(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ビニール袋の開放装置および開放方法
(51)【国際特許分類】
B65B 43/36 20060101AFI20241106BHJP
B65B 43/30 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B65B43/36 A
B65B43/30 A
(21)【出願番号】P 2023566024
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(86)【国際出願番号】 KR2022017132
(87)【国際公開番号】W WO2023113229
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】10-2021-0181100
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ビェオン オー
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭64-20409(JP,U)
【文献】特開2020-172310(JP,A)
【文献】特開平8-156917(JP,A)
【文献】特開平9-226724(JP,A)
【文献】特開2018-135119(JP,A)
【文献】特開2007-320610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B43/00-43/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋形態を有するビニール袋の入口を開放するビニール袋の開放装置であって、
前記ビニール袋の一面を吸着した状態で前記ビニール袋を持ち上げる昇降部材と、
前記昇降部材に吸着された前記ビニール袋の入口に向かって空気を噴射し、前記ビニール袋の入口が広がって開放されるようにするエアブロワと、を含
み、
前記昇降部材に吸着された前記ビニール袋の入口に挿入され、前記ビニール袋の入口の両側を引っ張って拡張させる一対のフィンガが設けられたフィンガ部材と、
前記昇降部材を前記フィンガ部材から遠くなるように移動させ、前記フィンガ部材と前記昇降部材との間の面積だけ前記ビニール袋の入口を拡張させる移動部材とを更に含む、
ビニール袋の開放装置。
【請求項2】
前記昇降部材は、前記ビニール袋の一面を吸着する吸着パッドと、前記吸着パッドを上昇させ、前記吸着パッドに吸着された前記ビニール袋を前記エアブロワが位置している水平線まで持ち上げる昇降部と、を含む、請求項1に記載のビニール袋の開放装置。
【請求項3】
前記エアブロワは、前記ビニール袋の入口に向かって空気を噴射し、前記ビニール袋の入口が広がって開放されるようにする噴射ノズルと、前記噴射ノズルが結合されるフレームと、を含み、
前記噴射ノズルは、空気噴射口が前記水平線を基準として設定角度で下向きに傾斜するように設けられる、請求項2に記載のビニール袋の開放装置。
【請求項4】
前記設定角度は3゜~10゜に設定される、請求項3に記載のビニール袋の開放装置。
【請求項5】
前記噴射ノズルは、前記フレームに上下または左右に角度調節可能に結合される、請求項3に記載のビニール袋の開放装置。
【請求項6】
前記昇降部材に吸着された前記ビニール袋の入口が上部に向くように前記昇降部材を回転させる回転部材をさらに含む、請求項1に記載のビニール袋の開放装置。
【請求項7】
袋形態を有するビニール袋の入口を開放するビニール袋の開放方法であって、
昇降部材を用いて、前記ビニール袋の一面を吸着した後、前記ビニール袋を持ち上げる昇降ステップと、
エアブロワを用いて、前記昇降部材に吸着された前記ビニール袋の入口に向かって空気を噴射すると、前記エアブロワから噴射された空気が前記入口を介して前記ビニール袋に流入されながら、前記ビニール袋の入口が広がって開放される開放ステップと、を含み、
フィンガ部材に設けられた一対のフィンガを前記昇降部材に吸着された前記ビニール袋の入口に挿入した後、前記一対のフィンガを互いに広がる方向に移動させると、前記ビニール袋の入口が両側に引っ張られて拡張される1次拡張ステップと、
前記1次拡張ステップが完了すると、移動部材を用いて前記昇降部材を前記フィンガ部材から遠くなるように移動させ、前記フィンガ部材と前記昇降部材との間の面積だけ前記ビニール袋の入口が拡張される2次拡張ステップと、をさらに含む、
ビニール袋の開放方法。
【請求項8】
前記昇降ステップにおいて、前記昇降部材は、前記ビニール袋を前記エアブロワが位置している水平線まで持ち上げ、
前記開放ステップにおいて、前記エアブロワは、前記ビニール袋の入口に向かって空気を噴射し、前記水平線を基準として設定角度で下向きに空気を噴射する、請求項
7に記載のビニール袋の開放方法。
【請求項9】
前記設定角度は3゜~10゜に設定される、請求項
8に記載のビニール袋の開放方法。
【請求項10】
前記開放ステップが完了すると、回転部材を用いて前記昇降部材を回転させ、前記昇降部材に吸着された前記ビニール袋の入口が上部に向くように位置させる回転ステップをさらに含む、請求項
7に記載のビニール袋の開放方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月16日付の韓国特許出願第10-2021-0181100号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、ビニール袋の入口を自動で開放することができるビニール袋の開放装置および開放方法に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、食品、薬品、および物品などの製品は袋(Bag)の形態の包装袋に包装されて流通されており、前記包装袋の材質としては一般に合成樹脂が用いられる。
【0004】
例えば、包装袋は袋形態のビニール袋から構成されることができ、前記ビニール袋は、一面を除いた残りの面が密封される構造を有する。すなわち、前記ビニール袋は、密封されていない一面が製品を収容するための入口となる。
【0005】
一方、産業の発展に伴い、多くの製品を短い時間内にビニール袋に収容するためのビニール袋の開放装置が開発されており、前記ビニール袋の開放装置は、ビニール袋の両面をそれぞれ吸着する第1および第2吸着パッドと、第1および第2吸着パッドを互いに遠くなる方向に移動させてビニール袋の入口を広げる移動部材と、を含む。
【0006】
しかしながら、従来のビニール袋の開放装置は、第1および第2吸着パッドのみではビニール袋の入口を完璧に開放するのに限界があった。すなわち、ビニール袋は摩擦力および静電気によってビニール袋の入口を開放することが困難であり、そのため、ビニール袋の開放エラーによる設備稼動率の低下と包装不良が発生する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような問題を解決するための本発明は、エアブロワを含むことで、ビニール袋の入口をより容易に開放させることができ、特に、ビニール袋の入口を完璧に開放させることができ、これにより、設備稼動率の増加と包装不良発生の防止が可能なビニール袋の開放装置および開放方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような課題を解決するための本発明は、袋形態を有するビニール袋の入口を開放するビニール袋の開放装置であって、前記ビニール袋の一面を吸着した状態で前記ビニール袋を持ち上げる昇降部材と、前記昇降部材に吸着された前記ビニール袋の入口に向かって空気を噴射し、前記ビニール袋の入口が広がるように開放されるようにするエアブロワと、を含むことができる。
【0009】
前記昇降部材は、前記ビニール袋の一面を吸着する吸着パッドと、前記吸着パッドを上昇させ、前記吸着パッドに吸着された前記ビニール袋を前記エアブロワが位置している水平線まで持ち上げる昇降部と、を含むことができる。
【0010】
前記エアブロワは、前記ビニール袋の入口に向かって空気を噴射し、前記ビニール袋の入口が広がって開放されるようにする噴射ノズルと、前記噴射ノズルが結合されるフレームと、を含み、前記噴射ノズルは、空気噴射口が前記水平線を基準として設定角度で下向きに傾斜するように設けられることができる。
【0011】
前記設定角度は3゜~10゜に設定されることができる。
【0012】
前記噴射ノズルは、前記フレームに上下または左右に角度調節可能に結合されることができる。
【0013】
前記昇降部材に吸着された前記ビニール袋の入口が上部に向くように前記昇降部材を回転させる回転部材をさらに含むことができる。
【0014】
前記昇降部材に吸着されたビニール袋の入口に挿入され、ビニール袋の入口の両側を引っ張って拡張させる一対のフィンガが設けられたフィンガ部材をさらに含むことができる。
【0015】
前記昇降部材を前記フィンガ部材から遠くなるように移動させ、前記フィンガ部材と前記昇降部材との間の面積だけビニール袋の入口を拡張させる移動部材をさらに含むことができる。
【0016】
一方、本発明は、袋形態を有するビニール袋の入口を開放するビニール袋の開放方法であって、昇降部材を用いて、前記ビニール袋の一面を吸着した後、前記ビニール袋を持ち上げる昇降ステップと、エアブロワを用いて、前記昇降部材に吸着された前記ビニール袋の入口に向かって空気を噴射すると、前記エアブロワから噴射された空気が前記入口を介してビニール袋に流入されながら、前記ビニール袋の入口が広がって開放される開放ステップと、を含むことができる。
【0017】
前記昇降ステップにおいて、前記昇降部材は、前記ビニール袋を前記エアブロワが位置している水平線まで持ち上げ、前記開放ステップにおいて、前記エアブロワは、前記ビニール袋の入口に向かって空気を噴射し、前記水平線を基準として設定角度で下向きに空気を噴射することができる。
【0018】
前記設定角度は3゜~10゜に設定されることができる。
【0019】
前記開放ステップが完了すると、回転部材を用いて前記昇降部材を回転させ、前記昇降部材に吸着されたビニール袋の入口が上部に向くように位置させる回転ステップをさらに含むことができる。
【0020】
前記回転ステップが完了すると、フィンガ部材に設けられた一対のフィンガを前記昇降部材に吸着されたビニール袋の入口に挿入した後、一対のフィンガを互いに広がる方向に移動させると、前記ビニール袋の入口が両側に引っ張られて拡張される1次拡張ステップをさらに含むことができる。
【0021】
前記1次拡張ステップが完了すると、移動部材を用いて前記昇降部材を前記フィンガ部材から遠くなるように移動させ、前記フィンガ部材と前記昇降部材との間の面積だけビニール袋の入口が拡張される2次拡張ステップをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のビニール袋の開放装置は、エアブロワを含むことで、ビニール袋の入口に空気を噴射することができるため、ビニール袋の入口を完璧に開放させることができ、これにより、設備稼動率が増加し、且つ包装不良の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置を示した側面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置のエアブロワを示した斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置の回転部材を示した側面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置のフィンガ部材を示した斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置のフィンガ部材の作動状態を示した平面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置の移動部材を示した平面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放方法を示したフローチャートである。
【
図9】本発明の第2実施形態に係るビニール袋の開放装置を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施するように、本発明の実施形態について詳しく説明する。但し、本発明は種々の異なる形態で実現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書の全体にわたって類似の部分には類似の図面符号を付す。
【0025】
ビニール袋10は、
図1を参照すると、一面に入口11が形成された袋形態の構造を有する。かかる構造を有するビニール袋10は、一面12と他面13が密着されるように平らに押さえつけられた状態で保管され、使用時にビニール袋10の入口11を開放して製品などを貯蔵または包装する。
【0026】
しかし、前記ビニール袋10は、一面12と他面13との間で発生する摩擦力または静電気によって容易に開放されないという問題があった。
【0027】
本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置1は、ビニール袋10の入口11を自動で開放することができ、特に、ビニール袋の入口を完璧に開放することができ、これにより、物品収納の効率性を高めることができる。
【0028】
以下、本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
[本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置]
本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置1は、
図1から
図3に示されているように、袋形態を有するビニール袋10の入口11を開放する構造を有する。すなわち、本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置1は、前記ビニール袋10の一面(
図1においてビニール袋の上面)12を吸着した状態で前記ビニール袋10を持ち上げる昇降部材100と、前記昇降部材100に吸着された前記ビニール袋10の入口11に向かって空気を噴射し、前記ビニール袋10の入口11が広がって開放されるようにするエアブロワ200と、を含む。
【0030】
昇降部材
昇降部材100は、前記ビニール袋10を持ち上げるためのものである。
【0031】
すなわち、昇降部材100は、
図2に示されているように、前記ビニール袋10の一面12を吸着する吸着パッド110と、前記吸着パッド110を上昇させ、前記吸着パッド110に吸着された前記ビニール袋10を前記エアブロワ200が位置している水平線(O)まで持ち上げる昇降部120と、を含む。
【0032】
ここで、吸着パッド110は、ビニール袋10の入口11側に位置した一面12の全体を持ち上げるように複数個が設けられ、好ましくは、5個以上が設けられることができる。
【0033】
特に、吸着パッド110は、空気の吸入力を用いてビニール袋10の一面12を吸着する構造を有することができる。また、前記昇降部120は、吸着パッド110を上昇または原位置に復帰させる油圧シリンダまたは空圧シリンダから構成されることができる。
【0034】
上記のような構造を有する昇降部材100は、ビニール袋10の一面12を安定に吸着することができ、吸着されたビニール袋10を効果的に持ち上げることができる。
【0035】
エアブロワ
前記エアブロワ200は、前記ビニール袋の入口を開放させるためのものである。
【0036】
すなわち、前記エアブロワ200は、
図3に示されているように、前記ビニール袋10の入口11に向かって空気を噴射し、前記ビニール袋10の入口11が広がって開放されるようにする噴射ノズル210と、前記噴射ノズル210が結合されるフレーム220と、を含む。
【0037】
ここで、フレーム220はビニール袋10の入口11と対応する方向(
図1において前後方向)に延びて形成されており、噴射ノズル210は、ビニール袋10に向かうフレーム220の一面に、設定された間隔で複数個が備えられている。
【0038】
ここで、前記噴射ノズル210は、ビニール袋10の入口11に向かうように、且つ空気が噴出される空気噴射口が前記水平線(O)を基準として設定角度α゜で下向きに傾斜するように設けられることができる。噴射ノズル210から噴射される空気をビニール袋10の一面12よりも他面13に向かって噴射することで、ビニール袋10の一面12に静電気などにより付いている他面13が容易に離れるようにし、ビニール袋10の入口11を開放させることができる。
【0039】
一方、ここで、設定角度α゜は3゜~10゜に設定されることができ、好ましくは、5゜~8゜で設けられることができる。一方、前記噴射ノズル210の噴射角度が3゜以下であると、水平線に向かって噴射することと大きい差がなく、10゜以上であると、入口11の外部に空気が噴射され得るため、効率性が低下する恐れがある。
【0040】
上記のような構造を有する本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置1の作動状態を説明すると、昇降部材100は前記ビニール袋10の一面12を吸着した状態で持ち上げる。この際、ビニール袋10の他面(
図1においてビニール袋の下面)の一部は、静電気により一面に付いていることがある。いうまでもなく、他面13の全体が一面に付いていることもあり、他面13の全体が荷重によって一面から離れている状態であることもある。
【0041】
次に、エアブロワ200を用いて前記ビニール袋10の入口11に向かって空気を噴射する。そうすると、エアブロワ200により噴射された空気が入口11に流入されながら入口11を開放することができ、ビニール袋10に流入された空気の一部が入口11を介して排出されながら入口11をさらに開放することができる。
【0042】
したがって、本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置1は、昇降部材100とエアブロワ200を含むことで、ビニール袋10の入口11が完璧に広がって開放されるようにすることができる。
【0043】
回転部材
一方、本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置1は、前記ビニール袋10の入口11が上部に向くように前記昇降部材100を回転させる回転部材300をさらに含むことができる。
【0044】
すなわち、回転部材300は、
図4に示されているように、ビニール袋10の入口11を上部に向くように位置させることで、ビニール袋10に製品をより容易に挿入することができる。
【0045】
一例として、回転部材300は、前記昇降部材100が回転可能に結合される回転本体310と、前記回転本体310に結合された昇降部材100を回転させ、前記昇降部材100に吸着されたビニール袋10の入口11を上部に向くように位置させる回転部320と、を含む。一方、回転部320は駆動モータであることができる。
【0046】
フィンガ部材
一方、本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置1は、ビニール袋10の入口11を両側に引っ張ってビニール袋10の入口11を1次拡張させるフィンガ部材400をさらに含むことができる。
【0047】
すなわち、フィンガ部材400は、
図5および
図6に示されているように、一対のフィンガ410を含み、一対のフィンガ410は、前記昇降部材100に吸着されたビニール袋10の入口11に挿入された状態で、互いに広がる方向に移動しながらビニール袋10の入口11を両側に引っ張ることになる。
【0048】
一例として、フィンガ部材400は、前記昇降部材100に吸着されたビニール袋10の入口11に挿入された状態で互いに広がる方向に移動しながら、ビニール袋10の入口11を両側に引っ張る一対のフィンガ410と、一対のフィンガ410がビニール袋10の入口11に挿入されるように、一対のフィンガ410をビニール袋10に向かって下降させる第1駆動部420と、一対のフィンガ410を互いに広がる方向に移動させる第2駆動部430と、を含む。
【0049】
かかる構造を有するフィンガ部材400は、ビニール袋10の入口11を両側に拡張させることができるとともに、ビニール袋10の入口11が垂れることを防止することができる。
【0050】
移動部材
一方、本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置1は、ビニール袋10の入口11を2次確張させるための移動部材500をさらに含むことができる。
【0051】
すなわち、移動部材500は、
図7に示されているように、前記昇降部材100を前記フィンガ部材400から遠くなるように移動させ、前記フィンガ部材400と前記昇降部材100との間の面積だけビニール袋10の入口11を2次拡張させる。換言すれば、ビニール袋の一面12は昇降部材100に吸着されており、ビニール袋10の他面13はフィンガ部材400に支持されているため、移動部材が昇降部材100を移動させると、昇降部材100とともにビニール袋10の一面12が移動しながらビニール袋10の入口11を確張させることができる。
【0052】
以下、本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置を用いた開放方法について説明する。
【0053】
[本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放方法]
本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放方法は、
図8に示されているように、袋形態を有するビニール袋10の入口11が広がって開放されるようにするためのものであって、昇降ステップと、開放ステップと、回転ステップと、1次拡張ステップと、2次拡張ステップと、を含む。
【0054】
一方、本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放方法は、前述の本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置を用いて行い、本発明の第1実施形態に係るビニール袋の開放装置1は、昇降部材100と、エアブロワ200と、回転部材300と、フィンガ部材400と、移動部材500と、を含む。
【0055】
昇降ステップ
図2を参照すると、昇降ステップでは、昇降部材100を用いて、積載されているビニール袋10のうち、最上端に積載されたビニール袋10の一面(
図1において上面)12を吸着した後、ビニール袋10を持ち上げる。
【0056】
すなわち、昇降部材100は、吸着パッド110によりビニール袋10の一面12を吸着し、昇降部120によりビニール袋10を持ち上げる。この際、昇降部材100は、ビニール袋10をエアブロワ200が位置している水平線(O)まで持ち上げる。
【0057】
ここで、ビニール袋10の入口11側に位置した一面(
図1において上面)12と他面(
図1において下面)13は、密着力または静電気により全体が密着された状態であるか、または一部が密着された状態であり得る。
【0058】
開放ステップ
図3を参照すると、開放ステップでは、エアブロワ200を用いて、前記昇降部材100に吸着された前記ビニール袋10の入口11に向かって空気を噴射する。そうすると、前記エアブロワ200から噴射された空気の圧力により前記入口11を開放することができる。特に、ビニール袋10の入口11側に位置した一面12と他面13が密着されていても、空気の圧力により容易に離れることになり、その結果、ビニール袋10の入口11が広がって開放されることができる。
【0059】
さらに、ビニール袋10に流入された空気の一部はビニール袋10の入口11を介して外に排出され、このビニール袋10の外に排出される空気により、ビニール袋10の入口11を完璧に開放させることができる。
【0060】
一方、前記開放ステップで、前記エアブロワ200は、前記ビニール袋10の入口11に向かって空気を噴射し、この際、前記水平線を基準として設定角度α゜で下向きに噴射することができる。すなわち、前記エアブロワ200は、ビニール袋10の入口11側に位置した他面13に向かって空気を噴射し、これにより、ビニール袋10の他面13が一面12から容易に離れ、その結果、入口11を効果的に開放することができる。
【0061】
一方、前記設定角度α゜は3゜~10゜に設定されることができ、好ましくは、5゜~7゜に設定されることができる。
【0062】
一方、ビニール袋10の入口11が開放されると、物品を容易に収容するために、ビニール袋10の入口11の方向と面積を拡張させるための回転ステップ、1次拡張ステップ、および2次拡張ステップを行うことができる。
【0063】
回転ステップ
図5を参照すると、回転ステップは、ビニール袋10の入口11が上部に向くように位置させるためのステップであり、前記開放ステップが完了すると、回転部材300を用いて前記昇降部材100を回転させ、前記昇降部材100に吸着されたビニール袋10の入口11が上部に向くように位置させる。
【0064】
1次拡張ステップ
図6を参照すると、1次拡張ステップは、ビニール袋10の入口11を1次確張させ、前記入口11が垂れることを防止するためのステップであり、前記回転ステップが完了すると、フィンガ部材400に設けられた一対のフィンガ410を、前記昇降部材100に吸着されたビニール袋10の入口11に挿入した後、一対のフィンガ410を互いに広がる方向に移動させる。そうすると、一対のフィンガ410によりビニール袋10の入口11が両側に引っ張られ、ビニール袋10の入口11を1次確張させることができる。
【0065】
2次拡張ステップ
図7を参照すると、2次拡張ステップでは、前記1次拡張ステップが完了すると、移動部材500を用いて前記昇降部材100を前記フィンガ部材400から遠くなるように移動させる。そうすると、昇降部材100とともにビニール袋10の一面12が移動することになり、その結果、前記フィンガ部材400と前記昇降部材100との間の面積(または距離)だけ、ビニール袋10の入口11を2次拡張させることができる。
【0066】
上記のようなステップが完了すると、ビニール袋10の入口11に物品を簡便に挿入し、包装することができる。
【0067】
以下、本発明の他の実施形態を説明するにあたり、前述の実施形態と同一の構成については同一の構成符号を用い、重複説明は省略する。
【0068】
[本発明の第2実施形態に係るビニール袋の開放装置]
本発明の第2実施形態に係るビニール袋の開放装置1は、
図9および
図10に示されているように、昇降部材100とエアブロワ200を含み、エアブロワ200は、前記ビニール袋10の入口11に向かって空気を噴射し、前記ビニール袋10の入口11が広がって開放されるようにする噴射ノズル210と、前記噴射ノズル210が結合されるフレーム220と、を含む。
【0069】
ここで、噴射ノズル210は、前記フレーム220に上下または左右に角度調節可能に結合されることができる。
【0070】
例えば、
図10を参照すると、噴射ノズル210には球状結合部211が形成されており、前記フレーム220には、前記球状結合部211が結合される球状結合溝221が形成されている。すなわち、球状結合部211は前記球状結合溝221内で上下または左右に回転し、球状結合部211と連動して噴射ノズル210が上下または左右に角度調節可能である。
【0071】
したがって、本発明の第2実施形態に係るビニール袋の開放装置は、昇降部材100に吸着されたビニール袋10の入口11に応じて前記噴射ノズル210を上下または左右に角度調節することができ、その結果、噴射ノズル210から噴射される空気をビニール袋10の入口11に正確に噴射させることができる。
【0072】
本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等な概念から導出される種々の実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 ビニール袋
11 入口
12 一面
13 他面
100 昇降部材
110 吸着パッド
120 昇降部
200 エアブロワ
210 噴射ノズル
220 フレーム
300 回転部材
310 回転本体
320 回転部
400 フィンガ部材
410 フィンガ
420 第1駆動部
430 第2駆動部
500 移動部材