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特許7581990制御装置、車内除菌システム、制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】制御装置、車内除菌システム、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60H 3/00 20060101AFI20241106BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B60H3/00 Z
A61L2/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021041596
(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公開番号】P2022141347
(43)【公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高橋 太郎
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-254673(JP,A)
【文献】特開2019-209827(JP,A)
【文献】特開2022-123569(JP,A)
【文献】国際公開第2022/123888(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第112316165(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00 - 3/06
A61L 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内部を除菌するために紫外線照射装置を制御する制御装置であって、
前記車両の状態として前記車両の利用スケジュールを取得する車両状態取得部と、
前記車両の利用スケジュールに基づいて、前記車両の内部に人が存在するか否かを判定する判定部と、
前記車両の利用スケジュールに基づいて、前記紫外線照射装置によって前記車両の内部を除菌する計画を策定する計画策定部と、
前記車両の内部に人が存在するか否かの判定結果を参照して策定された前記計画に基づいて、前記紫外線照射装置を制御する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記車両の内部に人が存在するとの判定結果の場合であっても、外部から人によって操作部を介して指定される前記紫外線照射装置を動作させる時間帯を優先して、前記紫外線照射装置による前記車両の内部の除菌を実行するために、前記紫外線照射装置を制御する、制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置と、
前記紫外線照射装置と、
前記制御装置の外部から人によって前記紫外線照射装置を動作させる時間帯を指定する操作部と、
を備える、車内除菌システム。
【請求項3】
前記紫外線照射装置は、前記車両の内部における人が接触する箇所に紫外線光を照射可能に当該車両に設けられている、請求項に記載の車内除菌システム。
【請求項4】
前記車両の利用状態を検出する第1の検出装置を備える、請求項又はに記載の車内除菌システム。
【請求項5】
前記車両のバッテリー残量又は前記車両のバッテリーの電圧を検出する第2の検出装置を備え、
前記紫外線照射装置の制御部は、前記車両のバッテリー残量又は前記車両のバッテリーの電圧が予め設定された閾値未満の場合、前記紫外線照射装置による紫外線光の照射を中止する、請求項乃至のいずれか1項に記載の車内除菌システム。
【請求項6】
前記車両の内部の空気を換気する換気装置を備える、請求項乃至のいずれか1項に記載の車内除菌システム。
【請求項7】
車両の内部を除菌するために紫外線照射装置を制御する制御方法であって、
前記車両の状態として前記車両の利用スケジュールを取得する工程と、
前記車両の利用スケジュールに基づいて、前記車両の内部に人が存在するか否かを判定する工程と、
前記車両の利用スケジュールに基づいて、前記紫外線照射装置によって前記車両の内部を除菌する計画を策定する工程と、
前記車両の内部に人が存在するか否かの判定結果を参照して策定された前記計画に基づいて、前記紫外線照射装置を制御する工程と、
を備え、
前記車両の内部に人が存在するとの判定結果の場合であっても、外部から人によって操作部を介して指定される前記紫外線照射装置を動作させる時間帯を優先して、前記紫外線照射装置による前記車両の内部の除菌を実行するために、前記紫外線照射装置を制御する、制御方法。
【請求項8】
車両の内部を除菌するために紫外線照射装置を制御する制御プログラムであって、
前記車両の状態として前記車両の利用スケジュールを取得する処理と、
前記車両の利用スケジュールに基づいて、前記車両の内部に人が存在するか否かを判定する処理と、
前記車両の利用スケジュールに基づいて、前記紫外線照射装置によって前記車両の内部を除菌する計画を策定する処理と、
前記車両の内部に人が存在するか否かの判定結果を参照して策定された前記計画に基づいて、前記紫外線照射装置を制御する処理と、
をコンピュータに実行させ、
前記車両の内部に人が存在するとの判定結果の場合であっても、外部から人によって操作部を介して指定される前記紫外線照射装置を動作させる時間帯を優先して、前記紫外線照射装置による前記車両の内部の除菌を実行するために、前記紫外線照射装置を制御する、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、車内除菌システム、制御方法及び制御プログラムに関し、例えば、車両の内部を除菌するために紫外線照射装置を制御する制御装置、車内除菌システム、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1の車内空間清浄化システムは、野菜や果実などの食品を収容する空間内に配置された光照射装置を備え、当該光照射装置によって空間内に紫外線光を照射する構成とされている。これにより、殺菌作用や消臭作用を得ることができる。このような車内空間清浄化システムは、イグニッションスイッチがオンの場合に光照射装置が動作する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-76529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、以下の課題を見出した。特許文献1の車内空間清浄化システムは、イグニッションスイッチがオンの場合、即ち、車両をユーザが利用する際に必ず光照射装置が動作する構成とされており、ユーザによっては、意図しない紫外線光の照射を不快に感じる可能性がある。
【0005】
本開示は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザの不快を抑制しつつ、車両の内部を除菌可能な、制御装置、車内除菌システム、制御方法及び制御プログラムを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の制御装置は、車両の内部を除菌するために紫外線照射装置を制御する制御装置であって、
前記車両の状態を取得する車両状態取得部と、
前記車両の状態に基づいて、前記車両の内部に人が存在するか否かを判定する判定部と、
前記車両の内部に人が存在するか否かの判定結果を参照して、前記紫外線照射装置を制御する制御部と、
を備える。
【0007】
上述の制御装置において、前記車両状態取得部は、前記車両の利用スケジュールを取得し、
前記判定部は、前記車両の利用スケジュールに基づいて、前記車両の内部に人が存在するか否かを判定することが好ましい。
【0008】
上述の制御装置は、前記車両の利用スケジュールに基づいて、前記紫外線照射装置によって前記車両の内部を除菌する計画を策定する計画策定部を備えることが好ましい。
【0009】
上述の制御装置において、前記車両状態取得部は、前記車両の利用状態を取得し、
前記判定部は、前記車両の利用状態に基づいて、前記車両の内部に人が存在するか否かを判定することが好ましい。
【0010】
本開示の一態様の車内除菌システムは、
上述の制御装置と、
前記紫外線照射装置と、
を備える。
【0011】
上述の車内除菌システムにおいて、前記紫外線照射装置は、前記車両の内部における人が接触する箇所に紫外線光を照射可能に当該車両に設けられていることが好ましい。
【0012】
上述の車内除菌システムは、前記車両の利用状態を検出する第1の検出装置を備えることが好ましい。
【0013】
上述の車内除菌システムは、前記車両のバッテリー残量又は前記車両のバッテリーの電圧を検出する第2の検出装置を備え、
前記紫外線照射装置の制御部は、前記車両のバッテリー残量又は前記車両のバッテリーの電圧が予め設定された閾値未満の場合、前記紫外線照射装置による紫外線光の照射を中止することが好ましい。
【0014】
上述の車内除菌システムは、前記制御装置の外部から人によって前記紫外線照射装置を操作する操作部を備えることが好ましい。
【0015】
上述の車内除菌システムは、前記車両の内部の空気を換気する換気装置を備えることが好ましい。
【0016】
本開示の一態様の制御方法は、車両の内部を除菌するために紫外線照射装置を制御する制御方法であって、
前記車両の状態を取得する工程と、
前記車両の状態に基づいて、前記車両の内部に人が存在するか否かを判定する工程と、
前記車両の内部に人が存在するか否かの判定結果を参照して、前記紫外線照射装置を制御する工程と、
を備える。
【0017】
本開示の一態様の制御プログラムは、車両の内部を除菌するために紫外線照射装置を制御する制御プログラムであって、
前記車両の状態を取得する処理と、
前記車両の状態に基づいて、前記車両の内部に人が存在するか否かを判定する処理と、
前記車両の内部に人が存在するか否かの判定結果を参照して、前記紫外線照射装置を制御する処理と、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、ユーザの不快を抑制しつつ、車両の内部を除菌可能な、制御装置、車内除菌システム、制御方法及び制御プログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施の形態1の車内除菌システムの制御系を示すブロック図である。
図2】実施の形態1の紫外線照射装置及び検出装置の配置を説明するための図である。
図3】実施の形態1の車両除菌システムを用いて車両の内部を除菌する流れを示すフローチャート図である。
図4】実施の形態2の車内除菌システムの制御系を示すブロック図である。
図5】実施の形態3の車内除菌システムの制御系を示すブロック図である。
図6】実施の形態4の車内除菌システムの制御系を示すブロック図である。
図7】車内除菌システム及び制御装置に含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0021】
<実施の形態1>
本実施の形態の車内除菌システムは、例えば、カーシェアリングで用いられる車両の内部を除菌するために好適である。図1は、本実施の形態の車内除菌システムの制御系を示すブロック図である。ここで、本開示の「除菌」は、細菌を除菌又は殺菌する場合に限らず、ウイルスを不活性化する場合も含む概念である。
【0022】
車内除菌システム1は、図1に示すように、紫外線照射装置2、検出装置3及び制御装置4を備えており、相互にネットワーク5を介して接続されている。ここで、ネットワーク5は、例えば、インターネットであり、電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築されている。但し、紫外線照射装置2と、検出装置3と、制御装置4と、は相互に有線又は無線によって接続されていればよい。
【0023】
紫外線照射装置2は、例えば、10nm~400nm程度の波長を有する紫外線光を出射する。図2は、本実施の形態の紫外線照射装置及び検出装置の配置を説明するための図である。紫外線照射装置2は、図2に示すように、車両6の内部に配置されている。このとき、紫外線照射装置2は、車両6の内部における人が接触する箇所に紫外線光を照射可能に当該車両6に配置されているとよい。
【0024】
詳細には、本実施の形態では、紫外線照射装置2として、第1の紫外線照射装置21、第2の紫外線照射装置22、及び第3の紫外線照射装置23を備えている。第1の紫外線照射装置21は、車両6のシート61や肘掛けなどに紫外線光を照射可能に当該車両6の内部に配置されており、例えば、車両6の天井62に設けられている。
【0025】
第2の紫外線照射装置22は、車両6のハンドル63の裏側に紫外線光を照射可能に当該車両6の内部に配置されており、例えば、車両6のフロントパネル64に設けられている。第3の紫外線照射装置23は、車両6のフロアマット65に紫外線光を照射可能に当該車両6の内部に配置されており、例えば、車両6のシート61の下部に設けられている。但し、紫外線照射装置2は、車両6の人が接触する箇所に紫外線光を照射可能であればよく、配置や個数は限定されない。
【0026】
検出装置3は、車両6への人の乗降などの当該車両6の利用状態を検出する。検出装置3は、例えば、カメラなどを備えている。検出装置3は、図2に示すように、車両6のシート61やバケットスペース66などが撮像範囲に含まれるように当該車両6の内部に配置されており、例えば、車両6の天井62などに設けられている。
【0027】
但し、検出装置3は、車両6の内部に存在する人を検出することができる、構成及び配置であればよく、車両6のシート61に設けられた荷重センサや呼吸センサ、又は赤外線カメラなどを備えていてもよい。
【0028】
制御装置4は、車両状態取得部41、判定部42、計画策定部43及び制御部44を備えている。車両状態取得部41は、車両6の状態を取得する。車両状態取得部41は、例えば、管理装置7から車両6の状態として、車両6の利用スケジュールや当該車両6の利用状態を取得する。
【0029】
管理装置7は、例えば、車両6の利用スケジュールなどを管理するために、カーシェアリング会社が所有しており、ネットワーク5に接続されている。管理装置7は、例えば、車両6の利用を希望する人(即ち、ユーザ)が入力した当該車両6の利用希望時間帯に基づいて、利用スケジュールを生成する。
【0030】
車両状態取得部41は、例えば、検出装置3から車両6の状態として、車両6の内部を撮像した画像を取得する。但し、車両状態取得部41は、車両6の状態を取得することができればよく、例えば、管理装置7を介さずにユーザが入力した車両6の利用希望時間帯を取得したり、検出装置3を備えていたり、してもよい。
【0031】
判定部42は、車両6の状態に基づいて、車両6の内部にユーザを含む人が存在するか否かを判定する。つまり、判定部42は、例えば、車両6の利用スケジュールが空いている時間帯を当該車両6の内部に人が存在しないと判定し、その他の時間帯を車両6の内部に人が存在する、と判定する。
【0032】
このとき、判定部42は、車両6の利用状態に基づいて、車両6の利用が利用スケジュールに対して早く終了している場合、車両6の内部に人が存在しないと判定することができる。
【0033】
また、判定部42は、車両6の内部を撮像した画像に基づいて、車両6の内部に人が存在するか否かを判定すると共に、車両6への人の乗降を判定する。判定部42は、例えば、当該画像に基づいて、人が車両6に乗車したと判定した場合、ユーザが車両6の利用を開始し、当該車両6の内部に存在すると判定する。一方、判定部42は、例えば、当該画像に基づいて、人が車両6から降車したと判定した場合、ユーザが車両6の利用を終了し、当該車両6の内部に存在しないと判定する。
【0034】
計画策定部43は、紫外線照射装置2によって車両6の内部を除菌する計画を策定する。計画策定部43は、例えば、車両6の利用終了時刻から予め設定された第1の時間を経過後から利用スケジュールにおける車両6の利用開始時刻に対して予め設定された第2の時間前まで、紫外線照射装置2によって車両6の内部を除菌する計画を策定する。但し、計画策定部43は、車両6の内部に人が存在しない間に紫外線照射装置2によって車両6の内部を除菌するように計画を策定すればよい。
【0035】
制御部44は、車両6の内部に人が存在するか否かの判定結果を参照して、紫外線照射装置2を制御する。制御部44は、例えば、紫外線照射装置2によって車両6の内部を除菌する計画に基づいて、紫外線照射装置2を制御する。
【0036】
次に、本実施の形態の車内除菌システム1を用いて車両6の内部を除菌する流れを説明する。図3は、本実施の形態の車両除菌システムを用いて車両の内部を除菌する流れを示すフローチャート図である。ここで、制御装置4の車両状態取得部41は、検出装置3からリアルタイムに車両6の内部の画像を取得するものとする。
【0037】
先ず、制御装置4の判定部42は、車両6の内部の画像に基づいて、ユーザが車両6から降車して当該車両6の利用が終了したか否かを判定する(S1)。ユーザが車両6の利用を終了していないと判定した場合(S1のNO)、制御装置4の判定部42は、S1の工程に戻る。
【0038】
一方、ユーザが車両6から降車して当該車両6の利用が終了したと判定した場合(S1のYES)、制御装置4の車両状態取得部41は、管理装置7から車両6の利用スケジュールを取得する(S2)。
【0039】
次に、制御装置4の計画策定部43は、車両6の利用スケジュールに基づいて、紫外線照射装置2による車両6の内部を除菌、つまり、紫外線照射装置2によって車両6の内部を照射する計画を策定する(S3)。そして、紫外線照射装置2による紫外線光の照射を開始する時刻になると、制御装置4の判定部42は、車両6の内部の画像に基づいて、ユーザを含む人が車両6の内部に存在するか否かを判定する(S4)。
【0040】
人が車両6の内部に存在する場合(S4のYES)、制御装置4は、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌を中止する(S5)。一方、人が車両6の内部に存在しない場合(S4のNO)、制御装置4の制御部44は、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌を実行するために、紫外線照射装置2を制御する(S6)。
【0041】
このとき、制御装置4の判定部42が車両6の内部の画像に基づいて、人が車両6の内部に存在するか否かを判定し(S7)、人が車両6の内部に存在する場合(S7のYES)、制御部44は、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌を中止するように、紫外線照射装置2を制御すればよい(S5)。一方、人が車両6の内部に存在しない場合(S7のNO)、制御部44は、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌を継続する。
【0042】
次に、制御装置4の制御部44は、紫外線照射装置2による紫外線光の照射を終了する時刻になると、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌を終了するように、紫外線照射装置2を制御する(S8)。
【0043】
このように本実施の形態の車内除菌システム1、制御装置4及び制御方法は、車両6の状態に基づいて、車両6の内部にユーザを含む人が存在しないことを確認し、車両6の内部に人が存在しない間に紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌を実行する。そのため、ユーザが意図しないタイミングで紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌が実行されず、ユーザの不快を抑制することができる。
【0044】
しかも、車両6がカーシェアリングの車両の場合、車両6の利用スケジュールに基づいて、複数のユーザにおける車両6の利用時間帯を管理装置7から一括して取得することができ、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌の計画を簡単に策定することができる。
【0045】
また、検出装置3によって車両6の利用状態を検出するので、車両6の内部に人が存在しないことを確認しつつ、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌を実行することができる。そのため、例えば、ユーザが車両6に忘れ物を取りに戻った際などに、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌を確実に中止することができる。
【0046】
<実施の形態2>
図4は、本実施の形態の車内除菌システムの制御系を示すブロック図である。なお、本実施の形態の車内除菌システム101は、実施の形態1の車内除菌システム1と略等しい構成とされているため、重複する説明は省略し、等しい要素には等しい符号を用いて説明する。
【0047】
本実施の形態の車内除菌システム101は、実施の形態1の車内除菌システム1に対して、換気装置102を備えている点で相違する。換気装置102は、車両6の内部の空気を換気可能な構成とされており、車両6に設けられている。このような換気装置102は、例えば、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌が実行されている間、動作させることができる。これにより、車両6の内部の除菌効果を向上させることができる。
【0048】
<実施の形態3>
図5は、本実施の形態の車内除菌システムの制御系を示すブロック図である。なお、本実施の形態の車内除菌システム201は、実施の形態1の車内除菌システム1と略等しい構成とされているため、重複する説明は省略し、等しい要素には等しい符号を用いて説明する。
【0049】
本実施の形態の車内除菌システム201は、検出装置(第1の検出装置)3に加えて、車両6のバッテリー残量又はバッテリーの電圧を検出する第2の検出装置202を備えている点で相違する。
【0050】
これにより、例えば、車両6のバッテリー残量又はバッテリーの電圧が予め設定された閾値未満の場合、制御装置4の制御部44は、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌を中止することができ、車両6のバッテリーの過放電を抑制することができる。
【0051】
<実施の形態4>
図6は、本実施の形態の車内除菌システムの制御系を示すブロック図である。なお、本実施の形態の車内除菌システム301は、実施の形態1の車内除菌システム1と略等しい構成とされているため、重複する説明は省略し、等しい要素には等しい符号を用いて説明する。
【0052】
本実施の形態の車内除菌システム301は、実施の形態1の車内除菌システム1に対して、外部から人が紫外線照射装置2を操作するための操作部302を備えている点で相違する。操作部302は、例えば、車両6のユーザが所有する携帯端末303に搭載されており、ネットワーク5に接続されている。
【0053】
このような操作部302をユーザが操作することで、操作部302は、紫外線照射装置2のON/OFFを操作したり、紫外線照射装置2を動作させる時間帯を指定したり、するための操作情報を制御装置4に送信する。
【0054】
そして、制御装置4の制御部44は、車両6の内部に人が存在するとの判定結果の場合であっても、操作部302の操作情報を優先して、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌を実行するために、紫外線照射装置2を制御することができる。
【0055】
この場合、例えば、車両6の内部にユーザが存在することになるが、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌が実行されることをユーザが認識しており、意図しない紫外線光の照射ではないため、ユーザの不快を抑制することができる。
【0056】
但し、本実施の形態では、操作部302の操作情報を優先しているが、例えば、検出装置3の検出結果を優先して、車両6の内部に人が存在する場合、紫外線照射装置2による車両6の内部の除菌を中止してもよい。
【0057】
<他の実施の形態>
上記実施の形態に係る車内除菌システム及び制御装置は、次のようなハードウェア構成を備えることができる。図7は、車内除菌システム及び制御装置に含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。上述した様々な実施の形態において、車内除菌システム及び制御装置における処理の手順を説明したように、本開示は制御方法としての形態も採り得る。
【0058】
図7に示す装置は、インタフェース403と共に、プロセッサ401及びメモリ402を備えている。上述した実施の形態で説明した車内除菌システム及び制御装置の一部の構成は、プロセッサ401がメモリ402に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現される。つまり、このプログラムは、プロセッサ401を車内除菌システム及び制御装置の一部の構成として機能させるためのプログラムである。このプログラムは、車内除菌システム及び制御装置に、その構成、又はその一部における処理を実行させるためのプログラムであると言える。
【0059】
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータ(情報通知装置を含むコンピュータ)に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、この例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、この例は、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM、EPROM、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0060】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0061】
例えば、上記複数の実施の形態を組み合わせて実施することもできる。
【0062】
例えば、上記実施の形態では、車両6の内部に存在する人を検出しているが、ペットなどの動物も検出し、車両6の内部に人又はペットなどが存在するか否かの判定結果を参照して、紫外線照射装置2を制御してもよい。
【0063】
例えば、上記実施の形態では、車両6の利用スケジュールに基づいて、紫外線照射装置2によって車両6の内部を除菌する計画を策定しているが、例えば、車両6の利用スケジュールを取得することなく、検出装置3の検出結果に基づいて、車両6の内部に人が存在しない間、紫外線照射装置2から紫外線光を照射させてもよい。このような形態は、ユーザに所有される車両に好適であり、計画策定部43を省略してもよい。
【0064】
例えば、上記実施の形態では、検出装置3の検出結果を参照しているが、検出装置3を省略し、車両6の利用スケジュールに基づいて、紫外線照射装置2から紫外線光を照射させてもよい。
【0065】
例えば、車両6の利用スケジュールに基づけば、制御装置4の判定部42は、直接的に車両6の内部に人が存在するか否かを判定する必要はないが、車両6が利用されない時間帯を抽出すれば、間接的に車両6の内部に人が存在するか否かを判定していることになる。つまり、「車両6の内部に人が存在するか否かを判定する」とは、直接的に判定する場合だけではなく、結果として判定している場合も含まれる概念である。
【符号の説明】
【0066】
1 車内除菌システム
2 紫外線照射装置、21 第1の紫外線照射装置、22 第2の紫外線照射装置、23 第3の紫外線照射装置
3 検出装置(第1の検出装置)
4 制御装置、41 車両状態取得部、42 判定部、43 計画策定部、44 制御部
5 ネットワーク
6 車両、61 シート、62 天井、63 ハンドル、64 フロントパネル、65 フロアマット、66 バケットスペース
7 管理装置
101 車内除菌システム
102 換気装置
201 車内除菌システム
202 第2の検出装置
301 車内除菌システム
302 操作部
303 携帯端末
401 プロセッサ
402 メモリ
403 インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7