(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/20 20060101AFI20241106BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20241106BHJP
B41J 29/377 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G03G21/20
G03G21/16 104
B41J29/377 103
(21)【出願番号】P 2020193486
(22)【出願日】2020-11-20
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】青野 弘幸
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-015962(JP,A)
【文献】特開2007-025545(JP,A)
【文献】特開2009-210892(JP,A)
【文献】特開2019-215459(JP,A)
【文献】特開2006-017999(JP,A)
【文献】特開2004-198783(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0006662(KR,A)
【文献】特開2018-049115(JP,A)
【文献】特開平11-038808(JP,A)
【文献】特開2007-286364(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0199448(US,A1)
【文献】特開2019-184699(JP,A)
【文献】特開2005-257893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/20
G03G 21/16
G03G 15/20
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)筐体と、
(b)該筐体内に配設され、画像形成するための、像担持体を備えた画像形成ユニットと、
(c)前記像担持体の軸方向における一方の端部において、前記画像形成ユニットと対向させて配設され、筐体外から取り込んだ空気を吸引するための第1のファンと、
(d)前記像担持体の軸方向における他方の端部において、前記画像形成ユニットと対向させて配設され、筐体外から取り込んだ空気を吸引するための第2のファンと、
(e)前記像担持体の軸方向における中央部において、前記第1、第2のファンによって吸引された空気を排出するための第3のファンとを有する
とともに、
(f)
前記第1~第3のファンは、前記画像形成ユニットと対向させて配設されたフレーム内の、互いに区画して形成された第1~第3のダクトに配設され、
(g)
前記第1、第2のダクトは、前記フレームの両端のサイドパネルにダクト入口を備え、前記フレームの前方のフロントパネルにダクト出口を備え、
(h)
前記第3のダクトは、前記フレームの前方のフロントパネルにダクト入口を備え、前記フレームの後方のリヤパネルにダクト出口を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第3のファンは、前記像担持体の軸方向において、前記第1、第2のファンに挟まれた状態で配設される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第3のファンによる送風量は、前記第1、第2のファンによる送風量より少なくされる請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
筐体の側壁と画像形成ユニットとの間に、空気を排出するための排気流路が形成される請求項1~
3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、プリンタの本体、すなわち、装置本体内の空気をファンによって装置本体外に排出することにより、装置本体内を冷却するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、装置本体内の空気が十分に循環させられないと、装置本体内を十分に冷却することができない。
【0005】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、装置本体内を十分に冷却することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の画像形成装置においては、筐体と、該筐体内に配設され、画像形成するための、像担持体を備えた画像形成ユニットと、前記像担持体の軸方向における一方の端部において、前記画像形成ユニットと対向させて配設され、筐体外から取り込んだ空気を吸引するための第1のファンと、前記像担持体の軸方向における他方の端部において、前記画像形成ユニットと対向させて配設され、筐体外から取り込んだ空気を吸引するための第2のファンと、
前記像担持体の軸方向における中央部において、前記第1、第2のファンによって吸引された空気を排出するための第3のファンとを有する。
そして、前記第1~第3のファンは、前記画像形成ユニットと対向させて配設されたフレーム内の、互いに区画して形成された第1~第3のダクトに配設される。
また、前記第1、第2のダクトは、前記フレームの両端のサイドパネルにダクト入口を備え、前記フレームの前方のフロントパネルにダクト出口を備え、
前記第3のダクトは、前記フレームの前方のフロントパネルにダクト入口を備え、前記フレームの後方のリヤパネルにダクト出口を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置においては、筐体と、該筐体内に配設され、画像形成するための、像担持体を備えた画像形成ユニットと、前記像担持体の軸方向における一方の端部において、前記画像形成ユニットと対向させて配設され、筐体外から取り込んだ空気を吸引するための第1のファンと、前記像担持体の軸方向における他方の端部において、前記画像形成ユニットと対向させて配設され、筐体外から取り込んだ空気を吸引するための第2のファンと、
前記像担持体の軸方向における中央部において、前記第1、第2のファンによって吸引された空気を排出するための第3のファンとを有する。
そして、前記第1~第3のファンは、前記画像形成ユニットと対向させて配設されたフレーム内の、互いに区画して形成された第1~第3のダクトに配設される。
また、前記第1、第2のダクトは、前記フレームの両端のサイドパネルにダクト入口を備え、前記フレームの前方のフロントパネルにダクト出口を備え、
前記第3のダクトは、前記フレームの前方のフロントパネルにダクト入口を備え、前記フレームの後方のリヤパネルにダクト出口を備える。
【0008】
この場合、前記像担持体の軸方向における一方の端部に第1のファンが、前記像担持体の軸方向における他方の端部に第2のファンが、前記像担持体の軸方向における中央部に第3のファンが配設され、第1、第2のファンによって筐体外から取り込んだ空気が吸引され、第3のファンによって、前記第1、第2のファンによって吸引された空気が排出されるので、装置本体内で空気を十分に循環させることができ、装置本体内を十分に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施の形態における冷却ユニットによる空気の流れを説明するための図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの要部概略図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの要部断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における冷却ユニットの正面図である。
【
図5】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの要部平面図である。
【
図6】本発明の第2の実施の形態における第1の排気路を示す図である。
【
図7】本発明の第2の実施の形態における第2の排気路を示す図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態における冷却ユニットによる空気の流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0011】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの要部概略図である。
【0012】
図2において、10はプリンタ、Csは筐体、Bdはプリンタ10の本体、すなわち、装置本体、Qは該装置本体Bdの中央に配設された画像形成部、11は、装置本体Bdの下部に配設され、媒体としての用紙Pを収容する媒体収容部としての用紙カセットである。前記筐体Csは、前壁Wf、背壁Wr、頂壁Wt、及び図示されない、前壁Wf側から見て左右の側壁を備える。
【0013】
そして、前記用紙カセット11における前壁Wf側の端部、すなわち、前端に隣接させて、用紙Pを1枚ずつ分離させて給紙するための給紙機構が配設される。該給紙機構は、回転させられて用紙Pを繰り出す繰出部材としてのホッピングローラ13、及び用紙Pの重送を防止する図示されない分離装置から成り、用紙Pは、給紙機構によって1枚ずつ分離させられて媒体搬送路としての用紙搬送路Rt1に給紙される。
【0014】
該用紙搬送路Rt1には、ホッピングローラ13に隣接させて第1の搬送部材としての給紙ローラ対m1が配設され、該給紙ローラ対m1より下流側に第2の搬送部材としてのレジストローラ対m2が配設され、該レジストローラ対m2より下流側に前記画像形成部Qが配設される。
【0015】
該画像形成部Qは、所定の数の、本実施の形態においては、1個の画像形成ユニット12、該画像形成ユニット12が備える像担持体としての感光体ドラム15の上方において該感光体ドラム15と対向させて配設された露光装置としてのLEDヘッド18、及び感光体ドラム15の下方において感光体ドラム15と当接させて配設された転写部材としての転写ローラ20を備える。
【0016】
また、前記用紙搬送路Rt1における画像形成ユニット12より下流側に定着装置としての定着器22が配設される。
【0017】
該定着器22は、第1の定着部材としての加熱ローラ43及び第2の定着部材としての加圧ローラ(バックアップローラ)44を備え、前記加熱ローラ43と加圧ローラ44との間に、定着部としてのニップ部Npが形成される。
【0018】
前記用紙搬送路Rt1における定着器22より下流側には第3の搬送部材としての搬送ローラ対m3が配設され、該搬送ローラ対m3より下流側に第4の搬送部材としての排出ローラ対m4が配設される。
【0019】
前記構成のプリンタ10において、用紙カセット11内の用紙Pは、前記ホッピングローラ13の回転に伴って1枚ずつ分離させられて用紙搬送路Rt1に繰り出され、給紙ローラ対m1によって給紙され、レジストローラ対m2によって斜行が矯正された後、所定のタイミングで画像形成部Qに供給される。
【0020】
一方、該画像形成部Qにおいて、感光体ドラム15の表面が、図示されない帯電ローラによって一様に帯電させられ、LEDヘッド18によって露光されて、感光体ドラム15の表面に潜像としての静電潜像が形成され、該静電潜像に、図示されない現像器によって現像剤としてのトナーが付着させられて現像剤像としてのトナー像が形成される。
【0021】
そして、画像形成部Qに供給された用紙Pが感光体ドラム15と転写ローラ20との間の転写部を通過するのに伴って、感光体ドラム15上のトナー像が転写ローラ20によって用紙Pに転写される。
【0022】
トナー像が転写された用紙Pは定着器22に送られ、該定着器22のニップ部Npにおいて、用紙P上のトナー像が、加熱ローラ43によって加熱され、加圧ローラ44によって加圧されて用紙Pに定着させられ、用紙Pに画像が形成される。
【0023】
定着器22から排出された用紙Pは、搬送ローラ対m3によって搬送された後、排出ローラ対m4によって装置本体Bd外に排出され、頂壁Wtに形成されたスタッカSkに積載される。
【0024】
ところで、前記プリンタ10においては、装置本体Bd内の空気をファンによって装置本体Bd外に排出することにより、装置本体Bd内、特に、画像形成ユニット12及び定着器22を冷却するようにしている。
【0025】
次に、装置本体Bd内を冷却するための冷却ユニットについて説明する。
【0026】
図1は本発明の第1の実施の形態における冷却ユニットによる空気の流れを説明するための図、
図3は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの要部断面図、
図4は本発明の第1の実施の形態における冷却ユニットの正面図である。
【0027】
図3において、Qは画像形成部、12は画像形成ユニット、15は感光体ドラム、20は転写ローラ、22は定着器、43は加熱ローラ、44は加圧ローラ、51は画像形成ユニット12及び定着器22と対向させて配設された冷却ユニットである。
【0028】
前記画像形成ユニット12は、ユニット本体31、及び該ユニット本体31によって支持された現像剤収容部としてのトナーカートリッジ32を備え、前記ユニット本体31内に前記感光体ドラム15が回転自在に配設され、前記トナーカートリッジ32内にトナーが収容される。
【0029】
前記画像形成ユニット12の下方には、ユニット本体31と対向させて前記用紙搬送路Rt1に沿ってガイド34が配設され、該ガイド34は用紙搬送路Rt1を搬送される用紙Pを案内する。
【0030】
前記定着器22は、ハウジングHzを備え、該ハウジングHz内に前記加熱ローラ43、加圧ローラ44等が収容される。また、定着器22を装置本体Bdに対して着脱することができるように、ハウジングHzの上板46に把手47が形成される。該把手47は、前記ハウジングHzの左右方向(加熱ローラ43の軸方向)における中央部において上方に向けて突出させて形成される。
【0031】
そして、前記用紙搬送路Rt1における画像形成部Qと定着器22との間で、かつ、ユニット本体31の下流側の端部より上方に、冷却ユニット51が配設される。
【0032】
該冷却ユニット51は、用紙Pの搬送方向に対して直角の方向、すなわち、感光体ドラム15の軸方向に延在させて形成され、断面が矩形の形状を有するフレームFrを備え、装置本体Bd内における前記フレームFrの画像形成部Q側、すなわち、前方に第1の空間Ar1が、前記フレームFrの定着器22側、すなわち、後方に第2の空間Ar2が形成される。
【0033】
前記フレームFrは、フロントパネルPf、リヤパネルPr、トップパネルPt、ボトムパネルPb及びサイドパネルPs1、Ps2を備え、リヤパネルPrが前記定着器22の把手47と対向させられ、フロントパネルPfが画像形成ユニット12のトナーカートリッジ32と対向させられ、トップパネルPtが前記筐体Cs(
図2)の頂壁Wtと対向させられ、ボトムパネルPbがガイド34と対向させられ、サイドパネルPs1、Ps2が筐体Csの左右の側壁と対向させられる。
【0034】
前記フレームFr内は、複数の、本実施の形態においては、2個の区画部としての隔壁54、55によって、複数の室、本実施の形態においては、3個の室Rm1~Rm3に区画される。そして、各隔壁54、55における外側の室Rm1、Rm2に、筐体Cs外、すなわち、装置本体Bdから取り込んだ空気を吸引し、第1の空間Ar1に吐出するための吸気用の二つのファンF1、F2(第1、第2のファン)が配設され、隔壁54、55における内側の室Rm3に、第1の空間Ar1内の空気を吸引し、第2の空間Ar2に排気し、把手47を冷却するための排気用の一つのファンF3(第3のファン)が、ファンF1、F2によって挟まれた状態で配設される。
【0035】
また、前記室Rm1、Rm2によってダクトDc1、Dc2(第1、第2のダクト)が形成される。そして、前記サイドパネルPs1、Ps2に、空気を吸引するためのダクト入口in1、in2が、前記フロントパネルPfに、空気を吐出するためのダクト出口ou1、ou2が形成され、該ダクト出口ou1、ou2に前記ファンF1、F2が配設される。
【0036】
さらに、前記室Rm3によってダクトDc3(第3のダクト)が形成される。そして、前記フロントパネルPfに、空気を吸引するためのダクト入口in3が、前記リヤパネルPrに、空気を排出するためのダクト出口ou3が形成され、ダクト入口in3とダクト出口ou3との間に前記ファンF3が配設される。
【0037】
すなわち、本実施の形態においては、ファンF1、F2が感光体ドラム15の軸方向における両端に配設され、ファンF3が感光体ドラム15の軸方向における中央部に、ファンF1、F2によって挟まれた状態で配設され、ファンF1、F2は、ダクト入口in1、in2から吸引した空気を画像形成ユニット12に向けて前方に吐出し、ファンF3は前方から吸引した空気を定着器22の把手47に向けて排出する。
【0038】
ところで、プリンタ10を小型化しようとすると、前記冷却ユニット51における用紙Pの幅方向の寸法を小さくする必要があるが、そのために、ファンF1、F2とファンF3とを近接させた場合、第1の空間Ar1に吐出された空気が、直ちにファンF3によって吸引され、第2の空間Ar2に排出されてしまうと、冷却ユニット51による冷却を十分に行うことができない。
【0039】
そこで、本実施の形態において、各ファンF1~F3は、軸部の周囲に複数の羽根を有する軸流ファンから成り、ファンF3の羽根の外径は、ファンF1、F2の羽根の外径より小さくされ、ファンF3による単位時間当たりの送風量は、ファンF1、F2による単位時間当たりの送風量より少なくされる。また、ファンF3が取り付けられるダクト入口in3の面積は、ファンF1、F2が取り付けられるダクト出口ou1、ou2の面積より小さくされる。
【0040】
次に、前記各ファンF1~F3をいずれも稼働させたときの空気の流れについて説明する。
【0041】
図1において、矢印A、Bは左右の側壁に形成された通気孔を介して装置本体Bd外から取り込まれ、ファンF1、F2によって吸引され、ダクトDc1、Dc2を通り、第1の空間Ar1に吐出される空気の流れを示し、矢印Cは、ファンF3によって第1の空間Ar1から吸引され、ダクトDc3を通り、第2の空間Ar2に排出される空気の流れを示す。
【0042】
また、矢印Dは、第1の空間Ar1に吐出された後、直ちにファンF3によって吸引され、第2の空間Ar2に排出される空気の流れを示し、矢印E~Gは、第1の空間Ar1に吐出され、第1の空間Ar1内を循環し、画像形成ユニット12を冷却した後、ファンF3によって吸引され、第2の空間Ar2に排出される空気の流れを示す。
【0043】
このとき、前述されたように、ダクト入口in3の面積がダクト出口ou1、ou2の面積より小さくされるだけでなく、ファンF3による送風量が、ファンF1、F2による送風量より少なくされるので、第1の空間Ar1に吐出された後、直ちにファンF3によって吸引され、第2の空間Ar2に排出される空気の量は、第1の空間Ar1に吐出され、第1の空間Ar1内を循環し、画像形成ユニット12を冷却した後、ファンF3によって吸引され、第2の空間Ar2に排出される空気の量より少ない。
【0044】
このことから、第1の空間Ar1に吐出された空気は、第1の空間Ar1内を循環し、画像形成ユニット12を十分に冷却した後、第2の空間Ar2に排出される。
【0045】
このように、本実施の形態においては、前記感光体ドラム15の軸方向における両端にファンF1、F2が、前記感光体ドラム15の軸方向における中央部にファンF3が配設され、ファンF1、F2によって装置本体Bd外から取り込んだ空気が吸引され、第1、第2のファンによって吸引された空気がファンF3により第2の空間Ar2に排出されるので、ファンF1、F2によって取り込まれた空気を装置本体Bd内で十分に循環させることができ、装置本体Bd内を十分に冷却することができる。
【0046】
また、ファンF1、F2による第1の空間Ar1への空気の吐出方向と、ファンF3による第2の空間Ar2への空気の排出方向とが逆にされ、ファンF3による送風量がファンF1、F2による送風量より少なくされるので、第1の空間Ar1に吐出された空気を第1の空間Ar1内で十分に循環させることができ、画像形成ユニット12を十分に冷却することができる。
【0047】
そして、第1の空間Ar1に吐出された後、直ちにファンF3によって吸引され、第2の空間Ar2に排出される空気の量が少ないので、ダクト入口in3とダクト出口ou1、ou2とを近接させて形成することができる。その結果、プリンタ10を小型化することができる。
【0048】
ところで、本実施の形態においては、ファンF3による単位時間当たりの送風量がファンF1、F2による単位時間当たりの送風量より少なくされる、すなわち、第2の空間Ar2に排出される空気の量が第1の空間Ar1に吐出される空気の量より少ないので、ファンF1~F3の稼働を開始した後、時間が経過するのに伴って、第1の空間Ar1内に空気が滞留し、ファンF1、F2の吸引能力が低下し、画像形成ユニット12を十分に冷却することができなくなってしまう。
【0049】
そこで、前記第1の空間Ar1内の空気を装置本体Bd外に排気することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0050】
図5は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの要部平面図、
図6は本発明の第2の実施の形態における第1の排気路を示す図、
図7は本発明の第2の実施の形態における第2の排気路を示す図、
図8は本発明の第2の実施の形態における冷却ユニットによる空気の流れを説明するための図である。なお、
図6は
図5のX部の拡大図、
図7は
図5のY部の拡大図である。
【0051】
図5において、Ws1は筐体Cs(
図2)の左側の側壁、Lsは該側壁Ws1のインナパネル、Ws2は筐体Csの右側の側壁、Rsは該側壁Ws2のインナパネル、Bdは装置本体、12は画像形成ユニット、22は定着装置としての定着器、Hzはハウジング、46は上板、47は把手、51は冷却ユニット、Frはフレーム、Ar1は第1の空間、Ar2は第2の空間である。
【0052】
また、Sd1、Sd2は、前記側壁Ws1、Ws2より内側に取り付けられたガイド部材であり、該ガイド部材Sd1、Sd2間に、画像形成ユニット12及び現像剤収容部としてのトナーカートリッジ32が着脱自在に配設される。
【0053】
本実施の形態においては、前記第1の空間Ar1内を循環する空気の一部を装置本体Bd外に排出することができるように、側壁Ws1、Ws2とガイド部材Sd1、Sd2との間に、所定の幅の隙間が、空気を装置本体Bd外に排気するための排気流路CL1、CL2として形成される。
【0054】
なお、該排気流路CL1、CL2の幅は、
図6及び7に示されるように、画像形成ユニット12及びトナーカートリッジ32をユニット本体31に対して着脱することができるように、画像形成ユニット12及びトナーカートリッジ32とガイド部材Sd1、Sd2との間に形成された隙間CL11、CL12より大きくされる。
【0055】
また、
図8に示されるように、ファンF1、F2の外側縁をeg1、eg2としたとき、前記排気流路CL1、CL2は、外側縁eg1、eg2の延長上の線Ln1、Ln2より外側(側壁Ws1、Ws2側)に形成される。
【0056】
次に、前記各ファンF1~F3をいずれも稼働させたときの空気の流れについて説明する。
【0057】
図8において、矢印A、Bは装置本体Bd外から取り込まれ、ファンF1、F2によって吸引され、ダクトDc1、Dc2を通り、第1の空間Ar1に吐出される空気の流れを示し、矢印Cは、ファンF3によって第1の空間Ar1から吸引され、ダクトDc3を通り、第2の空間Ar2に排出される空気の流れを示す。
【0058】
また、矢印Dは、第1の空間Ar1に吐出された後、直ちにファンF3によって吸引され、第2の空間Ar2に排出される空気の流れを示し、矢印E~Gは、第1の空間Ar1に吐出され、第1の空間Ar1内を循環し、画像形成ユニット12を冷却した後、ファンF3によって吸引され、第2の空間Ar2に排出される空気の流れを示し、矢印Hは、第1の空間Ar1に吐出され、第1の空間Ar1内を循環し、画像形成ユニット12を冷却した後、排気流路CL1、CL2に送られ、装置本体Bd外に排気される空気の流れを示し、矢印Iは、第1の空間Ar1から排気流路CL1、CL2に送られ、装置本体Bd外に排気される空気の流れを示す。
【0059】
このように、本実施の形態においては、第1の空間Ar1内の一部の空気が第1の空間Ar1から排気流路CL1、CL2に送られ、装置本体Bd外に排気されるので、第1の空間Ar1内に空気が滞留することがない。したがって、ファンF1、F2の吸引能力を向上させることができ、画像形成ユニット12を十分に冷却することができる。
【0060】
前記各実施の形態においては、ファンF3による単位時間当たりの送風量をファンF1、F2による単位時間当たりの送風量より少なくするために、ファンF3の羽根の外径がファンF1、F2の羽根の外径より小さくされるが、ファンF3の軸方向の寸法をファンF1、F2の軸方向の寸法より小さくしたり、ファンF3の回転数をファンF1、F2の回転数より低くしたりすることができる。
【0061】
また、前記各実施の形態においては、プリンタ10について説明したが、本発明を複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に適用することができるだけでなく、冷却用のファンを備えた各種の装置に適用することができる。
【0062】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0063】
10 プリンタ
12 画像形成ユニット
15 感光体ドラム
Cs 筐体
F1~F3 ファン