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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/35 20210101AFI20241106BHJP
   H01G 11/14 20130101ALI20241106BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20241106BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/358 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/367 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/271 20210101ALN20241106BHJP
【FI】
H01M50/35 201
H01G11/14
H01G11/78
H01M50/209
H01M50/358
H01M50/367
H01M50/271 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020028269
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021132022
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】石川 貴瑛
(72)【発明者】
【氏名】金本 将季
(72)【発明者】
【氏名】中畑 拓也
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/058587(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0062133(US,A1)
【文献】特開2015-176783(JP,A)
【文献】特開2011-070871(JP,A)
【文献】特開2011-129372(JP,A)
【文献】特開2017-152162(JP,A)
【文献】国際公開第2015/162850(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/35 - 367
H01G 11/14
H01G 11/78
H01M 50/209
H01M 50/271
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、
前記蓄電素子を収容する外装体と、
前記外装体の壁部と第一接合部において接合され、かつ、少なくとも一部が前記壁部から外方に向けて延設された排気管であって、前記外装体の内部のガスを外部に排気するための排気管と、を備え、
前記第一接合部は、締結、溶着または接着にて形成されており
さらに、前記外装体の前記壁部よりも内側に配置された通気室形成部材であって、前記排気管と連通する通気室を形成する通気室形成部材を備え、
前記通気室形成部材は、前記外装体の内部と前記通気室の内部との通気を許容する通気部を有し、かつ、前記外装体と第二接合部において接合されている、
蓄電装置。
【請求項2】
蓄電素子と、
前記蓄電素子を収容する外装体と、
前記外装体の壁部と第一接合部において接合され、かつ、少なくとも一部が前記壁部から外方に向けて延設された排気管であって、前記外装体の内部のガスを外部に排気するための排気管と、を備え、
前記第一接合部は、締結、溶着または接着にて形成されており、
前記排気管は、前記壁部に形成された取付孔に挿入されていることで一端部が前記壁部の内側に位置し、
前記一端部の外周には、前記壁部の内面と対向する突出部が設けられており、
前記第一接合部は前記突出部と前記壁部の前記内面とが接合された部分である、
電装置。
【請求項3】
蓄電素子と、
前記蓄電素子を収容する外装体と、
前記外装体の壁部と第一接合部において接合され、かつ、少なくとも一部が前記壁部から外方に向けて延設された排気管であって、前記外装体の内部のガスを外部に排気するための排気管と、
前記外装体の前記壁部よりも内側に配置された通気室形成部材であって、前記排気管と連通する通気室を形成する通気室形成部材とを備え、
前記通気室形成部材は、前記外装体の内部と前記通気室の内部との通気を許容する通気部を有し、かつ、前記外装体と第二接合部において接合されており
前記通気部は、前記通気室形成部材の壁部に形成された貫通孔及び前記貫通孔を塞ぐ通気防水膜を含む、
蓄電装置。
【請求項4】
前記排気管と前記通気室形成部材とは一体化されている、
請求項3記載の蓄電装置。
【請求項5】
蓄電素子と、
前記蓄電素子を収容する外装体と、
前記外装体の壁部と第一接合部において接合され、かつ、少なくとも一部が前記壁部から外方に向けて延設された排気管であって、前記外装体の内部のガスを外部に排気するための排気管と、
前記外装体の前記壁部よりも内側に配置された通気室形成部材であって、前記排気管と連通する通気室を形成する通気室形成部材とを備え、
前記通気室形成部材は、前記外装体の内部と前記通気室の内部との通気を許容する通気部を有し、かつ、前記外装体と第二接合部において接合されており
前記蓄電素子は、前記通気室に配置されない、
蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装体を備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電槽本体と蓋体とを備える電池が開示されている。この電池では、内部が複数のセル室に仕切られた電槽本体に蓋体が取り付けられている。蓋体の排気室内には、円筒状の連結部材が取り付けられており、連結部材に、排気パイプの端部が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-45380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の電池では、蓋体に固定された連結部材に排気パイプの端部が挿入される。これにより、外装体の内部のガスを、排気パイプを介して外装体の外部の所定の位置まで導くことができる。しかしながら、蓄電装置の外装体に収容された蓄電素子のガス排出弁が開放される場合(開弁する場合)、ガス排出弁からは電解液が気化することで生じたガスが噴出する。そのため、ガスを外装体の外部に排出するための排気パイプ等の部材には、外装体の内部側から大きい圧力が加えられる。さらに、複数の蓄電素子が同時期に開弁した場合は、この圧力はさらに大きくなる。そのため、例えば上記従来の電池では、外装体の内圧の急激な上昇により、排気パイプが蓋体の連結部材から抜け落ちる可能性がある。この場合、蓋体から直接的にガスが排出されるという、設計通りの安全性が確保できない事態が生じる。そこで、例えば蓋体に排気パイプを一体に設けることで、排気パイプが蓋体から外れることを防止することも考えられる。しかし、この場合は、例えば要求される仕様に応じて排気パイプのサイズ等を変更する場合、蓋体または外装体の全体の設計を変更することになり、蓄電装置の汎用性が低下する。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、要求に応じた排気機能を容易に備えさせることができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子を収容する外装体と、前記外装体の壁部と第一接合部において接合され、かつ、少なくとも一部が前記壁部から外方に向けて延設された排気管であって、前記外装体の内部のガスを外部に排気するための排気管と、を備える。
【0007】
この構成によれば、外装体の壁部に排気管が接合される。そのため、例えば蓄電装置の供給先の要求に応じた形状、構造、またはサイズを有する排気管を選択または作製し、外装体に後付けすることができる。つまり、外装体を基本構成として量産し、かつ、互いに異なる種類の排気管を複数の外装体のそれぞれに接合することで、排気機能が異なる複数の蓄電装置を容易に作製することができる。また、排気管は、溶着または接着などにより外装体に接合されるため、排気管が外装体から外れ難く、これにより、蓄電素子からガスが噴出した場合における排気機能の実効性が確保される。このように、本態様に係る蓄電装置によれば、要求に応じた排気機能を容易に備えさせることができる。
【0008】
前記排気管は、前記壁部に形成された取付孔に挿入されていることで一端部が前記壁部の内側に位置し、前記一端部の外周には、前記壁部の内面と対向する突出部が設けられており、前記第一接合部は前記突出部と前記壁部の前記内面とが接合された部分である、としてもよい。
【0009】
この構成によれば、排気管は、外装体の壁部の内側に位置する端部に、径方向外側に突出する突出部を有している。また、第一接合部は外装体の内部側に位置している。これにより、接着または溶着等による接合部分である第一接合部が外観上隠される。そのため、例えば、第一接合部における接着剤または溶融痕等が、蓄電装置の使用者に、何等かの不具合等として認識される可能性が低減される。また、突出部が、排気管の、取付孔から外方への抜け止めとして機能する。そのため、仮に、蓄電素子からガスが噴出したこと、または、排気管が外方に引っ張られたこと等により、排気管に軸方向かつ外向きの外力が作用したとしても、排気管の取付孔からの抜け出しは実質的に防止される。つまり、要求に応じた排気機能を備える蓄電装置の品質または信頼性を向上させることができる。
【0010】
前記蓄電装置は、さらに、前記外装体の前記壁部よりも内側に配置された通気室形成部材であって、前記排気管と連通する通気室を形成する通気室形成部材を備え、前記通気室形成部材は、前記外装体の内部と前記通気室の内部との通気を許容する通気部を有し、かつ、前記外装体と第二接合部において接合されている、としてもよい。
【0011】
この構成によれば排気管と外装体の内部との間に通気室が設けられるため、例えば、排気管に異物が侵入した場合に、その異物の外装体の内部への侵入を通気室によって阻害することができる。また、通気室形成部材は、第二接合部において外装体と接合されているため、要求に応じた形状、構造、またはサイズを有する通気室形成部材を選択または作製し、外装体に後付けすることができる。従って、蓄電装置が備えることができる排気機能の自由度が向上される。
【0012】
前記排気管と前記通気室形成部材とは一体化されている、としてもよい。
【0013】
この構成によれば、排気管及び通気室形成部材は、排気管と通気室形成部とを一体に有する排気ユニットとして蓄電装置に組み込まれる。つまり、排気管及び通気室形成部材は1つの部品として扱われるため、要求に応じた排気機能を備える蓄電装置を効率よく製造することができる。
【0014】
前記通気部は、前記通気室形成部材の壁部に形成された貫通孔及び前記貫通孔を塞ぐ通気防水膜を含む、としてもよい。
【0015】
この構成によれば、排気管及び通気室を介して外装体の内部と外部との圧力平衡が図られ、かつ、排気管及び通気室を介した、外装体の内部への水の浸入が抑制される。つまり、要求に応じた排気機能を備える蓄電装置の品質または信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、要求に応じた排気機能を容易に備えさせることができる蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
図3】実施の形態に係る通気室形成部材及び排気管の構成を示す斜視図である。
図4】実施の形態に係る排気管と外装体との構造上の関係を示す部分断面図である。
図5】実施の形態に係る通気室形成部材及び排気管が外装体に接合された状態を示す部分断面図である。
図6】実施の形態の変形例に係る蓄電装置が備える通気室形成部材及び排気管の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例を含む)に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0019】
また、以下の説明及び図面中において、複数の蓄電素子の並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、または、当該容器の厚さ方向をX軸方向と定義する。また、1つの蓄電素子における電極端子の並び方向、または、蓄電素子の容器の短側面の対向方向をY軸方向と定義する。また、蓄電装置の外装体における本体部と蓋体との並び方向、蓄電素子とバスバーとの並び方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(以下実施の形態及びその変形例では、直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0020】
また、以下の実施の形態において、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行である、とは、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
【0021】
(実施の形態)
[1.蓄電装置の全般的な説明]
まず、図1及び図2を用いて、実施の形態に係る蓄電装置1の全般的な説明を行う。図1は、実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0022】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置1は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール及びリニアモーターカーが例示される。また、蓄電装置1は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0023】
図1及び図2に示すように、蓄電装置1は、複数の蓄電素子20と、複数の蓄電素子20を収容する外装体10とを備える。本実施の形態では、外装体10には8個の蓄電素子20が収容されている。なお、蓄電装置1が備える蓄電素子20の数は8には限定されない。蓄電装置1は、1以上の蓄電素子20を備えればよい。本実施の形態では、X軸方向に並べられた複数の蓄電素子20により1つの蓄電素子ユニット24が構成されている。なお、蓄電素子ユニット24は、図示しないスペーサ及び絶縁フィルム等を有してもよい。
【0024】
外装体10は、蓄電素子ユニット24を収容する本体部12と蓋体11とを有し、本体部12に収容された蓄電素子ユニット24と蓋体11との間にはバスバープレート17が配置されている。バスバープレート17には複数のバスバー33が保持されており、複数のバスバー33はバスバーカバー70及び75に覆われている。また、バスバープレート17と蓋体11との間には、制御回路等を含む接続ユニット80が配置されている。
【0025】
外装体10は、蓄電装置1の外殻を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、蓄電素子ユニット24及びバスバープレート17等を所定の位置に固定し、これらを衝撃などから保護する部材である。外装体10は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、もしくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、絶縁塗装をした金属等により形成されている。
【0026】
外装体10が有する蓋体11は、本体部12の本体開口部15を閉塞する矩形状の部材であり、正極側の外部端子91及び負極側の外部端子92を有している。外部端子91及び92は、接続ユニット80及びバスバー33を介して複数の蓄電素子20と電気的に接続されており、蓄電装置1は、この外部端子91及び92を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。外部端子91及び92は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。
【0027】
蓋体11には、外装体10の内部及び外部の一方から他方に移動する気体が通過する通気室108を形成する通気室形成部材100、及び、通気室108に接続された排気管120が取り付けられている。具体的には、通気室形成部材100は、蓋体11の内面に接合されており、排気管120は、蓋体11に設けられた取付孔11aに挿入された状態で蓋体11と接合されている。外装体10の内部のガスは、通気室形成部材100に設けられた通気部を介して通気室108の内部に到達し、その後、通気室108と連通する排気管120を介して、外装体10の外部に放出される。通気室形成部材100及び排気管120の構成については、図3図5を用いて後述する。
【0028】
本体部12は、蓄電素子ユニット24を収容するための本体開口部15が形成された有底矩形筒状のハウジング(筐体)である。
【0029】
蓄電素子20は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子20は、扁平な直方体(角形)の形状を有しており、本実施の形態では、上述のように、8個の蓄電素子20がX軸方向に配列されている。
【0030】
本実施の形態では、蓄電素子20は、金属製の容器21を備える。容器21は、互いに対向する一対の長側面21aと、互いに対向する一対の短側面21bとを有する角形のケースである。容器21の内部には、電極体、集電体、及び電解液等が収容されている。本実施の形態では、複数の蓄電素子20のそれぞれは長側面21aがX軸方向に向く姿勢(短側面21bがX軸方向に平行な姿勢)で、X軸方向に一列に並べられている。
【0031】
容器21の蓋板21cには、容器21の内部の電極体と電気的に接続された金属製の電極端子22(正極端子及び負極端子)が設けられている。電極端子22(正極端子及び負極端子)は、容器21の蓋板21cから、バスバープレート17側に向けて(上方、つまりZ軸方向プラス側に向けて)突出して配置されている。容器21の蓋板21cにはさらに、容器21の内部のガスを外部に排出するためのガス排出弁23が設けられている。ガス排出弁23は、例えば容器21の内部の電解液が気化することで容器21の内圧が上昇した場合に、開放すること(開弁すること)で、容器21の内部のガスを容器21の外部に排出する機能を有する。このような機能を有するガス排出弁23は、複数の蓄電素子20のそれぞれに設けられている。本実施の形態では、図2に示すように、複数の蓄電素子20のそれぞれは、ガス排出弁23がZ軸方向プラス側に向く姿勢で配置されている。
【0032】
なお、蓄電素子20は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子20は、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。また、本実施の形態では、直方体形状(角形)の蓄電素子20を図示しているが、蓄電素子20の形状は、直方体形状には限定されず、直方体形状以外の多角柱形状、円柱形状、長円柱形状等であってもよい。さらに、ラミネート型の蓄電素子が、蓄電素子20として蓄電装置1に備えられてもよい。
【0033】
バスバー33は、バスバープレート17に保持された状態で、少なくとも2つの蓄電素子20上に配置され、当該少なくとも2つの蓄電素子20の電極端子22同士を電気的に接続する矩形状の板状部材である。バスバー33の材質は特に限定されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ステンレス鋼等の金属若しくはそれらの組み合わせ、または、金属以外の導電性の部材で形成されていてもよい。本実施の形態では、5つのバスバー33を用いて、蓄電素子20を2個ずつ並列に接続して4セットの蓄電素子群を構成し、かつ、当該4セットの蓄電素子群を直列に接続している。また、8個の蓄電素子20の電気的な接続の態様に特に限定はなく、例えば、8個の蓄電素子20の全てが、7個のバスバーによって直列に接続されてもよい。
【0034】
接続ユニット80は、複数のバスバー及び制御基板等を有するユニットであり、蓄電素子ユニット24と、外部端子91及び92とを電気的に接続する。接続ユニット80が有する制御基板は複数の電気部品を有し、これら複数の電気部品により、各蓄電素子20の状態を検出する検出回路、及び、充電及び放電を制御する制御回路等が形成されている。本実施の形態では、接続ユニット80は、バスバープレート17に固定されている。
【0035】
バスバープレート17は、バスバー33を保持する樹脂製の部材である。より詳細には、バスバープレート17は、複数のバスバー33、接続ユニット80、及び、その他配線類等(図示せず)を保持し、これら部材の位置規制等を行うことができる部材である。また、バスバープレート17には、複数のバスバー33のそれぞれを保持し、かつ、複数のバスバー33それぞれの一部を複数の蓄電素子20の側に露出させるバスバー用開口部17aが複数設けられている。
【0036】
バスバープレート17のY軸方向の中央には、複数の蓄電素子20のガス排出弁23の配列に沿って、X軸方向に延びるとともにZ軸方向プラス側に突出する経路形成部19が設けられている。経路形成部19は全てのガス排出弁23をZ軸方向プラス側から覆っている。経路形成部19の長手方向の端部には、図2に示すようにX軸方向プラス側及びX軸方向マイナス側の両方にそれぞれ経路出口18が設けられている。そのため、蓄電素子20から排出されたガスは、主として経路出口18を通過して、上述の通気室108及び排気管120を介して外装体10の外部に放出される。経路出口18は、Z軸方向から見て、接続ユニット80と重複せず接続ユニット80から離間した位置に設けられている。よって、蓄電素子20のガス排出弁23から排出された直後のガスが接続ユニット80に向けて排出されないので、経路出口18から排出されたガスによる接続ユニット80へのダメージを低減することができる。
【0037】
このように構成されたバスバープレート17は、外装体10の本体部12に、例えば接着または熱溶着等の所定の手法により固定されている。
【0038】
バスバーカバー70及び75のそれぞれは、複数のバスバー33を上方から覆う樹脂製の部材であり、例えば、複数のバスバー33と接続ユニット80とを電気的に絶縁する役割を担っている。
【0039】
[2.通気室及びその周辺の構成]
以上のように構成された蓄電装置1における通気室108及びその周辺の構成について、図3図5を用いて説明する。図3は、実施の形態に係る通気室形成部材100及び排気管120の構成を示す斜視図である。図3では、通気室形成部材100から通気防水膜103及び弁部材106を分離した状態が図示されている。図4は、実施の形態に係る排気管120と外装体10との構造上の関係を示す部分断面図である。図4では、図1のIV-IV線を通るYZ平面における排気管120及び蓋体11の一部の断面が簡易的に図示されている。図5は、実施の形態に係る通気室形成部材100及びその周辺の構成を示す部分断面図である。図5では、図3のV-V線を通るYZ平面における通気室形成部材100及び蓋体11の一部の断面が簡易的に図示されている。また、図5では、外装体10における通気室形成部材100及びその周辺のみを図示しており、バスバープレート17及び蓄電素子20等の図示は省略されている。
【0040】
図3図5に示すように、外装体10の蓋体11には、蓋体11とは別部材である排気管120が接合されており、外装体10の内部には排気管120と連通する通気室108が設けられている。排気管120は、例えば、外装体10と同じく、PC、PP、またはPE等の樹脂材料で形成された筒状の部材であり、図5に示すように、第一接合部131において外装体10の壁部10aと接合されている。接合の手法としては、例えば、締結、溶着または接着などが採用される。つまり、排気管120は、引っ張るまたは押すなどの単一の作業のみでは実質的に取り外しが不可能(破壊または損傷を伴わずに取り外すことが不可能)な状態で外装体10に接続(接合)されている。例えば、排気管120と外装体10との間にガスケットを介在させた状態で、締結部材(ボルト及びナット等)によって排気管120が外装体10に締結されてもよい。また、排気管120は、接着剤を用いて、または、熱溶着によって外装体10に接合されてもよい。つまり、排気管120は、実質的に取り外しが不可能な状態で、言い換えると不可逆的な態様で外装体10と接合されていてもよい。
【0041】
排気管120は、蓄電素子20の開弁時などにおいて外装体10の内部のガスを外装体10の外部に導くための部材である。また、排気管120は、通常時における外装体10の内外圧の平衡のための気体の通路としても用いられる。例えば、蓄電装置1が、自動車等の車両に搭載された場合、外装体10の内部のガスを車外に導くための管部材が、先端部(図5におけるX軸方向プラス側の端部)に接続される。
【0042】
通気室形成部材100は、例えば、外装体10と同じく、PC、PP、またはPE等の樹脂材料で形成された略箱形状の部材であり、図5に示すように、第二接合部132において外装体10の壁部10aと接合されている。第二接合部132における接合の手法は、第一接合部131と同じく、例えば、溶着または接着などが採用される。つまり、通気室形成部材100は、実質的に取り外しが不可能な状態で外装体10に接合されている。
【0043】
通気室形成部材100は、外装体10の内部(通気室108を除く、以下同じ)と通気室108の内部との通気を許容する通気部101を有する。本実施の形態では、通気部101は、貫通孔102と筒状部105とを含む。貫通孔102及び筒状部105は、上下方向(Z軸方向)に交差する底壁部109であって、通気室108の底面を形成する底壁部109に並んで配置されている。筒状部105は底壁部109から通気室108内に突出して設けられており、軸方向に貫通する排気孔105aを有している。排気孔105aは、筒状部105に取り付けられた弁部材106によって開閉可能に塞がれている。貫通孔102は、底壁部109の内面(通気室108側の面)に貼付された通気防水膜103によって塞がれている。
【0044】
弁部材106は、本実施の形態では、シリコーンゴム等の耐熱性の高い弾性材料で形成されたキャップ状の部材であり、筒状部105の先端に取り付けられる。例えば、外装体10に収容された1以上の蓄電素子20(図2参照)が開弁することでガスが排出され、その結果、外装体10の内圧が所定値以上に大きくなった場合、弁部材106が変形することで、外装体10の内部のガスが排気孔105aから通気室108に流入する。通気室108に流入したガスは、通気室108に連通する排気管120を介して外装体10の外部の所定の位置まで導かれる。これにより、1以上の蓄電素子20の開弁時における外装体10の内圧の上昇が抑制され、その結果、例えば、内圧の上昇に伴う外装体10の損傷または変形等が抑制される。また、仮に、通常時において、排気管120を介して、外部の水が筒状部105の位置に到達した場合であっても、排気孔105aは弁部材106によって封止されており、これにより、排気孔105aを介した外装体10の内部への水の浸入は防止される。
【0045】
通気室形成部材100の通気部101が有する貫通孔102は、気体を通過させ、かつ、液体を通過させない機能を有する通気防水膜103によって塞がれている。具体的には、通気防水膜103は、例えばゴアテックス(Gore-Tex)(登録商標)、TEMISH(登録商標)などの防水性および通気性(透湿性)を有する防水透湿性素材からなる膜である。これにより、例えば、通常時における蓄電装置1の環境温度の変化等によって外装体10の内圧と外圧との差が生じた場合、通気防水膜103を介して気体のやり取りが行われ、これにより、外装体10の内外の圧力平衡が図られる。また、仮に、排気管120を介して、外部の水が貫通孔102の位置に到達した場合であっても、その水は通気防水膜103を通過できないため、外装体10の内部への水の浸入は防止される。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態に係る蓄電装置1は、蓄電素子20と、蓄電素子20を収容する外装体10と、外装体10の内部のガスを外部に排気するための排気管120とを備える。排気管120は、外装体10の壁部10aと第一接合部131において接合され、かつ、少なくとも一部が壁部10aから外方に向けて延設されている。
【0047】
このように、本実施の形態では、外装体10の壁部10aに排気管120が接合されている。そのため、例えば蓄電装置1の供給先の要求に応じた形状、構造、またはサイズを有する排気管120を選択または作製し、外装体10に後付けすることができる。つまり、外装体10を基本構成として量産し、かつ、互いに異なる種類の排気管を複数の外装体10のそれぞれに接合することで、排気機能が異なる複数の蓄電装置1を容易に作製することができる。また、排気管120は、溶着または接着などにより外装体10に接合されるため、排気管120は外装体から外れ難い。従って、仮に1以上の蓄電素子20が開弁することで、外装体10の内圧が一時的に急上昇した場合であっても、排気管120がその内圧を受けて外装体10から外れる可能性は極めて低いと言える。すなわち、本実施の形態に係る蓄電装置1によれば、1以上の蓄電素子20からガスが噴出した場合における排気機能の実効性が確保される。このように、本実施の形態に係る蓄電装置1によれば、要求に応じた排気機能を容易に備えさせることができる。
【0048】
また、本実施の形態では、図4に示すように、排気管120は、壁部10aに形成された取付孔11aに挿入されていることで、一端部が壁部10aの内側に位置する。一端部の外周には、壁部10aの内面と対向する突出部123が設けられており、第一接合部131は突出部123と壁部10aの内面とが接合された部分である。
【0049】
本実施の形態では、例えば図3及び図4に示すように、排気管120は、管本体121と、管本体121の端部において径方向外側に立設された突出部123とを有している。このように構成された排気管120を外装体10に取り付ける場合、排気管120の先端部が、外装体10(より具体的には蓋体11)の壁部10aの内側から、取付孔11aに挿入される。その後、突出部123が、壁部10aの内面に当接した状態で、突出部123と壁部10aの内面とが接合される。
【0050】
この構成によれば、排気管120は、外装体10の壁部10aの内側に位置する端部に、径方向外側に突出する突出部123を有しており、かつ、第一接合部131は外装体10の内部に位置している。これにより、接着または溶着等による接合部分である第一接合部131が外観上隠される。そのため、例えば、第一接合部131における接着剤または溶融痕等が、蓄電装置1の使用者に、何等かの不具合等として認識される可能性が低減される。また、突出部123が、排気管120の、取付孔11aから外方への抜け止めとして機能する。そのため、仮に、蓄電素子20からガスが噴出したこと、または、排気管120が外方に引っ張られたこと等により、排気管120に軸方向かつ外向きの外力が作用したとしても、排気管120の取付孔11aからの抜け出しは実質的に防止される。つまり、要求に応じた排気機能を備える蓄電装置1の品質または信頼性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施の形態において、蓄電装置1はさらに、外装体10の壁部10aよりも内側に配置された通気室形成部材100であって、排気管120と連通する通気室108を形成する通気室形成部材100を備える。通気室形成部材100は、外装体10の内部と通気室108の内部との通気を許容する通気部101を有し、かつ、外装体10と第二接合部132において接合されている。
【0052】
この構成によれば、排気管120と外装体10の内部との間に通気室108が設けられるため、例えば、排気管120に異物が侵入した場合に、その異物の外装体10の内部への侵入を通気室108によって阻害することができる。また、通気室形成部材100は、第二接合部132において外装体10と接合されているため、要求に応じた形状、構造、またはサイズを有する通気室形成部材100を選択または作製し、外装体10に後付けすることができる。さらに、第二接合部132における接合の手法として接着または溶着などが用いられるため、第二接合部132における気密性または水密性は高い状態で維持される。また、仮に、通気室108の内圧が一時的に急上昇した場合であっても、通気室形成部材100がその内圧を受けて外装体10から外れる可能性は極めて低いと言える。このように、本実施の形態に係る蓄電装置1では、蓄電装置1が備えることができる排気機能の自由度が向上される。
【0053】
また、本実施の形態において、通気部101は、通気室形成部材100の壁部(具体的には底壁部109)に形成された貫通孔102及び貫通孔102を塞ぐ通気防水膜103を含んでいる。
【0054】
この構成によれば、排気管120及び通気室108を介して外装体10の内部と外部との圧力平衡が図られ、かつ、排気管120及び通気室108を介した、外装体10の内部への水の浸入が抑制される。これにより、例えば、外装体10の内圧の増減が繰り返されることによる外装体10の疲労または損傷の可能性が低減される。また、雨水等が外装体10の内部に浸入することによる、外装体10の内部の機器及び蓄電素子20等の劣化または不具合の発生が抑制される。つまり、要求に応じた排気機能を備える蓄電装置1の品質または信頼性を向上させることができる。
【0055】
以上、実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、蓄電装置1は、通気室形成部材及びその周辺の構成について、図3図5に示す構成とは異なる構成を有してもよい。そこで、蓄電装置1における通気室形成部材に関する変形例を、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
【0056】
(変形例)
図6は、実施の形態の変形例に係る蓄電装置1が備える通気室形成部材100a及び排気管125の構成を示す斜視図である。図6では、通気室形成部材100aから通気防水膜103及び弁部材106を取り外した状態が図示されている。本変形例に係る通気室形成部材100a及び排気管125は、上記実施の形態に係る通気室形成部材100及び排気管125と同じく、外装体10に後付けできる部材である。
【0057】
しかし、本変形例に係る通気室形成部材100a及び排気管125は一つの部材として構成されている点で、互いに別部材である通気室形成部材100及び排気管125と異なる。つまり、本変形例では、排気管125と通気室形成部材100aとは一体化されている。
【0058】
この構成によれば、排気管125及び通気室形成部材100aは、排気管125と通気室形成部材100aとを一体に有する排気ユニット110として、蓄電装置1に組み込むことができる。具体的には、例えば図4及び図5に示す蓋体11の取付孔11aに、外装体10の内部側から排気管125を挿入する。その状態で、例えば通気室形成部材100aにおける排気管125が立設された側壁部109bと、側壁部109bに対向する位置にある外装体10の壁部10aとを溶着または接着等によって接合する。これにより第一接合部131が形成される。さらに、通気室形成部材100aの上端面109aと、上端面109aに対向する位置にある外装体10の壁部10aとを溶着または接着等によって接合する。これにより第二接合部132が形成される。
【0059】
このように、本変形例では、排気管125及び通気室形成部材100aは1つの部品または部材である排気ユニット110として扱われるため、要求に応じた排気機能を備える蓄電装置1を効率よく製造することができる。また、排気管125が外装体10から外れることが実質的に防止される。
【0060】
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る蓄電装置について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態または変形例に施したものも、本発明の範囲内に含まれる。
【0061】
例えば、外装体10における通気室形成部材100の接合位置は、蓋体11の内側である必要はない。例えば、外装体10の本体部12の内側面又は内底面に通気室形成部材100が接合されてもよい。いずれの場合であっても、通気室形成部材100により形成される通気室108に連通する位置に排気管120が配置されることで、外装体10の内部のガスを通気室108を介して外部に排出することは可能である。また、蓄電装置1は、少なくとも排気管120が外装体10とは別部材であり、かつ、排気管120が外装体10と接合される構造を有することで、要求に応じた排気機能を容易に備えさせることは可能である。
【0062】
また、筒状部105は円筒状の形状であるが、筒体が円筒状であることは必須ではなく、例えば、軸方向から見た場合の形状が、楕円形、長円形、または多角形である筒状の筒体が、外装体10に設けられてもよい。この場合、筒体の形状に応じて、弁部材の形状が決定されればよい。
【0063】
また、通気室形成部材100は筒状部105を有しなくてもよい。この場合、例えば貫通孔102を塞ぐ通気防水膜103に、弁部材106と同様の非常用の開弁機能を持たせてもよい。この場合、通気防水膜103は、通常時におい、貫通孔102を塞ぐ位置に固定されていることで、貫通孔102からの水の浸入を抑制しつつ、外装体10の内外圧の平衡のための部材として機能する。また、例えば1以上の蓄電素子20が開弁することで、外装体10の内圧が急上昇した場合、通気防水膜103は、その内圧によって破れるまたは貫通孔102の周縁から剥がれることで、外装体10の内部のガスを貫通孔102から外部に導く。このように、通気室形成部材100が筒状部105及び弁部材106を有しない場合であっても、通気室形成部材100は、通常時における内外圧平衡、及び、非常時におけるガス排出のための部材として機能することができる。また、通気室形成部材100は貫通孔102を有しなくてもよい。この場合であっても、通気室形成部材100は、排気孔105a(筒状部105)を有することで、1以上の蓄電素子20が開弁した場合における外装体10の内部から外部へのガスの排出機能を備えることができる。つまり、通気室形成部材100の通気部101は、外装体10の内部と通気室108との通気を許容する孔(開口)を有すればよく、これにより、少なくとも、外装体10の内部から外部へのガスの排出機能は実現される。
【0064】
また、上記説明された複数の構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
【符号の説明】
【0066】
1 蓄電装置
10 外装体
10a 壁部
11 蓋体
11a 取付孔
12 本体部
20 蓄電素子
100、100a 通気室形成部材
101 通気部
102 貫通孔
103 通気防水膜
105 筒状部
105a 排気孔
106 弁部材
108 通気室
109 底壁部
109a 上端面
109b 側壁部
110 排気ユニット
120、125 排気管
121 管本体
123 突出部
131 第一接合部
132 第二接合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6