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特許7581696情報処理装置、制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/02 20060101AFI20241106BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20241106BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20241106BHJP
   G09B 19/06 20060101ALN20241106BHJP
【FI】
G09B7/02
G06Q50/20
G06F3/16 530
G09B19/06
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020136700
(22)【出願日】2020-08-13
(65)【公開番号】P2022032671
(43)【公開日】2022-02-25
【審査請求日】2023-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】上田 博文
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-060914(JP,A)
【文献】特開2009-092932(JP,A)
【文献】特開2000-330463(JP,A)
【文献】特開2003-323104(JP,A)
【文献】特開2005-242107(JP,A)
【文献】[これだけで800点到達可能]TOEIC対策無料アプリabceedの使い方を徹底解説!!,[online],2020年06月10日,https://nezumi-united.com/abceed01/,2024年5月27日検索
【文献】TOEIC学習アプリのabceedを久しぶりにやってみたらめちゃくちゃ改悪されてた。,[online],2020年01月11日,https://twitter.com/katwooo414/status/1215975350326329344,2024年5月27日検索
【文献】苦手の外国語をアプリで克服,日経PC21,第20巻 第7号,日経BP社,2015年04月24日,p.123
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 7/00-7/12
G09B 5/00-5/14
G06Q 50/20
G06F 3/16
G09B 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、
音声を出力する音声出力部と、
前記入力部により選択され、表示部に表示される問題に関連付けられた音声データがある場合に、前記問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの待ち時間に基づいて、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるタイミングを制御する制御部と、
を備え
前記音声データが関連付けられる前記問題は、音声を聞き取って解答する問題である
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記問題が選択されてから前記待ち時間が経過した後、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記待ち時間は、前記入力部により入力される情報に基づいて変更可能である
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
入力部と、
音声を出力する音声出力部と、
前記入力部により選択された問題に関連付けられた音声データがある場合、前記選択された問題が表示部に表示される前に、前記選択された問題が前記表示部に表示されてから前記選択された問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの前記音声データの待ち時間を外部操作に基づき設定し、
前記待ち時間が設定された後に前記選択された問題が前記表示部に表示されると、前記待ち時間に基づいて前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるよう制御する制御部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記音声データが関連付けられる前記問題は、音声を聞き取って解答する問題であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~3、及び5のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記入力部により、音声を聞き取って解答する問題であって種別が異なる複数の問題のなかから、1つ以上の問題を選択可能であり、
前記待ち時間は、前記問題の種別毎に設定されている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項に記載の情報処理装置において、
前記問題の種別は、問題の出題方法と解答方法との組み合わせ、問題文の長さ、及び問題の難易度のうちの1つ以上によって分類されている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記入力部により2つ以上の問題が選択された場合に、選択された前記2つ以上の問題を前記問題の種別毎にグループ化してそれらの問題の出題順序を決定し、決定した前記出題順序で、前記問題と関連付けられた前記音声データの前記音声を前記音声出力部に出力させ、前記入力部により解答の入力を受け付ける処理を行う
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記入力部により前記解答の入力を受け付けた後、次の問題の種別が前記解答の入力を受け付けた問題の種別と異なる場合には、前記次の問題と関連付けられた前記音声データの再生を開始する前に、前記次の問題における前記待ち時間を出力する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記音声出力部による前記音声の出力が終了してから、前記入力部により解答が入力されるまでの解答時間に基づいて、前記解答が入力された問題に対する前記待ち時間を設定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記待ち時間を設定する前に、前記待ち時間を出力する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
1つの前記問題と関連付けられた前記音声データの音声の出力に対する前記待ち時間は複数の待ち時間を含み、
前記制御部は、前記複数の待ち時間のうちの選択された待ち時間に基づいて、前記音声データの音声の前記音声出力部への出力を制御する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の情報処理装置において
記制御部は、さらに前記表示部に前記問題の画像を表示し、
前記問題の画像を前記表示部に表示させてから前記待ち時間が経過した後、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
入力部と、音声を出力する音声出力部と、を備えた情報処理装置が、
前記入力部により選択され、表示部に表示される問題に関連付けられた音声データがある場合に、前記問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの待ち時間に基づいて、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるタイミングを制御し、
前記音声データが関連付けられる前記問題は、音声を聞き取って解答する問題である
ことを特徴とする制御方法。
【請求項15】
入力部と、音声を出力する音声出力部と、を備えた情報処理装置が、
前記入力部により選択された問題に関連付けられた音声データがある場合、前記選択された問題が表示部に表示される前に、前記選択された問題が前記表示部に表示されてから前記選択された問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの前記音声データの待ち時間を外部操作に基づき設定し、
前記待ち時間が設定された後に前記選択された問題が前記表示部に表示されると、前記待ち時間に基づいて前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるよう制御する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項16】
入力部と、音声を出力する音声出力部と、を備えた情報処理装置に、
前記入力部により選択され、表示部に表示される問題に関連付けられた音声データがある場合に、前記問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの待ち時間に基づいて、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるタイミングを制御する
処理を実行させ
前記音声データが関連付けられる前記問題は、音声を聞き取って解答する問題である
ことを特徴とするプログラム。
【請求項17】
入力部と、音声を出力する音声出力部と、を備えた情報処理装置に、
前記入力部により選択された問題に関連付けられた音声データがある場合、前記選択された問題が表示部に表示される前に、前記選択された問題が前記表示部に表示されてから前記選択された問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの前記音声データの待ち時間を外部操作に基づき設定し、
前記待ち時間が設定された後に前記選択された問題が前記表示部に表示されると、前記待ち時間に基づいて前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるよう制御する
処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、情報処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
英語等の語学の学習に利用可能な学習システムとして、コンピュータとネットワークとを用いた学習システムがある。この種の学習システムには、繰り返し再生を設定する際に、無音区間を挿入することができるようにし、設定した部分を繰り返し発声練習することができるようにしたものがある(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、TOEIC(登録商標)や英検(登録商標)等の語学検定に関する学習には、電子辞書やスマートフォン等の情報処理装置を利用することができる。過去の語学検定で出題された問題やその類題を含む学習コンテンツを情報処理装置で実行することにより、情報処理装置の利用者は、語学検定への準備(学習)をすることができる。学習コンテンツには、情報処理装置から出力される音声を聞き、情報処理装置に表示された問題を解くリスニング問題が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-242107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際に行われる語学検定の試験においては、リスニング問題の音声が再生される前にこのリスニング問題の内容や選択肢を読んでおく手法(例えば、先読みと呼ばれる)が、しばしば利用される。
【0006】
しかしながら、情報処理装置を利用して学習コンテンツに含まれるリスニング問題を解く場合、従来の情報処理装置では、問題を選択した後、選択した問題が情報処理装置に表示されると同時に音声の再生が開始される。このため、情報処理装置を利用してリスニング問題を解く場合に、実際に行われる試験と同様の環境を再現することができていなかった。
【0007】
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、情報処理装置を利用して、実際に行われる試験と同様の環境でリスニング問題を解く練習をすることが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、入力部と、音声を出力する音声出力部と、前記入力部により選択され、表示部に表示される問題に関連付けられた音声データがある場合に、前記問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの待ち時間に基づいて、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるタイミングを制御する制御部と、を備え、前記音声データが関連付けられる前記問題は、音声を聞き取って解答する問題であることを特徴とする情報処理装置である。
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、入力部と、音声を出力する音声出力部と、前記入力部により選択された問題に関連付けられた音声データがある場合、前記選択された問題が表示部に表示される前に、前記選択された問題が前記表示部に表示されてから前記選択された問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの前記音声データの待ち時間を外部操作に基づき設定し、前記待ち時間が設定された後に前記選択された問題が前記表示部に表示されると、前記待ち時間に基づいて前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるよう制御する制御部と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0009】
本発明の一態様に係る制御方法は、入力部と、音声を出力する音声出力部と、を備えた情報処理装置が、前記入力部により選択され、表示部に表示される問題に関連付けられた音声データがある場合に、前記問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの待ち時間に基づいて、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるタイミングを制御し、前記音声データが関連付けられる前記問題は、音声を聞き取って解答する問題であることを特徴とする制御方法である。
また、本発明の一態様に係る制御方法は、入力部と、音声を出力する音声出力部と、を備えた情報処理装置が、前記入力部により選択された問題に関連付けられた音声データがある場合、前記選択された問題が表示部に表示される前に、前記選択された問題が前記表示部に表示されてから前記選択された問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの前記音声データの待ち時間を外部操作に基づき設定し、前記待ち時間が設定された後に前記選択された問題が前記表示部に表示されると、前記待ち時間に基づいて前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるよう制御することを特徴とする制御方法である。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、入力部と、音声を出力する音声出力部と、を備えた情報処理装置に、前記入力部により選択され、表示部に表示される問題に関連付けられた音声データがある場合に、前記問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの待ち時間に基づいて、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるタイミングを制御する処理を実行させ、前記音声データが関連付けられる前記問題は、音声を聞き取って解答する問題であることを特徴とするプログラムである。
また、本発明の一態様に係るプログラムは、入力部と、音声を出力する音声出力部と、を備えた情報処理装置に、前記入力部により選択された問題に関連付けられた音声データがある場合、前記選択された問題が表示部に表示される前に、前記選択された問題が前記表示部に表示されてから前記選択された問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの前記音声データの待ち時間を外部操作に基づき設定し、前記待ち時間が設定された後に前記選択された問題が前記表示部に表示されると、前記待ち時間に基づいて前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるよう制御する処理を実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
上記の態様によれば、情報処理装置を利用して、実際に行われる試験と同様の環境でリスニング問題を解く練習をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る電子辞書の外観構成を例示する斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る電子辞書の機能構成を例示するブロック図である。
図3】記憶部に格納される問題集のコンテンツに関するデータの一例を説明する図である。
図4】出題制御情報の一例を説明するための図である。
図5】第1の実施形態に係る電子辞書で行われる処理の流れを説明するフローチャートである。
図6】電子辞書における画面遷移の一例を説明する図である。
図7】リスニング問題が選択されたときの音声が再生されるタイミングを説明する図である。
図8】第2の実施形態に係る電子辞書で利用する出題制御情報の一例を示す図である。
図9】第2の実施形態に係る電子辞書で行われる処理の流れを説明するフローチャートである。
図10】第3の実施形態に係る電子辞書で行われる処理の流れを説明するフローチャートである。
図11】第4の実施形態に係る出題制御情報の第1の例を示す図である。
図12】第4の実施形態に係る出題制御情報の第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態では、本発明に係る情報処理装置の一例として、音声を出力可能な電子辞書を挙げる。以下の説明では、音声を出力可能な電子辞書における既知の構成、機能、及び動作等についての詳細な説明を省略する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る電子辞書の外観構成を例示する斜視図である。
【0015】
図1に例示した電子辞書1は、複数のキー4が配置された第1の筐体2と、タッチパネルディスプレイ5が配置された第2の筐体3とを含む。第1の筐体2と第2の筐体3とは、第1の筐体2における複数のキー4が配置された面と、第2の筐体3におけるタッチパネルディスプレイ5が配置された面との角度を変更可能な態様で、回転可能に係合している。
【0016】
第1の筐体2に配置された複数のキー4は、電源キー、カーソルキー、文字入力キー、決定キー、及びショートカットキーを含む。電源キーは、電子辞書1の電源のオン・オフを行うキーである。カーソルキーは、タッチパネルディスプレイ5に表示されたカーソルや選択項目を表示画面内で上下左右に移動させるキーである。文字入力キーは、タッチパネルディスプレイ5に表示された文字入力欄に文字を入力することに利用するキーである。決定キーは、電子辞書1に対して行われた選択や入力等の操作を確定させるキーである。ショートカットキーは、電子辞書1で実行可能な複数のコンテンツのうちの所定のコンテンツを実行させるキーである。複数のキー4は、上述したキーとは別の機能が割り当てられたキーを含んでもよい。また、文字入力キー等の幾つかのキーは、複数の機能が割り当てられ、別のキー(例えば、シフトキーやファンクションキー)と組み合わせることにより複数の機能のうちの1つの機能を選択可能であってもよい。
【0017】
第2の筐体3に配置されたタッチパネルディスプレイ5は、液晶ディスプレイ等の表示装置の表示面上にデジタイザ(位置検出器)を重ねた入出力装置である。電子辞書1におけるタッチパネルディスプレイ5は、例えば、表示装置の表示面と隣接した選択領域を有し、表示装置の表示面上及び選択領域上に渡ってデジタイザが配置されたものであってもよい。タッチパネルディスプレイ5のデジタイザは、電子辞書1の入力部の一例である。以下の説明では、タッチパネルディスプレイ5を、タッチパネル5という。
【0018】
また、図1に例示した電子辞書1では、第1の筐体2にスピーカ6、イヤフォン端子7、及びマイク8が設けられている。
【0019】
図1に例示した電子辞書1では、例えば、複数のキー4のうちの所定のキー、又はタッチパネル5を利用して、複数のコンテンツのうちの所望のコンテンツを選択し、実行することができる。複数のコンテンツには、例えば、日本語の辞書(国語辞典)、英和辞典、及び和英辞典等の辞書のコンテンツが含まれる。また、複数のコンテンツには、例えば、TOEICや英検等の語学検定の問題集のコンテンツが含まれる。この種の電子辞書1は、例えば、辞書のコンテンツや問題集のコンテンツに含まれる音声データを再生し、スピーカ6、又はイヤフォン端子7に接続されたイヤフォン(図示せず)から音声を出力することができる。また、図1に例示した電子辞書1では、例えば、電子辞書1の利用者が発した音声等をマイク8により収音することができる。このため、図1に例示した電子辞書1の利用者は、電子辞書1を利用して、例えば、英語の発音練習や、語学検定のリスニング問題を解く練習をすることができる。
【0020】
図2は、第1の実施形態に係る電子辞書の機能構成を例示するブロック図である。
【0021】
図2に例示したように、電子辞書1は、制御部100、記憶部110、キー入力部120、位置検出部131、表示部132、音声出力部140、及び収音部150を含む。
【0022】
キー入力部120は、図1を参照して説明した複数のキー4と対応し、複数のキー4を利用した入力操作を受け付ける。位置検出部131及び表示部132は、それぞれ、図1を参照して説明したタッチパネル5のデジタイザ(位置検出器)及び表示装置と対応し、表示部132による各種画面の表示と、電子辞書1における入力部の1つとして機能する位置検出部131によるタッチ位置の検出を行う。音声出力部140は、図1を参照して説明したスピーカ6及びイヤフォン端子7と対応し、スピーカ6、又はイヤフォン端子7に接続されたイヤフォンから音声を出力する。収音部150は、図1を参照して説明したマイク8と対応し、電子辞書1の周囲の音を電気信号に変換する。
【0023】
制御部100は、電子辞書1全体の動作を制御する。制御部100は、例えば、OS(Operating System)のプログラムを含む各種プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと対応する。プロセッサが実行するプログラムは、後述する、リスニング問題における音声データの再生開始時間を調整(制御)する処理を含む、問題集のコンテンツを実行するプログラムを含む。
【0024】
本実施形態の電子辞書1における制御部100は、検索部101、表示処理部102、判定部103、及び音声再生処理部104を含む。
【0025】
検索部101は、キー入力部120により受け付けた入力操作や、位置検出部131により検出した位置等に基づいて、記憶部110内を検索し、該当するデータを抽出する。検索部101は、例えば、辞書のコンテンツの実行中に入力された語句をキーワードとして記憶部110内を検索し、その語句の意味を示すデータを抽出する。また、検索部101は、例えば、問題集のコンテンツの実行中に選択された問題番号をキーワードとして記憶部110内を検索し、その問題番号の問題のデータを抽出する。
【0026】
表示処理部102は、表示部132に画面データを表示する処理を行う。
【0027】
判定部103は、問題集のコンテンツの実行中に選択された問題がリスニング問題であるか否かを判定する処理を含む、電子辞書1において行われる各種の処理における各種の判定を行う。音声再生処理部104は、音声データを再生し、音声出力部140に音声を出力させる処理を行う。判定部103においてリスニング問題が選択されたと判定した場合、本実施形態の音声再生処理部104は、その選択された問題が表示部132に表示されてから所定の待ち時間が経過した後、選択された問題と関連付けられた音声データの再生を開始する。所定の待ち時間は、電子辞書1の利用者が設定した時間であってもよいし、予め定められた時間であってもよい。また、所定の待ち時間は、例えば、表示部132に問題を表示してから利用者が解答を入力するまでに要した時間に基づいて、制御部100が変更できるようになっていてもよい。
【0028】
記憶部110には、制御部100としてのプロセッサが実行する各種プログラム、辞書のコンテンツ及び問題集のコンテンツ等のコンテンツ、電子辞書1の使用履歴等が格納される。記憶部110は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。図2に例示した記憶部110は、第1のコンテンツ(コンテンツA)のデータが格納される第1の記憶領域111と、第2のコンテンツ(コンテンツB)のデータが格納される第2の記憶領域112とを含む、複数の記憶領域を有する。第1の記憶領域111には、例えば、英語の検定試験に関する問題集のコンテンツのデータが格納される。
【0029】
図3は、記憶部に格納される問題集のコンテンツに関するデータの一例を説明する図である。図3には、第1の記憶領域111に格納された、英語の検定試験に関する問題集のコンテンツのデータのいくつかを例示している。図3に例示した問題集のコンテンツは、リスニング問題と、リーディング問題とを含むコンテンツであり、画面データ20、音声データ21、及び出題制御情報22を含む。リスニング問題は出題時に英語の音声が再生される問題であり、リーディング問題は出題時に英語の音声が再生されない問題である。
【0030】
画面データ20は、選択画面データ20a、及び問題画面データ20bを含む。選択画面データ20aは、問題を選択する画面のデータであり、例えば、問題の種別を選択する大問選択画面のデータと、問題番号を選択する問題選択画面のデータとを含む。問題画面データは、問題文や解答の選択肢等を表示する画面のデータである。音声データ21は、リスニング問題で再生する音声のデータであり、例えば、設問毎に個別化された複数の音声データを含む。例えば、第1の音声データ(音声1)21aは、リスニング問題のうちのある1つの問題で再生する音声データであり、第2の音声データ(音声2)21bは、リスニング問題のうちの別の1つの問題で再生する音声データである。出題制御情報22は、出題時の、表示部132の表示及び音声出力部140による音声出力の制御に関する情報である。
【0031】
図4は、出題制御情報の一例を説明するための図である。
【0032】
英語の検定試験に関する問題集のコンテンツにおける出題制御情報22では、例えば、図4に示したように、問題番号毎に、問題画面データを識別する情報が関連付けられる。また、図4に例示した出題制御情報22では、問題番号が1からNまでの問題がリスニング問題となっている。このため、1からNまでの問題番号のそれぞれには、問題画面データを識別する情報とともに、出題時に再生する音声データを識別する情報が関連付けられる。一方、図4に例示した出題形式情報22では、問題番号がN+1からN+Mまでの問題がリーディング問題となっている。このため、N+1からN+Mまでの問題番号には、問題画面データのみが関連付けられる。例えば、問題番号1が選択された場合、電子辞書1は、出題制御情報22に基づいて、問1の画面データを表示部132に表示させるとともに、音声1の音声データを再生して出力する。また、例えば、問題番号N+1が選択された場合、電子辞書1は、出題制御情報22に基づいて、問N+1の画面データを表示部132に表示させ、音声は出力しない。
【0033】
なお、出題制御情報22は、出題時の、表示部132の表示及び音声出力部140による音声出力の制御に関する情報を含むものであればよく、図4に例示した形式とは異なる形式の情報であってもよい。例えば、問題画面データは、1つの画面データに複数の問題が含まれており、選択された問題を含む画面データにおける選択された問題の部分が表示部132内の所定位置(例えば最上部)に表示されるようになっていてもよい。
【0034】
図5は、第1の実施形態に係る電子辞書で行われる処理の流れを説明するフローチャートである。図5には、電子辞書1で行われる処理のうちの、英語の検定試験に関する問題集のコンテンツを実行して1つの問題に対する解答が入力されるまでの処理の流れの一例を示している。
【0035】
英語の検定試験に関する問題集のコンテンツを選択し、実行すると、電子辞書1は、まず、表示部132に大問選択画面を表示し(ステップS1)、大問を選択したか否かを判定する(ステップS2)。ステップS1は、制御部100の表示処理部102が行う。大問選択画面は、例えば、問題集のコンテンツに含まれる問題を出題形式や種別により分類した大問の選択を受け付ける画面である。例えば、TOEICに関する問題集のコンテンツの場合、大問選択画面には、Part1からPart7までの7つの大問と対応した選択ボタンが表示される。ステップS2は、例えば、制御部100の判定部103が行う。判定部103は、例えば、位置検出部131によるタッチした位置の検出結果、又はキー入力部102により受け付けた入力操作に基づいて、大問を選択する操作が行われたか否かを判定する。大問を選択する操作が行われていない場合(ステップS2;NO)、判定部103は、ステップS2の判定を繰り返す。
【0036】
大問を選択する操作が行われると(ステップS2;YES)、電子辞書1は、次に、選択された大問がリスニング問題の大問であるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の判定は、例えば、判定部103が行う。
【0037】
リスニング問題の大問が選択された場合(ステップS3;YES)、電子辞書1は、表示部132に問題選択画面と再生待ち時間設定画面とを表示し(ステップS4)、再生待ち時間の設定が完了したか否かを判定する(ステップS5)。再生待ち時間は、選択されたリスニング問題の問題画面を表示部132に表示してから、そのリスニング問題に関する音声データの再生を開始するまでの待ち時間である。ステップS4は、表示制御部102が行う。表示制御部102は、例えば、選択された大問に属する問題番号を含む問題選択画面の上に再生待ち時間設定画面を重ねた表示画面を表示部132に表示させる。ステップS5の判定は、判定部103が行う。判定部103は、例えば、位置検出部131によるタッチした位置の検出結果、又はキー入力部102により受け付けた入力操作に基づいて、再生待ち時間を設定する操作及び設定を完了する操作が行われたか否かを判定する。再生待ち時間の設定が完了していない場合(ステップS5;NO)、判定部103は、ステップS5の判定を繰り返す。
【0038】
再生待ち時間の設定が完了した場合(ステップS5;YES)、電子辞書1は、例えば、再生待ち時間設定画面を非表示にし、問題を選択したか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6の判定は、判定部103が行う。判定部103は、例えば、位置検出部131によるタッチした位置の検出結果、又はキー入力部102により受け付けた入力操作に基づいて、問題を選択する操作が行われたか否かを判定する。問題を選択していない場合(ステップS6;NO)、判定部103は、ステップS6の判定を繰り返す。
【0039】
問題を選択すると(ステップS6;YES)、電子辞書1は、表示部132に選択されたリスニング問題の問題画面を表示し(ステップS7)、設定された再生待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS8)。ステップS7は、表示制御部102が行う。表示制御部102は、例えば、出題形式情報22において、選択されたリスニング問題の番号と関連付けられた問題の画面データを表示部132に表示させる。ステップS8の判定は、判定部103が行う。判定部103は、例えば、問題画面を表示してからの経過時間が、設定された再生待ち時間に到達したか否かを判定する。判定部103は、例えば、問題画面を表示したときに再生待ち時間のタイマを起動し、このタイマがタイムアウトしたか否かを判定してもよい。再生待ち時間が経過していない場合(ステップS8;NO)、判定部103は、ステップS8の判定を繰り返す。
【0040】
再生待ち時間が経過すると(ステップS8;YES)、電子辞書1は、例えば、出題形式情報22において、選択されたリスニング問題の番号と関連付けられた音声データを再生する(ステップS9)。ステップS9は、音声再生処理部104が行う。音声再生処理部104は、リスニング問題が選択された後、所定のタイミングで選択されたリスニング問題の番号と関連付けられた音声データを取得する。そして、再生待ち時間が経過すると、音声再生処理部104は、取得した音声データを再生し、音声出力部140(スピーカ6、又はイヤフォン端子7に接続されたイヤフォン)に音声を出力させる。
【0041】
音声データを再生した後、電子辞書1は、選択されたリスニング問題に対する解答が入力されたか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13の判定は、例えば、判定部103が行う。判定部103は、例えば、位置検出部131によるタッチした位置の検出結果、又はキー入力部102により受け付けた入力操作に基づいて、解答を入力する操作が行われたか否かを判定する。解答を入力していない場合(ステップS13;NO)、判定部103は、ステップS13の判定を繰り返す。解答が入力されると(ステップS13;YES)、電子辞書1は、選択された1つの問題に対する処理を終了する。
【0042】
これに対し、大問選択画面から選択された大問がリスニング問題ではない場合(ステップS3;NO)、電子辞書1は、表示部132に、選択された大問に属する非リスニング問題(例えば、リーディング問題)を選択する問題選択画面を表示し(ステップS10)、問題を選択したか否かを判定する(ステップS11)。ステップS10は、表示処理部102が行う。表示処理部102は、選択された大問に属する問題番号を含む問題選択画面を表示部132に表示させる。ステップS11の判定は、判定部103が行う。判定部103は、例えば、位置検出部131によるタッチした位置の検出結果、又はキー入力部102により受け付けた入力操作に基づいて、問題を選択する操作が行われたか否かを判定する。問題を選択していない場合(ステップS11;NO)、判定部103は、ステップS11の判定を繰り返す。
【0043】
問題を選択すると(ステップS11;YES)、電子辞書1は、表示部132に選択された問題の問題画面を表示し(ステップS12)、選択された非リスニング問題に対する解答が入力されたか否かを判定する(ステップS13)。解答が入力されると(ステップS13;YES)、電子辞書1は、選択された1つの問題に対する処理を終了する。
【0044】
なお、図5のフローチャートに沿った処理の途中で、コンテンツを終了する操作(例えば、メニュー画面やコンテンツを選択する画面に戻る操作等)が行われた場合、電子辞書1は、このコンテンツを終了する操作が行われた時点で、図5のフローチャートに沿った処理を終了し、行われた操作と関連付けられた画面を表示部132に表示する。
【0045】
また、選択された1つの問題に対する解答が入力され、この選択された1つの問題に対する処理を終了した後、電子辞書1は、例えば、次の問題の問題画面を続けて表示し、この次の問題に対する解答の入力を受け付けてもよい。この場合、電子辞書1は、例えば、次の問題がリスニング問題である場合には、ステップS7~S9及びS13を行い、次の問題が非リスニング問題である場合には、ステップS12及びS13を行う。また、電子辞書1は、選択された1つの問題に対する解答が入力された後、その問題を含む大問の問題選択画面、又は入力された解答の正誤判定の画面等を表示部132に表示させてもよい。
【0046】
図5のフローチャートに沿った処理が行われる間に表示部132に表示される画面の遷移と音声が再生されるタイミングとの具体例を、図6及び図7を参照しながら説明する。
【0047】
図6は、電子辞書における画面遷移の一例を説明する図である。図7は、リスニング問題が選択されたときの音声が再生されるタイミングを説明する図である。
【0048】
英語の検定試験に関する問題集のコンテンツが選択されると、電子辞書1の表示部132には、例えば、図6に示したような大問選択画面30が表示される(ステップS1)。図6に例示した大問選択画面30には、Part1からPart7までの7つの大問のそれぞれと対応する選択ボタン31~37が表示されている。また、図6に例示した大問選択画面30には、Part1からPart4までの4つの大問がリスニング問題であり、Part5からPart7までの3つの大問がリーディング問題(非リスニング問題)であることが示されている。リスニング問題であるPart1からPart4までの4つの大問は、それぞれ、問題の種別(例えば、問題の出題方法と解答方法との組み合わせ、問題文の長さ、問題の難易度等)が異なる。リーディング問題であるPart5からPart7までの3つの大問は、それぞれ、問題の種別(例えば、問題の出題方法と解答方法との組み合わせ、問題文の長さ、問題の難易度等)が異なる。
【0049】
大問選択画面30内の7つの大問選択ボタン31~37のうちのリスニング問題の大問選択ボタンの1つ(例えば、Part3の大問選択ボタン33)を押下する操作を、電子辞書1の利用者が行うと、表示部132には、例えば、Part3の問題を選択する問題選択画面41上に再生待ち時間設定画面42が重なった表示画面40が表示される(ステップS4)。図6に例示した再生待ち時間設定画面42では、再生待ち時間のことを先読み時間と表記している。再生待ち時間(先読み時間)は、例えば、0秒から十数秒(又は数十秒)まで1秒単位で設定することができる。再生待ち時間設定画面42で再生待ち時間(先読み時間)を設定すると、再生待ち時間設定画面42が非表示となり、表示部132に表示された問題選択画面41から問題番号を選択することができるようになる。図6に例示した問題選択画面41は、問32から問52までの21問のなかから問題を選択することができるようになっているが、利用者は、所定の操作を行うことにより、選択可能な問題番号の範囲を変更することができる。
【0050】
電子辞書1の利用者が、問題選択画面41から問題番号を選択すると、表示部132には、選択した問題番号の問題画面が表示される。例えば、図6に例示された問題選択画面41が表示部132に表示された状態で、利用者が問32を選択すると、選択した問32の問題画面が表示部132に表示され、問32の問題と関連付けられた音声が出力される。従来の電子辞書では、リスニング問題を選択する操作を行うと、選択した問題の問題画面を表示部132に表示させるタイミングとほぼ同じタイミングで、選択した問題と関連付けられた音声データの再生を開始する。このため、従来の電子辞書でリスニング問題を選択して解く場合、問題画面が表示部132に表示されるのとほぼ同じタイミングで、音声の出力が開始される。
【0051】
これに対し、本実施形態の電子辞書1では、上記のように、再生待ち時間設定画面42を利用して、選択されたリスニング問題が表示されてからそのリスニング問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの待ち時間を設定することができる。このため、本実施形態の電子辞書1では、図7に例示したように、リスニング問題を選択し、問題画面50が表示されてから設定した待ち時間が経過した後、音声の出力が開始される。このように、本実施形態の電子辞書1では、キー入力部120又は位置検出部131により選択された問題に関連付けられた音声データがある場合に、設定された待ち時間に基づいて、音声データの音声を音声出力部140に出力させるタイミングを制御することができる。これにより、本実施形態に係る電子辞書1の利用者は、問題画面50が表示されてから音声が出力されるまでの期間に、選択した問題の内容や解答の選択肢等の問題文51を先読みすることができる。先読みをすることにより、電子辞書1の利用者は、例えば、出力される音声のどの部分を注意して聞き取ればよいかを音声が出力される前に推測することができる。このような問題の先読みは、リスニング問題を効率よく解くための方法の1つとして、実際に行われる検定試験においても行われていることである。したがって、本実施形態の電子辞書1を利用することにより、実際に行われる検定試験と同様の環境でリスニング問題を解くことができる。
【0052】
また、本実施形態の電子辞書1では、キー入力部120又はタッチパネル5を利用して、所定の時間範囲内で再生待ち時間を自由に設定することができる。このため、例えば、利用者が自身の英文を読む速度に応じて再生待ち時間を段階的に短くして、問題を先読みする速度を向上させる練習をすること等ができる。
【0053】
なお、再生待ち時間を設定するタイミングは、上述したリスニング問題が選択されたときに限らず、適宜変更可能である。例えば、再生待ち時間は、電子辞書1において実行中の問題集のコンテンツに関する設定画面内で設定することが可能であってもよい。
【0054】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、選択されたリスニング問題の種別毎に再生待ち時間を予め定めておく例を説明する。本実施形態に係る電子辞書1の機能構成及びハードウェア構成は、第1の実施形態で説明した機能構成(図2参照)及びハードウェア構成と同じでよい。
【0055】
図8は、第2の実施形態に係る電子辞書で利用する出題制御情報の一例を示す図である。
【0056】
図8に例示した出題制御情報23は、第1の実施形態で図4を参照して説明した出題制御情報22の代替情報であり、大問を識別する情報、問題番号を識別する情報、問題画面データを識別する情報、音声データを識別する情報、及び再生待ち時間を含む。本実施形態に係る出題制御情報23の問題番号を識別する情報、問題画面データを識別する情報、及び音声データを識別する情報は、それぞれ、図4を参照して説明した出題制御情報22の問題番号を識別する情報、問題画面データを識別する情報、及び音声データを識別する情報と同じである。
【0057】
出題制御情報23の大問を識別する情報は、問題集のコンテンツに含まれる問題の種別を識別する情報であり、例えば、図6に例示した大問選択画面30と対応するPart1からPart7までの7つの大問を含む。問題番号を識別する情報のそれぞれは、7つの大問のうちのいずれか1つの大問と関連付けられる。
【0058】
出題制御情報23の再生待ち時間は、第1の実施形態で説明したように、リスニング問題の問題画面を表示してから、このリスニング問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの待ち時間である。図8に例示した出題制御情報23では、大問毎に再生待ち時間が予め設定されており、例えば、大問Part1に含まれるリスニング問題を選択した場合の再生待ち時間は5秒に設定されている。この再生待ち時間は、例えば、大問毎の問題の種別(例えば、問題画面に表示される1問当たりの問題文の文字数等)や、英文を読む速さの平均値等に基づいて設定される。このように、問題の種別に基づいて予め再生待ち時間を設定した場合、第1の実施形態で説明した再生待ち時間を設定する処理を省略して、問題画面の表示及び音声の出力を行うことが可能になる。
【0059】
図9は、第2の実施形態に係る電子辞書で行われる処理の流れを説明するフローチャートである。図9には、電子辞書1で行われる処理のうちの、英語の検定試験に関する問題集のコンテンツを実行して1つの問題に対する解答が入力されるまでの処理の流れの一例を示している。
【0060】
英語の検定試験に関する問題集のコンテンツを選択し、実行すると、電子辞書1の表示部132(タッチパネル5)には、例えば、図6に例示したような大問選択画面30が表示される。電子辞書1の利用者が大問を選択する操作を行うと、電子辞書1は、表示部132に問題選択画面を表示し(ステップS21)、問題を選択したか否かを判定する(ステップS22)。ステップS21は、制御部100の表示処理部102が行う。問題選択画面は、例えば、図6を参照して説明した問題選択画面41のように、選択した大問に属する問題の問題番号を含む。ステップS22は、例えば、制御部100の判定部103が行う。判定部103は、例えば、位置検出部131によるタッチした位置の検出結果、又はキー入力部102により受け付けた入力操作に基づいて、問題を選択する操作が行われたか否かを判定する。問題を選択する操作が行われていない場合(ステップS22;NO)、判定部103は、ステップS22の判定を繰り返す。
【0061】
問題を選択する操作が行われると(ステップS22;YES)、電子辞書1は、次に、選択された問題がリスニング問題であるか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23の判定は、例えば、判定部103が行う。判定部103は、例えば、図8に例示した出題制御情報23を利用し、選択された問題の番号と関連付けられた音声データの有無に基づいて、リスニング問題であるか否かを判定する。
【0062】
リスニング問題が選択された場合(ステップS23;YES)、電子辞書1は、選択した問題の番号と関連付けられた再生待ち時間を取得し(ステップS24)、表示部132に問題画面を表示する(ステップS25)。ステップS24は、例えば、判定部103が行い、ステップS25は、表示処理部102が行う。ステップS24とステップS25とは、処理の順序が逆であってもよいし、並列に行われてもよい。
【0063】
問題画面を表示した後、電子辞書1は、再生待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS26)。ステップS26の判定は、判定部103が行う。ステップS26の判定は、第1の実施形態において図5を参照して説明したステップS8の判定と対応する。再生待ち時間が経過していない場合(ステップS26;NO)、判定部103は、ステップS26の判定を繰り返す。
【0064】
再生待ち時間が経過すると(ステップS26;YES)、電子辞書1は、例えば、出題制御情報23において、選択されたリスニング問題の番号と関連付けられた音声データを再生する(ステップS27)。ステップS27は、音声再生処理部104が行う。ステップS27は、第1の実施形態において図5を参照して説明したステップS9と対応する。
【0065】
音声データを再生した後、電子辞書1は、選択されたリスニング問題に対する解答が入力されたか否かを判定する(ステップS29)。ステップS29の判定は、例えば、判定部103が行う。ステップS29の判定は、第1の実施形態において図5を参照しながら説明したステップS13の判定と対応する。解答が入力されると(ステップS29;YES)、電子辞書1は、選択された1つの問題に対する処理を終了する。
【0066】
これに対し、問題選択画面から選択された問題がリスニング問題ではない場合(ステップS23;NO)、電子辞書1は、表示部132に、選択された問題の問題画面を表示し(ステップS28)、選択された問題に対する解答が入力されたか否かを判定する(ステップS29)。解答が入力されると(ステップS29;YES)、電子辞書1は、選択された1つの問題に対する処理を終了する。
【0067】
なお、図9のフローチャートに沿った処理の途中で、コンテンツを終了する操作(例えば、メニュー画面やコンテンツを選択する画面に戻る操作等)が行われた場合、電子辞書1は、このコンテンツを終了する操作が行われた時点で、図9のフローチャートに沿った処理を終了し、行われた操作と関連付けられた画面を表示部132に表示する。
【0068】
また、選択された1つの問題に対する解答が入力され、この選択された1つの問題に対する処理を終了した後、電子辞書1は、例えば、次の問題の問題画面を続けて表示し、この次の問題に対する解答の入力を受け付けてもよい。この場合、電子辞書1は、例えば、解答が入力された後、問題の番号を次の問題の番号に変更(すなわち1を加算)し、ステップS23の判定に戻る。
【0069】
このように、本実施形態の電子辞書1では、利用者がリスニング問題を選択したときに、利用者に再生待ち時間の設定を求めることなく、問題画面が表示されてから所定の再生待ち時間が経過した後で音声データを再生することができる。また、再生待ち時間を問題の種別が異なる大問毎に設定することにより、選択した問題の種別(例えば、出題方法と解答方法との組み合わせ、問題文の長さ、問題の難易度等)に応じた、問題の先読みに適したタイミングで音声データの再生を開始し、音声を出力することができる。このため、本実施形態の電子辞書1の利用者は、問題を解く練習中に再生待ち時間を設定することなく、実際に行われる検定試験により近い環境でリスニング問題を解くことができる。
【0070】
なお、本実施形態に係る出題制御情報23は、図8に例示した構成に限らず、適宜変更可能である。例えば、出題制御情報23における再生待ち時間は、大問毎に限らず、問題毎に個別に設定されていてもよい。
【0071】
また、本実施形態に係る電子辞書1は、出題制御情報23に含まれる再生待ち時間を初期値とし、電子辞書1の利用者が所望の再生待ち時間に変更可能であってもよい。このようにすることで、例えば、出題制御情報23に含まれる再生待ち時間では問題文を読み終えることができない場合には再生待ち時間を長くし、問題文を読み終えてから音声を聞き取り、解答するという練習を行うことができる。また、例えば、出題制御情報23に含まれる再生待ち時間が利用者にとって長すぎる場合には再生待ち時間を短くし、問題文を読み終えてから音声が出力されるまでの待ち時間を短縮することができ、リスニング問題を解く練習を効率よく行うことができる。
【0072】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、電子辞書1で実行する問題集のコンテンツが、問題選択画面において複数の問題を選択し、選択した複数の問題を連続して解くことが可能なコンテンツである場合に、電子辞書1で行われる処理の例を説明する。本実施形態に係る電子辞書1の機能構成及びハードウェア構成は、第1の実施形態で説明した機能構成(図2参照)及びハードウェア構成と同じでよい。
【0073】
図10は、第3の実施形態に係る電子辞書で行われる処理の流れを説明するフローチャートである。図10には、電子辞書1で行われる処理のうちの、英語の検定試験に関する問題集のコンテンツを実行して選択した問題に対する解答の入力が完了するまでの処理の流れの一例を示している。また、電子辞書1が実行する問題集のコンテンツは、第2の実施形態で説明した出題制御情報23を含むコンテンツであるとする。
【0074】
英語の検定試験に関する問題集のコンテンツを選択し、実行すると、電子辞書1の表示部132(タッチパネル5)には、例えば、図6に例示したような大問選択画面30が表示される。電子辞書1の利用者が大問を選択する操作を行うと、電子辞書1は、表示部132に問題選択画面を表示し(ステップS41)、問題の選択を受け付ける(ステップS42)。ステップS41は、制御部100の表示制御部102が行い、ステップS42は、制御部100の図2には示していない受付部が行う。ステップS41で表示される問題選択画面は、例えば、選択完了のボタンを含む。ステップS42の処理は、画面内の問題を選択する操作をした後、選択完了のボタンを押すことで終了する。
【0075】
問題の選択を受け付ける処理が終了すると、電子辞書1は、次に、選択された問題が1問であるか、複数問(2問以上)であるかを判定する(ステップS43)。複数問である場合(ステップS43;複数問)、電子辞書1は、選択された問題を大問別にソートし(ステップS44)、選択された問題の出題順序を決定する。ステップS44は、例えば、制御部100の図2には示していないソート部が行う。ステップS44では、例えば、選択された複数の問題を問題番号が小さい順に並べ替え、大問毎にグループ化する。
【0076】
選択された問題が1問である場合(ステップS43;1問)、又はステップS44の処理が終了した後、電子辞書1は、変数nの値を1に設定し(ステップS45)、選択された問題についての、出題及び解答の入力の受付を行う。
【0077】
電子辞書1は、まず、n問目がリスニング問題であるか否かを判定する(ステップS46)。ステップS46の判定は、判定部103が行う。判定部103は、例えば、出題制御情報23において、n問目の問題の問題番号に音声データが関連付けられているか否かに基づいて、リスニング問題であるか否かを判定する。
【0078】
n問目がリスニング問題である場合(ステップS46;YES)、電子辞書1は、次に、再生待ち時間を取得し(ステップS47)、表示部132に問題画面を表示する(ステップS48)。ステップS47及びS48は、それぞれ、第2の実施形態において図9を参照して説明したステップS24及びS25と対応する。n問目の問題(リスニング問題)の問題画面を表示した後、電子辞書1は、再生待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS49)。再生待ち時間が経過すると(ステップS49;YES)、電子辞書1は、音声データを再生する(ステップS50)。ステップS49及びS50は、それぞれ、第2の実施形態において図9を参照して説明したステップS26及びS27と対応する。音声データを再生した後、電子辞書1は、n問目の問題に対する解答が入力されたか否かを判定する(ステップS52)。ステップS52の判定は、第2の実施形態において図9を参照して説明したステップS29と対応する。
【0079】
これに対し、n問目がリスニング問題ではない場合(ステップS46;NO)、電子辞書1は、n問目の問題の問題画面を表示し(ステップS51)、n問目の問題に対する解答が入力されたか否かを判定する(ステップS52)。
【0080】
n問目の問題に対する解答が入力されると(ステップS52;YES)、電子辞書1は、次の問題があるか否かを判定する(ステップS53)。ステップS53の判定は、判定部103が行う。判定部103は、例えば、ステップS42で選択された問題のなかに、解答が未入力の問題(言い換えると、問題画面を表示していない問題)がある場合に、次の問題があると判定する。次の問題がある場合(ステップS53;YES)、電子辞書1は、変数nに1を加算し(ステップS54)、ステップS46の判定を行う。次の問題がない場合(ステップS53;NO)、電子辞書1は、選択された問題に対する解答の入力を受け付ける処理を終了する。
【0081】
なお、図10のフローチャートに沿った処理の途中で、コンテンツを終了する操作(例えば、メニュー画面やコンテンツを選択する画面に戻る操作等)が行われた場合、電子辞書1は、このコンテンツを終了する操作が行われた時点で、図10のフローチャートに沿った処理を終了し、行われた操作と関連付けられた画面を表示部132に表示する。
【0082】
このように、本実施形態の電子辞書1では、複数の問題を選択して出題及び解答の入力の受付を連続して行う場合に、選択された複数の問題の出題順を大問毎に並べ替えて問題の出題順序を決定する。このため、複数のリスニング問題が選択された場合に、大問(再生待ち時間)が同じリスニング問題の組毎に出題することができる。したがって、番号順に問題を選択していない場合でも、大問毎に問題を解くことができる。よって、例えば、出題されたリスニング問題に対する再生待ち時間の長さを気にしながら問題を解く練習をすることによる学習効率の低下を防ぐことができる。
【0083】
なお、本実施形態に係る電子辞書1を利用して問題集のコンテンツの問題を解く場合、電子辞書1が行う処理は、図10のフローチャートに沿った処理に限らず、適宜変更可能である。例えば、解答が入力されたリスニング問題と、次に問題画面を表示するリスニング問題とで、再生待ち時間が異なる場合には、次の問題画面を表示するときに、再生待ち時間が変わることを利用者に報知してもよい。これにより、電子辞書1の利用者は、音声が出力されるタイミングを考慮して問題を先読みすることができ、例えば、予期せぬタイミングで音声が出力されることによる音声の聞き取りのミスを防ぐこと等ができる。報知の方法は任意であり、例えば、具体的な再生待ち時間を表示部132に表示する方法であってもよいし、再生待ち時間と関連付けられる大問を示す情報(文字列)を表示部132に表示する方法であってもよい。
【0084】
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、第1の実施形態から第3の実施形態で説明した再生待ち時間の設定方法とは異なる再生待ち時間の設定方法を説明する。
【0085】
図11は、第4の実施形態に係る出題制御情報の第1の例を示す図である。
【0086】
図11に例示した出題制御情報24は、大問を識別する情報、問題番号を識別する情報、音声再生時間、再生待ち時間の初期値、及び平均解答時間を含む。図11には示していないが、出題制御情報24は、第1の実施形態から第3の実施形態で説明した問題画面データを識別する情報、及び音声データを識別する情報を含んでもよい。
【0087】
出題制御情報24の大問を識別する情報、問題番号を識別する情報、及び再生待ち時間の初期値は、それぞれ、第2の実施形態において図8を参照して説明した出題制御情報23の大問を識別する情報、問題番号を識別する情報、及び再生待ち時間と対応する。
【0088】
出題制御情報24の音声再生時間は、問題(の番号)と関連付けられた音声データを再生して標準スピードで出力したときの音声の時間長である。出題制御情報24の平均解答時間は、問題(の番号)と関連付けられた問題画面を表示してから解答が入力されるまでの時間の平均である。平均解答時間は、例えば、電子辞書1の利用者が問題を解いたときに導出した、問題画面を表示してから解答が入力されるまでの時間に基づいて算出する。
【0089】
リスニング問題を解くときに第1の実施形態で説明した先読みを行う場合、例えば、先読みした問題文の内容から出力される音声の内容を推測することができる。このため、先読みを行うことにより、音声の聞き取りを効率よく行うことができ、例えば、音声の出力が終了してから解答を入力するまでの時間を短くすることができる。
【0090】
図11に例示した出題制御情報24における問題番号1の問題は、音声再生時間が3秒であり、再生待ち時間の初期値が5秒である。このため、再生待ち時間の初期値を利用して問題番号1の問題を解く場合、問題画面を表示した5秒後に音声の出力が開始され、3秒の音声が出力される。したがって、音声を聞き取った後で解答を入力する場合、問題画面を表示してから解答の入力が完了するまでの解答時間は、最短で約8秒となる。
【0091】
しかしながら、英文の読み取りに慣れていない初心者等は、再生待ち時間である5秒間で問題文を読み終えることができないことがある。再生待ち時間内に問題文を読み終えることができなかった場合、音声を聞き取った後で、再び問題文を読まなければならないため、音声の出力が終了してから解答の入力が完了するまでの時間(すなわち、問題画面を表示してから解答の入力が完了するまでの解答時間)が長くなる。例えば、図11に例示した出題制御情報24において問題番号1と関連付けられた平均解答時間は13秒であり、音声の再生が終了してから解答の入力が完了するまでの時間はおよそ5秒である。
【0092】
このため、第2の実施形態及び第3の実施形態で説明した電子辞書1は、例えば、図11に例示した出題制御情報24の平均解答時間を利用し、再生待ち時間を初期値とは異なる時間にすることが可能であってもよい。例えば、音声再生時間と再生待ち時間の初期値との和を平均解答時間から減算した値が閾値以上である場合には、再生待ち時間を長くする。閾値は、音声の出力が終了してから解答の入力を完了するまでに要する時間を考慮して設定する(例えば、2秒)。
【0093】
図11に例示した出題制御情報24では、問題番号1と関連付けられた平均解答時間は13秒であり、音声再生時間と再生待ち時間の初期値との和(8秒)を減算した値は5秒である。このため、閾値が2秒に設定されている場合、次に問題番号1の問題を選択して解くときには、再生待ち時間を初期値(5秒)よりも長くする。
【0094】
一方、図11に例示した出題制御情報24では、問題番号32と関連付けられた平均解答時間は14秒であり、音声再生時間と再生待ち時間の初期値との和(13秒)を減算した値は1秒である。このため、閾値が2秒に設定されている場合、次に問題番号32の問題を選択して解くときには、再生待ち時間を初期値(8秒)とする。
【0095】
このように、平均解答時間を利用して再生待ち時間を設定することにより、電子辞書1の利用者の能力(習熟度)や問題の種別毎の得意・不得意に応じた、利用者に適した再生待ち時間で、リスニング問題を解く練習をすることができる。
【0096】
なお、再生待ち時間の初期値は、適宜変更可能であり、更に、特定の1つの値に限らず、利用者の習熟度に応じて変更可能であってもよい。
【0097】
図12は、第4の実施形態に係る出題制御情報の第2の例を示す図である。
【0098】
図12に例示した出題制御情報25は、大問を識別する情報、問題番号を識別する情報、及び再生待ち時間の初期値を含む。図12には示していないが、出題制御情報25は、第1の実施形態から第3の実施形態で説明した問題画面データを識別する情報、及び音声データを識別する情報を含んでもよい。更に、出題制御情報25は、図11の出題制御情報24に示された音声再生時間、及び平均解答時間を含んでもよい。
【0099】
出題制御情報25の大問を識別する情報、及び問題番号を識別する情報は、それぞれ、第2の実施形態において図8を参照して説明した出題制御情報23の大問を識別する情報、及び問題番号を識別する情報と対応する。
【0100】
出題制御情報25の再生待ち時間の初期値は、利用者の習熟度を初心者、中級者、及び上級者の3段階に分類し、習熟度毎に異なる値に設定されている。英文(問題文)を読む速さは、一般に、習熟度が高くなるにつれて(すなわち、初心者、中級者、上級者の順に)速くなる。このため、各問題の再生待ち時間の初期値は、上級者、中級者、初心者の順で長くする。図12の出題制御情報25では、大問毎に、初心者、中級者、及び上級者の再生待ち時間が設定されており、設定された時間の組み合わせが異なる。
【0101】
このように、習熟度に応じて長さが異なる再生待ち時間の初期値を設定することにより、利用者は、自身の習熟度に応じた再生待ち時間で、リスニング問題を解く練習を効果的に行うことができる。
【0102】
なお、図11を参照して説明した出題制御情報24、又は図12を参照して説明した出題制御情報25を利用する電子辞書1は、例えば、第1の実施形態で説明したように、利用者の操作により所望の再生待ち時間に設定することが可能であってもよい。
【0103】
また、図12を参照して説明した出題制御情報25を利用する電子辞書1は、例えば、平均解答時間、音声再生時間、及び設定されている再生待ち時間に基づいて、習熟度を自動的に変更することが可能であってもよい。例えば、習熟度を中級者としてリスニング問題を解く練習をしているときに、音声再生時間と設定されている再生待ち時間との和を平均解答時間から減算した値が閾値以上である場合、電子辞書1は、習熟度を初心者に変更して再生待ち時間を長くしてもよい。習熟度を中級者としてリスニング問題を解く練習をしているときに、音声再生時間と設定されている再生待ち時間との和を平均解答時間から減算した値が閾値とほぼ同じである場合には、例えば、電子辞書1は、習熟度を上級者に変更して再生待ち時間を短くしてもよい。
【0104】
また、本実施形態で説明したように平均解答時間を利用して再生待ち時間を変更する場合、例えば、再生待ち時間を変更する前に、推奨待ち時間として利用者に報知(例えば、表示部132に表示)し、変更するか否かを利用者に判断させてもよい。このようにすることで、例えば、利用者が意図的に、先読みの正確性を向上させるために再生待ち時間が長い状態で練習を続けることや、先読みの速さを向上させるために再生待ち時間を短くした状態で練習を続けること等が可能になる。
【0105】
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。情報処理装置、制御方法、及びプログラムは、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0106】
例えば、上述した実施形態で例示した電子辞書1の機能構成は、図2に示した構成に限らず、適宜変更可能である。例えば、電子辞書1の制御部100における検索部101、表示制御部102、判定部103、及び音声再生処理部104のうちの1つ以上は、上述した処理とは異なる処理を実施する機能を含んでもよい。また、電子辞書1の制御部100は、検索部101、表示制御部102、判定部103、及び音声再生処理部104とは別の処理を実施する機能ブロックが含まれていてもよい。更に、電子辞書1の制御部100は、検索部101、表示制御部102、判定部103、及び音声再生処理部104のうちの複数の機能ブロックが1つの機能ブロックとして統合されていてもよい。
【0107】
また、本発明に係る情報処理装置は、上述した実施形態で例示した電子辞書1に限らず、問題集のコンテンツを実行する専用の装置であってもよい。更に、本発明に係る情報処理装置は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、及びその他の形態のコンピュータ等の、問題集のコンテンツを実行可能な汎用コンピュータであってもよい。汎用コンピュータを情報処理装置として利用する場合、問題集のコンテンツにおける問題画面データ20、音声データ21、並びに出題制御情報(上述した出題制御情報22、23、24、及び25のいずれか、又はいくつかを組み合わせた情報)のうちの1つ以上は、情報処理装置(汎用コンピュータ)と通信可能に接続される外部装置に格納されてもよい。また、汎用コンピュータに問題集のコンテンツを実行させるプログラムは、上述した実施形態で説明した処理をそのまま含むものに限らず、上述した実施形態で説明した処理と同様の処理結果が得られるものであればよい。
【0108】
また、上述した実施形態では、選択された問題の画像を表示部132に表示させることが可能な電子辞書1を情報処理装置として例示したが、情報処理装置は、これに限らず、選択された問題に関連付けられた音声を出力することが可能な装置であればよい。例えば、情報処理装置は、選択された問題の画像を表示するための機能が省略されていてもよい。問題の画像を表示するための機能が省略された情報処理装置では、例えば、再生待ち時間を示す情報を音声で出力し、利用者に報知してもよい。
【0109】
また、上述した実施形態で例示した英語の検定試験に関する問題集のコンテンツは、再生待ち時間を設定することが可能なコンテンツの一例に過ぎない。上述した実施形態で説明した再生待ち時間を設定することが可能なコンテンツは、日本語を含む他の言語の検定試験に関する問題集のコンテンツであってもよい。更に、音声データが関連付けられる問題は、上述した検定試験等の問題集の問題に限らず、例えば、英会話等のコンテンツにおける第1の言語(例えば、日本語)での例文等であってもよい。
【0110】
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
入力部と、
音声を出力する音声出力部と、
前記入力部により選択された問題に関連付けられた音声データがある場合に、前記選択された問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの待ち時間を示す情報に基づいて、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるタイミングを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
[付記2]
付記1に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記問題が選択されてから前記待ち時間が経過した後、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させる
ことを特徴とする情報処理装置。
[付記3]
付記1又は2に記載の情報処理装置において、
前記待ち時間は、前記入力部により入力される情報に基づいて変更可能である
ことを特徴とする情報処理装置。
[付記4]
付記1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置において、
前記音声データが関連付けられる前記問題は、音声を聞き取って解答する問題である
ことを特徴とする情報処理装置。
[付記5]
付記4に記載の情報処理装置において、
前記入力部により、音声を聞き取って解答する問題であって種別が異なる複数の問題のなかから、1つ以上の問題を選択可能であり、
前記待ち時間は、前記問題の種別毎に設定されている
ことを特徴とする情報処理装置。
[付記6]
付記5に記載の情報処理装置において、
前記問題の種別は、問題の出題方法と解答方法との組み合わせ、問題文の長さ、及び問題の難易度のうちの1つ以上によって分類されている
ことを特徴とする情報処理装置。
[付記7]
付記4~6のいずれか1つに記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記入力部により2つ以上の問題が選択された場合に、選択された前記2つ以上の問題を前記問題の種別毎にグループ化してそれらの問題の出題順序を決定し、決定した前記出題順序で、前記問題と関連付けられた前記音声データの前記音声を前記音声出力部に出力させ、前記入力部により解答の入力を受け付ける処理を行う
ことを特徴とする情報処理装置。
[付記8]
付記7に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記入力部により前記解答の入力を受け付けた後、次の問題の種別が前記解答の入力を受け付けた問題の種別と異なる場合には、前記次の問題と関連付けられた前記音声データの再生を開始する前に、前記次の問題における前記待ち時間を示す情報を出力する
ことを特徴とする情報処理装置。
[付記9]
付記4~8のいずれか1つに記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記音声出力部による前記音声の出力が終了してから、前記入力部により解答が入力されるまでの解答時間に基づいて、前記解答が入力された問題に対する前記待ち時間を設定する
ことを特徴とする情報処理装置。
[付記10]
付記9に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記待ち時間を設定する前に、前記待ち時間を出力する
ことを特徴とする情報処理装置。
[付記11]
付記4~10のいずれか1つに記載の情報処理装置において、
1つの前記問題と関連付けられた前記音声データの音声の出力に対する前記待ち時間を示す情報が複数の待ち時間を含み、
前記制御部は、前記複数の待ち時間のうちの選択された待ち時間に基づいて、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるタイミングを制御する
ことを特徴とする情報処理装置。
[付記12]
付記1~11のいずれか1つに記載の情報処理装置において、
画像を表示する表示部を更に備え、
前記制御部は、前記問題の画像を前記表示部に表示させてから前記待ち時間が経過した後、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させる
ことを特徴とする情報処理装置。
[付記13]
入力部と、音声を出力する音声出力部と、を備えた情報処理装置が、
前記入力部により選択された問題に関連付けられた音声データがある場合に、前記選択された問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの待ち時間を示す情報に基づいて、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるタイミングを制御する
ことを特徴とする制御方法。
[付記14]
入力部と、音声を出力する音声出力部と、を備えた情報処理装置に、
前記入力部により選択された問題に関連付けられた音声データがある場合に、前記選択された問題に関連付けられた音声データの再生を開始するまでの待ち時間を示す情報に基づいて、前記音声データの音声を前記音声出力部に出力させるタイミングを制御する
処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0111】
1 電子辞書
2、3 筐体
4 キー
5 タッチパネルディスプレイ
6 スピーカ
7 イヤフォン端子
8 マイク
100 制御部
101 検索部
102 表示処理部
103 判定部
104 音声再生処理部
110 記憶部
111、112 記憶領域
120 キー入力部
131 位置検出部
132 表示部
140 音声出力部
150 収音部
20 画面データ
20a 選択画面データ
20b 問題画面データ
21、21a、21b 音声データ
22、23、24、25 出題制御情報
30 大問選択画面
31、32、33、34、35、36、37 大問選択ボタン
40 表示画面
41 問題選択画面
42 再生待ち時間設定画面
50 問題画面
51 問題文
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12