(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
B65G1/137 E
(21)【出願番号】P 2024016146
(22)【出願日】2024-02-06
【審査請求日】2024-07-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 琢史
(72)【発明者】
【氏名】王 亜成
(72)【発明者】
【氏名】松村 淳
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-075331(JP,A)
【文献】特開2000-034004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種類以上の物品を識別する第1識別情報を含む複数のオーダーそれぞれを、複数のバッチのいずれかに割り当て、
複数の前記バッチそれぞれについて、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を第1単位で処理するシステムを含む第1システムでの第1作業量と、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を、前記第1単位で処理される物品の個数とは異なる個数の単位である第2単位で処理するシステムを含む第2システムでの第2作業量と、を算出し、
複数の前記バッチ間で、前記第1作業量および前記第2作業量
が平準化するように、複数の前記バッチに含まれる前記オーダーを変更する、
処理部
を備え、
前記第1システムは、物品を前記第1単位でピッキングするピッキングシステムであり、前記第2システムは、前記ピッキングシステムにより前記第1単位でピッキングされた物品を、前記第2単位で仕分ける仕分けシステムである、
または、
前記第1システムは、物品を前記第1単位で仕分ける仕分けシステムであり、前記第2システムは、前記仕分けシステムにより前記第1単位で仕分けされた物品を、前記第2単位で荷積みする荷積みシステムである、
情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、
複数の前記バッチに含まれる第1バッチに含まれる1つ以上の前記オーダーと、複数の前記バッチに含まれる第2バッチに含まれる1つ以上の前記オーダーと、を交換する交換処理を実行したときの、前記第1バッチと前記第2バッチとの間の前記第1作業量の差分、および、前記第1バッチと前記第2バッチとの間の前記第2作業量の差分が小さくなるように、前記交換処理を実行することにより、複数の前記バッチに含まれる前記オーダーを変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1システムは、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を前記第1単位で処理する第1サブシステムと、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を前記第1単位で処理される物品の個数とは異なる個数の単位である第3単位で処理する第2サブシステムと、を含み、
前記処理部は、
複数の前記バッチそれぞれについて、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を前記第1サブシステムおよび前記第2サブシステムに振り分けて処理するときの、前記第1サブシステムでの第3作業量と、前記第2サブシステムでの第4作業量と、を算出し、
複数の前記バッチそれぞれについて、前記第3作業量と前記第4作業量と
が平準化するように、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を、前記第1サブシステムおよび前記第2サブシステムに振り分ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第3単位で処理される物品の個数は、前記第1単位で処理される物品の個数より小さく、
前記処理部は、
前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品のうち、前記第2サブシステムの処理対象として定められている第2物品以外の第1物品を前記第1サブシステムに振り分け、前記第2物品を前記第2サブシステムに振り分け、
前記第4作業量が前記第3作業量より大きい場合に、前記第2物品のうち一部を、前記第1サブシステムに振り分け直す、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1サブシステムは、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を前記第1単位でピッキングするシステムであり、
前記第2サブシステムは、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を前記第3単位でピッキングするシステムである、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、
前記バッチに含まれる前記第1単位の個数を、前記第1システムが単位時間当たりに処理する前記第1単位の個数で除算した値を前記第1作業量として算出し、
前記バッチに含まれる前記第2単位の個数を、前記第2システムが単位時間当たりに処理する前記第2単位の個数で除算した値を前記第2作業量として算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、
複数の前記オーダーの処理期限に基づいて割り当てるバッチの候補を決定し、前記候補に同じ前記第1識別情報を含むオーダーがより多く含まれるように、前記候補を決定する処理を繰り返すことにより、複数の前記オーダーを割り当てるバッチを決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、
複数の前記オーダーごとの、前記オーダーが割り当てられたバッチを識別する第2識別情報を含む第1出力情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
1種類以上の物品を識別する第1識別情報を含む複数のオーダーそれぞれを、複数のバッチのいずれかに割り当てるステップと、
複数の前記バッチそれぞれについて、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を第1単位で処理するシステムを含む第1システムでの第1作業量と、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を、前記第1単位で処理される物品の個数とは異なる個数の単位である第2単位で処理するシステムを含む第2システムでの第2作業量と、を算出するステップと、
複数の前記バッチ間で、前記第1作業量および前記第2作業量
が平準化するように、複数の前記バッチに含まれる前記オーダーを変更するステップと、
を含み、
前記第1システムは、物品を前記第1単位でピッキングするピッキングシステムであり、前記第2システムは、前記ピッキングシステムにより前記第1単位でピッキングされた物品を、前記第2単位で仕分ける仕分けシステムである、
または、
前記第1システムは、物品を前記第1単位で仕分ける仕分けシステムであり、前記第2システムは、前記仕分けシステムにより前記第1単位で仕分けされた物品を、前記第2単位で荷積みする荷積みシステムである、
情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
1種類以上の物品を識別する第1識別情報を含む複数のオーダーそれぞれを、複数のバッチのいずれかに割り当てるステップと、
複数の前記バッチそれぞれについて、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を第1単位で処理するシステムを含む第1システムでの第1作業量と、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を、前記第1単位で処理される物品の個数とは異なる個数の単位である第2単位で処理するシステムを含む第2システムでの第2作業量と、を算出するステップと、
複数の前記バッチ間で、前記第1作業量および前記第2作業量
が平準化するように、複数の前記バッチに含まれる前記オーダーを変更するステップと、
を実行させ、
前記第1システムは、物品を前記第1単位でピッキングするピッキングシステムであり、前記第2システムは、前記ピッキングシステムにより前記第1単位でピッキングされた物品を、前記第2単位で仕分ける仕分けシステムである、
または、
前記第1システムは、物品を前記第1単位で仕分ける仕分けシステムであり、前記第2システムは、前記仕分けシステムにより前記第1単位で仕分けされた物品を、前記第2単位で荷積みする荷積みシステムである、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流倉庫などでの物品のピッキング方式として、トータルピッキング方式およびシングルピッキング方式が知られている。トータルピッキング方式は、複数の配送先に対する複数の物品を集約してピッキングすることにより、ピッキング回数を減らす方式である。この場合、後工程の仕分けシステムにより、複数の物品が配送先別に仕分けされる。シングルピッキング方式は、配送先単位でピッキングする方式であり、ピッキングされた物品はそのまま出荷することができる。すなわち、仕分けは不要である。
【0003】
上記のように、トータルピッキング方式では、ピッキングを行うピッキングシステムは、物品を集約した単位(集約単位)で処理するが、仕分けシステムは、部品を1個を単位(個別単位)として処理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、複数のシステム(例えば、ピッキングシステム、仕分けシステム)それぞれの物品の処理の単位の違いを考慮していないため、複数のシステムを含むシステム全体としての作業の効率が低下する場合があった。
【0006】
本発明は、複数のシステムを含むシステム全体の作業の効率を向上させることができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の情報処理装置は、処理部を備える。処理部は、1種類以上の物品を識別する第1識別情報を含む複数のオーダーそれぞれを、複数のバッチのいずれかに割り当てる。処理部は、複数のバッチそれぞれについて、バッチに含まれる第1識別情報の物品を第1単位で処理するシステムを含む第1システムでの第1作業量と、バッチに含まれる第1識別情報の物品を、第1単位で処理される物品の個数とは異なる個数の単位である第2単位で処理するシステムを含む第2システムでの第2作業量と、を算出する。処理部は、第1作業量および第2作業量に基づいて複数のバッチに含まれるオーダーを変更する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】出荷オーダー情報のテーブル定義の一例を示す図。
【
図5】物品マスタ情報のテーブル定義の一例を示す図。
【
図6】ピッキングステーション情報のテーブル定義の一例を示す図。
【
図7】ソーターマスタ情報のテーブル定義の一例を示す図。
【
図8】作業主体マスタ情報のテーブル定義の一例を示す図。
【
図9】トータルピッキング変換情報のテーブル定義の一例を示す図。
【
図10】トータルピッキング作業量情報のテーブル定義の一例を示す図。
【
図11】実施形態における情報処理のフローチャート。
【
図12】実施形態による情報処理の例を説明するための図。
【
図13】実施形態の情報処理装置のハードウェア構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0010】
以下では、ピッキングシステムおよび仕分けシステムを含む物流システム(以下、物流システムDSという)を例に説明する。実施形態を適用可能なシステムは、このような物流システムに限られず、対象となる物品を処理する単位が相互に異なる複数のシステムを含むその他のシステムであってもよい。
【0011】
物流システムDSでの処理の流れの概要を説明する。物流システムDSでは、例えば、以下のような手順で各システムの処理が実行される。
(S1)複数の出荷オーダーの情報を取得する。各出荷オーダーは、1種類以上の物品の情報を含む。
(S2)仕分けシステムが備えるソーター(物品の仕分けを行う機器)のバッチサイズ、および、取得した出荷オーダー数に応じた個数のバッチを作成する。バッチサイズは、ソーターが処理できる出荷オーダーの個数である。
(S3)同じ種類の物品を含む出荷オーダーが同じバッチに含まれるように、また、各出荷オーダーの処理期限までに出荷できるように、各バッチに対して割り当てる出荷オーダーを決定する。
(S4)決定された出荷オーダーを含むバッチを単位として処理するように、各システム(ピッキングシステム、仕分けシステム)による作業が実行される。
【0012】
上記(S3)の機能により、同じ種類の物品を集約単位でピッキング可能となり、物品の集約効果による搬送およびピッキングの効率化が実現できる。また、出荷オーダーごとの処理期限までに処理を完了(納期遵守)させることができる。
【0013】
集約効果は、各バッチに割り当てられた出荷オーダーのうち同一種類の物品をまとめることによる作業の効率化に相当する。例えば、ピッキングのために物品を搬送する搬送システムは、保管システムに保管された物品の在庫から集約単位で取り出して搬送することが可能となる。これにより、集約単位に含まれる物品の個数が大きいほど、搬送回数が減り、リードタイムを削減することができる。同様に、ピッキングを行う作業者は、集約単位でまとめてピッキングすることができる。このため、集約単位に含まれる物品の個数が大きいほど、ピッキング回数が減り、リードタイムを削減することができる。
【0014】
なお、集約単位に含まれる物品の個数は、一定値であってもよいし、一定値でなくてもよい。例えば、作業主体が人(作業者)の場合、作業者は、2個以上で上限値以下の個数の物品を一度にピッキングすることができる。このような場合、集約単位に含まれる物品の個数は可変になりうる。なお、上限値は、物品の大きさ、および、ピッキングの対象となる物品を格納する容器(棚など)内での当該物品の格納数などに依存する。
【0015】
一方、ロボットによる自動ピッキングでは、一個ずつ物品を把持してピッキングを行う(個別単位)ことが多い。このため、ロボットによるピッキングでは、リードタイムは、集約単位に含まれる物品の個数ではなく個別単位での物品(以下、個別物品ともいう)の数量(以下、個別物品数ともいう)に依存することが多い。同様に、仕分け工程で用いられるソーターは、一個ずつ物品を移動し出荷オーダーに対応した容器(カートなど)に格納することが多い。このため、リードタイムは、個別物品数に依存することが多い。
【0016】
物流システムDSでは、例えば、ピッキングの主体である作業者は、物品を集約単位でピッキングするのに対し、仕分けシステムは、ピッキングされた複数の物品を個別単位で仕分ける。従って、このような物品の処理の単位(以下、作業単位)を考慮して、各システムでの作業量を調整しないと、物流システムDS全体での作業効率を向上できない場合がある。例えば、作業単位を考慮せずに各バッチに割り当てる出荷オーダーを決定すると、バッチ間の作業量に偏りが生じ、ピッキング工程と、仕分け工程との間に滞留が生じる場合がある。滞留が生じると、出荷効率の低下、または、ソーターの停止などが生じる可能性がある。
【0017】
また、各システムは、作業単位が異なる複数のサブシステムで構成される場合がある。例えばピッキングシステムは、主体が人(作業者)であり、集約単位でピッキングを行うサブシステムと、主体がピッキングロボットであり、個別単位でピッキングを行うサブシステムと、を含む場合がある。このような場合は、複数のサブシステム間の作業単位の違いを考慮して、各サブシステムの作業量が調整されることが望ましい。
【0018】
例えば、ホワイト物流促進の一環として、倉庫の省人化のために、ピッキングロボットの導入が進んでいる。ピッキングロボットにるピッキングは、処理できる物品(処理対象として定められている物品)の種類が限定される点、および、個別単位で処理する点が、人(作業者)によるピッキングと異なる。ピッキングロボットおよび作業者のように、作業単位が異なる複数のサブシステムを含む物流システムDSでは、両者の作業単位の違いを考慮して作業指示を出さないと、作業量に偏りが生じて作業効率の低下を招く可能性がある。
【0019】
本実施形態では、主に以下の機能により、複数のシステムを含むシステム全体の作業効率の向上を実現する。
(F1)複数のバッチ間で、集約単位および個別単位の両方の作業単位での作業量が平準化するように、各バッチへの出荷オーダーの割当を変更する(バッチ間平準化機能)。
(F2)作業単位が異なる複数のサブシステムを含むシステムの場合、バッチごとに、作業主体ごとの作業単位に応じた作業量が平準化するように、各作業主体へ作業量を振り分ける(作業主体間平準化機能)。
【0020】
なお、作業単位が異なる複数のサブシステムを含むシステムを用いない場合、上記(F2)の機能は備えられなくてもよい。(F2)を備えれば、例えば、作業単位の違いを考慮して、作業者とロボットとの間の作業量を平準化すること、すなわち、人(作業者)とロボットとの連携を最適化することが可能となる。
【0021】
図1は、実施形態の物流システムDSの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、物流システムDSは、情報処理装置100と、倉庫管理システム200と、保管システム300と、搬送システム400と、複数のピッキングシステム501a、501b、502a、502bと、複数の仕分けシステム600a、600bと、を含む。
【0022】
保管システム300は、出荷の対象となる複数の物品を保管するシステムである。保管システム300は、例えば、トータルピッキング方式を用いて出荷処理を行うことを想定した物流倉庫などである。保管システム300は、複数の物品を保管している棚およびストッカーなどにより構成される。
【0023】
搬送システム400は、配送先別の出荷オーダーに応じた物品を保管システム300から取り出して搬送するシステムである。搬送システム400は、例えば、棚搬送ロボット(AGV)、および、高層ラックロボット(ACR)などにより構成される。
【0024】
ピッキングシステム501a、501b、502a、502bは、搬送システム400により搬送された物品の中から、必要な数量の物品をピッキングするシステムである。ピッキングシステム501a、501b、502a、502bは、物品を作業単位U1(第1単位)で処理するシステムを含むシステムSYS1(第1システム)に相当する。
【0025】
また、
図1のピッキングシステムは、作業単位が異なる複数のサブシステムを含むシステムに相当する。例えば、ピッキングシステム501a、501bは、物品を作業単位U1で処理するサブシステムSS1(第1サブシステム)に相当する。ピッキングシステム502a、502bは、作業単位U1で処理される物品の個数とは異なる個数の作業単位U3(第3単位)で物品を処理するサブシステムSS2(第2サブシステム)に相当する。
図1の例では、作業単位U1は集約単位であり、作業単位U3は、個別単位である。
【0026】
図1では、ピッキングシステム501a、501bは、集約単位(作業単位U1)で物品をピッキングする作業者である。ピッキングシステム502a、502bは、個別単位(作業単位U3)で物品をピッキングするピッキングロボットである。ピッキングシステム501a、501bは、区別する必要がない場合はピッキングシステム501という。ピッキングシステム502a、502bは、区別する必要がない場合はピッキングシステム502という。
【0027】
仕分けシステム600aは、ピッキングシステム501aまたは502aによってピッキングされた物品を、配送先ごと、および、出荷オーダーごとに仕分けしてバッチ単位で出荷する。仕分けシステム600bは、ピッキングシステム501bまたは502bによってピッキングされた物品を、配送先ごと、および、出荷オーダーごとに仕分けしてバッチ単位で払い出す。仕分けシステム600a、600bは、例えば、ソーターなどにより構成される。仕分けシステム600a、600bは、区別する必要がない場合は、仕分けシステム600という。
【0028】
仕分けシステム600は、作業単位U1で処理される物品の個数とは異なる個数の作業単位U2(第2単位)で物品を処理するシステムを含むシステムSYS2(第2システム)に相当する。
図1の例では、作業単位U2は、個別単位である。
【0029】
なお、
図1では、仕分けシステム600と、2つのピッキングシステム501、502との組が2個である例が示されているが、組の個数は1個、または、3個以上であってもよい。本実施形態では、組ごとに、バッチに対する出荷オーダーの割り当てなどの処理が実行される。以下では、1つの組についての処理を主に説明する。他の組についても同様の処理が適用される。
【0030】
また、各組に含まれるピッキングシステム501の個数およびピッキングシステム502の個数は2個以上であってもよい。また、ピッキングシステム501および502は、それぞれ作業者およびピッキングロボットである必要はなく、相互に作業単位が異なればどのような組み合わせのピッキングシステムであってもよい。
【0031】
倉庫管理システム200は、物流システムDS内の各システム/装置と通信し、物流システムDS全体の情報を管理するシステムである。倉庫管理システム200は、例えば、物品に関する情報である物品情報、および、各システムでの作業に関する作業情報を、情報処理装置100に送信し、情報処理装置100に処理を実行させる。物品情報および作業情報の詳細は後述する。
【0032】
情報処理装置100は、倉庫管理システム200から取得される物品情報および作業情報を用いて、各システムで処理されるバッチごとの出荷オーダーの決定などの、出荷オーダーの管理を実行する装置(オーダー管理システム)である。例えば、情報処理装置100は、上記の(F1)、(F2)の機能を実行する。
【0033】
情報処理装置100は、バッチごとの出荷オーダーの情報を含む出力情報を、倉庫管理システム200に出力する。倉庫管理システム200は、出力情報を用いて、ピッキングシステム501、502、および、仕分けシステム600に対する作業指示を出力する。ピッキングシステム501、502に対する作業指示は、例えば、作業主体別およびバッチ別の集約物品リストである。仕分けシステム600に対する作業指示は、例えば、バッチ別の出荷オーダーリストである。
【0034】
情報処理装置100は、処理部110と、記憶部120と、を備えている。
図2を用いて、処理部110および記憶部120の構成の詳細についてさらに説明する。
図2は、実施形態の情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
記憶部120は、情報処理装置100で用いられる各種情報を記憶する。例えば記憶部120は、倉庫管理システム200から取得される物品情報および作業情報、並びに、倉庫管理システム200に対して出力する出力情報を記憶する。
【0036】
図2では、物品情報は、出荷オーダー情報121、明細情報122および物品マスタ情報123を含む。作業情報は、ピッキングステーション情報124、ソーターマスタ情報125および作業主体マスタ情報126を含む。出力情報は、トータルピッキング変換情報127およびトータルピッキング作業量情報128を含む。以下、記憶部120に記憶される各情報のデータ構造の例について説明する。
【0037】
図3は、出荷オーダー情報121のテーブル定義の一例を示す図である。なお、1行目は、情報(出荷オーダー情報121)に含まれる項目の名称、2行目は、各項目の説明、3行目は、各項目のデータ型、4行目は、各項目が主キー(PK:Primary Key)であるか否かを表す。以下の
図4~
図10も同様である。また、
図3~
図10は、テーブル形式で各データを表す例であるが、データ構造はテーブル形式に限られず、どのような形式であってもよい。例えば、各情報は、CSVファイル、および、JSONファイルなどの形式で記憶されてもよい。
【0038】
図3に示すように、出荷オーダー情報121は、出荷オーダーIDと、処理期限と、を含む。出荷オーダー情報121では、出荷オーダーIDが、主キー(PK)として設定される。出荷オーダーIDは、出荷オーダーを識別する識別情報である。処理期限は、出荷オーダーを出荷する期限(締め日時)を表す。
【0039】
図4は、明細情報122のテーブル定義の一例を示す図である。
図4に示すように、明細情報122は、出荷オーダーIDと、明細IDと、物品名と、数量と、を含む。明細情報122では、出荷オーダーIDおよび明細IDが主キーとして設定される。
【0040】
明細IDは、出荷オーダーに含まれる明細を識別する識別情報である。明細は、注文(オーダー)された物品の種類ごとに定められる。従って、明細の個数は、注文された物品の種類数となる。物品名は、明細に対応する物品の名称である。物品名は、物品を識別する識別情報に相当する。数量は、注文された物品の個数である。
【0041】
明細情報122のうち、1つの出荷オーダーIDに対応する情報が、1種類以上の物品を識別する物品名(第1識別情報)を含む1つのオーダーに対応する。
【0042】
図5は、物品マスタ情報123のテーブル定義の一例を示す図である。
図5に示すように、物品マスタ情報123は、物品名と、自動処理可能フラグと、を含む。物品マスタ情報123では、物品名が主キーとして設定される。
【0043】
自動処理可能フラグは、ピッキングロボットが処理可能な場合は“True”が設定され、不可能な場合は“False”が設定される。自動処理可能フラグは、ピッキングロボットの処理対象として定められている物品であるか否かを示す情報と解釈することができる。
【0044】
図6は、ピッキングステーション情報124のテーブル定義の一例を示す図である。
図6に示すように、ピッキングステーション情報124は、ステーションIDと、作業主体IDと、稼働状況フラグと、ソーターIDと、を含む。ピッキングステーション情報124では、ステーションIDが主キーとして設定される。
【0045】
ステーションIDは、ピッキングステーションを識別する識別情報である。ピッキングステーションとは、ピッキングの作業主体(作業者、ピッキングロボットなど)による作業が行われる場所を表す。例えば、作業主体は、いずれかのピッキングステーションに割り当てられ(ログインともいう)、割り当てられたピッキングステーションでピッキングの作業を行う。
【0046】
作業主体IDは、ステーションIDで識別されるステーションに割り当てられた(ログイン中の)作業主体を識別する識別情報である。稼働状況フラグは、ステーションが稼働中(作業主体により作業中)の場合は“True”が設定され、稼働中でない(休止中の)場合は“False”が設定される。
【0047】
ソーターIDは、ピッキングステーションに接続されたソーターを識別する識別情報である。
図1に示すように、ピッキングステーション(ピッキングシステム)とソーター(仕分けシステム)とは、N:1の対応関係(Nは1以上の整数)がある。この対応関係が、ピッキングステーション情報124で定義される。
【0048】
図7は、ソーターマスタ情報125のテーブル定義の一例を示す図である。
図7に示すように、ソーターマスタ情報125は、ソーターIDと、バッチサイズと、を含む。ソーターマスタ情報125では、ソーターIDが主キーとして設定される。
【0049】
バッチサイズは、ソーターから一度に払い出される出荷オーダーの個数である。バッチサイズは、例えば、物品の払出先となる容器(払出用カート)の容量に依存する。このため、ソーター(ソーターID)ごとのバッチサイズがソーターマスタ情報125に登録される。
【0050】
図8は、作業主体マスタ情報126のテーブル定義の一例を示す図である。
図8に示すように、作業主体マスタ情報126は、作業主体IDと、ロボットフラグと、生産性と、を含む。作業主体マスタ情報126では、作業主体IDが主キーとして設定される。
【0051】
ロボットフラグは、作業主体がピッキングロボットの場合は“True”が設定され、ピッキングロボットでない(作業者など)場合は“False”が設定される。
【0052】
生産性は、作業主体による作業の生産性を表し、例えば、1時間当たりのピッキング可能な数量である。なお、数量は、作業主体が作業者である場合は集約単位での数量であり、作業主体がピッキングロボットである場合は個別単位での数量(個別物品数)である。
【0053】
図9は、トータルピッキング変換情報127のテーブル定義の一例を示す図である。
図9に示すように、トータルピッキング変換情報127は、出荷オーダーIDと、明細IDと、バッチIDと、集約物品IDと、ステーションIDと、ソーターIDと、を含む。トータルピッキング変換情報127では、出荷オーダーIDおよび明細IDが、主キーとして設定される。
【0054】
バッチIDは、処理部110により、出荷オーダーIDに割り当てられたバッチのバッチIDである。集約物品IDは、集約物品を識別する識別情報である。集約物品は、出荷オーダーIDに割り当てられたバッチに含まれる同一種類の物品を集約した単位に相当する。ステーションIDは、対応するバッチIDのバッチに対して割り当てられたピッキングステーションのステーションIDである。ソーターIDは、当該ステーションIDのピッキングステーションに対応するソーターのソーターIDである。
【0055】
図10は、トータルピッキング作業量情報128のテーブル定義の一例を示す図である。
図10に示すように、トータルピッキング作業量情報128は、バッチIDと、集約物品IDと、数量と、作業量と、ステーションIDと、ソーターIDと、を含む。トータルピッキング作業量情報128では、バッチIDおよび集約物品IDが主キーとして設定される。
【0056】
数量は、集約物品IDで識別される集約物品に含まれる物品の個別単位での数量を表す。作業量は、ピッキング作業にかかる時間である。集約物品が振り分けられた作業主体が作業者の場合、作業量は、例えば1/(生産性)×60により算出される。集約物品が振り分けられた作業主体がピッキングロボットの場合、作業量は、例えば(数量)/(生産性)×60により算出される。
【0057】
トータルピッキング作業量情報128は、情報処理装置100(処理部110)による処理結果の確認または評価のために用いられる補足情報に相当する。トータルピッキング作業量情報128は、例えば、トータルピッキング変換情報127(
図9)と、物品情報および作業情報を含む入力情報(
図3~
図8)と、を用いて算出される。
【0058】
なお、記憶部120は、フラッシュメモリ、メモリカード、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、および、光ディスクなどの一般的に利用されているあらゆる記憶媒体により構成することができる。
【0059】
記憶部120に記憶される各情報の一部または全部は、物理的に異なる記憶媒体に記憶されてもよいし、物理的に同一の記憶媒体の異なる記憶領域に記憶されてもよい。
【0060】
図2の説明に戻る。処理部110は、作成部111と、割当部112と、算出部113と、変更部114と、振分部115と、出力制御部116と、を含む。
【0061】
作成部111は、取得された物品情報および作業情報を参照して、出荷オーダーを割り当てるための複数のバッチを作成する。例えば作成部111は、出荷オーダー情報121に含まれる出荷オーダーの処理期限と、ソーターマスタ情報125に含まれるバッチサイズと、を用いて、複数のバッチを作成する。
【0062】
まず、作成部111は、出荷オーダー情報121に含まれる出荷オーダーIDで識別される複数の出荷オーダーを割り当てるために必要なバッチの個数を算出する。例えば作成部111は、出荷オーダー(出荷オーダーID)の個数をバッチサイズで除算した値の小数点以下を切り上げた整数値を、必要なバッチの個数として算出する。作成部111は、算出した個数のバッチを作成し、各バッチにバッチIDを付与するとともに、払出順に順番を付与する。
【0063】
また、作成部111は、バッチごとに処理期限の上限を設定する。例えば作成部111は、出荷オーダーを処理期限が早い順にソートし、バッチサイズの倍数に対応する順番の出荷オーダーの処理期限を、早い順に、払出の順番が小さいバッチの処理期限の上限として設定する。上限の設定方法はこれに限られず、どのような方法であってもよい。例えば作成部111は、入力画面を用いてユーザーなどにより指定された上限を設定してもよい。
【0064】
各バッチは、上限より処理期限が遅い出荷オーダーを割り当て不可とされる。これにより、出荷オーダーごとの納期遵守を実現可能となる。
【0065】
割当部112は、複数のオーダーそれぞれを複数のバッチのいずれかに割り当てるバッチ割当を実行する。例えば、割当部112は、上限以内の処理期限の出荷オーダーであること(割り当て可能であること)を考慮しつつ、トータルピッキング方式による集約効果を最大化するようにバッチ割当を実行する。
【0066】
割当部112は、まず、複数のオーダーの処理期限に基づいて割り当てるバッチの候補を決定する。例えば、割当部112は、オーダーの処理期限以上の上限が設定されたバッチを、当該オーダーを割り当てるバッチの候補として決定する。割当部112は、決定した候補に、同じ物品を含むオーダーがより多く含まれるように、バッチの候補を決定する処理を繰り返すことにより、複数のオーダーを割り当てるバッチを決定する。
【0067】
例えば割当部112は、決定したバッチの候補それぞれについて、集約効果を算出する。割当部112は、例えば(明細数)/(集約物品数)により集約効果を算出する。明細数は、バッチの候補に含まれる明細の総数である。集約物品数は、バッチの候補に含まれる同一の種類の物品を集約して集約物品としたときの集約物品の個数に相当する。
【0068】
例えば、バッチの候補に、以下のような5個の明細を含む複数の出荷オーダーが割り当てられるとする。なお、物品M1、M3、M5は、それぞれ種類が異なる物品を表す。
・物品M1が5個
・物品M3が5個
・物品M5が5個
・物品M3が10個
・物品M5が5個
【0069】
個数が複数である物品は、いずれも集約物品に集約できる。上記例では、物品M1、M3、M5に対応する3個の集約物品に集約される。このため、集約物品数は3となり、集約効果は、5/3と算出される。
【0070】
割当部112は、例えば繰り返し回数の上限に達するまで、各オーダーに割り当てるバッチの候補を決定して集約効果を算出する処理(シミュレーション)を繰り返す。割り当てるバッチの候補は、例えば、オーダーの処理期限以上の上限が設定されたバッチの中からランダムに決定される。割当部112は、繰り返し回数の上限に達したときに最も集約効果が大きい候補を、複数のオーダーを割り当てるバッチとして決定する。
【0071】
バッチ割当は、上記のようにシミュレーションを繰り返す方法に限られず、その他のどのような方法であってもよい。例えば、割当部112は、クラスタリング手法を用いて、2つの出荷オーダー間の距離を集約効果の逆数と定義し、距離の近い出荷オーダー同士のグルーピングを繰り返して階層的にバッチを形成してもよい。距離は、例えば、物品の種類が近いほど小さくなるように定義されてもよい。
【0072】
割当部112は、数理計画法(組合せ最適化)を用いて、バッチ割当を実行してもよい。例えば、割当部112は、出荷オーダーiがバッチkに割り当てられる場合に1を取り、それ以外の場合に0を取るバイナリ変数xikを用いてモデルを定義する。割当部112は、このモデルを数理計画ソルバ、または、組合せ最適化アルゴリズムを用いて、集約効果を最適化するxikを算出することで、バッチ割当を実行する。
【0073】
以下に、割当部112が用いるモデルの例を説明する。例えばモデルは、以下の(1)式~(4)式に示す条件のもとで、(5)式で表されるように、y
jkの和を最小化するx
ikを求めるモデルである。
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
【0074】
以下に、各式で用いられる変数の定義を示す。
xik:出荷オーダーiがバッチkに割り当てられる場合1、それ以外の場合0
yjk:物品jがバッチkに含まれる場合1、それ以外の場合0
I:出荷オーダーiの集合
J:物品jの集合
K:バッチkの集合
Ki:出荷オーダーiの処理期限以上の上限であるバッチkの集合(なお、Kiのバーは補集合を表す)
B:バッチサイズ
cij:出荷オーダーiの物品jの数量
【0075】
(1)式は、出荷オーダーiの処理期限以上の上限であるバッチkのいずれかを選択することを表す。(2)式は、バッチに含まれる出荷オーダーの個数はバッチサイズ以下であることを表す。(3)式は、数量xがx>0の場合にy=1となる集約物品の変数に関する式を表す。(5)式は、集約物品数を最小化するための式を表す。
【0076】
本実施形態では、この後、さらに、バッチ間平準化機能(上記のF1)により、各バッチへの出荷オーダーの割当が変更される。算出部113および変更部114は、バッチ間平準化機能に相当する機能を実行する。
【0077】
算出部113は、バッチ割当により得られた複数のバッチそれぞれについて、作業量W1(第1作業量)と、作業量W2(第2作業量)と、を算出する。
【0078】
作業量W1は、作業単位U1(例えば集約単位)で処理するシステム(例えば、ピッキングシステム501)を含むシステムSYS1(例えば、ピッキングシステム501、502)で、バッチに含まれるオーダーを処理するときの作業量である。作業量W2は、作業単位U2(例えば個別単位)で処理するシステムを含むシステムSYS2(例えば、仕分けシステム600)で、バッチに含まれるオーダーを処理するときの作業量である。
【0079】
例えば算出部113は、バッチに含まれる作業単位U1の個数を、システムSYS1が単位時間当たりに処理する作業単位U1の個数で除算した値を作業量W1として算出する。また、算出部113は、バッチに含まれる作業単位U2の個数を、システムSYS2が単位時間当たりに処理する作業単位U2の個数で除算した値を作業量W2として算出する。
【0080】
作業単位U1が集約単位の場合、バッチに含まれる作業単位U1の個数は、バッチに含まれる集約物品数に相当する。作業単位U2が個別単位の場合、バッチに含まれる作業単位U2の個数は、バッチに含まれる個別物品数に相当する。個別物品数は、例えば明細情報122に含まれる数量を用いて算出することができる。
【0081】
システムが複数のサブシステムを含む場合、算出部113は、さらに、複数のバッチそれぞれについて、複数のサブシステムそれぞれの作業量である、作業量W3(第3作業量)と、作業量W4(第4作業量)と、を算出する。作業量W3は、作業単位U1(例えば集約単位)で処理するサブシステムSS1(例えば、ピッキングシステム501)で、バッチに含まれるオーダーを処理するときの作業量である。作業量W4は、作業単位U3(例えば個別単位)で処理するサブシステムSS2(例えば、ピッキングシステム502)で、バッチに含まれるオーダーを処理するときの作業量である。
【0082】
変更部114は、算出された作業単位ごとの作業量W1、W2を平準化するように、バッチ割当の結果を変更する。例えば、変更部114は、複数のバッチ間で、作業量W1および作業量W2が平準化するように、複数のバッチに含まれるオーダーを変更する。
【0083】
変更部114は、例えば、複数のバッチに含まれるバッチB1(第1バッチ)に含まれる1つ以上のオーダーと、複数のバッチに含まれるバッチB2(第2バッチ)に含まれる1つ以上のオーダーと、を交換する交換処理を実行する。変更部114は、交換処理を実行したときの、バッチB1とバッチB2との間の作業量W1の差分、および、バッチB1とバッチB2との間の作業量W2の差分が小さくなるように、交換処理を実行することにより、複数のバッチに含まれるオーダーを変更する。
【0084】
このように、変更部114は、複数のバッチから2つのバッチを選択し、選択した2つのバッチそれぞれから1つずつ出荷オーダーを取り出し、それらを交換した場合の効果(以下、交換効果)を算出する。交換効果は、上記のように、作業量W1の差分(例えば集約単位での作業量の差分)、および、作業量W2の差分(例えば、個別単位での作業量の差分)を含む。交換効果は、これらの差分が小さいほど値か大きくなる指標である。すなわち、交換効果が大きくなるように交換処理を実行することが、複数のバッチ間で作業量W1および作業量W2が平準化することに相当する。
【0085】
交換処理により、集約効果が低下する場合がありうる。このため、交換効果は、各バッチにおける集約効果の低下が小さいほど値が大きくなる指標をさらに含んでもよい。
【0086】
変更部114は、交換効果が条件を満たす場合に、交換処理の結果を、バッチ割当の修正結果として出力する。条件は、例えば、交換効果が閾値より大きいことなどである。変更部114は、交換効果が条件を満たさない場合、交換効果が条件を満たすまで、交換処理を繰り返し実行してもよい。交換するバッチおよび出荷オーダーの個数は2つに限られず、3個以上であってもよい。
【0087】
交換する複数のバッチの選択、および、選択したバッチからの出荷オーダーの選択は、どのような方法を適用してもよいが、例えば以下のような方法を適用できる。
・ランダムに選択する。
・個別物品数または集約物品数の差分が大きい複数のバッチまたは出荷オーダーを選択する。
【0088】
作業単位が異なる複数のサブシステムを含むシステムの場合、作業主体間平準化機能(上記のF2)が実行される。振分部115は、作業主体間平準化機能に相当する機能を実行する。
【0089】
振分部115は、複数のバッチそれぞれについて、作業量W3と作業量W4とが平準化するように、バッチに含まれる物品を、複数のサブシステム(例えばサブシステムSS1、サブシステムSS2)に振り分ける。
【0090】
例えば振分部115は、現在のバッチ割当の結果に基づき、各バッチにおいて集約単位で作業主体への振り分けを決定する。まず、振分部115は、各バッチ内で同一物品の明細を集約して集約単位を作成し、集約単位に各作業主体へ振り分けた場合の作業量を算出する。振分部115は、例えば、集約単位で合計した数量と作業主体の生産性(1時間当たりの処理可能数)とを用いて、作業主体が作業者の場合は作業量(分)=1/(生産性)×60、作業主体がピッキングロボットの場合は作業量(分)=(数量)/(生産性)×60により、作業量を算出する。振分部115は、算出した作業量を参考にして、各作業主体への作業量(分)が平準化するように集約物品の振り分けを決定する。作業量の算出に用いる生産性は、例えば作業主体マスタ情報126から得ることができる。
【0091】
以下では、複数のサブシステムが、物品を作業単位U1で処理するサブシステムSS1(例えば、ピッキングシステム501)と、物品を作業単位U3で処理するサブシステムSS2(例えば、ピッキングシステム502)と、である場合を例に説明する。また、作業単位U1が集約単位であり、作業単位U3が個別単位である例、すなわち、作業単位U3で処理される物品の個数は、作業単位U1で処理される物品の個数より小さいものとする。
【0092】
振分部115は、ピッキングロボットが処理可能な集約物品の条件を考慮した上で振り分けを行う。振り分け方法としては、例えば、まずピッキングロボットが処理可能な集約物品のすべてをピッキングロボットに振り分け、それ以外の集約物品を作業者に振り分けた上で、ピッキングロボットの作業量が作業者の作業量より大きい場合は、数量の大きい集約物品から優先的に作業者に再度、振り分け直して平準化する方法がある。
【0093】
すなわち、振分部115は、まずバッチに含まれる物品のうちサブシステムSS2の処理対象として定められている物品M2(第2物品)以外の物品M1(第1物品)をサブシステムSS1に振り分け、物品M2をサブシステムSS2に振り分ける。その後、振分部115は、作業量W4が作業量W3より大きい場合に、物品M2のうち一部をサブシステムSS1に振り分け直す。ピッキングロボットが処理可能か否かは、例えば物品マスタ情報123の自動処理可能フラグにより判定することができる。
【0094】
振り分け方法は上記に限られず、各作業主体の作業量が平準化するように振り分ける方法であれば、その他のどのような方法であってもよい。例えば、振分部115は、ピッキングロボットと作業者との間の物品の振り分けを変更してシミュレーションを繰り返すことにより、より平準化された結果を得る方法を用いてもよい。
【0095】
振分部115は、数理最適化(組合せ最適化)を用いて振り分けを行ってもよい。例えば振分部115は、集約物品nを作業主体mに振り分ける場合に1を取り、それ以外で0を取るバイナリ変数Znmを用いてモデルを定義する。振分部115は、このモデルを数理計画ソルバ、または、組合せ最適化アルゴリズムを用いて、平準化の効果を最適化するZnmを計算することで、作業主体への振り分けを実行する。
【0096】
以下に、振分部115が用いるモデルの例を説明する。例えばモデルは、以下の(6)式~(8)式に示す条件のもとで、(9)式で表されるように、t
kの和を最小化するZ
nmを求めるモデルである。
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
【0097】
以下に、各式で用いられる変数の定義を示す。
znm:集約物品nが作業主体mに割り当てられる場合1、それ以外の場合0
Nk:バッチkにおける集約物品nの集合
M:作業主体mの集合
anm:集約物品nを作業主体mでピッキングする時間
【0098】
(6)式は、集約物品nをいずれかの作業主体mに割り当てることを表す。(7)式は、すべての作業主体mのうち合計のピッキング時間が最も長い作業主体のピッキング時間がバッチ完了時間以内であることを表す。(9)式は、バッチ完了時間tkを最小化するための式を表す。
【0099】
出力制御部116は、情報処理装置100で用いられる各種情報の出力を制御する。例えば出力制御部116は、複数のオーダーごとの、オーダーが割り当てられたバッチのバッチIDを含む出力情報(第1出力情報)を、倉庫管理システム200に出力する。この出力情報は、例えば
図9に示すトータルピッキング変換情報127である。出力制御部116は、
図10に示すトータルピッキング作業量情報128を、出力情報として出力してもよい。
【0100】
処理部110に含まれる各部(作成部111、割当部112、算出部113、変更部114、振分部115、および、出力制御部116)は、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPU(Central Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2つ以上を実現してもよい。
【0101】
また情報処理装置100は、物理的に1つの装置によって構成されてもよいし、物理的に複数の装置によって構成されてもよい。例えば情報処理装置100は、クラウド環境上で構築されてもよい。また、情報処理装置100内の各部は、複数の装置に分散して備えられてもよい。
【0102】
次に、実施形態の情報処理装置100による情報処理について説明する。
図11は、実施形態における情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0103】
作成部111は、出荷オーダーの処理期限とバッチサイズとに基づいて複数のバッチを作成する(ステップS101)。割当部112は、複数の出荷オーダーそれぞれをバッチのいずれかへ割り当てるバッチ割当を実行する(ステップS102)。
【0104】
以下、ステップS103からステップS106を繰り返すことにより、バッチ間平準化機能(F1)、および、作業主体間平準化機能(F2)が実行される。
【0105】
まず、算出部113は、バッチ割当により得られた複数のバッチそれぞれについて、作業量W1(第1作業量)と、作業量W2(第2作業量)と、を算出する(ステップS103)。変更部114は、バッチ間の作業量を平準化するように、バッチに割り当てるオーダーを変更する(ステップS104)。振分部115は、複数のバッチそれぞれについて、作業量W3と作業量W4とが平準化するように、バッチに含まれる物品を複数の作業主体(サブシステム)に振り分ける(ステップS105)。
【0106】
処理部110は、バッチ割当計算の終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS106)。終了条件が満たされない場合(ステップS106:No)、ステップS103に戻り処理が繰り返される。終了条件が満たされた場合(ステップS106:Yes)、出力制御部116は、例えばトータルピッキング変換情報127などの出力情報を出力し(ステップS107)、情報処理を終了する。
【0107】
終了条件は、例えば以下のような条件のいずれかである。
・反復回数が、予め定められた最大数を超えた。
・ステップS104で、割り当てが変更されなかった。
・バッチごとの、作業量、集約物品数または個別物品数の改善量が、予め定められた最小改善量を下回った。
【0108】
最大数および最小改善量などのパラメータは、どのように設定されてもよいが、例えば以下のような方法により設定される。
・記憶部120などに記憶する設定ファイルに登録して処理部110による処理の開始時に読み込む。
・情報処理装置100で使用されるOS(オペレーションシステム)の環境変数として登録して処理部110による処理の開始時に読み込む。
・処理部110を実現するプログラムの実行コマンドの引数として渡す。
【0109】
次に、本実施形態による情報処理(オーダー管理)の例について
図12を用いて説明する。
図12は、実施形態による情報処理の例を説明するための図である。なお、
図12は、作業量が平準化するように処理が行われた結果の例を示す。
【0110】
図12の例では、出荷オーダー情報121に含まれる複数の出荷オーダーとして、出荷オーダーIDが“オーダーO1”、“オーダーO2”、“オーダーO3”である3つの出荷オーダーが入力される。各オーダーの処理期限は、“12:00”、“15:00”、“16:00”である。なお、説明の簡略化のため、年月日および秒は省略されている。また、仕分けシステム600が備えるソーターのバッチサイズは2であるものとする。
【0111】
また、各出荷オーダーは、以下のような明細を含むものとする。
・オーダーO1:物品M1の数量が5、物品M3の数量が5、物品M5の数量が5
・オーダーO2:物品M2の数量が10、物品M3の数量が10、物品M4の数量が10
・オーダーO3:物品M3の数量が10、物品M5の数量が5
【0112】
作成部111は、3つの出荷オーダーを割り当てるためのバッチを作成する。出荷オーダーの個数が3個であるため、2個(3/2=1.5、小数点以下を切り上げ)のバッチを作成する。
図12には記載されていないが、各バッチの処理期限の上限として、16:00より後の時刻(例えば17:00)が設定されたものとする。2個のバッチのバッチIDは、それぞれ“バッチB1”、“バッチB2”である。
【0113】
3つのオーダーは、バッチIDが“バッチB1”、“バッチB2”である2つのバッチのいずれかに割り当てられる。
図12の例では、バッチB1のバッチにオーダーO1、O3が割り当てられ、バッチB2のバッチにオーダーO2が割り当てられる。
【0114】
この場合、各バッチ内では、以下のように物品が集約される。
・バッチB1:物品M1、M3、M5に対応する3個の集約物品
・バッチB2:物品M2、M3、M4に対応する3個の集約物品
【0115】
また、各バッチ内の個別物品数は、以下のようになる。
・バッチB1:30個(物品M1が5個、物品M3が15個、物品M5が10個)
・バッチB2:30個(物品M2が10個、物品M3が10個、物品M4が10個)
【0116】
2つのバッチの集約物品数(3個)および個別物品数(30個)が一致するため、バッチ間の作業量は平準化されている。
【0117】
作業者およびロボットの生産性が、それぞれ2個/分(集約単位)および12個/分(個別単位)であるとする。この場合、
図12に示すように、作業者の作業量は60秒となり、ロボットの作業量は50秒となる。
【0118】
例えば、バッチB1について、物品M3と物品M5の作業主体を入れ替えたとする。この場合、作業者の作業量は、60秒(2×60/2)となり、ロボットの作業量は75秒(15×60/12)となる。この場合と比較すると、
図12の例では、作業量の差が小さくなっているとともに(10秒)、バッチの処理が完了する時間も小さくなっている。すなわち、
図12の例では、作業者とロボットの間の作業量は平準化されている。
【0119】
これまでは、作業単位が相互に異なる複数のシステムが、ピッキングシステムおよび仕分けシステムである場合を例に説明した。作業単位が相互に異なる複数のシステムはこれらに限られず、その他のどのような組み合わせのシステムであってもよい。例えば複数のシステムは、個別単位に物品を処理する仕分けシステムと、仕分けられた出荷オーダーを複数まとめた単位(集約単位)で出荷先に搬出するための車両などに荷積みする荷積みシステムと、であってもよい。
【0120】
作業単位U1が集約単位、作業単位U2が個別単位、作業単位U3が個別単位である例を主に説明したが、単位の組み合わせはこれに限られない。処理される物品の個数が相互に異なれば、作業単位U1およびU2はどのような組み合わせであってもよい。また、処理される物品の個数が相互に異なれば、作業単位U1およびU3はどのような組み合わせであってもよい。例えば、m個(mは1以上の整数)を単位として物品をピッキングするピッキングロボットがサブシステムSS1であり、n個(nは、m≠nを満たす1以上の整数)を単位として物品をピッキングするピッキングシステムがサブシステムSS2であるものとする。この場合、作業単位U1は、m個の物品を集約する集約単位であり、作業単位U3は、n個の物品を集約する集約単位であってもよい。
【0121】
このように、実施形態の情報処理装置では、複数のシステムを含むシステム全体の作業の効率を向上させることができる。
【0122】
次に、実施形態の情報処理装置のハードウェア構成について
図13を用いて説明する。
図13は、実施形態の情報処理装置のハードウェア構成例を示す説明図である。
【0123】
実施形態の情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)51などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)52やRAM(Random Access Memory)53などの記憶装置と、ネットワークに接続して通信を行う通信I/F54と、各部を接続するバス61を備えている。
【0124】
実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、ROM52等に予め組み込まれて提供される。
【0125】
実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるように構成してもよい。
【0126】
さらに、実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0127】
実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、コンピュータを上述した情報処理装置の各部として機能させうる。このコンピュータは、CPU51がコンピュータ読取可能な記憶媒体からプログラムを主記憶装置上に読み出して実行することができる。
【0128】
実施形態の構成例について以下に記載する。
(構成例1)
1種類以上の物品を識別する第1識別情報を含む複数のオーダーそれぞれを、複数のバッチのいずれかに割り当て、
複数の前記バッチそれぞれについて、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を第1単位で処理するシステムを含む第1システムでの第1作業量と、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を、前記第1単位で処理される物品の個数とは異なる個数の単位である第2単位で処理するシステムを含む第2システムでの第2作業量と、を算出し、
前記第1作業量および前記第2作業量に基づいて、複数の前記バッチに含まれる前記オーダーを変更する、
処理部
を備える情報処理装置。
(構成例2)
前記処理部は、
複数の前記バッチ間で、前記第1作業量および前記第2作業量が平準化するように、複数の前記バッチに含まれる前記オーダーを変更する、
構成例1に記載の情報処理装置。
(構成例3)
前記処理部は、
複数の前記バッチに含まれる第1バッチに含まれる1つ以上の前記オーダーと、複数の前記バッチに含まれる第2バッチに含まれる1つ以上の前記オーダーと、を交換する交換処理を実行したときの、前記第1バッチと前記第2バッチとの間の前記第1作業量の差分、および、前記第1バッチと前記第2バッチとの間の前記第2作業量の差分が小さくなるように、前記交換処理を実行することにより、複数の前記バッチに含まれる前記オーダーを変更する、
構成例1に記載の情報処理装置。
(構成例4)
前記第1システムは、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を前記第1単位で処理する第1サブシステムと、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を前記第1単位で処理される物品の個数とは異なる個数の単位である第3単位で処理する第2サブシステムと、を含み、
前記処理部は、
複数の前記バッチそれぞれについて、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を前記第1サブシステムおよび前記第2サブシステムに振り分けて処理するときの、前記第1サブシステムでの第3作業量と、前記第2サブシステムでの第4作業量と、を算出し、
複数の前記バッチそれぞれについて、前記第3作業量と前記第4作業量とに基づいて、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を、前記第1サブシステムおよび前記第2サブシステムに振り分ける、
構成例1から3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成例5)
前記第3単位で処理される物品の個数は、前記第1単位で処理される物品の個数より小さく、
前記処理部は、
前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品のうち、前記第2サブシステムの処理対象として定められている第2物品以外の第1物品を前記第1サブシステムに振り分け、前記第2物品を前記第2サブシステムに振り分け、
前記第4作業量が前記第3作業量より大きい場合に、前記第2物品のうち一部を、前記第1サブシステムに振り分け直す、
構成例4に記載の情報処理装置。
(構成例6)
前記第1サブシステムは、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を前記第1単位でピッキングするシステムであり、
前記第2サブシステムは、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を前記第3単位でピッキングするシステムである、
構成例4に記載の情報処理装置。
(構成例7)
前記処理部は、
前記バッチに含まれる前記第1単位の個数を、前記第1システムが単位時間当たりに処理する前記第1単位の個数で除算した値を前記第1作業量として算出し、
前記バッチに含まれる前記第2単位の個数を、前記第2システムが単位時間当たりに処理する前記第2単位の個数で除算した値を前記第2作業量として算出する、
構成例1から6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成例8)
前記第1システムは、物品を前記第1単位でピッキングするピッキングシステムであり、
前記第2システムは、前記ピッキングシステムにより前記第1単位でピッキングされた物品を、前記第2単位で仕分ける仕分けシステムである、
構成例1から6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成例9)
前記処理部は、
複数の前記オーダーの処理期限に基づいて割り当てるバッチの候補を決定し、前記候補に同じ前記第1識別情報を含むオーダーがより多く含まれるように、前記候補を決定する処理を繰り返すことにより、複数の前記オーダーを割り当てるバッチを決定する、
構成例1から8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成例10)
前記処理部は、
複数の前記オーダーごとの、前記オーダーが割り当てられたバッチを識別する第2識別情報を含む第1出力情報を出力する、
構成例1から9のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成例11)
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
1種類以上の物品を識別する第1識別情報を含む複数のオーダーそれぞれを、複数のバッチのいずれかに割り当てるステップと、
複数の前記バッチそれぞれについて、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を第1単位で処理するシステムを含む第1システムでの第1作業量と、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を、前記第1単位で処理される物品の個数とは異なる個数の単位である第2単位で処理するシステムを含む第2システムでの第2作業量と、を算出するステップと、
前記第1作業量および前記第2作業量に基づいて、複数の前記バッチに含まれる前記オーダーを変更するステップと、
を含む情報処理方法。
(構成例12)
コンピュータに、
1種類以上の物品を識別する第1識別情報を含む複数のオーダーそれぞれを、複数のバッチのいずれかに割り当てるステップと、
複数の前記バッチそれぞれについて、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を第1単位で処理するシステムを含む第1システムでの第1作業量と、前記バッチに含まれる前記第1識別情報の物品を、前記第1単位で処理される物品の個数とは異なる個数の単位である第2単位で処理するシステムを含む第2システムでの第2作業量と、を算出するステップと、
前記第1作業量および前記第2作業量に基づいて、複数の前記バッチに含まれる前記オーダーを変更するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【0129】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0130】
100 情報処理装置
110 処理部
111 作成部
112 割当部
113 算出部
114 変更部
115 振分部
116 出力制御部
120 記憶部
121 出荷オーダー情報
122 明細情報
123 物品マスタ情報
124 ピッキングステーション情報
125 ソーターマスタ情報
126 作業主体マスタ情報
127 トータルピッキング変換情報
128 トータルピッキング作業量情報
200 倉庫管理システム
300 保管システム
400 搬送システム
600 仕分けシステム
【要約】
【課題】複数のシステムを含むシステム全体の作業の効率を向上させる。
【解決手段】情報処理装置は、処理部を備える。処理部は、1種類以上の物品を識別する第1識別情報を含む複数のオーダーそれぞれを、複数のバッチのいずれかに割り当てる。処理部は、複数のバッチそれぞれについて、バッチに含まれる第1識別情報の物品を第1単位で処理するシステムを含む第1システムでの第1作業量と、バッチに含まれる第1識別情報の物品を、第1単位で処理される物品の個数とは異なる個数の単位である第2単位で処理するシステムを含む第2システムでの第2作業量と、を算出する。処理部は、第1作業量および第2作業量に基づいて複数のバッチに含まれるオーダーを変更する。
【選択図】
図2