(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】定着装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
G03G15/20 510
(21)【出願番号】P 2020217960
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】石田 圭
(72)【発明者】
【氏名】池野 雄一
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-090938(JP,A)
【文献】特開2019-008057(JP,A)
【文献】特開平11-260533(JP,A)
【文献】特開2018-054898(JP,A)
【文献】特開2020-144245(JP,A)
【文献】特開2017-003924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のベルトと、
前記ベルトの内周面に接触し、前記ベルトを加熱するヒータであって、前記ベルトの回転軸方向と平行な第1方向に延びる板状の基板と、前記基板に配置される発熱体と、を有するヒータと、
前記ベルトの内側に位置し、前記ヒータを支持するホルダと、
前記ヒータと前記ホルダとの間に位置し、熱伝導率が前記基板よりも高い熱伝導部材であって、前記第1方向に延びる熱伝導部材と、
を備え、
前記ヒータは、
前記第1方
向で前記熱伝導部材に係合し、前記ヒータに対して前記熱伝導部材を位置決めする位置決め部を有し、
前記熱伝導部材は、
前記ヒータの前記位置決め部に対して位置決めされる被位置決め部を有
し、
前記位置決め部は、突起であり、
前記被位置決め部は、前記第1方向と直交する壁を有し、前記突起が嵌まる溝である、定着装置。
【請求項2】
前記熱伝導部材は、前記熱伝導部材の厚み方向および前記第1方向と交差する第2方向における一方のエッジである第1エッジと、前記第2方向における他方のエッジである第2エッジとを有し、
前記突起は、前記ヒータから前記熱伝導部材の厚み方向に延び、
前記溝は、前記第2方向において前記第1エッジから前記第2エッジに向かって凹む、請求
項1に記載の定着装置。
【請求項3】
筒状のベルトと、
前記ベルトの内周面に接触し、前記ベルトを加熱するヒータであって、前記ベルトの回転軸方向と平行な第1方向に延びる板状の基板と、前記基板に配置される発熱体と、を有するヒータと、
前記ベルトの内側に位置し、前記ヒータを支持するホルダと、
前記ヒータと前記ホルダとの間に位置し、熱伝導率が前記基板よりも高い熱伝導部材であって、前記第1方向に延びる熱伝導部材と、
を備え、
前記ヒータは、
前記第1方向で前記熱伝導部材に係合し、前記ヒータに対して前記熱伝導部材を位置決めする位置決め部を有し、
前記熱伝導部材は、
前記ヒータの前記位置決め部に対して位置決めされる被位置決め部を有し、
前記位置決め部は、前記第1方向と直交する壁を有する溝であり、
前記被位置決め部は、前記溝に嵌まる突起である
、定着装置。
【請求項4】
前記ヒータは、前記熱伝導部材の厚み方向および前記第1方向と交差する第2方向における一方のエッジである第3エッジと、前記第2方向における他方のエッジである第4エッジとを有し、
前記溝は、前記第2方向において前記第3エッジから前記第4エッジに向かって凹み、
前記突起は、前記熱伝導部材の厚み方向において、前記熱伝導部材の前記ヒータ側の表面から前記ヒータに向かって突出し、
前記熱伝導部材の厚み方向における前記突起の長さは、前記ヒータの厚みよりも短い、請求
項3に記載の定着装置。
【請求項5】
筒状のベルトと、
前記ベルトの内周面に接触し、前記ベルトを加熱するヒータであって、前記ベルトの回転軸方向と平行な第1方向に延びる板状の基板と、前記基板に配置される発熱体と、を有するヒータと、
前記ベルトの内側に位置し、前記ヒータを支持するホルダと、
前記ヒータと前記ホルダとの間に位置し、熱伝導率が前記基板よりも高い熱伝導部材であって、前記第1方向に延びる熱伝導部材と、
を備え、
前記ヒータは、
前記第1方向で前記熱伝導部材に係合し、前記ヒータに対して前記熱伝導部材を位置決めする位置決め部を有し、
前記熱伝導部材は、
前記ヒータの前記位置決め部に対して位置決めされる被位置決め部を有し、
前記位置決め部は、穴であり、
前記被位置決め部は、前記穴に嵌まる突起である
、定着装置。
【請求項6】
前記ヒータは、前記熱伝導部材の厚み方向および前記第1方向と交差する第2方向における一方のエッジである第3エッジと、前記第2方向における他方のエッジである第4エッジとを有し、
前記穴は、前記第2方向において前記第3エッジと前記第4エッジとの間に位置し、円形状であり、
前記突起は、前記熱伝導部材の厚み方向において、前記熱伝導部材の前記ヒータ側の表面から前記ヒータに向かって突出する円柱形状であり、
前記熱伝導部材の厚み方向における前記突起の長さは、前記ヒータの厚みよりも短い、請求
項5に記載の定着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可撓性スリーブと、可撓性スリーブを加熱するヒータとを備える定着装置が知られている。定着装置は、ヒータホルダとヒータとの間に、熱伝導性のシート材を有する。ヒータは、長手方向一端部をヒータホルダのリブに突き当てることにより、ヒータホルダに位置決めされている。シート材は、長手方向一端部に設けられる凸部をヒータホルダの凹部に係合させることにより、ヒータホルダに位置決めされている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載の定着装置では、ヒータが発熱すると、ヒータは、ヒータの長手方向一端部を基点にして、長手方向他方へ膨張する。また、シート材は、シート材の長手方向一端部を基点にして、長手方向他方へ膨張する。このとき、ヒータは、ヒータとシート材との膨張率の差によって、シート材の膨張に追従して、長手方向他方へわずかに移動する。
【0005】
そして、ヒータの発熱が停止すると、シート材は、凸部をヒータホルダの凹部に係合していることにより、長手方向一端部を基点にして、収縮する。ヒータは、ヒータ自身が収縮するとともに、シート材の収縮に追従して、長手方向一方に移動する。
【0006】
シート材は、シート材の長手方向一端部を基点にして長手方向他方へ膨張、収縮するので、シート材に追従するヒータの長手方向への移動量が大きくなる。そのため、ヒータの位置と熱伝導部材の位置とが、ずれてしまう可能性がある。
【0007】
そこで、本開示の目的は、ヒータと熱伝導部材との位置ずれを抑制できる定着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の定着装置は、筒状のベルトと、ヒータと、ホルダと、熱伝導部材とを備える。ヒータは、ベルトの内周面に接触する。ヒータは、ベルトを加熱する。ヒータは、板状の基板と、発熱体とを有する。基板は、第1方向に延びる。第1方向は、ベルトの回転軸方向と平行である。発熱体は、基板に配置される。ホルダは、ベルトの内側に位置する。ホルダは、ヒータを支持する。熱伝導部材は、ヒータとホルダとの間に位置する。熱伝導部材の熱伝導率は、基板の熱伝導率よりも高い。熱伝導部材は、第1方向に延びる。
【0009】
ヒータは、位置決め部を有する。位置決め部は、第1方向の両方で熱伝導部材に係合する。位置決め部は、ヒータに対して、熱伝導部材を位置決めする。
【0010】
熱伝導部材は、被位置決め部を有する。被位置決め部は、ヒータの位置決め部に対して位置決めされる。
【0011】
このような構成によれば、熱伝導部材をヒータに対して、直接、第1方向に位置決めすることができる。
【0012】
その結果、ヒータと熱伝導部材との位置ずれを抑制できる。
【0013】
(2)位置決め部は、突起であってもよい。被位置決め部は、溝であってもよい。溝は、壁を有する。壁は、第1方向と直交する。突起は、溝に嵌まる。
【0014】
(3)熱伝導部材は、第1エッジと、第2エッジとを有する。第1エッジは、第2方向における一方のエッジである。第2方向は、熱伝導部材の厚み方向および第1方向と交差する。第2エッジは、第2方向における他方のエッジである。突起は、ヒータから熱伝導部材の厚み方向に延びてもよい。溝は、第2方向において第1エッジから第2エッジに向かって凹んでもよい。
【0015】
(4)位置決め部は、溝であってもよい。溝は、壁を有する。壁は、第1方向と直交する。被位置決め部は、突起であってもよい。突起は、溝に嵌まる。
【0016】
(5)ヒータは、第3エッジと、第4エッジとを有してもよい。第3エッジは、第2方向における一方のエッジである。第4エッジは、第2方向における他方のエッジである。溝は、第2方向において第3エッジから第4エッジに向かって凹んでもよい。突起は、熱伝導部材の厚み方向において、熱伝導部材のヒータ側の表面からヒータに向かって突出してもよい。熱伝導部材の厚み方向における突起の長さは、ヒータの厚みよりも短くてもよい。
【0017】
(6)位置決め部は、穴であってもよい。突起は、穴に嵌まる。
【0018】
(7)穴は、第2方向において第3エッジと第4エッジとの間に位置し、円形状であってもよい。突起は、円柱形状であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本開示の定着装置によれば、ヒータと熱伝導部材との位置ずれを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図4】
図4Aは、第2の変形例のヒータの斜視図である。
図4Bは、第2の変形例の熱伝導部材の斜視図である。
【
図5】
図5Aは、第3の変形例のヒータの斜視図である。
図5Bは、第3の変形例の熱伝導部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.画像形成装置1の概略
図1を参照して、画像形成装置1の概略について説明する。
【0022】
画像形成装置1は、本体筐体2と、シート収容部3と、感光ドラム4と、帯電装置5と、露光装置6と、現像装置7と、転写装置8と、定着装置9とを備える。
【0023】
1.1 本体筐体2
本体筐体2は、シート収容部3と、感光ドラム4と、帯電装置5と、露光装置6と、現像装置7と、転写装置8と、定着装置9とを収容する。
【0024】
1.2 シート収容部3
シート収容部3は、シートSを収容可能である。シートSは、例えば、印刷用紙である。シートSは、シート収容部3から感光ドラム4に向かって搬送される。
【0025】
1.3 感光ドラム4
感光ドラム4は、ドラム軸A1について回転可能である。ドラム軸A1は、第1方向に延びる。感光ドラム4は、第1方向に延びる。
【0026】
1.4 帯電装置5
帯電装置5は、感光ドラム4の表面を帯電させる。本実施形態では、帯電装置5は、帯電ローラである。帯電装置5は、スコロトロン型帯電器であってもよい。
【0027】
1.5 露光装置6
露光装置6は、帯電装置5によって帯電された感光ドラム4の表面を露光する。露光装置6は、具体的には、レーザースキャンユニットである。露光装置6は、LEDアレイであってもよい。
【0028】
1.6 現像装置7
現像装置7は、感光ドラム4上にトナーを供給する。詳しくは、現像装置7は、露光装置6によって露光された感光ドラム4の表面上にトナーを供給する。現像装置7は、現像筐体71と、現像ローラ72とを有する。
【0029】
1.6.1 現像筐体71
現像筐体71は、トナーを収容可能である。
【0030】
1.6.2 現像ローラ72
現像ローラ72は、現像筐体71内のトナーを感光ドラム4の表面に供給可能である。本実施形態では、現像ローラ72は、感光ドラム4と接触する。現像ローラ72は、所定の間隔をあけて感光ドラム4から離れていてもよい。現像ローラ72は、現像軸A2について回転可能である。現像軸A2は、第1方向に延びる。現像ローラ72は、第1方向に延びる。
【0031】
1.7 転写装置8
転写装置8は、感光ドラム4上のトナーをシートSに転写する。本実施形態では、転写装置8は、転写ローラ81を有する。転写ローラ81は、感光ドラム4と接触する。転写ローラ81は、所定の間隔をあけて感光ドラム4から離れていてもよい。シート収容部3内のシートSは、感光ドラム4と転写ローラ81との間を通って、定着装置9へ搬送される。転写ローラ81は、感光ドラム4上のトナーを、感光ドラム4と転写ローラ81との間を通るシートSに転写する。転写ローラ81は、転写軸A3について回転可能である。転写軸A3は、第1方向に延びる。転写ローラ81は、第1方向に延びる。転写装置8は、転写ベルトを有してもよい。
【0032】
1.8 定着装置9
定着装置9は、トナーが転写されたシートSを加熱および加圧して、シートSにトナーを定着させる。定着装置9を通過したシートSは、本体筐体2の上面に排紙される。
【0033】
2.定着装置9の詳細
次に、
図2から
図4を参照して、定着装置9の詳細について説明する。
【0034】
図2に示すように、定着装置9は、加熱ユニット11と、加圧ローラ12とを備える。
【0035】
2.1 加熱ユニット11
加熱ユニット11は、トナーが転写されたシートSを加熱する。加熱ユニット11は、ベルト111と、ヒータ112と、ホルダ113と、熱伝導部材114とを備える。言い換えると、定着装置9は、ベルト111と、ヒータ112と、ホルダ113と、熱伝導部材114とを備える。
【0036】
2.1.1 ベルト111
ベルト111は、トナーが転写されたシートSを加熱する。ベルト111は、筒状である。言い換えると、ベルト111は、エンドレスベルトである。ベルト111は、第1方向に延びる。ベルト111は回転軸A4について回転可能である。回転軸A4は、第1方向に延びる。つまり、第1方向は、ベルト111の回転軸方向と平行である。ベルト111は、内周面S1と外周面S2とを有する。
【0037】
2.1.2 ヒータ112
ヒータ112は、ベルト111を加熱する。ヒータ112は、ベルト111の内側に位置する。ヒータ112は、ベルト111の内周面S1に接触する。
【0038】
図3Aに示すように、ヒータ112は、第1方向および第2方向に延びる。なお、第2方向は、第1方向、および、熱伝導部材114の厚み方向と交差する。好ましくは、第2方向は、第1方向、および、熱伝導部材114の厚み方向と直交する。ヒータ112は、板状である。詳しくは、ヒータ112は、細長い平板状である。ヒータ112は、基板1121と、発熱体1122と、端子1123と、配線1124とを有する。
【0039】
2.1.2.1 基板1121
基板1121は、板状である。詳しくは、基板1121は、細長い平板状である。基板1121は、第1方向および第2方向に延びる。基板1121は、例えば、ステンレスなどの金属からなる。基板1121の表面は、絶縁層で覆われている。
【0040】
基板1121は、エッジE11、E12、E13、E14と、位置決め部の一例としての突起1125とを有する。言い換えると、ヒータ112は、エッジE11、E12、E13、E14と、突起1125とを有する。
【0041】
2.1.2.1.1 エッジE11、E12、E13、E14
エッジE11は、第2方向における一方のエッジである。エッジE11は、第1方向に延びる。エッジE12は、第2方向における他方のエッジである。エッジE12は、第1方向に延びる。エッジE13は、第1方向における一方のエッジである。エッジE13は、第2方向に延びる。エッジE14は、第1方向における他方のエッジである。エッジE14は、第2方向に延びる。
【0042】
2.1.2.1.2 突起1125
突起1125は、第1方向において、ヒータ112のエッジE13と、ヒータ112のエッジE14との間に位置する。突起1125は、第1方向において、ヒータ112の一端部と、ヒータ112の他端部との間に位置する。なお、突起1125は、第1方向において、画像形成装置1が印刷可能な最大のシートSが通る領域の外に位置する。
【0043】
突起1125は、ヒータ112のエッジE11から、熱伝導部材114の厚み方向に延びる。詳しくは、突起1125は、ヒータ112のエッジE11から、熱伝導部材114に向けて延びる。本実施形態では、突起1125は、矩形状である。なお、突起1125の形状は、側面1125A、1125Bが有れば、限定されない。例えば、突起1125は、U字形状であってもよい。
【0044】
突起1125は、第1方向の両方で熱伝導部材114に係合する。詳しくは、突起1125は、熱伝導部材114の溝1141(
図3B参照)に嵌まる。熱伝導部材114の溝1141については、後で説明する。突起1125は、第1方向一方の側面1125Aと、第1方向他方の側面1125Bとを有する。本実施形態では、突起1125は、矩形状である。なお、突起1125の形状は、側面1125A、1125Bが有れば、限定されない。例えば、突起1125は、U字形状であってもよい。
【0045】
側面1125Aは、第1方向と交差する。好ましくは、側面1125Aは、第1方向と直交する。側面1125Aは、溝1141の壁1141A(
図3B参照)と対向する。壁1141Aについては、後で説明する。
【0046】
側面1125Bは、第1方向において、側面1125Aから離れて位置する。側面1125Bは、第1方向と交差する。好ましくは、側面1125Bは、第1方向と直交する。側面1125Bは、溝1141の壁1141B(
図3B参照)と対向する。壁1141Bについては、後で説明する。
【0047】
壁1141Aが側面1125Aと接触するか、または、壁1141Bが側面1125Bと接触することにより、熱伝導部材114は、ヒータ112に対して、第1方向において位置決めされる。言い換えると、突起1125は、ヒータ112に対して熱伝導部材114を位置決めする。
【0048】
2.1.2.2 発熱体1122
発熱体1122は、基板1121に配置される。詳しくは、発熱体1122は、基板1121のうち、ベルト111の内周面S1(
図2参照)側の面に設けられ、絶縁層の上にパターン形成される。発熱体1122は、銀・パラジウム合金等で形成される抵抗発熱体である。発熱体1122は、通電により発熱する。発熱体1122は、第1方向に延びる。なお、発熱体1122の一端部は、第1方向において、画像形成装置1が印刷可能な最大のシートが通る領域の一端部に位置する。発熱体1122の他端部は、第1方向において、画像形成装置1が印刷可能な最大のシートが通る領域の他端部に位置する。
【0049】
2.1.2.3 端子1123
端子1123は、第1方向において、発熱体1122から離れて位置する。端子1123は、発熱体1122に電気を供給するための端子であり、図示しないコネクタを介して本体筐体2内の電源に接続される。
【0050】
2.1.2.4 配線1124
配線1124は、第1方向において、端子1123と発熱体1122との間に位置する。配線1124の一端は、端子1123と接続される。配線1124の他端は、発熱体1122と接続される。配線1124は、銀等で形成される。配線1124は、端子1123と発熱体1122とを電気的に接続する。
【0051】
2.1.3 ホルダ113
図2に示すように、ホルダ113は、ヒータ112と熱伝導部材114とを支持する。ホルダ113は、ベルト111の内側に位置する。ホルダ113は、第1方向に延びる。ホルダ113は、樹脂からなる。ホルダ113は、支持部1131を有する。
【0052】
支持部1131は、ヒータ112と熱伝導部材114とを支持する。支持部1131は、第2方向において、ホルダ113の中央部に位置する。支持部1131は、支持面S10と、側面S11、S12とを有する。
【0053】
支持面S10は、熱伝導部材114の厚み方向において、ヒータ112および熱伝導部材114に対して、加圧ローラ12の反対側に位置する。支持面S10は、ヒータ112および熱伝導部材114を支持する。支持面S10は、第2方向、および、第1方向に延びる。
【0054】
側面S11は、第2方向において、支持部1131の一端部に位置する。側面S11は、ヒータ112のエッジE11、および、熱伝導部材114のエッジE21に対向する。熱伝導部材114のエッジE21については、後で説明する。側面S11とエッジE11との間、および、側面S11とエッジE21との間には、隙間があってもよい。側面S11は、第1方向、および、熱伝導部材114の厚み方向に延びる。
【0055】
側面S12は、第2方向において、支持部1131の他端部に位置する。側面S12は、第2方向において、側面S11から離れて位置する。側面S12は、第2方向において、ヒータ112および熱伝導部材114に対して、側面S11の反対側に位置する。側面S12は、ヒータ112のエッジE12、および、熱伝導部材114のエッジE22に対向する。熱伝導部材114のエッジE22については、後で説明する。側面S12とエッジE12との間、および、側面S12とエッジE22との間には、隙間があってもよい。側面S12は、第1方向、および、熱伝導部材114の厚み方向に延びる。
【0056】
2.1.4 熱伝導部材114
熱伝導部材114は、ヒータ112とホルダ113との間に位置する。詳しくは、熱伝導部材114は、ヒータ112の裏面と、ホルダ113の支持面S10との間に位置する。熱伝導部材114は、ヒータ112と接触する。熱伝導部材114の熱伝導率は、ヒータ112の基板1121(
図3参照)の熱伝導率よりも高い。熱伝導部材114は、アルミニウムなどの金属からなる。
【0057】
図3Bに示すように、熱伝導部材114は、第1方向に延びる。これにより、熱伝導部材114は、ヒータ112からの熱を第1方向に伝える。熱伝導部材114は、板状である。詳しくは、熱伝導部材114は、細長い平板状である。熱伝導部材114は、エッジE21と、エッジE22と、エッジE23と、エッジE24と、被位置決め部の一例としての溝1141とを有する。
【0058】
2.1.4.1 エッジE21からエッジE24
エッジE21は、第2方向における一方のエッジである。エッジE21は、第1方向に延びる。エッジE22は、第2方向における他方のエッジである。エッジE22は、第1方向に延びる。エッジE23は、第1方向における一方のエッジである。エッジE23は、第2方向に延びる。エッジE24は、第1方向における他方のエッジである。エッジE24は、第2方向に延びる。
【0059】
2.1.4.2 溝1141
溝1141は、第1方向において、熱伝導部材114のエッジE23と、熱伝導部材114のエッジE24との間に位置する。溝1141は、第1方向において、熱伝導部材114の一端部と熱伝導部材114の他端部との間に位置する。溝1141は、第1方向において、画像形成装置1が印刷可能な最大のシートSが通る領域の外に位置する。これにより、画像形成装置1が印刷可能な最大のシートSが通る領域内における熱伝導を溝1141が阻害することを防止できる。その結果、画像形成装置1が印刷可能な最大のシートSが通る領域内において、定着温度の均一化を図ることができる。ヒータ112の突起1125(
図3A参照)が溝1141に嵌まった状態で、溝1141は、ヒータ112の突起1125に対して位置決めされる。
【0060】
溝1141は、第2方向において、エッジE21からエッジE22に向かって凹む。具体的には、溝1141は、矩形状である。詳しくは、溝1141は、壁1141Aと、壁1141Bとを有する。
【0061】
壁1141Aは、第1方向において、溝1141の一端部に位置する。壁1141Aは、第1方向と交差する。好ましくは、壁1141Aは、第1方向と直交する。
【0062】
壁1141Bは、第1方向において、溝1141の他端部に位置する。壁1141Bは、第1方向において、壁1141Aから離れて位置する。壁1141Aと壁1141Bとの間の距離は、突起1125の第1方向長さよりも長い。壁1141Bは、第1方向と交差する。好ましくは、壁1141Bは、第1方向と直交する。
【0063】
2.2 加圧ローラ12
図2に示すように、加圧ローラ12は、ベルト111の外周面S2に接触する。加圧ローラ12は、ヒータ112との間にベルト111を挟むことで、トナーが転写されたシートSを加熱および加圧するためのニップ部を形成する。
【0064】
3.作用効果
定着装置9によれば、
図3Aおよび
図3Bに示すように、熱伝導部材114の溝1141にヒータ112の突起1125を嵌めることにより、熱伝導部材114を、ヒータ112に対して、直接、第1方向に位置決めすることができる。
【0065】
その結果、ヒータ112と熱伝導部材114との位置ずれを抑制できる。
【0066】
4.変形例
次に、
図4Aから
図5Bを参照して、変形例について説明する。変形例において、上記した実施形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0067】
(1)
図4Aに示すように、ヒータ112の位置決め部は、溝201であってもよい。熱伝導部材114の被位置決め部は、突起202であってもよい。
【0068】
溝201は、第2方向において、エッジE11からエッジE12に向かって凹む。溝201は、壁201Aと、壁201Bとを有する。
【0069】
壁201Aは、第1方向において、溝201の一端部に位置する。壁201Aは、第1方向と交差する。好ましくは、壁201Aは、第1方向と直交する。
【0070】
壁201Bは、第1方向において、溝201の他端部に位置する。壁201Bは、第1方向において、壁201Aから離れて位置する。壁201Aと壁201Bとの間の距離は、突起202の第1方向長さよりも長い。壁201Bは、第1方向と交差する。好ましくは、壁201Bは、第1方向と直交する。
【0071】
図4Bに示すように、突起202は、熱伝導部材114の厚み方向において、熱伝導部材114のヒータ112側の表面S20からヒータ112に向かって突出する。突起202は、ヒータ112の溝201(
図4A参照)に嵌まる。熱伝導部材114の厚み方向における突起202の長さは、ヒータ112の厚みよりも短い。そのため、突起202がベルト111の内周面S1(
図2参照)に接触することを防止できる。これにより、突起202との接触によってベルト111が傷つくことを防止できる。突起202は、第1方向一方の側面202Aと、第1方向他方の側面202Bとを有する。
【0072】
側面202Aは、第1方向と交差する。好ましくは、側面202Aは、第1方向と直交する。側面202Aは、溝201の壁201Aと対向する。
【0073】
側面202Bは、第1方向において、側面202Aから離れて位置する。側面202Bは、第1方向と交差する。好ましくは、側面202Bは、第1方向と直交する。側面202Bは、溝201の壁201Bと対向する。
【0074】
側面202Aが壁201Aと接触するか、または、側面202Bが壁201Bと接触することにより、熱伝導部材114は、ヒータ112に対して、第1方向において位置決めされる。
【0075】
この変形例でも、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0076】
(2)
図5Aに示すように、位置決め部は、穴301であってもよい。穴301は、第2方向において、ヒータ112のエッジE11と、ヒータ112のエッジE12との間に位置する。穴301は、円形状である。
【0077】
突起302は、第2方向において、熱伝導部材114のエッジE21と、熱伝導部材114のエッジE22との間に位置する。突起302は、エッジE21およびエッジE22から離れて位置する。突起302は、熱伝導部材114の厚み方向において、熱伝導部材114のヒータ112側の表面S20からヒータ112に向かって突出する。熱伝導部材114の厚み方向における突起302の長さは、ヒータ112の厚みよりも短い。そのため、突起302がベルト111の内周面S1(
図2参照)に接触することを防止できる。これにより、突起302との接触によってベルト111が傷つくことを防止できる。突起は、円柱形状である。突起302は、ヒータ112の穴301(
図5A参照)に嵌まる。突起302が穴301に嵌まることにより、熱伝導部材114は、ヒータ112に対して、第1方向において位置決めされる。
【0078】
この変形例でも、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0079】
なお、穴301および突起302の形状は、限定されない。例えば、多角形の穴301に、穴301と同じ多角形の突起302が嵌まってもよい。
【符号の説明】
【0080】
9 定着装置
111 ベルト
112 ヒータ
113 ホルダ
114 熱伝導部材
1121 基板
1122 発熱体
1125 突起
1141 溝
1141A 壁
1141B 壁
A4 回転軸
E11 エッジ(第3エッジ)
E12 エッジ(第4エッジ)
E21 エッジ(第1エッジ)
E22 エッジ(第2エッジ)
S シート
S1 内周面
201 溝
201A 壁
201B 壁
202 突起
301 穴
302 突起
S20 表面