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特許7581755在庫管理装置、在庫管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】在庫管理装置、在庫管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20241106BHJP
   G16Y 40/35 20200101ALI20241106BHJP
【FI】
G06Q10/087
G16Y40/35
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020169588
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2022061583
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】朴 ジュヨン
(72)【発明者】
【氏名】山田 慎太郎
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-186318(JP,A)
【文献】特表2016-511392(JP,A)
【文献】特開2013-054627(JP,A)
【文献】特開平08-194740(JP,A)
【文献】特開2019-152934(JP,A)
【文献】特開2015-184997(JP,A)
【文献】特開2002-128278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 40/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店内で調理した後に陳列棚に陳列される店内調理商品に関する情報であって、前記陳列棚に補充された個数及び日時を示す補充情報を取得する補充情報取得手段と、
前記店内調理商品の販売状況を示す販売情報を取得する販売情報取得手段と、
前記補充情報と前記販売情報とに基づき、前記店内調理商品の在庫状況を管理する在庫状況管理手段と、
同じ商品に紐付けて設置された顧客用電子棚札及び店員用電子棚札各々に情報を出力させる出力手段と、
を有し、
前記出力手段は、
在庫数が基準数以下になった前記店内調理商品に紐付けられた前記店員用電子棚札に第1のアラート情報を出力させ
前記店内調理商品が新たに補充されたタイミングで、前記顧客用電子棚札に販促情報を出力させる在庫管理装置。
【請求項2】
前記基準数は時間帯毎に定められており、
前記出力手段は、前記在庫数が現在時刻の前記基準数以下になった前記店内調理商品に紐付けて設置された前記店員用電子棚札に前記第1のアラート情報を出力させる請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記店員用電子棚札を介した前記第1のアラート情報の出力を開始したタイミングからの経過時間に応じて、前記店員用電子棚札に出力させる前記第1のアラート情報の内容を変更する請求項1又は2に記載の在庫管理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記店内調理商品が他の時間帯に比べて多く売れる販売増時間帯になったタイミング、又は前記販売増時間帯になる所定時間前のタイミングで、前記店員用電子棚札に第2のアラート情報を出力させる請求項1から3のいずれか1項に記載の在庫管理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記店内調理商品が他の時間帯に比べて多く売れる販売増時間帯に基づき特定される第1の時間帯において、前記在庫数が前記基準数以下になっている前記店内調理商品に紐付けて設置された前記店員用電子棚札に第2のアラート情報を出力させる請求項1から3のいずれか1項に記載の在庫管理装置。
【請求項6】
記出力手段は、
複数の前記店内調理商品の前記在庫数が前記基準数以下になっている場合、前記在庫数が前記基準数以下になっている複数の前記店内調理商品の中で調理の優先順位を決定し、決定した前記優先順位を前記店員用電子棚札に出力させる請求項1から5のいずれか1項に記載の在庫管理装置。
【請求項7】
記出力手段は、
前記在庫数が前記基準数以下になっている複数の前記店内調理商品各々の利益、販売価格、販売実績、及び前記在庫数が前記基準数以下になったタイミングの少なくとも1つに基づき、前記優先順位を決定する請求項6に記載の在庫管理装置。
【請求項8】
前記在庫状況管理手段は、前記陳列棚に補充された日時からの経過時間が陳列上限時間に達した前記店内調理商品を検出し、
前記出力手段は、前記陳列棚に補充された日時からの経過時間が前記陳列上限時間に達した前記店内調理商品に紐付けて設置された前記店員用電子棚札に第3のアラート情報を出力させる請求項1から7のいずれか1項に記載の在庫管理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
店内で調理した後に陳列棚に陳列される店内調理商品に関する情報であって、前記陳列棚に補充された個数及び日時を示す補充情報を取得し、
前記店内調理商品の販売状況を示す販売情報を取得し、
前記補充情報と前記販売情報とに基づき、前記店内調理商品の在庫状況を管理し、
同じ商品に紐付けて設置された顧客用電子棚札及び店員用電子棚札各々に情報を出力させ、
前記情報の出力において、
在庫数が基準数以下になった前記店内調理商品に紐付けられた前記店員用電子棚札に第1のアラート情報を出力させ、
前記店内調理商品が新たに補充されたタイミングで、前記顧客用電子棚札に販促情報を出力させる在庫管理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
店内で調理した後に陳列棚に陳列される店内調理商品に関する情報であって、前記陳列棚に補充された個数及び日時を示す補充情報を取得する補充情報取得手段、
前記店内調理商品の販売状況を示す販売情報を取得する販売情報取得手段、
前記補充情報と前記販売情報とに基づき、前記店内調理商品の在庫状況を管理する在庫状況管理手段、
同じ商品に紐付けて設置された顧客用電子棚札及び店員用電子棚札各々に情報を出力させる出力手段、
として機能させ、
前記出力手段は、
在庫数が基準数以下になった前記店内調理商品に紐付けられた前記店員用電子棚札に第1のアラート情報を出力させ
前記店内調理商品が新たに補充されたタイミングで、前記顧客用電子棚札に販促情報を出力させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫管理装置、在庫管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術が、特許文献1乃至3に開示されている。
【0003】
特許文献1は、店舗で販売されているおでんの在庫を管理し、おでんの陳列器の近くに設置されたタブレット端末を介して、おでんを補充すべきであることを使用者に通知したり、補充すべき個数を通知したり、準備時間を考慮して通知するタイミングを決定したりする技術を開示している。
【0004】
特許文献2は、商品の在庫数が必要最小個数以下になったら仕上指示を出力し、在庫管理している商品の仕上時刻からの経過時間が所定時間を超えると廃棄指示を出力する技術を開示している。
【0005】
特許文献3は、陳列棚の近くに設置されたサイネージ端末に、「総菜が出来立て」、「弁当が半額」等の情報を表示させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-152934号公報
【文献】特開平8-249543号公報
【文献】特開2013-254363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示の技術に基づき、店内で調理した後に陳列される店内調理商品の適切な補充タイミングを店員に通知することで、販売機会逸失等の不都合を抑制できる。しかし、特許文献1に開示の技術のように1つの出力端末に複数の商品の情報を出力する場合、その出力端末から出力される情報の数や種類が多くなる。このため、出力された内容の理解に時間を要したり、出力された内容を誤認識したり、一部の情報を見落としたりするという問題が発生し得る。特許文献1乃至3は、当該問題及びその解決手段を記載していない。
【0008】
本発明は、店内で調理した後に陳列棚に陳列される店内調理商品に関する情報を、店員が理解しやすいように出力することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、
店内で調理した後に陳列棚に陳列される店内調理商品に関する情報であって、前記陳列棚に補充された個数及び日時を示す補充情報を取得する補充情報取得手段と、
前記店内調理商品の販売状況を示す販売情報を取得する販売情報取得手段と、
前記補充情報と前記販売情報とに基づき、前記店内調理商品の在庫状況を管理する在庫状況管理手段と、
在庫数が基準数以下になった前記店内調理商品に紐付けられた電子棚札に第1のアラート情報を出力させるアラート手段と、
を有する在庫管理装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
店内で調理した後に陳列棚に陳列される店内調理商品に関する情報であって、前記陳列棚に補充された個数及び日時を示す補充情報を取得し、
前記店内調理商品の販売状況を示す販売情報を取得し、
前記補充情報と前記販売情報とに基づき、前記店内調理商品の在庫状況を管理し、
在庫数が基準数以下になった前記店内調理商品に紐付けられた電子棚札に第1のアラート情報を出力させる在庫管理方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
店内で調理した後に陳列棚に陳列される店内調理商品に関する情報であって、前記陳列棚に補充された個数及び日時を示す補充情報を取得する補充情報取得手段、
前記店内調理商品の販売状況を示す販売情報を取得する販売情報取得手段、
前記補充情報と前記販売情報とに基づき、前記店内調理商品の在庫状況を管理する在庫状況管理手段、
在庫数が基準数以下になった前記店内調理商品に紐付けられた電子棚札に第1のアラート情報を出力させるアラート手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、店内で調理した後に陳列棚に陳列される店内調理商品に関する情報を、店員が理解しやすいように出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の在庫管理装置の概要を説明するための図である。
図2】本実施形態の顧客用電子棚札の設置例を説明するための図である。
図3】本実施形態の店員用電子棚札の設置例を説明するための図である。
図4】本実施形態の在庫管理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図5】本実施形態の在庫管理装置の機能ブロック図の一例である。
図6】本実施形態の在庫管理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図7】本実施形態の在庫管理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図8】本実施形態の在庫管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態の在庫管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】本実施形態の在庫管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】本実施形態の在庫管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】本実施形態の在庫管理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図13】本実施形態の在庫管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
<第1の実施形態>
「概要」
本実施形態の在庫管理装置10は、店内調理商品を販売する店舗で利用される。店内調理商品は、店内で調理した後に陳列棚に陳列され、販売される商品である。店内調理商品の一例としては、コロッケ、唐揚げ、焼き鳥、おでん、肉まん、あんまん等が例示されるが、これらに限定されない。店内調理商品を販売する店舗は、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、飲食店等が例示されるが、これらに限定されない。
【0016】
在庫管理装置10は、店内調理商品の在庫状況を管理し、当該状況に応じて店内調理商品の補充を促すアラート情報を出力する機能を有する。そして、本実施形態では、店内調理商品毎に電子棚札が設置され、この電子棚札にアラート情報が出力される。すなわち、第1の店内調理商品を補充するアラート情報は、第1の店内調理商品に紐付けられた電子棚札に出力される。このような本実施形態の構成によれば、店員は、どの電子棚札にアラート情報が出力されているかに基づき、どの店内調理商品の補充が必要かを直感的に把握することができる。
【0017】
「全体像」
次に、図1を用いて、本実施形態のシステムの全体像を説明する。図示するように、本実施形態のシステムは、在庫管理装置10と、店員用端末20と、POS(point of sales)システム30と、店員用電子棚札40と、顧客用電子棚札50とを有する。
【0018】
まず、在庫管理装置10は、店員用端末20から補充情報を取得する。店員用端末20は、店員が操作する端末であり、ハンディーターミナル、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等が例示されるが、これらに限定されない。補充情報は、補充された店内調理商品の識別情報、補充された個数、補充された日時等を含む。店員は、店内調理商品を陳列棚に補充したタイミングで、その補充に関する補充情報を店員用端末20に入力する。店員用端末20は、入力に応じて、その補充情報を在庫管理装置10に送信する。その他、店員用端末20は、予め定められた所定時間毎に、前回の送信タイミングから今回の送信タイミングまでに入力された補充情報を在庫管理装置10にまとめて送信してもよい。
【0019】
また、在庫管理装置10は、POSシステム30から販売情報を取得するように構成される。販売情報は、店内調理商品の販売状況を示す。販売情報は、販売された店内調理商品の識別情報、販売個数、販売日時等を含む。例えば、POSシステム30は、店内調理商品を販売した旨が自システムに登録されたことに応じて、その内容を示す販売情報を在庫管理装置10に送信してもよい。その他、POSシステム30は、予め定められた所定時間毎に、前回の送信タイミングから今回の送信タイミングまでに登録された販売内容を示す販売情報を在庫管理装置10に送信してもよい。
【0020】
在庫管理装置10は、店員用端末20から取得した補充情報及びPOSシステム30から取得した販売情報に基づき、複数の店内調理商品各々の在庫状況(陳列棚に残っている在庫数等)を管理する。
【0021】
そして、在庫管理装置10は、在庫数が基準数以下になった店内調理商品に紐付けられた店員用電子棚札40に、補充を促す第1のアラート情報を出力させる。店員用電子棚札40は、店員に向けた情報を出力する電子棚札である。店内調理商品毎に店員用電子棚札40が設置される。
【0022】
また、在庫管理装置10は、顧客用電子棚札50に、販促情報等の各種情報を出力させる。例えば、第1の店内調理商品が新たに補充されたタイミングで、「出来立て。アツアツで美味しいよ。」等の販促情報が出力されてもよい。顧客用電子棚札50には、商品名や価格等のその他の情報が出力されてもよい。顧客用電子棚札50は、顧客に向けた情報を出力する電子棚札である。店内調理商品毎に顧客用電子棚札50が設置される。
【0023】
なお、店員用電子棚札40と顧客用電子棚札50は、型番等が一致する同一の電子棚札であってもよいし、型番等が異なる異種の電子棚札であってもよい。
【0024】
「店員用電子棚札40と顧客用電子棚札50の設置例」
上述の通り、本実施形態では、顧客に向けた情報を出力する顧客用電子棚札50とは別に、店員に向けた情報を出力する店員用電子棚札40が設けられる。店員用電子棚札40と顧客用電子棚札50とは、物理的及び論理的に分かれた別の電子棚札である。
【0025】
図2及び図3に、店員用電子棚札40及び顧客用電子棚札50の設置の一例を示す。図示する陳列棚60は、例えばレジカウンター等に設置される。図2は、レジカウンターの外側から陳列棚60を観察した様子を示す。この場合、陳列棚60の表面側が観察される。図示するように、陳列棚60の表面には、各店内調理商品に紐付けて顧客用電子棚札50が設置される。図示する例では、6種類の店内調理商品各々に紐付けて、6個の顧客用電子棚札50が設置されている。
【0026】
図3は、レジカウンターの内側から陳列棚60を観察した様子を示す。この場合、陳列棚60の裏面側が観察される。店員は、陳列棚60の裏面に設けられた扉を開いて、店内調理商品の補充や取り出しを行う。図示するように、陳列棚60の裏面には、各店内調理商品に紐付けて店員用電子棚札40が設置される。図示する例では、6種類の店内調理商品各々に紐付けて、6個の店員用電子棚札40が設置されている。
【0027】
なお、図2及び図3に示す例はあくまで一例であり、店員用電子棚札40及び顧客用電子棚札50の設置の仕方はこれに限定されない。例えば、店員用電子棚札40と顧客用電子棚札50とを隣同士に並べて設置してもよいし、その他の手法で設置してもよい。
【0028】
「ハードウエア構成」
次に、在庫管理装置10のハードウエア構成の一例を説明する。図4は、在庫管理装置10のハードウエア構成例を示す図である。在庫管理装置10が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0029】
図4に示すように、在庫管理装置10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。在庫管理装置10は周辺回路4Aを有さなくてもよい。
【0030】
なお、在庫管理装置10は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよいし、物理的及び論理的に一体となった1つの装置で構成されてもよい。前者の場合、各装置が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0031】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0032】
「機能構成」
次に、在庫管理装置10の機能構成の一例を説明する。図5は、在庫管理装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、在庫管理装置10は、補充情報取得部11と、販売情報取得部12と、在庫状況管理部13と、記憶部14と、アラート部15戸を有する。
【0033】
補充情報取得部11は、店内調理商品に関する補充情報を店員用端末20から取得する。上述の通り、店員は、店内調理商品を陳列棚に補充したタイミングで、その補充に関する補充情報を店員用端末20に入力する。店員用端末20は、入力に応じて、その補充情報を在庫管理装置10に送信する。その他、店員用端末20は、予め定められた所定時間毎に、前回の送信タイミングから今回の送信タイミングまでに入力された補充情報を在庫管理装置10にまとめて送信してもよい。補充情報は、補充された店内調理商品の識別情報、補充された個数、補充された日時等を含む。
【0034】
販売情報取得部12は、店内調理商品の販売状況を示す販売情報をPOSシステム30から取得する。上述の通り、POSシステム30は、店内調理商品を販売した旨が自システムに登録されたことに応じて、その内容を示す販売情報を在庫管理装置10に送信してもよい。その他、POSシステム30は、予め定められた所定時間毎に、前回の送信タイミングから今回の送信タイミングまでに登録された販売内容を示す販売情報を在庫管理装置10に送信してもよい。販売情報は、店内調理商品の販売状況を示す。販売情報は、販売された店内調理商品の識別情報、販売個数、販売日時等を含む。
【0035】
在庫状況管理部13は、補充情報取得部11が取得した補充情報と、販売情報取得部12が取得した販売情報とに基づき、店内調理商品の在庫状況を管理する。ここで管理する情報は、「陳列棚に残っている在庫数」、「陳列棚に残っている在庫品各々を陳列棚に補充したタイミング」などである。
【0036】
例えば、在庫状況管理部13は、図6に示すような在庫情報を補充情報及び販売情報に基づき更新することで、上記在庫状況を管理してもよい。記憶部14が当該在庫情報を記憶する。
【0037】
図示する在庫情報は、商品識別情報と、商品名と、電子棚札番号と、在庫状況とが互いに紐付けられている。
【0038】
商品識別情報は、複数の店内調理商品を互いに識別するための情報であり、例えば商品コード等である。
商品名は、複数の店内調理商品各々の名称である。
電子棚札番号は、各店内調理商品に紐付けられている店員用電子棚札40及び顧客用電子棚札50の識別番号である。
【0039】
在庫状況は、各店内調理商品の在庫状況を示す情報である。補充タイミングと、各補充タイミングで補充された分の在庫数とが示されている。図示する「からあげジュー」の例の場合、2020年8月4日8時13分に補充された分は1個残っており、2020年8月4日11時52分に補充された分は3個残っていることが分かる。この時点での「からあげジュー」の在庫数は4個である。
【0040】
在庫状況管理部13は、補充情報及び販売情報に基づき当該情報を更新する。例えば、販売情報で「第1の店内調理商品、M個」の販売が示される場合、在庫状況管理部13は、第1の店内調理商品の在庫数からM個分を差し引く更新を行う。なお、在庫状況管理部13は、補充タイミングが古い分から優先的に在庫数を差し引く処理を行うことができる。
【0041】
また、補充情報で「第1の店内調理商品、N個、2020年8月4日13時12分(補充タイミング)」の補充が示される場合、在庫状況管理部13は、第1の店内調理商品の在庫数にN個分を追加する更新を行う。そして、在庫状況管理部13は、このN個分の在庫に、2020年8月4日13時12分の補充タイミングを紐付けて登録する。
【0042】
アラート部15は、各店内調理商品の在庫数と基準数との比較により、在庫数が基準数以下になった店内調理商品を検出する。そして、アラート部15は、在庫数が基準数以下になった店内調理商品に紐付けられた店員用電子棚札40に第1のアラート情報を出力させる。
【0043】
第1のアラート情報の出力により、「在庫数が基準数以下になっていること」を店員に通知することができる。例えば、店員用電子棚札40は、ディスプレイを備えてもよい。そして、アラート部15は、当該ディスプレイを介して、「商品を補充してください。」等の文章を第1のアラート情報として出力してもよい。また、アラート部15は、当該ディスプレイを介して、図形や写真等を含む第1のアラート情報を出力してもよい。その他、店員用電子棚札40がライトを備える場合、アラート部15は、第1のアラート情報として、当該ライトを点灯させたり、点滅させたりしてもよい。その他、店員用電子棚札40がスピーカを備える場合、アラート部15は、第1のアラート情報として、警告音を出力したり、「商品を補充してください。」等の文章を出力してもよい。
【0044】
なお、基準数は、店内調理商品毎に設定できてもよい。このようにすれば、各店内調理商品の売れ行きに応じた値を設定することができる。例えば、よく売れる店内調理商品の基準数は比較的大きい値とし、あまり売れない店内調理商品の基準数は比較的小さい値にすることができる。この場合、アラート部15は、各店内調理商品の在庫数と各店内調理商品の基準数との比較により、在庫数が基準数以下になった店内調理商品を検出する。
【0045】
また、基準数は時間帯毎に設定できてもよい。このようにすれば、各店内調理商品の時間帯毎の売れ行きに応じた値を設定することができる。例えば、よく売れる時間帯の基準数は比較的大きい値とし、あまり売れない時間帯の基準数は比較的小さい値にすることができる。この場合、アラート部15は、各店内調理商品の在庫数とその時(現在時刻)の基準数との比較により、在庫数が基準数以下になった店内調理商品を検出する。
【0046】
また、基準数は、図7に示すように、店内調理商品毎、かつ、時間帯毎に設定できてもよい。この場合、アラート部15は、各店内調理商品の在庫数と各店内調理商品のその時(現在時刻)の基準数との比較により、在庫数が基準数以下になった店内調理商品を検出する。
【0047】
次に、図8乃至図10のフローチャートを用いて、在庫管理装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0048】
図8は、店内調理商品の在庫状況を管理するための処理に関する。補充情報取得部11が新たな補充情報を取得すると(S10のYes)、在庫状況管理部13は当該補充情報に基づき、在庫情報(図6参照)を更新する(S12)。また、販売情報取得部12が新たな販売情報を取得すると(S11のYes)、在庫状況管理部13は当該販売情報に基づき、在庫情報(図6参照)を更新する(S12)。以降、同様の処理を繰り返す。
【0049】
図9は、在庫数が基準数以下になった店内調理商品を検出し、第1のアラート情報を出力する処理を開始させるまでの処理に関する。アラート部15は、各店内調理商品の在庫数と基準数との比較により、在庫数が基準数以下になった店内調理商品を検出する処理を行う(S20)。そして、在庫数が基準数以下になった店内調理商品を検出した場合(S20のYes)、アラート部15はアラート処理を開始する(S21)。
【0050】
図10は、第1のアラート情報を出力する処理に関する。図9のS21での開始制御に応じて、図10の処理が開始される。アラート部15は、図6に示す紐付情報等に基づき、在庫数が基準数以下の店内調理商品に紐付けられた店員用電子棚札40を特定する(S30)。そして、アラート部15は、特定した店員用電子棚札40に第1のアラート情報を出力させる信号を送信する(S31)。これに応じて、その店員用電子棚札40は第1のアラート情報の出力を開始する。
【0051】
その後、アラート部15は、アラート停止指令の取得を待つ(S32)。そして、アラート停止指令を取得すると(S32のYes)、アラート部15は、S30で特定した店員用電子棚札40に、第1のアラート情報の出力を停止させる信号を送信する(S33)。これに応じて、その店員用電子棚札40は第1のアラート情報の出力を停止する。
【0052】
アラート停止指令は、店員用電子棚札40を介した所定の入力(第1のアラート情報に気づいた店員が入力することを想定)であってもよい。その他、第1のアラート情報出力中の店内調理商品の新たな補充を示す補充情報が補充情報取得部11により取得されたことに応じて、在庫管理装置10はアラート停止指令を生成し、アラート部15に入力してもよい。
【0053】
「作用効果」
本実施形態の在庫管理装置10は、店内調理商品の在庫状況を管理する。そして、在庫管理装置10は、店内調理商品毎に設置された店員用電子棚札40に、各店内調理商品の補充を促す第1のアラート情報を出力させる。このような本実施形態の構成によれば、店員は、どの店内調理商品に紐付く店員用電子棚札40に第1のアラート情報が出力されているかに基づき、どの店内調理商品の補充が必要かを直感的に把握することができる。
【0054】
また、在庫管理装置10は、店内調理商品毎に設定された基準数と、各店内調理商品の在庫数との比較により、補充すべき店内調理商品を検出することができる。さらに、在庫管理装置10は、時間帯毎に設定された基準数と、各店内調理商品の在庫数との比較により、補充すべき店内調理商品を検出することができる。このように状況を細かく条件分けし、各条件下での商品の売れ行き等に応じた適切な基準数を設定することで、より適切なタイミングで商品の補充を促すことができる。
【0055】
<第2の実施形態>
本実施形態のアラート部15は、店員用電子棚札40を介した第1のアラート情報の出力を開始したタイミングからの経過時間に応じて、店員用電子棚札40に出力させる第1のアラート情報の内容を変更することができる。この第1のアラート情報の内容の変更により、店員に上記経過時間を認識させ、補充を催促することができる。
【0056】
例えば、アラート部15は、ディスプレイやスピーカを介して出力する文章の内容を、上記経過時間に応じて変更してもよい。一例として、最初は「商品を補充してください。」等の文章を出力し、上記経過時間が基準時間を超えると「急いで商品を補充してください。」等の文章に変更してもよい。
【0057】
その他、アラート部15は、ライトの表示形態を、上記経過時間に応じて変更してもよい。一例として、最初はライトを点灯させ、上記経過時間が基準時間を超えるとライトを点滅させてもよい。その他、ライトの色を上記経過時間に応じて変更してもよい。
【0058】
その他、アラート部15は、スピーカから出力される警告音を、上記経過時間に応じて変更してもよい。一例として、最初は「ピー」という音を出力させ、上記経過時間が基準時間を超えると「ピ、ピ、ピ」という音を出力させてもよい。
【0059】
ここで、図11のフローチャートを用いて、図9のS21での開始制御に応じて開始されるアラート処理の一例を説明する。
【0060】
アラート部15は、図6に示す紐付情報等に基づき、在庫数が基準数以下の店内調理商品に紐付けられた店員用電子棚札40を特定する(S50)。そして、アラート部15は、特定した店員用電子棚札40に第1のアラート情報を出力させる信号を送信する(S51)。これに応じて、その店員用電子棚札40は第1のアラート情報の出力を開始する。
【0061】
その後、アラート部15は、アラート停止指令の取得を待つ(S52)。アラート停止指令を取得しない間(S52のNo)、アラート部15は、第1のアラート情報を出力したタイミングからの経過時間を監視し、経過時間に応じて出力中の第1のアラート情報の内容を変更する処理を行う(S54)。
【0062】
そして、アラート停止指令を取得すると(S52のYes)、アラート部15は、S30で特定した店員用電子棚札40に、第1のアラート情報の出力を停止させる信号を送信する(S53)。これに応じて、その店員用電子棚札40は第1のアラート情報の出力を停止する。本実施形態のアラート停止指令は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0063】
在庫管理装置10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0064】
本実施形態の在庫管理装置10によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の在庫管理装置10によれば、店員用電子棚札40を介した第1のアラート情報の出力を開始したタイミングからの経過時間に応じて、店員用電子棚札40に出力させる第1のアラート情報の内容を変更することができる。この第1のアラート情報の内容の変更により、店員に上記経過時間を認識させ、補充を催促することができる。
【0065】
<第3の実施形態>
本実施形態のアラート部15は、店内調理商品が他の時間帯に比べて多く売れる販売増時間帯になったタイミング、又は販売増時間帯になる所定時間前のタイミングで、店員用電子棚札40に第2のアラート情報を出力させることができる。
【0066】
図12に示すように、予め、各店内調理商品の販売増時間帯を示す販売増時間帯情報が生成され、記憶部14に記憶されている。アラート部15は、当該販売増時間帯情報に基づき、各店内調理商品の販売増時間帯を特定する。そして、アラート部15は、第1の店内調理商品の販売増時間帯になったこと、又はその所定時間前になったことを検出すると、第1の店内調理商品に紐付けて設置された店員用電子棚札40に第2のアラート情報を出力させる。
【0067】
第2のアラート情報の出力により、「販売増時間帯又はその直前であること」を店員に通知することができる。店員は、当該通知に基づき、店内調理商品の補充などを行うことができる。例えば、アラート部15は、ディスプレイ(店員用電子棚札40)を介して、「販売増時間帯になりました。」、「もうすぐ販売増時間帯になります。」等の文章を第2のアラート情報として出力してもよい。また、アラート部15は、当該ディスプレイを介して、図形や写真等を含む第2のアラート情報を出力してもよい。その他、アラート部15は、第2のアラート情報として、ライト(店員用電子棚札40)を点灯させたり、点滅させたりしてもよい。その他、アラート部15は、第2のアラート情報として、スピーカ(店員用電子棚札40)から警告音を出力したり、「販売増時間帯になりました。」、「もうすぐ販売増時間帯になります。」等の文章を出力してもよい。
【0068】
なお、アラート部15は、店員用電子棚札40に第2のアラート情報を出力させた後、アラート停止指令の取得を待ってもよい。そして、アラート停止指令を取得すると、アラート部15は、その店員用電子棚札40に第2のアラート情報の出力を停止させる信号を送信してもよい。これに応じて、その店員用電子棚札40は第2のアラート情報の出力を停止する。アラート停止指令は、店員用電子棚札40を介した所定の入力(第2のアラート情報に気づいた店員が入力することを想定)等が考えられる。
【0069】
在庫管理装置10のその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0070】
本実施形態の在庫管理装置10によれば、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の在庫管理装置10によれば、店内調理商品がよく売れる販売増時間帯になったタイミング、又は販売増時間帯になる所定時間前のタイミングで、その旨を店員に通知することができる。店員は、当該通知に基づき、店内調理商品の補充などを行うことができる。
【0071】
<第4の実施形態>
本実施形態のアラート部15は、第3の実施形態で説明した第2のアラート情報を、所定条件を満たす店内調理商品に紐付く店員用電子棚札40のみに出力させる。所定条件は、販売増時間帯に基づき特定される第1の時間帯において、在庫数が基準数以下になっている店内調理商品である。第1の時間帯は、「販売増時間帯」、又は、「販売増時間帯に、販売増時間帯になる所定時間前のタイミングから販売増時間帯になるタイミングまでの時間帯を加えた時間帯」である。
【0072】
すなわち、本実施形態の場合、第1の時間帯において、在庫数が基準数以下になっている店内調理商品に紐付く店員用電子棚札40に第2のアラート情報を出力させる。そして、第1の時間帯において、在庫数が基準数より大になっている店内調理商品に紐付く店員用電子棚札40には第2のアラート情報を出力させない。本実施形態の場合、第2のアラート情報の出力により、「在庫数が基準数以下になっていること」及び「販売増時間帯又はその直前であること」を店員に通知することができる。
【0073】
ここで、図13のフローチャートを用いて、図9のS21での開始制御に応じて開始されるアラート処理の一例を説明する。
【0074】
アラート部15は、図6に示す紐付情報等に基づき、在庫数が基準数以下の店内調理商品に紐付けられた店員用電子棚札40を特定する(S40)。次いで、アラート部15は、図12に示す販売増時間帯情報に基づき、現時点がその店内調理商品の販売増時間帯に該当するか判断する(S41)。
【0075】
販売増時間帯に該当する場合(S41のYes)、アラート部15は、S40で特定した店員用電子棚札40に、第2のアラート情報を出力させる信号を送信する(S46)。これに応じて、その店員用電子棚札40は第2のアラート情報の出力を開始する。この第2のアラート情報の出力により、「在庫数が基準数以下になっていること」及び「販売増時間帯又はその直前であること」を店員に通知することができる。
【0076】
その後、アラート部15は、アラート停止指令の取得を待つ(S47)。そして、アラート停止指令を取得すると(S47のYes)、アラート部15は、S40で特定した店員用電子棚札40に、第2のアラート情報の出力を停止させる信号を送信する(S48)。これに応じて、その店員用電子棚札40は第2のアラート情報の出力を停止する。本実施形態のアラート停止指令は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0077】
一方、販売増時間帯に該当しない場合(S41のYes)、アラート部15は、S40で特定した店員用電子棚札40に、第1のアラート情報を出力させる信号を送信する(S42)。これに応じて、その店員用電子棚札40は第1のアラート情報の出力を開始する。この第1のアラート情報の出力により、「在庫数が基準数以下になっていること」を店員に通知することができる。
【0078】
その後、アラート部15は、アラート停止指令の取得を待つ(S43)。また、アラート部15は、第1の時間帯の到達を待つ(S44)。
【0079】
そして、アラート停止指令を取得すると(S43のYes)、アラート部15は、S40で特定した店員用電子棚札40に、第1のアラート情報の出力を停止させる信号を送信する(S48)。これに応じて、その店員用電子棚札40は第1のアラート情報の出力を停止する。
【0080】
また、第1の時間帯の到達を検出すると(S44のYes)、アラート部15は、S40で特定した店員用電子棚札40に、第2のアラート情報を出力させる信号を送信する(S45)。これに応じて、その店員用電子棚札40は第1のアラート情報の出力をやめ、第2のアラート情報の出力を開始する。結果、S40で特定した店員用電子棚札40から出力される情報は、第1のアラート情報から第2のアラート情報に変更される。そして、この第2のアラート情報の出力により、「在庫数が基準数以下になっていること」及び「販売増時間帯又はその直前であること」を店員に通知することができる。
【0081】
第2のアラート情報を出力させた後(S45)、アラート部15は、アラート停止指令の取得を待つ(S47)。そして、アラート停止指令を取得すると(S47のYes)、アラート部15は、S40で特定した店員用電子棚札40に、第2のアラート情報の出力を停止させる信号を送信する(S48)。これに応じて、その店員用電子棚札40は第2のアラート情報の出力を停止する。
【0082】
在庫管理装置10のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0083】
本実施形態の在庫管理装置10によれば、第1乃至第3の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の在庫管理装置10によれば、店内調理商品がよく売れる販売増時間帯、又はその直前の時間帯で、在庫数が基準数以下になっている店内調理商品を店員に通知することができる。店員は、当該通知に基づき、店内調理商品の補充や、その補充の緊急度の把握等を行うことができる。例えば、店員は、第2のアラート情報が出力されている店内調理商品を、第1のアラート情報が出力されている店内調理商品よりも優先して、調理や補充を行うことができる。
【0084】
<第5の実施形態>
本実施形態のアラート部15は、複数の店内調理商品の在庫数が基準数以下になっている場合、在庫数が基準数以下になっている複数の店内調理商品の中で調理の優先順位を決定し、決定した優先順位を店員用電子棚札40に出力させる。
【0085】
アラート部15は、在庫数が基準数以下になっている複数の店内調理商品各々の「利益」、「販売価格」、「販売実績」、び「在庫数が基準数以下になったタイミング」の少なくとも1つに基づき、優先順位を決定することができる。
【0086】
利益は、粗利であってもよいし、販売価格から仕入れ価格を引いたものでもよいし、その他であってもよい。予め、複数の店内調理商品各々の利益を示す情報が記憶部14に記憶される。そして、アラート部15は、当該情報に基づき、利益が大きい店内調理商品ほど高い優先順位を決定することができる。
【0087】
その他、複数の店内調理商品各々の販売価格を示す情報が記憶部14に記憶されてもよい。そして、アラート部15は、当該情報に基づき、販売価格が大きい店内調理商品ほど高い優先順位を決定してもよい。
【0088】
その他、複数の店内調理商品各々の販売実績(過去の販売個数合計、過去の売上金額合計、過去の利益合計等)を示す情報が記憶部14に記憶されてもよい。そして、アラート部15は、当該情報に基づき、販売実績が大きい(過去の販売個数合計が大きい、過去の売上金額合計が大きい、過去の利益合計が大きい等)店内調理商品ほど高い優先順位を決定してもよい。
【0089】
その他、アラート部15は、在庫数が基準数以下になったタイミングが早い店内調理商品ほど高い優先順位を決定してもよい。
【0090】
在庫管理装置10のその他の構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。
【0091】
本実施形態の在庫管理装置10によれば、第1乃至第4の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の在庫管理装置10によれば、複数の店内調理商品の在庫数が基準数以下になっている場合、在庫数が基準数以下になっている複数の店内調理商品の中で調理の優先順位を決定し、決定した優先順位を店員用電子棚札40に出力させる。店員は、当該情報に基づき、どの店内調理商品を優先して調理すべきか容易に判断することができる。
【0092】
<第6の実施形態>
本実施形態の在庫状況管理部13は、陳列棚に補充された日時からの経過時間が陳列上限時間に達した店内調理商品を検出する。陳列上限時間は、店内調理商品毎に設定されてもよい。
【0093】
そして、アラート部15は、陳列棚に補充された日時からの経過時間が陳列上限時間に達した店内調理商品に紐付けて設置された店員用電子棚札40に第3のアラート情報を出力させる。
【0094】
第3のアラート情報の出力により、「陳列棚に補充された日時からの経過時間が陳列上限時間に達した店内調理商品」を店員に通知することができる。店員は、当該通知に基づき、その店内調理商品の廃棄などを行うことができる。例えば、アラート部15は、ディスプレイ(店員用電子棚札40)を介して、「廃棄してください。」等の文章を第3のアラート情報として出力してもよい。また、アラート部15は、当該ディスプレイを介して、図形や写真等を含む第3のアラート情報を出力してもよい。その他、アラート部15は、第3のアラート情報として、ライト(店員用電子棚札40)を点灯させたり、点滅させたりしてもよい。その他、アラート部15は、第3のアラート情報として、スピーカ(店員用電子棚札40)から警告音を出力したり、「廃棄してください。」等の文章を出力してもよい。
【0095】
在庫管理装置10のその他の構成は、第1乃至第5の実施形態と同様である。
【0096】
本実施形態の在庫管理装置10によれば、第1乃至第5の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の在庫管理装置10によれば、店員は、どの店内調理商品に紐付く店員用電子棚札40に第3のアラート情報が出力されているかに基づき、どの店内調理商品の廃棄が必要かを直感的に把握することができる。
【0097】
<変形例>
ここで、第1乃至第6の実施形態に適用可能な変形例を説明する。
【0098】
補充情報取得部11は、店員用端末20から補充情報を取得する手段に代えて、陳列棚を撮影するカメラが生成した画像を解析して画像に含まれる店内調理商品を認識し、認識結果に基づき補充情報を生成する手段を採用してもよい。
【0099】
その他、アラート部15は、第1のアラート情報に、補充すべき個数を含めて出力してもよい。補充すべき個数は、陳列標準数からその時の在庫数を引いた値とすることができる。陳列標準数は、上述した基準数と同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。また、陳列標準数は、店内調理商品毎に設定されてもよい。さらに、陳列標準数は、時間帯毎に設定されてもよい。
【0100】
その他、アラート部15は、「実際の在庫数が基準数以下になったことを検出したタイミングで第1のアラート情報を出力させる手段」に代えて、「在庫数が基準数以下になるタイミングを予測し、予測したそのタイミングよりも所定時間前のタイミングで第1のアラート情報を出力させる手段」を採用してもよい。在庫数が基準数以下になるタイミングの予測は、過去の実績や、現在の在庫数等に基づき実現することができる。
【0101】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0102】
なお、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること、また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」の少なくともいずれか一方を含む。
【0103】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0104】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 店内で調理した後に陳列棚に陳列される店内調理商品に関する情報であって、前記陳列棚に補充された個数及び日時を示す補充情報を取得する補充情報取得手段と、
前記店内調理商品の販売状況を示す販売情報を取得する販売情報取得手段と、
前記補充情報と前記販売情報とに基づき、前記店内調理商品の在庫状況を管理する在庫状況管理手段と、
在庫数が基準数以下になった前記店内調理商品に紐付けられた電子棚札に第1のアラート情報を出力させるアラート手段と、
を有する在庫管理装置。
2. 前記基準数は時間帯毎に定められており、
前記アラート手段は、前記在庫数が現在時刻の前記基準数以下になった前記店内調理商品に紐付けて設置された前記電子棚札に前記第1のアラート情報を出力させる1に記載の在庫管理装置。
3. 前記アラート手段は、前記電子棚札を介した前記第1のアラート情報の出力を開始したタイミングからの経過時間に応じて、前記電子棚札に出力させる前記第1のアラート情報の内容を変更する1又は2に記載の在庫管理装置。
4. 前記アラート手段は、前記店内調理商品が他の時間帯に比べて多く売れる販売増時間帯になったタイミング、又は前記販売増時間帯になる所定時間前のタイミングで、前記電子棚札に第2のアラート情報を出力させる1から3のいずれかに記載の在庫管理装置。
5. 前記アラート手段は、前記店内調理商品が他の時間帯に比べて多く売れる販売増時間帯に基づき特定される第1の時間帯において、前記在庫数が前記基準数以下になっている前記店内調理商品に紐付けて設置された前記電子棚札に前記第2のアラート情報を出力させる1から3のいずれかに記載の在庫管理装置。
6. 前記アラート出力手段は、
複数の前記店内調理商品の前記在庫数が前記基準数以下になっている場合、前記在庫数が前記基準数以下になっている複数の前記店内調理商品の中で調理の優先順位を決定し、決定した前記優先順位を前記電子棚札に出力させる1から5のいずれかに記載の在庫管理装置。
7. 前記アラート出力手段は、
前記在庫数が前記基準数以下になっている複数の前記店内調理商品各々の利益、販売価格、販売実績、及び前記在庫数が前記基準数以下になったタイミングの少なくとも1つに基づき、前記優先順位を決定する6に記載の在庫管理装置。
8. 前記在庫状況管理手段は、前記陳列棚に補充された日時からの経過時間が陳列上限時間に達した前記店内調理商品を検出し、
前記アラート手段は、前記陳列棚に補充された日時からの経過時間が前記陳列上限時間に達した前記店内調理商品に紐付けて設置された前記電子棚札に第3のアラート情報を出力させる1から7のいずれかに記載の在庫管理装置。
9. コンピュータが、
店内で調理した後に陳列棚に陳列される店内調理商品に関する情報であって、前記陳列棚に補充された個数及び日時を示す補充情報を取得し、
前記店内調理商品の販売状況を示す販売情報を取得し、
前記補充情報と前記販売情報とに基づき、前記店内調理商品の在庫状況を管理し、
在庫数が基準数以下になった前記店内調理商品に紐付けられた電子棚札に第1のアラート情報を出力させる在庫管理方法。
10. コンピュータを、
店内で調理した後に陳列棚に陳列される店内調理商品に関する情報であって、前記陳列棚に補充された個数及び日時を示す補充情報を取得する補充情報取得手段、
前記店内調理商品の販売状況を示す販売情報を取得する販売情報取得手段、
前記補充情報と前記販売情報とに基づき、前記店内調理商品の在庫状況を管理する在庫状況管理手段、
在庫数が基準数以下になった前記店内調理商品に紐付けられた電子棚札に第1のアラート情報を出力させるアラート手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0105】
10 在庫管理装置
11 補充情報取得部
12 販売情報取得部
13 在庫状況管理部
14 記憶部
15 アラート部
20 店員用端末
30 POSシステム
40 店員用電子棚札
50 顧客用電子棚札
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13