(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20241106BHJP
【FI】
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2020128569
(22)【出願日】2020-07-29
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 尚大
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-042435(JP,A)
【文献】特開2007-272762(JP,A)
【文献】特開2020-042436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
受注した製品を製造するための複数の部品を特定し、
前記製品の受注から前記複数の部品を用いて前記製品を完成するまでに必要となる複数の工程を特定し、
前記複数の部品のうちの少なくとも2つの部品を加工することで生成される中間部品に対して、前記中間部品を示す中間オブジェクトを生成し、
前記複数の部品の各々に対して、個々の部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを生成し、
複数の部品の前記部品毎に、各部品の製造に必要となる工程を示す前記作業オブジェクトを、前記複数の工程順に並べて表示すると共に、連続して処理される工程間の作業オブジェクトを関係づけて表示するワークフロー情報であって、前記中間部品を示す前記中間オブジェクトと、当該中間部品を生成するために使われる前記少なくとも2つの部品に対する作業オブジェクトとを関連付けたワークフロー情報を作成する場合に、
前記受注した製品を製造するための製造情報を取得し、
前記取得した情報に基づいて、複数の部品の前記部品毎に、各部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを、前記複数の工程順に関係づけると共に、連続して処理される工程間の作業オブジェクトを関係づけたテンプレート情報であって、前記中間部品を示す中間オブジェクトと、前記作業オブジェクトとを関連付けた複数のテンプレート情報を記憶した記憶部から、前記製造情報に適合する適合テンプレート情報を抽出し、
前記抽出した適合テンプレートを用いて、前記受注した製品を製造するための複数の部品、及び前記製品を完成するまでに必要となる複数の工程を特定すると共に、前記中間部品を示す中間オブジェクト、及び前記作業オブジェクトを生成し、かつ前記ワークフロー情報を作成する
ことを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記中間オブジェクトは、前記少なくとも2つの部品に対する加工を示す中間加工オブジェクト及び前記生成された中間部品に対する作業を示す中間作業オブジェクトを含む
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記ワークフロー情報を表示部へ表示するための表示情報を作成し、作成された前記表示情報を表示部へ出力する
請求項1又は請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記テンプレート情報は、当該テンプレート情報により作成されるワークフロー情報に含まれる部品を規定する規定情報を含み、
前記プロセッサは、
前記規定情報に基づいて、前記適合するテンプレート情報を特定する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記規定情報は、前記テンプレート情報に含まれる部品に対して付与され、かつ必須の部品を示す情報及び予備の部品を示す情報のうちの何れか一方の情報である
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ワークフロー情報を作成するプログラムであって、
プロセッサに、
受注した製品を製造するための複数の部品を特定し、
前記製品の受注から前記複数の部品を用いて前記製品を完成するまでに必要となる複数の工程を特定し、
前記複数の部品のうちの少なくとも2つの部品を加工することで生成される中間部品に対して、前記中間部品を示す中間オブジェクトを生成し、
前記複数の部品の各々に対して、個々の部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを生成し、
複数の部品の前記部品毎に、各部品の製造に必要となる工程を示す前記作業オブジェクトを、前記複数の工程順に並べて表示すると共に、連続して処理される工程間の作業オブジェクトを関係づけて表示するワークフロー情報であって、前記中間部品を示す前記中間オブジェクトと、当該中間部品を生成するために使われる前記少なくとも2つの部品に対する作業オブジェクトとを関連付けたワークフロー情報を作成する場合に、
前記受注した製品を製造するための製造情報を取得し、
前記取得した情報に基づいて、複数の部品の前記部品毎に、各部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを、前記複数の工程順に関係づけると共に、連続して処理される工程間の作業オブジェクトを関係づけたテンプレート情報であって、前記中間部品を示す中間オブジェクトと、前記作業オブジェクトとを関連付けた複数のテンプレート情報を記憶した記憶部から、前記製造情報に適合する適合テンプレート情報を抽出し、
前記抽出した適合テンプレートを用いて、前記受注した製品を製造するための複数の部品、及び前記製品を完成するまでに必要となる複数の工程を特定すると共に、前記中間部品を示す中間オブジェクト、及び前記作業オブジェクトを生成し、かつ前記ワークフロー情報を作成する
ことを処理させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、印刷業務を行うためのワークフローの作成を支援するワークフロー作成支援装置で、ジョブ情報を取得し、予め登録されている複数のテンプレートの中から、選択候補となるテンプレートの絞り込み処理を行う技術が知られている(特許文献1参照)。この技術では、ワークフロー作成支援装置(第2サーバ本体)は、ジョブの内容を特定する複数のパラメータに関する情報を含んだジョブ情報を取得するジョブ情報取得部と、予め登録されている複数のテンプレートの中から、複数のパラメータに関する情報のうち一部のパラメータの情報を利用し、選択候補となるテンプレートの絞り込みを行う絞り込み処理部と、絞り込まれたテンプレートの情報を表示させ、かつ選択候補の中から一つのテンプレートをユーザに選択させる操作を受け付ける選択画面の表示に用いられる選択画面データを作成する選択画面データ作成部と、選択された一つのテンプレートの情報及び複数のパラメータに関する情報に基づいて、ジョブ定義ファイルを作成するジョブ定義ファイル作成部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、印刷部分を含む製品の製造依頼から完成まで、ワークフローを用いて、当該製品の製造に関する工程を管理する場合、製造依頼に対応する多種多様な製品の各々に対して、個別にワークフローを作成し、工程管理を行う。ところが、複数の部品を含んで製造される製品は、製造過程において中間部品が生成される場合がある。この場合、製品の製造依頼から完成までについて管理するとき、中間部品がどの部品を使って構成されるのかを容易に把握することが困難であった。
【0005】
本開示は、複数の部品を組み合わせて生成される中間部品を管理対象とせずにワークフローを生成して管理する場合と比べて、製品が製造されるまでに用いられる複数の部品と中間部品との関係を適切に把握することができる情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
受注した製品を製造するための複数の部品を特定し、
前記製品の受注から前記複数の部品を用いて前記製品を完成するまでに必要となる複数の工程を特定し、
前記複数の部品のうちの少なくとも2つの部品を加工することで生成される中間部品に対して、前記中間部品を示す中間オブジェクトを生成し、
前記複数の部品の各々に対して、個々の部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを生成し、
複数の部品の前記部品毎に、各部品の製造に必要となる工程を示す前記作業オブジェクトを、前記複数の工程順に並べて表示すると共に、連続して処理される工程間の作業オブジェクトを関係づけて表示するワークフロー情報であって、前記中間部品を示す前記中間オブジェクトと、当該中間部品を生成するために使われる前記少なくとも2つの部品に対する作業オブジェクトとを関連付けたワークフロー情報を作成する
ことを特徴とする、情報処理装置である。
【0007】
第2の態様は、第1の態様に係る情報処理装置において、
前記中間オブジェクトは、前記少なくとも2つの部品に対する加工を示す中間加工オブジェクト及び前記生成された中間部品に対する作業を示す中間作業オブジェクトを含む。
【0008】
第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に係る情報処理装置において、
前記プロセッサは、
前記ワークフロー情報を表示部へ表示するための表示情報を作成し、作成された前記表示情報を表示部へ出力する。
【0009】
第4の態様は、第1の態様から第3の態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、
前記プロセッサは、
前記受注した製品を製造するための製造情報を取得し、
前記取得した情報に基づいて、複数の部品の前記部品毎に、各部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを、前記複数の工程順に関係づけると共に、連続して処理される工程間の作業オブジェクトを関係づけたテンプレート情報であって、前記中間部品を示す中間オブジェクトと、前記作業オブジェクトとを関連付けた複数のテンプレート情報を記憶した記憶部から、前記製造情報に適合する適合テンプレート情報を抽出し、
前記抽出した適合テンプレートを用いて、前記受注した製品を製造するための複数の部品、及び前記製品を完成するまでに必要となる複数の工程を特定すると共に、前記中間部品を示す中間オブジェクト、及び前記作業オブジェクトを生成し、かつ前記ワークフロー情報を作成する。
【0010】
第5の態様は、第4の態様に係る情報処理装置において、
前記テンプレート情報は、当該テンプレート情報により作成されるワークフロー情報に含まれる部品を規定する規定情報を含み、
前記プロセッサは、
前記規定情報に基づいて、前記適合するテンプレート情報を特定する。
【0011】
第6の態様は、第5の態様に係る情報処理装置において、
前記規定情報は、前記テンプレート情報に含まれる部品に対して付与され、かつ必須の部品を示す情報及び予備の部品を示す情報のうちの何れか一方の情報である。
【0012】
第7の態様は、
ワークフロー情報を作成するプログラムであって、
プロセッサに、
受注した製品を製造するための複数の部品を特定し、
前記製品の受注から前記複数の部品を用いて前記製品を完成するまでに必要となる複数の工程を特定し、
前記複数の部品のうちの少なくとも2つの部品を加工することで生成される中間部品に対して、前記中間部品を示す中間オブジェクトを生成し、
前記複数の部品の各々に対して、個々の部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを生成し、
複数の部品の前記部品毎に、各部品の製造に必要となる工程を示す前記作業オブジェクトを、前記複数の工程順に並べて表示すると共に、連続して処理される工程間の作業オブジェクトを関係づけて表示するワークフロー情報であって、前記中間部品を示す前記中間オブジェクトと、当該中間部品を生成するために使われる前記少なくとも2つの部品に対する作業オブジェクトとを関連付けたワークフロー情報を作成する
ことを処理させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
第1の態様及び第7の態様によれば、複数の部品を組み合わせて生成される中間部品を管理対象とせずにワークフローを生成して管理する場合と比べて、製品が製造されるまでに用いられる複数の部品と中間部品との関係を適切に把握することができる、という効果がある。
【0014】
第2の態様によれば、部品に対する加工や作業を考慮しない場合と比べて、複数の部品と中間部品との関係をより適切に把握することができる、という効果がある。
【0015】
第3の態様によれば、ワークフロー情報の表示を考慮しない場合と比べて、ワークフローを簡単に確認することができる、という効果がある。
【0016】
第4の態様によれば、テンプレート情報を利用しない場合と比べて、ワークフロー情報を作成する場合の処理負荷を軽減することができる、という効果がある。
【0017】
第5の態様によれば、テンプレート情報にワークフロー情報に含まれる部品を規定しない場合と比べて、製品を製造するための情報に対応するワークフロー情報を作成することができる、という効果がある。
【0018】
第6の態様によれば、部品を区別せずにテンプレート情報を用いてワークフロー情報を作成する場合と比べて、製品を製造するための情報に対応するワークフロー情報を作成することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る印刷ネットワークシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る印刷製品の製造に関するプロセスの概略図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】実施形態に係るテンプレート情報の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る情報処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである
【
図7】実施形態に係るテンプレート情報の一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る編集処理における画面の一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る印刷製品のワークフロー情報の一例を示す図である。
【
図10】実施形態に係るテンプレート情報の一例を示す図である。
【
図11】実施形態に係る情報処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】実施形態に係る印刷製品のワークフロー情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本開示の技術を実施するための実施形態の一例を詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0021】
本開示において「製品」とは、印刷物、印刷製品、複数の同種又は異なる印刷物の複合体、及び印刷物を含む発送段階の物品を含む概念である。「部品」とは、「製品」を構成する一部のエレメントを含む概念である。「中間部品」とは、「製品」を製造する以前に、すなわち、製品を受注してから完成までの間に、少なくとも1つの「部品」に対して加工を施すことにより生成される仕掛品等の物品を含む概念である。「加工」とは、物品に対して変形や変化を与える加工処理のみならず、複数の物品を組み合わせた組合体の生成処理、物品に対して作業を伴う物品処理を含む概念である。
【0022】
また、「工程」は、製品を受注してから完成までの間において実行される作業を含む概念である。なお「工程」は、製品を受注してから完成までの間で実行される最小の作業を単位として含む。「製造工程」は、製品に含まれる部品を製造する工程を含む概念である。「作業オブジェクト」は、製版や印刷等の部品製造時の作業を示す情報を含む概念である。「中間オブジェクト」は、部品に対する作業及び当該作業による成果物を中間部品とした情報を含む概念である。
【0023】
[第1実施形態]
ところで、印刷物を含む印刷製品の印刷業務は、主なプロセスとして、受注、原稿の制作、プリプレス、印刷(本印刷)、加工、及び発送の各プロセスを含んでいる。
【0024】
図2は、実施形態に係る印刷製品の製造に関するプロセスの概略例を示す図である。
図2に示す例では、印刷製品の一例として、カバー、表紙、及び本文の各部品から印刷製品が構成され、カバー及び表紙の各部品がデジタル印刷により生成され、本文の部品がオフセット印刷により生成される場合を示している。
【0025】
受注/制作プロセスは、依頼者から印刷製品の製造を受注し、印刷用の原稿の電子データを制作するプロセスである。受注/制作プロセスにおける処理は、例えば、校正管理システムによって行われる。
【0026】
プリプレスプロセスは、印刷製品を印刷する以前の工程の総称として使われ、一般的に入稿された原稿に対して、デザイン、写植、組版、版下作成、色分解、レタッチ、週販、刷版製版などの工程を含みうる。また、必要に応じて試験的に印刷を実施して、印刷結果の良否を確認するためにプリプレスプロセスを使うことがある。この試験的な印刷の結果を基に、原稿データの修正(校正)の要否が判断され、依頼者の要求に満たないものである場合には、校正が行われる。プリプレスプロセスにおける処理は、例えば、プリプレスシステムによって行われる。
【0027】
プリプレスによる結果、例えば、試し刷りの結果が、依頼者の要求を満たすものとなった場合には、印刷プロセスに進む。
【0028】
印刷プロセスは、印刷用のデザインデータを基に、紙その他の印刷媒体に印刷を行うプロセスである。印刷プロセスは、印刷用のデザインデータを基に、刷版を作成するプロセスを含むことができる。オフセット印刷を行う場合は、印刷用のデザインデータを基に作成された刷版を用いて、紙その他の印刷媒体に印刷を行う。また、デジタル印刷装置によって、CTP(Computer To Plate)印刷として知られるデジタル印刷を行う場合は、刷版の作製は不要である。なお、「印刷装置」は、印刷機、プリンタ、画像形成装置、画像記録装置などを含む概念である。印刷プロセスにおける処理は、例えば、印刷システムによって行われる。
【0029】
加工プロセスは、印刷後の部品や製品に実施される各種の加工を行うプロセスである。ここで、「加工」という用語は、例えば、印刷済みの印刷物に対して施される各種加工の総称である。加工の具体例として、例えば、裁断加工、折り加工、丁合い加工、とじ加工、特殊加工、表面加工、製本加工などを挙げることができる。また、加工は1種類のみならず、複数の種類の加工を組み合わせることができる。加工のプロセスを経て、印刷製品が、書籍、雑誌、パンフレット、カタログその他の製品形態に整えられる。加工プロセスにおける処理は、例えば、加工装置によって行われる。
【0030】
発送プロセスは、製造された複数の部品を含む印刷製品を依頼者に発送するプロセスである。
【0031】
このような一連の印刷業務を効率よく運用及び管理するために、ワークフローが用いられる。
【0032】
ところで、印刷製品の製造依頼から完成まで、ワークフローを用いて、当該製品の製造について管理をする場合、多種多様な印刷製品の各々に対して、個別にワークフローを作成し、工程管理を行う。ところが、複数の部品を含んで製造される印刷製品は、製造過程において中間部品が生成される場合がある。この場合、印刷製品の製造依頼から完成までを管理するとき、中間部品がどの部品を使って構成されるのかを容易に把握することが困難であった。
【0033】
そこで、本実施形態では、受注した印刷製品を製造するための複数の部品を特定し、印刷製品の受注から完成までに必要となる複数の工程を特定する。これらの複数の部品のうちの少なくとも2つの部品を加工することで生成される中間部品に対して、中間部品を示す中間オブジェクトを生成し、複数の部品の各々に対して、個々の部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを生成する。そして、複数の部品毎に、各部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを、複数の工程順に並べて表示すると共に、連続して処理される工程間の作業オブジェクトを関係づけて表示するワークフロー情報を作成する。このワークフロー情報は、中間部品を示す中間オブジェクトと、中間部品を生成するために使われる少なくとも2つの部品に対する作業オブジェクトとを関連付けられる。
【0034】
図1は、本開示の技術を実施するための実施形態に係る印刷ネットワークシステム1の概略構成を示す図である。
【0035】
図1に示すように、印刷ネットワークシステム1は、情報処理装置2、経営情報システム3、校正管理システム4、プリプレスシステム5A、プリプレスシステム5B、印刷システム6A、印刷システム6B、加工装置7A、及び加工装置7Bを含んでいる。これらの情報処理装置2、経営情報システム3、校正管理システム4、プリプレスシステム5A、プリプレスシステム5B、印刷システム6A、印刷システム6B、加工装置7A、及び加工装置7Bは、ネットワークNTに接続され、相互に情報授受が可能に構成されている。なお、ネットワークNTには、一例として、インターネットや、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が適用される。
【0036】
情報処理装置2は、印刷業務を行うためのワークフローの作成を支援するワークフロー作成支援機能を有するコンピュータシステムである。この情報処理装置2には、一例として、サーバコンピュータや、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0037】
経営情報システム(Management Infomation System。以下、MISという。)3は、印刷関係の経営情報を管理するコンピュータシステムであり、印刷製品の生産工程管理や在庫管理などを行う。経営情報には、例えば、受注情報、見積り情報、売上げ情報、経営計画、在庫情報などの種々の情報を含めることができる。本実施形態では、MIS3は印刷製品を製造する際に必要な情報をXML(Extensible Markup Language)形式の情報を送信する場合を一例として説明する。なお、MIS3は、JDF(Job Definition Format)及びJMF(Job Messaging Format)等の情報を用いてもよい。
【0038】
校正管理システム4は、依頼者から印刷製品の製造を受注し、印刷用の原稿の電子データを制作したり校正したりすることを処理するコンピュータシステムである。この校正管理システム4は、印刷製品の原稿を示すデータが出力される。
【0039】
プリプレスシステム5A、5Bは、印刷製品を印刷する以前に試験的に印刷を実施して、印刷結果の良否を確認することを処理するコンピュータシステムである。プリプレスシステム5Aは、一例として、刷版を用いずに印刷を行うデジタル印刷装置を含むシステムが適用される。また、プリプレスシステム5Bは、一例として、刷版を用いて印刷を行うオフセット印刷装置を含むシステムが適用される。
【0040】
印刷システム6A、6Bは、印刷用のデザインデータを基に、紙その他の印刷媒体に印刷を行うことを処理するコンピュータシステムである。印刷システム6Aは、一例として、刷版を用いずに印刷を行うデジタル印刷装置を含むシステムが適用される。また、印刷システム6Bは、一例として、刷版を用いて印刷を行うオフセット印刷装置を含むシステムが適用される。
【0041】
加工装置7A、7Bは、部品や製品に実施される各種の加工を行うことを処理する装置である。加工装置7Aは、一例として、製品を構成する部品の生成が完了したものにカバーを付与するカバー付装置が適用される。加工装置7Bは、一例として、オフセット印刷済みの部品に対して折り加工されたものを丁合いする丁合装置が適用される。
【0042】
なお、印刷製品の印刷業務は、上述の各システム及び各装置のみに限定されるものではなく、印刷業務上で利用可能な他のシステム及び他の装置を含めてもよい。例えば、下版として知られている、印刷製品の依頼者側が印刷内容を確認して、印刷の実行段階に移行することを確認、承認、及び依頼することを処理する下版管理システムを備えてもよい。
【0043】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置2の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る情報処理装置2は、制御部20と、記憶部22と、通信部24と、表示部26と、操作部28と、を備えている。
【0044】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)20A、RAM(Random Access Memory)20B、ROM(Read Only Memory)20C、及び入出力インターフェース(I/O)20Dを備えており、これら各部がバス20Eを介して各々接続されている。ここで、CPU20Aは、プロセッサの一例である。
【0045】
I/O20Dには、記憶部22と、通信部24と、表示部26と、操作部28と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O20Dを介して、CPU20Aと相互に通信可能とされる。
【0046】
制御部20は、情報処理装置2の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、情報処理装置2の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部20の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部20の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0047】
記憶部22としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置が用いられる。記憶部22には、本実施形態に係る情報処理を実現するための情報処理プログラム22Aが記憶される。CPU20Aは、情報処理プログラム22Aを記憶部22から読み出してRAM20Bに展開して処理を実行する。これにより、情報処理プログラム22Aを実行した情報処理装置2は、本開示の情報処理装置として動作する。なお、この情報処理プログラム22Aは、ROM20Cに記憶されていてもよい。
【0048】
情報処理プログラム22Aは、例えば、情報処理装置2に予めインストールされていてもよい。情報処理プログラム22Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークNTを介して配布して、情報処理装置2に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0049】
表示部26には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部26は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部28には、例えば、キーボードやマウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部26及び操作部28は、情報処理装置2のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部26は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0050】
通信部24は、インターネットや、LAN、WAN等のネットワークNTに接続されており、外部装置との間でネットワークNTを介して通信が可能とされる。
【0051】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、情報処理装置2のCPU20Aは、取得部200、特定部202、生成部204、作成部206、及び表示制御部208の各々として機能する機能部を含む。
【0052】
また、本実施形態に係る記憶部22には、印刷製品のワークフローを示すワークフロー情報(以下、製品ワークフロー情報という。)に適用可能なテンプレート情報が格納される。なお、印刷製品のワークフローを製品ワークフローという場合がある。テンプレート情報は、印刷製品を製造する際における各工程について、各工程で行われる作業の単位や各工程で処理・生成される部品等を示す情報をノードとして、複数の工程間の関連をノード間の繋がりとしてデータ化したものである。例えば、印刷製品の種類ごと、顧客ごと、印刷製品の仕上げの条件ごと、などの諸条件に応じて、その印刷製品の製造のために行われる処理工程と、各工程で処理されたり生成されたりする部品と、各工程間、或いは各工程と部品の関係をテンプレートとして設定しておくことができる。例えば、実施形態によっては、想定される印刷製品ごとに、複数のテンプレートを、事前に登録しておき、登録された複数のテンプレートの中から、受注した印刷製品の仕様に応じた適切なテンプレートを設定することで、印刷製品を製造するための工程を設定するようにテンプレートを使うことができる。具体的な一例として、複数のテンプレートを予め作成して、その複数のテンプレートを記憶部22に格納し、記憶部22に記憶されている複数のテンプレートの中から、例えばユーザが適切なテンプレートを設定し、設定されたテンプレートを用いることができる。そのようにテンプレートを使った場合、印刷製品を受注する度に印刷製品を製造するために必要となる工程や、各工程で処理される部品や、処理された部品を統合した次工程との関係を一から設計する場合と比べて、より簡単に、印刷製品の製造のための工程を設定することが可能となる。
【0053】
図5は、本実施形態に係るテンプレート情報の一例を示す図である。
図5には、表示部26に表示されたテンプレート情報の一例を画面100が示されている。表示制御部208は、テンプレート情報を用いて画面110を表示部26に表示する制御を行う。
【0054】
画面100は、表示領域101、102、103、及び104を含んでいる。表示領域101には、印刷製品を製造する際のプロセスが表示される。
図5に示すプロセスは、印刷製品を製造する際における印刷製品の受注から発送までの作業の一例である。
【0055】
例えば、「受付」は、依頼者から印刷製品少なくとも一部の製造の依頼を受ける作業を示す。「制作」は、印刷製品の原稿の制作を行う作業を示す。「プリプレス」は、印刷製品の印刷前に試験的に印刷を実施する作業を示す。「製版」は、印刷用の刷版を作成する作業を示す。「印刷」は、印刷媒体に印刷を行う作業を示す。「受入」は、部品又は製品を受け取る作業を示す。「加工」は、印刷物に対して施す加工作業を示す。「検品」は、部品又は製品を検査する作業を示す。「部品カスタム」は、部品に対して特殊な可能や処理を施す作業の総称を示す。「製品カスタム」は、製品に対して特殊な可能や処理を施す作業の総称を示す。「発送」は、製造が完了した印刷製品を発送する作業を示す。
【0056】
表示領域102には、印刷製品の部品が表示される。
図5に示す例では、印刷製品を製造する過程において、印刷製品に含まれる部品、及び部品から生成される中間部品が示されている。例えば、印刷製品に含まれる部品の一例として、「表紙」、「本文」、及び「カバー」が示されている。また、中間部品の一例として、「表紙」と「本文」とを組み合わせて生成される「ブックブロック」、「ブックブロック」と「カバー」とを組み合わせて生成される「完成品」が示されている。また、製造が完了した段階の印刷物が、「製品名」として示されている。
【0057】
表示領域103には、印刷製品を製造する際における製造工程の作業の各々が表示される。表示領域103に表示される情報は、表示領域101に表示されるプロセスに対応する。
【0058】
表示領域104には、印刷製品を製造する際における作業の各々がノード(
図5では丸印の図形)として表示される。すなわち、プロセスとして表示された「受付」から「発送」までの各工程における作業を示す作業オブジェクトが、印刷製品を製造する過程の順序に対応して、ノード(
図5では丸印の図形)として表示される。また、作業オブジェクトのうち、中間部品の作業を示すノードは、中間オブジェクトとして機能する。
【0059】
また、作業オブジェクトは、複数の部品毎に、各部品の製造工程に含まれる作業を示す作業オブジェクトであるノードが、作業順に並べて表示され、連続して処理されてノード間に関係性を有するように、ノード間が関係づけられる。
図5では点線によりノード間が接続されることでノード間が関係づけられた一例を示している。また、中間部品を示す中間オブジェクトであるノードは、中間部品を生成するために用いられる複数の部品に対する作業オブジェクトに関係性を有するように中間オブジェクトであるノードと他の作業オブジェクトであるノードが関係づけられる(接続される)。
【0060】
テンプレート情報は、印刷製品を構成する部品数、及び加工などの種類に対応して複数のテンプレート情報が予め作成済みであり、これらの複数のテンプレート情報が記憶部22に記憶される。なお、複数のテンプレート情報の各々は、各々を識別するための識別情報として、例えば、それぞれ異なる「ワークフローID(IDentification)」及び「ワークフロー名」の各々を示す情報が対応付けて記憶される。すなわち、テンプレート情報は、ワークフローID及びワークフロー名が関連付けられて管理される。
【0061】
取得部200は、印刷製品を製造するための製造情報を取得する。
【0062】
なお、本実施形態では、一例として、情報処理装置2が、MIS3から印刷製品を製造する際に必要な情報(以下、MIS情報という。)を取得するものとする。このMIS情報は、例えば、XML形式で記述された情報である。MIS情報は、一例として、印刷製品の製品ワークフロー情報を示すワークフローID、印刷製品を構成する部品を示す部品タイプID、及び部品及び工程として印刷製品に施す加工等のプロセスを示す情報等の各種情報を含む。このMIS情報から印刷製品を製造する場合における工程、プロセス、及び作業オブジェクトなどを特定することが可能である。
【0063】
特定部202は、MIS3から取得したMIS情報を用いて、製造工程の種類(パターン)を特定する。ここで、製造工程の種類(パターン)とは、印刷製品に含まれる部品数等の部品情報、及び各部品の製造工程を示す情報の組み合わせによる製造工程を特定するための情報である。すなわち、特定部202は、MIS情報を用いて、印刷製品の受注から完成するまでに必要となる複数の工程、及び印刷製品を製造するための複数の部品を特定する。
【0064】
生成部204は、特定部202で特定された製造工程の種類に基づいて、印刷製品を製造する場合における作業を示す作業オブジェクト及び中間オブジェクトを生成する。具体的には、印刷製品に含まれる複数の部品の各々に対して、個々の部品を製造するために行われる加工を含む作業を示す作業オブジェクトを生成する。また、複数の部品のうちの少なくとも2つの部品を組み合わせる加工等の行うことで生成される中間部品に対して、中間部品を示す中間オブジェクトを生成する。
【0065】
作成部206は、MIS3から取得したMIS情報、及び生成部で生成された作業オブジェクト及び中間オブジェクトを用いて、作業オブジェクト及び中間オブジェクトを関係づけた(接続した)製品ワークフロー情報を作成する。
【0066】
なお、作成部206は、製品ワークフロー情報の作成、及び一部を変更する編集機能を有している。この編集機能について後述する。
【0067】
本実施形態では、生成部204、及び作成部206として、MIS3から取得したMIS情報に適合するテンプレート情報を、記憶部22から取得することで、作業オブジェクト及び中間オブジェクトを生成し、印刷製品のワークフロー作成する場合を説明する。具体的には、MIS3から取得したMIS情報のうち、製造工程の種類、すなわち、印刷製品に含まれる部品数及び各部品の製造工程を示す情報に適合するテンプレート情報を、記憶部22から取得する。
【0068】
なお、MIS3から取得したMIS情報に対して、複数のテンプレート情報が適合する場合、複数のテンプレート情報を候補テンプレート情報として、複数の候補テンプレート情報のうち何れか1つを選択することを可能にする構成とすることができる。
【0069】
表示制御部208は、作成部206で作成された製品ワークフロー情報を、表示部26に表示させるための表示情報を作成し、作成した表示情報を表示部26に表示する表示制御を行う。
【0070】
なお、表示制御部208は、取得部200、特定部202、生成部204、及び作成部206の各機能部において得られた情報を、表示部26に表示する表示制御を行うことが可能である。
【0071】
次に、
図6を参照して、情報処理装置2の作用について説明する。
図6は、情報処理装置2において実行される情報処理プログラム22Aの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0072】
情報処理装置2において、情報処理プログラム22Aの起動が指示されると、CPU20Aは、上述した各機能部として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0073】
図6のステップS100では、取得部200が、MIS3から、MIS情報を取得する。MIS情報は、上述したようにXML形式で記述された情報であり、印刷製品を製造する際の部品及び製造工程に関する情報を含む。
【0074】
次に、MIS情報の一例を示す。
【0075】
<product_template_attributes>
<product_wf_template_id>WFID_020</product_wf_template_id>
<part_template_attributes>
<part_type_id>ID020_1_1</part_seq>
+各工程の属性情報
</part_template_attributes>
</product_template_attributes>
・・・
【0076】
このMIS情報では、印刷製品に対して指定されるテンプレートを示すテンプレート情報のワークフローIDが「WFID_020」であることを示している(
図9も参照)。また、テンプレート情報に含まれる部品が「ID020_1_1」であり、その部品の工程内容、すなわち、作業オブジェクトが「各工程の属性情報」として示されている。
【0077】
ステップS102では、特定部202が、MIS情報を用いて、製造工程の種類を特定することで、候補となる製品ワークフロー情報を生成するためのテンプレート情報を特定する。このステップS102では、MIS情報に含まれるワークフローIDを検出し、検出されたワークフローIDによりテンプレート情報を特定する。この特定されたテンプレート情報は、本開示の適合テンプレートの一例である。
【0078】
ステップS104では、生成部204及び作成部206が、中間部品を含む製品ワークフロー(製品ワークフロー情報)の候補を生成する。このステップS104では、まず、生成部204が、特定された製造工程の種類に基づいて、印刷製品を製造する場合における作業を示す作業オブジェクト及び中間オブジェクトを生成する。そして、作成部206が、MIS情報、及び作業オブジェクト及び中間オブジェクトを用いて、作業オブジェクト及び中間オブジェクトを接続してなる、中間部品を含む製品ワークフローの候補を生成する。
【0079】
具体的には、MIS情報に含まれるワークフローIDに適合するテンプレート情報を、記憶部22から取得することで、作業オブジェクト及び中間オブジェクトを生成し、それらのノードを接続した製品ワークフローの候補を作成する。
【0080】
図7は、製品ワークフローの候補となるテンプレート情報の一例を示す図である。
図7には、表示部26に表示されたテンプレート情報の一例として画面110が示されている。表示制御部208は、テンプレート情報を用いて画面110を表示部26に表示する制御を行う。
【0081】
画面110は、表示領域111、112、及び113を含んでいる。表示領域111には、製品ワークフローの作成に関する指示ボタンが表示される。
図7に示す例では、「追加」、「編集」、「解除」、「複製」、「削除」、「有効」、及び「無効」の指示ボタンが表示されている。これらの指示ボタンは、操作部28のユーザによる操作によって、指示される。
【0082】
「追加」の指示ボタンは、製品ワークフローを新規に追加することを指示するためのボタンである。「編集」の指示ボタンは、既存の製品ワークフローの編集の開始を指示するためのボタンである。「解除」の指示ボタンは、編集中の製品ワークフローの編集解除を指示するためのボタンである。「複製」の指示ボタンは、既存の製品ワークフローを複製して同じワークフローを作成することを指示するためのボタンである。「削除」の指示ボタンは、選択中の製品ワークフローの削除を指示するためのボタンである。「有効」の指示ボタンは、選択中の製品ワークフローを使用可能な状態に設定するためのボタンである。「無効」の指示ボタンは、選択中の製品ワークフローを使用可能な状態から使用不可能な状態に設定するためのボタンである。
【0083】
表示領域112には、記憶部22に記憶されたテンプレート情報のリストが表示される。
図7に示す例のリストには、テンプレート情報を識別するためのワークフローID及びワークフロー名を含むテンプレート情報に含まれる各種の情報が項目を示すラベルに対応付けられている。
【0084】
表示領域113には、
図5と同様に、選択されたテンプレート情報における製造工程の作業の各々が表示される。具体的には、選択されたテンプレート情報(表示領域112に太枠線114で囲まれた領域に含まれる情報)における作業オブジェクトの各々がノード(丸印の図形)として表示される。また、作業オブジェクトのうち、中間部品の作業を示すノードは、中間オブジェクトとして機能する。
【0085】
ステップS106では、作成部206が、製品ワークフローの候補に対する編集処理が行われる。具体的には、操作部28のユーザによる操作によって、
図7に示す指示ボタンの何れかが指示されると、ステップS106の処理が開始される。例えば、編集ボタンが指示されると、製品ワークフローの候補の一部を変更する編集を行う処理が開始される。
【0086】
図8は、編集処理における画面の一例を示す図である。
図8には、一例として、編集ボタンが指示されて製品ワークフローの候補の一部を変更する編集を行う場合の画面120が示されている。表示制御部208は、編集中に画面120を表示部26に表示する制御を行う。
【0087】
画面120は、表示領域121、122、及び123を含んでいる。
表示領域121には、編集対象のテンプレート情報(すなわち、製品ワークフローの候補)を示すワークフローID及びワークフロー名が表示される。
【0088】
表示領域122には、編集対象のテンプレート情報について、編集状況を指示する指示ボタンが表示される。
図8に示す例では、「クリア」、「戻す」、「進める」、「保存」、「一時保存」、及び「閉じる」の指示ボタンが表示されている。これらの指示ボタンは、操作部28のユーザによる操作によって、指示される。
【0089】
「クリア」の指示ボタンは、編集中の製品ワークフローの候補に対して行われた処理(編集操作)を消去することを指示するためのボタンである。「戻す」の指示ボタンは、直前に処理した編集操作を取り消し、それより前の状態に戻すことを指示するためのボタンである。「進める」の指示ボタンは、「戻す」の指示ボタンで戻された状態から、取り消した編集操作を元に戻すことを指示するためのボタンである。「保存」は、現在の編集作業の状態で、製品ワークフローの候補を保存、すなわち、記憶部22に記憶することを指示するためのボタンである。「一時保存」の指示ボタンは、現在の編集作業の状態で、製品ワークフローの候補をRAM20Bに、一時的に保存することを指示するためのボタンである。「閉じる」の指示ボタンは、編集中の製品ワークフローの候補の編集処理を終了して、画面120を閉じることを指示するためのボタンである。
【0090】
表示領域123には、
図5と同様に、編集対象のテンプレート情報における作業オブジェクトの各々がノード(丸印の図形)として表示される。また、作業オブジェクトのうち、中間部品の作業を示すノードは、中間オブジェクトとして機能する。
【0091】
なお、編集処理では、表示領域に表示された作業オブジェクトを削除したり、プロセス欄に表示された作業オブジェクトを追加(例えば図形をドラッグ)することが可能である。
【0092】
次に、ステップS108では、作成部206が、編集が完了した製品ワークフローの候補を製品ワークフローとして作成する。すなわち、
図8に示す「閉じる」の指示ボタンが指示され、保存が完了すると、その製品ワークフローの候補を示す製品ワークフロー情報を作成する。作成された製品ワークフロー情報は記憶部22に記憶される。
【0093】
図9は、製品ワークフロー情報の一例を示す図である。
図9には、表示部26に表示された製品ワークフロー情報の一例として画面130が示されている。表示制御部208は、製品ワークフロー情報を表示部26に表示する制御を行う。この制御によって、表示部26には、例えば、画面130の画像が表示される。
【0094】
画面130は、表示領域131、132、133、及び134を含んでいる。表示領域131には、表示する製品ワークフローの状態に関する指示ボタンが表示される。
図9に示す例では、「発注」、「製品」、「部品」、及び「発送」の指示ボタンが表示されている。これらの指示ボタンは、操作部28のユーザによる操作によって、指示される。
【0095】
「発注」の指示ボタンは、印刷製品の製造段階が発注段階の製品ワークフローの表示を指示するための指示ボタンを示す。「製品」の指示ボタンは、印刷製品の製品ワークフローの表示を指示するための指示ボタンを示す。「部品」の指示ボタンは、印刷製品の製品ワークフローのうち部品に関する部分的な表示を指示するための指示ボタンを示す。「発送」の指示ボタンは、印刷製品の製造段階が発送段階の製品ワークフローの表示を指示するための指示ボタンを示す。
【0096】
表示領域132には、表示領域131で指示された指示ボタンに対応して記憶部22から読み取られた製品ワークフロー情報がリストとして表示される。
図9に示す例のリストには、指示された指示ボタン(表示領域131に太枠線135で囲まれた「製品」を示す指示ボタン)に対応する製品ワークフロー情報が表示されている。
【0097】
表示領域133には、
図5と同様に、指示された製品ワークフロー(表示領域132に太枠線136で囲まれた製品ワークフロー情報)に対応する作業オブジェクトの各々がノード(丸印の図形)として表示される。また、作業オブジェクトのうち、中間部品の作業を示すノードは、中間オブジェクトとして機能する。
【0098】
具体的には、
図9に示す例の製品ワークフロー情報では、部品201及び部品202の各部品の各製造工程におけるノード(作業オブジェクト)が生成される。また、部品201及び部品202の各部品の組み合わせによる仕掛品である中間部品203の中間工程におけるノード(中間オブジェクト)が生成される。そして、検品のプロセスを示すノード及び発送のプロセスを示すノードへ順に続く。従って、受付のプロセスから発送のプロセスまで、部品201及び部品202の各部品の製造工程のノード(作業オブジェクト)と、中間部品203の中間工程のノード(中間オブジェクト)とが接続された製品ワークフロー情報が作成されている。
【0099】
表示領域134には、MIS3から取得したMIS情報が表示される。
図9では、MIS情報の表示例として、「項目」及び「内容」の各々を示す情報が対応付けたテーブルが表示された場合を示している。
【0100】
なお、製品ワークフロー情報は、MIS3によるMIS情報に連携して、現在の製品ワークフロー情報による作業の進捗状態を示す作業ステータス情報が表示されるようになっている。具体的には、MIS情報により示される作業オブジェクトの各々の進捗度合いについて、表示制御部208が表示部26に表示する制御を行う。
【0101】
図9に示す表示領域133には、印刷製品及び部品について、印刷製品が「製品名」で示され、部品が「部品201」、「部品202」及び「中間部品203」で示される場合が示されている。この場合において、作業ステータス情報として、現時点における進捗状態に該当するノードの表示形態が変更される。例えば、MIS3によるMIS情報として、部品201が制作段階で、部品202が印刷段階である情報を含む場合、各々のノードが他のノードと異なる表示形態で表示される。具体的には、部品201の制作プロセス、及び部品202の印刷プロセスの各々を示すノードが、他のノードと異なる表示形態137(黒丸印の図形による表示形態)とされている。この段階では、中間部品203は、部品201と部品202を組み合わせて生成されるため、中間部品203は未生成であることを確認することが可能となる。このように、ノードの表示形態を変更することで、印刷製品のワークフローにおける作業の進捗状態を確認することが可能となる。
【0102】
なお、上述したノードの表示形態を変更する一例には、ノードとして表示される画像の形状変更、ノードの色彩変更、及び注釈画像の付与によるノード変更が挙げられる。
【0103】
以上説明したように、本実施形態によれば、印刷製品の製造依頼から完成までの複数の製造工程及び複数の部品を特定し、部品を加工することで生成される中間部品に対して、中間部品を示す中間オブジェクトを生成する。そして、作業オブジェクトを、作業順に並べて表示させ、かつ連続して処理される作業間の作業オブジェクトを接続して表示させると共に、中間オブジェクトと、作業オブジェクトとを接続して表示させるための製品ワークフロー情報が作成される。従って、印刷製品の製造依頼から完成までを管理するとき、中間部品がどの部品を使って構成されるのかを容易に把握することが可能となる。
【0104】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0105】
第1実施形態では、MIS3からのMIS情報を用いて、印刷製品の受注から完成までの製造工程毎に作業順に並べられた作業オブジェクトに対して、中間部品を示す中間オブジェクトが接続された製品ワークフロー情報が作成される場合を説明した。
【0106】
ところで、印刷製品は、印刷形態や製造過程等の様々な仕様を含む多種多様な印刷製品となるため、多種多様な印刷製品に対応するテンプレートを予め準備したのでは、テンプレート数が増大する。このため、多様な印刷製品毎にテンプレートを作成しておき、印刷製品の製造に関する工程管理を行う場合の処理負荷は増大する。従って、多様な印刷製品について、ワークフローによって工程管理を行うことには改善の余地がある。
【0107】
そこで、第2実施形態では、製品ワークフローによって工程管理する際の処理負荷を抑制することが可能な情報処理装置を提供する。
【0108】
具体的には、第2実施形態では、テンプレート情報に、印刷製品を製造する場合に含まれる部品を規定する規定情報を対応付ける。規定情報は、印刷製品を製造する際に必須の部品か否かを示す情報を含む。そして、規定情報に基づいて、設定条件に従って、適合するテンプレート情報を特定する。
【0109】
多種多様な複数の印刷製品の各々は、異なるものであるが、その異なる複数の印刷製品の中で、共通する部分が存在する場合がある。例えば、印刷製品として、本文は必ず存在するが、カバーは必ずしも要求されない場合がある。この場合、印刷製品に含まれる部品を、共通部品と、それ以外の予備部品とに分類することで、共通部品と予備部品との組み合わせによって、複数の異なる印刷製品の全てに対応可能である。そこで、複数の異なる印刷製品の共通部品及びそれ以外の予備部品に分類可能な規定情報を付与して、複数の異なる印刷製品に含まれる全ての部品を網羅するテンプレート情報を作成する。この共通部品と予備部品との組み合わせによって、複数の異なる印刷製品の全てに対応するワークフローを作成可能である。
【0110】
規定情報には、一例として、印刷製品を製造する際に必須の部品を示す情報が含まれる。よって、必須の部品を示す規定情報が対応付けられた部品は共通部品であり、空情報又はその他の値による部品を示す規定情報が対応付けられた部品は予備部品である。規定情報の他例としては、必須の部品を示す情報及び印刷製品を製造する際に必須はないものの追加が可能な予備の部品を示す情報の何れか一方の情報を規定情報とすることが可能である。この場合、規定情報から必須部品か予備部品かを明確に判定することが可能である。
【0111】
なお、規定情報は、部品単位に対応付けることに限定されるものではなく、例えば、作業を示す作業オブジェクト単位で対応付けてもよい。
【0112】
設定条件は、MIS情報により示される印刷製品に最適な製品ワークフロー情報、又は少なくとも適合する製品ワークフロー情報を作成することを定めた条件である。テンプレート情報を用いる場合、テンプレート情報に示される必須の部品が、MIS情報により示される部品に含まれない場合、作成される製品ワークフロー情報は、情報なしの部品(例えば無関係の部品)を含んで作成されることになる。このため、テンプレート情報に示される必須の部品全てが、MIS情報により示される部品に含まれることが好ましい。
【0113】
本実施形態では、設定条件の一例として、次に示す3つの条件が適用される。第1条件は、MIS情報により示されるワークフローIDのテンプレート情報が存在することである。第2条件はMIS情報における部品タイプIDと、テンプレート情報における部品タイプIDが一致することである。第3条件は、テンプレート情報に含まれる部品のうち規定情報が必須を示す全ての部品が、MIS情報により示される部品に存在することである。なお、本実施形態では、第1条件から第3条件を全て満たす場合に設定条件に適合することとする。
【0114】
図10は、本実施形態に係るテンプレート情報の一例を示す図である。
図10には、表示部26に表示されたテンプレート情報の一例を画面140が示されている。このテンプレート情報は、一例として、表紙A、本文A、表紙B、本文Bの各部品を含む印刷製品が適用されたものである。表示制御部208は、テンプレート情報を用いて画面140を表示部26に表示する制御を行う。画面140は、
図5に示す表示領域と同様の表示領域101、102、103、及び104を含んでいる。
【0115】
本実施形態における表示領域102には、各々の部品に対して、規定情報が対応付けられ、その規定情報がマーク141として表示される。規定情報は、印刷製品を製造する際に必須の部品か否かを示す情報であり、情報値の一例として、必須部品及び予備部品の何れか一方の値が適用される。
図10に示す例では、本文Aの部品に規定情報として必須部品が設定されて「必須」のマーク141が表示された場合が示されている。また、表紙A、表紙B及び本文Bの各部品には規定情報として予備部品が設定されて「オプション」のマーク141が表示された場合が示されている。このテンプレート情報によって、本文Aのみ、並びに、本文Aを含み、かつ表紙A、表紙B及び本文Bの何れかを含む8種類の印刷製品に対する製品ワークフロー情報を作成することが可能となる。すなわち、1つのテンプレート情報から8種類の製品ワークフロー情報を作成することができる。
【0116】
具体的には、
図10に示す例の印刷製品では、表紙A及び本文Aの各部品が各製造工程で生成され、表紙A及び本文Aの各部品の組み合わせによる仕掛品である中間部品A01が生成される。また、表紙B及び本文Bの各部品が各製造工程で生成され、表紙B及び本文Bの各部品の組み合わせによる仕掛品である中間部品B01が生成される。そして、中間部品A01及び中間部品B01の各中間部品の組み合わせによる中間部品AB01が生成され、発送のプロセスへ続く。従って、受付のプロセスから発送のプロセスまで、表紙A、本文A、表紙B、及び本文Aの各部品の製造工程のノード(作業オブジェクト)と、各中間部品の製造工程のノード(中間オブジェクト)とが接続されたテンプレート情報となる。
【0117】
一方、必須部品として本文Aのみを含む印刷製品では、表紙A、表紙B、及び本文Bの製造工程は生成されない。従って、中間部品A01が生成されることなく、
図10に示す加工04と表記されたノードと、発送を示すノードとが接続されるテンプレート情報となる。
【0118】
また、予備部品として表紙Aを含まない印刷製品では、表紙Aの製造工程は生成されない。従って、中間部品A01が生成されることなく、
図10に示す本文Aの加工04と表記されたノードと、中間部品AB01の加工13と表記されたノードとが接続されるテンプレート情報となる。
【0119】
同様に、予備部品として表紙Bを含まない印刷製品では、表紙Bの製造工程は生成されない。従って、中間部品B01が生成されることなく、
図10に示す本文の加工10と表記されたノードと、中間部品AB01の加工13と表記されたノードとが接続されるテンプレート情報となる。また、本文Bを含まない印刷製品では、本文Bの製造工程は生成されずに、中間部品B01が生成されることなく、表紙Bの加工08と表記されたノードと、中間部品AB01の加工13と表記されたノードとが接続されるテンプレート情報となる。
【0120】
また、予備部品として表紙B及び本文Bを含まない印刷製品では、表紙B及び本文Bの製造工程は生成されない。従って、中間部品B01及び中間部品AB01が生成されることなく、
図10に示す中間部品A01の加工06と表記されたノードと、発送を示すノードとが接続されるテンプレート情報となる。
【0121】
よって、これらの組み合わせから8種類の製品ワークフロー情報を作成することができる。
【0122】
次に、
図11を参照して、本実施形態に係る情報処理装置2の作用について説明する。
図11は、本実施形態に係る情報処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0123】
なお、本実施形態では、
図6に示す情報処理プログラム22Aに代えて、
図11に示す情報処理プログラム22Bが記憶部22に記憶されものとする。すなわち、本実施形態では、情報処理プログラム22Bを記憶部22から読み出してRAM20Bに展開して処理を実行することにより、情報処理装置2が本開示の情報処理装置として動作する場合を説明する。
【0124】
情報処理装置2において、情報処理プログラム22Bの起動が指示されると、CPU20Aは、以下の各ステップを実行する。
【0125】
上述したステップS100で、取得部200が、MIS3から、MIS情報を取得し、ステップS102で、特定部202が、テンプレート情報を特定する。このステップS102では、MIS情報に含まれるワークフローIDに該当するテンプレート情報を記憶部22から読み出す。
【0126】
ステップS110では、特定部202が、設定条件に従って、特定されたテンプレート情報の適合判定を行う。具体的には、取得したMIS情報により示される部品が、読み出したテンプレート情報、すなわち、ワークフローIDに該当するテンプレート情報により示される部品に含まれるか否かを判定する。この判定では、特定部202が、設定条件に従って判定する。設定条件は、上述したようにMIS情報により示される部品が、テンプレート情報における規定情報が必須を示す部品を示す情報を全て含むことである。よって、MIS情報により示される部品が、テンプレート情報により示される規定情報が必須を示す部品を全て含む場合は、適合判定され、それ以外は不適合判定される。
【0127】
ステップS112では、適合判断が行われ、ステップS110で適合判定の場合は、ステップS114へ処理が移行され、不適合判定の場合は製品ワークフロー情報を作成することなく、本処理ルーチンを終了する。
【0128】
なお、不適合判定の場合には、表示制御部208が、MIS情報により示される印刷製品の情報と、テンプレート情報の情報とが適合しない旨を示すメッセージを表示部26に表示する表示制御を行ってもよい。
【0129】
ステップS114では、上述したステップS104からステップS108の処理と同様にして、生成部204及び作成部206が、製品ワークフロー情報を作成する。
【0130】
図12は、本実施形態に係る製品ワークフロー情報の一例を示す図である。
図12には、適合判定されたテンプレート情報により生成された製品ワークフロー情報について編集処理での画面の一例を示す。
【0131】
なお、
図12は、印刷製品の一例として、本文及び表紙の各部品を必須とし、前見返し及び後見返しの各部品を予備部品(
図12では(任意)として表記している部品)として含む場合を示している。また、本文、前見返し(任意)、表紙、及び後見返し(任意)の各部品を組み合わせて加工した中間部品として丁合部材が生成される場合を示している。
【0132】
画面150は、
図8に示す画面120と同様に表示領域121、122、及び123を含んでいる。
【0133】
表示領域123には、編集対象のテンプレート情報における作業オブジェクトの各々がノード(丸印の図形)として表示される。また、作業オブジェクトのうち、中間部品の作業を示すノードは、中間オブジェクトとして機能する。
【0134】
具体的には、
図12に示す例の印刷製品では、本文、前見返し、表紙、及び後見返しの各部品が各製造工程で生成され、本文、前見返し、表紙、及び後見返しの各部品の組み合わせによる仕掛品である丁合部材が生成される。そして、丁合部材に加工が施されて、発送のプロセスへ続く。従って、受付のプロセスから発送のプロセスまで、本文、前見返し、表紙、及び後見返しの各部品の製造工程のノード(作業オブジェクト)と、各中間部品である丁合部材の中間工程のノード(中間オブジェクト)とが接続された製品ワークフロー情報となる。
【0135】
一方、予備部品として前見返しの部品を含まない印刷製品では、前見返しの製造工程は生成されない製品ワークフロー情報となる。同様に、後見返しの部品を含まない印刷製品では、後見返しの製造工程は生成されない製品ワークフロー情報となる。
【0136】
よって、1つのテンプレート情報から、全ての部品を含む場合と前見返し及び後見返しの部品のうちの少なくとも1つの部品を含まない場合との4種類の製品ワークフロー情報を作成することができる。
【0137】
以上説明したように、本実施形態では、テンプレート情報に含まれる部品に対して、共通部品(必須の部品)及びそれ以外の予備部品に分類可能な規定情報を付与している。よって、1つのテンプレート情報から複数の異なる製品ワークフロー情報を生成することができ、製品ワークフローによって工程管理する際の管理負荷を抑制することが可能となる。
【0138】
[その他の形態]
上記では、本開示の技術を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能である。例えば、情報処理装置2の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0139】
また、上記では、実施形態に係る情報処理装置を例示して説明した。実施形態は、情報処理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。そして、実施形態における処理は、プログラムとして光ディスク等の記憶媒体等に記憶して流通するようにしてもよい。また、情報処理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの一部又は全部の処理をハードウェアで実現してもよい。
【0140】
さらに、実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0141】
また、実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。例えば、処理の流れの一例として説明したプログラムも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0142】
1 印刷ネットワークシステム
2 情報処理装置
3 経営情報システム
4 校正管理システム
5A、5B プリプレスシステム
6A、6B 印刷システム
7A、7B 加工装置
20 制御部
22 記憶部
22A 情報処理プログラム
24 通信部
26 表示部
28 操作部
200 取得部
202 特定部
204 生成部
206 作成部
208 表示制御部