(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ENT器具のナビゲーションを可能にするアダプタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20241106BHJP
【FI】
A61B34/20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019215054
(22)【出願日】2019-11-28
【審査請求日】2022-09-28
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アズハン・ハムルハン
(72)【発明者】
【氏名】ジェットミア・パルシ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・エイチ・ティネス・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ・マーシー・ラジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・エル・マットロック
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0152720(US,A1)
【文献】特表2017-521159(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0085174(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)近位部分であって、前記近位部分が近位表面を備え、前記近位部分が第1の経路及び第2の経路を画定し、前記第1の経路及び前記第2の経路が前記近位表面から遠位に延在し、前記第1の経路が第1の遠位端を備え、前記第2の経路が第2の遠位端を備え、前記第1の経路がシャフトを受容するように寸法決めされ、前記第2の経路がナビゲーションガイドワイヤを受容するように寸法決めされている、近位部分と、
(b)前記近位部分に取り付けられた遠位部分であって、前記遠位部分が遠位端で終端する遠位先端部を備え、前記第2の経路が前記近位部分から前記遠位先端部内に延在し、前記第1の遠位端及び前記第2の遠位端が前記遠位部分によって囲われている、遠位部分と、を備え
、
前記第1の経路が第1の表面で終端し、前記第2の経路が第2の表面で終端し、前記第2の表面が前記第1の表面に対して遠位にあり、前記第2の表面が前記遠位先端部内に配置されている、装置。
【請求項2】
前記遠位先端部が、探索器を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遠位先端部が、コトルエレベータを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記遠位先端部が、フリーアを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記遠位端が、細く尖った先端を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記遠位先端部が、スプーン状の形状を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記近位部分及び前記遠位部分が、第1の材料から形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の材料が、前記シャフト及び前記ナビゲーションガイドワイヤに好適に取り付けられるのに十分な可撓性を有する、請求項7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本願は、2018年11月29日に出願された「Adapter Assembly to Enable Navigation for ENT Instruments」と題する米国仮特許出願62/772,674号に対する優先権を主張し、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
画像誘導手術(image-guided surgery、IGS)は、コンピュータを用いて、患者の身体内に挿入された器具の場所の、術前に得られた画像(例えば、CTスキャン又はMRIスキャン、3Dマップなど)に対するリアルタイムの相関を得ることで、コンピュータシステムが器具の現在の場所を術前に得られた画像に重ねる技術である。IGS処置で使用できる電磁IGSナビゲーションシステムの例は、カリフォルニア州アーバインのBiosense-Webster,Inc.製のCARTO(登録商標)3 Systemである。いくつかのIGS処置では、術野のデジタルトモグラフィスキャン(例えば、CT又はMRI、3Dマップなど)を外科手術の前に得る。次いで、特別にプログラミングされたコンピュータを用いて、デジタルトモグラフィスキャンデータをデジタルマップに変換する。外科手術中、センサ(例えば、電磁界を発生させる及び/又は外部で発生した電磁界に反応する電磁コイル)を備えた特別な器具を用いて処置を実行し、同時に、センサがコンピュータに各手術用器具の現在位置を示すデータを送る。コンピュータは、センサから受信したデータを、術前トモグラフィスキャンから作成されたデジタルマップと相関付ける。トモグラフィスキャン画像は、スキャン画像内に示される解剖学的構造に対する各手術用器具のリアルタイム位置を示す指標(例えば、クロスヘア又は照明ドットなど)と共にビデオモニタ上に表示される。したがって、外科医が器具自体を体内のその現在の位置において直接視覚化することができない場合であっても、ビデオモニタを見ることによって、各センサ搭載器具の正確な位置を知ることができる。
【0003】
外科処置において、いくつかのシステム及び方法が製造及び使用されてきたが、本発明者ら以前に、添付の特許請求の範囲に記載される発明を製造又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書は、本発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲をもって結論とするものであるが、本発明は以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照符合は同様の要素を示す。
【
図1】例示的な医療処置チェアに着座した患者に使用される例示的な手術ナビゲーションシステムの概略図を示す。
【
図2】手術用器具及び画像誘導アダプタアセンブリを含む、
図1の手術ナビゲーションシステムに容易に組み込むことができる例示的な画像誘導器具アセンブリの斜視図を示す。
【
図3】
図2の画像誘導器具アセンブリの遠位端の斜視図を示す。
【
図4】
図2の画像誘導器具アセンブリの遠位端の分解斜視図を示す。
【
図5】
図2の画像誘導器具アセンブリの遠位端の別の斜視図を示す。
【
図6】
図2の画像誘導器具アセンブリの遠位端の、
図5の線6-6に沿った断面図を示す。
【
図7】
図2の画像誘導アダプタアセンブリの例示的なワイヤ保持具クリップの斜視図を示す。
【
図8】
図2の画像誘導アダプタアセンブリに容易に組み込むことができる例示的な代替のワイヤ保持具クリップの斜視図を示す。
【0005】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されないことは理解される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明より、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0007】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医を基準に使用されていることが理解されるであろう。すなわち、エンドエフェクタは、より近位のハンドピースアセンブリに対して遠位にある。便宜上及び明確さのために、「上部」及び「下部」などの空間用語もまた、本明細書において、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医を基準にして使用されていることが更に理解されよう。しかしながら、手術用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0008】
本明細書に記載の教示、表現、変形形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、変形形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることも更に理解される。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形形態、実施例などは、互いに独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0009】
I.例示的な画像誘導手術ナビゲーションシステム
患者(patient、P)の頭部(head、H)内で医療処置を実施するとき、特に器具が患者(P)の頭部(H)内の器具の作業要素の内視鏡視野を得ることが困難又は不可能である位置にある場合に、患者(P)の頭部(H)内の器具の位置に関する情報を有することが望ましい場合がある。
図1は、画像ガイダンスを使用するENT処置の実行を可能にする例示的なIGSナビゲーションシステム(10)を示す。本明細書に記載される構成要素及び操作性を有することに加えて又はそれに代えて、IGSナビゲーションシステム(10)は、米国特許第7,720,521号、発明の名称「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2010年5月18日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)、及び米国特許出願公開第2014/0364725号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(現在は放棄されている(2014年12月11日公開))(開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)の少なくともいくつかの教示に従って構築され、動作可能である。
【0010】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(10)は、馬蹄形フレーム(22)に組み込まれた磁界発生器(24)のセットを含む磁界発生器アセンブリ(20)を備える。磁界発生器(24)は、患者(P)の頭部(H)の周りに異なる周波数の交流磁界を発生させるように動作可能である。この実施例では、ナビゲーションガイドワイヤ(40)が患者(P)の頭部(H)に挿入される。ナビゲーションガイドワイヤ(40)は、独立型装置であってもよく、又は外科用切断器具若しくは拡張器具などの医療器具のエンドエフェクタ又は他の位置に配置されてもよい。本実施例では、フレーム(22)がチェア(30)に装着され、フレーム(22)が患者(P)の頭部(H)に隣接して配置されるように患者(P)はチェア(30)に着座している。単に一例として、チェア(30)及び/又は磁界発生器アセンブリ(20)は、米国特許出願第15/933,737号、発明の名称「Apparatus to Secure Field Generating Device to Chair」(2018年3月23日出願)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)の少なくとも一部の教示に従って構成され、動作可能である。
【0011】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(10)は、磁界発生器(24)とIGSナビゲーションシステム(10)の他の要素とを制御するプロセッサ(12)を更に備えている。例えば、プロセッサ(12)は、磁界発生器(24)を駆動して交流電磁界を生成し、ナビゲーションガイドワイヤ(40)からの信号を処理して患者(P)の頭部(H)内におけるナビゲーションガイドワイヤ(40)内のセンサの場所を判定するように動作可能である。プロセッサ(12)は、1つ又は2つ以上のメモリと通信する処理ユニットを備える。本実施例のプロセッサ(12)は、キーパッド及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを含む動作制御部(14)を備えるコンソール(18)内に装着される。医師は、外科処置を実行する間、プロセッサ(12)と相互作用するように動作制御部(14)を使用する。
【0012】
ナビゲーションガイドワイヤ(40)は、磁界発生器(24)によって発生された交流電磁界内の位置決めに応答するセンサ(図示せず)を含む。連結ユニット(42)はナビゲーションガイドワイヤ(40)の近位端に固定され、コンソール(18)とナビゲーションガイドワイヤ(40)との間のデータ及び他の信号の通信を提供するように構成されている。連結ユニット(42)は、データ及び他の信号の有線又は無線通信を提供することができる。
【0013】
本実施例では、ナビゲーションガイドワイヤ(40)のセンサは、ナビゲーションガイドワイヤ(40)の遠位端に少なくとも1つのコイルを含む。かかるコイルが磁界発生器(24)によって生成された交流電磁界の中に配置されると、交流磁界がコイルの中に電流を生成し、この電流は、ナビゲーションガイドワイヤ(40)内の導電路(単数又は複数)に沿って、連結ユニット(42)を介してプロセッサ(12)に更に伝送され得る。この現象により、IGSナビゲーションシステム(10)は、3次元空間内(すなわち、患者(P)の頭部(H)内)におけるナビゲーションガイドワイヤ(40)又は他の医療器具(拡張器具、外科用切断器具など)の遠位端の場所を判定することができる。これを達成するため、プロセッサ(12)は、ナビゲーションガイドワイヤ(40)の遠位端の場所座標を、ナビゲーションガイドワイヤ(40)内のコイル(単数又は複数)の位置関連信号から計算するアルゴリズムを実行する。この例では、位置センサが、ガイドワイヤ(40)内に配置されているが、このような位置センサは、以下により詳細に記載されるものを含む、様々な他の種類の器具に統合されてもよい。
【0014】
プロセッサ(12)は、プロセッサ(12)のメモリに格納されたソフトウェアを使用して、IGSナビゲーションシステム(10)を較正及び操作する。かかる操作は、磁界発生器(24)を駆動すること、ナビゲーションガイドワイヤ(40)からのデータを処理すること、動作制御部(14)からのデータを処理すること、及びディスプレイスクリーン(16)を駆動することを含む。いくつかの実装形態では、動作はまた、IGSナビゲーションシステム(10)の1つ若しくは2つ以上の安全機構又は機能の監視及び施行も含み得る。プロセッサ(12)は更に、患者の頭部(H)のビデオカメラ画像、患者の頭部(H)のCTスキャン画像、並びに/又は患者の鼻腔内及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造のコンピュータ生成3次元モデルに関してナビゲーションガイドワイヤ(40)の遠位端の位置を、ディスプレイスクリーン(16)を介してリアルタイムでビデオを提供するように動作可能である。ディスプレイスクリーン(16)は、外科処置中に上記画像を同時に及び/又は互いに重ねて表示することができる。このように表示される画像は、患者の頭部に挿入される器具、例えば、ナビゲーションガイドワイヤ(40)のグラフィック表示も含んでいてもよく、操作者は、実際の場所で、リアルタイムで器具の仮想レンダリングを視認することができる。単に一例として、ディスプレイスクリーン(16)は、米国特許出願公開第2016/0008083号、発明の名称「Guidewire Navigation for Sinuplasty」(2016年1月14日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って画像を提供することができる。操作者が内視鏡も使用している場合には、内視鏡画像もディスプレイスクリーン(16)に提供することもできる。
【0015】
ディスプレイスクリーン(16)を介して提供される画像は、器具がナビゲーションワイヤ(40)を組み込んでいる場合、患者の頭部(H)内の器具の操縦、及び操作を行う際に操作者を誘導するのに役立ち得る。また、以下に記載するように、手術用器具の他の構成要素及び他の種類の手術用器具は、ナビゲーションガイドワイヤ(40)のセンサのようなセンサを組み込んでもよいことを理解されたい。
【0016】
II.例示的な画像誘導器具アセンブリ
いくつかの例では、以前はIGSナビゲーション機能を持たなかった器具を、IGSナビゲーションシステム(10)と組み合わせて使用するように修正することが望ましい場合がある。換言すれば、以前はIGSナビゲーション機能を持たなかった器具を迅速に修正して、修正した器具を使用するときに、修正した器具の少なくとも一部(遠位端など)のリアルタイムの空間位置は、上記の記載に従ってスクリーン(16)上で視覚化されてもよい。更に、IGSナビゲーションシステム(10)と組み合わせて使用できる様々な遠位先端部を使用して、以前はIGSナビゲーション機能を持たなかった器具を修正することが望ましい場合がある。したがって、単一の器具は、様々な形状を有する遠位先端部を有するように修正されてもよく、それによって様々な目的を果たすことができる。更に、各遠位先端部、又は少なくともその一部分は、上記の記載に従って例示的な使用中にスクリーン(16)上で可視化されてもよい。
【0017】
図2は、手術用器具(102)及び画像誘導アダプタアセンブリ(110)を含む例示的な画像誘導式器具アセンブリ(100)を示す。手術用器具(102)は、それ自体が、IGSナビゲーションシステム(10)との使用には適合しない場合がある。当然のことながら、いくつかの実施例では、手術用器具(102)、又は手術用器具(102)の選択された部分は、IGSナビゲーションシステム(10)との使用に適合し得ることが想定される。以下でより詳細に記載するように、画像誘導アセンブリ(110)は、上述のナビゲーションガイドワイヤ(40)及び連結ユニット(42)の代わりにIGSナビゲーションシステム(10)を用いて手術用器具(102)を使用するために、手術用器具(102)に選択的に取り付けられてもよい。更に、以下でより詳細に記載するように、様々な先端形状を有する様々なアダプタ本体(140)を器具(102)の遠位端(103)に取り付けて、IGSナビゲーションシステム(10)とも互換性がある様々なエンドエフェクタ機能を提供することができる。
【0018】
手術用器具(102)は、ハンドル(104)の各端部から離れて延在するシャフト(106)を有するハンドル(104)を含む。シャフト(106)は、シャフト(106)の自由端(105)が所望の鼻腔通路にアクセスできるように、患者(P)の頭部(H)に経鼻的に挿入されるように寸法決めされる。当然のことながら、これは任意選択にすぎず、シャフト(106)は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかなように、患者の任意の関連部分に挿入されるように寸法決めされ得る。
【0019】
一方のシャフト(106)は近位端(107)に向かって延在し、他方のシャフト(106)は遠位端(103)に向かって延在する。本実施例では、各シャフト(106)は自由端(105)で終端する。更に、本実施例では、各シャフト(106)は、自由端(105)とハンドル(104)に近いシャフト(106)の実質的に直線状の部分との間に配置される屈曲部(108)を含む。屈曲部(108)は、自由端(105)が所望の鼻腔にアクセスできるように、シャフト(106)の実質的に直線状の部分によって画定される長手方向軸に対して角度を形成してもよい。本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、屈曲部(108)は、シャフト(106)の実質的に直線状の部分の長手方向軸に対して任意の好適な角度を形成してもよい。当然のことながら、いくつかの例では、屈曲部(108)は完全に省略されてもよい。
【0020】
本実施例では、自由端(105)は、自由端(105)が概ね平坦な円形表面を含むように、実質的に円筒状の形状を有する。本明細書の教示を考慮して当業者に明らかなように、自由端(105)は、任意の好適な幾何学形状を有し得ることを理解されたい。例えば、自由端(105)は、鋭利な先端として機能する鋭く尖った端部を有してもよい。あるいは、自由端(105)は、コトルエレベータ、フリーア、探索器、キューレットなどとして機能するのに必要とされる好適な形状を有してもよい。
【0021】
本実施例では、シャフト(106)は剛性である。しかしながら、シャフト(106)の任意の好適な部分は可鍛性であってもよいことを理解されたい。例えば、屈曲部(108)を形成するシャフト(106)の部分は、屈曲部(108)を操作して、シャフト(106)の実質的に直線状の部分に対して画定される角度を変化させるような可鍛性があってもよい。したがって、異なる鼻腔にアクセスするためにシャフト(106)を修正してもよい。しかしながら、屈曲部(108)は可鍛性であってもよいが、患者(P)の頭部(H)内に挿入されたときに屈曲部(108)が変形しないような、十分な剛性を備えた屈曲部(108)であってよい。
【0022】
本実施例では、ハンドル(104)の長手方向軸を中心に180度互いに角度がずれた自由端(105)を有する2つのシャフト(106)が存在し、同様の角度の屈曲部(108)及び幾何学的形状の自由端(105)を有する。ただし、これは単に任意選択である。いくつかの実施形態では、1つのシャフト(106)のみがハンドル(104)から延在してもよいことを理解されたい。他の実施形態において、2つのシャフト(106)は、ハンドル(104)から延在するが、異なる角度の屈曲部(108)、及び/又は異なる幾何学形状の自由端(105)を有してもよい。当然ながら、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであるように、任意の好適なタイプのシャフト(106)を、任意の好適なタイプの屈曲部(108)及び自由端(105)と共に利用してもよい。
【0023】
画像誘導アダプタアセンブリ(110)は、連結ユニット(112)と、ナビゲーションガイドワイヤ(120)と、複数のワイヤ保持具クリップ(130)と、アダプタ本体(140)とを含む。上述したように、及び以下でより詳細に記載するように、画像誘導アセンブリ(110)は、IGSナビゲーションシステム(10)と組み合わせて手術用器具(102)を使用するために、手術用器具(102)に選択的に取り付けてもよい。また上述したように、及び以下でより詳細に記載するように、アダプタ本体(140)は、ナビゲーションガイドワイヤ(120)の遠位端と連結しながら、様々なエンドエフェクタ機能を実行するために、自由端(105)の遠位端(103)に取り付けることができ、それにより、IGSナビゲーションシステム(10)と組み合わせた手術用器具(102)の使用を提供する。
【0024】
ナビゲーションガイドワイヤ(120)及び連結ユニット(112)は、それぞれ、上記したナビゲーションガイドワイヤ(40)及び連結ユニット(42)と実質的に同様であってもよく、以下に詳述する違いがある。ナビゲーションガイドワイヤ(120)の近位端は、連結ユニット(112)と通信している。ナビゲーションガイドワイヤ(120)の近位端は、連結ユニット(112)に選択的に取り付けられるように構成されてもよい。ガイドワイヤ(120)及び連結ユニット(112)は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかな任意の好適な方法を使用して連結することができる。あるいは、ナビゲーションガイドワイヤ(120)の近位端は、連結ユニット(112)に固定されてもよい。連結ユニット(112)は、コンソール(18)とナビゲーションガイドワイヤ(120)との間のデータ及び他の信号の無線通信を提供するように構成される。連結ユニット(112)は、データ及び他の信号の有線又は無線通信を提供することができる。
【0025】
ナビゲーションガイドワイヤ(120)は、遠位位置センサ(122)と、遠位位置センサ(122)から近位に延在する可撓性電気導管アセンブリ(124)とを含む。位置センサ(122)は、上記のナビゲーションガイドワイヤ(40)の位置センサと実質的に同様である。したがって、位置センサ(122)は、少なくとも1つのコイルを備える。加えて、可撓性電気導管アセンブリ(124)は、位置センサ(122)の少なくとも1つのコイルと連通する電気導管(単数又は複数)を含む。本明細書の記載に従って、ナビゲーションガイドワイヤ(120)が器具のプロファイルシャフト(106)及びハンドル(104)に沿って適合するように、可撓性電気導管アセンブリ(124)は実質的に可撓性であってもよい。可撓性電気導管アセンブリ(124)は、外部環境から電気導管(単数又は複数)を遮蔽するための、何らかの種類のコーティング/絶縁材料を含んでもよい。
【0026】
位置センサ(122)のコイルが(単数又は複数)磁界発生器(24)によって生成された交流電磁界の中に配置されると、交流磁界は、位置センサ(122)のコイルの中に電流を生成し、この電流は、ナビゲーションガイドワイヤ(120)内の可撓性電気導管アセンブリ(124)に沿って、更に連結ユニット(112)を介してプロセッサ(12)に更に伝送され得る。したがって、プロセッサ(12)は、上記のナビゲーションガイドワイヤ(40)のセンサを位置決めするために同様の様式で位置センサ(122)の位置を決定してもよい。
【0027】
ワイヤ保持具クリップ(130)は、ナビゲーションガイドワイヤ(120)を器具(102)と連結するように構成されている。具体的には、保持具クリップ(130)は、ナビゲーションガイドワイヤ(120)がハンドル(104)への好適なアクセスを妨げることなく器具(102)の輪郭に沿って延在するように、ナビゲーションガイドワイヤ(120)の可撓性電気導管アセンブリ(124)を器具(102)のシャフト(106)と連結するように構成されている。したがって、操作者は、連結ユニット(112)に向かって近位に延在するナビゲーションガイドワイヤ(120)の存在により過度に妨害されることなく、ハンドル(104)を介して画像誘導器具アセンブリ(100)を好適に把持及び制御することができる。
【0028】
保持具クリップ(130)は、シャフト貫通孔(134)及びガイドワイヤ貫通孔(136)を画定する本体(132)を含む。
図2、
図3及び
図5に例示されているように、保持具クリップ(130)は、自由端(105)にシャフト貫通孔(134)を介して挿入することによりシャフト(106)に取り付けてもよく、保持具クリップ(130)を所定の位置に更に摺動させてもよい。ナビゲーションガイドワイヤ(120)が所望の位置になるまで、ナビゲーションガイドワイヤ(120)の近位端又はナビゲーションガイドワイヤ(120)の遠位端のいずれかをガイドワイヤ貫通孔(136)内に挿入することによって、保持具クリップ(130)は、ナビゲーションガイドワイヤ(120)に取り付けられてもよい。
【0029】
図4及び
図7において最もよく見られるように、本体(132)の第1の内側環状表面(135)は、シャフト貫通孔(134)を画定し、一方、本体(132)の第2の内側環状表面(137)は、ガイドワイヤ貫通孔(136)を画定する。第1の内側環状表面(135)及び第2の内側環状表面(137)は、シャフト(106)及びガイドワイヤ(120)が例示的な使用中に保持具クリップ(130)に対して移動しないようにするだけでなく、操作者がシャフト(106)及び/又はガイドワイヤ(120)から保持具クリップ(130)を組み立てる又は分解することを所望する場合に、ガイドワイヤ(120)及びシャフト(106)は、十分な力で保持具クリップ(130)から連結/分離することができるように、好適な摩擦締まり嵌めを介して、対応するシャフト(106)又はガイドワイヤ(120)と連結するように寸法決め及び構成される。第1の内側環状表面(135)及び第2の内側環状表面(137)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであるように、摩擦推論嵌合のための任意の好適な材料を含んでもよい。例えば、内側環状表面(135、137)は、エラストマ材料を含んでもよい。
【0030】
図8は、上記したワイヤ保持具クリップ(130)と実質的に同様に機能するように構成された代替的なワイヤ保持具クリップ(180)を示しており、以下に詳述する違いがある。具体的には、保持具クリップ(180)は、一対の弾性アーチ状アーム(184、190)を有する本体(182)を含む。弾性アーチ状アーム(184、190)の各対は、シャフト貫通孔(186)及びガイドワイヤ貫通孔(192)をそれぞれ画定する、対応する内側半環状表面(186、195)を含む。弾性アーチ状アーム(184)は間隙(188)を画定し、一方、弾性アーチ状アーム(190)は別の間隙(194)を画定する。本明細書の記載によると、弾性アーチ状アーム(184、190)は、操作者がガイドワイヤ(120)又はシャフト(106)を連結/分離しようと試みるときなど、十分な力で各々の間隙(188、194)から離れるように曲がってもよい。更に、弾性アーチ状アーム(184、190)は、例示的な使用中に、アーチ状アーム(184、190)の弾性的性質によって提供される摩擦嵌合を介して、シャフト(106)及びナビゲーションガイドワイヤ(120)に選択的に固定されるように寸法決めされる。内側半環状表面(186、195)はまた、エラストマ材料などの摩擦締まり嵌めを促進するのに役立つ材料を含んでもよい。
【0031】
アダプタ本体(140)は、近位部分(142)と遠位部分(144)との間に延在する。アダプタ本体(140)は、シャフト部分(147)と、ガイドワイヤ部分(145)と、遠位端(160)内で終端する遠位先端部(162)とを含む。シャフト部分(147)の近位端及びアダプタ本体(140)のガイドワイヤ部分(145)は、シャフト経路(150)及びワイヤ経路(152)を画定する近位に面する表面(148)を含む。
図6において最も良く分かるように、シャフト経路(150)は、アダプタ本体(140)内に遠位部分(144)に向かって延在し、遠位表面(151)内で終端する。シャフト経路(150)は、シャフト(106)の自由端(105)を受容するように寸法決めされる。自由端(105)は、自由端(105)が遠位表面(151)に当接するまでシャフト経路(150)に挿入されてもよいが、これは任意選択である。
【0032】
ワイヤ経路(152)は、アダプタ本体(140)内の遠位先端部(162)の領域内に延在し、遠位表面(153)内で終端する。ワイヤ経路(152)は、シャフト経路(150)に隣接し、そして、シャフト経路(150)を通過して遠位で遠位先端部(162)内へと延在する。位置センサ(122)は、位置センサ(122)の遠位端が遠位表面(153)に当接するまでワイヤ経路(152)に挿入されてもよいが、これは任意選択である。ワイヤ経路(152)は、位置センサ(122)が遠位先端部(162)の遠位端(160)に好適に近接して挿入され得るように、アダプタ本体(140)内に延在する。したがって、好適に組み立てられると、位置センサ(122)は、本明細書の記載に従って例示的な使用中に遠位先端部(162)の位置を正確に示すことができる。シャフト経路(150)及びワイヤ経路(152)は、互いに対して隔離されてもよく、又は互いと連通していてもよく、シャフト(106)及び位置センサ(122)をそれぞれ選択的に受容するような寸法であってもよい。
【0033】
アダプタ本体(140)は、シャフト(106)の自由端(105)、及びナビゲーションガイドワイヤ(120)の位置センサ(122)に対して連結するように構成されているため、組み立てられると、ナビゲーションガイドワイヤ(120)、アダプタ本体(140)、及び自由端(105)は、締まり嵌めを介して互いに対して固定される。アダプタ本体(140)とシャフト(106)の自由端(105)及び位置センサ(122)の間の締まり嵌めは、自由端(105)、位置センサ(122)、及びアダプタ本体(140)が、例示的な使用中に、互いに対して固定されるように十分な強度があってもよいが、必要に応じて、操作者がアダプタ本体(140)を位置センサ(122)及びシャフト(106)の自由端(105)から選択的に分離できるくらいの強度であってもよい。
【0034】
位置センサ(122)は、アダプタ本体(140)の遠位先端部(162)に容易かつ反復可能に配置され得る。したがって、アダプタ本体(140)の好適な部分は、締まり嵌めを介して、位置センサ(122)及びシャフト(105)の自由端を固定して受容するため十分な可撓性があってもよい。場合によっては、アダプタ本体(140)は、締まり嵌めを更に促進するために、エラストマ材料で裏打ちされた経路(150、152)を有してもよい。場合によっては、経路(150、152)及び/又は自由端(105)及び位置センサ(122)は、自由端(105)及び位置センサ(122)がアダプタ本体(140)と好適に連結される場合に、触覚フィードバックを提供し、例示的な使用中に、自由端(105)及び位置センサ(122)がアダプタ本体(140)に対して固定されたままであることを確実にする弾性クリップを備えている場合がある。場合によっては、経路(150、152)及び自由端(105)及び位置センサ(122)の対応する機構には、組み立てられたときに、アダプタ本体(140)が、自由端(105)及び/又は位置センサ(102)と回転整列していることを確認する補完的なキー機構を含んでもよい。
【0035】
アダプタ本体(140)の遠位先端部(162)は、エンドエフェクタとして機能し、患者(P)内で所望の機能を実行するのに十分な剛性がある。場合によっては、アダプタ本体(140)は、アダプタ本体がエンドエフェクタとして機能するのに十分な剛性を持ちながら、ガイドワイヤ(120)及びシャフト(106)の自由端(105)と緊密に連結するのに十分な可撓性を持つ単一の材料から作製される。いくつかの例では、アダプタ本体(140)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであるように、成形、機械加工プロセス、3D印刷、又は任意の他の好適な製造方法によって製造される。場合によっては、アダプタ本体(140)は、遠位先端部(162)が十分に剛性を持ち得るように、アダプタ本体(140)は様々な材料から作製され、一方、アダプタ本体(1450)はまた、ガイドワイヤ(120)及びシャフト(106)の自由端(105)と緊密に連結するために十分な可撓性がある。本明細書における教示を鑑みると、当業者に明白な、任意の好適な材料(単数又は複数)を使用することができる。
【0036】
遠位先端部(162)は、様々な機能を実行するための様々な形状を有してもよい。したがって、複数のアダプタ本体(140)は、第1の目的のために、あるアダプタ本体(140)は、器具(102)及びガイドワイヤ(120)に取り付けられ得るように、器具(102)と共に使用してもよく、次いで、第2の目的のために、別のアダプタ本体(140)を器具(102)及びガイドワイヤ(120)に取り付けてもよい。遠位先端部(162)は、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなるように、アダプタ本体(140)を任意の好適な機能を実行するのに適した幾何学形状を有し得る。例えば、遠位先端部(162)は、探索器、コトルエレベータ、フリーアの機能を実行して、セプタムエレベータ、解剖器具、拡張器、掻把器などの穿刺するための幾何学形状を有してもよい。他の例としては、狭い形状及びより尖った形状を有する遠位先端部(162)、平坦なスプーン状の形状、又はより微細な、鋭利な穿孔先端を有するコトルが挙げられる。
【0037】
アダプタ本体(140)は、器具(102)と連結するように構成されてもよく、器具(102)は、アダプタ本体(140)を受容するように特別に設計されている。したがって、器具(102)は、様々な機能を実行し、ワイヤ保持具クリップ(130)及びナビゲーションガイドワイヤ(120)を受容する複数のアダプタ本体(140)と特別に連結するように寸法決めされてもよい。あるいは、アダプタ本体(140)は、器具(102)の自由端(105)にIGS機能を提供するために、既製の器具(102)と連結するように構成されてもよい。したがって、アダプタ本体(140)は、器具(102)の種類にかかわらず、器具(102)との好適な連結に必要な任意の好適な寸法を有してもよい。アダプタ本体(140)は、1回目の使用後にアダプタ本体(140)を捨てることができるように、使い捨てであってもよい。あるいは、アダプタ本体(140)は、複数回使用するために滅菌されるように構成されてもよい。
【0038】
上記から理解されたいこととして、画像誘導器具アセンブリ(100)が患者(P)の頭部(H)内の様々な経路で好適にアセンブルされている間、操作者は遠位先端部(162)を前進させてもよく、患者(P)の頭部(H)内の位置センサ(122)を介して、遠位先端部(162)の位置に関するリアルタイムのフィードバックを受信してもよい。したがって、操作者は、IGSナビゲーションシステム(10)の表示画面(16)を介して提供される視覚化のコンテキストにおいて、患者(P)の頭部(H)内で様々な経路を探索し、又は他の好適な機能を実行するように遠位先端部(162)を操縦することができる。
【0039】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを意図していないことを理解されたい。放棄を一切意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の種々の教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられている。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも、考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されないかぎり、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0040】
装置であって、(a)近位部分であって、近位部分が近位表面を備え、近位部分が第1の経路及び第2の経路を画定し、第1の経路及び第2の経路が近位表面から遠位に延在し、第1の経路がシャフトを受容するように寸法決めされ、第2の経路はナビゲーションガイドワイヤを受容するように寸法決めされている、近位部分と、(b)近位部分に取り付けられた遠位部分であって、遠位端で終端する遠位先端部を備え記第2の経路が近位部分から遠位先端部内に延在する、遠位部分と、を備える、装置。
【実施例2】
【0041】
遠位先端部が、探索器を備える、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0042】
遠位先端部が、コトルエレベータを備える、実施例1に記載の装置。
【実施例4】
【0043】
遠位先端部が、フリーアを備える、実施例1に記載の装置。
【実施例5】
【0044】
遠位端が、細く尖った先端を備える、実施例1に記載の装置。
【実施例6】
【0045】
遠位先端部が、スプーン状の形状を備える、実施例1に記載の装置。
【実施例7】
【0046】
近位部分及び遠位部分が、第1の材料から形成されている、実施例1~6のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例8】
【0047】
第1の材料が、シャフト及びナビゲーションガイドワイヤに好適に取り付けられるのに十分な可撓性を有する、実施例7に記載の装置。
【実施例9】
【0048】
第1の経路が、第1の表面で終端する、実施例1~8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例10】
【0049】
第2の経路が第2の表面で終端し、第2の表面が第1の表面に対して遠位にある、実施例9に記載の装置。
【実施例11】
【0050】
第2の表面が遠位先端部内に配置されている、実施例10に記載の装置。
【実施例12】
【0051】
器具と連結するように構成された画像誘導アダプタアセンブリであって、画像誘導アダプタアセンブリは、(a)ナビゲーションガイドワイヤと、(b)ワイヤ保持具クリップであって、ナビゲーションガイドワイヤ及び器具のシャフトと連結するように構成されている、ワイヤ保持具クリップと、(c)アダプタ本体であって、アダプタ本体が、(i)近位部分であって、近位部分が近位表面を含み、近位部分が第1の経路及び第2の経路を画定し、第1の経路及び第2の経路が近位表面から遠位に延在し、第1の経路が、シャフトの自由端を受容するように寸法決めされ、第2の経路は、ナビゲーションガイドワイヤ及びシャフトの自由端が互いに対して固定されるように、ナビゲーションガイドワイヤの遠位端を受容するように寸法決めされている、近位部分と、(ii)近位部分に取り付けられた遠位部分であって、遠位部分が、遠位端で終端する遠位先端部を備え、第2の経路が近位部分から遠位先端部内に延在する、遠位部分と、を備える、アダプタ本体と、を備える、画像誘導アダプタアセンブリ。
【実施例13】
【0052】
ナビゲーションガイドワイヤが、位置センサ及び可撓性電気導管アセンブリを更に備え、位置センサが、可撓性電気導管アセンブリに対して遠位に配置されている、実施例12に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
【実施例14】
【0053】
可撓性電気導管アセンブリの近位端に取り付けられるように構成された連結ユニットを更に備え、連結ユニットは、位置センサと処理ユニットとの間の通信を確立するように構成されている、実施例13に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
【実施例15】
【0054】
ワイヤ保持具クリップが、第1の貫通穴及び第2の貫通穴を画定し、第1の貫通穴が、シャフトの自由端を受容するように構成され、第2の貫通穴は、ナビゲーションガイドワイヤを受容するように構成されている、実施例12~14のいずれか1つ又は2つ以上に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
【実施例16】
【0055】
第1の貫通孔及び第2の貫通孔が、エラストマの内面を備える、実施例15に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
【実施例17】
【0056】
第1の貫通孔が、第1の一対の弾性アームを備える、実施例15~16のいずれか1つ又は2つ以上に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
【実施例18】
【0057】
第2の貫通孔が、第2の一対の弾性アームを備える、実施例15~17のいずれか1つ又は2つ以上に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
【実施例19】
【0058】
アダプタ本体の近位部分が、ガイドワイヤ部分及びシャフト部分を備える、実施例12~18のいずれか1つ又は2つ以上に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
【実施例20】
【0059】
画像誘導器具アセンブリであって、(a)ハンドルとシャフトとを備える器具本体であって、シャフトが自由端を備える、器具本体と、(b)ナビゲーションガイドワイヤと、(c)ワイヤ保持具クリップであって、ナビゲーションガイドワイヤシャフトと連結するように構成される、ワイヤ保持具クリップと、(d)アダプタ本体であって、アダプタ本体が、(i)近位部分であって、近位部分が近位表面を含み、近位部分が第1の経路及び第2の経路を画定し、第1の経路及び第2の経路が近位表面から遠位に延在し、第1の経路が、シャフトの自由端を受容するように寸法決めされ、第2の経路は、ナビゲーションガイドワイヤ及びシャフトの自由端が互いに対して固定されるように、ナビゲーションガイドワイヤの遠位端を受容するように寸法決めされている、近位部分と、(ii)近位部分に取り付けられた遠位部分であって、遠位部分が遠位端で終端する遠位先端部を備え、第2の経路が近位部分から遠位先端部内に延在する遠位部分とを備えるアダプタ本体と、を備える画像誘導器具アセンブリ。
【0060】
IV.その他
本明細書に記載の実施例のうちのいずれも、上記のものに加えて又はそれに代えて、様々な他の特徴を含み得ることを理解されたい。単に一例として、本明細書に記載の実施例のうちのいずれも、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むこともできる。
【0061】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0062】
本明細書に参考として組み込まれると言及されたいかなる特許、公報、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることを理解されなければならない。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記述、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、組み込まれる文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲でしか組み込まれないものとする。
【0063】
本明細書に開示されるデバイスの変形形態は、1回の使用後に処分されるように設計するか又は複数回使用されるように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。具体的には、デバイスの変形形態は分解されてもよく、また、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスの変形形態は、再調整用の施設において、又は外科処置の直前に外科チームのいずれかによって、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。こうした技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0064】
単に一例として、本明細書に記載の変形形態は手術に先立って処理することができる。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで、器具を滅菌してよい。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなどの、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次いで、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管してよい。密封容器は、手術設備で開封されるまで器具を滅菌状態に保つことができる。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
【0065】
本発明の種々の変形形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる応用が、当業者による適切な改変形態により、本発明の範囲から逸脱することなく実現可能である。このような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、変形形態、幾何学形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0066】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)近位部分であって、前記近位部分が近位表面を備え、前記近位部分が第1の経路及び第2の経路を画定し、前記第1の経路及び前記第2の経路が前記近位表面から遠位に延在し、前記第1の経路がシャフトを受容するように寸法決めされ、前記第2の経路がナビゲーションガイドワイヤを受容するように寸法決めされている、近位部分と、
(b)前記近位部分に取り付けられた遠位部分であって、前記遠位部分が遠位端で終端する遠位先端部を備え、前記第2の経路が前記近位部分から前記遠位先端部内に延在する、遠位部分と、を備える、装置。
(2) 前記遠位先端部が、探索器を備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記遠位先端部が、コトルエレベータ(Cottle Elevator)を備える、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記遠位先端部が、フリーアを備える、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記遠位端が、細く尖った先端を備える、実施態様1に記載の装置。
【0067】
(6) 前記遠位先端部が、スプーン状の形状を備える、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記近位部分及び前記遠位部分が、第1の材料から形成されている、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記第1の材料が、前記シャフト及び前記ナビゲーションガイドワイヤに好適に取り付けられるのに十分な可撓性を有する、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記第1の経路が、第1の表面で終端する、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記第2の経路が第2の表面で終端し、前記第2の表面が前記第1の表面に対して遠位にある、実施態様9に記載の装置。
【0068】
(11) 前記第2の表面が前記遠位先端部内に配置されている、実施態様10に記載の装置。
(12) 器具と連結するように構成された画像誘導アダプタアセンブリであって、
(a)ナビゲーションガイドワイヤと、
(b)ワイヤ保持具クリップであって、前記ワイヤ保持具クリップが、前記ナビゲーションガイドワイヤ及び前記器具のシャフトと連結するように構成されている、ワイヤ保持具クリップと、
(c)アダプタ本体であって、
(i)近位部分であって、前記近位部分が近位表面を含み、前記近位部分が第1の経路及び第2の経路を画定し、前記第1の経路及び前記第2の経路が前記近位表面から遠位に延在し、前記第1の経路が、前記シャフトの自由端を受容するように寸法決めされ、前記第2の経路は、前記ナビゲーションガイドワイヤ及び前記シャフトの前記自由端が互いに対して固定されるように、前記ナビゲーションガイドワイヤの遠位端を受容するように寸法決めされている、近位部分と、
(ii)前記近位部分に取り付けられた遠位部分であって、前記遠位部分が、遠位端で終端する遠位先端部を備え、前記第2の経路が前記近位部分から前記遠位先端部内に延在する、遠位部分と、を備える、アダプタ本体と、を備える、画像誘導アダプタアセンブリ。
(13) 前記ナビゲーションガイドワイヤが、位置センサ及び可撓性電気導管アセンブリを更に備え、前記位置センサが、前記可撓性電気導管アセンブリに対して遠位に配置されている、実施態様12に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
(14) 前記可撓性電気導管アセンブリの近位端に取り付けられるように構成された連結ユニットを更に備え、前記連結ユニットが、前記位置センサと処理ユニットとの間の通信を確立するように構成されている、実施態様13に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
(15) 前記ワイヤ保持具クリップが、第1の貫通孔及び第2の貫通孔を画定し、前記第1の貫通孔が、前記シャフトの前記自由端を受容するように構成され、前記第2の貫通孔が、前記ナビゲーションガイドワイヤを受容するように構成されている、実施態様12に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
【0069】
(16) 前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔が、エラストマの内面を備える、実施態様15に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
(17) 前記第1の貫通孔が、第1の一対の弾性アームを備える、実施態様15に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
(18) 前記第2の貫通孔が、第2の一対の弾性アームを備える、実施態様15に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
(19) 前記アダプタ本体の前記近位部分が、ガイドワイヤ部分及びシャフト部分を備える、実施態様12に記載の画像誘導アダプタアセンブリ。
(20) 画像誘導器具アセンブリであって、
(a)ハンドルとシャフトとを備える器具本体であって、前記シャフトが自由端を備える、器具本体と、
(b)ナビゲーションガイドワイヤと、
(c)ワイヤ保持具クリップであって、前記ナビゲーションガイドワイヤ及び前記シャフトと連結するように構成されている、ワイヤ保持具クリップと、
(d)アダプタ本体であって、
(i)近位部分であって、前記近位部分が近位表面を含み、前記近位部分が第1の経路及び第2の経路を画定し、前記第1の経路及び前記第2の経路が前記近位表面から遠位に延在し、前記第1の経路が、前記シャフトの前記自由端を受容するように寸法決めされ、前記第2の経路は、前記ナビゲーションガイドワイヤ及び前記シャフトの前記自由端が互いに対して固定されるように、前記ナビゲーションガイドワイヤの遠位端を受容するように寸法決めされている、近位部分と、
(ii)前記近位部分に取り付けられた遠位部分であって、前記遠位部分が、遠位端で終端する遠位先端部を備え、前記第2の経路が前記近位部分から前記遠位先端部内に延在する、遠位部分と、を備える、アダプタ本体と、を備える、画像誘導器具アセンブリ。