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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241106BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20241106BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20241106BHJP
   G03G 15/02 20060101ALI20241106BHJP
   G03G 15/06 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/14
G03G15/08 229
G03G15/02 102
G03G15/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020054342
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021156941
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 元啓
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】田中 一徳
(72)【発明者】
【氏名】山岸 義弘
(72)【発明者】
【氏名】清水 保
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-295540(JP,A)
【文献】特開2012-013881(JP,A)
【文献】特開2016-164606(JP,A)
【文献】特開2003-323032(JP,A)
【文献】特開平5-223513(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0005156(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/14
G03G 15/08
G03G 15/02
G03G 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体に帯電バイアスを印加して前記像担持体を帯電させる帯電装置と、
前記像担持体にトナーを供給し、前記像担持体に形成された前記静電潜像を現像してト
ナー像を形成する現像装置と、
前記現像装置に所定の現像バイアス電圧を印加する現像電源と、
前記現像装置を流れる現像電流を測定する電流測定部と、
前記電流測定部によって測定された前記現像電流に基づいて、前記像担持体の表面電位
を算出する算出部と
を備え、
前記帯電装置は、前記像担持体に複数段階の前記帯電バイアスを印加し、
前記現像電源は、前記帯電バイアスごとに、前記現像装置に複数段階の前記現像バイア
ス電圧を印加し、
前記電流測定部は、前記現像バイアス電圧ごとに、対応する前記現像電流を測定し、
前記算出部は、前記帯電バイアスごとに、前記現像電流が流れなくなる場合の前記現像
バイアス電圧を前記表面電位として算出し、
前記算出部は、算出した各前記表面電位と、前記像担持体に印加される各前記帯電バイ
アスとに基づいて、前記像担持体における前記帯電バイアスと前記表面電位との対応関係を表す帯電特性を算出する、画像形成装置。
【請求項2】
前記帯電装置は、前記算出部によって算出された前記帯電特性に基づいて設定された帯
電バイアスを前記像担持体に印加する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像電源は、前記像担持体から前記現像装置への方向に電流が流れるような前記現
像バイアス電圧、及び前記現像装置から前記像担持体への方向に電流が流れるような前記
現像バイアス電圧を印加する、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記画像形成装置が画像を記録媒体に形成する画像形成処理を行う前に
、前記表面電位を算出する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記電流測定部は、前記像担持体の非露光状態における現像電流を測定する、請求項1
から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンター等の電子写真方式の画像形成装置では、均一に帯電された感光体ドラム(像担持体)の表面を露光することで形成された静電潜像にトナーを付着させ、トナー像として現像する画像形成プロセスが広く利用されている。高品質な画像を得るためには、感光体ドラムの表面電位に対し、適正な電位差を設けた現像バイアスによって現像を行うことが求められる。
【0003】
このため、画像形成を行うときの、実際の感光体ドラムの表面電位を検出する必要があり、従来、表面電位センサーを用いて感光体ドラムの表面電位を検出していた。
【0004】
しかしながら、表面電位センサーは、高価であり、さらに飛散したトナー等が付着すると、正しく測定することができなくなるといった課題があった。そこで、表面電位センサー等の高価なセンサーを用いることなく、感光体ドラムの表面電位を得る技術が提案され、その一例が特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1の電子写真装置は、感光体上にパルス状の静電電位パターンを形成し、現像ローラーにバイアスを印加し、静電電位パターンを現像する際に感光体から現像ローラーに流れ込む電流を測定して感光体上の表面電位を得る。具体的には、パルス状の静電電位パターンの切り替わるポイントで電流をモニターすることで、感光体の表面電位を推定する。これにより、表面電位センサーを用いることなく、感光体上の表面電位を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-295540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1で開示された電子写真装置でモニターする電流は、感光体や帯電部材等の経年変化等の影響を受け易く、不安定であって、誤差を含み易いことが課題であった。これにより、感光体上の表面電位の精度が低下することが懸念された。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は表面電位センサー等の高価なセンサーを用いることなく、像担持体の表面電位を高精度かつ効率的に得ることが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、帯電装置と、現像装置と、現像電源と、電流測定部と、算出部とを備える。前記像担持体には、表面に静電潜像が形成される。前記帯電装置は、前記像担持体に帯電バイアスを印加して前記像担持体を帯電させる。前記現像装置は、前記像担持体にトナーを供給し、前記像担持体に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する。前記現像電源は、前記現像装置に所定の現像バイアス電圧を印加する。前記電流測定部は、前記現像装置を流れる現像電流を測定する。前記算出部は、前記電流測定部によって測定された前記現像電流に基づいて、前記像担持体の表面電位を算出する。前記帯電装置は、前記像担持体に複数段階の前記帯電バイアスを印加する。前記現像電源は、前記帯電バイアスごとに、前記現像装置に複数段階の前記現像バイアス電圧を印加する。前記電流測定部は、前記現像バイアス電圧ごとに、対応する前記現像電流を測定する。前記算出部は、前記帯電バイアスごとに、前記現像電流が流れなくなる場合の前記現像バイアス電圧を前記表面電位として算出する。前記算出部は、算出した各前記表面電位に基づいて、前記像担持体に印加される前記帯電バイアスと前記表面電位との対応関係を算出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表面電位センサー等の高価なセンサーを用いることなく、像担持体の表面電位を高精度かつ効率的に得ることが可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】画像形成装置1の構成の一例を示す図である。
図2】現像装置64の構成の一例を示す図である。
図3A】電流測定部646によって測定される現像電流を示す図である。
図3B】電流測定部646によって測定される現像電流を示す図である。
図4】現像電流と現像バイアス電圧との対応関係を示すグラフである。
図5】画像形成装置1の帯電特性を示すグラフである。
図6】本実施形態に係る帯電特性算出プロセスを示すフローチャートである。
図7】本実施例に係る画像形成装置1において、4段階の現像バイアス電圧を現像ローラー641に印加した場合に測定された現像電流を示す表である。
図8図7に示す現像バイアス電圧と現像電流との関係を示すグラフである。
図9】本実施例に係る画像形成装置1において、4段階の帯電バイアスを帯電装置63に印加した場合に算出された表面電位を示す表である。
図10図9に示す帯電バイアスと表面電位との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の構成について説明する。図1は、画像形成装置1の構成の一例を示す図である。画像形成装置1は、例えば、タンデム方式のカラープリンターである。
【0014】
図1に示すように、画像形成装置1は、操作部2、給紙部3、搬送部4、トナー補給部5、画像形成部6、転写部7、定着部8、排出部9、及び制御部10を備える。
【0015】
操作部2は、ユーザーからの指示を受け付ける。操作部2は、ユーザーからの指示を受け付けると、ユーザーからの指示を示す信号を制御部10へ送信する。操作部2は、液晶ディスプレー21及び複数の操作キー22を含む。液晶ディスプレー21は、例えば、各種処理結果を表示する。操作キー22は、例えば、テンキー、及びスタートキーを含む。操作部2は、画像形成処理の実行を示す指示が入力されると、画像形成処理の実行を示す信号を制御部10へ送信する。この結果、画像形成装置1による画像形成動作が開始される。
【0016】
給紙部3は、給紙カセット31、及び給紙ローラー群32を有する。給紙カセット31は、複数枚の用紙Pを収容可能である。給紙ローラー群32は、給紙カセット31に収容された用紙Pを1枚ずつ搬送部4へ給紙する。用紙Pは記録媒体の一例である。
【0017】
搬送部4は、ローラー及びガイド部材を備える。搬送部4は、給紙部3から排出部9まで延在する。搬送部4は、画像形成部6及び定着部8を経由するように、給紙部3から排出部9まで用紙Pを搬送する。
【0018】
トナー補給部5は、画像形成部6にトナーを補給する。トナー補給部5は、第1装着部51Y、第2装着部51C、第3装着部51M、及び第4装着部51Kを備える。トナー補給部5は現像剤補給部の一例である。トナーは現像剤の一例である。
【0019】
第1装着部51Yには第1トナーコンテナ52Yが、装着される。同様に、第2装着部51Cには第2トナーコンテナ52Cが、第3装着部51Mには第3トナーコンテナ52Mが、第4装着部51Kには第4トナーコンテナ52Kが装着される。なお、第1装着部51Y~第4装着部51Kの構成は、装着されるトナーコンテナの種類が異なるのみで他の構成は同様である。このため、第1装着部51Y~第4装着部51Kを総称して、「装着部51」と記載する場合がある。
【0020】
第1トナーコンテナ52Y、第2トナーコンテナ52C、第3トナーコンテナ52M、及び第4トナーコンテナ52Kには、トナーがそれぞれ収容される。本実施形態において、第1トナーコンテナ52Yには、イエロートナーが収容される。第2トナーコンテナ52Cには、シアントナーが収容される。第3トナーコンテナ52Mには、マゼンタトナーが収容される。第4トナーコンテナ52Kには、ブラックトナーが収容される。
【0021】
画像形成部6は、露光装置61、第1画像形成ユニット62Y、第2画像形成ユニット62C、第3画像形成ユニット62M、及び第4画像形成ユニット62Kを備える。
【0022】
第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kの各々は、帯電装置63、現像装置64、及び感光体ドラム65を有する。感光体ドラム65は、像担持体の一例である。
【0023】
帯電装置63、及び現像装置64は、感光体ドラム65の周面に沿って配置される。本実施形態において、感光体ドラム65は、図1の矢印R1で示す方向(時計回り)に回転する。
【0024】
帯電装置63は、感光体ドラム65を放電によって所定の極性に均一に帯電させる。本実施形態において、帯電装置63は、感光体ドラム65を正の極性に帯電させる。露光装置61は、帯電した感光体ドラム65にレーザー光を照射する。これにより、感光体ドラム65の表面に静電潜像が形成される。
【0025】
現像装置64は、感光体ドラム65の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。現像装置64は、トナー補給部5からトナーが補給される。現像装置64は、トナー補給部5から補給されたトナーを感光体ドラム65の表面に供給する。この結果、感光体ドラム65の表面にトナー像が形成される。
【0026】
本実施形態において、第1画像形成ユニット62Yが有する現像装置64は、第1装着部51Yと接続する。したがって、第1画像形成ユニット62Yが有する現像装置64には、イエロートナーが補給される。よって、第1画像形成ユニット62Yが有する感光体ドラム65の表面には、イエロートナー像が形成される。
【0027】
第2画像形成ユニット62Cが有する現像装置64は、第2装着部51Cと接続する。したがって、第2画像形成ユニット62Cが有する現像装置64には、シアントナーが補給される。よって、第2画像形成ユニット62Cが有する感光体ドラム65の表面には、シアントナー像が形成される。
【0028】
第3画像形成ユニット62Mが有する現像装置64は、第3装着部51Mと接続する。したがって、第3画像形成ユニット62Mが有する現像装置64には、マゼンタトナーが補給される。よって、第3画像形成ユニット62Mが有する感光体ドラム65の表面には、マゼンタトナー像が形成される。
【0029】
第4画像形成ユニット62Kが有する現像装置64は、第4装着部51Kと接続する。したがって、第4画像形成ユニット62Kが有する現像装置64には、ブラックトナーが補給される。よって、第4画像形成ユニット62Kが有する感光体ドラム65の表面には、ブラックトナー像が形成される。
【0030】
転写部7は、第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kが有する各感光体ドラム65の表面に形成された各トナー像を用紙Pに重ねて転写する。本実施形態において、転写部7は、二次転写方式によって各トナー像を用紙Pに重ねて転写する。詳しくは、転写部7は、4つの一次転写ローラー71、中間転写ベルト72、駆動ローラー73、従動ローラー74、二次転写ローラー75、及び濃度センサー76を有する。
【0031】
中間転写ベルト72は、4つの一次転写ローラー71、駆動ローラー73、及び、従動ローラー74に張架された無端ベルトである。中間転写ベルト72は、駆動ローラー73の回転に応じて駆動する。図1において、中間転写ベルト72は、反時計回りに周回する。従動ローラー74は、中間転写ベルト72の駆動に応じて回転駆動する。
【0032】
第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kは、中間転写ベルト72の下面の駆動方向Dに沿って、中間転写ベルト72の下面と対向して配置される。本実施形態において、第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kは、中間転写ベルト72の下面の駆動方向Dの上流側から下流側に向けて第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kの順で配置される。
【0033】
各一次転写ローラー71は、中間転写ベルト72を介して各感光体ドラム65に対向して配置され、各感光体ドラム65に向けて押圧されている。このため、各感光体ドラム65の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト72に順次転写される。本実施形態において、中間転写ベルト72には、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、及びブラックトナー像がこの順で重ねて転写される。以下、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、及びブラックトナー像が重ねられたトナー像を「積層トナー像」と記載する場合がある。
【0034】
二次転写ローラー75は、中間転写ベルト72を介して駆動ローラー73に対向して配置される。二次転写ローラー75は、駆動ローラー73に向けて押圧されている。これにより、二次転写ローラー75と駆動ローラー73との間に転写ニップが形成される。用紙Pが転写ニップを通過すると、中間転写ベルト72上の積層トナー像が用紙Pに転写される。本実施形態において、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、及びブラックトナー像がこの順で、上層から下層となるように用紙Pに転写される。積層トナー像が転写された用紙Pは、搬送部4によって定着部8へ向けて搬送される。
【0035】
濃度センサー76は、第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kよりも下流側において中間転写ベルト72に対向して配置されており、感光体ドラム65上に形成された積層トナー像の濃度を測定する。なお、濃度センサー76は、中間転写ベルト72上の積層トナー像の濃度を測定するものでもよく、また、用紙P上に定着されたトナー像の濃度を測定するものでもよい。
【0036】
定着部8は、加熱部材81、及び加圧部材82を備える。加熱部材81、及び加圧部材82は互いに対向して配置され、定着ニップを形成する。画像形成部6から搬送された用紙Pは、定着ニップを通過することにより所定の定着温度で加熱されながら、加圧される。この結果、積層トナー像が用紙Pに定着する。用紙Pは、搬送部4によって定着部8から排出部9へ向けて搬送される。
【0037】
排出部9は、排出ローラー対91及び排出トレイ93を有する。排出ローラー対91は、排出口92を介して排出トレイ93へ用紙Pを搬送する。排出口92は、画像形成装置1の上部に形成される。
【0038】
制御部10は、画像形成装置1が備える各部の動作を制御する。制御部10は、プロセッサー11と、記憶部12とを備える。プロセッサー11は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備える。記憶部12は、半導体メモリーのようなメモリーを備え、HDD(Hard Disk Drive)を備えてもよい。記憶部12は、制御プログラムを記憶している。プロセッサー11は、制御プログラムを実行することによって、画像形成装置1の動作を制御する。
【0039】
次に、図2を参照して、現像装置64の構成について詳細に説明する。図2は、現像装置64の構成の一例を示す図である。詳しくは、図2は、第1画像形成ユニット62Yが有する第1現像装置64Yを示す。なお、図2では、理解を容易にするために感光体ドラム65を2点鎖線で図示している。本実施形態において、第1現像装置64Yは、2成分現像方式によって感光体ドラム65の表面に形成された静電潜像を現像する。図1を参照して既に説明したように、第1現像装置64Yの現像容器640は、第1トナーコンテナ52Yに接続する。したがって、第1現像装置64Yの現像容器640には、イエロートナーがトナー補給口640hを介して補給される。
【0040】
図2に示すように、第1現像装置64Yは、現像容器640の内部に現像ローラー641、第1攪拌スクリュー643、第2攪拌スクリュー644、及びブレード645を有する。詳しくは、現像ローラー641は、第2攪拌スクリュー644と対向して配置される。ブレード645は、現像ローラー641と対向して配置される。
【0041】
現像容器640は、仕切り壁640cによって第1攪拌室640aと第2攪拌室640bとに区画される。仕切り壁640cは、現像ローラー641の軸方向に延びる。第1攪拌室640aと第2攪拌室640bとは、仕切り壁640cの長手方向の両端の外方において連通している。
【0042】
第1攪拌室640aには、第1攪拌スクリュー643が配置される。第1攪拌室640aには、磁性体キャリアが収容されている。第1攪拌室640aには、非磁性体のトナーがトナー補給口640hを介して補給される。図2に示す例では、第1攪拌室640aには、イエロートナーが補給される。
【0043】
第2攪拌室640bには、第2攪拌スクリュー644が配置される。第2攪拌室640bには、磁性体のキャリアが収容されている。
【0044】
イエロートナーは、第1攪拌スクリュー643及び第2攪拌スクリュー644によって攪拌されてキャリアと混合される。この結果、キャリア、及びイエロートナーからなる2成分現像剤が構成される。2成分現像剤は、現像剤の一例であるため、以下「現像剤」と省略して記載することがある。
【0045】
第1攪拌スクリュー643及び第2攪拌スクリュー644は、第1攪拌室640aと第2攪拌室640bとの間で現像剤を循環させて攪拌する。この結果、トナーが所定の極性に帯電する。本実施形態において、トナーは、正の極性に帯電する。
【0046】
現像ローラー641は、非磁性の回転スリーブ641aと、マグネット体641bとによって構成される。マグネット体641bは、回転スリーブ641aの内部に固定して配置される。マグネット体641bは、複数の磁極を含む。現像剤は、マグネット体641bの磁力によって、現像ローラー641に吸着する。この結果、現像ローラー641の表面に磁気ブラシが形成される。
【0047】
本実施形態において、現像ローラー641は、図2の矢印R2(反時計回り)で示す方向に回転する。現像ローラー641は、回転することによって磁気ブラシをブレード645と対向する位置まで搬送する。ブレード645は、現像ローラー641との間にギャップ(隙間)が形成されるように配置されている。したがって、磁気ブラシの厚さがブレード645によって規定される。ブレード645は、現像ローラー641と感光体ドラム65とが対向する位置よりも現像ローラー641の回転方向の上流側に配置される。
【0048】
現像ローラー641には、所定の電圧が印加される。これにより、表面に形成された現像剤層が感光体ドラム65と対向する位置まで搬送され、現像剤中のトナーが感光体ドラム65に付着される。
【0049】
具体的には、第1現像装置64Yは、電流測定部646と、算出部647と、現像電源648とを更に備える。
【0050】
電流測定部646は、例えば、現像電源648と現像ローラー641との間に接続される。現像電源648は、第1現像装置64Yの現像ローラー641に所定の現像バイアス電圧を印加する。電流測定部646は、現像電源648によって印加された現像バイアス電圧に応じて、第1現像装置64Y及び感光体ドラム65と現像ローラー641との間を流れる現像電流を検知する。電流測定部646は、例えば、電流計からなり、現像電流の電流値を測定する。
【0051】
次に、図3A及び図3Bを参照して、第1現像装置64Yを流れる現像電流について説明する。図3A及び図3Bは、電流測定部646によって測定される現像電流を示す図である。
【0052】
例えば、電流測定部646は、第1現像装置64Yが感光体ドラム65の表面に形成された静電潜像を現像している間の現像電流の電流値を測定する。
【0053】
本実施形態において、ユーザーによる画像形成処理の実行を示す指示が画像形成装置1に入力されると、制御部10は、画像形成装置1が備える各部に画像形成動作を開始するよう画像形成部6を制御する。具体的には、制御部10は、帯電装置63、第1現像装置64Y、現像電源648及び露光装置61を制御する。
【0054】
帯電装置63は、制御部10による制御により、感光体ドラム65の表面を所定の帯電電位(表面電位V0)に帯電させる。詳しくは、帯電装置63が感光体ドラム65に帯電バイアスV1を印加すると、感光体ドラム65の現像ローラー641と対向する位置における表面電位が表面電位V0となる。
【0055】
現像電源648は、制御部10による制御により、現像ローラー641に現像バイアス電圧を印加する。現像バイアス電圧は、直流成分及び交流成分を含む。図3Aは、直流成分の大きさ(Vdc1)が表面電位V0より小さい現像バイアス電圧が、現像ローラー641に印加された場合を示す。なお、現像バイアス電圧は、交流成分を含まなくてもよい。
【0056】
露光装置61は、制御部10による制御により、帯電装置63が表面電位V0に帯電させた感光体ドラム65にレーザー光を照射する。これにより、感光体ドラム65の表面に静電潜像が形成される。
【0057】
第1現像装置64Yは、感光体ドラム65の表面に静電潜像が形成されると、制御部10による制御により、感光体ドラム65の表面に形成された静電潜像を現像する。
【0058】
このとき、電流測定部646は、現像電流の電流値を測定する。図3Aにおいて、現像電流Id1は、現像ローラー641に形成された磁気ブラシ中のトナーが現像ローラー641へ移動するときに流れる電流と、現像ローラー641に形成された磁気ブラシを通して感光体ドラム65から流れる電流Ia1とを合わせた電流である。
【0059】
一方、図3Bは、直流成分の大きさ(Vdc2)が表面電位V0より大きい現像バイアス電圧が、現像ローラー641に印加された場合を示す。図3Bにおいて、現像電流Id2は、トナーが感光体ドラム65へ現像されるときに流れる電流Ia2と、現像ローラー641に形成された磁気ブラシを通して感光体ドラム65へ流れる電流とを合わせた電流である。
【0060】
このように、電流測定部646によって計測される現像電流の向きは、現像バイアス電圧の直流成分が表面電位V0より大きい場合と、現像バイアス電圧の直流成分が表面電位V0より小さい場合とで逆になる。
【0061】
また、現像バイアス電圧の直流成分が表面電位V0と等しい場合、現像電界強度がゼロとなり、現像電流の大きさはゼロを示す。このことから、現像電流の大きさがゼロとなる場合の現像バイアス電圧の直流成分を表面電位V0と予測することができる。
【0062】
次に、図3及び図4を参照して、表面電位の算出について説明する。図4は、現像電流と現像バイアス電圧との対応関係を示すグラフである。図4は、縦軸に現像電流を示し、横軸に現像バイアス電圧を示す。
【0063】
例えば、現像電源648は、現像バイアス電圧Vdc1を現像ローラー641に印加する。このとき、電流測定部646は、現像電流Id1の電流値を測定する。算出部647は、現像電源648が印加している現像バイアス電圧Vdc1と、電流測定部646によって測定された現像電流Id1の電流値とを取得する(図3A)。
【0064】
また、現像電源648は、現像バイアス電圧Vdc2を現像ローラー641に印加する。このとき、電流測定部646は、現像電流Id2の電流値を測定する。算出部647は、現像電源648が印加している現像バイアス電圧Vdc2と、電流測定部646によって測定された現像電流Id2の電流値とを取得する(図3B)。
【0065】
算出部647は、取得した現像バイアス電圧Vdc1及び現像電流Id1と、現像バイアス電圧Vdc2及び現像電流Id2とに基づいて、現像電流が流れなくなる現像バイアス電圧を表面電位V0として算出する。
【0066】
本実施形態において、露光装置61は、電流測定部646による現像電流の測定時において、感光体ドラム65にレーザー光を照射しない。このように、現像電流の測定を感光体ドラム65の非露光領域を利用して実行することで、トナーの飛翔が少ない白地領域が利用されるので、現像電流としては、主に、キャリアの移動による電流を含む。したがって、感光体ドラム65の表面電位の高精度化を図ることができる。
【0067】
本実施形態において、第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kの各々が有する現像装置64の構成は、トナー補給部5から補給されるトナーの種類が異なるのみで、他の構成は略同様である。したがって、第2画像形成ユニット62C~第4画像形成ユニット62Kが有する第2現像装置64C~第4現像装置64Kの構成の説明については、説明を省略する。
【0068】
上記の手法を利用して、複数の帯電バイアスに応じた表面電位を算出することで、帯電バイアスと表面電位との対応関係(帯電特性)を求めることができる。
【0069】
具体的には、制御部10は、帯電バイアスV1の他、複数段階の帯電バイアスを感光体ドラム65に印加するよう帯電装置63を制御する。
【0070】
帯電装置63は、制御部10の制御に従い、例えば、帯電バイアスV1A、V1B、V1Cを順に感光体ドラム65に印加して感光体ドラム65の表面をそれぞれ表面電位V0A、V0B、V0Cに帯電させる。
【0071】
本実施形態において、例えば、制御部10は、画像形成装置1の使用環境、及び画像形成に関する設定値等に基づいて、帯電装置63に印加する帯電バイアス及び印加する段階数を設定する。
【0072】
現像電源648は、複数の帯電バイアスごとに、複数段階の現像バイアス電圧を現像ローラー641に印加する。例えば、現像電源648は、感光体ドラム65の表面が表面電位V0Aに帯電している場合、現像ローラー641に現像バイアス電圧Vdc1Aと、現像バイアス電圧Vdc2Aとを印加する。現像バイアス電圧Vdc1Aは、例えば、帯電バイアスV1Aから予想される表面電位より30[V]低い電圧である。現像バイアス電圧Vdc2Aは、例えば、帯電バイアスV1Aから予想される表面電位より30[V]高い電圧である。
【0073】
電流測定部646では、現像バイアス電圧Vdc1A、Vdc2Aにそれぞれ応じた現像電流Id1A、Id2Aが測定される。算出部647は、現像電源648が印加している現像バイアス電圧Vdc1、Vdc2Aと、電流測定部646によって測定された現像電流Id1、Id2Aの電流値とを取得する。また、算出部647は、帯電装置63に印加されている帯電バイアスV1Aを取得する。
【0074】
算出部647は、取得した現像バイアス電圧Vdc1A及び現像電流Id1Aと、現像バイアス電圧Vdc2A及び現像電流Id2Aとに基づいて、現像電流が流れなくなる現像バイアス電圧を表面電位V0Aとして算出する。
【0075】
また、現像電源648、電流測定部646及び算出部647は、感光体ドラム65の表面が表面電位V0B及びV0Cに帯電している場合において、同様の処理を行い、表面電位V0B及びV0Cを算出する。
【0076】
算出部647は、取得した帯電バイアスV1A、V1B、V1Cと、算出した表面電位V0A、V0B、V0Cとに基づいて、帯電特性を算出する。
【0077】
次に、図5を参照して、算出部647が算出した帯電特性について説明する。図5は、画像形成装置1の帯電特性を示すグラフである。図5は、縦軸に表面電位を示し、横軸に帯電バイアスを示す。
【0078】
制御部10は、算出部647が算出した帯電特性に基づいて、帯電装置63が印加する帯電バイアスを設定する。例えば、制御部10は、感光体ドラム65の表面を表面電位V0Xに帯電させる場合、帯電装置63が印加する帯電バイアスを帯電バイアスV1Xに設定する。このように、帯電特性を算出することにより、画像形成時に設定したい表面電位に効率的に設定することができる。さらに、制御部10は、設定した帯電バイアスに基づいて、現像ローラー641に印加する現像バイアス電圧を設定することにより、表面電位を高精度かつより効率的に算出することができる。
【0079】
本実施形態において、算出部647は、例えば、算出した表面電位が、前回算出した表面電位と所定の基準値以上異なっている場合、新たに算出した表面電位を測定ミスであると判定する。この場合、算出部647は、表面電位の再計算を行ってもよいし、前回算出した表面電位を算出結果としてもよい。
【0080】
また、本実施形態において、制御部10は、例えば、算出部647が算出した帯電特性に基づいて設定する帯電バイアスが、前回設定した帯電バイアスと所定の基準値以上異なっている場合、新たに算出した帯電特性に基づいて帯電バイアス及び現像バイアス電圧を設定せず、以前の帯電バイアス及び現像バイアス電圧の設定を継続してもよい。
【0081】
また、本実施形態において、算出部647が算出した表面電位を記憶することで、感光体ドラム65の表面電位の変化を観測することができるようになり、帯電装置63及び感光体ドラム65等の劣化を予測することができる。
【0082】
また、本実施形態において、レーザー光が照射されない非露光領域を利用して非帯電現像電流及び帯電現像電流の測定を行い表面電位を算出する構成であるとしたが、これに限らず、露光装置61によるレーザー光の照射後の露光領域を利用して非帯電現像電流及び帯電現像電流の測定を行い表面電位を算出する構成であってもよい。
【0083】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る帯電特性算出プロセスについて説明する。図6は、本実施形態に係る帯電特性算出プロセスを示すフローチャートである。
【0084】
まず、制御部10は、ユーザーによる画像形成処理の実行を示す指示が画像形成装置1に入力され(ステップS11)、帯電特性が算出されていない場合(ステップS12でNo)、帯電特性の算出を行うよう帯電装置63、現像装置64、現像電源648及び算出部647を制御する。例えば、制御部10は、帯電特性を算出するために、十分な表面電位が算出されているかを判定する(ステップS13)。
【0085】
制御部10は、帯電特性の算出に十分な表面電位が算出されていない場合(ステップS13でNo)、帯電装置63が印加する帯電バイアスを設定し、感光体ドラム65に帯電バイアスを印加するよう帯電装置63を制御する(ステップS14)。例えば、制御部10は、印加した帯電バイアスに応じた表面電位を算出するために、十分な現像電流が測定されているかを判定する(ステップS15)。
【0086】
制御部10は、表面電位の算出に十分な現像電流が測定されていない場合(ステップS15でNo)、複数段階の現像バイアス電圧を現像ローラー641に印加するよう現像電源648を制御する(ステップS16)。
【0087】
電流測定部646は、複数段階の現像バイアス電圧にそれぞれ応じた現像電流を測定する(ステップS17)。帯電特性算出プロセスは、処理がステップS15へ戻る。
【0088】
制御部10は、表面電位の算出に十分な現像電流が測定された場合(ステップS15でYes)、表面電位の算出を行うよう算出部647を制御する(ステップS18)。帯電特性算出プロセスは、処理がステップS13へ戻る。
【0089】
制御部10は、帯電特性の算出に十分な表面電位が算出された場合(ステップS13でYes)、帯電特性の算出を行うよう算出部647を制御する(ステップS19)。
【0090】
一方、制御部10は、帯電特性が算出済である場合(ステップS12でYes)、帯電特性に基づいて、帯電装置63が印加する帯電バイアス、及び現像ローラー641に印加する現像バイアス電圧を設定する(ステップS20)。
【0091】
画像形成部6は、制御部10の設定に従い、画像形成処理を実行する(ステップS21)。
【実施例
【0092】
次に、本発明が実施例に基づき具体的に説明されるが、本発明は以下の実施例によって限定されない。
【0093】
本発明の実施例では、画像形成装置1として複合機を使用した。複合機は、TASKalfa2550Ci(京セラドキュメントソリューションズ株式会社)改造機であった。
【0094】
複合機の実験条件は次の通りであった。
・感光体ドラム65:アモルファスシリコン(a-Si)ドラム
・感光体ドラム65の膜厚:20μm
・帯電装置63:帯電ローラーの芯金の外径 6mm、ゴム肉厚3mm、ゴム抵抗6.0LogΩ
・帯電バイアス:直流のみ
・ブレード645:SUS430、磁性
・ブレード645の厚み:1.5mm
・現像ローラー641の表面形状:ローレット加工+ブラスト
・現像ローラー641の外径:20mm
・現像ローラー641の凹部:周方向80列
・現像ローラー641の周速/感光体ドラム65の周速:1.8
・現像ローラー641及び感光体ドラム65間の距離:0.30mm
・現像バイアス電圧の交流成分:Vpp1200V、duty50%、短形波、8kHz
・トナー:粒子径6.8μm、正帯電性
・キャリア:粒子径38μm、フェライト・樹脂コートキャリア
・トナー濃度:6%
・プリント速度:55枚/分
【0095】
次に、図7及び図8を参照して、本実施例に係る画像形成装置1において算出された表面電位について説明する。
【0096】
図7は、本実施例に係る画像形成装置1において、4段階の現像バイアス電圧を現像ローラー641に印加した場合に測定された現像電流を示す表である。
【0097】
図8は、図7に示す現像バイアス電圧と現像電流との関係を示すグラフである。図8は、縦軸に現像電流を示し、横軸に現像バイアス電圧を示す。
【0098】
本実施例において、現像バイアス電圧が220[V]の場合、現像電流は、-0.31[μA]である。現像バイアス電圧が240[V]の場合、現像電流は、-0.15[μA]である。現像バイアス電圧が300[V]の場合、現像電流は、0.12[μA]である。現像バイアス電圧が320[V]の場合、現像電流は、0.26[μA]である。
【0099】
図8に示すように、本実施例に係る画像形成装置1において、表面電位は、273[V]と算出される。
【0100】
次に、図9及び図10を参照して、本実施例に係る画像形成装置1において算出された帯電特性について説明する。
【0101】
図9は、本実施例に係る画像形成装置1において、4段階の帯電バイアスを帯電装置63に印加した場合に算出された表面電位を示す表である。
【0102】
図10は、図9に示す帯電バイアスと表面電位との関係を示すグラフである。図10は、縦軸に表面電位を示し、横軸に帯電バイアスを示す。
【0103】
本実施例において、帯電バイアスが800[V]の場合、表面電位は、74[V]である(水準1)。帯電バイアスが1000[V]の場合、表面電位は、187[V]である(水準2)。帯電バイアスが1200[V]の場合、表面電位は、346[V]である(水準3)。帯電バイアスが1400[V]の場合、表面電位は、525[V]である(水準4)。
【0104】
本実施例において、画像形成時の感光体ドラム65の表面電位を450[V]にしたい場合、帯電バイアスを1316[V]にすればよいことがわかる。具体的には、図10に示す(水準3)及び(水準4)を1次関数で近似して算出する。なお、図10に示す(水準3)及び(水準4)以外で1次関数を近似してもよいが、設定したい表面電位より大きい水準と小さい水準とを用いる(内挿法)方が高精度に算出することができる。また、近似する関数は、1次関数に限らず、2次関数等でもよい。
【0105】
本実施例において、印加する現像バイアス電圧の差を最大100Vとしたが、これに限らない。ただし、印加する現像バイアス電圧の差は、50V程度が望ましい。
【0106】
また、本実施例において、感光体ドラム65は、アモルファスシリコンドラムであったが、これに限らず、正帯電有機感光体ドラムであってもよい。感光体ドラム65にアモルファスシリコンドラムを用いた場合、感光層の誘電率が正帯電有機感光体ドラムよりも高くなり、電流が流れやすく、また、キャリア抵抗値が小さくなることから、測定精度が高くなる。
【0107】
また、本実施例において、2成分現像剤を用いたが、これに限らず、1成分現像剤を用いてもよい。
【0108】
以上、図面(図1図10)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 :画像形成装置
63 :帯電装置
64 :現像装置
64C :第2現像装置
64K :第4現像装置
64Y :第1現像装置
65 :感光体ドラム
641 :現像ローラー
646 :電流測定部
647 :算出部
648 :現像電源
Id1 :現像電流
Id1A :現像電流
Id2 :現像電流
Id2A :現像電流
V0 :表面電位
V0A~V0C :表面電位
V0X :表面電位
V1 :帯電バイアス
V1A~V1C :帯電バイアス
V1X :帯電バイアス
Vdc1 :現像バイアス電圧
Vdc1A :現像バイアス電圧
Vdc2 :現像バイアス電圧
Vdc2A :現像バイアス電圧
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10