(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】不織布の製造方法
(51)【国際特許分類】
D04H 3/16 20060101AFI20241106BHJP
D01D 5/08 20060101ALI20241106BHJP
D01D 5/098 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
D04H3/16
D01D5/08 C
D01D5/098
(21)【出願番号】P 2020173254
(22)【出願日】2020-10-14
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神野 文夫
(72)【発明者】
【氏名】牧 伸明
(72)【発明者】
【氏名】徐 暁師
【審査官】大▲わき▼ 弘子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-181957(JP,A)
【文献】国際公開第2018/139523(WO,A1)
【文献】特開昭52-008178(JP,A)
【文献】特開2003-278070(JP,A)
【文献】特開2001-146670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H1/00-18/04、
D01D1/00-13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布の製造方法であって、
溶融した熱可塑性樹脂をフィラメントから構成されるフィラメント集合体として押し出す紡糸工程と、
冷却用エアーを前記フィラメント集合体に供給し冷却する冷却工程と、
前記フィラメント集合体をイジェクター内部のスリットから噴射する高圧エアーにより延伸する延伸工程と、
を備え、
前記延伸工程において、
前記スリットの間隔を0.3~0.6(mm)とし、前記スリットの単位長さ当たりの風量を1000~3000(m
3/h/m)とし、前記高圧エアーの温度を30~60(℃)とすることを特徴とする不織布の製造方法。
【請求項2】
前記延伸工程は、
高圧エアーを生成する工程と、
生成された前記高圧エアーにおける水分を冷却することにより除去する工程と、
水分を除去した前記高圧エアーを加熱する工程と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の不織布の製造方法。
【請求項3】
前記高圧エアーを加熱する工程において、
前記高圧エアーを加熱する熱源として、前記紡糸工程、前記冷却工程、前記フィラメント集合体を搬送する搬送工程、前記フィラメント集合体を絡合し不織布を形成する交絡工程、前記不織布を乾燥させる乾燥工程、及び、前記不織布を巻き取る巻回工程のいずれか少なくとも一つにおける廃熱を利用することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の不織布の製造方法。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の不織布の製造方法。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂、またはポリプロピレンーエチレン共重合体を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の不織布の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸工程を備える不織布の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布の製造装置は、紡糸工程により、溶融した熱可塑性樹脂を紡糸口金からフィラメント集合体として吐出し、このフィラメント集合体を、冷却工程により冷却するとともに、延伸工程により生成した噴射気流により、フィラメント集合体への牽引力を生じさせ、垂直方向に吸引及び延伸させる。この延伸工程における噴射気流を制御することにより、フィラメントの繊維径を調整することができる。
【0003】
また、不織布は、おむつ、生理用品、脇汗パッドなどの衛生用品や、使い捨て衣料品の分野で使用され、使用者の皮膚と接触するトップシート層などとして用いられることが多い。不織布には、肌触りの向上や、尿や血液等の体液の透過を防止させるために、地合の均一性や疎水性を向上させること、つまり、フィラメントの繊維径が、例えば、9~13(μm)となるように、より細繊化することが要望されていた。
【0004】
ここで、フィラメントをより細繊化するためには、フィラメント集合体への牽引力を高くする必要があり、そのために、噴射気流の風量を大きくすることや、噴射気流の摩擦応力を大きくすることが行われている。
【0005】
まず、不織布のフィラメントをより細繊化するために、噴射気流の風量を大きくすることは、具体的に、延伸工程に供給される高圧エアーの圧力をより高めることにより行われている。しかしながら、例えば、特許文献1に記載されているように、高圧力の高圧エアーを生成するためには、膨大な消費エネルギーが必要とされていた。また、この噴射気流は、強い乱流状態を保ったままフィラメント集合体を牽引するため、フィラメント集合体に揺れを生じさせ、糸切れの原因となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、不織布のフィラメントをより細繊化するために、噴射気流の摩擦応力を大きくすることは、具体的に、延伸工程に供給される高圧エアーの温度を高めることにより行われている。しかしながら、高圧エアーの温度が比較的高いと、極めて狭いスリット間隔は、熱変形等により長手方向に一様でなくなるために、フィラメント集合体を牽引する噴射気流も一様でなくなり、糸切れの原因となっていた。
【0008】
したがって、単に、噴射気流の風量や高圧エアーの温度を高めることにより、フィラメントを細繊化することは困難となっていた。
【0009】
そこで、本発明の目的は、噴射気流の風量や高圧エアーの温度を過度に高めることなく、糸切れを生じさせずに、不織布を構成するフィラメントをより細繊化することができる不織布の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、不織布の製造方法は、溶融した熱可塑性樹脂をフィラメントから構成されるフィラメント集合体として押し出す紡糸工程と、冷却用エアーを前記フィラメント集合体に供給し冷却する冷却工程と、前記フィラメント集合体をイジェクター内部のスリットから噴射する高圧エアーにより延伸する延伸工程と、を備え、前記延伸工程において、前記スリットの間隔を0.3~0.6(mm)とし、前記スリット長さ当たりの吐出風量を1000~3000(m3/h/m)とし、前記高圧エアーの温度を30~60(℃)とするものである。
【0011】
また、上記不織布の製造方法は、前記延伸工程は、高圧エアーを生成する工程と、生成された前記高圧エアーにおける水分を除去する工程と、水分を除去した前記高圧エアーを加熱する工程と、を備えることを特徴とするものとしてもよい。
【0012】
また、上記不織布の製造方法は、前記高圧エアーを加熱する工程において、前記高圧エアーを加熱する熱源として、前記紡糸工程、前記冷却工程、前記フィラメント集合体を搬送する搬送工程、前記フィラメント集合体を絡合し不織布を形成する交絡工程、前記不織布を乾燥させる乾燥工程、及び、前記不織布を巻き取る巻回工程のいずれか少なくとも一つにおける廃熱を利用することを特徴とするものとしてもよい。
【0013】
また、上記不織布の製造方法は、前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂であることを特徴とするものとしてもよい。
【0014】
また、上記不織布の製造方法は、前記熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂、またはポリプロピレンーエチレン共重合体を含むことを特徴とするものとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、噴射気流の風量や高圧エアーの温度を過度に高めることなく、糸切れを生じさせずに、不織布を構成するフィラメントをより細繊化することができる不織布の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る不織布製造装置の一例を示す概略図である。
【
図2】
図1に示される延伸手段を説明する図であり、(a)延伸手段の概略図、(b)XZ平面におけるイジェクターの断面斜視図、をそれぞれ表す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、
図1から
図2を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
【0018】
<不織布製造装置>
本実施形態による複数のフィラメントの束(以下、「フィラメント集合体」という)3及びこれを含む不織布5は、特別な装置を用いることなく、通常の複合溶融紡糸法による不織布製造装置により得ることができる。中でも、生産性に優れるスパンボンド法による不織布製造装置が好ましく用いられる。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る不織布製造装置の一例としてスパンボンド不織布製造装置(以下、「不織布製造装置」という)100における概略図を、限定目的ではなく例示目的で示す。図中の白抜きの矢印A、矢印B及び黒矢印Cは、フィラメント集合体3の紡出方向、フィラメント集合体3の搬送方向(MD方向)及び捕集ベルト51の周回方向をそれぞれ表している。また、図中の白抜きの矢印D、矢印E及び矢印Fは、冷却エアー、分離ガス及び高圧エアーをそれぞれ表している。さらに、図中のX軸方向は、搬送方向Bを示すものであり、Z軸方向は、X軸方向と直交するとともに紡出方向Aと平行な方向を示すものである。
【0020】
不織布製造装置100は、第1の押出機11及び第2の押出機12(紡糸手段,紡糸工程)と、紡糸口金20(紡糸手段,紡糸工程)と、冷却手段30(冷却工程)と、延伸手段(延伸工程)40と、捕集コンベア(搬送手段,搬送工程)50と、熱エンボスロール(交絡手段,交絡工程)60と、ワインダー(巻回手段,巻回工程)70と、から構成される。以下、それらの概要を順に説明する。
【0021】
第1の押出機11は、第1の原料樹脂1を溶融しながら、螺旋状の第1のローター13の回転により、所定流量の溶融物を紡糸口金20へと送液する。同様に、第2の押出機12は、第2の原料樹脂2を溶融しながら、螺旋状の第2のローター14の回転により、所定流量の溶融物を紡糸口金20へと送液する。
【0022】
(第1の原料樹脂)
第1の原料樹脂1は、熱可塑性樹脂を主成分とする。すなわち、第1の原料樹脂1は、第1の原料樹脂1の全固形分を基準にして90質量%以上100質量%以下の量で熱可塑性樹脂を含むことができる。第1の原料樹脂1に適用可能な熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系の樹脂が挙げられる。複合繊維からなるフィラメントの紡糸性等の観点から、熱可塑性樹脂には、ポリプロピレン(PP)が好ましく使用される。
【0023】
(第2の原料樹脂)
第2の原料樹脂2は、熱可塑性樹脂を主成分とする。詳細には、第2の原料樹脂2は、第2の原料樹脂2の全固形分を基準にして90質量%以上100質量%以下の量で熱可塑性樹脂を含む。
【0024】
第2の原料樹脂2の主成分に適用可能な熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系の樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類を使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。複合繊維からなるフィラメントの触り心地などの風合いの観点から、熱可塑性樹脂には、ポリエチレン(PE)を好ましく使用することができる。
【0025】
(添加物)
複合繊維からなるフィラメントは、第1の原料樹脂1及び第2の原料樹脂2のそれぞれにおいて、熱可塑性樹脂に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて添加物を含有していてもよい。
【0026】
添加物の原料としては、例えば、公知の耐熱安定剤及び耐候安定剤などの各種の安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス等が挙げられる。
【0027】
安定剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)等の老化防止剤;テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2’-オキザミドビス[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることができる。また、これらを組み合わせて用いることもできる。
【0028】
滑剤としては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げられる。
【0029】
また、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン等の充填剤を含有していてもよい。
【0030】
紡糸口金20は、所望の繊維構造を形成して吐出するように構成された複数の複合紡糸ノズル(不図示)を有する。このノズルより、第1の押出機11及び第2の押出機12からのそれぞれ溶融物が複合した複合繊維からなるフィラメント集合体3を重力方向に紡出する。
【0031】
冷却手段30は、一対の冷却用送風機30L,30Rを含むオープン型であり、紡出されたフィラメント集合体3に対し、紡出方向Aと直交する方向であるX軸方向から層流かつ一様流である冷却エアーDを送風し、フィラメント集合体3を冷却する。また、フィラメント集合体3から排気される高温の分離ガスEは、紡出方向Aに沿わず、一対の冷却用送風機30L,30Rの上方へと排気されることから、フィラメント集合体3を効率的に冷却することができる。
【0032】
延伸手段40は、イジェクター41を備える。イジェクター41は、オープン型であり、高圧エアーFを駆動流体として、紡出方向Aの成分をもたせて内部で噴射させ、低圧部を生成させる。この生成された低圧部により、フィラメント集合体3は、イジェクター41内に吸引され、高圧エアーFとともに、紡出方向Aへと延伸される。
【0033】
捕集コンベア50は、捕集ベルト51と、捕集ベルト51の逆台形型の周回軌道の頂点に掛け回される第1乃至第4のロール55~58と、上側周回軌道における捕集ベルト51の下方に対向配置される吸引ボックス59と、を備える。この捕集ベルト51は、第1乃至第4のロール55~58の少なくとも一つの駆動回転に伴い、時計回りに周回軌道を周回方向Cに移動する。イジェクター41から延伸されたフィラメント集合体3は、直接、捕集コンベア50の捕集ベルト51上に所定の厚さに堆積されるとともに、搬送方向Bにある熱エンボスロール60へと搬送される。
【0034】
熱エンボスロール60は、所定温度に加熱された凹凸の円筒面と、平らな円筒面とを有する一対の円筒ロールを備える。一対の円筒ロールは、堆積されたフィラメント集合体3を圧搾し、圧力と熱によりフィラメント集合体3の一部を絡合させ、不織布5を形成する。この交絡処理は、熱エンボス法ともいわれ、この方法により得られる不織布5は、表面にエンボスのパターンが現れる。
【0035】
本実施形態による不織布5には、熱エンボス法の他、繊維の交絡処理の方法として、ニードルパンチ、ウォータージェット、超音波等の手段を用いる方法、またはホットエアースルーにより熱融着させる方法を採用することができる。ニードルパンチ手段は、ニードルをフィラメント集合体3に差し込んで絡合させる方法である。ウォータージェット手段は、高圧の水をフィラメント集合体3に噴射して、絡合させる方法である。超音波手段は、超音波を利用して、一部のフィラメントを溶かして、絡合させる方法である。ホットエアースルーは、ホットエアーをフィラメント集合体3に吹き出して、一部のフィラメントを溶かして絡合させる方法である。
【0036】
(不織布)
本実施形態による不織布5は、フィラメント集合体3からなり、1つの層からなる単層構成を有していてもよく、また、複数の層からなる多層構成を有していてもよい。
【0037】
ワインダー70は、連続する不織布5に皺の発生させることなく、所定の巻き硬さで巻き取る。
【0038】
<延伸手段について>
図2は、
図1に示される延伸手段40を説明する図であり、(a)延伸手段40の概略図、(b)XZ平面におけるイジェクター41の断面斜視図、をそれぞれ表す。図中のY軸方向は、X軸方向及びZ軸方向とそれぞれ直交するCD方向を示すものである。また、図中の白抜きの矢印Fは、高圧エアーを表し、黒矢印H及び黒矢印Lは、高温状態の熱媒体及び低温状態の熱媒体を表している。ここで、
図2(b)は、イジェクター41を説明するために模式的に誇張された図であり、実際における、イジェクター41及びフィラメント集合体3の配置関係や、一対のスリット42cにおけるスリット間隔Sとは異なる。ここで、本実施形態におけるイジェクター41のスリット間隔Sは、極めて狭い(例えば、0.3~0.6(mm))を前提とするものである。
【0039】
従来技術における延伸手段は、例えば、特公昭48-28386号(特に、第1図参照)に記載されているように、コンプレッサー等からの高圧エアーFを直接インジェクター41に導入した後、この高圧エアーFを噴射気流としてスリットからを噴射させ、噴射気流は、フィラメント集合体3を牽引しながら、フィラメント集合体3に直接接触するものであった。このようなコンプレッサー等からの高圧エアーFを直接インジェクター41に導入する延伸手段を用いると、高圧エアーFの温度が比較的高くなり、極めて狭いスリット間隔Sが、熱変形等により長手方向に一様でなくなるため、不織布5の品質にバラつきが生じることが問題となっていた。これに対し、本実施形態は、高圧エアーFの温度制御を適切に行うことにより、スリット42cの熱変形を抑制し、不織布5の品質を高めるものである。
【0040】
さらに、発明者らは、高圧エアーFに含有された水分がフィラメント集合体3に付着することにより、不織布5の品質にバラつきが生じるおそれがあることを見出した。したがって、本実施形態においては、高圧エアーFの温度制御を適切に行うことに加え、必要に応じて、高圧エアーFに含有されている水分を除去することにより、不織布5のさらに品質を高めることができる。
【0041】
本実施形態における延伸手段40では、
図2(a)に示すように、高圧エアーFに含有されている水分を除去することを必要に応じて可能とするため、詳細は後述するが、コンプレッサー47の下流側にドライヤー48として、高圧力及び大流量の高圧エアーFを処理することができる冷却式エアードライヤーが採用されている。ここで、冷却式エアードライヤーを採用したことにより、ドライヤー48を通過した高圧エアーFは、高温高圧状態から低温高圧状態へと冷却される。この際、高圧エアーFにおける粘性係数が低下するため、イジェクター41における噴射気流の摩擦応力が小さくなり、フィラメント集合体3への牽引力を高くすることができないおそれがあった。
【0042】
よって、本実施形態における延伸手段40では、詳細は後述するが、高圧エアーFの摩擦応力を大きくするため、ドライヤー48とイジェクター41との間に、流体接続される熱交換器49を採用し、必要に応じて、高圧エアーFを所望の温度へと加熱している。
【0043】
以上より、本実施形態における延伸手段40は、
図2(a)に示すように、高圧エアーFを吐出するコンプレッサー47と、高圧エアーFから水分を除去するドライヤー48と、高圧エアーFを所望の温度へと加熱する熱交換器49と、高圧エアーFを噴射させフィラメント集合体3を延伸するイジェクター41と、から構成されており、順に流体接続される。以下、それらの概要を順に説明する。
【0044】
コンプレッサー47は、周囲の空気を吸込及び圧縮し、イジェクター41に供給される高圧エアーFの圧力が高圧力(例えば、0.1~0.7(MPa))となるように、圧力制御が行われている。ここで、コンプレッサー47において、高圧力の高圧エアーFを生成するためには、膨大な消費エネルギーが必要とされるため、高圧エアーFの圧力をさらに高めることは極めて困難となっている。
【0045】
ドライヤー48は、高圧力及び大流量の高圧エアーFを処理することができる冷却式エアードライヤーが採用されている。ドライヤー48において、冷凍機(不図示)等を使用して、高圧エアーFを冷却することにより、飽和水蒸気量の差により水分が分離除去され、-17(℃)程度の大気圧露点温度となる乾燥した高圧エアーFを生成する。この際、分離除去されたドレンがドレン管48aより外部に排出される。
【0046】
熱交換器49は、熱媒体H,L(例えば、液体)と空気との熱交換に優れたフィンチューブ式熱交換器が採用されている。熱交換器49は、熱交換容器49aと、熱交換容器49a内に設けられる複数のフィンチューブ49bと、複数のフィンチューブ49b同士を流体接続するU字管49cと、を備える。互いに流体接続された複数のフィンチューブ49bの一端及び他端は、ポンプ(不図示)に連通する閉回路である外部配管49d,49eにそれぞれ流体接続されており、この外部配管49d,49eを介して、不織布製造装置100からの廃熱を回収する熱媒体H,Lが、複数のフィンチューブ49b内に流通する。また、熱交換容器49aの一端及び他端は、ドライヤー48に流体接続される入口ポート49fと、イジェクター41に流体接続される出口ポート49gと、をそれぞれ備える。
【0047】
よって、熱交換器49には、入口ポート49fより導入された高圧エアーFが、フィンにより表面積を増大されたフィンチューブ49bの周囲を流れ、フィンチューブ49bの内部を流れる高温状態の熱媒体Hと効率良く熱交換することにより加熱され、イジェクター41へと送気される。ここで、熱交換器49において、高圧エアーFを所望の温度に加熱するために、熱交換器49に供給する高温状態の熱媒体Hの流量調整を、ポンプの回転数制御や、閉回路に設ける流量調整弁(不図示)などにより行う。
【0048】
本実施形態における熱交換器49は、不織布製造装置100からの廃熱を利用するものであり、閉回路である外部配管49d,49eは、不織布製造装置100における廃熱を発生する熱源近傍に設けられる。また、本実施形態の不織布製造装置100における廃熱を発生する熱源として、紡糸手段(紡糸工程)11,12,20、冷却手段(冷却工程)30、フィラメント集合体3を搬送する搬送手段(搬送工程)50、フィラメント集合体3を絡合し不織布5を形成する交絡手段(交絡工程)60、不織布5を乾燥させる乾燥手段(乾燥工程)(不図示)、及び、不織布5を巻き取る巻回手段(巻回工程)70のいずれか少なくとも一つを利用するものである。さらに、本実施形態における熱交換器49は、熱媒体H,L(例えば、液体)と空気との熱交換に優れたフィンチューブ式熱交換器を採用したが、これに限らず、例えば、不織布製造装置100における廃熱を廃ガスとして発生する熱源を利用する場合には、空気と空気との熱交換に優れたプレート式熱交換器等を採用しても良い。
【0049】
イジェクター41は、
図2(b)に示すように、上部ボディー42と、上部ボディー42と接続する下部ボディー43と、から構成される。まず、上部ボディー42は、横長の略直方体であり、X軸方向の中央部に、Z軸方向に貫通するとともに、Y軸方向に延在する吸気口42aを備える。また、上部ボディー42は、吸気口42aを挟むようにX軸方向に対向し、Y軸方向に延在する一対のチャンバー42bを内部に備える。上部ボディー42は、吸気口42aと、一対のチャンバー42bとを、流体連通させるように、Z軸方向に極めて狭いスリット間隔S(例えば、0.3~0.6(mm))を有する、Y軸方向に延在する一対のスリット42cを備える。この一対のスリット42cは、金属製であり、それぞれYZ平面に対して対称となる所定の傾斜角(例えば、0~10(°))を有する。さらに、上部ボディー42は、一対のチャンバー42bに高圧エアーFを導入するために、複数の導入口42dを備える。次に、下部ボディー43は、縦長の略直方体であり、X軸方向の中央部に、Z軸方向に貫通するとともに、Y軸方向に延在し、吸気口42aと流体連通する吐出口43aを備える。
【0050】
よって、イジェクター41には、導入口42dに流体接続されたディフューザ42eを介して、高圧エアーFが一対のチャンバー42bに導入される。このディフューザ42eを通過した高圧エアーFは、圧力回復されるため、一対のチャンバー42b内に高圧力として保持される。その後、この一対のチャンバー42b内に保持された高圧エアーFは、一対のスリット42cを介して、吐出口43aへと噴射されることにより、吸気口42aには低圧部が生成される。この吸気口42aにおける低圧部に、フィラメント集合体3が吸引されるとともに、噴射気流により生じる牽引力により、吸気口42aから吐出口43aへの紡出方向Aに延伸される。
【0051】
したがって、本実施形態において、イジェクター41は、極めて狭いスリット間隔Sを備えることを前提として、コンプレッサー47により噴射気流の風量、及び、熱交換器49により高圧エアーFの温度を適切に調整することにより、糸切れを生じさせずに、不織布5を構成するフィラメントをより細繊化することができるとともに、スリット42cの熱変形を抑制することができる。また、本実施形態において、ドライヤー48は、コンプレッサー47からの高圧力及び大流量の高圧エアーFを処理することができる冷却式エアードライヤーを採用したことにより、高圧エアーFに含有された水分を必要に応じて、分離除去することができる。このため、高圧エアーFに含有された水分がフィラメント集合体3に付着することにより生じる、不織布5の品質にバラつきを抑制することができる。この際、高圧エアーFは、冷却式エアードライヤーにより、低温高圧状態へと冷却されるが、冷却式エアードライヤーの下流側に熱交換器49を流体接続しているため、高圧エアーFの温度を適切に調整することができる。加えて、実施形態において、熱交換器49は、不織布製造装置100からの廃熱を積極的に利用するため、設備のコストを低減させるとともに、環境負荷を低減させることができる。
【0052】
<高圧エアー、イジェクター及びフィラメントについての比較評価>
本発明の実施例1乃至実施例10の各実施例に係る高圧エアー、イジェクター41及びフィラメントについての比較評価において、物性に係る8個のパラメータについて、比較例1乃至3に対する比較評価を行った。この比較評価について、以下の表1に示す。ここで、比較評価における共通する条件として、フィラメントの材質は、ポリプロピレン樹脂とした。また、イジェクター41において、Y軸方向のスリット長さを、4(m)とした。
【0053】
【0054】
<糸切れ難さの評価について>
フィラメントに糸切れが生じると、不織布5中に塊状のフィラメントとして出現する。よって、糸切れ難さの評価は、欠陥検出器(COGNEX社製のSmartView自動欠陥検査システム)を用いて、不織布5の面積120000(m2)当たりの塊状(凸状)のフィラメントの個数、つまり、欠陥数を測定し、欠陥数が10個以上であれば、糸切れの発生が多いため「×」、6個以上10個未満であれば、糸切れの発生が少ないため「△」、3個以上6個未満であれば、糸切れの発生がほぼないため「○」、3個未満であれば、糸切れの発生がないため「◎」とした。
【0055】
<地合の均一性の評価について>
不織布には、フィラメントの太さのばらつきなどによりムラが生じる。よって、地合の均一性の評価は、地合計(野村商事株式会社製のFMT-MIII地合評価システム)を用いて、不織布5の光透過画像を取得し、地合指数(吸光度の変数係数であり、値が小さいほど地合が良好)を測定し、平均値が400以上であれば「×」、平均値が350以上400未満であれば「△」、平均値が300以上350未満であれば「○」、平均値が300未満であれば「◎」とした。
【0056】
本実施形態において、「スリットの単位長さ当たりの風量」が大きい場合、又は、「高圧エアーFの温度」が高い場合には、噴射気流によるフィラメント集合体3への牽引力が大きくなり、「フィラメントの繊維径」が細くなるため、「糸切れ難さの評価」が低下する一方、「地合の均一性」が向上する傾向がある。一方、「スリットの単位長さ当たりの風量」が小さい場合、又は、「高圧エアーFの温度」が低い場合には、噴射気流によるフィラメント集合体3への牽引力が小さくなり、「フィラメントの繊維径」が太くなるため、「糸切れ難さの評価」が向上する一方、「地合の均一性」が低下する傾向がある。また、「水分除去の有無」が「○」の場合には、高圧エアーFに含有された水分がフィラメント集合体3に付着することを抑制できるため、「地合の均一性」が向上する傾向がある。
【0057】
<高圧エアーの圧力について>
本実施形態における「高圧エアーFの圧力」とは、イジェクター41に供給される高圧エアーFの圧力を示す。この「高圧エアーFの圧力」は、「スリットの単位長さ当たりの風量」に影響を及ぼすパラメータである。
【0058】
本実施形態において、極めて狭いスリット間隔S(例えば、0.3~0.6(mm))を用いる場合、「高圧エアーFの圧力」(表1参照)は、0.1~0.7(MPa)であるのが好ましい。ここで、「高圧エアーFの圧力」が0.1(MPa)以上であれば、「スリットの単位長さ当たりの風量」を詳細は後述するが、所望の1000(m3/h/m)以上とすることができる。他方、「高圧エアーFの圧力」が0.7(MPa)以下であれば、「スリットの単位長さ当たりの風量」を詳細は後述するが、所望の3000(m3/h/m)以下とすることができる。なお、「高圧エアーの圧力」を0.7(MPa)超とすることは、コンプレッサー47において、圧縮能力に限界があるとともに、膨大な消費エネルギーを必要とするため、実用的でないと判断し、この比較評価は行っていない。
【0059】
<高圧エアーの温度について>
本実施形態における「高圧エアーFの温度」とは、イジェクター41に供給される高圧エアーFの温度を示す。この「高圧エアーFの温度」は、「スリットの単位長さ当たりの風量」、「フィラメントの繊維径」、「地合の均一性の評価」及び「糸切れ難さの評価」に影響を及ぼすパラメータである。
【0060】
本実施形態の「高圧エアーFの温度」(表1参照)は、30~60(℃)であるのが好ましい。ここで、「高圧エアーFの温度」が30(℃)以上であれば、イジェクター41により噴射される噴射気流の摩擦応力を高めることができ、「スリットの単位長さ当たりの風量」を大きくすることができるため、「フィラメントの繊維径」が細くなり、「地合の均一性の評価」を向上させることができる。他方、「高圧エアーFの温度」が60(℃)以下であれば、噴射気流が噴射される極めて狭いスリット42cの熱変形を抑制し、このスリット間隔Sを一様、つまり、フィラメント集合体3を牽引する噴射気流を一様とすることができるため、「糸切れ難さの評価」を向上させることができる。
【0061】
<高圧エアーの水分除去の有無について>
本実施形態における「高圧エアーFの水分除去の有無」とは、ドライヤー48において、高圧エアーFを冷却し、飽和水蒸気量の差により、-17(℃)程度の大気圧露点温度となる乾燥した高圧エアーFを生成したか否かを示す。この「高圧エアーFの水分除去の有無」は、「地合の均一性の評価」に影響を及ぼすパラメータである。
【0062】
<スリット間隔について>
本実施形態における「スリット間隔S」とは、イジェクター41の一対のスリット42cにおけるZ軸方向のスリット間隔Sを示す。この「スリット間隔S」は、「スリットの単位長さ当たりの風量」に影響を及ぼすパラメータである。
【0063】
本実施形態の「スリット間隔S」(表1参照)は、極めて狭いことを前提とするものであり、0.3~0.6(mm)であるのが好ましい。ここで、「スリット間隔S」が0.3(mm)以上であれば、「スリットの単位長さ当たりの風量」を詳細は後述するが、所望の1000(m3/h/m)以上とすることができる。他方、「スリット間隔S」が0.6(mm)以下であれば、「スリットの単位長さ当たりの風量」を詳細は後述するが、所望の3000(m3/h/m)以下とすることができる。なお、「スリット間隔S」を0.2(mm)未満とすることは、隙間寸法を管理することが非常に困難となることから、実用的でないと判断し、この比較評価は行っていない。また、「スリット間隔S」を0.6(mm)超とすることは、「スリットの単位長さ当たりの風量」が非常に大きくなり、フィラメント集合体3に大きな揺れが生じるため、この比較評価は行っていない。
【0064】
<スリットの単位長さ当たりの風量について>
本実施形態における「スリットの単位長さ当たりの風量」とは、イジェクター41からの噴射気流におけるY軸方向のスリット42c長さの単位当たりの風量を示す。この「スリットの単位長さ当たりの風量」は、「フィラメントの繊維径」、「地合の均一性の評価」及び「糸切れ難さの評価」に影響を及ぼすパラメータである。
【0065】
本実施形態の「スリットの単位長さ当たりの風量」(表1参照)は、1000~3000(m3/h/m)あるのが好ましい。ここで、「スリットの単位長さ当たりの風量」が1000(m3/h/m)以上であれば、「フィラメントの繊維径」が所望の細さになり、「地合の均一性の評価」を向上させることができる。他方、「スリットの単位長さ当たりの風量」が3000(m3/h/m)以下であれば、フィラメント集合体3に生じる揺れを抑制することができるため、「糸切れ難さの評価」を向上させることができる。
【0066】
<フィラメントの繊維径について>
フィラメントの繊維径については、平均単繊維繊度(dtex)と同様に、電子顕微鏡(日立製作所製S-3500N)を用いて、倍率1000倍のフィラメントの写真を撮影し、フィラメントのうち、任意の100本を選び、選択したフィラメントの繊維径(デニール)を測定し、100本の平均値を算出した。このフィラメントの繊維径は、「地合の均一性の評価」に影響を及ぼすパラメータである。
【0067】
<高圧エアー、イジェクター及びフィラメントについての比較評価結果>
実施例1乃至実施例10の評価の対比から明らかなように、「スリット間隔S」を、極めて狭い0.3~0.6(mm)とし、「スリットの単位長さ当たりの風量」を、1000~3000(m3/h/m)とし、「高圧エアーFの温度」を、30~60(℃)とすることにより、噴射気流によるフィラメント集合体3への牽引力を大きくし、「フィラメントの繊維径」を比較的細くすること(9~13(μm))ができるとともに、「糸切れ難さの評価」及び「地合の均一性」がそれぞれ「△」以上となり、バランス良く向上させることができるとの結論を得た。
【0068】
ここで、「高圧エアーFの圧力」及び「高圧エアーFの温度」を、上限値(0.7(MPa)及び60(℃))に近づけたり(実施例3,5参照)、「スリット間隔S」を、上限値(0.6(mm))に近づけると(実施例6参照)、「スリットの単位長さ当たりの風量」が大きくなり、「フィラメントの繊維径」をさらに細くすることができる。これにより、「糸切れ難さの評価」は「△」となるものの、「地合の均一性の評価」は「○」又は「◎」となり、高めることができる。
【0069】
さらに、「高圧エアーFの水分除去の有無」を、「×」(実施例1乃至3参照)から「○」(実施例8乃至10参照)とすることにより、「地合の均一性の評価」をより一層高めることができる。
【0070】
以上に対し、比較例1では、「高圧エアーFの圧力」及び「スリット間隔S」が、好ましい下限値未満であるため、「スリットの単位長さ当たりの風量」が小さくなり、「フィラメントの繊維径」が太くなる。これにより、「地合の均一性の評価」が「×」となり、低下している。また、比較例2では、「高圧エアーFの温度」が、好ましい下限値未満であるため、噴射気流によるフィラメント集合体3への牽引力が小さくなり、「フィラメントの繊維径」が太くなるため、「地合の均一性」「×」となり、低下している。さらに、比較例3では、「高圧エアーFの温度」が、好ましい上限値超であるため、スリット42cが熱変形することにより、スリット間隔Sが一様でなくなる、つまり、フィラメント集合体3を牽引する噴射気流が一様でなくなることから、フィラメントの冷却度合いや、フィラメントの繊維径にバラつきが生じる。このため、「糸切れ難さの評価」及び「地合の均一性の評価」が「×」となり、低下している。
【0071】
<その他>
本発明は、上述した各形態や、各実施例、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 第1の原料樹脂
2 第2の原料樹脂
3 フィラメント集合体
5 不織布
11 第1の押出機(紡糸工程)
12 第2の押出機(紡糸工程)
20 紡糸口金(紡糸工程)
30 冷却手段(冷却工程)
30L,30R 冷却用送風機
40 延伸手段(延伸工程)
41 イジェクター
42 上部ボディー
42a 吸気口
42b 一対のチャンバー
42c 一対のスリット
42d 導入口
42e ディフューザ
43 下部ボディー
43a 吐出口
47 コンプレッサー
48 ドライヤー
48a ドレン管
49 熱交換器
49a 熱交換容器
49b フィンチューブ
49c U字管
49d,49e 外部配管
49f 入口ポート
49g 出口ポート
50 捕集コンベア
51 捕集ベルト
59 吸引ボックス
60 熱エンボスロール
70 ワインダー
100 スパンボンド不織布製造装置
D 冷却エアー
E 分離ガス
F 高圧エアー
H 高温状態の熱媒体
L 低温状態の熱媒体
S スリット間隔
V 紡糸速度