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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】画像処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241106BHJP
   H04L 67/10 20220101ALI20241106BHJP
   H04L 51/04 20220101ALI20241106BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20241106BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241106BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G06F3/12 367
G06F3/12 326
G06F3/12 305
G06F3/12 322
G06F3/12 338
G06F3/12 388
H04L67/10
H04L51/04
H04L67/00
H04N1/00 127A
H04N1/00 912
B41J29/38 202
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021054033
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022151114
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】ルーベン アンソニー・レーネス
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-192016(JP,A)
【文献】特開2020-052491(JP,A)
【文献】特開2020-052507(JP,A)
【文献】特開2016-212761(JP,A)
【文献】特開2020-107128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00-29/70
H04N 1/00
G06F 13/00
H04L 51/00-51/58;67/00-67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを通じて互いにデータ通信を行う情報処理装置、チャットボットサーバー、管理サーバー、及び画像形成装置を備え、
前記チャットボットサーバーは、
前記情報処理装置及び前記管理サーバーとの間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第1通信部と、
第1制御部とを備え、
前記第1制御部は、
前記情報処理装置との間で、対話形式のメッセージを前記第1通信部により送受信させ、
前記情報処理装置から送信された画像データ及び前記メッセージが前記第1通信部で受信されると、前記メッセージに基づいてジョブ設定情報を生成し、当該生成したジョブ設定情報を前記第1通信部から前記管理サーバーに向けて送信させ、
前記ジョブ設定情報に適合する機能を有する前記画像形成装置の位置が前記管理サーバーから送信されて前記第1通信部で受信されると、前記受信された画像データ及びジョブ設定情報に対応付けてジョブ識別情報を設定し、前記画像データ、ジョブ設定情報、及びジョブ識別情報を前記第1通信部からネットワーク上のストレージに向けて送信させると共に、
前記ジョブ識別情報を示す1次元コード又は2次元コードを生成して、前記画像形成装置の位置及び前記1次元コード又は2次元コードを前記第1通信部から前記情報処理装置に向けて送信させ、
前記管理サーバーは、
前記チャットボットサーバー及び前記画像形成装置との間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第2通信部と、
第2制御部とを備え、
前記第2制御部は、
前記チャットボットサーバーから送信されたジョブ設定情報が前記第2通信部で受信されると、当該受信された前記ジョブ設定情報に適合する機能を有する画像形成装置を選択して、当該選択された画像形成装置の位置を前記第2通信部から前記チャットボットサーバーに向けて送信させ、
前記画像形成装置から送信されたジョブ識別情報が前記第2通信部で受信されると、前記第2通信部を通じて、当該受信されたジョブ識別情報に対応付けられた前記画像データ及びジョブ設定情報をネットワーク上の前記ストレージから取得し、当該取得された画像データ及びジョブ設定情報を第2通信部から前記画像形成装置に向けて送信させ、
前記情報処理装置は、
前記チャットボットサーバーとの間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第3通信部と、
表示部と、
前記チャットボットサーバーから送信された前記画像形成装置の位置を示す位置情報と、前記1次元コード又は2次元コードとが、前記第3通信部で受信されると、前記画像形成装置の位置と、前記1次元コード又は2次元コードとを前記表示部に表示させる第3制御部と、を備え、
前記画像形成装置は、
前記管理サーバーとの間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第4通信部と、
前記1次元コード又は2次元コードが入力される入力部と、
第4制御部とを備え、
前記第4制御部は、
前記1次元コード又は2次元コードが前記入力部に入力されると、当該入力された1次元コード又は2次元コードをジョブ識別情報に変換して、当該変換されたジョブ識別情報
を前記第4通信部から前記管理サーバーに向けて送信させ、
前記管理サーバーから送信された画像データ及びジョブ設定情報が前記第4通信部で受信されると、前記ジョブ設定情報に基づき前記画像データの処理を実行する、画像処理システム。
【請求項2】
複数の前記情報処理装置を備え、
前記チャットボットサーバーの前記第1制御部は、前記各情報処理装置との間で、対話形式のメッセージを前記第1通信部により送受信させ、前記各情報処理装置から送信されてくるそれぞれのジョブ設定情報が前記第1通信部で受信されると、前記各ジョブ設定情報を統合させる請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
複数の前記画像形成装置を備え、
前記管理サーバーの第2制御部は、前記各画像形成装置のうちから前記ジョブ設定情報に適合する機能を有する画像形成装置を選択して、当該選択された画像形成装置の位置を前記第2通信部から前記チャットボットサーバーに向けて送信させる請求項1又は請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記画像形成装置は複数とされ、
前記情報処理装置は、当該情報処理装置の位置を検出する位置検出部を更に備え、
前記情報処理装置の前記第3制御部は、前記位置検出部により検出された当該情報処理装置の位置を示す位置情報を前記第3通信部から前記チャットボットサーバーに向けて送信させ、
前記管理サーバーの前記第2制御部は、前記各画像形成装置のうちから前記ジョブ設定情報に適合する機能を有する複数の画像形成装置を選択し、前記情報処理装置から送信されて前記チャットボットサーバーにより中継されて取得した前記位置情報が前記第2通信部で受信されると、前記位置情報が示す前記情報処理装置の位置を、前記選択された各画像形成装置の予め設定されたそれぞれの位置と照合して、当該情報処理装置に最も近い位置にある画像形成装置を選択し、当該選択された画像形成装置の位置を前記第2通信部から前記チャットボットサーバーに向けて送信させる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記管理サーバーは、前記ネットワーク上の前記ストレージとして機能する記憶部を備える請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項6】
ネットワークを通じて情報処理装置及び画像形成装置との間でデータ通信を行うチャットボットサーバー及び管理サーバーを備えた画像処理システムであって、
前記チャットボットサーバーは、
前記情報処理装置及び前記管理サーバーとの間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第1通信部と、
第1制御部とを備え、
前記第1制御部は、
前記情報処理装置との間で、対話形式のメッセージを前記第1通信部により送受信させ、
前記情報処理装置から送信された画像データ及び前記メッセージが前記第1通信部で受信されると、前記メッセージに基づいてジョブ設定情報を生成し、当該生成したジョブ設定情報を前記第1通信部から前記管理サーバーに向けて送信させ、
前記ジョブ設定情報に適合する機能を有する前記画像形成装置の位置が前記管理サーバーから送信されて前記第1通信部で受信されると、前記受信された画像データ及びジョブ設定情報に対応付けてジョブ識別情報を設定し、前記画像データ、ジョブ設定情報、及びジョブ識別情報を前記第1通信部からネットワーク上のストレージに向けて送信させて記
憶させると共に、
前記ジョブ識別情報を示す1次元コード又は2次元コードを生成して、前記画像形成装置の位置及び前記1次元コード又は2次元コードを前記第1通信部から前記情報処理装置に向けて送信させ、
前記管理サーバーは、
前記チャットボットサーバー及び前記画像形成装置との間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第2通信部と、
第2制御部とを備え、
前記第2制御部は、
前記チャットボットサーバーから送信されたジョブ設定情報が前記第2通信部で受信されると、当該受信された前記ジョブ設定情報に適合する機能を有する画像形成装置を選択して、当該選択された画像形成装置の位置を前記第2通信部から前記チャットボットサーバーに向けて送信させ、
前記画像形成装置から送信されたジョブ識別情報が前記第2通信部で受信されると、前記第2通信部を通じて、当該受信されたジョブ識別情報に対応付けられた前記画像データ及びジョブ設定情報をネットワーク上のストレージから検索して取得し、当該取得された画像データ及びジョブ設定情報を第2通信部から前記画像形成装置に向けて送信させる、画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル、パーソナルコンピューター(PC)などの情報処理装置からネットワーク上のサーバーを経由して画像形成装置へと画像を送信し、画像形成装置により画像を処理する画像処理システムに関し、特にチャットボットを利用して、情報処理装置のユーザーとの対話に基づき処理を進行させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理システムとしては、情報処理装置からネットワーク上のサーバーを経由して画像形成装置へと画像を送信し、画像形成装置により画像を処理するものがある。また、チャットボットは、ユーザーに対して質疑応答を行うアプリケーションプログラムであり、上記の画像処理システムにも適用可能である。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の画像処理システムでは、ユーザー情報及び画像処理装置の情報を管理する管理手段と、チャットアプリケーションサービスにおけるボットとして、ユーザーの操作をサポートするチャットボット機能を提供する提供手段とを有し、提供手段は、チャットアプリケーションサービスのチャット画面を介して画像処理の要求を受け付けた場合、管理手段にて管理された情報に基づいて、当該画像処理の要求を行ったユーザーが利用可能な画像処理装置を複数の画像処理装置の中から特定し、特定した画像処理装置の情報を、チャット画面を介して提示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-033425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1では、ユーザーに対して、利用可能な画像処理装置の情報をチャット画面に提示し、また印刷データをその画像処理装置に送信して、画像処理装置により印刷を行わせている。
【0006】
しかしながら、ユーザーが、その画像処理装置まで出向いて、印刷された記録紙を取りに行くには時間を要するので、記録紙が放置されて、記録紙の印刷内容の機密性が保たれない可能性がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、ジョブ設定時の利便性を高めると共に、画像形成装置により処理される画像の機密性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に係る画像処理システムは、ネットワークを通じて互いにデータ通信を行う情報処理装置、チャットボットサーバー、管理サーバー、及び画像形成装置を備え、前記チャットボットサーバーは、前記情報処理装置及び前記管理サーバーとの間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第1通信部と、第1制御部とを備え、前記第1制御部は、前記情報処理装置との間で、対話形式のメッセージを前記第1通信部により送受信させ、前記情報処理装置から送信された画像データ及びジョブ設定情報が前記第1通信部で受信されると、当該受信されたジョブ設定情報を前記第1通信部から前記管理サーバーに向けて送信させ、前記ジョブ設定情報に適合する機能を有する前記画像形成装置の位置が前記管理サーバーから送信されて前記第1通信部で受信されると、前記受信された画像データ及びジョブ設定情報に対応付けてジョブ識別情報を設定し、前記画像データ、ジョブ設定情報、及びジョブ識別情報を前記第1通信部からネットワーク上のストレージに向けて送信させて記憶させると共に、前記ジョブ識別情報を示す1次元コード又は2次元コードを生成して、前記画像形成装置の位置及び前記1次元コード又は2次元コードを前記第1通信部から前記情報処理装置に向けて送信させ、前記管理サーバーは、前記チャットボットサーバー及び前記画像形成装置との間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第2通信部と、第2制御部とを備え、前記第2制御部は、前記チャットボットサーバーから送信されたジョブ識別情報が前記第2通信部で受信されると、当該受信されたジョブ設定情報に適合する機能を有する画像形成装置を選択して、当該選択された画像形成装置の位置を前記第2通信部から前記チャットボットサーバーに向けて送信させ、前記画像形成装置から送信されたジョブ識別情報が前記第2通信部で受信されると、前記第2通信部を通じて、当該受信されたジョブ識別情報に対応付けられた前記画像データ及びジョブ設定情報をネットワーク上のストレージから検索して取得し、当該取得された画像データ及びジョブ設定情報を第2通信部から前記画像形成装置に向けて送信させ、前記情報処理装置は、前記チャットボットサーバーとの間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第3通信部と、表示部と、前記チャットボットサーバーから送信された前記画像形成装置の位置を示す位置情報と、前記1次元コード又は2次元コードとが、前記第3通信部で受信されると、前記画像形成装置の位置と、前記1次元コード又は2次元コードとを前記表示部に表示させる第3制御部と、を備え、前記画像形成装置は、前記管理サーバーとの間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第4通信部と、前記1次元コード又は2次元コードが入力される入力部と、第4制御部とを備え、前記第4制御部は、前記1次元コード又は2次元コードが前記入力部に入力されると、当該入力された1次元コード又は2次元コードをジョブ識別情報に変換して、当該変換されたジョブ識別情報を前記第4通信部から前記管理サーバーに向けて送信させ、前記管理サーバーから送信された画像データ及びジョブ設定情報が前記第4通信部で受信されると、前記ジョブ設定情報に基づき前記画像データの処理を実行する、ものである。
【0009】
本発明の一局面に係る画像処理システムは、ネットワークを通じて情報処理装置及び画像形成装置との間でデータ通信を行うチャットボットサーバー及び管理サーバーを備えた画像処理システムであって、前記チャットボットサーバーは、前記情報処理装置及び前記管理サーバーとの間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第1通信部と、第1制御部とを備え、前記第1制御部は、前記情報処理装置との間で、対話形式のメッセージを前記第1通信部により送受信させ、前記情報処理装置から送信された画像データ及びジョブ設定情報が前記第1通信部で受信されると、当該受信されたジョブ設定情報を前記第1通信部から前記管理サーバーに向けて送信させ、前記ジョブ設定情報に適合する機能を有する前記画像形成装置の位置が前記管理サーバーから送信されて前記第1通信部で受信されると、前記受信された画像データ及びジョブ設定情報に対応付けてジョブ識別情報を設定し、前記画像データ、ジョブ設定情報、及びジョブ識別情報を前記第1通信部からネットワーク上のストレージに向けて送信させて記憶させると共に、前記ジョブ識別情報を示す1次元コード又は2次元コードを生成して、前記画像形成装置の位置及び前記1次元コード又は2次元コードを前記第1通信部から前記情報処理装置に向けて送信させ、前記管理サーバーは、前記チャットボットサーバー及び前記画像形成装置との間で、ネットワークを通じてデータ通信を行う第2通信部と、第2制御部とを備え、前記第2制御部は、前記チャットボットサーバーから送信されたジョブ識別情報が前記第2通信部で受信されると、当該受信されたジョブ設定情報に適合する機能を有する画像形成装置を選択して、当該選択された画像形成装置の位置を前記第2通信部から前記チャットボットサーバーに向けて送信させ、前記画像形成装置から送信されたジョブ識別情報が前記第2通信部で受信されると、前記第2通信部を通じて、当該受信されたジョブ識別情報に対応付けられた前記画像データ及びジョブ設定情報をネットワーク上のストレージから検索して取得し、当該取得された画像データ及びジョブ設定情報を第2通信部から前記画像形成装置に向けて送信させる、ものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ジョブ設定時の利便性を高められると共に、画像形成装置により処理される画像の機密性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態にかかる画像処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態の画像処理システムにおける画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態の画像処理システムにおける情報処理装置の主要構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態の画像処理システムにおけるチャットボットサーバーの主要構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態の画像処理システムにおける管理サーバーの主要構成を示すブロック図である。
図6】チャットボットサーバーと情報処理装置の間での対話形式のメッセージの送受信からジョブが実行されるまでの制御手順を示すフローチャートである。
図7】情報処理装置の表示部の画面におけるジョブ設定情報などが表示されたウィンドウを示す図である。
図8】情報処理装置の表示部の画面における画像形成装置の名称及び位置などが表示されたウィンドウを示す図である。
図9】情報処理装置の表示部の画面におけるQRコード(登録商標)などが表示されたウィンドウを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態にかかる画像処理システムの構成を示すブロック図である。本実施形態の画像処理システムSyでは、複数の画像形成装置10、情報処理装置30、チャットボットサーバー40、及び管理サーバー50をネットワーク(イントラネットなど)Nに接続し、ネットワークNを通じて、情報処理装置30とチャットボットサーバー40の間でデータ通信を行い、またチャットボットサーバー40と管理サーバー50の間でデータ通信を行い、更に各画像形成装置10と管理サーバー50の間でデータ通信を行う。なお、チャットボットサーバー40及び管理サーバー50を1つのサーバーで構成するものとしてもよい。
【0014】
図2は、画像形成装置10の主要構成を示すブロック図である。この画像形成装置10は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能のような複数の機能を兼ね備えたMFP(複合機)である。この画像形成装置10は、表示部11、操作部12、通信部14、タッチパネル13、画像読取部15、画像形成部16、記憶部17、制御ユニット18、及びコードリーダー21などを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0015】
表示部11は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。
【0016】
表示部11の画面には、タッチパネル13が重ねられている。タッチパネル13は、当該タッチパネル13に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置と共に検知し、その接触位置の座標を示す検知信号を制御ユニット18の制御部19に出力する。これにより、タッチパネル13を通じて表示部11の画面に表示されているGUI(Graphical User Interface)などの操作が可能となる。
【0017】
操作部12は、テンキー、決定キー、スタートキーなどのハードキーを備えている。
【0018】
画像読取部15は、コンタクトガラスに載置された原稿の画像を光学的に読み取るスキャナーを有し、この原稿の画像を示す画像データを生成する。
【0019】
画像形成部16は、感光体ドラム、感光体ドラムの表面を均一帯電させる帯電装置、感光体ドラムの表面を露光して、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する露光装置、感光体ドラムの表面の静電潜像をトナー像に現像する現像装置、及び感光体ドラムの表面のトナー像(画像)を記録媒体としての記録紙に転写する転写装置等を備え、上記画像データによって示される画像を記録紙に印刷する。
【0020】
通信部14は、LANチップなどの通信モジュールを備える通信インターフェイスである。この通信部14は、ネットワーク(イントラネットなど)Nを通じて、管理サーバー50に接続され、管理サーバー50との間でデータ通信を行う。
【0021】
コードリーダー21は、QRコード(登録商標)(二次元コードの一例)を読み取るための撮像カメラである。
【0022】
記憶部17は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0023】
制御ユニット18は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。この制御ユニット18は、上記のROM又は記憶部17に記憶された制御プログラムが上記プロセッサーで実行されることにより、制御部19として機能する。制御部19は、特許請求の範囲における第4制御部の一例である。
【0024】
制御部19は、画像形成装置10の全体的な制御を司る。また、制御ユニット18は、表示部11、操作部12、タッチパネル13、通信部14、画像読取部15、画像形成部16、記憶部17、及びコードリーダー21などと接続されている。制御部19は、上記各構成要素の制御や、各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0025】
制御部19は、種々の処理を実行する処理部としての役割を果たす。また、制御部19は、表示部11及び通信部14を制御する機能を有する。
【0026】
また、制御部19は、コードリーダー21により読取られた画像からQRコードを抽出して解析する。
【0027】
図3は、情報処理装置30の主要構成を示すブロック図である。この情報処理装置30は、例えば携帯型のスマートフォン又はモバイルなどである。情報処理装置30は、表示部31と、タッチパネル33と、通信部34と、記憶部37と、制御ユニット38とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0028】
表示部31は、液晶ディスプレイや有機ELなどから構成される。
【0029】
タッチパネル33は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式等のタッチパネルである。タッチパネル33は、表示部11の画面に配置され、当該タッチパネル33に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置と共に検知し、その接触位置の座標を示す検知信号を制御ユニット38の制御部39に出力する。これにより、タッチパネル33を通じて表示部31の画面に表示されているGUIなどの操作が可能となる。
【0030】
また、情報処理装置30は、ユーザー操作が入力される操作部として、上記のタッチパネル33に加えて物理キー32を備えている。
【0031】
通信部34は、例えば通信インターフェイスであり、ネットワークNを通じてチャットボットサーバー40に接続されて、チャットボットサーバー40との間でデータを送受信する。
【0032】
記憶部37は、SSDなどの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0033】
制御ユニット38は、プロセッサー、RAM、及びROMなどから構成される。制御ユニット38は、上記のROM又は記憶部37に記憶された制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部39として機能する。制御部39は、特許請求の範囲における第3制御部の一例である。
【0034】
制御部39は、情報処理装置30の全体的な制御を司る。また、制御ユニット38は、表示部31、物理キー32、タッチパネル33、通信部34、及び記憶部37などと接続されている。制御部39は、上記各構成要素の制御や、各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0035】
図4は、チャットボットサーバー40の主要構成を示すブロック図である。このチャットボットサーバー40は、通信部44と、記憶部47と、制御ユニット48とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0036】
通信部44は、通信インターフェイスであり、ネットワークNを通じて情報処理装置30及び管理サーバー50に接続されて、情報処理装置30及び管理サーバー50との間でデータを送受信する。
【0037】
記憶部47は、SSD又はHDDなどの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0038】
制御ユニット48は、プロセッサー、RAM、及びROMなどから構成される。制御ユニット48は、上記のROM又は記憶部47に記憶された制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部49として機能する。制御部49は、特許請求の範囲における第1制御部の一例である。
【0039】
制御部49は、チャットボットサーバー40の全体的な制御を司る。また、制御ユニット48は、通信部44及び記憶部47などと接続されている。制御部49は、上記各構成要素の制御や、各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0040】
制御部49は、チャットボットアプリケーション及びメッセージアプリケーションを記憶部47から読み出して実行し、チャットボットアプリケーションにより対話形式のメッセージを生成し、メッセージアプリケーションにより対話形式のメッセージを、通信部44を通じて情報処理装置30との間で送受信させる。
【0041】
図5は、管理サーバー50の主要構成を示すブロック図である。この管理サーバー50は、通信部54と、記憶部57と、制御ユニット58とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0042】
通信部54は、通信インターフェイスであり、ネットワークNを通じてチャットボットサーバー40に接続されて、チャットボットサーバー40との間でデータを送受信する。
【0043】
記憶部57は、SSD又はHDDなどの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0044】
制御ユニット58は、プロセッサー、RAM、及びROMなどから構成される。制御ユニット58は、上記のROM又は記憶部57に記憶された制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部59として機能する。制御部59は、特許請求の範囲における第2制御部の一例である。
【0045】
制御部59は、管理サーバー50の全体的な制御を司る。また、制御ユニット58は、通信部54及び記憶部57などと接続されている。制御部59は、上記各構成要素の制御や、各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。制御部59は、画像データなどを記憶部57に保存して管理する。
【0046】
このような構成の画像処理システムSyにおいて、チャットボットサーバー40は、情報処理装置30との間で対話形式のメッセージを送受信すると共に、情報処理装置30から送信された画像データを受信する。更にチャットボットサーバー40は、この受信された画像データ及び上記メッセージに基づいてジョブ設定情報Jを生成し、当該ジョブ設定情報Jに対応付けてジョブ識別情報IDを設定し、画像データ、ジョブ設定情報J、及びジョブ識別情報IDをネットワーク上のストレージに保存させる。また、チャットボットサーバー40は、管理サーバー50によりジョブ設定情報Jに適合する機能を有する画像形成装置10を選択させ、ジョブ識別情報ID及びストレージのアドレスを示すQRコードを生成し、その選択された画像形成装置10の位置を示す位置情報(以下、単に画像形成装置10の位置という)及びその生成されたQRコードを情報処理装置30に送信する。
【0047】
この画像形成装置10の位置及びQRコードは、情報処理装置30の表示部31に表示される。情報処理装置30のユーザーは、画像形成装置10の位置を見て、この画像形成装置10まで出向き、表示部31に表示されているQRコードを画像形成装置10のコードリーダー21により読み取らせる。画像形成装置10は、QRコードによって示されるジョブ識別情報ID及びストレージのアドレスを取得し、ジョブ識別情報IDに対応付けられている画像データ及びジョブ設定情報Jをそのストレージから管理サーバー50を経由して受信し、画像データ及びジョブ設定情報Jに基づきジョブ(プリントジョブ、ファクシミリジョブなど)を実行する。
【0048】
従って、ユーザーがQRコードを画像形成装置10のコードリーダー21に対して掲示させることを条件として、画像形成装置10により画像が処理されることとなる。これにより、画像形成装置10での処理対象とする画像の機密性を高く保持することができる。
【0049】
次に、上記のようにチャットボットサーバー40と情報処理装置30の間での対話形式のメッセージの送受信からジョブが実行されるまでの制御手順を、図6に示すフローチャートなどを参照して説明する。
【0050】
情報処理装置30において、ユーザーによる、表示部31の画面に表示されているGUIなどの操作で、タッチパネル33を通じてメッセージアプリケーションの実行指示が入力されると共に、メッセージの宛先としてチャットボットサーバー40を指定する指示を入力する。制御部39は、これら指示に応答して、メッセージアプリケーションを記憶部37から読み出して実行し(S101)、メッセージのウィンドウを表示部31の画面に表示させる。
【0051】
ここで、ユーザーによる、表示部31の画面に表示されているソフトキーボードなどの操作により、タッチパネル33を通じて、画像データのファイル名、ジョブの種類を示す情報が表示部31の画面に表示されているウィンドウから入力され、画像データ及びメッセージの送信指示が入力されたものとする。制御部39は、当該入力に従って、当該ファイル名の画像データを記憶部37から読み出して、この読み出された画像データ及びジョブの種類を示す情報を、通信部34からネットワークNを通じて、当該メッセージの宛先として指定されたチャットボットサーバー40に向けて送信させる(S102)。
【0052】
チャットボットサーバー40では、画像データ及びジョブの種類を示すメッセージが通信部44で受信されると(S201)、制御部49は、画像データを記憶部47に記憶させ、チャットボットアプリケーション及びメッセージアプリケーションを記憶部47から読み出して実行する。更に制御部49は、チャットボットアプリケーションによりその受信されたメッセージに対する応答のメッセージを生成させ、メッセージアプリケーションによりその応答のメッセージを通信部44からネットワークNを通じて情報処理装置30に送信させる(S202)。これにより、情報処理装置30との間で対話形式のメッセージの送受信を開始する。
【0053】
情報処理装置30では、チャットボットサーバー40からのメッセージが通信部34で受信される度に(S103)、制御部39は、その受信されたメッセージを表示部31の画面に表示させる(S104)。そして、ユーザーによる表示部31の画面に表示されているソフトキーボードなどを操作により、タッチパネル33を通じて、その受信されたメッセージに対する応答のメッセージが入力されると、制御部39は、メッセージアプリケーションによりその応答のメッセージを通信部34からネットワークNを通じてチャットボットサーバー40に向けて送信させる(S105)。
【0054】
チャットボットサーバー40の制御部49は、情報処理装置30との間でメッセージを送受信しつつ(S201、S202)、チャットボットアプリケーションによりその送受信されたメッセージからジョブ設定情報Jを生成させ、この生成されたジョブ設定情報Jをメッセージとして、通信部44からネットワークNを通じて、情報処理装置30に向けて送信させる。
【0055】
情報処理装置30では、ジョブ設定情報Jが通信部34で受信されると(S103)、制御部39は、その受信されたジョブ設定情報Jを表示部31の画面に表示させる(S104)。
【0056】
例えば、チャットボットサーバー40の制御部49は、その送受信されたメッセージに基づきジョブの種類として画像を記録紙に記録するプリントジョブを判定し、またモノクロを判定して、プリントジョブ及びモノクロを示すジョブ設定情報Jを生成し、ジョブ設定情報Jを通信部44から情報処理装置30に送信させる。情報処理装置30の制御部39は、ジョブ設定情報Jに基づき、図7に示すようなウィンドウWを表示部31の画面に表示させる。この図7に示すウィンドウWには、ジョブ設定情報Jとして、プリントジョブ、モノクロなどが表示されている。チャットサーバー40の制御部49は、情報処理装置30のタッチパネル33を通じて、ユーザーから、プリントジョブ、モノクロの他に、カラー、片面印刷又は両面印刷、印刷部数、記録紙のサイズなどを指定するメッセージ受け付け、当該メッセージが示す内容をジョブ設定情報Jとして生成してもよい。
【0057】
このとき、チャットボットサーバー40の制御部49は、チャットボットアプリケーションにより情報処理装置30から受信したメッセージに基づきジョブ設定情報Jの入力が終了したか否かを判定する(S203)。制御部49がジョブ設定情報Jの入力が終了していないと判定した場合(S203「No」)、S201、S202の処理を繰り返す。
【0058】
また、チャットボットサーバー40の制御部49は、情報処理装置30から受信したメッセージに基づき画像データのジョブ設定情報Jの入力が終了したと判定した場合は(S203「Yes」)、ジョブ設定情報Jを通信部34からネットワークNを通じて管理サーバー50に向けて送信させる(S204)。
【0059】
管理サーバー50では、ジョブ設定情報Jが通信部54で受信されると(S301)、制御部59は、ジョブ設定情報Jによって示されるプリントジョブ、カラー又はモノクロ、片面印刷又は両面印刷、印刷部数、記録紙のサイズなどを判定する。記憶部57には、各画像形成装置10別に、画像形成装置10の機能、名称、位置が登録された機能テーブルが予め記憶されている。制御部59は、この機能テーブルを参照して、ジョブ設定情報Jによって示されるプリントジョブ、カラー又はモノクロ、片面印刷又は両面印刷、印刷部数、記録紙のサイズなどに適合する機能を有する画像形成装置10を選択して、この選択した画像形成装置10の名称及び位置を取得する(S302)。そして、制御部59は、その取得した画像形成装置10の名称及び位置を、通信部54からネットワークNを通じてチャットボットサーバー40に向けて送信させる(S303)。
【0060】
チャットボットサーバー40では、画像形成装置10の名称及び位置が通信部44で受信されると(S205)、制御部49は、チャットボットアプリケーションによりその画像形成装置10の名称及び位置とジョブ設定情報Jを示すメッセージを生成させ、メッセージアプリケーションによりそのメッセージを通信部44からネットワークNを通じて情報処理装置30に向けて送信させる(S206)。
【0061】
情報処理装置30では、そのメッセージが通信部34で受信されると(S103)、制御部39は、このメッセージを表示部31の画面に表示させる(S104)。
【0062】
例えば、図8に示すように表示部31の画面のウィンドウWには、ジョブ設定情報J、ジョブ設定情報Jに適合する機能を有する画像形成装置10の名称及び位置がメッセージとして表示される。これにより、ユーザーに対して、ジョブ設定情報J、ジョブ設定情報Jに適合する機能を有する画像形成装置10の名称及び位置が通知される。なお、このメッセージは、ジョブ設定情報Jの変更又はジョブの実行の選択を促すメッセージとしてのテキストを含んでいる。
【0063】
情報処理装置30では、ユーザーによる、表示部31の画面に表示されているソフトキーボードなどを操作で、タッチパネル33を通じて、その受信されたメッセージに対する応答のメッセージが入力されると、制御部39は、その応答のメッセージを通信部34からネットワークNを通じてチャットボットサーバー40に向けて送信させる(S105)。
【0064】
このとき、情報処理装置30の制御部39は、ユーザーによる指示に従って、例えばジョブ設定情報Jの変更を指示する応答のメッセージを、通信部34からチャットボットサーバー40に向けて送信させたものとする(S105)。この場合、チャットボットサーバー40では、そのメッセージが通信部44で受信され、制御部49は、このメッセージに基づきジョブ設定情報Jの変更を判定して(S207「変更」)、S201、S202を再度繰り返して、対話形式のメッセージに基づきジョブ設定情報Jを変更する。制御部49は、ジョブ設定情報Jの入力が終了したと判定すると(S203「Yes」)、その変更されたジョブ設定情報Jを通信部34から管理サーバー50に向けて送信させる(S204)。
【0065】
管理サーバー50では、その変更されたジョブ設定情報Jが通信部54で受信されると(S301)、制御部59は、S302、S302を再度行って、その変更されたジョブ設定情報Jに適合する機能を有する画像形成装置10を選択し、この選択された画像形成装置10の名称及び位置を通信部54からチャットボットサーバー40に送信させる(S303)。
【0066】
チャットボットサーバー40では、その選択された画像形成装置10の名称及び位置が通信部44で受信されると(S205)、制御部49は、画像形成装置10の名称及び位置とジョブ設定情報Jを示すメッセージを生成し、このメッセージを通信部44からネットワークNを通じて情報処理装置30に向けて送信させる(S206)。
【0067】
情報処理装置30では、そのメッセージが通信部34で受信されると(S103)、制御部39は、このメッセージを表示部31の画面に表示させる(S104)。これにより、図8に示すメッセージが更新されて表示される。
【0068】
また、情報処理装置30では、ユーザーにより、ジョブ設定情報Jの変更を必要としない旨の指示が、タッチパネル33等を通じて入力されると、制御部39は、その受信されたメッセージに対してジョブの実行を示す応答のメッセージを通信部34からチャットボットサーバー40に向けて送信させる(S105)。
【0069】
チャットボットサーバー40では、ジョブの実行を示すメッセージが通信部44で受信されると、制御部49は、そのメッセージに基づきジョブの実行を判定して(S207「実行」)、S201で受信した画像データ及びジョブ設定情報Jに対応付けてジョブ識別情報IDを生成して設定し(S208)、画像データ、ジョブ設定情報J、及びジョブ識別情報IDを、通信部44を通じてネットワークN上のストレージに記憶させる(S209)。そして、制御部49は、ジョブ識別情報ID及びストレージのアドレスを、当該ジョブ識別情報ID及びストレージのアドレスを含むQRコードに変換し、このQRコードを添付したメッセージを生成し、このメッセージを通信部44からネットワークNを通じて情報処理装置30に向けて送信させる(S210)。
【0070】
情報処理装置30では、QRコードが添付されたメッセージが通信部34で受信されると(S103)、制御部39は、その受信されたメッセージを表示部31の画面に表示させる(S104)。例えば、図9に示すように表示部31の画面のウィンドウWには、QRコード、及びQRコードの使用方法がメッセージとして表示される。
【0071】
ユーザーは、図8に示す表示部31の画面に表示されたメッセージを見て、画像形成装置10の位置を知る。そして当然に、ユーザーは、当該QRコードが表示されている情報処理装置30を持っている。ユーザーは、情報処理装置30を持って画像形成装置10へと出向き、情報処理装置30の表示部31の画面に表示されているQRコードをコードリーダー21により読取らせて入力する。
【0072】
画像形成装置10の制御部19は、コードリーダー21によりQRコードが読取られて入力されると(S401)、この入力されたQRコードをジョブ識別情報ID及びストレージのアドレスに変換し(S402)、このジョブ識別情報ID及びストレージのアドレスを通信部14からネットワークNを通じて管理サーバー50へと送信させる(S403)。
【0073】
管理サーバー50では、ジョブ識別情報ID及びストレージのアドレスが通信部54で受信されると(S304)、制御部59は、通信部54を通じてネットワークN上のそのアドレスのストレージを検索し、ジョブ識別情報IDに対応付けられている画像データ及びジョブ設定情報Jを当該ストレージから読み出して取得し、この取得した画像データ及びジョブ設定情報Jを通信部54からネットワークNを通じて画像形成装置10に向けて送信させる(S305)。
【0074】
画像形成装置10では、画像データ及びジョブ設定情報Jが通信部14で受信されると(S404)、制御部19は、画像データ及びジョブ設定情報Jに基づきジョブを実行して、画像データを処理する(S405)。例えば、ジョブ設定情報Jがプリントジョブとモノクロを示している場合、制御部19は、画像形成部16を制御しつつ、画像データを画像形成部16に入力させて、画像データによって示される画像をモノクロで記録紙に記録させ、この記録紙を出力する。
【0075】
このように本実施形態では、情報処理装置30とチャットボットサーバー40の間で対話形式のメッセージを送受信して、ジョブ設定情報Jを生成し、画像データ及びジョブ設定情報Jをジョブ識別情報IDに対応付けてネットワークN上のストレージに記憶させ、ジョブ識別情報ID及びストレージのアドレスをQRコードに変換して、このQRコードを情報処理装置30の表示部31の画面に表示させ、このQRコードを画像形成装置10のコードリーダー21により読取らせて、このQRコードをジョブ識別情報ID及びストレージのアドレスに変換し、ジョブ識別情報IDに対応付けられた画像データ及びジョブ設定情報JをネットワークN上のそのアドレスのストレージから画像形成装置10へと送受信して、ジョブ設定情報Jに基づきジョブを実行している。これにより、ユーザーに手間をかけさせることなく、画像の機密性を高く維持することができる。すなわち、チャットボックスを用いたジョブ設定によりジョブ設定時の利便性が高められると共に、画像形成装置10では上記QRコードの読取を条件に画像の記録を行うことで、画像形成装置10で処理される画像の機密性が高められる。
【0076】
なお、上記実施形態では、QRコードを例示しているが、他の種類の2次元コードでも構わないし、或いは、バーコードなどの1次元コードを適用しても構わない。
【0077】
また、上記実施形態では、管理サーバー50の制御部59は、各画像形成装置10別に、画像形成装置10の機能、名称、位置が登録された機能テーブルを参照して、ジョブ設定情報Jに適合する機能を有する画像形成装置10を選択しているが、ジョブ設定情報Jに適合する機能を有する画像形成装置10を複数選択した場合に、この選択された各画像形成装置10のうちから情報処理装置30の位置に最も近い画像形成装置10を選択し、この選択された画像形成装置10の位置を通信部54からチャットボットサーバー40へと送信するようにしてもよい。
【0078】
この場合、情報処理装置30にGPS受信機を設けて、GPS受信機により情報処理装置30の位置を検出し、情報処理装置30の位置を、情報処理装置30からチャットボットサーバー40を中継して管理サーバー50へと送受信する。管理サーバー50では、情報処理装置30の位置が通信部34で受信されると、制御部59は、機能テーブルを参照して、ジョブ設定情報Jに適合する機能を有する複数の画像形成装置10の位置を取得し、更に情報処理装置30の位置に最も近い画像形成装置10を選択して、この選択された画像形成装置10の位置を通信部54からチャットボットサーバー40へと送信させる。この画像形成装置10の位置は、チャットボットサーバー40から情報処理装置30へと送受信されて、情報処理装置30の表示部31に表示され、ユーザーに通知される。
【0079】
また、チャットボットサーバー40の制御部49は、複数の情報処理装置30との間で、対話形式のメッセージを通信部44により送受信させ(グループチャット)、各情報処理装置30から送信されたジョブ設定情報Jが通信部34で受信されると、これらのジョブ設定情報Jを統合して、画像データ、その統合されたジョブ設定情報Jをジョブ識別情報IDに対応付けてもよい。この場合、画像形成装置10では、その統合されたジョブ設定情報Jに基づきジョブを実行する。
【0080】
また、ジョブの種類は、プリントジョブに限らず、ファクシミリジョブなどでもよい。ジョブ設定情報Jの内容は、ジョブの種類に応じて異なるものとなる。
【0081】
また、情報処理装置30は、スマートフォンやモバイルなどに限らず、パーソナルコンピューターであっても構わない。
【0082】
また、ネットワークN上のストレージは、格別に限定されるものではなく、他のサーバーあるいは管理サーバー50に設けられていてもよい。管理サーバー50では、記憶部57をネットワークN上のストレージとして適用することができる。
【0083】
また、図1乃至図9を用いて説明した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0084】
10 画像形成装置
11 表示部
13 タッチパネル
14 通信部
19 制御部
21 コードリーダー
30 情報処理装置
31 表示部
33 タッチパネル
34 通信部
39 制御部
40 チャットボットサーバー
44 通信部
49 制御部
50 管理サーバー
54 通信部
59 制御部
Sy 画像処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9