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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20241106BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241106BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B41J29/38 104
G03G21/00 398
B41J29/38 101
H04N1/00 885
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021024509
(22)【出願日】2021-02-18
(65)【公開番号】P2022126435
(43)【公開日】2022-08-30
【審査請求日】2024-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】飛永 真志
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-010345(JP,A)
【文献】特開2010-120322(JP,A)
【文献】特開2015-222903(JP,A)
【文献】特開2013-085038(JP,A)
【文献】特開2016-131310(JP,A)
【文献】特開2020-149228(JP,A)
【文献】国際公開第2019/044400(WO,A1)
【文献】米国特許第06385412(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
表示部と、
ユーザーのジェスチャーを検出するジェスチャーセンサーと、
前記ジェスチャーセンサーにより予め設定された第1ジェスチャーが検出されると、ジャスチャーによる電源オフ指示の受付を待機する待機状態に移行させるのを保留している保留状態となり、第1時間の計時を開始し、該計時されている第1時間が予め設定された第1閾値に達すると、ジャスチャーによる電源オフ指示の受付を待機する待機状態となり、当該待機状態であることを示す通知を前記表示部に表示させ、当該通知が表示されている状態で前記ジェスチャーセンサーにより予め設定された第2ジェスチャーが検出されると、第2時間の計時を開始し、該計時されている第2時間が予め設定された第2閾値に達したときに、前記画像形成装置の電源をオフにする制御部と、を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1時間が前記第1閾値に達する前に、前記ジェスチャーセンサーにより前記第1ジェスチャーが検出されなくなり、予め設定された第3ジェスチャーが検出された場合に、前記第1時間の計時を中断して、第3時間の計時を開始し、該計時されている第3時間が予め設定された第3閾値に達すると、前記保留状態を解除する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2時間が前記第2閾値に達する前に、前記ジェスチャーセンサーにより前記第2ジェスチャーが検出されなくなり、予め設定された第3ジェスチャーが検出された場合に、前記第2時間の計時を中断して、第3時間の計時を開始し、該計時されている第3時間が予め設定された第3閾値に達したときに、前記待機状態を解除して、前記表示部での前記通知を非表示にする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1時間が前記第1閾値に達する前に、前記ジェスチャーセンサーによる前記第1ジェスチャーの検出が中断されたときに、前記保留状態を解除する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2時間が前記第2閾値に達する前に、前記ジェスチャーセンサーによる前記第2ジェスチャーの検出が中断されたときに、前記待機状態を解除する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
指示を受け付ける操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部に前記第1閾値又は前記第2閾値の値を指定する指示が受け付けられたとき、当該指示が示す値に前記第1閾値又は前記第2閾値を変更する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
指示を受け付ける操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部に前記第3閾値の値を指定する指示が受け付けられたとき、当該指示が示す値に前記第3閾値を変更する請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を記録紙に形成する画像形成装置に関し、特に画像形成装置の電源をオンオフさせるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、商用電源からの電力供給を受けて、該画像形成装置を構成する種々のデバイスにそれぞれの動作電力を供給する電源部を備えている。
【0003】
この画像形成装置を稼働又は電源オフさせるには、商用電源と電源部の間に介在する手動の電源スイッチをオンオフするか、あるいは表示部の画面に表示されている電源キーなどを、タッチパネルを通じてタッチ操作する必要がある。
【0004】
また、特許文献1に記載のタッチパネル一体型表示装置では、画像を表示する期間においては画素電極に対する対向電圧を共通電極へ供給し、タッチ操作を検出する期間においてはタッチ操作を検出するための駆動信号を共通電極へ供給して、検出信号を読み出し、また表示画面に物体が近接したことを検知して、物体が近接した状態では、指によるタッチ操作を検出した場合に、ペンによるタッチを検出するための制御信号の出力を停止し、ペンによるタッチ操作を検出した場合に、指によるタッチを検出するための制御信号の出力を停止している。これにより、動作時の低消費電力化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-133527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のタッチパネル一体型表示装置を適用し、表示画面に対するタッチ操作に応じて画像形成装置を稼働又は電源オフさせるようにした場合は、画像形成装置の省電力を効果的に行うことができる。しかしながら、画像形成装置を不特定多数の人々が利用している場合は、タッチパネルあるいは電源スイッチに触れることは、衛生上の観点からユーザーが好まない場合がある。また、画像形成装置の電源オフの操作が簡単過ぎると、画像形成装置が不用意に停止されることがあるので、このような事態を避ける必要がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、画像形成装置を、不用意に電源オフされることを回避しつつ、予め設定された手順のジェスチャーにより非接触で電源オフできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面にかかる画像形成装置は、表示部と、ユーザーのジェスチャーを検出するジェスチャーセンサーと、前記ジェスチャーセンサーにより予め設定された第1ジェスチャーが検出されると、ジャスチャーによる電源オフ指示の受付を待機する待機状態に移行させるのを保留している保留状態となり、第1時間の計時を開始し、該計時されている第1時間が予め設定された第1閾値に達すると、ジャスチャーによる電源オフ指示の受付を待機する待機状態となり、当該待機状態であることを示す通知を前記表示部に表示させ、当該通知が表示されている状態で前記ジェスチャーセンサーにより予め設定された第2ジェスチャーが検出されると、第2時間の計時を開始し、該計時されている第2時間が予め設定された第2閾値に達したときに、前記画像形成装置の電源をオフにする制御部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置を、不用意に電源オフされることを回避しつつ、予め設定された手順のジェスチャーにより非接触で電源オフにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
図2】(A)、(B)、及び(C)は、予め設定された第1ハンドジェスチャー、第2ハンドジェスチャー、及び第3ハンドジェスチャーを模式的に示す図である。
図3A】画像形成装置における電源オフ処理を示すフローチャートである。
図3B図3Aに続く処理を示すフローチャートである。
図4A】表示部に表示される通知画面を示す図である。
図4B】表示部に表示される他の通知画面を示す図である。
図5A】画像形成装置における電源オフ処理の変形例を示すフローチャートである。
図5B図5Aに続く処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の主要内部構成を示すブロック図である。図1に示すように本実施形態の画像形成装置10は、表示部11と、タッチパネル12と、操作部13と、画像メモリー15と、画像読取部16と、画像形成部17と、記憶部18と、ジェスチャーセンサー19と、電源回路21と、制御ユニット30とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0012】
表示部11は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)などから構成される。
【0013】
表示部11の画面には、タッチパネル12が配置されている。タッチパネル12は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル12に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置とともに検知して、その接触位置の座標を示す検知信号を制御ユニット30の後述する制御部31に出力する。これにより、タッチパネル12を通じて表示部11の画面に表示されているGUI(Graphical User Interface)の操作が可能となる。従って、タッチパネル12は、表示部11の画面に対するユーザー操作が入力される操作部としての機能を果たす。
【0014】
操作部13は、テンキー、決定キー、スタートキーなどの物理キーを備えている。
【0015】
画像読取部16は、コンタクトガラスに載置された原稿に記載されているドキュメントなどの画像を光学的に読み取るスキャナーを有し、この原稿の画像を示す画像データを生成する。この画像データは、画像メモリー15に記憶される。
【0016】
画像形成部17は、感光体ドラム、感光体ドラムの表面を均一帯電させる帯電装置、感光体ドラムの表面を露光して、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する露光装置、感光体ドラムの表面の静電潜像をトナー像に現像する現像装置、及び感光体ドラムの表面のトナー像(画像)を記録媒体としての記録紙に転写する転写装置等を備え、画像メモリー15内の画像データによって示される画像を記録紙に印刷する。
【0017】
ジェスチャーセンサー(モーションセンサー)19は、既知のジェスチャーセンサーであって、画像形成装置10の前方を撮像する。このジェスチャーセンサー19は、画像形成装置10の正面に立っているユーザーの特に手の動きを撮像して、撮像した画像からユーザーによる手のジェスチャーの種類を判別する。ジェスチャーセンサー19は、判別結果を制御ユニット30に出力する。更に、ジェスチャーセンサー19は、ジェスチャーセンサー19からユーザーまでの距離を検出して制御ユニット30に出力する。
【0018】
記憶部18は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0019】
電源回路21は、商用電源に接続されて、画像形成装置1の各部に動作電力を供給する。
【0020】
制御ユニット30は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、MPU、又はASIC等である。制御ユニット30は、上記のROM又は記憶部18に記憶されている制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部31として機能する。
【0021】
制御部31は、画像形成装置10の全体的な動作制御を司る。制御ユニット30は、表示部11、タッチパネル12、操作部13、画像メモリー15、画像読取部16、画像形成部17、記憶部18、ジェスチャーセンサー19、及び電源回路21などと接続されている。制御部31は、これらの構成要素の動作制御や、該各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0022】
制御部31は、タッチパネル12及び操作部13の操作に応じた処理などを実行する処理部としての役割を果たす。また、制御部31は、表示部11の表示動作を制御し、電源回路21をオンオフ制御する。
【0023】
このような構成の画像形成装置10において、ユーザーが、原稿を画像読取部16にセットし、操作部13のスタートキーを操作して画像形成指示を入力すると、制御部31は、この指示に従って、画像読取部16により原稿の画像を読取らせて、原稿の画像を示す画像データを画像メモリー15に記憶させ、画像データを画像形成部17に入力させて、画像形成部17より原稿の画像を記録紙に形成させる。
【0024】
また、画像形成装置10を電源オフさせて停止させるときには、ユーザーは、表示部11の画面に表示されているGUIを操作して、タッチパネル12を通じて電源のオフの指示を入力するか、あるいは手動の電源スイッチ(図示せず)を操作してオフにする。制御部31は、上記電源のオフの指示に応答して電源回路21をオフにすることで、電源回路21から画像形成装置10の各部への動作電力の供給を停止させる。或いは、上記電源スイッチのオフにより商用電源からの電力供給が遮断されて、画像形成装置10の各部への動作電力の供給が停止する。
【0025】
ここで、画像形成装置10を不特定多数の人々が利用している場合は、タッチパネル12あるいは電源スイッチを不用意に触れることをユーザーが望まない場合がある。また、画像形成装置10の電源オフの操作が簡単過ぎると、画像形成装置10が不用意に停止されることがあるので、このような事態を避ける必要がある。
【0026】
そこで、画像形成装置10では、ユーザーが予め設定された第1ハンドジェスチャー及び第2ハンドジェスチャーを予め設定された手順で行った場合に、制御部31が電源回路21により画像形成装置10の電源をオフにする(電力供給を停止させる)。制御部31は、ジェスチャーセンサー19により判別されたユーザーによるハンドジェスチャーが、予め設定された第1ハンドジェスチャーに一致又は近似する場合に、当該認識されたハンドジェスチャーを第1ハンドジェスチャーと判定する。
【0027】
また、制御部31は、認識されたハンドジェスチャーが、予め設定された第2ハンドジェスチャーに一致又は近似する場合に、当該認識されたハンドジェスチャーを第2ハンドジェスチャーと判定する。
【0028】
そして、制御部31は、第1ハンドジェスチャーが行われている第1時間が予め設定された第1閾値に達したと判定したときに、画像形成装置10をジャスチャーによる電源オフ指示の受付を待機する待機状態に設定する。制御部31は、この後、続いて第2ハンドジェスチャーが行われている第2時間が予め設定された第2閾値に達したと判定した場合に、電源回路21により電源をオフにする。従って、ユーザーは、予め設定された手順のジェスチャーを行うことで、非接触で画像形成装置10を電源オフにすることができる。
【0029】
また、ユーザーは、第1ハンドジェスチャー又は第2ハンドジェスチャーを中断して、予め設定された第3ハンドジェスチャーを行うことにより、画像形成装置10がジャスチャーによる電源オフ指示の受付を待機する待機状態となっているのを解除することができる。すなわち、制御部31は、ジェスチャーセンサー19により判別されたユーザーによるハンドジェスチャーが、予め設定されている第3ハンドジェスチャーに一致又は近似する場合に、認識されたハンドジェスチャーを第3ハンドジェスチャーと判定し、更に第3ハンドジェスチャーが行われている第3時間が予め設定された第3閾値に達したと判定した場合に、画像形成装置10をジャスチャーによる電源オフ指示の受付を待機する待機状態としているのを解除する。
【0030】
ここで、例えば図2(A)に示すような第1ハンドジェスチャーH1を示すデータが記憶部18に予め記憶され、図2(B)に示すような第2ハンドジェスチャーH2を示すデータが記憶部18に予め記憶され、図2(C)に示すような第3ハンドジェスチャーH3を示すデータが記憶部18に予め記憶されているものとする。制御部31は、既知のアルゴリズムに基づき、ジェスチャーセンサー19から出力されてくる、判別されたジェスチャーを示すデータを、記憶部18に記憶されている各ハンドジェスチャーのデータと比較して、この判別されたハンドジェスチャーが、第1ハンドジェスチャーH1、第2ハンドジェスチャーH2、又は第3ハンドジェスチャーH3のいずれに一致又は近似するかを判定する。
【0031】
また、第1ハンドジェスチャーH1が行われている第1時間と比較される第1閾値、第2ハンドジェスチャーH2が行われている第2時間と比較される第2閾値、第3ハンドジェスチャーH3が行われている第3時間と比較される第3閾値は、ユーザーにより任意に設定されて、制御部31又は記憶部18が記憶している。例えば、制御部31は、ユーザーによる操作部13の操作により受け付けられる値、又は、ユーザーによる表示部11の画面に表示されているGUIの操作によりタッチパネル12を通じて受け付けられる値に従って、第1閾値、第2閾値、及び第3閾値を設定する。第1閾値及び第2閾値が数秒程度(例えば3秒)に設定され、第3閾値は第1閾値及び第2閾値よりも短く設定される(例えば1.5秒)ことが好ましい。
【0032】
次に、画像形成装置10における電源オフ処理を、図3A図3Bに示すフローチャートなどを参照して詳しく説明する。
【0033】
制御部31は、画像形成装置10が電源オンで稼働中のとき、タッチパネル12を通じて、表示部11の画面上のGUIの操作によるタッチパネル12を通じた電源のオフの指示、又は操作部13の操作による電源オフの指示を受け付けたか否かを判定し(S101)、手動の電源スイッチ(商用電源からの電力供給を遮断するスイッチ。図略)がオフにされたか否かを判定する(S102)。
【0034】
更に、制御部31は、ジェスチャーセンサー19から出力されてくる、ハンドジェスチャーの判別結果を示すデータを、記憶部18に記憶されている各ハンドジェスチャーを示すデータと比較して、当該判別結果が示すハンドジェスチャーが第1ハンドジェスチャーH1であるか否かを判定する(S103)。制御部31が、S101~S103において、いずれも否と判定したときは(S101「No」、S102「No」、S103「No」)、処理はS101に戻り、S101、S102、S103が繰り返される。
【0035】
ここで、制御部31が、上記のようにタッチパネル12又は操作部13を通じて電源オフの指示を受け付けたと判定したときは(S101で「Yes」)、電源回路21により電源をオフにして、電源回路21から画像形成装置10の各部への動作電力の供給を停止させる(S104)。また、制御部31が、手動の電源スイッチがオフにされたと判定したときは(S102で「Yes」)、商用電源からの電力供給が遮断されて、画像形成装置10の各部への動作電力の供給が停止する(S104)。
【0036】
一方、制御部31は、ジェスチャーセンサー19から出力されてくる上記判別結果が示すハンドジェスチャーが第1ハンドジェスチャーH1であると判定した場合は(S103で「Yes」)、画像形成装置10をジャスチャーによる電源オフの指示の受付を待機する待機状態に移行させるのを保留している保留状態として、第1時間T1の計時を開始し(S105)、この第1時間T1が予め設定された第1閾値S1に達したか否かを判定する(S106)。前提として、ユーザーは、タッチパネル12、操作部13、或いは手動の電源スイッチに触れることなく、画像形成装置10を電源オフにするために、図2(A)に示す第1ハンドジェスチャーH1をジェスチャーセンサー19の前で行っている。
【0037】
制御部31は、第1時間T1が第1閾値S1に達するまで(S106「No」)、第1ハンドジェスチャーH1の検出が継続されているか否かを判定(S107)、つまり、ユーザーにより第1ハンドジェスチャーH1が続けられているか否かを判定する。制御部31は、第1ハンドジェスチャーH1の検出が継続していると判定したときは(S107「Yes」)、S106、S107を繰り返す。
【0038】
S106で「No」の状態にあるときに、ユーザーが、第1ハンドジェスチャーH1とは異なる別のハンドジェスチャーを行ったものとする。この場合、制御部31は、第1ハンドジェスチャーH1の検出が継続せず、第1ハンドジェスチャーH1が中断されたと判定して(S107「No」)、第1時間T1の計時を一時的に中断させる(S108)。この後、制御部31は、ジェスチャーセンサー19による判別結果が示すハンドジェスチャーが第1ハンドジェスチャーH1及び第3ハンドジェスチャーH3のいずれであるかを判定する(S109)。
【0039】
ここで、ユーザーが、上記保留状態を解除させるために、図2(C)に示す第3ハンドジェスチャーH3をジェスチャーセンサー19の前で行ったものとする。この場合、制御部31は、ジェスチャーセンサー19による判別結果が示すハンドジェスチャーが第3ハンドジェスチャーH3であると判定する(S109「第3」)。制御部31は、第3ハンドジェスチャーH3であると判定したとき、第3時間T3の計時を開始して(S110)、この第3時間T3が予め設定された第3閾値S3に達したか否かを判定する(S111)。
【0040】
制御部31は、第3時間T3が第3閾値S3に達していないときは(S111「No」)、第3ハンドジェスチャーH3の検出が継続しているか否かを判定(S112)、つまりユーザーにより第3ハンドジェスチャーH3が続けられているか否かを判定する。制御部31が、第3ハンドジェスチャーH3の検出が継続していると判定している間は(S112「Yes」)、処理はS111に戻る。
【0041】
そして、制御部31は、第3ハンドジェスチャーH3の検出が継続している状態で(S112「Yes」)、第3時間T3が第3閾値S3に達すると(S111「Yes」)、上記保留状態を解除する(S113)。この後、処理は終了する。
【0042】
他方、制御部31は、第3時間T3が第3閾値S3に達する前に(S111「No」)、第3ハンドジェスチャーH3の検出が継続しなくなったと判定したときは(S112「No」)、第1時間T1の計時を再開させる(S114)。処理は、S107に戻る。処理がS107に戻ると、制御部31は、第1ハンドジェスチャーH1の検出が継続しているか否かを判定し(S107)、第1ハンドジェスチャーH1が続けられていると判定すると(S107「Yes」)、処理はS106に移る。
【0043】
なお、S109で、制御部31が、ジェスチャーセンサー19による判別結果が示すハンドジェスチャーが第1ハンドジェスチャーH1及び第3ハンドジェスチャーH3のいずれとも判定しないまま、予め定められた時間(例えば60秒)が経過したとき、処理はS101に戻る。
【0044】
また、S109において、制御部31は、ジェスチャーセンサー19による判別結果が示すハンドジェスチャーが第1ハンドジェスチャーH1であると判定したときは(S109「第1」)、第1ハンドジェスチャーH1が一時的に中断されただけでまた再開されたので、第1時間T1の計時を再開させる(S114)。処理はS107に戻る。
【0045】
一方、制御部31は、第1ハンドジェスチャーH1の検出が継続している状態で(S107「Yes」)、第1時間T1が第1閾値S1に達した場合(S106「Yes」)、画像形成装置10をジャスチャーによる電源オフの指示の受付を待機する待機状態として、図4Aに例を示すような、画像形成装置10が当該待機状態であることを示す通知画面Gを表示部11に表示させる(S115)。通知画面Gには、例えば、電源のオフを確定させるには第2ハンドジェスチャーH2を行う必要がある旨を示すメッセージMが表示されている。
【0046】
ユーザーは、メッセージMを見て、図2(B)に示す第2ハンドジェスチャーH2をジェスチャーセンサー19の前で行う。制御部31は、ジェスチャーセンサー19による判別結果が第2ハンドジェスチャーH2を示すか否かを判定する(S116)。制御部31は、この判別結果が第2ハンドジェスチャーH2を示すと判定したときは(S116「Yes」)、第2時間T2の計時を開始して(S117)、この第2時間T2が予め設定された第2閾値S2に達したか否かを判定する(S118)。
【0047】
なお、S116で、制御部31が、ジェスチャーセンサー19による判別結果が示すハンドジェスチャーが第2ハンドジェスチャーH2を示すと判定しないまま、予め定められた時間(例えば60秒)が経過したとき、処理はS101に戻る。
【0048】
制御部31は、第2時間T2が第2閾値S2に達していないときは(S118「No」)、第2ハンドジェスチャーH2の検出が継続されているか否かを判定(S119)、すなわち、第2ハンドジェスチャーH2が続けられているか否かを判定し、第2ハンドジェスチャーH2の検出が継続していると判定すると(S119「Yes」)、処理はS118に戻る。
【0049】
ここで、ユーザーが上記待機状態を解除するために、図2(C)に示す第3ハンドジェスチャーH3を行ったものとする。このとき、制御部31は、第2ハンドジェスチャーH2の検出が継続しなくなったと判定して(S119「No」)、第2時間T2の計時を一時的に中断させる(S120)。そして、制御部31は、ジェスチャーセンサー19による判別結果が示すハンドジェスチャーが第2ハンドジェスチャーH2又は第3ハンドジェスチャーH3のいずれであるかを判定する(S121)。ここでは、制御部31は、この判別結果が示すハンドジェスチャーが第3ハンドジェスチャーH3であると判定すると(S121「第3」)、第3時間T3の計時を開始して(S122)、この第3時間T3が予め設定された第3閾値S3に達したか否かを判定する(S123)。
【0050】
制御部31は、第3時間T3が第3閾値S3に達しなければ(S123「No」)、第3ハンドジェスチャーH3の検出が継続されているか否かを判定(S124)、すなわち、第3ハンドジェスチャーH3が続けられているか否かを判定する。制御部31が、第3ハンドジェスチャーH3が続けられていると判定すると(S124「Yes」)、処理はS123に戻る。
【0051】
そして、制御部31は、第3ハンドジェスチャーH3の検出が継続している状態で(S124「Yes」)、第3時間T3が第3閾値S3に達したとき(S123「Yes」)、通知画面Gを表示部11で非表示とする(S125)。そして、制御部31は、ジャスチャーによる電源オフの指示の受付を待機する待機状態を解除する(S126)。この後、処理は終了する。
【0052】
また、制御部31は、第3時間T3が第3閾値S3に達する前に(S123「No」)、第3ハンドジェスチャーH3の検出が継続しなくなったと判定したときは(S124「No」)、第2時間T2の計時を再開させる(S127)。処理は、S119に戻る。この場合、制御部31は、第2ハンドジェスチャーH2の検出が継続しているか否かを判定する(S119)。制御部31が、第2ハンドジェスチャーH2の検出が継続していると判定すると(S119「Yes」)、処理はS118に戻る。
【0053】
また、S121において、制御部31は、ジェスチャーセンサー19による判別結果が示すハンドジェスチャーが第2ハンドジェスチャーH2であると判定したときは(S121「第2」)、第2ハンドジェスチャーH2が一時的に中断されただけでまた再開されたので、第2時間T2の計時を再開させる(S127)。処理はS119に戻る。
【0054】
そして、制御部31は、第2ハンドジェスチャーH2の検出が継続していると判定している状態で(S119「Yes」)、第2時間T2が第2閾値S2に達すると(S118「Yes」)、電源回路21により電源をオフにして、電源回路21から画像形成装置10の各部への動作電力の供給を停止させる(S128)。このとき、制御部31は、図4Bに例を示すような通知画面G1を表示部11に表示させる。
【0055】
このように本実施形態では、ユーザーが第1ハンドジェスチャーH1を行うと、第1ハンドジェスチャーH1が行われている第1時間T1を計時し、第1時間T1が第1閾値S1に達すると、通知画面Gを表示部11に表示させる。そして、ユーザーが通知画面GのメッセージMを見て第2ハンドジェスチャーH2を行うと、第2ハンドジェスチャーH2が行われている第2時間T2を計時し、第2時間T2が第2閾値S2に達したときに、電源回路21により画像形成装置10の電源をオフにする。このため、ユーザーは、操作部13、タッチパネル12、或いは、電源スイッチに触れることなく、ハンドジェスチャーだけで、電源回路21をオフにすることができ、衛生上の観点から非接触で電源をオフにしたいユーザーにとって好ましい。また、ユーザーは、第1ハンドジェスチャーH1又は第2ハンドジェスチャーH2を行ったとき、上述した所定の手順を経た後でのみ、画像形成装置10の電源がオフになるため、画像形成装置10の電源が不用意にオフになることを低減できる。
【0056】
また、第3ハンドジェスチャーH3により非接触操作で、画像形成装置10の上記保留状態又は上記待機状態を解除できるため、これによっても、画像形成装置10の電源が不用意にオフになることを低減できる。なお、このように、画像形成装置10は、上記待機状態になるまでに保留状態を有しているため、不用意に第2ハンドジェスチャーH2による電源オフ指示が受け付けられてしまうこともない。これにより、画像形成装置10の電源が不用意にオフになることを更に確実に低減している。
<変形例>
【0057】
上記実施形態では、第3ハンドジェスチャーH3が判定され、第3ハンドジェスチャーH3が行われている第3時間T3が第3閾値S3に達した場合に、画像形成装置10の電源オフ指示の受付待機状態を解除するようにしているが、第1ハンドジェスチャーH1又は第2ハンドジェスチャーH2が検出されていない状態が一定時間続いた場合に、制御部31が、画像形成装置10の電源オフ指示の受付待機状態を解除するようにしてもよい。このための制御を図5A図5Bに示すフローチャートを参照して説明する。尚、図5A図5Bにおいて、図3A図3Bと同様の処理が行われるステップについては同じ符号を付して、説明を省略する。
【0058】
図5Aのフローチャートに示すように、制御部31は、第1ハンドジェスチャーH1の検出が継続しなくなったと判定したとき(S107「No」)、第1時間T1の計時を一時的に中断させ(S108)、第1ハンドジェスチャーH1が検出されていない中断時間T4の計時を開始する(S211)。そして、制御部31は、この中断時間T4が予め設定された第4閾値S4に達したか否かを判定すると共に(S212)、第1ハンドジェスチャーH1が再度検出されるに至ったかを判定する(S213)。そして、制御部31は、中断時間T4が第4閾値S4に達する前に(S212「No」)、第1ハンドジェスチャーH1が再度検出されたと判定したときは(S213「Yes」)、第1ハンドジェスチャーH1が一時的に中断されただけでまた再開したので、第1時間T1の計時を再開させる(S214)。処理はS107に戻る。
【0059】
また、制御部31は、第1ハンドジェスチャーH1が再度検出されることなく(S213「No」)、中断時間T4が第4閾値S4に達したと判断したときは(S212「Yes」)、上記保留状態を解除する(S215)。この後、処理は終了する。
【0060】
一方、図5Bのフローチャートに示すように、制御部31は、第2ハンドジェスチャーH2の検出がされなくなったと判定したとき(S119「No」)、第2時間T2の計時を一時的に中断させ(S120)、第2ハンドジェスチャーH2が中断されている中断時間T5の計時を開始する(S221)。制御部31は、この中断時間T5が予め設定された第5閾値S5に達したか否かを判定すると共に(S222)、第2ハンドジェスチャーH2が再開されたか否かを判定する(S223)。そして、制御部31は、中断時間T5が第5閾値S5に達する前に(S222「No」)、第2ハンドジェスチャーH2が再度検出されるに至ったと判断したときは(S223「Yes」)、第2ハンドジェスチャーH2が一時的に中断されただけでまた再開したので、第2時間T2の計時を再開させる(S226)。この後、処理はS119に戻る。
【0061】
また、制御部31は、第2ハンドジェスチャーH2が再度検出されることなく(S223「No」)、中断時間T5が第5閾値S5に達したと判断したときは(S222「Yes」)、表示部11に表示されている通知画面Gを非表示として(S224)、ジャスチャーによる電源オフの指示の受付を待機する待機状態を解除する(S225)。この後、処理は終了する。
【0062】
更に、図5A図5Bに示す制御では、第1ハンドジェスチャーH1が一定時間検出されなくなった場合に、制御部31が、上記保留状態を解除しているが、第1ハンドジェスチャーH1が検出されなくなった時点で一定時間待機することなく即座に、上記保留状態を解除するようにしてもよい。
【0063】
更に、図5A図5Bに示す制御では、第2ハンドジェスチャーH2が一定時間検出されなくなった場合に、制御部31が、上記待機状態を解除しているが、第2ハンドジェスチャーH2が検出されなくなった時点で一定時間待機することなく即座に、上記待機状態を解除するようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態及び変形例では、本発明に係る画像形成装置の実施形態として複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、コピー機、プリンター、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置でもよい。
【0065】
また、図1乃至図5Bを用いて説明した上記実施形態及び変形例の構成及び処理は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0066】
10 画像形成装置
11 表示部
12 タッチパネル
13 操作部
15 画像メモリー
16 画像読取部
17 画像形成部
18 記憶部
19 ジェスチャーセンサー
21 電源回路
30 制御ユニット
31 制御部
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B