているため、ACコンセントが前傾壁(鉛直に対して傾斜した壁)面に設けられた場合であっても、電源アダプタの筐体は鉛直に維持しつつ、電源アダプタ本体を宙で支えることができる。
この場合、電源アダプタの重心と、ACコンセントに支持された電源プラグ部とは、鉛直線上にあり、電源アダプタの重心は電源プラグ部に対して回転モーメントを与えることがないため、ACコンセントから脱落しにくい電源アダプタがとすることができる。
また、電源プラグ部が筐体に対して任意の角度で回動自在に固定されていることから、例えばUSBケーブルによってUSBポート部に回転モーメントが与えられた場合でも、電源プラグ部が壁面のACコンセントに挿入されたままで筐体が回動し、その結果、電源アダプタはACコンセントから脱落しない。
【0021】
また、USBポート部は、筐体の段差部に設けられることにより、USBケーブルの保持部が段差部の中に収納される。これにより、ユーザが保持部を引っ掛けるリスクを低減し、USBケーブルが破損するのを防止することができる。
さらに、USBケーブルの保持部が段差部の中に収納されるので、保持部が床面など周囲と干渉しにくく、狭小な空間でも設置しやすい電源アダプタとすることができる。
【0022】
なお、本発明において、理解を容易にするために、電源アダプタの筐体における一面として正面、正面に対向した他の面として背面、正面に隣接しつつ対向した面として右面および左面、並びに上面および下面という用語を使用しているが、正面が室内空間側である必要はなく、また上面が垂直上方向側である必要はない。
【0023】
(2)
第2の発明に係る電源アダプタは、一局面の発明に係る電源アダプタであって、段差部は、正面の下面側に設けられ、正面に略直交する側面と正面に平行で背面により近い前面とで階段状に構成されてもよい。
【0024】
第2の発明に係る電源アダプタは、第1の実施形態の電源アダプタに相当するものである。
これにより、段差部は電源プラグ部から離れた対角の位置に設けられるため、電源アダプタの内部部品(トランス等)を電源プラグ部側に配置しやすくなり、電源アダプタ本体の重心の位置を電源プラグ部側に設計しやすくなる。
電源アダプタに与えられる回転モーメントは、上記で説明したUSBケーブルによるもののほか、電源アダプタ自身の重量が与えるモーメントも考慮する必要がある。特に、列車内など振動が加わる空間の場合、電源アダプタ本体の重心の位置を電源プラグ部側になるように設計することにより、電源プラグ部へ加わる負荷を低減することができ、電源アダプタがACコンセントから脱落するのを防止できる。
【0025】
(3)
第3の発明に係る電源アダプタは、一局面に係る電源アダプタであって、段差部は、正面の上面側に設けられ、正面に略直交する側面と正面に平行で背面により近い前面とで階段状に構成されてもよい。
【0026】
第2の発明に係る電源アダプタは、第2の実施形態の電源アダプタに相当するものである。
この場合、電源プラグ部は筐体の背面の上面側に設けられ、かつ、USBポート部も筐体の正面の上面側に設けられるため、電源プラグ部とUSBポート部との距離を最小限にすることができる。したがって、USBケーブルから与えられる回転モーメントの大きさを最小限とすることができるので、電源アダプタがACコンセントから脱落するのを防止できる。
【0027】
(4)
第4の発明に係る電源アダプタは、一局面から第3の発明のいずれかに係る電源アダプタであって、他の機器にAC給電することができるコンセント部を、さらに備え、コンセント部は、筐体の正面に設けられてもよい。
【0028】
コンセント部があることにより、本電源アダプタがACコンセントを占有した場合であっても、他のAC機器にも給電し動作させることができる。したがって、列車内などACコンセントの数が十分ではない場合であっても、同時に複数の機器に給電することができる。
特に、コンセント部は筐体の正面に設けられ、かつ、USBポート部は段差側面に設けられるため、コンセント部に挿入された電源ケーブルと、USBポート部に挿入されたUSBケーブルとは、互いに直交する方向に延出する。したがって、電源ケーブルとUSBケーブルとが干渉しにくくなり、電源ケーブルの挿抜が容易となる。
また、仮にUSB機器が動かされてUSBケーブルから回転モーメントが筐体に与えられた場合でも、電源プラグ部に接続された電源ケーブルの自重によって回転モーメントが抑えられるように筐体に作用するため、電源アダプタがACコンセントから脱落するのを防止できる。
【0029】
(5)
第5の発明に係る電源アダプタは、一局面から第4の発明のいずれかに係る電源アダプタであって、電源アダプタの重心が、筐体の中央よりも電源プラグ部の側になるように構成されてもよい。
【0030】
電源プラグ部がACコンセントに挿入されて筐体を保持し、電源アダプタ自身の重量が与える回転モーメントは、電源プラグ部を中心として作用するため、電源アダプタに振動等が加わると、ACコンセントから脱落しやすいという問題があった。
第5の発明に係る電源アダプタは、電源アダプタの重心が筐体の中央よりも電源プラグ部の側になっているため、重心が与えるモーメントの支点と力点の距離が短くなり、振動等に伴う脱落を防止することができる。
したがって、列車内または自動車内など、振動のある場所に設置した場合でも、ACコンセントから脱落しにくい電源アダプタとすることができる。
【0031】
(6)
第6の発明に係る電源アダプタは、一局面から第5の発明のいずれかに係る電源アダプタであって、段差部の筐体の長手方向の長さNが1.5cm以上であってもよい。
【0032】
これにより、USBケーブルの保持部が段差部内に収納されるため、ユーザが保持部を引っ掛けるリスクを低減し、USBケーブルが破損するのを防止することができる。また、保持部が床面など周囲と干渉しにくく、狭小な空間でも設置しやすい電源アダプタとすることができる。
【0033】
(7)
第7の発明に係る電源アダプタは、一局面から第6の発明のいずれかに係る電源アダプタであって、筐体は、電源プラグ部を収納可能な収納部を備え、電源プラグ部は、上面と背面との交差する辺と平行に軸支され、筐体に対して任意の角度で回動自在に固定されており、電源プラグ部が回動可能な角度の範囲は、90°超、180°以下であってもよい。
【0034】
筐体が電源プラグ部を収納可能な収納部を備えることによって、電源アダプタの携帯時には電源プラグ部を収納部に収納することができ、便利である。
また、収納時の電源プラグ部の角度を0°として、回動可能な角度の範囲を90°超、180°以下とすることにより、ACコンセントを設置した壁面が鉛直面であった場合にも電源アダプタを壁面に平行に固定することができる。
【0035】
(8)
第8の発明に係る電源アダプタは、一局面から第7の発明のいずれかに係る電源アダプタであって、電源プラグ部を軸支する筐体の右面および左面の角部は、横断面がR形状であり、電源プラグ部は、金属プラグと、金属プラグを支えるプラグ基部と、を有し、R形状を構成する円弧の中心と、プラグ基部の回動中心とが一致し、かつ、R形状を構成する円弧の半径rと、プラグ基部の回動中心から対向するコンセントとの接続面までの垂線距離Lとが同じ長さであってもよい。
【0036】
これにより、筐体のR形状を構成する円弧の半径rと、プラグ基部の回動中心から接続面までの垂線距離Lとが同じであるため、電源プラグ部を回動した場合も、プラグ基部の接続面は、筐体のR形状の接線と常に一致する。
したがって、ACコンセントが設けられた壁面と、電源アダプタのプラグ基部の接続面とが密着しつつ、電源プラグ部のある角部がACコンセントの壁面と接触するため、電源プラグ部の金属プラグをACコンセントに対して十分に挿入することが容易となる。
また、USBケーブルによってUSBポート部に回転モーメントが与えられた場合も、筐体の角部が壁面と接触した状態のままで筐体が回動し、電源アダプタの脱落を防止することができる。また、USBポート部に左右方向の回転モーメントが与えられた場合にも、右面および左面の電源プラグ部のある角部(R形状)がACコンセントの壁面と接触しているため、電源プラグ部のみが壁面に接触している場合と比較して、電源アダプタがACコンセントから脱落しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】第1の実施形態の電源アダプタを説明するための、模式的斜視図である。
図2】第1の実施形態の電源アダプタを説明するための、他の面から見た模式的斜視図である。
図3】第1の実施形態の電源アダプタの電源プラグ部および筐体のR形状を説明するための、模式的説明図である。
図4】第1の実施形態の電源アダプタにUSBケーブルから力が加わった場合の電源アダプタの動きを説明するための、模式的説明図である。
図5】第1の実施形態の変形例を説明するための、模式的平面図である。
図6】第1の実施形態の他の変形例を説明するための、模式的平面図である。
図7】第1の実施形態の使用状態を説明するための、模式的説明図である。
図8】第2の実施形態を説明するための、模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[第1の実施形態]
第1実施形態の電源アダプタ10は、ユーザが携帯可能であって、家庭用ACコンセント(交流電源)に電源プラグ部120を挿入することにより、USBポート部130から直流電源を供給し、USB機器に対して給電することができるものである。
図1および図2に示すように、第1実施形態の電源アダプタ10は、ACコンセントに挿入することができる電源プラグ部120と、USB機器に給電することができるUSBポート部130と、他の機器にAC給電することができるコンセント部140と、正面101、背面102、上面103、下面104、右面105、左面106を有する略直方体形状の筐体100と、を備える。コンセント部140は筐体100の正面101に設けられている。
また、筐体100の正面101には段差部110が設けられ、段差部110の正面101に略直交する側面111にはUSBポート部130が設けられる。
【0039】
電源プラグ部120は、金属により構成されてACコンセントと電気的に接続される金属プラグ121と、金属プラグ121を支えて筐体100と回動自在に固定するプラグ基部122と、を有する。電源プラグ部120のプラグ基部122は、筐体100の左右方向に軸支されており、180°回動自在に固定されている。
壁面Wに設けられたACコンセントに電源アダプタ10を接続する場合、図2に示すように、電源プラグ部120は、背面102に垂直となるよう角度180°に開いて使用される。一方、図3に示すように、傾斜面に設けられたACコンセントに電源アダプタ10を接続する場合、電源プラグ部120は、斜面に応じた適宜の角度に開いて使用される。また、電源アダプタ10を使用しない場合、電源プラグ部120は、収納部124に収納する(角度を0°とする)ことで、収納または携帯を容易にすることができる。
【0040】
(段差部110)
段差部110は筐体100の正面101の下面104側に設けられており、正面101に略直交する側面111と正面101に平行で背面102により近い前面112とで階段状に構成されている。側面111にはUSBポート部130が設けられており、USBポート部130にUSBケーブル20を接続することによりUSB機器に給電することができる。
図3に示すように、段差部110の前面112の電源アダプタ10の長手方向の長さNは、1.0cm以上が好ましく、1.5cm以上がより好ましく、1.8cm以上であることがより好ましい。また、長さNは、4.0cm以下であることが好ましく、3.0cm以下であることがより好ましい。
上記下限値以上とすることにより、USBケーブル20の保持部が段差部110内に収納されるため、ユーザが保持部を引っ掛けるリスクを低減し、USBケーブル20が破損するのを防止することができる。また、保持部が床面など周囲と干渉しにくく、狭小な空間でも設置しやすい電源アダプタ10とすることができる。また、上記上限値以下とすることにより、筐体100全体の大きさが大きくなるのを防止することができる。
また、段差部110の側面111にUSBポート部130を設け、筐体100の正面101にコンセント部140を設けることにより、コンセント部140に挿入された電源ケーブルと、USBポート部130に挿入されたUSBケーブル20とは、互いに直交する方向に延出する。したがって、電源ケーブルとUSBケーブル20とが干渉しにくくなり、電源ケーブルの挿抜が容易となる。
【0041】
なお、本実施形態においては、段差部110の側面111のみにUSBポート部130を設け、筐体100の正面101のみにコンセント部140を設けた一例を示したが、これに限らず、筐体100の右面105,左面106,正面101など、任意の面にUSBポート部130及び/又はコンセント部140が適宜追加されてもよい。
【0042】
(電源プラグ部120)
図3は、電源アダプタ10の電源プラグ部120および筐体100のR形状を説明するための、模式的説明図である。
図1および図3を参照すると、筐体100は電源プラグ部120を収納するための収納部124を備え、電源プラグ部120はプラグ基部122と金属プラグ121を備えている。プラグ基部122は筐体100の上面103と背面102との交差する辺と平行に軸支されている。
また、電源プラグ部120を軸支する筐体100の右面105および左面106の角部は、横断面がR形状で、R形状を構成する円弧の中心と、プラグ基部122の回動中心とが一致し、かつ、R形状を構成する円弧の半径rと、プラグ基部122の回動中心から対向するコンセントと接する接続面123までの垂線距離Lとが同じ長さである。
上記構成により、電源プラグ部120を回動した場合も、プラグ基部122の接続面123は、筐体100のR形状の接線と常に一致し、ACコンセントが設けられた壁面Wが、電源アダプタ10のプラグ基部122の接続面123および筐体100のR形状の接線と常に接触する。このため、電源プラグ部120の金属プラグ121をACコンセントに対して十分に挿入することが容易となる。
また、USBケーブル20によって一辺の方向(正面視左右の方向)に回転モーメントが与えられた場合も、筐体100のR形状が壁面Wと接触することにより、電源アダプタ10の脱落を防止することができる。
【0043】
図4は、第1実施形態の電源アダプタ10にUSBケーブル20から力が加わった場合の電源アダプタ10の動きを説明するための、模式的説明図である。
図4では、電源アダプタ10は鉛直方向に対して傾斜した壁面Wに設けられたACコンセントに挿入されている。
まず、図4(a)の電源アダプタ10が上面103も背面102も壁面Wに接していない状態において、USBケーブル20によりUSBポート部130に力F1が印加されたとする。この場合、R形状を構成する円弧の半径rと、プラグ基部122の回動中心から対向するコンセントと接する接続面123までの垂線距離Lとが同じ長さであるため、力F1の回転モーメントによって電源アダプタ10はプラグ基部122の回動中心を中心に回転し、図4(b)の状態となる。
図4(b)の状態でさらにUSBポート部130に力F1が印加された場合、図の支点に対して力F1による回転モーメントがかかり、電源プラグ部120の金属プラグ121に対して力F2が印加される。この力F2が金属プラグ121の摩擦力より大きい場合は電源アダプタ10は壁面Wから抜けることになる。
この力F2は、支点とUSBポート部130との距離をa、支点と金属プラグ121との距離をbとしたとき、F2=F1×a÷b であり、支点は電源アダプタ10の上面103にあることから、上面103とUSBポート部130との距離が短い方が力F2が小さくなる。
したがって、USBポート部130を下面104に配置している従来の電源アダプタと比較した場合、USBケーブル20から力が加わった場合、本実施形態の電源アダプタ10は従来の電源アダプタに比べて電源アダプタ10がACコンセントから抜けにくいとの効果を奏する。
【0044】
また、本実施形態の電源アダプタ10は、電源プラグ部120が筐体100に対して任意の角度で回動自在に固定されている。したがって、USBケーブル20により力F1が印加された場合、鉛直にあった筐体100(図3参照)が、力F1により持ち上げられることにより(図4(a)(b)参照)、電源プラグ部120と筐体100とが回動することによってUSBケーブル20が与える回転モーメントを吸収する作用を有する。そして、筐体100の重心Mによる回転モーメントがUSBケーブル20が与える回転モーメントを打ち消すように作用する。
このように、USBケーブル20から力が加わった場合でも、本発明の電源アダプタ10は電源プラグ部120が回動することによって、金属プラグ121の接続が維持されるため、電源アダプタ10がACコンセントから抜けにくいとの効果を奏する。
【0045】
(重心M)
図3には、電源アダプタ10の筐体100の重心のM位置を示した。第1の実施形態の電源アダプタ10では、コイル、コンデンサ、パワートランジスタなどの重量部品を電源プラグ部120の近傍に配置し、さらに、下面104側に段差部110を設けることにより、重心Mが筐体100の中心より電源プラグ部120側になるようにしている。
この場合、筐体100の重心Mは、筐体100の長手方向の全長に対して、1/2より上面側に設けられることが好ましく、1/3より上面側に設けられることがより好ましい。
これにより、第1の実施形態の電源アダプタ10では、重心Mが与えるモーメントの支点と力点の距離が短くなり、振動等に伴う脱落を防止することができ、列車内または自動車内など、振動のある場所に設置した場合でも、ACコンセントから脱落しにくい電源アダプタ10とすることができる。
【0046】
(変形例1)
図5に、第1の実施形態の電源アダプタ10の変形例1を示した。
図5(a)はUSBポート部130が1個の場合において、段差部110を正面101の下面104側の一部に設けたものである。この場合、より確実にユーザが保持部を引っ掛けるリスクを低減し、USBケーブル20が破損するのを防止することができる。
図5(b)はUSBポート部130が4個の場合において、段差部110を2段としたものである。この場合、4本のUSBケーブル20を互いに干渉することなく容易に挿抜することができる。
なお、図5(b)では、上段と下段のUSBポート部130の左右位置が同じ例を示したが、これに限らず、上段と下段とでUSBポート部130の左右位置をずらしてもよい。
図5(c)は段差部110の左右方向中央部に正面101と同じ高さの柱状部を設け、USBポート部130を柱状部の側面111に配置したものである。この場合、2つのUSBケーブル20が互いに逆方向に延出し、USBケーブル20同士が干渉しにくくなり、USBケーブル20の挿抜が容易となる。
図5(d)は図5(a)と同じように、段差部110を正面101の下面104側の一部に設け、さらにUSBポート部130を段差部110の左右方向の側面111に配置したものである。電源アダプタ10が室内の床に近い場所にあるACコンセントに接続される場合は、USBケーブル20を横方向に延出することができるため、便利である。
【0047】
(変形例2)
図6には、第1の実施形態の電源アダプタ10の変形例2を示した。
図6(a)は、筐体100の厚み(正面101と背面102との距離)が電源プラグ部120の配置されている上面側で厚く、段差部110の側面111近傍で薄くなっている。この場合、コイル、コンデンサ、パワートランジスタなどの重量部品を電源プラグ部120のより近傍に配置することができるため、電源アダプタ10の重心Mをより電源プラグ部120に近づけることができ、列車の中など振動のある場所に電源アダプタ10が設置される場合にも、電源アダプタ10がACコンセントから脱落しにくくなる。
図6(b)は、筐体100の幅(右面105と左面106との距離)が電源プラグ部120の配置されている上面側で広く、段差部110の側面111近傍で狭くなっている。この場合も、コイル、コンデンサ、パワートランジスタなどの重量部品を電源プラグ部120のより近傍に配置することができるため、電源アダプタ10の重心Mをより電源プラグ部120に近づけることができる。
なお、上記変形例1と変形例2とは、重ねて実行してもよい。すなわち、電源プラグ部120の配置されている上面103側の筐体100の厚みを厚くするとともに幅を広くすることによって、さらに電源アダプタ10の重心Mをより電源プラグ部120に近づけることができる。
【0048】
(電源アダプタ10の使用例)
図7は第1の実施形態の電源アダプタ10の使用状態を説明するための、模式的説明図である。
近年、スマートフォンなどを充電するためのACコンセントの設置が広がってきた。例えば、東海道新幹線N700Sでは、すべての座席のひじ掛けにACコンセントが設置されている。しかし、新幹線の場合は場所的な制約から、ACコンセントはひじ掛けの先端に配置され、かつ、斜め下方向に傾斜している。
このひじ掛けのACコンセントに本実施形態の電源アダプタ10を接続した場合の使用例を図7(a)に示し、従来の電源アダプタを接続した場合の使用例を図7(b)に示す。
図7(b)では、ひじ掛けの先端のACコンセントから斜め前方向に電源アダプタが突出し、その先端からUSBケーブル20が延びている。このため、乗客の移動時などには電源アダプタまたはUSBケーブル20が乗客の体に触れて電源アダプタが脱落するなどのリスクがある。また、USBケーブル20が電源アダプタの先端から延びているため、USBケーブル20の取り付け部と電源プラグとの距離が長く、USBケーブル20に力がかかった場合、電源プラグに対する回転モーメントが大きくなり、電源プラグがACコンセントから脱落しやすい。また、従来の電源アダプタは重心の位置がACコンセントから水平方向に離れた位置にあるため、列車の振動によって大きな回転モーメントが発生しやすく、電源プラグがACコンセントから脱落しやすい。
【0049】
これに対して、本実施形態の電源アダプタ10をひじ掛けの先端のACコンセントに接続した場合には、以下の効果がある。
まず第1に、電源プラグ部120が筐体100に対して回動自在に固定されているため、図7(a)に示すように、筐体100を回転させて電源アダプタ10およびUSBケーブル20を下方向に向けることができるため、狭小な空間でも設置しやすい。
次に、電源プラグ部120が筐体100に対して回動自在に固定されているため、USBケーブル20に力がかかった場合、筐体100が回転することにより電源プラグ部120にかかる力を低減することができる。
さらに、USBポート部130が段差部110の側面111に設けられており、電源プラグ部120とUSBポート部130との距離が短いため、USBケーブル20に力がかかった場合の電源プラグ部120に対する回転モーメントがより小さくなり、電源プラグ部120がACコンセントから脱落しにくい。
また、USBケーブル20の保持部が段差部110内に収納されるため、ユーザ(乗客)が保持部を引っ掛けるリスクを低減し、USBケーブル20が破損するのを防止することができる。
そして、本実施形態の電源アダプタ10は重心Mの位置が電源プラグ部120と近く、また、電源プラグ部120が回動して筐体100が鉛直になるため重心Mの位置がACコンセントから水平方向に近い位置にある。これにより回転モーメントの発生を抑えられるので、列車が振動した場合も電源プラグがACコンセントから脱落するのを防止できる。
以上説明した通り、図7(a)に示す本実施形態の電源アダプタ10は、図7(b)に示す従来の電源アダプタに対して、乗客の移動時に邪魔にならず、USBケーブル20に力がかかった場合にもACコンセントから脱落しにくいとの効果を奏する。
【0050】
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態の電源アダプタ10の模式的斜視図である。
第2の実施形態の電源アダプタ10では、段差部110は正面101の上面103側に設けられ、正面101に略直交する側面111と正面101に平行で背面102により近い前面112とで階段状に構成されている。すなわち、段差部110が電源プラグ部120の近傍に設けられている。その他の構成は第1の実施形態の電源アダプタ10と同一である。
この場合、USBポート部130と電源プラグ部120との距離が小さく、USBケーブル20からUSBポート部130に回転モーメントがかかった場合、電源プラグ部120に対する回転モーメントの大きさが小さくなることから、電源アダプタ10がACコンセントから脱落しにくくなるなど、第1実施例と同様の効果を奏する。
【0051】
本発明において、電源プラグ部120が『電源プラグ部』に相当し、USBポート部130が『USBポート部』に相当し、コンセント部140が『コンセント部』に相当し、筐体100が『筐体』に相当し、正面101が『正面』に相当し、背面102が『背面』に相当し、上面103が『上面』に相当し、下面104が『下面』に相当し、右面105が『右面』に相当し、左面106が『左面』に相当し、電源アダプタ10が『電源アダプタ』に相当し、段差部110が『段差部』に相当し、側面111が『側面』に相当し、前面112が『前面』に相当し、金属プラグ121が『金属プラグ』に相当し、プラグ基部122が『プラグ基部』に相当し、接続面123が『接続面』に相当し、収納部124が『収納部』に相当する。
【0052】
本発明の好ましい一実施形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0053】
10 電源アダプタ
100 筐体
101 正面
102 背面
103 上面
104 下面
105 右面
106 左面
110 段差部
111 側面
112 前面
120 電源プラグ部
121 金属プラグ
122 プラグ基部
123 接続面
124 収納部
130 USBポート部
140 コンセント部
M 重心


【要約】
【課題】ACコンセントから脱落しにくく、USBケーブルが破損しにくく、狭小な空間でも設置しやすい電源アダプタを提供することにある。
【解決手段】ACコンセントに挿入することができる電源プラグ部120と、USB機器に給電することができるUSBポート部130と、他の機器にAC給電することができるコンセント部140と、正面101、背面102、上面103、下面104、右面105、左面106を有する略直方体形状の筐体100と、を備えた電源アダプタ10であって、電源プラグ部120は、筐体100の背面102の上面103側に設けられ、筐体100は、正面101の下面側104または上面103側に段差部110が設けられ、USBポート部130は、段差部110の正面101に略直交する側面111に設けられている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8