(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】金属遮光板の多面付形成体
(51)【国際特許分類】
G03B 9/02 20210101AFI20241106BHJP
【FI】
G03B9/02 A
(21)【出願番号】P 2020138562
(22)【出願日】2020-08-19
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】西辻 清明
(72)【発明者】
【氏名】島村 槙一
(72)【発明者】
【氏名】相澤 弘康
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-015815(JP,A)
【文献】特開2007-003839(JP,A)
【文献】特開2010-134159(JP,A)
【文献】特開2003-198314(JP,A)
【文献】特開2006-072151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 9/02
G02B 7/02
G03B 11/04
G03B 17/02
H04N 23/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属遮光板の多面付形成体において、中心に開口部を有する金属遮光板とその周囲の金属基材との
間に支持部を有し、前記支持部は、金属基材の圧延方向に
備えられ、前記金属遮光板と前記金属基材とは、前記支持部のみにより接続されていることを特徴とする金属遮光板の多面付形成体。
【請求項2】
前記開口部は、前記金属遮光板を厚さ方向に貫通しており前記厚さ方向における中間部において最も直径が小さく、前記厚さ方向における一方の面に、前記中間部よりも直径の大きい大孔を有していることを特徴とする
請求項1に記載の金属遮光板の多面付形成体。
【請求項3】
前記開口部は、前記厚さ方向における前記大孔と反対の面に、
前記大孔よりも直径の小さい小孔を有することを特徴とする請求項2に記載の金属遮光板の多面付形成体。
【請求項4】
圧延方向に隣接する複数の前記金属遮光板とその周囲の前記金属基材との
間の前記支持部の幅が圧延方向で互いに重なる範囲に位置することを特徴とする
請求項1~3のいずれかに記載の金属遮光板の多面付形成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラの絞りとして使用される金属遮光板に関する。更に詳しくは、金属遮光板が金属基材に多面付形成された金属遮光板の多面付形成体に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラには、光量を調節し、適切な露光強度を得る為の絞りという部品が使用されている。
【0003】
一眼レフカメラやデジタルカメラのレンズ系には多くのレンズの他に、開口部の大きさを変更する事により、明るさや焦点深度を調整する可動絞りと、不要な光などを遮断するなどの目的で固定絞りが使用されている。
スマートフォンやパーソナルコンピュータなどに使用される小型カメラモジュールにおいても、固定絞りが使用される場合がある。
【0004】
固定絞りには、加工の容易さから樹脂製の遮光板が使用されて来た(例えば、特許文献1参照)が、樹脂製の遮光板では、遮光性能が十分では無かったため、金属遮光板が注目されている。
【0005】
金属遮光板は表面に微細凹凸構造や黒色塗料層および反射防止層といった反射防止部を形成することで、表面の反射を抑える(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
金属遮光板の製造方法としては、樹脂製の遮光板と同様に金属基材を金型で打抜く方法が考えられる。しかし、物理的な力の加わる打抜く方法では、金属遮光板に歪みや破損を発生させる恐れがあるため好ましくない。そこで、薬液等による化学的処理金属基材を腐食させ、所望の金属遮光板の形状を形成できるエッチングによる方法が好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-8786号公報
【文献】国際公開第2016/060198号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
金属遮光板は、金属基材などをフォトリソグラフィ法によりエッチングすることにより製造することが好ましい。遮光板は通常、円形の遮光板の中心部に開口部を備えている。そのような形状の遮光板を金属基材で製造するためには、金属基材に金属遮光板の開口部や外径をかたどる開口形状に対応したエッチングが施される箇所を複数配置した状態(多面付けした状態)でエッチングする。これにより、中心の開口部を形成するのと同時に円形の外径の形成も行われる。エッチングする際に、金属基材から金属遮光板が切り離されて脱落してしまう恐れがある。そのため、金属基材のエッチングされない部分と金属遮光板との間にブリッジと呼ばれる支持部を形成することで、金属遮光板が脱落しないようにする。
【0009】
金属遮光板が多面付けされた金属基材は、搬送のため種々の回転するロール上を通過する。その通過の際、金属遮光板が回転するロールから力を受ける。ロールの回転する力により金属遮光板がストレスを受け、ブリッジが支持できなくなり、金属遮光板が脱落してしまうおそれがある。
【0010】
上記の事情に鑑み、本発明は、中心に開口部を有する金属遮光板が多面付けされた金属基材において、搬送のときに、金属遮光板が脱落することを抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一の態様は、金属遮光板の多面付形成体において、中心に開口部を有する金属遮光板とその周囲の金属基材との間に支持部を有し、支持部は、金属基材の圧延方向に備えられ、金属遮光板と金属基材とは、支持部のみにより接続されていることを特徴とする金属遮光板の多面付形成体である。
【0013】
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様において、開口部が金属遮光板を厚さ方向に貫通しており厚さ方向における中間部において最も直径が小さく、厚さ方向における一方の面に、中間部よりも直径の大きい大孔を有していることを特徴とする金属遮光板の多面付形成体である。
【0014】
本発明の第三の態様は、本発明の第二の態様において、厚さ方向における大孔と反対の面に、大孔よりも直径の小さい小孔を有することを特徴とする金属遮光板の多面付形成体である。
【0015】
本発明の第四の態様は、本発明の第一の態様乃至第三の態様において、圧延方向に隣接する複数の金属遮光板とその周囲の金属基材との間の支持部の幅が圧延方向で互いに重なる範囲に位置することを特徴とする金属遮光板の多面付形成体である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の金属遮光板の多面付形成体によれば、金属遮光板が多面付けされた金属基材において、搬送時に金属遮光板が脱落することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の金属遮光板の多面付形成体を例示する説明図。
【
図2】本発明の金属遮光板の多面付形成体を例示する説明図。
【
図3】本発明の金属遮光板の多面付形成体を例示する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第一の実施形態>
本発明の金属遮光板の多面付形成体の第一の実施形態を、
図1を用いて説明する。
本発明の金属遮光板の多面付形成体20の第一の実施形態は、金属基材2に金属遮光板10の中心の開口部1および外径をかたどる開口形状に対応したエッチングが施される箇所を複数配置した状態(多面付けした状態)でエッチングすることで形成される(
図1(a))。
【0020】
金属遮光板10とその周囲の金属基材2との間には、外径をかたどる開口形状により形作られる一対の第一の支持部3が、金属基材2の圧延方向4と一致する方向に備えられている(
図1(b))。
【0021】
金属基材2の圧延方向4と一致する方向における金属基材2の機械的強度は、圧延していない方向の機械的な強度より強くなる。本発明は、この現象を応用している。即ち、金属基材2の圧延方向4と一致する方向における金属基材2の機械的強度が、その他の方向における金属基材2の機械的強度より強い。そのため、金属遮光板1において、金属基材2の圧延方向4と一致する方向に備えられた第一の支持部3は、金属基材2に金属遮光板10の開口部や外径をかたどる開口形状に対応したエッチングが施される箇所を複数配置した状態(多面付けした状態)でエッチングする際に、金属遮光板10が金属基材2から脱落することを防ぐことができる。
【0022】
金属遮光板10が多面付けされた金属基材2は、搬送のため種々の回転するロール上を通過する。その通過の際、金属遮光板10の第一の支持部3が金属基材2の圧延方向4と一致する方向に備えられていることにより、ロールの回転する力が作用する方向である搬送方向と圧延方向4が一致する。圧延方向4は圧延しない方向よりも機械的強度が高い。そのため、ロールの回転する力により金属遮光板2がストレスを受けた場合にも、第一の支持部3が金属遮光板10を支持しやすくなるため、金属遮光板10が脱落することを抑制することができる。
【0023】
<第二の実施形態>
本発明の金属遮光板の多面付形成体の第二の実施形態は、
図2に示したように、第一の実施形態の金属遮光板の多面付形成体の金属遮光板10において、金属基材2の圧延方向4と一致する方向に備えられた第一の支持部3だけでなく、金属基材2の圧延方向に直交する方向に第二の支持部6が備えられている。
【0024】
このように、金属遮光板10が多面付けされた金属基材2は、金属基材2の圧延方向4と一致する方向の第一の支持部3と、金属基材2の圧延方向に直交する方向の第二の支持部6によって、金属遮光板10が支持されている。そのため、第一の実施形態における場合より強固に支持されている。よって、金属基材2に金属遮光板10の開口部1や外径をかたどる開口形状に対応したエッチングが施される箇所を複数配置した状態(多面付けした状態)でエッチングする際に、金属遮光板10が金属基材2から脱落することをより防ぐことができる。
【0025】
金属遮光板10が多面付けされた金属基材2は、搬送のため種々の回転するロール上を通過する。その通過の際、金属遮光板10の第一の支持部3が金属基材2の圧延方向4と一致する方向に備えられていることにより、ロールの回転する力が作用する方向である搬送方向と圧延方向4が一致する。圧延方向4は圧延しない方向よりも機械的強度が高い。また、第二の支持部6が圧延方向4に直交する方向に備えられていることにより、ロールの回転する力と直交する方向に捻りが加わって作用する場合に対しても機械的強度が高くなる。そのため、ロールの回転する力により金属遮光板2がストレスを受けた場合にも、第一の支持部3が金属遮光板10を支持しやすくなるため、金属遮光板10の脱落や変形を抑制することができる。
【0026】
<第三の実施形態>
本発明の金属遮光板の多面付形成体の第三の実施形態は、
図3に例示したように、第一の実施形態の第一の支持部3、若しくは、第二の実施形態の第二の支持部6、またはそれらの両方に、非貫通のエッチング部5が備えられた第一の支持体3´や第二の支持体6´が形成されている。
【0027】
第一の支持体3´や第二の支持体6´であれば、切断面が小さくなるため、金属遮光板10を金属基材2と切断することが容易となる。また、切断の際に生じる金属くずを低減できる。切断方法は接触または非接触の公知の方法で構わない。レーザーによる切断であれば、金属遮光板10の変形やバリが抑制できるため好ましい。
【0028】
(遮光板)
遮光板は、光を遮る板状体である。本発明の金属遮光板10は金属基材2を使用している。金属遮光板10の表面は光を吸収し、反射を防ぐため、黒色に加工することが好ましい。更に、表面の光沢を無くした艶消し面であっても良い。
【0029】
(開口部)
開口部1は、透過する光量を調整するために、金属遮光板10の中心に形成された開口部である。開口部1の形状は、透過する光量を調整することが可能であれば、特に限定されない。例えば、可変絞りの様に正多角形であっても良いし、円形であっても良い。
【0030】
開口部1は、一方の面に大孔を形成していることが好ましい。大孔により金属遮光板10に入射する外光のうち、斜め方向から入射する不要な外光を反射させて遮ることが可能となるため、金属遮光板10がカメラに組み込まれた際にゴーストやフレアを抑制することができる。大孔は大孔側の金属基材の表面から金属基材の厚みが次第に先細る曲線的な側面を有した形状(すり鉢状、お椀状)であることにより、深い角度から入射する不要な外光を反射させて効果的に遮ることが可能となる。
【0031】
開口部1は、大孔が形成された方と反対の面に小孔を形成していることが好ましい。金属基材2にエッチングにより小孔を形成した後、小孔を保護膜で覆い、反対面からエッチングをすることで大孔を形成する。エッチングが小孔の保護膜に到達した後、エッチングは保護膜により制御され、大孔を精度よく形成することが可能となる。そのため、金属遮光板10がカメラに組み込まれた際にゴーストやフレアをより抑制することができる。小孔は小孔側の金属基材の表面から金属基材の厚みが次第に先細る曲線的な側面を有した形状(すり鉢状、お椀状)であってよい。この場合、大孔を精度よく形成しやすくなる。小孔側の金属基材の表面と大孔側の金属基材の表面から金属基材の厚みが次第に先細る曲線的な側面を有した形状(すり鉢状、お椀状)とが繋がる形状であってもよい。この場合、小孔側の金属基材の表面から金属基材の厚みが次第に先細る曲線的な側面が最小化されるため、大孔に深い角度から入射する不要な外光を反射させて遮る効果が非常に高い。
ここで、大孔とは、開口部1の表裏面の開口部のうち、一方の開口部の直径より大きい方の開口部を大孔と称する。また、小孔とは、開口部1の表裏面の開口部のうち、一方の開口部の直径より小さい方の開口部を小孔と称する。なお、直径とは開口部を表裏面から拡大して観察した際のそれぞれの開口部の最大径を意味する。
【0032】
(金属基材)
金属基材2は、要求特性に応じて選定すれば良い。金属基材2として使用可能な一般的な材料としては、ステンレス鋼、炭素工具鋼鋼材(SK材)、チタン、アルミニウム、銅などからなる金属基材を挙げることができる。
【0033】
上記以外の金属基材の材料としては、金属遮光板10は、例えば、鉄-ニッケル系合金製であってもよいし、鉄-ニッケルコバルト系合金製であってもよい。
鉄-ニッケル系合金の熱膨張係数は、ステンレス鋼の熱膨張係数よりも小さい。そのため、鉄-ニッケル系合金製の遮光板は、外気温の変化に伴う変形が小さく、これによって、外気温の変化に伴う外光の入射量における変化を抑えることができる。なお、外光の入射量とは、金属遮光板10を通じてレンズに入射する外光の入射量である。それゆえに、金属遮光板10が鉄-ニッケル系合金によって形成されることは、外光の入射量における変化に伴うゴーストやフレアの抑制に有効である。
なお、鉄-ニッケル系合金は、鉄とニッケルとを主成分とし、かつ、例えば、30質量%以上のニッケルと、残余分としての鉄を含む合金である。鉄-ニッケル合金のなかでも、36質量%のニッケルを含む合金、すなわちインバーが、金属遮光板10を形成するための材料として好ましい。インバーにおいて、36質量%のニッケルに対する残余分は、主成分である鉄以外の添加物を含む場合がある。添加物は、例えば、クロム、マンガン、炭素、および、コバルトなどである。鉄-ニッケル合金に含まれる添加物は、最大でも1質量%以下である。
鉄-ニッケルコバルト系合金の熱膨張係数は、鉄-ニッケル系合金の熱膨張係数よりも小さい。そのため、鉄-ニッケルコバルト系合金製の遮光板は、外気温の変化に伴う変形がより小さく、これによって、外気温の変化に伴う外光の入射量における変化をより抑えることができる。それゆえに、金属遮光板10が鉄-ニッケルコバルト系合金によって形成されることは、外光の入射量における変化に伴うゴーストやフレアの抑制にさらに有効である。
なお、鉄-ニッケルコバルト系合金は、鉄-ニッケル、および、コバルトを主成分とし、かつ、例えば、30質量%以上のニッケル、3質量%以上のコバルト、および、残余分としての鉄を含む合金である。鉄-ニッケルコバルト系合金のなかでも、32質量%のニッケルと4質量%以上5質量%以下のコバルトを含む合金、すなわちスーパーインバーが、金属遮光板10を形成するための材料として好ましい。スーパーインバーにおいて、32質量%のニッケル、および、4質量%以上5質量%以下のコバルトに対する残余分は、主成分である鉄以外の添加物を含む場合がある。添加物は、例えば、クロム、マンガン、および、炭素などである。鉄-ニッケルコバルト合金に含まれる添加物は、最大でも0.5質量%以下である。
このように、金属遮光板10が、鉄-ニッケル系合金製、または、鉄-ニッケルコバルト系合金製である場合には、以下の効果を得ることができる。
外気温の変化に伴う金属遮光板10の変形を抑えることができ、これによって、外気温の変化に伴う外光の入射量における変化を抑えることができる。それゆえに、外光の入射量における変化に伴うゴーストやフレアの発生を抑えることができる。
【0034】
(支持部)
第一の支持部3、第一の支持体3´および第二の支持部6、第二の支持体6´は、金属遮光板10とその周囲の金属基材2との間に備えられ、金属遮光板10の外径をかたどる開口形状により形作られる。第一の支持部3、第一の支持体3´は、金属基材2の圧延方向4と一致する方向に設けられていることが好ましい。第二の支持部6、第二の支持体6´は金属基材2の圧延方向4に直交する方向に設けられていることが好ましい。
【0035】
金属遮光板10が多面付けされた金属基材2は、搬送のため種々の回転するロール上を通過する。その通過の際、金属遮光板10の第一の支持部3が金属基材2の圧延方向4と一致する方向に備えられていることにより、ロールの回転する力が作用する方向である搬送方向と圧延方向4が一致する。圧延方向4は圧延しない方向よりも機械的強度が高い。そのため、ロールの回転する力により金属遮光板2がストレスを受けた場合にも、第一の支持体3が金属遮光板10を支持しやすくなるため、金属遮光板10が脱落することを抑制することができる。
【0036】
また、第二の支持部6が圧延方向4に直交する方向に備えられていることにより、ロールの回転する力と直交する方向に捻りが加わって作用する場合に対しても機械的強度が高くなる。そのため、ロールの回転する力により金属遮光板2がストレスを受けた場合にも、第一の支持体3が金属遮光板10を支持しやすくなるため、金属遮光板10の脱落や変形を抑制することができる。
【0037】
金属遮光板10が多面付けされた金属基材2は、圧延方向に隣接する複数の金属遮光板とその周囲の金属基材との間の第一の支持部3が圧延方向の第一の支持部3の幅が圧延方向で互いに重なる範囲に位置することが好ましい。金属遮光板10を金属基材2から切断する際、切断位置が略同一位置に配置されていることにより、レーザー等の切断装置の位置合わせの手間を省くことができるため、より短い時間で正確な切断が可能となる。また、切断面の形状を揃えやすくなるため、均質な製造が可能となる。
【0038】
金属遮光板10が多面付けされた金属基材2は、圧延方向に直交する方向に隣接する複数の金属遮光板とその周囲の金属基材との間の第二の支持部6が圧延方向と直交する方向の第二の支持部6の幅が圧延方向に直交する方向で互いに重なる範囲に位置することが好ましい。金属遮光板10を金属基材2から切断する際、切断位置が略同一位置に配置されていることにより、レーザー等の切断装置の位置合わせの手間を省くことができるため、より短い時間で正確な切断が可能となる。また、切断面の形状を揃えやすくなるため、均質な製造が可能となる。
【0039】
金属遮光板10が多面付けされた金属基材2は、第一の支持部および第一の支持体の幅が、第二の支持部および第二の支持体の幅よりも広いことが好ましい。第一の支持部および第一の支持体の幅の方が狭い場合、搬送のとき、ロールの回転する力が作用する方向に対する機械的強度が弱くなるため、金属遮光板10の脱落を招くおそれがある。また、第二の支持部および第二の支持体の幅の方が広い場合、切断に余計な時間を要する結果を招くだけでなく、金属クズが発生するおそれが高くなる。
【符号の説明】
【0040】
1・・・開口部
2・・・金属基材
3・・・第一の支持部
3´・・・第一の支持体
4・・・金属基板の圧延方向
5・・・非貫通のエッチング部
6・・・第二の支持部
6´・・・第二の支持体
10・・・金属遮光板
20・・・金属遮光板の多面付形成体