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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/52 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
B65D5/52 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021033403
(22)【出願日】2021-03-03
(65)【公開番号】P2022134337
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】夏川 準司
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】実公昭42-022678(JP,Y1)
【文献】登録実用新案第3106317(JP,U)
【文献】実開平06-018235(JP,U)
【文献】特開2019-112071(JP,A)
【文献】特開2007-029449(JP,A)
【文献】特開2001-171654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口した収容箱となる内箱と、前記内箱の上開口部を覆う蓋部材とを有する包装箱であって、
前記内箱は、左右の第一側壁と第一前壁と第一後壁とからなる筒状の第一胴部と、前記第一胴部の下側開口部に設けられた底板と、を備え、
前記蓋部材は、左右の第二側壁と第二前壁とからなる平面視コ字状の第二胴部と、前記第二胴部の上側開口部に設けられた天板と、を備え、前記底板の後端と前記天板の後端とに連設する連結板を介して前記内箱と連結されており、
前記蓋部材が前記内箱の前記上開口部を覆う運搬状態では、前記連結板は、前記内箱の前記第一後壁と重なり合い、
前記連結板には、左右方向に延在する折れ線が形成されており、
前記内箱の前記上開口部を開放して前記内箱に収容された収容物を展示する展示状態では、前記蓋部材は、前記左右の第二側壁の下端縁が下側になった状態で前記内箱の下側に配置可能であるとともに、前記底板は、前記天板の上に設置可能であり、前記連結板は、折り畳まれた状態で前記底板の後端部を下側から支持する支持脚部となる
ことを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記蓋部材は、前記内箱を上方から覆う箱状を呈している
ことを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
箱に収容された商品を収容されたまま展示する段ボール製の包装箱としては、底板を傾斜させて展示するものがある(例えば、特許文献1参照)。この包装箱では、店頭に展示するときに、左右の側壁を斜めに切断し、底壁および前壁と、天壁および後壁とを分離し、後壁を折り畳んで底壁の後端部を下側から支える支持脚とする。このとき天壁は、斜めに支持された底壁の後方に立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-171654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の包装箱では、後壁を折り畳んで支持脚としているので、商品を提示する際には底壁の後部に後壁がない状態となる。そのため、商品を支持する下側の収容箱の強度が低下し収容箱が変形し易いという問題があった。また、商品が収容箱の後方に落下してしまう虞もあった。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決し、収容物の落下を防止できるとともに収容箱の強度を十分に確保できる包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、上面が開口した収容箱となる内箱と、前記内箱の上開口部を覆う蓋部材とを有する包装箱である。前記内箱は、左右の第一側壁と第一前壁と第一後壁とからなる筒状の第一胴部と、前記第一胴部の下側開口部に設けられた底板と、を備えている。前記蓋部材は、左右の第二側壁と第二前壁とからなる平面視コ字状の第二胴部と、前記第二胴部の上側開口部に設けられた天板と、を備え、前記底板の後端と前記天板の後端とに連設する連結板を介して前記内箱と連結されており、前記蓋部材が前記内箱の前記上開口部を覆う運搬状態では、前記連結板は、前記内箱の前記第一後壁と重なり合い、前記連結板には、左右方向に延在する折れ線が形成されており、前記内箱の前記上開口部を開放して前記内箱に収容された収容物を展示する展示状態では、前記蓋部材は、前記左右の第二側壁の下端縁が下側になった状態で前記内箱の下側に配置可能であるとともに、前記底板は、前記天板の上に設置可能であり、前記連結板は、折り畳まれた状態で前記底板の後端部を下側から支持する支持脚部となることを特徴とする。
【0007】
本発明の包装箱によれば、展示状態においても、収納箱には筒状の胴部が存在するので、収納箱は強度が低下せず強度を十分に確保できる。また、収納物は周囲を胴部で囲まれているので落下しない。さらに、内箱を好適な角度で傾斜させることができる。
【0008】
本発明の包装箱において、前記蓋部材は、前記内箱を上方から覆う箱状を呈しているものが好ましい。このよう構成によれば、蓋部材も強度が増す。
【発明の効果】
【0010】
本発明の包装箱によれば、収容物の落下を防止できるとともに収容箱の強度を十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る包装箱の運搬状態を前方左上から見た斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る包装箱の外箱を内箱から外した状態を前方左上から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
図4】本発明の実施形態に係る包装箱の第一の展示状態を前方左上から見た斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る包装箱の第二の展示状態を前方左上から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右方向とは、各実施形態の包装箱を説明する上で便宜上設定したものであり、包装箱の構成や使用状態を限定するものではない。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0013】
本実施形態に係る包装箱1は、図1および図2に示すように、上面が開口したトレー状の収容箱となる内箱2と、内箱2の上開口部を覆う外箱(蓋部材)3とを有している。
内箱2は、左側壁11と右側壁12と前壁13と後壁14とからなる筒状の胴部15と、胴部15の下側開口部に設けられた底板16と、を備えている。内箱2には、例えば煎餅等の偏平な収容物が、立てた状態で前後方向に重ねられて収容される。
外箱3は、内箱2の蓋となる部位であって、内箱2を上方から覆う箱状を呈している。外箱3は、左側壁31と右側壁32と前壁33とからなる平面視コ字状の胴部34と、胴部34の上側開口部に設けられた天板35と、を備えている。外箱3は、内箱2の底板16の後端に連設する連結板51を介して内箱2と連結されている。
【0014】
包装箱1は、図3に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートSを各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。図3に示すブランクシートSは内面側が見えるように配置されている。図3中、下側には内箱2を構成するシートが表示され、上側には外箱3を構成するシートが表示されている。
ブランクシートSの折れ線は、ブランクシートSの表面を線状に押し込んで形成された罫線(押罫)である。なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、折れ線においてブランクシートSを折り曲げ易くなる。
また、シートの表面のみを切断したハーフカットの切れ込みやシートを貫通した切れ込みを断続させて線状に形成することで折れ線を構成してもよい。
【0015】
底板16は、四角形に形成されており、内箱2を構成するシートの中央に配置されている。底板16の左縁部には、折れ線を介して左側の側壁(左側壁)11が連設されている。左側壁11の前方上端は面取りされて、傾斜部17が形成されている。
【0016】
左側壁11の前縁部には、折れ線を介して第一前壁片13aが連設されている。第一前壁片13aは、内箱2の前壁13を構成する複数枚の板部のうちの一つであり、四角形に形成されている。第一前壁片13aは、左側壁11の前縁部の高さ寸法と同じ高さ寸法を有している。第一前壁片13aは、左側壁11の前縁部から右側に向けて折り曲げられている。第一前壁片13aの右側への張り出し長さ(左右幅寸法)は、前壁13の左右幅寸法の半分より短い。
【0017】
左側壁11の後縁部には、折れ線を介して第一後壁片14aが連設されている。第一後壁片14aは、後壁14を構成する2枚の板部のうちの一つであり、四角形に形成されている。第一後壁片14aは、左側壁11の後縁部の高さ寸法と同じ高さ寸法を有している。第一後壁片14aは、左側壁11の後縁部から右側に向けて折り曲げられている。第一後壁片14aの右側への張り出し長さは、後壁14の左右幅寸法の半分より長い。第一後壁片14aの右側への張り出し先端部(右側端部)は、後記する第二後壁片14bの先端部と重なっている。第一後壁片14aの右側端部には、第二後壁片14bと係止するための係止片18が形成されている。係止片18は、略台形に形成されており、両斜辺の下端部には外側に突出する突部がそれぞれ形成されている。係止片18は、上辺を折れ線として切り起こされ、後記する第二後壁片14bの先端部に形成された係止孔19に押し込まれる。
【0018】
底板16の右縁部には、折れ線を介して右側の側壁(右側壁)12が連設されている。右側壁12の前方上端は面取りされて、傾斜部17が形成されている。右側壁12は、左側壁11と左右対称の形状である。
【0019】
右側壁12の前縁部には、折れ線を介して第二前壁片13bが連設されている。第二前壁片13bは、前壁13を構成する複数枚の板部のうちの一つであり、第一前壁片13aと同形状の四角形に形成されている。第二前壁片13bは、右側壁12の前縁部の高さ寸法と同じ高さ寸法を有している。第二前壁片13bは、右側壁12の前縁部から左側に向けて折り曲げられている。第二前壁片13bの右側への張り出し長さ(左右幅寸法)は、前壁13の左右幅寸法の半分より短い。第二前壁片13bと第一前壁片13aとは、隙間を空けて同一平面状に配置される。
【0020】
右側壁12の後縁部には、折れ線を介して第二後壁片14bが連設されている。第二後壁片14bは、後壁14を構成する2枚の板部のうちの一つであり、第一後壁片14aと同形状の四角形に形成されている。第二後壁片14bは、右側壁12の後縁部の高さ寸法と同じ高さ寸法を有している。第二後壁片14bは、右側壁12の後縁部から左側に向けて折り曲げられている。第二後壁片14bの左側への張り出し長さは、後壁14の左右幅寸法の半分より長い。第二後壁片14bの左側への張り出し先端部(左側端部)は、第一後壁片14aの先端部(右側端部)と重なっている。第二後壁片14bの左側端部には、第一後壁片14aと係止するための係止孔19が形成されている。係止孔19は、係止片18の突部がない状態の台形に形成されている。係止片18を係止孔19に押し込んだ際に、係止片18の突部が係止孔19の周縁部の下側両側にそれぞれ係止される。
【0021】
底板16の前縁部には、折れ線を介して第三前壁片13cが連設されている。第三前壁片13cは、前壁13を構成する複数枚の板部のうちの一つであり、四角形に形成されている。底板16の前縁部と第三前壁片13cとの間の折れ線は、左側壁11の前縁部と第一前壁片13aとの間の折れ線(および右側壁12の前縁部と第二前壁片13bとの間の折れ線)よりも段ボールの厚さ分、前方にオフセットしている。第三前壁片13cは、下側の底板16の前縁部から立ち上がって第一前壁片13aと第二前壁片13bの前面を覆う。第三前壁片13cの上端縁には、折れ線、折れ代20および折れ線を介して第四前壁片13dが連設されている。第四前壁片13dは、前壁13を構成する複数枚の板部のうちの一つである。折れ代20は、段ボールの厚さ分の前後長さを有している。第四前壁片13dは、第三前壁片13cの上縁部に繋がる折れ代20の後縁部から垂れ下がって第一前壁片13aと第二前壁片13bの後面を覆う。第四前壁片13dの左右両側の縦辺の下端部には、外側に突出する突部がそれぞれ形成されている。第四前壁片13dは、左右の突部が左側壁11と右側壁12の内側面にそれぞれ突っ張ることで、垂れ下がった状態で固定される。
【0022】
以上のように、左右から内側に向かって折れ曲げられた第一前壁片13aと第二前壁片13bとを、第三前壁片13cと第四前壁片13dとで前後から挟むことで、前壁13が形成されている。前壁13の高さ寸法は、左右の側壁11,12の後端部の高さ寸法よりも小さく、内箱2の前面上部が開口して収容物が視認し易くなっている。
【0023】
底板16の後縁部には、 折れ線を介して連結板51が連設されている。連結板51は、内箱2と外箱3を連結する板部である。連結板51は、後壁14と同じ大きさの四角形に形成されている。底板16の後縁部と連結板51との間の折れ線は、左側壁11の後縁部と第一後壁片14aとの間の折れ線(および右側壁12の後縁部と第二後壁片14bとの間の折れ線)よりも段ボールの厚さ分、後方にオフセットしている。外箱3が内箱2の上開口部を覆う運搬状態では、連結板51は、下側の底板16の後縁部から立ち上がって第一後壁片14aと第二後壁片14bの後面を覆うように後壁14と重なり合う。連結板51の高さ方向中間部には、右方向に延在する折れ線が形成されている。
【0024】
連結板51の上縁部には、折れ線を介して外箱3の天板35が連設されている。天板35は、四角形に形成されており、外箱3を構成するシートの中央に配置されている。天板35の左縁部には、折れ線を介して左側の側壁(左側壁)31が連設されている。左側壁31の前後の下端は面取りされて、円弧状になっている。
【0025】
左側壁31の前縁部には、折れ線を介して外箱3用の第一前壁片33aが連設されている。第一前壁片33aは、外箱3の前壁33を構成する複数枚の板部のうちの一つであり、四角形に形成されている。第一前壁片33aの高さ寸法は、左側壁31の前縁部の高さ寸法から面取りされた部分の高さ寸法を差し引いた大きさである。第一前壁片33aは、左側壁31の前縁部から右側に向けて折り曲げられている。第一前壁片33aの右側への張り出し長さ(左右幅寸法)は、前壁33の左右幅寸法の半分より短い。
【0026】
天板35の右縁部には、折れ線を介して右側の側壁(右側壁)32が連設されている。右側壁32の前後の下端は面取りされて、円弧状になっている。右側壁32は、左側壁31と左右対称の形状である。
【0027】
右側壁32の前縁部には、折れ線を介して外箱3用の第二前壁片33bが連設されている。第二前壁片33bは、外箱3用の前壁33を構成する複数枚の板部のうちの一つであり、第一前壁片33aと同形状の四角形に形成されている。第二前壁片13bの高さ寸法は、右側壁32の前縁部の高さ寸法から面取りされた部分の高さ寸法を差し引いた大きさである。第二前壁片33bは、右側壁32の前縁部から左側に向けて折り曲げられている。第二前壁片33bの右側への張り出し長さ(左右幅寸法)は、前壁33の左右幅寸法の半分より短い。第二前壁片33bと第一前壁片33aとは、隙間を空けて同一平面状に配置される。
【0028】
天板35の前縁部には、折れ線を介して外箱3用の第三前壁片33cが連設されている。第三前壁片33cは、外箱3の前壁33を構成する複数枚の板部のうちの一つであり、四角形に形成されている。天板35の前縁部と第三前壁片33cとの間の折れ線は、左側壁31の前縁部と第一前壁片33aとの間の折れ線(および右側壁32の前縁部と第二前壁片33bとの間の折れ線)よりも段ボールの厚さ分、前方にオフセットしている。第三前壁片33cは、下側の天板35の前縁部から垂れ下がって第一前壁片33aと第二前壁片33bの前面を覆う。第三前壁片33cの下端縁には、折れ線、折れ代36および折れ線を介して第四前壁片33dが連設されている。第四前壁片33dは、外箱3の前壁33を構成する複数枚の板部のうちの一つである。折れ代36は、段ボールの厚さ分の前後長さを有している。第四前壁片33dは、第三前壁片33cの下縁部に繋がる折れ代36の後縁部から立ち上がって第一前壁片33aと第二前壁片33bの後面を覆う。第四前壁片33dの左右両側の縦辺の上端部には、外側に突出する突部がそれぞれ形成されている。第四前壁片33dは、左右の突部が左側壁31と右側壁32の内側面にそれぞれ突っ張ることで、立ち上がった状態で固定される。
【0029】
以上のように、左右の側壁31,32から内側に向かって折れ曲げられた第一前壁片33aと第二前壁片33bとを、第三前壁片33cと第四前壁片33dとで前後から挟むことで、外箱3の前壁33が形成されている。前壁33の高さ寸法は、左右の側壁31,32の高さ寸法よりも小さく、前壁33の下方が開口している。この開口部は、内箱2の前壁13よりも高さ寸法が小さく、運搬状態では、内箱2の前壁13によって塞がれる。これによって、運搬状態で包装箱1の前面が閉じられた状態となる。
【0030】
次に、本実施形態の包装箱1を用いて内箱2に収容された収容品を展示する展示状態について説明する。展示状態は、外箱3が内箱2の後方に立てられる第一の展示状態と、外箱3が内箱2の下方に敷かれる第二の展示状態とがある。
【0031】
第一の展示状態では、図4に示すように、外箱3が内箱2から外され、内箱2の後方に外箱3が立てられる。外箱3は、左側壁31の後端縁と右側壁32の後端縁が下側になるように立てられている。連結板51は、中間部の折れ線でV字状に折り曲げられた状態で、内箱2の後端部を下側から支持する支持脚部52となっている。支持脚部52は、V字が横向きになり後方に向かって開いた状態で内箱2の後端部の下側に位置している。これによって、内箱2は、後端部が持ち上げられた傾斜状態となり、収容物が見え易くなるとともに、取り出し易くなる。さらに、内箱2の前壁13は高さが低く、左側壁11および右側壁12の前部には傾斜部17が形成されているので、前方および側方から収容物がより一層見易くなる。
【0032】
また、第一の定時状態においては、外箱3を内箱2の後方に立てているので、外箱3を表示パネルの設置場所として利用することができる。表示パネルは、たとえば、収容品の宣伝を書き込んだパネルである。このような表示パネルを外箱3の左右の側壁31,32や前壁33に貼り付けることで、収容品の訴求効果を高めることができる。
【0033】
第二の展示状態では、図5に示すように、外箱3が内箱2から外され、内箱2の下側に外箱3が配置される。外箱3は、左側壁31の下端縁と右側壁32の下端縁が下側になるように配置されている。連結板51は、中間部の折れ線でV字状に折り曲げられた状態で、内箱2の後端部を下側から支持する支持脚部52となっている。支持脚部52は、V字が横向きになり後方に向かって開いた状態で内箱2の後端部と外箱3の後端部との間に位置している。これによって、内箱2は、後端部が持ち上げられた傾斜状態となり、収容物が見え易くなるとともに、取り出し易くなる。さらに、内箱2の前壁13は高さが低く、左側壁11および右側壁12の前部には傾斜部17が形成されているので、前方および側方から収容物がより一層見易くなる。
【0034】
また、第二の展示状態においては、内箱2を外箱3の上に置いているので。収容品を高く配置できる。これによって、収容品を目立たせることができるので、収容品の訴求効果を高めることができる。
【0035】
本実施形態の包装箱1によれば、内箱2の後方に位置する連結板51を下方に折り曲げた展示状態においても、収納箱となる内箱2に筒状の胴部15が存在するので、内箱2は強度が低下せず強度を十分に確保することができる。また、内箱2の後端には、常に後壁14が存在する。したがって、収容物は周囲を胴部で囲まれているので、収容物の落下を防止することができる。
【0036】
また、連結板51には、左右方向に延在する折れ線が形成されており、折り畳まれた状態で底板16の後端部を支持しているので、内箱2を好適な角度で傾斜させることができる。したがって、収容物を視認し易くできる。
【0037】
さらに、本実施形態の包装箱1においては、図1に示す運搬状態では、内箱2の上開口部を外箱3が塞いで蓋をすることができるので、安定した状態で収容物を運搬することができる。また、後壁14の後方に連結板51が重なって、二重の壁が形成されるので、包装箱1の強度を高めることができるとともに、耐衝撃性を向上させることもできる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。前記実施形態の包装箱1では、左側壁11と右側壁12の前端部に直線状の傾斜部17が形成されているが、傾斜部17の形状や角度は限定されるものではなく、内容物の取り出し易さや前壁13の強度などを考慮して適宜に設定すればよい。
【0039】
また、前記実施形態の第二の展示状態においては、内箱2を外箱3の上に置いているが、内箱2を外箱3に固定する固定部を形成してもよい。固定部を設ければ、包装箱の強度をより一層高められるとともに、安定した状態で展示することができる。
さらに、前記実施形態では、内箱2を覆う蓋部材として、箱状の外箱3が設けられているが、箱状に限定されるものではなく、単に内箱2の上部開口部を覆う蓋上であってもよい。
【0040】
また、前記実施形態では、連結板51に1本の折れ線が形成され、連結板51はV字状に折り曲げられているが、これに限定されるものではない。たとえば、折れ線を3本設けて連結板をW字状に折り曲げるようにしてもよい。このようにすれば、内箱2の傾斜角度を大きくすることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 包装箱
2 内箱(収容箱)
3 外箱(蓋部材)
11 左側壁
12 右側壁
13 前壁
14 後壁
15 胴部
16 底板
31 左側壁
32 右側壁
33 前壁
34 胴部
35 天板
51 連結板
52 支持脚部
S ブランクシート
図1
図2
図3
図4
図5