(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20241106BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241106BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G03G15/00 550
B41J29/00 B
H05K5/02 V
(21)【出願番号】P 2020074759
(22)【出願日】2020-04-20
【審査請求日】2023-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安部 ゆりみ
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-067476(JP,A)
【文献】特開2011-224986(JP,A)
【文献】特開平05-323687(JP,A)
【文献】特開2011-001189(JP,A)
【文献】特開2005-043540(JP,A)
【文献】特開平11-327244(JP,A)
【文献】特開平09-251222(JP,A)
【文献】特開平09-139581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
21/16
B41J 29/00
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部を有する装置本体と、
前記装置本体の下方に装着されるオプション装置と、
前記装置本体の下部に形成された手掛け用の凹部と、
前記凹部に位置し、前記装置本体と前記オプション装置とを締結する締結部材と、を備え、
前記凹部は側方へ開放されており、
前記締結部材は、
前記側方から締結されるネジと、
前記オプション装置と係合可能な水平方向に延びる第1部と、前記第1部から上方へ延び、前記ネジが嵌る孔が形成された第2部とを有する板金と、を備え、
前記オプション装置は、
前記装置本体を上下方向に位置決めする位置決め部と、
前記第1部を上下方向に挿通可能な穴が形成された上面と、を備え、
前記装置本体は、前記側方から見て前記凹部における前記穴よりも奥側に位置し、前記凹部を形成する側面部を備え、
前記側面部の下端は、前記オプション装置に対して上下方向に隙間を有して配置され
、
前記板金の前記孔および前記装置本体に形成された本体側孔に挿通された前記ネジが、螺合により前記装置本体に固定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1部は少なくとも、前記孔と対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記隙間は、前記第1部の厚みよりも小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記締結部材は、前記第2部を覆うカバー部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カバー部は、スライドされることで前記第2部を挟持する挟持部を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記板金の前記第2部において、前記挟持部によって挟持されている部分は、前記孔が形成される部分よりも前記側方の外側に位置していることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記オプション装置は、
前記穴が形成された上面を有するフレームをさらに備え、
前記フレームの下面と前記締結部材の前記第1部とが係合可能である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記凹部は下方へ開放されており、
前記オプション装置は、前記凹部と対向する部分に窪み部を備えることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記凹部は、前記装置本体の両側面に設けられ、各前記凹部にそれぞれ前記締結部材が設けられることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記オプション装置は、前記オプション装置の下方に装着可能であって、複数のシートカセットを有する多段カセットユニットと前記装置本体とを電気的に接続するコネクタ装置であることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からレーザプリンタ等の画像形成装置において、装置本体の下方にシートカセット等のオプション装置を装着したものが知られている。例えば特許文献1には、オプション装置の側面の上部に設けられたフランジ部材を装置本体の側面の下部にネジ止めすることで、装置本体とオプション装置とを締結する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成によれば、オプション装置を装置本体に装着した状態において、フランジ部材が装置本体の側方に突出している。よって、ユーザはオプション装置と装置本体との締結部材であるフランジ部材及びネジを容易に視認することができる。そのため、ユーザが締結部材であることを知らずにネジを外してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、装置本体の下方にオプション装置を装着する画像形成装置において、締結部材を視認しにくい構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、画像形成部を有する装置本体と、前記装置本体の下方に装着されるオプション装置と、前記装置本体の下部に形成された手掛け用の凹部と、前記凹部に位置し、前記装置本体と前記オプション装置とを締結する締結部材と、を備える。
【0007】
上記の構成によれば、締結部材が凹部に位置することにより、ユーザから締結部材が視認されにくい。また、締結部材の配置場所として手掛け用の凹部を利用することにより、締結部材を視認しにくい位置に配置するために新たに凹部を形成する必要がない。
【0008】
上記の構成において、前記凹部は側方へ開放されており、前記締結部材は、前記側方から締結されるネジを備えていてもよい。
【0009】
上記の構成によれば、画像形成装置の側方からネジを締結することができるため、作業性がよい。
【0010】
上記の構成において、前記締結部材は、前記オプション装置と係合可能な水平方向に延びる第1部と、前記第1部から上方へ延び、前記ネジが嵌る孔が形成された第2部とを有する板金を備えていてもよい。
【0011】
上記の構成によれば、板金を用いることにより、締結部材の強度を上げることができる。
【0012】
上記の構成において、前記第1部は少なくとも、前記孔と対応する位置に設けられていてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、第1部と対応する位置でネジが締結されるため、締結部材の強度を上げることができる。
【0014】
上記の構成において、前記オプション装置は、前記装置本体を上下方向に位置決めする位置決め部と、前記第1部を上下方向に挿通可能な穴が形成された上面と、を備え、前記側方から見て前記凹部における前記穴よりも奥側に位置する下端は、前記オプション装置に対して上下方向に前記第1部の厚みよりも小さい隙間を有して配置されていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、凹部とオプション装置とが接触しないため、位置決め部による位置決めを妨げることがない。また、板金を取り付ける際に第1部が間違って凹部の下部の隙間に嵌ることがないので、作業性がよい。
【0016】
上記の構成において、前記締結部材は、前記第2部を覆うカバー部を備えていてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、カバー部で板金及びネジを覆うことにより、締結部材をさらに視認しにくくすることができる。
【0018】
上記の構成において、前記カバー部は、スライドされることで前記第2部を挟持する挟持部を備えていてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、カバー部を容易に取り付けることができる。
【0020】
上記の構成において、前記板金の前記第2部において、前記挟持部によって挟持されている部分は、前記孔が形成される部分よりも前記側方の外側に位置していてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、ネジ頭がカバー部のスライドを妨げない。
【0022】
上記の構成において、前記凹部は下方へ開放されており、前記オプション装置は、前記凹部と対向する部分に窪み部を備えていてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、締結部材を取り付ける際の作業スペースが広くなり、作業性がよい。
【0024】
上記の構成において、前記凹部は、前記装置本体の両側面に設けられ、各前記凹部にそれぞれ前記締結部材が設けられていてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、締結部材を2箇所に設けることにより、安定して締結することができる。
【0026】
上記の構成において、前記オプション装置は、前記オプション装置の下方に装着可能であって、複数のシートカセットを有する多段カセットユニットと前記装置本体とを電気的に接続するコネクタ装置であってもよい。
【0027】
上記の構成によれば、コネクタ装置を用いることにより、多段カセットユニットと装置本体とを電気的に接続することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、締結部材が凹部に位置することにより、ユーザから締結部材が視認されにくい。また、締結部材の配置場所として手掛け用の凹部を利用することにより、締結部材を視認しにくい位置に配置するために新たに凹部を形成する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一実施形態の画像形成装置の分解斜視図である。
【
図2】
図1の画像形成装置の中央断面の概略図である。
【
図3】装置本体及びコネクタ装置の一部分解斜視図である。
【
図4】カバー部を取り外した状態の凹部周辺の右側面図である。
【
図6】カバー部を取り付けた状態の凹部周辺の右側面図である。
【
図7】カバー部を取り付け途中の凹部周辺の断面図である。
【
図8】カバー部を取り付けた状態の凹部周辺の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は一実施形態の画像形成装置1の分解斜視図、
図2は
図1の画像形成装置1の中央断面の概略図である。以下の説明では、
図2における右側を画像形成装置1の後側、
図2における左側を画像形成装置1の前側と規定し、
図2における紙面手前側を画像形成装置1の右側、
図2における紙面奥側を画像形成装置1の左側と規定する。また、
図2における上側及び下側を、それぞれ画像形成装置1の上側及び下側と規定する。本実施形態において、左右方向は画像形成装置1の側方の一例である。
【0031】
[画像形成装置の外観構成]
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体2と、オプション装置の一例としてのコネクタ装置3と、多段カセットユニット4とを備える。装置本体2は、シートに画像を形成するものである。装置本体2は、筐体21と、シートカセット22とを備えている。筐体21は装置本体2の外観を構成する略直方体形状の部材である。シートカセット22は複数枚のシートを支持する箱体であり、装置本体2の前面から挿抜可能に筐体21内に収容されている。
【0032】
コネクタ装置3は、装置本体2の下方に装着可能である。コネクタ装置3は、コネクタ装置3の下方に装着される多段カセットユニット4と装置本体2とを電気的に接続するものである。コネクタ装置3は、コネクタ装置3の外観を構成する略直方体形状の筐体31を備えている。
【0033】
多段カセットユニット4は、コネクタ装置3の下方に装着可能である。多段カセットユニット4は、装置本体2に供給するシートを収容するものである。多段カセットユニット4はシートカセット42から装置本体2へシートを搬送することで供給する。
【0034】
多段カセットユニット4は、筐体41と、シートカセット42を備えている。筐体41は多段カセットユニット4の外観を構成する略直方体形状の部材である。シートカセット42は複数枚のシートを支持する箱体であり、多段カセットユニット4の前面から挿抜可能に筐体41内に収容されている。本実施形態において、シートカセット42は上下方向に4段備えられている。なお、シートカセット42の数には特に限定はなく、複数段備えられていればよい。
【0035】
支持台43は、多段カセットユニット4を支持することで画像形成装置1全体を支持する。なお、オプション装置は装置本体2の下方に装着可能な装置であればよく、例えば、コネクタ装置3と多段カセットユニット4とが一体となった装置であってもよい。
【0036】
[画像形成装置の内部構成]
図2に示すように、装置本体2はレーザプリンタであり、筐体21内にシートカセット22と、給送ローラ23と、画像形成部24とを備え、筐体21の上面に排出トレイ25を備えている。シートカセット22には、シートを支持し上下方向に揺動可能な圧板221が設けられている。装置本体2の底面には、コネクタ装置3の開口311と重なる位置に、シートを通すための開口211が形成されている。開口211から排出トレイ25までの間に複数の搬送ローラ対が配置され、シートが搬送される搬送経路26が形成されている。
【0037】
画像形成部24は搬送経路26上に配置されている。画像形成部24は、画像データに応じて感光体ドラム243にレーザを照射するスキャナユニット241と、感光体ドラム243を備えシートに画像を形成するためのプロセスユニット242と、シートに転写されたトナーを熱定着させる定着ユニット244とを有している。なお、画像形成部24の構成には特に限定はなく、インクジェット方式、サーマルヘッド方式などの構成を用いることもできる。
【0038】
シートカセット22に収容されたシートは、圧板221によって所定位置まで上昇させられ、給送ローラ23によって搬送経路26に供給される。また、多段カセットユニット4から搬送されてくるシートは、開口211を通じて装置本体2内の搬送経路26に搬送される。このシートは、搬送経路26に沿って搬送され、画像形成部24によって画像が形成され、排出トレイ25に排出される。
【0039】
装置本体2の底面には、電力及び制御信号を伝達可能なコネクタ27が設けられている。コネクタ27は、コネクタ装置3のコネクタ32と接続される。また、装置本体2の底面には、コネクタ装置3と位置決めするための位置決め部(図示せず)が設けられている。本実施形態において位置決め部は、2つの凹部と平面部で構成されている。
【0040】
コネクタ装置3は、上面3Aに設けられたコネクタ32と、底面に設けられたコネクタ33と、コネクタ32とコネクタ33とを接続するケーブル34と、搬送ローラ対35とを備えている。多段カセットユニット4の上方にコネクタ装置3が装着されることにより、コネクタ33は多段カセットユニット4の上面に設けられたコネクタ46と接続される。さらに、コネクタ装置3の上方に装置本体2が装着されることにより、コネクタ32は装置本体2の底面に設けられたコネクタ27と接続される。
【0041】
コネクタ装置3により、装置本体2から多段カセットユニット4へ電力が供給されるとともに、装置本体2と多段カセットユニット4との間で制御信号が送受信される。また、コネクタ装置3に設けられた図示しない駆動列により、装置本体2から多段カセットユニット4へ駆動力が伝達される。
【0042】
コネクタ装置3の上面3Aには、装置本体2の開口211と重なる位置に、シートを通すための開口311が形成されている。コネクタ装置3の底面には、多段カセットユニット4の開口411と重なる位置に、シートを通すための開口312が形成されている。開口312から開口311までの間に搬送ローラ対35が配置され、シートが搬送される搬送経路36が形成されている。開口312を通じて多段カセットユニット4から搬送されてくるシートは、搬送経路36に沿って搬送され、開口311を通じて装置本体2内の搬送経路26に搬送される。
【0043】
また、コネクタ装置3の上面3Aには、装置本体2を上下方向に位置決めするための位置決め部391(
図1参照)と、装置本体2を前後左右方向に位置決めするための位置決め部392(
図1参照)とが設けられている。本実施形態において位置決め部391及び位置決め部392はそれぞれ2つの凸部で構成されている。
【0044】
コネクタ装置3の上方に装置本体2が装着されることにより、コネクタ装置3の位置決め部391、392と装置本体2の位置決め部とが係合し、装置本体2が上下方向及び前後左右方向に位置決めされる。本実施形態では、コネクタ装置3の位置決め部391が装置本体2の平面部に当接し、装置本体2が上下方向に位置決めされる。また、コネクタ装置3の位置決め部392と装置本体2の凹部とが係合し、装置本体2が前後左右方向に位置決めされる。また、コネクタ装置3の底面には、多段カセットユニット4と位置決めするための下側位置決め部(図示せず)が設けられている。本実施形態において下側位置決め部は4つの凹部で構成されている。
【0045】
多段カセットユニット4は、筐体41内に4段のシートカセット42と、各シートカセット42に対応して4つの給送ローラ44とを備えている。各シートカセット42にはシートを支持し、上下方向に揺動可能な圧板421が設けられている。多段カセットユニット4の上面には、コネクタ装置3の開口312と重なる位置に、シートを通すための開口411が形成されている。開口411から最下段のシートカセット42までの間に複数の搬送ローラ対が配置され、シートが搬送される搬送経路45が形成されている。
【0046】
シートカセット42に収容されたシートは、圧板421によって所定位置まで上昇させられ、給送ローラ44によって供給される。供給されたシートは搬送経路45に沿って搬送され、開口411を通じてコネクタ装置3へ搬送される。
【0047】
多段カセットユニット4の上面には、電力及び制御信号を伝達可能なコネクタ46が設けられている。コネクタ46は、コネクタ装置3のコネクタ33と接続される。また、多段カセットユニット4の上面には、コネクタ装置3と位置決めするための位置決め部47(
図1参照)が設けられている。本実施形態において位置決め部47は4つの凸部で構成されている。多段カセットユニット4の上方にコネクタ装置3が装着されることにより、コネクタ装置3の下側位置決め部と多段カセットユニット4の位置決め部47とが係合し、コネクタ装置3が上下前後左右方向に位置決めされる。
【0048】
[装置本体とコネクタ装置との締結]
図3は装置本体2及びコネクタ装置3の一部分解斜視図である。
図4はカバー部55を取り外した状態の凹部28周辺の右側面図である。
図5は
図4のA-A断面拡大図である。
図6はカバー部55を取り付けた状態の凹部28周辺の右側面図である。
図7はカバー部55を取り付け途中の凹部28周辺の断面図である。
図8はカバー部55を取り付けた状態の凹部28周辺の断面図である。
図9は板金53の側面図である。
図10は板金53の平面図である。
【0049】
図3から
図6に示すように、装置本体2の筐体21における左右両側面の下部には、手掛け用の凹部28が形成されている。凹部28は、上下方向及び前後方向に延びる側面部281と、側面部281の上端から側方に延びる上面部282と、上面部282前端から下方及び側面部281の前端から側方に延びる前面部283と、上面部282の後端から下方及び側面部281の後端から側方に延びる後面部284とで囲まれて形成され、側方及び下方に開放されている。側面部281には、後述する板金53の孔533と重なる位置に後述するネジ54が嵌る孔285が形成されている。
【0050】
コネクタ装置3の上面3Aにおける凹部28と対向する部分には、窪み部37が形成されている。窪み部37により側方へ開放される空間が広くなり、後述する板金53、ネジ54及びカバー部55を取り付ける際の作業空間が広くなるため作業性がよい。
【0051】
2つの凹部28には、装置本体2とコネクタ装置3とを締結する締結部材5がそれぞれ設けられている。締結部材5が凹部28に位置することにより、ユーザから締結部材5が視認されにくい。また、締結部材5の配置場所として手掛け用の凹部28を利用することにより、締結部材5を視認しにくい位置に配置するために新たに凹部を形成する必要がない。さらに、締結部材5を左右2箇所に設けることにより、装置本体2とコネクタ装置3とを安定して締結することができる。締結部材5は左右対称な構成であるため、以下では、右側の凹部28に設けられた締結部材5を例に説明する。
【0052】
図3に示すように、締結部材5は、板金53と、2つのネジ54と、カバー部55とで構成されている。なお、締結部材5は上記の構成と同等の機能を有する他の部品で構成してもよい。
【0053】
図5に示すように、装置本体2は、筐体21の内側に樹脂等で構成されるフレーム29を有している。フレーム29には、2つのネジ穴部51が形成されている。ネジ穴部51は、筐体21における凹部28の孔285と重なる位置に形成されている。ネジ穴部51は、板金53の孔533及び凹部28の孔285に挿通されたネジ54を螺合により固定する。
【0054】
コネクタ装置3は、筐体31の内側に板金等で構成されるフレーム38を有している。コネクタ装置3には、上面3Aの窪み部37及びフレーム38を上下方向に貫通する2つの略矩形の穴52が形成されている。穴52は、後述する板金53の第1部531を挿通可能な位置と大きさに形成されている。フレーム38の穴52の縁部521は、板金53の後述する第1部531と係合可能である。
【0055】
板金53は、コネクタ装置3のフレーム38と係合可能に装置本体2のフレーム29に固定されるものである。両フレーム38、29を締結する部材に板金53を用いることにより、締結の強度を上げることができる。
図5、
図9及び
図10に示すように、板金53は、コネクタ装置3と係合可能な水平方向に延びる第1部531と、第1部531から上方へ延び、ネジ54が嵌る孔533が形成された第2部532とを有する。
【0056】
第1部531は、前後2箇所に設けられており、コネクタ装置3のフレーム38と係合可能な長さに形成されている。第1部531とフレーム38とは、
図5に示すように隙間G1を有して配置されている。これにより、装置本体2に上方向の外力が加わった場合には、第1部531がフレーム38に当接し、装置本体2が外れることを防ぐことができる。また、板金53を取り付ける際には、隙間G1の分だけ自由度があるため作業性がよい。なお、第1部531とフレーム38とは、当接した状態で配置される形態であってもよい。
【0057】
第1部531は、少なくとも第2部532の孔533と対応する位置に設けられている。本実施形態において対応する位置とは、
図9に示すように側方から見て上下方向に重なる位置である。これにより、第1部531と対応する位置でネジ54が締結されるため、締結の強度を上げることができる。
【0058】
第2部532は、それぞれの第1部531から上方へ延びる内側板部534、535と、内側板部534、535を繋ぐ外側板部536と、内側板部535の後端から後方へ延びる外側板部537とで構成されている。内側板部534、535にはそれぞれ孔533が形成されている。
【0059】
外側板部536は、
図10に示すように、両内側板部534、535から屈曲して両内側板部534、535よりも側方の外側(
図10では右側)に位置している。外側板部536には、
図9に示すように、略矩形の第1開口538、第2開口539、第3開口530が前後方向に並んで形成されている。外側板部537は、内側板部535から屈曲して内側板部535よりも側方の外側(
図10では右側)に位置している。
【0060】
外側板部536、537の内側板部534、535に対する側方への突出量は、ネジ54の頭部分541の厚みよりも大きくなるように構成されている。これにより、
図7及び
図8に示すように、ネジ54の頭部分541が後述するカバー部55のスライドを妨げることがない。
【0061】
図3に示すようにコネクタ装置3の上方に装置本体2が装着された状態において、板金53を取り付ける際には、第1部531を穴52に挿通し、
図4及び
図5に示すように第2部532の内側板部534、535を凹部28の側面部281に押し当ててネジ54で固定する。
【0062】
ここで
図5に示すように、右側方から見て凹部28における側面部281の下端281Aは、穴52よりも奥側に位置しており、コネクタ装置3に対して上下方向に第1部531の厚みG3よりも小さい隙間G2を有して配置されている。隙間G2を形成するために、コネクタ装置3の窪み部37における側面部281の下端281Aに対向する位置には、窪み部37の深さと同程度の高さのリブ371が複数設けられている。よって、板金53を取り付ける際に第1部531が間違って隙間G2に嵌ることがない。また、隙間G2があることにより、凹部28とコネクタ装置3とが接触しないため、位置決め部391による装置本体2の上下方向の位置決めを妨げることがない。
【0063】
図3に示すように、ネジ54は、板金53を装置本体2に固定するものである。凹部28が左側方又は右側方へ開放されているため、ネジ54を側方から凹部28を通じてネジ穴部51に締結でき、作業性がよい。
【0064】
図6に示すように、カバー部55は、板金53の第2部532を覆うものである。カバー部55は凹部28から突出しないように設けられている。カバー部55で板金53及びネジ54を覆うことにより、締結部材5をさらに視認しにくくすることができる。
【0065】
図7及び
図8に示すように、カバー部55は、板状部551と、板金53の外側板部536を挟持する第1挟持部552と、板金53の外側板部537を挟持する第2挟持部553と、板金53の第2開口539又は第3開口530に嵌合可能な突起部554とを有している。板状部551は、凹部28内に見えている板金53の第2部532を覆う大きさの略矩形の板状部材である。
【0066】
第1挟持部552は、板金53の第1開口538を通じて外側板部536を後方から挟持可能に、板状部551の内側面から内側へ延び前方へ折れ曲がって形成される断面L字型の突起である。第2挟持部553は、板金53の外側板部537を後方から挟持可能に、板状部551の後端から内側へ延び前方へ折れ曲がって形成される断面L字型の突起である。突起部554は、カバー部55のスライド時に第2開口539又は第3開口530に嵌合可能に、板状部551の内側面に設けられた突起である。
【0067】
図4に示すように板金53が取り付けられた状態において、カバー部55を取り付ける際には、
図7に示すようにカバー部を板金53に押し当て、
図8に示すようにカバー部55を前方へスライドさせる。
図7の状態においては、第1挟持部552が第1開口538に挿通され、突起部554が第3開口530に嵌まっている。
【0068】
図7の状態からカバー部55を前方へスライドさせることによって、
図8に示すように、第1挟持部552が外側板部536を挟持し、第2挟持部553が外側板部537を挟持し、突起部554が第2開口539に嵌る。突起部554が第2開口539と嵌合することにより、カバー部55が外れることを抑制できる。このように、カバー部55はスライドさせるだけで容易に取り付けることができる。
【0069】
[その他]
上記の実施形態において手掛け用の凹部28は側方及び下方へ開放されているが、凹部28は手を掛けられれば開放される方向には特に限定はなく、例えば側方のみ又は下方のみ開放されていてもよい。
【0070】
上記の実施形態において板金53は第1部531及び第2部532を有しているが、板金53は装置本体2とコネクタ装置3とを締結できればその形態には特に限定はない。例えば、平板状の板金がコネクタ装置3に取り付けられ、コネクタ装置3から上方へ突出する形態であってもよい。
【0071】
上記の実施形態において第1部531は少なくとも第2部532の孔533と対応する位置に設けられているが、第1部531の位置には特に限定はない。例えば第1部は、第2部532の全域に対応する位置に設けられていてもよいし、孔533と異なる位置に設けられていてもよい。
【0072】
上記の実施形態においてカバー部55はスライドされることで板金53に取り付けられているが、カバー部55の取り付け手段には特に限定はない。例えば、カバー55に設けられた突起部を板金に設けられた穴に嵌める形態であってもよい。
【0073】
上記の実施形態においてコネクタ装置3の上面3Aに窪み部37が形成されているが、窪み部37がない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 画像形成装置
2 装置本体
3 コネクタ装置(オプション装置)
3A 上面
4 多段カセットユニット
5 締結部材
24 画像形成部
28 凹部
37 窪み部
52 穴
53 板金
54 ネジ
55 カバー部
281A 下端
391 位置決め部
531 第1部
532 第2部
533 孔
552 第1挟持部(挟持部)
553 第2挟持部(挟持部)
G2 隙間