(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】液体タンクおよび液体注入方法
(51)【国際特許分類】
B65D 23/00 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
B65D23/00 L
(21)【出願番号】P 2024135440
(22)【出願日】2024-08-14
【審査請求日】2024-08-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226231
【氏名又は名称】日機装エイコー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】松岡 璃玖
(72)【発明者】
【氏名】中島 正登
(72)【発明者】
【氏名】藤原 一生
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6945434(US,B1)
【文献】国際公開第2015/134963(WO,A1)
【文献】実開昭61-125908(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が貯蔵される液体タンクであって、
前記液体は、前記液体が貯蔵された立方体状の液体容器の放出面に配置される放出口から、前記液体タンクに注入されて、
相互に直交する3軸それぞれがX軸とY軸とZ軸とであり、前記X軸に沿う方向はX軸方向であり、前記Y軸に沿う方向はY軸方向であり、前記Z軸に沿う方向は上下方向であるとき、
前記液体容器が載置される載置面と、
前記載置面に載置された前記液体容器のうち、+X軸方向に向けられる面の下方向側が突き当てられる突当部と、
前記突当部に突き当てられた前記液体容器の前記放出口から放出された前記液体が注入される注入口と、
を有してなり、
前記突当部は、
前記載置面の前記+X軸方向に、前記載置面に隣接して配置されて、
前記載置面の前記+X軸方向側の端部よりも上方向に突出して、
前記液体容器が前記突当部に突き当てられた状態から、前記液体容器の上方向側に前記+X軸方向に向かう外力が加えられたとき、前記液体容器と前記突当部との接触部は、前記液体容器が-X軸方向から前記+X軸方向に向けて回転する支点として、機能して、
前記突当部は、前記液体が前記液体容器の回転に伴い前記放出口から前記注入口に向けて放出されるように、形成されて、
前記液体容器の前記回転により前記放出面が下方向に向けられたとき、前記注入口は、前記放出口に対向する位置に、配置される、
液体タンク。
【請求項2】
前記Y軸方向視において、前記載置面の形状は、前記上方向に凸の曲面状である、
請求項1に記載の液体タンク。
【請求項3】
前記載置面の形状は、
平面状であり、
前記Y軸方向視において、水平面に対して傾斜する、
請求項1に記載の液体タンク。
【請求項4】
前記Y軸方向視において、前記突当部の形状は、前記上方向に凸の曲面状である、
請求項1に記載の液体タンク。
【請求項5】
前記突当部は、
前記液体容器が前記突当部に突き当てられたとき、前記液体容器に接触する接触面、
を備えて、
前記接触面は、前記上下方向に、平行である、
請求項1に記載の液体タンク。
【請求項6】
前記注入口は、前記放出口から放出された前記液体の軌道上に、配置される、
請求項1に記載の液体タンク。
【請求項7】
前記液体容器の前記回転により前記放出面が前記下方向に向けられた前記液体容器が載置される注入面、
を有してなり、
前記注入面は、
前記上方向視において、前記注入口の全周を囲む、
請求項1に記載の液体タンク。
【請求項8】
前記液体容器が前記載置面に載置されたとき、前記放出口は、前記放出面の前記-X軸方向側に配置されて、
前記注入面の前記-X軸方向側の端部は、前記注入面の前記+X軸方向側の端部よりも、高い、
請求項7に記載の液体タンク。
【請求項9】
前記液体容器が前記載置面に載置されたとき、前記放出口は、前記放出面の前記+X軸方向側に配置されて、
前記注入面の前記+X軸方向側の端部は、前記注入面の前記-X軸方向側の端部よりも、高い、
請求項7に記載の液体タンク。
【請求項10】
前記上方向視において、前記注入面の全周を囲む矩形枠状の注入枠、
を有してなり、
前記注入枠は、
内周面、
を備えて、
前記上方向視において、前記X軸方向と前記Y軸方向それぞれにおける前記内周面同士の間隔は、前記内周面の上端から下端に向かうにつれて、小さくなる、
請求項8または9に記載の液体タンク。
【請求項11】
前記液体容器が前記-X軸方向から前記+X軸方向に向けて回転することにより、前記放出面が前記+X軸方向に向けられた前記液体容器が載置される第2載置面と、
前記第2載置面に載置された前記液体容器の前記放出面の下方向側が突き当てられる第2突当部と、
を有してなり、
前記第2載置面は、前記突当部の前記+X軸方向に配置されて、
前記第2突当部は、
前記上方向視において、前記注入口の全周を囲み、
前記第2載置面の前記+X軸方向に、前記第2載置面に隣接して配置されて、
前記第2載置面の前記+X軸方向側の端部よりも上方向に突出して、
前記液体容器が前記第2突当部に突き当てられた状態から、前記液体容器の上方向側に前記+X軸方向に向かう外力が加えられたとき、前記液体容器と前記第2突当部との接触部は、前記液体容器が前記-X軸方向から前記+X軸方向に向けて回転する支点として、機能する、
請求項1に記載の液体タンク。
【請求項12】
前記載置面は、
前記液体容器が載置される第1傾斜面と、
前記第1傾斜面の前記+X軸方向に、前記第1傾斜面に隣接して配置される第2傾斜面と、
前記第1傾斜面の前記-X軸方向に、前記第1傾斜面に隣接して配置される支持面と、
を備えて、
前記Y軸方向視において、前記第1傾斜面は、前記-X軸方向から前記+X軸方向に向かうにつれて、前記第1傾斜面の位置が連続的に高くなるように、水平面に対して傾斜する傾斜面であり、
前記Y軸方向視において、前記第2傾斜面は、前記-X軸方向から前記+X軸方向に向かうにつれて、前記第2傾斜面の位置が連続的に低くなるように、水平面に対して傾斜する傾斜面であり、
前記支持面の前記-X軸方向側の端部は、前記第1傾斜面の前記-X軸方向側の端部よりも、高く、
前記第1傾斜面の前記-X軸方向側の前記端部から前記+X軸方向側の端部までの長さと、前記第2傾斜面の前記-X軸方向側の端部から前記+X軸方向側の端部までの長さと、の和は、前記第1傾斜面に載置された前記液体容器の下面の長さよりも、大きい、
請求項1に記載の液体タンク。
【請求項13】
前記載置面は、
前記X軸方向に沿う、複数の溝部、
を備えて、
前記溝部は、
前記溝部の前記-X軸方向側の端部である第1端部と、
前記溝部の前記+X軸方向側の端部である第2端部と、
を備えて、
前記第1端部は、前記-X軸方向に向けて開口して、
前記溝部は、
前記Y軸方向視において、前記第1傾斜面の前記-X軸方向側の前記端部から前記第2傾斜面まで配置されて、
前記第1端部から前記第2端部に向かうにつれて、前記溝部の位置が連続的に高くなるように、水平面に対して傾斜する傾斜面である、
請求項12に記載の液体タンク。
【請求項14】
液体が貯蔵された立方体状の液体容器の放出面に配置される放出口から、前記液体が貯蔵される液体タンクに前記液体を注入する液体注入方法であって、
相互に直交する3軸それぞれがX軸とY軸とZ軸とであり、前記X軸に沿う方向はX軸方向であり、前記Y軸に沿う方向はY軸方向であり、前記Z軸に沿う方向は上下方向であるとき、
前記液体タンクは、
前記液体容器が載置される載置面と、
前記載置面に載置された前記液体容器のうち、+X軸方向に向けられる面の下方向側が突き当てられる突当部と、
前記突当部に突き当てられた前記液体容器の前記放出口から前記液体が注入される注入口と、
前記液体容器の回転により前記放出面が下方向に向けられた前記液体容器が載置される注入面と、
を備えて、
前記液体容器を前記載置面に載置する第1載置ステップと、
前記載置面に載置された前記液体容器のうち、前記+X軸方向に向けられる前記面の前記下方向側を前記突当部に突き当てる突当ステップと、
前記液体容器の上方向側に前記+X軸方向に向かう外力を加える外力印加ステップと、
前記液体容器を-X軸方向から前記+X軸方向に向けて回転させて、前記液体を前記放出口から前記注入口に注入する注入ステップと、
を有してなり、
前記注入ステップは、前記液体を前記放出口から前記注入口に注入しながら、
前記放出面を前記下方向に向けて、
前記放出面が前記下方向に向けられた前記液体容器を前記注入面に載置する、
第2載置ステップ、
を含む、
液体注入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体タンクおよび液体注入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体容器から注入された液体を貯蔵する液体タンクが、知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている液体タンク(以下「従来液体タンク」という。)は、載置面および液体投入口を、備える。従来液体タンクの使用者が載置面に載置された液体容器を液体投入口に向けて傾けることにより、液体容器に貯蔵された液体は、液体容器から液体投入口(従来液体タンク)に、注入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来液体タンクでは、液体容器は、載置面の任意の位置に、載置される。そのため、液体容器が液体投入口に向けて傾けられるとき、載置面における液体容器の支点の位置は、液体容器が載置される位置により、変わる。載置面に対する液体容器の位置(支点の位置)が適切な位置でないとき、使用者は、液体を、液体容器から液体投入口に、注入し難い。また、液体は、液体投入口の外に、こぼれ得る。すなわち、従来液体タンクにおいて、使用者が液体を載置面に載置された液体容器から液体投入口に安定して注入するためには、使用者の技量や経験が、求められる。
【0006】
本発明は、使用者の技量や経験に依存することなく、液体を液体タンク内に安定して注入可能な液体タンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様における液体タンクは、液体が貯蔵される液体タンクであって、前記液体は、前記液体が貯蔵された立方体状の液体容器の放出面に配置される放出口から、前記液体タンクに注入されて、相互に直交する3軸それぞれがX軸とY軸とZ軸とであり、前記X軸に沿う方向はX軸方向であり、前記Y軸に沿う方向はY軸方向であり、前記Z軸に沿う方向は上下方向であるとき、前記液体容器が載置される載置面と、前記載置面に載置された前記液体容器のうち、+X軸方向に向けられる面の下方向側が突き当てられる突当部と、前記突当部に突き当てられた前記液体容器の前記放出口から放出された前記液体が注入される注入口と、を有してなり、前記突当部は、前記載置面の前記+X軸方向に、前記載置面に隣接して配置されて、前記載置面の前記+X軸方向側の端部よりも上方向に突出して、前記液体容器が前記突当部に突き当てられた状態から、前記液体容器の上方向側に前記+X軸方向に向かう外力が加えられたとき、前記液体容器と前記突当部との接触部は、前記液体容器が-X軸方向から前記+X軸方向に向けて回転する支点として、機能して、前記突当部は、前記液体が前記液体容器の回転に伴い前記放出口から前記注入口に向けて放出されるように、形成されて、前記液体容器の前記回転により前記放出面が下方向に向けられたとき、前記注入口は、前記放出口に対向する位置に、配置される。
【0008】
本発明の一実施態様における液体注入方法は、液体が貯蔵された立方体状の液体容器の放出面に配置される放出口から、前記液体が貯蔵される液体タンクに前記液体を注入する液体注入方法であって、相互に直交する3軸それぞれがX軸とY軸とZ軸とであり、前記X軸に沿う方向はX軸方向であり、前記Y軸に沿う方向はY軸方向であり、前記Z軸に沿う方向は上下方向であるとき、前記液体タンクは、前記液体容器が載置される載置面と、前記載置面に載置された前記液体容器のうち、+X軸方向に向けられる面の下方向側が突き当てられる突当部と、前記突当部に突き当てられた前記液体容器の前記放出口から前記液体が注入される注入口と、前記液体容器の回転により前記放出面が下方向に向けられた前記液体容器が載置される注入面と、を備えて、前記液体容器を前記載置面に載置する第1載置ステップと、前記載置面に載置された前記液体容器のうち、前記+X軸方向に向けられる前記面の前記下方向側を前記突当部に突き当てる突当ステップと、前記液体容器の上方向側に前記+X軸方向に向かう外力を加える外力印加ステップと、前記液体容器を-X軸方向から前記+X軸方向に向けて回転させて、前記液体を前記放出口から前記注入口に注入する注入ステップと、を有してなり、前記注入ステップは、前記液体を前記放出口から前記注入口に注入しながら、前記放出面を前記下方向に向けて、前記放出面が前記下方向に向けられた前記液体容器を前記注入面に載置する、第2載置ステップ、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、使用者の技量や経験に依存することなく、液体を液体タンク内に安定して注入可能な液体タンクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る液体タンクの実施の形態を示す、同液体タンクの斜視図である。
【
図3】
図2のAA線における上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図5】上記液体タンクに注入される液体を貯蔵する液体容器の模式図である。
【
図6】本発明に係る液体注入方法の実施の形態を示すフローチャートである。
【
図7】上記液体容器が上記液体タンクの載置面に載置された状態を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図8】上記液体容器が上記液体タンクの突当部に突き当てられる様子を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図9】
図6の液体注入方法に含まれる液体注入処理のフローチャートである。
【
図10】上記液体容器が上記液体容器と上記突当部との接触部を支点として回転する様子を示す、上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図11】上記接触部を支点として回転する上記液体容器の放出口から上記液体が放出される様子を示す、上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図12】上記液体を放出しながら回転する上記液体容器が上記液体タンクの注入面に接触する様子を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図13】上記液体を放出しながら回転する上記液体容器が上記液体タンクの注入枠の内周面に突き当てられる様子を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図14】上記液体容器が上記液体タンクの注入面に載置される様子を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図15】上記液体容器が上記注入面に載置された状態を示す、上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図16】本発明に係る液体タンクの別の実施の形態を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図17】本発明に係る液体注入方法の別の実施の形態を示すフローチャートである。
【
図18】上記液体容器が上記載置面に載置された状態を示す、上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図19】上記液体容器が上記突当部に突き当てられる様子を示す、上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図20】
図17の液体注入方法に含まれる液体注入処理のフローチャートである。
【
図21】上記液体容器が上記液体容器と上記突当部との接触部を支点として回転する様子を示す、上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図22】上記液体容器が上記液体タンクの第2載置面に載置される様子を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図23】上記第2載置面に載置された上記液体容器が上記液体タンクの第2突当部に突き当てられる様子を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図24】上記液体容器が上記液体容器と上記第2突当部との接触部を支点として回転する様子を示す、上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図25】上記液体容器が上記第2突当部の上面に載置される様子を示す、上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図26】本発明に係る液体タンクのさらに別の実施の形態を示す、同液体タンクの上面図である。
【
図27】
図26のAA線における上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図28】本発明に係る液体注入方法のさらに別の実施の形態を示すフローチャートである。
【
図29】上記液体容器が上記液体タンクの第1傾斜面に載置された状態を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図30】
図28の液体注入方法に含まれる液体注入処理のフローチャートである。
【
図31】上記液体容器が上記載置面の稜部を支点として回転する様子を示す、上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図32】上記液体容器が上記液体タンクの第2傾斜面に載置される様子を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図33】上記第2傾斜面に載置された上記液体容器が上記突当部に突き当てられる様子を示す、上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図34】上記液体容器が上記液体容器と上記突当部との接触部を支点として回転する様子を示す、上記液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図35】上記液体容器が上記突当部の上面および上記液体タンクの注入口の導入面に載置される様子を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図36】本発明に係る液体タンクの変形例を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【
図37】本発明に係る液体タンクの別の変形例を示す、同液体タンクの部分拡大模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る液体タンク(以下「本タンク」という。)および液体注入方法(以下「本方法」という。)の実施の形態は、以下に、図面と共に説明される。各図において、同一の部材および要素については同一の符号が付されて、重複する説明は省略される。また、各要素の寸法比率は、説明の便宜上、誇張されている場合が有り、各図面に図示されている比率に、限定されない。
【0012】
以下の説明において、特に断りがない限り、空間において相互に直交する3軸がX軸、Y軸およびZ軸であるとき、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は上下方向に平行である。「X軸方向」はX軸に沿う方向であり、「+X方向」はX軸方向の一方向であり、「-X方向」はX軸方向の他方向である。「Y軸方向」はY軸に沿う方向であり、「+Y方向」はY軸方向の一方向であり、「-Y方向」はY軸方向の他方向である。「Z軸方向」は、Z軸に沿う方向であり、上下方向である。「+Z方向」は上方向であり、「-Z方向」は下方向である。「XY方向」はX軸方向およびY軸方向に沿う方向であり、「XY平面」はXY方向に平行な仮想平面である。「XZ方向」はX軸方向およびZ軸方向に沿う方向であり、「XZ平面」はXZ方向に平行な仮想平面である。「YZ方向」はY軸方向およびZ軸方向に沿う方向であり、「YZ平面」はYZ方向に平行な仮想平面である。すなわち、XY平面は水平面であり、XZ平面およびYZ平面は鉛直面である。
【0013】
●本タンクの構成(1)●
先ず、本タンクの構成が以下に説明される。
【0014】
図1は、本タンクの実施の形態を示す、本タンクの斜視図である。
【0015】
本タンク1は、液体が貯蔵されるタンクである。本実施の形態において、「液体」は、例えば、薬液である。「薬液」は、例えば、外部機器(不図示。以下同じ。)内の水の消毒に用いられる、液状の薬品である。本タンク1は、本タンク1内に貯蔵された液体を、外部機器に、圧送する。本タンク1は、例えば、合成樹脂製である。上方向視において、本タンク1の形状は、XY方向に沿う、矩形状であり、直方体状である。本タンク1は、2個の収容部A,B、貯蔵空間(不図示。以下同じ。)、および液体注入部2を、備える。
【0016】
なお、本発明において、液体は、薬液に、限定されない。すなわち、例えば、液体は、水で希釈された薬品や純水でもよい。
【0017】
収容部A,Bは、本タンク1のうち、制御装置(不図示。以下同じ。)およびポンプ(不図示。以下同じ。)が収容されている部分である。本タンク1のうち、-X軸方向側の面の一部は+X軸方向側に矩形状に凹んでいて、2個の収容部A,Bが形成されている。収容部A,Bは、上下方向に並んで、配置されている。収容部Aは、本タンク1の壁部W1により、収容部Bと、物理的に隔離されている。収容部Aは制御装置を収容していて、収容部Bはポンプを収容している。制御装置は、ポンプの動作を、制御する。ポンプは、本タンク1に貯蔵された液体を、外部機器に、圧送する。
【0018】
貯蔵空間は、本タンク1のうち、注入口7に注入された液体が貯蔵される空間である。貯蔵空間は、本タンク1の内部に、配置されている。貯蔵空間は、注入口7の下方向に、配置されている。注入口7の詳細は、後述される。
【0019】
図2は、本タンク1の上面図である。
図3は、
図2のAA線における本タンク1の部分拡大模式断面図である。
【0020】
液体注入部2は、本タンク1に液体を注入する使用者(以下「使用者」という。)による、液体の注入を、補助する。液体注入部2は、本タンク1の上壁部W2により、構成されている。液体注入部2は、載置面3、突当部4、注入枠5、注入面6、および注入口7を、備える。載置面3、突当部4、注入枠5、注入面6、および注入口7それぞれは、一体に構成されている。また、載置面3、突当部4、注入枠5、注入面6、および注入口7それぞれは、X軸方向に沿って、配置されている。
【0021】
なお、本発明において、載置面3、突当部4、注入枠5、注入面6、および注入口7それぞれは、一体に構成されていなくてもよい。
【0022】
載置面3は、液体容器C(
図5参照。以下同じ。)が載置される面である。上方向視において、載置面3の形状は、XY方向に沿う、略矩形状である。Y軸方向視において、載置面3の形状は、上方向に凸の曲面状である。X軸方向における載置面3の長さは、液体容器Cの幅L1(
図5参照。以下同じ。)よりも、短い。Y軸方向における載置面3の長さは、液体容器Cの奥行L2(
図5参照。以下同じ。)よりも、長い。載置面3は、第1端部31および第2端部32を、備える。液体容器Cの詳細は、後述される。
【0023】
第1端部31は、載置面3の-X軸方向側の端部である。上方向視において、第1端部31の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。第1端部31は、第2端部32よりも、高い。
【0024】
第2端部32は、載置面3の+X軸方向側の端部である。上方向視において、第2端部32の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。
【0025】
突当部4は、本タンク1のうち、液体容器Cが突き当てられる部分である。突当部4には、載置面3に載置された液体容器Cのうち、+X軸方向に向けられる面の下方向側が、突き当てられる。上方向視において、突当部4は、載置面3から+X軸方向に向けて延設されていて、載置面3の+X軸方向に、載置面3に隣接して、配置されている。突当部4は、第2端部32よりも、上方向に、突出している。上方向視において、突当部4の形状は、XY方向に沿う、矩形状である。Y軸方向視において、突当部4の形状は、上方向に凸の曲面状である。X軸方向における突当部4の長さは、液体容器Cの高さL3(
図5参照。以下同じ。)よりも、短い。Y軸方向における突当部4の長さは、液体容器Cの奥行L2よりも、長い。突当部4は、第1端部41、第2端部42、突当頂部43、および接触面44を、備える。
【0026】
第1端部41は、突当部4の-X軸方向側の端部である。上方向視において、第1端部41の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。第1端部41は、第2端部42よりも、低い。
【0027】
第2端部42は、突当部4の+X軸方向側の端部である。上方向視において、第2端部42の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。
【0028】
突当頂部43は、突当部4の頂部である。X軸方向において、突当頂部43は、第1端部41と第2端部42との間に、配置されている。
【0029】
接触面44は、突当部4の上面45であり、液体容器Cが突当部4に突き当てられたとき、液体容器Cに接触する面である。Y軸方向視において、接触面44の形状は、上方向に凸の曲面状である。
【0030】
上方向視において、注入枠5は、注入面6の全周を囲むように、配置されている。上方向視において、注入枠5は、突当部4から+X軸方向に向けて延設されていて、突当部4の+X軸方向に、突当部4に隣接して、配置されている。上方向視において、注入枠5の形状は、XY方向に沿う、矩形枠状である。注入枠5は、上面51、内周面52、および稜部53を、備える。
【0031】
上方向視において、上面51は、内周面52の全周を囲むように、配置されている。上方向視において、上面51の形状は、XY方向に沿う、矩形枠状である。上面51の形状は、水平面に対して平行な平面状である。上面51は、第2端部42よりも、低い。
【0032】
上方向視において、内周面52は、上面51の内方向に、配置されている。上方向視において、内周面52の形状は、XY方向に沿う、矩形枠状であり、上下方向に扁平な逆四角錐台状である。すなわち、上方向視において、X軸方向およびY軸方向それぞれにおける内周面52同士の間隔は、内周面52の上端から下端に向かうにつれて、連続的に小さくなる。換言すれば、内周面52の位置は、内周面52の外縁から内縁に向かうにつれて、連続的に低くなる。すなわち、内周面52は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。
【0033】
上方向視において、稜部53は、上面51の内方向側の端部であり、内周面52の外方向側の端部である。すなわち、稜部53は、上面51と内周面52との間に、配置(形成)されている。上方向視において、稜部53の形状は、XY方向に沿う、矩形状である。
【0034】
注入面6は、液体容器Cの回転により放出面C1(
図5参照。以下同じ。)が下方向に向けられた液体容器Cが載置される面である。上方向視において、注入面6は、注入口7の全周を囲むように、配置されている。上方向視において、注入面6は、内周面52の内縁から内方向に向けて延設されていて、内周面52の内方向に、内周面52に隣接して、配置されている。上方向視において、注入面6の形状は、XY方向に沿う、矩形枠状である。X軸方向およびY軸方向それぞれにおいて、注入面6は、放出面C1よりも、僅かに大きい。注入面6は、第1端部61および第2端部62を、備える。放出面C1の詳細は、後述される。
【0035】
図4は、
図3の本タンク1の要部拡大図である。
図4中、一点鎖線は、上下方向における第1端部61の位置を基準とした、X軸方向に平行な仮想平行線を、示す。
【0036】
第1端部61は、注入面6の-X軸方向側の端部である。上方向視において、第1端部61の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。第1端部61は、第2端部62よりも、高い。注入面6の位置は、第1端部61から第2端部62に向かうにつれて、連続的に低くなる。すなわち、Y軸方向視において、注入面6は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。
【0037】
第2端部62は、注入面6の+X軸方向側の端部である。上方向視において、第2端部62の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。
【0038】
注入口7は、本タンク1の上壁部W2を上下方向に貫通する貫通孔である。注入口7には、突当部4に突き当てられた液体容器Cの放出口C2(
図5参照。以下同じ。)から放出された液体が、注入される。注入口7は、注入面6の中央部に、配置されている。上方向視において、注入口7の形状は、矩形枠状である。X軸方向およびY軸方向それぞれにおいて、注入口7は、放出面C1よりも、小さい。注入口7は、導入面71および孔72を、備える。放出口C2の詳細は、後述される。
【0039】
導入面71は、注入口7の内周面の上部に、配置されている。上方向視において、導入面71の上端の形状は矩形状であり、導入面71の下端の形状は円形状である。上方向視において、X軸方向およびY軸方向それぞれにおける導入面71同士の間隔は、導入面71の上端から下端に向かうにつれて、連続的に小さくなる。換言すれば、導入面71の位置は、導入面71の外縁から内縁に向かうにつれて、連続的に低くなる。すなわち、導入面71は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。そのため、液体が液体容器Cの放出口C2から導入面71に放出されたとき、液体は、導入面71を介して、孔72に、導入(注入)される。
【0040】
上方向視において、孔72は、導入面71に、囲まれている。孔72は、注入口7の内周面のうち、導入面71よりも、下方向に、導入面71に隣接して、配置されている。上方向視において、孔72の形状は、円筒状である。
【0041】
なお、本発明において、孔72の形状は、上方向視において、円筒状に限られない。すなわち、例えば、上方向視において、孔72の形状は、矩形筒状でもよい。
【0042】
【0043】
液体容器Cは、液体を、貯蔵する。液体容器Cは、例えば、キュービテナー(登録商標)である。上方向視において、液体容器Cの形状は、XY方向に沿う、矩形状であり、立方体状である。液体容器Cは、放出面C1および放出口C2を、備える。
【0044】
ここで、放出面C1が上方向に向けられているとき、「幅L1」は液体容器CのX軸方向に平行な長さであり、「奥行L2」は液体容器CのY軸方向に平行な長さであり、「高さL3」は液体容器Cの上下方向に平行な長さである。液体容器Cの幅L1、奥行L2、および高さL3は、同じ長さである。
【0045】
放出面C1は、液体容器Cの各面のうち、放出口C2が配置されている面である。液体容器Cが載置面3に載置されたとき、放出面C1は、上方向に、向けられている。
【0046】
放出口C2は、液体容器Cに貯蔵された液体が放出されるノズルである。上方向視において、放出口C2の形状は、円形状である。液体容器Cが載置面3に載置されたとき、放出口C2は、Y軸方向における放出面C1の中央部の-X軸方向側に、配置されている。
【0047】
●液体注入方法(1)●
次に、本方法の実施の形態が、使用者が液体を液体容器Cから本タンク1に注入する場合を例に、以下に、説明される。使用者は、本タンク1の-X軸方向から本タンク1への液体の注入を、行う。
【0048】
以下の説明において、本タンク1は、水平面に対して平行な面(例えば、本タンク1が載置される地面)上に、配置されている。
【0049】
また、以下の説明において、「+X面」は、液体容器Cの各面のうち、+X軸方向に向けられている面である。
【0050】
さらに、以下の説明において、
図1~
図5は、適宜参照される。
【0051】
図6は、本方法の実施の形態を示すフローチャートである。
図7は、液体容器Cが載置面3に載置された状態を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図7中、液体容器Cは、説明の便宜上、非断面で示される。
図8および
図10~
図15も、同様である。
【0052】
先ず、使用者は、放出面C1が上方向に向けられた状態の液体容器Cを、載置面3に、載置する(S1)。このとき、載置面3は、載置面3に載置された液体容器Cを、支持する。使用者は、液体容器Cが載置面3から-X方向側に落ちないように、載置面3に載置された液体容器Cを、支える。
【0053】
図8は、液体容器Cが突当部4に突き当てられる様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図8中、二点鎖線は、
図7の液体容器Cの状態を、示す。
【0054】
次いで、使用者は、載置面3に載置された液体容器Cのうち、+X面の下方向側を、突当部4に、突き当てる(S2)。このとき、X軸方向において、突当部4に突き当てられた液体容器Cは、注入口7に対して所定の位置に、配置されている。すなわち、突当部4は、注入口7に対する液体容器Cの位置決め部として、機能する。
【0055】
ここで、液体容器Cが突当部4に突き当てられたときの液体容器C(放出面C1)の水平面に対する角度は、基準角度である。基準角度は、水平面に対して「角度θ0°(例えば、約15°)」である。
【0056】
次いで、使用者は、液体注入処理(S3)を、実行する。
【0057】
●液体注入処理(1)
図9は、本方法に含まれる液体注入処理(S3)のフローチャートである。
【0058】
「液体注入処理(S3)」は、使用者が液体容器Cに貯蔵された液体を注入口7(本タンク1)に注入する処理である。
【0059】
図10は、液体容器Cが液体容器Cと突当部4との接触部P1を支点として回転する様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図10中、白矢印は、液体容器Cに加えられる外力を、示す。
図10中、黒丸は、液体容器Cと突当部4との接触部P1を、示す。
図10中、二点鎖線は、
図8の液体容器Cの状態を、示す。
【0060】
先ず、使用者は、液体容器Cを+X軸方向に向けて回転させる(押し出す)外力(以下「回転外力」という。)を、突当部4に突き当てられた液体容器Cの上方向側に、加える(S31)。換言すれば、液体容器Cが突当部4に突き当てられた状態から、回転外力が、液体容器Cの上方向側に、加えられる。このとき、接触部P1は、液体容器Cが-X軸方向から+X軸方向に向けて(+Y軸方向視において、時計回り方向に)回転する(第1の)支点として、機能する。すなわち、回転外力が液体容器Cの上方向側に加えられたとき、接触部P1を支点とする液体容器Cの回転が、開始される。以下の説明において、「液体容器Cの回転」は、液体容器Cの-X軸方向から+X軸方向に向けた回転(+Y軸方向視において、時計回り方向の回転)を、意味する。
【0061】
図11は、接触部P1を支点として回転する液体容器Cの放出口C2から液体が放出される様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図11中、黒丸は、液体容器Cと突当部4との接触部P1を、示す。
図11中、二点鎖線は、
図10の液体容器Cの状態を、示す。
【0062】
次いで、使用者は、液体の注入口7への注入を、開始する(S32)。すなわち、使用者は、液体容器Cを回転させて、液体容器Cに貯蔵された液体を、放出口C2から注入口7に、注入する。具体的には、使用者は、液体容器Cの放出面C1が上下方向に平行になるまで、液体容器Cを、基準角度から「角度θ1°(例えば、約75°)」、回転させる。このとき、接触部P1は、突当部4の接触面44(上面45)に沿うように、突当頂部43まで移動する。液体容器Cが基準角度から「角度θ1°」回転したとき、放出面C1は、+X軸方向に、向けられている。ここで、液体容器Cが基準角度から「角度θ1°」まで回転するまでの間に、放出口C2からの液体の放出が、開始される。また、突当部4の接触面44(上面45)に沿いながら回転している液体容器Cの放出口C2から放出された液体は、注入口7に向けて、放出される。すなわち、突当部4の形状は、液体が液体容器Cの回転に伴い放出口C2から注入口7に向けて放出されるように、形成されている。使用者は、放出口C2から注入口7に向けて放出された液体が注入口7に注入されるように、液体容器Cの回転の速度を、適宜調整する。
【0063】
図12は、液体を放出しながら回転する液体容器Cが注入面6に接触する様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図12中、黒丸は、液体容器Cと注入面6との接触部P2を、示す。
図12中、二点鎖線は、
図11の液体容器Cの状態を、示す。
【0064】
次いで、使用者は、液体を放出口C2から注入口7に注入しながら、液体容器Cを、さらに回転させる。このとき、液体容器Cは、注入面6に、接触する。液体容器Cと注入面6との接触部P2は、液体容器Cが回転する(第2の)支点として、機能する。
【0065】
図13は、液体を放出しながら回転する液体容器Cが注入枠5の内周面52に突き当てられる様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図13中、黒丸は、液体容器Cと注入面6との接触部P2を、示す。
図13中、二点鎖線は、
図12の液体容器Cの状態を、示す。
【0066】
次いで、使用者は、注入面6に接触した液体容器Cを+X軸方向から-X軸方向に向けて、引き戻しながら、接触部P2を支点として液体容器Cを、さらに回転させる。このとき、液体容器Cは、注入枠5の-X方向側の内周面52に、突き当てられる。ここで、X軸方向において、注入枠5の内周面52に突き当てられた液体容器Cは、注入口7に対して所定の位置に、配置されている。すなわち、注入枠5の内周面52は、注入口7に対する液体容器Cの位置決め部として、機能する。
【0067】
図14は、液体容器Cが注入面6に載置される様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図14中、二点鎖線は、
図13の液体容器Cの状態を、示す。
【0068】
次いで、使用者は、放出面C1が注入面6に当接するまで、注入枠5の内周面52に突き当てられた液体容器Cを、さらに回転させる。放出面C1が注入面6に当接したとき、放出面C1は下方向に向けられていて、注入口7は放出口C2に対向していて、液体容器Cの回転は終了する。すなわち、液体容器Cの回転により放出面C1が下方向に向けられたとき、注入口7は、放出口C2に対向する位置に、配置されている。
【0069】
次いで、使用者は、放出面C1が下方向に向けられた液体容器Cを、注入面6に、載置する(S33)。
【0070】
このように、使用者は、液体を放出口C2から注入口7に注入しながら、放出面C1を下方向に向けて、放出面C1が下方向に向けられた液体容器Cを注入面6に載置する。
【0071】
図15は、液体容器Cが注入面6に載置された状態を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図15中、一点鎖線は、上下方向における第1端部61の位置を基準とした、X軸方向に平行な仮想平行線を、示す。
【0072】
ここで、液体容器Cが載置面3に載置されたとき、放出口C2は、Y軸方向における放出面C1の中央部の-X軸方向側に、配置されている。液体容器Cは、回転の開始から終了までの間に、基準角度(約15°)から「角度θ2°(例えば、約165°)」回転する。すなわち、液体容器Cは、略180°回転する。そのため、液体容器Cが注入面6に配置されたとき、放出口C2は、Y軸方向における放出面C1の中央部の+X軸方向側に、配置されている。また、前述のとおり、注入面6は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。そのため、液体容器Cが注入面6に載置されたとき、液体容器C(放出面C1)は、液体容器Cの位置が-X軸方向から+X軸方向に向かうにつれて連続的に低くなるように、水平面に対して傾斜している。その結果、放出口C2は、液体容器Cにおける最下部に、位置している。したがって、液体容器Cに貯蔵された液体は、液体容器C内に残ることなく、液体容器Cから注入口7(本タンク1)に、注入される。
【0073】
また、液体容器Cが基準角度から「角度θ2°」まで回転するまでの間、放出口C2から注入口7に向けて放出された液体は、注入口7に、注入される。換言すれば、注入口7は、放出口C2から放出された液体の軌道上に、配置されている。
【0074】
●まとめ(1)
以上説明された実施の形態によれば、本タンク1は、載置面3、突当部4、および注入口7を、備える。載置面3は、液体容器Cが載置される面である。突当部4には、載置面3に載置された液体容器Cのうち、+X面の下方向側が、突き当てられる。突当部4は、載置面3の+X軸方向に、載置面3に隣接して、配置されている。突当部4は、第2端部32よりも、上方向に、突出している。注入口7には、突当部4に突き当てられた液体容器Cの放出口C2から放出された液体が、注入される。液体容器Cが突当部4に突き当てられた状態から、液体容器Cの上方向側に回転外力が加えられたとき、液体容器Cと突当部4との接触部P1は、液体容器Cが回転する支点として、機能する。突当部4は、液体容器Cの回転に伴い、液体が放出口C2から注入口7に向けて放出されるように、形成されている。液体容器Cの回転により放出面C1が下方向に向けられたとき、注入口7は、放出口C2に対向する位置に、配置されている。この構成によれば、載置面3に載置された液体容器Cが突当部4に突き当てられることにより、注入口7に対する液体容器Cの位置は、所定の位置に、定まる。この状態から、液体容器Cと突当部4との接触部P1を支点として液体容器Cを回転させることにより、液体は、液体容器Cの放出口C2から注入口7に向けて、放出される。そのため、本タンク1では、使用者の技量や経験に依存することなく、使用者は、液体を、注入口7(本タンク1)に、安定して注入できる。
【0075】
また、以上説明された実施の形態によれば、Y軸方向視において、載置面3の形状は、上方向に凸の曲面状である。この構成によれば、載置面3の位置は、第1端部31から第2端部32に向かうにつれて、徐々に低くなる。そのため、使用者は、載置面3が曲面状でない形状と比べて、液体容器Cを、突当部4に、突き当て易い。
【0076】
さらに、以上説明された実施の形態によれば、Y軸方向視において、突当部4の形状は、上方向に凸の曲面状である。この構成によれば、使用者は、突当部4に突き当てられた液体容器Cを、接触面44に接触させながら(接触面44に沿わせながら)回転できる。そのため、使用者は、突当部4が曲面状でない形状と比べて、液体容器Cを回転させ易い。
【0077】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、注入口7は、液体容器Cの回転速度が適切な回転速度であるとき、放出口C2から放出された液体の軌道上に、配置される。「適切な回転速度」は、例えば、液体容器Cが突当部4の上面45上を滑ることなく、液体が放出口C2から垂れ落ちることのない程度の速度である。この構成によれば、放出口C2から注入口7に向けて放出された液体は、注入口7に、適切に注入される。
【0078】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、本タンク1は、注入面6を、備える。注入面6は、液体容器Cの回転により放出面C1が下方向に向けられた液体容器Cが載置される面である。上方向視において、注入面6は、注入口7の全周を囲むように、配置されていて、X軸方向およびY軸方向それぞれにおいて、放出面C1よりも、大きい。この構成によれば、使用者は、液体容器Cの回転により放出面C1が下方向に向けられた液体容器Cを、注入面6に、安定して載置できる。
【0079】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、液体容器Cが載置面3に載置されたとき、放出口C2は、放出面C1の-X軸方向側に、配置されている。注入面6の第1端部61は、注入面6の第2端部62よりも、高い。この構成によれば、液体容器Cが注入面6に配置されたとき、放出面C1は下方向に向けられていて、放出口C2はY軸方向における放出面C1の+X軸方向側に配置されている。注入面6に載置された液体容器Cは、-X軸方向から+X軸方向に向けて、水平面に対して傾斜している。そのため、液体容器Cに貯蔵された液体は、液体容器C内に残ることなく、液体容器Cから注入口7(本タンク1)に、注入される。
【0080】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、本タンク1は、注入枠5を、備える。上方向視において、注入枠5の形状は矩形状であり、注入枠5は注入面6の全周を囲むように配置されている。注入枠5は、内周面52、を備える。上方向視において、X軸方向およびY軸方向それぞれにおける内周面52同士の間隔は、内周面52の上端から下端に向かうにつれて、小さくなる。この構成によれば、使用者は、注入面6に接触した液体容器Cを、内周面52に、突き当て易い。
【0081】
●本タンクの構成(2)●
次に、本タンク1の別の実施の形態(以下「第2実施形態」という。)が、先に説明された本タンク1の実施の形態(以下「第1実施形態」という。)と異なる点を中心に、以下に説明される。以下の説明において、
図1、
図2、および
図5は、適宜参照される。
【0082】
第2実施形態では、液体注入部2の構成が、第1実施形態と、異なる。
【0083】
先ず、本タンク1の構成が、以下に説明される。
【0084】
図16は、本タンク1の別の実施の形態(第2実施形態)を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
【0085】
液体注入部2は、載置面3、突当部4、注入口7、第2載置面8、および第2突当部9を、備える。すなわち、第2実施形態において、液体注入部2は、注入枠5および注入面6を、備えていない。
【0086】
第2載置面8は、液体容器Cが-X軸方向から+X軸方向に向けて回転することにより、放出面C1が+X軸方向に向けられた液体容器Cが載置される面である。上方向視において、第2載置面8は、突当部4から+X軸方向に向けて延設されていて、突当部4の+X軸方向に、突当部4に隣接して、配置されている。上方向視において、第2載置面8の形状は、XY方向に沿う、矩形状である。X軸方向における第2載置面8の長さは、液体容器Cの幅L1よりも、短い。Y軸方向における第2載置面8の長さは、液体容器Cの奥行L2よりも、短い。第2載置面8は、第1端部81および第2端部82を、備える。
【0087】
第1端部81は、第2載置面8の-X軸方向側の端部である。上方向視において、第1端部81の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。第1端部81は、第2端部82よりも、高い。第2載置面8の位置は、第1端部81から第2端部82に向かうにつれて、連続的に低くなる。すなわち、Y軸方向視において、第2載置面8は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。
【0088】
なお、本発明において、Y軸方向視における第2載置面8の形状は、上方向に凸の曲面状でもよい。
【0089】
第2端部82は、第2載置面8の+X軸方向側の端部である。上方向視において、第2端部82の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。
【0090】
第2突当部9は、本タンク1のうち、液体容器Cが突き当てられる部分である。第2突当部9には、第2載置面8に載置された液体容器Cのうち、放出面C1の下方向側が、突き当てられる。上方向視において、第2突当部9は、注入口7の全周を囲むように、配置されている。上方向視において、第2突当部9は、第2載置面8から+X軸方向に向けて延設されていて、第2載置面8の+X軸方向に、第2載置面8に隣接して、配置されている。第2突当部9は、第2端部82よりも、上方向に、突出している。上方向視において、第2突当部9の形状は、XY方向に沿う、矩形枠状である。X軸方向における第2突当部9の長さは、液体容器Cの幅L1よりも、短い。Y軸方向における第2突当部9の長さは、液体容器Cの奥行L2よりも、短い。第2突当部9は、接触面91および上面92を、備える。
【0091】
接触面91は、液体容器Cが第2突当部9に突き当てられたとき、液体容器Cに接触する面である。Y軸方向視において、接触面91の形状は、下方向に凸の曲面状である。
【0092】
上方向視において、上面92は、注入口7の全周を囲むように、配置されている。上方向視において、上面92は、接触面91から+X軸方向に向けて延設されている。上方向視において、上面92の形状は、矩形枠状である。上面92は、第1端部921および第2端部922を、備える。
【0093】
第1端部921は、上面92の-X軸方向側の端部である。上方向視において、第1端部921の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。第1端部921は、第2端部922よりも、高い。上面92の位置は、第1端部921から第2端部922に向かうにつれて、連続的に低くなる。すなわち、Y軸方向視において、上面92は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。
【0094】
第2端部922は、上面92の+X軸方向側の端部である。上方向視において、第2端部922の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。
【0095】
●液体注入方法(2)●
次に、本方法の別の実施の形態が、使用者が液体を液体容器Cから本タンク1に注入する場合を例に、以下に、説明される。使用者は、本タンク1の-X軸方向から本タンク1への液体の注入を、行う。
【0096】
以下の説明において、本タンク1は、水平面に対して平行な面(例えば、本タンク1が載置される地面)に、配置されている。
【0097】
また、以下の説明において、
図5および
図16は、適宜参照される。
【0098】
図17は、本方法の別の実施の形態を示すフローチャートである。
図18は、液体容器Cが載置面3に載置された状態を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図18中、液体容器Cは、説明の便宜上、非断面で示される。
図19および
図21~
図25も、同様である。
【0099】
先ず、使用者は、放出面C1が上方向に向けられた状態の液体容器Cを、第1実施形態と同様に、載置面3に、載置する(S1)。
【0100】
図19は、液体容器Cが突当部4に突き当てられる様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図19中、二点鎖線は、
図17の液体容器Cの状態を、示す。
【0101】
次いで、使用者は、載置面3に載置された液体容器Cのうち、+X面の下方向側を、第1実施形態と同様に、突当部4に、突き当てる(S2)。
【0102】
ここで、液体容器Cが突当部4に突き当てられたときの液体容器C(放出面C1)の水平面に対する角度は、基準角度である。基準角度は、水平面に対して、「角度θ3°(例えば、約20°)」である。
【0103】
次いで、使用者は、液体注入処理(S4)を、実行する。
【0104】
●液体注入処理(2)
図20は、本方法の別の実施の形態に含まれる液体注入処理(S4)のフローチャートである。
【0105】
「液体注入処理(S4)」は、使用者が液体容器Cに貯蔵された液体を注入口7(本タンク1)に注入する処理である。
【0106】
図21は、液体容器Cが接触部P1を支点として回転する様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図21中、二点鎖線は、
図19の液体容器Cの状態を、示す。
図21中、黒丸は、接触部P1を、示す。
【0107】
先ず、使用者は、第1実施形態の処理(S31)と同様に、回転外力を、突当部4に突き当てられた液体容器Cの上方向側に、加える(S41)。このとき、接触部P1を支点とする液体容器Cの回転が、開始される。以下の説明において、「液体容器Cの回転」は、液体容器Cの-X軸方向から+X軸方向に向けた回転(+Y軸方向視において、時計回り方向の回転)を、意味する。
【0108】
図22は、液体容器Cが第2載置面8に載置される様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図22中、二点鎖線は、
図21の液体容器Cの状態を、示す。
【0109】
次いで、使用者は、液体の注入口7への注入を、開始する(S42)。すなわち、使用者は、+X面が第2載置面8に当接するまで液体容器Cを回転させて、液体容器Cに貯蔵された液体を、放出口C2から注入口7に、注入する。具体的には、使用者は、液体容器Cを基準角度から「角度θ4°(例えば、約80°)」回転させる。その結果、液体容器Cは、第2載置面8に、載置される。このとき、放出面C1は、+X軸方向に、向けられている。ここで、液体容器Cが基準角度から「角度θ4°」まで回転するまでの間に、放出口C2からの液体の放出が、開始される。X軸方向における第2載置面8の長さは、液体容器Cの回転に伴い、液体容器Cが第2載置面8に載置されたとき、液体が液体容器Cの放出口C2から注入口7に放出されるような長さに、設計されている。そのため、液体は、放出口C2から注入口7に向けて、放出される。
【0110】
図23は、第2載置面8に載置された液体容器Cが第2突当部9に突き当てられる様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図23中、二点鎖線は、
図22の液体容器Cの状態を、示す。
【0111】
次いで、使用者は、液体を放出口C2から注入口7に注入しながら、第2載置面8に載置された液体容器Cのうち、放出面C1の下方向側を、第2突当部9に、突き当てる(S43)。このとき、X軸方向において、第2突当部9に突き当てられた液体容器Cは、注入口7に対して所定の位置に、配置されている。すなわち、第2突当部9は、注入口7に対する液体容器Cの位置決め部として、機能する。
【0112】
ここで、液体容器Cが第2突当部9に突き当てられたときの液体容器Cの水平面に対する角度は、水平面に対して「角度θ5°(例えば、約10°)」である。
【0113】
図24は、液体容器Cが液体容器Cと第2突当部9との接触部P3を支点として回転する様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図24中、黒丸は、液体容器Cと第2突当部9との接触部P3を、示す。
図24中、二点鎖線は、
図23の液体容器Cの状態を、示す。
【0114】
次いで、使用者は、液体を放出口C2から注入口7に注入しながら、回転外力を第2突当部9に突き当てられた液体容器Cの上方向側に加える(S44)。換言すれば、液体容器Cが第2突当部9に突き当てられた状態から、回転外力が、液体容器Cの上方向側に、加えられる。このとき、液体容器Cと第2突当部9との接触部P3は、液体容器Cが回転する(第2の)支点として、機能する。すなわち、回転外力が液体容器Cの上方向側に加えられたとき、接触部P3を支点とする液体容器Cの回転が、開始される。ここで、処理(S44)は、第2載置面8に載置されている液体容器Cから放出されている液体の軌道が、注入口7よりも-X軸方向に移動する前に、実行される。
【0115】
図25は、液体容器Cが第2突当部9の上面92に載置される様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図25中、二点鎖線は、
図24の液体容器Cの状態を、示す。
【0116】
次いで、使用者は、液体を放出口C2から注入口7に注入しながら、放出面C1が上面92に当接するまで、第2突当部9に突き当てられた液体容器Cを、回転させる。放出面C1が上面92に当接したとき、放出面C1は下方向に向けられていて、注入口7は放出口C2に対向していて、液体容器Cの回転は終了する。すなわち、液体容器Cの回転により放出面C1が下方向に向けられたとき、注入口7は、放出口C2に対向する位置に、配置されている。
【0117】
ここで、X軸方向およびY軸方向それぞれにおいて、導入面71は、放出面C1よりも小さくなるように、設計されている。
【0118】
次いで、使用者は、放出面C1が下方向に向けられた液体容器Cを、上面92に、載置する(S45)。このとき、液体容器Cが上面92に載置されたとき、上面92は、本発明における注入面として、機能する。
【0119】
このように、使用者は、液体を放出口C2から注入口7に注入しながら、放出面C1を下方向に向けて、放出面C1が下方向に向けられた液体容器Cを上面92に載置する。
【0120】
ここで、液体容器Cが載置面3に載置されたとき、放出口C2はY軸方向における放出面C1の中央部の-X軸方向側に、配置されている。液体容器Cは、回転の開始から終了まで(液体容器Cが突当部4に突き当てられたときから、液体容器Cが上面92に載置されるまで)の間に、基準角度(約20°)から「角度θ6°(例えば、約160°)」回転する。すなわち、液体容器Cは、略180°回転する。そのため、液体容器Cが上面92に載置されたとき、放出口C2はY軸方向における放出面C1の中央部の+X軸方向側に配置されている。また、前述のとおり、上面92は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。そのため、液体容器Cが上面92に載置されたとき、液体容器C(放出面C1)は、液体容器Cの位置が-X軸方向から+X軸方向に向かうにつれて連続的に低くなるように、水平面に対して傾斜している。その結果、放出口C2は、液体容器Cにおける最下部に、位置している。したがって、液体容器Cに貯蔵された液体は、液体容器C内に残ることなく、液体容器Cから注入口7(本タンク1)に、注入される。
【0121】
また、液体容器Cが基準角度から「角度θ6°」まで回転するまでの間、放出口C2から注入口7に向けて放出された液体は、注入口7に注入される。換言すれば、注入口7は、放出口C2から放出された液体の軌道上に、配置されている。
【0122】
●まとめ(2)
以上説明された実施の形態によれば、本タンク1は、第2載置面8および第2突当部9を、有してなる。第2載置面8は、液体容器Cが回転することにより、放出面C1が+X軸方向に向けられた液体容器Cが載置される面である。第2突当部9には、第2載置面8に載置された液体容器Cの放出面C1の下方向側が、突き当てられる。第2載置面8は、突当部4の+X軸方向に、配置されている。第2突当部9は、上方向視において注入口7の全周を囲むように、配置されていて、第2載置面8の+X軸方向に、第2載置面8に隣接して、配置されていて、第2端部82よりも、上方向に、突出している。液体容器Cが第2突当部9に突き当てられた状態から、液体容器Cの上方向側に回転外力が加えられたとき、液体容器Cと第2突当部9との接触部P3は、液体容器Cが回転する支点として、機能する。この構成によれば、液体が注入口7に近い位置(注入口7を囲む第2突当部9の位置)から放出されるため、使用者は、液体を、注入口7(本タンク1)に、より安定して注入できる。
【0123】
●本タンクの構成(3)●
次に、本タンク1のさらに別の実施の形態(以下「第3実施形態」という。)が、先に説明された本タンク1の第1実施形態および第2実施形態と異なる点を中心に、以下に説明される。以下の説明において、
図1、
図2、および
図5は、適宜参照される。
【0124】
第3実施形態では、液体注入部2および載置面3それぞれの構成が、第1実施形態および第2実施形態と、異なる。第3実施形態では、突当部4の形状が、第1実施形態および第2実施形態と、異なる。
【0125】
先ず、本タンク1の構成が、以下に説明される。
【0126】
図26は、本タンク1のさらに別の実施の形態(第3実施形態)を示す、本タンク1の上面図である。
図27は、
図26のAA線における本タンク1の部分拡大模式断面図である。
【0127】
液体注入部2は、載置面3、突当部4、注入枠5、および注入口7を、備える。すなわち、第3実施形態において、液体注入部2は、注入面6、第2載置面8、および第2突当部9を、備えていない。
【0128】
載置面3は、第1端部31、第2端部32、第1傾斜面33、第2傾斜面34、支持面35、稜部36、および複数(本実施の形態では4つ)の溝部37a,37b,37c,37dを、備える。
【0129】
以下の説明において、溝部37a~37dそれぞれが特に区別されないとき、溝部37a~37dそれぞれは、溝部37と、総称される。
【0130】
第1傾斜面33は、液体容器Cが載置される面である。上方向視において、第1傾斜面33は、支持面35から+X軸方向に向けて延設されていて、支持面35の+X軸方向に、支持面35に隣接して、配置されている。上方向視において、第1傾斜面33の形状は、XY方向に沿う、矩形状である。第1傾斜面33は、第1端部331および第2端部332を、備える。支持面35の詳細は、後述される。
【0131】
第1端部331は、第1傾斜面33の-X軸方向側の端部である。上方向視において、第1端部331の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。第1端部331は、第2端部332よりも、低い。第1傾斜面33の位置は、第1端部331から第2端部332に向かうにつれて、連続的に高くなる。すなわち、Y軸方向視において、第1傾斜面33は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。
【0132】
第2端部332は、第1傾斜面33の+X軸方向側の端部である。上方向視において、第2端部332の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。
【0133】
第2傾斜面34は、稜部36を支点として回転した液体容器Cが載置される面である。上方向視において、第2傾斜面34は、第1傾斜面33から+X軸方向に向けて延設されていて、第1傾斜面33の+X軸方向に、第1傾斜面33に隣接して、配置されている。上方向視において、第2傾斜面34の形状は、XY方向に沿う、矩形状である。第2傾斜面34は、第1端部341および第2端部342を、備える。稜部36の詳細は、後述される。
【0134】
第1端部341は、第2傾斜面34の-X軸方向側の端部である。上方向視において、第1端部341の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。第1端部341は、第2端部342よりも、高い。第1傾斜面33の位置は、第1端部341から第2端部342に向かうにつれて、連続的に低くなる。すなわち、Y軸方向視において、第2傾斜面34は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。
【0135】
第2端部342は、第2傾斜面34の+X軸方向側の端部である。上方向視において、第2端部342の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。
【0136】
ここで、第1端部331から第2端部332までの長さと、第1端部341から第2端部342までの長さと、の和は、第1傾斜面33に載置された液体容器Cの下面の長さ(液体容器Cの高さL3)よりも、大きい。
【0137】
支持面35は、第1傾斜面33に載置された液体容器Cを支持する面である。支持面35は、第1傾斜面33の-X軸方向に、第1傾斜面33に隣接して、配置されている。上方向視において、支持面35は、XY方向に沿う、矩形状である。Y軸方向視において、支持面35の形状は、上方向に凸の曲面状である。支持面35は、第1端部351および第2端部352を、備える。
【0138】
第1端部351は、支持面35の-X軸方向側の端部である。上方向視において、第1端部351の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。第1端部351は、第2端部352よりも、高い。支持面35の位置は、第1端部351から第2端部352に向かうにつれて、連続的に低くなる。
【0139】
第2端部352は、支持面35の+X軸方向側の端部である。上方向視において、第2端部352の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。ここで、第2端部352は、第1端部331と、一致する。したがって、第1端部351は、第1端部331よりも、高い。
【0140】
上方向視において、稜部36は、第1傾斜面33の+X軸方向側の端部(第2端部332)であり、第2傾斜面34の-X軸方向側の端部(第1端部341)である。すなわち、第2端部332は第1端部341と一致していて、稜部36は第1傾斜面33および第2傾斜面34により形成されている。すなわち、稜部36は、第1傾斜面33と第2傾斜面34との間に、配置されている。上方向視において、稜部36の形状は、Y軸方向に沿う、直線状である。
【0141】
上方向視において、載置面3の一部はX軸方向に沿うように下方向側に略矩形状に凹んでいて、複数の溝部37a~37dが形成されている。溝部37は、第1端部331から第2傾斜面34まで、配置されている。溝部37は、第1端部371および第2端部372を、備える。
【0142】
なお、本発明において、溝部37の数は、1以上の数であればよく、「4」に限定されない。
【0143】
第1端部371は、溝部37の-X軸方向側の端部である。第1端部371は、-X軸方向に向けて、開口している。第1端部371は、第2端部372よりも、低い。溝部37の位置は、第1端部371から第2端部372に向かうにつれて、連続的に高くなる。すなわち、Y軸方向視において、溝部37は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。
【0144】
第2端部372は、溝部37の+X軸方向側の端部である。
【0145】
突当部4は、接触面44、および上面45を、備える。第3実施形態において、接触面44は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。上面45は、水平面に平行な面である。+Y軸方向視において、上面45は、接触面44から+X軸方向に向けて延設されている。接触面44の形状は、平面状である。上面45の形状は、平面状である。
【0146】
●液体注入方法(3)●
次に、本方法のさらに別の実施の形態が、使用者が液体を液体容器Cから本タンク1に注入する場合を例に、以下に、説明される。使用者は、本タンク1の-X軸方向から本タンク1への液体の注入を、行う。
【0147】
以下の説明において、本タンク1は、水平面に対して平行な面(例えば、本タンク1が載置される地面)に、配置されている。
【0148】
【0149】
図28は、本方法のさらに別の実施の形態を示すフローチャートである。
図29は、液体容器Cが第1傾斜面33に載置された状態を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図29中、液体容器Cは、説明の便宜上、非断面で示される。
図31~
図35も、同様である。
【0150】
先ず、使用者は、放出面C1が+X軸方向に向けられた状態の液体容器Cを、第1傾斜面33(載置面3)に、載置する(S1)。このとき、支持面35は、第1傾斜面33に載置された液体容器Cを、液体容器Cの-X軸方向から支持している。そのため、第1実施形態および第2実施形態のように、使用者による液体容器Cの支持は、不要である。
【0151】
ここで、液体容器Cが第1傾斜面33に載置されたときの液体容器C(放出面C1)の水平面に対する角度は、基準角度である。基準角度は、水平面に対して、「角度θ7°(例えば、約80°)」である。
【0152】
次いで、使用者は、液体注入処理(S5)を、実行する。
【0153】
●液体注入処理(3)
図30は、本方法の別の実施の形態に含まれる液体注入処理(S5)のフローチャートである。
【0154】
「液体注入処理(S5)」は、使用者が液体容器Cに貯蔵された液体を注入口7(本タンク1)に注入する処理である。
【0155】
図31は、液体容器Cが稜部36を支点として回転する様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図31中、白矢印は、液体容器Cに加えられる外力を、示す。
図31中、二点鎖線は、
図29の液体容器Cの状態を、示す。
図31中、黒丸は、稜部36を、示す。
【0156】
先ず、使用者は、回転外力を、第1傾斜面33に載置された液体容器Cに、加える(S51)。このとき、稜部36を支点とする液体容器Cの回転が、開始される。以下の説明において、「液体容器Cの回転」は、液体容器Cの-X軸方向から+X軸方向に向けた回転(+Y軸方向視において、時計回り方向の回転)を、意味する。
【0157】
図32は、液体容器Cが第2傾斜面34に載置される様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図32中、二点鎖線は、
図31の液体容器Cの状態を、示す。
【0158】
次いで、使用者は、液体の注入口7への注入を、開始する(S52)。すなわち、使用者は、液体容器Cが第2傾斜面34に当接するまで液体容器Cを回転させて、液体容器Cに貯蔵された液体を、放出口C2から注入口7に、注入する。具体的には、使用者は、液体容器Cを基準角度から「角度θ8°(例えば、約30°)」回転させる。その結果、液体容器Cは、第2傾斜面34に、載置される。このとき、放出面C1は、+X軸方向に、向けられている。ここで、液体容器Cが基準角度から「角度θ8°」まで回転するまでの間に、放出口C2からの液体の放出が、開始される。X軸方向における第2傾斜面34の長さは、液体容器Cの回転に伴い、液体容器Cが第2傾斜面34に載置されたとき、液体が液体容器Cの放出口C2から注入口7に放出されるような長さに、設計されている。そのため、液体は、放出口C2から注入口7に向けて、放出される。
【0159】
図33は、第2傾斜面34に載置された液体容器Cが突当部4に突き当てられる様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図33中、二点鎖線は、
図32の液体容器Cの状態を、示す。
【0160】
次いで、使用者は、液体を放出口C2から注入口7に注入しながら、第2傾斜面34に載置された液体容器Cのうち、放出面C1の下方向側を、突当部4に、突き当てる(S53)。このとき、X軸方向において、突当部4に突き当てられた液体容器Cは、注入口7に対して所定の位置に、配置されている。すなわち、突当部4は、注入口7に対する液体容器Cの位置決め部として、機能する。
【0161】
ここで、液体容器Cが突当部4に突き当てられたときの液体容器Cの水平面に対する角度は、水平面に対して「角度θ9°(例えば、約20°)」である。
【0162】
図34は、液体容器Cが液体容器Cと突当部4との接触部P1を支点として回転する様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図34中、白矢印は、液体容器Cに加えられる外力を、示す。
図34中、黒丸は、液体容器Cと突当部4との接触部P1を、示す。
図34中、二点鎖線は、
図33の液体容器Cの状態を、示す。
【0163】
次いで、使用者は、液体を放出口C2から注入口7に注入しながら、回転外力を突当部4に突き当てられた液体容器Cの上方向側に加える(S54)。換言すれば、液体容器Cが突当部4に突き当てられた状態から、回転外力が、液体容器Cの上方向側に、加えられる。このとき、液体容器Cと突当部4との接触部P1は、液体容器Cが回転する支点として、機能する。すなわち、回転外力が液体容器Cの上方向側に加えられたとき、接触部P1を支点とする液体容器Cの回転が、開始される。ここで、処理(S54)は、第2傾斜面34に載置されている液体容器Cから放出されている液体の軌道が、注入口7よりも-X軸方向に移動する前に、実行される。
【0164】
図35は、液体容器Cが突当部4の上面45および導入面71に載置される様子を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図である。
図35中、二点鎖線は、
図34の液体容器Cの状態を、示す。
【0165】
次いで、使用者は、液体を放出口C2から注入口7に注入しながら、放出面C1が導入面71に当接するまで、突当部4に突き当てられた液体容器Cを、回転させる。放出面C1が導入面71に当接したとき、放出面C1は下方向に向けられていて、注入口7は放出口C2に対向していて、液体容器Cの回転は終了する。すなわち、液体容器Cの回転により放出面C1が下方向に向けられたとき、注入口7は、放出口C2に対向する位置に、配置されている。
【0166】
ここで、X軸方向における上面45の-X軸方向側の端部から導入面71の+X軸方向側の端部までの長さは、液体容器Cの幅L1よりも、小さい。そのため、放出面C1が導入面71に当接したとき、放出面C1は、上面45にも、当接している。また、上面45は、導入面71よりも、高い。上面45は、導入面71の-X軸方向に、配置されている。そのため、上面45および導入面71に当接している液体容器Cは、水平面に対して傾斜している。
【0167】
次いで、使用者は、放出面C1が下方向に向けられた液体容器Cを、上面45および導入面71に、載置する(S55)。
【0168】
このように、使用者は、液体を放出口C2から注入口7に注入しながら、放出面C1を下方向に向けて、放出面C1が下方向に向けられた液体容器Cを上面45および導入面71に載置する。
【0169】
ここで、液体容器Cが第2傾斜面34に載置されたとき、放出口C2はY軸方向における放出面C1の中央部の+X軸方向側に、配置されている。液体容器Cは、回転の開始から終了まで(液体容器Cが突当部4に突き当てられたときから、液体容器Cが上面45および導入面71に載置されるまで)の間に、「角度θ9°(約20°)」から「角度θ10°(例えば、約70°)」回転する。すなわち、液体容器Cは、略90°回転する。そのため、液体容器Cが上面45および導入面71に配置されたとき、放出口C2は、Y軸方向における放出面C1の中央部の+X軸方向側に、配置されている。また、前述のとおり、上面45は、導入面71よりも、高い。そのため、液体容器Cが上面45および導入面71に載置されたとき、液体容器C(放出面C1)は、液体容器Cの位置が-X軸方向から+X軸方向に向かうにつれて連続的に低くなるように、水平面に対して傾斜している。その結果、放出口C2は、液体容器Cにおける最下部に、位置している。したがって、液体容器Cに貯蔵された液体は、液体容器C内に残ることなく、液体容器Cから注入口7(本タンク1)に、注入される。
【0170】
また、液体容器Cが基準角度から「角度θ8°」回転して(液体容器Cが第2傾斜面34に載置されて)、「角度θ9°」から「角度θ10°」まで回転するまでの間、放出口C2から注入口7に向けて放出された液体は、注入口7に注入される。換言すれば、注入口7は、放出口C2から放出された液体の軌道上に、配置されている。
【0171】
●まとめ(3)
以上説明された実施の形態によれば、載置面3は、第1傾斜面33、第2傾斜面34、および支持面35を、備える。第1傾斜面33は、液体容器Cが載置される面である。第2傾斜面34は、第1傾斜面33の+X軸方向に、第1傾斜面33に隣接して、配置されている。支持面35は、第1傾斜面33の-X軸方向に、第1傾斜面33に隣接して、配置されている。Y軸方向視において、第1傾斜面33は、-X軸方向から+X軸方向に向かうにつれて、第1傾斜面33の位置が連続的に高くなるように、水平面に対して傾斜する傾斜面である。Y軸方向視において、第2傾斜面34は、-X軸方向から+X軸方向に向かうにつれて、第2傾斜面34の位置が連続的に低くなるように、水平面に対して傾斜する傾斜面である。第1端部351は、第1端部331よりも、高い。第1端部331から第2端部332までの長さと、第1端部341から第2端部342までの長さと、の和は、第1傾斜面33に載置された液体容器Cの下面の長さ(液体容器Cの高さL3)よりも、大きい。この構成によれば、支持面35は、第1傾斜面33に載置された液体容器Cを、液体容器Cの-X軸方向から支持している。そのため、使用者による液体容器Cの支持は、不要である。また、使用者が液体容器Cを(稜部36を支点として)第1傾斜面33から第2傾斜面34まで回転させることにより、液体は、放出口C2から注入口7に向けて、放出される。そのため、液体の放出までの使用者の作業負担は、第1実施形態における同作業負担よりも、軽減される。さらに、第2傾斜面34が水平面に対して傾斜していることにより、使用者は、液体容器Cを、突当部4に、突き当て易い。そのため、本タンク1では、使用者の技量や経験に依存することなく、使用者は、液体を、注入口7(本タンク1)に、安定して注入できる。
【0172】
また、以上説明された実施の形態によれば、載置面3は、X軸方向に沿う複数の溝部37を、備える。溝部37は、第1端部371および第2端部372を、備える。第1端部371は、溝部37の-X軸方向側の端部である。第2端部372は、溝部37の+X軸方向側の端部である。第1端部371は、-X軸方向に向けて、開口している。溝部37は、第1端部371から第2端部372に向かうにつれて、溝部37の位置が連続的に高くなるように、水平面に対して傾斜する傾斜面である。Y軸方向視において、溝部37は、第1端部331から第2傾斜面34まで、配置されている。この構成によれば、仮に雨水などの水滴が溝部37上に落下したとしても、同水滴は、溝部37を介して、本タンク1の外に、排出される。すなわち、本タンク1では、水滴は、載置面3上に、溜まり難い。
【0173】
●変形例●
●第1変形例~第3変形例
図36は、本タンク1の変形例を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図であり、(a)は本タンク1の第1変形例を示して、(b)は本タンク1の第2変形例を示して、(c)は本タンク1の第3変形例を示す。
【0174】
図36(a)(b)に示されるとおり、第1変形例および第2変形例における載置面3の形状は、平面状であり、Y軸方向視において、水平面に対して傾斜している傾斜面である。同図(a)に示されるとおり、第1変形例において、第1端部31は、第2端部32よりも、低い。同図(b)に示されるとおり、第2変形例において、第1端部31は、第2端部32よりも、高い。これらの構成によれば、使用者は、載置面3の形状が曲面状である場合と比べて、液体容器Cを、載置面3に、載置し易い。
【0175】
また、
図36(c)に示されるとおり、第3変形例において、載置面3の形状は、水平面に対して平行な平面状である。
【0176】
●第4変形例~第5変形例
図37は、本タンク1の変形例を示す、本タンク1の部分拡大模式断面図であり、(a)は本タンク1の第4変形例を示して、(b)は本タンク1の第5変形例を示す。
【0177】
図37(a)(b)に示されるとおり、第4変形例および第5変形例において、突当部4は、接触面44および上面45を、備える。接触面44は、液体容器Cが突当部4に突き当てられたとき、液体容器Cに接触する面である。同図(a)に示されるとおり、接触面44は、上下方向に平行な面である。上面45は、水平面に平行な面である。+Y軸方向視において、上面45は、接触面44から+X軸方向に向けて延設されている。この構成によれば、液体容器Cの上方向側に回転外力が加えられたとき、液体容器Cは、接触面44に接触しながら、接触面44の上端部(不図示。以下同じ。)を支点として回転する。そのため、使用者は、液体容器Cを、安定して回転させ易い。
【0178】
また、
図37(b)に示されるとおり、第5変形例において、接触面44の-X軸方向側の端部は、接触面44の+X軸方向側の端部よりも、低い。すなわち、接触面44は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。
【0179】
●その他の実施形態●
以上説明された第1実施形態において、上面51は、第2端部42よりも、低かった。すなわち、注入枠5は、突当部4よりも、低かった。これに代えて、注入枠5は、突当部4よりも、高くてもよい。このとき、注入枠5の上面51は、本発明における注入面として、機能する。すなわち、液体注入部2は、注入面6を、備えていない。上面51の-X軸方向側の端部(以下「第1端部」という。)は、上面51の+X軸方向側の端部(以下「第2端部」という。)よりも、高い。すなわち、上面51の位置は、上面51の第1端部から上面51の第2端部に向かうにつれて、連続的に低くなる。つまり、Y軸方向視において、上面51は、水平面に対して傾斜している傾斜面である。上方向視において、注入口7は、注入枠5の中央部に、配置されている。換言すれば、上方向視において、注入枠5は、注入口7の全周を囲むように、配置されている。X軸方向およびY軸方向それぞれにおいて、導入面71は、放出面C1よりも、小さい。この構成によれば、使用者は、放出面C1が+X軸方向に向けられた状態の液体容器Cを載置面3に載置して、第1実施形態と同様に、接触部P1を支点として液体容器Cを回転させる。その結果、液体容器Cは、液体容器Cの回転により放出面C1が下方向に向けられた状態で、注入枠5(上面51)に、載置される。このとき、注入口7は放出口C2に対向していて、放出口C2から放出された液体は注入口7に注入される。そのため、本タンク1では、使用者の技量や経験に依存することなく、使用者は、液体を、注入口7(本タンク1)に、安定して注入できる。また、この構成では、上面51の第2端部は、上面51から上方向に、突出していてもよい。この場合、傾斜面である上面51に載置された液体容器Cは、突出する第2端部に、突き当たる。そのため、同液体容器Cは、本タンク1の外(注入枠5よりも+X軸方向)に、落下し難い。
【0180】
また、本発明における載置面3の形状は、上方向に凸の曲面状に、限定されない。すなわち、例えば、載置面3は、第1変形例~第3変形例に示されるように、水平面に平行な平面でもよく、Y軸方向視において、水平面に対して傾斜している傾斜面でもよい。
【0181】
さらに、本発明における突当部4の形状は、突当部4が第2端部32よりも上方向に突出していて、液体容器Cのうち+X面の下方向側が突き当て可能な形状であればよく、上方向に凸の曲面状に、限定されない。すなわち、例えば、突当部4は、第4変形例および第5変形例に示されるとおり、平面状の接触面44、および平面状の上面45を、備えていてもよい。
【0182】
さらにまた、本発明において、内周面52同士の間隔は、第1実施形態で示される間隔に、限定されない。すなわち、例えば、上方向視においてX軸方向とY軸方向それぞれにおいて、内周面52同士の間隔は、内周面52の上端から下端に向かうにつれて、段階的に小さくなってもよい。
【0183】
さらにまた、本発明において、注入面6の位置は、第1実施形態で示される位置に、限定されない。すなわち、例えば、注入面6の位置は、第1端部61から第2端部62に向かうにつれて、段階的に低くなってもよい。
【0184】
さらにまた、本発明において、導入面71同士の間隔は、各実施形態で示される間隔に限定されない。すなわち、例えば、上方向視においてX軸方向とY軸方向それぞれにおける導入面71同士の間隔は、導入面71の上端から下端に向かうにつれて、段階的に小さくなってもよい。
【0185】
さらにまた、本発明において、液体容器Cが載置面3に載置されたとき、放出面C1が向けられる方向は、上方向に、限定されない。すなわち、例えば、液体容器Cが載置面3に載置されたとき、放出面C1は、+X軸方向に、向けられていてもよい。このとき、載置面3は、第1変形例に示されるような、水平面に対して傾斜している傾斜面であるとよい。載置面3に載置された液体容器Cのうち、放出面C1の下方向側は、突当部4に、突き当てられる。突当部4は、液体が液体容器Cの回転に伴い放出口C2から注入口7に向けて放出されるように、形成されている。すなわち、注入口7の位置は、第1実施形態よりも載置面3に近い位置に、配置されている。
【0186】
さらにまた、本発明において、液体容器Cが載置面3に載置されたとき、放出口C2の配置は、Y軸方向における放出面C1の中央部の-X軸方向側に、限定されない。すなわち、例えば、液体容器Cが載置面3に載置されたとき、放出口C2は、Y軸方向における放出面C1の中央部の+X軸方向側に、配置されていてもよい。このとき、注入面6の第2端部62は、注入面6の第1端部61よりも、高いとよい。この構成によれば、注入面6に載置された液体容器Cは、-X軸方向から+X軸方向に向けて、水平面に対して傾斜している。そのため、液体容器Cに貯蔵された液体は、液体容器C内に残ることなく、液体容器Cから注入口7(本タンク1)に、注入される。
【0187】
●本発明の実施態様●
次に、以上説明した各実施形態から把握される本発明の実施態様が、各実施形態において記載された用語と符号とを援用しつつ、以下に記載される。
【0188】
本発明の第1の実施態様は、液体が貯蔵される液体タンク(例えば、本タンク1)であって、前記液体は、前記液体が貯蔵された立方体状の液体容器(例えば、液体容器C)の放出面(例えば、放出面C1)に配置される放出口(例えば、放出口C2)から、前記液体タンクに注入されて、相互に直交する3軸それぞれがX軸とY軸とZ軸とであり、前記X軸に沿う方向はX軸方向であり、前記Y軸に沿う方向はY軸方向であり、前記Z軸に沿う方向は上下方向であるとき、前記液体容器が載置される載置面(例えば、載置面3)と、前記載置面に載置された前記液体容器のうち、+X軸方向に向けられる面の下方向側が突き当てられる突当部(例えば、突当部4)と、前記突当部に突き当てられた前記液体容器の前記放出口から放出された前記液体が注入される注入口(例えば、注入口7)と、を有してなり、前記突当部は、前記載置面の前記+X軸方向に、前記載置面に隣接して配置されて、前記載置面の前記+X軸方向側の端部(例えば、第2端部32)よりも上方向に突出して、前記液体容器が前記突当部に突き当てられた状態から、前記液体容器の上方向側に前記+X軸方向に向かう外力(例えば、回転外力)が加えられたとき、前記液体容器と前記突当部との接触部(例えば、接触部P1)は、前記液体容器が-X軸方向から前記+X軸方向に向けて回転する支点として、機能して、前記突当部は、前記液体が前記液体容器の回転に伴い前記放出口から前記注入口に向けて放出されるように、形成されて、前記液体容器の前記回転により前記放出面が下方向に向けられたとき、前記注入口は、前記放出口に対向する位置に、配置される、液体タンクである。
この構成によれば、使用者の技量や経験に依存することなく、使用者は、液体を、注入口(液体タンク)に、安定して注入できる。
【0189】
本発明の第2の実施態様は、第1の実施態様において、前記Y軸方向視において、前記載置面の形状は、前記上方向に凸の曲面状である、液体タンクである。
この構成によれば、使用者は、載置面が曲面状でない形状と比べて、液体容器を、突当部に、突き当て易い。
【0190】
本発明の第3の実施態様は、第1の実施態様において、前記載置面の形状は、平面状であり、前記Y軸方向視において、水平面に対して傾斜する、液体タンクである。
この構成によれば、使用者は、載置面の形状が曲面状である場合と比べて、液体容器を、載置面に、載置し易い。
【0191】
本発明の第4の実施態様は、第1の実施態様において、前記Y軸方向視において、前記突当部の形状は、前記上方向に凸の曲面状である、液体タンクである。
この構成によれば、使用者は、突当部が曲面状でない形状と比べて、液体容器を回転させ易い。
【0192】
本発明の第5の実施態様は、第1の実施態様において、前記突当部は、前記液体容器が前記突当部に突き当てられたとき、前記液体容器に接触する接触面(例えば、接触面44)、を備えて、前記接触面は、前記上下方向に、平行である、液体タンクである。
この構成によれば、使用者は、液体容器を、安定して回転させ易い。
【0193】
本発明の第6の実施態様は、第1の実施態様において、前記注入口は、前記放出口から放出された前記液体の軌道上に、配置される、液体タンクである。
この構成によれば、放出口から注入口に向けて放出された液体は、注入口に、適切に注入される。
【0194】
本発明の第7の実施態様は、第1の実施態様において、前記液体容器の前記回転により前記放出面が前記下方向に向けられた前記液体容器が載置される注入面(例えば、注入面6)、を有してなり、前記注入面は、前記上方向視において、前記注入口の全周を囲む、液体タンクである。
この構成によれば、使用者は、液体容器の回転により放出面が下方向に向けられた液体容器を、注入面に、安定して載置できる。
【0195】
本発明の第8の実施態様は、第7の実施態様において、前記液体容器が前記載置面に載置されたとき、前記放出口は、前記放出面の前記-X軸方向側に配置されて、前記注入面の前記-X軸方向側の端部(例えば、第1端部61)は、前記注入面の前記+X軸方向側の端部(例えば、第2端部62)よりも、高い、液体タンクである。
この構成によれば、液体容器に貯蔵された液体は、液体容器内に残ることなく、液体容器から注入口(液体タンク)に、注入される。
【0196】
本発明の第9の実施態様は、第7の実施態様において、前記液体容器が前記載置面に載置されたとき、前記放出口は、前記放出面の前記+X軸方向側に配置されて、前記注入面の前記+X軸方向側の端部(例えば、第2端部62)は、前記注入面の前記-X軸方向側の端部(例えば、第1端部61)よりも、高い、液体タンクである。
この構成によれば、液体容器に貯蔵された液体は、液体容器内に残ることなく、液体容器から注入口(液体タンク)に、注入される。
【0197】
本発明の第10の実施態様は、第8または第9の実施態様において、前記上方向視において、前記注入面の全周を囲む矩形枠状の注入枠(例えば、注入枠5)、を有してなり、前記注入枠は、内周面(例えば、内周面52)、を備えて、前記上方向視において、前記X軸方向と前記Y軸方向それぞれにおける前記内周面同士の間隔は、前記内周面の上端から下端に向かうにつれて、小さくなる、液体タンクである。
この構成によれば、使用者は、注入面に接触した液体容器を、内周面に、突き当て易い。
【0198】
本発明の第11の実施態様は、第1の実施態様において、前記液体容器が前記-X軸方向から前記+X軸方向に向けて回転することにより、前記放出面が前記+X軸方向に向けられた前記液体容器が載置される第2載置面(例えば、第2載置面8)と、前記第2載置面に載置された前記液体容器の前記放出面の下方向側が突き当てられる第2突当部(例えば、第2突当部9)と、を有してなり、前記第2載置面は、前記突当部の+X軸方向に配置されて、前記第2突当部は、前記第2載置面の+X軸方向に、前記第2載置面に隣接して配置されて、前記第2載置面の前記+X軸方向側の端部(例えば、第2端部82)よりも上方向に突出して、前記液体容器が前記第2突当部に突き当てられた状態から、前記液体容器の上方向側に前記+X軸方向に向かう外力(例えば、回転外力)が加えられたとき、前記液体容器と前記第2突当部との接触部(例えば、接触部P3)は、前記液体容器が前記-X軸方向から前記+X軸方向に向けて回転する支点として、機能する、液体タンクである。
この構成によれば、使用者は、液体を、注入口(液体タンク)に、より安定して注入できる。
【0199】
本発明の第12の実施態様は、第1の実施態様において、前記載置面は、前記液体容器が載置される第1傾斜面(例えば、第1傾斜面33)と、前記第1傾斜面の前記+X軸方向に、前記第1傾斜面に隣接して配置される第2傾斜面(例えば、第2傾斜面34)と、前記第1傾斜面の前記-X軸方向に、前記第1傾斜面に隣接して配置される支持面(例えば、支持面35)と、を備えて、前記Y軸方向視において、前記第1傾斜面は、前記-X軸方向から前記+X軸方向に向かうにつれて、前記第1傾斜面の位置が連続的に高くなるように、水平面に対して傾斜する傾斜面であり、前記Y軸方向視において、前記第2傾斜面は、前記-X軸方向から前記+X軸方向に向かうにつれて、前記第2傾斜面の位置が連続的に低くなるように、水平面に対して傾斜する傾斜面であり、前記支持面の前記-X軸方向側の端部(例えば、第1端部351)は、前記第1傾斜面の前記-X軸方向側の端部(例えば、第1端部331)よりも、高く、前記第1傾斜面の前記-X軸方向側の前記端部から前記+X軸方向側の端部(例えば、第2端部332)までの長さと、前記第2傾斜面の前記-X軸方向側の端部(例えば、第1端部341)から前記+X軸方向側の端部(例えば、第2端部342)までの長さと、の和は、前記第1傾斜面に載置された前記液体容器の下面の長さよりも、大きい、液体タンクである。
この構成によれば、使用者は、液体を、注入口(液体タンク)に、安定して注入できる。
【0200】
本発明の第13の実施態様は、第12の実施態様において、前記載置面は、前記X軸方向に沿う、複数の溝部(例えば、溝部37a~37d)、を備えて、前記溝部は、前記溝部の前記-X軸方向側の端部である第1端部(例えば、第1端部371)と、前記溝部の前記+X軸方向側の端部である第2端部(例えば、第2端部372)と、を備えて、前記第1端部は、前記-X軸方向に向けて開口して、前記溝部は、前記Y軸方向視において、前記第1傾斜面の前記-X軸方向側の前記端部から前記第2傾斜面まで配置されて、前記第1端部から前記第2端部に向かうにつれて、前記溝部の位置が連続的に高くなるように、水平面に対して傾斜する傾斜面である、液体タンクである。
この構成によれば、水滴(例えば、雨水)は、載置面上に、溜まり難い。
【0201】
本発明の第14の実施態様は、液体が貯蔵された立方体状の液体容器(例えば、液体容器C)の放出面(例えば、放出面C1)に配置される放出口(例えば、放出口C2)から、前記液体が貯蔵される液体タンク(例えば、本タンク1)に前記液体を注入する液体注入方法であって、相互に直交する3軸それぞれがX軸とY軸とZ軸とであり、前記X軸に沿う方向はX軸方向であり、前記Y軸に沿う方向はY軸方向であり、前記Z軸に沿う方向は上下方向であるとき、前記液体タンクは、前記液体容器が載置される載置面(例えば、載置面3)と、前記載置面に載置された前記液体容器のうち、+X軸方向に向けられる面の下方向側が突き当てられる突当部(例えば、突当部4)と、前記突当部に突き当てられた前記液体容器の前記放出口から前記液体が注入される注入口(例えば、注入口7)と、前記液体容器の回転により前記放出面が下方向に向けられた前記液体容器が載置される注入面(例えば、注入面6)と、を備えて、前記液体容器を前記載置面に載置する第1載置ステップと、前記載置面に載置された前記液体容器のうち、前記+X軸方向に向けられる前記面の前記下方向側を前記突当部に突き当てる突当ステップと、前記液体容器の上方向側に前記+X軸方向に向かう外力(例えば、回転外力)を加える外力印加ステップと、前記液体容器を-X軸方向から前記+X軸方向に向けて回転させて、前記液体を前記放出口から前記注入口に注入する注入ステップと、を有してなり、前記注入ステップは、前記液体を前記放出口から前記注入口に注入しながら、前記放出面を前記下方向に向けて、前記放出面が前記下方向に向けられた前記液体容器を前記注入面に載置する、第2載置ステップ、を含む、液体注入方法である。
この構成によれば、使用者の技量や経験に依存することなく、使用者は、液体を、注入口(液体タンク)に、安定して注入できる。
【符号の説明】
【0202】
1 液体タンク
3 載置面
32 第2端部
33 第1傾斜面
331 第1端部
332 第2端部
34 第2傾斜面
341 第1端部
342 第2端部
35 支持面
351 第1端部
37 溝部
37a 溝部
37b 溝部
37c 溝部
37d 溝部
371 第1端部
372 第2端部
4 突当部
44 接触面
5 注入枠
52 内周面
6 注入面
61 第1端部
62 第2端部
7 注入口
8 第2載置面
82 第2端部
9 第2突当部
C 液体容器
C1 放出面
C2 放出口
P1 接触部
P3 接触部
【要約】
【課題】使用者の技量や経験に依存することなく、液体を液体タンク内に安定して注入可能な液体タンクを提供する。
【解決手段】本発明に係る液体タンク1は、液体が貯蔵される液体タンクである。液体は、液体が貯蔵された液体容器Cの放出面C1に配置される放出口C2から、液体タンクに、注入される。液体タンクは、液体容器が載置される載置面3と、載置面に載置された液体容器が突き当てられる突当部4と、突当部に突き当てられた液体容器の放出口から放出された液体が注入される注入口7と、を有してなる。液体容器が突当部に突き当てられた状態から、液体容器の上方向側に外力が加えられたとき、液体容器と突当部との接触部P1は、液体容器が回転する支点として、機能する。液体容器の回転により放出面が下方向に向けられたとき、注入口は、放出口に対向する位置に、配置される。
【選択図】
図3