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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】非接触型データ受送信体
(51)【国際特許分類】
   H01Q 9/26 20060101AFI20241106BHJP
   H01Q 1/50 20060101ALI20241106BHJP
   H01Q 1/48 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H01Q9/26
H01Q1/50
H01Q1/48
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020216503
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022102031
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】小田中 啓
(72)【発明者】
【氏名】梅津 駿
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/152915(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/079961(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/152889(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 9/26
H01Q 1/50
H01Q 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材に設けられたマッチング回路、および前記マッチング回路と電気的に接続された一対の放射素子を有するアンテナと、
前記基材の第1主面に設けられ、前記マッチング回路と電気的に接続されたICチップと、を備え、
前記マッチング回路は、
前記第1主面に形成された第1配線と、
前記基材の前記第1主面とは異なる第2主面に形成され、少なくとも一対の接続箇所において前記第1配線と電気的に接続された第2配線と、を備え、
前記第2配線は、一対の前記接続箇所の一方から他方にかけて非直線状に形成され
前記第2配線は、一対の前記接続箇所を結ぶ第1方向と直交する第2方向に延びる複数の主線部と、隣り合う前記主線部の一端どうしおよび他端どうしを交互に接続するように前記第1方向に延びる複数の連絡線部と、を有するメアンダ形状とされ、
一対の前記接続箇所は、第1接続箇所および第2接続箇所であり、
前記第1配線は、前記ICチップと前記第1接続箇所とを接続する第1経路と、前記ICチップと前記第2接続箇所とを接続する第2経路と、を有し、
前記第1経路および前記第2経路は、前記第2方向に沿って一側方に延びる一対の延出部と、一対の前記延出部の先端どうしを接続するように前記第1方向に延びる接続部と、を有する、
非接触型データ受送信体。
【請求項2】
前記基材は、前記第1方向に沿う長辺と、前記第2方向に沿う短辺とを有する長方形状とされている、
請求項1記載の非接触型データ受送信体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型データ受送信体に関する。
【背景技術】
【0002】
流通管理などを目的として、RFIDタグなどの非接触型データ受送信体が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。非接触型データ受送信体は、例えば、基材と、基材に設けられた回路と、放射素子とを備える。非接触型データ受送信体は、電気的な特性の要求により、回路構造に制約が生じることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4813344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非接触型データ受送信体は、用途によっては小型化が求められる場合がある。
しかし、前記非接触型データ受送信体は、回路構造の制約によって小型化が難しくなる可能性があった。
【0005】
本発明の一態様は、小型化が可能な非接触型データ受送信体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、基材と、前記基材に設けられたマッチング回路、および前記マッチング回路と電気的に接続された一対の放射素子を有するアンテナと、前記基材の第1主面に設けられ、前記マッチング回路と電気的に接続されたICチップと、を備え、前記マッチング回路は、前記第1主面に形成された第1配線と、前記基材の前記第1主面とは異なる第2主面に形成され、少なくとも一対の接続箇所において前記第1配線と電気的に接続された第2配線と、を備え、前記第2配線は、一対の前記接続箇所の一方から他方にかけて非直線状に形成されている、非接触型データ受送信体を提供する。
【0007】
前記第2配線は、メアンダ形状とされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、小型化が可能な非接触型データ受送信体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る非接触型データ受送信体の平面図である。
図2】基材の第1主面の平面図である。
図3】基材の第2主面の平面図である。
図4】第2実施形態に係る非接触型データ受送信体の基材の第2主面の平面図である。
図5】第3実施形態に係る非接触型データ受送信体の基材の第2主面の平面図である。
図6】第4実施形態に係る非接触型データ受送信体の基材の第2主面の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[非接触型データ受送信体](第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る非接触型データ受送信体10の平面図である。図2は、基材11の第1主面11aの平面図である。図3は、基材11の第2主面11bの平面図である。
【0011】
図1に示すように、非接触型データ受送信体10は、基材11と、アンテナ12と、ICチップ13と、を備える。
【0012】
図2に示すように、基材11は、矩形板状に形成されている。基材11は、例えば、長方形状とされている。基材11の一方の面を第1主面11aという。基材11の他方の面を第2主面11bという。第2主面11bは、第1主面11aとは反対の面である。
【0013】
以下の説明において、XY直交座標系を用いることがある。図2に示すように、X方向は第1主面11aの長手方向である。Y方向は第1主面11aの短手方向である。Y方向は第1主面11aに沿う面内においてX方向と直交する。Z方向はX方向およびY方向に直交する方向である。Z方向から見ることを平面視という。
【0014】
図2における右方はX方向の一方の向き(+X方向)である。図2における左方は+X方向とは反対の向き(-X方向)である。図2における上方はY方向の一方の向き(+Y方向)である。図2における下方は+Y方向とは反対の向き(-Y方向)である。図2における紙面手前方向はZ方向の一方の向き(+Z方向)である。図2における紙面奥方向は+Z方向とは反対の向き(-Z方向)である。
【0015】
基材11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙などの紙からなる基材などが用いられる。
【0016】
ICチップ13は、基材11の第1主面11aに設けられている。ICチップ13は、第1主面11aのX方向のほぼ中央に位置する。ICチップ13は、特に限定されず、アンテナ12を介して非接触で情報の書き込みおよび読み出しが可能であればよい。
【0017】
図1に示すように、アンテナ12は、マッチング回路16と、放射素子17,18とを備える。
図2に示すように、マッチング回路16は、ループ状の閉回路20を有する。閉回路20は、第1配線21と、第2配線22(図3参照)とを備える。マッチング回路16は、パターン形状によってインピーダンスの調整が可能である。
【0018】
第1配線21は、基材11の第1主面11aに設けられている。第1配線21は、第1経路23と、第2経路24とを備える。
第1経路23の一端23aはICチップ13に電気的に接続されている。第1経路23の他端23bは第1接続箇所25に電気的に接続されている。第2経路24の一端24aはICチップ13に電気的に接続されている。第2経路24の他端24bは第2接続箇所26に電気的に接続されている。第1接続箇所25および第2接続箇所26は「一対の接続箇所」の一例である。
【0019】
第1接続箇所25は、ICチップ13に対して-X方向側に離れて位置する。第2接続箇所26は、ICチップ13に対して+X方向側に離れて位置する。第1接続箇所25は、第1主面11aから第2主面11bにかけて形成された貫通配線を含む。第1接続箇所25は、第1経路23の他端23bと第2配線22の一端22a(図3参照)とを電気的に接続する。第2接続箇所26は、第1主面11aから第2主面11bにかけて形成された貫通配線を含む。第2接続箇所26は、第2経路24の他端24bと第2配線22の他端22b(図3参照)とを電気的に接続する。
【0020】
図3に示すように、第2配線22の一端22aは第1接続箇所25と電気的に接続されている。第2配線22の他端22bは第2接続箇所26と電気的に接続されている。第2配線22は、接続箇所25,26の一方(第1接続箇所25)から他方(第2接続箇所26)にかけて形成されている。
【0021】
第2配線22は、Y方向に沿う複数の直線状の主線部31と、X方向に沿う複数の直線状の連絡線部32とを備える。複数の主線部31は、X方向に間隔をおいて並んで形成されている。
本実施形態では、第2配線22は、8つの主線部31と、7つの連絡線部32とを備える。8つの主線部31を+X方向の順にそれぞれ第1~第8主線部31A~31Hという。7つの連絡線部32を+X方向の順にそれぞれ第1~第7連絡線部32A~32Gという。
【0022】
第n主線部31の一端と第n+1主線部31の一端とは、第n連絡線部32によって接続されている。第n+1主線部31の他端と第n+2主線部31の他端とは、第n+1連絡線部32によって接続されている。nは1以上の整数である。第2配線22は、隣り合う主線部31が交互に一端と他端とで接続されている形態である。第2配線22は、メアンダ形状を有する。
【0023】
第1主線部31Aは、第1接続箇所25から+Y方向に延出する。第8主線部31Hは、第2接続箇所26から+Y方向に延出する。第1主線部31Aの+Y方向の端と第2主線部31Bの+Y方向の端とは、第1連絡線部32Aによって接続されている。第2主線部31Bの-Y方向の端と第3主線部31Cの-Y方向の端とは、第2連絡線部32Bによって接続されている。第3主線部31Cの+Y方向の端と第4主線部31Dの+Y方向の端とは、第3連絡線部32Cによって接続されている。4主線部31Dの-Y方向の端と第5主線部31Eの-Y方向の端とは、第4連絡線部32Dによって接続されている。5主線部31Eの+Y方向の端と第6主線部31Fの+Y方向の端とは、第5連絡線部32Eによって接続されている。6主線部31Fの-Y方向の端と第7主線部31Gの-Y方向の端とは、第6連絡線部32Fによって接続されている。第7主線部31Gの+Y方向の端と第8主線部31Hの+Y方向の端とは、第7連絡線部32Gによって接続されている。
【0024】
比較のため、第1接続箇所25と第2接続箇所26とを結ぶ直線状の配線を想定する。図3に示す第2配線22は、メアンダ形状を有するため、直線状とは異なる形状(すなわち、非直線状)である。第2配線22の全長は、前記直線状の配線に比べて長い。
【0025】
図1に示すように、放射素子17,18の平面視形状は、例えば、メアンダ形状である。放射素子17,18のうち一方である第1放射素子17は、第1接続箇所25から蛇行しつつ-X方向に延出する。放射素子17,18のうち他方である第2放射素子18は、第2接続箇所26から蛇行しつつ+X方向に延出する。放射素子17,18は、例えば、線状体である。放射素子17,18は、例えば、スチール、ステンレス鋼、銅、銅合金などの金属で形成されている。放射素子17,18は、例えば、真鍮メッキ鋼線で形成することができる。
【0026】
第1放射素子17は、(i)半田付け、(ii)ハトメまたはカシメ留め、(iii)超音波接合、などによって、第1接続箇所25に電気的に接続するとともに、第1接続箇所25に固定することができる。第2放射素子18は、(i)半田付け、(ii)ハトメまたはカシメ留め、(iii)超音波接合、などによって、第2接続箇所26に電気的に接続するとともに、第2接続箇所26に固定することができる。
放射素子17,18の形状は特に限定されない。放射素子17,18は、例えば、板状体であってもよい。
【0027】
マッチング回路16は、基材11の第1主面11aおよび第2主面11bに、ポリマー型導電インクを用いて、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷法により形成することができる。マッチング回路16は、導電性箔によって形成してもよい。アンテナ12は、金属メッキによって形成してもよい。
【0028】
ポリマー型導電インクは、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子と、樹脂組成物とを含む。
【0029】
樹脂組成物としては、例えば、熱硬化型樹脂を使用できる。熱硬化型樹脂を用いたポリマー型導電インクは、200℃以下、例えば、100~150℃程度で硬化する塗膜を形成することができる。塗膜の抵抗値は、例えば、10-5Ω・cmオーダーである。ポリマー型導電インクには、熱硬化型の他に、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型などの樹脂組成物を使用できる。光硬化型の樹脂組成物を含むポリマー型導電インクは、硬化時間が短いため、製造効率を高めることができる。
【0030】
マッチング回路16をなす導電性箔としては、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などが挙げられる。マッチング回路16をなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
【0031】
[第1実施形態の非接触型データ受送信体が奏する効果]
非接触型データ受送信体10によれば、マッチング回路16は、第1主面11aに形成された第1配線21と、第2主面11bに形成された第2配線22とを備える。非接触型データ受送信体10は、マッチング回路16が複数の主面にわたって形成されるため、マッチング回路16を形成するための基材11の面積を広く確保できる。そのため、基材11のサイズが小さい場合でもインピーダンス調整が容易となる。よって、非接触型データ受送信体10の小型化を図ることができる。
【0032】
非接触型データ受送信体10は、第2配線22がメアンダ形状であるため、第2配線22が形成される第2主面11bの面積を有効に活用できる。よって、第2主面11bの面積が小さい場合でも十分なインピーダンス調整が可能である。
【0033】
非接触型データ受送信体10は、マッチング回路16が複数の主面11a,11bにわたって形成されるため、基材11の厚さの選択により、第1配線21と第2配線22との距離を調整できる。そのため、第1配線21と第2配線22との間の相互インダクタを調節できる。よって、小型の基材を用いた場合に課題となるインダクタ成分の形成が容易となる。
【0034】
非接触型データ受送信体10は、放射素子17,18を備えるため、交信距離の調整が容易となる。
【0035】
[非接触型データ受送信体](第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る非接触型データ受送信体110の基材11の第2主面11bの平面図である。既出の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0036】
図4に示すように、非接触型データ受送信体110は、マッチング回路116を備えている。マッチング回路116は、第2配線22(図3参照)に代えて、第2配線122を有する。非接触型データ受送信体110は、第2配線122以外は、図1図3に示す非接触型データ受送信体10と同様の構成とすることができる。
【0037】
第2配線122は、X方向に沿う複数の直線状の主線部131と、Y方向に沿う複数の直線状の連絡線部132と、2つの接続線部133,134とを備える。複数の主線部131は、Y方向に間隔をおいて並んで形成されている。
【0038】
本実施形態では、第2配線122は、3つの主線部131と、2つの連絡線部132と、2つの接続線部133,134とを備える。3つの主線部131をそれぞれ第1~第3主線部131A~131Cという。2つの連絡線部132をそれぞれ第1連絡線部132Aおよび第2連絡線部132Bという。2つの接続線部133,134をそれぞれ第1接続線部133および第2接続線部134という。
【0039】
第m主線部131の一端と第m+1主線部131の一端とは、第m連絡線部132によって接続されている。第m+1主線部131の他端と第m+2主線部131の他端とは、第m+1連絡線部132によって接続されている。mは1以上の整数である。第2配線122は、隣り合う主線部131が交互に一端と他端とで接続されている形態である。第2配線122は、メアンダ形状を有する。
【0040】
第1接続線部133は、第1延出部133Aと、第2延出部133Bと、第3延出部133Cとを備える。第1延出部133Aは、第1接続箇所25から+Y方向に延出する。第2延出部133Bは、第1延出部133Aの先端から+X方向に延出する。第3延出部133Cは、第2延出部133Bの先端から-Y方向に延出する。
第2接続線部134は、第2接続箇所26から+Y方向に延出する。
【0041】
第1主線部131Aは、第3延出部133Cの先端から+X方向に延出する。第1主線部131Aの+X方向の端と第2主線部131Bの+X方向の端とは、第1連絡線部132Aによって接続されている。第2主線部131Bの-X方向の端と第3主線部131Cの-X方向の端とは、第2連絡線部132Bによって接続されている。第3主線部131Cの+X方向の端は、第2接続線部134に接続されている。
第2配線122は、直線状とは異なる形状(すなわち、非直線状)である。
【0042】
[第2実施形態の非接触型データ受送信体が奏する効果]
非接触型データ受送信体110によれば、マッチング回路116は、第1主面11aに形成された第1配線21(図2参照)と、第2主面11bに形成された第2配線122とを備える。そのため、マッチング回路116を形成するための基材11の面積を広く確保できる。したがって、基材11のサイズが小さい場合でもインピーダンス調整が容易となる。よって、非接触型データ受送信体110の小型化を図ることができる。
【0043】
[非接触型データ受送信体](第3実施形態)
図5は、第3実施形態に係る非接触型データ受送信体210の基材11の第2主面11bの平面図である。既出の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0044】
図5に示すように、非接触型データ受送信体210は、マッチング回路216を備えている。マッチング回路216は、第2配線22(図3参照)に代えて、第2配線222を有する。非接触型データ受送信体210は、第2配線222以外は、図1図3に示す非接触型データ受送信体10と同様の構成とすることができる。
【0045】
第2配線222は、第1導入部231と、ループ状部232と、第2導入部233とを備える。
第1導入部231は、第1接続部231Aと、第1延出部231Bとを備える。第1接続部231Aは、第1接続箇所25から+Y方向に延出する。第1延出部231Bは、第1接続部231Aの先端から+X方向に延出する。
第2導入部233は、第2接続部233Aと、第2延出部233Bとを備える。第2接続部233Aは、第2接続箇所26から+Y方向に延出する。第2延出部233Bは、第2接続部233Aの先端から-X方向に延出する。
【0046】
ループ状部232は、第1基部232Aと、ループ主部232Bと、第2基部232Cとを備える。第1基部232Aは、第1延出部231Bの先端から-Y方向に延出する。第2基部232Cは、第2延出部233Bの先端から-Y方向に延出する。
ループ主部232Bは、第1基部232Aの先端から第2基部232Cの先端にかけて矩形のループ状に形成されている。ループ主部232BのX方向の寸法は、第1基部232Aから第2基部232CまでのX方向寸法より大きい。
第2配線222は、直線状とは異なる形状(すなわち、非直線状)である。
【0047】
[第3実施形態の非接触型データ受送信体が奏する効果]
非接触型データ受送信体210によれば、マッチング回路216は、第1主面11aに形成された第1配線21(図2参照)と、第2主面11bに形成された第2配線222とを備える。そのため、マッチング回路216を形成するための基材11の面積を広く確保できる。したがって、基材11のサイズが小さい場合でもインピーダンス調整が容易となる。よって、非接触型データ受送信体210の小型化を図ることができる。
【0048】
[非接触型データ受送信体](第4実施形態)
図6は、第4実施形態に係る非接触型データ受送信体310の基材11の第2主面11bの平面図である。既出の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0049】
図6に示すように、非接触型データ受送信体310は、マッチング回路316を備えている。マッチング回路316は、第2配線22(図3参照)に代えて、第2配線322を有する。非接触型データ受送信体310は、第2配線322以外は、図1図3に示す非接触型データ受送信体10と同様の構成とすることができる。
【0050】
第2配線322は、第1導入部331と、蛇行部332と、第2導入部333とを備える。
第1導入部331は、第1接続部331Aと、第1延出部331Bとを備える。第1接続部331Aは、第1接続箇所25から+Y方向に延出する。第1延出部331Bは、第1接続部331Aの先端から+X方向に延出する。
第2導入部333は、第2接続部333Aと、第2延出部333Bとを備える。第2接続部333Aは、第2接続箇所26から+Y方向に延出する。第2延出部333Bは、第2接続部333Aの先端から-X方向に延出する。
【0051】
蛇行部332は、第1傾斜部332Aと第2傾斜部332Bとを有するV字状構造がX方向に繰り返して形成されている。第1傾斜部332Aは、図6において+X方向に行くほど下降する。第2傾斜部332Bは、図6において+X方向に行くほど上昇する。蛇行部332は、第1延出部331Bの先端から第2延出部333Bの先端にかけて形成されている。
第2配線322は、直線状とは異なる形状(すなわち、非直線状)である。
【0052】
[第4実施形態の非接触型データ受送信体が奏する効果]
非接触型データ受送信体310によれば、マッチング回路316は、第1主面11aに形成された第1配線21(図2参照)と、第2主面11bに形成された第2配線322とを備える。そのため、マッチング回路316を形成するための基材11の面積を広く確保できる。したがって、基材11のサイズが小さい場合でもインピーダンス調整が容易となる。よって、非接触型データ受送信体310の小型化を図ることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されない。
図1に示す第1実施形態の非接触型データ受送信体10では、マッチング回路16は、1つの基材11の両面にわたって形成されるが、非接触型データ受送信体の構成はこれに限定されない。基材は、複数の層を備えた多層構造を有していてもよい。この場合、第1配線が形成される第1主面と、第2配線が形成される第2主面とは、同じ層の一方および他方の面である必要はない。例えば、基材を構成する複数の層のうち第1の層の一方の面が第1主面であり、第1の層とは異なる第2の層の一方の面が第2主面であってもよい。
【0054】
マッチング回路は、複数(2以上の任意の数)の主面にわたって形成されていればよい。例えば、マッチング回路は、3以上の主面にわたって形成されていてもよい。
【0055】
図3に示すように、第1実施形態の非接触型データ受送信体10では、第2配線22は全体が第2主面11bに形成されているが、第2配線の一部(部分配線)を第1主面11aに形成してもよい。この部分配線は、貫通配線を通じて第2配線に接続される。
非接触型データ受送信体10では、第2配線22は、一対の接続箇所25,26において第1配線21と接続されているが、第2配線が第1配線と接続する箇所の数は2に限らず、2以上の任意の数であってよい。第2配線は、少なくとも一対の接続箇所において第1配線と接続されていればよい。
図3に示す連絡線部32は、隣り合う主線部31の端どうしを結ぶ直線状とされているが、連絡線部は、湾曲形状(例えば、半円形状)であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
10,110,210,310…非接触型データ受送信体、11…基材、11a…第1主面、11b…第2主面、12…アンテナ、13…ICチップ、16,116,216,316…マッチング回路、21…第1配線、22,122,222,322…第2配線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6