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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】多層フィルム、包装材及び包装体
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/32 20060101AFI20241106BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20241106BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B32B27/32 E
B32B27/18 F
B65D65/40 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021000425
(22)【出願日】2021-01-05
(65)【公開番号】P2022105843
(43)【公開日】2022-07-15
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山口 恵介
(72)【発明者】
【氏名】堀内 雅文
(72)【発明者】
【氏名】西原 嗣貴
【審査官】川井 美佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-069790(JP,A)
【文献】特開2003-268242(JP,A)
【文献】特開2014-214235(JP,A)
【文献】特開2020-029305(JP,A)
【文献】特開2008-254765(JP,A)
【文献】特開平05-041508(JP,A)
【文献】特開2003-025524(JP,A)
【文献】特開平09-248885(JP,A)
【文献】国際公開第2018/066334(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0197555(US,A1)
【文献】国際公開第2017/103629(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B65D 65/00-65/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する、ヒートシール層である第一の外層と、
プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)を含有する内層と、
プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する第二の外層と、をこの順に備え、
前記内層及び前記第二の外層の少なくともいずれかが酸化亜鉛粒子をさらに含有し、前記酸化亜鉛粒子の含有量が、多層フィルムの単位面積当たり0.030~0.25g/mである、多層フィルム。
【請求項2】
前記酸化亜鉛粒子の平均球相当径が100nm以下である、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項3】
前記第一の外層と第二の外層が、前記プロピレン単独重合体(A)70~30質量部、及びエチレン含有量が5質量%以下である前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)30~70質量部を含有し、前記第二の外層が前記酸化亜鉛粒子をさらに含有する、請求項1又は2に記載の多層フィルム。
【請求項4】
前記内層が、前記プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)90~50質量部及び前記エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)10~50質量部を含有し、前記内層が前記酸化亜鉛粒子をさらに含有する、請求項1又は2に記載の多層フィルム。
【請求項5】
前記第一の外層及び前記第二の外層の総厚が、前記多層フィルムの厚さを基準として25~42%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の多層フィルム。
【請求項6】
前記内層の厚さが30μm以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の多層フィルム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の多層フィルムと、基材と、を備える包装材。
【請求項8】
請求項7に記載の包装材から製袋された包装体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層フィルム、包装材及び包装体に関する。詳しくは、本発明は、包装袋用シーラントフィルムとして、沸水処理やレトルト処理等の過酷な処理にも好適に使用できる、ポリプロピレン系多層フィルム、並びに当該ポリプロピレン系多層フィルムを用いて得られる包装材及び包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリプロピレン系フィルムは、剛性及び耐熱性に優れ、かつ安価であることから、食品包装等の種々の包装用材料における、シーラントフィルムとして使用されることがあり、主な用途としては、高温での加圧処理を行い、殺菌、滅菌を行うレトルト食品向けの包装材料が挙げられる。
【0003】
レトルト食品等の高温での殺菌、滅菌処理を行う包装食品では、製造中の加熱殺菌や長期保管によって内容物が劣化・変性し、変性臭が発生する場合がある。この変性臭の発生源は、炭水化物、油脂、たんぱく質等であり、その中でも、肉、魚、大豆、玉子等に含まれているたんぱく質の変性臭、特に硫黄化合物由来の硫黄臭が問題になることが多い。
【0004】
特許文献1では、基材フィルム上に形成されたポリカルボン酸系重合体を含む樹脂層からなるフィルムである酸素バリア性材料の表面に、亜鉛化合物と溶媒又は分散媒体とからなるコーティング剤を塗布することを特徴とする包装体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-018551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている包装体は、硫黄臭に対し臭気吸着機能が発現されるものの、内容物の視認性に関して改善の余地がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、内容物から生じる硫黄臭に対する臭気吸着性、及び内容物の視認性に優れる多層フィルムを提供することを目的とする。本発明はまた、当該多層フィルムを用いて得られる包装材及び包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、ポリプロピレン系多層フィルムにおける外層に異なるプロピレン系ポリマーを所定量で混合して含ませ、かつ複数の層の内少なくとも1層に酸化亜鉛粒子を配合させることが重要であることを発明者らが見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明の一側面に係る多層フィルムは、プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する、ヒートシール層である第一の外層と、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)を含有する内層と、プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する第二の外層と、をこの順に備え、内層及び第二の外層の少なくともいずれかが酸化亜鉛粒子をさらに含有し、酸化亜鉛粒子の含有量が、多層フィルムの単位面積当たり0.030~0.25g/mである。
【0010】
上記多層フィルムでは、ポリプロピレンフィルム中に酸化亜鉛粒子を配合することで、配合する酸化亜鉛粒子の量を低減させることができる。これにより、内容物から生じる硫黄臭に対する臭気吸着性を確保しつつ、フィルムの透明性低下を抑制することができる。このようなフィルムは、酸化亜鉛粒子を含むコーティング剤を用いた場合(例えば、上記特許文献1)に比して、内容物の視認性をより向上することができる。当該効果は、特にレトルト処理時に硫黄臭が発生する食品レトルト処理用途において好適である。
【0011】
一態様において、酸化亜鉛粒子の平均球相当径は100nm以下であってよい。これにより、酸化亜鉛の表面積が増加し、硫黄臭に対する臭気吸着性を得易い。また、酸化亜鉛の平均球相当径が100nm以下であり、可視光の波長よりも平均球相当径の方が小さいことで、光分散を抑制でき、より優れた透明性を得易い。
【0012】
一態様において、第一の外層と第二の外層は、プロピレン単独重合体(A)70~30質量部及びエチレン含有量が5質量%以下であるプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)30~70質量部を含有し、第二の外層が酸化亜鉛粒子をさらに含有してよい。これにより、フィルムの透明性を低下させる要因である表面の凹凸を抑制し易くなる。これにより、より優れた耐熱性と透明性の両立が可能となる。
【0013】
一態様において、内層は、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)90~50質量部及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)10~50質量部を含有し、内層が酸化亜鉛粒子をさらに含有してよい。これにより、フィルムの柔軟性が維持され、優れた耐寒衝撃性が得易い。
【0014】
一態様において、第一の外層及び第二の外層の総厚が、多層フィルムの厚さを基準として25~42%であってよい。これにより、透明性及びヒートシール性を両立し易い。
【0015】
一態様において、内層の厚さは30μm以上であってよい。これにより、フィルムの柔軟性を維持し易く、優れた耐寒衝撃性を得易い。
【0016】
本発明の一側面に係る包装材は、上記の多層フィルムと、基材と、を備える。
【0017】
本発明の一側面に係る包装体は、上記の包装材から製袋される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、内容物から生じる硫黄臭に対する臭気吸着性、及び内容物の視認性に優れる多層フィルムを提供することができる。本発明はまた、当該多層フィルムを用いて得られる包装材及び包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る多層フィルムの断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る包装材の断面図である。
図3図3は、実施例にて使用したプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の総融解熱量と135℃で融解熱量を分割した結果を表す図である。
図4図4は、実施例1にて作製されたフィルム中の酸化亜鉛粒子の球相当径分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<多層フィルム>
図1は、本発明の一実施形態に係る多層フィルムの断面図である。多層フィルム10は、第一の外層1aと、内層2と、第二の外層1bと、をこの順に備える。多層フィルムは、ポリプロピレン系無延伸シーラントフィルムとして用いることができる。
【0021】
[第一の外層及び第二の外層]
第一の外層及び第二の外層は、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する。第一の外層及び第二の外層は、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)から形成されてよい。第一の外層及び第二の外層をまとめて、単に外層という場合がある。第一の外層及び第二の外層は同一の組成を有していてもよく、異なる組成を有していてもよい。包装材として用いられる場合、第一の外層がヒートシール層としての役割を有し、内容物に接するように配置される。
【0022】
(プロピレン単独重合体(A))
プロピレン単独重合体(A)は、その製造方法が特に制限されるものではないが、例えばチーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン触媒、又はハーフメタロセン触媒を用いて、プロピレンを単独重合する方法により得ることができる。外層がプロピレン単独重合体(A)を含有することにより、外層に優れた耐熱性を付与することができる。
【0023】
プロピレン単独重合体(A)としては、示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、融解開始温度が150℃以上、融解ピーク温度が155℃以上であるものを用いることができる。融解開始温度及び融点ピーク温度が共にこの範囲内であるものは、優れた耐熱性を有し、例えば高温でのレトルト処理を行った後に、包装袋の内面で融着が発生し難い。
【0024】
プロピレン単独重合体(A)としては、メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が2.0~7.0g/10分の範囲であるものを用いることができる。メルトフローレートは高分子材料の溶融時の流動性を示すパラメーターであり、また分子量を示すパラメーターでもある。そのため、メルトフローレートが高すぎると高分子材料の耐衝撃性が低下し易く、また、低すぎると成形加工時の押出機負荷が大きくなり、加工速度が低下し、生産性が低下し易い。これらの観点から、メルトフローレートは2.0~7.0g/10分とすることができ、2.0~5.0g/10分であってよい。
【0025】
(プロピレン・エチレンランダム共重合体(B))
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)は、その製造方法が特に制限されるものではないが、例えばチーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン触媒、又はハーフメタロセン触媒を用いて、プロピレンからなる主モノマー中にコモノマーとしてエチレンを共重合することにより得ることができる。外層がプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有することにより、優れた透明性を有する多層フィルムを得ることができる。
【0026】
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)としては、示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、融解開始温度が140℃以上、融点ピーク温度が145℃以上であるものを用いることができる。融解開始温度及び融点ピーク温度が共にこの範囲内であるものは、優れた耐熱性を有し、例えば135℃で40分間の過酷なレトルト処理を行った後に、包装袋の内面で融着が発生し難い。
【0027】
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)としては、示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、測定温度135℃より高温側の融解熱量ΔHと、低温側の融解熱量ΔHとの比率ΔH/ΔHが1.5~2.5の範囲であるものを用いることができる。上記比率が上限値以下であることで、フィルムの柔軟性が維持され、レトルト処理後にヒートシール部のエッジ切れを抑制でき、ヒートシール強度が低下し難い。上記比率の下限値は、レトルト処理後に包装袋の内面で融着が発生し難い観点から1.5とすることができる。
【0028】
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)のエチレン含有量は5質量%以下とすることができる。エチレン含有量が上限値以下であることで、透明性を維持しつつも耐熱性が過度に低下せず、レトルト処理後に包装袋の内面における融着を抑制し易くなる。この観点から、当該エチレン含有量は4.5質量%以下であってよく、4質量%以下であってよい。エチレン含有量の下限は特に限定されないが、フィルムの柔軟性が維持され、レトルト処理後にヒートシール部でエッジ切れを抑制でき、ヒートシール強度が低下し難い観点から、2質量%とすることができる。
【0029】
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)のエチレン含有量は、社団法人日本分析学会 高分子分析懇談会編集 高分子分析ハンドブック(2013年5月10日,第3刷)の412~413ページに記載の、エチレン含有量の定量方法(IR法)に従い測定することができる。
【0030】
外層は、プロピレン単独重合体(A)70~30質量部、及びエチレン含有量が5質量%以下であるプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)30~70質量部を含有してよい。プロピレン単独重合体(A)の含有割合が30質量部以上であることで、優れた耐熱性を維持し易い。また、プロピレン単独重合体(A)の含有割合が70質量部以下であることで、すなわち、エチレン含有割合が5質量%以下であるプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の含有量が少なくとも30質量部以上であることで、優れた透明性、ヒートシール性を発現し易い。これらの観点から、外層は、プロピレン単独重合体(A)60~40質量部、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)40~60質量部を含有してよい。
【0031】
[内層]
内層は、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)を含有する。内層は、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)から形成されてよい。
【0032】
(プロピレン・エチレンブロック共重合体(C))
プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)は、第一工程でプロピレン重合体(C1)を製造し、次いで、第二工程で気相重合によりエチレン-プロピレン共重合体(C2)を製造することで得ることができる共重合体である。プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)は、プロピレン重合体末端とエチレン-プロピレン共重合体末端が結合されたブロック共重合体ではなく、一種のブレンド系の共重合体である。内層がプロピレン・エチレンブロック共重合体(C)を含有することにより、フィルムの柔軟性が維持され、レトルト処理後にヒートシール部のエッジ切れを抑制でき、優れたヒートシール性を得易い。
【0033】
プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)としては、メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が0.5~2.5g/10分の範囲であるものを用いることができる。メルトフローレートが高くなりすぎるとフィルムの耐衝撃性が低下し易く、また、低すぎると成形加工時の押出機負荷が大きくなり、加工速度が低下し、生産性が低下し易い。これらの観点から、メルトフローレートは0.5~2.5g/10分とすることができ、1.0~2.0g/10分であってよい。
【0034】
プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)は、上記プロピレン重合体(C1)90~60質量%及びエチレン-プロピレン共重合体(C2)10~40質量%を含有してよい。各成分がこの範囲であることにより、優れたヒートシール性が得易い。
【0035】
プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)に含まれている、エチレン-プロピレン共重合体(C2)のエチレン含有量は、特に制限はないが、20~40質量%の範囲とすることができる。エチレン含有量が上限値以下であることで、生成物のタック性を抑制することができ、製造時に生成物のタックによる汚染が生じ難く優れた生産性を維持し易い。エチレン含有量が下限値以上であることで、フィルムの柔軟性が維持され、レトルト処理後にヒートシール部のエッジ切れを抑制でき、優れたヒートシール性を得易い。
【0036】
(エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D))
エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)は、例えばヘキサン、ヘプタン、灯油等の不活性炭化水素、又はプロピレン等の液化α-オレフィン溶媒の存在下で行うスラリー重合法、無溶媒下の気相重合法などにより得ることができる。具体的には、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)は、公知の多段重合法を用いて得られる。すなわち、第1段の反応でプロピレン及び/又はプロピレン-α-オレフィン重合体を重合した後、第2段の反応でプロピレンとα-オレフィンとの共重合により得ることができる、重合型高ゴム含有ポリプロピレン系樹脂である。内層がエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)を含有することにより、フィルムに柔軟性を付与し易く、ヒートシール部のエッジ切れを抑制でき、優れたヒートシール性を得易く、また優れた耐寒衝撃性を得易い。
【0037】
エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)としては、メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が0.5~3.5g/10分の範囲であるものを用いることができる。メルトフローレートが下限値以上であることで、成形加工時の押出機負荷が小さくなり、加工速度が低下し難く優れた生産性を維持し易い。メルトフローレートが上限値以下であることで、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)とエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)との相容性が良好となり、透明性が低下し難い。
【0038】
エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)としては、プロピレン含有量とエチレン含有量の比(プロピレン含有量/エチレン含有量)が1.5~4の範囲であるものを用いることができる。上記比が下限以上であることで、フィルムの柔軟性が維持され、レトルト処理後にヒートシール部のエッジ切れを抑制でき、優れたヒートシール性を得易い。上記比が上限値以下であることで、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)とエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)との相容性が良好となり、透明性が低下し難い。
【0039】
内層は、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)90~50質量部及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)10~50質量部を含有してよい。プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)の含有割合が50質量部以上であることで、優れたヒートシール性を維持し易い。また、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)の含有割合が90質量部以下であることで、すなわち、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)の含有量が少なくとも10質量部以上であることで、さらに優れたヒートシール性及び優れた耐寒衝撃性を発現することができる。これらの観点から、内層は、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)80~60質量部、及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)20~40質量部を含有してよい。
【0040】
[酸化亜鉛粒子]
内層及び第二の外層の少なくともいずれかは、酸化亜鉛粒子をさらに含有する。酸化亜鉛粒子の含有量は、多層フィルムの単位面積当たり0.030~0.25g/mとすることができ、0.045~0.18g/mであってよく、0.09~0.15g/mであってよい。酸化亜鉛粒子の含有量が下限以上であることで、優れた臭気吸着性を得ることができ、上限以下であることで、優れた透明性を発現することができる。多層フィルムの単位面積とは、内層にのみ酸化亜鉛粒子が含まれる場合は内層の単位面積と、第二の外層にのみ酸化亜鉛粒子が含まれる場合は第二の外層の単位面積と、それぞれ言うことができる。各層における酸化亜鉛粒子の含有量は、酸化亜鉛粒子の添加量や、層の厚さを変更することで調整することができる。
【0041】
酸化亜鉛粒子の平均球相当径は100nm以下とすることができ、90nm以下であってよい。これにより、酸化亜鉛粒子の表面積が増加し、優れた臭気吸着性を発現するとともに、光分散の抑制により、優れた透明性を発現することができる。平均球相当径の下限は特に制限されないが、酸化亜鉛粒子の再凝集を抑制する観点から、20nm以上とすることができる。
【0042】
[酸化亜鉛の球相当径算出方法]
酸化亜鉛粒子を配合した多層フィルムをエポキシ樹脂で包埋した後、ダイヤモンドナイフ装着のウルトラミクロトームでトリミング、面出し、超薄切片を作製する。その後、走査透過電子顕微鏡を用いて、超薄切片(酸化亜鉛粒子を配合した層)の断面を観察倍率50000倍で観察する。3D再構成ソフト「Composer」により、観察画像の三次元再構成像を作成する。その後、画像解析ソフト(FEI社製 型番Avizo2019.2)を用いて、3281nm×3281nm×625nmの範囲で観察された酸化亜鉛粒子それぞれの体積を算出し、その体積と等しい球の直径を算出し、その平均値を平均球相当径とする。
【0043】
多層フィルムの厚さは、例えば包装材料用のフィルムとして使用可能な範囲であれば特に制限されることはないが、フィルムが厚すぎる場合にはコストデメリットとなる。このため、多層フィルムの厚さは100μm以下とすることができ、50~70μmであってよい。
【0044】
外層の厚さ(すなわち第一の外層及び第二の外層の総厚)は、多層フィルムの厚さを基準として25~42%であってよい。外層の厚さの割合が下限値以上であることで、優れた透明性を得易く、また上限値以下であることで、フィルムのヒートシール性の低下を抑制することができ、実用性が得られ易い。
【0045】
外層の厚さ(すなわち第一の外層及び第二の外層の総厚)は、10μm以上であってよく、15μm以上であってよい。これにより、フィルムの透明性が確保し易く、またヒートシール強度が低下し難い。外層の厚さ上限は特に制限されないが、耐寒衝撃性が確保され易いよう、40μm以下とすることができ、30μm以下であってよく、20μm以下であってよい。
【0046】
内層の厚さは30μm以上であってよく、35μm以上であってよい。これにより、フィルムの柔軟性が維持され、レトルト処理後にフィルムが破断し難くなり、ヒートシール強度が低下し難い。内層の厚さ上限は特に制限されないが、例えばコストの観点から、80μm以下とすることができ、70μm以下であってよく、50μm以下であってよい。
【0047】
<多層フィルムの製造方法>
多層フィルムを製造する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが可能である。例えば、熱成形加工の方法としては、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等が挙げられる。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機又は2軸スクリュー押出機を使用することができる。単軸押出機を用いる場合、スクリューとしては、フルフライトスクリュー、ミキシングエレメントを持つスクリュー、バリアフライトスクリュー、フルーテッドスクリュー等が挙げられ、これらを特に制限なく使用することができる。2軸混練装置としては、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機等を用いることができ、またスクリュー形状としてはフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプ等特に限定なく用いることができる。
【0048】
上記方法において、多層フィルムを単軸押出機又は2軸押出機等により溶融したのち、フィードブロック又はマルチマニホールドを介しTダイで製膜する方法を用いることが可能である。
【0049】
得られた多層フィルムは、必要に応じて適宜後工程適性を向上する表面改質処理を施されてよい。例えば、単体フィルム使用時の印刷適性向上や、積層使用時のラミネート適性向上のために、印刷面や基材と接触する面に対して表面改質処理を行ってよい。表面改質処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理等のフィルム表面を酸化させることにより官能基を生じさせる処理や、コーティングにより易接着層を形成するウェットプロセスによる改質処理が挙げられる。
【0050】
<包装材>
多層フィルムは、単体フィルムとして用いてもよく、基材と積層して用いてもよく、その包装材としての使用方法は特に制限されるものではない。
【0051】
多層フィルムを基材と積層して用いる場合、包装材は、上記の多層フィルムと基材とを備えることができる。そのような包装材は、具体的には上記の多層フィルム10に、二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)、二軸延伸ポリエステルフィルム(PET)、印刷紙、金属箔(AL箔)、透明蒸着フィルム等の基材を少なくとも1層積層し、積層体を形成することで得ることができる。図2は、本発明の一実施形態に係る包装材の断面図である。同図に示す包装材100は、多層フィルム10、接着層3、基材フィルム4、接着層5、及び透明蒸着フィルム6をこの順に備える。積層体の製造方法は、このように積層体を構成するフィルムに接着剤を用いて貼合せる通常のドライラミネート法が好適に採用できるが、必要に応じて多層フィルムを基材上に直接押出ラミネートする方法も採用することができる。
【0052】
積層体の積層構造は、包装体の要求特性、例えば包装する食品の品質保持期間を満たすバリア性、内容物の重量に対応できるサイズ・耐衝撃性、内容物の視認性等に応じて適宜調整することができる。
【0053】
<包装体>
包装体は上記の包装材から製袋されてよく、その製袋様式に関してはとくに制限されない。例えば上記の包装材(積層体)は、多層フィルムをシール材とする、平袋、三方袋、合掌袋、ガゼット袋、スタンディングパウチ、スパウト付きパウチ、ビーク付きパウチ等に用いることが可能である。
【実施例
【0054】
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0055】
<各種材料の準備>
以下に示すプロピレン単独重合体(A)、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)、酸化亜鉛マスターバッチ(E)及び(F)を準備した。
【0056】
(プロピレン単独重合体(A))
示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、融解開始温度が153℃、融解ピーク温度が159℃であり、かつメルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が3.0g/10分であるプロピレン単独重合体。
【0057】
(プロピレン・エチレンランダム共重合体(B))
示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、融解開始温度が142℃、融解ピーク温度が147℃、ΔH/ΔHが1.84であり、かつエチレン含有量が3.4質量%であるプロピレン・エチレンランダム共重合体。
【0058】
エチレン含有量の測定は、社団法人日本分析学会 高分子分析懇談会編集 高分子分析ハンドブック(2013年5月10日,第3刷)の412~413ページに記載の、エチレン含有量の定量方法(IR法)に従い行った。
ΔH/ΔHは、示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、測定温度135℃より高温側の融解熱量ΔHと、低温側の融解熱量ΔHとの比率である。図3は、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の総融解熱量と135℃で融解熱量を分割した結果を表す図である。
【0059】
(プロピレン・エチレンブロック共重合体(C))
メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が2.0g/10分であり、プロピレン重合体77.1質量%及びエチレン-プロピレン共重合体22.9質量%を含有し、エチレン-プロピレン共重合体に含まれるエチレン含有量が28.7質量%であるプロピレン・エチレンブロック共重合体。
【0060】
(エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D))
メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が0.6g/10分であり、かつプロピレン含有量/エチレン含有量が2.7であるエチレン・プロピレン共重合体エラストマー。
【0061】
(酸化亜鉛マスターバッチ(E))
一次粒径が35nmであり、かつ粒子表面に高密度シリカ層とポリシロキサン層を順にコーティング処理を行った酸化亜鉛粒子20質量%と、ポリプロピレン系樹脂80質量%とを溶融混合した酸化亜鉛マスターバッチ。
【0062】
(酸化亜鉛マスターバッチ(F))
一次粒径が35nmであり、粒子表面にコーティング処理を行っていない酸化亜鉛粒子20質量%と、ポリプロピレン系樹脂80質量%とを溶融混合した酸化亜鉛マスターバッチ。
【0063】
<積層フィルムの作製>
(実施例1)
外層形成用に、プロピレン単独重合体(A)50質量部及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)50質量部をペレット状態で混合した樹脂混合体を用いた。また、内層形成用に、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)67.8質量部及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)32.2質量部をペレット状態で混合し、更に酸化亜鉛マスターバッチ(E)をプロピレン・エチレンブロック共重合体(C)とエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)100質量部に対して、0.63質量部混合し、層形成後の内層中の酸化亜鉛含有量が0.045g/mになるように調整した樹脂混合体を用いた。それぞれの原料を250℃に温調した押出機に供給し、溶融状態にて混錬して、フィードブロックを持つTダイ押出機にて第一の外層及び第二の外層の厚さがそれぞれ10μm、内層の厚さが40μmとなるように積層し、実施例1のフィルムを作製した。
【0064】
(実施例2)
酸化亜鉛マスターバッチ(E)の配合割合を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2のフィルムを作製した。
【0065】
(実施例3)
酸化亜鉛マスターバッチ(E)を酸化亜鉛マスターバッチ(F)に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例3のフィルムを作製した。
【0066】
(実施例4)
酸化亜鉛マスターバッチ(F)の配合割合を表1に示すように変更した以外は、実施例3と同様にして実施例4のフィルムを作製した。
【0067】
(実施例5)
酸化亜鉛マスターバッチ(E)の配合割合を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例5のフィルムを作製した。
【0068】
(実施例6)
酸化亜鉛マスターバッチ(E)を配合する層を第二の外層に変更し、酸化亜鉛マスターバッチ(E)をプロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)100質量部に対して、5.21質量部混合した樹脂混合体を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例6のフィルムを作製した。
【0069】
(実施例7)
酸化亜鉛マスターバッチ(E)の配合割合を表1に示すように変更した以外は、実施例6と同様にして実施例7のフィルムを作製した。
【0070】
(比較例1)
酸化亜鉛マスターバッチ(E)の配合割合を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1のフィルムを作製した。
【0071】
(比較例2)
酸化亜鉛マスターバッチ(F)の配合割合を表1に示すように変更した以外は、実施例3と同様にして比較例2のフィルムを作製した。
【0072】
(比較例3)
酸化亜鉛マスターバッチ(E)の配合割合を表1に示すように変更した以外は、実施例6と同様にして比較例3のフィルムを作製した。
【0073】
(比較例4)
酸化亜鉛マスターバッチ(F)の配合割合を表1に示すように変更した以外は、実施例3と同様にして比較例4のフィルムを作製した。
【0074】
(比較例5)
酸化亜鉛マスターバッチ(E)の配合割合を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして比較例5のフィルムを作製した。
【0075】
<各種評価>
各例で得られたフィルムに対し以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0076】
[酸化亜鉛平均球相当径]
各例で得られたフィルムをエポキシ樹脂で包埋した後、ダイヤモンドナイフ装着のウルトラミクロトームでトリミング、面出し、超薄切片を作製した。その後、走査透過電子顕微鏡を用いて、超薄切片(酸化亜鉛粒子を配合した層)の断面を観察倍率50000倍で観察したのち、3D再構成ソフト「Composer」により、観察画像の三次元再構成像を作成した。その後、画像解析ソフト(FEI社製 型番Avizo2019.2)を用いて、3281nm×3281nm×625nmの範囲で観察された酸化亜鉛粒子それぞれの体積を算出し、その体積と等しい球の直径を算出し、その平均値を平均球相当径とした。図4は、実施例1にて作製されたフィルム中の酸化亜鉛粒子の球相当径分布図である。
【0077】
[レトルト後ヘーズ測定]
各例で得られたフィルム(ポリプロピレン多層フィルム)の第一の外層同士を対向させて、テスター産業株式会社製のヒートシーラーを用いて、シール圧0.2MPa、シール時間1秒間、シール幅5mm、シール温度200℃の条件でヒートシールした。その後、水を充填し、135℃で40分間レトルト処理を行った。JISK7136に記載されているヘーズの測定方法に則り、村上色彩技術研究所製のヘーズメーター(型番HM-150)を用いて、レトルト処理を行ったフィルムの評価を実施した。
【0078】
[硫化水素減少率]
厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(PET)と、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)と、厚さ7μmのAL箔と、各例で得られたフィルム(ポリプロピレン系フィルム)を、ウレタン系接着剤を用いて通常のドライラミネート法で貼り合せ、次の構成の積層体を形成した。
積層体構成:PET/接着剤/ONy/接着剤/AL箔/接着剤/ポリプロピレン系フィルム
この積層体の、ポリプロピレン系フィルム同士を対向させて、テスター産業株式会社製のヒートシーラーを用いて、シール圧0.2MPa、シール時間1秒間、シール幅5mm、シール温度200℃の条件でヒートシールし、包装袋(3方袋)を作製した。その後、L-システインを0.03質量%含むシステイン水溶液を包装袋に充填し、135℃で40分間レトルト処理を行った。レトルト処理後、包装袋中の溶液を採取し、株式会社共立理化学研究所製のパックテスト(型番WAK-S)を用いて、硫化水素減少率の測定を行った。硫化水素減少率の算出は、採取した溶液とパックテスト試薬を反応させた後、分光光度計で波長668nmの吸光度を測定し、酸化亜鉛を配合していない包装袋で測定した吸光度に対する、各例で得られたフィルムを用いて評価した吸光度の減少率より算出した。
【0079】
[ヒートシール性評価]
上述と同様の方法にて包装袋(3方袋)を作製したのち、水を充填し、135℃で40分間レトルト処理を行った。レトルト処理を行ったフィルムを15mm幅×80mmに切出し、株式会社島津製作所製の引張試験機を用いて、300mm/minの引張速度でT字剥離を行い、ヒートシール強度を測定した。
【0080】
[耐寒衝撃性評価]
株式会社東洋精機製のフィルムインパクトテスターを用いて、温度-5℃、秤量1.5J、弾頭サイズ1.5インチの条件で、各例で得られたフィルムの耐寒衝撃性評価を実施した。
【0081】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明のポリプロピレン系多層フィルムは、レトルト食品から発生する硫黄臭に対して、優れた臭気吸着性を有するとともに、内容物を視認するのに必要な高い透明性を有しており、レトルト包装用のシーラントフィルムに好適に使用できる。
【符号の説明】
【0083】
10…多層フィルム、100…包装材、1a…第一の外層、1b…第二の外層、2…内層、3…接着層、4…基材フィルム、5…接着層、6…透明蒸着フィルム。

図1
図2
図3
図4