(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】表示制御装置、車両、表示制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20241106BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20241106BHJP
B60R 16/04 20060101ALI20241106BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20241106BHJP
【FI】
H02J13/00 301J
H02J7/35
B60R16/04 U
B60L3/00 S
(21)【出願番号】P 2021035784
(22)【出願日】2021-03-05
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹澤 彩香
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-213843(JP,A)
【文献】特開2012-242329(JP,A)
【文献】特開2010-119160(JP,A)
【文献】特開2016-141161(JP,A)
【文献】特開2011-242305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 7/35
B60R 16/04
B60L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された太陽光発電装置の瞬間発電量
と、前記車両の向きとを取得する取得部と、
取得された前記瞬間発電量に応じて、前記車両の表示部に表示される表示領域の面積を
、最大量を示す最大領域に対する割合において変化させる制御部と
、
前記車両の向き毎の前記瞬間発電量を推定する推定部と、
所定の駐車位置に対し、前記推定部で推定された前記瞬間発電量が最大となる前記車両の推奨する駐車方向を決定する決定部と、を備え、
前記制御部は、前記表示部に対して、
前記表示領域の割合の変化において、前記推奨する駐車方向に前記車両が駐車した場合の向きにおいて推定された前記瞬間発電量である推定瞬間発電量を表示させると共に、
決定された前記推奨する駐車方向の情報として、前記推奨する駐車方向で駐車した場合に増加する瞬間発電量を表示させる、
表示制御装置。
【請求項2】
前記太陽光発電装置による発電量を基に前記車両の走行可能距離を算出する車両算出部を備え、
前記制御部は、
前記表示部に対して前記走行可能距離を表示させる請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記太陽光発電装置による発電量を基に前記車両外の装置の使用可能量を算出する装置算出部を備え、
前記制御部は、
前記表示部に対して前記使用可能量を表示させる請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
請求項1~
3の何れか1項に記載の表示制御装置と、
前記表示制御装置に接続される前記太陽光発電装置と、
前記表示制御装置に接続される前記表示部と、
を備える車両。
【請求項5】
車両に搭載された太陽光発電装置の瞬間発電量
と、前記車両の向きとを取得し、
取得された前記瞬間発電量に応じて、前記車両の表示部に表示される表示領域の面積を
、最大量を示す最大領域に対する割合において変化させ
、
前記車両の向き毎の前記瞬間発電量を推定し、
所定の駐車位置に対し、推定された前記瞬間発電量が最大となる前記車両の推奨する駐車方向を決定し、
前記表示部の表示の制御において、
前記表示領域の割合の変化において、前記推奨する駐車方向に前記車両が駐車した場合の向きにおいて推定された前記瞬間発電量である推定瞬間発電量を表示させると共に、
決定された前記推奨する駐車方向の情報として、前記推奨する駐車方向で駐車した場合に増加する瞬間発電量を表示させる、
処理をコンピュータが実行する表示制御方法。
【請求項6】
車両に搭載された太陽光発電装置の瞬間発電量
と、前記車両の向きとを取得し、
取得された前記瞬間発電量に応じて、前記車両の表示部に表示される表示領域の面積を
、最大量を示す最大領域に対する割合において変化させ
、
前記車両の向き毎の前記瞬間発電量を推定し、
所定の駐車位置に対し、推定された前記瞬間発電量が最大となる前記車両の推奨する駐車方向を決定し、
前記表示部の表示の制御において、
前記表示領域の割合の変化において、前記推奨する駐車方向に前記車両が駐車した場合の向きにおいて推定された前記瞬間発電量である推定瞬間発電量を表示させると共に、
決定された前記推奨する駐車方向の情報として、前記推奨する駐車方向で駐車した場合に増加する瞬間発電量を表示させる、
処理をコンピュータに実行させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示制御装置、車両、表示制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の蓄電装置のSOC(State Of Charge)が、当該蓄電装置に蓄えられる電力の由来毎に区別して表示装置に表示させる点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の蓄電装置では、車両外部の太陽光発電装置からの電力に基づくSOCが表示される。しかし、車両に太陽光発電装置が搭載された場合において、現に発電されている電力の瞬間発電量をユーザに直感的に伝えるには改善の余地がある。
【0005】
本発明は、車両に搭載された太陽光発電装置が発電する場合において、瞬間発電量をユーザに対して直感的に伝えることを可能とする表示制御装置、車両、表示制御方法及び制御プログラムを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の表示制御装置は、車両に搭載された太陽光発電装置の瞬間発電量と、前記車両の向きとを取得する取得部と、取得された前記瞬間発電量に応じて、前記車両の表示部に表示される表示領域の面積を、最大量を示す最大領域に対する割合において変化させる制御部と、前記車両の向き毎の前記瞬間発電量を推定する推定部と、所定の駐車位置に対し、前記推定部で推定された前記瞬間発電量が最大となる前記車両の推奨する駐車方向を決定する決定部と、を備え、前記制御部は、前記表示部に対して、前記表示領域の割合の変化において、前記推奨する駐車方向に前記車両が駐車した場合の向きにおいて推定された前記瞬間発電量である推定瞬間発電量を表示させると共に、決定された前記推奨する駐車方向の情報として、前記推奨する駐車方向で駐車した場合に増加する瞬間発電量を表示させる。
【0007】
請求項1に記載の表示制御装置は、取得部が取得した瞬間発電量に応じて、制御部が表示部に表示される表示領域の面積を変化させる。そのため、当該表示制御装置によれば、車両に搭載された太陽光発電装置が発電する場合において、瞬間発電量をユーザに対して直感的に伝えることができる。
また、車両を駐車する前に瞬間発電量が最大となる駐車方向をユーザに案内することで、駐車時における発電量の増大を図ることができる。
【0008】
請求項2に記載の表示制御装置は、請求項1に記載の表示制御装置において、前記太陽光発電装置による発電量を基に前記車両の走行可能距離を算出する車両算出部を備え、前記制御部は、前記表示部に対して前記走行可能距離を表示させる。
【0009】
請求項2に記載の表示制御装置では、車両算出部が太陽光発電装置による発電量を基に車両の走行可能距離を算出すると、制御部は表示部に対して走行可能距離を表示させる。そのため、当該表示制御装置によれば、瞬間発電量のみならず、瞬間発電量の積算の結果として車両が走行可能とする距離をユーザに対して提供することができる。
【0010】
請求項3に記載の表示制御装置は、請求項1又は2に記載の表示制御装置において、前記太陽光発電装置による発電量を基に前記車両外の装置の使用可能量を算出する装置算出部を備え、前記制御部は、前記表示部に対して前記使用可能量を表示させる。
【0011】
請求項3に記載の表示制御装置では、装置算出部が太陽光発電装置による発電量を基に車両外の装置の使用可能量を算出すると、制御部は表示部に対して使用可能量を表示させる。そのため、当該表示制御装置によれば、瞬間発電量のみならず、瞬間発電量の積算の結果として車両外の装置が使用可能とする量をユーザに対して提供することができる。なお、使用可能とする量は、使用可能とする時間、及び回数を含む。
【0014】
請求項4に記載の車両は、請求項1~3の何れか1項に記載の表示制御装置と、前記表示制御装置に接続される前記太陽光発電装置と、前記表示制御装置に接続される前記表示部と、を備えている。
【0015】
請求項5に記載の車両によれば、搭載された太陽光発電装置が発電する場合において、瞬間発電量を車両のユーザである乗員に対して直感的に伝えることができる。
【0016】
請求項5に記載の表示制御方法は、車両に搭載された太陽光発電装置の瞬間発電量と、前記車両の向きとを取得し、取得された前記瞬間発電量に応じて、前記車両の表示部に表示される表示領域の面積を、最大量を示す最大領域に対する割合において変化させ、前記車両の向き毎の前記瞬間発電量を推定し、所定の駐車位置に対し、推定された前記瞬間発電量が最大となる前記車両の推奨する駐車方向を決定し、前記表示部の表示の制御において、前記表示領域の割合の変化において、前記推奨する駐車方向に前記車両が駐車した場合の向きにおいて推定された前記瞬間発電量である推定瞬間発電量を表示させると共に、決定された前記推奨する駐車方向の情報として、前記推奨する駐車方向で駐車した場合に増加する瞬間発電量を表示させる、処理をコンピュータが実行する。
【0017】
請求項5に記載の表示制御方法は、コンピュータが、取得した瞬間発電量に応じて、表示部に表示される表示領域の面積を変化させる。そのため、当該表示制御方法によれば、車両に搭載された太陽光発電装置が発電する場合において、瞬間発電量をユーザに対して直感的に伝えることができる。
また、車両を駐車する前に瞬間発電量が最大となる駐車方向をユーザに案内することで、駐車時における発電量の増大を図ることができる。
【0018】
請求項6に記載の制御プログラムは、車両に搭載された太陽光発電装置の瞬間発電量と、前記車両の向きとを取得し、取得された前記瞬間発電量に応じて、前記車両の表示部に表示される表示領域の面積を、最大量を示す最大領域に対する割合において変化させ、前記車両の向き毎の前記瞬間発電量を推定し、所定の駐車位置に対し、推定された前記瞬間発電量が最大となる前記車両の推奨する駐車方向を決定し、前記表示部の表示の制御において、前記表示領域の割合の変化において、前記推奨する駐車方向に前記車両が駐車した場合の向きにおいて推定された前記瞬間発電量である推定瞬間発電量を表示させると共に、決定された前記推奨する駐車方向の情報として、前記推奨する駐車方向で駐車した場合に増加する瞬間発電量を表示させる、処理をコンピュータに実行させる。
【0019】
請求項6に記載の制御プログラムは、コンピュータに次の処理を実行させる。すなわち、コンピュータは、取得した瞬間発電量に応じて、表示部に表示される表示領域の面積を変化させる。そのため、当該制御プログラムによれば、車両に搭載された太陽光発電装置が発電する場合において、瞬間発電量をユーザに対して直感的に伝えることができる。
また、車両を駐車する前に瞬間発電量が最大となる駐車方向をユーザに案内することで、駐車時における発電量の増大を図ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、車両に搭載された太陽光発電装置が発電する場合において、瞬間発電量をユーザに対して直感的に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施形態に係る車両及び給電システムの概略構成図である。
【
図2】第1の実施形態のソーラーECUのハードウェアの構成を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態のソーラーECUにおけるCPUの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態における表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】第3の実施形態のソーラーECUにおけるCPUの機能構成を示すブロック図である。
【
図8】第3の実施形態における表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0023】
[第1の実施形態]
図1に示されるように、第1の実施形態の給電システム10は、車両12に搭載されている。車両12は、EV(Electric Vehicle)又はHV(Hybrid Vehicle)が例示される。本実施形態の車両12は、太陽光発電装置であるソーラーパネル14を備えており、ソーラーパネル14において発電された電力を車両12の各装置群に給電することができる。また、本実施形態では、ソーラーパネル14において発電された電力により、後述する駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18を充電することができる。
【0024】
車両12は、給電システム10の他に、メータ30及びカーナビゲーションシステム32を少なくとも含む。
表示部としてのメータ30は、車両12の各種情報を表示する液晶モニタである。
カーナビゲーションシステム32は、車両12の現在位置及び向きを電子地図上に表示する装置である。
【0025】
給電システム10は、表示制御装置としてのソーラーECU20、ソーラーパネル14、ソーラーバッテリ15、駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18を含んで構成されている。ソーラーECU20は、ソーラーパネル14において発電された電力を制御する機能を有している。ソーラーECU20の詳細については後述する。
【0026】
ソーラーパネル14は、太陽光の照射を受けて発電する発電装置である太陽電池モジュールである。ソーラーパネル14は、例えば車両12の外装であるルーフ等に設置されている。ソーラーパネル14はソーラーECU20に対して接続されている。
【0027】
ソーラーバッテリ15は、一時的に電力を蓄えるためのバッテリであり、例えばリチウム電池やニッケル水素電池などの充放電可能な二次電池で構成されている。このソーラーバッテリ15は、ソーラーパネル14で発電された電力を蓄電すると共に、蓄電されている電力を駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18へ供給する。ソーラーバッテリ15は、ソーラーECU20に対して接続されている。
【0028】
駆動用バッテリ16は、車両12の駆動に関わる走行モータ等の駆動装置を動作させるための高電圧のバッテリであり、例えばリチウム電池やニッケル水素電池などの充放電可能な二次電池で構成されている。駆動用バッテリ16は、ソーラーECU20に接続されている。また、駆動用バッテリ16は、パワーコントロールユニットを介して走行モータに接続されており、車両12の加速時には走行モータに電力を供給したり、減速時には走行モータから電力の供給を受けたりする。
【0029】
補機バッテリ18は、車両12の駆動に関わる機器以外の補機類を動作させることができるバッテリであり、例えばリチウムイオン電池や鉛蓄電池などの充放電可能な二次電池で構成されている。補機バッテリ18は、ソーラーECU20に接続されている。
【0030】
ソーラーECU20は、ソーラーパネル14において発電された電力をソーラーバッテリ15に供給したり、ソーラーバッテリ15に蓄電されている電力を駆動用バッテリ16及び補機バッテリ18に供給したりする機能を有している。また、ソーラーECU20は、ソーラーバッテリ15における発電状態をメータ30に表示させる機能を有している。
【0031】
ソーラーECU20は、ソーラーパネル14により発電された電力をソーラーバッテリ15に供給するソーラーDCDCコンバータと、ソーラーバッテリ15の電力を、電圧を昇圧して駆動用バッテリ16に供給する昇圧DCDCコンバータと、を含む。また、ソーラーECU20は、ソーラーバッテリ15の電力を、電圧を降圧して補機バッテリ18に供給する降圧DCDCコンバータと、ソーラーバッテリ15の発電状態及び各DCDCコンバータを制御するマイコンと、を含む。
【0032】
図2に示されるように、ソーラーECU20のマイコンは、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、入出力I/F(Inter Face)20D及び通信I/F20Eを含んで構成されている。CPU20A、ROM20B、RAM20C、入出力I/F20D及び通信I/F20Eは、内部バス20Fを介して相互に通信可能に接続されている。
【0033】
CPU20Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20Aは、ROM20Bからプログラムを読み出し、RAM20Cを作業領域としてプログラムを実行する。
【0034】
ROM20Bは、各種プログラム及び各種データを記憶している。本実施形態のROM20Bには、制御プログラム100が記憶されている。この制御プログラム100は、ソーラーECU20を制御するためのプログラムである。
【0035】
RAM20Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0036】
入出力I/F20Dは、メータ30及びカーナビゲーションシステム32のそれぞれと通信するためのインタフェースである。
【0037】
通信I/F20Eは、他のECUと通信するためのインタフェースである。当該インタフェースは、例えば、CANプロトコルによる通信規格が用いられる。通信I/F20Eにより、メータ30はメータECUを介してソーラーECU20に接続され、カーナビゲーションシステム32はマルチメディアECUを介してソーラーECU20に接続されていてもよい。
【0038】
なお、ソーラーECU20は、ROM20Bに加えて又はROM20Bに代えて記憶部としてのストレージを含んでいてもよい。このストレージは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成される。
【0039】
図3に示されるように本実施形態のソーラーECU20では、CPU20Aが、制御プログラム100を実行することで、取得部200、制御部210及び算出部220として機能する。
【0040】
取得部200は、車両12に搭載されたソーラーパネル14の瞬間発電量を取得する機能を有している。
【0041】
制御部210は、ソーラーパネル14において発電される電力の状態をメータ30に表示させる機能を有している。本実施形態の制御部210は、取得部200において取得された瞬間発電量に応じて、メータ30に表示される表示領域PA(
図5参照)の面積を変化させる。また、制御部210は、メータ30に対して算出部220が算出した走行可能距離を表示させる。
【0042】
算出部220は、ソーラーパネル14による累積発電量を基に車両12の走行可能距離を算出する機能を有している。算出部220は車両算出部の一例である。
【0043】
(制御の流れ)
本実施形態のソーラーECU20において実行される表示制御処理の流れについて、
図4のフローチャートを用いて説明する。この表示制御処理は、CPU20Aが、上述した取得部200、制御部210及び算出部220として機能することにより実現される。
【0044】
図4のステップS100において、CPU20Aはソーラーパネル14の瞬間発電量を取得する。
【0045】
ステップS101において、CPU20Aは車両12の前回走行終了時からの累積発電量を算出する。
【0046】
ステップS102において、CPU20Aは累積発電量から使用可能量を算出する。本実施形態では使用可能量として車両12の走行可能距離を算出する。
【0047】
ステップS103において、CPU20Aは瞬間発電量及び使用可能量としての走行可能距離をメータ30に表示させる。そして、ステップS100に戻る。
【0048】
上述のステップS103の結果、
図5に示されるように、メータ30には瞬間発電量を示す表示領域PAと、走行距離に係る情報SDが表示される。表示領域PAは、予め設定された最大量を示す最大領域PBに対する割合として表示される。なお、最大領域PBは、ソーラーパネル14による発電が十分にできていることを示せればよく、瞬間発電量が最大領域PBに対応する最大量を超える場合であっても、表示領域PAは最大領域PBに留まるように表示される。
【0049】
(実施形態のまとめ)
本実施形態のソーラーECU20は、取得部200が取得した瞬間発電量に応じて、制御部210がメータ30に表示される表示領域PAの面積、つまり帯状の画像の長さを変化させる。そのため、本実施形態によれば、車両12に搭載されたソーラーパネル14が発電する場合において、瞬間発電量を車両12のユーザである乗員に対して直感的に伝えることができる。
【0050】
また、本実施形態のソーラーECU20では、算出部220がソーラーパネル14による発電量を基に車両12の走行可能距離を算出すると、制御部210はメータ30に対して走行可能距離を表示させる。そのため、本実施形態によれば、瞬間発電量のみならず、瞬間発電量の積算の結果として車両12が走行可能とする距離を乗員に対して提供することができる。
【0051】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、使用可能量として車両12の走行可能距離をメータ30に表示させたが、第2の実施形態では、使用可能量として車両12の外部の装置(以下、「外部装置」とする。)の使用可能量をメータ30に表示させる。以下、第1の実施形態との相違点について説明する。なお、同一の構成に対しては同一の符号を付しており、詳細な説明は割愛する。
【0052】
本実施形態における外部装置は、スマートフォンやパーソナルコンピューター等の携帯端末、電気ポットや送風機等の家電が例示される。
【0053】
本実施形態の制御部210は、メータ30に対して算出部220が算出した外部装置の使用可能とする量を表示させる。なお、使用可能とする量は、使用可能とする時間、及び回数を含む。
【0054】
本実施形態の算出部220は、ソーラーパネル14による累積発電量を基に外部装置の使用可能量を算出する機能を有している。算出部220は装置算出部の一例である。
【0055】
本実施形態の表示制御処理では、
図4のステップS102において、使用可能量として外部装置であるスマートフォンの充電可能回数を算出する。また、ステップS103において、CPU20Aは瞬間発電量及び使用可能量としてのスマートフォンの充電可能回数をメータ30に表示させる。
【0056】
上述のステップS103の結果、
図6に示されるように、メータ30には瞬間発電量を示す表示領域PAと、スマートフォンの充電可能回数に係る情報SQが表示される。
【0057】
本実施形態のソーラーECU20では、算出部220がソーラーパネル14による発電量を基に外部装置の使用可能量を算出すると、制御部210はメータ30に対してスマートフォンの充電可能回数を表示させる。そのため、当該表示制御装置によれば、瞬間発電量のみならず、瞬間発電量の積算の結果として外部装置が使用可能とする量を車両12のユーザである乗員に対して提供することができる。
【0058】
[第3の実施形態]
第1及び第2の実施形態では、瞬間発電量と共に使用可能量をメータ30に表示させたが、第3の実施形態では、車両12を駐車させる場合においてソーラーパネル14の発電量が最大となる情報をメータ30に表示させる。以下、第1の実施形態との相違点について説明する。なお、同一の構成に対しては同一の符号を付しており、詳細な説明は割愛する。
【0059】
図7に示されるように本実施形態のソーラーECU20では、CPU20Aが、制御プログラム100を実行することで、取得部200、制御部210、算出部220、推定部230及び決定部240として機能する。
【0060】
本実施形態の取得部200は、瞬間発電量の取得に加えて、カーナビゲーションシステム32から車両12の向き及び駐車位置のデータを取得する機能を有している。
【0061】
本実施形態の制御部210は、メータ30に対して後述する決定部240により決定された車両12の駐車方向の情報を表示させる。
【0062】
推定部230は、車両12の向き毎の瞬間発電量を推定する機能を有している。具体的には、推定部230は、現在の車両12の向きにおける瞬間発電量を基に、例えば、16方位毎の瞬間発電量を推定する。
【0063】
決定部240は、車両12の所定の駐車位置に対し、推定部230により推定された瞬間発電量が最大となる車両12の駐車方向を決定する機能を有している。例えば、決定部240は、車両12をこれから駐車する駐車スペースに対し、駐車方向が前進の場合と、後退の場合とで、より瞬間発電量が大きくなる駐車方向を決定する。
【0064】
次に本実施形態のソーラーECU20において実行される表示制御処理の流れについて、
図8のフローチャートを用いて説明する。この表示制御処理は、CPU20Aが、上述した取得部200、制御部210、算出部220、推定部230及び決定部240として機能することにより実現される。
【0065】
図8のステップS200において、CPU20Aはソーラーパネル14の瞬間発電量を取得する。
【0066】
ステップS201において、CPU20Aはカーナビゲーションシステム32から車両12の向きを取得する。
【0067】
ステップS202において、CPU20Aは車両12の向き毎の瞬間発電量を推定する。
【0068】
ステップS203において、CPU20Aは所定の駐車位置に対して推奨する駐車方向を決定する。
【0069】
ステップS204において、CPU20Aは瞬間発電量及び推奨する駐車方向をメータ30に表示させる。そして、ステップS200に戻る。
【0070】
上述のステップS204の結果、
図9に示されるように、メータ30には瞬間発電量を示す表示領域PA及び推定瞬間発電量PCと、推奨する駐車方向に係る情報PIとが表示される。推定瞬間発電量PCは、推奨する駐車方向に車両12が駐車した場合において推定された瞬間発電量である。また、推奨する駐車方向に係る情報PIは、推奨する駐車方向と共に、推奨する駐車方向で駐車した場合に増加する瞬間発電量が表示される。
【0071】
本実施形態のソーラーECU20では、推定部230が車両12の向き毎の瞬間発電量を推定し、決定部240が所定の駐車位置に対し、推定された瞬間発電量が最大となる駐車方向を決定する。そして、制御部210は、メータ30に対して決定された駐車方向の情報を表示させる。本実施形態によれば、車両12を駐車する前に瞬間発電量が最大となる駐車方向を車両12のユーザである乗員に案内することで、駐車時における発電量の増大を図ることができる。
【0072】
[備考]
なお、上記の各実施形態では、車両12に設けられた表示部であるメータ30に瞬間発電量等の情報を表示させていたが、表示させる表示部はこの限りではない。例えば、カーナビゲーションシステム32のモニタを表示部として、瞬間発電量等の情報を表示させてもよい。また例えば、スマートフォンの画面を表示部として、瞬間発電量等の情報を表示させてもよい。この場合の車両12は、ソーラーECU20の通信I/F20Eと接続されるDCM(Data Communication Module)を備え、DCMが5G、LTE、Wi-Fi(登録商標)等のネットワークに接続されることで、スマートフォンに情報を表示させることができる。
【0073】
また、上記の各実施形態は組み合わせてもよい。例えば、第1及び第2の実施形態を組み合わせて、瞬間発電量と共に車両12の走行可能距離と、スマートフォンの充電可能回数と、をメータ30に同時に表示させてもよい。
【0074】
また、上記各実施形態でCPU20Aがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した各種処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上述した各処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0075】
また、上記各実施形態において、プログラムはコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体に予め記憶(インストール)されている態様で説明した。例えば、ソーラーECU20における制御プログラム100は、ROM20Bに予め記憶されている。しかしこれに限らず、各プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0076】
上記実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
12 車両
14 ソーラーパネル(太陽光発電装置)
20 ソーラーECU(表示制御装置)
30 メータ(表示部)
100 制御プログラム
200 取得部
210 制御部
220 算出部(車両算出部、装置算出部)
230 推定部
240 決定部