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特許7581826情報処理システム、制御装置、方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、制御装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
H04M11/00 302
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020206535
(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公開番号】P2022093831
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】鹿田 和之進
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-028766(JP,A)
【文献】特開2009-077442(JP,A)
【文献】特開2016-082497(JP,A)
【文献】特開2020-077101(JP,A)
【文献】特開2020-095508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する値である評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段を参照して、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出する帯域制御値算出手段と、
算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する帯域制御手段と、
を含む情報処理システム。
【請求項2】
前記ネットワークの負荷が所定の負荷を超えたことを検出する高負荷検出手段、
を備え、
前記帯域制御手段は、前記ネットワークの負荷が所定の負荷を超えたことが検出されると、算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記装置に対する前記利用者による前記操作を検出する操作検出手段、
を備え、
前記帯域制御手段は、前記ネットワークの負荷が前記所定の負荷を超えたことが検出された際に、前記装置に対する前記利用者による前記操作が検出されると、算出された前記制御値に基づいて、前記装置の帯域を制御する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記操作の履歴に基づいて、前記評価値を新たに算出する評価値算出手段、
を備え、
前記記憶手段は、新たに算出された前記評価値と、新たに算出された前記制御値と、の対応関係を示す対応情報を記憶する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記評価値算出手段は、前記操作の履歴から検出される前記特徴作業に要した時間に基づいて、前記評価値を算出する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記特徴作業は、前記遅延によって生じうる作業であり、
前記評価値算出手段は、前記操作の履歴から検出される前記特徴作業の発生頻度に基づいて、前記評価値を算出する、
請求項4または5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記装置である第1装置と、第2装置との間の前記ネットワークを介した通信を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記帯域制御手段と、前記帯域制御値算出手段と、を有し、
前記帯域制御手段は、前記第2装置から前記第1装置へパケットが送信される際の前記ネットワークにおける前記第1装置の帯域を制御する処理、および、前記第1装置から前記第2装置へパケットが送信される際の前記ネットワークにおける前記第1装置の帯域を制御する処理のうち、少なくともいずれか一つの処理を行う、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する値である評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報に基づいて、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出する帯域制御値算出手段と、
算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する帯域制御手段と、
を含む制御装置。
【請求項9】
装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する値である評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報に基づいて、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出し、
算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する、
方法。
【請求項10】
コンピュータに、
装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する値である評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報に基づいて、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出し、
算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する、
算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の作業効率を計測する技術がある。例えば、特許文献1に記載の技術では、利用者の作業ログと、モデルケースとなる利用者の作業ログと、の比較により、生産における各利用者の作業効率を計測する技術がある。特許文献2に記載の技術では、就業時間中における利用者の離席時の位置から業務に関連する離席か否かを判断し、離席時間も考慮した利用者の作業効率を推定する。
【0003】
また、ネットワークの帯域を制御する技術がある。例えば、特許文献3に記載の技術では、ハードウェアの処理性能の実効値、ソフトウェアの処理性能の実効値、および通信装置の処理性能の実効値のうち、少なくとも1つを測定し、当該測定値に基づいてユーザ端末に割り当てる通信帯域を決定する。ハードウェアとソフトウェアの実効値から必要となるネットワークの帯域を算出して設定する。また、例えば、特許文献4に記載の技術では、ウェブ会議システムのルーム毎に発生するイベントを検知すると、ルーム毎に割り当てられたネットワークの帯域の範囲内で帯域制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-095508号公報
【文献】特開2010-026888号公報
【文献】特開2006-324793号公報
【文献】特開2014-112845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、利用者のコンピュータの作業内容によってそのコンピュータに必要なネットワークの帯域は異なる。各利用者に対して均一にネットワークの遅延が発生すると、利用者の作業内容によってはこの遅延により利用者の作業効率が低下する。
【0006】
本発明の目的の一例は、利用者の作業効率の向上を図る情報処理システムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における情報処理システムは、装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する値である評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段を参照して、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出する帯域制御値算出手段と、算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する帯域制御手段と、を備える。
【0008】
本発明の一態様における制御装置は、装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する値である評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報に基づいて、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出する帯域制御値算出手段と、算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する帯域制御手段と、を備える。
【0009】
本発明の一態様における方法は、装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する値である評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報に基づいて、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出し、算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する。
【0010】
本発明の一態様におけるプログラムは、コンピュータに、装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する値である評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報に基づいて、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出し、算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、利用者の作業効率の向上を図る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態1にかかる情報処理システムの一構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態1にかかる情報処理システムの一動作例を示すフローチャートである。
図3図3は、実施の形態1の変形例における制御装置の一構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態2にかかる情報処理システムの一例を示す説明図である。
図5図5は、実施の形態2にかかる情報処理システムの一構成例を示すブロック図である。
図6図6は、特徴作業例を示す説明図である。
図7図7は、漢字変換に関する評価値の算出表を示す説明図である。
図8図8は、再入力と移動戻りに関する評価値の算出表を示す説明図である。
図9図9は、対応関係DBの一記憶例を示す説明図である。
図10図10は、制御値および評価値の散布図と累乗近似した場合の曲線とを示す説明図である。
図11図11は、制御結果例を示す説明図である。
図12図12は、実施の形態2にかかる情報処理システムの一動作例を示すフローチャートである。
図13図13は、実施の形態2における変形例1にかかる情報処理システムを示す説明図である。
図14図14は、実施の形態2における変形例2にかかる情報処理システムを示す説明図である。
図15図15は、実施の形態2における変形例2にかかる情報処理システムの一構成例を示すブロック図である。
図16図16は、情報処理システムのハードウェア構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照して、本発明にかかる情報処理システム、制御装置、方法、およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、開示の技術を限定するものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる情報処理システムの一構成例を示すブロック図である。情報処理システム1は、図示しない第1装置のネットワークの帯域を制御する。例えば、情報処理システム1は、第1装置からネットワークを介する第2装置(図示しない)へのアクセスを制御する。また、情報処理システム1は、第2装置からネットワークを介する第1装置へのアクセスを制御する。第1装置は、ネットワークを介して、第2装置を利用する。第1装置が第2装置を利用するとは、例えば、リモートデスクトップ、オンラインゲームなどの第2装置上で実行するアプリケーションプログラムの利用などが挙げられる。
【0015】
図1において、情報処理システム1は、帯域制御値算出部101と、高負荷検出部と、帯域制御部102と、記憶部103と、を有する。各部は、同一の装置によって実現されてもよい。また、各部は、複数の装置によって実現されてもよい。複数の装置の場合、複数の装置は、ネットワークなどを介して接続されてもよい。もしくは、複数の装置は、ネットワークを介さずに接続されてもよい。
【0016】
記憶部103は、各部の処理の結果を記憶する。また、記憶部103は、各部の処理に用いるデータを記憶する。記憶部103としては、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)が挙げられる。記憶部103は、これらの組み合わせであってもよい。
【0017】
具体的に、記憶部103は、例えば、過去の評価値と、当該評価値における過去の制御値と、の対応関係を示す対応情報を記憶する。評価値は、第1装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における操作の効率に関する値である。ここで、操作とは、例えば、入力装置に対する利用者の操作である。入力装置がキーボードであれば、Deleteキーの押下は1つの操作である。作業は、1または複数の操作によって実現する作業である。また、作業は、第1装置に表示された資料を読むなどの操作を伴わない作業も含む。特徴作業は、1または複数の操作によって実現する作業である。具体的に、特徴作業は、例えば、作業のうち、ネットワークの遅延に関連する作業である。特徴作業は、操作の履歴から検出可能である。例えば、漢字変換の作業では、利用者は、スペースキーを押下した後に、1または複数の漢字の候補から利用者が所望の漢字を選ぶためのキーを押下する。他の特徴作業の例は、後述する。操作の効率とは、操作にかかる時間的な効率の良し悪しである。例えば、操作に応じた処理にかかる時間が長くなると、操作の効率は低い。操作に応じた処理にかかる時間が短いと、操作の効率は高い。または、操作の効率とは、利用者の所望の作業に不要な操作が発生したか否かの効率の良し悪しである。不要な操作が発生していなければ、操作の効率は高い。操作の効率がよいと、利用者の作業効率が高くなる。例えば、利用者が、資料を読む作業を行っている際に、入力装置に対して、スクロールの操作を行ったとする。スクロールにかかる処理が長い場合、操作の効率が悪い。よって、資料を読む作業の効率は悪い。スクロールにかかる処理が短い場合、操作の効率はよい。よって、資料を読む作業の効率はよい。ただし、利用者が、スクロールの操作自体を行っていなければ、スクロールにかかる処理は発生しないため、操作の効率は良い。よって、資料を読む作業の効率は良い。また、評価値は、第1装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値である。制御値は、第1装置が接続されたネットワークにおける第1装置の帯域の制御値である。
【0018】
換言すれば、記憶部103は、第1装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における操作の効率に関する値であり、第1の装置に対する利用者による操作の履歴に基づく当該操作に関する値である評価値と、第1の装置が接続されたネットワークにおける第1の装置の帯域の制御値と、の対応関係を記憶する。
【0019】
情報処理システム1は、記憶部103を参照して第1の装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出する。たとえば、情報処理システム1は、作業効率に関する過去の評価値と過去の帯域の制御値との対応関係を用いて、新たな制御値を算出する。そして情報処理システム1は、新たな制御値に基づいて、第1装置の帯域を制御する。
【0020】
評価値について詳細に説明する。ここで、評価値の大小は、ネットワーク遅延による操作の効率性の高低(良否)を示す。例えば、評価値が大きいほど、利用者の操作の効率が高いことを示す。ひいては、評価値が大きいほど、利用者の作業効率が高いことを示す。評価値が小さいほど、利用者の操作の効率が低いことを示す。ひいては、評価値が小さいほど、利用者の作業の効率が低いことを示す。特徴作業は、上述したように、ネットワークの遅延によってかかる時間が長くなる作業である。特徴作業は、漢字変換、文字列の予測候補の選択などの作業が挙げられる。予測候補とは、利用者が入力したい文字列を表示することである。例えば、漢字変換の場合、ネットワークの遅延によって漢字変換に要する時間が長くなる場合がある。漢字変換に要する時間が長いほど、作業の効率は悪い。そこで、例えば、漢字変換に要する時間が長いほど、評価値は小さく、漢字変換に要する時間が短いほど、評価値は大きいこととする。また、文字列の予測候補の選択の場合、ネットワークの遅延によって表示された予測候補から利用者が所望の文字列の選択に要する時間が長くなる。そこで、例えば、予測候補の選択に要する時間が長いほど、評価値は小さく、予測候補の選択に要する時間が短いほど、評価値は大きいこととする。
【0021】
または、特徴作業は、例えば、ネットワークの遅延に起因する作業であってもよい。この特徴作業は、例えば、再入力の作業、移動戻りの作業などが挙げられる。再入力とは、文書の訂正時において、文字を消しすぎてしまうことである。もしくは、再入力とは、文書の訂正時において、文字を消し足りないことである。また、移動戻りとは、カーソル移動時の移動しすぎてしまうことである。再入力の作業と移動戻りの作業とは、ネットワークの遅延により発生する可能性が高くなる。そこで、例えば、これらの特徴作業が発生する頻度が多いほど、評価値は小さく、この頻度が少ないほど、評価値は大きいこととする。
【0022】
対応関係の情報は、例えば、各タイミングにおける、過去の評価値と、過去の制御値と、対応関係を示す。具体的に、対応関係の情報は、午後1時における評価値および制御値を含む情報と、午後2時における評価値および制御値を含む情報と、などのように時系列の一連の情報であってもよい。もしくは、対応関係の情報は、一連の情報が近似された関数の情報であってもよい。例えば、関数は、例えば、評価値を入力として、制御値が得られる。近似方法は、特に限定されない。例えば、近似方法としては、累乗近似などが挙げられる。
【0023】
つぎに、帯域制御値算出部101は、記憶部103を参照して、第1装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出する。新たな制御値は、例えば、第1装置に割り当てる帯域の最小値である。より具体的に、帯域制御値算出部101は、記憶部103を参照して、所定の評価値に対応する制御値を算出する。ここで、所定の評価値とは、操作の効率に影響を与えないと推定される値である。例えば、対応関係の情報が上述した関数の情報の場合、帯域制御値算出部101は、関数に対して所定の評価値を入力することにより、所定の評価値に対応する制御値を得る。
【0024】
つぎに、帯域制御部102は、算出された制御値に基づいて、第1装置の帯域を制御する。具体的に、帯域制御部102は、第1装置の帯域の下限値を、算出された制御値とするように第1装置の帯域を制御する。
【0025】
図2は、実施の形態1にかかる情報処理システム1の一動作例を示すフローチャートである。ここで、図2における各ステップの処理結果は、記憶部103、もしくは、ネットワークを介して各機能部がアクセス可能なストレージ装置に記憶されてもよい。帯域制御値算出部101は、制御値を算出する(ステップS101)。つぎに、帯域制御部102は、制御値に基づいて、第1装置の帯域を制御する(ステップS102)。
【0026】
つぎに、実施の形態1の効果について説明する。帯域の制御値が低くとも、作業効率が高い利用者もいる。一方、帯域の制御値が高くとも作業効率が低い利用者もいる。そこで、情報処理システム1は、例えば、作業効率に関する過去の評価値と過去の帯域の制御値との対応関係から、新たな制御値を算出することにより、第1装置の帯域を制御する。これにより、情報処理システム1は、利用者ごとに、利用者の作業効率に応じた帯域を割り当てることができる。したがって、情報処理システム1は、利用者の作業効率の向上を図ることができる。
【0027】
実施の形態1については上述した例に限られず、種々変更可能である。実施の形態1おける変形例について説明する。
【0028】
<実施の形態1の変形例>
図3は、実施の形態1の変形例における制御装置の一構成例を示すブロック図である。図3において、制御装置10は、例えば、帯域制御値算出部101と、帯域制御部102と、を有する。なお、帯域制御値算出部101と、帯域制御部102とは、上述した情報処理システム1における帯域制御値算出部101と、帯域制御部102の機能から変更がないため、詳細な説明を省略する。制御装置10は、図1で示した記憶部103に対して、ネットワークなどを介してアクセスする。制御装置10は、例えば、専用装置、PC(Peronal Computer)、サーバなど特に限定されない。
【0029】
このように、各機能部を1台の制御装置10によって実現される場合であっても、記憶部103は制御装置10と異なる別の装置によって実現されてもよい。また、制御装置10が、帯域制御値算出部101と、帯域制御部102と、記憶部103と、を有する構成であってもよい。
【0030】
なお、図3の変形例に限らず、上述したように、帯域制御値算出部101と、帯域制御部102とが別々の装置によって実現されてもよい。
【0031】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。実施の形態2では、利用者がリモートワーク時にネットワークの負荷が高くなった場合に、利用者の装置のネットワークの帯域を制御する例について説明する。以下、本実施の形態2の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0032】
図4は、実施の形態2にかかる情報処理システムの一例を示す説明図である。図4において、情報処理システム2は、第1装置21と、制御装置20と、第2装置22と、を有する。例えば、第1装置21と、制御装置20とは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワーク23を介して接続される。制御装置20と、第2装置22とは、例えば、LANなどのネットワークを介して接続される。このように、第1装置21と第2装置22とは、ネットワーク23と制御装置20とを介して接続される。制御装置20は、例えば、第1装置21ごとに、第2装置22から第1装置21へのネットワーク23の帯域を制御する。また、制御装置20は、例えば、第1装置21ごとに、第1装置21から第2装置22へのネットワーク23の帯域を制御する。または、制御装置20は、第2装置22から第1装置21へのネットワーク23の帯域を制御する処理、および、第1装置21から第2装置22へのネットワーク23の帯域を制御する処理、の少なくともいずれか一つの処理を行ってもよい。すなわち、制御装置20は、第2装置22から第1装置21へのネットワーク23の帯域を制御する処理と、第1装置21から第2装置22へのネットワーク23の帯域を制御する処理と、いずれか一方を行ってもよいし、両方を行ってもよい。
【0033】
例えば、情報処理システム2は、シンクライアントシステムを実現する。第1装置21は、シンクライアントシステムにおいて、利用者が実際に操作するクライアント端末である。リモートワーク環境において、例えば、第1装置21は、各自宅24にある。図4において、第1装置21-1と第1装置21-2とが示すように、情報処理システム2は、複数の第1装置21を有してもよい。また、第2装置22は、シンクライアントシステムにおいて、サーバ、もしくは、PCである。リモートワーク環境において、例えば、第2装置22は、職場25にある。図4において、第2装置22-1と第2装置22-2とが示すように、情報処理システム2は、複数の第2装置22を有してもよい。
【0034】
第1装置21は、ネットワーク23への接続と、入力の受け付けと、出力と、を行う。具体的に、例えば、第1装置21は、ディスプレイなどの出力装置と、キーボードおよびマウスなどの入力装置と、を有する。第1装置21は、入力装置を介して利用者の操作を受け付ける。第2装置22は、第1装置21が有する入力装置を介して利用者による操作を受け付ける。そして、第2装置22は、受け付けた操作に応じた処理を行う。第1装置21は、出力装置に、第2装置22における処理の結果を出力する。図4において、例えば、利用者の自宅24-1にある第1装置21-1が、ネットワーク23を介して職場25の第2装置22-1(PC)にアクセスする。
【0035】
このように、第1装置21からのパケットの流入量、もしくは第2装置22からのパケットの流入量が増えると、ネットワーク23の負荷が増大する。第1装置21に割り当てるネットワーク23の帯域が均一であると、ネットワーク23の負荷が増えると、文字入力、スクロールなどの作業を行っている利用者は、作業の効率が下がる。一方、ネットワーク23の負荷が増えても、スクロールせずに文書を読む作業を行っているような利用者は、作業の効率が下がらない。
【0036】
図5は、実施の形態2にかかる情報処理システム2の一構成例を示すブロック図である。情報処理システム2は、制御装置20と、第1装置21と、第2装置22と、を有する。情報処理システム2は、実施の形態1で説明した情報処理システム1の各部の構成を基本構成として備える。
【0037】
制御装置20は、実施の形態1の変形例で説明した制御装置10の各部の構成を基本構成として備える。制御装置20は、例えば、帯域制御値算出部201と、高負荷検出部204と、帯域制御部202と、記憶部203と、を有する。第2装置22は、評価値算出部221と、操作検出部222と、記憶部223と、を有する。機能部として、高負荷検出部204と、評価値算出部221と、操作検出部222と、記憶部223と、が実施の形態1から新たに追加される。
【0038】
上述したように、第2装置22は、ネットワーク23を介して、第1装置21の入力装置に対する利用者の操作を受け付けることができる。このため、実施の形態2では、第2装置22が、評価値算出部221と、操作検出部222と、を有する。
【0039】
帯域制御値算出部201は、実施の形態1で説明した帯域制御値算出部101の機能を有する。帯域制御部202は、実施の形態1で説明した帯域制御部102の機能を有する。記憶部203は、実施の形態1で説明した記憶部103の機能を有する。
【0040】
制御装置20の記憶部203について説明する。記憶部203は、対応関係DB2101を有する。対応関係DB2101は、例えば、利用者ごとに、各タイミングにおける、評価値と、制御値と、の対応関係の情報を有する。なお、対応関係DB2101は、一例であり、評価値と制御値との対応付けが判別可能であればよい。このため、評価値と制御値とはそれぞれ異なる記憶部に記憶されていてもよい。例えば、各タイミング(例えば、日時)における評価値が記憶部203に記憶され、各タイミングにおける制御値が記憶部223に記憶される。タイミング(例えば、日時)に紐づけられることで、評価値と、制御値とが対応付けられてもよい。対応関係DB2101の図示を後述する。
【0041】
つぎに、第2装置22の記憶部223について説明する。記憶部223は、第2装置22の各部の処理の結果を記憶する。また、記憶部223は、第2装置22の各部の処理に用いるデータを記憶する。記憶部223としては、ROM、RAM、半導体メモリ、HDD、SSDが挙げられる。記憶部223は、これらの組み合わせであってもよい。操作履歴情報2201は、利用者ごとに操作の履歴の情報である。より具体的に、操作履歴情報2201は、第1装置21に対する利用者による操作の履歴情報である。操作履歴情報2201は、例えば、操作別に、操作の内容と、操作の日時とを対応付けて記憶する。例えば、操作履歴情報2201は、シフトキーがある日時に押されたなどの情報を記憶する。
【0042】
つぎに、評価値算出部221は、例えば、利用者ごとに、操作履歴情報2201に基づいて、評価値を新たに算出する。実施の形態2では、評価値が高いほど、作業の効率が高いこととする。評価値算出部221は、所定のタイミングで、評価値を新たに算出する。または、評価値算出部221は、一定期間ごとに、評価値を新たに算出してもよい。具体的に、例えば、評価値算出部221は、1時間に一回新たな評価値を算出するようにしてもよい。より詳細に、評価値算出部221は、操作履歴情報2201から、特徴作業における評価値を算出する。例えば、評価値算出部221は、操作履歴情報2201から検出される特徴作業に要した時間に基づいて、評価値を算出する。もしくは、評価値算出部221は、操作履歴情報2201から検出される特徴作業の発生した頻度に基づいて、評価値を算出する。ここで、特徴作業について図6を用いて説明する。
【0043】
図6は、特徴作業例を示す説明図である。図6において特徴作業は、漢字変換の作業、再入力の作業、移動戻りの作業である。図6の内容には、評価値の算出に用いる情報を示す。図6において検出方法は、評価値の算出に用いる情報を操作履歴情報2201から検出する方法である。
【0044】
まず、漢字変換の作業について説明する。漢字変換に要する時間が長いほど、ネットワーク23の遅延が作業の効率の低下に影響していると推定される。図6の検出方法に示すように、評価値算出部221は、操作履歴情報2201から、スペースキーを入力したときから、次のキーが押されるまでの時間を漢字変換の待ち時間として検出する。評価値算出部221は、漢字変換の待ち時間の平均値を平均待ち時間として算出する。そして、例えば、評価値算出部221は、漢字変換の平均待ち時間に基づいて、評価値を算出する。評価値算出部221は、平均待ち時間が長いほど、値が低くなるように評価値を算出する。例えば、評価値の算出式または算出表は予め記憶部223、もしくは第2装置22がアクセス可能なストレージ装置などに記憶されていてもよい。
【0045】
図7は、漢字変換に関する評価値の算出表を示す説明図である。図7では、理解の容易化のために、算出表2202をグラフ化してある。横軸は、平均待ち時間である。横軸は、評価値である。このため、図7において、算出表2202では、例えば、平均待ち時間が長いほど、評価値が低くなり、平均待ち時間が短いほど、評価値が高くなる。例えば、平均待ち時間が0秒の場合、評価値は100である。一方、平均待ち時間が5秒の場合、評価値は0となる。なお、平均待ち時間が5より大きい場合、評価値は0となる。評価値算出部221は、算出表2202を用いて、平均待ち時間に応じた評価値を算出する。
【0046】
算出表2202は、例えば、記憶部223、もしくは評価値算出部221がアクセス可能なストレージ装置に記憶されてある。算出表2202は、例えば、制御装置20の管理者などによって作成されてもよい。また、算出表2202の代わりに、再入力と移動戻りに関する評価値を算出可能な関数が用いられてもよい。
【0047】
図6の説明に戻って、再入力の作業について説明する。例えば、評価値算出部221は、再入力の作業の発生頻度に基づいて、評価値を算出する。再入力の発生頻度は、操作履歴情報2201から検出される。具体的に、評価値算出部221は、操作履歴情報2201から、Deleteキーの連続入力後に、Ctrlキーおよびzキーの入力が行われている一連の操作を、再入力の作業として検出する。もしくは、評価値算出部221は、操作履歴情報2201から、Deleteキーの連続入力後に、削除された文字と同じ文字の再入力が行われた一連の操作を、再入力の作業として検出する。または、評価値算出部221は、操作履歴情報2201から、Deleteキーの連続入力後に、再度Deleteキーの入力が行われた一連の操作を、再入力の作業として検出する。そして、評価値算出部221は、所定時間単位の再入力の作業の回数を、再入力の作業の発生頻度として検出する。所定時間は特に限定されない。例えば、評価値算出部221は、一定期間分の操作履歴情報2201から検出された再入力の作業の回数を所定時間で割ることにより再入力の発生頻度を求める。例えば、評価値の算出式または算出表は予め記憶部223、もしくは第2装置22がアクセス可能なストレージ装置などに記憶されていてもよい。
【0048】
図8は、再入力と移動戻りに関する評価値の算出表を示す説明図である。図8において、理解の容易化のために、算出表2203をグラフ化してある。横軸は、再入力の発生頻度、または移動戻りの発生頻度である。横軸は、評価値である。例えば、再入力が長いほど、ネットワーク23の遅延によって、利用者の作業効率が下がっていることを示す。このため、算出表2203では、例えば、再入力の発生頻度が多いほど、評価値が低くなる。一方、再入力の発生頻度が少ないほど、評価値が高くなる。図8において、所定時間は5分である。例えば、5分あたりの発生頻度が50回の場合、評価値は、0である。5分あたりの発生頻度が0の場合、評価値は100である。
【0049】
再入力の作業と同様に、移動戻りの発生頻度が多いほど、評価値が低くなる。移動戻りの発生頻度が少ないほど、評価値が高くなる。再入力の作業と同様に、所定時間は5分である。例えば、5分あたりの発生頻度が50回の場合、評価値は、0である。5分あたりの発生頻度が0の場合、評価値は100である。
【0050】
説明の容易化のために、算出表2203は、再入力に関する算出表と、移動戻りに関する算出表との両方を示す。ただし、各算出表は異なっていてもよい。また、再入力に関する算出表2203の代わりに、再入力の発生頻度を与えると再入力に関する評価値を算出可能な関数があってもよい。移動戻りに関する算出表2203の代わりに、移動戻りの発生頻度を与えると移動戻りに関する評価値を算出可能な関数があってもよい。
【0051】
図6の説明に戻って、移動戻りの作業について説明する。例えば、評価値算出部221は、移動戻りの作業の発生頻度に基づいて、評価値を算出する。移動戻りの作業の発生頻度は、操作履歴情報2201から検出される。そして、評価値算出部221は、所定時間単位の移動戻りの作業の数を、移動戻りの作業の発生頻度として検出する。所定時間は特に限定されない。例えば、評価値算出部221は、一定期間分の操作履歴情報2201から検出された移動戻りの作業の数を第2所定時間で割ることにより移動戻りの作業の発生頻度を検出する。第2所定時間は特に限定されない。図8の算出表2203については、再入力の作業と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0052】
複数の特徴作業のうちいずれかの1つの特徴作業について評価値が算出されてもよい。また、図6に示す複数の特徴作業のうち複数の特徴作業に関する評価値が算出されてもよい。例えば、図6に示す3つの特徴作業について評価値が算出されてもよい。このような場合、評価値算出部221は、各特徴作業に関する評価値の統計値を利用者の操作に関する評価値としてもよい。統計値とは、例えば、平均値、中央値、最頻値、最小値、最大値などである。平均値の場合を例に挙げて説明する。例えば、利用者E1が文章入力をしており、5分間で漢字変換の平均待ち時間が1秒、再入力が10回、移動戻りが20回発生したとする。漢字変換の作業についての評価値は、算出表によると、80である。再入力の作業についての評価値は、算出表によると、80である。移動戻りの作業についての評価値は、算出表によると、60である。このため、評価値算出部221は、評価値として、(80+80+60)/3で73.3を算出する。評価値算出部221は、算出された評価値を対応関係DB2101に記憶する。後述する例では、評価値算出部221は、算出日時ごとに、評価値を対応関係DB2101に記憶させる。
【0053】
つぎに、帯域制御値算出部201は、対応関係DB2101から、記憶部203を参照して、第1装置21に割り当てる新たな帯域の制御値を算出する。第1装置21に割り当てる新たな帯域の制御値は、例えば、作業効率が高くなる制御値である。例えば、作業効率が高くなる制御値とは、作業効率が高いことを示す所定の評価値に対応する制御値である。上述した図7および図8の例では、評価値が100であると、再入力、漢字変換の待ち時間がなく、再入力・移動戻りが発生しないような状態である。例えば、所定の評価値を100とする。帯域制御値算出部201は、対応関係DB2101から、評価値が100に対応する制御値を算出する。
【0054】
図9は、対応関係DB2101の一記憶例を示す説明図である。対応関係DB2101は、利用者別に、各タイミングにおける、帯域の制御値と、評価値と、を対応付けて記憶する。リモートワークにおいて利用者とは、例えば、従業員である。例えば、利用者E1は、2020年6月1日の9時において、評価値が10であり、制御値が10である。2020年6月1日15時について、制御値が空であるが、帯域制御値算出部201が、この制御値を算出している。帯域制御値算出部201は、過去の制御値と、過去の評価値と、に基づいて、新たな評価値を算出する。
【0055】
図10は、制御値および評価値の散布図と累乗近似した場合の曲線とを示す説明図である。グラフ2102には、散布図(各点)と、曲線(破線)と、を示す。グラフ2102上の散布図は、図9に示した対応関係DB2101から得られる利用者E1の評価値および制御値の対応関係をグラフ化した例である。曲線は、対応関係DB2101から得られる利用者E1の評価値および制御値を累乗近似した関数をグラフ化した例である。グラフ2102において、横軸方向は、帯域の制御値である。グラフ2102において、縦軸方向は、評価値である。制御値の単位は、例えば、kbps(kilo bits per second)である。理解の容易化のために、所定の評価値(例えば、100)の実線が引いてある。実施の形態1で説明したように、累乗近似は一例である。近似の種類は特に限定されない。
【0056】
帯域制御値算出部201は、所定の評価値に対応する制御値である170を求める。そして、帯域制御値算出部201は、算出された制御値を、対応関係DB2101に登録する。図10では、1台の第1装置21に関する関数をグラフ化した例を示すが、実際には、第1装置21を利用する利用者によって操作内容が異なる。このため、関数(曲線)は、第1装置21別に異なる。
【0057】
高負荷検出部204は、第2装置22から制御装置20へのパケットの流量に基づいて、ネットワーク23の高負荷状態を判定する。高負荷状態とは、例えば、ネットワーク23の負荷が所定の負荷を超えた状態である。よって、高負荷検出部204は、ネットワーク23の負荷が所定の負荷を超えたか否かを検出する。より詳細に説明すると、高負荷検出部204は、各第2装置22から制御装置20へのパケットの量が所定の量を超えた場合に、ネットワーク23が高負荷状態であることを検出する。もしくは、高負荷検出部204は、ネットワーク23(各第1装置21)から制御装置20へのパケットの流量に基づいて、ネットワーク23の高負荷状態を判定する。より詳細に説明すると、高負荷検出部204は、ネットワーク23から制御装置20へのパケットの量が所定の量を超えた場合に、ネットワーク23が高負荷状態であることを検出する。なお、高負荷検出部204は、各第2装置22から制御装置20へのパケットの量が所定の量を超えた場合、およびネットワーク23から制御装置20へのパケットの量が所定の量を超えた場合、の少なくともいずれか一方の場合に、高負荷状態であることを検出してもよい。すなわち、高負荷検出部204は、いずれか一方の場合に、高負荷状態であることを検出してもよいし、両方が該当する場合に、高負荷状態であることを検出してもよい。
【0058】
帯域制御部202は、ネットワーク23の負荷が所定の負荷を超えたことが検出されると、算出された制御値に基づいて、ネットワーク23における第1装置21の帯域を制御する。具体的に、帯域制御部202は、第2装置22から第1装置21へパケットが送信される際のネットワーク23における第1装置21の帯域を制御する。また、具体的に、帯域制御部202は、第1装置21から第2装置22からパケットが送信される際のネットワーク23における第1装置21の帯域を制御する。もしくは、帯域制御部202は、第1装置21から第2装置22へパケットが送信される際のネットワーク23における第1装置21の帯域を制御する。なお、帯域制御部202は、第2装置22から第1装置21へのネットワーク23の帯域を制御する処理、および、第1装置21から第2装置22へのネットワーク23の帯域を制御する処理、の少なくともいずれか一つの処理を行ってもよい。すなわち、帯域制御部202は、第2装置22から第1装置21へのネットワーク23の帯域を制御する処理と、第1装置21から第2装置22へのネットワーク23の帯域を制御する処理と、いずれか一方を行ってもよいし、両方を行ってもよい。
【0059】
さらに、ネットワーク23の負荷が高くなったときに、利用者による操作が検出されれば、第1装置21の帯域が制御されてもよい。例えば、操作検出部222は、入力装置に対して利用者が現在操作をしているかを検出する。そして、帯域制御部202は、ネットワーク23の負荷が所定の負荷を超えたことが検出された時に、第2装置22に対する利用者による操作が検出されると、第1装置21の帯域を制御する。一方、ネットワーク23の負荷が高くとも利用者が操作をしていなければ、作業効率が著しく低下することはない。そこで、帯域制御部202は、ネットワーク23の負荷が所定の負荷を超えたことが検出された時に、第1装置21に対する利用者による操作が検出されなければ、第1装置21の帯域を制御しなくてもよい。
【0060】
図11は、制御結果例を示す説明図である。図11には、職場25にある第2装置22の利用者(第1装置21)ごとの帯域の制御値を示す。このように、利用者ごとに帯域の制御値が異なるようになる。
【0061】
図12は、実施の形態2にかかる情報処理システム2の一動作例を示すフローチャートである。ここで、図12における各ステップの処理結果は、記憶部203、記憶部223、もしくは、各機能部がアクセス可能なストレージ装置などに記憶されてもよい。
【0062】
まず、評価値算出部221は、特徴作業ごとに、評価値を算出する(ステップS201)。そして、評価値算出部221は、算出された各評価値の平均値を、第2装置22における作業効率に関する評価値として算出する(ステップS202)。評価値算出部221は、日時に関連付けて算出された評価値を、対応関係DB2101に記憶する。
【0063】
つぎに、帯域制御値算出部201は、対応関係DB2101から得られる過去の評価値および制御値を累乗近似する(ステップS203)。これにより、帯域制御値算出部201は、評価値を入力として制御値が得られる関数を得る。そして、帯域制御値算出部201は、所定の評価値を関数に与えることにより、所定の評価値に対応する制御値を算出する(ステップS204)。帯域制御値算出部201は、算出された制御値を算出された評価値に対応付けて記憶する(ステップS205)。つぎに、高負荷検出部204は、ネットワーク23が高負荷であるか否かを判断する(ステップS206)。
【0064】
所定期間において、ネットワーク23が高負荷でない場合(ステップS206:No)、情報処理システム2は、フローの動作を終了する。また、ネットワーク23が高負荷である場合(ステップS206:Yes)、操作検出部222は、利用者が操作中であるか否かを判断する(ステップS207)。例えば、操作が検出された場合(ステップS207:Yes)、情報処理システム2は、フローの動作を終了する。一方、第2所定期間において、操作が検出されなかった場合(ステップS207:No)、帯域制御部202は、制御値に基づいて、ネットワーク23の帯域を制御する(ステップS208)。ステップS208のつぎに、情報処理システム2は、フローの動作を終了する。
【0065】
つぎに、実施の形態2の効果について説明する。本実施の形態2では、情報処理システム2は、第1装置21別に、ネットワーク23の負荷が高くなったときに、過去の評価値と制御値とによって算出された制御値に基づいて、第1装置21の帯域を制御する。これにより、情報処理システム2は、ネットワーク23の負荷が高くなったときに、利用者の作業効率に基づいて帯域の制御を行うことができる。したがって、情報処理システム2は、利用者の作業効率の低下を抑制することができる。
【0066】
また、情報処理システム2は、ネットワーク23の負荷が高くなったときに、利用者による操作が検出されれば、算出された制御値に基づいて、第1装置21の帯域を制御する。これにより、情報処理システム2は、ネットワーク23の負荷が高くなったときに、利用者の作業効率の低下を抑制することができる。なお、利用者が操作していなければ、作業効率に変化はないので、情報処理システム2は、第1装置21の帯域を制御しなくてもよい。
【0067】
情報処理システム2は、操作の履歴に基づいて、評価値を新たに算出する。そして、情報処理システム2は、算出された評価値と制御値とを対応付けて記憶しておく。これにより、情報処理システム2は、より最近の利用者の作業効率に基づいて帯域を制御することができる。
【0068】
例えば、漢字変換のように入力した文字の変換の作業にかかる時間は、ネットワーク23の遅延により長くなる。そこで、情報処理システム2は、操作の履歴から検出される特徴作業に要した時間に基づいて、評価値を算出してもよい。これにより、情報処理システム2は、ネットワーク23の遅延によって影響する作業効率に基づいて、帯域を制御することができる。
【0069】
また、例えば、再入力の作業、移動戻りの作業は、ネットワーク23の遅延によって発生し得る。そこで、情報処理システム2は、例えば、漢字変換などの入力した文字の変換の作業の発生頻度に基づいて、評価値を算出してもよい。これにより、情報処理システム2は、ネットワーク23の遅延によって影響する作業効率に基づいて、帯域を制御することができる。
【0070】
<実施の形態2における変形例1>
図4において、説明の容易化のために、第1装置21と第2装置22とは、一対一の関係としているが、これに限られない。情報処理システム2は、シンクライアントシステムにおいて、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)が用いられてもよい。例えば、複数の第1装置21に対して、1台の第2装置22がそれぞれの仮想デスクトップを実現してもよい。
【0071】
図13は、実施の形態2における変形例1にかかる情報処理システム2を示す説明図である。情報処理システム2は、複数の第1装置21と、複数の第2装置22と、を有する。第1装置21-1は、図4と同様に、第2装置22-1(PC)を利用する。第1装置21-2と第1装置21-3は、それぞれ第2装置22-2上に設けられた仮想的なデスクトップ環境を利用する。
【0072】
このように、第2装置22は、ネットワーク23を介して複数の第1装置21(端末装置)を介して複数の利用者の操作を受け付ける場合がある。このような場合であっても、情報処理システム2は、第1装置21別(利用者別)に、ネットワーク23の帯域を制御することにより、利用者の作業効率の低下を抑制することができる。なお、変形例1のブロック図については図5の例と同じでよいため、新たに図示しない。
【0073】
<実施の形態2における変形例2>
実施の形態2では、テレワークを例に挙げたが、これに限られない。例えば、オンラインゲームなどのように1台のサーバに対して複数の利用者がアクセスするような構成にも利用できる。例えば、オンラインゲームでは、チャット機能によって利用者が文字入力をすることがある。このため、文字入力の操作の履歴から作業効率に関する評価値が算出されてもよい。
【0074】
図14は、実施の形態2における変形例2にかかる情報処理システム2を示す説明図である。情報処理システム2は、例えば、第1装置21と、制御装置20と、第2装置22と、を有する。第2装置22は、オンラインゲーム等のアプリケーションプログラムを実行する。そして、例えば、複数の第1装置21は、第2装置22で実行されるアプリケーションプログラムを使用する。
【0075】
図15は、実施の形態2における変形例2にかかる情報処理システム2の一構成例を示すブロック図である。変形例2において、制御装置20の機能部は変更がない。変形例2では、第1装置21が、評価値算出部221と、操作検出部222と、記憶部223と、を有することが、図5に示す例と異なる点である。なお、各部の機能については、図5と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0076】
以上で、各実施の形態の説明を終了する。つぎに、情報処理システム3のハードウェア構成について説明する。図16は、情報処理システム3のハードウェア構成例を示す説明図である。情報処理システム3は、実施の形態1,2にかかる情報処理システム1,2がコンピュータで実現された場合の一例である。情報処理システム3は、例えば、制御装置30と、第1装置31と、第2装置32と、を有する。
【0077】
まず、制御装置30のハードウェア構成について説明する。制御装置30は、例えば、実施の形態1の変形例および実施の形態2にかかる制御装置10,20がコンピュータで実現された例である。
【0078】
制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM302と、RAM303と、記憶装置304と、通信インターフェース305と、を有する。各構成部は、バス306を介してそれぞれ接続される。
【0079】
CPU301は、制御装置30の全体を制御する。例えば、CPU301は、OS(Operating System)を動作させて制御装置30の全体を制御してもよい。CPU301は、複数のコアを有していてもよい。
【0080】
制御装置30は、記憶部として、ROM302、RAM303および記憶装置304などを有する。記憶装置304は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD、SSDなどが挙げられる。例えば、記憶装置304はOSのプログラム、アプリケーションプログラム、本実施の形態1,2にかかるプログラムなどの各種プログラムを記憶する。または、ROM302は、アプリケーションプログラムを記憶する。また、ROM302は、本実施の形態1,2にかかるプログラムを記憶してもよい。そして、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
【0081】
また、CPU301は、記憶装置304、ROM302などに記憶されたプログラムをロードする。そして、CPU301は、プログラムにコーディングされている各処理を実行する。また、CPU301は、ネットワーク33を介して各種プログラムをダウンロードしてもよい。また、CPU301は、制御装置30の一部または全部として機能する。そして、CPU301は、プログラムに基づいて図示したフローチャートにおける処理または命令を実行してもよい。
【0082】
通信インターフェース305は、無線、または有線の通信回線を通じて、LAN、WANなどのネットワーク33に接続される。なお、ネットワーク33は、例えば、ネットワーク23である。これにより、制御装置30は、ネットワーク33を介して、第1装置31などの外部の装置または外部のコンピュータに接続される。通信インターフェース305は、ネットワーク33と制御装置30の内部とのインターフェースを司る。そして、通信インターフェース305は、第1装置31などの外部の装置や外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。
【0083】
また、通信インターフェース305は、無線、または有線の通信回線を通じて、第2装置32などの外部の装置または外部のコンピュータに接続される。通信インターフェース305は、第2装置32などの外部の装置や外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。
【0084】
ただし、図16に示す制御装置30のハードウェア構成は一例である。図16に示す以外の構成要素が追加されてもよいし、一部の構成要素を含まなくてもよい。例えば、制御装置30は、ドライブ装置などを有してもよい。そして、CPU301は、ドライブ装置などに装着された記録媒体からRAM303にプログラム、もしくはデータを読み出してもよい。記録媒体としては、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
【0085】
つぎに、第1装置31のハードウェア構成について説明する。第1装置31は、実施の形態2で説明した第1装置31がコンピュータで実現された例である。第1装置31は、例えば、CPU311と、ROM312と、RAM313と、記憶装置314と、通信インターフェース315と、出力装置317と、入力装置318と、を有する。各構成部は、バス316を介してそれぞれ接続される。
【0086】
CPU311は、第1装置31の全体を制御する。第1装置31は、記憶部として、ROM312、RAM313および記憶装置314などを有する。記憶装置314は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD、SSDなどが挙げられる。例えば、記憶装置314はOSのプログラム、アプリケーションプログラムなどを記憶する。または、ROM312は、アプリケーションプログラムを記憶する。そして、RAM313は、CPU311のワークエリアとして使用される。
【0087】
また、CPU311は、記憶装置314、ROM312などに記憶されたプログラムをロードする。そして、CPU311は、プログラムにコーディングされている各処理を実行する。また、CPU311は、ネットワーク33を介して各種プログラムをダウンロードしてもよい。また、CPU311は、第1装置31の一部または全部として機能する。そして、CPU311は、プログラムに基づいて図示したフローチャートにおける処理または命令を実行してもよい。
【0088】
通信インターフェース315は、無線または有線の通信回線を通じて、LAN、WANなどのネットワーク33に接続される。これにより、第1装置31は、ネットワーク33を介して外部の装置や外部のコンピュータに接続される。通信インターフェース315は、ネットワーク33と第1装置31の内部とのインターフェースを司る。そして、通信インターフェース315は、他の第1装置31、制御装置30などの外部の装置や外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。また、出力装置317は、データを出力する。出力装置317は、例えば、ディスプレイ、印刷装置である。出力装置317は、例えば、画面を表示する。入力装置318は、利用者の操作による入力を受け付ける。入力装置318は、例えば、キーボード、マウスなどである。
【0089】
図16に示す第1装置31のハードウェア構成は一例である。図16に示す以外の構成要素が追加されてもよいし、一部の構成要素を含まなくてもよい。例えば、第1装置31は、ドライブ装置などを有してもよい。そして、CPU311は、ドライブ装置などに装着された記録媒体からRAM313にプログラムやデータを読み出してもよい。記録媒体としては、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。なお、第1装置31は、例えば、スマートフォンのようにタッチパネルディスプレイなどの入出力装置を有していてもよい。
【0090】
まず、第2装置32のハードウェア構成について説明する。第2装置32は、例えば、実施の形態2にかかる第2装置32がコンピュータで実現された例である。
【0091】
第2装置32は、CPU(Central Processing Unit)321と、ROM322と、RAM323と、記憶装置324と、通信インターフェース325と、を有する。各構成部は、バス326を介してそれぞれ接続される。
【0092】
CPU321は、第2装置32の全体を制御する。例えば、CPU321は、OS(Operating System)を動作させて第2装置32の全体を制御してもよい。CPU321は、複数のコアを有していてもよい。
【0093】
第2装置32は、記憶部として、ROM322、RAM323および記憶装置324などを有する。記憶装置324は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD、SSDなどが挙げられる。例えば、記憶装置324はOSのプログラム、アプリケーションプログラム、本実施の形態1,2にかかるプログラムなどの各種プログラムを記憶する。または、ROM322は、アプリケーションプログラムを記憶する。また、ROM322は、本実施の形態1,2にかかるプログラムを記憶してもよい。そして、RAM323は、CPU321のワークエリアとして使用される。
【0094】
また、CPU321は、記憶装置324、ROM322などに記憶されたプログラムをロードする。そして、CPU321は、プログラムにコーディングされている各処理を実行する。また、CPU321は、ネットワーク33を介して各種プログラムをダウンロードしてもよい。また、CPU321は、第2装置32の一部または全部として機能する。そして、CPU321は、プログラムに基づいて図示したフローチャートにおける処理または命令を実行してもよい。
【0095】
通信インターフェース325は、無線、または有線の通信回線を通じて、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークに接続される。これにより、第2装置32は、ネットワーク33を介して、外部の装置または外部のコンピュータに接続される。通信インターフェース325は、ネットワーク33と第2装置32の内部とのインターフェースを司る。そして、通信インターフェース325は、外部の装置や外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。
【0096】
ただし、図16に示す第2装置32のハードウェア構成は一例である。図16に示す以外の構成要素が追加されてもよいし、一部の構成要素を含まなくてもよい。例えば、第2装置32は、ドライブ装置などを有してもよい。そして、CPU321は、ドライブ装置などに装着された記録媒体からRAM323にプログラム、もしくはデータを読み出してもよい。記録媒体としては、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
【0097】
以上で、情報処理システム3のハードウェア構成の説明を終了する。また、実施の形態1,2で説明した情報処理システム1,2の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、情報処理システム1,2は、構成要素ごとにそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0098】
また、情報処理システム1,2の各構成要素の一部または全部は、特定用途向けの回路で実現されてもよい。また、情報処理システム1,2の一部または全部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)のようなプロセッサなどを含む汎用の回路によって実現されてもよい。また、情報処理システム1,2の一部または全部は、特定用途向けの回路や汎用の回路などの組み合わせによって実現されてもよい。また、これらの回路は、単一の集積回路であってもよい。または、これらの回路は、複数の集積回路に分割されてもよい。そして、複数の集積回路は、バスなどを介して接続されることにより構成されてもよい。
【0099】
また、各装置の各構成要素の一部または全部が複数のコンピュータや回路などにより実現される場合、複数のコンピュータや回路などは、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0100】
各実施の形態で説明した情報処理方法は、制御装置10,20などの1または複数の装置が実行することにより実現される。また、情報処理方法は、予め用意されたプログラムを制御装置などの1または複数のコンピュータが実行することにより実現される。各実施の形態で説明したプログラムは、HDD、SSD、フレキシブルディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USBメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録される。そして、本プログラムは、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、プログラムは、ネットワーク33を介して配布されてもよい。
【0101】
以上説明した、各実施の形態における情報処理システムの各構成要素は、図16に示すコンピュータの情報処理システムのように、その機能をハードウェア的に実現されてもよい。または、各構成要素は、プログラム制御に基づくコンピュータ、ファームウェアで実現されてもよい。
【0102】
以上、各実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。各本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が把握し得る様々な変更を適用した実施の形態を含み得る。本発明は、本明細書に記載された事項を必要に応じて適宜に組み合わせ、または置換した実施の形態を含み得る。例えば、特定の実施の形態を用いて説明された事項は、矛盾を生じない範囲において、他の実施の形態に対しても適用され得る。例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施の形態を実施するときには、その複数の動作の順番を内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0103】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されることができる。ただし、上記の実施の形態の一部または全部は、以下に限られない。
【0104】
(付記1)
装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段を参照して、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出する帯域制御値算出手段と、
算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する帯域制御手段と、
を含む情報処理システム。
【0105】
(付記2)
前記ネットワークの負荷が所定の負荷を超えたことを検出する高負荷検出手段、
を備え、
前記帯域制御手段は、前記ネットワークの負荷が所定の負荷を超えたことが検出されると、算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する、
付記1に記載の情報処理システム。
【0106】
(付記3)
前記装置に対する前記利用者による操作を検出する操作検出手段、
を備え、
前記帯域制御手段は、前記ネットワークの負荷が前記所定の負荷を超えたことが検出された際に、前記装置に対する前記利用者による前記操作が検出されると、算出された前記制御値に基づいて、前記装置の帯域を制御する、
付記2に記載の情報処理システム。
【0107】
(付記4)
前記操作の履歴に基づいて、前記評価値を新たに算出する評価値算出手段、
を備え、
前記記憶手段は、新たに算出された前記評価値と、新たに算出された前記制御値と、の対応関係を示す対応情報を記憶する、
付記1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0108】
(付記5)
前記評価値算出手段は、前記操作の履歴から検出される前記特徴作業に要した時間に基づいて、前記評価値を算出する、
付記4に記載の情報処理システム。
【0109】
(付記6)
前記特徴作業は、前記遅延によって生じうる作業であり、
前記評価値算出手段は、前記操作の履歴から検出される前記特徴作業の発生頻度に基づいて、前記操作に関する評価値を算出する、
付記4または5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0110】
(付記7)
前記装置に割り当てる新たな帯域の前記制御値は、前記装置に割り当てる新たな帯域の最小の制御値である、
付記1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0111】
(付記8)
前記装置である第1装置と、第2装置との間の前記ネットワークを介した通信を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記帯域制御手段と、前記帯域制御値算出手段と、を有し、
前記帯域制御手段は、前記第2装置から前記第1装置へパケットが送信される際の前記ネットワークにおける前記第1装置の帯域を制御する、
付記1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0112】
(付記9)
前記装置である第1装置と、第2装置との間の前記ネットワークを介した通信を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記帯域制御手段と、前記帯域制御値算出手段と、を有し、
前記帯域制御手段は、前記第1装置から前記第2装置へパケットが送信される際の前記ネットワークにおける前記第1装置の帯域を制御する、
付記1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0113】
(付記10)
前記装置である第1装置と、第2装置との間の前記ネットワークを介した通信を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記帯域制御手段と、前記帯域制御値算出手段と、を有し、
前記帯域制御手段は、前記第2装置から前記第1装置へパケットが送信される際の前記ネットワークにおける前記第1装置の帯域を制御する処理、および、前記第1装置から前記第2装置へパケットが送信される際の前記ネットワークにおける前記第1装置の帯域を制御する処理のうち、少なくともいずれか一つの処理を行う、
付記1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0114】
(付記11)
装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する値である評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報に基づいて、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出する帯域制御値算出手段と、
算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する帯域制御手段と、
を含む制御装置。
【0115】
(付記12)
装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する値である評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報に基づいて、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出し、
算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する、
方法。
【0116】
(付記13)
コンピュータに、
装置に対する利用者による操作の履歴に基づく値であり、前記装置が接続されたネットワークの遅延に関連する特徴作業における前記操作の効率に関する値である評価値と、前記ネットワークにおける前記装置の帯域の制御値と、の対応関係の情報に基づいて、前記装置に割り当てる新たな帯域の制御値を算出し、
算出された前記制御値に基づいて、前記ネットワークにおける前記装置の帯域を制御する
処理を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0117】
1,2,3 情報処理システム
10,20,30 制御装置
21,31 第1装置
22,32 第2装置
23,33 ネットワーク
101,201 帯域制御値算出部
102,202 帯域制御部
103,203 記憶部
204 高負荷検出部
2101 対応関係DB
2102 グラフ
221 評価値算出部
222 操作検出部
223 記憶部
2201 操作履歴情報
2202 算出表
2203 算出表
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図16