(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】マスクインナー
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
A41D13/11 J
(21)【出願番号】P 2024079201
(22)【出願日】2024-05-15
【審査請求日】2024-05-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】718001399
【氏名又は名称】石倉 一成
(72)【発明者】
【氏名】石倉 一成
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-176343(JP,A)
【文献】国際公開第2021/251457(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3033542(JP,U)
【文献】特開2021-188227(JP,A)
【文献】特開2012-081241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着シートよりなり、衛生マスクを装着した際その内側に納まるとともに、
眉間から鼻部の頂点の下方に至る前記鼻部の周囲を覆い、前記下方に呼吸孔を有するフード部と、目部の下側に
粘着する呼気シールド部とを備え、前記呼気シールド部により呼気の上方への漏れを遮断し、前記フード部と前記呼吸孔により前記呼気を前記鼻部より下方向に誘導し排気する事を特徴とするマスクインナー。
【請求項2】
前記粘着シートとして伸縮性のない粘着シートを用い、前記粘着シートが顔肌に粘着する事を特徴とする請求項1記載のマスクインナー。
【請求項3】
前記粘着シートの前記衛生マスクと接する側に粘着面を備え、前記衛生マスクと前記粘着面との間の隙間を通って吸引されてくる花粉や微細粉塵を前記粘着面に吸着させる事を特徴とする請求項1または2記載のマスクインナー。
【請求項4】
前記粘着面において、凸凹構造を形成してなる事を特徴とする請求項3記載のマスクインナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメガネの曇り止め機能と、表情筋のトレーニング機能と、花粉等微細粉塵の吸入抑制機能を備えたマスクインナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば抗アレルギー薬があまり効かない人や、持病の関係で薬を減らしたい人や元々薬を嫌う人にとっての花粉症対策は、まずは衛生マスクの着用が考えられるが、しかしメガネと併用する場合にはレンズが曇りやすいというストレスがどうしてもあった。また衛生マスクと顔肌との隙間を通って一定量の花粉が流入してくる事が避けられなかったり、あるいは長期間衛生マスクをただ我慢して着用せざるを得ないという不毛感も拭えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6572409
【文献】特許6673593
【文献】特開2009-226183
【文献】特開2009-066382
【文献】実登3091224
【文献】特開2009-000420
【文献】特開2023-122755
【文献】実登3232892
【文献】特開2009-95574
【文献】特開2016-063940
【文献】特開2014-161393
【文献】特開2007-244842
【文献】実登3112774
【文献】特開2022-073586
【文献】特開2022-019526
【文献】特許6864399
【文献】特開2020-147886
【文献】実登3175823
【文献】特許4697563
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明(本発明者考案の「微細粉塵吸着具」)は伸縮性のある素材を用いた発明であるが、それは使い心地を重視したためであった。しかし前記伸縮性のある素材(例えば絆創膏の材料となるシート)をそのまま両面テープ状にした素材を用意する必要があり、これを量産しようとすれば生産ラインを新たに構築しなければならないなど莫大な投資が必要であった。よって現実的な生産方法として前記絆創膏の材料となるシートに両テープを貼る方法を検討したが、市中に流通している両面テープは伸縮性がないため使い心地が悪くなる事が避けられなかった。また別のデメリットとして、メガネの曇り止め機能も有していないので前記メガネを併用される人にとっては長い花粉シーズンにおいて使用し続けるには大きなストレスがあった(ちなみに本発明で新たに考案したメガネの曇り止め効果が期待できる呼気を下方向に誘導するフード部を仮に形成させたとしても、例えば前記絆創膏の材料となるシートではすぐにクシャクシャとなって形状を保持させる事ができず実現させる事は困難であった)。そこでエラストマー樹脂での製品化を目指し、前記
フード部を形成させた試作品の装着実験を繰り返したところ、花粉等微細粉塵の吸着には何の問題もないものの汗で顔肌との粘着力が次第に低下する事が判明し、その結果目部の下側の箇所から呼気が漏れてメガネの曇り止め効果を得る事が困難であるという事が判明した。そこで本発明者は発想を逆転させて、あえて伸縮性のない素材を用いた試作品の装着実験を繰り返したところ、まず前記フード部の形成が容易であるとともに目部の下側の箇所が的確にシールドされ(以降、この箇所を「呼気シールド部」と称す)、同時に前記フード部に沿って呼気が的確に下方向に誘導されてメガネが曇る事を抑制しうる効果がある事が確認できた。また思わぬ効果として、前記伸縮性のない素材を用いる事で顔肌が固定されたまま笑ったり、会話したり、つまりは日常生活を送る事により表情筋に一定の負荷がかかり、結果的にそれが表情筋のトレーニングとなり、例えば頬や口回りのたるみを改善しうる効果がある事が判明した。
【0005】
特許文献2の発明は顔に装着したマスクの端縁側と、露出した皮膚に亘るように上から貼付することによりなる発明であり、本発明の様に衛生マスクの内側に装着する発明ではない。また表情筋のトレーニング機能も微細粉塵の吸入抑制機能も有していない。
【0006】
特許文献3~5の発明は衛生マスク側にメガネの曇り止め機能を有する何らかの構造を付加する事によりなる発明であり、本発明の様に顔肌側に粘着させる事によりなる発明ではない。また表情筋のトレーニング機能も微細粉塵の吸入抑制機能も有していない。
【0007】
特許文献6の発明は顔肌に粘着させる事によりメガネの曇り止め効果を有すると記されているが、本発明の様な呼気を下方向に誘導する機能はないためその効果は極めて小さいと考えざるをえない。また当該発明の粘着層2をあえて本発明に照らせば顔肌側粘着シート10に相当すると考えられるが、両面テープ22は備えられていないため衛生マスクとの隙間は形成されず、よって前記隙間を通って吸引されてくる微細粉塵を吸着させる事ができない。
【0008】
特許文献7の発明は笑顔の際の表情筋の状態を体感で学ぶための笑顔形成用補助具であって、表情筋のトレーニングのための発明ではない。また衛生マスクの内側に装着できず、メガネの曇り止め機能も微細粉塵の吸入抑制機能も有していない。
【0009】
特許文献8~13の発明は例えばベルト等で後頭部まで覆う事で顔肌に密着させてなる発明であり、本発明の様に顔肌に直接粘着させてなる発明ではない。また衛生マスクの内側には装着できず、メガネの曇り止め機能も微細粉塵の吸入抑制機能も有していない。
【0010】
特許文献14~19の発明は衛生マスク内に納まるか、充分小さいか、発明品そのものが衛生マスクも兼ねた発明ではあるが、基本的に伸縮性のある素材の特性を活用してなる発明であり、本発明の様に伸縮性のない素材の特性を活用してなる発明ではない。またメガネの曇り止め機能も微細粉塵の吸入抑制機能も有していない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は粘着シートよりなり、衛生マスクの内側に装着されるとともに、鼻部と口部に対応した呼吸孔を有するフード部と目部の下側の顔肌に粘着する呼気シールド部を備えた事を特徴とするマスクインナーを提供する。
【0012】
本発明は前記粘着シートとして伸縮性のない粘着シートを用い、前記粘着シートが顔肌に粘着する事を特徴とするマスクインナーを提供する。
【0013】
本発明は前記粘着シートの前記衛生マスクと接する側に粘着面を備え、前記衛生マスクと前記粘着面との間の隙間を通って吸引されてくる花粉や微細粉塵を前記粘着面に吸着させ
る事を特徴とするマスクインナーを提供する。
【0014】
本発明は前記粘着面において、凸凹構造を形成してなる事を特徴とするマスクインナーを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、目部の下側の顔肌に粘着する呼気シールド部を備える事により呼気が上方向に漏れない様シールドするとともに、フード部により呼気が下方向に誘導されるので、メガネが曇る事を抑制する事ができる。
【0016】
本発明によれば伸縮性のない材質を用いて顔肌を固定する事により、皮下脂肪がクッションとなって適度に表情筋が拘束されるので、この状態のまま笑ったり、会話したり、つまりは日常生活を送る事により表情筋のトレーニングを時間に拘束されず行う事ができる(例えばエステに通ったり、あるいはわざわざ鏡に向かって表情筋トレーニングするなどの時間的拘束をされる事なく、普通に日常生活を送るだけで頬や口の回りにたるみの改善を期待する事ができる)。
【0017】
本発明によれば前記粘着シートにおいて前記衛生マスクと接する側に粘着面を備える事により、前記衛生マスクと前記粘着面との間の隙間を通って吸引されてくる微細粉塵を前記粘着面に吸着させる事ができ、体内にまで吸引してしまう事を抑制する事ができる(例えば花粉症罹患において抗アレルギー薬があまり効かない人や、あるいは持病の関係で薬を減らしたい人や元々薬を嫌う人にとっての別の選択肢となりうる)。
【0018】
本発明によれば、前記衛生マスクと接する側の前記粘着面において凸凹構造を形成する事により、顔肌近くを通る吸気気流の流れをランダムする事ができ、微細粉塵を吸着する機能をより高める事ができる(例えば細菌やウィルス、黄砂やPM2.5などの微細粉塵の吸着にも高い効果を得る可能性がある)。
【0019】
本発明によれば衛生マスクの内側に納まるため、例えば日常的に使用しても外観的な違和感は全くない。また花粉対策と同時に表情筋のトレーニングもできるので、頬や口回りのたるみに悩んでいる人にとっては憂鬱な花粉シーズンを前向きに乗り切る動機付けともなりえ、三日坊主にもなりにくい。
【0020】
本発明によれば安価に量産できる可能性が高いので、例えば抗アレルギー薬や医療にかかる費用、あるいは化粧品やエステにかかる費用などを節約できる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】マスクインナー1x(本発明を製品化した場合の一事例)の基本的構造図
【
図2】マスクインナー1の装着手順1(谷折り目30・32の折り込み手順)
【
図3】マスクインナー1の装着手順2(谷折り目31の折り込み手順)
【
図4】マスクインナー1の装着手順3(谷折り目30・31・32入りマスクインナー1x)
【
図5】マスクインナー1の装着手順4(剥離紙20・21を剥がす手順)
【
図6】マスクインナー1の装着手順5(谷折り目30・31・32入りマスクインナー1)
【
図7】マスクインナー1の装着手順6(フード部1aを形成する手順1)
【
図8】マスクインナー1の装着手順7(フード部1aを形成する手順2)
【
図9】マスクインナー1の装着手順8(マスクインナー1の貼り込み手順)
【
図13】マスクインナー1の装着手順9(衛生マスク40装着手順1)
【
図14】マスクインナー1の装着手順10(衛生マスク40装着手順2)
【
図17】花粉200の吸着メカニズムの説明図(正面図)
【
図18】花粉200の吸着メカニズムの説明図(断面図)
【
図19】多孔状両面テープ22aを備えたマスクインナー2の基本的構造図
【
図20】多孔状両面テープ22aによる吸気気流101aが起きるメカニズム
図1
【
図21】多孔状両面テープ22aによる吸気気流101aが起きるメカニズム
図2
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず本発明に至る経過を述べる。本発明は[0004]でも述べた通りあえて伸縮性のない素材で試作品をつくり、その有用性を探ったところ(具体的には市販のクリアファイル素材の両面に両面テープを貼り、その片面にサージカルテープを前記サージカルテープの粘着面が露出する方向に貼って作成した試作品を、重度の花粉症罹患者でもある発明者自らが被検者となって1シーズンほぼ24時間装着実験し続けたところ)、まず前記フード部を形成させる事が容易であるとともに汗で粘着力が低下する事もないため、目部の下側が的確にシールドされて当該箇所(呼気シールド部)から呼気が漏れてメガネを曇らすという事態にはなりにくいという事が判明した。次に、確かに顔肌が固定されて使い心地は良くないものの、あえてその状態で笑ったり、会話したり、つまりは日常生活を送る事で表情筋がトレーニングされるというメリットがある事が判明した(具体的には、前記表情筋のトレーニングが進むにつれて使い心地の悪さがさほど気にならなくなっていくとともに、前記被験者の頬や口回りのたるみがほぼなくなっていくという現象が起きた。ちなみに前記被験者は当時63歳であった)。しかし長時間使用した場合、目尻下の頬あたりが前記クリアファイル素材の端縁部に当たり押しジワが入りやすい事と、同じ理由で口を動かす事により負荷が多くかかるアゴ部に軽い痛みが伴うとともに軽い負荷跡が残る事が判明したため、これを解決するためには前記端縁部が前記顔肌から浮く様に当該箇所付近を少し折り曲げた方がよいという事を突き止めた。また前記フード部の断面が釣鐘型となって小鼻を圧迫し、呼吸がしづらくなる事が判明したため、これを解決するためには前記フード部の断面がおわん型となる様に目頭に対応する付近から口角に対応する付近にかけてあらかじめ折り目をいれてから使用した方がよいという事を突き止めた。また本発明の微細粉塵の吸着効果をより高めるには、例えば前記粘着面に無数の凸凹構造を形成させて顔肌の近くを流れる吸気気流をランダムに流れさせた方が良いに違いないという考えにも至った(理論上、最適な凸凹の大きさや配置を研究しさえすれば花粉だけではなく例えば細菌やウィルス、黄砂やPM2.5などの微細粉塵に対しての吸着効果を高める可能性がある)。
【0023】
図1はマスクインナー1xの基本的構造図である。具体的には伸縮性のないシート11の両面に両面テープ22を貼りつつその片面に顔肌側粘着シート10を顔肌側粘着シート10の粘着面が露出する方向に貼り、これの両面に剥離紙20・21をそれぞれ貼りつつ任意形状に型抜きし、これの任意位置に折り目ライン30a・31a・32aをそれぞれ左右に1対づつ入れたものである(なお折り目ライン30a・31a・32aはあらかじめ折り癖を付けておくという手法と、あらかじめ剥離紙21に印刷しておくという手法の2通り考えられるが、前者は折り曲げやすいという利点があり、後者は使用者の顔に合わせ微妙に曲げ位置を調整できるという利点があるという事だけここでは申し述べておく)。
【0024】
図2はマスクインナー1の装着手順1であって、マスクインナー1xの折り目ライン30a・32a(あるいは折り目ライン30a・32a付近)を折って谷折り目30・32をそれぞれ左右に一対ずつ入れる工程を説明している。
【0025】
図3はマスクインナー1の装着手順2であって、マスクインナー1xの折り目ライン31a(ある
いは折り目ライン31a付近)を折って谷折り目31を左右に一対入れる工程を説明している。
【0026】
図4はマスクインナー1の装着手順3であって、谷折り目30・31・32の折り癖がついた状態のマスクインナー1xの姿図である。
【0027】
図5はマスクインナー1の装着手順4であって、谷折り目30・31・32の折り癖がついた状態のマスクインナー1xの剥離紙20・21を剥がし、マスクインナー1を露出させる手順である。
【0028】
図6はマスクインナー1の装着手順5であって、谷折り目30・31・32の折り癖がついた状態のマスクインナー1の姿図である。
【0029】
図7はマスクインナー1の装着手順6であって、マスクインナー1の両端を同一平面上の位置関係となる様開き、フード部1aを形成させる手順である。
【0030】
図8はマスクインナー1の装着手順7であって、マスクインナー1の両端を同一平面上の位置関係のままへの字に曲げ、フード部1aをより鋭い半円錐状に形成させる手順である。
【0031】
図9はマスクインナー1の装着手順8であって、顔肌12にマスクインナー1を、フード部1aと使用者の鼻部とを嵌め合わせつつ顔肌側粘着シート10の粘着力を用いて貼り付ける手順を示している。
【0032】
図10はマスクインナー1の装着状態図であって、フード部10aの内側と呼気シールド部10aを含む顔肌側粘着シート10が、使用者の鼻部表面の顔肌と目の下側の顔肌を含む顔肌12に粘着するとともに、この工程においてアゴ部に対応する帯状の箇所を左右重ね合わせつつ貼り付ける事で呼吸孔1bが形成される事などを説明している。
【0033】
図11は谷折り目30・32の効果説明図であって、具体的には谷折り目30・32がない場合には押しジワ30xと負荷跡32xが入りやすい事を示した正面図(a)(b)と、谷折り目30・32がある場合には押しジワ30xと負荷跡32xが入りにくい事を示した正面図(c)(d)である。
【0034】
図12は谷折り目31の効果説明図であって、具体的には谷折り目31がない場合にはフード状構造となる箇所の断面が釣鐘型となり小鼻を圧迫するベクトル1xが発生する事を説明する(a)と、谷折り目31を形成する事によりおわん型のフード部1aが形成されて小鼻を圧迫しない事を説明する(b)である。
【0035】
図13はマスクインナー1の装着手順9であって、顔肌12に貼りつけたマスクインナー1の上から衛生マスク40を装着しようとしているところを示している。
【0036】
図14はマスクインナー1の装着手順10であって、装着した衛生マスク40を両手で上から軽く押さえ、なじませているところ示している。
【0037】
図15はメガネの曇り止め効果に関する説明図である。具体的には、呼気シールド部10aによって呼気気流100が上側に漏れない様シールドさるとともに、フード部1aに誘導されて呼気気流100が呼吸孔1bを通りつつ衛生マスク40を透過して下方向に排気され、メガネ50の方向には流れにくくなっている状況を示している。
【0038】
図16はマスクインナー1を用いて表情筋のトレーニングをしているところを示したイメージ図である。具体的には笑っているところを描いたイメージ図(a)と大声を出している
ところを描いたイメージ図(b)であるが、それぞれ顔肌12が固定されつつ表情をつくる事により表情筋に負荷がかかり、トレーニングされる事を示している。
【0039】
図17・
図18は花粉等微細粉塵の吸着メカニズムに関する説明図である。具体的には起毛41により生じる衛生マスク40と両面テープ11との隙間から、吸気気流101に乗って微細粉塵200(例えば花粉)が流入してくるものの、その多くが両面テープ11の粘着力により吸着されるという状況を示した説明図であり、その全体的なイメージを示した正面図(
図17)と、そのメカニズムをより詳しく説明した断面図(
図18)である。
【0040】
図19はより微細粉塵を吸着する効果を高めるために、粘着面として多孔状両面テープ22aを備えたマスクインナー2の基本的構造図である。
【0041】
図20は多孔状両面テープ22aを備えたマスクインナー2の、凹構造22bと凸構造22cにより吸気気流101aがランダムに流れ、微細粉塵200がより多孔状両面テープ22aに吸着されやすくなるという事を示したイメージ図である。
【0042】
図21はマスクインナー2の微細粉塵200の吸着力をさらに高めるべく、多孔状両面テープ22aと両面テープ22を重ね貼りした場合のイメージ図である(ちなみに吸気気流101aがランダムに流れるメカニズムに関しては
図20と同じである)。
【0043】
図22は本発明がブラッシュアップされて細菌やウィルスの吸引抑制機能が充分高い製品ができたと仮定した上で、その次のステップとなる発明を示唆するものである。具体的には、そもそも本発明は細菌やウィルスの吸引を抑制して疾病に罹患しない様にする事も視野に入れた発明であるが、その恩恵は本発明の利用者だけに限られるため、不特定多数の人が恩恵を受ける事ができる呼気殺菌装置Aがあればよりよいと考えたため示唆するものである(構造としては
図22で示した通りであるが、極簡単に説明すると、マスク40とマスクカバーA1の隙間に流入気流102を排気ファンA4の駆動によりダクトA2を介して常に発生させ、呼気を殺菌装置A3にて殺菌しつつ排気気流103として回りの空間へ排気するという仕組みとなっている。ちなみ排気気流103は顔から遠いところに排気されるのでメガネは曇らないため、使い心地が配慮された特許文献1の発明品の併用も考えられるという事は念のため付け加えておく)。なおこれを示唆した理由は、例えば重症化リスク2類以上の疾病罹患者と濃厚接触した場合、仮に本発明で罹患リスクを最小限に抑える事ができたとしても現状では外出規制を余儀なくされるが、呼気殺菌装置Aを装着しさえすればクラスターとなる可能性をほぼなくす事ができるので、例えばソーシャルワーカーなどライフラインに携わる方々が症状を発症させていないにも関わらず外出規制を余儀なくされるという不合理を解決できる可能性があるからである。つまり本発明で罹患リスクを最小限に抑え、呼気殺菌装置Aで他者への罹患リスクを最小限に抑える事ができさえすれば、またいつ発生するのか予測できない新たなパンデミック(例えば新、新型コロナ)に対しても物理的に対応する事ができ、例えばワクチンを打ちたくない人にとって新たな選択肢となりえるからである(あるいは、より安全安心なワクチンを開発するための時間かせぎをする事ができるからである)。
【符号の説明】
【0044】
・ マスクインナー(製品化した場合の一事例)
1a フード部
1b 呼吸孔
1x 鼻孔への圧縮ベクトル
2 マスクインナー(多孔状両面テープ22aを備えたマスクインナー1)
10 顔肌側粘着シート(例えばサージカルテープ)
10a 呼気シールド部(顔肌側粘着シートの一部位)
11 伸縮性のほぼないシート(例えばクリアファイル素材)
12 顔肌
20 剥離紙(顔肌側)
21 剥離紙(微細粉塵吸着側)
22 両面テープ(両面に粘着面を備えたテープ)
22a パンチングメタル状両面テープ(凸凹構造形成様両面テープ)
22b 凹構造(穴)
22c 凸構造(穴のあいていいない部分)
30 谷折り目(押しジワ30x回避用谷折り目)
30a 折り目ライン(谷折り目30を入れるための目安ライン)
30x 押しジワ(谷折り目30がない場合に入りやすい押しジワ)
31 谷折り目(フード状構造1a適正形成様谷折り目)
31a 折り目ライン(谷折り目31を入れるための目安ライン)
32 谷折り目 (押し負荷跡32x回避用谷折り目)
32a 折り目ライン(谷折り目32を入れるための目安ライン)
32x 負荷跡(谷折り目32がない場合に負荷のかかった箇所)
40 衛生マスク
41 起毛
50 メガネ
100 呼気気流
101 吸気気流
101a 吸気気流(ランダムに流れる吸気気流)
102 流入気流(排気ファンA4により強制的に流入される気流)
103 排気気流(排気ファンA4により強制的に排出される、殺菌された排気)
200 微細粉塵(例えば花粉)
A 呼気殺菌装置
A1 マスクカバー
A2 ダクト
A3 殺菌装置(例えば高周波紫外線発生装置)
A4 排気ファン
【要約】 (修正有)
【課題】本発明は伸縮性のない粘着シートを用い、前記粘着シートが顔肌に粘着し、また衛生マスクを装着した際にメガネの曇り止め効果が期待でき、表情筋のトレーニングもでき、花粉等微細粉塵の吸入を抑制する事もできるマスクインナーを提供する。
【解決手段】吐息の下方向誘導機能を有するフード状構造(フード部1a)と呼吸孔1bを備えた、伸縮性のない両面粘着シート11からなるマスクインナー。
【選択図】
図10