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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】部品交換システム及び部品実装システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024504102
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 JP2022008937
(87)【国際公開番号】W WO2023166627
(87)【国際公開日】2023-09-07
【審査請求日】2024-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004303
【氏名又は名称】弁理士法人三協国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐介
(72)【発明者】
【氏名】柳田 勉
(72)【発明者】
【氏名】天内 真
(72)【発明者】
【氏名】岡本 義徳
(72)【発明者】
【氏名】藤井 尚也
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/183599(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/039545(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/039544(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に搭載される部品を供給する部品供給具を支持する複数の供給支持部が所定方向に配列された部品供給ユニットから前記部品供給具を回収することに応じて、前記部品供給ユニットに前記部品供給具を補給する部品交換システムであって、
前記供給支持部との間で交換される前記部品供給具を支持する複数の交換支持部が所定方向に配列され、前記複数の交換支持部の配列方向に移動可能な移動台と、前記部品供給具を把持するとともに前記移動台に対して移動することにより前記部品供給具を移動させる把持体と、を含む動作ユニットと、
前記動作ユニットを制御する制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、
部品切れにより回収が必要になると予測される回収対象の部品供給具を前記部品供給ユニットから回収し、前記回収対象の部品供給具の回収に応じて前記部品供給ユニットに補給対象の部品供給具を補給する前記動作ユニットの動作を管理するデータであって、前記動作ユニットの動作を完了する目標時刻を示す交換完了時刻情報と、前記部品供給ユニットにおける前記回収対象の部品供給具を支持する回収元の供給支持部の位置を示す供給支持部位置情報と、を含む交換管理データを生成し、
前記複数の交換支持部において、前記回収対象の部品供給具を回収する回収先の交換支持部と、前記補給対象の部品供給具を支持する補給元の交換支持部との前記移動台上における位置を設定する設定処理を行い、
前記複数の供給支持部のうち前記回収対象の部品供給具を支持した前記回収元の供給支持部に前記回収先の交換支持部が対向するように前記移動台を移動させた後に、前記回収対象の部品供給具が前記回収元の供給支持部から前記回収先の交換支持部に移動して回収されるように前記把持体を移動させる回収処理を行い、
前記回収処理後において前記回収先の交換支持部に代わって前記補給元の交換支持部が前記回収元の供給支持部に対向するように前記移動台を移動させた後に、前記補給対象の部品供給具が前記補給元の交換支持部から前記回収元の供給支持部を補給先として移動して補給されるように前記把持体を移動させる補給処理を行い、
前記設定処理では、前記供給支持部位置情報に基づき前記部品供給ユニットにおける前記回収元の供給支持部の位置を確認し、前記交換完了時刻情報で示す目標時刻を許容範囲内に収めつつ、前記補給処理における前記移動台の移動量が所定の目標範囲に収まるように複数の前記補給対象の部品供給具の前記部品供給ユニットに対する補給順を設定し、当該補給順に基づいて前記移動台上における前記回収先の交換支持部と前記補給元の交換支持部との位置を設定する、部品交換システム。
【請求項6】
前記部品供給具を支持して保管する複数の保管支持部が所定方向に配列された保管ユニットを、更に備え、
前記制御ユニットは、前記回収処理及び前記補給処理の前処理として、前記保管支持部に支持された前記部品供給具が前記設定処理において設定した前記補給元の交換支持部に移動し、前記補給対象の部品供給具として前記移動台上に配列されるように、前記移動台及び前記把持体を移動させる配列処理を行う、請求項1~5のいずれか1項に記載の部品交換システム。
【請求項11】
部品を供給する部品供給具を支持する複数の供給支持部が所定方向に配列された部品供給ユニットと、
前記供給支持部に支持された前記部品供給具により供給された部品を基板に搭載するヘッドユニットと、
前記部品供給ユニットから前記部品供給具を回収することに応じて、前記部品供給ユニットに前記部品供給具を補給する、請求項1~10のいずれか1項に記載の部品交換システムと、を備える、部品実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給ユニットにおける部品供給具の回収及び補給を行う部品交換システム、及びそれを備えた部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装システムは、プリント基板等の基板上に部品を搭載する部品実装機を備える。部品実装機は、部品を供給するフィーダー等の複数の部品供給具が配列された部品供給ユニットと、部品供給具により供給された部品を基板に搭載するヘッドユニットと、を備える。部品実装機では、部品切れ等の生じた部品供給具が部品供給ユニットから回収されるとともに、当該回収に応じて新たな部品供給具が部品供給ユニットに補給される。
【0003】
特許文献1には、部品実装機からの部品供給具の回収に応じて、部品実装機に部品供給具を補給する補給装置が開示されている。補給装置は、部品保管庫と部品実装機との間で走行する走行体と、走行体上に移動可能に設けられた移動台と、移動台に搭載された補給ユニットと、を備える。走行体の走行によって部品保管庫に対向するように補給装置が配置されると、オペレータによって部品保管庫から補給ユニットに部品供給具が移載される。これにより、部品種の異なる複数の部品供給具が補給ユニット内に配列される。この状態で、走行体の走行によって部品実装機の部品供給ユニットに対向するように補給装置が配置されると、移動台が移動しながら、部品供給ユニットと補給ユニットとの間で部品供給具が交換される。
【0004】
特許文献1に開示される補給装置では、部品保管庫から補給ユニットに部品供給具が移載されるときに、補給ユニット内における複数の部品供給具の配列については考慮されていない。このため、補給ユニット内に複数の部品供給具が配列された状態において、部品供給ユニットと補給ユニットとの間で部品供給具の交換が行われる際に、移動台の移動量が増大してしまうことがある。この場合、部品供給ユニットにおける部品供給具の交換の交換効率が低下する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6074425号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、部品供給ユニットにおける部品供給具の交換の交換効率を高めることが可能な部品交換システム、及びそれを備えた部品実装システムを提供することにある。
【0007】
本発明の一の局面に係る部品交換システムは、基板に搭載される部品を供給する部品供給具を支持する複数の供給支持部が所定方向に配列された部品供給ユニットから前記部品供給具を回収することに応じて、前記部品供給ユニットに前記部品供給具を補給するシステムである。この部品交換システムは、前記供給支持部との間で交換される前記部品供給具を支持する複数の交換支持部が所定方向に配列され、前記複数の交換支持部の配列方向に移動可能な移動台と、前記部品供給具を把持するとともに前記移動台に対して移動することにより前記部品供給具を移動させる把持体と、を含む動作ユニットと、前記動作ユニットを制御する制御ユニットと、を備える。前記制御ユニットは、前記複数の交換支持部において、前記部品供給ユニットから前記移動台への回収対象の部品供給具を回収する回収先の交換支持部と、前記回収対象の部品供給具の回収に応じて前記部品供給ユニットに補給する補給対象の部品供給具を支持する補給元の交換支持部との前記移動台上における位置を設定する設定処理を行う。前記制御ユニットは、前記複数の供給支持部のうち前記回収対象の部品供給具を支持した回収元の供給支持部に前記回収先の交換支持部が対向するように前記移動台を移動させた後に、前記回収対象の部品供給具が前記回収元の供給支持部から前記回収先の交換支持部に移動して回収されるように前記把持体を移動させる回収処理を行う。前記制御ユニットは、前記回収処理後において前記回収先の交換支持部に代わって前記補給元の交換支持部が前記回収元の供給支持部に対向するように前記移動台を移動させた後に、前記補給対象の部品供給具が前記補給元の交換支持部から前記回収元の供給支持部を補給先として移動して補給されるように前記把持体を移動させる補給処理を行う。前記制御ユニットは、前記設定処理では、前記補給処理における前記移動台の移動量が所定の目標範囲に収まるように、前記移動台上における前記回収先の交換支持部と前記補給元の交換支持部との位置を設定する。
【0008】
本発明の他の局面に係る部品実装システムは、部品を供給する部品供給具を支持する複数の供給支持部が所定方向に配列された部品供給ユニットと、前記供給支持部に支持された前記部品供給具により供給された部品を基板に搭載するヘッドユニットと、前記部品供給ユニットから前記部品供給具を回収することに応じて、前記部品供給ユニットに前記部品供給具を補給する、上記の部品交換システムと、を備える。
【0009】
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る部品交換システムが適用された部品実装システムの構成を示すブロック図である。
図2】部品実装システムにおける生産システムに備えられる部品実装機の構成を示す断面図である。
図3】部品交換システムに備えられる保管装置及び保管管理装置を概略的に示す図である。
図4】部品交換システムに備えられる部品交換装置及び交換管理装置を概略的に示す図である。
図5】制御ユニットが行う配列処理を説明する図である。
図6】制御ユニットが行う回収処理を説明する図である。
図7図6の回収処理の後に制御ユニットが行う補給処理を説明する図である。
図8図7の補給処理の後に制御ユニットが行う回収処理を説明する図である。
図9図8の回収処理の後に制御ユニットが行う補給処理を説明する図である。
図10】制御ユニットがエラー指令信号を出力する場面を説明する図である。
図11】制御ユニットが行う回収処理の変形例を説明する図である。
図12図11の回収処理の後に制御ユニットが行う補給処理を説明する図である。
図13図12の補給処理の後に制御ユニットが行う回収処理を説明する図である。
図14図13の回収処理の後に制御ユニットが行う補給処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る部品交換システム及び部品実装システムについて図面に基づいて説明する。
【0012】
[部品実装システムの全体構成]
図1に示される部品実装システム1は、プリント基板等の基板上に電子部品等の部品が搭載された部品搭載基板を生産するシステムである。部品実装システム1は、生産システム2と、部品交換システム3とを備える。生産システム2は、生産管理装置2Aと、少なくとも1台の部品実装機2Bとを含む。生産システム2では、生産管理装置2Aと部品実装機2Bとがデータ通信可能に接続されている。部品交換システム3は、保管管理装置4Aと、少なくとも1台の保管装置4と、交換管理装置5Aと、少なくとも1台の部品交換装置5と、を含む。部品交換システム3では、保管管理装置4Aと保管装置4とがデータ通信可能に接続されるとともに、交換管理装置5Aと部品交換装置5とがデータ通信可能に接続されている。また、部品実装システム1は、生産管理装置2A、保管管理装置4A及び交換管理装置5Aの各々とデータ通信可能に接続される統合管理装置1Aを備える。なお、統合管理装置1A、生産管理装置2A、保管管理装置4A、及び交換管理装置5Aは、例えばマイクロコンピュータによって構成される。
【0013】
部品実装システム1では、統合管理装置1Aから生産管理装置2Aへ生産計画データD1が送信される。生産管理装置2Aが生産計画データD1を受信すると、部品実装機2Bは、生産計画データD1に従って部品搭載基板を生産する。生産管理装置2Aは、部品実装機2Bによる部品搭載基板の生産を管理する。生産管理装置2Aは、部品実装機2Bにおける部品搭載基板の生産の状況を示す生産状況データD2を統合管理装置1Aに送信する。
【0014】
統合管理装置1Aは、生産管理装置2Aから送信された生産状況データD2に基づいて、部品実装機2Bにおける部品搭載基板の生産に伴う部品切れの予想時刻、部品切れの部品の種類などを認識する。そして、統合管理装置1Aは、認識結果に基づいて、部品実装機2Bに対する部品の補給計画を示す補給計画データD3を生成する。統合管理装置1Aは、生成した補給計画データD3を保管管理装置4A及び交換管理装置5Aのそれぞれに送信する。
【0015】
保管管理装置4Aが補給計画データD3を受信すると、作業者は、補給計画データD3に基づいて、部品実装機2Bにおいて用いられる部品供給用の部品供給具を準備する。作業者は、準備した部品供給具を保管装置4に補充する。保管装置4は、部品種の異なる複数の部品供給具を、所定方向に配列された状態で保管する。保管管理装置4Aは、保管装置4における部品供給具の保管状況を管理する。
【0016】
交換管理装置5Aが補給計画データD3を受信すると、部品交換装置5は、保管装置4から部品供給具を取り込むとともに、部品実装機2Bとの間で部品供給具を交換する。交換管理装置5Aは、部品交換装置5の動作を管理する。
【0017】
[生産システムの詳細構成]
既述の通り、生産システム2では、統合管理装置1Aから送信された生産計画データD1を生産管理装置2Aが受信すると、部品実装機2Bは、生産計画データD1に従って部品搭載基板を生産する。この部品実装機2Bについて、図2を参照しながら説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X軸方向及びY軸方向は水平面上において互いに直交し、Z軸方向がX軸方向及びY軸方向の両方向と直交する鉛直方向に延びる方向である。
【0018】
部品実装機2Bは、基板に部品を搭載して部品搭載基板を生産する装置である。部品実装機2Bによる部品の搭載前において基板には、半田ペーストのパターンが印刷されている。部品実装機2Bは、実装機本体21と、搬送コンベア22と、部品供給ユニット23と、ヘッドユニット26とを備える。
【0019】
実装機本体21は、部品実装機2Bを構成する各部が配置される内部空間を有する筐体である。搬送コンベア22は、Y軸方向に延び、実装機本体21の内部における略中央領域に配置される。搬送コンベア22は、基板をY軸方向に搬送する。ヘッドユニット26は、搬送コンベア22により搬送された基板に部品を搭載する。ヘッドユニット26は、部品供給ユニット23に配置されるフィーダー25から部品を取出すとともに、その取出した部品を基板に搭載する。ヘッドユニット26には、複数の吸着ノズル261が装着されている。吸着ノズル261は、部品を吸着して保持可能な保持具である。吸着ノズル261は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル261に負圧が供給されることで当該吸着ノズル261による部品の吸着保持が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。
【0020】
部品供給ユニット23は、実装機本体21におけるX軸方向の端部領域に配置される。部品供給ユニット23は、部品を供給するフィーダー25を挿抜可能に支持する複数の供給支持部24を形成するための上フレーム231、下フレーム232、及び奥側フレーム233を有している。上フレーム231は、X軸方向及びY軸方向に広がる板状のフレームである。上フレーム231は、そのX軸方向の一端側の領域部分が実装機本体21から外方に露出するとともに、X軸方向の他端側の領域部分が実装機本体21の内部に収容されるように、実装機本体21におけるX軸方向の一端部に配置される。下フレーム232は、X軸方向及びY軸方向に広がる板状のフレームであり、上フレーム231に対してZ軸方向の下方側に当該上フレーム231と対向するように配置される。下フレーム232は、実装機本体21の内部に収容されるX軸方向の他端側の領域部分に、Z軸方向の上方側に突出する突出部2321を有している。奥側フレーム233は、Y軸方向及びZ軸方向に広がる板状のフレームであり、実装機本体21の内部において上フレーム231及び下フレーム232のX軸方向他端よりも実装機本体21の中央寄りの位置に配置される。
【0021】
複数の供給支持部24の各々は、部品供給ユニット23においてフィーダー25を挿抜可能に支持する。部品供給ユニット23においては、複数の供給支持部24がY軸方向に並ぶように配列される。このような各供給支持部24にフィーダー25が挿入されることにより、複数のフィーダー25がY軸方向に並んで配置される。
【0022】
フィーダー25は、部品を供給する部品供給具である。フィーダー25は、部品を供給可能に構成されていれば、その部品供給方式は特に限定されない。フィーダー25としては、例えば、テープを担体として部品を供給する方式のテープフィーダー、部品が載置されたトレイを移動させることにより部品を供給する方式のトレイフィーダー、筒状のスティックに収納された部品を当該スティックから押し出しながら供給する方式のスティックフィーダーなどを採用することができる。また、複数の部品が集合したバルク状態の部品を収容したバルクカセットが着脱自在に装着されたバルクフィーダーを、フィーダー25として採用しても構わない。
【0023】
以下では、フィーダー25としてテープフィーダーを採用した場合について説明する。フィーダー25は、複数の部品を収納可能な部品収納テープPTを送出することにより部品を供給する。部品収納テープPTは、部品を収納する収納部が複数設けられたキャリアテープPT1と、前記収納部を覆うようにキャリアテープPT1に接合されるカバーテープPT2とからなる。フィーダー25は、フィーダー本体251と、リール支持部252と、テープ送出部254と、回収部255とを含む。
【0024】
フィーダー本体251には、テープ送出路253が形成されている。テープ送出路253は、部品収納テープPTが送出される経路であり、部品収納テープPTの送出方向の上流端と下流端との間に部品取出し部2531を有している。リール支持部252は、フィーダー本体251においてテープ送出路253の上流端側に配置される。リール支持部252は、部品収納テープPTが巻回されたリールを支持する。
【0025】
テープ送出部254は、例えばスプロケットから構成されており、テープ送出路253の部品取出し部2531の近傍に配置される。テープ送出部254は、リール支持部252により支持されたリールから部品収納テープPTを繰り出すとともに、その繰り出した部品収納テープPTをテープ送出路253に沿って送出する。テープ送出部254の動作は、制御基板259に搭載された制御回路によって制御される。テープ送出路253に沿って送出される部品収納テープPTでは、部品取出し部2531よりも上流側においてカバーテープPT2がキャリアテープPT1から剥離される。これにより、部品取出し部2531においてキャリアテープPT1上で部品が露出される。キャリアテープPT1上で露出された部品は、ヘッドユニット26による取出しが可能である。つまり、ヘッドユニット26は、フィーダー25によって供給される部品を、部品取出し部2531から取出す。
【0026】
部品取出し部2531よりも上流側においてキャリアテープPT1から剥離されたカバーテープPT2は、回収部255によって回収される。回収部255は、例えば、互いに当接するローラー対から構成されている。この場合、回収部255は、ローラー対の回転に応じてカバーテープPT2を回収する。回収部255により回収されたカバーテープPT2は、回収ボックス2551内に収容される。
【0027】
ヘッドユニット26により部品が取出された後のキャリアテープPT1は、テープ送出部254の送出動作によってテープ送出路253の下流端を介してフィーダー25から外方に送出される。フィーダー25から外方に送出されたキャリアテープPT1は、部品供給ユニット23における下フレーム232の突出部2321の近傍に配置されたテープカッター23Aにより所定の長さに切断される。
【0028】
また、図2に示されるように、フィーダー25は、上位置決めピン256と、下位置決めピン257と、フィーダー側コネクタ258とを有している。上位置決めピン256及び下位置決めピン257は、フィーダー本体251のX軸方向の一端部から突出するように設けられたピンである。上位置決めピン256と下位置決めピン257とは、フィーダー本体251のX軸方向一端部においてZ軸方向に互いに間隔を隔てて配置され、上位置決めピン256が下位置決めピン257よりも上方側に位置している。フィーダー本体251のX軸方向一端部は、上位置決めピン256及び下位置決めピン257が設けられた部分に対してX軸方向他方側に窪んだ段差部を有している。このフィーダー本体251のX軸方向一端部における段差部に、フィーダー側コネクタ258が設けられている。フィーダー側コネクタ258は、制御基板259と電気的に接続されるコネクタである。
【0029】
フィーダー25を挿抜可能に支持するための複数の供給支持部24は、部品供給ユニット23における上フレーム231、下フレーム232、及び奥側フレーム233に形成されている。各供給支持部24は、上保持レール241と、下保持レール242と、上ピン挿通孔243と、下ピン挿通孔244と、ユニット側コネクタ245とを含む。
【0030】
上保持レール241は、上フレーム231の下面においてX軸方向に延びるようにY軸方向に並んで複数形成されている。上保持レール241は、フィーダー25の供給支持部24に対する挿抜時の移動の際にフィーダー25の上端をガイドするレール部材である。下保持レール242は、下フレーム232の上面においてX軸方向に延びるようにY軸方向に並んで複数形成されている。下保持レール242は、フィーダー25の供給支持部24に対する挿抜時の移動の際にフィーダー25の下端をガイドするレール部材である。
【0031】
上ピン挿通孔243は、奥側フレーム233の上端部においてY軸方向に並んで複数形成される孔である。上ピン挿通孔243は、フィーダー25が供給支持部24に挿入されるときにフィーダー25の上位置決めピン256の挿通を許容する。一方、フィーダー25が供給支持部24から抜出されるときには、上位置決めピン256の上ピン挿通孔243に対する挿通が解除される。下ピン挿通孔244は、奥側フレーム233の下端部においてY軸方向に並んで複数形成される孔である。下ピン挿通孔244は、フィーダー25が供給支持部24に挿入されるときにフィーダー25の下位置決めピン257の挿通を許容する。一方、フィーダー25が供給支持部24から抜出されるときには、下位置決めピン257の下ピン挿通孔244に対する挿通が解除される。フィーダー25は、上位置決めピン256が上ピン挿通孔243に挿通されるとともに、下位置決めピン257が下ピン挿通孔244に挿通されることにより、供給支持部24に対して位置決めされる。
【0032】
ユニット側コネクタ245は、下フレーム232の突出部2321においてY軸方向に並んで複数設けられ、部品実装機2Bの制御部と電気的に接続されるコネクタである。ユニット側コネクタ245は、フィーダー25が供給支持部24に挿入されるときにフィーダー25のフィーダー側コネクタ258と接続される。
【0033】
部品実装機2Bにおける部品搭載基板の生産時においては、1枚の基板当たりに複数種の部品が搭載される。更に、基板の種類ごとに搭載される部品の種類が異なる。このため、部品供給ユニット23内には、部品種の異なる複数のフィーダー25が、供給支持部24に支持された状態でY軸方向に配列される。この場合、複数のフィーダー25は、ヘッドユニット26による基板に対する部品の搭載効率に基づいて最適化された配列となるように、部品供給ユニット23内において各供給支持部24に支持される。具体的には、部品供給ユニット23内における複数のフィーダー25の配列は、基板に対する部品の搭載時にヘッドユニット26の移動量がなるべく小さくなるように設定される。
【0034】
[部品交換システムの詳細構成]
既述の通り、部品交換システム3では、統合管理装置1Aから送信された補給計画データD3を保管管理装置4A及び交換管理装置5Aが受信する。補給計画データD3は、部品実装機2Bの部品供給ユニット23に対するフィーダー25の補給計画を示すデータである。図1に示されるように、補給計画データD3は、部品種情報D31と、供給支持部位置情報D32と、補給完了時刻情報D33とが関連付けられたデータである。部品種情報D31は、部品供給ユニット23の各供給支持部24に支持された複数のフィーダー25のうち、部品切れ等により回収が必要になると予測される回収対象のフィーダー25に収容される部品の種類を示す情報である。供給支持部位置情報D32は、部品供給ユニット23内の複数の供給支持部24のうち、回収対象のフィーダー25を支持する回収元の供給支持部24の位置を示す情報である。補給完了時刻情報D33は、回収元の供給支持部24から回収対象のフィーダー25を回収するとともに、当該回収元の供給支持部24に対する補給対象のフィーダー25の補給を完了する目標時刻を示す情報である。補給完了時刻情報D33で示される目標時刻は、例えば、回収対象のフィーダー25に部品切れ等が生じる予測時刻の1時間前の時刻に設定される。
【0035】
図3に示されるように、保管管理装置4Aは、保管装置4とデータ通信可能に接続される。保管装置4は、部品実装機2BからX軸方向に離れた位置に配置され、部品実装機2Bに対する補給用のフィーダー25を保管する装置である。保管装置4は、保管装置本体41と、保管ユニット42と、を備える。保管装置本体41は、保管ユニット42が配置される内部空間を有する筐体である。保管ユニット42は、保管装置本体41内に配置される複数の保管支持部421を有する。複数の保管支持部421は、X軸方向に延びるレールによって構成され、Y軸方向に並ぶように配列される。複数の保管支持部421は、部品種の異なる複数のフィーダー25を挿抜可能に支持する。保管ユニット42では、各保管支持部421にフィーダー25が挿入されることにより、複数のフィーダー25がY軸方向に並んで配置される。
【0036】
図3に示される例では、7つの保管支持部421a~421gが、保管ユニット42におけるY軸方向の一端から他端に向かって順番に並んで配列されている。保管ユニット42における各保管支持部421a~421gへのフィーダー25の挿入は、作業者によって行われる。保管ユニット42では、7つの保管支持部421a~421gのうち、5つの保管支持部421a~421eが部品種の異なるフィーダー25をそれぞれ支持し、Y軸方向の他端側の特定領域422内の保管支持部421f,421gがフィーダー25を支持していない支持部である。
【0037】
保管管理装置4Aは、統合管理装置1Aから送信された補給計画データD3に基づいて、図3に示される保管管理データD4を生成する。保管管理データD4は、保管装置4の保管ユニット42内におけるフィーダー25の保管状況を管理するためのデータである。保管管理データD4は、作業完了時刻情報D41と、保管配列データD42とが関連付けられたデータである。作業完了時刻情報D41は、保管ユニット42の各保管支持部421a~421gに補給用のフィーダー25を挿入するという、作業者による作業を完了する目標時刻を示す情報である。作業完了時刻情報D41で示される目標時刻は、例えば、補給計画データD3に含まれる補給完了時刻情報D33で示される目標時刻の1時間前の時刻に設定される。
【0038】
保管配列データD42は、保管ユニット42内において各保管支持部421a~421gに支持されて保管される補給用のフィーダー25の配列を示すデータである。保管配列データD42は、部品種情報D421と、フィーダー識別情報D422と、保管支持部位置情報D423とが関連付けられたデータである。部品種情報D421は、補給用のフィーダー25に収容される部品の種類を示す情報である。保管配列データD42に含まれる部品種情報D421で示される部品種は、補給計画データD3に含まれる部品種情報D31で示される部品種と一致している。フィーダー識別情報D422は、各保管支持部421a~421gに支持される補給用のフィーダー25を識別するための情報である。保管支持部位置情報D423は、補給用のフィーダー25を支持する保管支持部421a~421gの保管ユニット42内における位置を示す情報である。
【0039】
保管管理装置4Aにより保管管理データD4が生成されると、作業者は、部品種情報D421で示される部品種の部品を収容し、フィーダー識別情報D422で識別されるフィーダー25を準備する。そして、作業者は、作業完了時刻情報D41で示される目標時刻に間に合うように、複数の保管支持部421a~421gのうちの保管支持部位置情報D423で示される位置の保管支持部421に、準備したフィーダー25を挿入する作業を行う。なお、作業者は、準備したフィーダー25を、保管ユニット42内の任意の位置の保管支持部421に挿入する作業を行ってもよい。この場合、作業者によって各保管支持部421a~421gにフィーダー25が挿入されると、保管支持部位置情報D423が保管配列データD42に登録される。
【0040】
図3に示される例では、保管ユニット42において、保管支持部421aがフィーダー25Aを支持し、保管支持部421bがフィーダー25Bを支持し、保管支持部421cがフィーダー25Cを支持し、保管支持部421dがフィーダー25Dを支持し、保管支持部421eがフィーダー25Eを支持している。そして、保管ユニット42におけるY軸方向の他端側の特定領域422内の保管支持部421f,421gは、フィーダー25を支持していない。
【0041】
なお、部品交換システム3においては、保管管理装置4Aが保管装置4に組み込まれていてもよい。すなわち、保管装置4は、保管装置本体41内に配置される保管ユニット42と、保管管理装置4Aと、を備えていてもよい。
【0042】
図4に示されるように、交換管理装置5Aは、部品交換装置5とデータ通信可能に接続される。部品交換装置5は、保管装置4と部品実装機2Bとの間の領域内を走行可能な作業ロボットである。部品交換装置5は、保管装置4に対向する位置に配置された状態で、保管ユニット42の各保管支持部421a~421gから補給用のフィーダー25を抜出して内部に取り込む作業を行う。また、部品交換装置5は、部品実装機2Bに対向する位置に配置された状態で、部品供給ユニット23において回収対象のフィーダー25を支持する回収元の供給支持部24からフィーダー25を抜出して内部に回収する作業を行うとともに、回収元の供給支持部24に補給対象のフィーダー25を挿入して補給する作業を行う。
【0043】
部品交換装置5は、交換装置本体51と、動作ユニット52と、を備える。交換装置本体51は、動作ユニット52が配置される内部空間を有する筐体である。動作ユニット52は、移動台53と、アーム部54と、ハンド部55と、を含む。なお、動作ユニット52は、移動台53、アーム部54及びハンド部55を移動させるためのボールねじ機構などの移動機構と、当該移動機構の駆動源となる駆動モータと、当該駆動モータの駆動を制御する制御基板と、を含むユニットである。
【0044】
移動台53は、X軸方向及びY軸方向に広がる板状の形状を有し、その上面に複数の交換支持部531が設けられている。複数の交換支持部531は、X軸方向に延びるレールによって構成され、Y軸方向に並ぶように移動台53上に配列される。複数の交換支持部531は、部品供給ユニット23の供給支持部24との間、及び、保管ユニット42の保管支持部421との間で交換されるフィーダー25を挿抜可能に支持する。移動台53では、各交換支持部531にフィーダー25が挿入されることにより、複数のフィーダー25がY軸方向に並んで配置される。図4に示される例では、6つの交換支持部531a~531fが、移動台53におけるY軸方向の一端から他端に向かって順番に並んで配列されている。移動台53は、交換装置本体51内において、複数の交換支持部531a~531fの配列方向となるY軸方向に、所定の許容移動範囲532の範囲内で移動可能である。
【0045】
アーム部54は、交換装置本体51内における移動台53の上方の空間を、複数の交換支持部531a~531fの配列方向となるY軸方向に移動可能である。ハンド部55は、アーム部54に移動可能に取り付けられ、フィーダー25を把持することが可能な把持体である。ハンド部55は、アーム部54に対して、複数の交換支持部531a~531fが延びるX軸方向に移動可能である。ハンド部55は、交換装置本体51内における移動台53の上方の空間を、アーム部54の移動に伴ってY軸方向に移動するとともに、アーム部54に対してX軸方向に移動する。ハンド部55は、フィーダー25を把持した状態でアーム部54に対してX軸方向に移動することにより、移動台53上の各交換支持部531a~531fに対してフィーダー25が挿抜されるように、フィーダー25を移動させる。
【0046】
部品交換装置5が保管装置4に対向する位置に配置されることにより、動作ユニット52が保管ユニット42に対して対向配置された状態では、移動台53は、保管ユニット42から移動台53への移載対象のフィーダー25を支持した移載元の保管支持部421に、移載対象のフィーダー25の移載先となる移載先の交換支持部531が対向するように、所定の許容移動範囲532の範囲内でY軸方向に移動する。アーム部54は、移載先の交換支持部531の上方にハンド部55が位置するように、Y軸方向に移動する。そして、ハンド部55は、移載対象のフィーダー25を把持した状態でX軸方向に沿って保管装置4側から部品交換装置5側へ移動する。この場合、移載対象のフィーダー25は、保管ユニット42内の移載元の保管支持部421から抜出されて、移動台53上の移載先の交換支持部531に移動して挿入される。移動台53、アーム部54及びハンド部55の移動が順次繰り返されることにより、部品種の異なる複数種の補給対象のフィーダー25が、移動台53上にY軸方向に並んで配列される。
【0047】
部品交換装置5が部品実装機2Bに対向する位置に配置されることにより、動作ユニット52が部品供給ユニット23に対して対向配置された状態では、移動台53は、部品供給ユニット23から移動台53への回収対象のフィーダー25を支持した回収元の供給支持部24に、回収対象のフィーダー25の回収先となる回収先の交換支持部531が対向するように、所定の許容移動範囲532の範囲内でY軸方向に移動する。アーム部54は、回収先の交換支持部531の上方にハンド部55が位置するように、Y軸方向に移動する。そして、ハンド部55は、回収対象のフィーダー25を把持した状態でX軸方向に沿って部品実装機2B側から部品交換装置5側へ移動する。この場合、回収対象のフィーダー25は、部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24から抜出されて、移動台53上の回収先の交換支持部531に移動して挿入される。これにより、部品供給ユニット23内の回収対象のフィーダー25が、移動台53上に回収される。
【0048】
また、移動台53は、移動台53から部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24への補給対象のフィーダー25を支持した補給元の交換支持部531が回収元の供給支持部24に対向するように、所定の許容移動範囲532の範囲内でY軸方向に移動する。アーム部54は、補給元の交換支持部531の上方にハンド部55が位置するように、Y軸方向に移動する。そして、ハンド部55は、補給対象のフィーダー25を把持した状態でX軸方向に沿って部品交換装置5側から部品実装機2B側へ移動する。この場合、補給対象のフィーダー25は、移動台53上の補給元の交換支持部531から抜出されて、部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24に移動して挿入される。これにより、移動台53上の補給対象のフィーダー25が、回収対象のフィーダー25と交換されるように、部品供給ユニット23内に補給される。
【0049】
図4に示されるように、部品交換装置5は、検出ユニット56と、報知ユニット57とを更に備える。検出ユニット56は、ハンド部55の移動に応じて移動台53上の各交換支持部531a~531fに挿入されたフィーダー25を検出するユニットである。検出ユニット56は、フィーダー25を識別するためのフィーダー識別情報を検出する。報知ユニット57は、交換装置本体51の外面に取り付けられ、各種情報を報知するユニットである。
【0050】
交換管理装置5Aは、部品交換装置5の動作を管理する装置である。交換管理装置5Aは、制御ユニット5A1と、記憶ユニット5A2とを含む。制御ユニット5A1は、統合管理装置1Aから送信された補給計画データD3に基づいて、図4に示される交換管理データD5を生成する。制御ユニット5A1により生成された交換管理データD5は、記憶ユニット5A2に記憶される。
【0051】
交換管理データD5は、部品交換装置5の動作ユニット52の動作を管理するためのデータである。交換管理データD5は、交換完了時刻情報D51と、供給支持部位置情報D52と、移動台配列データD53とが関連付けられたデータである。
【0052】
交換完了時刻情報D51は、複数の補給対象のフィーダー25を移動台53上に配列させるとともに、部品供給ユニット23から回収対象のフィーダー25を移動台53上に回収し、移動台53上の補給対象のフィーダー25を部品供給ユニット23に補給するという、動作ユニット52の動作を完了する目標時刻を示す情報である。交換完了時刻情報D51で示される目標時刻は、補給計画データD3に含まれる補給完了時刻情報D33で示される目標時刻を中心とした所定の許容範囲内に収まる時刻に設定される。
【0053】
供給支持部位置情報D52は、部品供給ユニット23における回収対象のフィーダー25を支持する回収元の供給支持部24の位置を示す情報である。供給支持部位置情報D52で示される位置は、補給計画データD3に含まれる供給支持部位置情報D32で示される位置と一致している。
【0054】
[制御ユニットの設定処理について]
制御ユニット5A1は、移動台53上の複数の交換支持部531a~531fについて、補給対象のフィーダー25を支持せずに回収対象のフィーダー25を回収するための回収先の交換支持部531と、補給対象のフィーダー25を支持する補給元の交換支持部531と、を設定する設定処理を行う。制御ユニット5A1は、設定処理を行うことにより、交換管理データD5に含まれる移動台配列データD53を生成する。
【0055】
移動台配列データD53は、移動台53上における複数種の補給対象のフィーダー25の配列を示すデータである。移動台配列データD53は、部品種情報D531と、フィーダー識別情報D532と、交換支持部位置情報D533とが関連付けられたデータである。部品種情報D531は、保管ユニット42から移動台53上に移載される移載対象のフィーダー25であって、移動台53上への移載後に部品供給ユニット23に補給される補給対象のフィーダー25に収容される部品の種類を示す情報である。移動台配列データD53に含まれる部品種情報D531で示される部品種は、補給計画データD3に含まれる部品種情報D31で示される部品種と一致している。フィーダー識別情報D532は、保管ユニット42から移動台53上に移載される移載対象のフィーダー25であって、移動台53上への移載後に部品供給ユニット23に補給される補給対象のフィーダー25を識別するための情報である。交換支持部位置情報D533は、保管ユニット42から移動台53上に移載される移載対象のフィーダー25であって、移動台53上への移載後に部品供給ユニット23に補給される補給対象のフィーダー25を支持する補給元の交換支持部531の、移動台53上における位置を示す情報である。
【0056】
制御ユニット5A1は、交換完了時刻情報D51で示す目標時刻が補給完了時刻情報D33で示される時刻に対して許容範囲内に収まることを考慮しながら、移動台53上における補給対象のフィーダー25の配列が、移動台53と部品供給ユニット23との間でのフィーダー25の交換効率に基づいて最適化された配列となるように、移動台配列データD53を生成する。この場合、移動台配列データD53で示される移動台53上における回収先の交換支持部531と補給元の交換支持部531との位置は、回収対象のフィーダー25の移動台53への回収に応じて補給元の交換支持部531に支持された補給対象のフィーダー25を回収元の供給支持部24に補給する補給処理において、交換完了時刻情報D51で示す目標時刻が許容範囲内に収まるとともに、移動台53の移動量が所定の目標範囲に収まってなるべく小さくなるような位置に設定される。
【0057】
制御ユニット5A1は、例えば、以下の手順に従って移動台配列データD53を生成する。まず、制御ユニット5A1は、保管管理データD4に基づいて保管ユニット42におけるフィーダー25の配列を確認するとともに、検出ユニット56の検出結果に基づいて移動台53上におけるフィーダー25の配列を確認する。また、制御ユニット5A1は、補給計画データD3に基づいて、部品供給ユニット23における回収対象のフィーダー25の部品種及び数を確認する。これにより、制御ユニット5A1は、補給対象のフィーダー25に対応する部品種情報D531及びフィーダー識別情報D532を特定する。
【0058】
次に、制御ユニット5A1は、補給計画データD3に基づいて、部品供給ユニット23において回収対象のフィーダー25を支持する回収元の供給支持部24の位置を確認する。そして、制御ユニット5A1は、交換完了時刻情報D51で示す目標時刻が補給完了時刻情報D33で示される時刻に対して許容範囲内に収まることを考慮しながら、移動台53の移動量が目標範囲内に収まってなるべく小さくなるように、複数の補給対象のフィーダー25を回収対象のフィーダー25と交換して補給するときの補給順を設定する。この場合、複数の補給対象のフィーダー25の補給順は、補給完了時刻情報D33で示される目標時刻の早い順と、必ずしも一致しない。つまり、複数の補給対象のフィーダー25の補給順は、回収対象のフィーダー25に部品切れ等が生じる予測時刻の早い順と、必ずしも一致しない。
【0059】
例えば、部品供給ユニット23において、部品切れ等が生じる予測時刻の早い順の順位が1番目のフィーダー25と2番目のフィーダー25との間に3番目のフィーダー25が配置されている場合を想定する。この場合、補給対象のフィーダー25の補給順を、部品切れ等が生じる予測時刻の早い順に設定すると、1番目のフィーダー25に対応した補給の後に2番目のフィーダー25に対応して補給するときには、移動台53は、3番目のフィーダー25の位置を通り過ぎて2番目のフィーダー25の位置に移動することになる。このため、移動台53の移動量が大きくなってしまう。そこで、制御ユニット5A1は、移動台53の移動量が小さくなるように、補給対象のフィーダー25の補給順を、1番目のフィーダー25、3番目のフィーダー25、2番目のフィーダー25の順に設定する。このように制御ユニット5A1は、移動台53の移動量が目標範囲内に収まってなるべく小さくなるように、複数の補給対象のフィーダー25を回収対象のフィーダー25と交換して補給するときの補給順を設定する。これにより、複数の補給対象のフィーダー25を補給順に従って補給するときに、移動台53の移動量を目標範囲に収めることができる。
【0060】
次に、制御ユニット5A1は、移動台53上の複数の交換支持部531a~531fにおいて、回収先の交換支持部531と、補給対象のフィーダー25を支持する補給元の交換支持部531と、を設定する。この際、制御ユニット5A1は、回収対象のフィーダー25の数が移動台53上の交換支持部531a~531fの数の半分以下であるか否かに応じて、回収先及び補給元の各々の交換支持部531の位置を設定する。
【0061】
回収対象のフィーダー25の数が移動台53上の交換支持部531a~531fの数の半分を超える場合、図4の第1例に示されるように、制御ユニット5A1は、移動台53上においてY軸方向で最も一方側の交換支持部531aを回収先の支持部として設定し、交換支持部531aに対してY軸方向の他方側に配置された交換支持部531b~531fを補給対象のフィーダー25A~25Eを支持する補給元の支持部として設定する。この際、制御ユニット5A1は、複数の補給対象のフィーダー25A~25EがY軸方向の一方から他方に向かって補給順に並ぶように、各補給対象のフィーダー25A~25Eを支持する補給元の交換支持部531b~531fの位置を設定する。これにより、制御ユニット5A1は、回収先の交換支持部531aの位置と、補給対象のフィーダー25A~25Eを支持する補給元の交換支持部531b~531fの位置と、を示す交換支持部位置情報D533を特定する。
【0062】
各補給元の交換支持部531b~531fに支持されて移動台53上に配列される複数の補給対象のフィーダー25A~25Eは、移動台53上における配列の順、すなわち、補給順に従って部品供給ユニット23に補給される。この際、補給順の順位が1番目の補給対象のフィーダー25Aに対応した回収対象のフィーダー25は、移動台53上の複数の交換支持部531a~531fのうちY軸方向で最も一方側の回収先の交換支持部531aに回収することができる。補給順の順位が2番目以降の補給対象のフィーダー25B~25Eに対応した回収対象のフィーダー25は、移動台53上において、補給順の順位が上位の補給対象のフィーダー25が補給されることに応じてフィーダー25を支持していない空の状態となった交換支持部531を回収先として回収することができる。
【0063】
図4の第1例の場合、制御ユニット5A1は、部品種の異なる複数種の補給対象のフィーダー25A~25Eをそれぞれ支持する各補給元の交換支持部531b~531fのうち、補給処理における移動台53の移動量が目標範囲内で最も小さくなる特定の交換支持部531bを、回収先の交換支持部531aに回収される回収対象のフィーダー25と交換して回収元の供給支持部24に補給すべき特定部品種の補給対象のフィーダー25Aを支持する交換支持部として設定する。
【0064】
この場合、回収対象のフィーダー25が移動台53上の回収先の交換支持部531aに回収されることに応じて、部品種の異なる複数種の補給対象のフィーダー25A~25Eのうち、回収先の交換支持部531aに回収される回収対象のフィーダー25と交換して補給すべき特定部品種の補給対象のフィーダー25Aが、移動台53上の特定の交換支持部531bから部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24に補給される。この際、移動台53上において複数種の補給対象のフィーダー25A~25Eをそれぞれ支持する補給元の交換支持部531b~531fのうち、補給処理における移動台53の移動量が目標範囲内で最も小さくなる特定の交換支持部531bが、特定部品種の補給対象のフィーダー25Aを支持する交換支持部として設定される。このため、特定部品種の補給対象のフィーダー25Aが回収対象のフィーダー25と交換して回収元の供給支持部24に補給されるときには、移動台53の移動量が目標範囲に収まってなるべく小さくなる。
【0065】
また、制御ユニット5A1は、移動台53上における回収先の交換支持部531aの位置を、特定の交換支持部531bに隣接する位置に設定する。これにより、回収対象のフィーダー25が回収先の交換支持部531aに回収されることに応じて、特定の交換支持部531bに支持される特定部品種の補給対象のフィーダー25Aが回収元の供給支持部24に補給されるときの移動台53の移動量を、目標範囲に収まってなるべく小さくすることができる。
【0066】
また、制御ユニット5A1は、移動台53上において、補給順の順位が1番目の補給対象のフィーダー25Aを支持する特定の交換支持部531bに隣接する位置に、回収先の交換支持部531aの位置を設定する。これにより、回収対象のフィーダー25が回収先の交換支持部531aに回収されることに応じて、補給順の順位が1番目の補給対象のフィーダー25Aが回収元の供給支持部24に補給されるときの移動台53の移動量を、目標範囲に収まってなるべく小さくすることができる。
【0067】
なお、制御ユニット5A1は、複数の補給対象のフィーダー25A~25Eをそれぞれ支持する各補給元の交換支持部531b~531fのうち、補給処理における移動台53の移動量が目標範囲に収まる1つの特定の交換支持部531を、回収先の交換支持部531aに回収される回収対象のフィーダー25と交換して回収元の供給支持部24に補給すべき特定部品種の補給対象のフィーダー25Aを支持する交換支持部として設定してもよい。この場合、制御ユニット5A1は、移動台53上における回収先の交換支持部531aの位置を、特定の交換支持部531から目標範囲内の位置に設定する。移動台53上において複数種の補給対象のフィーダー25A~25Eをそれぞれ支持する補給元の交換支持部531b~531fのうち、補給処理における移動台53の移動量が目標範囲に収まる1つの特定の交換支持部531が、特定部品種の補給対象のフィーダー25Aを支持する交換支持部として設定される。このため、特定部品種の補給対象のフィーダー25Aが回収対象のフィーダー25と交換して回収元の供給支持部24に補給されるときには、移動台53の移動量が目標範囲に収まる。
【0068】
一方、回収対象のフィーダー25の数が移動台53上の交換支持部531a~531fの数の半分以下の場合、図4の第2例に示されるように、制御ユニット5A1は、回収先の交換支持部531a,531c,531eと、補給対象のフィーダー25A,25B,25Cを支持する補給元の交換支持部531b,531d,531fとが、移動台53上でY軸方向に交互に並ぶように、回収先の交換支持部531a,531c,531eと補給元の交換支持部531b,531d,531fとの位置を設定する。この際、制御ユニット5A1は、複数の補給対象のフィーダー25A,25B,25CがY軸方向の一方から他方に向かって補給順に並ぶように、各補給対象のフィーダー25A,25B,25Cを支持する補給元の交換支持部531b,531d,531fの位置を設定する。これにより、制御ユニット5A1は、回収先の交換支持部531a,531c,531eの位置と、補給対象のフィーダー25A,25B,25Cを支持する補給元の交換支持部531b,531d,531fの位置と、を示す交換支持部位置情報D533を特定する。
【0069】
図4の第2例の場合、複数の補給対象のフィーダー25A,25B,25Cが移動台53上の補給元の交換支持部531b,531d,531fにそれぞれ支持された状態で、各補給対象のフィーダー25A,25B,25Cに隣接した位置に回収先の交換支持部531a,531c,531eが配置される。この場合、各補給対象のフィーダー25A,25B,25Cに対応した各回収対象のフィーダー25は、移動台53上の各回収先の交換支持部531a,531c,531eに回収することができる。
【0070】
制御ユニット5A1は、上記のように特定した部品種情報D531、フィーダー識別情報D532、及び交換支持部位置情報D533に基づいて、移動台53上における補給対象のフィーダー25の配列を示す移動台配列データD53を生成することができる。
【0071】
なお、制御ユニット5A1は、回収対象のフィーダー25の幅寸法に基づいて、移動台53上において複数の交換支持部531が一体の回収先の交換支持部の位置を設定してもよい。例えば、回収対象のフィーダー25の幅寸法が、1つの交換支持部531の幅寸法の2倍である場合、制御ユニット5A1は、隣接する2つの交換支持部531を、回収先の交換支持部として設定する。
【0072】
また、部品交換システム3においては、制御ユニット5A1を含む交換管理装置5Aが部品交換装置5に組み込まれていてもよい。すなわち、部品交換装置5は、交換装置本体51内に配置される動作ユニット52と、検出ユニット56と、報知ユニット57と、交換管理装置5Aと、を備えていてもよい。
【0073】
[制御ユニットによる動作ユニットの制御について]
制御ユニット5A1は、保管管理データD4に含まれる保管配列データD42と、移動台配列データD53を含む交換管理データD5とに基づいて、部品交換装置5の動作ユニット52の動作を制御する。制御ユニット5A1は、保管配列データD42及び交換管理データD5に基づく制御信号を動作ユニット52の制御基板に送ることにより、動作ユニット52の移動台53、アーム部54及びハンド部55を移動させる。
【0074】
(配列処理)
部品交換装置5が保管装置4に対向する位置に配置されることにより、動作ユニット52が保管ユニット42に対して対向配置された状態では、制御ユニット5A1は、保管ユニット42内の移載対象のフィーダー25を移動台53上に移動させて、移動台53上に補給対象のフィーダー25を配列させる配列処理を行う。この配列処理について、図5を参照しながら説明する。なお、図5に示される配列処理は、移動台53上の補給対象のフィーダー25の配列が図4の第1例に示される配列となるような移動台配列データD53に基づく処理である。
【0075】
制御ユニット5A1は、保管配列データD42の保管支持部位置情報D423に基づいて、保管ユニット42における移載対象のフィーダー25A~25Eを支持する移載元の保管支持部421a~421eの位置を確認する。また、制御ユニット5A1は、移動台配列データD53の交換支持部位置情報D533に基づいて、各移載対象のフィーダー25A~25Eの移載先となる移動台53上における補給元の交換支持部531b~531fの位置を確認する。そして、制御ユニット5A1は、保管ユニット42における移載元の保管支持部421a~421eに支持された移載対象のフィーダー25A~25Eが移動台53上における移載先となる補給元の交換支持部531b~531fに移動し、移動台53上におけるフィーダー25A~25Eの配列が移動台配列データD53で示される配列となるように、移動台53、アーム部54及びハンド部55を移動させる。
【0076】
制御ユニット5A1は、移動台53上におけるフィーダー25A~25Eの配列が移動台配列データD53で示される配列となるまで、図5に示される第1配列移動処理と第2配列移動処理とを繰り返す。
【0077】
制御ユニット5A1は、第1配列移動処理において、移載対象のフィーダー25Aを支持した移載元の保管支持部421aに移載先となる補給元の交換支持部531bが対向するように、許容移動範囲532の範囲内で移動台53をY軸方向に移動させる。次に、制御ユニット5A1は、第2配列移動処理において、補給元の交換支持部531bの上方にハンド部55が位置するように、アーム部54をY軸方向に移動させる。そして、制御ユニット5A1は、ハンド部55を、移載対象のフィーダー25Aを把持した状態でX軸方向に沿って保管装置4側から部品交換装置5側へ移動させる。これにより、移載対象のフィーダー25Aは、保管ユニット42内の移載元の保管支持部421aから抜出されて、移動台53上の補給元の交換支持部531bに移動して挿入される。
【0078】
制御ユニット5A1は、移載対象のフィーダー25B~25Eについても上記のフィーダー25Aの場合と同様に、第1配列移動処理と第2配列移動処理とを行う。これにより、移載対象のフィーダー25B~25Eは、保管ユニット42内の移載元の保管支持部421b~421eから抜出されて、移動台53上の移載先となる補給元の交換支持部531c~531fに移動して挿入される。
【0079】
制御ユニット5A1の第1配列移動処理及び第2配列移動処理によって、移載対象のフィーダー25A~25Eは、保管ユニット42の移載元の保管支持部421a~421eから抜出されて、移動台53上の移載先となる補給元の交換支持部531b~531fに移動して挿入される。制御ユニット5A1による第1配列移動処理及び第2配列移動処理が、複数の移載対象のフィーダー25A~25Eのそれぞれに対応して繰り返し行われることにより、移動台53上におけるフィーダー25A~25Eの配列を移動台配列データD53で示される配列とすることができる。
【0080】
(交換処理)
部品交換装置5が部品実装機2Bに対向する位置に配置されることにより、動作ユニット52が部品供給ユニット23に対して対向配置された状態では、制御ユニット5A1は、回収処理と補給処理とを含む交換処理を行う。制御ユニット5A1は、交換管理データD5に基づいて、部品供給ユニット23内の回収対象のフィーダー25が移動台53上に移動して回収されるように、移動台53、アーム部54及びハンド部55を移動させる回収処理を行う。また、制御ユニット5A1は、交換管理データD5に基づいて、移動台53上の補給対象のフィーダー25が部品供給ユニット23内に移動して補給されるように、移動台53、アーム部54及びハンド部55を移動させる補給処理を行う。
【0081】
回収処理と補給処理とを含む交換処理について、図6図10を参照しながら説明する。図6図10に示される交換処理は、移動台53上の補給対象のフィーダー25の配列が図4の第1例に示される配列となるような移動台配列データD53に基づく処理である。また、図6図10では、部品供給ユニット23から移動台53への回収対象のフィーダー25A~25Eにハッチングを付して示し、移動台53から部品供給ユニット23への補給対象のフィーダー25A~25Eについてはハッチングを付さずに示している。
【0082】
制御ユニット5A1は、交換管理データD5に含まれる供給支持部位置情報D52に基づいて、部品供給ユニット23における回収対象のフィーダー25A~25Eを支持する回収元の供給支持部24b~24fの位置を確認する。また、制御ユニット5A1は、移動台配列データD53の交換支持部位置情報D533に基づいて、移動台53上における回収先の交換支持部531aの位置と、補給対象のフィーダー25A~25Eを支持する補給元の交換支持部531b~531fの位置と、を確認する。そして、制御ユニット5A1は、移動台配列データD53で示される移動台53上の補給対象のフィーダー25A~25Eの配列の順、すなわち、補給順に従って、回収対象のフィーダー25A~25Eの回収に応じて補給対象のフィーダー25A~25Eが部品供給ユニット23に補給されるように、移動台53、アーム部54及びハンド部55を移動させる。
【0083】
図6に示されるように、制御ユニット5A1は、回収処理において、第1回収移動処理と第2回収移動処理とを行う。制御ユニット5A1は、第1回収移動処理において、補給順の順位が1番目の補給対象のフィーダー25Aに対応した回収対象のフィーダー25Aを支持した回収元の供給支持部24bに、回収先の交換支持部531aが対向するように、許容移動範囲532の範囲内で移動台53をY軸方向に移動させる。次に、制御ユニット5A1は、第2回収移動処理において、回収先の交換支持部531aの上方にハンド部55が位置するように、アーム部54をY軸方向に移動させる。そして、制御ユニット5A1は、ハンド部55を、回収対象のフィーダー25Aを把持した状態でX軸方向に沿って部品実装機2B側から部品交換装置5側へ移動させる。これにより、回収対象のフィーダー25Aは、部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24bから抜出されて、移動台53上の回収先の交換支持部531aに移動して回収される。この際、検出ユニット56は、回収先の交換支持部531aに回収された回収対象のフィーダー25Aを検出する。
【0084】
回収先の交換支持部531aに回収対象のフィーダー25Aが回収されると、制御ユニット5A1は、図7に示される補給処理を行う。制御ユニット5A1は、補給処理において、第1補給移動処理と第2補給移動処理とを行う。制御ユニット5A1は、第1補給移動処理において、補給順の順位が1番目の補給対象のフィーダー25Aを支持した補給元の交換支持部531bが補給先となる回収元の供給支持部24bに対向するように、許容移動範囲532の範囲内で移動台53をY軸方向に移動させる。次に、制御ユニット5A1は、第2補給移動処理において、補給元の交換支持部531bの上方にハンド部55が位置するように、アーム部54をY軸方向に移動させる。この際、検出ユニット56は、補給元の交換支持部531bに支持された補給対象のフィーダー25Aを検出する。そして、制御ユニット5A1は、ハンド部55を、補給対象のフィーダー25Aを把持した状態でX軸方向に沿って部品交換装置5側から部品実装機2B側へ移動させる。これにより、補給対象のフィーダー25Aは、移動台53上の補給元の交換支持部531bから抜出されて、部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24bに移動して補給される。
【0085】
回収元の供給支持部24bに補給対象のフィーダー25Aが補給されると、移動台53上における交換支持部531bは、フィーダー25を支持していない空の状態となる。この場合、図8に示されるように、制御ユニット5A1は、空の状態となった交換支持部531bを回収先として、補給順の順位が2番目の補給対象のフィーダー25Bに対応した回収対象のフィーダー25Bの回収処理を行う。具体的には、制御ユニット5A1は、第1回収移動処理において、補給順の順位が2番目の補給対象のフィーダー25Bに対応した回収対象のフィーダー25Bを支持した回収元の供給支持部24cに、回収先となる空の状態の交換支持部531bが対向するように、許容移動範囲532の範囲内で移動台53をY軸方向に移動させる。次に、制御ユニット5A1は、第2回収移動処理において、空の状態の交換支持部531bの上方にハンド部55が位置するように、アーム部54をY軸方向に移動させる。そして、制御ユニット5A1は、ハンド部55を、回収対象のフィーダー25Bを把持した状態でX軸方向に沿って部品実装機2B側から部品交換装置5側へ移動させる。これにより、回収対象のフィーダー25Bは、部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24cから抜出されて、移動台53上の回収先となる空の状態の交換支持部531bに移動して回収される。この際、検出ユニット56は、交換支持部531bに回収された回収対象のフィーダー25Bを検出する。
【0086】
交換支持部531bに回収対象のフィーダー25Bが回収されると、図9に示されるように、制御ユニット5A1は、補給順の順位が2番目の補給対象のフィーダー25Bの補給処理を行う。具体的には、制御ユニット5A1は、第1補給移動処理において、補給順の順位が2番目の補給対象のフィーダー25Bを支持した補給元の交換支持部531cが補給先となる回収元の供給支持部24cに対向するように、許容移動範囲532の範囲内で移動台53をY軸方向に移動させる。次に、制御ユニット5A1は、第2補給移動処理において、補給元の交換支持部531cの上方にハンド部55が位置するように、アーム部54をY軸方向に移動させる。この際、検出ユニット56は、補給元の交換支持部531cに支持された補給対象のフィーダー25Bを検出する。そして、制御ユニット5A1は、ハンド部55を、補給対象のフィーダー25Bを把持した状態でX軸方向に沿って部品交換装置5側から部品実装機2B側へ移動させる。これにより、補給対象のフィーダー25Bは、移動台53上の補給元の交換支持部531cから抜出されて、部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24cに移動して補給される。
【0087】
また、図10に示されるように、制御ユニット5A1の第2補給移動処理が行われているときに、検出ユニット56は、補給元の交換支持部531cに支持された補給対象のフィーダー25Xを検出する。この場合、制御ユニット5A1は、検出ユニット56により検出されたフィーダー25Xが移動台配列データD53に基づく回収元の供給支持部24cに補給すべき部品種のフィーダー25Bと一致するか否かを判断する。一致しない場合、制御ユニット5A1は、エラー情報SS1の報知を指令するエラー指令信号S1を報知ユニット57に出力する。報知ユニット57は、制御ユニット5A1から出力されるエラー指令信号S1に基づいて、エラー情報SS1を報知することができる。
【0088】
制御ユニット5A1は、エラー指令信号S1を出力した場合、当該エラー指令信号S1に対応したフィーダー25Xが部品供給ユニット23に補給されることがないように、第2補給移動処理を停止する。そして、制御ユニット5A1は、エラー指令信号S1に対応したフィーダー25Xを交換処理の処理対象から除外する。具体的には、制御ユニット5A1は、交換管理データD5において、エラー指令信号S1に対応したフィーダー25Xに関する部品種情報D531及びフィーダー識別情報D532を削除する。この場合、エラー指令信号S1に対応したフィーダー25Xが、交換処理の処理対象から除外される。これにより、エラー指令信号S1に対応したフィーダー25Xが、部品供給ユニット23に補給されることを抑制できる。
【0089】
また、制御ユニット5A1は、エラー指令信号S1を出力した場合、当該エラー指令信号S1に対応したフィーダー25Xに代わるフィーダー25Bの準備を要求する代替準備要求信号S2を出力する。制御ユニット5A1から出力された代替準備要求信号S2は、統合管理装置1Aに入力される。統合管理装置1Aは、代替準備要求信号S2の入力に応じて、補給計画データD3を更新するとともに、代替準備指令信号S3を保管管理装置4Aに送信する。代替準備指令信号S3は、代替準備要求信号S2で示される代替のフィーダー25Bの準備を指令する信号である。保管管理装置4Aは、代替準備指令信号S3を受信すると、例えば、代替のフィーダー25Bの準備が必要であることを示す情報を報知する。これにより、例えば、作業者は、エラー指令信号S1に対応したフィーダー25Xに代わるフィーダー25Bを準備し、その準備したフィーダー25Bを保管ユニット42に補充することができる。
【0090】
制御ユニット5A1は、移動台53上に配列された複数の補給対象のフィーダー25A~25Eの全てが部品供給ユニット23に補給されるまで、回収処理と補給処理とを繰り返す。制御ユニット5A1が回収処理と補給処理とを繰り返し行うことによって、移動台53上に配列された全ての補給対象のフィーダー25A~25Eを部品供給ユニット23に補給することができる。
【0091】
回収処理と補給処理とを含む交換処理の変形例について、図11図14を参照しながら説明する。図11図14に示される交換処理は、移動台53上の補給対象のフィーダー25の配列が図4の第2例に示される配列となるような移動台配列データD53に基づく処理である。また、図11図14では、部品供給ユニット23から移動台53への回収対象のフィーダー25A~25Cにハッチングを付して示し、移動台53から部品供給ユニット23への補給対象のフィーダー25A~25Cについてはハッチングを付さずに示している。
【0092】
制御ユニット5A1は、交換管理データD5に含まれる供給支持部位置情報D52に基づいて、部品供給ユニット23における回収対象のフィーダー25A,25B,25Cを支持する回収元の供給支持部24b,24d,24fの位置を確認する。また、制御ユニット5A1は、移動台配列データD53の交換支持部位置情報D533に基づいて、移動台53上における回収先の交換支持部531a,531c,531eの位置と、補給対象のフィーダー25A、25B,25Cを支持する補給元の交換支持部531b,531d,531fの位置と、を確認する。そして、制御ユニット5A1は、移動台配列データD53で示される移動台53上の補給対象のフィーダー25A,25B,25Cの配列の順、すなわち、補給順に従って、回収対象のフィーダー25A,25B,25Cの回収に応じて補給対象のフィーダー25A,25B,25Cが部品供給ユニット23に補給されるように、移動台53、アーム部54及びハンド部55を移動させる。
【0093】
図11に示されるように、制御ユニット5A1は、回収処理において、第1回収移動処理と第2回収移動処理とを行う。制御ユニット5A1は、第1回収移動処理において、補給順の順位が1番目の補給対象のフィーダー25Aに対応した回収対象のフィーダー25Aを支持した回収元の供給支持部24bに、回収先の交換支持部531aが対向するように、許容移動範囲532の範囲内で移動台53をY軸方向に移動させる。次に、制御ユニット5A1は、第2回収移動処理において、回収先の交換支持部531aの上方にハンド部55が位置するように、アーム部54をY軸方向に移動させる。そして、制御ユニット5A1は、ハンド部55を、回収対象のフィーダー25Aを把持した状態でX軸方向に沿って部品実装機2B側から部品交換装置5側へ移動させる。これにより、回収対象のフィーダー25Aは、部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24bから抜出されて、移動台53上の回収先の交換支持部531aに移動して回収される。
【0094】
回収先の交換支持部531aに回収対象のフィーダー25Aが回収されると、制御ユニット5A1は、図12に示される補給処理を行う。制御ユニット5A1は、補給処理において、第1補給移動処理と第2補給移動処理とを行う。制御ユニット5A1は、第1補給移動処理において、補給順の順位が1番目の補給対象のフィーダー25Aを支持した補給元の交換支持部531bが補給先となる回収元の供給支持部24bに対向するように、許容移動範囲532の範囲内で移動台53をY軸方向に移動させる。次に、制御ユニット5A1は、第2補給移動処理において、補給元の交換支持部531bの上方にハンド部55が位置するように、アーム部54をY軸方向に移動させる。そして、制御ユニット5A1は、ハンド部55を、補給対象のフィーダー25Aを把持した状態でX軸方向に沿って部品交換装置5側から部品実装機2B側へ移動させる。これにより、補給対象のフィーダー25Aは、移動台53上の補給元の交換支持部531bから抜出されて、部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24bに移動して補給される。
【0095】
回収元の供給支持部24bに補給対象のフィーダー25Aが補給されると、制御ユニット5A1は、補給順の順位が2番目の補給対象のフィーダー25Bに対応した回収対象のフィーダー25Bの回収処理を行う。具体的には、制御ユニット5A1は、第1回収移動処理において、補給順の順位が2番目の補給対象のフィーダー25Bに対応した回収対象のフィーダー25Bを支持した回収元の供給支持部24dに、回収先の交換支持部531cが対向するように、許容移動範囲532の範囲内で移動台53をY軸方向に移動させる。次に、制御ユニット5A1は、第2回収移動処理において、回収先の交換支持部531cの上方にハンド部55が位置するように、アーム部54をY軸方向に移動させる。そして、制御ユニット5A1は、ハンド部55を、回収対象のフィーダー25Bを把持した状態でX軸方向に沿って部品実装機2B側から部品交換装置5側へ移動させる。これにより、回収対象のフィーダー25Bは、部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24dから抜出されて、移動台53上の回収先の交換支持部531cに移動して回収される。
【0096】
回収先の交換支持部531cに回収対象のフィーダー25Bが回収されると、図14に示されるように、制御ユニット5A1は、補給順の順位が2番目の補給対象のフィーダー25Bの補給処理を行う。具体的には、制御ユニット5A1は、第1補給移動処理において、補給順の順位が2番目の補給対象のフィーダー25Bを支持した補給元の交換支持部531dが補給先となる回収元の供給支持部24dに対向するように、許容移動範囲532の範囲内で移動台53をY軸方向に移動させる。次に、制御ユニット5A1は、第2補給移動処理において、補給元の交換支持部531dの上方にハンド部55が位置するように、アーム部54をY軸方向に移動させる。そして、制御ユニット5A1は、ハンド部55を、補給対象のフィーダー25Bを把持した状態でX軸方向に沿って部品交換装置5側から部品実装機2B側へ移動させる。これにより、補給対象のフィーダー25Bは、移動台53上の補給元の交換支持部531dから抜出されて、部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24dに移動して補給される。
【0097】
制御ユニット5A1は、移動台53上に配列された複数の補給対象のフィーダー25A,25B,25Cの全てが部品供給ユニット23に補給されるまで、回収処理と補給処理とを繰り返す。
【0098】
以上説明した通り、部品交換システム3では、部品供給ユニット23内の回収対象のフィーダー25は、制御ユニット5A1の回収処理による移動台53、アーム部54及びハンド部55の移動によって、部品供給ユニット23の回収元の供給支持部24から抜出されて、移動台53上の回収先の交換支持部531に移動して回収される。一方、移動台53上の補給対象のフィーダー25は、制御ユニット5A1の補給処理による移動台53、アーム部54及びハンド部55の移動によって、移動台53上の補給元の交換支持部531から抜出されて、部品供給ユニット23内の回収元の供給支持部24を補給先として移動して補給される。この際、移動台配列データD53で示される移動台53上における回収先の交換支持部531と補給元の交換支持部531との位置は、制御ユニット5A1の設定処理によって、補給処理における移動台53の移動量が所定の目標範囲に収まるような位置に設定される。このため、制御ユニット5A1により回収処理の後に補給処理が行われるときには、移動台53の移動量を目標範囲に収めることができる。これにより、制御ユニット5A1の回収処理及び補給処理に応じた部品供給ユニット23と移動台53との間におけるフィーダー25の交換の交換効率を高めることが可能となる。
【0099】
また、部品実装システム1では、部品交換システム3によって部品供給ユニット23と移動台53との間におけるフィーダー25の交換の交換効率が高められる。この場合、部品切れ等の生じた回収対象のフィーダー25が部品供給ユニット23から効率よく回収されるとともに、当該回収に応じて補給対象のフィーダー25が部品供給ユニット23に効率よく補給される。
【0100】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0101】
本発明の一の局面に係る部品交換システムは、基板に搭載される部品を供給する部品供給具を支持する複数の供給支持部が所定方向に配列された部品供給ユニットから前記部品供給具を回収することに応じて、前記部品供給ユニットに前記部品供給具を補給するシステムである。この部品交換システムは、前記供給支持部との間で交換される前記部品供給具を支持する複数の交換支持部が所定方向に配列され、前記複数の交換支持部の配列方向に移動可能な移動台と、前記部品供給具を把持するとともに前記移動台に対して移動することにより前記部品供給具を移動させる把持体と、を含む動作ユニットと、前記動作ユニットを制御する制御ユニットと、を備える。前記制御ユニットは、前記複数の交換支持部において、前記部品供給ユニットから前記移動台への回収対象の部品供給具を回収する回収先の交換支持部と、前記回収対象の部品供給具の回収に応じて前記部品供給ユニットに補給する補給対象の部品供給具を支持する補給元の交換支持部との前記移動台上における位置を設定する設定処理を行う。前記制御ユニットは、前記複数の供給支持部のうち前記回収対象の部品供給具を支持した回収元の供給支持部に前記回収先の交換支持部が対向するように前記移動台を移動させた後に、前記回収対象の部品供給具が前記回収元の供給支持部から前記回収先の交換支持部に移動して回収されるように前記把持体を移動させる回収処理を行う。前記制御ユニットは、前記回収処理後において前記回収先の交換支持部に代わって前記補給元の交換支持部が前記回収元の供給支持部に対向するように前記移動台を移動させた後に、前記補給対象の部品供給具が前記補給元の交換支持部から前記回収元の供給支持部を補給先として移動して補給されるように前記把持体を移動させる補給処理を行う。前記制御ユニットは、前記設定処理では、前記補給処理における前記移動台の移動量が所定の目標範囲に収まるように、前記移動台上における前記回収先の交換支持部と前記補給元の交換支持部との位置を設定する。
【0102】
上記の部品交換システムによれば、部品供給ユニット内の回収対象の部品供給具は、制御ユニットの回収処理による移動台及び把持体の移動によって、部品供給ユニットの回収元の供給支持部から抜出されて、移動台上の回収先の交換支持部に移動して回収される。一方、移動台上の補給対象の部品供給具は、制御ユニットの補給処理による移動台及び把持体の移動によって、移動台上の補給元の交換支持部から抜出されて、部品供給ユニット内の回収元の供給支持部を補給先として移動して補給される。この際、移動台上における回収先の交換支持部と補給元の交換支持部との位置は、制御ユニットの設定処理によって、補給処理における移動台の移動量が所定の目標範囲に収まるような位置に設定される。このため、制御ユニットにより回収処理の後に補給処理が行われるときには、移動台の移動量を目標範囲に収めることができる。これにより、制御ユニットの回収処理及び補給処理に応じた部品供給ユニットと移動台との間における部品供給具の交換の交換効率を高めることが可能となる。
【0103】
上記の部品交換システムにおいて、部品種の異なる複数種の前記補給対象の部品供給具が存在する場合、前記設定処理において、前記制御ユニットは、複数種の前記補給対象の部品供給具をそれぞれ支持する前記補給元の交換支持部のうち、前記補給処理における前記移動台の移動量が前記目標範囲内で最も小さくなる特定の交換支持部を、前記回収先の交換支持部に回収される前記回収対象の部品供給具と交換して前記回収元の供給支持部に補給すべき特定部品種の前記補給対象の部品供給具を支持する交換支持部として設定してもよい。
【0104】
この態様では、回収対象の部品供給具が部品供給ユニット内の回収元の供給支持部から移動台上の回収先の交換支持部に移動して回収されることに応じて、部品種の異なる複数種の補給対象の部品供給具のうち、回収対象の部品供給具と交換して補給すべき特定部品種の補給対象の部品供給具が、移動台上の特定の交換支持部から部品供給ユニット内の回収元の供給支持部を補給先として移動して補給される。この際、移動台上において複数種の補給対象の部品供給具をそれぞれ支持する補給元の交換支持部のうち、補給処理における移動台の移動量が目標範囲内で最も小さくなる交換支持部が、特定部品種の補給対象の部品供給具を支持する特定の交換支持部として設定される。このため、特定部品種の補給対象の部品供給具が回収対象の部品供給具と交換して回収元の供給支持部に補給されるときには、移動台の移動量が目標範囲に収まってなるべく小さくなる。これにより、制御ユニットの回収処理及び補給処理に応じた部品供給ユニットと移動台との間における部品供給具の交換の交換効率を高めることが可能となる。
【0105】
上記の部品交換システムにおいて、前記制御ユニットは、前記設定処理において、前記移動台上における前記回収先の交換支持部の位置を、前記特定の交換支持部に隣接する位置に設定してもよい。
【0106】
この態様では、移動台上において、回収対象の部品供給具を回収する回収先の交換支持部が、回収対象の部品供給具に対応した特定部品種の補給対象の部品供給具を支持する特定の交換支持部に隣接した位置に配置される。この場合、回収対象の部品供給具が回収先の交換支持部に回収されることに応じて、特定部品種の補給対象の部品供給具が回収元の供給支持部に補給されるときの移動台の移動量を、目標範囲に収まってなるべく小さくすることができる。
【0107】
上記の部品交換システムにおいて、部品種の異なる複数種の前記補給対象の部品供給具が存在する場合、前記設定処理において、前記制御ユニットは、複数種の前記補給対象の部品供給具をそれぞれ支持する前記補給元の交換支持部のうち、前記補給処理における前記移動台の移動量が前記目標範囲に収まる1つの特定の交換支持部を、前記回収先の交換支持部に回収される前記回収対象の部品供給具と交換して前記回収元の供給支持部に補給すべき特定部品種の前記補給対象の部品供給具を支持する交換支持部として設定してもよい。
【0108】
この態様では、移動台上において複数種の補給対象の部品供給具をそれぞれ支持する補給元の交換支持部のうち、補給処理における移動台の移動量が目標範囲に収まる1つの交換支持部が、特定部品種の補給対象の部品供給具を支持する特定の交換支持部として設定される。このため、特定部品種の補給対象の部品供給具が回収対象の部品供給具と交換して回収元の供給支持部に補給されるときには、移動台の移動量が目標範囲に収まる。これにより、制御ユニットの回収処理及び補給処理に応じた部品供給ユニットと移動台との間における部品供給具の交換の交換効率を高めることが可能となる。
【0109】
上記の部品交換システムにおいて、前記制御ユニットは、前記設定処理において、前記移動台上における前記回収先の交換支持部の位置を、前記特定の交換支持部から前記目標範囲内の位置に設定してもよい。
【0110】
この態様では、移動台上において、回収対象の部品供給具を回収する回収先の交換支持部が、回収対象の部品供給具に対応した特定部品種の補給対象の部品供給具を支持する特定の交換支持部から目標範囲内の位置に配置される。この場合、回収対象の部品供給具が回収先の交換支持部に回収されることに応じて、特定部品種の補給対象の部品供給具が回収元の供給支持部に補給されるときの移動台の移動量を、目標範囲に収めることができる。
【0111】
上記の部品交換システムは、前記部品供給具を支持して保管する複数の保管支持部が所定方向に配列された保管ユニットを、更に備えてもよい。この場合、前記制御ユニットは、前記回収処理及び前記補給処理の前処理として、前記保管支持部に支持された前記部品供給具が前記設定処理において設定した前記補給元の交換支持部に移動し、前記補給対象の部品供給具として前記移動台上に配列されるように、前記移動台及び前記把持体を移動させる配列処理を行う。
【0112】
この態様では、保管ユニットの保管支持部に支持された部品供給具が、制御ユニットの設定処理において設定された移動台上の補給元の交換支持部に移動される。これにより、保管ユニットに保管された部品供給具を、補給対象の部品供給具として移動台上に配列させることができる。
【0113】
上記の部品交換システムにおいて、前記配列処理において前記移動台上に複数の前記補給対象の部品供給具を配列させる場合、前記制御ユニットは、前記設定処理において、前記補給処理における前記移動台の移動量が前記目標範囲に収まるように複数の前記補給対象の部品供給具の前記部品供給ユニットに対する補給順を設定し、前記補給順の順位が1番目の前記補給対象の部品供給具を支持する前記補給元の交換支持部に隣接する位置に、前記回収先の交換支持部の位置を設定してもよい。
【0114】
補給対象の部品供給具の部品供給ユニットに対する補給順は、補給対象の部品供給具が回収対象の部品供給具と交換して回収元の供給支持部に補給されるときの移動台の移動量に影響を及ぼす。例えば、補給順の順位が1番目の補給対象の部品供給具の補給後に2番目の補給対象の部品供給具を補給するときに、3番目の補給対象の部品供給具の補給先となる回収元の供給支持部の位置を通り過ぎて移動台が移動するような場合には、移動台の移動量が大きくなってしまう。そこで、制御ユニットは、補給処理における移動台の移動量が目標範囲に収まるように複数の補給対象の部品供給具の部品供給ユニットに対する補給順を設定する。これにより、複数の補給対象の部品供給具を補給順に従って補給するときに、移動台の移動量を目標範囲に収めることができる。
【0115】
また、制御ユニットは、移動台上における回収先の交換支持部の位置を、補給順の順位が1番目の補給対象の部品供給具を支持する補給元の交換支持部に隣接する位置に設定する。この場合、回収対象の部品供給具が回収先の交換支持部に回収されることに応じて、補給順の順位が1番目の補給対象の部品供給具が回収元の供給支持部に補給されるときの移動台の移動量を、目標範囲に収まってなるべく小さくすることができる。
【0116】
上記の部品交換システムにおいて、前記制御ユニットは、前記設定処理において、前記移動台上の前記複数の交換支持部のうち、前記配列方向で最も一方側の交換支持部を前記回収先の交換支持部として設定し、前記回収先の交換支持部に対して前記配列方向の他方側において複数の前記補給対象の部品供給具が前記配列方向の一方から他方に向かって前記補給順に並ぶように、複数の前記補給対象の部品供給具をそれぞれ支持する前記補給元の交換支持部の位置を設定してもよい。
【0117】
この態様では、移動台上に配列される複数の補給対象の部品供給具は、移動台上における配列の順、すなわち、補給順に従って部品供給ユニットに補給される。この際、補給順の順位が1番目の補給対象の部品供給具に対応した回収対象の部品供給具は、移動台上の複数の交換支持部のうち配列方向で最も一方側の交換支持部である回収先の交換支持部に回収することができる。補給順の順位が2番目以降の補給対象の部品供給具に対応した回収対象の部品供給具は、移動台上において、補給順の順位が上位の補給対象の部品供給具が補給されることに応じて部品供給具を支持していない空の状態となった交換支持部を回収先として回収することができる。
【0118】
上記の部品交換システムにおいて、前記制御ユニットは、前記設定処理において、複数の前記補給対象の部品供給具をそれぞれ支持する前記補給元の交換支持部と前記回収先の交換支持部とが前記移動台上で前記配列方向に交互に並ぶように、前記回収先の交換支持部と前記補給元の交換支持部との位置を設定してもよい。
【0119】
この態様では、複数の補給対象の部品供給具が移動台上の補給元の交換支持部にそれぞれ支持された状態で、各補給対象の部品供給具に隣接した位置に回収先の交換支持部が配置される。この場合、各補給対象の部品供給具に対応した各回収対象の部品供給具は、移動台上の各回収先の交換支持部に回収することができる。
【0120】
上記の部品交換システムにおいて、前記制御ユニットは、前記配列処理において前記移動台上に配列された複数の前記補給対象の部品供給具の全てが前記部品供給ユニットに補給されるまで、前記回収処理と前記補給処理とを繰り返してもよい。
【0121】
この態様では、制御ユニットが回収処理と補給処理とを繰り返し行うことによって、移動台上に配列された全ての補給対象の部品供給具を部品供給ユニットに補給することができる。
【0122】
本発明の他の局面に係る部品実装システムは、部品を供給する部品供給具を支持する複数の供給支持部が所定方向に配列された部品供給ユニットと、前記供給支持部に支持された前記部品供給具により供給された部品を基板に搭載するヘッドユニットと、前記部品供給ユニットから前記部品供給具を回収することに応じて、前記部品供給ユニットに前記部品供給具を補給する、上記の部品交換システムと、を備える。
【0123】
上記の部品実装システムによれば、部品交換システムによって部品供給ユニットと移動台との間における部品供給具の交換の交換効率が高められる。この場合、部品切れ等の生じた回収対象の部品供給具が部品供給ユニットから効率よく回収されるとともに、当該回収に応じて補給対象の部品供給具が部品供給ユニットに効率よく補給される。
【0124】
以上説明した通り、本発明によれば、部品供給ユニットにおける部品供給具の交換の交換効率を高めることが可能な部品交換システム、及びそれを備えた部品実装システムを提供することができる。
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