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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】電流検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
G01R15/20 D
G01R15/20 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020080619
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021173728
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-02-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】津田 守
(72)【発明者】
【氏名】小泉 望
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6472878(US,B1)
【文献】国際公開第2019/098088(WO,A1)
【文献】特開2009-20085(JP,A)
【文献】特開2016-100941(JP,A)
【文献】特開2011-185647(JP,A)
【文献】特開2016-99111(JP,A)
【文献】特許第7314732(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/00-15/26
H02M 7/42-7/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーモジュールが収容される第1収容部と、前記第1収容部に隣接した位置に電流センサが収容される第2収容部とが設けられた筐体と、
前記第2収容部に収容される前記電流センサと、を備え、
前記電流センサは、
一端が前記パワーモジュールに電気的に接続される少なくとも2本の導体と、
前記導体に対して、互いに同じ方向を向く検出面を有し、当該検出面に入力される磁束の磁束密度を検出する2つの磁気検出素子が設けられ、当該2つの磁気検出素子の夫々の前記検出面に入力される前記磁束の前記検出面に直交する直交成分の前記磁束密度の差分に応じた信号を出力する少なくとも2つの磁電変換ユニットと、を有し、
前記少なくとも2本の導体の夫々は、互いに隣接する2本の導体の隣接方向である第1方向に直交し前記第1収容部に向かう第2方向に沿って延出する延出部と、前記第1方向及び前記第2方向の双方に直交する第3方向に沿って延出する直交部分を有し前記延出部に対して前記第3方向に凹んだ凹状部とが設けられ、
前記少なくとも2つの磁電変換ユニットの夫々は、前記検出面が前記凹状部の夫々の前記直交部分に対向した状態で設けられ、
前記凹状部は、前記第2収容部に設けられた凹部に配置されている電流検出装置。
【請求項2】
前記筐体における前記電流センサが収容された側と反対側である底部のうち少なくとも前記凹部の外底面に密着するように配置されたヒートシンクが備えられている請求項1に記載の電流検出装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記凹部において前記第1収容部の側に前記凹部と当該凹部以外とを仕切る仕切部を有し、
前記筐体における前記電流センサが収容された側と反対側である底部の外底面及び前記仕切部の外側面に密着するように、前記第3方向視で前記第1収容部から前記第2収容部に亘るヒートシンクが備えられている請求項に記載の電流検出装置。
【請求項4】
前記電流センサにおいて、前記互いに隣接する2本の導体の前記凹状部の夫々に設けられる2つの前記磁電変換ユニットは、1枚の基板において互いに異なる面に実装され、
前記筐体は、前記第2収容部において前記第3方向の側が開放されており、
前記基板に接続された端子が、前記筐体の前記第3方向の側に向けて延出している請求項1から3のいずれか一項に記載の電流検出装置。
【請求項5】
前記電流センサにおいて、前記少なくとも2本の導体の夫々に設けられた前記凹状部のうち少なくとも1本の導体の凹状部は、他の導体の凹状部よりも前記第1収容部の側に近接して設けられ、
前記筐体は、前記凹部において前記第1収容部の側に前記凹部と当該凹部以外とを仕切る仕切部を有し、
前記仕切部における前記第1収容部の側の外側面は、前記少なくとも2本の導体の夫々の前記凹状部との距離が一定になるように構成されている請求項1からのいずれか一項に記載の電流検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体を流れる電流を検出する電流検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導体を流れる電流を測定する際に、導体を流れる電流に応じて当該導体の周囲に生じる磁界の磁束密度を磁気検出素子で検出し、その検出された磁束密度に基づいて導体に印加された電流を演算して求める技術が利用されてきた。このような技術を利用した電流センサをパワーモジュールに近接して配置される構成が、例えば下記に出典を示す特許文献1及び2に記載されている。
【0003】
特許文献1には、パワーコントロールユニットに、パワーモジュールと、電流センサと、を配置する構成が開示されている。電流センサは、パワーモジュールと接続コネクタとの間を配設されるバスバーを流れる電流を検出し、パワーモジュールの外側に配置されている。すなわち、パワーコントロールユニットにおいて、パワーモジュールと電流センサとが別体で構成されている。
【0004】
特許文献2には、パワーモジュールと電流センサとが一体化されてパワーモジュールケースに収納された電力変換装置の構成が開示されている。具体的には、電流センサは、パワーモジュールケースの中に配置された磁気コアと、この磁気コアのギャップに配置されたホール素子とからなる。ホール素子は、パワーモジュールケースの上面に配置された回路基板に搭載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-105370号公報
【文献】特開2018-121418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、パワーモジュールの外側に別体の電流センサが配置されているため、装置を小型化するうえで改良の余地がある。特許文献2に記載の技術では、電流センサがコアを有していることで、電流センサと一体化されたパワーモジュールの小型化が困難になっている。さらに、電流センサを構成するホール素子がパワーモジュールケースの上面に配置された回路基板に搭載されているため、パワーモジュールと回路基板との位置精度を考慮して、コアのギャップにホール素子を配置する必要がある。そのため、必然的にコアのギャップが大きくなる。その結果、電流センサは外乱磁束に対して影響を受けやすく、モータの制御に影響が及ぶことになる。
【0007】
そこで、パワーモジュールから流れる電流を安定的に検出する電流センサを実現し、また、小型化された電流検出装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電流検出装置の特徴構成は、パワーモジュールが収容される第1収容部と、前記第1収容部に隣接した位置に電流センサが収容される第2収容部とが設けられた筐体と、前記第2収容部に収容される前記電流センサと、を備え、前記電流センサは、一端が前記パワーモジュールに電気的に接続される少なくとも2本の導体と、前記導体に対して、互いに同じ方向を向く検出面を有し、当該検出面に入力される磁束の磁束密度を検出する2つの磁気検出素子が設けられ、当該2つの磁気検出素子の夫々の前記検出面に入力される前記磁束の前記検出面に直交する直交成分の前記磁束密度の差分に応じた信号を出力する少なくとも2つの磁電変換ユニットと、を有し、前記少なくとも2本の導体の夫々は、互いに隣接する2本の導体の隣接方向である第1方向に直交し前記第1収容部に向かう第2方向に沿って延出する延出部と、前記第1方向及び前記第2方向の双方に直交する第3方向に沿って延出する直交部分を有し前記延出部に対して前記第3方向に凹んだ凹状部とが設けられ、前記少なくとも2つの磁電変換ユニットの夫々は、前記検出面が前記凹状部の夫々の前記直交部分に対向した状態で設けられ、前記凹状部は、前記第2収容部に設けられた凹部に配置されている点にある。
【0009】
このような特徴構成とすれば、電流センサは、集磁コア及びシールドコアを不要とし、パワーモジュールに電気的に接続される導体及び磁電変換ユニットによって構成することができる。これにより、電流センサの小型化が可能となる。これに伴い、電流検出装置は、パワーモジュールが収容される第1収容部と、電流センサが収容される第2収容部とを有することで、容易に小型化することができ、複数の導体の夫々を流れる電流を安定的に検出することができる。
【0010】
他の特徴構成として、前記筐体における前記電流センサが収容された側と反対側である底部のうち少なくとも前記凹部の外底面に密着するように配置されたヒートシンクが備えられていると好適である。
【0011】
電流センサにおいては、導体に電流が流れることで導体から発熱する。このとき、導体の凹状部の近傍に位置する磁電変換ユニットが導体の発熱を受けて、磁電変換ユニットが高温になることがある。磁電変換ユニットには温度特性があり、高温になると出力電圧が変動する傾向があるため、磁電変換ユニットが高温にならないよう電流検出装置を構成する必要がある。そこで、本構成では、筐体は、電流センサが収容された側と反対側である底部における少なくとも凹部近傍の外底面に、ヒートシンクが配置可能に形成されている。このような構成であれば、筐体の底部の外底面に密着させてヒートシンクを容易に配置することができる。これにより、導体の発熱を、筐体の凹部に収容された凹状部から筐体に組み付けられたヒートシンクを介して確実に外部に放熱することができる。その結果、磁電変換ユニットの温度上昇を抑制することができる。
【0012】
他の特徴構成として、前記電流センサにおいて、前記互いに隣接する2本の導体の前記凹状部の夫々に設けられる2つの前記磁電変換ユニットは、1枚の基板において互いに異なる面に実装され、前記筐体は、前記第2収容部において前記第3方向の側が開放されており、前記基板に接続された端子が、前記筐体の前記第3方向の側に向けて延出していると好適である。
【0013】
このような構成とすれば、複数の凹状部の夫々に対して1枚の基板の一方の面と他方の面とを基準に磁電変換ユニットの位置決めを行うことができる。したがって、基板の使用枚数を最小にしつつ複数の凹状部の夫々の所期の位置に磁電変換ユニットを容易に配置することが可能となる。また、筐体には、収容されるパワーモジュールを他の装置に接続するための接続端子を備えることがあり、こうした接続端子は筐体の上方に向けて延出されることがある。したがって、基板に接続された端子が筐体の上方に向けて延出することで、基板に接続された端子の延出方向と他の装置用の接続端子の延出する方向とを一致させることができる。これにより、電流検出装置は、モータドライバ等の他の装置を接続する際に、基板に接続された端子と筐体に設けられた接続端子とを同じ方向から当該装置に接続することができる。その結果、電流検出装置は、他の装置との接続を容易に行うことができる。
【0014】
他の特徴構成として、前記電流センサにおいて、前記少なくとも2本の導体の夫々に設けられた前記凹状部のうち少なくとも1本の導体の凹状部は、他の導体の凹状部よりも前記第1収容部の側に近接して設けられ、前記筐体は、前記凹部において前記第1収容部の側に前記凹部と当該凹部以外とを仕切る仕切部を有し、前記仕切部における前記第1収容部の側の外側面は、前記少なくとも2本の導体の夫々の前記凹状部との距離が一定になるように構成されていると好適である。
【0015】
電流検出装置では、複数の導体に夫々設けられる凹状部は、筐体の凹部の第1収容部の側にある仕切部の外側面との間の距離が異なる場合がある。この場合、筐体の底部の外底面に密着するようにヒートシンクが配置されたとしても、凹状部から仕切部の外側面までの距離が遠い導体では、凹状部から仕切部の外側面までの距離が近い他の導体に比べてヒートシンクへの伝熱量が小さくなる。そのため、凹状部から仕切部の外側面までの距離が遠い導体の近傍に位置する磁電変換ユニットでは、導体の発熱の影響を受けて温度上昇を十分に抑制することができないことがある。そこで、本構成では、仕切部の外側面は、少なくとも2本の導体の夫々の凹状部との距離が一定になるように構成されている。このような構成とすれば、凹部のうち仕切部の外側面にヒートシンクを当接させて配置することにより、複数の導体の発熱は、凹状部からヒートシンクを介して均等に伝熱することになる。これにより、電流検出装置に配置される全ての磁電変換ユニットの温度上昇を均等に抑制することができる。
【0016】
他の特徴構成として、前記筐体は、前記凹部において前記第1収容部の側に前記凹部と当該凹部以外とを仕切る仕切部を有し、前記筐体における前記電流センサが収容された側と反対側である底部の外底面及び前記仕切部の外側面に密着するように、前記第3方向視で前記第1収容部から前記第2収容部に亘るヒートシンクが備えられていると好適である。
【0017】
このような構成とすれば、第1収容部に収容されるパワーモジュールと、第2収容部に収容される電流センサの導体とで発生する熱は、ヒートシンクを介して積極的に外部に放熱することができる。これにより、パワーモジュール及び電流センサの磁電変換ユニットの温度上昇を適正に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】電流検出装置の斜視図である。
図2】電流検出装置の分解斜視図である。
図3】電流センサの展開図である。
図4】電流検出装置の平面図である。
図5】電流センサの平面図である。
図6】電流検出装置の側断面図である。
図7】電流検出装置の平断面図である。
図8】磁電変換ユニットの検出面を示す図である。
図9】検出面に入力される磁束密度の一例を示す図である。
図10】磁電変換ユニットのブロック図である。
図11】他の実施形態の電流検出装置の平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1図7に示されるように、電流検出装置100は、不図示の三相モータをスイッチングするパワーモジュール1(図6参照)が収容されるパワーモジュールケース10(筐体の一例)と、パワーモジュールケース10に収容され、複数のバスバー30(導体の一例)に流れる電流を検出する複数の電流センサ2と、を備える。ここで、パワーモジュール1とは、パワーモジュールケース10内にスイッチング素子等が搭載されたものの総称である。
【0020】
パワーモジュールケース10には、パワーモジュール1(図6参照)が収容される第1収容部11と、第1収容部11に隣接した位置に電流センサ2が収容される第2収容部12とが設けられている。パワーモジュールケース10には、第1収容部11に収容されるパワーモジュール1を他の装置に接続するための接続端子5が備えられている。接続端子5は、第1収容部11と第2収容部12との間の上面16から上方に延出するように設けられている。
【0021】
パワーモジュールケース10の第2収容部12に収容される電流センサ2は、コアを用いることなくコンパクトに構成される。以下、本実施形態の電流センサ2について説明する。ここで、導体に電流が流れる場合には、当該電流の大きさに応じて導体を軸心として磁界が発生する(アンペールの右ネジの法則)。電流センサ2は、このような磁界における磁束の磁束密度を検出し、検出された磁束密度に基づいて導体に流れる電流(電流値)を測定する。
【0022】
図2は電流検出装置100の分解斜視図であり、図3は電流センサ2の展開図である。
本実施形態では、電流センサ2において、少なくとも2本のバスバー30が、三相モータに接続される3本のバスバーである。より具体的には、バスバー30は、三相モータの3つの端子の夫々と当該三相モータを流れる電流を制御するインバータの3つの端子の夫々とを電気的に接続する。このため、以下では少なくとも2本のバスバー30は、3本のバスバー30として説明し、3つのバスバー30の夫々を区別する場合には、第1バスバー31、第2バスバー32、第3バスバー33として説明する。
【0023】
図1図3に示すように、電流センサ2は、3本のバスバー30と、3つの磁電変換ユニット20とを備えて構成される。図1及び図2に示すように、パワーモジュールケース10は、バスバー30がインサートされて成形されている。パワーモジュールケース10は、樹脂製であり、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、LCP(液晶ポリマー)等によって形成される。バスバー30において、第1収容部11の側の第一延出部34aがパワーモジュール1に電気的に接続され、第1収容部11とは反対の側の第二延出部34bがモータの接続コネクタ等(不図示)に電気的に接続される。バスバー30の第二延出部34bには貫通穴38が形成されている。パワーモジュールケース10は、バスバー30の第二延出部34bの下方にバスバー用ナット6を配置されている。貫通穴38及びバスバー用ナット6によって、モータの接続コネクタ等の他の部材との接続が可能になる。第一延出部34aと第二延出部34bとは、後述する第一方向(X方向)に沿って見たときに、平行ではあるが、同一平面上にはない(図3図6参照)。第一延出部34aと第二延出部34bとは、これに限定されず、第一方向(X方向)に沿って見たときに、平行であり、且つ、同一平面上にあってもよい。
【0024】
3本のバスバー30の夫々は、第一延出部34a及び第二延出部34b(以下、総称するときは「延出部34」と称する)、並びに、第一延出部34aと第二延出部34bとの間に設けられた凹状部35を有する。延出部34は、互いに隣接する2本のバスバー30の隣接方向である第1方向に直交する第2方向に沿って延出する。互いに隣接する2本のバスバー30とは、互いに隣接する第1バスバー31と第2バスバー32との2つのバスバー30、及び互いに隣接する第2バスバー32と第3バスバー33との2つのバスバー30である。第1バスバー31と第2バスバー32とが隣接する方向、及び第2バスバー32と第3バスバー33とが隣接する方向が隣接方向にあたり、図1図7におけるX方向が相当する。
【0025】
本実施形態では、このような隣接方向は第1方向と称される。第2方向は、この第1方向に直交する方向であり、本実施形態では図1図7におけるY方向が相当する。したがって、延出部34は、バスバー30の夫々のうち、Y方向に沿う部分が相当する。
【0026】
凹状部35は、第1方向及び第2方向の双方に直交する第3方向に沿って延出する直交部分36を有し延出部34に対して第3方向に凹んだ状態で構成される。本実施形態では、第1方向はX方向であって、第2方向はY方向である。このため、第1方向及び第2方向の双方に直交する第3方向は、図1図7におけるZ方向が相当する。凹状部35は、このようなZ方向に沿って延出するように直交部分36が設けられる。したがって、延出部34と直交部分36とは、図3に示されるように互いに直交した状態で構成され、凹状部35は、直交部分36を介して延出部34からZ方向に凹んだ形状を呈するように構成される。
【0027】
ここで、本実施形態では、凹状部35はX方向視が図3に示されるようにU字状(本実施形態ではU字状の開口部分とは反対側の底部側に2つの角部を有する形状)で形成される。したがって、本実施形態では、1つの凹状部35は、互いに対向する2つ直交部分36と、2つの直交部分36で挟まれる1つの底部37とを有して構成される。
【0028】
パワーモジュールケース10の第2収容部12には凹部13が設けられている。凹部13は、バスバー30の第3方向に沿って形成されている。凹状部35は、第2収容部12に設けられた凹部13に配置されている。
【0029】
ここで、本実施形態では、第1バスバー31、第2バスバー32、第3バスバー33は、図3及び図5に示されるように、各々の第一延出部34aと第二延出部34bとが夫々第1方向に沿って一列に並んで設けられる。第1方向に沿って一列に並んでいるとは、各々の第一延出部34aと第二延出部34bとが、夫々互いに平行であって、X方向視において互いに重複する部分を有するように並んでいることをいう。
【0030】
少なくとも2つの磁電変換ユニット20は、バスバー30の夫々に設けられる。本実施形態では、バスバー30は第1バスバー31、第2バスバー32、第3バスバー33の3本で構成される。磁電変換ユニット20は、バスバー30の夫々、すなわち、第1バスバー31、第2バスバー32、第3バスバー33に各別に設けられることから、電流センサ2において3つの磁電変換ユニット20が備えられる。このため、本実施形態においては、少なくとも2つの磁電変換ユニット20は、3つの磁電変換ユニット20として説明し、3つの磁電変換ユニット20の夫々を区別する場合には、第1バスバー31に対応する磁電変換ユニット21、第2バスバー32に対応する磁電変換ユニット22、第3バスバー33に対応する磁電変換ユニット23として説明する。
【0031】
3つの磁電変換ユニット20は、1枚の基板60において互いに異なる面に実装されている。すなわち、互いに隣接する2本のバスバー30を、第1バスバー31と第2バスバー32とすると、第1バスバー31の凹状部35に設けられる磁電変換ユニット21は基板60における一方の面61に実装され、第2バスバー32の凹状部35に設けられる磁電変換ユニット22は基板60における他方の面62に実装される。同様に、互いに隣接する2本のバスバー30を、第2バスバー32と第3バスバー33とすると、第3バスバー33の凹状部35に設けられる磁電変換ユニット23は基板60における一方の面61に実装され、第2バスバー32の凹状部35に設けられる磁電変換ユニット22は基板60における他方の面62に実装される。
【0032】
以上のように、電流センサ2によれば、3本のバスバー30の凹状部35の夫々に設ける磁電変換ユニット20を1枚の基板60に実装することで、容易に凹状部35に対する磁電変換ユニット20の位置決めを行うことができ、所期の位置に配置することが可能となる。また、バスバー30と磁電変換ユニット20とから電流センサ2を構成できるので、小型化することが可能となる。
【0033】
パワーモジュールケース10は、第2収容部12の上方が開放されている。ここで、第2収容部12(またはパワーモジュールケース10)の上方とは、電流センサ2からZ方向に沿って第2収容部12の凹部13近傍の底部14に向かう方向とは反対の方向である凹部13の開口に向かう方向のことである。基板60に接続された端子63は第2収容部12の上方に向けて延出している。
【0034】
パワーモジュールケース10には、第1収容部11に収容されるパワーモジュール1を他の装置に接続するための接続端子5が備えられている。接続端子5はパワーモジュールケース10の上面16からZ方向に沿って上方に延出している。したがって、基板60に接続された端子63がパワーモジュールケース10の上方に向けて延出することで、基板60に接続された端子63の延出方向と他の装置用の接続端子5の延出する方向とを一致させることができる。これにより、電流検出装置100は、モータドライバ等の他の装置を接続する際に、端子63及び接続端子5を同じ方向から当該装置に接続することができる。その結果、電流検出装置100は、他の装置との接続を容易に行うことができる。
【0035】
図6に示すように、基板60は、封止材17が第2収容部12に注入されることで第2収容部12において位置保持される。端子63は、外部と信号のやり取りをするために端部が封止材17から露出するよう構成される。封止材17は、絶縁性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂である。封止材17に代えて基板60をパワーモジュールケース10にねじ止め等によって固定してもよい。
【0036】
こうして、電流センサ2は、集磁コア及びシールドコアを不要とし、バスバー30及び磁電変換ユニット20によって構成することができる。これにより、電流センサ2の小型化が可能となる。これに伴い、電流検出装置100は、パワーモジュール1が収容される第1収容部11と、電流センサ2が収容される第2収容部12とを有することで、容易に小型化することができる。
【0037】
本実施形態では、磁電変換ユニット20には、2つの磁気検出素子52が設けられている。磁気検出素子52とは、磁束の磁束密度を検出する機能を有するデバイスであって、例えばホール素子が相当する。本実施形態では、磁電変換ユニット20は図8に示されるような、複数の電極50を有する樹脂パッケージ51内に2つの磁気検出素子52を内包して構成される。
【0038】
2つの磁気検出素子52の夫々は、上述した検出対象である磁束密度に応じた磁束が入力される検出面53を有する。2つの磁気検出素子52は、夫々の検出面53が互いに同じ方向を向くように配置される。なお、本実施形態における検出面53は、空間上の面を示すものではなく、単に磁束密度を検出する機能部、すなわち検出部分を示すものである。したがって、検出面53は、検出部分と読み替えても良い。
【0039】
ここで、バスバー30に電流が流れる場合には、当該電流の大きさに応じてバスバー30を中心に磁界が発生する。磁気検出素子52は、このような磁界における磁束の磁束密度を検出する。また、3つの磁電変換ユニット20の夫々は、図3図5に示されるように、検出面53が凹状部35の夫々の直交部分36に対向した状態で設けられる。具体的には、3つの磁電変換ユニット20の夫々は、2つの検出面53が第1方向に沿って並んだ状態であって、2つの検出面53の夫々から、当該検出面53が対向する直交部分36までの距離が互いに等しくなるように配置される。例えば、バスバー30に図9の矢印で示される向きの電流が流れると、磁電変換ユニット20に対向する直交部分36では、破線で示すような向きの磁束が生じる。このため、2つの磁気検出素子52のうちの一方の磁気検出素子52の検出面53には、直交部分36から当該検出面53に向かう方向の磁束が入力され、2つの磁気検出素子52のうちの他方の磁気検出素子52の検出面53には、当該検出面53から直交部分36に向かう方向の磁束が入力される。
【0040】
2つの磁気検出素子52は、2つの磁気検出素子52の夫々の検出面53に入力される磁束のうち、検出面53に直交する直交成分の磁束密度を検出する。すなわち、2つの磁気検出素子52は、図9におけるY方向に沿う方向の磁束の磁束密度を検出する。
【0041】
ここで、本実施形態では図9に示されるように、2つの磁気検出素子52の夫々の検出面53に入力される磁束の直交成分の向きは互いに逆方向である。そこで、磁電変換ユニット20は、2つの検出面53に入力される磁束の直交成分の磁束密度の差分に応じた信号を出力するように構成される。具体的には、磁電変換ユニット20は、図10に示されるように、2つの磁気検出素子52が配線される。すなわち、2つの磁気検出素子52の検出結果の夫々は、増幅器AMP1の反転端子と非反転端子とに入力され、差動磁束に応じた信号が検出される。更に、この差動磁束に応じた信号は後段の増幅器AMP2により増幅され、磁電変換ユニット20の信号として出力される。これにより、磁電変換ユニット20が直交部分36に流れる電流に起因して生じる磁束の磁束密度を検出することが可能となる。
【0042】
また、本実施形態では、磁電変換ユニット20の夫々は、検出面53が凹状部35における第2方向に沿う方向の中央部よりも直交部分36の側にオフセットした状態で設けられる。検出面53とは、磁電変換ユニット20に備えられる磁気検出素子52の検出対象の磁束密度に応じた磁束が入力される面である。凹状部35における第2方向に沿う方向の中央部とは、凹状部35のY方向中央部であって、凹状部35が有する互いに対向する一対の直交部分36の間における中央部に相当する。本実施形態では、1つの凹状部35は一対の直交部分36を有することから、直交部分36の側にオフセットした状態とは、一対の直交部分36のうちの一方側に近づいている状態を意味する。
【0043】
本実施形態では、図5に示される3つの凹状部35における紙面上側の直交部分36を一方側とし、紙面下側の直交部分36を他方側とすると、第1バスバー31にあっては磁電変換ユニット21(2つの検出面53)が一方側の直交部分36側にオフセットした状態で当該一方側の直交部分36に対向して設けられる。また、第2バスバー32にあっては磁電変換ユニット22(2つの検出面53)が他方側の直交部分36側にオフセットした状態で当該他方側の直交部分36に対向して設けられ、第3バスバー33にあっては磁電変換ユニット23(2つの検出面53)が一方側の直交部分36側にオフセットした状態で当該一方側の直交部分36に対向して設けられる。
【0044】
また、互いに隣接する2本のバスバー30の一方の凹状部35に設けられる磁電変換ユニット20は、2本のバスバー30の他方の凹状部35の中央部から第1方向に沿う延長線上の位置に設けられる。また、互いに隣接する2本のバスバー30の他方の凹状部35に設けられる磁電変換ユニット20は、2本のバスバー30の一方の凹状部35の中央部から第1方向に沿う延長線上の位置に設けられる。互いに隣接する2本のバスバー30とは、第1バスバー31と第2バスバー32との2本のバスバー30、及び第2バスバー32と第3バスバー33との2本のバスバー30である。
【0045】
したがって、互いに隣接する2本のバスバー30を、第1バスバー31と第2バスバー32とすると、図5に示されるように、第1バスバー31の凹状部35aに設けられる磁電変換ユニット21は、第2バスバー32の凹状部35bのY方向に沿う中央部からX方向に沿う延長線C2上の位置に設けられ、第2バスバー32の凹状部35bに設けられる磁電変換ユニット22は、第1バスバー31の凹状部35aのY方向に沿う中央部からX方向に沿う延長線C1上の位置に設けられる。
【0046】
同様に、互いに隣接する2本のバスバー30を、第2バスバー32と第3バスバー33とすると、第2バスバー32の凹状部35bに設けられる磁電変換ユニット22は、第3バスバー33の凹状部35cのY方向に沿う中央部からX方向に沿う延長線C3上の位置に設けられ、第3バスバー33の凹状部35cに設けられる磁電変換ユニット23は、第2バスバー32の凹状部35bのY方向に沿う中央部からX方向に沿う延長線C2上の位置に設けられる。
【0047】
したがって、本実施形態では、図5に示されるように、第1バスバー31及び第3バスバー33をY方向に沿って平行に並べた状態において、第1バスバー31の凹状部35に設けられる磁電変換ユニット21と第3バスバー33の凹状部35に設けられる磁電変換ユニット23とはX方向に沿って一列に並んだ状態で設けられる。この結果、図5に示されるように、第2バスバー32の凹状部35bと第3バスバー33の凹状部35cとは第1方向(X方向)視で第2方向(Y方向)にずれており、第1バスバー31の凹状部35aと第3バスバー33の凹状部35cとは第1方向(X方向)視で重なっている。
【0048】
本実施形態では、例えば、第1バスバー31の互いに対向する2つの直交部分36の夫々で発生した磁界が相殺される延長線C1上に、第2バスバー32の磁電変換ユニット22の2つの磁気検出素子52の夫々の検出面53が位置するので、磁電変換ユニット22が第2バスバー32を流れる電流の電流値を測定する際に、第1バスバー31から発生する磁界の影響を受けない。同様に、磁電変換ユニット21は、第2バスバー32から発生する磁界の影響を受けない。また、同様に、磁電変換ユニット23は、第2バスバー32から発生する磁界の影響を受けず、磁電変換ユニット22は、第3バスバー33から発生する磁界の影響を受けない。
【0049】
図6及び図7に示すように、パワーモジュールケース10は、凹部13において第1収容部11の側に仕切部15を有している。パワーモジュールケース10は、第2収容部12において電流センサ2が収容された側と反対側である、底部14の外底面14aの少なくとも凹部13の近傍にヒートシンク4が配置可能に形成されている。具体的には、パワーモジュールケース10は、凹部13の底部14の外底面14a及び仕切部15の外側面15aが平坦状に形成されており、ヒートシンク4が密着可能に形成されている。なお、図7では、電流検出装置100のうちパワーモジュールケース10及びヒートシンク4のみを断面図として示し、基板60は平面図として示している。
【0050】
電流センサ2においては、バスバー30に電流が流れることでバスバー30は発熱する。このとき、バスバー30の凹状部35の近傍に位置する磁電変換ユニット20がバスバー30の発熱を受けて、磁電変換ユニット20が高温になることがある。磁電変換ユニット20には温度特性があり、高温になると出力電圧が変動する傾向があるため、磁電変換ユニット20が高温にならないよう電流検出装置100を構成する必要がある。そこで、本構成では、パワーモジュールケース10は、底部14の外底面14aにおける少なくとも凹部13の近傍に、ヒートシンク4が配置可能に形成されている。このような構成であれば、パワーモジュールケース10の底部14の外底面14aに密着させてヒートシンク4を容易に配置することができる。これにより、バスバー30の発熱を、パワーモジュールケース10の凹部13に収容された凹状部35からパワーモジュールケース10に組み付けられたヒートシンク4を介して確実に外部に放熱することができる。その結果、磁電変換ユニット20の温度上昇を抑制することができる。
【0051】
本実施形態では、電流検出装置100は、底部14の外底面14a及び仕切部15の外側面15aに密着するように、平面視で第1収容部11から第2収容部12に亘るヒートシンク4が備えられている。本構成により、第1収容部11に収容されるパワーモジュール1と、第2収容部12に収容される電流センサ2のバスバー30とで発生する熱は、ヒートシンク4を介して積極的に外部に放熱することができる。これにより、パワーモジュール1及び電流センサ2の磁電変換ユニット20の温度上昇を確実に抑制することができる。
【0052】
〔他の実施形態〕
(1)上記実施形態では、電流検出装置100において、複数のバスバー30に設けられる夫々の凹状部35a,35b,35cは、パワーモジュールケース10の仕切部15の外側面15aまでの距離が異なる。具体的には、図7に示すように、電流センサ2において、3本のバスバー30の夫々に設けられた凹状部35のうち第2バスバー32の凹状部35bは、他のバスバー31,33の凹状部35a,35cよりも外側面15aに近接して設けられている。この場合、仕切部15の外側面15aと凹状部35a,35cとの距離が遠いバスバー31,33では、第2バスバー32に比べてヒートシンク4への伝熱量が少なくなる。そのため、凹状部35a,35cから仕切部15の外側面15aまでの距離が遠いバスバー31,33の近傍に位置する磁電変換ユニット20では、導体の発熱の影響を受けて温度上昇を十分に抑制することができないことがある。そこで、本実施形態では、図11に示すように、仕切部15の外側面15aは、バスバー31~33の夫々の凹状部35a,35b,35cとの距離が一定になるように構成されている。具体的には、仕切部15の外側面15aが平断面視において凹凸形状で形成されている。これにより、バスバー31,32,33は、凹状部35a,35b,35cからヒートシンク4に対して均等に伝熱することになる。その結果、電流検出装置100は、基板60に配置される全ての磁電変換ユニット20の温度上昇を均等に抑制することができる。なお、図11では、電流検出装置100のうちパワーモジュールケース10及びヒートシンク4のみを断面図として示し、基板60は平面図として示している。
【0053】
(2)上記実施形態では、電流センサ2において、バスバー30が3本である場合の例を挙げて説明したが、バスバー30は2本であっても良いし、4本以上であっても良い。いずれの場合であっても、磁性体コアを備えることなく、バスバー30を流れる電流を検出することが可能である。
【0054】
(3)上記実施形態では、電流センサ2において、磁電変換ユニット20の夫々は、検出面53が凹状部35における第2方向に沿う方向の中央部よりも直交部分36の側にオフセットした状態で設けられるとして説明したが、磁電変換ユニット20の夫々は、検出面53が凹状部35における第2方向に沿う方向の中央部に設けることも可能である。
【0055】
(4)上記実施形態では、電流センサ2において、互いに隣接する2本のバスバー30の一方の凹状部35に設けられる磁電変換ユニット20は、2本のバスバー30の他方の凹状部35の中央部から第1方向に沿う延長線上の位置に設けられているとして説明したが、互いに隣接する2本のバスバー30の一方の凹状部35に設けられる磁電変換ユニット20は、2本のバスバー30の他方の凹状部35の中央部から第1方向に沿う延長線上の位置に設けずに構成することも可能である。
【0056】
(5)上記実施形態では、電流センサ2において、互いに隣接する2本のバスバー30の凹状部35の夫々に設けられる2つの磁電変換ユニット20は、1枚の基板60において互いに異なる面に実装されているとして説明したが、互いに隣接する2本のバスバー30の凹状部35の夫々に設けられる2つの磁電変換ユニット20は、互いに異なる基板に実装されて設けることも可能であるし、1枚の基板60において同一面に実装されて設けることも可能である。
【0057】
(6)上記実施形態では、電流センサ2において、少なくとも2本のバスバー30は、三相モータに接続される3本のバスバーである場合の例を挙げて説明したが、少なくとも2本のバスバー30は、三相モータに接続される3本のバスバー以外であっても良い。また、少なくとも2本のバスバー30が三相モータに接続される3本のバスバーである場合には、3本のバスバーは延出部34が第1方向に沿って一列に並んでいなくても良い。
【0058】
(7)上記実施形態では、電流センサ2において、磁電変換ユニット20が基板60に実装される場合の例を挙げたが、この基板60は三相モータの駆動を制御する制御ICやモータドライバ等が実装される基板と併用することも可能である。
【0059】
(8)上記実施形態では、電流センサ2において、凹状部35は、X方向視がU字状の開口部分とは反対側の底部側に2つの角部を有する形状であるとして説明したが、凹状部35はX方向視において底部37側が湾曲したU字状であっても良い。
【0060】
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、導体を流れる電流を検出する電流検出装置に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0062】
2:電流センサ
4:ヒートシンク
10:パワーモジュールケース(筐体)
11:第1収容部
12:第2収容部
13:凹部
14:底部
14a:外底面
15:仕切部
15a:外側面
20:磁電変換ユニット
30:バスバー(導体)
34:延出部
35:凹状部
36:直交部分
52:磁気検出素子
53:検出面
60:基板
63:端子
100:電流検出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11